JP2011086167A - 情報抽出ルール作成支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】辞書記憶部22と、形態素解析処理部12と、主語特定処理部14と、構文解析処理部16と、各文節に抽象化タグを付与して素材文記憶部26に格納する抽象化処理部18と、複数の素材文が列挙されたルール編集画面40をクライアント端末30に送信し、特定企業の企業活動及び活動対象が記述されている素材文の選択を促し、素材文の選択情報が送信された場合に、当該素材文における企業名を含む文節、企業活動を含む文節及び活動対象を含む文節相互間の係り受け構造等を抽出条件として取り出し、所定の書式に従って記述した情報抽出ルール52を生成し、情報抽出ルール記憶部28に格納する情報抽出ルール生成部20を備えた支援システム10。
【選択図】図1
Description
請求項3に記載の情報抽出ルール作成支援システムによれば、自然文から企業活動に係る場所的要素を抽出可能な情報抽出ルールを作成することが可能となる。
情報抽出ルール生成部20には、ユーザが操作するクライアント端末30が通信ネットワークを介して接続されている。
また、上記の辞書記憶部22、抽象化ルール記憶部24、素材文記憶部26及び情報抽出ルール記憶部28は、同コンピュータのハードディスク内に設けられている。
「生産対象」や「販売対象」の代わりに、より上位概念的な「活動対象」の抽象化文字列を用いてもよい。
まず、形態素解析処理部12により、外部から入力されたWebファイル等のテキストデータ32に対する形態素解析が実行される。ここで「形態素解析」とは、自然言語で記述された文を、意味を有する最小の言語単位である形態素に分解し、それぞれの品詞を同定する処理をいう。
この形態素解析自体は公知技術であり、例えば以下のようなフリーソフトを形態素解析エンジンとして用いることができる。
(1) MeCab(http://mecab.sourceforge.net/)
(2) ChaSen(http://chasen.naist.jp/hiki/ChaSen/)
例えば、「携帯音楽プレーヤー」という語は、一般的な形態素解析エンジンに投入すると「携帯/名詞,サ変接続」、「音楽/名詞,一般名詞」、「プレーヤー/名詞,一般名詞」のように細分化されてしまうことになるが、活動対象辞書に「携帯音楽プレーヤー(一般)」が生産対象及び販売対象として登録されているため、形態素解析処理部12は「携帯音楽プレーヤー」という結合語を一形態素として認定している。
また、「ギガバイト」という語についても、一般的な形態素解析エンジンによれば「ギガ/名詞,一般名詞」、「バイト/名詞,一般名詞」のように細分化されてしまうが、活動対象辞書に「ギガバイト(固有)」が生産対象及び販売対象として登録されているため、形態素解析処理部12は「ギガバイト」という結合語を一形態素として認識できる。
例えば、「初芝」に関しては、企業名辞書に登録例が存在していたため、「企業名」という抽象化タグが品詞項目に追記される。また、「携帯音楽プレーヤー」及び「ギガバイト」に関しては、活動対象辞書に生産対象及び販売対象として登録されていたため、「生産対象」及び「販売対象」の抽象化タグが品詞項目に追記される。また、「関西」に関しては、地域名辞書に場所として登録されていたため、「場所」の抽象化タグが品詞項目に追記される。さらに、「発売」に関しては、企業活動辞書中に販売活動の一類型として登録例が存在していたため、「販売活動」という抽象化タグが品詞項目に追記される。
具体的には、図5に示すように、企業名の直後に「が〜」(助詞-格助詞)や「は〜」(助詞-係助詞)、あるいは「、〜」(記号-読点)が続く文字列が文中に存在していることを検知した場合、主語特定処理部14は当該企業名を主語と認定する。
また、主語特定処理部14は、企業名主語を認定した文の後に主語の存在しない文が続く場合、当該文に対しても先に認定した企業名主語を継承させる。
例えば、図6の(c)の文中からは主語に相当する文字列が検出されないが、この場合には前の文に登場した企業名主語が省略されているものと推定し、「初芝」が当該文の企業名主語として関連付けられる。
例えば、図6の(d)の「同社の新製品は、ソフコムが提供する公衆無線LANサービス…」という文が存在した場合、(d)'に示すように、企業代名詞の「同社」がその直前の文に関連付けられた企業名主語「初芝」に置き換えられる。
また、これ以降に主語に相当する文字列が存在しない文が続いた場合、主語特定処理部14は「サリー」を企業名主語としてこれらの文に関連付ける。
さらに、これ以降に企業代名詞を主語とする文が登場した場合、主語特定処理部14は「サリー」によって企業代名詞を置き換える。
ただし、このシステム10は企業に係る情報を抽出するためのルール作成を目的としているため、企業名以外の形態素が主語となっている文については、処理の対象外として排除される。
図7は、その分析結果を示すテーブルであり、文節毎に係り先文節IDが格納されている。また、図8は、この係り受け構造をイメージ化したものである。
この構文解析自体は公知技術であり、例えば以下のようなフリーソフトを構文解析エンジンとして用いることができる。
(1) KNP(http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html)
(2) CaboCha(http://chasen.org/~taku/software/cabocha/)
具体的には、図9(a)に示すように、形態素ID、形態素、品詞、文節IDを備えたテーブルがメモリ上に生成され、形態素に付加された抽象化タグが対応の文節に転記される。
これは、例えば、「新製品であるABCを〜」という表現が文中に存在した場合、「ABC」の部分を「生産対象物」と認定し、「ABCを」の文節に「生産対象物」の抽象化タグを割り当てることを意味する。あるいは、「小売り大手の米AAAマートは、〜」という表現が文中に存在した場合に、「AAAマート」の部分を「企業名」と認定し、「AAAマートは」の文節に「企業名」の抽象化タグを割り当てることが該当する。
このため、抽象化ルール記憶部24には、予め多数の抽象化ルールが格納されている。
(1) 企業名の抽象化
これは、企業活動を含む文節に係る文節で、助詞が「が」または「は」となる場合には、当該助詞の直前の形態素を企業名と認定するルールをいう。
例えば、図11の例で説明すると、「米オラテルは」という文節は、販売活動を意味する「出荷する」の文節に係っており、「は」の助詞を備えているため、その直前の形態素「オラテル」が企業名と認定される。
(2) 活動対象の抽象化
これは、企業活動を含む文節に係る文節で、助詞が「を」となる場合には、当該助詞の直前の形態素を活動対象物と認定するルールをいう。
図11の例でいえば、「『Core o7』を」という文節は、販売活動を意味する「出荷する」の文節に係っており、「を」の助詞を備えているため、その直前の形態素「Core o7」が販売対象と認定される。
また、各テキスト中の企業名に該当する文字列部分、企業活動に該当する文字列部分、活動対象に該当する文字列部分には、それぞれ固有のマーキング(装飾)が施されている。なお、先行する文の企業名主語を継承した場合には、「(初芝)」のように企業名が括弧付きで表示され、元から企業名が明記されている文と区別されている。
図においては、企業名、企業活動、活動対象、場所に対して異なるパターンの網掛けが施される例を示したが、それぞれに対して異なる色彩のマーカー表示(例えば、企業名=青色、企業活動=黄緑色、活動対象=オレンジ色、場所=黄緑色等)を施すこともできる。
この結果ユーザは、テキスト中からチェックすべき企業名、企業活動、活動対象、場所を一目で識別可能となる。
この文字列のマーキングに際しては、各文字列に関連付けられた抽象化タグや、当該文に関連付けられた企業名の情報(企業名の継承情報)が参照される。
この結果、抽出ノード表示欄48にユーザが選択した文字列(初芝、携帯音楽プレーヤー、ギガバイト、発売、関西)が表示される。この状態でユーザが「ルールを生成」のアンカーテキスト50をクリックすると、情報抽出ルール生成部20は、情報抽出ルールを生成する。
この図に示すように、ユーザが選択した「初芝」を含む「初芝は」の文節は、販売活動の抽象化タグが付された「発売する」の文節に係っており、「携帯音楽プレーヤー」の文節は「『ギガバイト』の」の文節に、「『ギガバイト』の」の文節は「新製品を」の文節に、「新製品を」の文節は「発売する」の文節に、「関西で」の文節は「発売する」の文節にそれぞれ係っている。
この情報抽出ルール52においては、まず「extraction(抽出対象)」として、「subject(主語)=<企業名>」、「predicate(述語)=<販売活動>」、「object(目的語)=<販売対象>」、「option(オプション)=<場所>」が定義されている。
また、「necessary(必須条件)」として、「<企業名>の文節が<販売活動>の文節に係っていること」、「<販売対象>の文節が(新製品を)の文節に係っていること」、「(新製品を)の文節が<販売活動>の文節に係っていること」が規定されている。
さらに、「optional(オプション条件)」として、「<場所>の文節が<販売活動>の文節に係っていること」が規定されている。
この情報抽出ルール52は、情報抽出ルール生成部20によって情報抽出ルール記憶部28に格納される。
なお、「場所」は必須条件ではなくオプション条件に過ぎないため、場所に係る文字列を含まない文に対しても適用可能なルールとなる。
主語(企業名):東洋自動車
述語(企業活動):販売
目的語(活動対象):スカイライナー
オプション(場所):アメリカ
これらの情報要素は相互に主語−述語−目的語−場所の関係を持っているため、これらの情報を検索用のデータベースとして多数蓄積しておくことにより、ノイズの少ない高精度の検索処理が実現可能となる。
しかしながらユーザは、他の多くの素材文に基づいて情報抽出ルールの作成作業を繰り返していくことで、このような文に適合可能なルールを作成可能となる。
この情報抽出ルール54を先の「東洋自動車は来月、スカイライナーを発売する。」の文に適用することにより、以下の情報を首尾良く抽出可能となる。
主語(企業名):東洋自動車
述語(企業活動):販売
目的語(活動対象):スカイライナー
例えば、図15(b)に示すように、「初芝は15日、携帯音楽プレーヤー『ギガバイト』の新製品の発売を延期すると発表した。」という文が与えられた場合、同図(a)の「初芝は、携帯音楽プレーヤー『ギガバイト』の新製品を15日、発売する。」と同じく、「初芝」、「携帯音楽プレーヤー」、「ギガバイト」、「発売」についてマーキングが施されることになる。
しかしながら、この(b)の文に基づいて情報抽出ルールを生成すると、ある企業が特定の企業活動の延期を発表したとする文の中から、当該企業が企業活動を積極的に行ったことを示す情報が誤って抽出される結果となる。
そこでユーザは、このような文を情報抽出ルール作成の対象からは意識的に除外する。
この文を構成する各文節は、図16(a)に示す係り受け構造を備えているため、情報抽出ルール生成部20は同図(b)に示すように、「<企業名>→<販売活動>」、「<販売対象>→<販売活動>」、「<販売活動>→(発表した)」及び「<場所>→<販売活動>」の係り受け関係を取り出し、同図(c)に示す情報抽出ルール56を生成する。
主語(企業名):東洋自動車
述語(企業活動):販売
目的語(活動対象):ハイブリッド車
場所:ヨーロッパ
============================
extraction:
subject <企業名>
predicate: <販売活動>
object: <販売対象>
necessary:
<販売対象> -> <販売活動>
============================
例えば、センテンス表示欄42において「投入」という文字列に企業活動(この場合は「販売活動」)であることを示すマーキングが施されていない場合、ユーザはマウス操作によって「投入」を選択状態となした上で、「活動として辞書に追加」のアンカーテキスト60をクリックする。
この結果、つぎに「投入」を含む文がセンテンス表示欄42に表示された際には、販売活動を示すマーキングが施されることとなる。
これを受けた情報抽出ルール生成部20は、当該文字列を辞書記憶部22の企業名辞書に企業名の一つとして追加登録する。
これを受けた情報抽出ルール生成部20は、当該文字列を辞書記憶部22の活動対象辞書に販売活動の一つとして追加登録する。
12 形態素解析処理部
14 主語特定処理部
16 構文解析処理部
18 抽象化処理部
20 情報抽出ルール生成部
22 辞書記憶部
24 抽象化ルール記憶部
26 素材文記憶部
28 情報抽出ルール記憶部
30 クライアント端末
32 テキストデータ
40 ルール編集画面
42 センテンス表示欄
44 「販売活動」タブ
46 「生産活動」タブ
48 抽出ノード表示欄
50 「ルールを生成」のアンカーテキスト
52 情報抽出ルール
54 情報抽出ルール
56 情報抽出ルール
58 「企業として辞書に追加」のアンカーテキスト
60 「活動として辞書に追加」のアンカーテキスト
62 「対象として辞書に追加」のアンカーテキスト
Claims (7)
- 具体的な表現文字列と、その種類を示す抽象化文字列との対応関係を登録した辞書と、
テキストデータ中の各文を形態素単位に分解する手段と、
上記の辞書を参照し、各形態素の中で企業名、企業活動、活動対象に該当するものに対して対応の抽象化タグを関連付ける手段と、
各文中の企業名主語を探索する手段と、
企業名主語を備えた文を、素材文として素材文記憶手段に格納する手段と、
この素材文記憶手段から素材文を取り出し、これらを所定のテンプレートに充填してルール編集画面を生成する手段と、
このルール編集画面をクライアント端末に送信し、特定企業の企業活動及び活動対象が記述されている素材文の選択を促す手段と、
クライアント端末から特定の素材文の選択情報が送信された場合に、当該素材文における企業名を含む文節、企業活動を含む文節及び活動対象を含む文節相互間の係り受け構造、またはこれら企業名を含む文節、企業活動を含む文節及び活動対象物を含む文節と企業名、企業活動、活動対象物以外の文字列を含む文節との間の係り受け構造を抽出条件として取り出し、これを所定の書式に従って記述した情報抽出ルールを生成する情報抽出ルール生成手段と、
この情報抽出ルールを情報抽出ルール記憶手段に格納する手段と、
を備えたことを特徴とする情報抽出ルール作成支援システム。 - 上記ルール編集画面中の各素材文には、企業名を示す文字列部分、企業活動を示す文字列部分、活動対象を示す文字列部分に対して、それぞれの種類を識別するためのマーキングが施されていることを特徴とする請求項1に記載の情報抽出ルール作成支援システム。
- 上記の辞書を参照し、各形態素の中で場所に該当するものに対して対応の抽象化タグを関連付ける手段を備え、
上記情報抽出ルール生成手段は、クライアント端末から特定の素材文の選択情報が送信された場合に、当該素材文中に場所の抽象化タグが関連付けられた形態素が含まれているときには、当該場所を示す形態素が含まれた文節と、他の文節との係り受け構造を任意的な抽出条件として取り出し、これを含めた情報抽出ルールを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報抽出ルール作成支援システム。 - 文中に主語が存在しない場合に、当該文の前に位置する文において企業名主語が存在しており、かつ、当該文と上記企業名主語が存在する文との間に他の企業名主語及び企業名以外の形態素を主語とする文が介在していないときには、上記企業名主語を当該主語の存在しない文の企業名主語として関連付ける手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の情報抽出ルール作成支援システム。
- 文中に企業代名詞が主語として含まれていた場合に、当該文の前に位置する文において企業名主語が存在しており、かつ、当該文と上記企業名主語が存在する文との間に他の企業名主語及び企業名以外の形態素を主語とする文が介在していないときには、当該企業代名詞を上記企業名主語の企業名に置き換える手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の情報抽出ルール作成支援システム。
- 予め設定された正規表現ルールを各文に対して適用し、当該正規表現ルールにマッチする形態素を企業名、企業活動、活動対象物の何れかであると認定すると共に、当該形態素に対して対応の抽象化タグを関連付ける手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の情報抽出ルール作成支援システム。
- 予め設定された係り受けルールを各文に対して適用し、当該係り受けルールにマッチする文節の形態素を企業名、企業活動、活動対象物の何れかであると認定すると共に、当該形態素に対して対応の抽象化タグを関連付けることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の情報抽出ルール作成支援システム。
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