JP2011082904A - シリアル受信回路、シリアル受信装置、無線基地局、移動通信装置および干渉補償方法 - Google Patents

シリアル受信回路、シリアル受信装置、無線基地局、移動通信装置および干渉補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クロストークノイズが原因で生じる受信信号の信号特性の劣化を抑制することができないという問題を解決するシリアル受信回路を提供する。
【解決手段】N倍サンプリング回路1は、伝送路を経由して入力されたシリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成する。補償処理部2は、N倍サンプリング回路にて生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、その加算信号と、伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、加算信号に対するSINRが最大となるように、重み値を調整する。出力回路3は、補償処理部2にて生成された加算信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリアル受信回路、シリアル受信装置、無線基地局、移動通信装置および干渉補償方法に関し、特には、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やLTE(Long Term Evolution)無線通信システムで使用されるシリアル受信回路、シリアル受信装置、無線基地局、移動通信装置および干渉補償方法に関する。
ディジタル携帯電話システムなどの無線通信システムで使用される無線送信装置における、ベースバンド信号に対する信号処理を行うデバイス間の信号伝送には、大量なデータを短い時間で伝送できる高いスループット能力が要求される。
高いスループット能力を実現する方法として、シリアル信号の周波数を高くする方法が知られている。上記のデバイス間の信号伝送には、通常、シリアル信号が用いられるが、そのシリアル信号の周波数を高くすると、シリアル信号を高速で伝送させることが可能になる。したがって、シリアル信号の周波数を高くすることで、高いスループット能力を実現することが可能になる。なお、現在では、シリアル信号の周波数は、高いスループット能力を実現するために、数GHz程度まで高くなっている。
また、受信信号の信号特性を向上させることで高いスループット能力を実現することができる。これは、受信信号の信号特性が向上すると、受信信号の誤り率(ビットエラーレート)を低減化して、伝送信号の再送などを抑制することができるためである。
伝送信号の信号特性を向上させることが可能な技術には、例えば、ハイパスフィルタを有するイコライザや、特許文献1に記載の分数間隔等化器がある。
ハイパスフィルタを有するイコライザでは、低周波ノイズを軽減することできるので、受信信号の信号特性を向上させることが可能になる。
また、特許文献1に記載の分数間隔等化器は、電波の伝搬距離の差によって生じる周波数選択性フェージングと呼ばれる受信信号の歪みを抑制することで、伝送信号の信号特性を向上させている。なお、周波数選択性フェージングでは、歪みが生じる周波数領域が時間と共に変化する。
特許文献1に記載の分数間隔等化器は、受信信号をサンプリングレートのK(≧2)倍のレートでオーバーサンプリングし、そのオーバーサンプリングした受信信号をフーリエ変換する。また、分数間隔等化器は、そのフーリエ変換した受信信号に基づいて、伝送路の伝達関数と、受信信号電力の分散と受信機の雑音電力の分散とを推定する。分数間隔等化器は、その伝達関数と、受信信号電力および雑音電力の分散とに基づいて、受信信号の各周波数成分の電力を等化するためのウェイトを求める。そして、分数間隔等化器は、そのウェイトをフーリエ変換した受信信号に乗算して、受信信号を等化する。
これにより、受信信号の各周波数成分の電力を等化することができるので、周波数選択性フェージングを補償することが可能になる。
特開2006−245810号公報
近年、無線送信装置において、同時に受信できるチャネルの数が増加している。これに伴い、シリアル信号を高速で伝送させるための高速シリアル配線や、シリアル‐パラレル変換器であるSERDES(SERializer/DESerialize)の数が増加している。
無線送信装置の規模の増加を抑制しながら、高速シリアル配線やSERDESの数を増やすと、高速シリアル配線間の距離が短くなる。この場合、高速シリアル配線を伝送する伝送信号が他の高速シリアル配線に漏れるクロストークが発生することがあった。クロストークが発生すると、クロストークノイズと呼ばれる高周波ノイズが発生し、伝送信号の信号特性が劣化するという問題があった。
なお、通常、クロストークノイズの量は小さいため、低速なシリアル信号では、信号特性が大きく劣化することはない。しかしながら、高速なシリアル信号である数GHz程度のシリアル信号は、減衰し易い。このため、伝送信号が高速なシリアル信号の場合、わずかなクロストークノイズでも伝送信号の信号特性が大きく劣化する。
上記のハイパスフィルタを有するイコライザでは、低周波ノイズを軽減することはできても、クロストークノイズのような高周波ノイズを軽減することができない。したがって、クロストークノイズが原因で生じる伝送信号の信号特性の劣化を抑制することができないという問題があった。
また、特許文献1に記載の分数間隔等化器は、受信信号の各周波数成分の電力を等化するだけで、ノイズ成分の抑制をすることはできない。なお、特許文献1に記載の分数間隔等化器では、伝達関数の値によって生じるノイズ成分の増強の抑制することができるが、ノイズ成分の抑制は行われていない。
したがって、特許文献1に記載の分数間隔等化器は、ハイパスフィルタを有するイコライザと同様に、クロストークノイズが原因で生じる受信信号の信号特性の劣化を抑制することができないという問題があった。
本発明の目的は、上記の課題である、クロストークノイズが原因で生じる受信信号の信号特性の劣化を抑制することができないという問題を解決するシリアル受信回路、シリアル受信装置、無線基地局、移動通信装置および干渉補償方法を提供することである。
本発明によるシリアル受信回路は、伝送路を経由して入力されたシリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成するサンプリング手段と、前記サンプリング手段にて生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、当該加算信号と、前記伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、前記加算信号に対する信号対干渉雑音電力比が最大となるように、前記重み値を調整する補償手段と、前記補償手段にて生成された加算信号を出力する出力手段と、を有する。
また、本発明によるシリアル受信装置は、上記のシリアル受信回路を複数備え、各シリアル受信回路のサンプリング手段には、それぞれ異なる伝送路を経由したシリアル信号が入力される。
また、本発明による無線基地局は、上記のシリアル受信装置を含む。
また、本発明による移動通信装置は、上記のシリアル受信装置を含む。
また、本発明による干渉補償方法は、伝送路を経由してシリアル信号が入力されるシリアル受信回路による干渉補償方法であって、前記シリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成するサンプリングステップと、前記生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、当該加算信号と、前記伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、前記加算信号に対する信号対干渉雑音電力比が最大となるように、前記重み値を調整する補償ステップと、前記補償ステップにて生成された加算信号を出力する出力ステップと、を有する。
本発明によれば、クロストークノイズが原因で生じる受信信号の信号特性の劣化を抑制することが可能になる。
本発明の第一の実施形態のシリアル受信回路の構成を示したブロック図である。 参照信号の一例を説明するための説明図である。 第一の実施形態のシリアル受信回路による効果を説明するための説明図である。 本発明の第二の実施形態の通信システムを示したブロック図である。 シリアル受信回路の構成の一例を示したブロック図である。 第二の実施形態の通信システムの動作を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有する構成には同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明による第一の実施形態の受信回路の構成を示したブロック図である。図1において、シリアル受信回路10は、N倍サンプリング回路1と、補償処理部2と、出力回路3とを有する。
N倍サンプリング回路1は、サンプリング手段と呼ばれることもある。N倍サンプリング回路1には、所定の伝送路を経由してシリアル信号が入力される。N倍サンプリング回路1は、その入力されたシリアル信号である受信信号をオーバーサンプリングして複数のサンプル信号を生成する。
オーバーサンプリングは、受信信号の周波数よりも高い周波数でその受信信号をサンプリングすることである。なお、本実施形態では、N倍サンプリング回路1は、受信信号の周波数のN倍の周波数で受信信号をサンプリングするものとする。したがって、N倍サンプリング回路1は、受信信号の1UI(unit interval)ごとに、受信信号をN箇所サンプリングすることになる。なお、Nは、2以上の整数である。
補償処理部2は、補償手段と呼ばれることもある。補償処理部2は、N倍サンプリング回路1にて生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する複数の重み値(ウェイト)で重み付けしてから加算した加算信号を生成する。なお、重み値は、サンプル信号の数と同じN個ある。
補償処理部2は、その生成した加算信号と、伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、加算信号に対するSINR(Signal to noise plus interference Ratio:信号対干渉雑音電力比)が最大となるように、重み値を調整する。
参照信号は、より正確には、伝送路を経由する前のシリアル信号のレプリカ信号である。参照信号は、ノイズ成分が加わる前の受信信号と同じになるので、最適な受信信号と同じになる。したがって、補償処理部2は、加算信号と参照信号とに基づいて、加算信号に対するSINRが最大となるように重み値を調整することが可能になる。
参照信号としては、受信信号に含まれる特定のデータ列を示す信号を用いることができる。
例えば、受信信号が8B10B方式でエンコードされている場合、受信信号に含まれる同期用の制御信号であるKコードや特定のDコードは、固定のパターンを有するため、参照信号として、そのKコードやDコードを用いることができる。具体的には、参照信号として、受信信号のトレーニングシンボルに含まれるデータ列を示す信号であるKコードおよびDコードを用いることができる。
図2は、参照信号の一例を説明するための説明図である。なお、図2では、シリアル信号を送信する送信回路において、シリアル信号は8B10B方式でエンコードされている。また、送信回路とシリアル受信回路10とのI/F(interface)規格として、CPRI(Common Public Radio Interface)規格、より具体的には、CPRI‐2.4576Gbps規格が用いられている。
CPRI規格におけるシリアル信号は、シリアル信号をパラレル信号に変換するための同期用の制御信号(Control Word)を含むトレーニングシンボル(Training Symbols)がデータシンボル(Data Symbols)に周期的に挿入されている。
CPRI‐2.4576Gbps規格におけるトレーニングシンボルでは、K28.5、D16.2、D16.2およびD16.2が順番に続いている。また、トレーニングシンボルは、66.66us周期でデータシンボルに挿入されている。なお、トレーニングシンボルでは、K28.5、D5.6、D16.2およびD16.2が順番に続いていることもある。
したがって、上記のトレーニングシンボルに含まれるKコードおよびDコードを示す信号を参照信号(Reference Symbols)として用いることで、参照信号を、伝送路を経由する前のシリアル信号のレプリカ信号とすることができる。
なお、CPRI規格以外のI/F規格でも、Kコードが同期用の制御信号として用いられることが多い。このため、I/F規格に応じたKコードを参照信号として用いることができる。
図1に戻る。補償処理部2が重み値を調整するアルゴリズムは、特に限定されない。例えば、補償処理部2は、MMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均自乗誤差)アルゴリズムを用いて重み値を調整することができる。この場合、補償処理部2は、加算信号と参照信号との誤差を示す誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように重み値を調整する。
誤差信号の平均自乗誤差が最小となると、受信信号内の参照信号と相関の低い信号が抑制され、加算信号に対するSINRが最大となるので、補償処理部2は、誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように重み値を調整することで、加算信号の信号対干渉雑音電力比が最大となるように重み値を調整することになる。
出力回路3は、出力手段と呼ばれることもある。出力回路3は、補償処理部2にて生成された加算信号を出力する。
本実施形態によれば、N倍サンプリング回路1は、伝送路を経由して入力されたシリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成する。補償処理部2は、N倍サンプリング回路にて生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、その加算信号と、伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、加算信号に対するSINRが最大となるように、重み値を調整する。出力回路3は、補償処理部2にて生成された加算信号を出力する。
この場合、受信信号がオーバーサンプリングされて複数のサンプル信号が生成される。また、各サンプル信号が重み付けされてから加算された加算信号に対するSINRが最大となるように、その重み付けの重み値が調整される。
したがって、受信信号の各箇所においてノイズや干渉成分を抑制することができるので、ノイズや干渉成分の周波数に依らずにそのノイズや干渉成分を抑制することが可能になる。したがって、高周波ノイズであるクロストークノイズも抑制することができるので、クロストークノイズが原因で生じる受信信号の信号特性の劣化を抑制することが可能になる。
図3は、本シリアル受信回路による効果を説明するための説明図である。図3では、N倍サンプリング回路1に入力された受信信号のアイパターンと、補償処理部2から出力された加算信号である出力信号のアイパターンと、受信信号と並走する並走信号の波形とが示されている。
図3で示したように、数GHzの信号は減衰しやすいため、送信回路がPre−Emphasis(De-Emphasis)や振幅レベルを上げても、シリアル受信回路10に入力される受信信号のアイパターンは、アイマスク(Eye Mask)に対してマージンがほとんどない状態となる。この場合、受信信号は、配線間の距離が短い並走信号の影響を大きく受けることになる。図3では、受信信号が並走信号から影響を受けて歪んだ歪み箇所31が示されている。この歪み箇所31がビットエラーの原因となる。
シリアル受信回路10では、図3の出力信号のアイパターンで示されたように、歪み箇所31を抑圧することができるので、受信信号の信号特性の劣化を抑制することが可能になる。したがって、ビットエラーを抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、補償処理部2は、加算信号と参照信号との誤差信号の平均事情誤差が最小となるように重み値を調整することで、加算信号に対するSINRが最大となるように重み値を調整する。
この場合、より正確に受信信号の信号特性の劣化を抑制することが可能になる。
また、本実施形態では、シリアル信号である受信信号は、8B10B方式でエンコードされた信号である。また、参照信号は、受信信号のトレーニングシンボルに含まれるデータ列を示す信号である。
この場合、受信信号のトレーニングシンボルに含まれるデータ列は固定であるので、参照信号を、的確に受信信号のレプリカ信号とすることが可能になる。
また、8B10B方式のエンコードは、シリアル信号の伝送において広く使用されているため、本シリアル受信回路を、無線基地局や移動通信装置などの様々な通信装置に適用する際に、その通信装置にシリアル信号を送信する対向デバイスの送信方式を変更する必要がなくなる。したがって、本シリアル受信回路を様々な通信装置に容易に適用することが可能になる。
次に第二の実施形態を説明する。
図4は、本実施形態による通信システムを示したブロック図である。図4において、通信システムは、送信回路A1〜Axと、通信装置100とを有する。なお、xは、本実施形態では、3以上の整数としている。
送信回路A1〜Axは、それぞれ異なる伝送路を経由してシリアル信号を通信装置100に入力する。図4では、送信回路A1〜Axのそれぞれに対応する伝送路B1〜Bxが示されている。
送信回路A1〜Axは、信号処理部201と、シリアライザ回路202とを有する。また、通信装置100は、MMSEシリアル受信回路110と、信号処理部C1〜Cxとを有する。
送信回路A1〜Axのそれぞれは、信号処理部C1〜Cxのいずれかと対応し、その対応する信号処理部にて信号処理が行われる送信信号を生成する。
各送信回路の信号処理部201は、信号処理部C1〜Cxのうちの自送信回路に対応する信号処理部にて信号処理が行われるパラレル信号を送信信号として生成する。
シリアライザ回路202は、SERDESである。シリアライザ回路202は、自送信回路の信号処理部201にて生成された送信信号を8B10B方式でエンコードする。
より具体的には、なお、シリアライザ回路202は、送信信号において同一のシンボル(‘0’および‘1’)が長時間連続して続かないように、送信信号の各シンボルがランダムになるように送信信号を変換する。その後、シリアライザ回路202は、8B10B方式のエンコード処理において、送信信号のトレーニングシンボルを一定周期で挿入する。これにより、送信信号は、8ビットの信号から10ビットの信号に変換される。
シリアライザ回路202は、そのエンコードした送信信号に対してパラレルーシリアル変換を行い、その送信信号をシリアル信号に変換する。シリアライザ回路202は、そのシリアル信号に変換した送信信号を、伝送路B1〜Bxのうちの自送信回路に対応する伝送路を経由して通信装置100に送信する。
通信装置100は、例えば、W−CDMAやLTE無線通信システムで使用される無線基地局または移動通信装置などである。なお、通信装置100が無線基地局の場合、送信回路は、移動通信装置などに含まれ、通信装置100が移動通信装置の場合、送信回路は、無線基地局などに含まれる。
MMSEシリアル受信回路110は、受信装置と呼ばれることもある。MMSEシリアル受信回路110は、図1で説明したシリアル受信回路10を複数備える。なお、本実施形態では、受信回路の数は、送信回路の数と同じxであるとする。
各シリアル受信回路10は、伝送路B1〜Bxのいずれかと1対1で対応する。各シリアル受信回路10のN倍サンプリング部1には、自受信回路に対応する伝送路を経由した送信信号が入力される。したがって、各シリアル受信回路10のN倍サンプリング回路1には、それぞれ異なる伝送路を経由したシリアル信号が入力されることになる。
なお、MMSEシリアル受信回路110がシリアル受信回路10を伝送路ごとに備える理由は、配線長やクロストークなどによる干渉の影響が伝送路ごとに異なるため、伝送路ごとに重み値を調整する必要があるからである。
図5は、シリアル受信回路10のより詳細な構成を示したブロック図である。図5において、シリアル受信回路10は、N倍サンプリング回路1と、補償処理部2と、出力回路3とを有する。
N倍サンプリング回路1には、自シリアル受信回路10に対応する伝送路から送信信号が受信信号x(t)として入力される。また、N倍サンプリング回路1には、受信信号x(t)の周波数のN倍の周波数のクロック信号であるN倍クロック信号(N倍Clock)が入力される。
N倍サンプリング回路1は、N倍クロック信号のエッジに応じて、受信信号x(t)をサンプリングすることで、N個のサンプル信号を生成する。なお、図3では、受信信号x(t)の1UIに対するN箇所のサンプリング(Sampling#1〜#N)が概念的に並べられている。
補償処理部2は、乗算部121と、加算部122と、誤差生成部123と、重み算出部124と、参照信号生成部125とを有する。
乗算部121は、乗算手段と呼ばれることもある。乗算部121は、N倍サンプリング回路1にて生成された各サンプル信号に、各サンプル信号に対応する重み値w1〜wNを乗算して、各サンプル信号に重み付けを行う。なお、重み値w1〜wNは、各サンプル信号に対して独立した値を有する。
加算部122は、加算手段と呼ばれることもある。加算部122は、乗算部121にて重み付けされた各サンプル信号を加算して、加算信号y(t)を生成する。
誤差生成部123は、生成手段と呼ばれることもある。誤差生成部123は、加算部122にて生成された加算信号y(t)を参照信号r(t)から減算して、加算信号y(t)および参照信号r(t)の誤差信号e(t)を生成する。本実施形態では、参照信号r(t)は、受信信号のトレーニングシンボルに含まれるKコードやDコードを示す信号であるとする。
重み算出部124は、重み算出手段と呼ばれることもある。本実施形態では、重み算出部124は、現在の重み値を保持する。重み算出部124は、MMSEアルゴリズムを用いて、誤差生成部123にて生成された誤差信号e(t)の平均自乗誤差E{e(t)2}が最小となる重み値w1〜wNを算出する。そして、重み算出部124は、現在の重み値をその算出した重み値w1〜wNに調整する。
これにより、重み算出部124は、誤差信号e(t)の平均自乗誤差E{e(t)2}が最小となるように重み値を調整することになる。
この算出された重み値が乗算部121にて各サンプル信号に加算される。なお、受信信号x(t)のある1UIに対応する加算信号y(t)と参照信号r(t)との誤差信号に基づいて算出された重み値は、受信信号x(t)の次の1UIに対応する各サンプル信号に乗算されるようにすることが望ましい。
ここで、最初に受信信号が入力されたときに用いる重み値の初期値は、“0”以外の“1”などの値である。
また、重み値w1〜wNが最初に算出された段階では、重み値は最適な値(つまり、加算信号に対するSINRが最大となるような値)になっていない。しかしながら、受信信号の1UIごとに重み値が調整されていき、重み値が最適な値になっていく。
参照信号生成部125は、参照信号r(t)を生成し、その参照信号r(t)を誤差生成部123に入力する。
例えば、参照信号生成部125は、加算信号r(t)内の同期用の制御信号であるKコードに基づいて、加算信号r(t)内のトレーニングシンボルと参照信号とが誤差生成部123にて合成されるタイミングを求め、そのタイミングで参照信号を誤差生成部123に入力する。
出力回路3は、デシリアライザ回路であり、S/P(Serial/Parallel)変換部131と、8B/10Bデコード部132とを有する。
S/P変換部131は、補償処理部2の加算部122で生成された加算信号y(t)に対してシリアル‐パラレル変換を行い、その加算信号y(t)をパラレル信号に変換する。
8B/10Bデコード部132は、S/P変換部131にてパラレル信号に変換された加算信号y(t)を8B/10B方式でデコードして出力信号として出力する。これにより、出力信号は、8ビットの信号となる。
図4に戻る。信号処理部C1〜Cxのそれぞれは、シリアル受信回路10のいずれかと1対1で対応し、その対応するシリアル受信回路10の出力回路3から出力された出力信号に対して、種々の信号処理を行う。
次に動作を説明する。
図6は、本実施形態の通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップS601では、送信回路A1〜Axの信号処理部201は、信号処理部C1〜Cxまで伝送させる送信信号を生成し、その送信信号を自送信回路のシリアライザ回路202に入力する。シリアライザ回路202は、その入力された送信信号を8B10B方式でエンコードし、そのエンコードした送信信号に対してパラレルーシリアル変換を行って、その送信信号をシリアル信号に変換する。シリアライザ回路202は、そのシリアル信号に変換された送信信号を、自送信回路に対応する伝送路を介して、通信装置100のMMSEシリアル受信回路110における、その伝送路に対応するシリアル受信回路10に送信する。シリアル受信回路10のN倍サンプリング回路1は、送信信号を受信信号x(t)として受信すると、ステップS602を実行する。
ステップS602では、N倍サンプリング回路1は、受信信号x(t)を、N倍クロック信号のエッジに応じてサンプリングすることで、N個のサンプル信号を生成する。N倍サンプリング回路1は、そのN個のサンプル信号を補償処理部2の乗算部121に出力する。乗算部121は、N個のサンプル信号を受け付けると、ステップS603を実行する。
なお、サンプリング数Nが大きいほど、サンプル信号の数が増大する。サンプル信号の数が増大すると、受信信号の信号特性の劣化をより的確に抑制することが可能になるが、重み算出部124における計算量が増加するため、シリアル受信回路10の負荷が増加する。このため、伝送路B1〜Bxの状況に応じてサンプリング数Nが調整されることが望ましい。例えば、伝送路B1〜Bxの状況が良いほど、サンプル数が少なくなるように調整される。
ステップS603では、乗算部121は、各サンプル信号に、重み算出部124から入力された重み値w1〜wNを乗算し、その重み値w1〜wNを乗算した各サンプル信号を加算部122に出力する。加算部122は、各サンプル信号を受け付けると、ステップS604を実行する。
ステップS604では、加算部122は、各サンプル信号を加算して加算信号y(t)を生成する。加算部122は、その生成した加算信号y(t)を誤差生成部123に出力する。誤差生成部123は、加算信号y(t)を受け付けると、ステップS605を実行する。
ステップS605では、誤差生成部123は、加算信号y(t)を参照信号r(t)から減算して誤差信号e(t)を生成する。なお、図2で示したように、送信回路と受信デバイスとのI/F規格として、CPRI‐2.4576Gbps規格が用いられた場合、同期用の制御信号をトレーニングシンボルとすると、その同期用の信号は、MMSEアルゴリズム用のバースト構成とみなすことができる。
誤差生成部123は、その生成した誤差信号e(t)を重み算出部124に出力する。重み算出部124は、誤差信号e(t)を受け付けると、ステップS606を実行する。
ステップS606では、重み算出部124は、MMSEアルゴリズムを用いて、誤差信号e(t)の平均自乗誤差E{e(t)2}が最小となる、各サンプル信号に対応した複数の重み値w1〜wNを算出する。重み算出部124は、その算出した重み値w1〜wNを乗算部121に入力する。
上記のこの処理が何回か繰り返して行われることで、重み算出部124が算出した重み値が最適な重み値に収束される。誤差信号e(t)の平均自乗誤差が最小化する重み値w1〜wNは、SINRを最大化することになるため、最適な重み値w1〜wNが乗算されてから加算されたサンプル信号である加算信号y(t)は、干渉波やノイズが抑制された信号となる。
なお、干渉波やノイズが抑制された加算信号y(t)は、S/P変換部131に入力される。S/P変換部131は、加算信号y(t)に対してシリアル‐パラレル変換を行い、加算信号y(t)をパラレル信号に変換する。S/P変換部131は、そのパラレル信号に変換した加算信号y(t)を8B/10Bデコード部132に入力する。
8B/10Bデコード部132は、加算信号y(t)を8B10B方式でデコードすることで、8bitのデータに変換する。8B/10Bデコード部132は、その変換した加算信号y(t)を、出力信号として信号処理部C1〜Cxのうちの自シリアル受信回路に対応する信号処理部に入力する。信号処理部C1〜Cxは、その入力された出力信号に対して種々の信号処理を行う。
なお、各実施形態では、重み値を算出する算出アルゴリズムとして、主にMMSEアルゴリズムを用いたが、本算出アルゴリズムは、MMSEアルゴリズムに限らず、適宜変更可能である。
例えば、算出アルゴリズムとしては、SMI(Sample Matrix Inversion)アルゴリズム、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムおよびLMS(Least Mean Square)アルゴリズムなどが適用可能である。
N個のサンプル信号に対して、LMSアルゴリズムでは、Nのオーダーの演算が必要となり、RLSアルゴリズムでは、Nの2乗のオーダーの演算が必要となり、SMIアルゴリズムでは、Nの3乗のオーダーが必要となる。したがって、演算量では、LMSアルゴリズムが優位である。しかしながら、重み値が最初に算出されてから最適な値(SINRを最大にする重み値)に収束するまでにかかる収束時間が小さいRLSアルゴリズムが望ましい。なお、収束時間は、重み値が最初に算出されてから最適な値に収束するまでに重み値が算出されるイタレーション回数によってほぼ決まる。
本実施形態では、各シリアル受信回路10のN倍サンプリング部1には、それぞれ異なる伝送路を経由したシリアル信号が入力される。したがって、伝送路ごとに適切に重み値を調整することが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
A1〜Ax 送信回路
B1〜Bx 伝送路
C1〜Cx、101 信号処理部
1 N倍サンプリング回路
2 補償処理部
3 出力回路
10 シリアル受信回路
100 通信装置
102 デシリアライザ
110 MMSシリアル受信回路
121 乗算部
122 加算部
123 誤差生成部
124 重み算出部
131 S/P変換部
132 8B/10Bデコード部

Claims (10)

  1. 伝送路を経由して入力されたシリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成するサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段にて生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、当該加算信号と、前記伝送路を経由する前のシリアル信号の参照信号とに基づいて、前記加算信号に対する信号対干渉雑音電力比が最大となるように、前記重み値を調整する補償手段と、
    前記補償手段にて生成された加算信号を出力する出力手段と、を有するシリアル受信回路。
  2. 請求項1に記載のシリアル受信回路において、
    前記補償手段は、前記加算信号および前記参照信号の誤差を示す誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように前記重み値を調整することで、前記信号対干渉雑音電力比が最大となるように前記重み値を調整する、シリアル受信回路。
  3. 請求項1または2に記載のシリアル受信回路において、
    前記補償手段は、
    前記サンプリング手段にて生成された各サンプル信号に前記重み値を乗算して、各サンプル信号に重み付けを行う乗算手段と、
    前記乗算手段にて重み付けされた各サンプル信号を加算して、前記加算信号を生成する加算手段と、
    前記加算手段にて生成された加算信号を前記参照信号から減算して誤差信号を生成する生成手段と、
    前記生成手段にて生成された誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように、前記重み値を調整する重み算出手段と、シリアル受信回路。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシリアル受信回路において、
    前記シリアル信号は、8B10B方式でエンコードされた信号であり、
    前記参照信号は、前記シリアル信号のトレーニングシンボルに含まれるデータ列を示す信号である、シリアル受信回路。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシリアル受信回路を複数備え、
    各シリアル受信回路のサンプリング手段には、それぞれ異なる伝送路を経由したシリアル信号が入力される、シリアル受信装置。
  6. 請求項5に記載のシリアル受信装置を有する無線基地局。
  7. 請求項5に記載のシリアル受信装置を有する移動通信装置。
  8. 伝送路を経由してシリアル信号が入力されるシリアル受信回路による干渉補償方法であって、
    前記シリアル信号をオーバーサンプリングして、複数のサンプル信号を生成するサンプリングステップと、
    前記生成された各サンプル信号を、各サンプル信号に対応する重み値で重み付けしてから加算した加算信号を生成し、当該加算信号と、前記伝送路を経由する前のシリアル信号である参照信号とに基づいて、前記加算信号に対する信号対干渉雑音電力比が最大となるように、前記重み値を調整する補償ステップと、
    前記補償ステップにて生成された加算信号を出力する出力ステップと、を有する干渉補償方法。
  9. 請求項8に記載の干渉補償方法において、
    前記補償ステップでは、前記加算信号と前記参照信号との誤差を示す誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように前記重み値を調整することで、前記信号対干渉雑音電力比が最大となるように前記重み値を調整する、干渉補償方法。
  10. 請求項8または9に記載の干渉補償方法において、
    前記補償ステップでは、
    前記サンプリング手段にて生成された各サンプル信号に前記重み値を乗算して、各サンプル信号に重み付けを行い、
    前記重み付けされた各サンプル信号を加算して、前記加算信号を生成し、
    前記生成された加算信号を前記参照信号から減算して誤差信号を生成し、
    前記生成された誤差信号の平均自乗誤差が最小となるように、前記重み値を調整する、干渉補償方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014204379A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 日本電信電話株式会社 中継伝送システム、中継装置、及び中継伝送方法
CN105991160B (zh) * 2015-02-12 2018-09-28 浙江大华技术股份有限公司 一种信号处理装置

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