JP2011082594A - 画像プレフィルタ装置、画像符号化装置及び画像復号装置 - Google Patents

画像プレフィルタ装置、画像符号化装置及び画像復号装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像の精細感を高精度に保持しながら、符号化処理に起因するノイズを十分に抑制することができるようにする。
【解決手段】入力画像の画像信号を直交変換し、その直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する直交変換部1と、入力画像又は直交変換部1により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する変換係数処理部2とを設け、逆直交変換部3が変換係数処理部2によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻すようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、入力画像に含まれているノイズや符号化歪を低減して、入力画像の主観画質を高める画像プレフィルタ装置と、その画像プレフィルタ装置を搭載している画像符号化装置と、その画像符号化装置から送信された符号化データから画像を復号する画像復号装置とに関するものである。
例えば、「MPEG−2」や「MPEG−4 AVC/H.264」で規格されている国際標準映像符号化方式(例えば、非特許文献1,2を参照)は、動画像の蓄積、通信、放送などの分野で広く用いられている。
図22は、これらの分野での代表的な画像符号化装置を示している。
図22において、プレフィルタ処理部101は入力画像に含まれているノイズや符号化歪を低減して、入力画像の主観画質を高めるために、入力画像に対するプレフィルタ処理を実施する画像プレフィルタ装置である。
符号化部102はプレフィルタ処理部101によるプレフィルタ処理後の入力画像(プレフィルタ処理済み画像)に対する符号化処理(例えば、予測、変換、量子化、エントロピー符号化などの処理)を実施して、所定の規則(シンタックス)に対応している符号化ビットストリームを出力する。
送信バッファ103は符号化部102から出力された符号化ビットストリームを一時的に蓄積し、画像符号化装置が接続されている伝送路の帯域や記録媒体の読み出し速度に合わせて、その符号化ビットストリームを平滑化してビデオストリームとして出力する。
符号化制御部104は送信バッファ103における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視し、その符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部102により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する。
上記のような画像符号化装置に適用されるプレフィルタ処理部101(画像プレフィルタ装置)には様々なものが存在する。
それらの多くは、入力画像に含まれているノイズや符号化歪を低減して、入力画像の主観画質を高めるために、入力画像の特徴に応じた適応的なフィルタ処理を行っている。
例えば、以下の特許文献1には、画像の精細感を保持しつつ、符号化処理に起因するノイズを抑制することを目的とするエッジ保存型のブロック適応フィルタが開示されている。
このエッジ保存型のブロック適応フィルタは、予め用意されているフィルタの係数を少なくとも1×1画素で構成されるブロック毎に変化させることで、フィルタ強度を調整するようにしている。このため、入力画像に施すフィルタの種類が非常に限定されることになる。
また、このブロック適応フィルタは、画像のエッジ部を保存するために、エッジらしさ(以下、「エッジ強度」と称する)に応じて、フィルタ強度を調整するようにしている。
特開2006−157267号公報
MPEG−2(ISO/IEC 13818)規格 MPEG−4 AVC(ISO/IEC 14496−10)/ITU−T H.264規格
従来の画像プレフィルタ装置は以上のように構成されているので、エッジ強度に応じてフィルタ強度を調整しているが、エッジ強度を考慮するだけでは、画像の精細感を高精度に保持しながら、符号化処理に起因するノイズを十分に抑制することができないなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、画像の精細感を高精度に保持しながら、符号化処理に起因するノイズを十分に抑制することができる画像プレフィルタ装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、十分にノイズが抑制された入力画像を符号化することで、符号化精度を高めることができる画像符号化装置を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、上記の画像符号化装置により生成された符号化データから画像を復号することができる画像復号装置を得ることを目的とする。
この発明に係る画像プレフィルタ装置は、入力画像の画像信号を直交変換し、その直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、入力画像又は帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段とを設け、逆直交変換手段がフィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻すようにしたものである。
この発明によれば、入力画像の画像信号を直交変換し、その直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、入力画像又は帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段とを設け、逆直交変換手段がフィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻すように構成したので、画像の精細感を高精度に保持しながら、符号化処理に起因するノイズを十分に抑制することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による画像プレフィルタ装置を示す構成図である。 画像信号が直交変換された後の入力画像を分割して、帯域A〜帯域Dの帯域成分画像を生成している様子を示す説明図である。 プレフィルタ処理後の帯域A〜帯域Dの帯域成分画像内の変換係数を再配列してから、その変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻している様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による画像プレフィルタ装置の処理内容を示すフローチャートである。 1レベルの2次元のウェーブレット変換を示す説明図である。 直交変換部1による1レベルの2次元ウェーブレット変換を行う前の画素(画像信号)と直交変換係数の対応関係を示す説明図である。 直交変換部1によるオクターブ分割に基づく複数レベルの2次元ウェーブレット変換を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による画像復号装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による画像符号化装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図である。 この発明の実施の形態8による画像符号化装置を示す構成図である。 従来の画像符号化装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による画像プレフィルタ装置を示す構成図である。
図1において、直交変換部1は入力画像の画像信号を直交変換(例えば、2次元のウェーブレット変換)し、その直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像(例えば、帯域Aの帯域成分画像、帯域Bの帯域成分画像、帯域Cの帯域成分画像、帯域Dの帯域成分画像)を生成する処理を実施する。なお、直交変換部1は帯域成分画像生成手段を構成している。
ここで、図2は画像信号が直交変換された後の入力画像を分割して、帯域A〜帯域Dの帯域成分画像を生成している様子を示す説明図である。
図2において、○内の文字が変換係数を示しており、A1,A2,A3,A4・・・は周波数成分が帯域Aの変換係数、B1,B2,B3,B4・・・は周波数成分が帯域Bの変換係数、C1,C2,C3,C4・・・は周波数成分が帯域Cの変換係数、D1,D2,D3,D4・・・は周波数成分が帯域Dの変換係数である。
図2では、入力画像を1回だけ分割して、4つの帯域A〜帯域Dの帯域成分画像を生成している例を示しているが、それらの帯域成分画像を更に分割して、帯域A〜帯域Dの帯域成分画像より細かい帯域成分画像を生成するようにしてもよい。
変換係数処理部2は入力画像又は直交変換部1により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性(例えば、入力画像又は帯域成分画像の局所的な構造と空間周波数特性)に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する。
ここで、入力画像又は帯域成分画像の局所的な構造としては、例えば、入力画像又は帯域成分画像における画像信号の局所的なばらつき度、エッジの強度及びエッジの角度などが該当する。
また、入力画像又は帯域成分画像の空間周波数特性としては、例えば、入力画像の空間周波数又は帯域成分画像が持つ帯域(空間周波数)成分に対する人間の視覚感度を表す特性などが該当する。
なお、変換係数処理部2はフィルタリング手段を構成している。
逆直交変換部3は変換係数処理部2からプレフィルタ処理後の複数の帯域成分画像を受けると、複数の帯域成分画像内の変換係数を再配列してから、その変換係数を逆直交変換(例えば、2次元の逆ウェーブレット変換)することで、その変換係数を画像信号に戻し、その画像信号からなるプレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を出力する処理を実施する。なお、逆直交変換部3は逆直交変換手段を構成している。
ここで、図3はプレフィルタ処理後の帯域A〜帯域Dの帯域成分画像内の変換係数を再配列してから、その変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻している様子を示す説明図である。
図3において、A’1,A’2,A’3,A’4・・・はプレフィルタ処理後の周波数成分が帯域Aの変換係数、B’1,B’2,B’3,B’4・・・はプレフィルタ処理後の周波数成分が帯域Bの変換係数、C’1,C’2,C’3,C’4・・・はプレフィルタ処理後の周波数成分が帯域Cの変換係数、D’1,D’2,D’3,D’4・・・はプレフィルタ処理後の周波数成分が帯域Dの変換係数である。
また、S1,S2,S3,S4・・・は変換係数が逆直交変換された後の画像信号である。
図1では、画像プレフィルタ装置の構成要素である直交変換部1、変換係数処理部2及び逆直交変換部3のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像プレフィルタ装置がコンピュータで構成される場合、直交変換部1、変換係数処理部2及び逆直交変換部3の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図4はこの発明の実施の形態1による画像プレフィルタ装置の処理内容を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、説明の便宜上、直交変換部1が画像信号の直交変換として、2次元のウェーブレット変換を実施し、逆直交変換部3が変換係数の逆直交変換として、2次元の逆ウェーブレット変換を実施するものとして説明する。
直交変換部1は、入力画像が与えられると、入力画像の画像信号に対して、1レベルの2次元のウェーブレット変換を実施する(ステップST1)。
直交変換部1は、ウェーブレット変換を実施すると、図2に示すように、その変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて、例えば、帯域Aの帯域成分画像、帯域Bの帯域成分画像、帯域Cの帯域成分画像及び帯域Dの帯域成分画像を生成する。
2次元のウェーブレット変換については、例えば、以下の非特許文献3に開示されている。
[非特許文献3]
JPEG2000(ISO/IEC 15444)規格
図5は1レベルの2次元のウェーブレット変換を示す説明図である。
図5において、○は画像内の画素(画像信号)又は変換係数を表しており、LL成分は直交変換前の入力画像の低周波成分を表している。
また、HL成分、LH成分及びHH成分は、それぞれ水平方向、垂直方向、斜め方向の高周波成分を表している。
なお、pは各帯域の成分を表すパラメータであり、p=0はHL成分、p=1はLH成分、p=2はHH成分を表している。
変換係数処理部2は、直交変換部1が帯域A〜帯域Dの帯域成分画像を生成すると、入力画像又は直交変換部1により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性(例えば、入力画像又は帯域成分画像の局所的な構造と空間周波数特性)に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する。
即ち、変換係数処理部2は、帯域A〜帯域Dの帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する際、当該帯域成分画像の局所的な視覚特性、他の帯域成分画像の局所的な視覚特性、あるいは、入力画像の局所的な視覚特性を抽出する。
例えば、主観画質において、エッジなどの重要な構造を残しつつ、ノイズを除去するプレフィルタ処理を実施する場合、フィルタ処理対象の変換係数の近傍係数、他の帯域成分画像もしくは入力画像から、エッジ強度・エッジ角度や、画像信号のばらつき度などの特徴量を抽出する。
変換係数処理部2は、エッジ強度・エッジ角度や、画像信号のばらつき度などの特徴量を抽出すると、その特徴量と各変換係数が属する帯域成分画像が持つ帯域(空間周波数)成分に対する視覚特性から、フィルタ処理対象の変換係数の主観画質における重要度を算出し、その重要度に基づいてフィルタ処理対象の変換係数をプレフィルタ処理する。
以下、変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を具体的に説明する。
変換係数処理部2は、HL成分、LH成分及びHH成分内の全ての変換係数に対して、画像の局所的な視覚特性に応じた係数値のフィルタ処理を行う(ステップST2)。今回は画像の局所的な視覚特性として、入力画像又は帯域成分画像の局所的な構造と各帯域成分画像が持つ帯域成分に対する空間周波数特性を用いる。
このときの画像の局所的な構造を表す特徴量として、フィルタ処理対象の変換係数と対応する位置の入力画像(もしくは、LL成分)における局所的なばらつき度V、エッジ強度S及びエッジ角度θを用いるものとする。
ここで、図6は直交変換部1による1レベルの2次元ウェーブレット変換を行う前の画素(画像信号)と直交変換係数の対応関係を示す説明図である。
以下、図6を参照して、特徴量の算出手法について述べる。
(1)ばらつき度Vの算出例
例えば、図6のHL成分内の変換係数x’14がフィルタ処理対象の変換係数であるとするとき、直交変換前の入力画像の画素x14が、フィルタ処理対象の変換係数x’14と対応している(画素の位置が対応している)。
この場合、入力画像内の画素x14の周囲(例えば、プラスマイナス1画素の領域)の分散値を局所的なばらつき度Vと見ることができる。
また、LL成分は、入力画像の低周波成分を表す縮小画像であるため、HL成分内の変換係数x’14と直交変換前の入力画像上で近い位置関係にある変換係数、即ち、LL成分内の変換係数x’13又は変換係数x’15における周囲の分散値を上記局所的なばらつき度Vとして代用することもできる。
なお、ばらつき度Vの算出手法は、上記変換係数x’13又は変換係数x’15のように入力画像内の画素x14の周囲のばらつき度として代用できる値であれば、これら以外の手法を用いてもよい。
(2)エッジ強度S及びエッジ角度θの算出例
図6のHL成分内の変換係数x’14と対応する位置関係にある入力画像の画素x14、あるいは、LL成分内の変換係数x’13又は変換係数x’15に対して、エッジ検出フィルタである下記の式(1)に示す4種類のsobelフィルタh,h,hdl,hdrのうち、フィルタh,hを施したときのフィルタh,hの出力信号E,Eを用いることで、エッジ強度Sとエッジ角度θを求めることができる。

Figure 2011082594
(1)
S=√(E +E ) (2)
θ=tan−1(E/E)[rad] (3)
ここでは、エッジ検出フィルタとしてsobelフィルタh,hを用いて、エッジ強度Sとエッジ角度θを求める例を示したが、同様のエッジ検出フィルタであれば、どのようなフィルタを用いてもよい。
また、フィルタh,hだけでなく、斜め方向のエッジ検出フィルタであるフィルタhdl,hdrも用いて、エッジ角度θを求めるようにしてもよい。
また、他のエッジ検出手法として、下記の式(4)(5)に示すように、変換係数を直接用いて、エッジ強度Sとエッジ角度θを求めるようにしてもよい。
S=√(a+b+c) (4)
θ=tan−1(a/b)[rad] (5)
ただし、aはHL成分内の変換係数x’14の値、bはLH成分内の変換係数x’18の値、cはHH成分内の変換係数x’19の値である。
この処理は、式(4)(5)でなくても、変換係数a,b,cを用いて、エッジ強度Sとエッジ角度θを算出する式であればよい。
以上の複数の算出手法は一例であり、この実施の形態1の画像プレフィルタ装置は、エッジ強度Sとエッジ角度θを算出する手法であれば、どのような手法を用いても実現することができる。
変換係数処理部2は、画像の局所的な特徴を表す特徴量として、ばらつき度V、エッジ強度S及びエッジ角度θを算出すると、画像の空間周波数に対する視覚特性も考慮しつつ、ばらつき度V、エッジ強度S及びエッジ角度θを用いてフィルタ係数を算出し、このフィルタ係数をフィルタ処理対象の変換係数x’14に乗算することで、その変換係数x’14のプレフィルタ処理を実施する。
ここで、フィルタ処理対象の変換係数x’14が属するHL成分の帯域分割レベルをdとして(図6の例では、d=1)、その変換係数x’14の値aに対してフィルタ係数F(d,p,V,S,θ)を乗算することで、プレフィルタ処理後の変換係数x’14の値a’が得られるとすると、フィルタ係数F(d,p,V,S,θ)の一例として、下記の式(6)に示すものが挙げられる。
F(d,p,V,S,θ)=m×W(d)×E(p,S,θ)/V (6)
ただし、mはフィルタ係数F(d,p,V,S,θ)の強度を調整するパラメータである。
また、W(d)は下記の式(7)に示す画像の空間周波数に対する人間の視覚感度を表す関数CSF(f)(例えば、非特許文献4に記載されている以下の式(8)が示す関数)に基づいたフィルタ強度関数(qは関数CSF(f)の形状を調整するパラメータ)である。
[非特許文献4]
J. Mannos, and D. Sakrison, “The effects of a visual fide-lity criterion on the encoding of images,” IEEE Trans. on Information Theory, vol. IT-20, pp. 525?536, 1974.
Figure 2011082594

Figure 2011082594
f(d)は、帯域分割レベルdの帯域成分における一次元の空間周波数fの代表値である。
また、E(p,S,θ)はエッジ保存用パラメータであり、Sが大きいほど、E(p,S,θ)が大きく、|θ’−α(p)|が小さいほど、E(p,S,θ)が大きくなる。
ただし、θ’,α(p)は、下記の式(9)(10)によって求められる。

Figure 2011082594

Figure 2011082594
よって、ある位置の各帯域成分内の変換係数の中で、エッジを構成する変換係数ほど、E(p,S,θ)が大きい値となり、各高周波成分のエッジに対する重要度に応じたフィルタ処理を実現することができる。
また、フィルタ係数F(d,p,V,S,θ)は、ばらつき度Vが大きいほど小さい値をとるため、人間の視覚感度の低いばらつき度Vが大きな複雑な領域ほどフィルタ強度を強くすることができる。
このように、プレフィルタ処理後の変換係数の値を求める処理をHL成分、LH成分、HH成分内の全ての変換係数に対して行う。
次に、変換係数処理部2は、予め、ユーザにより設定された帯域分割レベル数までプレフィルタ処理が終了しているか否かを判定する(ステップST3)。
ユーザにより設定された帯域分割レベル数までプレフィルタ処理が終了していなければ、直交変換部1が、LL成分を入力画像とみなして、ステップST1と同様の処理を実施してから(ステップST4)、変換係数処理部2が、ステップST2と同様の処理を実施する(ステップST5)。
これにより、ユーザにより設定された帯域分割レベル数に達するまで、ステップST4,ST5の処理が繰り返し実施されることから、サブバンドの分割が行われながら、各レベルのHL成分、LH成分及びHH成分内の全ての変換係数のプレフィルタ処理が行われる。
この実施の形態1では、例えば、図7に示すオクターブ分割(分解)などと呼ばれる構造で、直交変換部1がサブバンドの分割を行うものとする。ただし、分割レベル数は1以上であれば、いくつでもよい。
逆直交変換部3は、各レベルのHL成分、LH成分及びHH成分内の全ての変換係数のプレフィルタ処理が終了すると、図3に示すような、変換係数処理部2によるプレフィルタ処理後の帯域A〜帯域Dの帯域成分画像内の変換係数を再配列した後、変換係数を逆直交変換(1レベルの2次元の逆ウェーブレット変換)するという処理を上位の分割レベルから順々に行っていくことで、フィルタ処理された変換係数を画像信号に戻し、その画像信号からなるプレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を出力する(ステップST6)。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、入力画像の画像信号を直交変換し、その直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する直交変換部1と、入力画像又は直交変換部1により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する変換係数処理部2とを設け、逆直交変換部3が変換係数処理部2によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、その変換係数を画像信号に戻すように構成したので、画像の精細感を高精度に保持しながら、符号化処理に起因するノイズを十分に抑制することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、画像の複雑度やエッジ強度Sだけでなく、エッジ角度θも考慮したプレフィルタ処理が行われるため、画像の精細感を高精度に保持したまま、ノイズ等の高周波成分を抑制することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による画像符号化装置を示す構成図である。
図8において、プレフィルタ処理部11は入力画像に対するプレフィルタ処理を行う図1の画像プレフィルタ装置であり、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する処理を実施する。
符号化部12はプレフィルタ処理部11から出力されたプレフィルタ処理済み画像に対する符号化処理(例えば、予測、変換、量子化、エントロピー符号化などの処理)を実施して、所定の規則(シンタックス)に対応している符号化ビットストリームを送信バッファ13に出力する処理を実施する。なお、符号化部12は符号化手段を構成している。
送信バッファ13は符号化部12から出力された符号化ビットストリームを一時的に蓄積し、画像符号化装置が接続されている伝送路の帯域や記録媒体の読み出し速度に合わせて、その符号化ビットストリームを平滑化してビデオストリームとして出力する処理を実施する。
また、送信バッファ13は符号化ビットストリームの蓄積状況を示すフィードバック情報を符号化制御部14に出力する処理も実施する。
なお、送信バッファ13はバッファリング手段を構成している。
符号化制御部14は送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視し、その符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御するとともに、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御する処理を実施する。なお、符号化制御部14は符号化制御手段を構成している。
図8では、画像符号化装置の構成要素であるプレフィルタ処理部11、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部14のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、プレフィルタ処理部11、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
プレフィルタ処理部11は、図1の画像プレフィルタ装置であり、入力画像が与えられると、上記実施の形態1と同様にして、その入力画像に対するプレフィルタ処理を実施し、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する。
ただし、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2は、詳細は後述するが、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する際、そのプレフィルタ処理が符号化制御部14から出力されるプレフィルタ強度制御情報によって制御される。
符号化部12は、プレフィルタ処理部11からプレフィルタ処理済み画像を受けると、符号化制御部14から出力される符号化制御信号にしたがって、そのプレフィルタ処理済み画像に対する符号化処理(例えば、予測、変換、量子化、エントロピー符号化などの処理)を実施して、所定の規則(シンタックス)に対応している符号化ビットストリームを送信バッファ13に出力する。
送信バッファ13は、符号化部12から出力された符号化ビットストリームを一時的に蓄積し、画像符号化装置が接続されている伝送路の帯域や記録媒体の読み出し速度に合わせて、その符号化ビットストリームを平滑化してビデオストリームとして、画像符号化装置が接続されている伝送路や記録媒体に出力する。
また、送信バッファ13は、符号化ビットストリームの蓄積状況を示すフィードバック情報を符号化制御部14に出力する。
符号化制御部14は、送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視する。
符号化制御部14は、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御するとともに、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御する。
即ち、符号化制御部14は、例えば、送信バッファ13により蓄積されている符号化ビットストリームの符号量が多くなり、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を減らす必要がある場合、符号量の減少を指示する符号化制御信号を符号化部12に出力する。
一方、送信バッファ13により蓄積されている符号化ビットストリームの符号量が少なくなり、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を増やす必要がある場合、符号量の増加を指示する符号化制御信号を符号化部12に出力する。
これにより、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御することができるが、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御することでも、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御することができる。
具体的には、符号化制御部14は、例えば、送信バッファ13により蓄積されている符号化ビットストリームの符号量が多くなり、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を減らす必要がある場合、フィルタ強度の強化指令を示すプレフィルタ強度制御信号をプレフィルタ処理部11に出力する。
プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2は、符号化制御部14からフィルタ強度の強化指令を示すプレフィルタ強度制御信号を受けると、プレフィルタ処理を実施する際、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を強くする。
例えば、プレフィルタ処理部11が、上述した式(6)のフィルタ係数F(d,p,V,S,θ)を変換係数に乗算することで、その変換係数のプレフィルタ処理を実施する場合、パラメータmを大きくするほど、フィルタ強度が強くなり、プレフィルタ処理による画像信号情報の削減量が増加するため、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を減らすことができる。
一方、送信バッファ13により蓄積されている符号化ビットストリームの符号量が少なくなり、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を増やす必要がある場合、符号化制御部14は、フィルタ強度の弱化指令を示すプレフィルタ強度制御信号をプレフィルタ処理部11に出力する。
プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2は、符号化制御部14からフィルタ強度の弱化指令を示すプレフィルタ強度制御信号を受けると、プレフィルタ処理を実施する際、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を弱くする。
例えば、プレフィルタ処理部11が、式(6)のフィルタ係数F(d,p,V,S,θ)を変換係数に乗算することで、その変換係数のプレフィルタ処理を実施する場合、パラメータmを小さくするほど、フィルタ強度が弱くなり、プレフィルタ処理による画像信号情報の削減量が減少するため、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を増やすことができる。
なお、符号化制御部14がプレフィルタ強度制御信号をフレーム単位でプレフィルタ処理部11に出力するようにしてもよいが、プレフィルタ強度制御信号を変換係数毎にプレフィルタ処理部11に出力するようにしてもよい。この場合、局所的な画像の構造に応じた細かい制御を実現することができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、符号化制御部14が送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御するように構成したので、柔軟な符号化制御を実現することができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、符号化制御部14が送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部12を直接制御することで、符号化ビットストリームの符号量を調整することができるほか、符号化部12の制御と独立して、プレフィルタ処理部11の変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御することでも、符号化ビットストリームの符号量を調整することができるため、画像符号化装置全体として、柔軟な符号化制御を実現することができる。
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図8と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
プレフィルタ処理部15は入力画像に対するプレフィルタ処理を行う図1の画像プレフィルタ装置であり、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する処理を実施する。
ただし、プレフィルタ処理部15は図8のプレフィルタ処理部11と異なり、変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度を示すプレフィルタ情報(例えば、式(6)のフィルタ係数)を符号化制御部16に出力する処理を実施する。
なお、プレフィルタ処理部15は図8のプレフィルタ処理部11のように、符号化制御部16からプレフィルタ強度制御信号を受けていないが、符号化制御部16からプレフィルタ強度制御信号を受けるように構成すれば、上記実施の形態2と同様に、変換係数処理部2によるプレフィルタ処理を制御することができる。
符号化制御部16は送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視し、その符号化ビットストリームの蓄積状況とプレフィルタ処理部15から出力されるプレフィルタ情報が示すフィルタ強度に応じて、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する処理を実施する。なお、符号化制御部16は符号化制御手段を構成している。
図9では、画像符号化装置の構成要素であるプレフィルタ処理部15、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部16のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、プレフィルタ処理部15、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部16の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
プレフィルタ処理部15は、図1の画像プレフィルタ装置であり、入力画像が与えられると、上記実施の形態1と同様にして、その入力画像に対するプレフィルタ処理を実施し、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する。
また、プレフィルタ処理部15の変換係数処理部2は、入力画像に対するプレフィルタ処理を実施すると、変化後のフィルタ強度を示すプレフィルタ情報を符号化制御部16に出力する。
符号化制御部16は、送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視する。
また、符号化制御部16は、プレフィルタ処理部15から出力されるプレフィルタ情報を参照して、変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度を認識する。
符号化制御部16は、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況と変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度に応じて、符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する。
具体的には、以下のようにして、符号化制御部16が符号化部12により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する。
プレフィルタ処理部15によるプレフィルタ処理のフィルタ強度が強い領域ほど、元々の入力画像から多くの画像信号の情報が削減されている。
一方、フィルタ強度が弱い領域ほど、元々の入力画像から削減されている画像信号の情報が少ない。
そこで、プレフィルタ処理部15の変換係数処理部2は、少なくとも1×1画素からなる局所領域毎に、変化後のフィルタ強度を示すプレフィルタ情報を符号化制御部16に出力する。
符号化制御部16は、プレフィルタ処理部15の変換係数処理部2から出力されたプレフィルタ情報を参照して、変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度を認識する。
符号化制御部16は、変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度を認識すると、例えば、フィルタ強度が強い局所領域ほど、符号化時の量子化ステップサイズを大きく設定する旨を示す符号化制御信号を符号化部12に出力し、逆に、フィルタ強度が弱い局所領域ほど、符号化時の量子化ステップサイズを小さく設定する旨を示す符号化制御信号を符号化部12に出力する。
これにより、符号化部12によるプレフィルタ処理済み画像の符号化処理は、プレフィルタ処理部15のプレフィルタ処理結果に応じた適応的な符号量制御で行われることになる。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、符号化制御部16が符号化部12により生成される符号化データの符号量を制御する際、プレフィルタ処理部15の変換係数処理部2により変化されたフィルタ強度を考慮して、その符号化データの符号量を制御するように構成したので、プレフィルタ処理結果に応じた適応的な符号量制御を実現することができる効果を奏する。
なお、上記実施の形態2と同様に、プレフィルタ処理部15が符号化制御部16からプレフィルタ強度制御信号を受けるように構成すれば、フィルタ強度を制御しながら、さらに画像の局所的な視覚特性によって変化するプレフィルタ処理結果に応じて符号化部12の符号化を制御する高精度な符号化制御を実現することができる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図8及び図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
プレフィルタ処理部17は入力画像に対するプレフィルタ処理を行う図1の画像プレフィルタ装置であり、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部18に出力する処理を実施する。
符号化部18はプレフィルタ処理部17から出力されたプレフィルタ処理済み画像に対する符号化処理(例えば、予測、変換、量子化、エントロピー符号化などの処理)を実施して、所定の規則(シンタックス)に対応している符号化ビットストリームを送信バッファ13に出力する処理を実施する。なお、符号化部18は符号化手段を構成している。
局所復号器18aは符号化部18に搭載されており、符号化部18から出力される符号化ビットストリームを復号して、その復号結果である再生画像(入力画像に相当する画像)をポストフィルタ係数生成部20に出力する処理を実施する。なお、局所復号器18aは局所復号手段を構成している。
符号化制御部19は送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視し、その符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部18により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する処理を実施する。なお、符号化制御部19は符号化制御手段を構成している。
図10の例では、プレフィルタ処理部17と符号化制御部19間で、上記実施の形態2で示しているプレフィルタ強度制御信号や、上記実施の形態3で示しているプレフィルタ情報のやり取りを行っていないが、プレフィルタ処理部17と符号化制御部19が、プレフィルタ強度制御信号又はプレフィルタ情報の少なくとも一方のやり取りを行うようにしてもよい。
この場合、上記実施の形態2や上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
ポストフィルタ係数生成部20は局所復号器18aから出力された再生画像と入力画像を用いて、その再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報であるポストフィルタ係数を符号化して符号化データを生成する処理を実施する。なお、ポストフィルタ係数生成部20はポストフィルタ設計手段を構成している。
図10では、画像符号化装置の構成要素であるプレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ係数生成部20のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、プレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ係数生成部20の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図11はこの発明の実施の形態4による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図である。
図11において、領域分類部21は局所復号器18aから出力された少なくとも1以上のフレームから構成されている再生画像の局所的な特徴(再生画像の局所的な分散やエッジ強度・エッジ角度などを示す情報であり、画像復号装置が把握可能な情報である)に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する処理を実施する。ただし、分類数は1以上であればよく、分類数が“1”の場合には、分割を行わないことと等価である。さらに、分類された各領域は、例えば、再生画像の局所的な分散を用いて領域分類したときに分散値の小さい領域から順に領域1、領域2、領域3と決める、というように所定の順序でインデックスを振ることとする。
フィルタ設計部22は、領域分類部21から得られた領域分類情報(領域分類結果)を参照して分類された領域毎に、再生画像と入力画像を用いて、再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報であるポストフィルタ係数を上記領域のインデックス順に符号化して符号化データを生成する処理を実施する。
次に動作について説明する。
プレフィルタ処理部17は、図1の画像プレフィルタ装置であり、入力画像が与えられると、上記実施の形態1と同様にして、その入力画像に対するプレフィルタ処理を実施し、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部18に出力する。
符号化部18は、プレフィルタ処理部17からプレフィルタ処理済み画像を受けると、符号化制御部19から出力される符号化制御信号にしたがって、そのプレフィルタ処理済み画像に対する符号化処理(例えば、予測、変換、量子化、エントロピー符号化などの処理)を実施して、所定の規則(シンタックス)に対応している符号化ビットストリームを送信バッファ13に出力する。
局所復号器18aは、符号化部18がプレフィルタ処理済み画像に対する符号化処理を実施すると、符号化部18から出力される符号化ビットストリームに対する復号処理(復号、逆量子化、逆変換などの処理)を実施し、その復号結果である再生画像(入力画像に相当する画像)をポストフィルタ係数生成部20に出力する。
送信バッファ13は、符号化部18から出力された符号化ビットストリームを一時的に蓄積し、画像符号化装置が接続されている伝送路の帯域や記録媒体の読み出し速度に合わせて、その符号化ビットストリームを平滑化してビデオストリームとして、画像符号化装置が接続されている伝送路や記録媒体に出力する。
また、送信バッファ13は、符号化ビットストリームの蓄積状況を示すフィードバック情報を符号化制御部19に出力する。
符号化制御部19は、送信バッファ13から出力されるフィードバック情報を参照して、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況を監視する。
符号化制御部19は、送信バッファ13における符号化ビットストリームの蓄積状況に応じて、符号化部18により生成される符号化ビットストリームの符号量を制御する。
ポストフィルタ係数生成部20は、局所復号器18aから少なくとも1以上のフレームから構成されている再生画像を受けると、その再生画像と入力画像を用いて、その再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報であるポストフィルタ係数を符号化して符号化データを生成する。
即ち、ポストフィルタ係数生成部20の領域分類部21は、局所復号器18aから少なくとも1以上のフレームから構成されている再生画像を受けると、その再生画像の局所的な特徴(再生画像の局所的な分散やエッジ強度・エッジ角度などを示す情報であり、画像復号装置が把握可能な情報である)に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する。さらに、分類された各領域は、例えば、再生画像の局所的な分散を用いて領域分類したときに分散値の小さい領域から順に領域1、領域2、領域3と決める、というように所定の順序でインデックスを振ることとする。
フィルタ設計部22は、領域分類部21から領域分類情報(領域分類結果)を受け取り、上記領域分類情報を参照して分類された領域毎に、再生画像と入力画像を用いて、再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計する。
再生画像の画質を改善するポストフィルタとしては、例えば、フィルタを設計する領域内の同一フレームの入力画像と再生画像間の各画素値の差を二乗したものの和(二乗誤差和)を最小化するウィーナフィルタが挙げられる。
このウィーナフィルタは、フィルタ処理対象信号(局所復号器18aから出力された再生画像)の自己相関行列と、そのフィルタ処理対象信号とフィルタ処理結果の目標信号(入力画像)の相互相関行列とから得られる行列式を、ガウスの消去法などを用いて解くことで、容易に算出することができる。
フィルタ設計部22は、領域分類部21により分類された領域毎にポストフィルタを設計すると、そのポストフィルタのフィルタ係数を上記領域のインデックス順にエントロピー符号化し、その符号化データをポストフィルタ情報として送信バッファ13に出力する。
これにより、送信バッファ13から符号化ストリームと一緒にポストフィルタ情報がビデオストリームとして伝送される。
図12はこの発明の実施の形態4による画像復号装置を示す構成図である。
図12において、復号部31は図10の画像符号化装置から伝送されたビデオストリームに対する復号処理(復号、逆量子化、逆変換などの処理)を実施し、その復号結果として、再生画像とポストフィルタ情報をポストフィルタ処理部32に出力する。なお、復号部31は復号手段を構成している。
ポストフィルタ処理部32は復号部31から出力された再生画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類し、領域毎に復号部31から出力されたポストフィルタ情報に対応するポストフィルタを用いて、ポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を取得する。
図12では、画像復号装置の構成要素である復号部31及びポストフィルタ処理部32のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像復号装置がコンピュータで構成される場合、復号部31及びポストフィルタ処理部32の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図13はこの発明の実施の形態4による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図である。
図13において、領域分類部41は図10の画像符号化装置における領域分類部21と同様に、復号部31から出力された再生画像の局所的な特徴(再生画像の局所的な分散やエッジ強度・エッジ角度などを示す情報)に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類し、各領域にインデックスを付与する処理を実施する。なお、領域分類部41は領域分類手段を構成している。
フィルタ処理部42は領域を分類する単位(少なくとも1×1画素からなる局所領域)毎に、領域分類部41により領域分類された結果(領域分類情報)を参照して当該局所領域における上記インデックスを取得し、復号部31から出力されたポストフィルタ情報の中で上記インデックスと対応するフィルタ係数を用いて、ポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を得る処理を実施する。ここで、領域分類部41は領域分類部21と同様の分類手法及びインデックス付与処理を実施し、さらに上記ポストフィルタ情報は上記領域のインデックス順に各領域のポストフィルタ係数が並んでいるため、自動的に各領域で使用するフィルタが決定される。なお、フィルタ処理部42はポストフィルタリング手段を構成している。
次に動作について説明する。
復号部31は、図10の画像符号化装置から伝送されたビデオストリームを受信すると、そのビデオストリームに対する復号処理を実施し、その復号結果として、再生画像とポストフィルタ情報(図11のフィルタ設計部22により設計されたポストフィルタに関するポストフィルタ情報と同一の情報)をポストフィルタ処理部32に出力する。
ポストフィルタ処理部32の領域分類部41は、復号部31から再生画像を受けると、図11の領域分類部21と同様に、その再生画像の局所的な特徴(再生画像の局所的な分散やエッジ強度・エッジ角度などを示す情報)に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類し、各領域にインデックスを付与する。
ポストフィルタ処理部32のフィルタ処理部42は、領域分類部41により領域分類された結果(領域分類情報)を受けて、領域を分類する単位(少なくとも1×1画素からなる局所領域)毎に当該局所領域における上記インデックスを取得し、復号部31から出力されたポストフィルタ情報の中で上記インデックスと対応するフィルタ係数を用いて、ポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を取得し、そのポストフィルタ処理画像を最終的に出力する。ここで、領域分類部41は領域分類部21と同様の分類手法及びインデックス付与処理を実施し、さらに上記ポストフィルタ情報は上記領域のインデックス順に各領域のポストフィルタ係数が並んでいるため、自動的に各領域で使用するフィルタが決定される。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、局所復号器18aから出力された再生画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する領域分類部21を設け、フィルタ設計部22が領域分類部21により分類された領域毎に、再生画像と入力画像を用いて、その再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報であるポストフィルタ係数を符号化して符号化データを生成するように構成したので、ポストフィルタ係数を符号化する分だけ復号側に伝送する符号量が若干増加するが、プレフィルタ処理を単独で実施する場合よりも、画像復号装置から最終的に出力される画像の画質を高めることができる効果を奏する。
なお、プレフィルタ処理により符号化の複雑度を下げれば、符号化ビットストリームの符号量を減らすことができるので、ポストフィルタ係数を符号化することに伴う符号量の増加の影響を軽減することができ、プレフィルタ処理とポストフィルタ処理を連動させることで、画像符号化装置全体の性能を大きく改善することができる。
また、この実施の形態4によれば、画像符号化装置から伝送されたビデオストリームに対する復号処理を実施し、その復号結果として、再生画像とポストフィルタ情報を出力する復号部31を設け、ポストフィルタ処理部32が復号部31から出力された再生画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類し、領域毎に復号部31から出力されたポストフィルタ情報に対応するポストフィルタを用いて、ポストフィルタ処理を実施するように構成したので、高画質のポストフィルタ処理画像が得られる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態4では、画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20における領域分類部21が、画像復号装置が把握可能な情報である再生画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類するものについて示したが、画像復号装置側では知り得ない情報である入力画像を考慮して、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類するようにしてもよい。
図14はこの発明の実施の形態5による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図であり、図において、図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
領域分類部23は局所復号器18aから出力された少なくとも1以上のフレームから構成されている再生画像及び入力画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する処理を実施する。
また、図15はこの発明の実施の形態5による画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20を示す構成図であり、図において、図11と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
領域分類部24は図14の領域分類部23と同様に、局所復号器18aから出力された少なくとも1以上のフレームから構成されている再生画像及び入力画像の局所的な特徴に応じて、その再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する処理を実施する。
また、領域分類部24はフィルタ設計部22が領域毎にポストフィルタを設計すると、そのポストフィルタを用いて再度上記再生画像を領域分類し直す処理を実施する。具体的には、フィルタ設計部22で設計した複数のポストフィルタの中から、最も入力画像と再生画像との間の誤差が小さくなるフィルタを少なくとも1×1画素からなる局所領域毎に選択し、同一のフィルタが選択された局所領域群を同一の領域とする。そして、フィルタ設計部22は新しく分類された領域毎にポストフィルタを再設計する。
図15のポストフィルタ係数生成部20は、上記のように領域分類部24とフィルタ設計部22が処理を繰り返し実施することで、入力画像と再生画像との間の誤差が最小となる領域分類及びポストフィルタを採用することができる。
図14又は図15のポストフィルタ係数生成部20を用いれば、図11のポストフィルタ係数生成部20を用いる場合よりも、領域分類の分類精度を高めることができるため、より適正なポストフィルタを設計することができる。
しかし、図14又は図15のポストフィルタ係数生成部20を用いる場合、領域分類部23,24は領域分類部21と同様に分類された各領域にインデックスを付与するものとし、ポストフィルタ情報としてポストフィルタ係数を上記インデックス順にエントロピー符号化して伝送する他に、領域分類部23,24による領域分類状況を示す領域分類情報をエントロピー符号化して伝送する必要がある。具体的には、領域分類情報は領域分類を行う単位(サイズ)情報と上記領域分類を行う単位毎の上記領域のインデックス情報から構成されているものである。
この場合、送信バッファ13から符号化ストリームと一緒にポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)がビデオストリームとして伝送される。
図16はこの発明の実施の形態5による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図であり、図において、図13と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
フィルタ処理部43はポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)に含まれている領域分類情報から、まず領域分類を行う単位(サイズ)情報を取得し、上記領域分類を行う単位毎に、上記領域分類情報により得られる領域のインデックスを参照して、上記ポストフィルタ係数の中から、参照したインデックスに属するポストフィルタ係数を用いてポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を得る処理を実施する。
ここで、上記領域分類情報は領域分類を行う単位(サイズ)情報と上記領域分類を行う単位毎の領域のインデックス情報から構成されており、各領域のポストフィルタ係数はポストフィルタ情報の中で、上記領域のインデックス順に並んでいるため、自動的に各領域で用いるフィルタが決定する。なお、フィルタ処理部43はポストフィルタリング手段を構成している。
次に動作について説明する。
復号部31は、画像符号化装置から伝送されたビデオストリームを受信すると、そのビデオストリームに対する復号処理を実施し、その復号結果として、再生画像とポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)をポストフィルタ処理部32に出力する。
ポストフィルタ処理部32のフィルタ処理部43は、復号部31から再生画像とポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)を受けると、まず上記領域分類情報から領域分類を行う単位(サイズ)情報を受け取った後、上記領域分類を行う単位毎に上記領域分類情報により得られる領域のインデックスを参照して、上記ポストフィルタ係数の中から、参照したインデックスに属するポストフィルタ係数を用いてポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を取得し、そのポストフィルタ処理画像を最終的に出力する。
ここで、上記領域分類情報は領域分類を行う単位(サイズ)情報と上記領域分類を行う単位毎の領域のインデックス情報から構成されており、各領域のポストフィルタ係数はポストフィルタ情報の中で、上記領域のインデックス順に並んでいるため、自動的に各領域で用いるフィルタが決定する。なお、フィルタ処理部43はポストフィルタリング手段を構成している。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、画像符号化装置のポストフィルタ係数生成部20における領域分類部23,24が、画像復号装置側では知り得ない情報である入力画像を考慮して、再生画像を少なくとも1以上の領域に分類するように構成したので、領域の分類精度が高まり、その結果、画像復号装置から最終的に出力される画像の画質を高めることができる効果を奏する。
また、この実施の形態5によれば、復号部31から出力されたポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)に含まれている領域分類情報が示す領域の分類状況にしたがって、復号部31から出力された再生画像をポストフィルタ処理するように構成したので、符号化装置側で最適な分類状況を生成できるようになり、その結果、ポストフィルタ処理画像の画質を高めることができる効果を奏する。
実施の形態6.
図17はこの発明の実施の形態6による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図10と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ポストフィルタ係数生成部25は図10のポストフィルタ係数生成部20と同様に、局所復号器18aから出力された再生画像と入力画像を用いて、その再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報であるポストフィルタ係数を符号化して符号化データを生成する処理を実施する。
ただし、ポストフィルタ係数生成部25の領域分類部21(または、23,24)は、図10のポストフィルタ係数生成部20の領域分類部21(または、23,24)と異なり、局所復号器18aから出力された再生画像を分類する際、プレフィルタ処理部17から出力されるプレフィルタ情報が示すフィルタ強度を考慮して、再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する。
なお、ポストフィルタ係数生成部25はポストフィルタ設計手段を構成している。
図17では、画像符号化装置の構成要素であるプレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ係数生成部25のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、プレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ係数生成部25の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
この実施の形態6では、ポストフィルタ係数生成部25の領域分類部21(または、23,24)が、局所復号器18aから出力された再生画像を分類する際、プレフィルタ処理部17から出力されるプレフィルタ情報が示すフィルタ強度を考慮して、再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する(例えば、フィルタ強度に応じて領域分類する)点で、上記実施の形態4,5と相違している。
この場合も、送信バッファ13から符号化ストリームと一緒にポストフィルタ情報(ポストフィルタ係数、領域分類情報)がビデオストリームとして伝送される。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、局所復号器18aから出力された再生画像を分類する際、プレフィルタ処理部17から出力されるプレフィルタ情報が示すフィルタ強度を考慮して、再生画像を少なくとも1以上の領域に分類するように構成したので、領域の分類精度が高まり、その結果、画像復号装置から最終的に出力される画像の画質を高めることができる効果を奏する。
実施の形態7.
図18はこの発明の実施の形態7による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図10と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ポストフィルタ選択部26は予め複数のポストフィルタを用意しており、局所領域(少なくとも1×1画素からなる領域)毎に上記複数のポストフィルタの中から各局所領域に適するポストフィルタを選択し、そのポストフィルタに関するフィルタ情報として、そのポストフィルタの局所領域毎の選択情報を符号化して符号化データを生成する処理を実施する。なお、ポストフィルタ選択部26はポストフィルタ選択手段を構成している。
図18では、画像符号化装置の構成要素であるプレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ選択部26のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、プレフィルタ処理部17、符号化部18、送信バッファ13、符号化制御部19及びポストフィルタ選択部26の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
ポストフィルタ選択部26は、局所復号器18aから再生画像を受けると、局所領域(少なくとも1×1画素からなる領域)毎に、複数のポストフィルタの中から局所領域内の入力画像とフィルタ処理後の再生画像との間の誤差の二乗和又は絶対値和が最小となるポストフィルタを選択する。
あるいは、複数のポストフィルタの中から、プレフィルタ処理部17から出力されるプレフィルタ情報が示すフィルタ強度に応じてポストフィルタを選択するようにしてもよい(図19を参照)。
ポストフィルタ選択部26は、局所領域毎にポストフィルタを選択すると、そのポストフィルタの選択情報をエントロピー符号化し、その符号化データをポストフィルタ情報として送信バッファ13に出力する。
これにより、送信バッファ13から符号化ストリームと一緒にポストフィルタ情報がビデオストリームとして伝送される。
なお、上記局所領域のサイズについては、予め決めた固定値でもよいし、上記ポストフィルタの選択情報と一緒に符号化するパラメータ(可変値)としてもよい。
図20はこの発明の実施の形態7による画像復号装置のポストフィルタ処理部32を示す構成図である。
図20において、ポストフィルタ格納部44は複数のポストフィルタを格納しているメモリである。
フィルタ処理部45はフィルタの選択単位である局所領域(少なくとも1×1画素からなる領域)毎に、ポストフィルタ情報であるフィルタ選択情報を参照してポストフィルタ格納部44に格納された複数のポストフィルタから該当するフィルタを取得し、上記フィルタを用いてポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を得る処理を実施する。
なお、ポストフィルタ格納部44及びフィルタ処理部45からポストフィルタリング手段が構成されている。
次に動作について説明する。
復号部31は、図18又は図19の画像符号化装置から伝送されたビデオストリームを受信すると、そのビデオストリームに対する復号処理を実施し、その復号結果として、再生画像とポストフィルタ情報(ポストフィルタの選択情報)をポストフィルタ処理部32に出力する。
ポストフィルタ処理部32のフィルタ処理部45は、復号部31からポストフィルタ情報であるフィルタ選択情報を受け取り、フィルタの選択単位である局所領域(少なくとも1×1画素からなる領域)毎に、上記フィルタ選択情報を参照してポストフィルタ格納部44に格納された複数のポストフィルタから該当するフィルタを取得し、上記フィルタを用いてポストフィルタ処理を実施することで、ポストフィルタ処理画像を取得し、そのポストフィルタ処理画像を最終的に出力する。
なお、フィルタの選択単位である局所領域(少なくとも1×1画素からなる領域)のサイズは、符号化装置と復号装置で共通とした予め決めた固定値でもよいし、ポストフィルタの選択情報と一緒にビデオストリームとして符号化データを受け取り、復号部31が復号するパラメータ(可変値)としてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、ポストフィルタ選択部26が、局所領域毎に予め用意している複数のポストフィルタの中から最適なポストフィルタを選択し、そのポストフィルタに関するポストフィルタ情報として、上記局所領域毎のポストフィルタ選択情報を符号化して伝送するように構成したので、ポストフィルタに関するポストフィルタ情報として、ポストフィルタ係数の符号化データを伝送することなく、画像復号装置側で適正なポストフィルタを選択することができるようになり、その結果、伝送する符号量を抑制することができる効果を奏する。
実施の形態8.
図21はこの発明の実施の形態8による画像符号化装置を示す構成図であり、図において、図8と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
フィルタ処理結果格納部27はプレフィルタ処理部28による過去のプレフィルタ処理の結果(現フレームの直前の符号化済みフレーム、あるいは、複数の符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果)として、プレフィルタ処理を行う際に用いたフィルタ強度を示すプレフィルタ情報を格納するメモリである。
プレフィルタ処理部28は入力画像に対するプレフィルタ処理を行う図1の画像プレフィルタ装置であり、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する処理を実施する。
ただし、プレフィルタ処理部28はプレフィルタ処理を実施する際、フィルタ処理結果格納部27により格納されている符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果を参照して、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるようにする。
図21の例では、プレフィルタ処理部28と符号化制御部14間で、上記実施の形態2で示しているプレフィルタ強度制御信号や、上記実施の形態3で示しているプレフィルタ情報のやり取りを行っていないが、プレフィルタ処理部28と符号化制御部14が、プレフィルタ強度制御信号又はプレフィルタ情報の少なくとも一方のやり取りを行うようにしてもよい。
この場合、上記実施の形態2や上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
図21では、画像符号化装置の構成要素であるフィルタ処理結果格納部27、プレフィルタ処理部28、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部14のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路や、ワンチップマイコン)で構成されているものを想定しているが、画像符号化装置がコンピュータで構成される場合、フィルタ処理結果格納部27、プレフィルタ処理部28、符号化部12、送信バッファ13及び符号化制御部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
プレフィルタ処理部28は、図1の画像プレフィルタ装置であり、入力画像が与えられると、上記実施の形態1と同様にして、その入力画像に対するプレフィルタ処理を実施し、プレフィルタ処理済み画像(プレフィルタ処理後の入力画像)を符号化部12に出力する。
ただし、プレフィルタ処理部28の変換係数処理部2は、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を対象変換係数の局所的な視覚特性に応じて変化させるプレフィルタ処理を実施する際、フィルタ処理結果格納部27により格納されている符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果を参照して、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるようにする。
即ち、プレフィルタ処理部28は、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を対象変換係数の局所的な視覚特性に応じて変化させるプレフィルタ処理を実施する際、同一画素位置におけるフィルタ強度の時間的な変化に伴う主観画質の劣化を低減するために、現フレームである入力画像と符号化済みフレームにおけるフィルタ強度の差が所定の閾値より大きくならないように、フレーム間のフィルタ強度の変化を抑制する(現フレームにおけるプレフィルタが取り得るフィルタ強度に制限をかける)。
具体的には、フィルタ処理対象画素において、フィルタ処理結果格納部27により格納されている符号化済みフレームにおけるプレフィルタのフィルタ強度(プレフィルタ情報)と動きベクトルから、現フレームである入力画像と直前の符号化済みフレーム間の動き量を検出し、動き量が小さい領域ほど、閾値を小さな値に設定することで、フレーム間のフィルタ強度の変化を抑制して、画素値の時間的な変化を減少させる。
なお、動きベクトルの検出方法としては、例えば、符号化部12が実施する動き補償と同様の動き補償を実施することで、実際に一つ前のフレームからの小領域毎の動きベクトルを算出する手法がある。
ただし、これ以外の手法であっても、プレフィルタ処理対象フレームの動きを算出する手法又は動きを予測する手法であれば、どのようなものでもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、プレフィルタ処理部28がプレフィルタ処理を実施する際、フィルタ処理結果格納部27により格納されている符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果を参照して、現フレームである入力画像と符号化済みフレームにおけるフィルタ強度の差が所定の閾値より大きくならないように、フレーム間のフィルタ強度の変化を抑制し、さらに画素値の時間的変化に伴う主観画質の劣化が検知されやすい動き量の小さい領域ほど、上記閾値を小さな値に設定するように構成したので、同一画素位置におけるフィルタ強度の時間的な変化に伴う主観画質の劣化を低減することができる効果を奏する。
1 直交変換部(帯域成分画像生成手段)、2 変換係数処理部(フィルタリング手段)、3 逆直交変換部(逆直交変換手段)、11,15,17,28 プレフィルタ処理部(画像プレフィルタ装置)、12,18 符号化部(符号化手段)、13 送信バッファ(バッファリング手段)、14,16,19 符号化制御部(符号化制御手段)、18a 局所復号器(局所復号手段)、20,25 ポストフィルタ係数生成部(ポストフィルタ設計手段)、21,23,24 領域分類部、22 フィルタ設計部、26 ポストフィルタ選択部(ポストフィルタ選択手段)、27 フィルタ処理結果格納部(メモリ)、31 復号部(復号手段)、32 ポストフィルタ処理部、41 領域分類部(領域分類手段)、42,43,45 フィルタ処理部(ポストフィルタリング手段)、44 ポストフィルタ格納部(領域分類手段)、101 プレフィルタ処理部、102 符号化部、103 送信バッファ、104 符号化制御部。

Claims (22)

  1. 入力画像の画像信号を直交変換し、上記直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、上記入力画像又は上記帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、上記帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段と、上記フィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、上記変換係数を画像信号に戻す逆直交変換手段とを備えた画像プレフィルタ装置。
  2. フィルタリング手段は、入力画像又は帯域成分画像の局所的な視覚特性として、上記入力画像又は上記帯域成分画像の局所的な構造と空間周波数特性を用いることを特徴とする請求項1記載の画像プレフィルタ装置。
  3. フィルタリング手段は、入力画像又は帯域成分画像の局所的な構造として、上記入力画像又は上記帯域成分画像における画像信号の局所的なばらつき度、エッジの強度及びエッジの角度を用いることを特徴とする請求項2記載の画像プレフィルタ装置。
  4. フィルタリング手段は、入力画像又は帯域成分画像における画像信号の局所的なばらつき度として、上記画像信号の分散値を用いることを特徴とする請求項3記載の画像プレフィルタ装置。
  5. フィルタリング手段は、入力画像内の画素又は帯域成分画像における低周波成分内の変換係数に対して任意のエッジ検出フィルタを水平方向及び垂直方向に施し、上記エッジ検出フィルタの出力信号を用いて、エッジの強度及びエッジの角度を算出することを特徴とする請求項3または請求項4記載の画像プレフィルタ装置。
  6. フィルタリング手段は、帯域成分画像における高周波成分内の変換係数を用いて、エッジの強度及びエッジの角度を算出することを特徴とする請求項3または請求項4記載の画像プレフィルタ装置。
  7. フィルタリング手段は、入力画像又は帯域成分画像の空間周波数特性として、上記入力画像の空間周波数又は上記帯域成分画像が持つ帯域成分に対する人間の視覚感度を表す特性を用いることを特徴とする請求項2から請求項6のうちのいずれか1項記載の画像プレフィルタ装置。
  8. 帯域成分画像生成手段が画像信号の直交変換として、2次元ウェーブレット変換を実施し、逆直交変換手段が変換係数の逆直交変換として、2次元逆ウェーブレット変換を実施することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の画像プレフィルタ装置。
  9. 入力画像に対するプレフィルタ処理を行う画像プレフィルタ装置と、上記画像プレフィルタ装置によるプレフィルタ処理後の入力画像を符号化して符号化データを生成する符号化手段とを備えた画像符号化装置において、
    上記画像プレフィルタ装置は、上記入力画像の画像信号を直交変換し、上記直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、上記入力画像又は上記帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、上記帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段と、上記フィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、上記変換係数を画像信号に戻す逆直交変換手段とから構成されていることを特徴とする画像符号化装置。
  10. 入力画像に対するプレフィルタ処理を行う画像プレフィルタ装置と、上記画像プレフィルタ装置によるプレフィルタ処理後の入力画像を符号化して符号化データを生成する符号化手段と、上記符号化手段により生成された符号化データを一時的に蓄えるバッファリング手段と、上記バッファリング手段における符号化データの蓄積状況に応じて、上記符号化手段により生成される符号化データの符号量を制御する符号化制御手段とを備えた画像符号化装置において、
    上記画像プレフィルタ装置は、上記入力画像の画像信号を直交変換し、上記直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、上記入力画像又は上記帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、上記帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段と、上記フィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、上記変換係数を画像信号に戻す逆直交変換手段とから構成されており、
    上記符号化制御手段は、上記バッファリング手段における符号化データの蓄積状況に応じて、上記フィルタリング手段によるプレフィルタ処理を制御することを特徴とする画像符号化装置。
  11. 入力画像に対するプレフィルタ処理を行う画像プレフィルタ装置と、上記画像プレフィルタ装置によるプレフィルタ処理後の入力画像を符号化して符号化データを生成する符号化手段と、上記符号化手段により生成された符号化データを一時的に蓄えるバッファリング手段と、上記バッファリング手段における符号化データの蓄積状況に応じて、上記符号化手段により生成される符号化データの符号量を制御する符号化制御手段とを備えた画像符号化装置において、
    上記画像プレフィルタ装置は、上記入力画像の画像信号を直交変換し、上記直交変換の変換係数を同一の周波数帯域毎に纏めて複数の帯域成分画像を生成する帯域成分画像生成手段と、上記入力画像又は上記帯域成分画像生成手段により生成された帯域成分画像の局所的な視覚特性に応じて、上記帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施するフィルタリング手段と、上記フィルタリング手段によるプレフィルタ処理後の変換係数を逆直交変換することで、上記変換係数を画像信号に戻す逆直交変換手段とから構成されており、
    上記符号化制御手段は、上記符号化手段により生成される符号化データの符号量を制御する際、上記フィルタリング手段により変化されたフィルタ強度を考慮して、上記符号化データの符号量を制御することを特徴とする画像符号化装置。
  12. 符号化手段により生成された符号化データを復号して、その復号結果である再生画像を出力する局所復号手段と、上記局所復号手段から出力された再生画像と入力画像を用いて、上記再生画像の画質を改善するポストフィルタを設計し、上記ポストフィルタに関するフィルタ情報を符号化して符号化データを生成するポストフィルタ設計手段とを設けたことを特徴とする請求項9から請求項11のうちのいずれか1項記載の画像符号化装置。
  13. ポストフィルタ設計手段は、ポストフィルタに関するフィルタ情報として、上記ポストフィルタのフィルタ係数を符号化して符号化データを生成することを特徴とする請求項12記載の画像符号化装置。
  14. ポストフィルタ設計手段は、局所復号手段から出力された再生画像の局所的な特徴に応じて、上記再生画像を少なくとも1以上の領域に分類して、領域毎にポストフィルタを設計し、上記ポストフィルタに関するフィルタ情報として、領域の分類状況を示す領域分類情報を符号化して符号化データを生成することを特徴とする請求項12または請求項13記載の画像符号化装置。
  15. ポストフィルタ設計手段は、局所復号手段から出力された再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する際、フィルタリング手段により変化されたフィルタ強度を考慮して、上記再生画像を少なくとも1以上の領域に分類することを特徴とする請求項14記載の画像符号化装置。
  16. 符号化手段により生成された符号化データを復号して、その復号結果である再生画像を出力する局所復号手段と、予め用意している複数のポストフィルタの中から、上記局所復号手段から出力された再生画像と入力画像を用いて、上記再生画像の画質を改善するポストフィルタをポストフィルタの選択単位である少なくとも1×1画素以上の局所領域毎に選択し、上記ポストフィルタに関するフィルタ情報として、上記ポストフィルタの局所領域毎の選択情報を符号化して符号化データを生成するポストフィルタ選択手段とを設けたことを特徴とする請求項9から請求項11のうちのいずれか1項記載の画像符号化装置。
  17. フィルタリング手段は、符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果であるフィルタ強度を保存するメモリが設けられている場合、上記メモリにより保存されている符号化済みフレームに対するプレフィルタ処理の結果を参照して、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施することを特徴とする請求項9から請求項16のうちのいずれか1項記載の画像符号化装置。
  18. フィルタリング手段は、帯域成分画像内の変換係数のフィルタ強度を変化させるプレフィルタ処理を実施する際、現フレームである入力画像と符号化済みフレームにおけるフィルタ強度の差が所定の閾値より大きくならないように、フレーム間のフィルタ強度の変化を抑制することを特徴とする請求項17記載の画像符号化装置。
  19. フィルタリング手段は、少なくとも1×1画素以上の局所領域毎に、現フレームである入力画像と直前の符号化済みフレーム間の動き量を検出し、上記動き量が小さい領域ほど、閾値を小さな値に設定することを特徴とする請求項18記載の画像符号化装置。
  20. 画像符号化装置により生成された符号化データを復号して、その復号結果である再生画像とポストフィルタに関するフィルタ情報を出力する復号手段と、上記復号手段から出力された再生画像の局所的な特徴に応じて、上記再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する領域分類手段と、上記領域分類手段により分類された領域毎に、上記復号手段から出力されたフィルタ情報に含まれている複数のポストフィルタの中から当該領域に対応するポストフィルタを用いて、ポストフィルタ処理を実施するポストフィルタリング手段とを備えた画像復号装置。
  21. 画像符号化装置により生成された符号化データを復号して、その復号結果である再生画像とポストフィルタに関するフィルタ情報を出力する復号手段と、上記復号手段から出力されたフィルタ情報に含まれている領域分類情報にしたがって、上記再生画像を少なくとも1以上の領域に分類する領域分類手段と、上記領域分類手段により分類された領域毎に、上記復号手段から出力されたフィルタ情報に含まれている複数のポストフィルタの中から当該領域に対応するポストフィルタを用いて、ポストフィルタ処理を実施するポストフィルタリング手段とを備えた画像復号装置。
  22. 画像符号化装置により生成された符号化データを復号して、その復号結果である再生画像とポストフィルタに関するフィルタ情報を出力する復号手段と、上記復号手段から出力されたフィルタ情報に含まれているフィルタ選択情報にしたがって、ポストフィルタの選択単位である少なくとも1×1画素以上の局所領域毎に、予め用意されている複数のポストフィルタの中から、上記ポストフィルタの選択情報が示すポストフィルタを選択して、ポストフィルタ処理を実施するポストフィルタリング手段とを備えた画像復号装置。
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CN113573070A (zh) * 2021-06-03 2021-10-29 浙江大华技术股份有限公司 一种图像编码方法及装置、计算机存储介质

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