JP2011077591A - 画像処理装置、印刷システム、画像処理方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】赤目補正を適切に行うことを可能とする。
【解決手段】生成部23が、補正処理対象領域Pe1から特徴量として、R値/G値(またはR値/G値)を抽出し、R値とR値/G値を軸とする平面におけるR値/G値の分布において(またはR値とR値/B値を軸とする平面におけるR値/B値の分布において)、赤色赤目画素の分布と非赤色赤目画素の分布(または金色赤目画素の分布と非金色赤目画素の分布)を分離する分離曲線を生成するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。すなわち赤目領域を適切に補正することができる。
【選択図】図2
【解決手段】生成部23が、補正処理対象領域Pe1から特徴量として、R値/G値(またはR値/G値)を抽出し、R値とR値/G値を軸とする平面におけるR値/G値の分布において(またはR値とR値/B値を軸とする平面におけるR値/B値の分布において)、赤色赤目画素の分布と非赤色赤目画素の分布(または金色赤目画素の分布と非金色赤目画素の分布)を分離する分離曲線を生成するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。すなわち赤目領域を適切に補正することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置、印刷システム、画像処理方法、およびプログラムに関する。
人物をフラッシュを使用して撮影した場合、目の色が赤色や金色に撮影される赤目現象が発生する。デジタルカメラ、コンピューター、またはプリンター等の画像処理機能を有する装置には、この赤目現象が発生した画像を画像処理によって補正できるものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の方法では、赤目現象が発生している領域を精度よく特定することができず、その結果、赤目補正を適切に行うことができない場合があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、赤目補正を適切に行うことができるようにするものである。
本発明の一側面は、カラー画像の中の目の画像を含む領域を補正処理対象領域として取得する取得手段と、補正処理対象領域の中の赤目領域を特定するための赤目領域特定情報を生成する赤目領域特定情報生成手段と、赤目領域特定情報により特定される赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正手段とを有し、赤目領域特定情報生成手段は、補正処理対象領域から、その領域の色の特徴量を抽出する抽出手段と、少なくとも2つの特徴量を軸とする空間における特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を、赤目領域特定情報として生成する分離曲線生成手段とを有することを特徴とする。
分離曲線は、少なくとも2つの特徴量を軸とする空間における色の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する曲線である。補正処理対象領域の画素ごとに、赤目について判定するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。
分離曲線生成手段は、R(赤)値とR値/G(緑)値を軸とする空間における補正処理対象領域のR値/G値に基づく特徴量の分布、またはR値とR値/B値を軸とする空間における補正処理対象領域のR値/B値に基づく特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成することができる。これにより分離曲線を適切に生成することができる。
分離曲線生成手段は、特徴量として、R値の軸を所定の区間に区分し、その区間毎の、R値とG値の比の平均値またはR値とB値の比の平均値を用いて、分離曲線を生成することができる。これにより分離曲線を適切に生成することができる。
分離曲線生成手段は、特徴量として、R値の軸の区間毎のR値とG値の比の平均値を通る曲線に、補正処理対象領域全体のR値とG値の比の平均値を加算して得られる曲線、または区間毎のR値とB値の比の平均値を通る曲線に、補正処理対象領域全体のR値とB値の比の平均値を加算して得られる曲線を用いて、分離曲線を生成することができる。これにより分離曲線を適切に生成することができる。
分離曲線生成手段は、特徴量として、R値の軸の区間毎のR値とG値の比の平均値を通る曲線に、補正処理対象領域の各画素のR値とG値の比の標準偏差を乗算して得られる曲線、または区間毎のR値とB値の比の平均値を通る曲線に、補正処理対象領域の各画素のR値とB値の比の標準偏差を乗算して得られる曲線を用いて、分離曲線を生成することができる。これにより分離曲線を適切に生成することができる。
補正処理対象領域の画素の値と、その値の、分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、赤目領域を特定する特定手段をさらに設けることができる。
特定手段は、補正処理対象領域の画素の値と、その値の、分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、その画素に対する補正の強度を示す情報を生成し、補正手段は、その補正の強度を示す情報に応じた補正強度で補正を行うことができる。これにより赤目領域を適切に補正することができる。
前記赤目領域を構成する画素以外の画素の分布側にある画素であっても、その画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の比が所定の範囲内であるとき、一定の大きさの補正の強度を示す情報がその画像に割り付けられるようにすることができる。これにより、より適切に赤目を補正することができる。
以上説明した本願の補正手段を有する画像処理装置は、印刷装置と組み合わせ、印刷システムを構成することができる。印刷装置は、補正手段の出力に基づいて、印刷を実行する。
取得手段は、前記補正処理対象領域を、1ラインまたは所定のラインごとに前記特定手段に供給し、特定手段は、その1ラインまたは所定のラインごとに、前記補正処理対象領域の画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、赤目領域を特定することができる。これにより作業記憶領域が少ない場合でも、適切に赤目領域を特定することができる。
本発明の一側面は、カラー画像の中の所定の補正処理対象領域を取得する取得ステップと、補正処理対象領域から赤目領域を特定するための赤目領域特定情報を生成する赤目領域特定情報生成ステップとを含み、赤目領域特定情報生成ステップは、補正処理対象領域から特徴量を抽出する抽出ステップと、特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を、赤目領域特定情報として生成する分離曲線生成ステップとを含むことを特徴とする。
[プリンター1の構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態としてのプリンター1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。このプリンター1は、メモリーカード18等から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したカラーインクジェットプリンターである。また、プリンター1は、印刷するカラー画像に対して、自動的に、赤目部分を検出し、その部分を自然な色(たとえば、黒色等)に補正する機能(以下、自動赤目補正機能と称する)を有している。
図1は、本発明の実施の形態としてのプリンター1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。このプリンター1は、メモリーカード18等から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したカラーインクジェットプリンターである。また、プリンター1は、印刷するカラー画像に対して、自動的に、赤目部分を検出し、その部分を自然な色(たとえば、黒色等)に補正する機能(以下、自動赤目補正機能と称する)を有している。
プリンター1は、CPU11、内部メモリー12、操作部13、表示部14、プリンターエンジン15、およびカードインターフェース(カードI/F)16を備えている。
CPU(central processing unit)11は、各部を制御して、内部メモリー12に格納されているプログラムに応じて各種の処理等を実行する。
たとえばCPU11は、自動赤目補正モードが設定されている場合、印刷に先立って、印刷されるカラー画像(以下、印刷処理対象画像TIと称する)の中から、人物、犬などのペット等の目の画像を含む領域等を、画像全体、またはユーザーが指定した点の周囲の領域を検出する処理(以下、検出処理Z0と称する)を実行する。CPU11はまた、検出した領域(以下、補正処理対象領域Pe1と称する)から、赤目現象が発生している赤目領域を特定するための情報を生成する処理(以下、赤目領域特定情報生成処理Z1と称する)を実行し、その情報により特定される赤目領域の色を自然な色(たとえば、黒色等)に置き換える処理(以下、補正処理Z2と称する)を実行する。
内部メモリー12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを格納しているROM(Read Only Memory)、およびCPU11が実行対象とするプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)によって構成されている。
操作部13は、ボタンやタッチパネルの1つまたは複数により構成され、ユーザーによる操作内容をCPU11に通知する。
表示部14は、液晶ディスプレイ等により構成され、CPU11から供給された表示データに対応する画像を表示する。
プリンターエンジン15は、CPU11から供給された印刷データに基づき印刷を行う印刷機構である。
カードインターフェース(I/F)16は、カードスロット17に挿入されたメモリーカード18との間でデータのやり取りを行うためのインターフェースである。なお、この例では、メモリーカード18にRGBデータとしての画像データが格納されており、プリンター1は、カードインターフェース16を介してメモリーカード18に格納された画像データの取得を行う。
プリンター1の各構成要素は、バス19を介して互いに接続されている。
なおプリンター1は、さらに、他の機器(例えばデジタルスチルカメラやコンピューター)とのデータ通信を行うためのインターフェースを備えているとしてもよい。
[プリンター1の機能的構成例の説明]
図2は、検出処理Z0、並びに赤目領域特定情報生成処理Z1と補正処理Z2を実行するためのプリンター1の機能的構成例を示すブロック図である。この機能は、CPU11が内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現可能となる。
図2は、検出処理Z0、並びに赤目領域特定情報生成処理Z1と補正処理Z2を実行するためのプリンター1の機能的構成例を示すブロック図である。この機能は、CPU11が内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現可能となる。
画像読取部21は、印刷処理対象画像TIを、たとえばメモリーカード18から、カードI/F16を介して読み取る。
補正処理対象領域取得部22は、画像読取部21により読み取られた印刷処理対象画像TIのレプリカ(以下、単に、印刷処理対象画像TIとも称する)に対して、検出処理Z0を実行する。具体的には、たとえば人物の目の基本的な形状を表すテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法(たとえば、特開2006−279460号公報)といった公知の検出方法を用いて、目玉、白目、瞼、目頭、目尻等の部位を含む領域を取得する処理を実行する。補正処理対象領域取得部22はさらに、この処理の結果取得された領域(すなわち補正処理対象領域Pe1)から、赤みがかった瞳孔や虹彩を含む領域を取得する処理を実行する。なおこの処理の結果取得された領域を、赤目候補領域Pe2と称する。
図3は、印刷処理対象画像TIを模式的に示した図である。ここではこの印刷処理対象画像TIの中央の人物の左目部分に生じている赤目現象を処理対象とするものとする。図4は、図3の印刷処理対象画像TIの中央の人物の左目を含む画像領域(図3中、四角の枠で囲まれている領域)を拡大して模式的に示した図である。図4には、補正処理対象領域Pe1と赤目候補領域Pe2が示されている。この例の場合、目玉、白目、瞼、目頭、目尻等の部位を含む矩形領域が、補正処理対象領域Pe1として検出され、その中の赤目現象が生じている目玉を含む円形領域が、赤目候補領域Pe2として検出される。
図2に戻り赤目領域特定情報生成部23は、補正処理対象領域取得部22により取得された補正処理対象領域Pe1および赤目候補領域Pe2を用いて、赤目領域特定情報生成処理Z1を実行する。この例において、赤目領域を特定するための情報として、色の特徴量を軸とする空間における補正処理対象領域Pe1のその特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線が生成される。その分離曲線からの距離に応じた補正強度係数を画素毎に格納する補正強度マップMaが生成される。補正強度マップMaは、補正処理対象領域Pe1の各画素に対応する格納部を有しており、各格納部には、対応する補正処理対象領域Pe1の画素が赤目領域を構成する画素である可能性に応じた補正強度係数が格納される。
赤目領域特定情報生成部23は、特徴量抽出部31、分離曲線生成部32、および補正強度マップ生成部33を有して構成される。それらの構成要素の動作については、赤目領域特定情報生成処理Z1の説明と合わせて後述する。
補正部24は、赤目領域特定情報生成部23により生成された補正強度マップMaに格納されている補正強度係数に応じた補正強度で、印刷処理対象画像TIの色を黒色等に置き換える(赤目を修正する)補正処理Z2を実行し、印刷データを生成する。
図5は、自動赤目補正処理の流れを示すフローチャートである。ステップS11において、補正処理対象領域取得部22は、画像読取部21により読み取られた印刷処理対象画像TIに対して、検出処理Z0を実行する。
[赤目領域特定情報生成処理Z1の説明]
次にステップS12からステップS14において、赤目領域特定情報生成処理Z1が実行される。すなわちステップS12において、赤目領域特定情報生成部23の特徴量抽出部31は、補正処理対象領域取得部22により取得された補正処理対象領域Pe1の特徴量を抽出する。なお補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合は、各補正処理対象領域Pe1の特徴量がそれぞれ抽出される。
次にステップS12からステップS14において、赤目領域特定情報生成処理Z1が実行される。すなわちステップS12において、赤目領域特定情報生成部23の特徴量抽出部31は、補正処理対象領域取得部22により取得された補正処理対象領域Pe1の特徴量を抽出する。なお補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合は、各補正処理対象領域Pe1の特徴量がそれぞれ抽出される。
図6は、この特徴量抽出処理の詳細を示すフローチャートである。補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合、各補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、この処理が実行される。
特徴量抽出部31は、ステップS21において、補正処理対象領域Pe1の大きさが適切な大きさであるか否かを判定する。具体的には、たとえば、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が、赤目候補領域Pe2の直径の2倍以上の長さであるか否かが判定される。なお補正処理対象領域Pe1の大きさについてこのような判定を行う理由については、後述する。
ステップS21で、補正処理対象領域Pe1の大きさが適切な大きさではない(すなわちこの例の場合、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が赤目候補領域Pe2の直径の2倍より短い)と判定された場合、ステップS22において、特徴量抽出部31は、補正処理対象領域Pe1を適切な大きさに拡大する。この例の場合、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が赤目候補領域Pe2の直径の2倍となる拡大率で、補正処理対象領域Pe1の画素が補完される。
ステップS21で、補正処理対象領域Pe1の大きさが適切な大きさであると判定されたとき、またはステップS22で、補正処理対象領域Pe1が適切な大きさに拡大されたとき、ステップS23において、特徴量抽出部31は、補正処理対象領域Pe1の各画素のR成分値(R値)、G成分値(G値)、およびB成分値(B値)をそれぞれ検出し、補正処理対象領域Pe1のR値、G値、およびB値の平均値をそれぞれ算出する。
次にステップS24において、特徴量抽出部31は、補正処理対象領域Pe1の(R値/G値)の標準偏差と(R値/B値)の標準偏差をそれぞれ算出する。そしてステップS25において、特徴量抽出部31は、R値の軸の範囲(0〜255)を16等分して得られた区間(以下、赤成分区間Lrと称する)毎に、その赤成分区間LrのR値を有する各画素の(R値/G値)の平均値と(R値/B値)の平均値を、それぞれ求める。
このように、「補正処理対象領域Pe1のR値、G値、B値のそれぞれの平均値」、および「補正処理対象領域Pe1の(R値/G値)の標準偏差と(R値/B値)の標準偏差」、並びに「赤成分区間Lr毎の(R値/G値)の平均値と(R値/B値)の平均値」が、特徴量として抽出される。その後、処理は、図5のステップS13に進む。なお抽出された特徴量は、適宜、内部メモリー12に記憶される。
ステップS13において、赤目領域特定情報生成部23の分離曲線生成部32は、分離曲線を生成する。この例では、式(1)に示すFR/G(r)と式(2)に示すFR/B(r)が求められる。なお補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合は、各補正処理対象領域Pe1についての分離曲線がそれぞれ生成される。
式(1)中、HR/G(r)は、赤成分区間Lrの(R値/G値)の平均値を通る曲線である。rは、R値である。σR/Gは、補正処理対象領域Pe1の(R値/G値)の標準偏差である。αR/GとβR/Gは所定の係数である。また式(2)中、HR/B(r)は、赤成分区間Lrの(R値/B値)の平均値を通る曲線である。σR/Bは、補正処理対象領域Pe1の(R値/B値)の標準偏差である。αR/BとβR/Bは所定の係数である。
すなわちいずれの分離曲線について、その形は、式(1)および式(2)の第1項で決定され、赤成分区間Lrの(R値/G値)または(R値/B値)の平均値を基準として、(R値/G値)または(R値/B値)の標準偏差の大きさに応じた大きさの凹凸で変化する。なおαによりその変化が微調整される。曲線の高さは、式(1)および式(2)の第2項で決定され、補正処理対象領域Pe1における、R値の平均値とG値の平均値の比またはR値の平均値とB値の平均値の比が基準となっている。なおβによりその高さが微調整される。
ここで式(1)および式(2)の意味について説明する。
図7は、補正処理対象領域Pe1の各画素を、R値と(R値/G値)を軸とする平面に、そのR値と(R値/G値)に応じた位置にプロットした図である。白抜きの四角印(□印)は、赤色の赤目現象が生じている画素(以下、適宜、赤色赤目画素と称する)を示し、黒塗りの四角印(■印)は、赤色赤目画素以外の画素(すなわち赤色の赤目現象が生じていない画素(以下、適宜、非赤色赤目画素と称する))を示している。赤目現象には、瞳孔部分が赤色になる場合の他に、金色になる現象(いわゆる金目)があるが、金色の赤目現象が生じている画素については、後述する。
図7の例では、非赤色赤目画素は、その多くが下側に集まっている。一方赤色赤目画素は、非赤色赤目画素に比べ分散して分布しており、その多くは、非赤色赤目画素が集まっている領域より上方に存在する。
ところで補正処理対象領域Pe1(図4)の大きさが十分大きい場合、補正処理対象領域Pe1には、瞳孔以外の部分の画像の画素が多く含まれる。すなわち補正処理対象領域Pe1における非赤色赤目画素の数は、赤色赤目画素の数より圧倒的に多くなる。したがって補正処理対象領域Pe1の大きさが十分に大きい場合、R値毎(たとえば、赤成分区間Lr毎)の(R値/G値)の平均値は、非赤色赤目画素の分布を表していることになる。したがって式(1)に示した赤成分区間Lrの(R値/G値)の平均値を通る曲線HR/G(r)は、非赤色赤目画素の分布に沿った曲線になる。
また非赤色赤目画素の分布に沿った曲線HR/G(r)を、[補正処理対象領域Pe1におけるR値の平均値とG値の平均値の比]に対応する値だけ上方に移動させると(すなわち加算すると)、非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線を得ることができる。赤色赤目画素の多くは非赤色赤目画素が集まっている領域より上方に存在するので、この非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線は、非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布の境界を示す曲線、すなわち両者を分離する曲線になる。したがって式(1)のFR/G(r)は、非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線であって、非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布を分離する曲線になる。
一方、金色の赤目現象が生じている画素(以下、金色赤目画素と称する)は、黄色系の色であるので、金色赤目画素は、R値と(R値/G値)を軸とする平面では、非赤色赤目画素の分布の中に含まれてしまう。しかしながら、R値と(R値/B値)を軸とする平面では、金色赤目画素の分布は、R値と(R値/G値)を軸とする平面における赤色赤目画素と同じように上方に分散して分布する。金色赤目画素以外の画素(以下、非金色赤目画素と称する)は、R値と(R値/G値)を軸とする平面における非赤色赤目画素と同じようにその多くが下側に集まるように分布する。したがって金色赤目画素は、非金色赤目画素が集まっている領域より上方に存在する。
そのことから式(2)のFR/B(r)も、式(1)のFR/G(r)と同様な理由により、非金色赤目画素の分布の上側に沿った曲線であって、非金色赤目画素の分布と金色赤目画素の分布を分離する曲線となる。
なお非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布を分離する曲線FR/G(r)と、非金色赤目画素の分布と金色赤目画素の分布を分離する曲線FR/B(r)を得るには、R値毎(この例の場合、赤成分区間Lr毎)の(R値/G値)の平均値が、非赤色赤目画素の分布を表し、(R値/B値)の平均値が、非金色赤目画素の分布を表していることが必要になる。すなわち補正処理対象領域Pe1が、瞳孔以外の部分の画像の画素を多く含むような画サイズを有する必要がある。
そのような理由から補正処理対象領域Pe1の特徴量抽出処理(図5のステップS11)では、補正処理対象領域Pe1が、瞳孔以外の部分の画像を多く含むだけの大きさであるか否かが判定され(図6のステップS21)、そのような大きさでないと判定された場合、補正処理対象領域Pe1が拡大される(ステップS22)。この例の場合、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が、赤目候補領域Pe2の直径の2倍になるように補正処理対象領域Pe1が拡大される。
分離曲線生成部32は、求めた分離曲線FR/G(r)とFR/B(r)を、内部メモリー12に記憶する。
なおこの例の場合、R=0、R=225、および各赤成分区間Lrの中央値(16点)に対応付けて(R値/G値)の平均値を、分離曲線FR/G(r)の制御点として記憶し、その制御点の間は両隣の制御点に基づいて補完するものとする。またR=0、R=225、および各赤成分区間Lrの中央値(16点)に対応付けて(R値/B値)の平均値を、分離曲線FR/B(r)の制御点として記憶し、その制御点の間は両隣の制御点に基づいて補完するものとする。このように制御点のみを記憶することで、記憶容量を節約することができる。
このように分離曲線が生成されると、処理は、図5に戻りステップS14に進む。ステップS14において、赤目領域特定情報生成部23の補正強度マップ生成部33は、分離曲線に基づいて、赤目領域を特定する。この例の場合、その特定の結果を示す情報として補正強度マップMaが生成される。
補正強度マップMaは、上述したように、補正処理対象領域Pe1の各画素に対応する格納部を有している。格納部は、画素とみなすことができるので、補正強度マップMaは、少なくとも、補正処理対象領域Pe1と同じ画サイズを有していることになる。補正強度マップMaの各格納部(すなわち各画素)には、この例の場合、対応する補正処理対象領域Pe1の画素が赤目領域を構成する画素であると推定できる場合は、128以上の値が、そうでない場合には128より小さい値が格納される。
なお補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合、各補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて補正強度マップMaがそれぞれ生成される。
図8は、補正強度マップ生成処理の流れを示すフローチャートである。補正処理対象領域Pe1が複数存在する場合、各補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、この処理が実行される。
ステップS31において、補正強度マップ生成部33は、補正処理対象領域Pe1から注目する1個の画素(以下、注目画素と称する)を選択し、ステップS32において、注目画素のR値、(R値/G値)、および(R値/B値)を取得する。
次にステップS33において、補正強度マップ生成部33は、注目画素のR値に対応する分離曲線の値(以下、分離閾値と称する)を取得する。具体的には、式(1)より注目画素のR値における分離閾値としての(R値/G値)(以下、分離閾値R/Gと称する)が求められ、式(2)より注目画素のR値における分離閾値としての(R値/B値)(以下、分離閾値R/Bと称する)が求められる。
ステップS34において、補正強度マップ生成部33は、ステップS33で求められた分離閾値に応じた補正強度係数を求める。たとえば、図9に示す補正強度係数テーブルが参照されて、注目画素の(R値/G値)と分離閾値R/Gの比に対応する補正強度係数と、注目画素の(R値/B値)と分離閾値R/Bの比に対応する補正強度係数とが求められ、大きい方の補正強度係数が、その注目画素の補正強度係数とされる。そして補正強度マップ生成部33は、求めた補正強度係数を、注目画素に対応する補正強度マップMaの格納部に格納する。
注目画素の(R値/G値)と分離閾値R/Gの比が1以上となる画素は、R値と(R値/G値)を軸とする平面において(図7)、分離曲線FR/G上またはそれより上方に存在する。また注目画素の(R値/B値)と分離閾値R/Bの比が1以上となる画素は、R値と(R値/B値)を軸とする平面において、分離曲線FR/B上またはそれより上方に存在する。したがって注目画素の(R値/G値)と分離閾値R/Gの比、または注目画素の(R値/B値)と分離閾値R/Bの比が1以上になったときは、注目画素は、赤目画素の分布の中の画素、すなわち赤目領域を構成する画素として推定され、その画素には、128以上の値が割り当てられる。
一方、注目画素の(R値/G値)と分離閾値R/Gの比が1より小さい画素は、R値と(R値/G値)を軸とする平面において(図7)、分離曲線FR/Gより下方に存在する。また注目画素の(R値/B値)と分離閾値R/Bの比が1より小さい画素は、R値と(R値/B値)を軸とする平面において、分離曲線FR/Bより下方に存在する。したがって注目画素の(R値/G値)と分離閾値R/Gの比、および注目画素の(R値/B値)と分離閾値R/Bの比がいずれも1より小さいときは、注目画素は、非赤目画素の分布の中の画素、すなわち赤目を構成しない画素として推定され、128より小さな値が割り当てられる。
なお赤目を構成しない画素と推定された画素においても、(R値/G値)と分離閾値R/Gの比(または(R値/B値)と分離閾値R/Bの比)が0.8以上である場合は(すなわち分離曲線から2割下側に分布する画素については)、ある大きさの補正強度係数が割り与えられる。その結果、その画素には、補正処理Z2によりその補正強度係数に応じた補正強度で色補正される。これは、瞳孔でなくても赤目現象の影響を受けている部分にもある程度の補正をかけるためである。
次にステップS35において、補正強度マップ生成部33は、赤目候補領域Pe2内のすべての画素を注目画素として選択したか否かを判定する。まだ注目画素として選択されていない画素が存在する場合、補正強度マップ生成部33は、ステップS31に戻り、他の画素を注目画素として選択し、ステップS32以降の処理を同様に実行する。
ステップS35で、補正処理対象領域Pe1内のすべての画素を注目画素として選択したと判定された場合、補正強度マップMaが生成される。補正強度マップMaには、赤目領域を構成する画素であると推定された画素については128以上の値が格納され、赤目を構成しない画素であると推定された画素については128より小さな値が格納される。
このように補正強度マップMaが生成されると、図5の赤目領域特定情報生成処理Z1が終了する。
以上のように、分離曲線を用いて、補正処理対象領域Pe1の画素ごとに赤目について判定するようにしたので、赤目領域を構成する画素を推定することができ、結果として赤目領域を特定することができる。
次に処理は、図5のステップS15に進み、補正処理Z2が実行される。
[補正処理Z2の説明]
図10は、補正処理Z2の流れを示すフローチャートである。ステップS41において、補正部24は、赤目候補領域Pe2(図4)から注目する画素を選択し、ステップS42において、補正強度マップMaから、注目画素に相当する格納部に格納されている補正強度係数を読み取る。
図10は、補正処理Z2の流れを示すフローチャートである。ステップS41において、補正部24は、赤目候補領域Pe2(図4)から注目する画素を選択し、ステップS42において、補正強度マップMaから、注目画素に相当する格納部に格納されている補正強度係数を読み取る。
ステップS43において、補正部24は、読み取った補正強度係数に応じて、注目画素の色を調整する。たとえば補正強度係数の大きさに応じた濃さの黒色を選択し、注目画素の色を、その黒色に置き換える。
たとえば式(3)により、赤目候補領域Pe2の注目画素iとその両隣の画素i-1,画素i+1のRGBがブレンドされる。そして式(4)により、ブレンドされたRGB(式(3)中、R’,G’,B’)を用いて、ターゲットカラー(式(4)中、TargetColor)としてグレー色が求められる。
さらに式(5)により、注目画素の補正強度係数(式(5)中、Intensity)を用いて、ターゲットカラーと注目画素のRGBがブレンドされて、置き換えられる色(式(5)中、Rnew、Gnew,Bnew)が決定される。そして注目画素の色が、ここで求められた色に置き換えられる。
ステップS44において、補正部24は、赤目候補領域Pe2内のすべての画素を注目画素として選択したか否かを判定する。まだ注目画素として選択されていない画素が存在する場合、ステップS41に戻り、補正部24は、他の画素を注目画素として選択し、ステップS42以降の処理を同様に実行する。
ステップS44で、赤目候補領域Pe2内のすべての画素を注目画素として選択したと判定された場合、補正処理は終了する。このように補正強度係数の大きさに応じた度合いで色補正が行われる。
図11は、赤目候補領域Pe2部分の、補正強度マップMaに設定された補正強度のイメージを示した図である。図11には白色の程度が示されていないが、より白色の程、補正強度係数が高いことになる。このように赤目領域とされた領域に対して、所定の補正強度係数で色補正が施される。図12は、その補正が施された赤目候補領域Pe2のイメージを示した図である。この例では、図4と比較して瞳孔部分は黒色で示されているが、これは色補正が行われたことを表している。
[実施形態における効果]
1.以上のように、補正処理対象領域Pe1から特徴量として、(R値/G値)(または(R値/B値))を抽出し、
R値と(R値/G値)を軸とする平面における(R値/G値)の分布において(またはR値と(R値/B値)を軸とする平面における(R値/B値)の分布において)、赤色赤目画素の分布と非赤色赤目画素の分布(または金色赤目画素の分布と非金色赤目画素の分布)を分離する分離曲線を生成するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。
1.以上のように、補正処理対象領域Pe1から特徴量として、(R値/G値)(または(R値/B値))を抽出し、
R値と(R値/G値)を軸とする平面における(R値/G値)の分布において(またはR値と(R値/B値)を軸とする平面における(R値/B値)の分布において)、赤色赤目画素の分布と非赤色赤目画素の分布(または金色赤目画素の分布と非金色赤目画素の分布)を分離する分離曲線を生成するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。
たとえば検出処理Z0では、CPU11の処理能力や内部メモリー12の記憶容量などの制限により、精度よく赤目候補領域Pe2を検出することができない場合がある。しかしながら、上述したように、式(1)および式(2)を演算して分離曲線を生成し、その分離曲線を用いて、補正処理対象領域Pe1の画素ごとに赤目について判定するようにしたので、赤目領域を構成する画素を精度よく推定することができ、その結果として赤目領域を適切に特定することができる。
2.また以上のように、分離曲線を生成する際に、赤成分区間Lr毎に(R値/G値)(または(R値/B値))の平均値に基づいて、分離曲線を生成するようにしたので、補正処理対象領域Pe1の画素数が少ない場合でも、非赤目画素の分布に沿った分離曲線を生成することができる。画素数が少ない場合において、画素それぞれのR値に対応する(R値/G値)(または(R値/B値))に基づいて曲線を生成すると、凹凸が大きい曲線が生成される可能性がある。それに対して、ある区間毎の(R値/G値)の平均値に基づけば、分離曲線の凹凸のばらつきを抑えることができる。
たとえばプリンター1の内部メモリー12の作業領域が少ない場合、補正処理対象領域Pe1や赤目候補領域Pe2は、印刷処理対象画像TIの縮小画像から検出される。そのような場合、補正処理対象領域Pe1の画素数は少なくなるが、そのような場合でも、このように赤成分区間Lr毎に(R値/G値)(または(R値/B値))の平均値を用いれば、適切な分離曲線を生成することができる。
3.また以上のように、補正処理対象領域Pe1の各画素について、その画素の値と分離曲線との比較によって補正強度係数を設定するようにしたので、内部メモリー12の作業領域が小さく、たとえば赤目領域特定情報生成部23に、補正処理対象領域Pe1が1ラインずつしか供給されず、1ラインずつしか処理できない場合であっても、補正強度マップMaを生成することができる。また補正処理Z2においても注目画素以外は、両隣の画素だけを参照しているので、1ラインで処理できる。
4.また以上においては、なお赤目を構成しない画素として推定された画素においても、(R値/G値)と分離閾値R/Gの比(または(R値/B値)と分離閾値R/Bの比)が0.8以上である場合は(すなわち赤目領域を構成する画素以外の画素の分布側にある画素であっても、その画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の比が所定の範囲内である画素については)、補正強度マップMaにある大きさの補正強度係数を付与するようにしたので、赤目現象に関与している可能性がある画素についても補正することができ、より適切に赤目を補正することができる。
[変形例]
1.なお以上においては、分離曲線を生成する際に、補正処理対象領域Pe1の全ての画素の特徴量を用いたが、非赤目画素の分布をなるべく正確に推測するために、明らかに赤い画素については、分離曲線生成に用いないようにすることができる。
たとえば「0<=R値<=160であって、(R値/G値)>=4.5または(R値/B値)>=4.5である」画素、「160<R値<=255であって、(R値/G値)>=2.5または(R値/B値)>=2.5である」画素の特徴量を、分離曲線生成に用いないようにすることができる。
2.また以上においては、分離曲線の例として式(1)および式(2)を示したが、分離曲線を下記に示すように微調整することもできる。
分離曲線PR/Gに対しては、以下のような微調整ができる。
・赤成分区間Lrの平均値のノイズ成分を低減するために、あらかじめ加算平均をかける。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)の値が極端に小さかったり大きかったりする場合は丸め込みを行う。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)と(R値/B値)の標準偏差(σR/B)の比が一定水準より小さい場合は、暗い領域で極端に赤被りしていることが少ないため、補正処理対象領域Pe1のR値の平均値よりも低い領域の赤成分区間Lrの平均値は、そのR値の平均値が含まれる赤成分区間Lrの平均値よりも低くなるように丸め込みを行う。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)と(R値/B値)の標準偏差(σR/B)の比が一定水準より大きい場合は、画素値がノイズのため分散している可能性が高いので分離曲線の効果を弱くする(たとえば、σR/Gを大きくする)。
・赤成分区間Lrの平均値のノイズ成分を低減するために、あらかじめ加算平均をかける。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)の値が極端に小さかったり大きかったりする場合は丸め込みを行う。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)と(R値/B値)の標準偏差(σR/B)の比が一定水準より小さい場合は、暗い領域で極端に赤被りしていることが少ないため、補正処理対象領域Pe1のR値の平均値よりも低い領域の赤成分区間Lrの平均値は、そのR値の平均値が含まれる赤成分区間Lrの平均値よりも低くなるように丸め込みを行う。
・(R値/G値)の標準偏差(σR/G)と(R値/B値)の標準偏差(σR/B)の比が一定水準より大きい場合は、画素値がノイズのため分散している可能性が高いので分離曲線の効果を弱くする(たとえば、σR/Gを大きくする)。
分離曲線PR/Bに対しては、以下のような微調整ができる。
・赤成分区間Lrの平均値のノイズ成分を低減するために、あらかじめ加算平均をかける。
・R値が非常に高い部分では、効果的に金目や明るい赤目が分離できるように、分離曲線PR/Bの高さを低くする。
・R値が平均的な高い部分から低い部分にかけては、R値と(R値/B値)を軸とする平面では無理に色分離を行うことはせず、分離曲線PR/Bの高さを高くする。
・赤成分区間Lrの平均値のノイズ成分を低減するために、あらかじめ加算平均をかける。
・R値が非常に高い部分では、効果的に金目や明るい赤目が分離できるように、分離曲線PR/Bの高さを低くする。
・R値が平均的な高い部分から低い部分にかけては、R値と(R値/B値)を軸とする平面では無理に色分離を行うことはせず、分離曲線PR/Bの高さを高くする。
3.また以上においては、(R値/G値)または(R値/B値)の分布に基づいて分離曲線を生成したが、赤目領域を構成する画素とそうでない画素を分離できる分布形態を有する特徴量であれば、他の特徴量を用いて分離曲線を生成することができる。
4.また以上においては、プリンター1を利用した場合を例として説明したが、コンピューター、デジタルビデオカメラ、またはデジタルスチルカメラ等の他の画像処理装置に適用することができる。すなわち画像処理装置にインストールされる赤目補正ソフトウェア等に実装することができる。この場合、補正強度マップMaを生成する機能が画像処理装置に実装され、画像処理装置からプリンターや表示側に補正強度マップMaが提供され、プリンターや表示側で色補正が実行されるようにすることもできる。
5.また上述した機能は、コンピューター等によって実現される場合、上述した機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピューターで実行することにより、処理機能がコンピューター上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピューターで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピューターの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピューターから他のコンピューターにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピューターは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム若しくはサーバコンピューターから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピューターは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピューターは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピューターは、サーバコンピューターからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
なお上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
またフローチャートにその流れを示した処理は、各ステップが、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。また適宜処理を省略することもできる。
1 プリンター, 11 CPU , 12 内部メモリー, 13 操作部, 14 表示部, 15 プリンターエンジン, 16 カードI/F, 17 カードスロット, 18 メモリーカード, 21 画像読取部, 22 補正処理対象領域取得部(取得手段), 23 赤目領域特定情報生成部(赤目領域特定情報生成手段), 24 補正部(補正手段), 31 特徴量抽出部(抽出手段), 32 分離曲線生成部(分離曲線生成手段), 33 補正強度マップ生成部(特定手段)
Claims (12)
- カラー画像の中の目の画像を含む領域を補正処理対象領域として取得する取得手段と、
上記補正処理対象領域の中の赤目領域を特定するための赤目領域特定情報を生成する赤目領域特定情報生成手段と、
上記赤目領域特定情報により特定される赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正手段と
を有し、
上記赤目領域特定情報生成手段は、
上記補正処理対象領域から、その領域の色の特徴量を抽出する抽出手段と、
少なくとも2つの上記特徴量を軸とする空間における上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を、上記赤目領域特定情報として生成する分離曲線生成手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記分離曲線生成手段は、R(赤)値とR値/G(緑)値を軸とする空間における前記補正処理対象領域のR値/G値に基づく特徴量の分布、またはR値とR値/B値を軸とする空間における前記補正処理対象領域のR値/B値に基づく特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する前記分離曲線を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項2に記載の画像処理装置において、
前記分離曲線生成手段は、前記特徴量として、R値の軸を所定の区間に区分し、その区間毎の、R値とG値の比の平均値またはR値とB値の比の平均値を用いて、前記分離曲線を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置において、
前記分離曲線生成手段は、前記特徴量として、前記区間毎のR値とG値の比の平均値を通る曲線に、前記補正処理対象領域全体のR値とG値の比の平均値を加算して得られる曲線、または前記区間毎のR値とB値の比の平均値を通る曲線に、前記補正処理対象領域全体のR値とB値の比の平均値を加算して得られる曲線を用いて、前記分離曲線を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3または請求項4に記載の画像処理装置において、
前記分離曲線生成手段は、前記特徴量として、前記区間毎のR値とG値の比の平均値を通る曲線に、前記補正処理対象領域の各画素のR値とG値の比の標準偏差を乗算して得られる曲線、または前記区間毎のR値とB値の比の平均値を通る曲線に、前記補正処理対象領域の各画素のR値とB値の比の標準偏差を乗算して得られる曲線を用いて、前記分離曲線を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記補正処理対象領域の画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、赤目領域を特定する特定手段
をさらに有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記特定手段は、上記補正処理対象領域の画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、その画素に対する補正の強度を示す情報を生成し、
前記補正手段は、その補正の強度を示す情報に応じた補正強度で補正を行う
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項7に記載の画像処理装置において、
前記特定手段は、前記赤目領域を構成する画素以外の画素の分布側にある画素であっても、その画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の比が所定の範囲内であるとき、一定の大きさの補正の強度を示す情報をその画像に付与する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項7に記載の画像処理装置と、この画像処理装置の補正手段からの出力に基づいて印刷を実行する印刷装置とを有することを特徴とする印刷システム。
- 請求項1に記載の画像処理装置において、
前記取得手段は、前記補正処理対象領域を、1ラインまたは所定のラインごとに前記特定手段に供給し、
前記特定手段は、その1ラインまたは所定のラインごとに、前記補正処理対象領域の画素の値と、その値の、前記分離曲線に対応する値の大きさに基づいて、赤目領域を特定する
ことを特徴とする画像処理装置。 - カラー画像の中の所定の補正処理対象領域を取得する取得ステップと、
上記補正処理対象領域から赤目領域を特定するための赤目領域特定情報を生成する赤目領域特定情報生成ステップと
を含み、
上記赤目領域特定情報生成ステップは、
上記補正処理対象領域から特徴量を抽出する抽出ステップと、
上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を、赤目領域特定情報として生成する分離曲線生成ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 画像処理をコンピューターに実行させるプログラムであって、
カラー画像の中の所定の補正処理対象領域を取得する取得ステップと、
上記補正処理対象領域から赤目領域を特定するための赤目領域特定情報を生成する赤目領域特定情報生成ステップと、
を含み、
上記赤目領域特定情報生成ステップは、
上記補正処理対象領域から特徴量を抽出する抽出ステップと、
上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を、上記赤目領域特定情報として生成する分離曲線生成ステップと
を含む画像処理をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009223935A JP2011077591A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | 画像処理装置、印刷システム、画像処理方法、およびプログラム |
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Publications (1)
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