JP2011073175A - レシプロソー - Google Patents
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Abstract
【課題】 通常の切削作業も、広い板の中央に小窓を穿つといった作業も、いずれも容易にできるというレシプロソーがなかった。
【解決手段】 往復動体を具備する工具本体と、該往復動体に後端側が固定された鋸刃により構成されるレシプロソーであって、該鋸刃は、後端側から直線状に設けられた切削歯列域と、鋸刃の切削歯刻設部分の先端側を凸湾させながら細く構成することにより該凸湾に沿って先端近傍まで湾曲する凸湾歯列域とを有しており、且つ、該直状歯列域における歯列の方向は、該往復動体の前後動方向と等しい。
【選択図】 図2
【解決手段】 往復動体を具備する工具本体と、該往復動体に後端側が固定された鋸刃により構成されるレシプロソーであって、該鋸刃は、後端側から直線状に設けられた切削歯列域と、鋸刃の切削歯刻設部分の先端側を凸湾させながら細く構成することにより該凸湾に沿って先端近傍まで湾曲する凸湾歯列域とを有しており、且つ、該直状歯列域における歯列の方向は、該往復動体の前後動方向と等しい。
【選択図】 図2
Description
本発明は、往復動する鋸刃を具える切断工具であるレシプロソーの構造に関するものである。
鋸刃が工具本体に対して往復動することで木材等の切断を行なう工具を一般に「レシプロソー」と呼ぶ。これは、往復動する駆動軸に鋸刃を固定したものであり、切断箇所に鋸刃を押し当てながら駆動軸を駆動させると自動的に切断作業が行なわれ、作業者自身は鋸刃を押し込むだけで切断できることとなる。
この切断作業は、木材等の稜線にまず鋸刃の歯をあて、駆動軸を駆動させるという要領で切断作業をするのを基本としている。そのため、例えば広い板の中央に小窓を穿つといった作業には向いておらず通常は、当該小窓部分に鋸刃を挿入することができる「透孔」を予め作成しておき、ここを起点に作業しなければならない。当然、能率的ではない。
或いは、レシプロソーではなく丸鋸を用いる、という方法もある。但し丸鋸では繊細な切削作業ができないし、レシプロソーほどには小型化がなされていないので、通常の鋸挽き作業や細かな切削作業にはレシプロソーを用い、面上に切削溝を作成する場合には丸鋸を用いるという使い分けを行なう場合もある。
しかし、ドリル等で予め透孔を作成しておく方法も、丸鋸と併用する方法も、作業性・能率という点で好ましいものではなく、1つの工具で、通常の切削作業も、広い板の中央に小窓を穿つといった作業もできるというレシプロソーの出現が待たれていた。
そこで本発明者は、この点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものであり、その特徴とするところは、往復動体を具備する工具本体と、該往復動体に後端側が固定された鋸刃により構成されるレシプロソーであって、該鋸刃は、後端側から直線状に設けられた直状歯列域と、鋸刃の切削歯刻設部分の先端側を凸湾させながら細く構成することにより成る該凸湾に沿って先端近傍まで湾曲する凸湾歯列域とを有しており、且つ、該直状歯列域における歯列の方向は、該往復動体の前後動方向と等しい、という点にある。
即ち本発明のレシプロソーは、鋸刃自体の往復動方向と方向を同じくする直状歯列と、湾曲しながら先端に向かう凸湾歯列とを併せ持つことを特徴としている。そして、通常の鋸挽き作業(加工板面の稜から開始される切断作業)ではこの直状歯列が働き、凸湾歯列は、加工板面の稜からではなくその面上に切削溝を形成するという場合に働く。
鋸刃以外の部材については特に限定するものではなく、従来品を援用することも容易である。レシプロソーは通常、駆動源から得られた駆動力によって往復動する部材、この部材に着脱自在に取り付けられる鋸刃、グリップ、ON−OFFスイッチ、切断スピード調節スイッチ、等々から構成される工具である。そして本明細書中においては、鋸刃以外の部分を工具本体と呼び、また、該往復動する部材を往復動体と呼ぶこととする。
レシプロソーにおける鋸刃は、刃板の片側若しくは両側に多数の切削歯を刻設したものであるが、それによって作成される歯列は、通常直線的である。本発明の特徴の一つは、この歯列が「直線域(直状歯列域)」と「湾曲線域(凸湾歯列域)」で構成されている点にある。
直状歯列は、鋸刃の後端(往復動体側)から前方の適当な位置まで存在し、その位置から先端近傍までは凸湾歯列となる。この2種の歯列は、段差や急激な変化を伴って連続するのは好ましくない。また凸湾歯列域の長さは、30〜50mm程度あれば充分であるので、刃渡りの長い鋸であれば凸湾歯列域の割合が小さく、刃渡りの短い鋸であれば凸湾歯列域の割合が大きくなるということになる。
凸湾歯列を有する鋸刃は、切削歯刻設部分の先端側が凸湾しながら細く構成されていることになる。切削歯自体は、鋸刃凸湾部に存在していなければならないが、先端まで設けられている必要はない。
また本発明のもう一つの特徴は、直状歯列の方向が、往復動体の前後動方向と等しいところにある。これは、本発明に係るレシプロソーが通常の切断作業の作業性を損なうものではないからである。その意味で、両方向が「等しい」とは言え、従来の通常のレシプロソーが許容している程度のごく僅かな傾斜(3〜5度程度までの傾斜)は、「等しい」の概念に含むものとする。
本発明に係るレシプロソーは以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 鋸刃の先端側に凸湾部分があり、その部分まで切削歯が設けられているので、広い板の中央部分に溝を作成することも、その溝を深く彫り進めてスリット孔とすることもできる。これを利用すれば、ドリル等を用いて透孔をあけることなく、或いは丸鋸に持ち替えることなく、広い板中央への孔あけ作業ができる。
(2) 鋸刃後端から前方に向かって設けられた直状歯列の方向と、往復動体の前後動方向とが等しいので、通常の鋸挽き作業も容易にでき、その際凸湾歯列を構成する切削歯は作業を阻害しない。
(3) 工具本体については従来のレシプロソーがそのまま利用でき、且つこのレシプロソーにおいて鋸刃はほとんど替え刃式のものであるので、利用者は工具本体を新調せずとも採用できる。
(1) 鋸刃の先端側に凸湾部分があり、その部分まで切削歯が設けられているので、広い板の中央部分に溝を作成することも、その溝を深く彫り進めてスリット孔とすることもできる。これを利用すれば、ドリル等を用いて透孔をあけることなく、或いは丸鋸に持ち替えることなく、広い板中央への孔あけ作業ができる。
(2) 鋸刃後端から前方に向かって設けられた直状歯列の方向と、往復動体の前後動方向とが等しいので、通常の鋸挽き作業も容易にでき、その際凸湾歯列を構成する切削歯は作業を阻害しない。
(3) 工具本体については従来のレシプロソーがそのまま利用でき、且つこのレシプロソーにおいて鋸刃はほとんど替え刃式のものであるので、利用者は工具本体を新調せずとも採用できる。
図1は、本発明に係るレシプロソー1(以下「本発明レシプロソー1」という)の一例を示すものである。図より明らかなように、本例の本発明レシプロソー1は、交流電源による電動鋸であり、工具本体2と鋸刃3とにより構成されている。工具本体2は、従来品をそのまま利用しており、採番はしないが、電源コード、モータ、スイッチ類、グリップ部、等々を具備している。
また鋸刃3は、工具本体2に設けられた往復動体21に着脱自在に取設されるものであって、その切削歯は、図2に示すように、後端側から直線状に設けられた直状歯列域31と、鋸刃3の切削歯刻設部分の先端側を凸湾させながら細く構成することにより成る該凸湾に沿って先端近傍まで湾曲する凸湾歯列域32とを有している。そしてこの直状歯列域31における歯列の方向は、往復動体21の前後動方向とほぼ等しい。なお鋸刃3と往復動体21との連結は、鋸刃3の後端に設けられた連結構造部33を往復動体21に嵌め込み、固定ネジを締めることによって行なう。
次に図3(a)乃至(c)は、本発明レシプロソー1を用いて広い板B上に小窓形成のための切削溝Sを作成する要領を経時的且つ概略的に示したものである。
まず同図(a)のように広い板Bの適当な位置に、本発明レシプロソー1の凸湾歯列域32を当てる。凸湾歯列域32を当てた場合、直状歯列域31における歯列の方向は、広い板Bに対して傾斜することになる。その傾斜角度は、直状歯列域31中のどの歯を当てるかによって異なるが、概ね5〜10度程度が好ましい。そしてこの状態で往復動体21を稼動させる。
往復動体21の前後動が板面に対して傾斜しているので、鋸刃3が前進する時には本発明レシプロソー1全体を上昇させる方向に、鋸刃3が後退する時には本発明レシプロソー1全体を沈降させる方向に、力を受ける〔同図(b)〕。そこで、歯が常時板面上に存在するように手のひらで鋸刃3の背側を僅かな力Fで押してやると、切削作業はスムーズに遂行されるが、慣れれば押してやることなく切削できる。
こうしてある程度の深さの溝が形成されたら、傾斜角度を少しずつ大きくし、同様に切削してゆく〔同図(c)〕。そうすると次第に溝は深くなってゆき、貫通孔となった切削溝Sが得られる。ここで一旦スイッチを切り、この切削溝Sに鋸刃3を直状歯列域31まで差し込んで再びスイッチを入れると、通常の鋸挽き作業ができる。
そしてこれら一連の作業を、90度ずつずらして4回行なえば、広い板B上に矩形の小窓が形成されることになる。
そしてこれら一連の作業を、90度ずつずらして4回行なえば、広い板B上に矩形の小窓が形成されることになる。
1 本発明に係るレシプロソー
2 工具本体
21 往復動体
3 鋸刃
31 直状歯列域
32 凸湾歯列域
33 連結構造部
B 広い板
S 切削溝
F 押圧力
2 工具本体
21 往復動体
3 鋸刃
31 直状歯列域
32 凸湾歯列域
33 連結構造部
B 広い板
S 切削溝
F 押圧力
Claims (1)
- 往復動体を具備する工具本体と、該往復動体に後端側が固定された鋸刃により構成されるレシプロソーであって、該鋸刃は、後端側から直線状に設けられた切削歯列域と、鋸刃の切削歯刻設部分の先端側を凸湾させながら細く構成することにより該凸湾に沿って先端近傍まで湾曲する凸湾歯列域とを有しており、且つ、該直状歯列域における歯列の方向は、該往復動体の前後動方向と等しいものであることを特徴とするレシプロソー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009224539A JP2011073175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | レシプロソー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009224539A JP2011073175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | レシプロソー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011073175A true JP2011073175A (ja) | 2011-04-14 |
Family
ID=44017705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009224539A Pending JP2011073175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | レシプロソー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011073175A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103717363A (zh) * | 2011-05-27 | 2014-04-09 | Sm产品有限责任公司 | 往复式锯条 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63216622A (ja) * | 1987-03-03 | 1988-09-08 | Makita Denki Seisakusho:Kk | 電気鋸 |
JPH06206203A (ja) * | 1992-11-20 | 1994-07-26 | Matsushita Electric Works Ltd | 切断方法及びその工具 |
JPH09234624A (ja) * | 1996-02-29 | 1997-09-09 | Osamu Kato | 動力ノコギリのノコ刃 |
-
2009
- 2009-09-29 JP JP2009224539A patent/JP2011073175A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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JPS63216622A (ja) * | 1987-03-03 | 1988-09-08 | Makita Denki Seisakusho:Kk | 電気鋸 |
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CN103717363A (zh) * | 2011-05-27 | 2014-04-09 | Sm产品有限责任公司 | 往复式锯条 |
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