JP2011070503A - 配合設計支援システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品の良否が判定された品質データから、不良率が低い配合比率を有するコンパウンド製品の配合組成を設計する配合設計支援システムを提供する。
【解決手段】配合設計支援システムは、製品に含まれる成分及び成分の配合比率を含む成分組成データを作成する成分分析部と、成分組成データに基づいて主成分分析を行い、製品の品質モデル空間内で品質の良否を判定する判別軸を探索し、探索された判別軸上で製品の品質の良否率を示す良否率データを作成する判別分析部と、品質判定データについて、特定の成分が製品の品質に及ぼす影響度を示す影響度データを作成する影響度解析部と、特定の成分配合を有する製品から、良否率データ及び影響度データを参照して、所望の良否率が推定される製品の成分及び成分の配合比率を決定する配合比率決定部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、配合設計支援システム及び方法に関し、更に詳しくは、樹脂コンパウンドなどのコンパウンド製品から製造される最終製品の要求品質に合致したコンパウンド製品の配合を設計する配合設計に使用して好適な配合設計支援システム及び方法に関する。
従来から、中間製品である樹脂コンパウンドを客先に納入し、その客先で樹脂コンパウンドをモールド成型や熱処理などをすることによって、最終製品や部品に加工するという樹脂製品の取引形態が知られている。この場合、樹脂コンパウンドは、一般に複数原料を配合し、それらを混合して製造される混合物である。樹脂コンパウンド製品は、その顧客要求品質が、コンパウンド製品自体の品質ではなく、顧客でその製品を原料として製造された最終加工物の品質である点に特徴がある。
上記のような取引形態に起因して、樹脂コンパウンド製品の製造者には、納入した樹脂コンパウンド製品が、顧客における最終加工製品の品質に適したか否かについて、単に「良」又は「否」という限られた情報しか得られない場合がある。このため、樹脂コンパウンド製造者は、コンパウンド製品を製造する前の配合設計段階で、顧客での最終加工物の良否を推測し、不良要因を低減して良品となる確度を高めた上で、その製品の製造に着手することが求められる。
顧客の要求品質に影響を及ぼす、コンパウンド製品の配合材料及び配合比率を求める手法として、例えば多変数解析(多変量解析)による手法が考えられる。このような多変数解析の手法が特許文献1に記載されている。
特許文献1の技術は、複数の銘柄の原料配合プロセスにおいて原料配合の設計をする際に用いられる。この文献に記載された手法では、まず、複数の銘柄の原料から使用原料を選択して入力変数とする。過去の経験値に基づいて仮の使用率を設定し、入力変数を細分化して細分化変数の全ての組み合わせを編成する。次いで、各編成単位の各成分値を演算し、上下限制約値を設けた目標成分値を設定し、各編成単位の各成分値と上下限制約値を設けた目標成分値とを比較演算する。比較演算の結果で得られたベクトル方向の一致する編成単位を探索し、優先順位の高い成分に一致数の多いベクトルの編成単位を一つ選択する。選択した編成単位で、優先順位の高い成分値が目標に近く、しかも他の成分に新たな上下限成分値の逸脱のない使用率を演算する。その演算値を計算開始点として、入力変数の細分化ステップから繰り返し演算する。
特許文献1の手法では、多数の銘柄の原料から選択した複数の銘柄の各使用率を、配合原料から得られる成品の品質に影響すると判断される複数の成分値を考慮して演算を行う。これによって、目標成分値にほぼ合致した原料配合設計が達成され、成品品質の造り込みができる。
特開平6−266441号公報
特許文献1の手法では、複数銘柄の原料についてその配合材料(銘柄)及び配合比率から製品の品質を演算している。しかし、複数の銘柄がそれぞれ、複数の成分を含むことについては記載がない。コンパウンド製品の品質に直接的に影響を及ぼすのは、配合される原料及びその配合比率ではなく、全体の原料から得られる製品に含まれる成分及びその含有率である。このため、原料及びその配合比率で品質に影響を与える原料及びその配合比率の演算を行う限り、品質に与える因果関係について効率的な推定が困難である。
また、特許文献1の手法では、製品の品質について、定量化された細かなデータが得られているものの、前記の通り、コンパウンド製品では、製品の品質について細かなデータが得られず、単に製品の品質の良否のみであるため、この手法をそのままコンパウンド製品の設計に採用できないという問題がある。
特許文献1の手法では、配合そのものの最適化を実施することを目的としている。従って、配合設計者が設計した配合を用いたコンパウンド製品から得られる顧客の製品品質での良否を予測し、不良が発生し難い製品の配合を求めることについては、特許文献1の手法はそのままでは使用できない。
また、特許文献1には、製品の製造に際して環境に与える環境負荷や、製品に含まれる成分について定められる各国毎の規制に関しては、記載がない。
本発明は、上記に鑑み、例えば、樹脂コンパウンド製品における各銘柄の配合について、その樹脂コンパウンド製品から得られる最終製品の良否を予測するのに好適な配合設計支援システム及び方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、最終製品の良否の予測に加えて、例えば樹脂コンパウンド製品の製造が環境に与える環境負荷を予測しその環境負荷量を低減可能な、或いは、製品が使用される国の規制に適合できる配合を設計可能な配合設計支援システム及び方法をも提供することを目的とする。
本発明は、第1の視点において、製品毎に製品の原料及び配合比率を記述するデータ、及び、原料毎に原料の成分及び成分比率を記述するデータから、製品に含まれる成分及び成分の配合比率を含む成分組成データを作成する成分分析部と、
製造された製品毎に品質の良否が記述された品質判定データについて、前記成分組成データに基づいて主成分分析を行い、製品の品質モデル空間内で品質の良否を判定する判別軸を探索し、該探索された判別軸上で製品の品質の良否率を示す良否率データを作成する判別分析部と、
前記品質判定データについて、前記良否率データを参照して、特定の成分が製品の品質に及ぼす影響度を示す影響度データを作成する影響度解析部と、
特定の成分配合を有する製品から、前記良否率データ及び影響度データを参照して、所望の良否率が推定される製品の成分及び成分比率を決定する配合比率決定部と、を備える配合設計支援システムを提供する。
また、本発明は、第2の視点において、製品毎に製品の原料及び配合比率を記述するデータ、及び、原料毎に原料の成分及び成分比率を記述するデータから、製品に含まれる成分及び成分の配合比率を含む成分組成データを作成するステップと、
製造された製品毎に品質の良否が記述された品質判定データについて、前記成分組成データに基づいて主成分分析を行い、製品の品質モデル空間内で品質の良否を判定する判別軸を探索し、該探索された判別軸上で製品の品質の良否率を示す良否率データを作成するステップと、
前記品質判定データについて、前記良否率データを参照して、特定の成分が製品の品質に及ぼす影響度を示す影響度データを作成するステップと、
特定の成分配合を有する製品から、前記良否率データ及び影響度データを参照して、所望の良否率が推定される製品の成分及び成分比率を決定するステップと、を有する配合設計支援方法を提供する。
本発明の配合設計支援システム及び方法によると、配合される原料の各成分にまで遡って、製品に配合される成分及びその比率を演算するので、製品の品質に直接に影響を及ぼす成分及びその比率の把握が容易になる。このため、効率的な配合設計が可能になる。
本発明の一実施形態に係る配合設計支援システムのブロック図。 品質モデル空間を示す模式図。 良品/不良品判別値毎の不良率ヒストグラム。 成分毎の品質への影響度を示すグラフ。 配合支援設計システムを用いた配合設計の様子を示す手順図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る配合設計支援システムを詳細に説明する。図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る配合設計支援システムのブロック図である。配合設計支援システムは、プログラムによって制御される演算処理装置10及びその周辺装置で構成される。演算処理装置10は、原料−成分データベース(DB)31と、製品DB32と、環境負荷DB33と、規制DB34とを利用する。演算処理装置10は、コンパウンド製品、例えば、インク製造のためのコンパウンド製品の配合を設計するために利用される。
原料−成分DB31には、コンパウンド製品の製造に用いられる複数の原料毎に、原料に含まれる成分及びその比率が記述されている。また、製品DB32には、過去に出荷した製品であるコンパウンド製品に含まれる複数の原料及びその配合比率と、顧客での品質評価の結果である良否とが蓄積されている。なお、製造又は試作がされたものの、出荷されなかった製品のデータについては、その品質評価データを除いて蓄積される。環境負荷DB33には、成分毎に、その成分の使用によって環境に与える負荷が記述されている。規制DB34には、各国毎に異なる禁止成分などの規制が記述されている。各DB31〜34は、システム内にあってもよく、或いは、システム外にあってもよい。
演算処理装置10は、成分分析部11と、主成分分析部12と、判別分析部13と、影響度解析部14と、配合比率決定部15と、環境負荷演算部16と、規制適合判定部17とを有する。演算処理装置10には、入力装置21と、出力装置22と、記憶装置40とが付属している。記憶装置40には、図示しない演算処理装置のプログラムを格納するプログラム記憶部及び演算中のデータを格納するデータ記憶部に加えて、製品成分表41、品質モデル42、不良率ヒストグラム43、及び、影響度解析結果44を記憶する記憶部を有する。
成分分析部11は、製品DB32と、原料−成分DB31とから、コンパウンド製品毎の成分表を求め、これを製品成分表41として、記憶装置40内に格納する機能を有する。主成分分析部12は、製品成分表41に記述されたデータから、各製品における配合成分の主成分分析を行い、その結果として品質モデル(モデル空間)42を構築し、記憶装置40内に格納する。成分分析部11は、何れかの原料に酸成分及び塩基成分の少なくとも一方の成分が存在すると、その少なくとも一方の成分毎の酸価又は塩基価に基づいて、中和反応によって生成される塩、及び、過剰となった酸又は塩基量を算出して、成分組成データに含める。
判別分析部13は、正規化された配合比率データに主成分分析を行い、特定の主成分を採用することで成分データの次元を圧縮する処理と、製品の品質の良否データに対して、主成分の得点と品質の良否との関係を重回帰分析して、判別軸を構成する重回帰式(判別軸)を求める処理と、採用された特定の主成分のデータを、重回帰式上に射影し、重回帰式上を任意の間隔に分割し、分割されたそれぞれの区間での良品及び不良品の度数分布を求める処理とを実行する。判別分析部13は、品質モデル42内において、良品/不良品を判別するための判別軸を探索し、その判別軸に従って不良率(良否率)ヒストグラム43を作成し、これを記憶する。
影響度解析部14は、成分組成データについて、品質判定データが関連づけられた状態で主成分分析を実行する処理と、主成分得点を入力変数とする線形回帰モデルを構築し、線形回帰モデルの回帰係数を求める処理と、回帰係数を用いて、着目する成分の比率が単位量だけ変化したときの良否率の変化量求める処理とを実行する。また、良否率の変化量を求める処理は、独立成分分析を用いて特定成分を抽出する処理と、特定成分の比率が単位量だけ変化したときに、特定成分に影響する特定成分以外の変化量を最小化する二次計画問題を解く処理とを含む。影響度解析部14は、独立成分分析を実施し、成分毎にその成分がコンパウンド製品の品質に与える影響度を算出し、これを影響度解析結果44として記憶装置40内に格納する。
配合比率決定部15は、不良率ヒストグラム43、及び、影響度解析結果44を参照して、顧客の品質に適合する配合比率を決定する。
環境負荷演算部16は、環境負荷DB33を参照し、配合比率決定部15が決定したコンパウンド製品の成分及び配合比率を元に、そのコンパウンド製品の製造が環境に与えることとなる負荷量を演算する。演算結果が、予め定められた環境負荷量規制値以下であれば、その結果が規制適合判定部17に与えられる。規制適合判定部17は、規制DB34を参照し、配合比率決定部15が決定したコンパウンド製品の成分が、最終的に用いられる国毎に、その国の化学物質規制に適合するか否かを調べる。環境負荷演算部16及び規制適合判定部17における判定結果は、配合比率決定部15に与えられ、配合比率決定部15は、決定した配合比率をそのまま出力し、或いは、必要な修正を行って出力する。配合比率が決定したら、原料−成分DB31を参照して、原料及び配合比率が決定される。必要な比率を得るために、一部の原料の成分比率が修正される。
以下、実例を挙げて上記実施形態の配合設計支援システムの処理を説明する。配合設計支援システムによる配合設計に先立って、まず、コンパウンド製品の原料となる複数の銘柄について、成分分析部11にて、各銘柄の成分を分析した。分析結果は、その銘柄に含まれる成分化合物の種類と比率とを含む。次いで、製品DB32に含まれる、顧客に過去に納入した各コンパウンド製品の配合比率から、そのコンパウンド製品に含まれる成分及びその比率を含む製品成分表41を得た。更に、製品DB32に記述された、納入したコンパウンド各製品に対しての顧客の評価「良」又は「否」の実績から、各配合に対する良品率(不良品率)を得た。
上記データの収集により、配合製品毎に、その配合成分の比率、及び、その配合製品の良否の結果を得た。主成分分析部12は、各配合成分を変数とした線形重回帰分析により、新たな配合成分を採用した際の良否の予測を得ることを目的として、データの解析を以下のように行った。
製品DB32における配合データから、まず、配合成分の配合比率の平均値を算出し、その平均値に基づいて、配合成分毎の配合比率の分散を求め、データの標準化(正規化)を行った。これによって、製品成分表41に含まれる全ての配合成分数mについて、その平均値が0、分散が1となるデータが得られた。
成分数mの全てのデータを含む情報空間に対して、主成分分析を実施して、情報空間の内容を表現する主要な主成分を求めた。主要な主成分としては、固有値が最も大きなものから、固有値が1までのものを選択した。上記データからは、k=10程度の主成分が得られた。得られた主成分は例えば以下の通りである。
=a11+a12+.......+a1m
=a21+a22+........+a2m
................
=ak1+ak2+......+akm
次いで、製品成分表41から、過去の多数の製品での配合比率の実績値を上記主成分z〜zの式に代入した。得られた各主成分の数値z1〜zkを、k次元空間座標上にプロットした品質モデルを作成した。品質モデル空間内でプロットした点には、客先での品質評価「良」及び「否」を対応させた。更に、その品質モデル空間内で品質評価「良」又は「否」が最もよく現れる判別軸を重回帰分析により探索した。図2は、このときの品質モデル空間50を、探索された判別軸51と共に示す。図中、良品領域52は、主として良品がプロットされたエリアを、不良品領域53は、主として不良品がプロットされたエリアを示す。また、判別軸51上には、その軸上における良品の頻度のグラフ54、及び、不良品の頻度のグラフ55を示す。
判別軸51の探索は以下の計算で行われる。まず、判別軸51を、
Z=b+b+......+bと表す。
顧客における品質評価において、良品はZ=1に、不良品はZ=0に対応させて、上記重回帰式を計算して、最も高い数値を与えるように回帰係数b〜bを決定することで、重回帰式を求める。
次いで、上記判別軸51上で良品及び不良品のヒストグラムを作成する。図3は、あるコンパウンド製品について、判別分析部13によって得られた不良率(良率)ヒストグラム43の一例を示す。ヒストグラムの縦軸は、判別軸上で示される判別値、横軸は試料の頻度であり、良品と不良品の頻度を分けて示している。
影響度解析部14は、判別分析部13による解析結果を踏まえて、更に各成分が製品の品質に与える影響を把握するために、独立成分分析を実施した。この独立成分分析は、「入力変数間の相関関係を考慮した入力変数から出力変数への影響度算出法」(向井洋介、加納学、長谷部伸治(京都大学))(第8回計測自動制御学会・制御部門大会予稿集)を用いて、以下のように行われた。
入力変数間に相関関係が存在する場合には、各入力変数を独立に変化させることが出来ない。そこで、主成分の張る図2の空間上で、着目する入力変数が単位量だけ変化したとき、その他の入力変数がどのように変化するかを求め、次いで、その着目する入力変数の変化の総合的な効果として、判別値がどれだけ変化するかを求めた。求めた判別値の変化を、その入力変数である各成分による影響度とした。得られた影響度の例が、図4に示されている。
図4は、影響度解析部14における独立成分分析で得られた、ある製品に対する個別の成分の影響度解析結果44を示している。各成分の品質への影響は、その成分の単位量を加えたときに、製品品質に良い影響を与える成分をプラス側に、且つ、その影響度を基準点(0)からの長さで示した。また、単位量を加えたときに製品品質に悪い影響を与える成分をマイナス側に、且つ、その影響度を基準点からの長さで示した。
配合比率決定部15は、判別空間から得られた不良率ヒストグラム43と、各個別の成分の製品への影響度を示す影響度解析結果44とに基づいて、例えば、特定の製品における配合比率から、その不良率を低減させることが出来る配合比率及びその不良率の計算を行う。図5は、配合比率決定部15におけるこのような配合比率決定の様子を示している。
図5は、配合比率決定部15が、実際のコンパウンド製品における配合比率から、不良率が実質的に0となるコンパウンド製品の配合比率を決定した実例を示している。まず、この製品における各成分の配合比率を製品DB32から求める。この配合比率を図5の左側の成分比率で示している。次いで、判別軸上で判定値を求める。判別値は、0.21であった。次いで、この判別値に基づいて、不良率ヒストグラム43で、該当する−0.1以下の判別値から、この製品の不良率、約18%を推定する。
次いで、影響度解析結果44から、製品に含まれる成分で、品質に最も大きな影響を与えている成分を選定する。この場合、成分Dが品質の向上に大きく役立っているので、成分Dを増量することが考えられる。また、成分Dを増やすと同時に、不良率の増加に影響している成分Hがあるので、これを減量することを考える。そこで、成分Dを9.5%から1.8%増量して11.3%にすると同時に、成分Hを2.9%から1.8%減量して1.1%とする。次いで、得られた配合設計の、ヒストグラム上における不良率を推定する。
上記した、成分Dの増量と成分Hの減量による判別値の改善の程度は、以下のように見積もられる。成分Dの単位量(1.0%)の増加により判別値は約0.2改善するので、1.8%の成分Dの増量により、判別値は0.2×1.8=0.36改善する。また、成分Hの単位量(1.0%)の減量により、判別値は約0.18改善するので、1.8%の成分Hの減量により、判別値は0.18×1.8=0.32改善する。結局は、双方の成分D、Hの増量及び減量により、判別値は0.47となり、不良率が3.2%程度に軽減されることが理解できる。配合比率決定部15は、得られた配合設計を適切と判定すると、その配合比率を次段の環境負荷演算部16に引き渡す。また、不適切と判定すると、更に成分及び成分比率の変更が行われる。
環境負荷演算部16は、環境負荷DB33を参照し、配合設計が行われたコンパウンド製品が環境に与える環境負荷量を演算する。環境負荷DB33のデータについては、インターネットなどを通じて、種々のデータベースから取得できる。環境負荷量は、例えば、その成分を得る際に必要なエネルギー量や、排出されるCOなどから数値が定まる。環境負荷演算部16は、原料や製品出荷用包材毎に製造される際に発生した環境負荷量、製品の運送などによる環境負荷量、製品の製造過程発生する環境負荷量などを、環境負荷DB33を参照して算出しレシピ項目として管理する。そして、製造過程で発生する環境負荷量は、操作/作業、製造工程毎に管理積算する。さらに、算出された環境負荷量を所定のしきい値と比較して、それ以下であれば、これを良として規制適合判定部17に引き渡す。
規制適合判定部17は、規制DB34を参照して、コンパウンド製品に含まれる成分が、各国で定められている規制に適合するか否かを判定する。例えば、米国における黒色の新聞用大豆油インキに対して米国大豆協会では、大豆以外の植物油(乾性油に分類されているもの)を含んでいても構わないが、一番多く含まれている油が大豆油であり、調合インキ全重量の40パーセント以上であるように規制し、その条件を満足したインキに対してソイシールの貼付を許可している。また特定の国では、玩具に環境ホルモンと認定された特定の成分が含まれることを禁止している。或いは、特定の成分の所定量以上の混入を禁止しているなどの情報により、規制DB34が作成されている。
以上、説明したように、上記実施形態では、製品の各原料について、その構成成分にまで分解して全体の製品成分組成を求め、その成分組成で定まる製品の成分及びその配合比率データを扱って統計処理を行うので、製品の組成が製品の品質に与える影響が効率的に算出できる。特に、コンパウンド製品の品質データが良否の判定データのみである場合について、良好な配合設計の支援が可能になる。
上記実施形態では、配合を最適化するのではなく、配合設計者が設計した配合における客先での不良率を予測し、不良率が高かった場合に、予め解析した成分の影響度を元に配合の見直しを行うことにより、設計段階で良品確度を高めた上で製造段階に入るという設計の支援を行うものである。
また、上記実施形態では、単に顧客製品の品質の良否のみならず、環境に与える負荷量が小さく、且つ、化学物質規制に適合した顧客製品製造用原料を得るのに適したコンパウンド製品の設計が可能になる。
本発明を特別に示し且つ例示的な実施形態を参照して説明したが、本発明は、その実施形態及びその変形に限定されるものではない。当業者に明らかなように、本発明は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
10:演算処理装置
11:成分分析部
12:主成分分析部
13:判別分析部
14:影響度解析部
15:配合比率決定部
16:環境負荷演算部
17:規制適合判定部
21:入力装置
22:出力装置
31:原料−成分DB
32:製品DB
33:環境負荷DB
34:規制DB
40:記憶装置
41:製品成分表
42:品質モデル
43:不良率ヒストグラム
44:影響度解析結果
50:品質モデル空間
51:判別軸
52:良品領域
53:不良品領域
54:良品の頻度グラフ
55:不良品の頻度グラフ

Claims (9)

  1. 製品毎に製品の原料及び配合比率を記述するデータ、及び、原料毎に原料の成分及び成分比率を記述するデータから、製品に含まれる成分及び成分の配合比率を含む成分組成データを作成する成分分析部と、
    製造された製品毎に品質の良否が記述された品質判定データについて、前記成分組成データに基づいて主成分分析を行い、製品の品質モデル空間内で品質の良否を判定する判別軸を探索し、該探索された判別軸上で製品の品質の良否率を示す良否率データを作成する判別分析部と、
    前記品質判定データについて、前記良否率データを参照して、特定の成分が製品の品質に及ぼす影響度を示す影響度データを作成する影響度解析部と、
    特定の成分配合を有する製品から、前記良否率データ及び影響度データを参照して、所望の良否率が推定される製品の成分及び成分比率を決定する配合比率決定部と、を備える配合設計支援システム。
  2. 前記判別分析部は、
    正規化された前記成分組成データに主成分分析を行い、特定の主成分を採用することで成分組成データの次元を圧縮する処理と、
    前記特定の主成分の得点と前記品質判定データにおける品質の良否との関係を重回帰分析して、前記判別軸を構成する重回帰式を求める処理と、
    前記特定の主成分の得点を前記重回帰式上に射影し、該重回帰式上を任意の間隔に分割する処理と、
    前記分割されたそれぞれの区間での良品及び不良品の度数分布を含む求める処理とを実行して、前記良否率データを求める、請求項1に記載の配合設計支援システム。
  3. 前記影響度解析部は、
    前記成分組成データに、前記品質判定データを関連づけて蓄積する処理と、
    前記成分組成データについて、前記品質判定データが関連づけられた状態で主成分分析を実行する処理と、
    主成分得点を入力変数とする重回帰モデルを構築し、該重回帰モデルの回帰係数を求める処理と、
    前記回帰係数を用いて、着目する成分の比率が単位量だけ変化したときの良否率の変化量を求める処理とを実行して、前記影響度を算出する、請求項1又は2に記載の配合設計支援システム。
  4. 前記影響度解析部における前記良否率の変化量を求める処理が、
    独立成分分析を用いて特定成分を抽出する処理と、
    前記特定成分の比率が単位量だけ変化したときに、該特定成分に影響する特定成分以外の変化量を最小化する二次計画問題を解く処理とを含む、請求項3に記載の配合設計支援システム。
  5. 各成分が環境負荷に影響を与える環境負荷量を記述する環境負荷データベースを参照し、前記配合比率決定部で決定された配合比率に基づいて、製品の環境負荷量を演算する環境負荷演算部を更に備える、請求項1〜4の何れか一に記載の配合設計支援システム。
  6. 製品毎に規制された成分を示す規制データベースを参照し、前記配合比率決定部で決定された成分を含む製品が、所定の規制に適合しているか否かを判定する規制適合判定部を更に備える、請求項1〜5の何れか一に記載の配合設計支援システム。
  7. 前記成分分析部は、何れかの原料に酸成分及び塩基成分の少なくとも一方の成分が存在すると、該少なくとも一方の成分毎の酸価又は塩基価に基づいて、中和反応によって生成される塩及び過剰となった酸又は塩基量を算出して、前記成分組成データに含める、請求項1〜6の何れか一に記載の配合設計支援システム。
  8. 製品毎に製品の原料及び配合比率を記述するデータ、及び、原料毎に原料の成分及び成分比率を記述するデータから、製品に含まれる成分及び成分の配合比率を含む成分組成データを作成するステップと、
    製造された製品毎に品質の良否が記述された品質判定データについて、前記成分組成データに基づいて主成分分析を行い、製品の品質モデル空間内で品質の良否を判定する判別軸を探索し、該探索された判別軸上で製品の品質の良否率を示す良否率データを作成するステップと、
    前記品質判定データについて、前記良否率データを参照して、特定の成分が製品の品質に及ぼす影響度を示す影響度データを作成するステップと、
    特定の成分配合を有する製品から、前記良否率データ及び影響度データを参照して、所望の良否率が推定される製品の成分及び成分比率を決定するステップと、を有する配合設計支援方法。
  9. 成分組成データを作成するステップは、何れかの原料に酸成分及び塩基成分の少なくとも一方の成分が存在すると、該少なくとも一方の成分毎の酸価又は塩基価に基づいて、中和反応によって生成される塩及び過剰となった酸又は塩基量を算出して、前記成分組成データに含める、請求項8に記載の配合設計支援方法。
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