JP2011065184A - 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法 - Google Patents

光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011065184A
JP2011065184A JP2010270620A JP2010270620A JP2011065184A JP 2011065184 A JP2011065184 A JP 2011065184A JP 2010270620 A JP2010270620 A JP 2010270620A JP 2010270620 A JP2010270620 A JP 2010270620A JP 2011065184 A JP2011065184 A JP 2011065184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
marking
optical film
optical
film
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010270620A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Nakazono
拓矢 中園
Seiji Umemoto
清司 梅本
Tomohito Takita
智仁 瀧田
Fumito Shimanoe
文人 島ノ江
Yuki Yano
祐樹 矢野
Teruaki Osawa
曜彰 大沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2010270620A priority Critical patent/JP2011065184A/ja
Publication of JP2011065184A publication Critical patent/JP2011065184A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】欠点情報がマーキングとして印字された光学フィルムが巻回されており、該マーキング部位の凹凸変形の転写による欠陥が生じにくいロール原反を提供する。
【解決手段】偏光子を含む光学フィルムの長尺シートを巻回してなるロール原反であって、欠点部位に対応する位置に、少なくとも1つのマーキングが形成されており、該マーキングの光学濃度が1.5以上であり、かつ、マーキング中央部の厚みが1.5μm以下であるロール原反。マーキングの単位厚みあたりの光学濃度は2.5μm−1以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子を含む光学フィルムの長尺シートを巻回してなり、欠点部位または欠点周辺部位に、マーキングが形成されているロール原反に関する。さらに、本発明は、該ロール原反を液晶セル等の光学表示ユニットに貼り合わせて、液晶表示装置等の画像表示装置を製造する方法に関する。
近年、液晶表示装置等の画像表示装置に用いられる偏光板等の光学フィルムは、液晶テレビ等の大画面化に伴い、表示特性に対する要求が強くなっており、光学的な欠陥に対する要求が厳しくなっている。その要求に対して、人間による目視や、自動検査装置を用いて、光学的な欠点を検出して、当該欠点を除去する方法が用いられている。また、欠点が検出された場合に、その位置情報を記録することによって、欠点を含む部分を光学表示ユニットへの貼り合わせから除外すれば、最終製品である画像表示装置に光学フィルム由来の欠点の混入を抑止できるため、光学フィルムのロスの減少や、欠点を含む不良品の光学表示ユニットから光学フィルムを剥離するリワーク処理を行う割合の減少が可能であり、歩留まり向上や、コストダウンに寄与することができる。
欠点が検出された場合に、その位置情報を記録する方法としては、一般にインク等により欠点部位にマーキングとして印字する方法(例えば、特許文献1)や、欠点検出結果に関する情報をバーコードや文字情報としてコード化してフィルムに印字する方法(例えば、特許文献2)、あるいはICチップ等の記録媒体に記録したものを、光学フィルム製品に添付する方法(例えば、特許文献3)等が提案されている。
また、特許文献1、2のように光学フィルムに印字を行う場合、当該印字部位はマーキングを構成するインク等の厚み分だけ、わずかではあるが厚みが大きくなる。そのため、光学フィルムが巻回され、ロール原反となった場合には、印字部位の厚みの相違、すなわち凹凸変形が、巻回によって当該印字部位と接する部分に転写し、これが打痕等の変形を生じ、本来であれば良品となる部分に新たな欠点が発生するという問題があった。このような転写による欠点の発生を抑止する観点から、光学フィルムの有効幅外、すなわち、液晶セル等の光学表示ユニットに貼り合わせられる部分ではない、幅方向の端部に印字を行う方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
一方、欠陥に対する要求に加えて、画像表示装置のコストダウンに対する要求も年々高まっている。かかる要求に応える観点から、長尺の光学フィルムが巻回されたロール原反から光学フィルムを繰り出して供給する供給手段と、光学フィルムを搬送方向に所定間隔で切断する切断手段と、切断された光学フィルムを光学表示ユニットと貼り合わせる貼合わせ手段とを具備し、これら各手段を連続した製造ライン工程上に配置した製造ラインにより画像表示装置を製造する方法(特許文献5)が提案されている。このような構成においては、光学フィルムのロール原反から直接、所望のサイズに切断加工して、切断された光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせることができるため、従来であれば、シート状の製品から所定サイズの光学フィルムを打ち抜き、打ち抜き後の光学フィルムを厳重に梱包し、パネル加工メーカに納品していたところを、ロール原反を直接梱包して納品することが可能となるため、工数や工程部材の削減に寄与し得る。
また、特許文献5の製造方法において、切断手段により光学フィルムを切断する前に欠点を検査し、欠点を含む光学フィルムが光学表示ユニットに貼り合わされないように制御すれば、最終製品である画像表示装置の歩留まりを向上し得る。
上記特許文献5においては、欠点検査に際して、光学フィルムに仮着された離型フィルム(セパレータ)を一旦剥離した後に、欠点検査を行い、再度セパレータを貼り合わせることが提案されている。一方、事前に欠点検査を行い、この欠点情報を前述の特許文献1〜4に記載のごとく、ロール原反に記録することによって、セパレータを剥離することなく、光学フィルムのロール原反から直接、所望のサイズに切断加工して、切断された光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせることができる。
特開平9−304295号公報 特許第3974400号公報 特開2008−32747号公報 特開2005−62165号公報 WO2008/047712号国際公開パンフレット
上記特許文献5のように、光学フィルムのロール原反から直接、所望のサイズに切断加工して、切断された光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせる製造方法では、供される光学フィルムのロール原反は、光学表示ユニットとの貼り合わせに適するように、光学表示ユニットのサイズに合わせたサイズの所定幅に事前スリットされているのが一般的である。そのため、ロール原反の幅方向の全てが、光学表示ユニットと貼り合わされ、最終製品である画像表示装置を構成することとなる。したがって、特許文献4のように、幅方向の端部に印字を行った場合でも、当該部分が最終製品に含まれるため、転写による打痕等の発生の問題を解消することができない。
また、特許文献3のように、光学フィルムに印字を行わずに欠点情報をロール原反に添付する方法によれば、上記のような転写による欠点発生の問題は生じない。しかしながら、光学フィルム製造時に欠点検出結果に関する位置情報を記録する側と、光学フィルムを光学表示ユニットへ貼り合わせて画像表示装置を製造する際に欠点検出結果に関する位置情報を読み取る側の両者で、欠点検出結果と光学フィルムの位置関係を厳密に一致させる必要がある。そのため、両者のシステム導入や検尺計のメンテナンス等に多大な労力とコストを要する上に、欠点検出結果に関する位置情報の記録と読み取りに齟齬が生じた場合には、良品部分が光学表示ユニットに貼り合わされずに廃棄され、欠点部分が誤って光学表示ユニットへ貼り合わされてしまうといった問題を生じるリスクがある。
かかる観点から、本発明は、欠点情報がマーキングとして印字された光学フィルムが巻回されており、該マーキング部位の凹凸変形の転写による欠陥が生じにくいロール原反を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、マーキングの厚みと光学濃度が所定範囲である場合に、欠点の検出精度が高く、かつ、巻回してロール原反とした場合にも、転写による打痕等の問題を生じ難いことを見出し、本発明に至った。
本発明は、偏光子を含む光学フィルムの長尺シートを巻回してなり、少なくとも1つの欠点部位または欠点周辺部位に、マーキングが形成されたロール原反に関する。本発明のロール原反においては、マーキングの光学濃度が1.5以上であり、かつ、マーキング中央部の厚みが1.5μm以下である。また、マーキングの単位厚みあたりの光学濃度は2.5μm−1以上であることが好ましい。
一実施形態において、本発明のロール原反は、光学フィルムの幅方向の全てが製品部分として供されるものである。当該実施形態の一例として、光学フィルムが液晶セル等の光学表示ユニットに貼り合わされるものである場合には、ロール原反を形成する光学フィルムは、スリット等によって端部を除去することなくその全幅が液晶セルに貼り合わされる。
本発明によれば、マーキングの厚みが所定範囲以下であるため、光学フィルムを巻回してロール原反とした場合においても、マーキング部位の凹凸変形の転写による欠陥が生じ難い。また、マーキング部位が所定の光学濃度を有しているために、マーキング部位の識別が容易である。そのため、マーキング検出率を高く保つことができ、マーキング部位を含む光学フィルムが他の部材と組み合わされることがないように除去することができ、最終製品の歩留まり向上、コストダウンに寄与し得る。
光学フィルムの積層形態の例を表す概略断面図である。 画像表示装置の製造工程の一実施形態を説明するための概念図である。 実施例におけるマーキング方法およびマーキング手段の構成を説明するための概念図である。 実施例の打痕発生率を評価する際の光学フィルムの積層形態を説明するための概略断面図である。 実施例のマーキング検出率を評価するためのマーキング検出評価装置の構成を説明するための概念図である。
<光学フィルムの構成>
以下、本発明の好適な実施形態について適宜図面を参照の上説明する。図1は本発明のロール原反を構成する光学フィルム1の積層形態の一例を表す概略断面図である。光学フィルム1は、偏光子11を含む。偏光子とは、自然光や偏光から任意の偏光に変換し得るフィルムをいう。本発明に用いられる偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得るが、自然光又は偏光を直線偏光に変換するものが好ましく用いられる。
[偏光子]
偏光子としては、目的に応じて任意の適切なものが採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。また、米国特許5,523,863号等に開示されている二色性物質と液晶性化合物とを含む液晶性組成物を一定方向に配向させたゲスト・ホストタイプのO型偏光子、米国特許6,049,428号等に開示されているリオトロピック液晶を一定方向に配向させたE型偏光子等も用いることができる。このような偏光子の中でも、高い偏光度を有するという観点や、後述する偏光子保護フィルム等との接着性の観点から、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系フィルムによる偏光子が好適に用いられる。
光学フィルムは、偏光子以外の任意の光学層を含んでいてもよい。このような光学層としては、例えば偏光子11の片面または両面に積層される偏光子保護フィルムとしての透明フィルム12a、12bが挙げられる。このような透明フィルム12a、12bの材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。偏光子と、偏光子保護フィルムとしての透明フィルムとは、接着剤層を介しての積層されることが好ましい。
[その他の光学層]
上記以外に光学フィルムを構成し得る光学層としては、例えば、前記透明フィルムの偏光子11を積層しない面に、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものが挙げられる。その他に、輝度向上フィルム、反射層、位相差板等(不図示)が挙げられる。また、偏光子保護フィルムとして位相差板の機能を兼ね備えたものも好適に用い得る。
(粘着剤層)
さらに、光学フィルム1の一方主面には、光学表示ユニットを貼り合わせるための粘着剤層13を設けることもできる。粘着剤層13を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましく用いうる。
(離型フィルム)
粘着剤層13の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に離型フィルム(セパレータ)14が仮着されてカバーすることが好ましい。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層に接触することを防止できる。離型フィルム14としては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属シート、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したもの等の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
(表面保護フィルム)
さらに、離型フィルム14が仮着されるのと反対側の光学フィルム1の主面には、光学フィルムを実用に供するまでの間、光学フィルムの傷つき等を防止することを目的に表面保護フィルム15が仮着されていてもよい。表面保護フィルム15は、プラスチックフィルムから構成される基材フィルムの片面に、剥離可能に貼付される軽剥離性の弱粘着剤層を有するものが好適に用いられる。
表面保護フィルムの基材フィルムは、特に限定されるものではないが、たとえば、ポリプロピレンやポリエステルなどの2軸延伸フィルムを好ましく用いることができる。基材フィルムの厚みについては特に制限されないが、好適には10〜200μm程度である。
表面保護フィルムを光学フィルムに仮着するための弱粘着剤層を構成する粘着剤は、特に限定されるものではないが、たとえば、アクリル系、合成ゴム系、ゴム系のいずれの粘着剤をも使用することができる。これらの中でも組成により粘着力をコントロールし易いアクリル系粘着剤が望ましい。粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を適宜に使用することもできる。
<マーキングの形成>
本発明のロール原反を構成する光学フィルムには、欠点部位または欠点周辺部位にマーキング21が形成されている。欠点とは、例えば異物や気泡、あるいは汚れ等、本来光学フィルムに含まれるべきでない外来物を包含する部分や、打痕、キズ、凹凸欠陥、ねじれ、よれ等の変形部分等、光学フィルムが光学表示ユニット貼り合わせされた画像表示装置が形成された場合に、その表示状態に不良を生じ得る部分を指す。
このような欠点は、例えば、目視による欠点検査や公知の欠点検出装置等の欠点検出手段を用いて検出され、欠点部位または欠点周辺部位にマーキング21が形成される。欠点部位とは、光学フィルムの欠点の位置と幅方向および長さ方向の座標が略同一である部位を指す。また、欠点周辺部位とは、光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせるために所定サイズの枚葉体に切断した場合に、欠点部位と同一の枚葉体に包含される範囲を指す。本発明のロール原反が、ロール原反から直接光学フィルムを繰り出し、所望のサイズに切断加工して、切断された光学フィルムを光学表示ユニットに貼り合わせる製造方法に供される場合、欠点部位とマーキング部位の長さ方向の座標の差異は、好ましくは±200mm以内、より好ましくは±100mm以内、さらに好ましくは±50mm以内、特に好ましくは±10mm以内である。一方、幅方向の座標の差異は特に制限されず、例えば、幅方向の端部のように、欠点部位からフィルム幅方向に移動した所定位置に、マーキングが形成されていればよい。
光学フィルムへのマーキングは、光学フィルムを構成するいずれの光学層に形成されていてもよく、光学フィルム製造工程のいずれの段階においてマーキングが形成されてもよい。例えば、積層して光学フィルムとする前の各光学層の欠点を欠点検出手段により検出して、各光学層にマーキングを形成してもよく、各光学層を積層して光学フィルムを形成した後に、光学フィルムの最表面にマーキングを形成してもよい。
また、離型フィルムや表面保護フィルムを仮着する前の光学フィルムの欠点を欠点検出手段により検出し、離型フィルムや表面保護フィルムにマーキングを形成した後に仮着することもできる。この場合、離型フィルムや表面保護フィルムへのマーキングは、光学フィルムの欠点の位置に対応するように形成される。離型フィルムや表面保護フィルムは、光学表示ユニットとの貼り合わせに際して、あるいは貼り合わせ後に除去されるために、最終製品としての画像表示装置に含まれない工程部材である。そのため、離型フィルムや表面保護フィルムを仮着する前に欠点を検出してマーキングを形成すれば、工程部材に起因する欠点にはマーキングが形成されないため、画像表示装置を形成した場合に表示欠陥とならない良品部分にまでマーキングが形成されることを抑止し、光学フィルムの歩留まりを向上することができる。
離型フィルムや表面保護フィルム等の工程部材を仮着する前の光学フィルムの欠点を検出する場合、マーキングは工程部材を仮着する前の光学フィルムに形成することもできるし、欠点検出後に工程部材を仮着し、工程部材にマーキングを形成することもできる。さらには、工程部材仮着前の光学フィルムの欠点検出と同時、あるいは欠点検出後に、欠点検出位置と対応する工程部材の部位にマーキングを形成してもよい。
マーキングは、例えば、ペン等のマーキング手段との接触による印字方式や、インクジェット等のマーキング手段と非接触の印字方式等、各種公知の方法により形成することができる。また、欠点検出手段により欠点が検出された場合、警報音や光などによって知らせることによって人手によるマーキングを行うこともできるし、欠点検出手段とマーキング手段を適宜の制御手段により連動させることで、欠点部位または欠点周辺部位に自動的にマーキングが形成されるようにしてもよい。またこれらを併用することもできる。特に、マーキングの形状や厚みを一定とする観点からは、欠点部位または欠点周辺部位に自動的にマーキングが形成されるようにすることが好ましい。
本発明のロール原反を構成する光学フィルムにおいては、前記マーキング21の中央部の厚みが1.5μm以下である。マーキングの厚みは光干渉式表面粗さ計によって測定することができ、「マーキング中央部」とはマーキング全体において最もマーキング厚みが大きい部分を指す。また、「マーキングの中央部の厚み」とは、当該マーキング中央部を通り、かつマーキング長辺方向と直交する断面の断面積を、当該マーキング断面の底辺(フィルム面との交線)の長さで割ったものである。なお、マーキングの厚みの測定方法の詳細については後述の実施例において説明する。
マーキングの厚みが過度に大きいと、光学フィルムを巻回してロール原反とした場合に、マーキング部位の変形が、巻回によって当該マーキング部位と接する部分に転写することによって、打痕等の変形を生じ、新たな欠点が発生する確率が高くなる。かかる観点から、マーキングの厚みは1.2μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましく、0.8μm以下であることが特に好ましい。
マーキング部位の変形の転写による欠点の発生を抑制する観点からは、マーキングの中央部の厚みは小さい方が好ましいが、過度に小さいと後述する光学濃度が低くなり、マーキング検出手段におけるマーキング検出率が低下する傾向がある。かかる観点から、マーキングの厚みは0.3μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
マーキングの厚みは、マーキングを形成するためのペンやインクジェット等のマーキング手段の種類や、マーキング手段としてのペンとの光学フィルムとの接触圧(筆圧)、マーキング手段としてのインクジェットノズルから噴出されるインクの液滴の大きさやインク濃度等により調整することができる。また、フィルムを搬送させながらマーキングを形成する場合には、フィルムの搬送速度を変更するによってマーキングの厚みを調整することもできる。
さらに、本発明のロール原反を構成する光学フィルムにおいては、マーキングの光学濃度が1.5以上であることが好ましい。光学濃度とは、微小分光光度計を用いてマーキング部位の吸収スペクトルを測定した際の、吸収ピーク波長における吸光度である。すなわち、「光学濃度が高い」とは、マーキング部位の吸収ピーク波長における吸光度が大きいことを意味し、光学濃度が高いと、マーキング検出手段におけるマーキング検出率が高くなる傾向がある。マーキング検出工程におけるフィルムの搬送速度を大きくした場合におけるマーキング検出率の低下を抑止する観点から、マーキングの光学濃度は、2.0以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましく、3.0以上であることがさらに好ましく、3.5以上であることが特に好ましい。なお、光学濃度の測定方法の詳細については後述の実施例において説明する。
マーキングの単位厚みあたりの光学濃度とは、光学濃度を前記マーキングの厚みで割ったものである。前述のようにマーキングの厚みを所定範囲以下としながら、光学濃度を高くして、マーキング検出率を上げる観点からは、マーキングの単位厚みあたりの光学濃度は高い方が好ましい。マーキングの単位厚みあたりの光学濃度は、2.5μm−1以上であることが好ましく、2.8μm−1以上であることがより好ましく、3.0μm−1以上であることがさらに好ましく、3.2μm−1以上であることが特に好ましい。マーキングの単位厚みあたりの光学濃度を高くする観点からは、適宜のマーキング手段を採用することが好ましい。このようなマーキング手段としては各種のインク等が挙げられるが、特に、吸光係数が高いものを用いることが好ましい。このような吸光係数が高いインクとしては、例えば、吸収スペクトルにおける吸収ピークが急峻であり、スペクトル幅(半値幅)が小さいものを好適に用い得る。
このような吸光特性は、適宜の手段により評価することができる。例えばマーキング手段として市販のペンを用いる場合、当該ペンによって透明フィルムに線を描画し、この描画部分の吸光スペクトルを測定することによって吸光特性を評価し得る。このように実際の製品としての光学フィルムにマーキングを形成する前に、事前に吸光特性を評価すれば、過度の試行錯誤を経ることなく、所望の光学濃度を有するマーキングを形成することが可能となる。
以上のように、本発明のロール原反においては、光学フィルムのマーキングの厚みを小さくすることによって、光学フィルムを巻回してロール原反とした場合における転写による打痕等の欠点の発生を防止しつつ、マーキングの単位厚みあたりの光学濃度を高くすることによって、マーキング検出手段における検出率を高める、換言すれば検出漏れを抑制するというものである。
マーキングによる吸収波長領域や、吸収ピーク波長はマーキング検出手段において感知し得る範囲内であれば特に制限されず、可視光領域(380nm〜780nm)のみならず、紫外光領域や、赤外光領域であってもよい。例えば、偏光子は可視光猟期の光を吸収するため、偏光子を含む光学フィルムにおいては、透明フィルムの場合に比してマーキングが検出され難い傾向があるが、偏光子による吸光度が小さい波長領域にマーキングによる吸収波長ピークがあれば、マーキング検出感度を高くすることができる。
一方、マーキング検出手段において、広く用いられるシリコン系のディテクタを用いる場合は、マーキングの吸収ピーク波長が可視光領域にあることが好ましい。また、マーキングを目視にて確認し得るという観点からも、マーキングによる吸収ピーク波長が可視光領域にあることが好ましい。特に、目視による視認性を高める観点からは、マーキングの吸収ピーク波長が500nm〜600nmの範囲にあることが好ましい。500nm〜600nmは光のスペクトルで青緑〜緑〜黄〜橙にあたるため、この波長領域に吸収を有する場合、透過光あるいは反射光は、その補色である赤〜紫〜青に相当する光となる。人間の視覚は、黄〜黄緑に対して最も敏感であるため、500〜600nmの波長領域の光の量が大きいと、マーキングによる吸収がない周辺部分との差異を目視にて認識することが困難となる。これに対して、該波長領域に吸収ピークを有していれば、吸光度、すなわち光学濃度が相対的に小さい場合であっても、マーキングの存在を目視によって認識することが容易となる。
<ロール原反の形成>
このようにしてマーキングが形成された光学フィルムは、巻回されることにより、ロール原反に形成される。より具体的には、所定の径からなる巻芯を中心にシート製品を所定の張力で巻回することにより、ロール原反が製造される。
上記巻芯の外径は一般に70mm以上であり、より好ましくは150mm以上である。当該巻芯の外径が小さすぎると、巻芯近辺の曲率が大きくなるため、光学フィルムに仮着された離型フィルムや表面保護フィルムに剥がれが生じる等の問題を生ずる場合がある。一方、巻回後のロール原反の外径には上限があることから、巻芯の外径が過度に大きいと、巻芯に巻回できるシート製品の長さが短くなってしまう。かかる観点から、光学フィルムを巻回した後のロール原反の外径(巻径)が、1500mm以下、より好ましくは1000mm以下となるように、巻芯の外径を選択することが好ましい。
巻芯に巻回する際に光学フィルムに付与する張力(巻付け張力)は、50N/m以上であることが好ましく、より好ましくは100N/m以上である。張力が小さすぎると、巻芯に対して良好に巻回することができない場合がある。一方、巻付け張力が大きすぎると、巻回によってマーキング部位と接する部分にマーキングの凹凸が転写することによって、打痕等の変形を生じ易い傾向があるため、巻付け張力は300N/m以下であることが好ましく、200N/m以下であることがさらに好ましい。
さらに、本発明のロール原反は、最終製品のサイズに合わせた幅を有することが好ましい。最終製品とは典型的には液晶表示装置に代表される画像表示装置であり、ロール原反から繰り出された光学フィルムを液晶セル等の光学表示ユニットと貼り合わせることによって形成される。一般には、ロール原反は光学表示ユニットのサイズに比して幅広であるため、最終製品のサイズに合わせた幅とするために、光学表示ユニットのサイズに合わせて所定サイズにスリットされる。なお、このような所定サイズへのスリットは、光学フィルムの製造工程において行い、前記所定サイズにスリットされたロール原反とすることができる。また、幅広の光学フィルムを一旦ロール原反として巻回した後に、幅広のロール原反から光学フィルムを繰り出し、所定サイズにスリットした後、再度巻芯に巻回して所定サイズにスリットされたロール原反とすることもできる。
<画像表示装置の形成>
本発明のロール原反は、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置の形成に好ましく用いることができる。画像表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。例えば、画像表示装置が液晶表示装置であれば、液晶セル(光学表示ユニットに相当する)と光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。液晶セルとしては、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に配置し得る。
本発明のロール原反は、欠点部位または欠点周辺部位にマーキングが形成されているため、画像表示装置の製造は、光学フィルムのマーキングが形成されていない部分のみを光学表示ユニットに貼り合わせる方法により行うことが好ましい。
特に、画像表示装置の製造にかかるコストを削減しつつ、歩留まりを向上する観点においては、ロール原反から、光学フィルムの長尺シート製品を繰り出し、マーキングの有無を識別可能な検査手段により検出するマーキング検出工程、切断手段を用いて光学フィルムの幅方向に光学フィルムを切断し、光学フィルムを光学表示ユニットの基板に貼り合わせるためのサイズに切断する切断工程、光学表示ユニットの基板に貼り合わせるためのサイズに切断された光学フィルムを前記基板に貼り合わせる貼合工程、を一連の連続の工程として行うことが好ましい。
このような連続の工程による製造方法において、マーキング検出工程においてマーキングが検出された部分を製品から除去するように切断工程を行うか、あるいは、マーキングが検出された部分を、光学表示ユニットの基板以外に貼り合わせることによりマーキングが形成されていない部分のみを光学表示ユニットに貼り合わせることができる。
図2は、本発明の画像表示装置の製造工程の一例を表す概念図である。以降適宜図面を参照しながら、各工程を順次説明する。
(1)マーキング検出工程
マーキングが形成された光学フィルムのロール原反201は、自由回転あるいは一定の回転速度で回転するようにモータ等と連動されたローラ架台301に設置される。ロール原反201から光学フィルムのシート製品F1が繰り出され、下流側に搬送される。搬送装置としては、多数の搬送ローラ302を備えており、これらの搬送ローラにより形成される搬送路に沿ってシート製品F1を搬送するものが好適に用いられる。当該搬送路は、ロール原反の繰り出し部分から光学表示ユニットとの貼合部分まで延びている。
繰り出された光学フィルムのシート製品F1はマーキング検出手段303によりマーキングの有無が検出される。マーキングの検出方法としては、シート製品に光を照射し、マーキング部位での透過光または反射光の強度が小さくなることによりマーキングの有無を識別可能なものが好適に用いられる。
図2においては、マーキング検出手段303として、シート製品F1に光を照射し、その透過光強度を検出することによりマーキングを検出するものが図示されている。当該図示例において、マーキング検出手段303は、光源3031、カメラ3032、カメラコントローラ3033を備える。光源3031から射出された光は、シート製品F1に照射され、その透過光がカメラ3032に入射する。カメラ3032は、適宜のレンズを備え、CCDカメラのように、入射光の強度を位置(ピクセル)ごとに検出可能な光学素子である。カメラにて検出された各ピクセルの入射光強度の情報は、カメラコントローラ3033に送信される。カメラコントローラは、カメラにて検出された入射光強度を所定の階調(例えば白黒8ビット=256階調)の信号に変換する。
光学フィルムのマーキングが形成された部分においては、所定の光学濃度を有するため、周辺部分に比して光源3031からの光の透過光強度が小さくなる。そのため、マーキング部位とその周辺部分では、透過光強度の階調が異なる。カメラコントローラ3033は、透過光強度が低い部分の透過光強度の階調Xとその周辺部分の透過光強度の階調Yとの差Y−Xを演算し、Y−Xが予め設定された閾値より大きい場合は、当該透過光強度が低い部分を「マーキング有り」と判定する。一方Y−Xが閾値より小さい場合は、周辺部分に比して透過光強度が小さいのはノイズに起因するものであると判断して、当該部分を「マーキング無し」と判定する。閾値を過度に高く設定すると、マーキング検出率が小さくなり、閾値を過度に低く設定するとノイズに基づく誤検出(過検出)が増加する傾向があるため、閾値は光源のスペクトル特性やカメラの特性等に合わせて、適宜設定することが好ましい。
さらに、カメラコントローラ3033は、「マーキング有り」と判定された部分の位置座標を算出する。なお、算出される位置座標はシート製品の搬送方向の座標のみで足りる。このマーキングの位置座標が、後述の切断工程によるスキップカット、あるいは、排除機構に提供されることによって、マーキングが形成されていない部分のみを光学表示ユニットに貼り合わせて、画像表示装置を形成することができる。
本発明のロール原反を用いた場合、光学フィルムのマーキング部位が所定の光学濃度を有しているため、マーキング検出工程におけるマーキング検出率が高くなる、すなわちマーキングが未検出となる確率が低くなるため、マーキングを含む光学フィルムが光学表示ユニットに貼り合わされることを未然に抑止することができる。
(2)切断工程
マーキング検出工程において、マーキングの有無が判断された後、シート製品F1は切断工程において切断手段304により、光学表示ユニットのサイズに合わせた所定サイズに切断される。切断手段304としては、例えば、レーザ装置、カッター、その他の公知の切断手段等が挙げられる。ここで、ロール原反201が、光学表示ユニットのサイズに合わせたサイズの所定幅、すなわち、光学表示ユニットの長辺又は短辺に対応する長さに事前スリットされていれば、切断工程において搬送方向(シート製品の長手方向)に所定間隔で切断するのみで、シート製品を光学表示ユニットのサイズに合わせた所定サイズに切断することができる。
(フルカットによる切断)
切断工程においては、光学フィルムを構成するすべての光学層を完全に切断(フルカット)する方法を採用することができる。フルカット方式による切断においては、搬送されてきたシート製品F1を、吸着装置等の適宜の固定手段(図示せず)によって固定し、切断手段304によって光学フィルムを構成する全ての部材をロール原反の巻芯に平行な幅方向に沿って切断する。切断されたシート製品は固定手段によって固定されたまま、貼り合わせ手段305へ搬送される。
(ハーフカットによる切断)
また、一部の光学層を未切断の状態(ハーフカット)とすることもできる。このようなハーフカットの切断形態の一例として、光学フィルム1として図1のように、偏光子11の両面にそれぞれ透明フィルム12a、12bが積層され、その一方に表面保護フィルム15、他方に粘着剤層13および離型フィルム14が積層された構成を有する場合を例として説明する。切断手段304は、離型フィルム14を切断せずに、表面保護フィルム15、偏光子11ならびにその両面に積層された透明フィルム12a、12b、および粘着剤層13を、ロール原反の巻芯に平行な幅方向に沿って切断する。このように、光学表示ユニットに貼り合わせられない工程部材である離型フィルムを切断しないことにより、搬送装置による搬送張力が離型フィルム14を介して切断後のシート製品に伝わるため、切断後においても搬送張力によってシート製品を貼り合わせ手段305へ搬送することができる。
(スキップカット方式)
さらに、マーキング検出工程においてマーキングが検出された部分を製品から除去するように切断工程を行う場合、マーキング検出手段により得られたマーキングの位置座標が切断工程に提供され、その座標情報に基づいて、マーキング部位を避けるように切断工程が行われる(スキップカット)。すなわち、欠点部分を含む切断品は不良品として後工程で排除機構によって排除される。これにより、光学フィルムの歩留まりが大幅に向上し得る。マーキング部位を含むシート製品F1は、排除機構(不図示)によって排除され、光学表示ユニットWには貼り付けされないように構成される。
一方、上記のようなスキップカットを行わずに、マーキングの存在を無視して、シート製品F1を連続的に所定サイズに切断してもよい。この場合、後述の貼合工程において、当該部分を光学表示ユニットWに貼り合わせずに除去するように構成することが好ましい。
(3)貼合工程
切断工程において所定サイズに切断されたシート製品F1は、貼合工程において貼り合わせ手段305により、粘着剤層を介して光学表示ユニットと貼り合わされる。シート製品F1に離型フィルムが仮着されている場合は、離型フィルムを事前に除去して、あるいは除去しながら、貼り合わせが行われる。前述の切断工程においてフルカット方式を採用した場合、粘着テープのロールから粘着テープを繰り出し、ロールで押さえつけながら粘着テープを離型フィルムに貼り、離型フィルムを剥離するように粘着テープを巻き取る方法等によって離型フィルムを除去することができる。また、前述の切断工程においてハーフカット方式を採用した場合、切断されていない光学層(例えば離型フィルム)を、適宜の巻取り手段によってロール状に巻き取りながら離型フィルムを剥離する方法等によって離型フィルムを除去することができる。なお、剥離フィルムの剥離は、人手で行なってもよく、公知の離型フィルム剥離装置を用いてもよい。シート製品F1を光学表示ユニットの貼り合わせは、例えば押さえローラや案内ローラのような1本あるいは複数のロールの押圧によって、シート製品F1を光学表示ユニット面に圧接しながら貼り合わせる方法を好適に採用することができる。
マーキング部位を含むシート製品は、例えば、仮板ユニット(不図示)に貼り合わせたり、適宜のローラに巻き取ることにより、光学表示ユニットに貼り合わせずに除去することができる。また、ハーフカット方式を採用した場合、切断されていない光学層(例えば離型フィルム)に貼り合わせたままの状態で、当該光学層を巻き取るための巻取り手段によって巻き取ることもできる。
以上のような工程によれば、光学フィルムを所定サイズに切断された枚葉体でハンドリングする必要がなく、生産効率を高めることができる。また、従来の画像表示装置の製造において、光学フィルム製造メーカとパネル加工メーカで別に行っていた偏光板の定尺切断と光学表示ユニットへの貼り合わせを1箇所で連続的に行うことも可能であり、光学フィルム製造メーカにおける偏光板の端面加工やクリーン包装、輸送梱包、あるいは、パネル加工メーカにおける梱包解体が不要となるため、コストダウンおよび歩留まりの向上に寄与し得る。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[光学フィルム]
光学フィルムとして、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子の両面に偏光子保護フィルムとしての透明フィルムが積層された偏光板の一方の偏光子保護フィルム表面にアクリル系の粘着剤層が設けられ、該粘着剤層にシリコーン系剥離剤でコート処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータが仮着されたもの(日東電工社製 商品名「NPF VEG1724DU」)が巻回されたロール原反を用いた。
[マーキングの形成]
光学フィルムの粘着剤層が設けられていない側の偏光子保護フィルムの表面に、図3に示すマーキング手段403を用いて長さ20mmのマーキングを形成した。図3において、マーキングが施されていない光学フィルムのロール原反401からニップ駆動のロール対402を用いて10m/分の搬送速度で光学フィルムが繰り出され、200mmの間隔で設置されたサポートロール403aおよび403b上を光学フィルムの粘着層側が通過するように導かれる。マーキング手段403は、サーボモータにより駆動するアクチュレータ4031を備え、アクチュレータ4031の先端のホルダー4032にはペン4033がセットされている。アクチュレータの動作により、ペン4033が上下動し、マーキングを行う際には、光学フィルムの保護フィルム表面の高さより−5mmの高さに60°の角度でペン先が当たるようにペン4033が下方へ移動する。
(比較例1)
図3のマーキング手段において、ペン4033として、パイロット社製の黒色油性ペン(商品名「Vスーパーカラー」)を用いて、幅5mm×長さ20mmのマーキングを形成した。このマーキングを「マーキングA」とする。
(比較例2)
図3のマーキング手段において、ペン4033として、シャチハタ社製の黒色油性ペン(商品名「潤芯」)を用いて、幅5mm×長さ20mmのマーキングを形成した。このマーキングを「マーキングB」とする。
(比較例3)
図3のマーキング手段において、ペン4033として、シャチハタ社製の黒色油性ペン(商品名「潤芯」)を用いて、幅5mm×長さ20mmのマーキングを形成した。ただし、比較例3においては、ペンのキャップを開放した状態で室温(22℃)に48時間放置したものを用いた。このマーキングを「マーキングC」とする。
(実施例1)
図3のマーキング手段において、ペン4033として、ステッドラー社製の黒色油性ペン(商品名「ルモカラー」)を用いて、幅5mm×長さ20mmのマーキングを形成した。このマーキングを「マーキングD」とする。
[マーキングの厚みの測定]
実施例および比較例によりマーキングが形成された光学フィルムからセパレータを剥離し、光学フィルムを50mm×100mm大のスライドガラス(MATSUNAMI社製)にハンドロールを用いて光学フィルムに予め設けられたアクリル系粘着剤層を介して貼り付け、光干渉式表面粗さ計(vecco社製 製品名「WYKO NO800」を用いて下記の条件にて表面形状を測定した。
・基準線設定: 光学フィルムの測定装置側表面に設定
・Back Scan: 30μm
・Scan Length: 40μm
・Modulation threshold: 0.1%
・Sthitching: X=25mm、Y=8mm
得られた表面形状データから、マーキング長辺方向の中点を通り、かつマーキング長辺方向と直交する断面の面積を求め、その断面積を断面の底辺の長さで割ったものをマーキング中央部の厚みとした。
[光学濃度の測定]
マスキングテープ(日東電工社製 型番「No.7235」)を用いて、実施例および比較例で得られたマーキングが形成された光学フィルムを、50mm×100mm大のスライドガラス(MATSUNAMI社製)に貼り付け、 微小分光光度計(Lambda Vision社製 製品名「LVmicro」)を用いて、マーキングの中央部の微小領域における吸収スペクトルを下記の条件にて測定し、吸光度のピーク値を光学濃度とした。
・光源: ハロゲン重水素光源
・ピンホールサイズ: 100μmφ
・センサー: Multidetetor
・計測モード: 透過率測定モード
実施例および比較例の光学フィルムについて、マーキング中央部の厚み、光学濃度、および単位厚みあたりの光学濃度(光学濃度をマーキング中央部の厚みで割ったもの)を表1に示す。
Figure 2011065184
[ロール原反荷重の評価]
光学フィルムが巻回されたロール原反において、光学フィルムに架かる荷重を評価した。上記実施例および比較例に用いたのと同様の光学フィルム(日東電工社製 商品名「NPF VEG1724DU」)の長尺原反(長さ約1000m)を、200N/mの張力を付与しながら長手方向に搬送し、外径152mmの巻芯に巻回した。巻回に際して、巻き始めから約10m、約300m、約600m、約900mの時点で、50mm×100mmのプレスケール(富士フィルム社製 超低圧(0.5〜2.5MPa)用)を挿み込んだ。ロール原反形成後、プレスケールの色相変化を専用スキャナー(富士フィルム社製 製品名「FPD9210」)により評価し、プレスケールに架かった荷重を測定した。フィルム巻き始めからの地点と荷重との関係を表2に示す。
Figure 2011065184
この結果から、長さ1000m程度のロール原反においては、巻芯に近い部分の荷重3MPaが架かった状態においても、マーキングの転写による打痕等の欠点の発生率が小さいことが要求されることがわかる。
[打痕発生率の評価]
図4に示すように、透明フィルム12a1上にマーキングが形成された光学フィルム1aの上に、マーキングが形成されていない光学フィルム1bを重ね合わせ、光学フィルム1b側から所定の荷重Fが架かるように重しを載せた状態で、常温にて48時間静置した。その後、光学フィルム1bのマーキング21側に接していた離型フィルム14b側表面を目視にて観察し、打痕不良の有無を確認した。実施例および比較例と同様にしてマーキングA〜Dが形成された光学フィルムを作製し、荷重0.5MPa、1.0MPa、2.0MPa、3.0MPa4水準のそれぞれについて各10点のサンプルについて同様にして打痕不良の有無を確認し、荷重による打痕発生率を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2011065184
[マーキング検出率の評価]
(ロール原反)
実施例および比較例に用いたのと同様の積層構造を有し、幅400mm、長さ約200mである光学フィルム(日東電工社製 商品名「NPF VEG1724DU」)の偏光板の粘着剤層が設けられていない側の偏光子保護フィルムの表面のランダムな位置に、予めマーキングA、マーキングB、マーキングC、マーキングDがそれぞれ20個印字された長尺のシート製品を巻回したロール原反を用いた。
(マーキング検出装置)
マーキング検出評価に用いたマーキング検出評価装置の構成の概略を図5に示す。ロール原反が第1ローラ架台301aにセットされ、シート製品F1は第1ローラ架台301aと第2ローラ架台302aの間に架け渡される。搬送路の途中にはマーキング検出手段303が設けられ、これによってマーキングが検出される。マーキング検出手段303は光源3031(電通産業社製 製品名「FL48/800W85−DF」)から射出された光を、シート製品F1に照射し、その透過光がレンズ(キーエンス社製 製品名「CA−LH8」)を介してカメラ3032(キーエンス社製 製品名「CV−2000M」)に入射する。カメラにて検出された入射光強度の情報は、カメラコントローラ3033(キーエンス社製 製品名「CV−2000」)に送信される。カメラコントローラは、カメラにて検出された入射光強度を白黒256階調に変換する。そして、透過光強度が低い部分の階調Xとその周辺部分の階調Yとの差Y−Xを演算し、Y−Xが予め設定された閾値(100)より大きい場合に、当該透過光強度が低い部分を「マーキング有り」と判定する。
(マーキング検出評価)
ロール原反201aからシート製品F1を第1ローラ架台301a側から、第2ローラ架台301b側へ、搬送速度1.0m/分で搬送し、搬送中にマーキング検出手段によってマーキングの検出を行った。光学フィルムが第2ローラ架台302aへ全て巻き取られた後、今度は光学フィルムを第2ローラ架台301b側から、第2ローラ架台301a側へ、搬送速度3.0m/分で搬送し搬送中にマーキング検出手段によってマーキングの検出を行った。その後、搬送速度を5.0m/分、10.0m/分として同様の検出評価を行った。各搬送速度におけるマーキング検出率を表4に示す。
Figure 2011065184
以上の実施例および比較例から明らかなように、比較例1、比較例2のようにマーキングの厚みが大きい場合、光学フィルムに架かる荷重が大きくなる、すなわち、ロール原反の巻芯側に近付くにつれて、マーキングの転写による打痕発生率が高くなることが伺える。また、マーキングの厚みが小さい場合は、打痕発生率は小さいが、光学濃度が小さくなるために、比較例3のように、マーキング検出率が小さくなる傾向がある。これに対して、実施例1の光学フィルムは、比較例1に比してマーキングの厚みが小さいにもかかわらず、マーキングの光学濃度が大きいために、マーキングの厚みの大きい比較例2と同様のマーキング検出率を示している。
1 光学フィルム
11 偏光子
12a 透明フィルム
12b 透明フィルム
13 粘着剤層
14 離型フィルム
15 表面保護フィルム
21 マーキング
201 ロール原反
301 ローラ架台
302 搬送ローラ
303 マーキング検出手段
304 切断手段
305 貼り合わせ手段
3031 光源
3032 カメラ
3033 カメラコントローラ
F1 シート製品
W 光学表示ユニット

Claims (4)

  1. 偏光子を含む光学フィルムの長尺シートを巻回してなるロール原反であって、
    少なくとも1つの欠点部位または欠点周辺部位にマーキングが形成されており、
    該マーキングの光学濃度が1.5以上であり、かつ、マーキング中央部の厚みが1.5μm以下であるロール原反。
  2. 前記マーキングの単位厚みあたりの光学濃度が2.5μm−1以上である、請求項1記載のロール原反。
  3. 光学フィルムの幅方向の全てが製品部分として供されるものである、請求項1または2記載のロール原反。
  4. 前記マーキングの吸収ピークの波長が500nm〜600nmである、請求項1〜3のいずれか1項記載のロール原反。
JP2010270620A 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法 Pending JP2011065184A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010270620A JP2011065184A (ja) 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009096277 2009-04-10
JP2010270620A JP2011065184A (ja) 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010052036A Division JP2010262265A (ja) 2009-04-10 2010-03-09 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011065184A true JP2011065184A (ja) 2011-03-31

Family

ID=43951405

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010270619A Active JP4776739B2 (ja) 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反を用いた画像表示装置の製造方法
JP2010270620A Pending JP2011065184A (ja) 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010270619A Active JP4776739B2 (ja) 2009-04-10 2010-12-03 光学フィルムロール原反を用いた画像表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP4776739B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170117429A (ko) 2015-03-20 2017-10-23 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 적층 광학 필름의 결함 검사 방법, 광학 필름의 결함 검사 방법 및 적층 광학 필름의 제조 방법
KR20170118933A (ko) 2015-04-09 2017-10-25 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 적층 광학 필름의 결함 검사 방법, 광학 필름의 결함 검사 방법 및 적층 광학 필름의 제조 방법

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5502023B2 (ja) 2010-09-03 2014-05-28 日東電工株式会社 偏光膜を有する光学フィルム積層体ロールの製造方法
JP6991721B2 (ja) 2017-03-03 2022-01-12 住友化学株式会社 マーキング装置、欠陥検査システム及びフィルム製造方法
JP6934733B2 (ja) 2017-03-03 2021-09-15 住友化学株式会社 マーキング装置、欠陥検査システム及びフィルム製造方法
KR102475056B1 (ko) 2017-03-03 2022-12-06 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 결함 마킹 방법 및 결함 마킹 장치, 원반의 제조 방법 및 원반, 그리고 시트의 제조 방법 및 시트
JP6978842B2 (ja) 2017-03-03 2021-12-08 住友化学株式会社 マーキング装置、欠陥検査システム及びフィルム製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170117429A (ko) 2015-03-20 2017-10-23 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 적층 광학 필름의 결함 검사 방법, 광학 필름의 결함 검사 방법 및 적층 광학 필름의 제조 방법
KR20170118933A (ko) 2015-04-09 2017-10-25 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 적층 광학 필름의 결함 검사 방법, 광학 필름의 결함 검사 방법 및 적층 광학 필름의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4776739B2 (ja) 2011-09-21
JP2011102985A (ja) 2011-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010116944A1 (ja) 光学フィルムロール原反
JP4776739B2 (ja) 光学フィルムロール原反を用いた画像表示装置の製造方法
JP4503689B1 (ja) 液晶表示素子の連続製造方法及び装置
JP4377965B1 (ja) 連続ウェブ形態の切込線入り光学フィルム積層体の連続ロール並びにその製造方法及び製造装置
JP5058953B2 (ja) 光学表示ユニットの製造方法およびそれに用いられるロール原反
EP2270770A1 (en) Optical display device manufacturing system and method for manufacturing optical display device
JP4562792B2 (ja) 連結シート製品の製造方法、連結シート製品および光学表示ユニットの製造方法
JP2011085630A (ja) 液層表示素子の連続製造方法及び装置
JP2011085631A (ja) 液晶表示素子を連続製造する装置において用いられる情報格納読出演算システム及び情報格納読出演算システムの製造方法
US8252136B2 (en) Method for manufacturing connected sheet material, connected sheet material and method for manufacturing optical display unit
WO2015182541A1 (ja) 積層偏光フィルムの欠陥検査方法、製造方法および製造装置
KR20180101210A (ko) 결함 마킹 방법 및 결함 마킹 장치, 원반의 제조 방법 및 원반, 그리고 시트의 제조 방법 및 시트
JP2009282385A (ja) 光学表示装置の製造方法
KR20200047266A (ko) 광학 필름의 결함 검사 방법 및 장치
JP2009205138A (ja) 光学表示ユニットの製造方法および製造システム
TWI816846B (zh) 偏光板製造系統、標記方法、偏光板的製造方法及偏光板