JP2011064097A - 風車装置及びそれを用いた風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられる回転翼保持部材16と、を備え、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備え、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成されている。
【選択図】図1
Description
風力発電に用いられる風車装置は、水平軸型と垂直軸型とに大別される。水平軸型とは、風車装置の回転軸が水平、すなわち風の向きと風車装置の回転軸とが平行なものであり、たとえば、プロペラ型風車、オランダ型風車などである。垂直軸型とは、風車装置の回転軸が垂直、すなわち風の向きと風車装置の回転軸が直交しているものであり、たとえば、ダリウス型風車、サボニウス型風車などである。
そして、風力発電にどのような風車装置を用いるかは、風力発電装置を設置する場所の気象条件や、大規模発電とするか小規模発電とするか等により、適宜選択される。
たとえば、プロペラ型風車などの水平軸揚力型風車は、風速の数倍以上の高い周速度で回転することができ、風速が大きい条件の下において高い発電効率を得られるが、風車を回転させるためには正面から風を受ける必要があり、さらに、自己起動させるためには大きい風速を必要とするといった特徴がある。このような特徴から、プロペラ型風車などの水平軸揚力型風車は、年間を通じて風速が大きく、かつ、ある程度風向が安定している場所(たとえば、海岸など)において大規模発電を行う場合に、好適である。
そして、垂直軸抗力型風車としては、鉛直軸に複数のブレードを放射状に固定し、前記複数のブレードは鉛直軸に固定された上下回転板間に固定されて各ブレードに風抜穴を形成すると共に、前記上下回転板間の外周に突設羽根を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
ところで、通常、風力発電に用いられる発電機は、所定の定格出力が設定されたものが利用され、風速と発電出力とが所定の関係をなすように設定される。
具体的には、風力発電装置は、風速が起動風速(カットイン風速)に達すると、風車装置が回転を開始して発電を開始する。そして、風速が増すにつれて発電出力も増大し、風速が定格風速に達すると、定格出力となる。
また、風力発電装置は、風速が定格風速を超えると、風車装置の回転速度を失速させることで定格出力を維持するようにする場合が多い。さらに、風力発電装置は、風速が増大して停止風速(カットアウト風速)に達すると、強風による風車装置の破損等を防止するため発電を中止する。
そこで、請求項にそれぞれ記載された各発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。すなわち、本発明は、風車装置の回転開始時における慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置の自己起動性を向上させることができ、かつ、風車装置の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置の回転を停止し難くすることができる風車装置及びそれを用いた風力発電装置を提供することを目的とする。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持する回転翼保持部材16と、を備える風車装置10であって、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備え、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成され、仕切り部材29は、流体変位室20を回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられ、回転翼13の回転に伴う遠心力によって、流体変位室20の一部に充填された流体30が、流体変位室20内を、流体変位室20の底面25に沿って下位から上方に移動可能に形成されていることを特徴とする。
ていることを特徴とする。
また、「回転翼保持部材」は、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持するものである。回転翼保持部材16の形状は、特に限定されるものではなく、たとえば、略逆円錐状、略逆三角錐状または略逆四角錐状などとすることができる。
また、「流体変位室」は、回転翼保持部材16の内部に中空に形成された空間である。また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、たとえば、略逆円錐状、略逆三角錐状または略逆四角錐状などとすることができる。
また、「仕切り部材」は、流体変位室20を複数の空間に区画するものである。また、仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられる。ここで、「区画する」とは、流体変位室20を複数の空間に区切ることを意味し、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切る、あるいは、流体変位室20を完全に独立した複数の空間に区切るのいずれをも含む。
また、「流体変位室内を、流体変位室の底面に沿って下位から上方に移動可能」とは、流体変位室20の一部に充填された流体30が、回転翼13の回転に伴う遠心力によって、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に、流体変位室20の底面25に沿って移動可能であることをいう。
また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。また、仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられる。
そして、回転翼13の羽根12が風を受けて風車装置10が回転を開始すると、流体変位室20の中心付近に位置していた流体30は、遠心力により、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に、流体変位室20の底面25に沿って移動する。かかる場合に、流体30は、流体変位室20に設けられた仕切り部材29との摩擦により、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に移動しやすくなっている。そして、流体変位室20の一部に充填された流体30が、遠心力により、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に移動すればするほど、風車装置10の慣性モーメントは大きくなる。すなわち、風車装置10の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置10の回転を停止し難くすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の風力発電装置40は、上記風車装置10と、該風車装置10の回転軸11に連結されるとともに、回転軸11の回転により駆動されて発電を行う発電機41と、前記風車装置10を覆うように設けられた箱体42と、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバー50と、を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明は、風車装置の回転開始時における慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置の自己起動性を向上させることができ、かつ、風車装置の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置の回転を停止し難くすることができる風車装置及びそれを用いた風力発電装置を提供することができる。
また、本実施の形態において、「径方向」とは、回転軸11に直交する平面において、回転軸11から放射状に外側に向かう方向をいう。
(風車装置10)
風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持する回転翼保持部材16と、を備える。
また、本実施の形態において、風車装置10は、図1に示すように、回転翼13が垂直方向に2段積層配置されている。この2段に積層配置された回転翼13のうち、下方に位置する回転翼13を、以下、「第1回転翼14」と、上方に位置する回転翼13を「第2回転翼15」と称する。
(回転翼13)
回転翼13は、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有するものである。本実施の形態において、回転翼13としての第2回転翼15は、図1および図2に示すように、垂直方向に設けた回転軸11の周りに、回転軸11を中心として渦巻き放射状、かつ等間隔に設けられた6枚の羽根12により構成されている。
なお、回転翼13としての第1回転翼14は、第2回転翼15と同様の構成であるので、その説明は省略する。
(回転翼保持部材16)
回転翼保持部材16は、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持するものである。また、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備える。
(流体変位室20)
流体変位室20は、回転翼保持部材16の内部に中空に形成された空間である。また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。
具体的には、下保持部材17の底部21の内面であって、流体変位室20の底面25は、図3に示すように、挿通孔23の周縁から上方に向かって水平面に対して所定の第1傾斜角度で拡径するテーパー状の第1テーパー面26と、第1テーパー面26の上端に連続して形成されているとともに、第1テーパー面26の上端から上方に向かって水平面に対して所定の第2傾斜角度で拡径するテーパー状の第2テーパー面27と、第2テーパー面27の上端に連続して形成されているとともに、第2テーパー面27の上端から上方に向かって水平面に対して所定の第3傾斜角度で拡径するテーパー状の第3テーパー面28とにより構成されている。また、各傾斜角度の関係は、第2傾斜角度<第3傾斜角度<第1傾斜角度となっている。すなわち、第2テーパー面27は、第1テーパー面26および第3テーパー面28に比べて、緩やかな勾配となっている。本実施の形態において、第2テーパー面27の第2傾斜角度は、約5°となっている。なお、第1テーパー面26の第1傾斜角度、第2テーパー面27の第2傾斜角度、および第3テーパー面28の第3傾斜角度は、適宜設定することができる。
また、下保持部材17の流体変位室20には、図3に示すように、その内部空間を複数の空間に区画する仕切り部材29が設けられている。
仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられるものである。本実施の形態において、仕切り部材29は、図4に示すように、回転軸11の周りに、回転軸11を中心として放射状、かつ等間隔に5個設けられている。なお、仕切り部材29の数は、5個に限定されるものではなく、たとえば、3個や、7個としても良い。また、各仕切り部材29は、図3に示すように、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切るように設けられている。
また、下保持部材17の流体変位室20の一部には、図3に示すように、流体変位室20の体積の一部の体積を有する流体30が充填されている。本実施の形態において、下保持部材17の流体変位室20の一部には、水31が充填されている。
なお、回転翼保持部材16としての中保持部材18および上保持部材19は、下保持部材17と同様の構成であるので、その説明は省略する。
また、中保持部材18は、図3に示すように、その底部21および蓋部22のそれぞれの挿通孔23,24に回転軸11が挿通されて、流体変位室20に充填される水31が底部21の挿通孔23から漏れないように回転軸11に固定される。また、中保持部材18の底部21におけるテーパー状の外面と、第1回転翼14の6枚の羽根12における各々の上端面とは、当接して固定される。また、中保持部材18の蓋部22の上面には、第2回転翼15の6枚の羽根12における各々の下端面が当接して固定される。
これにより、第1回転翼14は、回転翼保持部材16としての下保持部材17および中保持部材18により保持される。また、同様に、第2回転翼15は、回転翼保持部材16としての中保持部材18および上保持部材19により保持される。
上述した構成により、本実施の形態に係る風車装置10は、図1および図2に示すように、第1回転翼14および第2回転翼15における羽根12の受風面に風を受けて、回転軸11を中心に時計回りに回転するものとなっている。
(風力発電装置40)
次に、風力発電装置40について説明する。
風力発電装置40は、上述した風車装置10と、該風車装置10の回転軸11に連結されるとともに、回転軸11の回転により駆動されて発電を行う発電機41と、上述した風車装置10を覆うように設けられた箱体42と、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバー50と、を備える。
また、風車装置10の回転軸11における下ベアリング52の上方には、図5に示すように、駆動プーリー53が固定されている。また、発電機41の回転軸には、従動プーリー54が固定されている。そして、駆動プーリー53と従動プーリー54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられており、駆動プーリー53の回転により無端状のベルト55が周回移動し、ベルト55の周回移動により従動プーリー54が回転する。これにより、風車装置10の回転力が伝達されて、発電機41が駆動される。
また、発電機41には、所定の定格出力が設定されている。なお、発電機41は、公知のものを採用することができる。
(箱体42)
箱体42は、図5に示すように、風車装置10を覆うように設けられるものである。
具体的には、箱体42は、図6(A)、(B)に示すように、風車装置10を上方から覆う四角板状の天板43と、天板43の下方に設けられるとともに、天板43を支持する支柱44と、を備える。支柱44は、天板43の各角部に1本づつ設けられている。
また、以下の説明において、図6(A)、(B)における箱体42の側面であって、手前支柱45と右支柱46との間の側面を「手前右面」と、箱体42の側面であって、手前支柱45と左支柱47との間の側面を「手前左面」と、箱体42の側面であって、奥支柱48と右支柱46との間の側面を「奥右面」と、箱体42の側面であって、奥支柱48と左支柱47との間の側面を「奥左面」と称する。
(ルーバー50)
ルーバー50は、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのものである。本実施の形態おいて、ルーバー50は、図6(A)、(B)に示すように、可動可能に形成されている。
各ルーバー50は、箱体42の各支柱44と垂直方向にほぼ同程度の長さを有する長方形板状に形成されており、箱体42の天板43の下面に、図示しない駆動モータにより、可動可能に軸支されている。
また、手前右面に並設された13個のルーバー50のうち、手前支柱45から7個目と8個目のルーバー50は、図6(A)、(B)に示すように、垂直方向の長さが他のルーバー50よりも短く形成されている。そして、この他のルーバー50よりも短く形成された2個のルーバー50の下方に、駆動プーリー53と従動プーリー54とに巻き掛けられたベルト55が位置するものとなっている。
(防風状態)
防風状態において、箱体42の各側面に並設された各ルーバー50は、図6(A)に示すように、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面とが略平行となるように設けられている。また、各ルーバー50は、互いに隣り合うルーバー50の端部同士が重なり合うものとなっている。さらに、箱体42の各側面の端部に位置するルーバー50であって、箱体42の支柱44に最も近接する位置に位置するルーバー50は、その近接する支柱側の端部が、当該近接する支柱44に当接するものとなっている。これにより、箱体42の各側面がルーバー50により覆われ、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入しないものとなっている。
(導風状態)
導風状態において、手前右面に並設された13個のルーバー50のうち、手前支柱45から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と手前右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前右面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
また、同様に、奥右面に並設された13個のルーバー50のうち、右支柱46から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と奥右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥右面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
なお、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面との成す角θは、これに限定されるものではない。たとえば、角θは、30°や、50°としても良い。
これにより、ルーバー50間に隙間が形成され、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入するものとなっている。また、箱体42の内部に流入した風の風向は、図7に示すように、ルーバー50により、風車装置10を時計回りに回転させる方向となっている。
(制御部)
本実施の形態において、制御部は、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)以上のときには、ルーバー50を防風状態にするとともに、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)未満のときには、ルーバー50を導風状態にするように、図示しない駆動モータを制御するものとなっている。
(作用・効果)
本実施の形態に係る風力発電装置40において、風車装置10の回転停止時には、下保持部材17、中保持部材18および上保持部材19のそれぞれの流体変位室20の一部に充填された水31は、図8(A)に示すように、流体変位室20における略テーパー状の底面25の傾斜により、流体変位室20の中心付近に位置する。すなわち、風車装置10の回転停止時には、各々の流体変位室20に充填された水31は、風車装置10の回転中心軸付近に位置する。これにより、風車装置10の回転開始時おける慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置10の自己起動性を向上させることができる。
そして、外気の風速が増し風車装置10の回転速度が増大するにつれて、下保持部材17、中保持部材18および上保持部材19のそれぞれの流体変位室20の一部に充填された水31は、図8(B)に示すように、遠心力により、流体変位室20内を、中心付近から径方向に、各々の流体変位室20の底面25に沿って移動する。かかる場合において、各々の流体変位室20に充填された水31は、各々の流体変位室20に設けられた仕切り部材29との摩擦により、径方向に移動しやすくなっている。
また、外気の風速が停止風速(カットアウト風速)以上になると、ルーバー50が防風状態となり、風車装置10は、風を受けなくなる。かかる場合に、風車装置10は、惰性で回転し、その後、停止する。
また、本実施の形態に係る風車装置10において、第1回転翼14は、下保持部材17および中保持部材18により保持されるとともに、第2回転翼15は、中保持部材18および上保持部材19により保持される。これにより、回転軸11のねじれを防止することができる。
なお、本発明は、高層ビルの屋上に本発明に係る風力発電装置40を複数個設置し、当該ビルに使用する電力を発電する場合などに、好適である。
(変形例)
上述した実施の形態において、ルーバー50は、防風状態と導風状態とに可動するものであったが、これに限定されるものではない。
(第2導風状態)
第2導風状態は、箱体42の各側面において、所定数のルーバー50が、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面とが略平行となるように設けられているものである。
また、同様に、手前左面に並設された13個のルーバー50のうち、左支柱47から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と手前左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前左面とが略平行となるように設けられている。
また、同様に、奥左面に並設された13個のルーバー50のうち、奥支柱48から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と奥左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥左面とが略平行となるように設けられている。
(制御部)
本実施の形態において、風力発電装置40は、発電電力を計測するための図示しない電力計を備える。
そして、制御部は、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)未満のときには、ルーバー50を導風状態にするとともに、図示しない電力計により計測された発電電力が定格出力である場合において、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)以上のときには、ルーバー50を第2導風状態にするように、図示しない駆動モータを制御するものとなっている。
(作用・効果)
このような構成としても、上述した実施の形態と同様の作用、効果を奏することとなる。
(他の実施の形態)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
また、上述した実施の形態において、回転翼13は6枚の羽根12により構成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、2枚の羽根12や、8枚の羽根12などにより構成するようにしても良い。また、羽根12の形状も、特に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態において、回転翼保持部材16は、略逆円錐状に形成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、略逆三角錐状や、略逆四角錐状などとしても良い。
また、上述した実施の形態において、仕切り部材29は、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切るように設けられているが、これに限定されるものではない。たとえば、仕切り部材29は、流体変位室20を完全に独立した複数の空間に区切るようにしても良い。
また、上述した実施の形態において、ルーバー50は、可動可能であるが、これに限定されるものではない。たとえば、ルーバー50は、導風状態に固定されているようにしても良い。
また、上述した実施の形態において、流体変位室20の一部に充填される流体30は水31であるが、これに限定されるものではない。たとえば、所定の粘度を有する流体(たとえば、油)としても良い。これにより、各々の流体変位室20の一部に充填された流体が流体変位室20における径方向側端部に位置しているときに、当該流体は回転軸方向に移動し難くなる。したがって、風車装置10を、より長時間、惰性で回転させることができることとなる。
12 羽根 13 回転翼
14 第1回転翼 15 第2回転翼
16 回転翼保持部材 17 下保持部材
18 中保持部材 19 上保持部材
20 流体変位室 21 底部
22 蓋部 23 挿通孔
24 挿通孔 25 底面
26 第1テーパー面 27 第2テーパー面
28 第3テーパー面 29 仕切り部材
30 流体 31 水
40 風力発電装置 41 発電機
42 箱体 43 天板
44 支柱 45 手前支柱
46 右支柱 47 左支柱
48 奥支柱 50 ルーバー
51 ベース体 52 下ベアリング
53 駆動プーリー 54 従動プーリー
55 ベルト 56 表面
57 上ベアリング
Claims (2)
- 垂直方向に設けた回転軸と、
回転軸に放射状に固定された複数の羽根を有する回転翼と、
回転翼の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸に固定されて回転翼を保持する回転翼保持部材と、を備える風車装置であって、
回転翼保持部材は、
その内部に中空に形成された流体変位室と、
流体変位室の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室の一部に充填された流体と、
流体変位室を複数の空間に区画する仕切り部材と、を備え、
回転翼保持部材の内面であって、流体変位室の底面は、回転軸を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成され、
仕切り部材は、流体変位室を回転軸を中心として放射状に仕切るように設けられ、
回転翼の回転に伴う遠心力によって、流体変位室の一部に充填された流体が、流体変位室内を、流体変位室の底面に沿って下位から上方に移動可能に形成されていることを特徴とする風車装置。 - 請求項1記載の風車装置と、
該風車装置の回転軸に連結されるとともに、回転軸の回転により駆動されて発電を行う発電機と、
前記風車装置を覆うように設けられた箱体と、
箱体の側面に設けられるとともに、箱体の外部から箱体の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバーと、を備えることを特徴とする風力発電装置。
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