JP2011062490A - 医療排液吸引器 - Google Patents

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Masachika Kono
正親 河野
Hirokazu Ueda
寛和 上田
Masayuki Hisatomi
雅之 久富
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Abstract

【課題】手術排液の吸引を継続しながら、排液を吸引容器の外に排出することにより、従来、排液ボトル交換のための吸引作業の一時停止に伴う手術の一時中断を回避することを課題としている。
【解決手段】容器上部に陰圧用チューブ接続配管と排液導入チューブ接続配管を備え、容器底部にバルブ接続部を備えた第一排液収容器と容器底部に三方バルブ接続部を備えた第二排液収容器が通水可能な配管により水平方向に接続され、容器底部に排液排出用のバルブを備え、容器上部に二箇所のバルブ接続部を備えた第三排液収容器が第一排液収容器とバルブで接続され、第二排液収容器と三方バルブで接続されている構造を特長とする医療排液吸引器で課題を解決している。
【選択図】図2

Description

本発明は血液や体液等の手術排液を吸引しながら排液を容器外に排出することができる医療排液吸引器に関する。
外科的治療は手術部位からの血液や体液の流出から術野を確保すると同時に、手術部位感染を防止するため、手術部位に生理食塩水や灌流液を流し、一方でそれらの排液を吸引除去しながら行われている。
従来、こうした排液は医療用吸引器に接続された排液吸引チューブを経て排液ボトルに収容されている。
その作動原理は、真空ポンプあるいは吸引用配管の吸引力で排液ボトル内の空気を連続的に抜き、排液ボトル内部を陰圧に保持することにより排液吸引チューブを通して患者から発生する血液や体液等の液状物を排液ボトルに収容することにある。
しかし、従来の吸引器は排液が排液ボトルの収容量に達すると、ボトル交換のため吸引器を一旦停止しなければならず、その間手術を一時中断しなければならないという問題がある。
すなわち、手術が長時間に及び排液量が増加する場合には、排液ボトルの交換回数とともに手術の中断回数は必然的に増えてしまうという欠点がある。
こうした事態を可能な限り回避するため、大容量の排液ボトルや複数の排液ボトルをチューブで連結する吸引器もあるが、これらの方法もその収容量に達してしまえば吸引作業は一時停止せざるを得ず、配管チューブの取り外しや再セット作業に時間が掛かってしまうという欠点がある。
本発明の医療排液吸引器は、手術排液の吸引を継続しながら、排液を吸引容器の外に排出することにより、従来の吸引作業の一時停止とそれに伴う手術の中断を回避することを課題としている。
容器上部に陰圧用チューブ接続配管と排液導入チューブ接続配管を備え、容器底部にバルブ接続部を備えた第一排液収容器と容器底部に三方バルブ接続部を備えた第二排液収容器が通水可能な配管により水平方向に接続され、容器底部に排液排出用のバルブを備え、容器上部に二箇所のバルブ接続部を備えた第三排液収容器が第一排液収容器とバルブで接続され、第二排液収容器と三方バルブで接続されている構造を特長とする医療排液吸引器で課題を解決している。
なお、上記の三方バルブの一方向は空気導入用であり、第三排液収容器の陰圧を破壊し、第三排液収容器内に貯留した排液を排出用バルブから飛散させることなく容器外に排出するための機能を持つ。
吸引の準備は第一排液収容器下部のバルブを開放し、第二排液収容器下部の三方バルブを陰圧側にし、第二排液収容器下部のバルブを閉鎖し、すべての排液収容器を通気通水可能な状態にして陰圧を加える。
これにより、3つの容器全体が一体となって陰圧を保持し、排液の吸引が開始され、排液は排液導入チューブから、第一排液収容器を通って第三排液収容器に貯留される。
排液が第三排液収容器の収容量に達したところで、第一排液収容器下部のバルブを閉鎖し、第二排液収容器下部の三方バルブを陰圧側から空気導入側に切り替えることにより、第三排液収容器は第一および第二排液収容器と空間的に分離され、第三排液収容器内は陰圧が破壊され常圧となり、下部のバルブを開放することにより、排液は水道の蛇口から水が出るように飛散することなく容器外へ排出される。
一方、第三排液収容器から排液を排出している間も、第一および第二排液収容器は陰圧を保持し、吸引を継続し、排液は第一排液収容器に貯留される。
第三排液収容器は排液を排出した後、常圧になっているが、下部のバルブを閉鎖し、第二排液収容器下部の三方バルブを陰圧側に切り替え、次に第一排液収容器下部のバルブを開放すると三つの容器は再び一体的な空間となり、第一排液収容器に貯留されていた排液は第三排液収容器に導入される。
このとき第三排液収容器内の常圧空気は第二排液収容器から第一排液収容器に流れ込むため、吸引陰圧は一時的に低下するが、吸引が停止することはない。
なお、第二排液収容器は第三排液収容器の常圧空気の流入が容器全体の陰圧を一気に下げることを防止するとともに、第三排液収容器から排液を排出中に第一排液収容器に貯留された排液が常圧空気の急激な流入により霧状になることを防止する機能をもっている。
また、一時的な吸引力の低下を避けたい場合には、三方バルブに接続された空気導入用の配管先端に陰圧用チューブ接続配管を設置し、独立した吸引ポンプもしくは吸引配管から陰圧用チューブを接続し、第三排液収容器内を第一および第二排液収容器と同じ陰圧にする。
その後、第二排液収容器下部の三方バルブを陰圧側に切り替え、第一排液収容器下部の排液排出用バルブを開放することにより、容器全体は吸引力の低下を起こすことなく吸引を継続することができる。
なお、好ましくはこれらのバルブ操作を自動的に行える機構を設ければ、医療スタッフは第三排液収容器の排液排出用バルブに接続された廃棄用容器を交換するだけで済み、大きな労力軽減効果を得ることができる。
このように、本発明の医療排液吸引器は排液量に関係なく、吸引作業を継続することができ、従来のように排液ボトルの交換に伴う手術の一時中断を回避することができる。
さらに、従来の大容量ボトルでは、排液を廃棄用容器に移し替える際、医療スタッフは重い排液ボトルを抱え、排液の飛散や排液との接触に神経を使わなければならなかったが、本発明の医療排液吸引器を使用すれば、バルブを開放するだけで飛散も接触もなく排液を廃棄用容器に移し替えることができ、医療スタッフの労力軽減と感染防止に貢献することができる。
また、近年主流になりつつある容器ごと廃棄する使い捨ての排液ボトルは主として医療排液を飛散させないという感染防止の観点から導入されているが、価格が高価なため医療機関の経営を圧迫するという問題がある。
一方、本発明の医療排液吸引器は排液を飛散させることなく液状の感染性廃棄物処理用容器に直接排出することができるので経費上も大きな利点がある。
このように、本発明の医療排液吸引器は吸引停止による手術の一時中断もなく、また医療スタッフの労力軽減、感染防止および経費的側面からも、従来の医療用吸引器にはない利点を備えている。
医療排液吸引器の正面透過図である。 医療排液吸引器の設置図である。 医療排液吸引器の右側面図である。 医療排液吸引器の左側面図である
本発明の一例を図面に基づいて説明する
第一排液収容器1の上部には陰圧用チューブ接続配管4と排液導入チューブ接続配管5を配置し、底部は漏斗形状としその先端にはボールバルブ6を配置し、側面一箇所に第二排液収容器2との連結用配管設置部7を設ける。
第二排液収容器2の底部は漏斗形状としその先端には三方バルブ8を配置し、三方バルブの横方向には空気注入用配管9を配置し、その先端には陰圧用チューブ接続配管10を設け、側面一箇所に第一排液収容器1と接続する連結用配管設置部11を設ける。
第一排液収容器1と第二排液収容器2は通水可能な連結配管12により接続する。
第三排液収容器3の底部は漏斗形状としその先端には蛇口状のバルブ13を配置し、その下部には排液廃棄用の容器16を配置しておく。
なお、排液廃棄用の容器16は蛇口状のバルブ13の先端だけが挿入できるような形状のものが好ましい。
この構成により、陰圧用チューブ接続配管4に真空ポンプもしくは手術室内の吸引用配管に接続された陰圧用チューブ14を接続し、排液導入チューブ接続配管5に排液吸引チューブ15を接続する。
そして、第一排液収容器1のボールバルブ6を開放し、第3排液収容器3の蛇口状のバルブ13を閉鎖し、第二排液収容器2の三方バルブ8を陰圧側に切り替え、真空ポンプもしくは手術室内の吸引用配管からの吸引により容器内を陰圧にすれば、排液吸引チューブ15から手術排液が導入されてくる。
排液は第一排液収容器1を通って第三排液収容器3に貯留されるが、第三排液収容器3の収容量に達したところで、第一排液収容器1のボールバルブ6を閉鎖し、第二排液収容器2の三方バルブ8を空気導入側に切換え、第三排液収容器3の蛇口状のバルブ13を開放することにより、排液は排液廃棄用容器16に排出される。
第三排液収容器3から排液を排出したあと、第二排液収容器2の三方バルブ8を陰圧側に切換え、第一排液収容器1のボールバルブ6を開放する。
これにより、第三排液収容器3の排液を排出中に第一排液収容器1に貯留された排液は第三排液収容器3に移動し、3つの排液収容器は同じ陰圧となり、一時的に吸引力は落ちるが吸引が停止することはない。
その後は同じ操作を繰り返すことにより、排液廃棄用容器16だけを交換すれば、排液量に関係なく吸引を継続することができる。
なお、第三排液収容器3の容積を第一排液収容器1および第二排液収容器2の合計容積よりも著しく大きくした場合は吸引力低下の時間が長くなってしまう。
このような場合は、第三排液収容器3から排液を排出した後、蛇口状のバルブ13を閉鎖し、陰圧用チューブ接続配管10に独立した真空ポンプ17の陰圧用空気抜きチューブ18を差込み、独立した真空ポンプ17を稼動させ、第三排液収容器3内を第一排液収容器1および第二排液収容器2とほぼ同じ陰圧にした後、第二排液収容器2の三方バルブ8を陰圧側に切換え、第一排液収容器1のボールバルブ6を開放する。
これにより、吸引力を低下させることなく排液を容器外へ排出することができる。
1 第一排液収容器
2 第二排液収容器
3 第三排液収容器
4 陰圧用チューブ接続配管
5 排液導入チューブ接続配管
6 ボールバルブ
7 連結用配管設置部
8 三方バルブ
9 空気注入用配管
10 陰圧用チューブ接続配管
11 連結用配管設置部
12 連結配管
13 蛇口状のバルブ
14 陰圧用チューブ
15 排液吸引チューブ
16 排液廃棄用容器
17 独立した真空ポンプ
18 陰圧用チューブ

Claims (5)

  1. 容器上部に陰圧用チューブ接続配管と排液導入チューブ接続配管を備え、容器底部にバルブ接続部を備えた第一排液収容器と容器底部に三方バルブ接続部を備えた第二排液収容器が通水可能な配管により水平方向に接続され、容器底部に排液排出用のバルブを備え、容器上部に二箇所のバルブ接続部を備えた第三排液収容器が第一排液収容器とバルブで接続され、第二排液収容器と三方バルブで接続されている構造を特長とする医療排液吸引器。
  2. 第一排液収容器の容積が第二排液収容器よりも大きく、第二排液収容器が第一排液収容器内に収容され、第一排液収容器と第二排液収容器が共通の底部を持ち、第一排液収容器と第二排液収容器が容器上部において通水可能な空間を持つことを特徴とする請求項1記載の医療排液吸引器。
  3. 容器上部に陰圧用チューブ接続配管と排液導入チューブ接続配管を備えた容器と底部に排液排出用のバルブを備えた容器が三方バルブにより垂直方向に接続されていることを特長とする医療排液吸引器。
  4. すべての容器上部は取り外し可能な密閉蓋構造となっていることを特長とする請求項1、請求項2および請求項3記載の医療排液吸引器。
  5. 三方バルブの一方向に空気導入用の配管を接続し、その先端にバルブ付の陰圧用チューブ接続配管を持つことを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載の医療排液吸引器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101771031B1 (ko) * 2016-04-29 2017-08-24 주식회사 인성메디칼 배액물 수집 용기를 포함하는 석션기

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