JP2011024969A - 医療用吸引器用の排液連続吸引管 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の医療用吸引器は、排液ボトルが収容量に達すると排液ボトル交換のため吸引器を一時停止しなければならず、その度に手術を一時中断しなければならないという問題がある。
これは、血液や体液等の液状物質を吸引チューブから直接、陰圧を維持した排液ボトルに収容するためである。
【解決手段】本発明の医療用吸引器用の排液連続吸引管は、排液吸引用チューブ接続部および陰圧用チューブ接続部を持った密閉蓋と、底部に開閉可能なバルブを配した排液収容部から構成され、排液収容部内部に配された逆U字配管がバルブと接続されていることを特長としている。この排液連続吸引管を既存の吸引器に取り付け、バルブ下部に排液ボトルを配すことにより、吸引器を停止することなく排液ボトルの交換を行うことができる。
【選択図】図1
これは、血液や体液等の液状物質を吸引チューブから直接、陰圧を維持した排液ボトルに収容するためである。
【解決手段】本発明の医療用吸引器用の排液連続吸引管は、排液吸引用チューブ接続部および陰圧用チューブ接続部を持った密閉蓋と、底部に開閉可能なバルブを配した排液収容部から構成され、排液収容部内部に配された逆U字配管がバルブと接続されていることを特長としている。この排液連続吸引管を既存の吸引器に取り付け、バルブ下部に排液ボトルを配すことにより、吸引器を停止することなく排液ボトルの交換を行うことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は医療用吸引器に取り付け、血液や体液等の医療排液を連続して吸引することができる排液連続吸引管に関する。
外科的治療は手術部位や裂傷部位等からの出血や体液の流出から術野を確保すると同時に、感染を防止するため、治療部位に生理食塩水や灌流液を流しながら行われており、それらの排液を吸引除去するために医療用吸引器が使用されている。
従来、血液や体液及び、これらと生理食塩水や灌流液が混ざった排液は医療用吸引器に接続された吸引チューブを経て排液ボトルに直接収容される。
その作動原理は、真空ポンプに接続されたチューブで排液ボトル内の空気を連続的に抜き、排液ボトル内部を陰圧に保持することにより排液吸引チューブを通して血液や体液等の液状物を吸引することにある。
そして、排液ボトルの密閉蓋には真空ポンプに接続される陰圧用チューブ及び排液吸引チューブの接続部が設けられており、排液ボトルは排液量が視認できるように強化ガラスやプラスチックなどの透明素材が使用されている。
しかし、従来の吸引器では排液ボトルが収容量に達すると空の排液ボトルと交換のため吸引器を停止しなければならず、そのために手術を一時中断しなければならないという問題がある。
また、医療機関における手術や治療によって排出される液状物質は感染性廃棄物であり、排液ボトルの交換や廃棄処理に際して、医療スタッフが飛沫感染や接触感染などを回避するための安全性を考慮し、一般的には排液ボトルの収容量は2リットルから5リットル程度の比較的小容量の排液ボトルが使用されている。
そのため、手術が長時間におよび排液量が増加する場合には、排液ボトルの交換回数とともに手術の中断回数は必然的に増えてしまう。
こうした事態を可能な限り回避するため、数個の排液ボトルをセット可能な吸引器や、大容量の排液ボトルを複数セット可能な吸引器もあるが、吸引器の吸引力は排液ボトルの空間容積に左右されるため、こうした方法では強力な真空ポンプが必要となり、装置も大型になってしまう。
さらに、排液ボトル内の排液量が増加すると空間容積が小さくなり吸引力が自然に強力になり、排液ボトルが満杯になると排液が真空ポンプ側のチューブ側に吸引されるという構造上の欠点がある。
こうした欠点を補うために自動吸引停止装置や圧力調整装置等が設けられているが、メンテナンスの煩わしさや、これらが故障や誤動作した場合には前記と同じ状態になることは避けられない。
本発明の医療排液連続吸引管は既存の吸引器に取り付けるだけで、手術排液を連続吸引することを可能にし、排液ボトル交換による吸引作業の一時停止とそれに伴う手術の中断を回避するとともに、医療スタッフの安全確保と労力軽減に貢献することを課題としている
本発明の医療排液連続吸引管は排液吸引用チューブ接続部および陰圧用チューブ接続部を持った密閉蓋と、底部に開閉可能なバルブを配した排液収容部から構成され、排液収容部内に配された排液排出用の逆U次配管がバルブと接続されている。
本発明の医療排液連続吸引管は使用後、付着した血液・体液等の液状の感染性物質を消毒または滅菌するために、材質は高圧蒸気滅菌や煮沸消毒が可能なステンレス等の金属製、耐熱ガラスもしくは耐熱プラスチックで形成する。
排液収容部底部に配したバルブと接続する逆U字配管は、サイホン現象を起こさないように排出側の径が大きくなっている。
そして、バルブ下部に排液ボトルを置き、血液や体液等の液状物質を収容する。
なお、本発明の医療排液連続吸引管はバルブを閉じたときに最大2リットル程度の排液を収容できる容量を持っている。
本発明の医療排液連続吸引管に排液吸引用チューブと陰圧用チューブを接続し、バルブを閉じ、吸引器を作動させれば、排液収容部に陰圧が生じ、吸引用チューブに吸引力が発生する。
そして、排液の液面が逆U字配管の上部を超えたところでバルブを開放すれば、排液収容部は陰圧を維持したまま、排液はバルブ下部に配した排液ボトルに排出される。
また、あらかじめ逆U字配管の上部まで水を入れておき、バルブを開放し吸引器を作動させても同様の効果を得ることができる。
排液吸引用チューブにより吸引され、排液収容部に一時貯留された血液や体液等の排液の液面は逆U字配管の高さをわずかに超えた水位よりも上昇することはなく、そのため、排液収容部の空間容積は一定に保たれ、一定の陰圧を維持することができる。
また、従来の吸引器では、収容量に達した排液ボトルの交換は吸引器を停止し、密閉蓋と排液ボトルを分離し、再び空の排液ボトルと密閉蓋をセットするという作業を行わなければならず、その間手術を中断しなければならない。
一方、本発明の排液連続吸引管を使用すれば、一時的にバルブを閉じ、バルブ下部に設置した排液ボトルを交換し、再びバルブを開放するだけの作業であり、その間、吸引器の停止や手術を中断する必要がない。
また、排液ボトル交換時にバルブを閉じることにより、排液収容部の液面は一時的に逆U字配管を超えて上昇するが、逆U字配管の排出側の径が流入側より大きくなっているので、再びバルブを開放してもサイホン現象が起こらないため、排液を吸い出し過ぎて排液収容部内の陰圧破壊を起こすことはない。
さらに好ましくは、バルブおよび逆U字配管を2箇所に配置して、それぞれに排液ボトルをセットすれば、交互に排液ボトルの交換を行うことができ、排液収容部内の液面を一定に保ったまま連続吸引を行うことができる。
また、排液の廃棄に関しても、従来、排液ボトルに収容された排液は使い捨ての蓋付きの排液ボトルに入れたまま凝固剤で固めるか、もしくはガラス製の排液ボトルから他の安価な廃棄用容器に移し替え、凝固剤で固め、その後、感染性廃棄物専用のコンテナに収容し、感染性廃棄物処理業者に引き渡されていた。
前記の処理方法のうち、排液ボトルに入ったまま凝固剤で固める方法は血液や体液の飛散や接触の可能性は少ないが、蓋に接続されたチューブの取り外し作業を伴い、排液ボトルの価格も比較的高価である。
一方、廃棄用の安価な排液容器に移し替えて凝固剤で固める方法は飛散や接触による感染の恐れがあるという欠点がある。
しかし、本発明による排液連続吸引管を使用すれば、排液はバルブの下に設置した安価な排液容器に直接収容されるので、排液ボトル交換に伴うチューブの取り外しの必要性もなく、移し変えによる飛散や接触感染の恐れもない。
さらに、本発明の排液連続吸引管を使用すれば排液ボトルを使用することなく、排液をバルブから直接ビニールバッグに収容することもでき、廃棄費用を大幅に削減することも可能である。
このように、本発明の排液連続吸引管は吸引器を大型化することなく、医療排液を連続的に吸引することで手術の中断を回避し、排液の廃棄に際しては、医療スタッフの安全と労力軽減に貢献することができる。
本発明の一例を図面に基づいて説明する
排液収容部1は透明の耐熱プラスチック製で、形状は円柱もしくは立方体とし、排液収容部1の底部には逆U字配管2とボールバルブ3を接続する。
なお、排液収容部1と底部の逆U字配管2は射出成型による一体成型で製造する。
ボールバルブ3には排液ボトル4へ排液を排出するための配管5を接続する。
密閉蓋6には排液吸引チューブ接続部7と陰圧用チューブ接続部8が設置されている。
排液収容部1の背部にはスタンド9との固定用のフック10が一体成型で配されている。
この構成による医療排液連続吸引管を既存の手術用吸引器の排液ボトル設置部に配置することにより、排液を連続吸引することが可能になる。
そして、排液吸引チューブ接続部7に吸引チューブを接続し、陰圧用チューブ接続部8に真空ポンプとの接続用チューブを接続し、ボールバルブ3を閉じた状態で吸引器を作動させる。
吸引された排液の水位が逆U字配管2の上部を越えたところで、ボールバルブ3を開放すると、排液収容部1内の排液は逆U次配管2を通ってボールバルブ3から排出される。
すなわち、排液収容部1に収容された排液の水位は逆U字配管2の深さで一定に保たれ、排液を排液ボトルに排出しながら、一定の吸引力で連続的に排液を吸引することができる
また、排液ボトル4が収容量に達するとボールバルブ3を閉じ、排液ボトル4を新しいものと交換しなければならないが、このとき、従来のように吸引器を停止する必要がない。
排液収容部1は最大2リットル程度の排液を収容することができ、排液ボトル4の交換をする間に排液の液面が逆U字配管2よりも高くなってしまうが、ボールバルブ3を再び開放しても逆U字配管2の口径相違によりサイホン現象が起こることなく、液面はすぐに一定に保たれる。
1 排液収容部
2 逆U字配管
3 ボールバルブ
4 排液ボトル
5 排液ボトルへ排液を排出するための配管
6 密閉蓋
7 排液吸引チューブ接続部
8 陰圧用チューブ接続部
9 スタンド
10 固定用のフック
2 逆U字配管
3 ボールバルブ
4 排液ボトル
5 排液ボトルへ排液を排出するための配管
6 密閉蓋
7 排液吸引チューブ接続部
8 陰圧用チューブ接続部
9 スタンド
10 固定用のフック
Claims (3)
- 排液吸引用チューブ接続部および陰圧用チューブ接続部を持った密閉蓋と、底部に開閉可能なバルブを配した排液収容部から構成され、排液収容部内部に配された排液排出用の逆U字配管がバルブと接続されていることを特長とする医療用吸引器用の排液連続吸引管。
- 底部にローラークランプが装着可能な軟質チューブ用の接続部を持ち、その接続部が逆U字配管と接続されていることを特長とする請求項1記載の医療用吸引器用の排液連続吸引管。
- バルブやローラークランプで排液の排出を止め、再び開放するときに排液収容部内の液面が逆U字配管の高さを超えることから生じるサイホン現象を防止するため、逆U字配管の排出側の径が大きくなっていることを特長とする請求項1および請求項2記載の医療用吸引器用の排液連続吸引管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009187549A JP2011024969A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | 医療用吸引器用の排液連続吸引管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009187549A JP2011024969A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | 医療用吸引器用の排液連続吸引管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011024969A true JP2011024969A (ja) | 2011-02-10 |
Family
ID=43634423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009187549A Pending JP2011024969A (ja) | 2009-07-22 | 2009-07-22 | 医療用吸引器用の排液連続吸引管 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011024969A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102688526A (zh) * | 2011-03-22 | 2012-09-26 | 欧阳扬洋 | 引流袋自动排放装置 |
KR101771031B1 (ko) | 2016-04-29 | 2017-08-24 | 주식회사 인성메디칼 | 배액물 수집 용기를 포함하는 석션기 |
CN109010935A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-12-18 | 南通市传染病防治院(南通市第三人民医院 南通市老年病医院 南通市肝病研究所) | 心血管内科积液引流装置 |
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2009
- 2009-07-22 JP JP2009187549A patent/JP2011024969A/ja active Pending
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CN109010935B (zh) * | 2018-06-25 | 2021-05-25 | 南通市传染病防治院(南通市第三人民医院南通市老年病医院南通市肝病研究所) | 心血管内科积液引流装置 |
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