JP2011057574A - アンドロゲン受容体アンタゴニスト及びアンドロゲン受容体結合阻害剤 - Google Patents

アンドロゲン受容体アンタゴニスト及びアンドロゲン受容体結合阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】新規で優れたアンドロゲン受容体アンタゴニストと、これを有効成分とするアンドロゲン受容体結合阻害剤を提供する。
【解決手段】フラボン骨格構造の5位と4’位へ特定置換基を導入してなるアンドロゲン受容体アンタゴニスト。その1種又は2種以上を有効成分として含有するアンドロゲン受容体結合阻害剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンドロゲン受容体アンタゴニスト及びアンドロゲン受容体結合阻害剤に関する。更に詳しくは本発明は、前立腺癌を含む各種の癌、前立腺肥大症その他のアンドロゲン受容体結合阻害が治療・予防上に有効であるような各種アンドロゲン依存性疾患に使用できるアンドロゲン受容体アンタゴニストと、これを有効成分とするアンドロゲン受容体結合阻害剤に関する。
アンドロゲン受容体は雄性決定において役割を果たす点に加えて、その活性化は、良性前立腺肥大症、前立腺癌、脂漏症、座瘡、月経前症候群、肺癌等の発症と進行に重要な役割を果たす。
アンドロゲン受容体アンタゴニストは、アンドロゲン受容体に対するアンドロゲンの結合を阻害することにより、上記の各種疾患の治療や予防に有用であると期待される。
従来、アンドロゲン受容体アンタゴニストとしては、ステロイド剤である「クロルマジノン (Chlormadinone)」、非ステロイド系の「フルタミド (Flutamide)」、フタルイミド系の化合物であるDIMP [N-(3,5-dimethyl-4-isooxazolylmethyl)phthalimide]等が知られている。又、下記特許文献1〜特許文献3に開示された化合物も例示することができる。
特表2007−501853号公報 特許文献1は、アンドロゲンレセプターアンタゴニストとしてのベンジルスルホンアミド誘導体を開示している。
特表2006−517579号公報 特許文献2は、アンドロゲンアンタゴニストとして有用なベンジル尿素及びチオ尿素誘導体を開示している。
特開2002−326931号公報 特許文献3は、5−ヒドロキシフラボンを有効成分として含有するアンドロゲン受容体作用阻害剤を開示し、アンドロゲン依存性疾患の予防・治療に有用であるとしている。
本発明は、新規で優れたアンドロゲン受容体アンタゴニストと、これを有効成分とするアンドロゲン受容体結合阻害剤を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
本願発明者は、アンドロゲン受容体アンタゴニスト活性を有する化合物の探求を行う過程で、大豆イソフラボン類が性ホルモンと類似の作用を有することが提起されている点に着目し、研究を進めた結果、フラボン骨格構造の5位と4’位への特定置換基の導入が、アンドロゲン受容体アンタゴニスト活性の発現とその向上に大きく影響することを見出した。
そして更に研究を進めた結果、公知の5−ヒドロキシフラボンよりも有意に高活性である一群のアンドロゲン受容体アンタゴニストを得て、本発明を完成した。
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、下記の「化1」式に示す化合物である、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。
(上記「化1」において、Rは電子吸引性基である。)
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る「化1」の化合物において、Rとして表記された電子吸引性基が−F(フルオロ基)、−Cl(塩素基)、−CN(シアノ基)及び−NO(ニトロ基)から選ばれる基である、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、下記の「化2」式に示す化合物である、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。
(上記「化2」において、Rは−Fである。)
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、第1発明〜第3発明のいずれかに記載したアンドロゲン受容体アンタゴニストの1種又は2種以上を有効成分として含有する、アンドロゲン受容体結合阻害剤である。
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第4発明に係るアンドロゲン受容体結合阻害剤が以下のいずれかの用途に用いられるものである、アンドロゲン受容体結合阻害剤である。
(1)アンドロゲン依存性疾患の治療・予防剤。
(2)抗がん剤。
(3)前立腺肥大治療剤。
(4)皮膚外用剤又は頭髪化粧料。
本願発明者は、5−ヒドロキシフラボンの4’位に電子吸引性の置換基を導入した第1発明又は第2発明に係る化合物が、あるいは5−ヒドロキシフラボンの5位の−OHを−Fに置換した第3発明に係る化合物が、極めて優れたアンドロゲン受容体アンタゴニスト活性を示し、細胞毒性も極めて低いことを見出した。
それらの点は、レポータージーンアッセイによりin vitroで確認されており、かつ、前立腺癌治療薬として市販されているフルタミドよりも数倍も強いアンタゴニスト活性を示し、更に公知のアンドロゲン受容体作用阻害剤である5−ヒドロキシフラボンよりも活性が有意に強化されている。
従って、本発明のアンドロゲン受容体アンタゴニストは第4発明のアンドロゲン受容体結合阻害剤の有効成分とすることができる。そして、このアンドロゲン受容体結合阻害剤は、例えば第5発明に列挙するような各種用途に用いることができる。
実施例における供試化合物の希釈表を示す図である。 実施例の活性評価における化合物添加位置の区番号を示す図である。
次に、本発明の実施形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔アンドロゲン受容体アンタゴニスト〕
本発明のアンドロゲン受容体アンタゴニストは、それぞれフラボンの骨格構造を持つ、前記「化1」に示す化合物であり、又は前記「化2」に示す化合物(5-fluoroflavone)である。
これらの内でも、「化1」に示す化合物であってRとして表記された電子吸引性基が−F、−Cl、−CN及び−NOから選ばれる基であるものが特に好ましい。とりわけ、電子吸引性基が−Fであるもの(5-hydroxy-4’-fluoroflavone)と電子吸引性基が−CNであるもの(5-hydroxy-4’-cyanoflavone)とが、アンドロゲン受容体アンタゴニスト活性が5−ヒドロキシフラボンよりも顕著に高い。これらの化合物は、その製造方法も含めて公知であるか、公知でなくても文献記載の各種合成方法を応用して製造できる。
〔アンドロゲン受容体結合阻害剤〕
本発明のアンドロゲン受容体結合阻害剤は、上記いずれかのアンドロゲン受容体アンタゴニストの1種又は2種以上を有効成分として含有する。
アンドロゲン受容体結合阻害剤の用途としては、限定はされないが、(1)アンドロゲン依存性疾患の治療・予防剤、(2)抗がん剤、(3)前立腺肥大治療剤、(4)皮膚外用剤又は頭髪化粧料、等を代表的に例示することができる。
言い換えれば、アンドロゲン受容体結合阻害剤の用途は、一般的にアンドロゲン受容体結合阻害剤がその予防及び/又は治療に有効である疾患、又はアンドロゲン受容体結合阻害剤の治療及び/又は予防上の有用性が示唆されている疾患に対して適用可能である。
本発明のアンドロゲン受容体結合阻害剤の投与形態は特に制限されず、経口的・非経口的に投与することができる。アンドロゲン受容体結合阻害剤は、有効成分である前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの1種又は2種以上のみからなる製剤として用いることもできる。又、これらの有効成分と、薬理学的及び製剤学的に許容しうる製剤用添加物の1種又は2種以上とを含む医薬組成物の形態で投与することも好ましい。
薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、例えば賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、粘着剤等を用いることができる。
経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、又はシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、又は貼付剤等を挙げることができる。
また、当業者に利用可能な種々のドラッグ・デリバリ−・システムを応用して、本発明のアンドロゲン受容体結合阻害剤を前立腺等の組織内に選択的に移行させ、あるいは有効成分を持続的に血中に放出させることにより、効果を高めることができる。
アンドロゲン受容体結合阻害剤の投与量は特に限定されず、有効成分である化合物の種類、治療又は予防の目的、疾患の種類、患者の年齢や症状、投与経路などの種々の条件に応じて適宜の投与量を選択すれば良い。一日投与量を一日あたり 2〜3 回程度に分割して投与しても良く、2 〜7 日程度に一回の割合で間欠的に単位投与量を投与することもできる。
次に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって限定されない。
〔実施例1:供試化合物〕
表1に示すEntry番号1〜18に係る化合物について試験を行った。なお、表1には示していないが、後述の表2には示すように、コントロールとして、市販のflavone(表2のEntry番号C1)及び5,4’-dihydroxyflavone(表2のEntry番号C2)についても試験を行った。各Entry番号に係る化合物は共通にフラボン骨格を持ち、Rはその5位の置換基の種類を示し、Rはその4’位の置換基の種類を示す。置換基の表記に関し、「Me」は「メチル」を、「Ph」は「フェニル」を、「BU」は「tertiaryブチル」を、「Ac」はアセチルを、それぞれ意味する。
幾つかの供試化合物は合成したので、以下にそれらの合成プロセスの概略を述べる。
(Entry番号3:5-Hydroxy-4’-cyanoflavoneの合成)
下記の「化5」式に示すように、2,6-Dihydroxyacetophenoneと4-cyanobenzoylchlorideをアセトン中で炭酸カリウム存在下において環流し、Entry番号3に係る化合物を合成した。
(Entry番号4:5-Hydroxy-4’-nitroflavoneの合成)
下記の「化6」式に示すように、2,6-Dihydroxyacetophenoneと4-nitrobenzoylchlorideをアセトン中で炭酸カリウム存在下において環流し、Entry番号4に係る化合物を合成した。
(Entry番号11:5-Hydroxy-4’-aminoflavoneの合成)
下記の「化7」式に示すように、まず前記した通りにEntry番号4に係る化合物を合成した後、水素置換した系内でパラジウムカーボンを用いて5位のニトロ基をアミノ基に還元することで、Entry番号11に係る化合物を合成した。
(Entry番号12:5-Hydroxy-4’-N-acethylaminoflavoneの合成)
下記の「化8」式に示すように、まず前記した通りにEntry番号11に係る化合物を合成した後、塩化アセチルとトリエチルアミンを用いてアミノ基をアセチル化することで、Entry番号12に係る化合物を合成した。
(Entry番号8:5-Hydroxy-4’-dimethylaminoflavoneの合成)
下記の「化9」式に示すように、2,6-Dihydroxyacetophenoneと4-dimethylaminobenzoylchlorideをアセトン中で炭酸カリウム存在下において環流し、Entry番号8に係る化合物を合成した。「化9」式に示すように、この合成反応では、Entry番号8に係る化合物の他にも、4-dimethylaminobenzoylchlorideが2分子導入されたフラボン誘導体も得ることができる。それら収量は、Entry番号8に係る化合物(5-Hydroxy-4’-dimethylaminoflavone)が10%であり、4-dimethylaminobenzoylchlorideが2分子導入されたフラボン誘導体が2%であった。
(Entry番号7:5-Hydroxy-4’-phenylflavoneの合成)
下記の「化10」式に示すように2,6-Dihydroxyacetophenoneと4-phenylbenzoylchlorideをアセトン中で炭酸カリウム存在下において環流し、Entry番号7に係る化合物を合成した。
〔実施例2:供試化合物のレポータージーンアッセイ〕
(実験方法)
供試細胞の培養
供試細胞としてヒトの乳がん細胞を用いた。細胞は、37℃インキュベーター内で細胞培養フラスコを用いて培養した。フラスコには細胞名、細胞の代数、濃度、最終処理日、処理者の名前を記入した。少なくとも3日に1回は培地交換を行い、コンフルエントになる前(70%コンフルエントが最適である)に継代し、細胞にかかるダメージができる限り小さくなるように配慮した。
継代
細胞培養フラスコ内の培地を吸引除去後、死細胞を取り除くためにPBS(-)EDTA(+)10mLを加え洗浄し、それを吸引除去した。この操作を2回行った後、細胞を浮遊させるために0.125%
Trypsin 4mL添加後2分間室温で静置した。その後、L-15培地を10mL加えトリプシンの作用を抑制し、十分にピペッティング後、12mL容遠心沈殿管2本に7mLずつ分注し、1000rpmで5分間室温で遠心分離した。遠心分離後、上澄みを吸引除去し、タッピングにより細胞を再懸濁後、遠心沈殿管1本につき1mLのL-15培地を加え細胞懸濁液とした。その細胞懸濁液をパラフィルム上でL-15培地にて1/10倍希釈後、ヘマトメーターを用いて細胞数を計測し、調製した細胞懸濁液の濃度を求めた。目的の細胞濃度になるように必要な細胞懸濁液量を求め、新しい細胞培養フラスコに移し、L-15培地10mLを加え37℃インキュベーター内で静置培養した。
培地交換
培養フラスコ内の培地を吸引除去後、PBS(-)EDTA(+)10mLで2回洗浄し、L-15培地10mLを加え、37℃インキュベーター内で静置培養した。
(レポータージーンアッセイ)
96穴組織培養プレートに、1穴につき約1.0×104
cellsの細胞を分注後、37℃で約4時間静置培養した。静置培養の間、供試化合物の秤量、希釈を行った。細胞の分注から約4時間後、希釈した化合物を添加し、37℃で約20時間静置培養した。約20時間後、ルミノメーターにより測定を行った。実験は4反復を3回以上行い、それを基にデータ処理を行った。
細胞の分注
細胞数懸濁液の算出までは前記した「継代」と同様の操作を行い、乾熱滅菌したシャーレ中で細胞濃度1.1×105
cells/mLとなるように細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を300μLの8連ピペットを用いて、1wellにつき90μLずつ、96穴組織培養プレートに分注後、37℃インキュベーター内で約4時間静置培養した。
供試化合物の秤量
液体の化合物はパスツールピペットを用いてエッペンドルフチューブに移した。固体の化合物は縦半分に裂き、平たくした竹串を用い、エッペンドルフチューブに入れて電子天秤にて精確に秤量した。
供試化合物の希釈
化合物の希釈は、希釈用の溶媒としてジメチルスルフォキシド(DMSO,WAKO;Cat.
No. 043-07216)を用い、クリーンベンチ内で操作を行った。秤量した供試化合物にDMSOを加え2.0×10-1
Mの濃度に調製後、そこから段階希釈し、目的濃度となるまで希釈した。エッペンドルフチューブ内のDMSO濃度を1%に調製後、段階的に希釈した化合物の希釈表を図1に示す。図1において、1は100%DMSO培地を、2はL-15培地を、3は1%DMSO培地を、それぞれ示す。
希釈した化合物の組織培養プレートへの添加量は5μL/wellとし、1well中の最終液量は100μLとした。よって添加前の化合物の濃度はwell中での最終濃度の20倍となるようにした。また、添加前のDMSO濃度が1%となるようにした。
供試化合物の添加
前記した継代操作にて調製した細胞懸濁液を1wellにつき90μL添加後、37℃インキュベーターで4時間静置培養後、96穴組織培養プレートに、1wellにつき試験化合物5μLを添加した。アゴニスト処理区には1%
DMSO含有4nM DHT/140nM
Dexamethasone 5μL、アゴニスト無処理区には1%
DMSO含有L-15培地5μLを添加した。希釈した化合物のDMSO濃度は全て1%であり、目的濃度の化合物と4nM
DHTあるいは1% DMSO溶液と合わせて添加量は10μLであるので、well中のDMSO濃度は0.1%となる。
図2(a)にAR(アンドロゲン受容体)に対する活性評価における化合物添加位置の区番号を示し、図2(b)にGR(グルココルチコイド受容体)に対する活性評価における化合物の添加位置の区番号を示す。図2(a)中の区番号4aと図2(b)中の区番号4bは共に「Cell only」区であって、細胞の異常の有無を確認するため、化合物は添加せずに細胞懸濁液90μLのみとした区である。又、また、アゴニスト無処理区(DHT/Dexametasone無処理区)へのDHT/Dexの混入を避けるため、化合物やFlutamideは必ずアゴニスト無処理区から処理区にかけて添加した。
更に、図2(a)中の区番号5aは「0.2nM DHT処理」区を、区番号6aは「0.1% DMSO処理」区を、区番号7aは「供試化合物+0.2nM DHT処理」区を、区番号8aは「供試化合物+0.1% DMSO処理」区を、区番号9aは「0.2nM DHT+1μMフルタミド処理」区を、区番号10aは「0.1% DMSO+1μMフルタミド処理」区を、それぞれ表す。
又、図2(b)中の区番号5bは「7nM Dexamethasone処理」区を、区番号6bは「0.1% DMSO処理」区を、区番号7bは「供試化合物+7nM Dexamethasone処理」区を、区番号8bは「供試化合物+ 0.1% DMSO処理」区を、区番号9bは「0.2nM DHT処理」区を、それぞれ表す。
供試化合物の添加後、96穴組織培養プレートを37℃インキュベーターで20時間静置培養した。
細胞の溶解
供試化合物を添加した96穴組織培養プレートを37℃、20時間インキュベートした。細胞を溶解する前に光学顕微鏡を用いて細胞の様子を観察した。化合物の結晶や細胞毒性(剥離、空包化、膜分解など)などの異常が見られた場合には、そのwell番号と異常を記録し、得られた実験結果と関連づけて考察した。クリーンベンチ内でwell中の培地を吸引除去後、あらかじめ調製しておいた1× Lysis Bufferを25μL/wellずつ添加し、室温で30分間遮光しながら静置した。
ルシフェラーゼ活性の測定
供試化合物のアンドロゲン及びグルココルチコイド活性は、ルミノメーター(Luminoskan
RS, Labsystems)を用いてルシフェラーゼの相対的発光強度(RLU:Relative
Luminescence Unit)を測定することにより評価した。
ルミノメーターを使用する少なくとも30分前には、本体、パソコンの順に機械を立ち上げておいた。Lysis
Buffer添加から30分後、測定するプレートをルミノメーターにセットし、Reaction
Buffer及びLuciferinをそれぞれ25μL/wellずつルミノメーター内で添加し、RLUを測定した。Reaction
Bufferは使用量を15mL容コニカルチューブに移し、Luciferinは−20℃の冷凍庫から取り出し常温の水中で解凍した。なお、ルシフェリンは光や熱に不安定であるので、遮光、氷冷しながら測定を行った。
パソコンのデスクトップ上にある“Lumcont”アイコンをダブルクリックしルミノメーターを起動後、“Reader”から“Connect
Reader”を選択してルミノメーターとパソコン本体とを接続した。Reaction
BufferはPump
1と、LuciferinはPump
2とそれぞれ接続し、pumpがずれないようにパラフィルムで固定後、それぞれのPumpで“Prime”を3回ずつ行いチューブ内を溶液で満たした。この時のPump
1、2の切り換えは、“Setting”を選択した後、“Pump
Number”に1か2をキー入力することで行った。次に、“Plate
Out”で空のプレートと測定するプレートを交換し、“Plate
In”をクリックしてプレートをルミノメーター内にセット後、“Measure”により測定を開始した。測定は1プレートにつき約17分を要した。
測定終了後、“Display”をクリックし測定結果を表示させ、“Date”から“Save
to File”を選択し、データを保存した。測定したプレートを取り出し、空のプレートをルミノメーターにセットした。その後、pump 1、2ともに、“Prime”、“Empty”を3回ずつ、その順に行うことでpump内を洗浄した。“Connect”から“Disconnect
Reader”を選択し、ルミノメーターとパソコンとの接続を遮断後、パソコン、ルミノメーターの順に電源を落とした。
データ解析
1回につき4反復の実験を最低2回行い、その平均値を評価に用いた。各実験区の示すRLU値の平均を0.1%
DMSO処理区の示すRLU値の平均で除した値をFold
inductionとした。このFold
Inductionによるデータ解析は、調製した0.2nM
DHT/7nM
Dexamethasoneの濃度のずれが結果に反映されやすいという欠点を持つ。よって、反復間での誤差をより小さくするために、化合物の評価にはFold
Inductionを基に算出したInduced
Luciferase Activity(%)を用いた。0.2nM
DHT/7nM
Dexamethasone処理区の示すFold
Inductionを100%、0.1%
DMSO処理区の示すFold
Inductionを0%としたときに、それぞれの試験区の示すFold
Inductionの相対値をInduced
Luciferase Activity(%)とした。
アゴニスト無処理区においてInduced Luciferase Activityが0%より有意に高く、アゴニスト処理区においてもInduced Luciferase Activityが100%よりも有意に高い化合物をアゴニストと評価した。アゴニスト活性がAR特異的なものであるかGR特異的なものであるかの区別は、アゴニスト活性を示す供試化合物とARに特異的なアンタゴニストであるFlutamideを同時処理することで行った。アゴニスト無処理区ではInduced Luciferase Activityに有意差が見られないが、アゴニスト処理区ではInduced Luciferase Activity が100%よりもが有意に低い場合にはアンタゴニストと評価した。ただし、アゴニスト無処理区においてFold Inductionが0.85よりも小さい場合は細胞毒性と評価した。
データの有意性については、t検定を用いて2.776以上であれば有意であるとし、95%の信頼性で評価した。
データは、y軸にInduced
luciferase activity(%)、x軸に化合物濃度(M)をとった散布図で表した。活性を示した化合物については、有意差が認められた点を3点以上取り対数近似曲線を得た。この近似式にアゴニストの場合は“y=150”を代入しEC150(150%
Effective Concentration)値を、アンタゴニストの場合は“y=50”を代入しIC50(50%
Inhibition Concentration)値を算出した。評価の結果を表2に示す。
本実施例においては、細胞の化合物に対する反応性を調査するために、化合物のアンドロゲン活性評価に用いる5コントロール処理区(cell
only(化合物無処理区)、0.1%
DMSO処理区、0.2nM
DHT処理区、0.2nM
DHT +1μM
Flutamide処理区、1μM
Flutamide処理区)を選択し、継代数ごとのRLU値を測定した。RLU値と、0.1%
DMSO処理区の示すRLU値を1としたときのそれぞれの処理区が示す相対値(Fold
Induction)を比較することによって、細胞の化合物に対する反応性を評価した。
本発明によって、新規で優れたアンドロゲン受容体アンタゴニストと、これを有効成分とするアンドロゲン受容体結合阻害剤が提供される。
1 100%DMSO培地

L-15培地
3 1%DMSO培地
4a,4b 化合物添加位置の区番号
5a,5b 化合物添加位置の区番号
6a,6b 化合物添加位置の区番号
7a,7b 化合物添加位置の区番号
8a,8b 化合物添加位置の区番号
9a,9b 化合物添加位置の区番号
10a 化合物添加位置の区番号

Claims (5)

  1. 下記の「化3」式に示す化合物であるアンドロゲン受容体アンタゴニスト。
    (上記「化3」において、Rは電子吸引性基である。)
  2. 前記「化3」の化合物においてRとして表記された電子吸引性基が−F、−Cl、−CN及び−NOから選ばれる基である請求項1に記載のアンドロゲン受容体アンタゴニスト。
  3. 下記の「化4」式に示す化合物であるアンドロゲン受容体アンタゴニスト。
    (上記「化4」において、Rは−Fである。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載したアンドロゲン受容体アンタゴニストの1種又は2種以上を有効成分として含有するアンドロゲン受容体結合阻害剤。
  5. 前記アンドロゲン受容体結合阻害剤が以下のいずれかの用途に用いられるものである請求項4に記載のアンドロゲン受容体結合阻害剤。
    (1)アンドロゲン依存性疾患の治療・予防剤。
    (2)抗がん剤。
    (3)前立腺肥大治療剤。
    (4)皮膚外用剤又は頭髪化粧料。
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