JP2011056164A - Mr装置用rfコイル並びにその設計方法及び駆動方法 - Google Patents

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Hiroo Ikehira
博夫 池平
Manabu Nakajima
学 中島
Iwao Nakajima
巖 中島
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Abstract

【課題】超高磁場MR装置において被検体の温度上昇を抑制しながら高周波電波を被検体に効率的に照射して静磁場の乱れやS/N比の劣化の少ない画像を撮影する。
【解決手段】MR装置用ボリュームコイルにおいて、被検体上に配置された放射器と被検体との間に電界シールドを配置し、電界シールドの配置領域および電界シールドの形状をボリュームコイル内部の電界磁界分布を数値解析することにより決定する。MR装置用RFコイルにおいて、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有し、各部分コイルは、周方向に間隔を隔てて配置され軸方向に細長い複数のエレメントからなり、上記分割された部分コイルの間は、高周波結合可能な1エレメント長さ以下だけ離れて配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体の磁気共鳴撮像(MRI)又は磁気共鳴分光分析(MRS)のために使用する磁気共鳴(MR)装置用RFコイル並びにその設計方法及び駆動方法に関する。特に、本発明は、通常1.5Tesla以上の高磁場、好ましくは3Tesla以上の超高磁場で人体の全部又は一部を測定する場合における、MR装置用ボリュームコイル及びその設計方法に関する。
MR装置において、RF電波を発信し高周波信号を受信するアンテナの機能を果たすためにRFコイルが用いられる。発信用RFコイルのうち、感度領域内がほぼ均一磁場となるものを特にボリュームRFコイルまたはボリュームコイルと呼ぶ。また受信用RFコイルのうち、画像を撮りたい部分の近くに置くものを特に表面RFコイル又は表面コイルと呼ぶ。
MRI測定に用いるボリュームコイルとして、サドル型、マルチアレイ型、バードケージ型、TEM型、PAAC型などのRFコイルが用いられている。これらの共振器では、腹部や頭部などの測定部位に近接させるよう被検体の大きさに合わせて設計されたコイルで測定を行うが、この際に、RFコイルの性質上、当然生体内部に磁界だけでなく電界も侵入してしまう。この電界によるマイクロ波損失が共振器の共振尖鋭度Qを低下させるために測定感度が低下するとともに生体内でジュール熱が発生し不要かつ不利益な発熱を生じる。このため測定対象である生体中への電界の侵入を可能な限り抑制しなければならない。特に、スピンの共鳴周波数が高い超高磁場(3Tesla以上)MR装置では、誘電体である被検体内部の損失が、周波数に比例して大きくなるため、特に問題となる。しかし、MR装置において、RF電波の送信電力を制限すると、RF電波の送信時間が極端に短くなり、その結果、描画範囲、描画深度、描画方法などが制限され、高精度の検査ができなくなる問題点があった。
従来技術によれば、皮膚等の生体測定試料への電界の侵入を防ぐために電界シールドを用いた例として特許文献1がある。特許文献1は、磁気共鳴像の撮像(MRI)や電子スピン共鳴像形成(ESRI)測定技術を開示しており、表面コイル特にループギャップコイルにおいて電界の遮蔽を行っている。しかしながら、特許文献1は、人体のように大きな生体を対象としたボリームコイルの、放射器が多数組み合わされている電磁波照射側すなわちコイル内部に、電界シールドを設けたものではない。また、ボリームコイルの内部に電界シールドを用いた例として特許文献2がある。特許文献2は、サドルコイル手段とサンプルとの間に配置された浮動シールド手段を開示しているが、この浮動シールド手段は、上述したような生体内における発熱防止を目的とする電界シールドではない。
また、被検体の温度上昇を抑制しながら被検体に高周波電波を照射し被検体から高周波信号を検出することを目的とした技術を開示するものとして特許文献3がある。この特許文献3は、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有するマルチコイルを用い、その部分コイルを部分的に駆動することによって被検体の一部のみに高周波電波を照射し、その部分から高周波信号を検出している。
特開2007−159980号公報 特開2003−279633号公報 特開2008−35987号公報
上述したように、特許文献1及び2の電界シールドでは、生体内における発熱を有効に防止することはできない。また、特許文献3の部分コイル形式では部分コイルどうしが一部オーバーラップしている構造であるため、各部分コイルで作成される画像の間に信号が低下する領域が無いという利点があるが、オーバーラップ構造を採用しているので発熱防止効果の更なる向上を期待できないとともに、医療措置その他の作業効率の向上も期待できない、という欠点がある。
よって、本発明の目的は、超高磁場MR装置において、被検体の温度上昇を抑制しながら、医療処置その他の作業の効率を低下させることなく高周波電波を被検体に効率的に照射して被検体から高周波信号を検出し、それによって被検体に付加された静磁場の乱れやS/N比の劣化の少ない画像を撮影することである。
本発明の1つの観点によれば、被検体の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析のために使用するMR装置用ボリュームコイルにおいて、被検体上に配置された放射器と、上記放射器と被検体との間に配置された電界シールドとを備え、上記電界シールドが配置される領域および電界シールドの形状は、ボリュームコイル内部の電界磁界分布を数値解析することにより決定されたことを特徴とするボリュームコイルが提供される。
本発明の1つの実施形態によれば、上記電界シールドの形状は、スリット構造、格子構造、穴あき構造及び板状構造を含む。
本発明の別の実施形態によれば、上記電界シールドは、非磁性導電体である。
本発明の更に別の実施形態によれば、上記被検体は人体であり、且つ、上記MR装置用ボリュームコイルは、1.5Tesla以上の高磁場を使用して人体の全部又は一部の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析を行う超高磁場MR装置用ボリュームコイルである。
本発明の別の観点によれば、被検体の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析のために使用するMR装置用ボリュームコイルの設計方法において、被検体上に放射器を配置する段階と、上記放射器と被検体との間に電界シールドを配置する段階を含み、上記電界シールドを配置する段階は、ボリュームコイル内部の電界磁界分布を数値解析し、その数値解析に基づいて上記電界シールドを配置する領域および電界シールドの形状を決定する段階を含むことを特徴とするボリュームコイルの設計方法が提供される。
本発明の更に別の観点によれば、MR装置用RFコイルにおいて、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有し、各部分コイルは、周方向に間隔を隔てて配置され軸方向に細長い複数のエレメントからなり、上記分割された部分コイルの間は、部分コイル間の高周波結合が可能な距離だけ離れて配置されていることを特徴とするRFコイルが提供される。
本発明の1つの実施形態によれば、上記部分コイルの各エレメントは、同一の高周波電波の振動数で共振し、高周波電波の送受信アンテナとして機能する導電性部材である。
本発明の別の実施形態によれば、上記被検体を囲み電波を遮断する筒状の反射板を備え、該反射板は、部分コイル毎に設定されており、上記部分コイルは、反射板の内側に取り付けられている。
本発明の更に別の実施形態によれば、上記部分コイルの各エレメントは、周方向に並行もしく千鳥足状に配置されている。
本発明の更に別の観点によれば、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有し、各部分コイルは、周方向に間隔を隔てて配置され軸方向に細長い複数のエレメントからなり、上記分割された部分コイルの間は、部分コイル間の高周波結合が可能な距離だけ離れて配置されているMR装置用RFコイルの駆動方法において、単一の又は一部の部分コイルのみを被検体の測定各種のスピンの共鳴周波数と同調させ、その他の部分コイルを非同調にすることにより、非検体の一部のみに高周波電波を照射し、その部分から高周波信号を検出することを特徴とするMR装置用RFコイルの駆動方法が提供される。
本発明の1つの実施形態によれば、上記MR装置用RFコイルの駆動方法において、1つの部分コイルを駆動することによって、少なくとも一つの隣接する部分コイルに高周波結合を生じさせ、上記分割された各部分コイル間の間隙部分を含めて測定領域の全領域から高周波信号を検出する。
本発明によれば、超高磁場MR装置において、被検体の温度上昇を抑制しながら、医療処置その他の作業の効率を低下させることなく高周波電波を被検体に効率的に照射して被検体から高周波信号を検出し、それによって被検体に付加された静磁場の乱れやS/N比の劣化の少ない画像を撮影することができる。
本発明の1つの実施形態によるPAAC型ボリュームコイルの1実施例を示す斜視図である。 本発明の別の実施例によるバードケージ型ボリュームコイルの斜視図である。 本発明の更に別の実施例によるバードケージ型ボリュームコイルの斜視図である。 本発明の更に別の実施例によるサドル型ボリュームコイルの斜視図である。 電界シールドを有していない従来技術によるボリュームコイルにおける電界分布を示す図である。 電界シールドを有していない従来技術によるボリュームコイルにおける磁界分布を示す図である。 電界シールドを有している本発明によるボリュームコイルにおける電界分布を示す図である。 電界シールドを有している本発明によるボリュームコイルにおける磁界分布を示す図である。 本発明の別の実施形態によるPAAC型RFコイル(マルチコイル)の1実施例を示す斜視図である。 図9のマルチコイルの側面の透視図である。 図9のマルチコイルの軸方向前面図である。 本発明の別の実施例によるマルチコイルを示す斜視図である。 図12のマルチコイルの側面の透視図である。 本発明の更に別の実施例によるマルチコイルの側面の透視図である。 本発明のマルチコイルを人体の胸部及び腹部に装着した状態を示す概略図である。 本発明のマルチコイルを含むMR装置に人体の頭部を装着した状態を示す概略図である。
以下本願発明の実施例について図面を参照しながら説明する。本発明の実施例によれば、電界シールドを各種構造のボリュームコイルに適用できる。
(1)本発明の電界シールド付きボリュームコイルの構造
本発明のMR装置、特に、超高磁場MRIで利用されるボリュームコイルとして、先に述べたようにサドル型、マルチアレイ型、バードケージ型、TEM型、PAAC型などがある。図1に、本発明の電界シールドを施したPAAC型のボリュームコイルの構造の概観を示す。因みに、特許文献3の段落〔0007〕に記載されているように、「PAAC」は、パッチアンテナコイル(Patch Antenna Coil)の略称であり、PAAC型のボリュームコイルとは、細長いエレメントを周方向に間隔を隔てて配置したものであり、各エレメントが高周波電波の振動数と共振し、高周波電波の送受信アンテナとして機能するものである。
図1は、本発明の1つの実施例による電界シールドを付けたPAAC型ボリュームコイルの構造概観を示す。図1において、最外側の円筒は銅を材質とした反射板1であり、反射板の内側に同じく銅を材質とした放射器が配置され、この放射器は複数のエレメント2で構成されるアンテナアレイとして示されている。更に放射器の内側に、電界シールド3が配置されている。また、電界シールド3の内側に被検体が配置されるようになっている。この実施例では、電界シールドは放射器の前後2箇所に対照的に設置してある。各要素は誘電体(図示せず)によって支持、分離されている。図1の反射板および放射器を含むボリュームコイルの構造はPAAC型であるが、本発明は、実際には上記のどのタイプの形式でも構わない。例えば、図2及び図3に示すようなバードケージコイル、図4に示すようなサドルコイル等に本発明を適用することもできる。図2〜図4において、25、35、45はアンテナアレイを示し、23、33、43は電界シールドを示している。
電界シールド3、23、33、43は板状の非磁性金属であれば局所のみであっても、全周にわたる遮蔽であってもかまわない、また、板状であれば格子(メッシュ)構造、スリット構造もしくは穴あき構造などのような構造でも構わない。電界シールドの設置場所は放射器と被検体の間であって、電界シールドの構造と設置位置は電界及び磁界の数値解析および被検体の条件によって最も効率的な条件で決定される。
(2)本発明における電磁波の電界成分と磁界成分の生体への影響
MRI測定を行うために測定磁場強度に比例した高周波(電磁波)を近接照射する必要があるが、MRI撮像を行うために必要な要素は電磁波のうちの磁界成分のみである。電界成分は生体に照射されると電子レンジと同じ原理でジュール熱などを発生し、それが大きくなると生体にとって有害無益なものとなる。特に超高磁場でのMRI測定の場合電磁波の周波数が数100MHzとなるため、その影響は無視できない。電界の影響が生じると、超高磁場でMRI撮像を行うことによって得られる利益、すなわち空間分解能や核磁気共鳴分光信号の向上などを達成するに十分なエネルギーの電磁波を照射することが出来るという利益、を十分に享受できない。このため、電界の遮蔽をすることが有効な手段となる。
(3)本発明による電界シールドの最適化
電磁波は電界と磁界の組み合わせでなっているが、電界を遮蔽すると当然それに続く磁界成分の発生も抑制される。このことは電磁波が照射される放射器から遠い位置での解析結果、すなわち遠方解では理論通りであるが、MRIで利用される共振器のように、放射器の直近近傍での電磁界の分布は必ずしも遠方での解析結果と一致しない。ある程度電界が遮蔽されても、放射器のごく近傍であれば磁界は十分照射することが可能である。したがって、本発明によれば、ボリュームコイルの形状、放射器の形状、被験体の条件などによって、電界及び磁界の数値解析を行うことにより、最も効率的に機能する電界シールドを設定する条件を決定する。すなわち、電界シールドの配置領域及び形状を決定する。
(4)本発明による電界シールドと磁界
電磁界は、放射器の極近傍では静電磁界と同様の性質を持つので伝播せずに放射器の近傍に分布している。電界は、電界シールドによって電流に変換されシールドから被験体側への侵入をシールドの条件によってある程度阻止されるが、磁界はシールドが磁性体でなく導体なのでシールドを容易に通過することが出来る。そこで、電界シールドの材質として導電性の高い材質である銅などを使用する。
(5)本発明による電界及び磁界の数値解析例
本発明によれば、電界及び磁界の数値解析は、コンピュータによって市販の電磁界解析ソフトを使用して行われる。例えば、本発明の1つの実施形態では、電磁界解析ソフト(Micro-Stripes)によってボリュームコイル内部の電磁界分布を数値解析し、放射器の内側面での電界成分の集中する領域を決定する。この実施形態において、ボリーコイルの計算モデルとしては上記のさまざまな種類の形式のコイルに適応が可能である。
図5〜図8にこの数値解析例を示す。図5〜図8は、図1の放射器のエレメント2の一つを取り出してそれに電界シールド3を施した場合と施していない場合の解析結果を示している。図5〜図8は、エレメント2のコイル軸方向における縦断面図であり、エレメント上の電界分布及び磁界分布を示している。図5及び図6は電界シールドが無い場合の放射器そのものの電界と磁界の放射状態を示し、図7及び図8は、図5及び図6の放射器に矢印で示す位置に電界シールドを付加した状態での電界と磁界の放射状態をそれぞれシミュレーション結果として示したものである。これらの図では、電界と磁界の放射の状態、強度の分布を濃淡で示している。
図5〜図8に示したように、電界シールドの付いていないボリュームコイルの放射器上面では電界Eが発生しているが、電界シールドを付けた放射器のシールド上面では電界Eのみがある程度阻止され、磁界Hは透過していることが解る。
(6)本発明による電界シールドの例
本発明による電界シールドの一例を挙げると、シールドの幅すなわちシールドのコイル軸方向における長さは、放射器の長軸の約10%であって放射器の幅すなわち短軸の1.2倍であり、シールドの厚さは1mm、シールドの材質は銅、シールドの位置は、数値解析で電界放射の最も集中する位置に設定される。
(7)本発明による電界シールドの位置設定
数値解析によって、電界放射の最も集中する位置を最初の選択位置とし、電界シールドを設定した状態で、それが無い状態との数値解析を比較し、被験体の状況も考慮して決定する。
(8)本発明による電界シールドの効果
本発明によれば、このような電界シールドを付けることによって、放射器のみに比べて電界の集中する位置での電界強度、つまり安全性に関わる発熱制限値(SAR値)を数分の1程度に低減する効果を期待できる。ここで、SAR値とは、比吸収率(Specific Absorption Rate)を意味し、発熱制限値を表す指標として使用される。磁界の放射強度は数〜10数%の低下に抑制できる。同じ発熱制限値(SAR値)まで電磁波を被験体に照射できると仮定すれば、照射できる磁界強度は数倍までの向上が期待できる。
図9は、本発明の別の実施形態によるPAAC型RFコイルの概観図を示す。このRFコイルは、特許文献3において本件出願人が先に提案したマルチコイルを改良したものである。特許文献3のマルチコイルでは、部分コイルどうしが一部オーバーラップしているオーバーラップ構造を採用しているが、本発明のRFコイルでは、部分コイルの間がオープンになったすなわち部分コイルの間に各部分コイル間の高周波結合を可能にしつつ間隔をあけるようなオープン構造を採用している。
図9において、最外側の円筒は銅を材質とした反射板91であり、反射板の内側に同じく銅を材質とした放射器が配置され、この放射器は複数のエレメント92で構成されるアンテナアレイとして示されている。すなわち、図9のRFコイルは、2組の部分コイル94で構成されるマルチコイルである。反射板91は、特許文献3のシールドハウジングに相当するもので、被検体を囲み電波を遮断するように機能する。反射板91の円周方向に8つ並べたエレメントが1組の部分コイル94を形成している(図9では一部のエレメントのみ図示されている)。なお、図10は、図9のコイルの側面の透視図であり、図11は、図9のコイルの軸方向前面図である。
部分コイルのエレメントは他の組の部分コイルのエレメントに対して間隔をあけて配置されており、その間隔は、エレメントの長さの50%である。この間隔の大きさは、部分コイル間の高周波結合が可能な大きさである。図9のマルチコイルでは、隣接する部分コイルのエレメント間の間隔は、エレメントの長さの50%であるが、部分コイル間の高周波結合が可能な大きさであれば、他の大きさであってもよい。例えば、1エレメントの長さ以下の任意の大きさに設定してもよい。図9のコイルでは、部分コイルの各エレメントは、周方向に並行に配置されているが、千鳥足状に配置されていてもよい。
各エレメントは、同一の高周波電波の振動数で共振し、高周波電波の送受信アンテナとして機能する。また、被検体を囲み電波を遮断する筒状の反射板は、部分コイル毎に設定される(図10参照)が、構造上隣接する部分コイルの反射板と連続していてもいなくても構わない(図12及び図13参照)。
図12は、放射器に付属する反射板が分離した構造を有するPAAC型RFコイルの概観図を示す。図13は、図12のコイルの側面の透視図である。図12及び図13からわかるように、放射器の部分コイル124に付属する反射板121が分離しており、部分コイル124の各エレメント122は、周方向に間隔を隔てて並行に配置されている。この実施例では、部分コイル124の各エレメント122は、周方向に間隔を隔てて並行に配置されているが、図14に示すように千鳥足状に配置してもよい。図14は、コイルの側面の透視図であり、141は反射板を示し、144は部分コイルを示し、142はエレメントを示している。
また、図12及び図14のマルチコイルでは、図9のマルチコイルと同様に、部分コイルのエレメント間の間隔は、エレメントの長さの50%である。しかしながら、部分コイル間の高周波結合が可能な大きさであれば、他の大きさであってもよい。例えば、エレメントの長さ以下の任意の大きさに設定してもよい。
本発明のマルチコイルによれば、部分コイル間の高周波結合が可能な距離だけ分離されているので、末端の部分コイルの1つに給電することで全体を駆動することが可能である。また、各部分コイルにすべて給電することも可能である。さらに一部の部分コイルのみを同調させ、その場合はその他の部分コイルを非同調にして、RFコイルの全視野または被検体の一部のみに高周波電磁波を照射し、MR信号を検出することも出来る。
図15及び図16は、図12に示すような反射板が分離した構造のマルチコイルを被検体に装着した状態を示している。図15は、被検体として人体の胸部及び腹部を含む人体のほぼ全体を測定する場合を示している。図15において、151は反射板を示し、155は送受信兼用の放射器を構成するアンテナアレイを示す。また、156はアンテナアレイ155で検出された信号を処理するためのパーソナルコンピュータ及びインターフェイスである。
図16は、被検体として人体の頭部を測定する場合を示している。図16において、161は反射板を示し、165は送受信兼用の放射器を構成するアンテナアレイを示す。また、166はアンテナアレイ165で検出された信号を処理するためのパーソナルコンピュータ及びインターフェイスである。図16には、本発明のマルチコイルを含むOPEN−MR装置が示されているが、このOPEN−MR装置の磁石167もマルチコイルと同様に分離されている。このように互いの分離位置を軸方向に合わせて配置することによって、測定の合間にマルチコイルを被検体から外すことなくその分離した間隙を利用して医療処置その他の作業をすることができる。
上述した本発明の別の実施形態によるRFコイルすなわちマルチコイルによれば、マルチコイルを構成する複数の部分コイルが、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割されており、その分割された部分コイルが高周波結合を生じることが可能な距離だけ隔てられて配置されている。したがって、希望する領域のみの撮影および全体のコイルが見込む広い領域の撮像も可能である。また、隣接する部分コイルのエレメントが間隔を置かれて配置されているため、その部分コイル間の領域では、高周波電波が照射されない。したがって、そのような高周波電波が照射されない非同調部分の被検体(生体)は発熱がほとんどない。また、非同調部分からのノイズも低減するので、S/N比の高い画像を撮影することができ、かつSAR(比吸収率)を低減することができる。
また、各部分コイルが間隔を置かれて配置されているため、その間隙をさまざまな医療行為などに有効に利用すること、あるいはfMRIの刺激のための各種画像の提供などに有効に利用することが可能である。
1、91,121、141、151、161 反射板
2、22、32、42、92、122、142、152 エレメント
94、124、144 部分コイル
25、35、45、155、165 アンテナアレイ
156、166 パーソナルコンピュータ及びインターフェイス
167 磁石

Claims (11)

  1. 被検体の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析のために使用するMR装置用ボリュームコイルにおいて、被検体上に配置された放射器と、上記放射器と被検体との間に配置された電界シールドとを備え、上記電界シールドが配置される領域および電界シールドの形状は、ボリュームコイル内部の電界磁界分布を数値解析することにより決定されたことを特徴とするボリュームコイル。
  2. 上記電界シールドの形状は、スリット構造、格子構造、穴あき構造及び板状構造を含むこと特徴とする請求項1に記載のボリュームコイル。
  3. 上記電界シールドは、非磁性導電体であること特徴とする請求項1又は2に記載のボリュームコイル。
  4. 上記被検体は人体であり、且つ、上記MR装置用ボリュームコイルは、1.5Tesla以上の高磁場を使用して人体の全部又は一部の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析を行う超高磁場MR装置用ボリュームコイルであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のボリュームコイル。
  5. 被検体の磁気共鳴撮像又は磁気共鳴分光分析のために使用するMR装置用ボリュームコイルの設計方法において、被検体上に放射器を配置する段階と、上記放射器と被検体との間に電界シールドを配置する段階を含み、上記電界シールドを配置する段階は、ボリュームコイル内部の電界磁界分布を数値解析し、その数値解析に基づいて上記電界シールドを配置する領域および電界シールドの形状を決定する段階を含むことを特徴とするボリュームコイルの設計方法。
  6. MR装置用RFコイルにおいて、被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有し、各部分コイルは、周方向に間隔を隔てて配置され軸方向に細長い複数のエレメントからなり、上記分割された部分コイルの間は、部分コイル間の高周波結合が可能な距離だけ離れて配置されていることを特徴とするRFコイル。
  7. 上記各エレメントは、同一の高周波電波の振動数で共振し、高周波電波の送受信アンテナとして機能する導電性部材であることを特徴とする請求項6に記載のRFコイル。
  8. 上記被検体を囲み電波を遮断する筒状の反射板を備え、該反射板は、部分コイル毎に設定されており、上記部分コイルは、反射板の内側に取り付けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載のRFコイル。
  9. 上記部分コイルの各エレメントは、周方向に並行もしく千鳥足状に配置されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のRFコイル。
  10. 被検体の異なる位置を囲むように軸方向に分割された複数の部分コイルを有し、各部分コイルは、周方向に間隔を隔てて配置され軸方向に細長い複数のエレメントからなり、上記分割された部分コイルの間は、部分コイル間の高周波結合が可能な距離だけ離れて配置されているMR装置用RFコイルの駆動方法において、単一の又は一部の部分コイルのみを被検体の測定各種のスピンの共鳴周波数と同調させ、その他の部分コイルを非同調にすることにより、非検体の一部のみに高周波電波を照射し、その部分から高周波信号を検出することを特徴とするMR装置用RFコイルの駆動方法。
  11. 1つの部分コイルを駆動することによって、少なくとも一つの隣接する部分コイルに高周波結合を生じさせ、上記分割された各部分コイル間の間隙部分を含めて測定領域の全領域から高周波信号を検出することを特徴とする請求項10に記載のMR装置用RFコイルの駆動方法。
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