JP2011056045A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Abstract

【課題】収容部蓋板の洗剤収容容器への挿入不全を起こすおそれを低減し、安定した保持力を有する収容部蓋板を構成したドラム式洗濯機を実現すること。
【解決手段】洗剤収容容器２１は、液体仕上剤を投入する液体仕上剤収容部２４と、液体仕上剤収容部２４の底部に設けた筒状の突出部である液体仕上剤投入口２４ｂを覆う収容部蓋板２５とを備え、収容部蓋板２５には液体仕上剤収容部２４を囲う壁に嵌合するクリップ形状部２５ｄを有する構成としたことにより、クリップ形状部２５ｄがバネ性を持って変形することで、収容部蓋板２５が安定した保持力で洗剤収容容器２１に嵌合し、収容部蓋板２５が洗剤収容容器２１への挿入不全を起こす可能性を低減できる。
【選択図】図２

Description

本発明は、略水平方向または傾斜方向の回転軸を中心に回転自在に配設した回転ドラム内で洗濯物を洗濯、すすぎ、脱水、乾燥するドラム式洗濯機に関するものである。

従来、この種のドラム式洗濯機は図５、図６、図７に示すように構成していた。図５は従来のドラム式洗濯機の縦断面図、図６は従来のドラム式洗濯機の洗剤収容容器部分の構造の斜視図、図７は従来のドラム式洗濯機の洗剤収容容器部分の側面断面図である。以下、その構成について説明する。

ドラム式洗濯機１０１は、洗濯機筐体１０２内に図示しないサスペンション構造によって水槽１０３が宙吊り状態に配設され、水槽１０３内に有底円筒形に形成された回転ドラム１０４が配設されている。回転ドラム１０４は、水槽１０３の背面側に取り付けられたモータ１０６によって正転及び逆転方向に回転駆動される。

この洗濯機筐体１０２の上部に、洗剤を収容する洗剤収容容器１２１と、給水配管に接続されて洗剤収容容器１２１に給水する給水路１３１と、断面視略コ字状に形成され、上面に注水蓋体１３０を固定するとともに、この注水蓋体１３０との間に形成された空間に洗剤収容容器１２１を引き出し自在に収容する洗剤投入部枠体１４０と、を備えた洗剤投入部１２０が配設されている。

洗剤投入部枠体１４０は、その上面に注水蓋体１３０が固定され、この洗剤投入部枠体１４０と注水蓋体１３０とで囲まれた空間に洗剤収容容器１２１を収納し、引き出し自在に支持するとともに、その底部に洗剤液供給路１４１が形成されており、洗剤収容容器１２１に収容された洗剤に注水蓋体１３０から供給された水が混合された各種の洗剤混合液は、この洗剤液供給路１４１およびこの洗剤液供給路１４１に接続された給水経路１２６を経由して、水槽１０３に送給される。

洗剤収容容器１２１には、粉末合成洗剤を収容する粉末洗剤収容部１２２と、液体洗剤や液体漂白剤を収容する液体洗剤収容部１２３と、液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部１２４とを備えて構成されている。液体洗剤収容部１２３と液体仕上剤収容部１２４に対向する位置にそれぞれ液体洗剤受入口１２５ａと液体仕上剤受入口１２５ｂとが開口された収容部蓋板１２５が、液体洗剤収容部１２３と液体仕上剤収容部１２４の上方を覆っている。

そして、液体洗剤収容部１２３と液体仕上剤収容部１２４の底部には、それぞれ管状の液体洗剤投入口１２３ｂと液体仕上剤投入口１２４ｂが上方にむけて立設されているとともに、収容部蓋板１２５には、それぞれ液体洗剤投入口１２３ｂと液体仕上剤投入口１２４ｂを外方より覆い、下端が液体洗剤収容部１２３と液体仕上剤収容部１２４の底面に達する円筒形状の一対の管状突出部１２５ｃが下方に向けて立設されている。

収容部蓋板１２５は、液体洗剤投入口１２３ｂと液体仕上剤投入口１２４ｂそれぞれの根元に設けられた放射状の板状突起１２４ｃと管状突出部１２５ｃが圧入することによって嵌合している。

このように構成された洗剤投入部１２０では、洗濯工程において、注水蓋体１３０の下面にある注水口１３３から粉末洗剤収容部１２２、および液体洗剤収容部１２３に注水さ
れ、また、すすぎ工程において、注水口１３３から液体仕上剤収容部１２４に注水される。

そして、洗濯工程において、粉末洗剤収容部１２２で粉末合成洗剤を希釈拡散した洗剤液は、洗剤液供給路１４１および給水経路１２６を通じて水槽１０３内に送給される。また、洗濯工程において、液体洗剤収容部１２３で液体洗剤を希釈拡散した洗剤液は、サイフォンの原理により洗剤液供給路１４１および給水経路１２６を経由して、水槽１０３に送給される。また、すすぎ工程において、液体仕上剤収容部１２４で液体仕上剤を希釈拡散した仕上液は、同様に、洗剤液供給路１４１および給水経路１２６を経由して、水槽１０３に送給される。

特開２００９−０５６２６４号公報

このような従来の構成では、収容部蓋板１２５と洗剤収容容器１２１との嵌合が、液体洗剤投入口１２３ｂと液体仕上剤投入口１２４ｂそれぞれの根元に設けられた放射状の板状突起１２４ｃと管状突出部１２５ｃとの圧入による嵌合、つまりはバネ性を持たないものどおしの嵌合であるため、洗剤収容容器１２１と収容部蓋板１２５との嵌合力は、板状突起１２４ｃおよび管状突出部１２５ｃの寸法変化やそりなどの影響を受け易く、寸法ばらつきやそり具合で、嵌合力が弱くなったり、逆に堅くなったり、さらには板状突起１２４ｃと管状突出部１２５ｃが反発して収容部蓋板１２５の挿入不全を起こすなどの課題を持っていた。

本発明は上記従来の課題を解決するもので、洗剤収容容器への挿入不全を起こすことのない安定した嵌合力を有する収容部蓋板および洗剤収容容器を備えたドラム式洗濯機を提供することを目的としている。

上記目的を達成するために本発明は、略水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、洗剤を収容する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に設けられ液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記液体仕上剤収容部の底部に液体仕上剤投入路へ向けて開口した液体仕上剤投入口を覆う収容部蓋板と、前記注水蓋体から注水されると前記液体仕上剤収容部内の液体仕上剤を含む液体をサイフォンの原理で前記水槽内に投入する液体仕上剤投入路とを備え、前記収容部蓋板は、前記液体仕上剤収容部を囲う壁に嵌合するクリップ形状部を有する構成としたものである。

これにより、クリップ形状部がバネ性を持って変形することで、収容部蓋板が洗剤収容容器へ挿入不全を起こしたり、嵌合力が不安定になったりすることなく、安定した保持力で嵌合させることが可能となる。

本発明の洗剤収容容器を備えたドラム式洗濯機の構成によれば、収容部蓋板が洗剤収容容器へ挿入不全を起こしたり、嵌合力が不安定になるといった不具合を防止することができる。

本発明の実施の形態１におけるドラム式洗濯機の縦断面図 同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の側面断面図 同洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造分解斜視図 （ａ）同洗濯機の洗剤収容容器部分の斜視図（ｂ）同洗濯機の洗剤収容容器部分の分解斜視図 従来のドラム式洗濯機の縦断面図 従来のドラム式洗濯機の洗剤収容容器部分の構造の斜視図 従来のドラム式洗濯機の洗剤収容容器部分の側面断面図

第１の発明は、略水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、洗剤を収容する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に設けられ液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記液体仕上剤収容部と連通しその下流側底部に設けた液体仕上剤投入路と、前記液体仕上剤投入路へ向けて開口した液体仕上剤投入口を覆う収容部蓋板とを備え、前記注水蓋体から注水されると、前記液体仕上剤収容部内の液体仕上剤を含む液体をサイフォンの原理で前記液体仕上剤収容部から前記液体仕上剤投入路を経て前記水槽内に投入するように構成するとともに、前記収容部蓋板は、前記液体仕上剤収容部を囲う壁に嵌合するクリップ形状部を有する構成としたことにより、クリップ形状部がバネ性を持って変形することで、収容部蓋板が洗剤収容容器へ挿入不全を起こしたり、嵌合力が不安定になったりすることなく、安定した保持力で嵌合させることが可能となる。

第２の発明は、第１の発明において、注水蓋体には、傾斜部を有したガイドリブをクリップ形状部に対応する位置に設け、前記ガイドリブは、洗剤収容容器が洗剤投入部枠体に挿入されると前記クリップ形状部が液体仕上剤収容部を囲う壁に嵌合することを助勢するように構成したものであり、これにより、収容部蓋板が浮きあがることを防止でき、収容部蓋板の浮きあがることに起因するサイフォン切れを防止することができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１におけるドラム式洗濯機の縦断面図、図２は同ドラム式洗濯機の洗剤投入部枠体部分の側面断面図、図３は同ドラム式洗濯機の洗剤投入部枠体部分の構造の分解斜視図、図４は同ドラム式洗濯機の洗剤収容容器部分の斜視図である。

図１において、ドラム式洗濯機１は、洗濯機筐体２内に図示しないサスペンション構造によって水槽３が宙吊り状態に配設され、水槽３内に有底円筒形に形成された回転ドラム４が配設されている。回転ドラム４は、水槽３の背面側に取り付けられたモータ６によって前上がりに傾斜した回転軸を中心に正転及び逆転方向に回転駆動される。

この洗濯機筺体２の上部に、洗剤を収容する洗剤収容容器２１と、給水弁７に接続されて、洗剤収容容器２１に給水する給水路３１が設けられた注水蓋体３０を構成する。なお、回転ドラム４の回転軸は、本実施の形態では前上がりに傾斜させているが、略水平方向であってもよい。

注水蓋体３０の下方に、上方に開口を有する有底の断面略コの字状箱体の洗剤投入部枠体４０を配設して、この洗剤投入部枠体４０と注水蓋体３０との間に形成された空間部４０ｄに洗剤収容容器２１を引き出し自在に収容している。また、洗剤投入部枠体４０の底部には、給水経路２６を前記水槽３に接続配管する。

図２の側面断面図において、洗剤投入部枠体４０と注水蓋体３０とで囲まれた空間部４０ｄには引き出し自在に洗剤収容容器２１が収納され、注水蓋体３０には、洗剤収容容器２１に給水する水の通水路となる通水空間部３７と、その底面に多数の小孔を形成した注水口３３とを構成する。

また、洗剤投入部枠体４０は、その底部に洗剤液供給路４１を一体形成し、洗剤収容容器２１に収容された洗剤（粉末合成洗剤、液体洗剤、液体仕上剤など）に注水蓋体３０からの注水口３３を介して供給された水が滴下して、混合された各種の洗剤混合液は、この洗剤液供給路４１およびこの洗剤液供給路４１に接続された給水経路２６を経由して、水槽３内に供給される。

図３の分解斜視図は、洗剤投入部枠体４０から、洗剤収容容器２１を所定位置以上に引き出し、かつ、注水蓋体３０を上方に取り外した分解状態を、図４の斜視図は、（ａ）が洗剤収容容器２１に収容部蓋板２５が嵌合した状態を、（ｂ）が洗剤収容容器２１から収容部蓋板２５を上方に取り外した分解状態を示している。

図２、図３、図４において、注水蓋体３０は、ポリプロピレン樹脂等で構成した２枚の樹脂成形板が熱溶着されることにより通水空間部３７を構成し、この通水空間部３７に、粉末洗剤収容部２２と液体洗剤収容部２３に水を供給する第１の給水路３１ａと、液体仕上剤収容部２４に水を供給する第２の給水路３１ｂが形成される。

また、洗剤収容容器２１は洗剤投入部枠体４０に引き出し自在に収容され、粉末合成洗剤を収容する粉末洗剤収容部２２と、液体洗剤や液体漂白剤を収容する液体洗剤収容部２３と、液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部２４が併設され、洗濯時には注水蓋体３０の第１の給水路３１ａ側から粉末洗剤収容部２２および液体洗剤収容部２３に給水され、すすぎ時には、第２の給水路３１ｂ側から液体仕上剤収容部２４に給水される。

粉末洗剤収容部２２の下流側（洗濯機筐体２の背面側）には粉末洗剤投入路２２ａが形成され、液体洗剤収容部２３の下流側外底部には液体洗剤投入路２３ａが形成され、液体仕上剤収容部２４の外底部下流側には液体仕上剤収容部２４と連通する液体仕上剤投入路２４ａが形成され、いずれの投入路も給水弁７から給水された水に希釈されて、洗剤液が空間部４０ｄより洗剤液供給路４１に流れる様に構成している。

液体仕上剤収容部２４に対向する位置に、液体仕上剤を投入する液体仕上剤受入口２５ｂを有する収容部蓋板２５が液体仕上剤収容部２４の上方を覆っている。そして、液体仕上剤収容部２４の底部には、図２と図４（ｂ）に示すとおり、管状の液体仕上剤投入口２４ｂが上方にむけて立設されているとともに、図２で示すとおり、液体仕上剤投入口２４ｂの下端部を液体仕上剤投入路２４ａに向けて開口しており、収容部蓋板２５には、液体仕上剤投入口２４ｂを外方（上方）より覆い、円筒形状の管状突出部２５ｃの下端が液体仕上剤収容部２４の底面に達するように収容部蓋板２５の下方に向けて立設されている。このような構成により、すすぎ時には、給水弁７から給水された水が第２の給水路３１ｂ側から液体仕上剤収容部２４に給水されると、給水弁７から給水された水に液体仕上剤が希釈され、液体仕上剤を含む液体が、サイフォンの原理で管状の液体仕上剤投入口２４ｂから液体仕上剤投入路２４ａを経由して空間部４０ｄより洗剤液供給路４１に流れることとなり、さらに給水経路２６を経て水槽３に供給される。

また、液体仕上剤投入口２４ｂの根元には上面視放射状となるように板状突起２４ｃが３本設けられ、管状突出部２５ｃと板状突起２４ｃが圧入しない程度の隙間をもって嵌合する。これにより、管状突出部２５ｃが液体仕上剤投入口２４ｂとセンターずれを起こす
ことを防止し、センターずれによるサイフォン切れの可能性を排除している。

一方、収容部蓋板２５の奥側（洗濯機筐体２の背面側）にはクリップ形状部２５ｄが設けられ、このクリップ形状２５ｄが液体仕上剤収容部２４を囲う壁２４ｄに嵌合することで液体仕上剤収容部２４に収容部蓋板２５が固定される構成である。

この時、クリップ形状２５ｄがバネ性を持って変形することにより、収容部蓋板２５の挿入力は堅くなることなく、かつ安定した保持力を持つ。これにより、収容部蓋板２５が洗剤収容容器２１へ挿入不全を起こしたり、嵌合力が不安定になったりする可能性を低減できる。

また、注水蓋体３０には収容部蓋板２５のクリップ形状部２５ｄの上方に傾斜部を有したガイドリブ３０ａが設けられており、このガイドリブ３０ａにより、収容部蓋板２５が浮いた状態にて洗剤収容容器２１が洗剤投入部枠体４０に挿入された場合にも、ガイドリブ３０ａの傾斜部にそって収容部蓋板２５のクリップ形状部２５ｄが液体仕上剤収容部２４を囲う壁２４ｄの奥までしっかりとおさまるように助勢する構成となっている。これにより、収容部蓋板２５の浮きによるサイフォン切れの可能性を低減している。

以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、収容部蓋板が洗剤収容容器への挿入不全を起こす可能性を低減でき、安定した保持力で収容部蓋板を嵌合させることができるので、収容部蓋板と洗剤収容容器を備えたドラム式洗濯機等として有用である。

１ ドラム式洗濯機
３ 水槽
４ 回転ドラム
６ モータ
２１ 洗剤収容容器
２２ 粉末洗剤収容部
２３ 液体洗剤収容部
２３ｂ 液体洗剤投入口
２４ 液体仕上剤収容部
２４ａ 液体仕上剤投入路
２４ｂ 液体仕上剤投入口
２４ｃ 板状突起
２５ 収容部蓋板
２５ａ 液体洗剤受入口
２５ｂ 液体仕上剤受入口
２５ｃ 管状突出部
２５ｄ クリップ形状部
２７ 段部
２８ 狭部
２９ 上部空間
３０ 注水蓋体
３０ａ ガイドリブ
４０ 洗剤投入部枠体

Claims (2)

1. 略水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水槽と、洗剤を収容する洗剤収容容器と、前記洗剤収容容器に設けられ液体仕上剤を収容する液体仕上剤収容部と、前記洗剤収容容器に注水を行う注水蓋体と、前記液体仕上剤収容部と連通しその下流側底部に設けた液体仕上剤投入路と、前記液体仕上剤投入路へ向けて開口した液体仕上剤投入口を覆う収容部蓋板とを備え、前記注水蓋体から注水されると、前記液体仕上剤収容部内の液体仕上剤を含む液体をサイフォンの原理で前記液体仕上剤収容部から前記液体仕上剤投入路を経て前記水槽内に投入するように構成するとともに、前記収容部蓋板は、前記液体仕上剤収容部を囲う壁に嵌合するクリップ形状部を有する構成としたドラム式洗濯機。
2. 注水蓋体には、傾斜部を有したガイドリブをクリップ形状部に対応する位置に設け、前記ガイドリブは、洗剤収容容器が洗剤投入部枠体に挿入されると前記クリップ形状部が液体仕上剤収容部を囲う壁に嵌合することを助勢するように構成した請求項１記載のドラム式洗濯機。