JP2011055822A - 子豚圧死防止装置付分娩豚房 - Google Patents
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Abstract
【課題】 母豚の足元へ風を送風することにより仔豚の圧死を防止するにあたり、風吹出口からの風が仔豚授乳育成補助室へ拡散することなく、仔豚は仔豚授乳育成補助室において常時風を受けることなくストレスを回避するようにする。
【解決手段】
風の風速を風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上でとして、母豚の前足幅及び後足幅の間隙を直線状に貫通させるようにし、母豚の左右前後動作を規制してその姿勢を常時略一定にする。更に、上記母豚の犬座に合わせてセンサー位置を設定し、母豚の起立状態のみならず犬座状態においても、誤動作なく風吹出口からの風をオンにするようにした。
【選択図】図3
【解決手段】
風の風速を風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上でとして、母豚の前足幅及び後足幅の間隙を直線状に貫通させるようにし、母豚の左右前後動作を規制してその姿勢を常時略一定にする。更に、上記母豚の犬座に合わせてセンサー位置を設定し、母豚の起立状態のみならず犬座状態においても、誤動作なく風吹出口からの風をオンにするようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、分娩豚房などにおいて母豚の伏臥時に足元の子豚を踏みつけて圧死させることがないようにした子豚圧死防止装置付分娩豚房であって、仔豚が風を嫌う習性を利用して母豚の起立及び犬座時に母豚の足元へ風を送ることにより仔豚を母豚の足元及び腹部下部から退避させるようにした子豚圧死防止装置付分娩豚房に関するものである。
一般に養豚農家においては、母豚が産後子豚に授乳をするため、母豚と子豚とを同じ分娩豚房で飼育している。この際、母豚が豚房前部の餌箱の餌を立って食べた後又は用便後、子豚への授乳のためなど伏臥しようとするときに、母豚の足元にまだ乳を求める子豚がいてそこに誤って伏臥して圧死させるケースが多発し、そのため豚の生産効率が著しく低減することが知られている。特に、仔豚は生理的、肉体的に未熟で生後5日齢までの死亡事故が多く、その原因の多くが圧死である。そのため、従来から種々の子豚圧死防止対策が採用されてきた。
例えば、
▲1▼生まれたばかりの子豚が物の裏側へ隠れる習性を利用して、母豚の分娩室と外側の子豚用補助室との間にのれん式カーテンを設けて、そのカーテンの裏側(子豚用補助室)に子豚が隠れるようにしたもの(特許文献1、特許文献2)。
▲2▼分娩豚房の両側の支柱に上下動可能な摺動部を設け、母豚が伏臥行動に入ったとき、母豚がこの摺動部に引っかかり、時間かけて横臥させることにより、その間に子豚を退避させるようにしたもの(特許文献3、特許文献4、)。
▲3▼分娩室の床を非通気性材で、子豚収容室の床を通気性材で構成して、夏季に圧死が多いことから、暑い時期に子豚収容室の環境を分娩室より子豚が好む環境にすることにより、授乳後の子豚が分娩室にいつまでも残らないようにしたもの(特許文献5)等。
▲1▼生まれたばかりの子豚が物の裏側へ隠れる習性を利用して、母豚の分娩室と外側の子豚用補助室との間にのれん式カーテンを設けて、そのカーテンの裏側(子豚用補助室)に子豚が隠れるようにしたもの(特許文献1、特許文献2)。
▲2▼分娩豚房の両側の支柱に上下動可能な摺動部を設け、母豚が伏臥行動に入ったとき、母豚がこの摺動部に引っかかり、時間かけて横臥させることにより、その間に子豚を退避させるようにしたもの(特許文献3、特許文献4、)。
▲3▼分娩室の床を非通気性材で、子豚収容室の床を通気性材で構成して、夏季に圧死が多いことから、暑い時期に子豚収容室の環境を分娩室より子豚が好む環境にすることにより、授乳後の子豚が分娩室にいつまでも残らないようにしたもの(特許文献5)等。
しかしながら、上記いずれの技術も子豚の圧死を確実に防止することが出来ず、その後種々の研究がなされ、子豚が風を忌避する性質があることから、送風による圧死防止装置の開発が進められてきた。
従来、例えば特許文献6には、「分娩枠の一側中央部の親豚の背高よりやや低い位置に設けてあるスイッチの柄部と、他側の対向位置に伸縮性ロープを繋着張設し、更にスイッチと分娩枠の後方に設置してある送風機を接続してなる子豚の圧死防止装置」が記載されている。
しかしながら、この特許文献6においては、風が母豚の前足及び後足にあたって仔豚方向へ流され、仔豚はこの風を回避することができず風を受けたまま放置される。幼若な子豚にとって母豚の乳から離れ、風を受けたまま放置されることはかなりのストレスがたまり過酷である。特に、仔豚のストレスはその後の養育に大きな影響をおよぼすことにもなる。また、この装置においては母豚の犬座を考慮しておらず、母豚の犬座時に母豚の後足と脇腹付近に風の死角が形成されてここに仔豚が好んで集まる習性があるため、母豚が犬座から伏臥するとかえってそこで仔豚の圧死を招くことになる。
また、特許文献7には、「分娩枠に親豚の起伏姿勢に応じて回動又は伸縮する姿勢検知部材を備える検知部を設けるとともに、親豚の起き状態の検知部材の伸縮または回動に応じて作動する送風ファンを起き状態の親豚のほぼ腹の下部位置に向けたことを特徴とする子豚圧死防止装置」、また、特許文献8には「豚の分娩枠の上段部に下向きに設置されたスイッチとそのスイッチに揺動自在な棒が突き出し、棒が横に折れると、スイッチがオン、真すぐ下向きの時は、スイッチがオフとなるリミットスイッチ又はマイクロスイッチと、分娩枠の後部柵の外部より内側に向けた送風機と、リミットスイッチ又はマイクロスイッチと送風機の中間に配置された電灯と、リミットスイッチ又はマイクロスイッチを保持し、高さを調整する装置とから構成された子豚圧死防止機」が記載されている。
しかしながら、この特許文献7においても、風が母豚の前足及び後足にあたって仔豚方向へ流され、仔豚はこの風を回避することができず風を受けたまま放置される。また、この装置においても母豚の犬座状態を考慮していない。更に、スイッチ構造が複雑であり、棒状の揺動物では母豚が強く接触することによる折れ曲がり等の破損が生じやすく、母豚の動きを正確に検知するとができなくなる。
また、特許文献9〜13には、「豚の分娩枠に取付けて使用し、或いは分娩枠を構成する要素となる機器において、枠内に立っている雌豚の乳房と床の間である枠の下方部へ空気を吹き送る手段、並びに枠内に雌豚が立っていることを検知する手段及び雌豚が立っていることを検知したときだけ枠内へ空気を送らせる検知器に応じて空気を吹き送る手段を有することを特徴とした仔豚の圧死防止方法」が記載されている。
しかしながら、これら特許文献9〜13においては、分娩枠の側部に設ける管の風を噴出す穴が母豚の腹下部のみならず、横方向から仔豚方向にもまともに風が向けられるため、仔豚はこの風を回避することができず風を受けたまま放置される。また、風を母豚の横方向、後方向、斜め方向から当てると、後足と脇腹の付近に風の死角が形成され、ここに仔豚が好んで集まり、風を送ることによりかえって圧死事故が多発してしまう。また、上記噴出穴を形成する管が母豚の側部に近接しているため母豚が接触して壊され易い。更に、この装置においても母豚の犬座状態を考慮していないため、母豚が犬座の癖がある場合は特に母豚の後足と脇腹付近に風の死角が形成されてここに仔豚が好んで集まる習性があるため、母豚が犬座から伏臥するとかえってそこで仔豚の圧死を招くことになる。
また、特許文献14には、「親豚を収容可能な内柵の少なくとも一側に、仔豚を収容する外柵を連接するとともに、互いの柵の境界に、仔豚のみが両柵内へ出入り自由な仕切りを設け、かつ親豚の足元に風を送る送風手段を設けたことを特徴とする仔豚の圧死防止機能を備える養豚装置」が記載されている。
そして、この公報の段落0017において、「吹出し口13からでた風は、内柵5の略中央で、かつ親豚Aの足元を通って後方に向かって真直ぐに送られ、外柵6に拡散することがない」旨説明されている。しかしながら、この装置においては、吹出し口からの風が、特に弱過ぎた場合、風が仔豚授乳育成補助室側へ拡散されるか、母豚の両足に当たりそれが仔豚授乳育成補助室側へ飛散される。そして、仔豚はこの風を回避することができず、仔豚用保温室へ逃げ込むか、逃げ場がない場合は、仔豚授乳育成補助において風を受けたまま放置される。また、この装置においては、母豚の犬座状態を考慮しておらず、母豚が犬座の癖がある場合は特に母豚の後足と脇腹付近に風の死角が形成されて、その部分に風が十分送風されず、母豚が犬座から伏臥するとそこで仔豚の圧死を招くことになる。
本発明は、仔豚を母豚の足元から退避させる場合に、風吹出口からの風が仔豚補助室側へ拡散されることなく、または風が母豚の前足及び後足にあたって仔豚補助室側へ飛散されることもなく、仔豚は仔豚授乳育成補助室において風を受けることなく風によるストレスを回避できるようにする。そして、風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上でとして、母豚の前足間及び後足間を直線状に貫通させるようにする。そのため、母豚の左右動を規制して、母豚の前足間及び後足間の幅を常時一定に保持する。更に、母豚の豚房内での前後動を尻止調整具により規制すると共に、母豚の犬座状態において母豚の後足と脇腹内に風を送風して、その部分に集まる仔豚の圧死自己を防止するようにした母豚による破損を生じることのない子豚圧死防止装置付分娩豚房を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、母豚を飼育する分娩豚房と、その左右側又は一側に設けた子豚授乳育成補助室と、前記分娩豚房の前部中央に設けて分娩豚房の中央ラインに沿って後方へ送風するように設けた風吹出口と、起立姿勢における母豚の左右動作を規制して中央ラインをまたぐ母豚の前足間と後足間の幅を一定に確保するように母豚体側に沿って近接させた左右分娩豚房枠とから構成され、前記風吹出口からの風が仔豚授乳育成補助室へ拡散しないよう分娩豚房の中央ラインに沿う前記母豚の前足間及び後足間に直線状に貫通させるように風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上でとした子豚圧死防止装置付分娩豚房を提供するものである。
この発明においては、母豚の足元に風を送って仔豚の圧死を防止するにあたり、風が仔豚授乳育成補助室へ拡散して、仔豚は仔豚授乳育成補助室において風を受けることないので、子豚は風によるストレスを回避することができる。また、風の風速を風吹出口位置での風速が15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上としたので、風を母豚の前足間及び後足間へ直線状に貫通させることができ、風が母豚の前足及び後足にあたって仔豚授乳育成補助室へ拡散されない。更に、起立姿勢における母豚の左右動作を規制して母豚の前足間と後足間の幅を一定に確保するように母豚体側に沿って近接させた左右分娩豚房枠を設けているので、風吹出口からの風を母豚の前足間及び後足間へ直線状に貫通させることができる。
請求項2の発明は、各種母豚の体長に合わせて分娩豚房内での母豚の前後動作を規制する尻止調整具を設けると共に、母豚の犬座時の前足と後足の上方範囲であって、起立時の母豚体の上下水平中心線の範囲内であって母豚の伏臥状態の背のラインより上部の水平方向に対してセンサーの感知ラインを設定するようにした請求項1に記載の子豚圧死防止装置付分娩豚房を提供するものである。
範囲内水平方向に
範囲内水平方向に
この発明においては、尻止調整具により分娩豚房枠後方において母豚の前後動作を常時一定に規制すると共に、母豚の犬座時の前足と後足の上方範囲であって、起立時の母豚体の上下水平中心線の範囲内の水平方向に対してセンサーの感知ラインを設定するようにして、母豚の犬座状態において母豚の後足と脇腹内に風を送風して、その部分に集まる仔豚の圧死自己を防止することができる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1及び図2は、子豚圧死防止装置付分娩豚房1の平面図及び側面図を示している。
分娩豚房1は、脚2をもって地面3より適宜高さに支持された金網製の水平な床4と、平面が前後方向(図1の上方が前方)に長い直方形を成すように、床4上に立設された母豚A収容用の内柵5、8・・・、8a、8aによって分娩室Oを構成し、分娩室Oの両側に連続するように床4上に立設された平面直方形の仔豚B収容用の外柵6によって仔豚授乳育成補助室Pを構成している。
また、図1、図2、図4、図5に示す如く、中央水平な分娩豚房枠8a、8aの左右幅Q及び高さSは、母豚Aの体幅Q‘及び上下水平中心線Rの高さS’に略近似するように設計しており、左右の分娩豚房枠8a、8aで母豚の起立姿勢状態の左右動作を規制すると共に、図3に示すように、母豚Aが起立した状態で母豚Aの前足A1、A1と後足A2,A2との位置及び前足A1、A1の間と、後足A2、A2の間との幅X、Y(通常約15cm〜20cm)を常時略一定に確保するようにしている。上記分娩豚房枠8a、8aは母豚の体幅Q’に常時接触しなければならないほど正確な幅でなくても、上記は母豚の起立時の前足及び後足の幅X、Yが略確保できる程度でよい。
下段の分娩豚房枠8、8は、適数個の傾斜状仕切扞9を適宜の間隔を持って形成している。この傾斜状仕切扞9は母豚が伏臥したときに乳房のある腹部がこの傾斜に沿うようになり仔豚は乳を吸いやすくなる(写真4参照)。この仕切扞9が垂直であると腹部に垂直方向から当接して腹部が自然傾斜した形にならない。下段の分娩豚房枠8、8と仕切扞9を設けることにより、仔豚B・・・は分娩豚房枠8、8内の分娩室Oと仔豚授乳育成補助室Pとを自由に行き来できる。
分娩室0の前面には、取手10を備える餌箱11が着脱自在に装着され、また、落とし込み式のゲート12が上方へ引き抜き可能に装着されている。
分娩室0の略中央であって、かつ餌箱11の下方には、分娩豚房枠8a、8aと平行な筒状風吹出口13が固定され、この筒状風吹出口13は着脱自在な蛇腹管14を介して適宜箇所(内柵や外柵等)に架設可能なブロア15に接続されている(写真1、2参照)。この筒状風吹出口13は直線状の風を得るために内径(直径)が1〜10cm、好ましくは3〜8cm、長さが10〜50cm、好ましくは20〜30cmの筒状としている。
このようにして、筒状風吹出口13に対し、蛇腹管14とブロア15とにより、母豚Aの足元に風を送る送風手段16を分娩豚房1に着脱自在に構成している。これにより、複数の分娩豚房1・・・において、送風手段が必要な豚房のみに自由に移設するこができ、全ての分娩豚房1・・・に送風手段16・・・を常設する必要がなく、送風手段の設備費用が節減できる。
図2及び図4〜7に示すように、17はセンサーであって、母豚Aが起立又は犬座したことを検知して送風手段16の送風をオンにし、母豚Aが伏臥したことを検知して送風手段16の送風をオフとさせるものである。このセンサー17は、図4に示すように、母豚Aの犬座時の前足A1、A1と後足A2、A2の上方範囲Fであって、起立時の母豚体の上下水平中心線Rの範囲領域V(中心線範囲幅約15cm)の水平方向であって母豚Aの伏臥状態の背のラインUより上部に対してセンサーの感知ラインL(図1)を設定するようにしている。この時、図5に示す如く、センサー17の感知ラインLが母豚Aの上下水平中心線Rの水平方向にあるときは母豚Aの略垂直な横腹に直角にあるため誤動作しない。ところが、図6に示す如く、センサー17の感知ラインL‘が母豚Aの背又は腹の傾斜面に対するときは感知ラインが他方へ反射して頻繁に誤動作する。このように、母豚の起立状態のみならず、犬座状態においても誤動作なくこれを検知して送風手段16の送風をオンにすることができ、母豚の犬座状態において母豚の後足と脇腹内に風を送風して、その部分に集まる仔豚の圧死自己を防止することができる。
また、尻止調整具19(写真5、6参照)を矢印方向〔図1、2〕に調整することにより分娩豚房枠8a、8a後方において母豚Aの前後動作を常時一定に規制して、体長の異なる母豚Aの伏臥及び犬座時におけるセンサーの感知ラインLを正確に設定できることにより検知位置を確実にする。そして、母豚Aの伏臥状態(写真4参照)において誤動作なく風吹出口からの風をオフにし、起立状態(写真3、6参照)及び犬座状態(写真5参照)においても、誤動作なく風吹出口からの風の送風をオンにすることができる。
次に、この実施例の作用について説明する。メインスイッチ(図示省略)をオンにしたとき母豚Aが起立若しくは犬座していると、センサー17がそれを検知し、ブロア15が作動して風吹出口13より風が母豚Aの足元へ送風される。
この際、風吹出口13はから出た風の方向は、図3に示されるように、分娩豚房1の中央ラインCに沿って、かつ母豚Aの前足A1、A1の間及び後足A2、A2の間を通って後方へ直線状(斜線範囲Jで示す)となる。しかしながら、風吹出口13からの風速が弱いと風が仔豚授乳育成補助室P側へ拡散するか、または風が母豚の前足A1、A1及び後足A2、A2にあたって仔豚授乳育成補助室Pへ飛散(仮想線K・・・で示す)する。仔豚はこの風を回避することができず、仔豚用保温室18へ逃げ込むか、逃げ場がない場合は、仔豚授乳育成補助室Pにおいて風を受けたまま放置される。
したがって、風吹出口13からの風の風速を風吹出口位置での風速を20m/秒以上、豚房後端で1m/秒以上にすることにより前足間及び後足間で風の直線状傾斜線領域Jを維持することができ、風吹出口からの風が仔豚授乳育成補助室Pへ拡散することなく、風が母豚Aの前足A1、A1及び後足A2、A2に当たって仔豚授乳育成補助室Pへ飛散しない。風吹出口位置での風の風速は15〜50m/秒の範囲が好ましい。15m/秒より弱いと、風が仔豚授乳育成補助室Pへ拡散されるか、または風が母豚の前足A1、A1及び後足A2、A2にあたって仔豚授乳育成補助室Pへ飛散される。また、50m/秒より強いと母豚Aの腹に刺激が強くなり過ぎる。
第1表及び第2表は、風により母豚の足元より仔豚が退避した最適な実施例であり、図8における分娩豚房1の中央ラインCにおける直線に沿った各位置▲1▼〜▲8▼及び仔豚授乳育成補助室Pの各位置(A)〜(F)における風速を測定した結果である。これらの結果を第1表及び第2表に示す。各々(a)は母豚のいない状態、(b)は分娩豚房、(c)は他の分娩豚房における各位置の風速(m/秒)を示す。
使用される分娩豚房の長さは210cmで、第1表の結果から、風噴出口位置での風速は25〜27m/秒であり、この風噴出口位置での風速は15〜50m/秒が許容できるものと考えられる。この風噴出口位置での風速が15m/秒未満となると仔豚の集まる位置▲4▼〜▲6▼(風噴出口位置から100〜180cm)での風速が1m/秒未満になり易く、仔豚Bが退避せず、風噴出口位置での風速が50m/秒を超えると仔豚の集まる位置▲4▼〜▲6▼での風速が10m/秒を超え、風速が必要以上に速くなりすぎて無駄な電力を消費する。この実験で仔豚B・・・の集まる母豚Aの腹部▲4▼〜▲6▼あたりの風速は現実的には約2〜7m/秒であり、仔豚B・・・が退避するのに適切な風速であると考えられる。仔豚の集まる位置▲4▼〜▲6▼では3〜6m/秒程度がより適切であると考えられるが、本発明におけるこの位置▲4▼〜▲6▼での風速は1〜10m/秒まで許容できるものと考えられる。1m/秒未満では風速が弱すぎて仔豚は退避せず、風速が10m/秒を超えると風速が必要以上に速くなりすぎて無駄な電力を消費する。
第2表の結果から、風噴出口位置に相当する仔豚授乳育成補助室Pでは、風が分娩豚房1の中央ラインCに沿って直線状であるため0m/秒で、風の影響は殆どない。仔豚授乳育成補助室Pの母豚体長中央あたりの風速は0.2m/秒〜0.3m/秒程度で、仔豚にはあまり影響はないものと考えられる。分娩豚房最後端0.5m/秒〜0.8m/秒程度であっても、仔豚はそこに殆どいることはないためこの風の影響はない。
尚、風吹出口13からの風の温度は通常常温であるが、寒い冬季などでは約18℃〜32℃に温度調整装置により調整した風を送風することにより、母豚Aの授乳活動や冷え腹帽子に配慮することもできる。
また、尻止調整具19(写真5、6参照)により分娩豚房1の後方(母豚の尻部)で、各種体長の異なる母豚の前後動作を常時一定に規制して、母豚Aの起立及び犬座時、一定位置のセンサー17により確実に検知する。尻止調整具19は母豚Aの体長に合わせて、センサー17との距離を矢印方向に調整するものであるが、通常センサー17と尻止調整具19との距離Zは約30〜80cmである。好ましくは40〜60cmである。尚、尻止調整具19を母豚Aの尻部に近接させていても、母豚Aが餌箱11に頭を突っ込んでいる時は尻止調整具19と尻部とは頭分だけ離れているが、餌箱11に頭を突っ込んだまま伏臥又は犬座することはできないのでこの分でセンサー位置が変化することはない。
本発明においては、母豚の足元に風を送って仔豚の圧死を防止するにあたり、風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚棒後部では1m/秒以上でとしたので、風を母豚の前足間及び後足間へ直線状に貫通させることができ、風が仔豚授乳育成補助室へ拡散したり、風が母豚の前足及び後足にあたって仔豚授乳育成補助室へ拡散されない。したがって、仔豚は仔豚授乳育成補助室において風の影響を受けることないので、子豚は風によるストレスを回避することができる。更に、起立姿勢における母豚の左右動作を規制して母豚の前足間と後足間の幅を一定に確保するように母豚体側に沿って近接させた左右分娩豚房枠を設けているので、風吹出口からの風を母豚の前足間及び後足間へ直線状に貫通させることができる。
また、尻止調整具により分娩豚房枠後方において母豚の前後動作を常時一定に規制すると共に、母豚の犬座時の前足と後足の上方範囲であって、起立時の母豚体の上下水平中心線の範囲内の水平方向に対してセンサーの感知ラインを設定するようにしたので、母豚の犬座状態において母豚の後足と脇腹内に風を送風して、その部分に集まる仔豚の圧死自己を防止することができる。
1 分娩豚房
8a、8a 分娩豚房枠
13 風吹出口
19 尻止調整具
A 母豚
B・・・ 仔豚
A1、A1 前足
A2、A2 後足
C 中央ライン
J 直線状傾斜線範囲
X 前足幅
Y 後足幅
L センサーの感知ライン
F 犬座時の前足と後足の上方範囲
P 仔豚授乳育成補助室
S 分娩豚房枠の高さ
R 母豚の上下水平中心線
T 母豚体の起立時の上下水平中心線の範囲領域
U 伏臥状態の母豚の背のライン
V 起立時の母豚体の上下水平中心線の範囲領域
8a、8a 分娩豚房枠
13 風吹出口
19 尻止調整具
A 母豚
B・・・ 仔豚
A1、A1 前足
A2、A2 後足
C 中央ライン
J 直線状傾斜線範囲
X 前足幅
Y 後足幅
L センサーの感知ライン
F 犬座時の前足と後足の上方範囲
P 仔豚授乳育成補助室
S 分娩豚房枠の高さ
R 母豚の上下水平中心線
T 母豚体の起立時の上下水平中心線の範囲領域
U 伏臥状態の母豚の背のライン
V 起立時の母豚体の上下水平中心線の範囲領域
Claims (2)
- 母豚を飼育する分娩豚房と、その左右側又は一側に設けた子豚授乳育成補助室と、前記分娩豚房の前部中央に設けて分娩豚房の中央ラインに沿って後方へ送風するように設けた風吹出口と、起立姿勢における母豚の左右動作を規制して中央ラインをまたぐ母豚の前足間と後足間の幅を一定に確保するように母豚体両側に沿って近接させた左右中央に平行な分娩豚房枠とから構成され、前記風吹出口からの風が仔豚授乳育成補助室へ拡散しないよう分娩豚房の中央ラインに沿う前記母豚の前足間及び後足間に直線状に貫通させるように風吹出口位置での風速を15m/秒以上、豚房後部では1m/秒以上とした子豚圧死防止装置付分娩豚房。
- 各種母豚の体長に合わせて分娩豚房内での母豚の前後動作を規制する尻止調整具を設けると共に、母豚の犬座時の前足と後足の上方範囲であって、起立時の母豚体の略上下水平中心線の範囲内であって母豚の伏臥状態の背のラインより上部の水平方向に対してセンサーの感知ラインを設定するようにした請求項1に記載の子豚圧死防止装置付分娩豚房。
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