JP2011053012A - 油検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油貯蔵タンクの周囲に埋設される検知管内に設置可能な小型で簡単な構造の油検知装置を提供すること
【解決手段】地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲に埋設され、周面に液体が浸入可能な開口が形成されている検知管B内に設置される油検知装置であって、フロート1に取り付けられた油センサ2が、コイルスプリング状の信号線3の先端に接続されて吊り下げられ、信号線3の弾性によってフロート1及び油センサ2が検知管B内の地下水位Wの変動に追随して上下動するようになっており、信号線3の先端には、回転ドラム5から繰り出されたワイヤ6の先端が接続され、回転ドラム5がワイヤ6を巻き上げる方向に回転するような力を錘9によって作用させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は油検知装置に関し、とくに地下に埋設された油貯蔵タンクからの油の漏洩を検知するために、油貯蔵タンクの周囲に埋設された検知管内に設置される油検知装置に関する。
地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲には、油貯蔵タンクからの油の漏洩を検知するために検知管が埋設されている。
一般的に検知管は、図5に示すように、地下に埋設された油貯蔵タンクA周囲の四隅部に埋設される。この検知管Bには、その周面に液体が浸入可能な開口が多数形成されており、その先端がコンクリート底板Cに当接するまで埋設されている。油貯蔵タンクAから油が漏洩すると、その油が検知管B内に浸入し、この油の浸入を検知することにより油貯蔵タンクAからの油の漏洩を検知することができる。
従来は、検知管Bに油が浸入したことを検知するために、作業者が定期的に検知管B内に検知棒を挿入して肉眼で確認するのが一般的であった。しかし、この方法では、人手が必要であり、さらに検知管Bへの油の浸入を連続的に検知することはできないので、検知管Bに油検知装置を設置して油の浸入を連続的かつ自動的に検知できるようにすることが好ましい。また、検知管Bには、油貯蔵タンクAから漏洩した油のほかに地下水が浸入することがあるので、検知管B内に所定水位の地下水が存在する環境下においても、油が浸入した場合に、その油の浸入を検知できる構成とする必要がある。
このような構成としては、水に浮くフロートに油センサを取り付けた構成が考えられ、特許文献1には、フロートを使用した水質観測装置が開示されている。
特許文献1の水質観測装置は、ロープの一端にフロート(浮体)を接続し、このフロートにセンサを固定したもので、ロープの他端を、ディスク型スプリング又は定トルクスプリング付の回転ドラム(スプール)に巻き付けることで、水位の変化に応じて回転ドラムから繰り出されるロープの長さを調節し、フロートが水面上に安定して浮くようにしている。また、センサからの信号を伝達する信号線は、その一端がセンサに接続され、ロープの直線部分をらせん状に取り囲むように配置され、他端が観測装置に接続されている。このように信号線をらせん状に形成することで、フロート及びセンサの昇降に応じて信号線の長さが変わるので、信号線がフロート及びセンサの昇降を阻害することはない。
しかし、特許文献1の水質観測装置では上述のとおり、ロープの一端にセンサ付きのフロート(浮体)を接続し、ロープの他端を、ディスク型スプリング又は定トルクスプリング付の回転ドラムに巻き付けるようにしていることから、回転ドラムにディスク型スプリング又は定トルクスプリングを組み込む必要がある。したがって、回転ドラムが複雑な構造となって大きくなり、上述のような検知管への適用は、とくに設置スペースの点から困難である。
特開2004−12153号公報
本発明が解決しようとする課題は、油貯蔵タンクの周囲に埋設される検知管内に設置可能な小型で簡単な構造の油検知装置を提供することにある。
本発明の油検知装置は、地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲に埋設され、周面に液体が浸入可能な開口が形成されている検知管内に設置される油検知装置であって、フロートに取り付けられた油センサが、コイルスプリング状の信号線の先端に接続されて吊り下げられ、前記信号線の弾性によってフロート及び油センサが検知管内の地下水位の変動に追随して上下動するようになっており、前記信号線の先端には、回転ドラムから繰り出されたワイヤの先端が接続され、前記回転ドラムがワイヤを巻き上げる方向に回転するような力を錘によって作用させるものである。
このように本発明では、コイルスプリング状の信号線の先端に、フロートに取り付けられた油センサを接続して吊り下げ、その信号線の弾性によってフロート及び油センサを検知管内の地下水位の変動に追随して上下動させるようにしている。このように元々必要な信号線を利用してフロート及び油センサを吊り下げることで、これらを吊り下げるための別途の構成が不要となり、小型で簡単な構造となる。
ただし、このようにコイルスプリング状の信号線にフロート及び油センサを吊り下げると、信号線が伸びた状態で癖が付くことがある。そうすると地下水位が上がったときに信号線が縮みにくくなり、フロート及び油センサが地下水位の上昇に追随できなくなることがある。そこで、本発明では、信号線の先端にワイヤの先端を接続し、このワイヤを回転ドラムに巻き付けて、回転ドラムにワイヤを巻き上げる方向の力を作用させるようにしている。これによって、地下水位が上がったときに信号線が縮みやすくなり、信号線に伸び癖が付いたとしても、フロート及び油センサが地下水位の上昇に追随できるようになる。
さらに本発明では、回転ドラムがワイヤを巻き上げる方向に回転するような力を錘によって作用させるようにしている。すなわち、回転ドラムに錘の構成を付加するだけであるので、小型化が可能である。
本発明において錘は、回転ドラムと同一の回転軸を有する補助回転ドラムから繰り出された補助ワイヤの先端に取り付けることができる。この場合、補助ドラムのドラム径は回転ドラムのドラム径より小さくすることが好ましい。このようにすると、フロート及び油センサの上下動のストロークに対して、錘の上下動のストロークを小さくすることができ、錘がフロート及び油センサと干渉してフロート及び油センサの上下動の障害になるといった事態が生じることを防止できる。
また、本発明において信号線は、回転ドラムから繰り出されたワイヤをらせん状に取り囲むように配置することが好ましい。これによって、信号線及びワイヤの占有スペースを最小限にすることができ装置を小型化できる。
さらに本発明においては、ワイヤによって信号線の先端を引き上げる方向の力を作用させる代わりに、信号線の先端にコイルバネの先端を接続し、このコイルバネによって信号線の先端を引き上げる方向の力を作用させるようにすることができる。この構成によっても、地下水位が上がったときに信号線が縮みやすくなり、信号線に伸び癖が付いたとしても、フロート及び油センサが地下水位の上昇に追随できるようになる。また、検知管内にコイルバネを配置するだけであるので、小型化が可能である。
本発明は以下の効果を奏する。
(1)油検知装置の構造が大幅に簡素化され、小型にできるので、狭い検知管内にも設置が可能となる。
(2)ディスク型スプリング等の複雑な機構を使用せず、また構造を簡素化することにより軽量化が可能になるため、各構成部材の強度を低くすることができ、装置全体のコストを低減できる。
本発明の一実施例による油検知装置の設置状態を示す。(地下水位が低い場合) 本発明の一実施例による油検知装置の設置状態を示す。(地下水位が高い場合) 本発明の他の実施例による油検知装置の設置状態を示す。(地下水位が低い場合) 本発明の他の実施例による油検知装置の設置状態を示す。(地下水位が高い場合) 油貯蔵タンク近傍の一般的な構成を示す。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の一実施例による油検知装置の設置状態を示し、図1は地下水位Wが低い場合、図2は地下水位Wが高い場合を示す。
先に図5で説明したように、地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲(四隅部)には検知管Bが埋設されており、この検知管B内に本発明の油検知装置が設置される。検知管Bには、その周面に液体が浸入可能な開口B1が多数形成されており、この開口B1を介して油貯蔵タンクから漏洩した油が検知管B内に浸入する。また、地下水も開口B1を介して検知管B内に浸入する。本発明の油検知装置は、地下水が存在する場合はもとより、地下水が存在しない場合であっても、油が検知管B内に浸入したことを検知することにより油貯蔵タンクからの油の漏洩を検知する。
具体的には図1及び図2に示すように、本発明の油検知装置は、水に浮くフロート1と、フロート1に取り付けられた油センサ2と、油センサ2からの信号を観測装置4に伝達する信号線3とを備え、観測装置4が油センサ2から油検知の信号を受信すると、油貯蔵タンクからの油の漏洩有りと判定し、警報等を発する。
信号線3は、検知管B内に配置される直線部分がコイルスプリング状に形成されており、これによって長手方向(垂直方向)に伸縮する弾性を有する。信号線3の先端にはコネクタ3aが取り付けられ、このコネクタ3aに油センサ2が接続されて吊り下げられている。油センサ2はフロート1に取り付けられているから、信号線3にフロート1及び油センサ2が吊り下げられていることになる。これにより、フロート1及び油センサ2は、信号線3の弾性によって検知管B内の地下水位Wの変動に追随して上下動するようになっている。
一方、信号線3の先端(コネクタ3a)には、回転ドラム5から繰り出されたワイヤ6の先端が接続されている。なお、上述の信号線3は回転ドラムから繰り出されたワイヤをらせん状に取り囲むように配置されている。
また、回転ドラム5と同一の回転軸を有する補助回転ドラム7が設けられており、この補助回転ドラム7から繰り出された補助ワイヤ8の先端に錘9が取り付けられている。この錘9は、回転ドラム5と同一の回転軸を有する補助回転ドラム7を介して、回転ドラム5がワイヤ6を巻き上げる方向に回転するような力を作用させる。これによって、地下水位Wが上がったときに信号線3が縮みやすくなり、信号線3に伸び癖が付いたとしても、フロート1及び油センサ2が地下水位Wの上昇に追随できるようになる。
ここで本実施例では、補助ドラム7のドラム径を回転ドラム5のドラム径より小さく設定している。これにより、フロート1及び油センサ2の上下動のストロークに対して、錘9の上下動のストロークが小さくなり、錘9がフロート1及び油センサ2と干渉してフロート1及び油センサ2の上下動の障害になるといった事態が生じることを防止できる。
図3及び図4は本発明の他の実施例による油検知装置の設置状態を示し、図3は地下水位Wが低い場合、図4は地下水位Wが高い場合を示す。この実施例では、コイルバネ10を検知管B内に配置し、その先端を信号線3の先端(コネクタ3a)に接続し、基端を検知管の蓋B2に接続することで、コイルバネ10によって信号線3の先端を引き上げる方向の力を作用させるようにしている。これによって、地下水位Wが上がったときに信号線3が縮みやすくなり、信号線3に伸び癖が付いたとしても、フロート1及び油センサ2が地下水位の上昇に追随できるようになる。
なお、コイルバネの材質はとくに限定されないが、耐久性の点からステンレス鋼等の金属製とすることが好ましい。金属製のコイルバネは、弾性限界を超えて伸びない限り、伸び癖が付くことはない。
1 フロート
2 油センサ
3 信号線
3a コネクタ
4 観測装置
5 回転ドラム
6 ワイヤ
7 補助回転ドラム
8 補助ワイヤ
9 錘
10 コイルバネ
A 油貯蔵タンク
B 検知管
B1 開口
B2 蓋
C コンクリート底板

Claims (4)

  1. 地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲に埋設され、周面に液体が浸入可能な開口が形成されている検知管内に設置される油検知装置であって、
    フロートに取り付けられた油センサが、コイルスプリング状の信号線の先端に接続されて吊り下げられ、前記信号線の弾性によってフロート及び油センサが検知管内の地下水位の変動に追随して上下動するようになっており、
    前記信号線の先端には、回転ドラムから繰り出されたワイヤの先端が接続され、
    前記回転ドラムがワイヤを巻き上げる方向に回転するような力を錘によって作用させる油検知装置。
  2. 前記錘が、前記回転ドラムと同一の回転軸を有する補助回転ドラムから繰り出された補助ワイヤの先端に取り付けられており、
    前記補助ドラムのドラム径が前記回転ドラムのドラム径より小さい請求項1に記載の油検知装置。
  3. 前記信号線が、前記回転ドラムから繰り出されたワイヤをらせん状に取り囲むように配置されている請求項1又は2に記載の油検知装置。
  4. 地下に埋設された油貯蔵タンクの周囲に埋設され、周面に液体が浸入可能な開口が形成されている検知管内に設置される油検知装置であって、
    フロートに取り付けられた油センサが、コイルスプリング状の信号線の先端に接続されて吊り下げられ、前記信号線の弾性によってフロート及び油センサが検知管内の地下水位の変動に追随して上下動するようになっており、
    前記信号線の先端には、コイルバネの先端が接続され、このコイルバネが前記信号線の先端を引き上げる方向の力を作用させる油検知装置。
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