JP2011052646A - 往復動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】密閉型往復動圧縮機の吸入バルブの開時の変形における各部応力の減少及び吸入バルブの開時におけるピストンへの接触や、吸入バルブ閉時におけるバルブプレートとの衝撃への衝撃耐久性の向上を達成する。
【解決手段】密閉型往復動圧縮機の吸入バルブ4は、平板のバネ材を加工して、弾性変形による可動部として、吸入孔3に対面して開閉するバルブ部4aと、そのバルブ部4aに接続されて支持する支持部4cとを作り、その支持部4cはその平板の板面内で湾曲した形状に作られ、支持部4cが直線状に作られるものに比べて支持部の長さaが長くなり吸入バルブ4の可動部のバネ定数kは小さく設定でき、弾性変形時の支持部4cの根元となる根元部分Yの応力緩和にも寄与できる。
【選択図】 図5
【解決手段】密閉型往復動圧縮機の吸入バルブ4は、平板のバネ材を加工して、弾性変形による可動部として、吸入孔3に対面して開閉するバルブ部4aと、そのバルブ部4aに接続されて支持する支持部4cとを作り、その支持部4cはその平板の板面内で湾曲した形状に作られ、支持部4cが直線状に作られるものに比べて支持部の長さaが長くなり吸入バルブ4の可動部のバネ定数kは小さく設定でき、弾性変形時の支持部4cの根元となる根元部分Yの応力緩和にも寄与できる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、往復動圧縮機に係り、特に冷凍冷蔵装置などの冷凍サイクルに搭載される電動式の密閉型往復動圧縮機に好適なものである。
従来、冷凍冷蔵装置に用いられる一般的な電動式の密閉型往復動圧縮機に採用される吸入バルブ4としては、図10から図11に示されたものがある。図10は吸入バルブ4が全開したときの状態を示すシリンダブロック1部近傍の断面図、図11は図10の吸入バルブ4の正面図である。なお、図1から図16における同一符号は同一物または相当物を示す。
この密閉型往復動圧縮機は、圧縮室5を形成するシリンダブロック1と、圧縮室5内を電動機を原動機として往復動するピストン2と、吸入孔3aを有してシリンダブロック1の端面側に固定されたバルブプレート3と、バルブプレート3のシリンダブロック側に配置されて吸入孔3aの開閉を行う吸入バルブ4とを備え、吸入バルブ4の円形状のバルブ部4aは吸入孔3aに対面して吸入孔3aを閉じたり開いたりする部分として用いられる構成を有する。
さらには、吸入バルブ4はバルブ部4aを片持ち式にて支持する支持部9を備え、支持部9の先端にバルブ部4aが一連に備わっている。そして、吸入バルブ4は、ピストン2の往復動に伴う圧縮室5の圧力変化により支持部9が弾性変形されてバルブ部4aが吸入孔3aから離れて開の状態となり、その弾性変形が元に戻ると吸入孔3a周辺の弁座に接して閉じの状態となる。
このような電動式の密閉型往復動圧縮機は、圧縮機の効率向上を重視した構成であり、吸入孔3aより吸入バルブ4が開くことで圧縮室5にガスが吸入され、その吸入バルブ4の開きリフト量に制限がないため、吸入バルブ4の形状,板厚及び材質にて決まる弾性力の調整により吸入損失を小さくすることに有利な構成である。
さらに、先行技術文献の特許文献1に記載された電動式の密閉型往復動圧縮機の解説には、次の趣旨が示されている。即ち、高効率を目的とした密閉型圧縮機として、吸入弁座107内側の吸入孔106を開閉する片持ち式の吸入リード105において、吸入リード105を形成する、吸入バルブの開閉部108と吸入リード105の基部をなす支持端部109と、開閉部108と支持端部109を連結するアーム部110において、その支持端部109から開閉部側の先端までの長さ寸法Lと気筒容積Vが、関係式L<0.5V+17とすることで、開閉部108の先端がピストンに衝突して跳ね返ることを防ぎ、信頼性の向上を図るとしている。
従来構造である図10,図11の電動式密閉型往復動圧縮機の吸入バルブ4では、吸入バルブ4のバルブ部4aが開くときに、そのバルブ部4aの根元部分に応力が集中する。また、ピストン2は単振動のピストン運動のために、上死点近傍,下死点近傍では移動速度が遅く、その中間では移動速度は速くなる。ピストン2が上死点近傍から、下始点に移動し始めの、移動速度が遅い状態で、バルブ部4aは開き始めるため、バルブ部4aはピストン2に接触する可能性が高く、接触時には、バルブ部4aに部分的に応力が高くなる箇所が発生する。
この課題に対し、前記特許文献1では、吸入バルブが、ピストンに接触しないように、吸入バルブの支持端部から開閉部側の先端までの長さ寸法Lとシリンダ内気筒容積Vとの関係式L<0.5V+17を定めている。しかしながら、本文献では、L寸法を小さく設定するため、吸入リードの板バネとしての剛性は上昇し、吸入バルブの開閉部に掛かる力が従来と同等とすれば、吸入バルブが開いたときの支持端部の根元への応力は、従来構造より上昇しやすくなるなどの課題があった。
このように、従来の電動式密閉型往復動圧縮機においては、吸入バルブのバルブ部が開かれた時の変形における各部応力を小さくし、かつ、吸入バルブの開時におけるピストンへの接触や、吸入バルブ閉時におけるバルブプレートとの衝撃への衝撃耐久性を向上することにより、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減することが要請されている。
よって、本発明の目的は、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減できる吸入バルブを有する往復動圧縮機を提供することである。
本発明の目的を達成するための手段は、往復動圧縮機の吸入バルブのバルブ部を弾性変形しながら支持する支持部が湾曲形状を有している構成である。
このような手段によれば、バルブ部の支持部の湾曲形状にて、バネ定数を小さくすることができ、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減できる吸入バルブを有する往復動圧縮機を提供することができる。
本発明の各実施例における共通する特徴的な構成は、電動式密閉型往復動圧縮機の吸入バルブ4が、吸入孔3aを開閉するバルブ部4aと、バルブ部4aを弾性変形しながら支持する、湾曲形状でアーム型の支持部4cを有した構成である。
このような構成の吸入バルブ4にあっては、バルブ部4aは、圧縮室5の内部圧力をP1とし、その対面側の圧力をP2(圧縮機密閉容器40の内部の低圧圧力に相当)としたとき、P1>P2となったときに、バルブ部4aが開き始める。
吸入孔3a、および、バルブ部4aの中心Rを、円筒形状の圧縮室5の円筒中心軸線X(ピストン2の中心軸線でもある)に位置するように配置することにより、吸入バルブ4の湾曲形状の支持部4cは、湾曲形状によって長さを長く調整することが可能となり、また、支持部4cは、その幅と湾曲形状の曲線平均直径φDを調整することで、バネ定数kを小さくすることが可能になる。
また、バルブ部4aが開いていく際に、支持部4cの湾曲形状の曲線は、バルブ部4a側の内側長さと反対側の外周側長さで、内側長さの方が、長さとして短くなるため、バルブ部4aが開く際に生じる引張力は、その単位長さ当たりでは、内側部分の方が大きくなる。そのために、引張力により発生する応力も、内側部分が大きくなる。
そこで、支持部4cの長さを長く取ることで、単位長さ当たりの引張力を小さくすることができるため、従来バルブの支持端部の根元に生じた応力集中は、緩和することができる。
図15に本発明の実施例の解析による応力分布を示す。また、図13に本発明の実施例の解析による変形量分布図を示す。また、従来事例形状での解析での応力分布を図14に示す。また、従来事例形状での解析での変形量分布図を図12に示す。ここで、図15は、D部が応力が高い部分であり、支持部4cの湾曲形状の内側部分が応力が高くなっている。さらに、図14の応力分布図の色濃度を比較し、図14の最大応力より、図15の最大応力が小さくなっている。
また、バルブが開き始めるとガスが吸入孔3aから、圧縮室5に流れはじめ、その時に生じる動圧が、バルブに衝撃力として印加される。バルブのバネ定数を小さくすることで、バルブ内部に与えるこの衝撃力を小さくすることができ、衝撃に対する耐性を高くすることができる。同様に、ピストン2とバルブ部4aの接触や、バルブ部4aとバルブプレート3の衝突時にバルブ内部に加わる衝撃力を小さくする。
本発明により、バルブのバネ定数を小さくし、バルブの支持部に掛かる、最大応力をより小さくし、バルブ開時のガス流れの動圧によるバルブ内部に与える衝撃力を小さくし、ピストン2とバルブ部4aの接触や、バルブ部4aとバルブプレート3の衝突時にバルブ部4aに生じる衝撃力を小さくし、その衝撃力により発生する、振動・騒音をも低減することができる。
よって、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減できるバルブを有する、電動式の密閉型往復動圧縮機を提供することができる。
次に、本発明の各実施例を各図を用いて具体的に説明する。各実施例に対応する各図において同一符号は同一物または相当物を示す。
以下、本発明の第1実施例による電動式の密閉型往復動圧縮機について、主に図1から図5の各図を用いて説明する。図1は、本実施例による密閉型往復動圧縮機10の縦断面を示している。この電動式の密閉型往復動圧縮機10は、冷凍冷蔵設備の冷却ガスの圧縮機として利用される。
その図1に見られるように、電動式の密閉型往復動圧縮機10は、圧縮機部20と電動機部30とを密閉容器40内に収納して構成されている。圧縮機部20と電動機部30は一体となってコイルばね50にて密閉容器40内に弾性支持されている。
圧縮機部20は、円筒状の圧縮室5を有するシリンダブロック1と、シリンダブロック1に固定される吸入サイレンサー21と、シリンダブロック1と組み合わされて圧縮室5内で水平方向へ往復動するピストン2と、ピストン2にコンロッド23を介して接続されるクランクシャフト22等を有する。
電動機部30は、クランクシャフト22に固定された電動モータのローター31部と、同電動モータのステーター32部とを有する。
電動機部30が電動モータとして稼動すると、ローター31とともにクランクシャフト22が回転して、その回転はコンロッド23を介してピストン2をシリンダブロック1内で水平方向へ往復運動させる。その運動にて圧縮室5内の容積は変化させつつ圧縮室5内の圧力を変化させることができる。
なお、圧縮室5は、シリンダブロック1,ピストン2,シリンダブロック1の反ピストン側端部に装着されるバルブプレート3,スプリングリード6と吸入バルブ4で囲まれた空間で構成される。
シリンダブロック1の端面側に固定されている吸入サイレンサー21は、吐出サイレンサーなどを形成するヘッドカバー部7と、このヘッドカバー部7のシリンダブロック側に配置され、吐出バルブを有するバルブシート8と、吸入孔3aを有するバルブプレート3と、このバルブプレート3のシリンダブロック側に配置されて吸入孔3aの開閉を行う吸入バルブ4と、この吸入バルブ4のシリンダブロック側に配置されたスプリングリード6とを備えて構成されている。なお、バルブプレート3,吸入バルブ4により圧縮機部20の吸入弁装置が構成される。
係る密閉型往復動圧縮機10において、電動機部30が回転することによって圧縮機部20のクランクシャフト22,コンロッド23,ピストン2が駆動され、外部の冷凍サイクルから吸入サイレンサー21へ冷媒ガスが吸い込まれる。この冷媒ガスは、吸入バルブ4の開閉に応じて、吸入孔3aを通して圧縮室5内に間欠的に吸入される。吸入された冷媒ガスはシリンダブロック1内でピストン2によって圧縮され、吐出バルブが開くことにより圧縮室5内から吐出される。
次に、図2から図5を参照しながら、圧縮機部20に関してさらに具体的に説明する。バルブプレート3は、図2〜図4に示すように、シリンダブロック1の端面側に吸入バルブ4を閉鎖するように配置され、円形の吸入孔3aを有している。この吸入孔3aの中心は、圧縮室5の円筒中心軸線Xに位置するように配置する。また、吸入バルブ4のバルブ部4aの中心も、圧縮室5の円筒中心軸線Xに位置するように配置する。
吸入バルブ4は、図2〜図4及び図5に示すように、圧縮室5の圧力変動により吸入孔3aを開閉するバルブ部4aと、バルブ部4aを弾性変形しながら支持する、湾曲形状でアームの支持部4cを有して構成されている。
この吸入バルブ4は、平板のばね材からプレスにて打ち抜き成形して製作される。吸入バルブ4は、バルブ部4a,アーム型の支持部4cを含めて平板状に製作され、図3に示すようにバルブプレート3のシリンダブロック側の面に密着して設置されている。
本実施例では、吸入孔3a、および、吸入バルブ4のバルブ部4aの中心Rを、圧縮室5の円筒中心軸線Xに位置するように配置することにより、湾曲形状でバルブ部4aを支持するアームとなる支持部4cは、バルブ部4aの外周空間部を利用して、長さを長く調整できたので、また、支持部4cは、その幅と湾曲形状の曲線平均直径を調整することで、バネ定数を小さくすることが可能になる。
なお、一般的なバネ定数kの概算式は、
(1)従来バルブ:片持ちの板バネの式で概算
k=3EJ/l3
J=bh3/12
E:縦弾性係数、J:断面二次モーメント、l:板バネ長さ、
b:板バネ断面幅寸法、h:板バネ断面高さ寸法
k=3EJ/l3
J=bh3/12
E:縦弾性係数、J:断面二次モーメント、l:板バネ長さ、
b:板バネ断面幅寸法、h:板バネ断面高さ寸法
(2)本実施形状バルブ:角バネの式(Lieseckeの式)で概算
k=b2h2G/γD3n
G:横弾性係数、D:コイル平均径、γ:係数、
b:板バネ断面幅寸法、h:板バネ断面高さ寸法、n:有効巻数
k=b2h2G/γD3n
G:横弾性係数、D:コイル平均径、γ:係数、
b:板バネ断面幅寸法、h:板バネ断面高さ寸法、n:有効巻数
従来の前記(1)の板バネ定式で示すように、板バネの長さlは3乗に逆比例して、長さが長くなれば、バネ定数は小さくすることができる。
また、支持部4cを湾曲形状にすることで、前記(2)の角バネ定式に近くなり、コイル平均径Dの大きさの3乗に逆比例して、バネ定数は小さくなる。
また、板バネ断面幅寸法bと、板バネ断面高さ寸法hの影響も変化する。
上記より、本実施形状では、(1)Dを大きくし、(2)板バネ断面幅寸法bを小さくしていくことで、バネ定数をより効果的に小さくすることが可能となる。
また、従来の吸入バルブは、片持ちの板バネ形式であるため、その吸入バルブが開いたときには、支持端部の根元で曲げモーメントが最大となり、最大主応力も集中する。図14に解析での応力分布を示す。ここで、C部が応力が高い部分であり、支持端部の根元の部分である。
しかし、本実施例では、バルブ部4aが開いていく際に、支持部4cの湾曲形状の曲線は、バルブ部4a側の内側長さと外周側長さで、内側長さの方が、長さとして短くなるため、バルブ部4aが開く際に生じる引張力は、その単位長さ当たりでは、内側部分の方が大きくなる。そのために、最大主応力も、内側部分が大きくなる。そして、支持部4cの根元部分Yの応力が従来例に比較して手軽減される。
このように、支持部4cの長さを長く取ることで、単位長さ当たりの引張力を小さくすることができるため、従来バルブの支持端部の根元に生じた応力集中は、緩和することができる。図15に解析での応力分布を示す。ここで、D部が応力が高い部分であり、支持部4cの湾曲形状の内側部分が応力が高くなっている。さらに、図14,図15の応力分布図の色濃度を比較し、図14の最大応力より、図15の最大応力が小さくなっている。
上記のように、本実施例では、バルブのバネ定数をより小さく調節することができるとともに、バルブの支持部に掛かる、最大応力をより小さくすることができる。これにより、疲労寿命,耐久性に優れたバルブを提供することができる。
また、バルブが開き始めるとガスが吸入孔3aから、圧縮室5に流れはじめ、その時に生じる動圧が、バルブに衝撃力として印加される。バルブのバネ定数を小さくすることで、バルブ内部に与えるこの衝撃力を小さくすることができ、衝撃に対する耐性を高くすることができる。同様に、ピストン2とバルブ部4aの接触や、バルブ部4aとバルブプレート3の衝突時にバルブ内部に加わる衝撃力を小さくする。下記(3)に、バネと衝撃力に関する一般的な概算式を示す。
(3)バネモデルにおける、衝撃に対する耐性の概算
固定台に固定し、垂直に設置したバネに、そのバネから、高さhの距離から、質量mのおもりを落下させたときの、バネに掛かる衝撃力Fmaxは、そのときのバネの縮み距離をx、バネ定数をk、重力加速度をgとしたとき、
k(x−mg)2/2=mgh
となる。よって、Fmaxは、
Fmax=k・x=k・(mg/k+(2mgh/k)0.5)
ここで、mg/kは、おもりを静的加重でバネに載せた場合の変形量であるため、おもりの落下高さに比べて、十分小さく無視できるとし、
固定台に固定し、垂直に設置したバネに、そのバネから、高さhの距離から、質量mのおもりを落下させたときの、バネに掛かる衝撃力Fmaxは、そのときのバネの縮み距離をx、バネ定数をk、重力加速度をgとしたとき、
k(x−mg)2/2=mgh
となる。よって、Fmaxは、
Fmax=k・x=k・(mg/k+(2mgh/k)0.5)
ここで、mg/kは、おもりを静的加重でバネに載せた場合の変形量であるため、おもりの落下高さに比べて、十分小さく無視できるとし、
また、衝突直前のおもりの速度をVとすれば、
V=(2gh)0.5
であらわされるため、
Fmax=(2mgh/k)0.5=(mk)0.5・V
上式より、kが小さくなれば、バネに掛かる衝撃力Fmaxは、小さくなる。
V=(2gh)0.5
であらわされるため、
Fmax=(2mgh/k)0.5=(mk)0.5・V
上式より、kが小さくなれば、バネに掛かる衝撃力Fmaxは、小さくなる。
よって、本実施例により、バルブのバネ定数を小さくすると共に、バルブの支持部に掛かる、最大応力をより小さくすることで、ピストン2とバルブ部4aの接触や、バルブ部4aとバルブプレート3の衝突時にバルブ部4aに生じる衝撃力を小さくし、その衝撃力により発生する、振動・騒音をも低減することができる。
よって、本実施例により、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減できるバルブを有する、電動式の密閉形往復動圧縮機を提供することができる。
本発明の第2実施例は、第1実施例の吸入バルブ4を図6の形状にしたものであり、その他の構成は第1実施例と同じである。第2実施例の吸入バルブ4の支持部4cの幅寸法bは第1実施例の場合よりも小さくし、バネ定数kを更に小さくした実施例である。
その支持部4cの幅寸法bを第1実施例のそれよりも小さくすると、支持部4cの湾曲形状の曲線は、バルブ部4a側の内側長さと外周側長さで、内周と外周とが幅方向へ接近するので、長さの差異が第1実施例のそれよりも小さくなる。
その長さの差異を確保し、バルブ部4aが開く際に生じる引張力が、その単位長さ当たりで、内側部分の方を大きくするために、支持部4cの湾曲形状の曲線端部において、バルブ部外周側の曲率中心(バルブ部4aの中心Rと同じ)とバルブ部外周縁端部とを結ぶ直線4dと、バルブ部内周側の曲率中心(バルブ部4aの中心Rと同じ)とバルブ部内周縁端部とを結ぶ直線4eとが角度θの差が生じるように、支持部4cの外周側縁都内週側の縁の各端部位置を決めてある。これにより図6に示す長さ4f相当分だけ、角度θの差がない場合に比べて、支持部4cの内周側の縁の長さを短くできる。
本発明の第3実施例は、図7のように、実施例1における前記吸入孔3a、および、吸入バルブ4のバルブ部4aの中心Rを、圧縮室5の円筒中心軸線Xから離れた位置としてある。さらには、吸入バルブ4の湾曲形状の支持部4cの長さaは、円形孔6aの外周側空間を利用し、第1実施例のそれよりも長く調整することを可能とした。その他の内容は実施例1と同様である。
この実施例では、支持部4cの幅と湾曲形状の湾曲曲線平均直径を調整することで、バネ定数を小さくすることが可能になる。
よって、本実施例によっても、疲労寿命,耐久性に優れ、かつ、振動・騒音も低減できるバルブを有する、密閉形圧縮機を提供することができる。
本発明の第4実施例は、第3実施例の前記支持部4cの幅寸法bを第3実施例のそれよりも小さくし、バネ定数kを更に小さくした実施例である。
この実施例では、支持部4cの幅寸法bを小さくすると、支持部4cの湾曲形状の曲線は、支持部4cの内周側の縁の長さと外周側の縁の長さで、長さの差異が実施例1のそれよりも小さくなる。
その長さの差異を実施例1なみに確保し、バルブ部4aが開く際に生じる引張力が、その単位長さ当たりで、内周側の縁部分の方を大きくするために、支持部4cの湾曲形状の内周側と外周側との各縁の端部の始端位置について、実施例2と同じ手法でバルブ部4a側へ支持部4cの湾曲形状に沿って作為的にずらして、実施例2と同様に内側と外側の各縁の始端間に距離4fの差が生じるようにしてある。
本発明の第5実施例は、第3実施例における前記支持部4cの根元部分をU字形状にバルブ部4a側に曲がた形状にすることで、支持部4cの長さaを更に長くすることができ、バネ定数kを一層小さくすることができる。その他の内容は第3実施例と同様である。
1 シリンダブロック
2 ピストン
3 バルブプレート
3a 吸入孔
4 吸入バルブ
4a バルブ部
4c 支持部
4d バルブ部外周側の曲率中心とバルブ部外周端部とを結ぶ直線
4e バルブ部内周側の曲率中心とバルブ部内周端部とを結ぶ直線
5 圧縮室
6 スプリングリード
6a 円形孔
7 ヘッドカバー部
8 バルブシート
10 密閉型往復動圧縮機
20 圧縮機部
21 吸入サイレンサー
22 クランクシャフト
23 コンロッド
30 電動機部
31 ローター
32 ステーター
40 密閉容器
50 コイルばね
A,B 最大変形部
C,D 応力の最大部
φD 支持部4cにおける湾曲形状の曲線平均直径
2 ピストン
3 バルブプレート
3a 吸入孔
4 吸入バルブ
4a バルブ部
4c 支持部
4d バルブ部外周側の曲率中心とバルブ部外周端部とを結ぶ直線
4e バルブ部内周側の曲率中心とバルブ部内周端部とを結ぶ直線
5 圧縮室
6 スプリングリード
6a 円形孔
7 ヘッドカバー部
8 バルブシート
10 密閉型往復動圧縮機
20 圧縮機部
21 吸入サイレンサー
22 クランクシャフト
23 コンロッド
30 電動機部
31 ローター
32 ステーター
40 密閉容器
50 コイルばね
A,B 最大変形部
C,D 応力の最大部
φD 支持部4cにおける湾曲形状の曲線平均直径
Claims (6)
- 往復動圧縮機に装着された吸入バルブのバルブ部の支持部が湾曲した形状に形成されている往復動圧縮機。
- 請求項1において、前記往復動圧縮機の円筒形状の圧縮室へのガスの吸入孔と、前記バルブとの各中心が前記圧縮室の前記円筒形状の円筒中心軸線延長上に配置されている往復動圧縮機。
- 請求項1において、前記往復動圧縮機の円筒形状の圧縮室へのガスの吸入孔と、前記バルブとの各中心が前記圧縮室の前記円筒形状の円筒中心軸線延長上から外周方向にずらして配置されている往復動圧縮機。
- 請求項1又は請求項2において、前記支持部の湾曲した内周側の縁と外周側の縁との各始端の内、前記内周側の始端が前記外周側の始端よりも、前記湾曲の曲がりに沿って前記バルブ部側にずれている往復動圧縮機。
- 請求項3において、前記支持部の途中部分を他の部分よりも湾曲度合いを大きくして曲げて、前記支持部の根元部分を前記バルブ部側に寄せてある往復動圧縮機。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項において、前記往復動圧縮機は、圧縮機部として、円筒形状の圧縮室を形成したシリンダブロックと、前記圧縮室内を往復運動するピストンと、前記ピストンに接続されたコンロッドと、前記コンロッドに接続されたクランクシャフトと、前記圧縮室の反ピストン側の開口端部を封止するように配置されるとともに前記圧縮室内に通じる吸入孔が穿設されているバルブプレートと、前記吸入孔と前記圧縮室内との間に配置されるとともに板バネ材で形成された前記吸入バルブとを備え、
電動機部として、前記クランクシャフトに固定された電動モータのローターと、前記電動モータのステーターとを備え、
前記圧縮機部と前記電動機部とは共通の密閉容器内へコイルばねで支持されて収められている往復動圧縮機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009204241A JP2011052646A (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 往復動圧縮機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009204241A JP2011052646A (ja) | 2009-09-04 | 2009-09-04 | 往復動圧縮機 |
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---|---|
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2009
- 2009-09-04 JP JP2009204241A patent/JP2011052646A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121106 |