JP2011047953A - 振動センサ及びその動作方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導管内の材料の質量流量を、導管の運動を表す複数の運動信号をモード選択フィルタリングすることによって、推定する方法および装置を提供する。
【解決手段】導管の振動モードに関連付けられた運動を表す複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から、複数の位相推定値325を生成して質量流量推定値335を生成する。ある実施の形態では、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数が推定され、推定された周波数に基づいて、直角位相の第1および第2の基準信号を生成する。複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から、複数の位相推定値を生成して複数の時間差推定値を生成し、この複数の時間差推定値から質量流量推定値335を生成する。
【選択図】図3
【解決手段】導管の振動モードに関連付けられた運動を表す複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から、複数の位相推定値325を生成して質量流量推定値335を生成する。ある実施の形態では、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数が推定され、推定された周波数に基づいて、直角位相の第1および第2の基準信号を生成する。複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から、複数の位相推定値を生成して複数の時間差推定値を生成し、この複数の時間差推定値から質量流量推定値335を生成する。
【選択図】図3
Description
本発明は振動センサおよび関連方法に関し、より詳細には質量流量測定の方法および装置に関する。
多くのセンサ適用分野には、機械的振動または他の運動の検出が含まれる。こうした運動検出を利用するセンサの例には、コリオリ質量流量計および振動管密度計が含まれる。これらのデバイスには、通常、周期的に駆動、すなわち振動する導管または他の容器が含まれる。導管または容器に含まれる材料に関連付けられた質量流量、密度などの特性は、振動する材料充填システムの振動モードが、格納導管または容器の構造ならびにそれらに格納された材料の質量、剛性、および減衰の組み合わされた特性によって影響されるため、格納構造体上に配置された運動変換器からの信号を処理することによって決定することができる。
典型的なコリオリ質量流量計には、パイプラインまたは他の移送システムにおいてインラインで接続されており、システム中でたとえば流体、スラリーなどの材料を搬送する、1つまたは複数の導管が含まれる。各導管は、たとえば単純な曲げ、ねじり、放射、および連成などのモードを含む、一連の固有振動モードを有するとみなすことができる。典型的なコリオリ質量流量測定の応用例では、材料が導管を通過するときに導管はその固有振動モードのうちの1つで共振時に励振され、その導管の運動が導管に沿った各点で測定される。励振は、典型的には周期的に導管に摂動を起こさせるアクチュエータ、たとえば音声コイルタイプのドライバなどの電気機械装置によって提供される。コリオリ質量流量計の例は、Smithへの米国特許第4109524号、Smith等への米国特許第4491025号、およびSmithへの米国再発行特許Re.31450号に記載されている。
残念なことに、従来のコリオリ質量流量計の精度は、導管構造の非線形性および非対称性、流量計に取り付けられたポンプおよびコンプレッサによって生成される力などの外部からの力によって生じる運動、ならびに流量計導管を通じて流れる材料によって及ぼされる圧力によって生じる運動によって損なわれ得る。これらの力の影響は、一般に、外部振動に起因する影響を減じるように釣り合わされた流量計設計を使用すること、およびたとえば励振周波数から離れた運動信号の構成要素をフィルタリングするように設計された帯域フィルタなどの周波数領域フィルタを使用することによって低減される。ただし、機械的なフィルタリング方法は、たとえば材料制限、取付け制約、重さ制限、サイズ制限などの機械的な考慮すべき点によって制限されることが多く、周波数領域フィルタリングは、励振周波数近くの望ましくない振動の寄与を除去するのに効果的でないことがある。
本発明の実施の形態によれば、導管内の材料の質量流量は、モード選択フィルタリング済み運動信号が導管の振動モードに関連付けられた運動を優先的に表すように、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、導管の運動を表す複数の運動信号をモード選択フィルタリングすることによって推定される。複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から、複数の位相推定値が生成される。この複数の位相推定値から、質量流量推定値が生成される。複数の位相推定値は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つから導出された位相基準を使用して推定することができる。
本発明のいくつかの実施の形態では、モード座標領域内で複数のモード応答信号を生成するために、複数の運動信号にモード変換が適用される。複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、複数のモード応答信号にモード選択変換が適用される。本発明の他の実施の形態では、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数が推定される。推定された周波数に基づいて、直角位相の第1および第2の基準信号が生成される。複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から、複数の位相推定値が生成される。
本発明の他の実施の形態では、複数の位相推定値から複数の時間差推定値が生成され、この複数の時間差推定値から質量流量推定値が生成される。複数の時間差推定値は、複数の時間差値を生成するために複数の位相推定値をモード周波数で割ることによって、複数の位相推定値から生成することができる。複数の時間差推定値を生成するために、複数のゼロフロー基準時間差を複数の時間差値に適用することができる。モード周波数は、複数の運動信号から生成されたモード運動信号から推定することができる。推定されたモード周波数から、導管内の材料の密度も推定することができる。
本発明の他の態様によれば、導管内の材料の質量流量は、同様の複数の差異推定値を生成するために複数の運動信号のうちの1つをタイミング基準として使用し、導管の運動を表す複数の運動信号を処理すること、ならびに複数の差異推定値を既知の質量流量での導管の運動を表す同様の複数の基準差異と関連付ける、スケーリング関数の勾配パラメータを推定することによって、決定することができる。質量流量推定値は、推定された勾配パラメータおよび既知の質量流量から推定することができる。
発明のいくつかの実施の形態では、複数の基準差異を含む拡大行列が生成される。複数の差異推定値と拡大行列の擬似逆関数とを掛け合わせて、勾配パラメータが決定される。他の実施の形態では、複数の差異推定値と基準時間差の擬似逆関数とを掛け合わせて、勾配パラメータが決定される。スケーリングパラメータを繰り返し推定し、たとえば最小2乗平均(LMS)推定手順を使用して勾配パラメータを決定することもできる。
本発明の他の態様によれば、装置には材料を格納するように構成された導管が含まれる。複数の運動変換器が動作可能なように導管に関連付けられ、導管の運動を表す複数の運動信号を生成するように動作可能である。信号処理回路は複数の運動信号を受信し、モード選択フィルタリング済み運動信号が導管の振動モードに関連付けられた運動を優先的に表すように、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、複数の運動信号をモード選択フィルタリングする。信号処理回路は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値を生成し、複数の位相推定値から質量流量推定値を生成する。信号処理回路は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つから導出された位相基準を使用して、複数の位相推定値を生成することができる。
本発明の他の実施の形態によれば、装置には導管と、導管に動作可能なように関連付けられ、導管の運動を表す複数の運動信号を生成する、複数の運動変換器とが含まれる。信号処理回路は複数の運動信号を受信し、同様の複数の差異推定値を生成するために複数の運動信号のうちの1つをタイミング基準として使用して複数の運動信号を処理する。信号処理回路は、複数の差異推定値を、既知の質量流量での導管の運動を表す同様の複数の基準差異と関連付ける、スケーリング関数の勾配パラメータを推定し、推定された勾配パラメータおよび既知の質量流量から質量流量推定値を生成する。信号処理回路は、複数の基準差異を含む拡大行列を生成し、複数の差異推定値と拡大行列の擬似逆関数とを掛け合わせて勾配パラメータを決定することができる。あるいは、信号処理回路は、複数の差異推定値と基準時間差の擬似逆関数とを掛け合わせて、勾配パラメータを決定することができる。信号処理は、スケーリング関数を繰り返し推定することもできる。
本発明の一態様は、構造体と動作可能なように関連付けられた複数の運動変換器を含み、構造体の運動を表す複数の運動信号を生成するように動作可能な装置と、構造体の運動を表す複数の運動信号をフィルタリングする装置と、モード選択フィルタリング済み運動信号が構造体の振動モードに関連付けられた運動を優先的に表すように複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成する装置であることが明らかであろう。
さらに装置は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、複数の位相推定値から質量流量推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号間の複数の時間差推定値を生成するための装置と、複数の時間差推定値から相関尺度を生成するための装置と、生成された相関尺度から質量流量計システムのステータスを決定するための装置とを含むことが好ましい。
複数の位相推定値を生成するための装置は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つから導出された位相基準を使用して複数の位相推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
モード選択フィルタリングのための装置は、モード座標領域内で複数のモード応答信号を生成するために複数の運動信号にモード変換を適用するための装置と、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために複数のモード応答信号にモード選択変換を適用するための装置とを含むことが好ましい。
複数の位相推定値を生成するための装置は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数を推定するための装置と、推定された周波数に基づいて直角位相の第1および第2の基準信号を生成するための装置と、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から複数の位相推定値を生成するための装置とを含むことが好ましい。
複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から複数の位相推定値を生成するための装置は、モード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像のそれぞれの構成要素信号を生成するために、モード選択フィルタリング済み運動信号と第1および第2の基準信号のそれぞれとを乗算するための装置と、位相推定値を生成するためにモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像の構成要素信号の商の逆正接を推定するための装置とを含むことが好ましい。
さらに装置は、複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、複数の時間差推定値から質量流量推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成するための装置は、複数の時間差値を生成するために、複数の位相推定値をモード周波数で割るための装置を含むことが好ましい。
さらに複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成するための装置は、複数の時間差推定値を生成するために、複数のゼロフロー基準時間差を複数の時間差値に適用するための装置を含むことが好ましい。
モード選択フィルタリングのための装置は、モード座標領域内でモード運動信号を生成するために複数の運動信号にモード変換を適用するための装置と、モード運動信号からモード周波数を推定するための装置とを含むことが好ましい。
さらに装置は、推定されたモード周波数から、導管内の材料の密度を推定するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、複数の時間差推定値を既知の摂動の下での構造体の運動を表す複数の基準時間差に関連付ける、スケーリング関数のパラメータを推定するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、摂動が質量流量であることが好ましい。
パラメータを推定するための装置は、複数の基準時間差を含む拡大行列を生成するための装置と、パラメータを決定するために複数の時間差推定値と拡大行列の擬似逆関数とを乗算するための装置とを含むことが好ましい。
パラメータを推定するための装置は、スケーリング関数を繰り返し推定するステップを含むことが好ましい。
パラメータを繰り返し推定するための装置は、最小2乗平均(LMS)推定手順を適用するステップを含むことが好ましい。
パラメータを推定するための装置の前には、複数の基準時間差を生成するために既知の摂動の下での構造体の運動を表す複数の運動信号を処理するための装置があることが好ましい。
スケーリング関数のパラメータは勾配パラメータであり、さらに勾配パラメータおよび既知の質量流量から質量流量推定値を生成するための装置を含むことが好ましい。
勾配パラメータを推定するための装置は、勾配パラメータを決定するために複数の時間差推定値と複数の基準時間差の擬似逆関数とを乗算するための装置を含むことが好ましい。
スケーリング関数のパラメータは切片パラメータであり、切片パラメータからシステム状況を決定するための装置をさらに含むことが好ましい。
モード選択フィルタリングのための装置の前には、動作可能なように構造体に関連付けられた複数の運動変換器から複数の運動信号を受信するための装置があり、システム状況を決定するための前記装置は、切片パラメータから運動変換器の状況を決定するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、推定されたモード周波数から構造体内の材料の密度を推定するための装置を含むことが好ましい。
さらに装置は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの第1のモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数を推定するための装置と、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの第2のモード選択フィルタリング済み運動信号および推定された周波数から差異推定値を生成するための装置とを含むことが好ましい。
差異推定値を生成するための装置は、推定された周波数に基づいて直角位相の第1および第2の基準信号を生成するための装置と、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から差異推定値を生成するための装置とを含むことが好ましい。
第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から差異推定値を生成するための装置は、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から位相推定値を生成するための装置と、位相推定値から時間差推定値を生成するための装置とを含むことが好ましい。
第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から位相推定値を生成するための装置は、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像のそれぞれの構成要素信号を生成するために第2のモード選択フィルタリング済み運動信号と第1および第2の基準信号とを乗算するための装置と、位相推定値を生成するために第2のモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像の構成要素信号の商の逆正接を推定するための装置とを含むことが好ましい。
本発明の追加の態様は装置を動作させる方法であって、この方法は、構造体の運動を推定するステップと、構造体の運動を表す複数の運動信号をモード選択フィルタリングするステップと、構造体の振動モードに関連付けられた運動を表す複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するステップとを含むことが明らかであろう。
さらに方法は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値を生成するためのステップを含むことが好ましい。
さらに方法は、複数の位相推定値から質量流量推定値を生成するステップを含むことが好ましい。
さらに方法は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の時間差推定値を生成し、複数の時間差推定値から相関尺度を生成し、生成された相関尺度から質量流量計システムのステータスを決定するステップを含むことが好ましい。
この方法では、前記複数の位相推定値を生成するステップが、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの1つから導出された位相基準を使用して複数の位相推定値を生成するステップを含むことが好ましい。
この方法では、モード選択フィルタを適用する前記ステップが、モード座標領域内で複数のモード応答信号を生成するために複数の運動信号にモード変換を適用するステップと、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために複数のモード応答信号にモード選択変換を適用するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、複数の位相推定値を生成する前記ステップが、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうち1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数を推定するステップと、推定された周波数に基づいて直角位相の第1および第2の基準信号を生成するステップと、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から複数の位相推定値を生成するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から複数の位相推定値を生成する前記ステップが、モード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像のそれぞれの構成要素信号を生成するために、モード選択フィルタリング済み運動信号と第1および第2の基準信号のそれぞれとを乗算するステップと、位相推定値を生成するためにモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像の構成要素信号の商の逆正接を推定するステップとを含むことが好ましい。
さらに方法は、複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成するステップを含むことが好ましい。
さらに方法は、複数の時間差推定値から質量流量推定値を生成するステップを含むことが好ましい。
この方法では、複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成する前記ステップは、複数の時間差値を生成するために複数の位相推定値をモード周波数で割るステップを含むことが好ましい。
この方法では、複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成する前記ステップが、複数の時間差推定値を生成するために、複数のゼロフロー基準時間差を複数の時間差値に適用するステップをさらに含むことが好ましい。
この方法では、複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成する前記ステップが、複数のゼロフロー位相値を使用して複数の位相推定値を修正することを含むことが好ましい。
この方法では、前記モード選択フィルタリングのステップが、モード座標領域内でモード運動信号を生成するために複数の運動信号にモード変換を適用するステップを含み、さらにこの方法が、モード運動信号からモード周波数を推定するステップをさらに含むことが望ましい。
さらに方法は、推定されたモード周波数から導管内の材料の密度を推定するステップを含むことが好ましい。
さらに方法は、複数の時間差推定値を既知の摂動の下での構造体の運動を表す複数の基準時間差に関連付ける、スケーリング関数のパラメータを推定するステップを含むことが好ましい。
この方法では、摂動が質量流量であることが好ましい。
この方法では、パラメータを推定する前記ステップが、複数の基準時間差を含む拡大行列を生成するためのステップと、パラメータを決定するために複数の時間差推定値と拡大行列の擬似逆関数とを乗算するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、パラメータを推定する前記ステップが、スケーリング関数を繰り返し推定するステップを含むことが好ましい。
この方法では、パラメータを繰り返し推定する前記ステップが、最小2乗平均(LMS)推定手順を適用するステップを含むことが好ましい。
この方法では、パラメータを推定する前記ステップの前には、複数の基準時間差を生成するために既知の摂動の下での構造体の運動を表す複数の運動信号を処理するステップがあることが好ましい。
この方法では、スケーリング関数のパラメータは勾配パラメータであり、さらに勾配パラメータおよび既知の質量流量から質量流量推定値を生成するステップを含むことが好ましい。
この方法では、勾配パラメータを推定する前記ステップが、勾配パラメータを決定するために複数の時間差推定値と複数の基準時間差の擬似逆関数とを乗算するステップを含むことが好ましい。
この方法では、スケーリング関数のパラメータは切片パラメータであり、切片パラメータからシステム状況を決定するステップをさらに含むことが好ましい。
この方法では、モード選択フィルタリングの前記ステップの前には、動作可能なように構造体に関連付けられた複数の運動変換器から複数の運動信号を受信するステップがあり、システム状況を決定する前記ステップは、切片パラメータから運動変換器の状況を決定するステップを含むことが好ましい。
この方法では、推定されたモード周波数から構造体内の材料の密度を推定するステップをさらに含むことが好ましい。
この方法は、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの第1のモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数を推定するステップと、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうちの第2のモード選択フィルタリング済み運動信号および推定された周波数から差異推定値を生成するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、差異推定値を生成する前記ステップが、推定された周波数に基づいて直角位相の第1および第2の基準信号を生成するステップと、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から差異推定値を生成するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から差異推定値を生成する前記ステップが、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から位相推定値を生成するステップと、位相推定値から時間差推定値を生成するステップとを含むことが好ましい。
この方法では、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号ならびに第1および第2の基準信号から位相推定値を生成する前記ステップが、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像のそれぞれの構成要素信号を生成するために第2のモード選択フィルタリング済み運動信号と第1および第2の基準信号とを乗算するステップと、位相推定値を生成するために第2のモード選択フィルタリング済み運動信号の実際および想像の構成要素信号の商の逆正接を推定するステップとを含むことが好ましい。
20Bは、本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の態様に従ったシステム変化の例示的影響を示す波形図である。
本発明の実施の形態に従ってシステム状況を監視し、システム変化を補償するための動作を示す流れ図である。
本発明の実施の形態に従ってシステム状況を監視し、システム変化を補償するための動作を示す流れ図である。
本発明の実施の形態に従ってシステム状況を監視し、システム変化を補償するための動作を示す流れ図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態が示された添付の図面を参照しながら、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態で実施可能であり、本明細書に記載された実施の形態に限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施の形態は本開示が徹底した完全なものとなるように提供されたものであって、当分野の技術者に本発明の範囲を完全に伝えるものである。全体を通じて同じ番号は同じ要素を表す。当分野の技術者であれば理解されるように、本発明はシステム(装置)、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施可能である。
本明細書に記載された本発明の実施の形態は、コリオリ質量流量計に関する。ただし、当分野の技術者であれば理解されるように、本明細書に記載された発明は、一般に、多種多彩な機械的構造体における運動の決定に適用可能であるため、本発明の装置および方法はコリオリ質量流量測定に限定されるものではない。
当分野の技術者であれば理解されるように、本発明は装置および/または方法および/またはコンピュータプログラム製品として実施可能である。したがって本発明は、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せの態様で実施可能である。さらに本発明は、媒体中でコンピュータ使用可能プログラムコードを実施するコンピュータ使用可能記憶媒体を含む、コンピュータプログラム製品の形式を取ることも可能である。半導体メモリデバイス(たとえばRAM、ROM、EEPROMなど)、ハードディスク、CD−ROM、光記憶デバイス、および磁気記憶デバイスを含む、任意の好適なコンピュータ読取り可能媒体を使用することができる。
本発明の動作を実施するためのコンピュータプログラムは、Java(登録商標)またはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および/または「C」などの手続き型プログラミング言語で作成することができる。プログラムコードは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの単一のコンピュータまたはデータ処理デバイス上で実行するか、複数のデバイス上、たとえば電子回路基板、シャーシまたはアセンブリ内のシリアルまたはパラレルのデータバスを介して通信するか、あるいはローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)またはインターネットなどのデータ通信ネットワークの一部を形成する複数のデータ処理デバイス上で実行することができる。
次に、本発明の実施の形態に従った方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照しながら、本発明について説明する。流れ図および/または構成図の各ブロック、ならびに流れ図および/または構成図の各ブロックの組合せは、コンピュータプログラムコード(命令)によって実施可能であることを理解されよう。これらのコンピュータプログラムコードは、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、流れ図および/または構成図のブロック中に指定された機能を実施するための手段を作成するように、マシンを生成するために汎用コンピュータ、特定用途向けコンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供することが可能である。
これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取り可能メモリ内に格納されたコンピュータプログラムは、流れ図および/またはブロック図のブロック中に指定された機能を実施する命令手段を含む製品を生成するように、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に特定の方式で機能するように命令することのできるコンピュータ読取り可能媒体(たとえば磁気ディスクまたは半導体メモリ、コード磁気メモリなど)中で実施することも可能である。
コンピュータプログラムコードは、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行するコードが、流れ図および/またはブロック図のブロック中に指定された機能を実施するためのステップを提供するように、コンピュータ実施プロセスを生成するための一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行させるために、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置にロードすることも可能である。
用語の解説
以下、下記の実施の形態において使用される用語の意味を説明する。
以下、下記の実施の形態において使用される用語の意味を説明する。
モード選択フィルタ:モード選択フィルタは、所望のモードのみを残りの信号処理チェーンに渡すために、物理モードの物理領域内で動作する。モードパスフィルタは、モードフィルタ、選択行列、および(通常は、モードシェイプ行列、Φ、または何らかのそのサブセットを使用して)モード情報を物理領域に変換するための行列からなる。
モード選択行列:所望のモードに対応する位置に1を有する対角行列。
モードシェイプ行列:所望の物理位置まで減じられたモード行列。モード領域から物理領域への変換。
振動モード:構造体が力に対してどのように応答する(移動する)かを定義する際に使用可能な構造体の固有の特性。数学用語では、構造体の運動方程式の行列の固有ベクトル(力学的行列とも呼ばれる)。
位相推定値:2つの正弦波信号間の差異(ラジアンまたは度)。任意の正弦波は、任意の時間tでの信号の値を定義する振幅、位相および周波数の3つの定数パラメータに分解することが可能である。ピックオフ信号はほぼ正確に、それぞれに共通の周波数、振幅および位相を備えた正弦波として表すことが可能である。ピックオフ信号間の位相差は流量に比例する。
相関尺度:相関とは、どの程度の出力量(たとえば運動、エネルギー、デルタtなど)が入力量(たとえば力、エネルギー、流量など)に関係しているかという尺度である。測定および/または計算された値間で想定された関係(たとえば質量流量は時間遅延に比例するなど)が真のままであるかどうかを確認する際に使用可能である。良好な相関から不十分な相関への変化は、想定された関係が、たとえばピックオフの欠陥が原因で真でないことを意味し得る。不十分な相関は、初期セットアップまたは較正時には存在しなかった追加のエネルギーがシステムに入ってくることによる可能性もある。たとえば、研究室条件で駆動装置のみがエネルギーを入力している際には良好に動作するコリオリセンサが、空気噴射によって発生する雑音のある流れにさらされると、その流れによってかなりの追加エネルギーが発生するために、流量測定で誤差を与えてしまう場合がある。推定値の標準誤差などの相関尺度は、システムが変化したことを識別することができる。
モード変換:x=Φηとして定義される、座標系における物理領域からモード領域への変化であり、ηはモード座標である。モード座標とは、何かを定義し、それが有用な定義であるかどうかを考えることのできる数学的観念の1つである。また、x−y平面における円の定義から、xとyの両方が変化する必要のある極座標の使用へ、θのみが変化しなければならない極座標rおよびθの使用へと移っていくのと同じくらい単純なものとして考えることもできる。新しい座標への変換によって系の記述が単純化される。
直角位相の第1および第2の基準信号:正弦波信号を復調するための標準的な方法。復調とは、任意の正弦波の周波数がわかっている場合に、その振幅および位相を推定する方法である。ノッチフィルタは、ピックオフ信号の周波数推定値を提供する。ひねり(twiddle)関数は、周波数推定値から、同じ周波数で相互に位相が90度ずれた(直角位相の定義である90度位相)、通常は何らかの単位振幅での2つの正弦波を生成する。
スケーリング関数:信号に定数、または定数のベクトルを掛けること。
拡大行列:行列を拡大するということは、所与の行列に行または列を追加することである。すなわち1の列またはゼロの行を追加して、問題の全局面を使用するために未知の行列と既知の定数とを組み合わせる際に使用される。勾配パラメータを切片パラメータで拡大することは、標準的な最小2乗法曲線当てはめ技法である。
勾配および切片パラメータ:数式y=mx+bは線のパラメータ表現である。mは勾配パラメータ、bは切片パラメータである。
拡大行列の擬似逆関数:数学的に言えば、線は正確には2つの点の間にフィットさせることができる。ただし、任意の2つのデータ点には、未知のノイズ構成要素もある。あらゆる2点間に線をフィットさせることで、線のノイズ推定値が得られる。多くのデータ点セットを使用すれば、実生活のノイズの平均である、勾配および切片パラメータのより良い、ノイズの少ない推定値が得られる。ノイズの多い多くの点を通過するように直線をフィットさせる方法の1つが、最小2乗法を使用する方法である。最小2乗法とは、フィットされた線からのすべてのデータ点の距離の合計を最小にするものである。擬似逆関数とは、最小2乗フィッティングプロセスを実施するための効率的かつ標準的な方法である。擬似逆関数で拡大行列を使用すると、1回の計算で勾配パラメータと切片パラメータの両方がわかる。擬似逆関数用に行列を拡大することで、最良のフィット線が非ゼロの切片パラメータを有する、すなわち原点を通過する必要がなくなる。
振動導管のモード挙動
コリオリ質量流量計の導管などの振動構造体の挙動は、振動の関連付けられた固有周波数を有する1つまたは複数の固有モードに関して説明することができる。モードおよび関連付けられた固有周波数は、固有ベクトルおよび関連付けられた固有値によって数学的に説明することが可能であり、固有ベクトルは絶対的な大きさではなく相対的な大きさにおいて固有であって、構造体の質量および剛性に関して直交する。ベクトルの線形独立の組を変換として使用して、構造体の運動を記述する等式の連結を解くことができる。具体的に言えば、励振に対する構造体の応答はスケーリング済みモードの重ね合わせとして表すことが可能であり、スケーリングは構造体の運動に対する各モードの寄与を表す。一部のモードは、励起によって他のモードよりも多く寄与する可能性がある。一部のモードは、所望のモードの共振周波数でのエネルギーに寄与し得るため、駆動周波数で測定される位相差測定値などの、所望のモードの共振周波数で測定される測定値を誤らせ得る。
コリオリ質量流量計の導管などの振動構造体の挙動は、振動の関連付けられた固有周波数を有する1つまたは複数の固有モードに関して説明することができる。モードおよび関連付けられた固有周波数は、固有ベクトルおよび関連付けられた固有値によって数学的に説明することが可能であり、固有ベクトルは絶対的な大きさではなく相対的な大きさにおいて固有であって、構造体の質量および剛性に関して直交する。ベクトルの線形独立の組を変換として使用して、構造体の運動を記述する等式の連結を解くことができる。具体的に言えば、励振に対する構造体の応答はスケーリング済みモードの重ね合わせとして表すことが可能であり、スケーリングは構造体の運動に対する各モードの寄与を表す。一部のモードは、励起によって他のモードよりも多く寄与する可能性がある。一部のモードは、所望のモードの共振周波数でのエネルギーに寄与し得るため、駆動周波数で測定される位相差測定値などの、所望のモードの共振周波数で測定される測定値を誤らせ得る。
従来のコリオリ質量流量計は、典型的には構造フィルタリングおよび時間フィルタリングを使用して、望ましくないモードの影響を減少させる。従来の構造フィルタリング技法には、同相と位相外れとの曲げモードを分離するように設計されたブレースバー、望ましくないモードを励起させる見込みが少ないように配置されたアクチュエータ、および望ましくないモードに対して反応しにくいように配置された変換器などの、機械的特徴を使用することが含まれる。構造フィルタリング技法は、望ましくないモードのエネルギーを減少させる上で非常に効果的であるが、幾何学的および製造上の制約によって制限される可能性がある。
時間フィルタリング技法は、典型的には時間領域または周波数領域のパラメータに基づいて変換器信号を修正する。たとえば、典型的なコリオリ質量流量計は、望ましくないモードとほぼ相関している周波数構成要素を除去するように設計された周波数領域フィルタを含むことができる。ただし、望ましくないモードからの共振点のずれたエネルギーは、所望のモードの共振周波数のエネルギーに対してかなり寄与し得る。周波数領域フィルタは、通常、所与の周波数での複数モードの寄与を区別することには効果的でないため、測定周波数での望ましくないモードの寄与は、進行中のパラメータ測定における誤りの重要な原因となり得る。
無視し得る減衰およびゼロフローを伴うセンサの導管構造は、純粋に実際の固有または正規モードの振動を有する、すなわち、各モードでは構造体の各点が同時に最大差異に達すると想定される。ただし、無視できない減衰を伴い、材料が中を流れている実際の導管は、一般に、励振に対して複雑に反応し、すなわち、一般に構造体の点は同時には最大振幅に達しない。導管構造体の運動は、実数成分および虚数成分、即ち振幅成分および位相成分を有する、複雑なモードとして説明することができる。流れる材料によって与えられるコリオリの力が、センサの導管の運動を数学的に複雑にする。
複素モードの実数部および虚数部が定義によって線形独立であるため、導管構造体の運動は、たとえ複雑であっても、スケーリングされた固有(「正規」または「1自由度」(SDOF))モードの重ね合わせとして説明することができる。複素運動を表すために、複素スケーリング係数を使用して構成要素である実正規モードを組み合わせることができる。特定の実正規モードは、複素モードの実数成分と著しくは相関していないときに、複素モードの虚数成分とは緊密に相関させることができる。したがって、これらの特定の実正規モードは、センサ導管内の材料に関連付けられたコリオリの力と、より緊密に相関させることが可能であるため、材料に関連付けられたパラメータの正確な推定値を生成するための情報を提供することができる。
1つの形式のコリオリ質量流量計センサ100の概念モデルが、図1に示されている。運動変換器105A、105B、105C、105D(たとえば速度変換器)は、材料108が導管103A、103Bを通って流れるときにアクチュエータ106によって振動させられる、センサ100の第1および第2の曲がり導管103A、103Bの相対的な運動を検出するために配置されており、運動変換器105A、105B、105C、105Dは運動信号109を生成する。図2に示された「直管」コリオリ流量計センサ200は、フランジ202部分でセンサ200に接続されたパイプライン207からの材料208を格納するように構成された導管203を含む。導管203を囲むハウジング204内では、アクチュエータ206が導管203を励振するように動作可能である。運動変換器205A、205B、205C、205D(たとえば速度変換器、加速度計、または他の運動感知デバイス)が、導管203に沿って配置される。運動変換器205A、205B、205C、205Dは、たとえば、アクチュエータ206によって与えられる駆動力、流れる材料208から生じるコリオリの力、材料208によって作用させられる圧力、ならびに、パイプライン207によって与えられる力や、パイプライン207に接続されたポンプ、コンプレッサ、および他の機器(図示せず)によって生成され、フランジ202を介して導管203に搬送される力などの、他の外部からの力を含むことのできる、複数の力Fに応答して、導管203の運動を表す運動信号209を生成する。
図1および2に示されたような流量計構造の場合、応答ベクトルxは、図1および2の運動変換器105A、105B、105C、105D、205A、205B、205C、205Dによって生成される運動信号109、209などの、構造に関連して動作可能な運動変換器によって生成される信号から構築することができる。たとえば、応答ベクトルxの運動信号値x1、x2、...、xnを生成するために、運動信号をサンプリングすることができる。実正規モード行列Φ、すなわち、物理運動ベクトルを複数の固有(SDOF)モードでの運動を表すモード運動ベクトルηに関係付ける固有ベクトル行列は、
のように特定することができる。
モード行列Φは、手探り技法または逆技法を含む幾つかの技法を使用して識別することができる。
モード行列Φは、手探り技法または逆技法を含む幾つかの技法を使用して識別することができる。
質量流量計の例
本発明の実施の形態によれば、モード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために選択的モードフィルタリング技法が使用され、次いでこの信号は位相推定値を生成するために使用され、さらにこの値が質量流量推定値を生成するために使用される。次に、本発明のこの態様に従った例示的な実施の形態、具体的に言えば、図2のセンサ200などの「直管」センサを使用する実施の形態について説明する。ただし当分野の技術者であれば、本発明が、図1に示されたセンサ100で使用される曲がり導管構造体、ならびに質量流量計、密度計などで使用される他の材料格納構造体にも適用可能であることを理解されよう。さらに当分野の技術者であれば、本発明が他の様々な構造体での運動の特徴付けにも適用可能であることを理解されよう。
本発明の実施の形態によれば、モード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために選択的モードフィルタリング技法が使用され、次いでこの信号は位相推定値を生成するために使用され、さらにこの値が質量流量推定値を生成するために使用される。次に、本発明のこの態様に従った例示的な実施の形態、具体的に言えば、図2のセンサ200などの「直管」センサを使用する実施の形態について説明する。ただし当分野の技術者であれば、本発明が、図1に示されたセンサ100で使用される曲がり導管構造体、ならびに質量流量計、密度計などで使用される他の材料格納構造体にも適用可能であることを理解されよう。さらに当分野の技術者であれば、本発明が他の様々な構造体での運動の特徴付けにも適用可能であることを理解されよう。
図3は、本発明の実施の形態に従った質量流量推定装置300を示す図である。装置300には、流量計センサ200の材料を収容した導管203、動作可能に関連付けられた運動変換器205A、205B、205C、205D、ならびに、運動変換器205A、205B、205C、205Dによって生成される運動信号305から質量流量推定値を生成するように動作可能な信号処理回路301が含まれる。センサ200の同じ構成要素を示すために図2および図3で同じ番号が使用されており、図2の説明に照らしてここでは詳細な説明を繰り返さないものとする。
信号処理回路301は、運動信号305を受信するように構成され、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号315を生成するために運動信号305のうち1つまたは複数の構成要素を選択的に通過させるように動作可能なモード選択フィルタ310を含む。信号処理回路301は、モード選択フィルタリング済み運動信号315に応答し、そこから複数の位相推定値325を生成するように動作可能な位相推定器320も含む。さらに信号処理回路301は、位相推定器320に応答して複数の位相推定値325から質量流量推定値335を生成する質量流量推定器330も含む。
図4は、本発明の実施の形態に従った、モード選択フィルタ410、位相推定器420、および質量流量推定器430の例示的な実施を示す図である。複数の運動信号405a、たとえば、動作可能なように導管または他の材料格納容器に関連付けられた速度変換器または他の運動変換器からのアナログ出力がサンプリングされ、A/D変換器440によってデジタル化されて、複数のデジタル運動信号405bを生成する。デジタル運動信号405bは、複数のモード選択フィルタリング済みデジタル運動信号415を生成するために、デジタルモード選択フィルタ410によって処理される。デジタル位相推定器420は、複数のモード選択フィルタリング済みデジタル運動信号415から、複数のデジタル位相推定値425を生成する。デジタル質量流量推定器430は、複数のデジタル位相推定値425からデジタル質量流量推定値435を生成する。図に示されるように、モード選択フィルタ410、位相推定器420および質量流量推定器430は、たとえばコンピュータ(たとえばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)または他のコンピューティングデバイス)と、関連付けられた記憶媒体(たとえば半導体メモリ磁気記憶装置および/または光記憶装置)との組合せであるデータプロセッサ450によって実行されるコンピュータ読取り可能プログラムコードとして実現され得る。
図5は、本発明の他の実施の形態に従った、例示的な質量流量推定装置500を示す図である。装置500には、図2を参照しながら説明した、直管センサ200の材料格納を収容した導管203および動作可能に関連付けられた運動変換器205A、205B、205C、205Dが含まれ、図2の説明に照らしてここでは詳細な説明を繰り返さないものとする。信号処理回路501には、センサ200によって生成された運動信号505を受信し、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号515を生成するために、運動信号505のうち1つまたは複数の構成要素を選択的に通過させるように動作可能なように構成されたモード選択フィルタ510が含まれる。さらにモード選択フィルタ510は、少なくとも1つのモード運動信号517、すなわち、導管203の少なくとも1つの固有(SDOF)モードによって定義されたモード領域内の導管203の運動を表す少なくとも1つの信号を生成するようにも動作可能である。モード選択フィルタ510は、センサ200のモード特徴付けから導出されることが好ましい。
さらに信号処理回路501は、モード選択フィルタ510に応答して、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号515から複数の位相推定値525を生成するように動作可能な位相推定器520も含む。信号処理回路501は、位相推定器520に応答して、モード周波数推定器540によって生成された少なくとも1つのモード周波数推定値545を使用して複数の位相推定値525から質量流量推定値535を生成する質量流量推定器530も含む。モード周波数推定器540は、少なくとも1つのモード運動信号517に応答して、少なくとも1つのモード周波数推定値545を生成する。さらに信号処理回路501は、密度推定値555を生成するために少なくとも1つのモード周波数推定値545に応答する密度推定器550をも含む。
図6は、本発明の実施の形態に従って、複数の運動信号605から質量流量および密度を推定するように動作可能な装置600を示す図である。装置600には、モード選択フィルタ610、位相推定器620、質量流量推定器630、モード周波数推定器640および密度推定器650が含まれる。モード選択(または「モード通過」)フィルタ610は、式(1)を参照しながら上記で述べたように、複数の運動信号605を、運動を複数の固有モードで表す複数のモード運動信号613に変換するモード変換612を含む。モード選択フィルタ610は、複数のモード運動信号613をモード領域外で選択的に変換して、1つまたは複数の所望のモードに関連付けられた元の運動信号615の構成要素が他の望ましくない固有モードに関連付けられた構成要素に対して優先的に通過させられるようにフィルタリングされたモード選択フィルタリング済みモード信号615を生成するモード選択変換614をも含む。モード運動信号613はモード周波数推定器640に渡され、これが1つまたは複数のモード周波数推定値645を生成する。
モード選択フィルタリング済み運動信号615は位相推定器620に渡され、ここで、複数の運動信号605から導出された位相基準を使用して複数の位相推定値625が生成される。たとえば、図7を参照して以下で詳細に述べるように、位相基準は、1つまたは複数のモード選択フィルタリング済み運動信号615から導出することができる。あるいは、位相基準は、モード周波数推定器640によって1つまたは複数のモード運動信号613から生成された1つまたは複数のモード周波数推定値645から導出することもできる。
位相推定値625は、時間差推定器632および空間積分器634を含む質量流量推定器630に渡される。時間差推定器632は、モード周波数推定器640によって生成された1つまたは複数のモード周波数推定値645を使用して、複数の位相推定値625から複数の時間差推定値633を生成する。時間差推定器640は、ゼロフロー基準時間差631、すなわち他の質量流量での測定を誤らせる可能性のあるゼロ質量流量条件下での時間差を表す値を使用して、こうした「ゼロオフセット」が修正された時間差633を生成することもできる。以下で述べるように、モード周波数推定器640によって駆動モード周波数の推定値が生成され、位相推定値をこの推定された駆動モード周波数で割ることによって、未修正の時間差推定値を導き出すことができる。次いで、時間差推定値633を生成するために、ゼロフロー基準時間差631を使用して(たとえばそれから引き算して)、未修正の時間差推定値を修正することができる。
時間差推定器632によって生成された時間差推定値633は、空間積分器634に送られる。以下で詳細に述べるように、空間積分器634は、複数の時間差推定値633を既知の質量流量に対応する複数の基準時間差637に関係付ける、スケーリングベクトル関数の勾配パラメータを決定することができる。その後、この勾配パラメータを使用して、既知の質量流量から質量流量推定値635を生成することができる。
さらに図6に示されるように、密度推定器650はモード周波数推定値645を使用して、質量流量が決定される材料の密度の推定値も生成することができる。密度推定器650は、非モード選択フィルタリング済み変換器信号から密度推定値655を生成する際に使用されるものと同様の技法を使用することができる。たとえば、本発明の実施の形態によれば、密度推定値は、前述の特許で使用された従来の周波数推定に代わってモード周波数推定値を使用することにより、生成することができる。
図7〜9は、図6の様々な構成要素を実現するための構造例を示す図である。図6のモード選択フィルタ610、位相推定器620、質量流量推定器630、モード周波数推定器640ならびに図7〜9の構造体は、たとえば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、または他のコンピューティングデバイス上で実行される実行可能モジュール、サブルーチン、オブジェクトおよび/または他のタイプのソフトウェアおよび/またはファームウェアとして、デジタル領域で実現可能であることが理解されよう。こうした実施では、モード運動信号613、モード選択フィルタリング済み運動信号615、および位相推定値633などの「信号」は、記載された関数を実施するために計算が実行され且つ計算間隔で生成されるデジタル信号値のベクトルを含むことができる。ただし、理解されように、これら信号のすべてまたは一部は、一般にデジタルまたはアナログであってよく、そこで実行される動作は、特定用途向けデジタルハードウェアおよび/または類似のアナログハードウェアによって実行可能である。
図7は、本発明の実施の形態に従った位相推定器700の一例を示す図である。位相推定器700には、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号7011、7012、...701nのうちの、1つのモード選択フィルタリング済み運動信号7011の周波数を推定する周波数推定器710が含まれる。周波数推定器710は、推定された周波数を有し、相互に位相が直角の、第1および第2の(たとえば、正弦および余弦の)基準信号725a、725bを生成する直角位相基準信号生成器720に適用される周波数推定値715を生成する。周波数推定器710は、たとえば周波数推定値715を決定するように動作可能なデジタル方式で実施される適応ノッチフィルタであってよく、直角位相基準信号生成器720は、「ひねり」関数を使用して直角位相基準信号725a、725bを生成することができる。ただし、理解されるように、位相および直角位相基準信号を生成するための他のデジタルおよびアナログ信号処理技法を含む他の技法を使用して、周波数推定値715および/または直角位相基準信号725a、725bを生成することができる。たとえば、図7に示されたようにモード選択フィルタリング済み信号から周波数推定値715を生成するのではなく、周波数推定値は、図6のモード周波数推定器640によって生成される1つまたは複数のモード周波数推定値645などのモード周波数推定値であってよい。
第1および第2の位相基準信号725a、725bは、そのそれぞれが、モード選択フィルタリング済み運動信号7011、7012、...701nのそれぞれから、それぞれの位相推定値7351、7352、...735nを生成する複数の位相計算器7301、7302、...730nに印加される。その後、位相推定値7352、...735nは、複数の正規化された位相推定値7451、7452、...745nを生成するために、ノーマライザ740によって、位相推定値位相推定値のうちの1つ7351を基準にして正規化される。その後、正規化された位相推定値7451、7452、...745nを使用して、図6に関して上記で説明したように、質量流量を推定することができる。
再度図6を参照すると、モード周波数推定器640は、図7に関して上記で説明したものと同様の周波数推定技法を使用することができる。たとえば、周波数決定適応ノッチフィルタリング技法を使用して、モード運動信号617のうち少なくとも1つに関して少なくとも1つの周波数推定値645を生成することができる。
図8には、合成された直角位相(たとえば正弦および余弦)基準信号725a、725bを使用して、モード選択フィルタリング済み運動信号701jを復調するための計算動作の例が示されている。モード選択フィルタリング済み運動信号701jは、直角位相基準信号725a、725bそれぞれと別々に乗算され、実数成分信号805bおよび虚数成分信号805aが生成される。次に、逆正接計算器810が、実数成分信号805bおよび虚数成分信号805aの逆正接を計算して、位相推定値735jを生成する。好ましいことに、実数成分信号805bおよび虚数成分信号805aは、信号805b、805aの非DC成分が減衰されるように、逆正接計算器810へ適用する前にフィルタリングされる。
図9は、本発明の実施の形態に従って、修正済み時間差推定値633を生成するための計算構造の一例を示す図である。位相推定値のベクトル625(正規化され得る)が、好ましくは駆動モードに関連付けられた1つまたは複数の周波数である推定済みモード周波数645によって除算される。その結果生じる時間差のベクトル915は、対応するゼロフロー基準時間差のベクトル631を減じることによって修正され、修正済み時間差推定値のベクトル633が生成される。あるいは、上記で述べた位相推定値7351、7352、...735nからゼロフローに関連付けられた位相値のベクトルを減じることによって、同様の修正を達成することができる。
時間差推定値の空間積分
本発明の他の態様によれば、前述の修正済み時間差推定値などの時間差推定値は、質量流量推定値を生成するために「空間積分」手順を使用して処理することができる。以下で説明する本発明の様々な実施の形態によれば、既知の質量流量に関連付けられた時間差推定値を既知の質量流量に関連付けられた基準時間差に関連付ける勾配パラメータを決定するために、閉じた形の擬似逆関数技法および反復技法を含む。数多くの技法を使用することができる。この勾配パラメータを使用して、未知の質量流量の推定値を生成することができる。
本発明の他の態様によれば、前述の修正済み時間差推定値などの時間差推定値は、質量流量推定値を生成するために「空間積分」手順を使用して処理することができる。以下で説明する本発明の様々な実施の形態によれば、既知の質量流量に関連付けられた時間差推定値を既知の質量流量に関連付けられた基準時間差に関連付ける勾配パラメータを決定するために、閉じた形の擬似逆関数技法および反復技法を含む。数多くの技法を使用することができる。この勾配パラメータを使用して、未知の質量流量の推定値を生成することができる。
前述の1998年7月16日出願の米国特許出願第09/116410号に記載されるように、既知の質量流量Fcでの時間差値のベクトルYeが識別され、未知の質量流量は、スカラ乗算によってこの基準時間差ベクトルYeに関して記述可能である。すなわち、未知の質量流量に関する推定済み時間差のベクトルXeは、基準時間差ベクトルYeを生成するためにスケーリング因数a(以下、「勾配パラメータ」と呼ぶ)によってスケーリング可能である。未知の質量流量を決定するために、既知の質量流量Fcに勾配パラメータaが乗算される。基準時間差ベクトルYeと時間差推定値ベクトルXeの関係は
のように表すことができる。
式(2)を再構成すると、
式(2)を再構成すると、
となり、拡大行列Zは、基準時間差ベクトルYeを1の列で拡大することによって形成される。式(3)は、時間差推定値ベクトルXeを拡大行列Zの擬似逆関数Wで事前に乗算することによって、スケーリングベクトルcに対して
のように解くことが可能であり、
行列逆演算子(−1)は擬似逆関数を表すために使用される。ベクトルcに対して解き、Fcにベクトルcの勾配パラメータを掛けることにより、質量流量の推定値を算出することができる。
行列逆演算子(−1)は擬似逆関数を表すために使用される。ベクトルcに対して解き、Fcにベクトルcの勾配パラメータを掛けることにより、質量流量の推定値を算出することができる。
図10および11は、本発明の様々な実施の形態に従って、複数の時間差推定値から質量流量推定値を生成するための動作例を示す流れ図である。当分野の技術者であれば、これらの流れ図の動作がコンピュータ命令を使用して実施できるものであることを理解されよう。これらの命令は、例示された動作を実行するように動作可能な装置(システム)を作成するために、図4のデータプロセッサ450などのコンピュータまたは他のデータ処理装置上で実行可能である。コンピュータ命令は、コンピュータまたは他のデータ処理装置に対して例示された動作を実行するように指示することのできる、たとえば、集積回路メモリ、磁気ディスク、テープなどのコンピュータ読取り可能媒体上にコンピュータ読取り可能プログラムコードとして格納することも可能であり、こうして、例示された動作を実行するための手段が提供される。コンピュータ読取り可能プログラムコードは、装置に対してコンピュータ実施プロセスを実行させるために、コンピュータまたは他のデータ処理装置上でも実行可能である。したがって、図10および11は、例示された動作を実行するための装置(システム)、コンピュータプログラム製品および方法をサポートするものである。
図10は、本発明の実施の形態に従って、前述の内容に沿って時間差推定値のベクトルXeから質量流量推定値を生成するための動作1000を示す図である。1の列によって拡大された既知の質量流量Fcに関連付けられた基準時間差のベクトルYeを含む拡大行列Zの擬似逆関数Wが決定される(ブロック1010)。拡大行列Zおよび擬似逆関数Wの決定は、コンピュータの負荷を減らすために、たとえば較正時などに間欠的に実行することができる。時間差推定値のベクトルXeに擬似逆関数行列Wを乗じて、勾配パラメータaおよび切片パラメータbを含むスケーリングベクトルcを生成する(ブロック1020)。次に、勾配パラメータaに既知の質量流量Fcを掛けて、質量流量推定値を生成する(ブロック1030)。質量流量推定値は他の処理も可能であって、たとえば、質量流量推定値と一定期間に渡って決定された他の質量流量推定値との平均を取り、フィルタリング済み質量流量測定値を生成することが可能であることを理解されよう(ブロック1040)。切片パラメータbは、たとえば、システムの変化を検出するために監視することもできる(ブロック1050)。
以下で詳細に論じるように、ベクトルcの切片パラメータbを監視することにはいくつかの利点がある。ただし、質量流量推定値を生成するために、切片パラメータbを計算することは必ずしも必要でない。式(2)は、切片パラメータbを使わないと、
のように書き直すことができる。
式(5)は、位相の正規化を補償せずに、時間差推定値ベクトルXeの形状を基準時間差ベクトルYeの形状と一致させるための試みとみなすことができる。式(5)は、基準時間差ベクトルXeおよび時間差推定値ベクトルYeが任意に正規化された場合に働くことができ、時間差推定値Xeを決定する前にすべての位相が基準位相によって正規化された場合に、より良い結果を生成することができる。勾配パラメータaについて解くために、
式(5)は、位相の正規化を補償せずに、時間差推定値ベクトルXeの形状を基準時間差ベクトルYeの形状と一致させるための試みとみなすことができる。式(5)は、基準時間差ベクトルXeおよび時間差推定値ベクトルYeが任意に正規化された場合に働くことができ、時間差推定値Xeを決定する前にすべての位相が基準位相によって正規化された場合に、より良い結果を生成することができる。勾配パラメータaについて解くために、
の関係を使用することができる。
図11は、本発明の実施の形態に従って、切片パラメータbを決定せずに質量流量推定値を生成するための動作1100を示す図である。既知の質量流量Fcに関連付けられた基準時間差のベクトルYeの擬似逆関数Ye −1が決定される(ブロック1110)。擬似逆関数Ye −1の決定は、コンピュータの負荷を減らすために、たとえば較正時などに間欠的に実行することができる。時間差推定値のベクトルXeに擬似逆関数Ye −1を掛けて、勾配パラメータaを決定する(ブロック1120)。次に、勾配パラメータaに既知の質量流量Fcを掛けて、質量流量推定値を生成する(ブロック1130)。質量流量推定値は他の処理も可能であって、たとえば、質量流量推定値と一定期間に渡って決定された他の質量流量推定値との平均を取り、フィルタリング済み質量流量測定値を生成することが可能であることを理解されよう(ブロック1140)。
図12および13は、質量流量推定値を生成するために切片パラメータbの決定が必要でないことを示す、本発明の実施の形態に従ったプロトタイプのコリオリ質量流量計に関する試験結果を示すグラフである。特に、図12および13は、前述のそれぞれの擬似逆関数方法(すなわち、それぞれ切片パラメータbを決定する方法と決定しない方法)を使用して当該時間間隔(およそ10〜30秒)に渡って生成された質量流量推定値が、他の手段を使用して取得された時間間隔についての実験に基づく質量流量測定と同程度の一致を示すものであることを表している。
本発明の他の態様によれば、ベクトルcについて解くために、前述の擬似逆関数技法の代わりに反復技法を使用することができる。誤差の式
および関連付けられた費用関数
を定義することができる。傾斜法を使用して、式
によって与えられる傾斜で費用関数Jを所望のレベルまで減少させる解を見つけることができる。上記傾斜で費用関数Jの最小値に向かって小さなステップで進むことができる。k番目のステップで、
の関係を使用して、ベクトルの新しい推定値c(k)が生成される。ただし、ベクトルc(k−1)は先行するk−1の反復によって生成された結果を表し、γはこのプロセスへの適応率である。計算は、費用関数Jが所定のレベルに減じられるまで、繰り返し実行することができる。γは、収束を保証するためにゼロより大きく2より小さくなければならない。γの値は、一般に、収束率およびノイズに対する反復プロセスの感度に影響を与える。通常、γの値が大きいほどプロセスは速く収束するが、γの値が大きいと、ノイズに対する感度も上がり得る。γの最適な値は実験に基づいて決定することが可能であり、典型的な値は0.1である。
式(10)は、パラメータ推定値に対する最小2乗平均(LMS)方法を表す。潜在的には一層堅固な、この適応方法の正規化最小2乗平均(NLMS)も
のように使用することが可能である。ただし、
であり、αは、Zのノルムがゼロに達した場合に数字的に不安定になる可能性を減らすために含まれる定数である。数式11に収束を与えるためには、式(12)を満たしていなければならない。αの値は、小さな正の値であることが好ましく、実験に基づいて選択することができる。
図14は、本発明の実施の形態に従った動作1400を示す図であり、スケーリングベクトルcが前述の内容に沿って反復的に決定される。時間差推定値のベクトルXeが生成される(ブロック1410)。初期のスケーリングベクトル推定値c(k)が生成される(ブロック1420)。初期の値c(k)は、たとえばゼロ、または以前の値Xeから生成されたスケーリングベクトルcの最終推定値であってよい。各流量測定間で流量が大きく変化しないと想定すると、スケーリングベクトルcに対して以前に推定された値は、決定される新しい値に近くなければならないため、後者の選択によって収束速度が上がり得る。関連付けられた誤差L(k)および費用J(k)が、たとえば式(7)および(8)を使用して決定される(ブロック1440)。費用J(k)が、スケーリングベクトル推定値c(k)の受入れ可能な精度を示す所定の値より小さい場合は、質量流量の推定値を生成し(ブロック1450および1455)、時間差推定値の新しいベクトルXeが生成され得る(ブロック1410)。小さくない場合は、たとえば式(10)または式(11)を使用して、スケーリングベクトルc(k)の更新済み推定値が生成され(ブロック1460、1470)、新しい誤差および費用関数値が計算される(ブロック1430、1440)。
当分野の技術者であれば理解するように、本発明では、図14に関して記載された動作以外の動作も使用可能である。たとえば、多くの計算を組み合わせ、または変更できる。また、式(3)を解くために、前述のLMSおよびNLMS技法を上回る多くの異なる反復技法があることも理解されよう。
図15〜19は、本発明の様々な実施の形態に従った動作の例を示す流れ図である。当分野の技術者であれば理解するように、これらの流れ図の動作はコンピュータ命令を使用して実施可能である。これらの命令は、例示された動作を実行するように動作可能な装置(システム)を作成するために、図4のデータプロセッサ450などの、コンピュータまたは他のデータ処理装置上で実行可能である。また、コンピュータ命令は、コンピュータまたは他のデータ処理装置に対して図示の動作を実行するように指示し、こうして図示された動作を実行するための手段を提供することができる、たとえば、集積回路メモリ、磁気ディスク、テープなどのコンピュータ読取り可能媒体上に、コンピュータ読取り可能プログラムコードとして格納され得る。コンピュータ読取り可能プログラムコードは、装置にコンピュータ実施プロセスを実行させるために、コンピュータまたは他のデータ処理装置上でも実行可能である。したがって図15〜19は、図示された動作を実行するための装置(システム)、コンピュータプログラム製品および方法をサポートする。
図15に示された本発明の実施の形態によれば、構造体の運動に関連付けられた位相推定値を生成するための動作1500は、たとえば、図6に関して上記で説明したような技法を使用して、対応する複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するための、構造体の運動を表す複数の運動信号のモード選択フィルタリングを含む(ブロック1510)。次に、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から、複数の位相推定値が生成される(ブロック1520)。
図16に示された本発明の実施の形態に従った例示的な質量流量推定動作1600においては、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、導管の運動を表す複数の運動信号がモード選択フィルタリングされる(ブロック1610)。次に、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値が生成され(ブロック1620)、これを使用して質量流量推定値が生成される(ブロック1630)。
図17に示された本発明の他の実施の形態に従った例示的な差異推定動作1700では、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、構造体の運動を表す複数の運動信号がモード選択フィルタリングされる(ブロック1710)。第1のモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数が、たとえば、図7に関して上記で説明した適応ノッチフィルタリング動作を使用して決定される(ブロック1720)。次に、たとえば位相差推定値および/または時間差推定値などの差異推定値が、たとえば、図7に関して説明した復調動作を使用して、第2のモード選択フィルタリング済み運動信号から決定される(ブロック1730)。
図18は、本発明の他の実施の形態に従って質量流量推定値を生成するための動作1800を示す図である。たとえば時間差推定値または位相差推定値などの複数の差異推定値を生成するために、導管の運動を表す複数の運動信号が処理される(ブロック1810)。次に、複数の差異推定値を既知の質量流量に対応する複数の基準差異値に関係付ける勾配パラメータが推定され(ブロック1820)、推定された勾配パラメータおよび既知の質量流量から質量流量推定値が生成される(ブロック1830)。これらの動作は、たとえば、図10および11に関して上記で説明した動作を使用して実施され得る。
図19に示された本発明の他の実施の形態に従った例示的な密度推定動作1900においては、容器の少なくとも1つの振動モードによって定義されるモード領域における対応する運動を表す少なくとも1つのモード運動信号を生成するために、材料を収容した容器の運動を表す複数の運動信号に対してモード変換が適用される(ブロック1910)。次に、少なくとも1つのモード運動信号から少なくとも1つのモード周波数が決定され(ブロック1920)、たとえば、図6に関して上記で説明したように、少なくとも1つのモード周波数推定値から容器中の材料の密度が決定される(ブロック1930)。
システムステータスを検出するための空間的切片または他の相関尺度の監視
図10および11に関して上記で述べたように、スケーリングベクトルcの切片パラメータbは質量流量推定には必要でないが、運動変換器の障害、取付け条件の変化などの、システム変化を検出する際には役立ち得る。切片パラメータの潜在的な有用性は、図20A〜20Bおよび図21のグラフで示されている。図20A〜20Bはそれぞれ、およそ20秒での運動変換器の障害について、計算された質量流量および空間的切片パラメータにおけるシミュレーション変化を示すグラフであり、この特定の変換器の障害は、変換器によって生成された時間差推定値のベクトルにおける対応する要素をゼロにすることによってシミュレーションされる。図20Aに示されるように、変換器の損失によって、計算された質量流量に変化が生じると、質量流量における実際の変化であるとして誤って解釈される可能性がある。
図10および11に関して上記で述べたように、スケーリングベクトルcの切片パラメータbは質量流量推定には必要でないが、運動変換器の障害、取付け条件の変化などの、システム変化を検出する際には役立ち得る。切片パラメータの潜在的な有用性は、図20A〜20Bおよび図21のグラフで示されている。図20A〜20Bはそれぞれ、およそ20秒での運動変換器の障害について、計算された質量流量および空間的切片パラメータにおけるシミュレーション変化を示すグラフであり、この特定の変換器の障害は、変換器によって生成された時間差推定値のベクトルにおける対応する要素をゼロにすることによってシミュレーションされる。図20Aに示されるように、変換器の損失によって、計算された質量流量に変化が生じると、質量流量における実際の変化であるとして誤って解釈される可能性がある。
本発明の実施の形態によれば、切片パラメータにおける変化を使用して障害修正スキームを起動することができる。たとえば、図20Aおよび20Bに示されるように、拡大行列Zの擬似逆関数Wは、障害の発生した変換器に対応する行を削除することによって再計算され、新しい質量流量推定値を生成するために使用され得る。図20Aに示されるように、こうした修正は、およそ40秒で始まる質量流量推定値に対して実施され、改善された精度が達成できる。特に、図示された例の場合、こうした修正がない場合は4%の誤差が発生するのに対して、こうした修正によって0.5%の誤差が達成される。
5つの運動変換器のグループの各々の障害についての切片パラメータ値を示す図21に表されるように、運動変換器の障害は、典型的には、切片パラメータの対応する大きな変化によって知らされ得るものであり、質量流量の単なる変化に応答しては発生することのない現象である。取付けまたは他の条件における変化などの他のシステム変化も、切片パラメータの変化によって識別することができる。特に、図22は、プロトタイプのコリオリ質量流量計の構造に減衰が追加された後の、該流量計に関する切片パラメータの変化を示す図である。
切片パラメータは、本発明の実施の形態に従ってシステム変化を検出する際に使用され得る様々な異なる相関尺度のうちの1つである。一般に、スケーリングベクトルcが計算されると、前述の式(3)を適用して、基本ベクトル
に対する(前述のように生成された)時間差の「測定済み」ベクトルXeの最小2乗あてはめである時間差のベクトルXestを得ることができる。時間差の予測ベクトルXestは、様々な用途に使用できる相関尺度を生成するよう、時間差の測定済み推定値のベクトルXeと比較される。この比較は間欠的にまたは質量流量を計算する毎に実行され得る。
本発明の実現形態においては、時間差の予測ベクトルXestから相関係数rを生成してシステム変化を検出するのに使うことができる。
上式で、Nは、たとえば運動変換器信号の数などのデータ点の数である。相関係数rは、総変化に対する説明された変化の割合として、
のように定義される。
図23は、こうした相関係数が、具体的に言えば変換器障害の検出において、どのように使用できるかを示す図である。質量流量は、変換器#1〜#5によって生成された運動信号から生成された時間差推定値のベクトルXeを使用して、0から15秒の第1の時間間隔に渡って推定される。次に、その後生成された時間差推定値のベクトルXeが、15から30秒で1つの運動変換器(#2)に対応する運動信号値をゼロにすることによって、その時間でのその変換器の障害をシミュレーションして、摂動される。時間差推定値のベクトルXeは、#2変換器に関連付けられた運動信号値を2倍にすることによって、変換器における利得の変化または「ノイズの多い」変換器信号をシミュレーションして、45から60秒で再度摂動される。図23に示されるように、質量流量推定値は、#2変換器入力がゼロになったときにおよそ20質量ポンド/秒減少し、運動信号入力が2倍にされるとおよそ15質量ポンド/秒増加する。
標準の流量測定技法を使用すると、こうした変化が実際の質量流量変化または測定障害に起因するかどうかを伝えにくい場合がある。ただし、切片パラメータに関して上記で述べたものと同様の方法では、相関係数rを使用してこうしたシステムの変化を検出することができる。図23と同じ時間間隔に渡って相関係数rの挙動を示した図24に示されるように、相関係数rは、障害が発生した(ゼロになった)かまたはノイズの多い運動信号では、比較的大きな値の変化を示す場合がある。
推定値誤差は、システム状況の検出に使用できる他の相関尺度である。標準の推定値誤差Sx,yは、以下の式で表すことができる。
図23および24の時間間隔での標準の推定値誤差Sx,yの挙動を示す図25に示されるように、標準の推定値誤差Sx,yは、前述のシステム変化に対して大きな変化を示すことができる(サンプリング理論によれば、変換器入力数が少ない場合(たとえば6)、分母のNをN−2に置き換えることによってより精度を上げることができると示されていることに留意されたい)。
推定値測定誤差の他の特性は、特定の障害変換器のアイデンティティなどの障害の出所を決定するために活用できることである。標準の推定値誤差は、データセットの標準偏差に近似している、すなわち、時間の99.7%では、時間差推定値の推定値誤差は、予測される時間差のベクトルXestの標準推定値誤差Sx,yの3倍以内であると予測できる、とみなすことができる。したがって、それぞれの変換器に関連付けられたそれぞれの時間差推定値に対するそれぞれの推定値誤差をチェックして、それらが標準の推定値誤差の所定の倍数(たとえば3倍)以内であるかどうかを確認することができる。こうしたテストは、以下の不等式で表すことが可能であり、
上式を再構成して、以下の式を得ることができる。
障害変換器を識別するために、たとえば数式17および18の基準を、生成されたそれぞれの時間差推定値ベクトルのそれぞれの構成要素に適用することができる。障害変換器に関連付けられた特定の時間差推定値Xeの誤差(Xe−Xest)は、典型的には標準の推定値誤差の何倍にもなる。これについては、変換器グループの中の障害変換器#2についての、グループの標準の推定値誤差(この値は、便宜上、公称ベクトルを差し引くことによって正規化されている)に対する誤差(Xe−Xest)が示された、図26に示されている。図からわかるように、変換器#2に関連付けられた誤差は、グループの標準の推定値誤差領域から適度に(示された例では、図26のプロット上では見分けにくいほどわずかに約±0.07)外れている。
障害変換器について計算された質量流量は、いったん識別されれば修正することもできる。たとえば拡大行列Zは、障害変換器に関連付けられた行を削除することによって再度公式化できる。その後、再公式化された拡大行列Zを逆にすることによって、新しい擬似逆関数行列Wを形成することができる。次に、新しい擬似逆関数行列Wによって障害変換器に関連付けられた行がゼロになった、大きさが減じられた時間差推定値のベクトルXeを事前に乗算して、質量流量を推定することができる。質量流量推定値のこうした修正は、図27に示されている。
本発明の実施の形態によれば、流量計装置は、切片パラメータ、相関係数、標準の推定値誤差、またはシステム状況を検出するための他の相関尺度を監視することができる。たとえば、切片パラメータにおいて大きな変化を検出した場合、特定の障害変換器が識別可能であり、モード選択フィルタおよび/または差異推定値を生成するために装置が使用する擬似逆関数行列を再計算して、障害変換器について補償することができる。同様に、標準の推定値誤差によって画定された領域の外へ出た特定の変換器に関連付けられた時間差推定値の誤差を使用して、変換器の障害を検出し、修正アクションを起動することが可能である。
図28は、本発明の実施の形態に従ってシステム状況を検出するための動作2800を示す図である。複数の差異推定値、たとえば前述のような時間差推定値のベクトルXeが生成される(ブロック2810)。切片パラメータ、相関係数、または推定値誤差などの相関尺度が決定される(ブロック2820)。決定された相関尺度からシステム状況が決定される(ブロック2830)。
図29は、本発明の他の実施の形態に従った例示的動作2900を示す図である。時間差推定値のベクトルXeが生成される(ブロック2910)。切片パラメータ、相関係数、または推定値誤差などの相関尺度が決定される(ブロック2920)。相関尺度の変化が所定の基準に合致する場合は、障害変換器が識別される(ブロック2930、2940)。障害変換器が識別された後、拡大行列Zの該当する要素をゼロにして、その後の質量流量および他の計算で使用するために擬似逆関数行列Wを再計算することができる(ブロック2950、2960、2910)。この方法では、その後の質量流量推定値から障害変換器からの入力を除外することができる。
相関尺度に基づいて、他の修正アクションを実行することができる。たとえば、図30に示された本発明の実施の形態に従った例示的動作3000では、切片パラメータが監視され(ブロック3010)、切片パラメータ内の変化が所定の基準を満たしている場合、装置は、質量流量推定値の生成に使用するモード選択フィルタを再計算することができる(ブロック3020、3030)。切片パラメータの初期値からの最大偏差に基づいた基準、所定の時間間隔に渡る切片パラメータの平均偏差など、様々な変化基準を使用することができる。
当分野の技術者であれば、本発明が本明細書に記載された実施の形態以外のいくつかの他の方法で実施可能であることを理解されよう。たとえば、本明細書に記載された計算を別の計算として実施するか、またはこれらを同等の結果を達成する1つまたは複数の計算に組み入れることができる。本明細書に記載された関数は、一般に、デジタルおよび/またはアナログの信号処理技法を使用して実施することができる。また当分野の技術者であれば、本発明はコリオリ質量流量計などの装置内で実施可能であるか、またはこうした装置によって実行可能な方法として実施可能であるが、本発明は、処理中の制御装置などの、流量計またはセンサ装置に関連して動作するように構成された装置でも実施可能であることも理解されよう。さらに本発明は、磁気ディスク、集積回路メモリデバイス、磁気テープ、バブルメモリなどのコンピュータ読取り可能記憶媒体中のコンピュータ読取り可能命令またはプログラムコードの形で、製品において実施可能であることも理解されよう。こうしたコンピュータプログラムコードは、コンピュータまたは他のデータプロセッサによって実行可能であり、導管または他の容器などの構造体に関連して動作可能な運動変換器から供給される運動信号に応答して実行可能である。
以上図面および本明細書では、本発明の典型的な好ましい実施の形態について開示されており、特有の用語が使用されているが、これらは限定する目的ではなく総称的かつ記述的な意味でのみ使用されたものであり、本発明の範囲については添付の特許請求の範囲に記載されている。
Claims (10)
- 1つ以上の導管(103A、103B、203)の運動を表す複数の運動信号(109)を生成するように動作可能な複数の運動変換器(105A〜D、205A〜D)と、
前記1つ以上の導管(103A、103B、203)の運動を表す前記複数の運動信号をフィルタリングするモード選択フィルタ(310、610)であって、複数のモード選択フィルタリング済み運動信号(315)を、該モード選択フィルタリング済み運動信号が前記1つ以上の導管(103A、103B、203の振動モードに関連付けられた運動を表すように生成するモード選択フィルタ(310、610)と、
を備える振動センサ(100)であって、
前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値(325)を生成するための位相推定器(320、420、520、620、700)を具備することを特徴とする振動センサ(100)。 - 前記複数の位相推定値からから質量流量推定値(335)を生成するための質量流量推定器(330)をさらに含む、請求項1に記載の振動センサ(100)。
- 前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号間で複数の時間差推定値(633)を生成するための時間差推定器(632)と、
前記複数の時間差推定値から相関尺度を生成するための空間積分器(634)と、
生成された前記相関尺度から質量流量計システムのステータスを決定するためのデータ・プロセッサ(450)と、
をさらに含む、請求項1に記載の振動センサ(100)。 - モード選択フィルタリングのための前記の装置が、
モード座標領域内で複数のモード応答信号を生成するために、前記複数の運動信号に対してモード変換を適用するためのモード変換(612)と、
前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するために、前記複数のモード応答信号に対してモード選択変換を適用するためのモード選択変換(614)と、
を含む、請求項1に記載の振動センサ(100)。 - 複数の位相推定値を生成するための前記の装置が、
前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号のうち1つのモード選択フィルタリング済み運動信号の周波数を推定するための周波数推定器(710)と、
推定された前記周波数に基づいて、直角位相の第1および第2の基準信号を生成するための直角位相基準信号生成器(720)と、
前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号、前記第1の基準信号および前記第2の基準信号から、前記複数の位相推定値を生成するためのノーマライザ(740)と、
を含む、請求項1に記載の振動センサ(100)。 - 前記複数の位相推定値から複数の時間差推定値を生成するための時間差推定器(632)をさらに含む、請求項1に記載の振動センサ(100)。
- 前記複数の時間差推定値から質量流量推定値を生成するための質量流量推定器(630)をさらに含む、請求項6に記載の振動センサ(100)。
- 前記複数の時間差推定値を、既知の摂動の下での前記1つ以上の導管(103A、103B、203)の運動を表す複数の基準時間差に関連付けるスケーリング関数のパラメータを推定するための装置をさらに含む、請求項6に記載の振動センサ(100)。
- 請求項1に記載の振動センサを動作させる方法であって、
複数の運動変換器が前記1つ以上の導管の運動を推定するステップと、
モード選択フィルタが、前記1つ以上の導管の運動を表す複数の運動信号をモード選択フィルタリングするステップと、
前記モード選択フィルタが、前記1つ以上の導管の振動モードに関連付けられた運動を表す複数のモード選択フィルタリング済み運動信号を生成するステップと、
を含み、
位相推定器が前記複数のモード選択フィルタリング済み運動信号から複数の位相推定値を生成するためのステップ
をさらに含むことを特徴とする方法。 - 前記複数の位相推定値から質量流量推定値を生成するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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