JP2011046944A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの目詰まりがなく、速乾性に優れ、紙媒体の変形を引き起こさずに高品質な画像を紙媒体に形成できるインクジェットインクを提供する。
【解決手段】顔料と、水性液体と、油性液体と、前記水性液体および前記油性液体に可溶な特定の2価アルコールを含有する。油性液体の少なくとも一部は、下記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールである。[一般式(AA)中、Raは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、Rbは−O−または−CHO−であり、Kは0または1である。]前記2価アルコールとしては、特定のアルキレンジオール(DA)、(ポリ)エチレングリコール(EO)、(ポリ)プロピレングリコール(PO)の群から選択される。
Figure 2011046944

【選択図】なし

Description

ここに記載する実施形態は、一般的にはインクジェットインクに関する。
近年、顔料を水性媒体に分散させたインクが提案されている。従来の水溶性染料を用いたインクと比較して、顔料を用いたインクは耐水性や耐光性に優れている。
しかしながら、紙媒体への記録に適したインクジェット記録用インクであって、間欠吐出におけるインクの目詰まりがなく、速乾性に優れ、紙媒体の変形を引き起こさずに高品質な画像を紙媒体に形成できる顔料インクは、未だ得られていない。
USP5,531,816 特開2006−56931号公報
本発明は、間欠吐出におけるインクの目詰まりがなく、速乾性に優れ、紙媒体の変形を引き起こさずに高品質な画像を紙媒体に形成できるインクジェットインクを提供することを目的とする。
一般的には、一実施形態によれば、インクジェットインクは,顔料と、水性液体と、油性液体と、前記水性液体および前記油性液体に可溶な2価アルコールとを含有する。水性液体はインクジェットインクの10〜70wt%を占め、油性液体はインクジェットインクの70〜10wt%を占める。油性液体の少なくとも一部は、下記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールである。
Figure 2011046944
aは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、Rbは−O−または−CH2O−であり、kは0または1である。
前記2価アルコールは、下記一般式(DA)で表わされる化合物、下記一般式(EO)で表わされる化合物、および下記一般式(PO)で表わされる化合物からなる郡から選択される。
Figure 2011046944
Rcは炭素数3〜6のアルキレン基であり、nは1〜10、mは2〜5である。
実施の一形態を適用するインクジェット記録装置の一例である。
以下、実施形態を具体的に説明する。
図1に示すインクジェット記録装置においては、用紙カセット100および101は、サイズの異なる用紙Pを収容している。供紙ローラ102または103は、選択された用紙サイズに対応した用紙Pを用紙カセット100または101から取り出し、搬送ローラ対104、105およびレジストローラ対106に搬送する。
搬送ベルト107は、駆動ローラ108と2本の従動ローラ109とによって張力が与えられている。搬送ベルト107の表面には所定間隔で穴が設けられ、搬送ベルト107の内側には用紙Pを搬送ベルト107に吸着させるため、ファン110に連結された負圧チャンバ111が設置されている。搬送ベルト107の用紙搬送方向下流には、搬送ローラ対112、113、および114が設置されている。
搬送ベルト107の上方には、画像データに応じてインクを用紙に吐出するインクジェットヘッドが4列配列されている。上流から、シアン(C)インクを吐出するインクジェットヘッド115C、マゼンタ(M)インクを吐出するインクジェットヘッド115M、イエロー(Y)インクを吐出するインクジェットヘッド115Y、ブラック(Bk)インクを吐出するインクジェットヘッド115Bkの順である。さらに、インクジェットヘッド115C、115M、115Y、および115Bkには、対応したインクが収容されているシアン(C)インクカートリッジ116C、マゼンタ(M)インクカートリッジ116M、イエロー(Y)インクカートリッジ116Y、ブラック(Bk)インクカートリッジ116Bkが設けられている。カートリッジは、それぞれチューブ117C、117M、117Y、117Bkによって、インクジェットヘッドに連結されている。
こうした構成のインクジェット記録装置の画像形成動作について述べる。
まず、画像処理手段(図示しない)により記録のための画像処理が開始され、記録のための画像データが各インクジェットヘッド115C、115M、115Y、115Bkに転送される。また、用紙カセット100または101から給紙ローラ102または103により選択された用紙サイズの用紙Pを一枚ずつ取り出し、搬送ローラ対104、105およびレジストローラ対106に搬送する。レジストローラ対106は用紙Pのスキューを補正し、所定のタイミングで搬送を行なう。
負圧チャンバ111は搬送ベルト107の穴を介して空気を吸い込んでいるので、用紙Pは搬送ベルト107に吸着された状態でインクジェットヘッド115C、115M、115Y、115Bkの下側を搬送される。このことで、インクジェットヘッド115C、115M、115Y、115Bkと用紙Pとは一定の間隔を保つことができる。レジストローラ対106から用紙Pが搬送されるタイミングに同期させて、各インクジェットヘッド115C、115M、115Y、115Bkから各色のインクを吐出させる。こうして、用紙Pの所望に位置にカラー画像が形成される。画像が形成された用紙Pは搬送ローラ対112、113および114によって排紙トレイ118に排紙される。
各インクカートリッジには、一実施形態にかかるインクジェットインクが収容される。
本実施形態にかかるインクジェットインクは、水性液体と油性液体と、これらの双方に可溶な特定の2価アルコールと顔料とを含有している。顔料は、特定の2価アルコールが可溶した水性液体と油性液体との混合液中に分散される。
そのような混合液が分散媒として用いられるので、本実施形態にかかるインクジェットインクは、水性インクと油性インクとの両方の特性を有している。すなわち、本実施形態のインクは、速乾性に優れ、紙媒体の変形を抑制しつつ、高品質の画像を紙媒体に形成することができる。しかも、インク中における顔料の分散安定性が優れているので、プリンターヘッドのノズルから安定して吐出することが可能である。
本明細書において、紙媒体とは、一般的には、印刷されることを目的に使用される紙製の媒体をさす。印刷特性を高めるための材料が塗布されたアート紙やコート紙などの塗工用紙と、紙自体の特性を生かした非塗工用紙とに大別される。紙媒体は、本、書籍、新聞、包装、およびプリンター用紙など、種々の用途に用いられる。また、段ボール、紙製の容器、およびボール紙などの厚紙も紙媒体に含まれる。例えば、オフィスや家庭で使用する複写機、プリンターに使用されるコピー用紙のような、いわゆる普通紙は、典型的な紙媒体である。
上述したように一実施形態においては、特定の2価アルコールが可溶することにより水性液体と油性液体とが混合され、この混合液中に顔料が分散される。
顔料は特に限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれを用いてもよい。無機顔料としては、例えば酸化チタンおよび酸化鉄が挙げられる。さらに、コンタクト法、ファーネス法、またはサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
ブラックインクとして使用されるカーボンブラックとしては、具体的には、No.2300,No.900,MCF88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B等(三菱化学製)、Raven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等(コロンビア社製)、Regal 400R,Regal 330R,Regal 660R,Mogul L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400等(キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200, Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,PrintexV,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,およびSpecial Black 4等(デグッサ社製)などが挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、具体的には、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 12,C.I.Pigment Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 14C,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 17,C.I.Pigment Yellow 73,C.I. Pigment Yellow 74,C.I.Pigment Yellow 75,C.I.Pigment Yellow 83,C.I.Pigment Yellow93,C.I.Pigment Yellow95,C.I.Pigment Yellow97,C.I.Pigment Yellow 98,C.I.PigmentYellow 109,C.I.Pigment Yellow 110,C.I.Pigment Yellow 114,C.I.Pigment Yellow 128,C.I.Pigment Yellow 129,C.I.Pigment Yellow 138,C.I.Pigment Yellow 150,C.I.Pigment Yellow 151,C.I.Pigment Yellow 154,C.I.Pigment Yellow 155,C.I.Pigment Yellow 180,およびC.I.Pigment Yellow 185等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、具体的には、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigment Red 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 57:1,C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 122,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pigment Red 168,C.I.Pigment Red 184,C.I.Pigment Red 202,およびC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、具体的には、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I. Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:4,C.I.Pigment Blue 15:34,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Pigment Blue 60,C.I.Vat Blue 4,およびC.I.Vat Blue 60が挙げられる。
インクジェットインクであるので、顔料の平均粒径は10〜300nm程度の範囲内であることが好ましい。さらに顔料の平均粒径は、10〜200nm程度の範囲内であることがより好ましい。
顔料の平均粒径は、動的光散乱法を用いた粒度分布計を用いて測定することができる。粒度分布計としては、例えば、HPPS(マルバーン社)が挙げられる。
顔料は、顔料分散体の状態で用いることができる。顔料分散体は、例えば、分散剤により水やアルコール中などに顔料を分散させて調製することができる。分散剤としては、例えば、界面活性剤、水溶性樹脂、および非水溶性樹脂などが挙げられる。あるいは、分散剤を使用せずに、水等に分散可能な自己分散顔料の形態として用いてもよい。自己分散顔料の形態とは、分散剤なしに水等に分散可能な顔料であり、顔料に表面処理を施して、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、およびスルホン基の少なくとも一種の官能基またはその塩を結合させた顔料である。表面処理としては、例えば、真空プラズマ処理、ジアゾカップリング処理、および酸化処理等が挙げられる。こうした表面処理により官能基または官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって、自己分散顔料が得られる。
エタノールやプロパノールなどの炭素数3以下の1価の脂肪族アルコールは、水性液体および油性液体の両方に可溶であり、分散媒の相分離を抑制する。したがって、こうした1価の脂肪族アルコールに顔料が分散された場合には、インクの保存安定性を高めることができる。
インク中における顔料の含有量は、インク全量の2〜20wt%の範囲が好ましい。この範囲内であれば、インクの保存性や吐出性能に関して不都合を伴なうことなく、必要な画像濃度を有する印刷物を形成することができる。インク中における顔料の含有量は、3〜10wt%の範囲がより好ましい。
顔料分散体と、所定の混合液からなる分散媒とを配合することによって、本実施形態にかかるインクジェットインクが得られる。分散媒は、それぞれ所定の量で配合された水性液体および油性液体と、これら双方に可溶な特定の2価アルコールとを含む。分散媒は、水性液体と油性液体との可溶化液ということができる。こうした分散媒が用いられるので、本実施形態のインクは、水性インクの利点と油性インクの利点とを有している。すなわち、紙媒体へのインクの浸透は、水性インクより迅速となって油性インクのレベルに近づけることできる。紙媒体からのインクの乾燥も同様に、水性インクよりも迅速となって油性インクのレベルに近づけることできる。カールやコックリングなどの紙媒体へ与える影響は、水性インクを用いた場合よりも低減される。しかも、水性インク並みの高品質の画像を形成することができる。
本実施形態のインクにおいて、水性液体の含有量は、インク全量の10〜70wt%に規定される。水性液体の含有量が10wt%未満の場合には、油性液体の作用が大きくなりすぎて、紙媒体へのインクの浸透を抑制するのが難しくなる。水性液体の含有量が70wt%を超えると、得られる画像の品質は高められるものの、所望の浸透力を確保することができない。インクの浸透による乾燥も遅くなる。
水性液体の少なくも40wt%は、水であることが望まれる。水性液体の全量が水の場合には、顔料の分散安定性に及ぼす影響がより小さくなるので、インク保存安定性が高められる。
水性液体の含有量は、紙媒体の変形の程度との関連が大きく、水自体は紙媒体の変形を生じさせる。紙中へ浸透する水性液体の量が多いと、紙媒体の変形も大きくなる。これを避けるためにも、インク中における水性液体の含有量は、70wt%以下に規定される。水性液体は、インク全量の20〜40wt%であることが好ましい。
水性液体は、水溶性化合物を含むことができる。この場合には、インクの粘度を調整し、保存性、保湿性が高められるといった利点が得られる。インクの吐出安定性も、よりいっそう高められる。
水溶性化合物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、3−メチルー1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、マンニトール、およびマルチトールなどが挙げられる。
本実施形態のインクにおいて、油性液体の含有量は、インク全量の70〜10wt%に規定される。油性液体の含有量が70wt%を超えると、得られる画像の品質が劣化する。一方、油性液体の含有量が10wt%未満の場合には、水性液体の作用が大きくなって速乾性が低下する。また、紙媒体の変形も生じやすくなる。油性液体の含有量は、インク全量の60〜20wt%が好ましい。
油性液体の少なくとも一部は、下記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールである。
Figure 2011046944
ここで、Raは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、Rbは−O−または−CH2O−であり、kは0または1である。
炭化水素基Raとしては、例えば、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−CH(CH3)CH2−、および−CH2CH(CH3)−等が挙げられる。
より具体的には、一般式(AA)で表わされる化合物としては、例えば、ベンジルアルコール(Cas.100−51−6)、2−フェニルエチルアルコール(Cas.60−12−8)、3−フェニル−1−プロパノール(Cas.122−97−4)、4−フェニル−1−ブタノール(Cas.3360−41−6)、2−フェニル−1−プロパノール(Cas.1123−85−9)、1−フェニル−2−プロパノール(Cas.14898−87−4)、フェノキシエタノール(Cas.122−99−6)、フェノキシプロパノール(Cas.770−35−4、Cas.4169−04−4)、フェニルジグリコール(Cas.104−68−7)、およびベンジルグリコール(Cas.622−08−2)などが挙げられる。
インクの保存安定性および吐出性能を考慮すると、特に好ましいのは、ベンジルアルコール(Ra:−CH2−、k=0)、フェニルグリコール(Ra:−(CH22−、Rb:−O−)、フェノキシプロパノール(Ra:−CH(CH3)CH2−、Rb:−O−)、フェニルプロピレングリコール(Ra:−CH2CH(CH3)−、Rb:−O−)、およびベンジルグリコール(Ra:−(CH22−、Rb:−CH2O−)である。
上述したような芳香族アルコールは、油性液体の少なくとも70wt%を占めることが好ましい。油性液体が紙中に残った場合には、にじみや光沢感が生じて印刷品質が低下する。前述の芳香族アルコールは紙中に残りにくいので、油性液体の全量が前述の芳香族アルコールの場合には、印刷品質を高めることができる。
油性液体は、以下のような非水溶性有機溶媒を含んでもよい。例えば、ヘキシルグリコール、2−エチルヘキシルグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール、ジブチルジグリコール、n−ノナノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、アジピン酸ジエチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソセチル、およびプロピオン酸ベンジルなどである。さらに、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、スピンドル油、およびマシン油などの鉱物油;アマニ油、ヒマシ油、大豆油、およびキリ油などの植物油;炭素数30以下の炭化水素なども挙げられる。
油性液体の30wt%以下であれば、こうした非水溶性有機溶媒が含まれても、得られるインクの特性は何等損なわれることはない。例えば、ナフテン系オイルが油性液体の20wt%程度を占める場合には、浸透乾燥性のさらなる向上といった効果が得られる。
本実施形態のインクには、上述の水性液体および油性液体のいずれにも可溶な特定の2価アルコールが含有される。この2価アルコールは、本来混合されない水性液体と油性液体とを可溶化する可溶化剤と称することができる。
2価アルコールは、下記一般式(DA)で表わされる化合物、下記一般式(EO)で表わされる化合物、および下記一般式(PO)で表わされる化合物から選択される。
Figure 2011046944
Rcは炭素数3〜6のアルキレン基(−CjH2j−)であり、例えば、−(CH2)3−,−CH2CH(CH3)−,−(CH2)4−,−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH2)5−,−(CH2)2CH(CH3)CH2−,−CH2CH(C25)CH2−、−CH2C(CH3)2CH2−,−(CH2)6−,−(CH2)3CH(CH3)CH2−、−(CH2)2CH(CH3)(CH2)2−,−(CH2)2CH(C25)CH2−、−(CH2)2C(CH3)2CH2−、および−CH2(CH3)C(C25)CH2−等が挙げられる。nは1〜10、mは2〜5である。
上記一般式(DA)で表わされる化合物としては、具体的には、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、およびイソプレングリコールなどが挙げられる。
上記一般式(EO)で表わされる化合物としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコールなどが挙げられる。
上記一般式(PO)で表わされる化合物としては、具体的には、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
2価アルコールは、インクジェットインク全量の10〜50wt%で含有されていれば、何等不都合を伴なうことなく効果を発揮することができる。2価アルコールの量は、インク全量の20〜50wt%より好ましい。
前記2価アルコールは、20℃における蒸気圧が20mmHg未満である。このため、高い再現性をもって、インクジェットヘッドから吐出させることができる。すなわち、一定時間放置した後でも、吐出性能は安定している。
本実施形態のインクにおいては、水性液体と油性液体とが分散媒に含まれる。水性液体と油性液体とは、紙中への浸透速度が異なる。具体的には、水性液体の浸透速度は遅く、油性液体は水性液体より速く浸透する。こうして、水性液体と油性液体とは紙中に浸透し始めると同時に分離し始める。水性液体と油性液体とが可溶化した状態の分散媒中では、顔料は安定して分散していたものの、水性液体と油性液体とが分離すると、インク中の顔料の分散安定性が低下する。水性液体と油性液体との相溶性が崩れるので、自ずと顔料の凝集が進むようになる。その結果、紙中への顔料の浸透が抑制される。
顔料が紙の表面近傍近に留まることから、得られる画像の濃度は油性インクを用いた場合より高められる。油性液体が分散媒の一部として含まれることによって、インク中の水性液体の含有量は、一般的な水性インクよりも低減される。その結果、カールやコックリングなど紙媒体に与える影響も抑制することが可能となった。
またさらに、油性液体はそれ自体の表面張力が低いことから、インクの表面張力が低下する。油性液体を含まない水性インクでは、表面張力を抑制するために、界面活性剤を添加しなければならなかった。水性液体とともに油性液体が含有されることによって、必ずしも界面活性剤を配合する必要がなく、処方が簡素化された。
本実施形態にかかるインクジェットインクは、所定の量の水性液体および油性液体を、可溶化剤および顔料分散体と混合して、調製することができる。得られた混合物に、必要に応じて添加剤を加えて、目的のインクジェットインクが得られる。
インクジェット記録用であるので、本実施形態にかかるインクは、インクジェットプリンターにおけるヘッドのノズルからの吐出に適切な粘度を有することが必要である。具体的には、25℃における粘度が3〜50mPa・sであることが好ましい。30mPa・s以下であれば、吐出動作時におけるヘッド制御温度を比較的低く設定できる。
インクジェットインクの吐出性能、保湿性、保存性および適正物性値など、最適な特性条件に調整するために、効果が損なわれない範囲で、界面活性剤、保湿剤、樹脂などを別途配合してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、およびグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
さらに、アセチレングリコール系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を用いることもできる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチンー3,6−ジオール、および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。具体的には、サーフィノール104、61、465、485あるいはTG等(エアープロダクツ社製)である。
フッ素系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、およびパーフルオロアルキルスルホン酸等が挙げられる。具体的にはメガファックF−443、F−444、F−470、F−494(大日本インキ化学工業社)、ノベックFC−430、FC−4430(3M社)、サーフロンS−141、S−145、S−111N、S−113(セイミケミカル社)である。
これらの界面活性剤は、インクの分散安定性などを劣化させない程度に添加することが望まれる。界面活性剤は、インク全量の1.0wt%程度以下の重量で含有されていれば、何等不都合を伴なわずに効果を発揮することができる。
必要に応じて、pH調整剤、防腐剤・防かび剤等の添加剤を配合することができる。pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、および水酸化ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、および1,2−ジベンズイソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などを使用することができる。
こうした添加剤を配合することによって、印字画像品質や保存安定性がさらに高められる。
以下に、インクの具体例を示す。
下記表1に示す水性液体、および下記表2に示す油性液体を用意した。
Figure 2011046944
Figure 2011046944
上記表2に示した化合物のうち、OL1、OL2、OL3およびOL4は、一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールである。
水性液体および油性液体に可溶な2価アルコール(可溶化剤)としては、下記表3に示す化合物を準備した。
Figure 2011046944
ここで、SA1、SA2、およびSA3は、いずれも一般式(DA)で表わされる化合物である。TPGはトリプロピレングリコールの略称であり、一般式(PO)におけるmが3の化合物である。PEGはポリエチレングリコールの略称であり、一般式(EO)におけるnが約5の化合物(PEG200)を用いた。
下記表4および5に示す処方で各成分をそれぞれ配合して、インクサンプルを調整した。表中、水性液体、油性液体および可溶化剤の量は、インク全量に対するwt%である。
顔料としては、樹脂分散型(DD1)および自己分散型(DD2)の2種類の顔料分散体を用意した。
DD1:カーボンブラック分散液MicropigmoAMBK−8
(オリヱント化学工業社製)
DD2:カーボンブラック分散液CAB−JET−400
(キャボット社製)
DD1においては、所定の顔料が所定の量の分散剤等とともにエタノール中に分散されている。DD2においては、所定の顔料が水中に分散されている。DD1は、次のような手法によりエタノールをベンジルアルコールまたは1,2−ヘキサンジオールで置換して、DD1加工液として用いた。DD1加工液の調製にあたっては、まず、含まれるエタノールと同量のベンジルアルコールを加えて混合液を得た。エバポレータを用いてエタノールを留去して、ベンジルアルコールを分散媒としたDD1加工液(1)を得た。1,2−ヘキサンジオールの場合も、同様の手法によりエタノールを留去してDD1加工液(2)を得た。
DD1加工液(1)に含まれるベンジルアルコールの量は、下記表中の油性液体(OL4)の量に含まれており、DD1加工液(2)に含まれる1,2−ヘキサンジオールの量は、下記表中の可溶化剤(SA2)の量に含まれている。また、DD2に含まれる水の量は、下記表中の水性液体(W1)の量に含まれている。
No.7〜10,13,14,18,24〜29ではDD2を用いた。No.21〜23,30,31ではDD1加工液(1)を用い、残りのサンプルでは、DD1加工液(2)を用いた。下記表に示されるように、いずれのサンプルにおいても、顔料の量がインク全量の5wt%となる量で顔料分散体を配合した。
表には示していないが、全てのサンプルには、防腐剤としてプロキセルXL−2(S)をインク全量の0.2wt%添加した、
インクサンプルの調製にあたっては、まず、それぞれの処方で各成分を混合し、スターラーで1時間攪拌した。その後、3μmのメンブレンフィルターでろ過して、サンプルを得た。
Figure 2011046944
上記表4に示されるサンプルのうち、No.14は水性液体の含有量が多く、No.15は、水性液体の量が少ない。No.17は、水性液体の量が少なく、油性液体の量が多い。また、No.18は、油性液体の量が少ない。
Figure 2011046944
上記表5に示したサンプルのうち、No.30および31における油性液体には、一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールが含有されていない。
さらに、顔料分散体としてDD2を用い、下記表6に示す処方でNo.34,35のサンプルを調製した。
Figure 2011046944
用いたアルコールを、構造式とともに下記表7に示す。
Figure 2011046944
上記表7に示されるように、これらは、前記一般式(DA)、(EO)、および(PO)のいずれにも該当しない。
得られたインクサンプルを用いて普通紙に印字を行なって、インクの速乾性、用紙の変形抑制能、および印刷品質を調べた。普通紙として東芝コピーペーパー紙を用意し、記録装置としては、東芝テックピエゾヘッドCB1を搭載したインクジェット記録装置を用いた。
評価方法は、それぞれ以下のとおりである。
(インクの速乾性)
まず、普通紙の10mm×10mmの領域に、100%dutyでベタ印刷を行なった。所定の時間放置した後、印刷部分に新品の同普通紙を積層し、300gの重りを載置した。10秒経過後、積層された普通紙を剥離して、インクサンプルが付着しているかどうかを確認した。
ベタ印刷後、新品の普通紙を積層するまでの時間は、5秒後、10秒後、および30秒後とした。それぞれにおけるインク付着を目視により調べて、以下の基準にしたがって判定した。
A:5秒後で付着なし
B:5秒後で付着あり、10秒後で付着なし
C:10秒後で付着あり、30秒後で付着なし
(用紙の変形抑制能)
速乾性試験と同様にして、普通紙の10mm×100mmの領域に100%dutyでベタ印刷を行ない、印字サンプルを得た。レーザー変位計により用紙変形の程度(紙の波打ちの大きさ:コックリング量)を求め、凹凸の量(長さ)で以下のように評価した。
A:0.5mm未満
B:1.0mm未満
C:2.0mm未満
D:2.0mm以上
(印刷品質)
前述の普通紙に文字印刷およびベタ画像印刷を行なって、印刷品質を評価した。印刷された文字を目視により、にじみやフェザリングを判断した。また、X−Rite画像濃度測定器を用いてベタ印字画像濃度を調べ、表と裏の印刷画像濃度を調べた。その結果を、以下の基準にしたがって評価した。
A:画像濃度1.25以上、裏の画像濃度0.2以下、文字画像良好
B:画像濃度1.2以上、裏の画像濃度0.3以下、文字画像ほとんどにじみなし
C:画像濃度1.1以下、裏の画像濃度0.4以下、文字画像にじみあり
さらに、以下の手法により目詰まり耐性を調べた。まず、各インクサンプルを用いて、上述のインクジェット記録装置により印刷を行なった。印刷後、キャップでノズル孔を塞き、25℃の環境下に1週間放置した。放置後、再度印刷試験を行なって、吐出の安定性により目詰まり耐性を評価した。吐出性が回復するまでに要したクリーニング動作の回数を調べ、以下の基準で判断した。
A:0回
B:1または2回
C:3〜5回
目詰まり耐性は、分散媒中における顔料の分散安定性の指標となる。水性液体と油性液体とが良好に可溶化された分散媒であれば、顔料は安定して分散できるので、目詰まり耐性は良好となる。
インクの速乾性、用紙の変形抑制能、印刷品質、および目詰まり耐性の4つの評価は、いずれも“B”または“A”が合格である。すなわち、1つでも“C”であれば、そのサンプルはNGである。得られた結果を下記表8および9にまとめる。
Figure 2011046944
上記表8に示されるように、No.1〜13,16,19,20は、いずれもインクの速乾性、用紙の変形抑制能、印字品質、および目詰まり耐性において良好な結果が得られている。これらのサンプルは、油性液体として上記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコール(ベンジルアルコール)を70〜10wt%含有し、特定の2価アルコールが可溶化剤として用いられている。しかも、水性液体の含有量は、10〜70wt%の範囲内であることから、評価した4項目は全て良好な結果となっている。
水性液体が水溶性化合物を含む場合には、速乾性および目詰まり耐性がより良好となることがNo.3,4に示されている。No.5に示されるように、特定の2種類の可溶化剤が含有された場合には、インクの速乾性および用紙の変形抑制能がよりいっそう良好となる。
可溶化剤としてジオールおよびTPGが含有される場合には、インクの速乾性、用紙の変形抑制能、および目詰まり耐性がよりいっそう高められることがNo.11,12に示されている。No.19,20に示されるように、可溶化剤としてジオールおよびPEGが含有される場合も、同様の結果が得られる。
可溶化剤の少なくとも10wt%が、TPGまたはPEGである場合には、得られるインクの特性がよりいっそう高められることが確認された。
No.14では、水性液体が75wt%と多いため用紙の変形抑制能が劣っている。水性液体が5wt%と少ないNo.15では印刷品質が悪く、所望の画像濃度が得られない。また、普通紙の裏にインクが抜ける割合が大きく、裏面での画像濃度も大きくなってしまう。水性液体の量が少なすぎ、インクの浸透を抑制する作用が不十分なためであると推測される。水性液体が7wt%と少なく、油性液体が79wt%と多いNo.17も、同様に印字品質が劣っている。油性液体の量が5wt%と少ないNo.18の場合には、水性液体の作用が強くなって速乾性が低下する。
Figure 2011046944
上記表9に示されるように、No.21〜29,32,および33は、いずれもインクの速乾性、用紙の変形抑制能、印字品質、および目詰まり耐性において良好な結果が得られている。これらのサンプルは、油性液体として上記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコール(ベンジルグリコール、フェニルプロピレングリコール,フェニルグリコール、ベンジルアルコール)を10〜70wt%含有し、可溶化剤として特定の2価アルコールが用いられている。しかも、10〜70wt%の水性液体が含有されているので、評価した4項目は全て良好な結果である。
No.30,31においては、油性液体として一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールが含有されていない。油性液体は、鉱物油や大豆油といった揮発性の低い成分であるため、印刷品質が低下している。
一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールが含有されていれば、油性液体の30wt%以下が鉱物油等であっても、特性が損なわれることはない。No.32、33に示されるように、インクの速乾性、用紙の変形抑制能、印字品質、および目詰まり耐性の全てにおいて、良好な結果が得られた。
No.34、35においては、油性液体として一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールが用いられているものの、可溶化剤としての特定の2価アルコールが含有されていない。目詰まり耐性がNGであることから、顔料の分散特性が低下していることがわかる。特定の2価アルコールが含有されなければ、水性液体と油性液体とが良好に可溶化されないことが確認された。
一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールを水性液体と可溶化するためには、特定の2価アルコールが必要である。こうした成分を含有する本実施形態のインクジェットインクは、目詰まり耐性が優れている。しかも、インクの速乾性および用紙の変形抑制能が高いのに加え、印刷品質も良好な印刷物を形成することができる。
本実施形態のインクジェットインクは、顔料が安定に分散され速乾性に優れるとともに、紙媒体の変形を引き起こさずに紙媒体に高品質な画像を形成することが可能である。
また、本実施形態のインクジェット記録方法により、顔料の分散安定性および速乾性に優れたインクジェットインクを用いて、紙媒体を変形させることなく高品質な画像を形成することができる。
p…用紙; 100…用紙カセット; 101…用紙カセット; 102…給紙ローラ
103…給紙ローラ; 104…搬送ローラ対; 105…搬送ローラ対
106…レジストローラ対; 107…搬送ベルト; 108…駆動ローラ
109…従動ローラ; 110…ファン; 111…負圧チャンバ
112…搬送ローラ対; 113…搬送ローラ対; 114…搬送ローラ対
115C,115M,115Y,115Bk…インクジェットヘッド
116C,116M,116Y,116Bk…インクカートリッジ
117…チューブ; 118…排紙トレイ。

Claims (20)

  1. 顔料と、
    前記インクジェットインクの10〜70wt%を占める水性液体と、
    前記インクジェットインクの70〜10wt%を占め、少なくとも一部が下記一般式(AA)で表わされる芳香族アルコールである油性液体と、
    前記水性液体および前記油性液体に可溶な2価アルコールとを含有し、前記2価アルコールは、下記一般式(DA)で表わされる化合物、下記一般式(EO)で表わされる化合物、および下記一般式(PO)で表わされる化合物からなる群から選択されることを特徴とするインクジェットインク。
    Figure 2011046944
    (ここで、Raは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、Rbは−O−または−CH2O−であり、kは0または1である)
    Figure 2011046944
    (Rcは炭素数3〜6のアルキレン基であり、nは1〜10、mは2〜5である。)
  2. 前記水性液体は、前記インクジェットインクの20〜40wt%を占めることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記水性液体の少なくとも40wt%は水であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記水性液体は、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、ソルビトール、マンニトールおよびマルチトールから選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記油性液体は、前記インクジェットインクの60〜20wt%を占めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記油性液体の少なくとも70wt%は、前記芳香族アルコールであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  7. 前記一般式(AA)において、前記脂肪族炭化水素基Raは、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、および−CH(CH3)CH2−からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  8. 前記2価アルコールは、前記インクジェットインクの10〜50wt%を占めることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  9. 前記2価アルコールの少なくとも10wt%は、前記一般式(EO)で表わされる化合物、または前記一般式(PO)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  10. 前記顔料は、前記インクジェットインクの2〜20wt%を占めることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  11. 前記顔料は、10〜300nmの平均粒径を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  12. 前記顔料を分散させる分散剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  13. 前記分散剤は、界面活性剤、水溶性樹脂、および非水溶性樹脂からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のインクジェットインク。
  14. 前記顔料は、表面に官能基またはその塩を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  15. 前記官能基は、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、およびスルホン基からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載のインクジェットインク。
  16. 炭素数3以下の1価脂肪族アルコールをさらに含有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  17. 前記インクは、25℃における粘度が3〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  18. 紙媒体に少なくとも1種のインク組成物をインクジェットヘッドから噴射して画像を形成する工程を具備し、
    前記インク組成物は請求項1乃至17のいずれか1項に記載のインクジェットインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 前記画像の形成は、1種類のインク組成物を用いて行なわれることを特徴とする請求項18に記載の記録方法。
  20. 前記画像の形成は、異なる色の2種類以上のインク組成物を用いて行なわれることを特徴とする請求項18に記載の記録方法。
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