JP2011045735A - 膜を有する血管内器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な構成の血管内器具を提供する。
【解決手段】血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管5に挿入される血管内器具10であって、機械的に拡張可能な器具11であって、該機械的に拡張可能な器具が、半径方向に外向きに拡張することで、該機械的に拡張可能な器具の外周面が該血管の内面と密着し、該血管への血液の経路を維持する、器具と;該機械的に拡張可能な器具の該外周面の少なくとも一部を覆う膜40であって、該膜が複数の孔を含み、該膜の多孔度が、該孔の大きさと隣接する孔の間の距離によって決定される該膜の材料表面積の比率によって定められる、膜とを含み;該機械的に拡張可能な器具が体内血管に留置され、膜が該血管壁の少なくとも該患部、損傷部または脆弱部を覆い、該膜の多孔度によって血管壁の該患部、損傷部または脆弱部への血液供給が阻害され、該血管の治癒を促進する。
【選択図】図5

Description

(技術分野)
本発明は、血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管中に挿入するための血管内器具に関するものである。
(関連出願への相互参照)
題:医療用器具 出願番号:国際特許出願第PCT/SG2004/000407号、出願日:2004年12月13日。 公開番号:国際公開第2005/094726号パンフレット、公開日:2005年10月13日。 発明者:Leon Rudakov、Michael O’ConnorおよびDeepak Gandhi
(発明の背景)
異物が体内血管に移植された場合に体内血管が示す反応は、一般的にネガティブなものである。異物が留置されると、細胞が防御反応を示して炎症反応を引き起こし、さらに体内血管の狭窄や閉塞の原因となる血管内膜の増殖が起こる。
ポリウレタンは長期間用のインプラントに使用されてきたが、血管内治療、特に微小血管の治療時における上述の問題を解決するには至っていない。微小血管は、内径が2.0〜4.5mmの血管と考えられている。
頭蓋内動脈瘤を治療するために体内血管に挿入される医療器具に使用される透過性の多孔質膜については、開示内容が参考として本明細書で援用される、先に出願した関連出願に開示されている。
本願発明は、上記従来技術の課題を解決することを目的とする。
(発明の要旨)
第1の好適な態様においては、血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具であって、該血管内器具が:
第1の位置から第2の位置へと拡張することができる、機械的に拡張可能な器具であって、該機械的に拡張可能な器具が、該第2の位置へと半径方向に外向きに拡張することで、該機械的に拡張可能な器具の外周面が該血管の内面と密着し、該血管への流体の経路を維持する、器具と;
該機械的に拡張可能な器具の該外周面の少なくとも一部を覆う膜であって、該膜が複数の孔を含み、該膜の多孔度が、該孔の大きさと隣接する孔の間隔によって決定される該膜の材料表面積の比率によって定められる、膜と、
を含み;
該機械的に拡張可能な器具が体内血管に留置され、該膜が該血管壁の少なくとも該患部、損傷部または脆弱部を覆い、該膜の多孔度によって該血管壁の該患部、損傷部または脆弱部への血液供給が阻害され、該体内血管の治癒を促進する、
血管内器具が提供される。
膜は、生体適合性の高弾性ポリマーで作製される場合がある。
ポリマーは、ポリエーテルウレタン(PEU)またはポリカーボネートウレタン(PCU)である場合がある。
ポリマーは、末端基を有するポリウレタン系材料である場合があり、該末端基は、フルオロカーボン表面修飾末端基、ならびにポリエチレングリコールおよびシリコン表面修飾末端基からなる群のうちのいずれか1つである場合がある。
膜は、マクロ多孔質膜またはミクロ多孔質膜である場合がある。
マクロ多孔質膜の多孔度は、主要動脈の穿通枝への血液供給を可能にする場合がある。マクロ多孔質膜の各孔の大きさは、約20μm〜150μmである場合がある。
マクロ多孔質膜の隣接する孔の間隔は、約40μm〜100μmである場合がある。
マクロ多孔質膜の厚さは、約0.0005インチ〜0.003インチである場合がある。
ミクロ多孔質膜の多孔度は、内皮細胞の遊走および組織の内部成長を促進し、迅速な内皮化をもたらす場合がある。
ミクロ多孔質膜の各孔の大きさは、約1μm〜30μmである場合がある。
ミクロ多孔質膜の隣接する孔の間隔は、約10μm〜100μmである場合がある。
膜の材料表面積の比率は、マクロ多孔質膜では約25%〜75%、ミクロ多孔質膜では約75%〜100%である場合がある。
孔は、互いに等間隔に配置される場合がある。
孔は、第1の領域においては互いに第1の距離を隔てて配置される場合があり、第2の領域においては互いに第2の距離を隔ててさらに配置される場合がある。
第1の領域における各孔の大きさは、第2の領域における各孔の大きさよりも小さい場合がある。
第1の領域は、血管壁の患部、損傷部または脆弱部に隣接している場合がある。
第1の領域には、体内血管中の血流の方向に基づいて、第2の領域よりも先に血液が流入する場合がある。
第2の態様においては、血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具であって、該血管内器具が:
第1の位置から第2の位置へと拡張することができる、機械的に拡張可能な器具であって、該機械的に拡張可能な器具が、該第2の位置へと半径方向に外向きに拡張することで、該機械的に拡張可能な器具の外周面が該血管の内面と密着し、該血管への流体の経路を維持する、器具;および
該機械的に拡張可能な器具の該外周面の少なくとも一部を覆う膜と、
を含み、
該機械的に拡張可能な器具が体内血管内に留置され、該膜が該血管壁の少なくとも患部、損傷部または脆弱部を覆い;
該膜が生体適合性の高弾性ポリマーから作製され、該ポリマーが末端基を有するポリウレタン系材料であり、該血管内器具が該体内血管に挿入された後の該体内血管の狭窄を最小限に抑える、
血管内器具が提供される。
末端基は、フルオロカーボン表面修飾末端基、ならびにポリエチレングリコールおよびシリコン表面修飾末端基からなる群のうちのいずれか1つである場合がある。
膜および/または機械的に拡張可能な器具と、体内血管の血管壁との摩擦を減らすため、膜の外面および/または機械的に拡張可能な器具の外周面に潤滑層を塗布する場合がある。
潤滑層は、親水性ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド、およびゼラチンからなる群のうちのいずれか1つのポリマーから作製される場合がある。
膜の材料は、膜の所定の表面多孔度が得られるように、潤滑層のポリマーを使用して修飾される場合がある。
機械的に拡張可能な器具上には、血管壁の患部、損傷部または脆弱部への膜の位置合わせが可能になるように、放射線不透過性マーカーを配置する場合がある。
血管壁の患部、損傷部または脆弱部は、頭蓋内動脈瘤、嚢状動脈瘤、広基性動脈瘤、紡錘状動脈瘤、頸動脈海綿静脈洞瘻、および動静脈奇形(AVM)からなる群のうちのいずれか1つである場合がある。
体内血管の内径は約2.0〜4.5mmである場合がある。
第3の態様においては、血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具の多孔質膜であって、該膜が:
複数の孔であって、該膜の多孔度が、該孔の大きさと隣接する孔の間隔によって決定される膜の材料表面積の比率によって定められる、複数の孔、
を含み;
該膜が該血管壁の少なくとも該患部、損傷部または脆弱部を覆い、該膜の該多孔度によって該血管壁の該患部、損傷部または脆弱部への血液供給が阻害され、該体内血管の治癒を促進する、
膜が提供される。
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る。
(項目1)
血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具であって、上記血管内器具が:
第1の位置から第2の位置へと拡張することができる、機械的に拡張可能な器具であって、上記機械的に拡張可能な器具が、上記第2の位置へと半径方向に外向きに拡張することで、上記機械的に拡張可能な器具の外周面が上記血管の内面と密着し、上記血管への流体の経路を維持する、器具と;
上記機械的に拡張可能な器具の上記外周面の少なくとも一部を覆う膜であって、上記膜が複数の孔を含み、上記膜の多孔度が、上記孔の大きさおよび隣接する孔の間隔によって決定される上記膜の材料表面積の比率によって定められる、膜と、
を含み;
上記機械的に拡張可能な器具が上記体内血管に留置され、上記膜が上記血管壁の少なくとも上記患部、損傷部または脆弱部を覆い、上記膜の多孔度によって上記血管壁の上記患部、損傷部または脆弱部への血液供給が阻害され、上記血管の治癒を促進する、
血管内器具。
(項目2)
上記膜が生体適合性の高弾性ポリマーで作製される、項目1に記載の器具。
(項目3)
上記ポリマーがポリエーテルウレタン(PEU)またはポリカーボネートウレタン(PCU)である、項目2に記載の器具。
(項目4)
上記ポリマーが、末端基を有するポリウレタン系材料であって、上記末端基が、フルオロカーボン表面修飾末端基、ならびにポリエチレングリコールおよびシリコン表面修飾末端基からなる群のうちのいずれか1つである、項目2に記載の器具。
(項目5)
上記膜がマクロ多孔質膜またはミクロ多孔質膜である、項目1に記載の器具。
(項目6)
上記マクロ多孔質膜の多孔度が、主要動脈の穿通枝への血液供給を可能にする、項目5に記載の器具。
(項目7)
上記マクロ多孔質膜の各孔の大きさが、約20μm〜150μmである、項目5に記載の器具。
(項目8)
上記マクロ多孔質膜の隣接する孔の間隔が、約40μm〜100μmである、項目5に記載の器具。
(項目9)
上記マクロ多孔質膜の厚さが、約0.0005インチ〜0.003インチである、項目5に記載の器具。
(項目10)
上記ミクロ多孔質膜の上記多孔度が、より早い内皮化のために、促進された内皮細胞の遊走および組織の内部成長を可能にする、項目5に記載の器具。
(項目11)
上記ミクロ多孔質膜の各孔の大きさが、約1μm〜30μmである、項目5に記載の器具。
(項目12)
上記ミクロ多孔質膜の隣接する孔の間隔が、約10μm〜100μmである、項目5に記載の器具。
(項目13)
上記膜の材料表面積の比率が、マクロ多孔質膜では約25%〜75%、ミクロ多孔質膜では約75%〜100%である場合がある、項目1に記載の器具。
(項目14)
上記孔が互いに等間隔に配置される、項目1に記載の器具。
(項目15)
上記孔が、第1の領域においては互いに第1の間隔を隔てて配置され、第2の領域においては互いに第2の間隔を隔ててさらに配置される、項目1に記載の器具。
(項目16)
第1の領域における各孔の大きさが、第2の領域における各孔の大きさよりも小さい、項目1に記載の器具。
(項目17)
上記第1の領域が、上記血管壁の上記患部、損傷部または脆弱部に隣接している、項目15または16に記載の器具。
(項目18)
上記第1の領域には、体内血管の血流の方向に応じて、上記第2の領域よりも先に血液が流入する、項目17に記載の器具。
(項目19)
血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具であって、上記血管内器具が:
第1の位置から第2の位置へと拡張することができる、機械的に拡張可能な器具であって、上記機械的に拡張可能な器具が、上記第2の位置へと半径方向に外向きに拡張することで、上記機械的に拡張可能な器具の上記外周面が上記血管の内面と密着し、上記血管への流体の経路を維持する、器具と;
上記機械的に拡張可能な器具の上記外周面の少なくとも一部を覆う膜と、
を含み、
上記機械的に拡張可能な器具が上記体内血管内に留置され、上記膜が上記血管壁の少なくとも患部、損傷部または脆弱部を覆い;
上記膜が生体適合性の高弾性ポリマーから作製され、上記ポリマーが末端基を有するポリウレタン系材料であり、上記血管内器具が上記体内血管に挿入された後の上記体内血管の狭窄を最小限に抑える、
血管内器具。
(項目20)
上記末端基が、フルオロカーボン表面修飾末端基、ならびにポリエチレングリコールおよびシリコン表面修飾末端基からなる群のうちのいずれか1つである、項目19に記載の器具。
(項目21)
上記膜および/または機械的に拡張可能な器具と、上記体内血管の上記血管壁との摩擦を減らすため、上記膜の外面および/または上記機械的に拡張可能な器具の外周面に塗布する潤滑層をさらに含む、項目1または19に記載の器具。
(項目22)
上記潤滑層が、親水性ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド、およびゼラチンからなる群のうちのいずれか1つのポリマーから作製される、項目21に記載の器具。
(項目23)
上記膜の材料が、上記膜の所定の表面特性が得られるように、上記潤滑層の上記ポリマーを使用して修飾される、項目22に記載の器具。
(項目24)
上記血管壁の上記患部、損傷部または脆弱部への上記膜の位置合わせが可能になるように、上記機械的に拡張可能な器具上に配置される放射線不透過性マーカーをさらに含む、項目1または19に記載の器具。
(項目25)
上記血管壁の上記患部、損傷部または脆弱部が、頭蓋内動脈瘤、嚢状動脈瘤、広基性動脈瘤、紡錘状動脈瘤、頸動脈海綿静脈洞瘻、および動静脈奇形(AVM)からなる群のうちのいずれか1つである、項目1または19に記載の器具。
(項目26)
上記体内血管の内径が約2.0〜4.5mmである、項目1または19に記載の器具。
(項目27)
血管壁の患部、損傷部または脆弱部を処置するために体内血管に挿入される血管内器具のための多孔質膜であって、上記膜が:
複数の孔であって、上記膜の多孔度が、上記孔の大きさと隣接する孔の間隔によって決定される膜の材料表面積の比率によって定められる、複数の孔、
を含み;
上記膜が上記血管壁の少なくとも上記患部、損傷部または脆弱部を覆い、上記膜の上記多孔度によって上記血管壁の上記患部、損傷部または脆弱部への血液供給が阻害され、上記体内血管の治癒を促進する、
膜。
(項目28)
上記膜が生体適合性の高弾性ポリマーで作製される、項目27に記載の膜。
(項目29)
上記ポリマーが、末端基を有するポリウレタン系材料であって、上記末端基が、フルオロカーボン表面修飾末端基、ならびにポリエチレングリコールおよびシリコン表面修飾末端基からなる群のうちのいずれか1つである、項目28に記載の膜。
以下では、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
本発明の好ましい実施形態による血管内器具の膜の孔の特徴の説明図である。 等間隔に配置された孔の説明図である。 本発明の好ましい実施形態による血管内器具のマクロ多孔質膜の説明図である。 本発明の好ましい実施形態による血管内器具のミクロ多孔質膜の説明図である。 体内血管に挿入された血管内器具および体内血管から動脈瘤への血流を示す側面図である。 血管内器具の平面図である。 ウサギ鎖骨下動脈に位置する動脈瘤の画像である。 図7に示した動脈瘤に対して留置された血管内器具と、処置の効果を示す画像である。 フルオロカーボン表面修飾末端基を有するポリウレタン系材料から作製された無孔質膜を有する血管内器具が移植された血管の開存性を示す、腸骨動脈の血管造影画像である。 フルオロカーボン表面修飾末端基を有するポリウレタン系材料から作製された多孔質膜を有する血管内器具が移植された血管の開存性を示す、腸骨動脈の血管造影画像である。
(図の詳細な説明)
図1〜6を参照すると、血管壁の患部、損傷部または脆弱部50を処置するために血管5に挿入される血管内器具10が提供される。患部、損傷部または脆弱部50は動脈瘤である場合がある。血管内器具10は、ステント11および膜20を有する。ステント11はバルーン拡張型または自己拡張型である場合がある。膜20は、ステント11の外周面の少なくとも一部を覆う。膜20は複数の孔25を有する。膜20の多孔度は、孔25の大きさ21と、隣接する孔25の間隔22によって決定される膜20の材料表面積の比率によって定められる。ステント11は、膜20が血管壁の少なくとも患部、損傷部または脆弱部50を覆うように、血管5に留置される。膜20の多孔度によって血管壁の患部、損傷部または脆弱部50への血液供給が阻害され、血管5の治癒が促進される。
膜20はステント11の一部または全体を覆う。膜20は、特別に設計された孔パターンを有する透過性の多孔質膜である。膜20は極薄フィルムであり、器具10の生体適合性を高め、器具10の留置後の血管5の治癒を促進するために特別な表面処理および修飾が施されたポリウレタン系ポリマーから作製される。
この器具10は、動脈瘤、動静脈奇形、および頸動脈海綿静脈洞瘻などの血管内疾患の処置に使用される場合がある。孔パターンは、血管の個別の血流状態、頭蓋内領域内や眼動脈の上方および下方などの病変血管の場所、嚢状動脈瘤、広基性動脈瘤、紡錘状動脈瘤、および頸動脈海綿静脈洞瘻などの血管壁が脆弱化または損傷した血管内疾患の種類、ならびに血管内疾患に付随するその他の異常などの要素を考慮して設計される。
移植後の長期にわたる成果を向上させるためにいくつかの方法が採られた。膜20はBioSpanTMと呼ばれる生体適合材料である。膜20は、血管5に留置するバルク材をできる限り少なくしてあらゆるネガティブな血管反応を最小限に抑えるために、可能な限り薄く加工される。しかし、膜20の材料は、動脈瘤50への血液の循環を阻害し、血圧の脈動に耐え得る強度を有するように作製する必要がある。材料は多孔質に作製され、特別なパターンの多孔度で設計される。この手法を使用すると、血管5内の膜20の容積がさらに減少するため、占有する空間を減らすことができる。特別なパターンの多孔度は、血液と血管壁細胞を自由に接触させ血管5の治癒を促進し、さらに動脈瘤50を覆って分離する。膜20の表面は、膜20の材料基質が血液や血管壁の細胞の環境と直接接触しないように、種々の末端基を使用して分子的に変化させている。合成過程では、材料溶液に種々の末端基を添加した。以下の末端基を使用して、基質に共有結合させた:シリコン、PEO(ポリエチレンオキシド)、およびフルオロカーボン。
まずは、器具10の用途に応じて膜20の設計が決定される。次に、膜20の材料比率に影響を与える3つの主要要素である、孔の大きさ21、ブリッジ寸法22、23を検討する。
孔の大きさ21は、膜20が2つの異なる段階、すなわち「設計および製造時」および「設置時」にある時に、測定することができる。「製造時」の孔の大きさが「設置時」の孔の大きさ21よりも1.5〜2.5分の1小さい関数関係が成立する。
ブリッジ寸法22、23は、1つの孔25から隣接する孔の間の最も短い間隔を指す。各孔25は、隣接する孔と異なる間隔で配置される場合がある。好ましくは、図2に示すように、等間隔の多孔度、すなわち1つの孔25から隣接する孔までの間隔がすべて等しい状態が望ましい。膜20の異なる部位において異なるブリッジ寸法22、23が、例えば円周方向や縦方向に使用される場合がある。孔の大きさ21と同様に、ブリッジ寸法22、23もまた、関数関係が成立する2つの段階である「設計および製造時」と「設置時」において測定可能である。「設計時のブリッジ寸法」は「設置時」のブリッジ寸法22、23よりも1〜2倍大きい。
材料比率とは、ステント11の外径に対する、膜20の総表面積に対する材料の被覆範囲の割合を指す。材料比率はパーセント形式で表すことが可能であり、この場合、材料比率は材料被覆率と同じであり、すなわち100%−被覆率=多孔度である。材料比率はまた、「製造時」および「設置時」の段階で表すことも可能である。材料比率の段階間の関数関係は、孔の大きさ21とブリッジ寸法22の組み合わせとなる。
膜20の主な機能は、動脈瘤頚部と血管壁の損傷部または脆弱部を覆って、血管壁の患部の修復および治癒をもたらすことである。一方で、膜20を使用することで、穿通枝55などの隣接する微小血管枝をはじめとするすべての関連する血管を、必要に応じて膜の留置後も、必要なら開存させておくことができる。
器具10の2つの実施形態、すなわちマクロ多孔質およびミクロ多孔質が提供される。
マクロ多孔質
マクロ多孔質器具10は、中等度から高度の多孔性を有する膜20を有する。マクロ多孔質器具10の一用途は、分枝または穿通枝55に極めて近い場所に発生した動脈瘤を処置することである。別の特定用途は、動脈瘤50に極めて近い場所にある親動脈から穿通枝55が分岐する場合に、眼動脈の上方に発生した頭蓋内嚢状動脈瘤または広基性動脈瘤50を処置することである。
動脈瘤50は、器具10を使用して、動脈瘤頚部を介して動脈瘤嚢に流入する血液の量、速度および力を減少させることによって処置される。これらの減少は、動脈瘤50の処置を2つの側面から支援できる。第一に、動脈瘤嚢の増大または破裂のリスクが減少する。より重要なことには、動脈瘤嚢の血液の流出入を阻害し、動脈瘤50内部の血流を分散させることで、動脈瘤内における血栓の形成を誘発する。その結果、動脈瘤50の閉塞が起こる。器具10は、動脈瘤内血栓を誘発することができるが、膜20の孔25を介して重要な穿通枝55および分枝動脈に供給を続けるに充分な多孔性を有する。
図3を参照すると、器具10の膜20の孔の大きさは約20〜150μmであり、ブリッジ寸法は40〜100μmである(「製造時」または「設置時」のいずれかの段階において)。マクロ多孔質膜20の総材料比率は、約25%〜75%の範囲である。膜20の厚さは約0.0005〜0.002インチである。
図7および図8を参照すると、器具10は動脈瘤50への血流量を効果的に減少させる。これにより、動脈瘤内血栓の発生が促進される。図7は、ウサギ鎖骨下動脈内に位置する動脈瘤を示す。図8は、器具10を血管5内に留置した後、数時間以内の結果を示す。動脈瘤50内への血液供給は著しく阻害される。同時に、膜20の孔パターンによって、留置された器具10の近くにある重要な微小血管(穿通枝)55を介した血液供給が阻害されずに持続する。
器具10は、動脈瘤50を崩壊させ、そして治癒するのに十分な血液供給量の減少と、微小血管枝(穿通枝)55を開存させておくのに不可欠となる十分な血液供給量の維持の間に存在する拮抗関係を利用する。例えば、動脈瘤頚部の直径が6mm、高さが10mmの動脈瘤50を考察する。材料比率25%のマクロ多孔質器具10で動脈瘤頚部を覆った場合、動脈瘤嚢内へ流入する血流量を25%減少させることが可能である。血液の粘度によって25%を上回る血流量の減少が予想される上に、流れの阻害と分散によって血流量がさらに減少することが予想される。動脈瘤50内へ流入する血液の循環を効果的に阻害し、動脈瘤内血栓を発生させるには、最大75%の材料比率(被覆率)が必要となる場合がある。しかし、この値は特定の動脈瘤50の形状により異なる。
膜20の孔パターンは、マクロ多孔質器具10を穿通枝55の近くに留置した時に、穿通枝55を部分的に覆うものの、それらを閉塞させないように設計される。血管枝/穿通枝動脈55の開存性を維持するには、小孔の直径が50%以上覆われてはならない。最も微細な穿通枝55の直径は約100μmである。したがって、膜20のブリッジ寸法22、23は、40〜100ミクロンになるように選択される。器具10が拡張した後は、孔25が拡大し、ブリッジ寸法22、23が狭まる。したがって、最も微細な直径100μmの穿通枝55であっても、被覆率は50%より小さくなる。材料被覆率は、穿通枝55内への血流を阻害せず、血栓形成反応を誘発しないように制限される。
動脈瘤50内への血液の循環を阻害し血流を停滞させると、きわめて短時間の間に血液の凝固と動脈瘤50の閉塞が生じる。その結果、血管の完全な修復が達成される場合がある。
一般的には、動脈瘤50内へ流入する血流および動脈瘤50内部での血流の速度が低下すると、動脈瘤が閉塞する可能性が高くなる。動脈瘤50の覆われる範囲が20%を超えると、血行動態に影響が及び、血栓の形成が促進されて動脈瘤50の閉塞につながる。この値は動脈瘤50の大きさと形により異なる。例えば、動脈瘤50の頚部が長く太いものでは、血行動態に影響を与えるために覆う範囲を広げる必要がある。
図5を参照すると、動脈瘤頚部に対して留置された膜20が持つ特定の孔パターンによって動脈瘤50内へ流入する血液供給量がわずかに減少または阻害されると、動脈瘤50の遠位外側壁に向かう血流による高エネルギー流の衝撃が分散される。ほとんどの動脈瘤50が増大し破裂する場所が動脈瘤50の遠位外側壁である。したがって、膜20を使用することで、動脈瘤50の破裂の可能性が回避される。
器具10は、器具10を血管5内に移植することにより生じる損傷のリスクを最小限に抑える。膜20の多孔度によって、血管5内に占める容積が減少し、血管5の損傷も減少する。さらに、膜20の特定のパターンによる多孔度によって、膜20を介した細胞の遊走と連絡が可能になり、治癒が促進される。
一実施形態において、器具10の材料比率は、膜20の全長および周囲にわたって変化する。この特徴によって、動脈瘤50の治癒による器具10の性能と効果が向上し、親血管の開存性が維持される。膜20の材料比率の変化としては、動脈瘤頚部の遠位部における高い材料比率、動脈瘤頚部の近位部における低い材料比率、動脈瘤頚部領域から離れた部位における最小の材料比率、または部分的に覆われたステント11などが挙げられる。
動脈瘤頚部の遠位部における高い材料比率については、拍動流中であったとしても、動脈瘤頚部を介して動脈瘤50内へ流入する血流は、頚部断面部の遠位部において発生することが多い。膜40の孔の大きさ21を縮小させ、ブリッジ寸法22、23を増大させて材料比率を増やすことで、動脈瘤50内に流入する血液の量が減少し、動脈瘤50内の流動動態が妨げられる。また、膜40によって血流の衝撃が阻害され分散されるため、動脈瘤の破裂に関与する動脈瘤頚部の遠位部に加わる血行動態の力も減少する。
動脈瘤頚部の近位部における低い材料比率については、通常の血流流出部位である動脈瘤頚部の近位部において膜40の多孔度を増加させると有益な場合がある。これにより、動脈瘤50からの血液の流出が促進される。阻害された血流が代わりに近位部の動脈瘤50へ流入することを防ぐため、材料比率の度合いを慎重に管理する。遠位部から近位部にかけての材料比率の変化も漸増的または漸進的でなければならない場合がある。
動脈瘤頚部領域から離れた部位における最小の材料比率については、孔の大きさ21を大きくして材料比率を可能な限り小さくするが、これには以下の2つの理由がある:すなわち、第一に、動脈瘤50にきわめて近い場所にある親動脈から分岐する穿通枝55への血流を許容するためであり、そして第二に、動脈瘤頚部とその周囲から離れた場所に留置される材料の量を減らすことで生体適合性を高めるためである。高い被覆率が必要とされない領域の材料比率を減らすことで、体内に導入されるポリマーの正味量が減少する。材料が少ないほど、炎症やその他の免疫反応も減少する。大きなサイズの孔25はまた、器具10の、より早い内皮化のための、より良い内皮細胞の遊走を可能にし得る。
部分的に覆われたステント11では、材料比率をさらに低下させるため、膜20の足場として使用しないステント11の領域をむき出しの金属の足場のまま残しておく場合がある。これによって、穿通枝55が閉塞する可能性がさらに低くなり、器具10の生体適合性が高まる。例えば、むき出しのステント末端部12が存在することで、血管5内への器具10の正確な留置を確実に行うことができる。
器具10は、親動脈と穿通枝55の開存性を確保すると同時に、動脈瘤50の治癒を促進する。適切な孔の大きさ25とブリッジ幅22、23の選択に関連するさらなる特徴が、特定の病態に適する場合がある。例えば、異なる種類または形状の動脈瘤50には、異なる孔パターンが必要になる場合がある。
ミクロ多孔質
図4を参照すると、頸動脈海綿静脈洞瘻などのように、速やかに血流を遮断するために完全な被覆が必要な病態や、眼動脈下部などの、穿通枝55の閉塞のリスクがきわめて低いか全くない場所に対して、ミクロ多孔質器具10が使用される。
ミクロ多孔質器具10の機能はマクロ多孔質器具10と類似するが、例外として、ミクロ多孔質器具10は、図4に示すように多孔度が著しく小さい膜30を使用している。器具10は、病変血管壁付近の微小血管の閉塞が問題とならない部位に使用される。患者の生存率は、動脈瘤50の効果的な閉塞にすべて依存しており、多孔度は治癒プロセスに加えて内皮化を促進する場合もある。
「製造時」、「設置時」のいずれの段階においても、ミクロ多孔質器具10の膜30の孔の大きさは約1〜40μmであり、ブリッジ寸法は約10〜100μmである。ミクロ多孔質膜30の総材料比率は、約75%〜100%の範囲にある。
ミクロ多孔質器具10の被覆度は高く、これにより膜30を通って流れる血流が著しく減少するか、あるいは完全に遮断される。孔35の大きさは血流の表面張力に影響を及ぼすほどに小さいため、マクロ多孔質器具10の膜20の孔25とは対照的に、孔35を通って流れる血液が阻害される。孔35は、大きさがきわめて小さいとはいえ、内皮細胞の遊走や組織の内部成長を向上させ、速やかな内皮化と血管5の治癒を可能とする。
同様に、ミクロ多孔質器具10は、材料の使用量を減らして生体適合性を高めるために、ステント11の末端部12を露出させて、部分的に覆われた状態となっている場合がある。
膜および/またはステントの潤滑コーティング
器具10を手術部位に送達させる際の追従性を高めるために、ステント11の外表面に潤滑層70を塗布することができる。このコーティング70は、器具10を製造して送達装置に装着した後に塗布する場合もあれば、あるいは送達装置に装着する前に塗布する場合もある。あるいは、この層70は、さらなる表面特性として膜の材料と組み合わせて導入される場合がある。すなわち、膜20の化学構造または表面特性を修飾して、表面の摩擦係数を本質的に小さくする。層70は生体適合性を有しており、追従時のステント11および/または膜20と血管壁との間の摩擦係数を減らす特性を有する。層70はまた、安定性と耐久性のバランスに優れており、追従時の完全性を維持する。この層70は、マクロ多孔質およびミクロ多孔質器具10のどちらにも塗布することができる。
潤滑層70は、追従時に発生する摩擦を減らすために、例えば親水性PVP(ポリビニルピロリドン)から作製される場合がある。ポリアクリレートまたはポリメタクリレートのようなその他の親水性ポリマーはもちろん、PEO(ポリエチレンオキシド)のようなヒドロゲルも使用される場合がある。ゼラチンも使用される場合がある。これらのポリマーは、膜材料を修飾して膜20の所定の表面特性を達成するために使用される場合もある。
ステントマーカー
図6を参照すると、ステント11に専用のステントマーカー15が組み込まれている場合がある。これにより、膜20の材料比率が高い(被覆率が高い)部分を動脈瘤頚部に正確に合わせることができる。微小血管枝、側枝、または穿通枝55を有することが知られている領域の動脈瘤50を効果的に処置するには、正確な位置合わせが重要である。
膜の材料
膜20は生体適合性の高弾性ポリマーで作製される。ポリエーテルウレタン(PEU)またはポリカーボネートウレタン(PCU)が使用される場合がある。PEUの商標名には、Tecoflex TecothaneTM、HapflexTM、CardiothaneTM、PellethaneTM、およびBiospanTMが含まれる。PCUの商標名には、ChronoFlexTM、CarbothaneTM、およびCorethaneTMが含まれる。
別の実施形態において、膜20は多孔質でない場合がある。膜20は、Polymer
Technology Group(PTG)(米国カリフォルニア州バークレー)が開発した材料であるBioSpan FTMで作製される。BioSpan FTMは、フルオロカーボン表面修飾末端基を有するポリウレタン系材料である。in vitroおよびin vivo試験では、この材料が微小血管の環境に適合する優れた適合性特性を示している。BioSpan FTMが持つ抗血栓特性と治癒特性から、微小血管の処置に使用する器具10の膜20にはこのBioSpan FTMを選択するのが好ましい。好ましくは、より良好な結果を得るために、膜20は上述のような特別な孔パターンを有している。これは、膜20の種々の材料を比較した一連のin vitroおよびin
vivo実験によって確認されている。
BioSpan FTMは膜20に適した材料であり、血管内の環境における材料の受容性が高まるように、何らかの追加の表面変性または処理が施される場合がある。in vitroおよびin vivo実験では、数種の表面および材料修飾を使用した。
以下の表を参照すると、初期のin vitro生体適合性試験では、BioSpanTM、ePTFE、およびBioSpan FTMの3つの材料の比較で、BioSpan FTMが以下で例示する通り最も血栓形成傾向が低いことが示されている。図9を参照すると、さらなる動物実験において、優れた生体適合性がBioSpan FTMを使用して確認される。右腸骨動脈上には、BioSpan FTMで作製した膜を使用した血管内器具76が認められ(図左側)、血管5の狭窄が最小限に抑えられ、開存していることが示されている。BioSpan FTMはまた、その他すべて種類の材料やBioSpanTMのバリエーションと比べても、予想以上に良好な治癒反応を示した。比較のため、対照材料で作製した膜を使用した血管内器具80が左腸骨動脈上(図右側)に示されているが、血管5の完全な閉塞が認められる。
図10を参照すると、BioSpan FTMを使用した場合、特別に設計し製造した孔パターンを有する膜20では狭窄の度合いが小さいため、間隙なく覆われたステントよりも治癒特性が良好であることも動物試験で示されている。また、動物試験では、BioSpan FTMが小血管用の血管内器具10への使用に適した材料であることも示されている。右腸骨動脈上には、BioSpan FTMで作製した多孔質膜を使用した血管内器具78が示されており(図左側)、血管5の狭窄が5%未満であることがわかる。左腸骨動脈上には、BioSpan FTMで作製した無孔質/間隙のない膜を使用した血
管内器具79が示されており(図右側)、血管5が15〜20%狭窄していることがわかる。
その他の材料には、同じ表面修飾末端基技術を使用しているが、末端基が異なるBioSpan FTMファミリーのバリエーションが含まれる。これらのバリエーションにはBioSpan PSTMが含まれる。BioSpan PSTMは、PEOおよびシリコン末端基で表面修飾した材料である。
特定の実施形態で示される通り、本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく、種々の変更および/または改変が本発明に加えられる場合があることが、当業者に理解されるであろう。したがって、本明細書の実施形態はいずれの点においても例示的なものであり、限定的なものではないと見なすものとする。

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  1. 図5に示される血管内器具。
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