JP2011038443A - ガスタービン用吸気冷却装置、並びに、これを備えたガスタービン及びガスタービンコンバインドサイクル発電プラント、並びに、出力増大方法 - Google Patents

ガスタービン用吸気冷却装置、並びに、これを備えたガスタービン及びガスタービンコンバインドサイクル発電プラント、並びに、出力増大方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸込空気を効率的に冷却すると共に適切に電力需要に応えることができるガスタービン用吸気冷却装置及びガスタービンコンバインドシステム発電プラントを提供することにある。
【解決手段】圧縮機と燃焼器とタービンとを備える発電用ガスタービンに用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、外部から前記圧縮機へと吸い込まれる吸込空気を冷却可能な熱交換手段と、前記発電用ガスタービンの要求出力WPRに応じて前記熱交換手段によって前記吸込空気を冷却させる冷却制御部40とを備え、冷却制御部40は、前記圧縮機入口における前記吸込空気の圧縮機入口温度TINを露点温度Tで運転した際の露点出力WPDTと要求出力WPRとを比較し、要求出力WPRが大きい場合において、設定された燃料価格Pに基づいて発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、圧縮機入口温度TINを露点温度T未満にすることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガスタービン用吸気冷却装置、並びに、これを備えたガスタービン及びガスタービンコンバインドサイクル発電プラント、並びに、出力増大方法に関するものである。
従来、圧縮機、燃焼器及びタービンを基本構成とするガスタービンを備えた発電プラントにおいては、タービンから排出される排熱を利用した排熱利用設備を備えるガスタービンコンバインドサイクル(以下、「GTCC」と称する。)発電プラントが知られている。具体例としては、ガスタービンの排熱を利用するボイラを備えると共に、このボイラで生成された蒸気を利用する蒸気タービンを備えたものがある。このGTCC発電プラントでは、ガスタービンの他、タービンの排熱を利用した蒸気タービンにより発電を行うことができるため、全体として発電効率の向上を図ることができる。
このようなGTCC発電プラントにおいては、圧縮機へと吸い込まれる吸込空気の温度によって出力が影響を受ける。すなわち、特に夏季においては、大気温度が上昇するために、吸込空気の密度が低下して、質量流量が低下し、出力が低下する。このような出力低下を抑止するために、上記吸込空気を冷却する冷却装置を備えるものがある。ところで、吸込空気を冷却した場合においては、吸込空気の温度が露点温度未満となると、吸込空気中の水蒸気が凝縮してミストが発生してしまう。
下記特許文献1には、ミストで圧縮機の動翼や静翼等が損傷することを防止するために、これら動翼や静翼等に耐食性合金を用いている。
特開平11−93692号公報
しかしながら、従来の技術においては、単純に吸込空気を冷却するだけであるため、ミストの発生に伴って生じる凝縮潜熱の除去に冷凍動力が消費されて非効率的な稼働となるという問題がある。また、発生したミストによって圧縮機の動翼や静翼等の各部品に損傷を与える恐れがあるため、耐用回数の点においても非効率的であるという問題がある。
一方、効率的な稼働を優先して吸込空気の冷却を一律に制限すると、電力需要に応えることができない事態が生じるという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、吸込空気を効率的に冷却すると共に適切に電力需要に応えることができるガスタービン用吸気冷却装置、並びに、これを備えたガスタービン及びガスタービンコンバインドサイクル発電プラント、並びに、並びに、出力増大方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、圧縮機と燃焼器とタービンとを備える発電用ガスタービンに用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、外部から前記圧縮機へと吸い込まれる吸込空気を冷却可能な熱交換手段と、前記発電用ガスタービンの要求出力に応じて前記熱交換手段によって前記吸込空気を冷却させる冷却制御部とを備え、前記冷却制御部は、前記圧縮機入口における前記吸込空気の圧縮機入口温度を露点温度で運転した際の露点出力と前記要求出力とを比較し、前記要求出力が大きい場合において、設定された電力価格に基づいて発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にすることを特徴とする。
この構成によれば、要求出力と露点出力とを比較して、発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、圧縮機入口温度を露点温度未満にするので、圧縮機入口温度が発電に伴う収支と無関係に露点温度未満とすることを避けることができる。これにより、発電に伴う収支に基づいて限定的に吸込空気を露点温度未満とするので、経済的に吸込空気を冷却することができる。また、発電に伴う収支が所定の基準を満たす場合には、吸込空気を露点温度未満に冷却するので、大出力となる稼働が一律に禁止されず、適切に電力需要に応えることが可能となる。
従って、吸込空気を経済的に冷却すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、前記冷却制御部は、前記要求出力と前記露点出力との差分である差分出力及び前記電力価格に基づいて差分収入を演算する差分収入演算手段と、前記差分出力に応じた燃料差分コストを含む差分コストを演算する差分コスト演算手段と、前記差分収入と前記差分コストとを比較して、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にするか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、差分収入演算手段と差分コスト演算手段と判定手段とを備え、差分収入と差分コストとを比較して、圧縮機入口温度を露点温度未満にするか否かを判定するので、差分収入と差分コストとから発電に伴う収支を的確に判断し、経済的に運転することが可能となる。
また、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、前記差分収入演算手段は、外部空気の温度と湿度とに基づいて、前記露点温度を求める露点温度演算部と、この露点温度演算部に演算された前記露点温度に基づいて、前記露点出力を求める露点出力演算部と、この露点出力演算部に演算された前記露点出力と前記差分出力とに基づいて、前記差分出力を演算する差分出力演算部と、前記吸込空気を前記露点温度から前記要求入口温度まで冷却する際に必要となる差分冷凍動力を演算する差分冷凍動力演算手段と、前記差分出力演算部に演算された前記差分出力と前記差分冷凍動力演算手段に演算された前記差分冷凍動力と前記電力価格とに基づいて、前記差分収入を演算する差分収入演算部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、露点出力演算部と差分冷凍動力演算手段と差分収入演算部とを備えるので、外部空気の温度と湿度と、差分出力と、電力価格とに基づいて、比較的に予測信頼性が高い差分収入を求めることができる。
また、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、前記差分コスト演算手段は、前記差分出力と単位発熱量当たりの燃料価格と発電効率とに基づいて、前記燃料差分コストを演算する燃料差分コスト演算部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、差分出力と単位発熱量当たりの燃料価格と発電効率とに基づいて、比較的に予測信頼性が高い燃料差分コストを求めることができる。
また、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、前記差分冷凍動力演算手段は、前記要求入口温度演算部に演算された前記要求入口温度と前記露点温度とに基づいて、比エンタルピ差を演算する比エンタルピ差演算部と、この比エンタルピ差演算部に演算された前記比エンタルピ差と前記吸込空気の流量とから差分冷凍能力を演算する差分冷凍能力演算部と、この差分冷凍能力演算部に演算された差分冷凍能力と前記吸込空気に対して熱交換を行う冷水を前記熱交換手段に供給する冷凍機の成績係数とに基づいて、前記差分冷凍動力を演算する差分冷凍動力演算部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、要求入口温度と露点温度とに基づいて、比エンタルピ差を求め、この比エンタルピ差と吸込空気の流量とから差分冷凍能力を求め、この差分冷凍能力と冷凍機の成績係数とに基づいて、比較的に予測信頼性が高い差分冷凍動力を求めることができる。
また、本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置は、前記冷却制御部は、前記判定手段が、前記露点出力よりも前記要求出力が大きく、かつ、前記差分コストよりも前記差分収入が大きいと判定した場合に、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にすることを特徴とする。
この構成によれば、冷却制御部が、判定手段が露点出力よりも要求出力が大きく、かつ、差分コストよりも差分収入が大きいと判定した場合に、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にするので、収支が黒字である場合に限定的に吸込空気を露点温度未満とするので、利益を得ることができる場合にのみ大出力運転を行って適切に電力需要に応えることが可能となる。
従って、経済的な運転が可能となると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係るガスタービンは、上記いずれかのガスタービン用吸気冷却装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、上記いずれかのガスタービン用吸気冷却装置を備えるので、高大気温時に発電出力を維持して経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係るガスタービンコンバインドサイクル発電プラントは、上記いずれかのガスタービン用吸気冷却装置と、圧縮機と燃焼器とタービンとを備える発電用ガスタービンと、前記ガスタービンからの排熱を利用する排熱利用手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、上記いずれかのガスタービン用吸気冷却装置と発電用ガスタービンとを備えるので、経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係る出力増大方法は、既設のガスタービン又はガスタービンコンバインドサイクル発電プラントに上記のうちいずれかのガスタービン用吸気冷却装置を追設することを特徴とする。
この構成によれば、既設である発電用ガスタービンの経済的な運転が可能となると共に適切に電力需要に応えることができ、さらに、容易に出力を増大させることができる。
本発明に係るガスタービン用吸気冷却装置によれば、経済的な運転が可能となると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係る発電用ガスタービンによれば、経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係るガスタービンコンバインドサイクル発電プラントによれば、経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、本発明に係る既設ガスタービンプラントの再構築方法によれば、経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
本発明の実施形態に係るGTCC発電プラントG1の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る第一熱交換器21の概略構成を示す水平断面図である。 本発明の実施形態に係る第一熱交換器21の概略構成断面図であって、図2におけるI−I線断面図である。 本発明の実施形態に係るガスタービン用吸気冷却装置2の冷却制御部24の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るガスタービン用吸気冷却装置2の冷却制御部24の判定手段43の判定基準を示す図である。 本発明の実施形態に係るガスタービン用吸気調湿装置3の散布制御部60の概略構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るGTCC発電プラントG1の概略構成図である。図1に示すように、GTCC発電プラントG1は、発電用ガスタービン1と、ガスタービン用吸気冷却装置2と、ガスタービン用吸気調湿装置3と、発電機4と、ボイラと蒸気タービンとから概略構成される不図示の排熱利用手段とを備えている。
発電用ガスタービン1は、大気(外部空気)から圧縮機1aへと吸い込まれる吸込空気Aを圧縮機1aによって圧縮して燃焼器1bに供給し、燃焼器1bで燃料Fと混合して燃焼させて燃焼ガスを生成し、これをタービン1c内に供給することで、図示しない翼構造によりロータ1dを回転させて発電機4で発電を行うことが可能である。また、タービン1c内を流通した燃焼ガスは、排気ガスg1として不図示の排熱利用手段(ボイラ等)に供給され、その排熱を利用して蒸気を生成するようになっている。
ガスタービン用吸気冷却装置2は、第一熱交換器(熱交換手段)21と、冷凍機22と、第二熱交換器23と、冷水C1と、冷却水C2と、冷却制御部24と、記憶部25(図4参照)と、大気温度測定部26と、大気湿度測定部27とを備えている。
第一熱交換器21は、外部から圧縮機1a入口までの吸込流路に設けられており、内部を流れる冷水C1と吸込空気Aとの間で熱交換をさせる。この冷水C1が吸込空気Aから受け取った熱は、冷凍機22と冷却水C2と第二熱交換器23とを介して外部へと放出される。
なお、吸込空気Aを第一熱交換器21によって冷却可能であれば、冷凍機22以外の手段を用いてもよい。
図2は、第一熱交換器21の概略構成を示す水平断面図であり、図3は、図2におけるI−I線断面図である。
図2及び図3に示すように、第一熱交換器21は、吸込流路を兼ねる管路31と、複数の伝熱管32と、ドレン33とを備えている。
管路31は、軸方向を重力方向と交差させており、略水平方向に沿って吸込空気Aの吸込流路を構成している。この管路31を通過した吸込空気Aは、図1に示すように、ガスタービン用吸気調湿装置3を介して、圧縮機1aに吸い込まれることとなる。
伝熱管32は、図3に示すように、管路31を重力方向の上下に貫通するように立設させたものであり、それぞれの軸を略重力方向に向けている。
これら複数の伝熱管32は、図2に示すように、流路内の水平方向における配設が千鳥状になっている。
具体的には、複数の伝熱管32のうち一部の伝熱管32が、吸込流路の流路幅方向(重力方向及び気流方向に交差する方向)に間隔を空けて(重力方向及び気流方向に交差する方向)一列に設けられてなる伝熱管段35が、図3に示すように、気流方向に間隔を空けて四つ(35A〜35D)重ねられている。各伝熱管段35A〜35Dにおいては、図2に示すように、流路幅方向において相互に隣接する伝熱管32の中心間距離Lが伝熱管32の外径Dの2倍以下(L≦2D)に設定されている。
そして、図2に示すように、気流方向に相互に隣接した伝熱管段35(35A〜35D)が流路幅方向の間隔をずらして配置されている。より具体的には、気流方向に相互に隣接した二つの伝熱管段35(例えば、35A,35B)のうち、気流下流側の伝熱管段35(例えば、35B)の伝熱管32の中心が、気流方向から見て、気流上流側の伝熱管段35(例えば、35A)において流路幅方向に相互に隣接する伝熱管32の間隔の中心(換言すれば、中心間距離Lの中間)に位置するように配設されている。
また、これら伝熱管段35A〜35Dの流路幅方向の各端部における配置は、図2に示すように、各端部における伝熱管32から流路壁面31aまでの壁面間隔をSとすると、以下のように設定されている。まず、伝熱管段35A,35Cにおける壁面間隔Sは、伝熱管32の外径D以下(S≦D)に設定されている。
また、伝熱管段35B,35Dの壁面間隔Sは、外径Dよりも遥かに小さく(S<<D)設定されている。
このように、気流方向に相互に隣接する二つの伝熱管段35(35A〜35D)において(例えば、35A,35B)は、気流方向から見て、一方の伝熱管段35(例えば、35B)の流路幅方向一端の伝熱管32の外周面の一部が、他方の伝熱管段35(例えば、35A)の壁面間隔S内に位置するように設定されている。
このような複数の伝熱管32は、気流上流側の伝熱管32が気流下流側の伝熱管32よりも冷却効果が大きくなるように設定すると、気流方向から見て、上流側では効果的な冷却が、下流側では効果的な液滴の回収が行われ好適である。具体的には、各伝熱管32に流れる冷水C1の温度を伝熱管段35A<35B<35C<35Dとする。気流上流側の伝熱管32が気流下流側の伝熱管32よりも冷却効果が大きくなるように設定する他の方法としては、伝熱管入口にオリフィス部を設ける等の方法で伝熱管32内の冷水C1の流速を伝熱管段35A>35B>35C>35Dとしてもよく、或いは伝熱管32の表面の粗さを伝熱管段35A>35B>35C>35Dとしてもよい。
ドレン33は、伝熱管段35Dよりも下流側における管路31の下部に設けられている。このドレン33には、不図示の吸引ポンプが接続されている。なお、管路31の下部は、伝熱管段35Aの上流側からドレン33に向けて次第に下方に向かうように傾斜している。
図1に戻って、ガスタービン用吸気冷却装置2の冷却制御部24は、発電用ガスタービン1の要求出力WPRに応じて第一熱交換器21によって吸込空気Aを冷却させる。この冷却制御部24は、圧縮機1a入口における吸込空気Aの圧縮機入口温度TINを露点温度Tで運転した際の露点出力WPDTと要求出力WPRとを比較し、要求出力WPRが大きい場合において、設定された電力価格Pに基づいて発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、圧縮機入口温度TINを露点温度T未満にする。
図4は、ガスタービン用吸気冷却装置2の冷却制御部24の概略構成を示すブロック図である。
冷却制御部24は、要求出力WPRと露点出力WPDTとの差分である差分出力ΔW及び電力価格Pに基づいて差分収入INCを演算する差分収入演算手段41と、露点温度Tの飽和空気を要求出力WPRに対応した圧縮機入口温度TINである要求入口温度TPRまで冷却した場合の発電用ガスタービン1の燃料コスト増分である燃料差分コストCを演算する差分コスト演算手段42と、差分収入INCと差分コストCとを比較して、圧縮機入口温度TINを露点温度T未満にするか否かを判定する判定手段43とを備えている。
なお、本実施形態においては、動翼等の消耗コストや燃料差分コストC等からなる差分コストCのうち、大部分を占める燃料差分コストCを差分コストCとして擬制している。
差分収入演算手段41は、露点温度演算部41aと、露点出力演算部41bと、差分出力演算部41cと、差分収入演算部41dと、差分冷凍動力演算手段41eとを有している。
露点温度演算部41aは、大気湿度測定部27から入力された大気湿度φと、大気温度測定部26から入力された大気温度Tambとから露点温度Tを演算する。なお、露点温度Tは、NC線図(例えば、「徹底マスター 空気線図の読み方・使い方」,空気調和・衛生工学会編,1998,pp16等で公知)から求める構成としてもよいし、露点温度演算部41aの変わりに露点温度計から直接求める構成としてもよい。
露点出力演算部41bは、露点温度演算部41aで演算された露点温度Tから圧縮機入口温度TINが露点温度Tとなったときの出力である露点出力WPDTを演算する。なお、露点温度Tと露点出力WPDTとの対応付けは、例えば、”Gas Turbine Theory 5th Edition”,Sarabanamuttoo,HIH,et al.,2001“等に示される方法を用いて求めることができる。また、実験や試運転から求めても良い。
差分出力演算部41cは、露点出力演算部41bに演算された露点出力WPDTと、要求出力WPRとに基づいて、露点出力WPDTと要求出力WPRとの差である差分出力ΔWを演算する。
差分収入演算部41dは、差分出力演算部41cに演算された差分出力ΔWと、差分冷凍動力演算手段41eが演算した動力増分量ΔWINとの差分に、記憶部25に予め記憶された電力価格Pを乗じて、差分収入INCを演算する。
なお、電力価格Pは、より最新のものが好ましい。
差分冷凍動力演算手段41eは、要求入口温度演算部41e1と比エンタルピ差演算部41e2と差分冷凍能力演算部41e3と差分冷凍動力演算部41e4とを備えている。
要求入口温度演算部41e1は、稼働時の電力需要に基づいて外部から入力される要求出力WPRと、予め記憶部25に記憶され、要求出力WPRを得るために必要な圧縮機入口温度TINである要求入口温度TPRと要求出力WPRとの所定の関係(図4の(1))から、要求入口温度TPRを演算する。
ここで、電力需要は、販売可能な電力を含んでおり、例えば、自家発電で売電可能な場合には、売電することができる電力、電気事業者で顧客に販売した電力の残りを他の電力事業者に売電できる場合には、他の電気事業者に売電することができる電力を含むものである。
なお、要求出力WPRと要求入口温度TPRとの所定の関係は、例えば、”Gas Turbine Theory 5th Edition”,Sarabanamuttoo,HIH,et al.,2001“等に示されるものを用いることができる。
比エンタルピ差演算部41e2は、大気温度測定部26から入力された大気温度Tambと、大気湿度測定部27から入力された大気湿度φとから露点温度演算部41aで演算された露点温度T、及び、要求入口温度演算部41e1に演算された要求入口温度TPRから予め記憶部25に記憶されたNC線図(図4の(2)、上述の通り公知)に基づいて、露点温度Tの飽和空気を要求入口温度TPRまで冷却する場合の比エンタルピ差Δhを演算する。
差分冷凍能力演算部41e3は、比エンタルピ差演算部41e2に演算された比エンタルピ差Δhと吸込空気Aの流量GINの積により得られる差分冷凍能力ΔHを演算する。吸込空気Aの流量GINは、図4に例示したように、ガスタービン制御装置1eから得る構成としてもよいし、別途ガスタービン吸気流量演算部を設けて、圧縮機入口温度TINから吸込空気Aの流量GINを演算する構成としても良い。ガスタービン吸気流量演算部を設ける場合には、例えば、”Gas Turbine Theory 5th Edition”,Sarabanamuttoo,HIH,et al.,2001“等に示される方法を用いて吸込空気Aの流量GINを演算することができる。
差分冷凍動力演算部41e4は、差分冷凍能力演算部41e3に演算された差分冷凍能力ΔHと冷凍機22の成績係数COPとに基づいて、冷凍機動力増分量ΔWINを演算する。上記の冷凍機22の成績係数COPは、図4に例示したように、冷凍機制御装置22aから与える構成としても良いし、記憶部25から与える構成としても良い。
差分コスト演算手段42は、燃料差分コスト演算部42aを備えている。
燃料差分コスト演算部42aは、差分出力演算部41cに演算された差分出力ΔWと、予め記憶部25に記憶された単位発熱量当たりの燃料価格Pと発電効率E(図4の(3))とに基づいて、燃料差分コストCを演算する。発電効率Eは、図4に例示したように、ガスタービン制御装置1eから与える構成としても良い。
なお、発電効率Eは、冷凍機動力を差し引かないGTCC発電プラントG1の出力(W)を投入する燃料発熱量(Q)で除した値である。
図5は、判定手段43の判定基準を示す図である。
判定手段43は、露点出力WPDTよりも要求出力WPRが大きく、かつ、差分コストC(燃料差分コストC)よりも差分収入INCが大きいか否かを判定する。
冷却制御部24は、判定手段43の判断結果に基づいて、WPR≦WPDTである場合においては、(差分収入INC−差分コストC)≦0…(収支が赤字又は0)のとき、及び、(差分収入INC−差分コストC)>0…(収支が黒字)のときの双方のときに、吸込空気Aを露点温度T未満にせず、露点温度T以上で運転する。
また、WPR>WPDTである場合において、(差分収入INC−差分コストC)≦0…(収支が赤字又は0)のときには、吸込空気Aを露点温度T未満にせず、露点温度Tで運転する。
一方、WPR>WPDTである場合において、(差分収入INC−差分コストC)>0…(収支が黒字)のときには、吸込空気Aを露点温度T未満に冷却する。
図1に戻って、ガスタービン用吸気調湿装置3は、吸込流路のうち、ガスタービン用吸気冷却装置2と圧縮機1aとの間に配されており、圧縮機1aへと吸い込まれる吸込空気Aの水分を吸湿可能かつ含有水分を放出させて吸込空気Aを加湿可能な吸湿手段50を備えている。
この吸湿手段50は、吸湿剤51と、低水分含有吸湿剤貯留部52と、高水分含有吸湿剤貯留部53と、散布部54と、散布制御部60とを備えている。
吸湿剤51は、液状のもの、例えばLiBr水溶液や、粉末状のもの、例えば粉末状シリカゲルを利用することが可能である。
この吸湿剤51は、相対的に含有水分が少ない低水分含有吸湿剤51aと、相対的に含有水分が多い高水分含有吸湿剤51bとが分離貯留されるようになっている。
低水分含有吸湿剤貯留部52は、低水分含有吸湿剤51aを貯留する。この低水分含有吸湿剤貯留部52は、吸込流路の下部に形成された不図示のロート状回収孔に対して弁体52a、管路52bを、散布部54に対して弁体52c、管路52dを、それぞれ介して接続されている。
高水分含有吸湿剤貯留部53は、吸湿剤51のうち相対的に含有水分が多い高水分含有吸湿剤51bを貯留する。この高水分含有吸湿剤貯留部53は、吸込流路の下部に形成された不図示のロート状回収孔に対して弁体53a、管路53bを、散布部54に対して弁体53c、管路53dを、それぞれ介して接続されている。
上述した弁体53a、管路53b、弁体52a、管路52bは、吸湿剤回収機構55を構成している。
散布部54は、吸込流路の上部に設けられており、散布制御部60によって弁体52c,53cが選択的に切り換えられることにより、低水分含有吸湿剤51aと高水分含有吸湿剤51bとを択一的に選択して、吸込空気Aに向けて散布する。
図6は、ガスタービン用吸気調湿装置3の散布制御部60の概略構成を示すブロック図である。
散布制御部60は、散布部54を切り替え制御する。また、散布制御部60は、低水分含有吸湿剤51aを散布した場合には、吸込空気Aの水分を吸湿して含有水分が多くなった高水分含有吸湿剤51bを高水分含有吸湿剤貯留部53に導入する。より具体的には、弁体52aを閉、弁体53aを開とし、吸込流路の下部に溜まった高水分含有吸湿剤51bを、不図示のロート状回収孔から管路53bに導き入れ、高水分含有吸湿剤貯留部53に導入する。
反対に、高水分含有吸湿剤51bを散布した場合には、吸込空気Aに水分を放出して含有水分が少なくなった低水分含有吸湿剤51aを低水分含有吸湿剤貯留部52に導入する。より具体的には、弁体52aを開、弁体53aを閉とし、吸込流路の下部に溜まった低水分含有吸湿剤51aを、不図示のロート状回収孔から管路52bに導き入れ、低水分含有吸湿剤貯留部52に導入する。
この散布制御部60は、要求入口温度演算部61と、露点温度演算部62と、飽和水蒸気圧演算部63と、大気水蒸気分圧演算部64と、溶液面上水蒸気分圧演算部65と、運転モード判定部66とを備えている。
要求入口温度演算部61は、要求入口温度演算部41e1と同様の構成であり、外部から入力される要求出力WPRと、予め記憶部69に記憶された要求出力WPRと要求入口温度TPRとの所定の関係(図6の(1))から、要求入口温度TPRを演算する。
なお、要求入口温度演算部(41e1,61)を、散布制御部60と冷却制御部24とにそれぞれ設ける構成としたが、一方のみに設けて他方を省略し、省略した他方を一方で代用する構成としてもよい。
露点温度演算部62は、大気温度測定部56から入力された大気温度Tambと、大気湿度測定部57から入力された大気湿度φと、予め記憶部69に記憶されたNC線図(図6の(2))とから吸込空気Aの露点温度Tを演算する。
なお、NC線図については、上述した記憶部25に記憶されているものと同様のものを用いることができる。
また、露点温度演算部(41a,62)を、散布制御部60と冷却制御部24とにそれぞれ設ける構成としたが、一方のみに設けて他方を省略し、省略した他方を一方で代用する構成としてもよい。
飽和水蒸気圧演算部63は、記憶部69に記憶されたNC線図(図6の(2))に基づいて、要求入口温度演算部61に演算された要求入口温度TPRに対応する吸込空気Aの飽和水蒸気圧Eを演算する。
大気水蒸気分圧演算部64は、大気温度測定部56と大気湿度測定部57とから入力された大気温度Tambと大気湿度φと、記憶部69に予め記憶されたNC線図(図6の(2))とに基づいて、吸込空気Aの水蒸気分圧PSambを演算する。
溶液面上水蒸気分圧演算部(吸湿剤水蒸気分圧演算部)65は、吸湿剤温度測定部68から入力された高水分含有吸湿剤51bの吸湿剤温度Tと、吸湿剤濃度測定部67から入力された高水分含有吸湿剤51bの吸湿剤濃度Xと、記憶部69に予め記憶されたDuhring線図((図6の(3)))(例えば、「吸収冷凍機とヒートポンプ」,高田秋一著,1989,興英文化社,p.10」)とに基づいて、高水分含有吸湿剤51bの表面上の水蒸気分圧PSを演算する。
運転モード判定部66は、要求入口温度TPRと露点温度Tとを比較して、要求入口温度TPRが露点温度Tよりも低い場合に低水分含有吸湿剤51aを散布させる運転モードであると判定する。
また、運転モード判定部66は、要求入口温度TPRと露点温度Tとを比較して、要求入口温度TPRが露点温度Tよりも高い場合において、大気温度測定部56から入力された大気温度Tamb(図6の(6))が要求入口温度TPRよりも高いときに、演算された高水分含有吸湿剤51b表面上の水蒸気分圧PSが、飽和水蒸気圧演算部63に演算された飽和水蒸気圧Eよりも小さく、かつ、演算された吸込空気Aの水蒸気分圧PSambよりも高い場合(E>PS>PSamb)に高水分含有吸湿剤51bを散布させる運転モードであると判定する。
次に、上記の構成からなるGTCC発電プラントG1の動作について説明する。
まず、図4に示すように、要求入口温度演算部41e1は、入力された要求出力WPRと、要求出力WPRを得るために必要な圧縮機入口温度TINである要求入口温度TPRとの所定の関係(図4の(1))から、要求入口温度TPRを演算する。
次に、比エンタルピ差演算部41e2は、入力された大気湿度φと大気温度Tambと予め記憶部25に記憶されたNC線図とに基づいて露点温度演算部41aで演算された露点温度Tと、要求入口温度TPRと、予め記憶部25に記憶されたNC線図(図4の(2))とに基づいて、比エンタルピ差Δhを演算する。
次に、差分冷凍能力演算部41e3は、演算された比エンタルピ差Δhと、ガスタービン制御装置1eから与えられた吸込空気Aの流量GINから差分冷凍能力ΔHを演算する。
次に、差分冷凍動力演算部41e4は、演算された差分冷凍能力ΔHと、冷凍機制御装置22aから与えられた成績係数COPとに基づいて、差分冷凍動力増分量ΔWINを演算する。
一方、露点温度演算部41aは、大気湿度測定部27から入力された大気湿度φと、大気温度測定部26から入力された大気温度Tambから演算された露点温度Tを演算する。なお、この露点温度演算部41aに演算された露点温度Tは、上述したように、比エンタルピ差演算部41e2に供給される。
次に、露点出力演算部41bは、露点温度演算部41aで演算された露点温度Tから圧縮機入口温度TINが露点温度Tとなったときの出力である露点出力WPDTを演算する。
次に、差分出力演算部41cは、露点出力演算部41bに演算された露点出力WPDTと、稼働時の電力需要に基づいて外部から入力される要求出力WPRとに基づいて、露点出力WPDTと要求出力WPRとの差分出力ΔWを演算する。この差分出力ΔWは、差分収入演算部41dと燃料差分コスト演算部42aとに供給される。
差分収入演算部41dは、この差分出力演算部41cに演算された差分出力ΔWと、差分冷凍能力演算部41e3に演算された差分冷凍動力ΔWINとの差分に、記憶部25に予め記憶された電力価格Pを乗じて、差分収入INCを演算する。この演算された差分収入INCは、判定手段43に供給される。
燃料差分コスト演算部42aは、差分出力演算部41cに演算された差分出力ΔWと、差分冷凍動力演算部41e4に演算された差分冷凍動力ΔWINとの差分に、予め記憶部25に記憶された単位発熱量当たりの燃料価格Pと、ガスタービン制御装置1eから与えられた発電効率E(図4の(3))とに基づいて、燃料差分コストCを演算する。この演算された燃料差分コストCは、判定手段43に供給される。
判定手段43は、露点出力WPDTよりも要求出力WPRが大きく、かつ、差分コストCよりも差分収入INCが大きいか否かを判定する。
そして、冷却制御部24は、判定手段43の判断結果に基づいて、WPR≦WPDTである場合においては、(差分収入INC−差分コストC)≦0…(収支が赤字又は0)のとき、及び、(差分収入INC−差分コストC)>0…(収支が黒字)のときの双方のときに、吸込空気Aを露点温度T未満にせず、露点温度T以上で運転する。すなわち、この場合は、要求出力WPRが露点出力WPDTを下回っているから、あえて効率の悪い運転範囲で、大出力を得る必要がない。従って、吸込空気Aを露点温度T未満にする必要もない。
また、冷却制御部24は、WPR>WPDTである場合において、(差分収入INC−差分コストC)≦0…(収支が赤字又は0)のときには、吸込空気Aを露点温度T未満にせず、露点温度Tで運転する。すなわち、この場合は、要求出力WPRが露点出力WPDTを上回っており、電力需要に応える必要性はあるものの、差分収入INC≦差分コストCとなっており、収支が0であるか、吸込空気Aを露点温度T未満とすると赤字となる場合であるために、吸込空気Aを露点温度T未満にすると非効率である。従って、効率の良い運転範囲において、最も出力を得ることができるように、吸込空気Aを露点温度Tにして稼働する。
一方、WPR>WPDTである場合において、(差分収入INC−差分コストC)>0…(収支が黒字)のときには、吸込空気Aを露点温度T未満に冷却する。すなわち、電力需要に応える必要性があり、差分収入INC<差分コストCとなっており、吸込空気Aを露点温度T以下にして稼働すれば黒字となるため、経済的である。
以上、説明したように、GTCC発電プラントG1によれば、要求出力WPRと露点温度Tでの出力とを比較して、発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、圧縮機入口温度TINを露点温度TPDT未満にするので、圧縮機入口温度TINが発電に伴う収支と無関係に露点温度T未満とすることを避けることができる。これにより、発電に伴う収支に基づいて限定的に吸込空気Aを露点温度T未満とするので、経済的に吸込空気Aを冷却することができる。また、発電に伴う収支が所定の基準を満たす場合には、吸込空気Aを露点温度T未満に冷却するので、大出力となる稼働が一律に禁止されず、適切に電力需要に応えることが可能となる。
従って、吸込空気Aを経済的に冷却すると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、差分収入演算手段41と差分コスト演算手段42と判定手段43とを備え、差分収入INCと差分コストCとを比較して、圧縮機入口温度TINを露点温度T未満にするか否かを判定するので、差分収入INCと差分コストCとから発電に伴う収支を的確に判断し、経済的に運転することが可能となる。
また、露点温度演算部41aと、露点出力演算部41bと差分出力演算部41cと差分収入演算部41dとを備えるので、大気温度Tambと大気湿度φと要求出力WPRと電力価格Pとに基づいて、比較的に予測信頼性が高い差分収入INCを求めることができる。
また、差分出力ΔWと単位発熱量当たりの燃料価格Pと発電効率Eとに基づいて、比較的に予測信頼性が高い燃料差分コストCを求めることができる。
また、要求入口温度TPRと露点温度Tとに基づいて、比エンタルピ差Δhを求め、この比エンタルピ差Δhと吸込空気Aの流量GINとから差分冷凍能力ΔHを求め、この差分冷凍能力ΔHと冷凍機の成績係数COPとに基づいて、比較的に予測信頼性が高い差分冷凍動力ΔWINを求めることができる。
また、冷却制御部24が、判定手段43が露点出力WPDTよりも要求出力WPRが大きく、かつ、差分コストCよりも差分収入INCが大きいと判定した場合に、圧縮機入口温度TINを露点温度T未満にするので、収支が黒字である場合に限定的に吸込空気Aを露点温度T未満とするので、利益を得ることができる場合にのみ大出力運転を行って適切に電力需要に応えることが可能となる。
従って、経済的な運転が可能となると共に適切に電力需要に応えることができる。
また、ガスタービン用吸気冷却装置2を備えるので、高大気温時に発電出力を維持して経済的に発電すると共に適切に電力需要に応えることができる。
さらに、吸込空気Aを冷却可能な第一熱交換器21が複数の伝熱管32を備え、これら複数の伝熱管32が千鳥状に配置されるので、吸込空気Aを露点温度T未満に冷やした場合において、気流上流側に位置する伝熱管32によって冷却されて発生したミストが、気流下流側の伝熱管32に付着して重力方向下方に落下する。
また、これら複数の伝熱管32が、気流上流側に位置する伝熱管32が気流下流側に位置する伝熱管32よりも冷却効果が大きくなるように配設されているので、気流上流側に位置する伝熱管32で相対的にミストの発生が活発となり、気流下流側に位置する伝熱管32で相対的にミストの発生が抑制され、ミストがより効果的に気流下流側の伝熱管32に捕集される。
これにより、吸込空気Aの冷却に伴ってミストが発生したとしても、吸込空気Aを冷却する伝熱管32自体でミストを捕捉する割合が多くなるので、気流下流側にミストが流れていくことを抑止することができる。
従って、冷却した吸込空気Aの流路上に別装置を付加することなく、発電用ガスタービン1がミストを吸い込むことを抑止することができる。
また、複数の伝熱管32が千鳥状に配設されているので、気流上流側の伝熱管段35の流路幅方向の隙間を通過した吸込空気Aを、気流下流側の伝熱管段35における伝熱管32に十分に接触させることができる。これにより、冷却効果及びミスト捕捉効果を高めることができる。
さらに、吸込空気Aの水分を吸湿可能かつ含有水分を放出させて吸込空気Aを加湿可能な吸湿手段50を備えるので、ミストが発生した場合には、このミストを吸湿することが可能となり、湿度が低い場合には、含有水分を放出させて吸込空気Aを冷却することが可能となる。これにより、ガスタービンの圧縮機1a入口に向かうミストを除去して、発電用ガスタービン1の部品の損傷を抑止することができる。また、吸込空気Aの湿度が低い場合には、さらに吸込空気Aを冷却することができ、発電用ガスタービン1の出力を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、記憶部25に記憶された成績係数COPは、冷凍能力と実際に消費した動力とをフィードバックして記憶部25の記憶を更新する構成にしてもよい。
また、記憶部25および記憶部69に記憶されたデータ等は予め記憶させておいてもよいし、その都度直接入力してもよい。また、NC線図のデータは、全てを記憶させておいても良いし、温度−飽和圧力の関係のみを記憶させておき、露点温度T等の他のデータを都度計算で求めても良い。
また、上述した実施の形態では、燃料差分コストCのみを差分コストCと擬制して燃料差分コストC=差分コストCとしたが、差分コストCを燃料差分コストCと動翼等の消耗に係る消耗コストとを併せたものとしてもよい。なお、消耗コストは、例えば、解析や実験結果から求められる消耗率と、露点温度T未満で運転した時間を乗じて求めることができる。
また、上述したガスタービン用吸気冷却装置2を、既設のガスタービン又はガスタービンコンバインドサイクル発電プラントに追設すれば、既設である発電用ガスタービンの経済的な運転が可能となると共に適切に電力需要に応えることができ、さらに、容易に出力を増大させることができる。
また、上述した実施の形態では、吸込空気Aを冷却する熱交換手段として第一熱交換器21を設けたが、他の構成を採用してもよい。
1…発電用ガスタービン
1a…圧縮機
1b…燃焼器
1c…タービン
2…ガスタービン用吸気冷却装置
21…第一熱交換器(熱交換手段)
22…冷凍機
41…差分収入演算手段
41a…露点温度演算部
41b…露点出力演算部
41c…差分出力演算部
41d…差分収入演算部
41e…差分冷凍動力演算手段
41e1…要求入口温度演算部
41e2…比エンタルピ差演算部
41e3…差分冷凍能力演算部
41e4…差分冷凍動力演算部
42…差分コスト演算手段
42a…燃料差分コスト演算部
43…判定手段
…差分コスト
…燃料差分コスト
…発電効率
G1…GTCC発電プラント
…電力価格
…燃料価格
…露点温度
COP…成績係数
IN…吸込空気の流量
INC…差分収入
IN…圧縮機入口温度
PR…要求入口温度
PR…要求出力
PDT…露点温度
amb…大気温度
PDT…露点出力
A…吸込空気

Claims (9)

  1. 圧縮機と燃焼器とタービンとを備える発電用ガスタービンに用いられるガスタービン用吸気冷却装置であって、外部から前記圧縮機へと吸い込まれる吸込空気を冷却可能な熱交換手段と、前記発電用ガスタービンの要求出力に応じて前記熱交換手段によって前記吸込空気を冷却させる冷却制御部とを備え、前記冷却制御部は、前記圧縮機入口における前記吸込空気の圧縮機入口温度を露点温度で運転した際の露点出力と前記要求出力とを比較し、前記要求出力が大きい場合において、設定された電力価格に基づいて発電に伴う収支が所定の基準を満たすことを条件として、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にすることを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  2. 前記冷却制御部は、
    前記要求出力と前記露点出力との差分である差分出力及び前記電力価格に基づいて差分収入を演算する差分収入演算手段と、
    前記差分出力に応じた燃料差分コストを含む差分コストを演算する差分コスト演算手段と、
    前記差分収入と前記差分コストとを比較して、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にするか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とするガスタービン用吸気冷却装置。
  3. 前記差分収入演算手段は、
    外部空気の温度と湿度とに基づいて、前記露点温度を求める露点温度演算部と、
    この露点温度演算部に演算された前記露点温度に基づいて、前記露点出力を求める露点出力演算部と、
    この露点出力演算部に演算された前記露点出力と前記差分出力とに基づいて、前記差分出力を演算する差分出力演算部と、
    前記吸込空気を前記露点温度から前記要求入口温度まで冷却する際に必要となる差分冷凍動力を演算する差分冷凍動力演算手段と、
    前記差分出力演算部に演算された前記差分出力と前記差分冷凍動力演算手段に演算された前記差分冷凍動力と前記電力価格とに基づいて、前記差分収入を演算する差分収入演算部とを備えることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン用吸気冷却制御装置。
  4. 前記差分コスト演算手段は、前記差分出力と単位発熱量当たりの燃料価格と発電効率とに基づいて、前記燃料差分コストを演算する燃料差分コスト演算部とを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスタービン用吸気冷却装置。
  5. 前記差分冷凍動力演算手段は、
    前記要求入口温度演算部に演算された前記要求入口温度と前記露点温度とに基づいて、比エンタルピ差を演算する比エンタルピ差演算部と、
    この比エンタルピ差演算部に演算された前記比エンタルピ差と前記吸込空気の流量とから差分冷凍能力を演算する差分冷凍能力演算部と、
    この差分冷凍能力演算部に演算された差分冷凍能力と前記吸込空気に対して熱交換を行う冷水を前記熱交換手段に供給する冷凍機の成績係数とに基づいて、前記差分冷凍動力を演算する差分冷凍動力演算部とを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のガスタービン用吸気冷却装置。
  6. 前記冷却制御部は、前記判定手段が、前記露点出力よりも前記要求出力が大きく、かつ、前記差分コストよりも前記差分収入が大きいと判定した場合に、前記圧縮機入口温度を前記露点温度未満にすることを特徴とする請求項2から5のうちいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置。
  7. 請求項1から6のうちいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置を備えるガスタービン。
  8. 請求項1から6のうちいずれか一項に記載のガスタービン用吸気冷却装置と、
    圧縮機と燃焼器とタービンとを備える発電用ガスタービンと、
    前記ガスタービンからの排熱を利用する排熱利用手段とを備えることを特徴とするガスタービンコンバインドサイクル発電プラント。
  9. 既設のガスタービン又はガスタービンコンバインドサイクル発電プラントに請求項1から6のうちいずれか一項のガスタービン用吸気冷却装置を追設することを特徴とする出力増大方法。
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