JP2011038389A - レンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造 - Google Patents

レンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 施工効率、施工安全性の向上を実現させるとともに、耐震性、耐久性に優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 レンガ壁面の垂直方向の端部のレンガを互い違いに組み積みしてコーナーを形成するレンガ壁面のコーナー部分の、垂直方向の少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所に、L字状であって、かつL字のコーナーに縦筋挿通孔、両端部近傍に縦筋挿通長孔を開孔してなる補強金物を配設し、前記、配設された該補強金物の縦筋挿通孔に、コンクリートの基礎のコーナー部分から立設された縦筋を挿通するとともに、該縦筋挿通長孔には、前記コーナー部分から立設された縦筋の両隣に立設する縦筋を挿通した。
【選択図】図4

Description

本発明は、レンガ積み建築物のレンガ壁面の耐震構造に関する。
従来、レンガを積んで壁面を構成した建築物は、レンガ自体の持つ重厚で趣のある色彩や質感といった美的外観、そして耐久性、耐火性、断熱性、遮音性などといった優れた建築物としての性能を有する。これらのレンガ積み建築物は、モルタルを用いてレンガを積み重ねる湿式工法によりレンガ壁面を構成している。このようなレンガ壁面は、縦筋を挿通するために縦方向に貫通孔を備えたレンガを用いて、コンクリートの基礎から適宜間隔をおいて立設した複数の縦筋を内部に配筋したり、前記した縦筋と、レンガの所定の積み重ね段数毎に水平に配設された横筋とで格子状にレンガ壁面の内部に配筋したりして、強度と耐震性を向上させている。
例えば、レンガ壁面を縦筋だけで配筋したものでは、特開昭53−73826号公報(特許文献1)に開示された「特殊レンガ及び組積工法」がある。この発明は、確実に施工が可能で、暴風、地震などの災害に対しても充分な強度をもった建築物を形成可能な特殊レンガ及びその組積工法に関するもので、レンガ自体に、レンガを積み重ねる方向に貫通する配筋配設用の縦通孔を開設して形成し、その縦通孔同士が重なり合うように各レンガ同士をモルタルなどの固結材で結合するとともに、配筋を通した縦通孔に固結材を流し込むことによりレンガと配筋とを固定し、さらにレンガ同士をワイヤーなどの連結具材を用いて連結することで、従来のレンガ建築が配筋を使用できないか、あるいはできても壁式鉄筋構造の如く思うように配筋できないため結果として充分な構造強度が得られなかった欠点を、極めて効果的に配筋を入れることを可能にしたことにより解決したものであり、さらには配筋による縦方向の補強と、連結具材による横方向の補強などが建築・構造物中においてあたかも格子状に埋設されることとなるから暴風・地震などの災害に対して非常に強い構造を具えた建築・構造物を形成することができたものである。(特許文献1の明細書中、第2頁第2行から4行、第3頁第9行から17行、第9頁第2行から12行を参照)
特許第3432495号公報(特許文献2)に開示された「建物外壁の煉瓦工法」は、建物外壁のレンガ工法で、建物躯体の外側に空間層を設けてレンガ壁面を構築することにより、建物の外装仕上げと同時に断熱性及び耐久性の向上を図ることができるようにしたレンガ工法に関するもので、建物躯体の外側下部に、外壁から所定の距離を離れた位置に水平面と、外壁と水平面の間に防水処理した外側下がりの傾斜面とを形成し、上記水平面上に、上下方向の貫通孔を有するレンガを並べると共に順次積み重ね、上下に位置するレンガは貫通孔に縦筋を通して充填材で埋め、レンガを所定高さの積み上げごとに縦筋と結合した引き金物で建物躯体の外壁に固定し、上部に積み重ねるレンガには貫通孔に達する切り欠きを設けたレンガを用い、この切り欠きを縦筋に外側から差し込んで積み上げることにより、建物躯体の外側に空気層を設けてレンガ壁面を構築するようにしたものである。(特許文献2の明細書中、段落番号0001、0005を参照)このように構成したことにより、レンガによる外装仕上げと同時に、空間層が建物躯体に対して断熱効果を発揮することになり、冷暖房効率の優れた建物にすることができる。また、レンガの貫通孔に縦筋を通して充填材で埋め、レンガを所定高さの積み上げごとに引き金物で建物躯体の外壁に固定するようにしたので、縦筋と引き金物を介してレンガ壁面を建物躯体に対して固定することで、一定の距離と垂直を精度高く出すことができるとともに、強度的に優れたレンガ壁の構築を可能としたものである。(段落番号0019から0020を参照)
なお、上下のレンガに通す縦筋は、一本物の通し筋でも、短い縦筋をスリーブを用いて継ぎ足して使用しても良いことが示されている。(段落番号0013及び図2を参照)また、短い部分筋を使用した場合は、積み上げたレンガの横方向において、隣接する部分筋の一部がラップするような配置として、レンガ壁面の強度を維持することが示されている。(段落番号0016及び図4を参照)
特開2007−284973号公報(特許文献3)に開示された「煉瓦積み建築物」は、レンガを用いた木造建築物の外壁部分を改良したレンガ積み建築物で、木造建築物において壁を構成する壁構造材と、該壁構造材の外側に間隔をあけて基礎に立設される複数の縦筋と、最下段のレンガが基礎に固着されるとともに上記縦筋が挿通されるレンガを含め多数のレンガを積み上げてなる面状レンガ体(レンガ壁面)と、上記壁構造材の適宜箇所に固着される複数の控金具と、該控金具に支承される複数の横筋とからなり、上記横筋は上記縦筋の外側に連係して配設したことで、地震時の揺れや振動により水平方向に力が加わると、面状レンガ体は内部の縦筋が横筋により抑えられるので外方向への移動を制限される。該横筋は壁構造材に固着された控金具に挟み込まれており、面状レンガ体と壁構造材とを一体化している。このため横筋の移動が壁構造材に伝達され、面状レンガ体は壁構造材と同一の方向に揺れる。よって地震時の揺れや振動を建物全体で支持するので壁面のレンガの倒壊を防止することができる。また、上記壁構造材と上記面状レンガ体との間に一定の間隙からなる通気層を設け、該通気層を上記基礎と1階床との間に設ける床下空間に連通させ、外気を上記通気層及び床下空間に流通させるように構成したことで、壁構造材が常時乾燥状態となり、壁構造材の腐朽が防止され、壁構造材に支持される面状レンガ体の倒壊を防止し、耐震性のあるレンガ積み建築物とすることを可能としたものである。(段落番号0014から0016を参照)
特開昭53−73826号公報 特許第3432495号公報 特開2007−284973号公報
ところで、一般的なレンガ積み建築物のレンガ壁面は、正面、背面、左右側面の4面のレンガ壁面から、いわば箱体をなすように構成されており、それぞれのレンガ壁面の内部には、前記した特許文献に述べられているように、縦筋のみ、あるいは縦筋と横筋を格子状に配筋してレンガ壁面自体の強度を維持するように構成している。また、正面、背面、左右側面のそれぞれのレンガ壁面同士は、コーナー部分でレンガが互い違いに組み積みされるとともに、モルタルによって固着することで接合されている。
しかしながら、前記したように接合されたそれぞれのレンガ壁面は、コーナー部分のレンガが互い違いに組み積みされモルタルによって固着されて箱体をなしているのであるが、配筋などによってコーナー部分が連結されて強固な箱体として構成されているわけではない。いわばそれぞれのレンガ壁面は独立しているといっても過言ではないのである。
したがって、レンガ壁面のコーナー部分が、地震の揺れによって分断するといった脆弱性が課題となっており、強いては建物躯体の耐震性にも影響がおよぶ可能性がある。
特許文献1(特開昭53−73826号公報)、及び特許文献2(特許第3432495号公報)では、レンガ壁面の配筋は縦筋のみで構成され、正面、背面、左右側面のそれぞれのレンガ壁面の接合については特に記載がない。
特許文献3(特開2007−284973号公報)では、レンガ壁面に縦筋と横筋を格子状に配筋するとともに、該横筋を建物躯体と金物によって接続して構成しているが、正面、背面、左右側面のそれぞれのレンガ壁面の接合については特に記載がない。
また、従来の配筋方法を用いたレンガ壁面の組み積みは、長尺の縦筋の上端部からレンガを順次挿通させると行った作業を繰り返すため、次に示す課題を有する。
極めて手間と時間がかかり自ずと工期が長くなり建築コストも必然的に上昇するといった課題。レンガを上方からうっかり落下させてしまうといった事故が危惧され施工の安全面においての課題。モルタルでレンガと配筋とを固定するが、一般的な配筋材の表面は若干の凹凸があるものの平滑面であるため、地震の際のモルタルと配筋の固着部へかかる応力により、レンガと配筋とが剥離してレンガ壁面の強度が保てないといった課題。一般的な配筋材の表面は防錆処理が施されていないため、モルタルの水分や経年による腐食で、自然にモルタルと配筋が剥離してしまい、レンガ壁面の強度が保てないといった課題。
なお、特許文献2では、短い縦筋を、スリーブを用いて継ぎ足すことが示されているが、圧入、あるいは圧着工具を用いてかしめての固着であるので、あくまでも簡易的な固定方法に過ぎす強度的に劣るといった課題がある。
そこで本発明は、上記した課題を考慮し、施工効率、施工安全性の向上を実現させるとともに、耐震性、耐久性に優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を提供することを目的とする。
コンクリートの基礎に、所定の間隔をおいて複数立設した縦筋を、レンガの上下方向に貫通させた複数の縦孔に挿通するとともに、レンガの適宜な積み重ね段数毎に横筋を配設し、該横筋を建物躯体に取付金物を用いて接続してなるレンガ積み建築物のレンガ壁面配筋方法において、レンガ壁面の垂直方向の端部のレンガを互い違いに組み積みしてコーナーを形成するレンガ壁面のコーナー部分の、垂直方向の少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所に、L字状であって、かつL字のコーナーに縦筋挿通孔、両端部近傍に縦筋挿通長孔を開孔してなる補強金物を配設し、前記、配設された該補強金物の縦筋挿通孔に、コンクリートの基礎のコーナー部分から立設された縦筋を挿通するとともに、該縦筋挿通長孔には、前記コーナー部分から立設された縦筋の両隣に立設する縦筋を挿通したことで解決される。
また、該縦筋は、短尺の全ネジボルトとして、連結ナットを用いて螺合連結を可能したことで解決される。
さらにまた、前記、該縦筋、該横筋、該連結ナット、該取付金物、該補強金物の何れか、あるいは組み合わされた複数、あるいはすべてに溶融亜鉛メッキを施したことで解決される。
請求項1においては、コンクリートの基礎に、所定の間隔をおいて複数立設した縦筋を、レンガの上下方向に貫通させた複数の縦孔に挿通するとともに、レンガの適宜な積み重ね段数毎に横筋を配設し、該横筋を建物躯体に取付金物を用いて接続してなるレンガ積み建築物のレンガ壁面配筋方法において、レンガ壁面の垂直方向の端部のレンガを互い違いに組み積みしてコーナーを形成するレンガ壁面のコーナー部分の、垂直方向の少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所に、L字状であって、かつL字のコーナーに縦筋挿通孔、両端部近傍に縦筋挿通長孔を開孔してなる補強金物を配設し、前記、配設された該補強金物の縦筋挿通孔に、コンクリートの基礎のコーナー部分から立設された縦筋を挿通するとともに、該縦筋挿通長孔には、前記コーナー部分から立設された縦筋の両隣に立設する縦筋を挿通したので、レンガ壁面同士はコーナー部分によって確実に接合されることで強固な箱体となって耐震性を確実に向上させ、優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を実現したのである。
請求項2においては、該縦筋を短尺の全ネジボルトとして、連結ナットを用いて螺合連結を可能としたので、施工時に容易に手が届く縦筋の上端部にレンガの縦孔を挿通しながら組み積みし、レンガが縦筋の上端部に到達あるいは近づいた段階で、連結ナットを用いて次の全ネジボルト縦筋の下端部と螺合連結して延設し、レンガをさらに積み重ねるといった施工を繰り返すことにより、極めて安全で高効率でレンガ壁面の組み積みを行うことを実現した。
また、短尺の全ネジボルトとした縦筋は、レンガ壁面内部で、一本の通し縦筋として所望の強度を得るとともに、レンガの縦孔に充填された固着材としてのモルタルが、ネジ山と強固に固着することで両者の剥離が防止され、耐震性に優れた強固なレンガ壁面を構成することを実現した。
また、短尺の全ネジボルトとした縦筋は、レンガ壁面の高さや、積み重ねる途中に配設される窓枠などの状況に応じて任意寸法に切断したり、連結ナットを螺合結合させて継ぎ足したりすることで、材料に無駄が生じず、コスト低減と施工効率の向上を実現した。
また、短尺の全ネジボルトとした縦筋は、建築現場への配送も、従来のように長尺物を積載するためのロングボディトラックではなく、ショートボディトラックやワンボックスバンなどの小型の車両で配送することが可能となり、積載時に長尺の鉄筋のように車両の前後方向にはみ出して積載することがなく、道幅の狭い場所でも車両の取り回しが容易であるので、極めて安全な配送が可能となり荷役性の向上をも実現した。
請求項3においては、前記、該縦筋、該横筋、該連結ナット、該取付金物、該補強金物の何れか、あるいは組み合わされた複数、あるいはすべてに溶融亜鉛メッキを施したので、レンガ内部の配筋に生じる錆や腐食による膨張を原因とするレンガ及び目地モルタルのクラックの発生を防止し、レンガ積み建築物の高い耐久性に見合った縦筋の耐久性を実現し、総合的に極めて耐震性、耐久性に優れたレンガ壁面とすることを可能とした。
レンガ積み建築物の正面図である。 レンガ壁面内部の配筋状態を示す図である。 補強金物の平面図である。 レンガ壁面のコーナー部分の説明斜視図である。 補強金物を配設した状態を示す平面図である。 レンガ壁面の縦方向断面図である。 図6のA−A線拡大断面図である。 取付金物の説明図である。 取付金物の詳細説明図である。
本発明の第1実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1はレンガ積み建築物の正面図で、図2は、図1のレンガ壁面内部の配筋状態を示す図である。本発明においては、木造の在来工法にレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を適用して説明をする。
第1実施例の特徴は、レンガ壁面のコーナー部分の、垂直方向の少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所(図1及び図2の矢印部分を参照)に縦筋(2a)を挿通した補強金物(10)を配設したことで、それぞれのレンガ壁面(1)同士が確実に接合され、該レンガ壁面(1)が強固な箱体となって耐震性を向上させたことにある。
まず、レンガ積み建築物のレンガ壁面(1)と、木造の在来工法からなる建物躯体との構成を、図6、及び図7を用いて説明する。
図6は、レンガ壁面(1)の縦方向断面図、図7は、図6におけるA−A線断面図である。図6に示されるように、レンガ積み建築物のレンガ壁面(1)の内側には、木造の在来工法からなる建物躯体が構造体として構成されている。該建物躯体は、コンクリートの基礎(5)の立ち上がり部に接続された土台(6a)と、その上方に所定の間隔で柱(6b)と間柱(6c)を立設し、該柱(6b)と間柱(6c)の屋内側には、石膏ボードなどからなる内装材(7a)を貼るとともに、屋外側には、壁内の湿気を積極的に屋外に排出し壁内の結露を防ぐための透湿防水シート(7b)を貼って壁体を構成する。そして、該壁体の屋外側には、通気層(8)を介してレンガ壁面(1)を構成し、レンガ積み建築物として構成される。
図7に示されるように、レンガ(1a)は、横位置にしたときの上面と底面を貫通する縦孔(1b)を開孔して備え、該縦孔(1b)を縦筋(2a)の上端から挿通して順次モルタルでレンガ(1a)同士を接着するとともに、縦孔(1b)をモルタルで充填しながら積み重ねる。
このように、縦筋(2a)が配筋されたレンガ壁面(1)は、さらに横筋(3)が適宜段数毎(図2では5段毎)に配筋され、取付金物(4)によって建物躯体と接続される。このとき、該横筋(3)は、該縦筋(2a)の前方(室外側)に位置するように配筋したので、地震の揺れによってレンガ壁面(1)が外方への倒壊を抑止するように構成される。
図8及び図9は、前記した取付金物(4)の説明図である。図8(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は平面図で、横筋(3)の保持状態を示している。図9は、取付金物(4)の詳細説明図であり、2枚の取付金物を端部で連結して折り曲げ重ね合わせて構成されていることを示している。取付金物(4)は、建物躯体に取り付けるためのネジ穴(4a)を有する取付部(4b)、建物躯体から離間した位置に横筋を配設するためのステー部(4c)、横筋を保持するための保持部(4d)から構成される。このように構成された取付金物(4)は、レンガ(1a)に配設された横筋(3)に図9のように開いた状態で嵌装し、図8(B)の矢印に示されるように横筋(3)が前後方向に移動可能に保持されて構成される。
以上のように構成されたレンガ積み建築物のレンガ壁面の耐震構造について詳細に説明する。
図3は、補強金物(10)の平面図である。厚み3〜5mm程度の金属板からなり、L字状であって、かつL字のコーナーに縦筋挿通孔(10a)、両端部近傍に縦筋挿通長孔(10b)を開孔して備えた。
図4は、基礎(5)の近傍に配設された該補強金物(10)と、レンガ壁面(1)のコーナー部分を示す説明斜視図である。なお、レンガ壁面(1)の左側をA壁面、右側をB壁面と称して説明する。また、図5は、補強金物(10)を配設した状態を示す平面図である。
図3乃至図5に示されるように、該補強金物(10)は、そのコーナーに開孔された縦筋挿通孔(10a)に、基礎(5)のコーナー部分から立設された縦筋(2a)を挿通するとともに、両端部近傍に開孔された縦筋挿通長孔(10b)に、前記したコーナー部分の縦筋(2a)の両隣に立設した縦筋(2a)を挿通させて、レンガ(1a)の3段目の上面に配設される。そして、この上にさらにレンガ(1a)が組み積みされることで、レンガ壁面(1)のA壁面とB壁面同士が接合され、すべてのレンガ壁面(1)のコーナー部分を同様に接合することによって、該レンガ壁面(1)は強固な箱体となって耐震性が向上する。なお、該縦筋挿通長孔(10b)は、基礎(5)から立設される縦筋(2a)の立設位置のズレや、レンガ寸法の個体差を吸収するために長孔とした。
また、図4に示されるように、A壁面の垂直方向の端部のレンガ(1a)と、B壁面の垂直方向の端部のレンガ(1a)は、互い違いに組み積みしてコーナーを形成されるとともに、この互い違いに組み積みされた部分のレンガ(1a)の縦孔(1b)には、基礎(5)のコーナー部分から立設された縦筋(2a)が挿通される。すなわち、図4に示されるように、まずA面のコーナー部分のレンガ(1a)の縦孔(1b)に縦筋(2a)が挿通され、続いてB面のコーナー部分のレンガ(1a)の縦孔(1b)に縦筋(2a)が挿通され、これが交互に繰りかえされて組み積みされることでレンガ壁面(1)のA壁面とB壁面同士は噛み合って接合され、すべてのレンガ壁面(1)のコーナーをこのように接合することによって、補強金物(10)の配設とともに、該レンガ壁面(1)は強固な箱体となって耐震性が向上する。
さらに、本実施例によるレンガ壁面(1)は、モルタル(9)を固着材とする湿式工法であるので、前記、補強金物(10)の配設部分、及び配筋部分は図示しないがモルタル(9)によって固着されている。
以上の如く構成したことによって、レンガ壁面(1)のコーナー部分は確実に強固に接合され、該レンガ壁面(1)は強固な箱体となって耐震性を確実に向上させ、優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を実現したのである。
なお、レンガ壁面(1)のコーナー部分への補強金物(10)の配設は、前記説明では少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所として説明したが、3カ所以上配設すればよりレンガ壁面(1)のコーナー部分の接合が強固になることはいうまでもない。例えば、レンガ積み建築物が2階建てであれば、基礎近傍、屋根近傍、1階天井の梁近傍の3カ所、また、3階建てであれば、基礎近傍、屋根近傍、1階及び2階天井の梁近傍の4カ所とすれば良い。あるいは、前記した例にかかわらず、さらにその中間に配設しても良い。
本発明の第2実施例について、図3を参照して詳細に説明する。第2実施例の特徴は、縦筋(2a)を短尺の全ネジボルトとして、連結ナット(2b)を用いて螺合連結を可能としたことを特徴とした。短尺の縦筋を繋いで通し縦筋とする公知例としては、特許文献2に短い縦筋をスリーブを用いて延長することが示されているが、本実施例では縦筋を短尺の全ネジボルト縦筋としたことで耐震性の向上を含めて種々の課題を解決したものである。なお、全ネジボルトとは、その長手方向全域がネジとなっているボルトを示す。また、短尺とは、特にその長さを限定するものではないが、一本物の通し縦筋で施工した場合の課題を解決できる長さであれば良く、それからすれば施工者が上に手を伸ばしたときに容易に手が届く程度の長さ以内(概ね180cm以内)とすれば良い。
図3に示されるように、コンクリートの基礎(5)から立設された短尺の全ネジボルトの縦筋(2a)は、連結ナット(2b)によって螺合連結されて順次上方に延設される。
これにより、レンガ(1a)の縦孔(1b)に、縦筋(2a)の上端部から順次挿通して積み重ね、積み重ねたレンガ(1a)が、縦筋(2a)の上端部に到達あるいは近づいた時点で連結ナット(2b)によって次の全ネジボルトの縦筋(2a)の下端部と螺合連結して延設し、レンガ(1a)をさらに積み重ねるといった施工を繰り返すことにより、極めて安全で高効率でレンガ(1)壁面の組み積みを行うことを実現した。
また、短尺の全ネジボルトの縦筋(2a)は、レンガ壁面(1)の内部で、一本の通し縦筋として所望の強度を得るとともに、レンガ(1a)の縦孔(1b)に充填された固着材としてモルタルが、縦筋(2a)のネジ山と強固に固着することで両者の剥離が防止され、耐震性に優れた強固なレンガ壁面(1)を構成することを実現した。
また、短尺の全ネジボルトの縦筋(2a)は、レンガ壁面(1)の高さや、積み重ねる途中に配設される窓枠などの状況に応じて任意寸法に切断したり、連結ナット(2b)を螺合結合させて継ぎ足したりすることで、材料に無駄が生じず、かつ施工効率の向上を実現した。
また、短尺の全ネジボルトの縦筋(2a)は、建築現場への配送も、従来のように長尺物を積載するためのロングボディトラックではなく、ショートボディトラックやワンボックスバンなどの小型の車両で配送することが可能となり、積載時に長尺の鉄筋のように車両の前後方向にはみ出して積載することがなく、道幅の狭い場所でも車両の取り回しが容易であるので、極めて安全な配送が可能となり荷役性の向上をも実現したのである。
第3実施例を説明する。本実施例の特徴とするところは、縦筋(2a)、縦筋(2d)、横筋(3)、連結ナット(2b)、取付金物(4)、補強金物(10)の何れか、あるいは組み合わされた複数、あるいはすべてに、溶融亜鉛メッキを施したことにある。
これによって、レンガ壁面(1)内部の配筋に生じ易い錆や腐食による膨張を原因とするレンガ(1a)及び目地モルタル(9)のクラックの発生を防止し、レンガ積み建築物の高い耐久性に見合った配筋の耐久性を実現し、総合的に極めて耐震性、耐久性に優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を実現したのである。
溶融亜鉛メッキは、塗装や電気メッキなどとは異なり、亜鉛と鉄との間にできた合金層によって、亜鉛と鉄が強く結合しているため、長い年月に亘りメッキが剥離することがない。また、溶融亜鉛メッキは、鋼材を溶かした亜鉛に浸すことで表面に亜鉛の酸化皮膜が設けられ、空気や水を通しにくい安定した性質で錆の発生を防止する。
また、運搬時や施工時に表面に傷が付いて素地の鉄が露出した場合でも、傷の周囲の亜鉛が鉄より先に溶け出し電気化学的に保護することで、錆の発生及び腐食を効果的に防止する。このように、亜鉛の酸化皮膜による保護皮膜作用と、亜鉛が鉄より先に溶け出し電気化学的に保護する犠牲防食作用により、モルタルの水分やモルタルに混ぜる砂に微量に含まれた塩分、経年による腐食や、何らかの原因でレンガ及びモルタルにクラックが生じて内部に水分が浸透した場合の錆の発生や腐食を極めて効果的に防止し、レンガ積み建築物としての高い耐久性に見合った配筋及び金物類の耐久性を実現し、総合的に極めて耐震性、耐久性に優れたレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造を提供することを可能としたのである。
以上説明したように本発明においては、建物躯体が木造の在来工法に適用して説明したが、2×4工法や鉄筋コンクリート構造の建物躯体の外側のレンガ壁面に適用しても良い。
1 レンガ壁面
1a レンガ
1b 縦孔
2a 縦筋
2b 連結ナット
3 横筋
4 取付金物
4a ネジ穴
4b 取付部
4c ステー部
4d 保持部
5 基礎
6a 土台
6b 柱
6c 間柱
7a 内装材
7b 透湿防水シート
8 通気層
9 モルタル
10 補強金物
10a 縦筋挿通孔
10b 縦筋挿通長孔

Claims (3)

  1. コンクリートの基礎に、所定の間隔をおいて複数立設した縦筋を、レンガの上下方向に貫通させた複数の縦孔に挿通するとともに、レンガの適宜な積み重ね段数毎に横筋を配設し、該横筋を建物躯体に取付金物を用いて接続してなるレンガ積み建築物のレンガ壁面配筋方法において、レンガ壁面の垂直方向の端部のレンガを互い違いに組み積みしてコーナーを形成するレンガ壁面のコーナー部分の、垂直方向の少なくとも基礎近傍、屋根近傍、その中間の3カ所に、L字状であって、かつL字のコーナーに縦筋挿通孔、両端部近傍に縦筋挿通長孔を開孔してなる補強金物を配設し、前記、配設された該補強金物の縦筋挿通孔に、コンクリートの基礎のコーナー部分から立設された縦筋を挿通するとともに、該縦筋挿通長孔には、前記コーナー部分から立設された縦筋の両隣に立設する縦筋を挿通したことを特徴とするレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造。
  2. 前記、該縦筋は、短尺の全ネジボルトとして、連結ナットを用いて螺合連結を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造。
  3. 前記、前記、該縦筋、該横筋、該連結ナット、該取付金物、該補強金物の何れか、あるいは組み合わされた複数、あるいはすべてに、溶融亜鉛メッキを施したことを特徴とする請求項1、請求項2の何れかに記載のレンガ積み建築物のレンガ壁面耐震構造。
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