JP2011028417A - マーカ検出装置、マーカ生成検出システム、マーカ生成検出装置、マーカ検出方法及びマーカ検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マーカ検出用の画像から抽出された特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点とマーカから抽出された特徴点とを照合し、マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする照合手段10aと、複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち一致検出領域に配置される特徴点の数が所定数以下であると、この一致検出領域をマーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する照合監視手段20aとを備えた。
【選択図】 図1
Description
例えば、マーカ生成段階で、マーカが存在しない空間の画像を背景映像として映像入力手段により撮影し、その背景映像から特徴点を抽出し、この特徴点を不変量特徴空間に写像して不変特徴とし、この不変特徴が表れなかった部分を特異特徴とし、この特異特徴にもとづいてマーカパターンを生成し、マーカ検出段階で、マーカが付された物体を含む空間の画像を検出対象映像として撮影し、この検出対象映像から特徴点を抽出し、この特徴点の配置の中にマーカパターンから抽出された特徴点の配置と一致するものがあるか否かを判断し、一致するものがあるときは、これをマーカとして検出する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
同技術では、マーカパターンが、背景映像に表れていないパターンから生成される。これにより、マーカ検出段階では、背景からマーカが誤って検出されることを回避するとともに、物体に付されたマーカを確実に検出できるとしている。
ただし、これは、マーカ検出段階で映像入力手段が撮影した検出対象映像のうちマーカを除いた部分(背景部分)と、マーカ生成段階で映像入力手段が撮影した背景映像とが同様であることが前提となる。
まず、本発明のマーカ検出装置及びマーカ検出方法の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマーカ検出装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、マーカ検出装置1aは、照合手段10aと、照合監視手段20aとを備えている。
照合手段10aは、図2に示すように、照合データ入力部11と、照合データ記憶部12と、照合部13とを有している。
照合データ入力部11は、「特徴点情報テーブル」と、「マーカ情報テーブル」とを入力する。そして、照合データ入力部11は、それら「特徴点情報テーブル」及び「マーカ情報テーブル」を照合データ記憶部12に記憶させる。
この「特徴点情報テーブル」は、図3に示すように、「フレーム画像のシリアル番号」(ア)と、「特徴点のシリアル番号」(イ)と、「特徴点のx座標」(ウ)と、「特徴点のy座標」(エ)とを項目として構成することができる。
「特徴点のシリアル番号」は、一枚のフレーム画像から抽出された複数の特徴点の一つ一つに付された番号を示す。
「特徴点のx座標」は、特徴空間における、その特徴点のx座標を示す。
「特徴点のy座標」は、特徴空間における、その特徴点のy座標を示す。
なお、フレーム画像、特徴空間、特徴点の抽出方法などについては、第二実施形態で詳細に説明する。
「マーカのシリアル番号」は、一又は二以上のマーカのそれぞれに付された番号を示す。
「特徴点のシリアル番号」は、マーカから抽出された一又は二以上の特徴点の一つ一つに付された番号を示す。
「特徴点のx座標」は、その特徴点のx座標を示す。
「特徴点のy座標」は、その特徴点のy座標を示す。
「フレーム画像のシリアル番号」は、そのフレーム画像に付された番号を示す。
「検出特徴点の番号」は、検出特徴点のそれぞれに付された「特徴点のシリアル番号」を示す。
「検出特徴点のx座標」は、その検出特徴点のx座標を示す。
「検出特徴点のy座標」は、その検出特徴点のy座標を示す。
「特徴点情報テーブル」は、前述したように、「特徴点のシリアル番号」と、「特徴点のx座標」と、「特徴点のy座標」とを項目として有している。
ここで、「特徴点のシリアル番号」に示された特徴点のそれぞれを、「特徴点のx座標」に示されたx座標と、「特徴点のy座標」に示されたy座標にしたがって特徴空間に配置すると、図6に示すようになる。
具体的には、例えば、特徴点t1は、特徴空間においては、x座標(x1001)、y座標(y1001)のところに配置される。
ここで、「特徴点のシリアル番号」に示された特徴点のそれぞれを、「特徴点のx座標」に示されたx座標と、「特徴点のy座標」に示されたy座標にしたがって所定の空間(例えば、特徴空間と同じ座標系のマーカ配置空間)に配置すると、図7に示すようになる。
次いで、照合部13は、その二つ基準点m1,m5を、特徴空間に配置された特徴点群のうちの二つ(ここでは、特徴点t1,t2)に合わせる。
例えば、図8(i)に示すように、特徴空間における二つの特徴点t1−t2間の距離は、t1-2であったとする。一方、基準点m1-m5間の距離は、m1-5であったとする。ここで、距離m1-5が距離t1-2よりも短い場合、照合部13は、距離m1-5を距離t1-2と一致するように伸長する。
これら伸長処理を行った結果、マーカにもとづく特徴点は、図8(ii)に示すように、マーカの全体が拡大されたかたちで各特徴点m1〜m6が配置される。
この短縮処理を行った結果、マーカにもとづく特徴点は、マーカの全体が縮小されたかたちで各特徴点m1〜m6が配置される。
ここで、特徴空間の二つの特徴点t1、t2を結ぶ線と、マーカの基準点m1、m5を結ぶ線が平行でない場合、照合部13は、マーカ全体を回転させて、それら各線を平行にし、その後に、マーカ全体を平行移動させて、マーカの基準点m1、m5を特徴空間の二つの特徴点t1、t2に重ね合わせるようにすることもできる。
判断の結果、重なって配置されているときは、照合部13は、その配置された特徴点が、マーカから抽出された特徴点であると判断する。
一方、配置されていないときは、照合部13は、この部分にはマーカにもとづく特徴点が存在しない(この部分には、マーカが映し出されていない)と判断する。
なお、基準点以外のマーカの特徴点と特徴空間の特徴点が一致しているか否かの判断は、その特徴空間でユークリッド距離が既定値以下である場合に一致したものとみなすことができる。また、そのユークリッド距離が既定値以下の特徴点の数をスコアとして累積していってもよい。
ただし、検出精度を高めるために、マーカにおける二つの特徴点を基準点として順次選択し、この選択された基準点を用いて順次重ね合わせの処理を行うこともできる。
また、本実施形態において、基準点は、二つとしたが、二つに限るものではなく、三つ以上とすることもできる。
なお、前述したユークリッド距離を算出する場合、スコアが既定値を超えているときに、その特徴空間における当該特徴点を検出特徴点として受諾するようにしてもよい。また、この場合、ユークリッド距離の累積値が既定値以下である条件を付加してもよい。
この「検出特徴点情報テーブル」は、「特徴点情報テーブル」の中から、検出特徴点とされた特徴点に関するデータを取り出してまとめたものである。図5に示す「検出特徴点情報テーブル」においては、t40、t53、t60等が検出特徴点である。
また、照合部13は、特徴空間において検出特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を「一致検出領域」として特定する。具体的には、図5に示す「検出特徴点情報テーブル」においては、(x1040,y1040)、(x1053,y1053)、(x1060,y1060)等で示される位置が「一致検出領域」である。
なお、「一致検出領域」は、一点、複数の点、線分、所定の広さの面、三次元空間の一部などによってその領域を特定することができる。
これにより、「特徴点情報テーブル」は、照合データ入力部11が入力した数だけ、照合データ記憶部12に記憶される。また、「検出特徴点情報テーブル」は、「特徴点情報テーブル」と同数が、照合データ記憶部12に記憶される。
なお、一の特徴空間から検出特徴点が検出されなかった場合、照合部13は、その特徴空間について「検出特徴点情報テーブル」を作成することを要しない。この場合、照合データ記憶部12は、「検出特徴点情報テーブル」を記憶しないことになる。ただし、一の特徴空間から検出特徴点が検出されなかったことについては、このことを示すデータを残しておくことが望ましい。この場合、照合部13は、検出特徴点が無いことを示す「検出特徴点情報テーブル」を作成し、照合データ記憶部12は、その「検出特徴点情報テーブル」を記憶することができる。
監視データ記憶部21は、「検出特徴点情報テーブル」と、「検出特徴点監視テーブル」とを記憶する。
「検出特徴点監視テーブル」は、複数の「検出特徴点情報テーブル」をまとめたものである。
「x座標」は、特徴空間におけるx座標を示す。
「y座標」は、特徴空間におけるy座標を示す。
これら「x座標」と「y座標」は、照合部13で検出された検出特徴点についてのx座標とy座標である。
「内訳」は、「x座標」及び「y座標」に示された座標において検出された検出特徴点の内訳を示す。具体的には、「内訳」は、その検出特徴点が検出されたフレーム画像を特定する情報と、このフレーム画像における検出特徴点の番号とを、検出特徴点ごとに示す。
照合監視部22は、複数の「検出特徴点情報テーブル」を参照し、「検出特徴点のx座標」及び「検出特徴点のy座標」が一致しているデータ列を抽出する。
次いで、照合監視部22は、抽出した「検出特徴点のx座標」及び「検出特徴点のy座標」を、「検出特徴点監視テーブル」の「x座標」及び「y座標」に示す。続いて、照合監視部22は、「検出特徴点のx座標」及び「検出特徴点のy座標」が一致しているデータ列の数を、その「x座標」及び「y座標」に関連付けて「検出特徴点の検出回数」に示す。さらに、照合監視部22は、抽出したデータ列のうちの「検出特徴点の番号」と、これを抽出した「フレーム画像のシリアル番号」を、その「x座標」及び「y座標」に関連付けて「内訳」に示す。
この処理を実行することにより、「検出特徴点監視テーブル」には、検出特徴点が複数回検出された「一致検出領域」を、その検出回数とともに示すことができる。
次いで、照合監視部22は、抽出した「検出特徴点のx座標」及び「検出特徴点のy座標」を、「検出特徴点監視テーブル」の「x座標」及び「y座標」に示す。続いて、照合監視部22は、その「x座標」及び「y座標」に関連付けて「検出特徴点の検出回数」に「1」を示す。さらに、照合監視部22は、抽出したデータ列のうちの「検出特徴点の番号」と、これを抽出した「フレーム画像のシリアル番号」を、その「x座標」及び「y座標」に関連付けて「内訳」に示す。
この処理を実行することにより、「検出特徴点監視テーブル」には、検出特徴点が一回のみ検出された「一致検出領域」を示すことができる。
そして、これらの手順を実行することにより、「検出特徴点監視テーブル」を作成することができる。
ここで、「検出特徴点の検出回数」に示される数がフレーム画像と同数の場合(例えば、図9の「50」などの場合)は、この座標にマーカが存在することを意味する。また、「検出特徴点の検出回数」に示される数がフレーム画像の数よりも少ないものの比較的大きい数の場合(例えば、「40」や「30」などの場合)は、この座標でマーカが検出されることが多いことを意味する。一方、この「検出特徴点の検出回数」に示される数が少ない場合は、この座標でマーカが検出されることが少ないことを意味する。特に、「検出特徴点の検出回数」において、「1」のような数が示されている場合には、検出対象映像の背景部分が変化したことによって、マーカ生成段階における背景映像に表れていなかったパターンが表れ、この新出パターンがマーカパターンとして誤認して過剰に検出されたものとみなすことができる。
そして、照合監視部22は、「検出特徴点の検出回数」が所定数以下(例えば、1以下)である「一致検出領域」を「マーカ非出現領域」として特定する。また、照合監視部22は、この「マーカ非出現領域」に位置する検出特徴点を、「非マーカ特徴点」として特定する。
動体とは、時間の経過とともに位置や形状、色、テクスチャなどの状態等が変化するもの、言い換えれば、検出対象映像から抽出される特徴点が時間の経過とともに変化するものをいう。
存在する位置が変わっていくものには、例えば、ベルトコンベアで運ばれている物、走行中の自動車、投げられたボールなどがある。
位置はそのままで形状などが変化するものには、例えば、風になびくカーテン、羽根が回転しながら首を振る扇風機、まわる回転灯、モニタに映し出された映像などがある。
存在する位置と形状等の両方が変化するものには、例えば、歩いている人、動いている動物、転がる石、落ちている葉、人などによって動かされている物(ランナーが持つ旗、コンベア搬送による製造過程にあるパン)などがある。
発生が短時間のものには、例えば、煙、土埃、打ち上げられた花火などがある。
さらに、動体には、非剛体が含まれる。非剛体とは、剛体でないもの、すなわち、外部又は内部からの力に対して変形するものをいう。この非剛体には、例えば、風になびくカーテン、指で抑えつけられたボールなどが含まれる。
次に、本実施形態のマーカ検出装置の動作(マーカ検出方法)について、図10、図11を参照して説明する。
図10は、照合手段の動作手順を示すフローチャートである。図11は、照合監視手段の動作手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、マーカ検出装置1aにおいて、照合手段10aの照合データ入力部11は、外部から「特徴点情報テーブル」と、「マーカ情報テーブル」とを入力する(ステップ10)。
照合データ記憶部12は、それら「特徴点情報テーブル」及び「マーカ情報テーブル」を記憶する。
そして、照合部13は、その検出特徴点に関するデータをまとめた「検出特徴点情報テーブル」を作成する(ステップ13)。照合データ記憶部12は、「検出特徴点情報テーブル」を記憶する。
判断の結果、所定の条件を満たしているときは、照合部13を含む照合手段10aは、ステップ10〜ステップ14の一連の処理を終了する。
一方、所定の条件を満たしていないときは、照合部13は、照合データ入力部11で「特徴点情報テーブル」が入力されたか否かを判断する(ステップ15)。
判断の結果、「特徴点情報テーブル」が入力されたときは、照合部13は、ステップ11以降の処理を実行する。
図11に示すように、マーカ検出装置1aにおいて、照合監視手段20aの照合監視部22は、照合データ記憶部12が新たに「検出特徴点情報テーブル」を記憶したか否かを判断する(ステップ20)。
判断の結果、照合データ記憶部12が新たに「検出特徴点情報テーブル」を記憶したときは、照合監視部22は、その「検出特徴点情報テーブル」を取り出して、監視データ記憶部21に記憶させる(ステップ21)。
一方、照合データ記憶部12に新たに「検出特徴点情報テーブル」を記憶していないとき(照合データ記憶部12に記憶されている「検出特徴点情報テーブル」と、監視データ記憶部21に記憶されている「検出特徴点情報テーブル」が同じであるとき)は、照合監視部22は、「検出特徴点情報テーブル」の取り出し等は実行しない。
判断の結果、所定の条件を満たしているときは、照合監視部22は、監視データ記憶部21から複数の「検出特徴点情報テーブル」を取り出す。
次いで、照合監視部22は、それら複数の「検出特徴点情報テーブル」を一の「検出特徴点監視テーブル」にまとめる(ステップ23)。
監視データ記憶部21は、「検出特徴点監視テーブル」を記憶する。
そして、照合監視部22は、その抽出した検出特徴点を検出対象映像に一時的に表れたパターンにもとづく非マーカ特徴点であると特定する(ステップ24)。また、照合監視部22は、その非マーカ特徴点が配置された「一致検出領域」を「マーカ非出現領域」として特定する。
一方、検出回数が所定回数以上の検出特徴点については、マーカにもとづく特徴点であると判断する。そして、この検出特徴点が配置された「一致検出領域」を「マーカ検出領域」として特定する。
したがって、マーカが付されていない物体を誤って過剰検出したことを認識できるとともに、正規のマーカを安定かつ確実に検出することができる。
次に、本発明のマーカ検出装置及びマーカ検出方法の第二の実施形態について、図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態のマーカ検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、映像入力手段と、特徴抽出手段と、マーカ記憶手段と、報知手段とを新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図12において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図12に示すように、マーカ検出装置1bは、照合手段10bと、照合監視手段20bと、映像入力手段30と、特徴抽出手段40bと、マーカ記憶手段50と、報知手段60とを備えている。
ここで、映像入力手段30は、図13に示すように、映像入力部31と、映像記憶部32とを有している。
検出対象映像は、マーカ生成装置(後述)により生成されたマーカが付されている物体が存在する可能性のある環境を撮影したものである。例えば、マーカが付された物体を搬送するベルトコンベアがある場合に、その物体を搬送している状態のベルトコンベア、搬送する前の状態や搬送した後の状態のベルトコンベア、及び、ベルトコンベアの周辺を撮影した映像などが該当する。
この検出対象映像は、動画像(映像)であってもよく、また、所定時間間隔で撮影した複数枚の静止画像であってもよい。
さらに、検出対象映像には、ライブ映像、録画映像、配信映像などを含むことができる。
さらに、映像入力部31は、当該マーカ検出装置1b以外の装置で取り込まれた検出対象映像を、通信ネットワークや通信ケーブルなどを介して入力することもできる。
撮影角度(カメラアングル)が同じであって、写し出されている物がすべて静止している場合、検出対象映像は、図14(i-11)〜(i-15)に示すように、どの撮影時刻においても同じになる。これに対し、検出対象映像に動く物体(動体)が映し出された場合、その動体が写し出された画像(図15(i-23))と、他の画像(図15(i-21)、(i-22)、(i-24)、(i-25))とは、その動体がある部分で異なっている。
また、映像記憶部32は、複数のフレーム画像のそれぞれに付された番号(例えば、シリアル番号)を記憶する。この番号は、一枚のフレーム画像を一意に特定する。図14においては、(i-11)、(i-12)、(i-13)、・・・が該当する。
さらに、映像記憶部32は、フレーム画像が撮影された時刻、フレーム画像を撮影した装置を特定する情報(フレーム画像が外部入力されたものである場合)などを記憶することもできる。
特徴抽出部41は、映像記憶部32からフレーム画像を取り出す。そして、特徴抽出部41は、取り出したフレーム画像中の特徴的なパターンを含む画像特徴を抽出する。
画像特徴としては、例えば、図形的に特徴的な特性を数値化したものを用いることができる。
これには、例えば、1998年IEEEコンピュータビジョン・パターン認識会議予稿集に掲載されているTommasiniらによる「Making good features track better」に記載されている方法を使用することができる。この方法は、画像中の物体形状に頂点、線状の物体の交差点、端点などを抽出することができる。そして、それらの点の画像上での位置座標情報の系列を図形的特徴とすることができる。例えば、図14(i-11)のフレーム画像に対して、この方法で特徴点を抽出すると、図16に示すように、特徴点が複数配置される。特徴点の一つ一つは、座標により管理することができる。
なお、特徴点が配置された空間を特徴空間という。
さらに、他の特徴抽出方法としては、例えば、画像上の各画素の輝度値、あるいは色差値を特徴とする方法がある。
続いて、特徴抽出部41は、特徴点のそれぞれの座標を求める。座標は、図6に示すように、特徴空間にX軸とY軸を設定し、Y軸からの距離をX座標、X軸からの距離をY座標とすることができる。
なお、図6に示す白い丸(t40,t53,t60,t61,t64,t65)は、図14(i-11)に示すマーカ(人が持っているボードに描かれたマーカ)から抽出された特徴点である。
「特徴点情報テーブル」は、図17に示すように、「フレーム画像のシリアル番号」(ア)と、「特徴点のシリアル番号」(イ)と、「特徴点のx座標」(ウ)と、「特徴点のy座標」(エ)と、「特徴点に関する情報」(オ)とを項目として構成することができる。
「特徴点に関する情報」は、例えば、特徴として認識された要素(エッジ、交差など)、特徴点が位置する画素の色相、明度、彩度、テクスチャなどを含むことができる。なお、この「特徴点に関する情報」は、省略することができる。この場合は、図3に示す構成の「特徴点情報テーブル」が作成される。
特徴抽出部41は、映像記憶部32に記憶されたフレーム画像ごとに、特徴点を抽出し、「特徴点情報テーブル」を作成する。
マーカは、マーカ生成装置(後述)で生成される。
このマーカは、図18(i)〜(iv)に示すように、種々の形状に形成することができる。ただし、マーカから抽出される特徴点は、特異特徴(後述)の配置と一致していることを要する。
このマーカ記憶手段50は、図4に示す「マーカ情報テーブル」を記憶している。
なお、マーカ記憶手段50は、例えば、マーカの形状、マーカを構成する線分の座標、マーカから抽出される特徴点の座標などを記憶することができる。
照合データ入力部11は、特徴抽出手段40bの特徴記憶部42から「特徴点情報テーブル」を取り出す。また、照合データ入力部11は、マーカ記憶手段50から「マーカ情報テーブル」を取り出す。そして、照合データ入力部11は、それら「特徴点情報テーブル」及び「マーカ情報テーブル」を照合データ記憶部12に記憶させる。
照合データ記憶部12は、「特徴点情報テーブル」と、「マーカ情報テーブル」と、「検出特徴点情報テーブル」とを記憶する。
一方、一致しているものがないときは、照合部13は、その特徴空間には、マーカにもとづく特徴点がなかったと判断する。
なお、照合部13は、このような判断処理を、「特徴点情報テーブル」が照合データ記憶部12に記憶されるたびに(フレーム画像ごとに)実行する。
照合監視部22は、複数の「検出特徴点情報テーブル」を用いて「検出特徴点監視テーブル」を作成する。また、照合監視部22は、その「検出特徴点監視テーブル」の「検出特徴点の検出回数」を参照する。そして、照合監視部22は、検出回数が所定回数以下の検出特徴点を抽出すると、その抽出した検出特徴点を非マーカ特徴点であると特定し、この非マーカ特徴点が配置された「一致検出領域」を「マーカ非出現領域」として特定する。一方、検出回数が所定回数以上の検出特徴点を抽出すると、その抽出した検出特徴点が配置された「一致検出領域」を「マーカ検出領域」として特定する。そして、照合監視部22は、非マーカ特徴点又は「マーカ非出現領域」を特定したときは、報知手段60に報知信号を送る。
この報知手段60は、図13に示すように、表示部61と、音声出力部62と、信号出力部63とを有することができる。
この表示部61における「マーカ検出領域」や「マーカ非出現領域」の表示は、「検出特徴点監視テーブル」に示されたx座標やy座標にしたがって行うことができる。
さらに、非マーカ特徴点が検出されたことで、表示部61は、マーカの再設計を促す表示をすることもできる。
信号出力部63は、所定の信号を外部に送信する。この信号の送信は、有線であってもよく、無線であってもよい。この信号出力部63から出力された信号を受信した装置は、所定の報知を行う。
次に、本実施形態のマーカ検出方法について、図20を参照して説明する。
マーカ記憶手段50は、マーカに関するデータを含む「マーカ情報テーブル」を予め記憶している(ステップ30)。
映像記憶部32は、検出対象映像を構成する静止画フレームを、ディジタイズされたフレーム画像として記憶する。
また、特徴抽出部41は、抽出した特徴点の座標を算出し、「特徴点情報テーブル」を作成する(ステップ33)。特徴記憶部42は、「特徴点情報テーブル」を記憶する。
照合部13は、「特徴点情報テーブル」と「マーカ情報テーブル」とを用いて、検出対象映像にもとづく特徴点群の配置の中に、マーカパターンにもとづく特徴点群の配置と一致するものがあるか否かを判断する(ステップ34)。
一方、検出対象映像にもとづく特徴点群の配置の中に、マーカパターンにもとづく特徴点と一致する特徴点群の配置がないときは、照合部13は、特徴点の座標の検出及び報知信号の送出を行わない。
判断の結果、所定のタイミングでないときは、ステップ31〜ステップ36の処理を繰り返す。
一方、所定のタイミングであるときは、照合監視部22は、照合データ記憶部12から「検出特徴点情報テーブル」を複数取り出す。
続いて、照合監視部22は、その「検出特徴点監視テーブル」を参照し、検出回数が所定数以下の検出特徴点があるか否かを判断する(ステップ38)。
判断の結果、検出回数が所定数以下の検出特徴点があるときは、これを非マーカ特徴点として検出する(ステップ39)。そして、照合監視部22は、報知手段60へ報知信号を送る。
報知手段60は、照合監視部22から報知信号を受けると、非マーカ特徴点が検出されたことを外部に報知する(ステップ40)。
その後は、終了するか否かが判断され(ステップ41)、終了しないときは、ステップ31〜ステップ41の処理が繰り返される。
このように、検出された「一致検出領域」を、所望の物体に付されたマーカにもとづく「マーカ検出領域」と、動体から抽出された特徴点にもとづく「マーカ非出現領域」とに区別することができるので、所望の物体を安定して確実に検出できる。
次に、本発明のマーカ検出装置及びマーカ検出方法の第三の実施形態について、図21を参照して説明する。
図21は、本実施形態のマーカ検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、映像入力手段と、特徴抽出手段と、マーカ記憶手段と、報知手段と、不変特徴変換手段とを新たに備えた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図21において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図21に示すように、マーカ検出装置1cは、照合手段10cと、照合監視手段20cと、映像入力手段30と、特徴抽出手段40cと、マーカ記憶手段50と、報知手段60と、不変特徴変換手段70とを備えている。
ここで、不変特徴変換手段70は、図22に示すように、不変特徴変換部71と、不変特徴記憶部72とを有している。
この写像は、次の手順で行うことができる。
あるフレーム画像から抽出した特徴点は、図16に示すように、特徴空間に配置されているものとする。
ここで、不変特徴変換部71は、各特徴点にシリアル番号を付す。このシリアル番号は、特徴空間において上から順番に付すことができる。本実施形態において、シリアル番号は、図6に示すように付されたものとする。
例えば、図23に示すように、シリアル番号5番の特徴点を基底とし、この5番の特徴点が不変量特徴空間で座標(0,0)のところにくるように、すべての特徴点を平行移動する。これにより、不変量特徴空間には、同図右に示すように特徴点が配置される。なお、不変量特徴空間に配置された特徴点を不変特徴という。
さらに、図25に示すように、シリアル番号95番の特徴点を基底とし、この95番の特徴点が不変量特徴空間で座標(0,0)のところにくるように、すべての特徴点を平行移動すると、同図右の不変量特徴空間に示すように、不変特徴群が配置される。
そして、図26に示すように、シリアル番号97番の特徴点を基底とし、この97番の特徴点が不変量特徴空間で座標(0,0)のところにくるように、すべての特徴点を平行移動すると、同図右の不変量特徴空間に示すように、不変特徴群が配置される。
図6に示す特徴点を不変量特徴空間に写像した結果は、図27に示すようになる。これが、不変量特徴空間における不変特徴の配置された状態である。
例えば、複数の特徴点のうちの一つを第一基底、他の一つを第二基底として定め、第一基底を不変量特徴空間の座標(0,0)に移動し、第二基底を(0,1)に移動することにともない、この移動規則と同一の変換規則にしたがって、すべての特徴点を移動させ、不変量特徴空間における移動後の各特徴点(不変特徴)の座標を記憶する。続いて、他の二つの特徴点を第一基底及び第二基底として定め、これら第一及び第二基底の移動にともない同一変換規則にしたがってすべての特徴点を移動させ、不変量特徴空間における不変特徴の座標を記憶する。そして、すべての特徴点が第一及び第二基底として定められ、不変量特徴空間における不変特徴の座標の蓄積が完了すると、不変量特徴空間への写像が終了する。
また、三つの特徴点を第一基底、第二基底、第三基底として定め、これら基底が不変量特徴空間の座標(0,0)、(0,1)、(1,0)に移動するように、すべての特徴点を移動させることもできる。
「不変特徴情報テーブル」は、図28に示すように、「不変量特徴空間のシリアル番号」と、「不変特徴のシリアル番号」と、「不変特徴のx座標」と、「不変特徴のy座標」と、「特徴点のシリアル番号」とを項目として構成することができる。
「不変量特徴空間のシリアル番号」は、不変量特徴空間に付された番号を示す。
「不変特徴のシリアル番号」は、複数の不変特徴のそれぞれに付された番号を示す。
「不変特徴のy座標」は、不変量特徴空間における、その不変特徴のy座標を示す。
「特徴点のシリアル番号」は、不変量特徴空間に写像される前の特徴点に付された番号を示す。
照合データ入力部11は、不変特徴変換手段70の不変特徴記憶部72から、「不変特徴情報テーブル」(図28参照)を取り出す。また、照合データ入力部11は、マーカ記憶手段50から「マーカ情報テーブル」(図4参照)を取り出す。これら「不変特徴情報テーブル」と「マーカ情報テーブル」は、照合データ記憶部12に記憶される。
この処理は、図29(i)〜(iii)に示す手順で行うことができる。
マーカ変換部14は、照合データ記憶部12から「マーカ情報テーブル」を取り出す。この「マーカ情報テーブル」に示された特徴点m1〜mnを、同テーブルに示されたx座標とy座標にしたがって特異特徴空間に配置すると、図29(i)に示すようになる。
次いで、特異特徴空間に格子状のメッシュを掛ける(図29(ii))。このメッシュは、不変量特徴空間(後述)に付されるメッシュと同じ格子間隔とする。
続いて、格子線で区切られた各区画のうち、マーカの特徴点が配置された区画を特異特徴として抽出する。図29(iii)においては、黒塗りした区画が特異特徴として抽出される。
「マーカ用特異特徴テーブル」は、図30に示すように、「マーカのシリアル番号」と、「特徴点のシリアル番号」と、「特徴点のx座標」と、「特徴点のy座標」と、「特異特徴のシリアル番号」と、「特異特徴のx座標」と、「特異特徴のy座標」とを項目として構成することができる。
「特徴点のシリアル番号」、「特徴点のx座標」、「特徴点のy座標」は、「マーカ情報テーブル」(図4参照)を構成する「特徴点のシリアル番号」、「特徴点のx座標」、「特徴点のy座標」と同じ意味である。
「特異特徴のシリアル番号」は、各特異特徴に付されたシリアル番号を示す。
「特徴点のx座標」は、特異特徴空間における特異特徴のx座標を示す。
「特徴点のy座標」は、特異特徴空間における特異特徴のy座標を示す。
この「マーカ用特異特徴テーブル」は、照合データ記憶部12に記憶される。
すなわち、六つの特異特徴のそれぞれにシリアル番号s1-s6が付されて「マーカ用特異特徴テーブル」のオ欄に表される。また、各特異特徴s1-s6が配置された区画のx座標とy座標が「マーカ用特異特徴テーブル」のカ欄及びキ欄に表される。
次いで、照合範囲特定部15は、図34に示すように、不変量特徴空間においてマーカ照合範囲を特定する。このマーカ照合範囲は、マーカ生成時に特定されるマーカパターン生成範囲(後述)と同じ範囲とすることができる。
「マーカ検出テーブル」は、図36に示すように、「不変量特徴空間のシリアル番号」(ア)、「特異特徴のシリアル番号」(イ)、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」(ウ)、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」(エ)、「不変特徴の数」(オ)を項目として構成することができる。
「不変量特徴空間のシリアル番号」は、不変量特徴空間のそれぞれに付された番号を示す。
「特異特徴のシリアル番号」は、特異特徴のそれぞれに付された番号を示す。
この「不変特徴の数」は、当該「マーカ検出テーブル」の「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」及び「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」、「不変特徴情報テーブル」(図28参照)の「不変特徴のx座標」及び「不変特徴のy座標」を用いて算出できる。
すなわち、当該「マーカ検出テーブル」の「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」及び「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」によって特異特徴を特定し、この特定した特異特徴の範囲内に、「不変特徴情報テーブル」の「不変特徴のx座標」及び「不変特徴のy座標」の両方が含まれる不変特徴があるときは、「不変特徴の数」を加算する。
この「マーカ検出テーブル」は、照合データ記憶部12に記憶される。
そして、照合部13は、「不変特徴の数」が所定数以上(例えば、1以上)の特異特徴を「一致検出領域」として検出する。
監視データ記憶部21は、「不変特徴情報テーブル」、「マーカ検出テーブル」、「検出不変特徴監視テーブル」を記憶する。
「検出不変特徴監視テーブル」は、図37に示すように、「特異特徴のシリアル番号」と、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」と、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」と、「不変特徴の合計数」と、「不変量特徴空間のシリアル番号」とを項目として有することができる。
照合監視部22は、複数の「マーカ検出テーブル」を参照し、これら複数の「マーカ検出テーブル」に示された「特異特徴のシリアル番号」、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」のすべてを、「検出不変特徴監視テーブル」の「特異特徴のシリアル番号」、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のx座標」、「不変量特徴空間における、マーカにもとづく特異特徴のy座標」に表す。ここで、重複した「特異特徴のシリアル番号」等があるときは、一つにまとめて表す。
なお、特異特徴が、図35に示すように六つあるときは、「特異特徴のシリアル番号」等は、それら六つの特異特徴に関するシリアル番号等が示される。
例えば、「不変量特徴空間のシリアル番号」が「F1」の「マーカ検出テーブル」に、「特異特徴のシリアル番号」が「s1」、これに関連付けられた「不変特徴の数」が「1」のデータがあり、「不変量特徴空間のシリアル番号」が「F2」の「マーカ検出テーブル」に、「特異特徴のシリアル番号」が「s1」、これに関連付けられた「不変特徴の数」が「1」のデータがあるときは、「特異特徴のシリアル番号」が共通している「不変特徴の数」を合計し、「1」+「1」=「2」を算出する。
前述の例では、「不変特徴の数」の合計値である「2」を、「検出特徴点監視テーブル」において、「特異特徴のシリアル番号」の「s1」に関連付けて、「不変特徴の合計数」に表す。
前述の例では、「不変量特徴空間のシリアル番号」の「F1」と「F2」を、「検出特徴点監視テーブル」において、「特異特徴のシリアル番号」の「s1」に関連付けて、「不変量特徴空間のシリアル番号」に示す。
このような手順により、「検出特徴点監視テーブル」を作成することができる。
ここで、「不変特徴の合計数」に示される数がフレーム画像と同数の場合(例えば、図37の「50」などの場合)は、この「不変特徴の合計数」に関連付けられた「特異特徴のシリアル番号」により特定される特異特徴にマーカが存在することを意味する。また、「不変特徴の合計数」に示される数がフレーム画像の数よりも少ないものの比較的大きい数の場合(例えば、「40」や「30」などの場合)は、この「不変特徴の合計数」に関連付けられた「特異特徴のシリアル番号」により特定される特異特徴でマーカが検出されることが多いことを意味する。一方、この「不変特徴の合計数」に示される数が少ない場合は、この「不変特徴の合計数」に関連付けられた「特異特徴のシリアル番号」により特定される特異特徴でマーカが検出されることが少ないことを意味する。特に、「不変特徴の合計数」において、「1」のような数が示されている場合には、この「不変特徴の合計数」に関連付けられた「特異特徴のシリアル番号」により特定される特異特徴において、検出対象映像に一時的に進入した物体の存在により偶発的にマーカパターンと同一のパターンが形成され、これが検出されたものとみなすことができる。
次に、本実施形態のマーカ検出方法について、図38を参照して説明する。
図38は、本実施形態のマーカ検出方法の処理手順を示すフローチャートである。
マーカ記憶手段50は、マーカに関するデータを含む「マーカ情報テーブル」を予め記憶している(ステップ50)。
映像記憶部32は、検出対象映像を構成する静止画フレームを、ディジタイズされたフレーム画像として記憶する。
また、特徴抽出部41は、抽出した特徴点の座標を算出し、「特徴点情報テーブル」を作成する(ステップ53)。
特徴記憶部42は、「特徴点情報テーブル」を記憶する。
次いで、不変特徴変換部71は、不変量特徴空間における不変特徴の座標を算出し、「不変特徴情報テーブル」を作成する(ステップ55)。
不変特徴記憶部72は、「不変特徴情報テーブル」を記憶する。
照合手段10cの照合範囲特定部15は、不変量特徴空間において、マーカ照合範囲を特定する(ステップ57)。
照合部13は、照合データ記憶部12から、複数の「不変特徴情報テーブル」と、「マーカ用特異特徴テーブル」を取り出す。
そして、照合部13は、それら「不変特徴情報テーブル」と「マーカ用特異特徴テーブル」とを用いて、照合範囲特定部15で特定されたマーカ照合範囲において特異特徴を特定し、この特異特徴に不変特徴が位置しているか否かを判断する(ステップ58)。
一方、特異特徴に不変特徴が位置していないときは、照合部13は、特異特徴に位置する不変特徴の数の算出及び「マーカ検出テーブル」の作成を行わない。
判断の結果、所定のタイミングでないときは、ステップ51〜ステップ60の処理を繰り返す。
一方、所定のタイミングになったときは、照合監視部22は、照合データ記憶部12から「マーカ検出テーブル」を複数取り出す。
続いて、照合監視部22は、その「検出特徴点監視テーブル」を参照し、所定数以下の不変特徴の合計数があるか否かを判断する(ステップ63)。
判断の結果、所定数以下の不変特徴の合計数があるときは、この不変特徴を非マーカ不変特徴として検出し、この非マーカ不変特徴が位置する特異特徴を「マーカ非出現領域」として検出する(ステップ64)。そして、照合監視部22は、報知手段60へ報知信号を送る。
一方、所定数以下の不変特徴の合計数がないときは、「マーカ非出現領域」の検出はない。また、不変特徴の合計数が所定数以上の特異特徴については、「マーカ検出領域」として検出する。これらの場合、照合監視部22は、報知手段60へ報知信号を送らない。
その後は、終了するか否かが判断され(ステップ66)、終了しないときは、ステップ51〜ステップ66の処理が繰り返される。
次に、本発明のマーカ検出装置及びマーカ検出方法の第四の実施形態について、図39を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマーカ検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、映像入力手段、特徴抽出手段、マーカ記憶手段、報知手段を新たに備えるとともに、照合監視手段がマーカ非出現領域特定部を新たに有した点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図39において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、照合監視手段20dは、図40に示すように、監視データ記憶部21と、照合監視部22と、マーカ非出現領域特定部23とを有している。
マーカ非出現領域特定部23は、照合監視部22で非マーカ特徴点が抽出されると、この非マーカ特徴点を含む範囲を「マーカ非出現領域」として特定する。
「マーカ非出現領域特定テーブル」は、図41に示すように、「非マーカ特徴点のx座標」(ア)と、「非マーカ特徴点のy座標」(イ)と、「マーカ非出現領域」(ウ)とを項目として構成することができる。
「非マーカ特徴点のx座標」と「非マーカ特徴点のy座標」は、図9に示す「検出特徴点監視テーブル」における「x座標」と「y座標」のうち、非マーカ特徴点に関するものを挙げてある。
「マーカ非出現領域」は、「非マーカ特徴点のx座標」と「非マーカ特徴点のy座標」により特定される位置を含む範囲を示す。
例えば、予め「マーカ非出現領域」の大きさ(枠)を定めておき、非マーカ特徴点が中心にくるようにその枠を配置し、その配置した枠の範囲を「マーカ非出現領域」とする。
この方法は、例えば、図42に示すように、複数の非マーカ特徴点が、特徴空間上で、それぞれ離れた位置にある場合に用いることができる。
これに対し、図43に示すように、複数の非マーカ特徴点が非常に近い位置にある場合には、それら非マーカ特徴点のすべてを包含する範囲で、「マーカ非出現領域」を特定することもできる。
特定された「マーカ非出現領域」は、特徴空間における座標で表現され、「マーカ非出現領域特定テーブル」の「マーカ非出現領域」に示される。
また、マーカ非出現領域特定部23は、「マーカ非出現領域特定テーブル」を特徴抽出手段40dの特徴点調整部43(後述)へ送る。
特徴点調整部43は、マーカ非出現領域特定部23から「マーカ非出現領域特定テーブル」を受け取ると、特徴記憶部42に記憶させる。
また、特徴点調整部43は、特徴記憶部42から「特徴点情報テーブル」(図3参照)を取り出す。そして、特徴点調整部43は、「特徴点情報テーブル」の示す特徴点の中に、「マーカ非出現領域特定テーブル」が示す「マーカ非出現領域」に含まれるものがあるか否かを判断する。
判断の結果、「マーカ非出現領域」に含まれる特徴点があるときは、この特徴点に関するデータを「特徴点情報テーブル」から削除する。
例えば、「マーカ非出現領域」が図43に示す範囲であって、図6に示す特徴点t91、t92、t93がその「マーカ非出現領域」に含まれるときは、特徴点調整部43は、それら特徴点t91、t92、t93のデータを「特徴点情報テーブル」から削除する。
図44に示す特徴空間においては、特徴点t91、t92、t93が削除されている。このため、照合手段10dでは、それら特徴点t91、t92、t93が照合の対象とされない。これにより、この「マーカ非出現領域」から誤ってマーカが検出されることがなくなる。
次に、本実施形態のマーカ検出方法について、図45を参照して説明する。
図45は、本実施形態のマーカ検出方法の処理手順を示すフローチャートである。
図45に示すように、照合監視手段20dの照合監視部22は、「検出特徴点監視テーブル」(図9参照)を作成し、非マーカ特徴点を特定する(ステップ70)。監視データ記憶部21は、その「検出特徴点監視テーブル」を記憶する。
マーカ非出現領域特定部23は、監視データ記憶部21から「検出特徴点監視テーブル」を取り出し、この「検出特徴点監視テーブル」が示す非マーカ特徴点が含まれるように「マーカ非出現領域」を特定する(ステップ71)。
そして、マーカ非出現領域特定部23は、その特定した「マーカ非出現領域」を表す「マーカ非出現領域特定テーブル」(図41参照)を作成する。監視データ記憶部21は、その「マーカ非出現領域特定テーブル」を記憶する。また、マーカ非出現領域特定部23は、「マーカ非出現領域特定テーブル」を特徴抽出手段40dへ送る。
また、特徴点調整部43は、特徴記憶部42から「特徴点情報テーブル」を取り出し、この「特徴点情報テーブル」に示されている各特徴点の位置が、「マーカ非出現領域特定テーブル」に示されている「マーカ非出現領域」の範囲内に含まれているか否かを判断する(特徴点の中から低出現範囲に位置するものを抽出、ステップ72)。
一方、「マーカ非出現領域」の範囲内に含まれる特徴点がないときは、特徴点調整部43は、「特徴点情報テーブル」からのデータの削除を行わない。
次に、本発明のマーカ検出装置及びマーカ検出方法の第五の実施形態について、図46を参照して説明する。
同図は、本実施形態のマーカ検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、映像入力手段、特徴抽出手段、マーカ記憶手段、報知手段を新たに備えるとともに、照合監視手段がマーカ不存在領域特定部を新たに有した点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図46において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、照合監視手段20eは、図47に示すように、監視データ記憶部21と、照合監視部22と、マーカ不存在領域特定部24とを有している。
マーカ不存在領域特定部24は、照合監視部22でマーカが検出されると、そのマーカにもとづく特徴点と一致した特徴空間における特徴点を包含する範囲を「一致検出領域」とし、それ以外を「マーカ不存在領域」として特定する。
第一実施形態におけるマーカ検出方法により、図6に示すように、特徴点t40、t53、t60、t61、t64、t65が検出特徴点として抽出されたものとする。
この場合は、図48に示すように、それら検出特徴点を含む範囲を「一致検出領域」とすることができる。そして、「一致検出領域」以外の部分を「マーカ不存在領域」とする。
さらに、検出特徴点が、図50に示すように、広範囲に多数分布する場合は、すべての検出特徴点を含む範囲を「一致検出領域」とすることができる。そして、「一致検出領域」以外の部分を「マーカ不存在領域」とする。
なお、図50に示すように検出特徴点が広範囲に分布する場合としては、例えば、マーカが付された物体がベルトコンベアで運ばれて移動しているところを撮影した場合などが想定される。この場合は、ベルトコンベアで物体が移動する範囲を「一致検出領域」とし、ベルトコンベアが設置されていない箇所やベルトコンベアがその物体を搬送しない範囲を「マーカ不存在領域」とするのが望ましい。
「マーカ検出領域設定テーブル」は、図51に示すように、区画ごとに、「一致検出領域」であるか、あるいは、「マーカ不存在領域」であるかを示すテーブルである。区画は、図32に示した複数の区画に対応させてある。
図51において、「○」は、「一致検出領域」を示し、「×」は、「マーカ不存在領域」を示す。具体的には、区画(x1,y1)−(x64,y1)−(x64,y5)−(x1,y5)−(x1,y1)で囲まれる範囲と、区画(x1,y28)−(x64,y28)−(x64,y30)−(x1,y30)−(x1,y28)で囲まれる範囲が「マーカ不存在領域」であり、それ以外が、「一致検出領域」である。
マーカ不存在領域特定部24は、「マーカ検出領域設定テーブル」を作成すると、特徴抽出手段40eへ送る。
特徴点調整部43は、照合監視手段20eのマーカ不存在領域特定部24から送られてきた「マーカ検出領域設定テーブル」を受け取る。特徴記憶部42は、その「マーカ検出領域設定テーブル」を記憶する。
また、特徴点調整部43は、特徴記憶部42から「特徴点情報テーブル」(図3参照)を取り出し、この「特徴点情報テーブル」に示されている各特徴点の位置が、「マーカ検出領域設定テーブル」に示されている「一致検出領域」の範囲内に含まれているか否かを判断する。
例えば、「一致検出領域」を図50に示す範囲とし、図52に示すように、「マーカ不存在領域」に特徴点が抽出されたとすると、特徴点調整部43は、その「マーカ不存在領域」に位置する特徴点のデータを「特徴点情報テーブル」から削除する。
このように、「一致検出領域」以外のところで抽出された特徴点を削除することで、その「マーカ不存在領域」から誤ってマーカが検出されるのを回避できる。
なお、特徴記憶部42は、削除処理後の「特徴点情報テーブル」を記憶する。
次に、本実施形態のマーカ検出方法について、図53を参照して説明する。
図53は、本実施形態のマーカ検出方法の処理手順を示すフローチャートである。
図53に示すように、照合監視手段20eの照合監視部22は、検出特徴点を抽出し、「検出特徴点監視テーブル」(図9参照)を作成する(ステップ80)。監視データ記憶部21は、その「検出特徴点監視テーブル」を記憶する。
マーカ不存在領域特定部24は、監視データ記憶部21から「検出特徴点監視テーブル」を取り出し、この「検出特徴点監視テーブル」が示す検出特徴点が含まれるように「一致検出領域」を特定する(ステップ81)。また、マーカ不存在領域特定部24は、「一致検出領域」以外の領域を「マーカ不存在領域」として特定する。
そして、マーカ不存在領域特定部24は、その特定した「一致検出領域」を示す「マーカ検出領域設定テーブル」を作成する。監視データ記憶部21は、その「マーカ検出領域設定テーブル」を記憶する。また、マーカ不存在領域特定部24は、「マーカ検出領域設定テーブル」を特徴抽出手段40eへ送る。
また、特徴点調整部43は、特徴記憶部42から「特徴点情報テーブル」を取り出し、この「特徴点情報テーブル」に示されている各特徴点の位置が、「マーカ検出領域設定テーブル」に示されている「一致検出領域」の範囲内に含まれているか否かを判断する(「一致検出領域」に含まれていない検出特徴点を抽出、ステップ82)。
一方、「一致検出領域」の範囲内に含まれない検出特徴点があるときは、特徴点調整部43は、その検出特徴点に関するデータを「特徴点情報テーブル」から削除する(ステップ83)。
(マーカ生成装置)
次に、本発明のマーカ生成装置の実施形態について、図54、図55を参照して説明する。
図54は、本実施形態のマーカ生成装置の構成を示すブロック図である。図55は、マーカ生成装置の詳細構成を示すブロック図である。
図54に示すように、マーカ生成装置100は、映像入力手段110と、特徴抽出手段120と、不変特徴変換手段130と、特異特徴選択手段140と、マーカパターン生成手段150とを備えている。
映像入力部111は、背景映像(マーカ生成用の画像)を入力する。
背景映像は、マーカ生成装置100により生成されるマーカを使用する前の環境(マーカが存在しない環境)を撮影したものである。例えば、マーカが付された物体を搬送するベルトコンベアがある場合に、その物体を搬送していない状態のベルトコンベア及びその周辺を撮影した映像などが該当する。
この背景映像は、動画像(映像)であってもよく、また、所定時間間隔で撮影した複数枚の静止画像であってもよい。
さらに、背景映像には、ライブ映像、録画映像、配信映像などを含むことができる。
同図は、撮影角度(カメラアングル)が同じであって、写し出されている物がすべて静止している場合に、どの撮影時刻においても、背景映像が同じになることを示している。なお、背景映像は、どの撮影時刻においても同じである必要はなく、異なっていてもよい。
また、映像記憶部112は、複数のフレーム画像のそれぞれに付されたシリアル番号(図56においては、(i-11)、(i-12)、(i-13)、・・・)や、フレーム画像が撮影された時刻などを記憶することもできる。
特徴抽出部121は、映像記憶部112からフレーム画像を取り出す。そして、特徴抽出部121は、取り出したフレーム画像中の特徴的なパターンを含む画像特徴を抽出する。
特徴抽出部121は、画像特徴として、例えば、図形的に特徴的な特性を数値化したものを用いることができる。
これには、例えば、1998年IEEEコンピュータビジョン・パターン認識会議予稿集に掲載されているTommasiniらによる「Making good features track better」に記載されている方法を使用することができる。この方法は、画像中の物体形状に頂点、線状の物体の交差点、端点などを抽出することができる。そして、それらの点の画像上での位置座標情報の系列を図形的特徴とすることができる。例えば、図56(i-11)のフレーム画像に対して、この方法で特徴点を抽出すると、図57に示すように、特徴点が複数配置される。特徴点の一つ一つは、座標により管理することができる。
なお、特徴点が配置された空間を特徴空間という。この特徴空間は、二次元空間であってもよく、また、三次元空間であってもよい。本実施形態の特徴空間は、二次元空間とする。
さらに、他の特徴抽出方法としては、例えば、画像上の各画素の輝度値、あるいは色差値を特徴とする方法がある。
続いて、特徴抽出部121は、特徴点のそれぞれの座標を求める。座標は、図58に示すように、特徴空間にX軸とY軸を設定し、Y軸からの距離をX座標、X軸からの距離をY座標とすることができる。
そして、特徴抽出部121は、それら特徴点のシリアル番号や座標を特徴記憶部122に記憶させる。
なお、特徴抽出手段120は、特徴点を抽出して所定の位置(特徴空間)に配置することから、「配置手段」としての機能を有している。
不変特徴変換部131は、特徴抽出手段120の特徴記憶部122から特徴点に関するデータを取り出し、その特徴点を不変量特徴空間に写像する。
この写像は、次の手順で行うことができる。
あるフレーム画像から抽出した特徴点は、図57に示すように、特徴空間に配置されているものとする。また、各特徴点には、図58に示すように、シリアル番号が付されているものとする。
この写像は、第三実施形態における不変特徴変換手段70の不変特徴変換部71が行う写像と同様の方法である。
なお、本実施形態において、基底の数は、一つとするが、その数は、一つに限るものではなく、二つ以上とすることもできる。
続いて、不変特徴変換部131は、各区画ごとに不変特徴の数を求める。この算出結果を、図61に示す。図61は、不変量特徴空間において、不変特徴の数が1以上の区画にグレーを付した図である。
なお、不変特徴変換手段130は、特徴点を所定の位置(不変量特徴空間)に配置することから、「配置手段」としての機能を有している。
特異特徴選択部141は、図62に示すように、不変量特徴空間の中で、マーカパターンの生成を行う範囲を、マーカパターン生成範囲として決定する。このマーカパターン生成範囲は、静止画フレームの大きさと同じ大きさとすることができる。
次いで、特異特徴選択部141は、そのマーカパターン生成範囲における各区画ごとの不変特徴数を、不変特徴記憶部162から取り出す。この取り出した各区画ごとの不変特徴数を図63に示す。なお、図63は、マーカパターン生成範囲において、不変特徴の数が1以上の区画にグレーを付した図である。
なお、図63においては、特異特徴(特徴点数の累計数が0の区画)が4個存在するが、マーカパターンの生成処理の説明を容易にするため、特異特徴は、図64、図65に示すように選択されたものとする。
特異特徴記憶部142は、特異特徴選択部141で選択された特異特徴の座標を記憶する。
マーカパターン生成部151は、特異特徴記憶部142から特異特徴の座標を取り出し、この特異特徴の座標にもとづいてマーカパターンを生成する。
例えば、画像中の頂点、交差点、端点を特徴点として使用する場合を例に説明する。
前述した「On the option detection of curves in noisy pictures」に記載の方法などにもとづく場合、マーカパターンの生成に必要になる、特徴点群の検出は、特徴抽出手段120で使用している特徴点検出アルゴリズムに依存する。
(1)特異特徴位置に交差点を配置したパターン(図18(i))
(2)特異特徴の凸包を求め、内部を特定の色で塗り潰す。さらに、凸包に使用されなかった特異特徴を用いて再度凸包を求め、内部を別の色で塗り潰す。このような処理を、すべての特徴が使用されるまで反復して生成されるパターン(図18(ii))
(3)特異特徴位置を頂点にもつ、水平垂直の辺を有する、塗り潰した矩形の集合からなるパターン(図18(iii))
(4)特異特徴点の最近傍点間を線分で結んだパターン(図18(iv))
また、頂点、交差点、端点を図形的な特徴として利用する方法と、明度値や色差値を特徴として利用する方法とを併用することも可能である。この場合、マーカパターン生成部151は、選定された特異特徴に対応する明度、色、形状に対応するマーカを生成すればよい。
例えば、マーカパターンが図18(i)に示すような場合は、特異特徴の座標が記憶される。また、図18(ii)に示すような場合は、特異特徴の座標の他に、凸包を構成する線分の座標が記憶される。
次に、マーカ生成装置の動作手順(マーカ生成方法)について、図66を参照して説明する。
図66は、マーカ生成方法の処理手順を示すフローチャートである。
マーカ生成装置100において、映像入力手段110の映像入力部111は、背景映像を入力する(ステップ90)。この背景映像は、複数枚のフレーム画像で構成される。映像入力手段110の映像記憶部112は、映像入力部111で入力された背景映像をフレーム画像として記憶する。
また、特徴抽出部121は、抽出した特徴点の座標を算出する(ステップ92)。この算出した座標は、特徴記憶部122に記憶される。
続いて、不変特徴変換部131は、不変量特徴空間にメッシュを掛けて区画化する(ステップ94)。
さらに、不変特徴変換部131は、各区画ごとに不変特徴数を算出する(ステップ95)。
また、不変特徴変換部131は、複数のフレーム画像のそれぞれについて各区画ごとの不変特徴数を算出し、これらを累計する(ステップ96)。
不変特徴記憶部132は、不変特徴変換部131で算出された各区画ごとの不変特徴数の累計を記憶する。
そして、特異特徴選択部141は、各区画ごとの不変特徴数の累計の中から、0又は所定数以下のものを選択し、これを特異特徴とする(ステップ97)。
特異特徴記憶部142は、特異特徴選択部141で特異特徴とされた区画の座標を記憶する。
マーカ記憶部152は、マーカパターン生成部151で生成されたマーカパターンに関するデータを記憶する。
(マーカ生成検出装置)
次に、マーカ生成検出装置について、図67を参照して説明する。
図67は、マーカ生成検出装置の構成を示すブロック図である。
図67に示すように、マーカ生成検出装置200は、マーカ検出部210と、マーカ生成部220とを備えている。
マーカ生成部220は、前述した図54に示すマーカ生成装置100と同様の機能を有することができる。
このように、マーカ生成検出装置200は、マーカ検出装置1の有する機能とマーカ生成装置100の有する機能とを一体化した構成とすることができる。
例えば、マーカ生成検出装置200は、映像入力手段30と、特徴抽出手段40と、不変特徴変換手段70と、照合手段10と、照合監視手段20と、報知手段60と、特異特徴選択手段140と、マーカパターン生成手段150とを有している。また、マーカパターン生成手段150は、マーカ生成部151と、マーカ記憶部152とを有している。
これらのうち、映像入力手段30と、特徴抽出手段40と、不変特徴変換手段70と、照合手段10と、照合監視手段20と、報知手段60と、マーカ記憶部152が、マーカ検出装置としての機能を有している。
一方、映像入力手段30と、特徴抽出手段40と、不変特徴変換手段70と、特異特徴選択手段140と、マーカパターン生成手段150が、マーカ生成装置としての機能を有している。
そして、映像入力手段30と、特徴抽出手段40と、不変特徴変換手段70と、マーカ記憶部152が、マーカ生成装置とマーカ検出装置に共通している部分である。
また、マーカ生成部におけるマーカ生成方法は、前述した実施形態におけるマーカ検出方法と同様である。
次に、本実施形態のマーカ生成検出システムについて、図69を参照して説明する。
図69に示すように、マーカ生成検出システム300は、マーカ検出装置1と、マーカ生成装置100とを備えている。これらマーカ検出装置1とマーカ生成装置100は、通信ネットワーク又は通信ケーブル400などで接続することができる。
通信手段80は、マーカ生成装置100から送信されてきたマーカに関するデータを受信する。また、通信手段160は、その受信したマーカに関するデータをマーカ記憶手段50に記憶させる。
通信手段170は、マーカパターン生成手段150のマーカ記憶部152に記憶されているマーカに関するデータを取り出し、これをマーカ検出装置1へ送信する。
次に、マーカ生成プログラム及びマーカ検出プログラムについて説明する。
上記の各実施形態におけるコンピュータ(マーカ生成装置、マーカ検出装置、マーカ生成検出装置、マーカ生成検出システム)のマーカ生成機能(マーカ生成方法を実行するための機能)やマーカ検出機能(マーカ検出方法を実行するための機能)は、記憶手段(例えば、ROM(Read only memory)やハードディスクなど)に記憶されたマーカ生成プログラム又はマーカ検出プログラムにより実現される。
これによって、マーカ生成機能又はマーカ検出機能は、ソフトウエアであるマーカ生成プログラムとハードウエア資源であるコンピュータ(マーカ生成手段(マーカ生成装置、マーカ生成サーバ、マーカ生成ネットワークorマーカ生成システム))の各構成手段とが協働することにより実現される。
外部記憶装置とは、CD−ROM(Compact disk−Read only memory)等の記憶媒体を内蔵し、マーカ生成装置に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、フレキシブルディスク,メモリカード,光磁気ディスク等をいう。
さらに、コンピュータでマーカ生成プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有されたマーカ生成プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされたマーカ生成プログラムも、CPUにより実行され、上記各実施形態のマーカ生成装置のマーカ生成機能を実現する。
例えば、上述した実施形態では、マーカパターン生成手段がマーカを一つのみ生成することとしたが、マーカを一つのみ生成することに限るものではなく、複数生成することもできる。
例えば、物体の色を使用することができる。物体の色は、同一物体であっても撮影環境に存在する光源内に依存して、異なった色で撮影されてしまう。画像上から光源色変動の影響を分離して取り除くことができれば、実際の物体色を得ることができる。得られる実際の物体色を物体色不変量として使用してもよい。
鏡面反射している箇所は、光源色の影響が支配的で、輝度値が光源色成分において飽和しやすいため、これを光源色とみなして、飽和箇所に対応する色成分を不変特徴として選択しないようにしてもよい。
画像の部分領域の輝度分布に対して数値演算を施し得られた数値又はベクトルを特徴量とする。図形的不変量と同様にテクスチャ不変量は、カメラと撮影対象との相対位置関係を受けやすいため、この影響を受けにくい特徴量を算出し、テクスチャ不変量とする。
例えば、カメラと対象の距離やズームに不変な特徴量は、注目している部分画像を極座標変換し、動径方向にパワースペクトルをとることで実装可能である。さらに、そのパワースペクトルに対して、方位角方向に再度パワースペクトルを求めるとカメラの光軸周りの回転に対して不変な特徴量となる。
その他、Chi-Man Pun and Moon-Chuen LeeによるIEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE、VOL. 25、NO. 5、MAY 2003に記載の「Log-Polar Wavelet Energy Signatures for Rotation and Scale Invariant Texture Classification」などの方法を用いてもよい。
10a〜10e 照合手段
20a〜20e 照合監視手段
30 映像入力手段
40b〜40e 特徴抽出手段
50 マーカ記憶手段
60 報知手段
70 不変特徴変換手段
100 マーカ生成装置
200 マーカ生成検出装置
300 マーカ生成検出システム
Claims (16)
- マーカ生成用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、前記特徴点が所定数以下の部分が特異特徴として選択され、この特異特徴を用いてマーカが生成され、マーカ検出用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点と前記マーカから抽出された特徴点とを照合し、前記マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする照合手段と、
複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に配置される特徴点があるときに、この特徴点の数が所定数以下である一致検出領域を、マーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する照合監視手段とを備えた
ことを特徴とするマーカ検出装置。 - 前記照合監視手段は、前記複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に現れる特徴点の数が所定数以上のときに、この一致検出領域をマーカ検出領域として検出する
ことを特徴とする請求項1記載のマーカ検出装置。 - 前記照合監視手段は、前記マーカ検出領域を含まない画像上の範囲をマーカ不存在領域とする
ことを特徴とする請求項2記載のマーカ検出装置。 - 前記マーカ検出用の画像のうち前記マーカ不存在領域を除いた部分から前記特徴点を抽出する配置手段を備えた
ことを特徴とする請求項3記載のマーカ検出装置。 - 前記マーカ検出用の画像のうち前記マーカ非出現領域を除いた部分から前記特徴点を抽出する配置手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマーカ検出装置。 - 前記照合手段は、特徴空間に配置された複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置を前記一致検出領域とする
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマーカ検出装置。 - 前記照合手段は、前記マーカから抽出された特徴点を不変量特徴空間に配置し、この配置した特徴点が位置する部分を特異特徴として選択し、前記マーカ検出用の画像から抽出された複数の特徴点の中に前記特異特徴に位置する特徴点があるときに、この特異特徴を前記一致検出領域とする
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマーカ検出装置。 - 画像を表示する表示手段を備え、
この表示手段が、前記マーカ検出用の画像を表示するに際し、前記マーカ非出現領域以外の部分を表示する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のマーカ検出装置。 - マーカ生成装置とマーカ検出装置とを備え、
前記マーカ生成装置が、
マーカ生成用の画像から特徴点を抽出する抽出手段と、
前記特徴点を所定の空間に配置する配置手段と、
前記特徴点が配置されていない部分を特異特徴として選択する特異特徴選択手段と、
前記特異特徴を用いてマーカを生成するマーカパターン生成手段とを有し、
前記マーカ検出装置が、
マーカ検出用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点と前記マーカから抽出された特徴点とを照合し、前記マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする照合手段と、
複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に配置される特徴点があるときに、この特徴点の数が所定数以下である一致検出領域を、マーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する照合監視手段とを有した
ことを特徴とするマーカ生成検出システム。 - 前記照合監視手段は、前記複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に現れる特徴点の数が所定数以上のときに、この一致検出領域をマーカ検出領域として検出する
ことを特徴とする請求項9記載のマーカ生成検出システム。 - マーカ生成部とマーカ検出部とを備え、
前記マーカ生成部が、
マーカ生成用の画像から特徴点を抽出する抽出手段と、
前記特徴点を所定の位置に配置する配置手段と、
前記特徴点が配置されていない部分を特異特徴として選択する特異特徴選択手段と、
前記特異特徴を用いてマーカを生成するマーカパターン生成手段とを有し、
前記マーカ検出部が、
マーカ検出用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点と前記マーカから抽出された特徴点とを照合し、前記マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする照合手段と、
複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に配置される特徴点があるときに、この特徴点の数が所定数以下である一致検出領域を、マーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する照合監視手段とを有した
ことを特徴とするマーカ生成検出装置。 - 前記照合監視手段は、前記複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に現れる特徴点の数が所定数以上のときに、この一致検出領域をマーカ検出領域として検出する
ことを特徴とする請求項11記載のマーカ生成検出装置。 - マーカ生成用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、前記特徴点が所定数以下の部分が特異特徴として選択され、この特異特徴を用いてマーカが生成され、マーカ検出用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点と前記マーカから抽出された特徴点とを照合し、前記マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする工程と、
複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に配置される特徴点があるときに、この特徴点の数が所定数以下である一致検出領域を、マーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する工程とを有した
ことを特徴とするマーカ検出方法。 - 前記複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に現れる特徴点の数が所定数以上のときに、この一致検出領域をマーカ検出領域として検出する工程を有した
ことを特徴とする請求項13記載のマーカ検出方法。 - マーカ生成用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、前記特徴点が所定数以下の部分が特異特徴として選択され、この特異特徴を用いてマーカが生成され、マーカ検出用の画像から特徴点が抽出され、この特徴点が所定の空間に配置され、この配置された複数の特徴点と前記マーカから抽出された特徴点とを照合し、前記マーカ検出用の画像にもとづく複数の特徴点のうち、前記マーカから抽出された特徴点と一致する特徴点があると、この特徴点が配置された位置又はこの位置を含む領域を一致検出領域とする工程と、
複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に配置される特徴点があるときに、この特徴点の数が所定数以下である一致検出領域を、マーカが出現しないマーカ非出現領域として検出する工程と
をマーカ検出装置に実行させる
ことを特徴とするマーカ検出プログラム。 - 前記複数のマーカ検出用の画像から抽出され所定の空間に配置された複数の特徴点のうち前記一致検出領域に現れる特徴点の数が所定数以上のときに、この一致検出領域をマーカ検出領域として検出する工程を前記マーカ検出装置に実行させる
ことを特徴とする請求項15記載のマーカ検出プログラム。
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