JP2011027642A - 赤外線センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カバー部材に対する赤外線レンズの光軸の位置決め精度を高めることが可能な赤外線センサの製造方法を提供する。
【解決手段】赤外線レンズ3をカバー部材22に固着する際には、赤外線レンズ3の光軸方向において当該赤外線レンズ3とカバー部材22の窓部2aとを重ね合わせた状態で赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定の空間領域を撮像手段8により撮像し、撮像手段8による撮像により得られた画像内で赤外線レンズ3の陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行い、特定部位抽出処理により抽出した陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整し、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着する。
【選択図】図1
【解決手段】赤外線レンズ3をカバー部材22に固着する際には、赤外線レンズ3の光軸方向において当該赤外線レンズ3とカバー部材22の窓部2aとを重ね合わせた状態で赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定の空間領域を撮像手段8により撮像し、撮像手段8による撮像により得られた画像内で赤外線レンズ3の陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行い、特定部位抽出処理により抽出した陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整し、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着する。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線センサの製造方法に関するものである。
従来から、図12や図13に示すように、熱型の赤外線受光素子1と、赤外線検出素子1を収納するパッケージ2であり赤外線検出素子1の前方に窓部2aが形成されたパッケージ2と、パッケージ2の窓部を閉塞する形でパッケージ2に固着され赤外線検出素子1へ赤外線を集光する半導体レンズからなる赤外線レンズ3とを備え、パッケージ2が、赤外線検出素子1が実装されるステムからなる実装部材21と、窓部2aを有し実装部材21との間に赤外線検出素子1を囲む形で実装部材21に接合されるキャップからなるカバー部材22とで構成されてなる赤外線センサが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
ここにおいて、赤外線レンズ3は、陽極酸化技術を応用した半導体レンズの製造方法を利用して形成している。すなわち、上述の赤外線レンズ3の形成にあたっては、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハとの接触パターンを設計した陽極を半導体ウェハの一表面側に半導体ウェハとの接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハの構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハの他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから、当該多孔質部を除去することにより形成された赤外線レンズ3を半導体ウェハから分割するようにしている。
また、上述の赤外線センサの製造にあたっては、実装部材21に赤外線検出素子1を実装するとともに、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着してから、カバー部材22と実装部材21とを接合するようにしている。
ところで、上述の赤外線レンズ3は、赤外線検出素子1の受光面へ赤外線を集光するレンズ部3aと当該レンズ部3aの周部から外方に延設されカバー部材22における窓部2aの周部に固着されるフランジ部3bとを有している。
ここにおいて、赤外線レンズ3は、シリコンレンズからなる半導体レンズであり、レンズ部3aが、平凸型の非球面レンズの形状に形成されており、レンズ部3a以外の部位であるフランジ部3bの外周形状が矩形状(例えば、正方形状)に形成されている。
また、赤外線レンズ3は、窓部2aの内側に位置するレンズ部3a以外の部位であるフランジ部3bを通して赤外線検出素子1の受光面へ入射しようとする赤外線を阻止する赤外線阻止部3cが設けられている。ここで、上記特許文献1には、上述の陽極を赤外線阻止部3cとして残すことが記載され、上記特許文献2には、上述の陽極を除去した後で、赤外線阻止部3cとして、金属材料(例えば、Al,Al−Si,Au,Agなど)からなる所定パターンの赤外線反射膜を形成することが記載されている。
しかして、上述の赤外線センサでは、赤外線レンズ3におけるレンズ部3a以外の部位であるフランジ部3bを通して赤外線検出素子1へ入射しようとする赤外線を赤外線阻止部3cにより阻止することが可能となり、レンズ部3aの形状などにより決まる検知エリア以外からの不要な赤外線の赤外線検出素子1への入射を防止することができ、高感度化を図れる。また、上述の赤外線センサでは、赤外線レンズ3をカバー部材22に対して導電性の接合材料(例えば、銀ペースト、半田など)を用いて接合して電気的に接続することで外来ノイズなどに対する電磁シールド効果を高めることができ、赤外線検出素子1への電磁ノイズの影響を防止できる。
また、図13に示した構成の赤外線センサでは、カバー部材22の窓部2aが矩形状に開口されるとともに、赤外線レンズ3のフランジ部3bに、カバー部材22における窓部2aの内周面および周部に位置決めされる段差部3gが形成されており、赤外線レンズ3のフランジ部3bにおける段差部3gを上記接合材料からなる接合部58を介してカバー部材22に固着してある。したがって、赤外線レンズ3と赤外線検出素子1との平行度を高めることができ、赤外線レンズ3の光軸方向における赤外線レンズ3と赤外線検出素子1との距離精度を高めることができる。
ところで、図12や図13に示した構成の赤外線センサでは、赤外線検出素子1が赤外線検出部13を1つだけ備えた構成であるが、複数の赤外線検出部を2次元アレイ状に配列した構成を採用すれば、各赤外線検出部それぞれを画素とする赤外線画像(熱画像)を得ることができる。
しかしながら、陽極酸化技術を応用して形成した半導体レンズからなる赤外線レンズ3を撮像レンズとして用いる場合、カバー部材22に対する赤外線レンズ3の位置合わせ精度が低いと解像度の低下につながってしまう。
ここで、図13に示した構成の赤外線センサでは、ダイシングにより形成した段差部3gを利用して赤外線レンズ3の位置決めを行っているが、ダイシングにより形成された段差部3gでは形状ばらつきがあるので、赤外線レンズ3の光軸とカバー部材22の窓部2aの中心とのずれが大きくなってしまう懸念がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、カバー部材に対する赤外線レンズの光軸の位置決め精度を高めることが可能な赤外線センサの製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、赤外線検出素子と、赤外線検出素子を収納するパッケージであり赤外線検出素子の前方に窓部が形成されたパッケージと、パッケージの窓部を閉塞する形でパッケージに固着され赤外線検出素子へ赤外線を集光する半導体レンズからなる赤外線レンズとを備え、パッケージが、赤外線検出素子が実装される実装部材と、前記窓部を有し実装部材との間に赤外線検出素子を囲む形で実装部材に接合されるカバー部材とで構成されてなる赤外線センサの製造方法であって、赤外線レンズの形成にあたっては、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハとの接触パターンが設計され前記窓部よりも開口サイズの小さな開口部を有する陽極を半導体ウェハの一表面側に半導体ウェハとの接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハの構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハの他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから、当該多孔質部を除去することにより形成された赤外線レンズを半導体ウェハから分割するようにし、赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、赤外線レンズの光軸方向において当該赤外線レンズとカバー部材の前記窓部とを重ね合わせた状態で赤外線レンズおよびカバー部材の前記窓部を含む所定の空間領域を撮像手段により撮像し、撮像手段による撮像により得られた画像内で陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行ってから、特定部位抽出処理により抽出した陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、特徴抽出処理により求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズとカバー部材との相対的な位置を調整し、赤外線レンズをカバー部材に固着することを特徴とする。
この発明によれば、赤外線レンズの形成にあたっては、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハとの接触パターンが設計され前記窓部よりも開口サイズの小さな開口部を有する陽極を半導体ウェハの一表面側に半導体ウェハとの接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハの構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハの他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから、当該多孔質部を除去することにより形成された赤外線レンズを半導体ウェハから分割するようにしているので、赤外線レンズの光軸と陽極の開口部の中心線とが略一致し、赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、赤外線レンズの光軸方向において当該赤外線レンズとカバー部材の前記窓部とを重ね合わせた状態で赤外線レンズおよびカバー部材の前記窓部を含む所定の空間領域を撮像手段により撮像し、撮像手段による撮像により得られた画像内で陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行ってから、特定部位抽出処理により抽出した陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、特徴抽出処理により求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズとカバー部材との相対的な位置を調整し、赤外線レンズをカバー部材に固着するので、カバー部材に対する赤外線レンズの光軸の位置決め精度を高めることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記陽極の前記開口部および前記カバー部材の前記窓部それぞれの開口形状が矩形状であり、前記赤外線レンズの形成にあたっては、前記陽極の前記開口部の中心を通る1つの第1の仮想直線上において前記陽極の前記開口部の両側にアライメントマークを前記開口部と同時に形成するようにし、前記赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、前記特定部位抽出処理において前記各部位とともに各アライメントマークそれぞれに対応する部位であるマーク部位を抽出するようにし、前記特徴抽出処理において、前記開口部に対応する前記部位の中心と前記各マーク部位とを通る第2の仮想直線を設定してから、第2の仮想直線と前記窓部に対応する前記部位の1つの対角線とのなす角度を求めるようにし、前記赤外線レンズと前記カバー部材との相対的な位置を調整する際に、前記角度が正規角度となるように前記赤外線レンズと前記カバー部材との一方を回動させることを特徴とする。
この発明によれば、前記陽極の前記開口部および前記カバー部材の前記窓部それぞれの開口形状が矩形状であり、前記赤外線レンズの形成にあたっては、前記陽極の前記開口部の中心を通る1つの第1の仮想直線上において前記陽極の前記開口部の両側にアライメントマークを前記開口部と同時に形成するようにしているので、各アライメントマークと前記陽極の前記開口部の中心との相対的な位置精度を高めることができ、前記赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、前記特定部位抽出処理において前記各部位とともに各アライメントマークそれぞれに対応する部位であるマーク部位を抽出するようにし、前記特徴抽出処理において、前記開口部に対応する前記部位の中心と前記各マーク部位とを通る第2の仮想直線を設定してから、第2の仮想直線と前記窓部に対応する前記部位の1つの対角線とのなす角度を求めるようにし、前記赤外線レンズと前記カバー部材との相対的な位置を調整する際に、前記角度が正規角度となるように前記赤外線レンズと前記カバー部材との一方を回動させるので、正面視において前記カバー部材の前記窓部に対して前記赤外線レンズが傾いた状態で固着されるのを防止でき、前記カバー部材に対する前記赤外線レンズの位置決め精度を高めることができる。
請求項1の発明は、カバー部材に対する赤外線レンズの光軸の位置決め精度を高めることが可能になるという効果がある。
以下、本実施形態の赤外線センサの構成について図5に基づいて説明してから、製造方法について図1〜図4に基づいて説明する。
本実施形態の赤外線センサは、図5に示すように、赤外線検出素子1と、赤外線検出素子1を収納するパッケージ2であり赤外線検出素子1の受光面の前方に窓部2aが形成されたパッケージ2と、パッケージ2の窓部2aを閉塞する形でパッケージ2に固着された赤外線レンズ3とを備えている。
また、本実施形態の赤外線センサでは、上述のパッケージ2に、赤外線検出素子1だけでなく、当該赤外線検出素子1の出力信号である出力電圧を信号処理する信号処理ICチップ5を収納してある。ここにおいて、赤外線検出素子1と信号処理ICチップ5とは横並びに並設されており、赤外線検出素子1と信号処理ICチップ5との互いに対応するパッド(図示せず)同士がボンディングワイヤ(図示せず)を介して各別に電気的に接続されている。
上述のパッケージ2は、赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5が実装される実装部材21と、窓部2aを有し実装部材21との間に赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5を囲む形で実装部材21に接合されるカバー部材22とで構成されている。ここにおいて、実装部材21は、一面が開口した矩形箱状に形成され内底面側に赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5が実装された多層セラミック基板(セラミックパッケージ)からなるパッケージ本体により構成され、カバー部材22は、上述の窓部2aを有し上記パッケージ本体の上記一面側に覆着されるメタルリッドよりなるパッケージ蓋により構成されており、当該カバー部材22に、上述の赤外線レンズ3が固着されている。ここで、カバー部材22の周部は、実装部材21を構成する上記パッケージ本体の上記一面上に形成された矩形枠状の金属パターン(図示せず)にシーム溶接により接合されている。
なお、実装部材21およびカバー部材22それぞれの形状は特に限定するものではなく、例えば、実装部材21をキャンパッケージのステムにより構成するとともに、カバー部材22をキャンパッケージにおいて窓部2aが形成されたキャップにより構成するようにしてもよいし、また、実装部材21を、一表面側に赤外線検出素子1が実装される平板状の実装基板と、赤外線検出素子1を囲む枠状のスペーサとで構成するとともに、カバー部材22を、実装基板の上記一表面側にスペーサを介して対向配置され窓部2aが形成された平板状の蓋板で構成するようにしてもよい。
また、赤外線検出素子1としては、サーモパイル型のセンシングエレメントを赤外線検出部として備えた熱型赤外線検出素子を用いているが、これに限らず、ボロメータ型のセンシングエレメントを赤外線検出部として備えた熱型赤外線検出素子や、焦電型のセンシングエレメントを赤外線検出部として備えた熱型赤外線検出素子を用いてもよい。また、赤外線検出素子1としては、熱型赤外線検出素子に限らず、例えば、InGaAs,InSb,InAs,HgCdTe,PbS,PbSeなどの材料を利用した量子型赤外線検出素子や、p形Geのフォトンドラッグ効果を利用した赤外線検出素子により構成してもよい。また、赤外線検出素子1としては、複数の赤外線検出部を備え当該複数の赤外線検出部が2次元アレイ状に配列されたものを用いているが、赤外線検出部を1つだけ備えたものを用いてもよい。
赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5と実装部材21との接合方法は、鉛フリー半田や銀ペーストなどの導電性接着剤を用いた接合法に限らず、例えば、常温接合法や、例えば、Au−Sn共晶もしくはAu−Si共晶を利用した接合法などを採用してもよい。ただし、常温接合法などの直接接合が可能な接合法の方が、導電性接着剤を用いた接合法に比べて、赤外線検出素子1と赤外線レンズ3との距離精度を向上させる上では有利である。
ここにおいて、実装部材21は、上記パッケージ本体の上記内底面側に、赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5が電気的に接続される金属材料(例えば、Cuなど)からなる導体パターン(図示せず)が形成されており、当該各導体パターンそれぞれに電気的に接続された金属材料(例えば、Cuなど)からなる複数の外部接続用電極(図示せず)が、上記パッケージ本体の外底面と外側面とに跨って形成されている。なお、本実施形態では、実装部材21を構成する上記パッケージ本体に赤外線検出素子1と信号処理ICチップ5とが収納されているので、赤外線検出素子1が、上記ボンディングワイヤや信号処理ICチップ5などを介して上記導体パターンと電気的に接続されているが、上記パッケージ本体に信号処理ICチップ5を収納しない場合には、赤外線検出素子1がボンディングワイヤを介して適宜の導体パターンと電気的に接続されるようにすればよい。要するに、信号処理ICチップ5は、必ずしも、赤外線検出素子1と同じ実装部材21に実装しなくてもよいし、赤外線検出素子1と同じパッケージ2内に収納しなくてもよい。
また、実装部材21を構成する上記パッケージ本体は、金属材料(例えば、Cuなど)からなるシールド用導体パターン(図示せず)が形成されており、赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5は、上記シールド用導体パターンに適宜接続されている。ここにおいて、本実施形態の赤外線センサは、上記パッケージ本体に、上記シールド用導体パターンに電気的に接続された金属材料(例えば、Cuなど)からなるグランド用の外部接続用電極(図示せず)も上記パッケージ本体の外底面と外側面とに跨って設けられており、当該グランド用の外部接続用電極を、赤外線センサを2次実装する回路基板などのグランドパターンと電気的に接続することで、赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5への外来の電磁ノイズの影響を低減でき、外来の電磁ノイズに起因したS/N比の低下を防止することができる。
また、カバー部材22を構成する上記パッケージ蓋は、コバールなどの金属材料により形成されており、Niめっきが施されている。なお、パッケージ蓋22の金属材料は、コバールに限定するものではない。
ところで、赤外線レンズ3は、赤外線検出素子1の受光面へ赤外線を集光するレンズ部3aを有している。ここにおいて、赤外線レンズ3は、上述のようにシリコンレンズからなる半導体レンズであり、レンズ部3aが、平凸型の非球面レンズの形状に形成されており、レンズ部3a以外の部位であるベース部3bの外周形状が矩形状(本実施形態では、正方形状)に形成されている。
また、赤外線レンズ3は、陽極酸化技術を応用した半導体レンズの製造方法を利用して形成してあり、赤外線レンズ3の製造時に用いる陽極32を、レンズ部3a以外の部位であるベース部3bを通して赤外線検出素子1の受光面へ入射しようとする赤外線を阻止する赤外線阻止部3cとして残してある。
しかして、本実施形態の赤外線センサでは、赤外線レンズ3のレンズ部3a以外の部位であるベース部3bを通して赤外線が赤外線検出素子1の受光面へ入射するのを防止することができ、高感度化を図れる。
また、本実施形態の赤外線センサは、検出対象の赤外線として人体から放射される10μm付近の波長帯(8μm〜13μm)の赤外線を想定しており、赤外線レンズ3の両面に、所望の波長域(8μm〜13μm)の赤外線を透過し不要な波長域(例えば、5μm以下)の赤外線を反射する多層干渉膜フィルタ3d,3eを形成してあるが、少なくとも一面に形成してあればよく、例えば、赤外線検出素子1側の一面のみに多層干渉膜フィルタ37を形成して、赤外線検出素子1側とは反対側の一面に、赤外線反射防止膜を形成してもよい。なお、多層干渉膜フィルタ3d,3eは、赤外線センサの用途(例えば、人体検知の用途、ガス検知の用途など)に応じた検出対象の赤外線の波長や波長域に応じて適宜の光学設計を行えばよい。ここで、多層干渉膜フィルタ3d,3eおよび赤外線反射防止膜は、例えば、屈折率の異なる複数種類の薄膜を交互に積層することにより形成すればよい。また、上述の赤外線レンズ3は、後述のシリコンウェハからは半導体ウェハ30(図1(a)参照)を用いて形成しており、多数の赤外線レンズ3の基礎となる半導体ウェハ30に多数の赤外線レンズ3を形成した後、半導体ウェハ30をダイシングすることで個々の赤外線センサ3に分割すればよい。
上述の赤外線レンズ3は、レンズ部3aの両面のうち凸曲面である一面側が赤外線検出素子1側で、平面である一面側がカバー部材22の窓部2a側となる形で、カバー部材22の窓部2aを閉塞するようにカバー部材22に固着されている。ここで、本実施形態の赤外線センサでは、カバー部材22の窓部2aの開口形状を、1辺がレンズ部3aのレンズ径よりも大きな正方形状としてあり、赤外線レンズ3のベース部3bをカバー部材22の一表面(図5では下面)における窓部2aの周部に当接させた形でベース部3bの周部を導電性接着剤(例えば、鉛フリーの半田、銀ペーストなど)からなる接合部6を介して固着してある。したがって、赤外線レンズ3と赤外線検出素子1との平行度を高めることができ、赤外線レンズ3の集光点が赤外線検出素子1からずれるのを防止することができる。ここにおいて、接合部6の材料は鉛フリーの導電性接着剤に限らず、例えば、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂などの樹脂系接着剤や、ガラスフリットでもよい。ただし、上述のように、接合部6の材料として導電性接着剤を採用することにより、赤外線レンズ3が、接合部6を介してパッケージ2に電気的に接続されるので、電磁ノイズに対するシールド性を高めることができ、外来の電磁ノイズに起因したS/N比の低下を防止することができる。
以下、本実施形態の赤外線センサの製造方法について図1〜図3を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、赤外線レンズ3の基礎となる半導体ウェハ30の抵抗率を80Ωcmに設定してあるが、この数値は特に限定するものではない。ただし、半導体ウェハ30の抵抗率は、好ましくは0.1〜1000Ωcm、より好ましくは数Ωcm〜数100Ωcmである。
まず、図1(a)に示すシリコンウェハからなる半導体ウェハ30の一表面側に陽極酸化工程で利用する陽極32(図1(c)参照)の基礎となる所定膜厚(例えば、1μm)の導電性膜(例えば、Al膜、Al−Si膜など)からなる導電性層31を形成する導電性層形成工程を行うことによって、図1(b)に示す構造を得る。ここにおいて、導電性層形成工程では、例えばスパッタ法によって半導体ウェハ30の上記一表面上に導電性層31を成膜した後、N2ガスおよびH2ガス雰囲気中で導電性層31のシンタ(熱処理)を行うことで、導電性層31と半導体ウェハ30とのオーミック接触を得ている。なお、導電性層31の成膜方法はスパッタ法に限らず、例えば蒸着法などの他の周知の薄膜形成方法を採用してもよい。
導電性層形成工程の後、導電性層31に円形状の開口部33(図2参照)を設けるように導電性層31をパターニングするパターニング工程を行うことによって、図1(c)に示す構造を得る。ここにおいて、パターニング工程では、フォトリソグラフィ技術を利用して半導体ウェハ30の上記一表面側に開口部33に対応する部位が開孔されたレジスト層(図示せず)を形成した後、レジスト層をマスクとして導電性層31の不要部分を例えばウェットエッチング技術あるいはドライエッチング技術によってエッチング除去して開口部33を設けることにより導電性層31の残りの部分からなる陽極32を形成し、その後、上記レジスト層を除去する。なお、導電性層31がAl膜やAl−Si膜であれば、導電性層31の不要部分をウェットエッチング技術によりエッチング除去する場合には、例えば燐酸系エッチャントを用いればよく、導電性層31の不要部分をドライエッチング技術によりエッチング除去する場合には、例えば反応性イオンエッチング装置などを用いればよい。また、本実施形態では、上述の導電性層形成工程とパターニング工程とで、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハ30との接触パターンが設計され窓部2aよりも開口サイズの小さな開口部33を有する陽極32を半導体ウェハ30の上記一表面側に半導体ウェハ30との接触がオーミック接触となるように形成する陽極形成工程を構成している。
上述のパターニング工程の後、陽極酸化用の電解液中で半導体ウェハ30の他表面側(図1(a)の上面側)に対向配置される陰極と陽極32との間に通電して半導体ウェハ30の上記他表面側に除去部位となる多孔質シリコンからなる多孔質部34を形成する陽極酸化工程(陽極酸化処理)を行うことによって、図1(d)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、半導体ウェハ30として、導電形がp形のものを用いているので、陽極酸化工程において半導体ウェハ30の上記他表面側に光を照射する必要はないが、半導体ウェハ30として導電形がn形のものを用いる場合には光を照射する必要がある。また、電解液としては、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合溶液を用いているが、フッ化水素水溶液の濃度やフッ化水素水溶液とエタノールとの混合比は特に限定するものではない。また、フッ化水素水溶液と混合する液体もエタノールに限らず、メタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)などのアルコールなど、陽極酸化反応で発生した気泡を除去できる液体であれば、特に限定するものではない。
ところで、p形のシリコンウェハからなる半導体ウェハ30の一部を陽極酸化工程において多孔質化する際には、ホールをh+、電子をe−とすると、以下の反応が起こっていると考えられる。
Si+2HF+(2−n)h+→SiF2+2H++ne−
SiF2+2HF→SiF4+H2
SiF4+2HF→SiH2F6
すなわち、シリコンウェハからなる半導体ウェハ30の陽極酸化では、Fイオンの供給量とホールh+の供給量との兼ね合いで多孔質化あるいは電解研磨が起こることが知られており、Fイオンの供給量の方がホールの供給量よりも多い場合には多孔質化が起こり、ホールh+の供給量がFイオンの供給量よりも多い場合には電解研磨が起こる。したがって、本実施形態のように半導体ウェハ30としてp形のシリコンウェハを用いている場合には、陽極酸化による多孔質化の速度はホールh+の供給量で決まるから、半導体ウェハ30中を流れる電流の電流密度で多孔質化の速度が決まり、多孔質部34の厚みが決まることになる。ここにおいて、半導体ウェハ30の上記他表面側では、陽極32の厚み方向に沿った開口部33の中心線から離れるほど電流密度が徐々に大きくなるような電流密度の面内分布を有することとなり、半導体ウェハ30の上記他表面側に形成される多孔質部34は、陽極32の開口部33の上記中心線に近くなるほど徐々に薄くなっている。なお、上述の電流密度の面内分布は、陽極32と陰極との間に通電しているときに陽極32と半導体ウェハ30との接触パターンなどにより決まる半導体ウェハ30内の電界強度の分布に応じて発生し、電界強度が強いほど電流密度が大きくなり、電界強度が弱いほど電流密度が小さくなる。
Si+2HF+(2−n)h+→SiF2+2H++ne−
SiF2+2HF→SiF4+H2
SiF4+2HF→SiH2F6
すなわち、シリコンウェハからなる半導体ウェハ30の陽極酸化では、Fイオンの供給量とホールh+の供給量との兼ね合いで多孔質化あるいは電解研磨が起こることが知られており、Fイオンの供給量の方がホールの供給量よりも多い場合には多孔質化が起こり、ホールh+の供給量がFイオンの供給量よりも多い場合には電解研磨が起こる。したがって、本実施形態のように半導体ウェハ30としてp形のシリコンウェハを用いている場合には、陽極酸化による多孔質化の速度はホールh+の供給量で決まるから、半導体ウェハ30中を流れる電流の電流密度で多孔質化の速度が決まり、多孔質部34の厚みが決まることになる。ここにおいて、半導体ウェハ30の上記他表面側では、陽極32の厚み方向に沿った開口部33の中心線から離れるほど電流密度が徐々に大きくなるような電流密度の面内分布を有することとなり、半導体ウェハ30の上記他表面側に形成される多孔質部34は、陽極32の開口部33の上記中心線に近くなるほど徐々に薄くなっている。なお、上述の電流密度の面内分布は、陽極32と陰極との間に通電しているときに陽極32と半導体ウェハ30との接触パターンなどにより決まる半導体ウェハ30内の電界強度の分布に応じて発生し、電界強度が強いほど電流密度が大きくなり、電界強度が弱いほど電流密度が小さくなる。
上述の陽極酸化工程の終了後、多孔質部34を除去する多孔質部除去工程を行うことによって、図1(e)に示す構造を得る。ここにおいて、多孔質部除去工程では、陽極32を赤外線阻止部3cとして残存させるように多孔質部34を選択的に除去するようにしている。
多孔質部除去工程の後は、半導体ウェハ30の上記一表面側に多層干渉膜フィルタ3dを形成するとともに半導体ウェハ30の上記他表面側に多層干渉膜フィルタ3eを形成するフィルタ形成工程を行うことによって、図1(f)に示す構造を得てから、半導体ウェハ30を個々の赤外線レンズ3に分離するダイシング工程を行えばよい。
上述の赤外線レンズ3の製造方法によれば、陽極形成工程にて形成する陽極32と半導体ウェハ30との接触パターンにより陽極酸化工程において半導体ウェハ30に流れる電流の電流密度の面内分布が決まるので、陽極酸化工程にて形成する多孔質部34の厚みの面内分布を制御することができて厚みが連続的に変化した多孔質部34を形成することが可能であり、当該多孔質部34を多孔質部除去工程にて除去することで所望のレンズ形状の赤外線レンズ3が形成されるから、高価な精密研磨装置を用いることなく所望のレンズ形状(任意形状)の赤外線レンズ3を低コストで製造することが可能となる。要するに、上述の赤外線レンズ3の製造方法によれば、赤外線レンズ3の所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハ30との接触パターンを設計した陽極32を半導体ウェハ30の上記一表面側に半導体ウェハ30との接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハ30の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハ30の上記他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部34を形成してから、当該多孔質部34を除去することにより形成されているので、高価な精密研磨装置を用いて形成する場合に比べて、赤外線レンズ3の低コスト化を図れる。また、上述の赤外線レンズ3の製造方法では、レンズ径が数mm程度のレンズ形状でも1回の陽極酸化工程と1回の多孔質部除去工程とで形成することができるという利点もある。
上述の赤外線レンズ3の製造方法により赤外線レンズ3を形成した後、図1(g)に示すように、赤外線レンズ3の光軸方向において当該赤外線レンズ3とカバー部材22の窓部2aとを重ね合わせた状態で赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定の空間領域を2台の赤外線カメラからなる撮像手段8により撮像する。ここにおいて、撮像手段8は、上方向を正面方向として撮像する第1の赤外線カメラと下方向を正面方向として撮像する第2の赤外線カメラとを備えており、マウンタ(ここでは、赤外線レンズ3をカバー部材22の所定位置に移し変えて装着するための機構部)のコレット9により真空吸着された赤外線レンズ3を、第1の赤外線カメラにより撮像するとともに、あらかじめ接合部6の材料である導電性接着剤(例えば、鉛フリーのクリーム半田)6aがディスペンサ法、スクリーン法、ステンシル法などにより窓部2aの周部に塗布されたカバー部材22の窓部2aを含む所定領域を、第2の赤外線カメラで撮像する。ここにおいて、コレット9は、赤外線レンズ3を上記レンズ部3aの凸曲面側から真空吸着している。なお、撮像手段8は、赤外線レンズ3およびカバー部材22それぞれを正面から照明(同軸落射照明)する光源を内蔵している。なお、カバー部材22は、X−Yテーブル(図示せず)上に載置して位置決めしてある。
ところで、上述の撮像手段8およびマウンタを具備し赤外線レンズ3をカバー部材22の所定位置に装着する自動装着装置は、マイクロコンピュータを主構成とする画像処理部を備えており、上述の撮像手段8により赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定領域を撮像することにより得られる画像は、画像処理部(図示せず)に入力される。
上記画像処理部では、撮像手段8による赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定領域の撮像により得られた画像内で陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行ってから、特定部位抽出処理により抽出した陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位の中心(陽極32の開口部33の中心O1、カバー部材22の窓部2aの中心O2それぞれに対応する点)を求める特徴抽出処理を行う。なお、上記画像処理部は、各赤外線カメラからの画像(濃淡画像)や特定部位抽出処理や特徴抽出処理で生成される各画像を格納するメモリからなる画像記憶手段を備えている。また、特定部位抽出処理および特徴抽出処理は、上記画像処理部の主構成であるマイクロコンピュータにおいて適宜のプログラムを実行することにより行われる。また、上記画像処理部は、パーソナルコンピュータに適宜のソフトウェアを搭載することにより実現してもよい。
ここにおいて、特定部位抽出処理では、撮像手段8により撮像され上記画像記憶手段に格納された濃淡画像を適宜の閾値で2値化した2値画像を生成した後、2値画像において開口部32および窓部2aそれぞれに対応する部位(開口部32の画素値を有する画素の集合および窓部2aの画素値を有する画素の集合)を抽出し、特徴抽出処理では、特定部位抽出処理で抽出した各部位それぞれの重心を中心として求めている。なお、特定部位抽出処理で抽出した開口部33に対応する部位の中心を求めるにあたっては、特定部位抽出処理で抽出した開口部33に対応する部位である円形領域が外接する外接矩形を設定し、外接矩形の1つの対角線の両端の2点の座標(x1,y1),(x2,y2)を求め、この2点の中点の座標((x1+x2)/2,(y1+y2)/2)を中心として求めるようにしてもよい。また、特定部位抽出処理で抽出した窓部2aに対応する部位の中心を求めるにあたっては、特定部位抽出処理で抽出した窓部2aに対応する部位である矩形領域の1つの対角線の両端の2点の座標(x11,y11),(x12,y12)を求め、この2点の中点の座標((x11+x12)/2,(y11+y12)/2)を中心として求めるようにしてもよい。
そして、上述の自動装着装置は、上記画像処理部の出力に基づいて撮像手段8およびマウンタを制御する制御部(図示せず)を備えており、当該制御部は、上記画像処理部の特徴抽出処理により求めた両方の中心が一致するように上記マウンタのコレット9を移動させて赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整し、両方の中心が一致すると、撮像手段8を赤外線レンズ3およびカバー部材22に重ならない位置まで移動させる(図1(h))。その後、上記制御部が、上記マウンタを制御して赤外線レンズ3をカバー部材22の上記一表面上に装着(搭載)する。続いて、リフロー装置(図示せず)により導電性接着剤6aを硬化させて接合部6を形成することで赤外線レンズ3をカバー部材22に固着することによって、図1(i)に示す構造を得る。
次に、図1(j)に示すように、赤外線検出素子1および信号処理ICチップ5が実装された実装部材21に対して、赤外線レンズ3が上述の接合部6により上記一表面側に固着されたカバー部材22をパッケージ2の所望の雰囲気(例えば、N2ガス雰囲気、真空雰囲気など)中において対向配置する。
その後、上述の所望の雰囲気中において、カバー部材22を実装部材21に重ねて、シーム溶接によりカバー部材22の周部を実装部材21に封着することによって、図1(k)に示す構成の赤外線センサを得る。
以上説明した本実施形態の赤外線センサの製造方法によれば、赤外線レンズ3の形成にあたっては、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハ30との接触パターンが設計され窓部2aよりも開口サイズの小さな開口部33を有する陽極32を半導体ウェハ30の上記一表面側に半導体ウェハ30との接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハ30の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハ30の上記他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部34を形成してから、当該多孔質部34を除去することにより形成された赤外線レンズ3を半導体ウェハ30から分割するようにしているので、赤外線レンズ3の光軸M0と陽極32の開口部33の中心線M1とが略一致し、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着するにあたっては、赤外線レンズ3の光軸方向において当該赤外線レンズ3とカバー部材22の窓部2aとを重ね合わせた状態で赤外線レンズ3およびカバー部材22の窓部2aを含む所定の空間領域を撮像手段8により撮像し、撮像手段8による撮像により得られた画像内で陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行ってから、特定部位抽出処理により抽出した陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、特徴抽出処理により求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整し、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着するので、カバー部材22に対する赤外線レンズ3の光軸の位置決め精度を高めることが可能となる。
ところで、本実施形態では、陽極32の開口部33およびカバー部材22の窓部2aそれぞれの開口形状が矩形状であり、図3に示すように、正面視においてカバー部材22の窓部2aに対して赤外線レンズ3が傾いてしまうことも考えられる。
このような傾いた状態での固着を防止するには、例えば、赤外線レンズ3の形成にあたって、図4に示すように、陽極32の開口部33の中心O1を通る1つの第1の仮想直線VL1上において陽極32の開口部33の両側にアライメントマーク35,35を開口部33と同時に形成するようにし(つまり、開口部33とアライメントマーク35,35とを同一のフォトマスクを利用して形成するようにし)、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着するにあたっては、特定部位抽出処理において上記各部位とともに各アライメントマーク35,35それぞれに対応する部位であるマーク部位を抽出するようにし、特徴抽出処理において、開口部33に対応する部位の中心と各マーク部位とを通る第2の仮想直線を設定してから、第2の仮想直線と窓部2aに対応する上記部位の1つの対角線とのなす角度を求めるようにし、赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整する際に、上記角度が正規角度となるように上記マウンタによって赤外線レンズ3を回動させるようにすればよい。なお、赤外線レンズ3を回動させる代わりに、カバー部材22を回動させるようにしてもよく、赤外線レンズ3とカバー部材22との少なくとも一方を回動させるようにすればよい。ここにおいて、図4に示した例では、外周形状が矩形状の陽極32の1つの対角線に一致するように第1の仮想直線VL1を設定し、当該第1の仮想直線VL1上にアライメントマーク35,35を形成するようにしているので、正規角度を0度に設定してある。ただし、第1の仮想直線VL1は、上述の例に限らず、例えば、半導体ウェハ30のオリエンテーションフラットに平行もしくは直交するように設定してもよく、前者の場合は正規角度を135度、後者の場合は正規角度を45度に設定すればよい。
しかして、このような赤外線センサの製造方法によれば、赤外線レンズ3の形成にあたっては、陽極32の開口部33の中心O1を通る1つの第1の仮想直線VL1上において陽極32の開口部33の両側にアライメントマーク35,35を開口部33と同時に形成するようにしているので、各アライメントマーク35,35と陽極32の開口部33の中心O1との相対的な位置精度を高めることができ、赤外線レンズ3をカバー部材22に固着するにあたっては、特定部位抽出処理において上記各部位とともに各アライメントマーク35,35それぞれに対応する部位であるマーク部位を抽出するようにし、特徴抽出処理において、開口部33に対応する部位の中心と各マーク部位とを通る第2の仮想直線を設定してから、第2の仮想直線と窓部2aに対応する上記部位の1つの対角線とのなす角度を求めるようにし、赤外線レンズ3とカバー部材22との相対的な位置を調整する際に、上記角度が正規角度となるように赤外線レンズ3とカバー部材22との一方を回動させるので、正面視においてカバー部材22の窓部2aに対して赤外線レンズ3が傾いた状態で固着されるのを防止でき、カバー部材22に対する赤外線レンズ3の位置決め精度を高めることができるとともにパッケージ2の気密性の向上を図れる。
また、以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、赤外線レンズ3をパッケージ2の内側に配置してあるので、赤外線レンズ3が損傷しにくくなる。
ところで、赤外線レンズ3の陽極32からなる赤外線阻止部3dは、絞りとして機能するが、赤外線センサの撮像性能の向上の観点から、赤外線レンズ3の絞りの直径を変更したい場合がある。
ここで、絞りの直径を陽極32の開口部33の直径よりも大きくしたい場合には、例えば、上述の赤外線レンズ3の製造方法において、多孔質部34を除去した半導体ウェハ30(図1(e)および図6(a)参照)の上記一表面側にポジ型のレジスト層41を形成してから(図6(b)参照)、当該レジスト層41のうち所望の絞りの開口部に対応する部位を感光させることで感光部42を形成し(図6(c)参照)、続いて、感光部42を除去し(図6(d)参照)、その後、レジスト層42をマスクとして陽極32の一部をエッチングし(図6(e)参照)、続いて、レジスト層42を除去すればよい。この場合は、陽極32の一部をエッチングする際にアライメントマーク35,35が形成されるようにレジスト層42をパターン設計してもよい。
また、絞りの直径を陽極32の開口部33の直径よりも小さくしたい場合には、例えば、上述の赤外線レンズ3の製造方法において、多孔質部34を除去した半導体ウェハ30(図1(e)および図7(a)参照)の上記一表面側にポジ型のレジスト層41を形成してから(図7(b)参照)、当該レジスト層41のうち所望の絞りの開口部に対応する部位以外を感光させることで感光部42を形成し(図7(c)参照)、続いて、感光部42を除去し(図7(d)参照)、その後、半導体ウェハ30の上記一表面側に赤外線を反射する金属材料(例えば、Al,Al−Si,Auなど)からなる金属膜37をスパッタ法、真空蒸着法などの薄膜形成技術により形成し(図7(e)参照)、続いて、レジスト層42および金属膜37のうちレジスト層42上に形成された不要部分を除去するリフトオフを行うことで絞りとして機能する金属膜37を形成すればよい(図7(f)参照)。この場合は、金属膜37を成膜する際にアライメントマーク35,35が形成されるようにレジスト層42をパターン設計してもよい。
なお、上述のレジスト層41としては、ポジ型に限らず、ネガ型を用いてもよく、ネガ型を用いる場合には、感光させる部分と感光させない部分とを逆にすればよい。また、絞りの直径を変更した後は、図1の例と同様に多層干渉膜フィルタ3d,3eなどを適宜形成すればよい。
また、上述の赤外線レンズ3の製造方法において、多孔質部34を除去した半導体ウェハ30(図1(e)および図8(a)参照)から陽極32をエッチング除去し(図8(b)参照)、その後、絞りとして機能させる赤外線阻止部3cを、シャドーマスクを用いた蒸着法などにより形成してもよい(図8(c)参照)。この場合は、陽極32の開口部33の代わりに、赤外線阻止部3cの開口部3ccを利用してカバー部材22に対する赤外線レンズ3の位置決めを行えばよく、赤外線阻止部3cの形成時にアライメントマーク35,35を同時に形成するようにすればよい。なお、このような製造方法を採用する場合には、陽極32を多孔質部34と同時にエッチング除去するようにしてもよい。
また、図5に示した構成の赤外線センサは、赤外線レンズ3がパッケージ2の内側でレンズ部3aの凸曲面側が赤外線検出素子1側となる形で配置されているが、赤外線レンズ3の配置は図5の例に限らず、例えば、図9に示すように、パッケージ2の外側で赤外線レンズ3のレンズ部3aの凸曲面側が赤外線検出素子1側とは反対側となる形で配置するようにしてもよく、この場合には、パッケージ2の低背化を図れる。
また、赤外線センサは、図10に示すように、赤外線レンズ3をパッケージ2の内側でレンズ部3aの凸曲面側が赤外線検出素子1側とは反対側となる形で配置するようにしてもよく、赤外線レンズ3のフランジ部3bのみがカバー部材22の周部に重なるように配置することで赤外線レンズ3が傾くのを防止することができる。なお、上述の赤外線センサの製造方法では、撮像手段8が第1の赤外線カメラを備えているので、赤外線レンズ3をレンズ部3aの凸曲面側からでも陽極32を撮像することができる。
また、赤外線センサは、図11に示すように、赤外線レンズ3をパッケージ2の外側でレンズ部3aの凸曲面側が赤外線検出素子1側となる形で配置するようにしてもよく、赤外線レンズ3のフランジ部3bのみがカバー部材22の周部に重なるように配置することで赤外線レンズ3が傾くのを防止することができる。なお、図11の構成の赤外線センサでは、図5の構成の赤外線センサに比べてパッケージ2の低背化を図れる。
ところで、上述の実施形態では、半導体ウェハ30としてシリコンウェハを採用しているが、半導体ウェハ30の材料はSiに限らず、Ge、SiC、GaAs、GaP、InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の材料でもよく、導電形もp形に限らず、n形でもよい。ここで、陽極酸化工程において用いる電解液であって半導体ウェハ30の構成元素の酸化物を除去する電解液としては、例えば、下記表1のような電解液を用いればよい。
また、上述の実施形態では、赤外線レンズ3のレンズ部3aの平面視形状が円形状であり、陽極32の開口形状を円形状としてあるが、レンズ部3aの形状は特に限定するものではなく、例えば、レンズ部3aの平面視形状が楕円形状でもよく、この場合には、陽極32の開口形状を楕円形状に設定すればよい。
1 赤外線検出素子
2 パッケージ
2a 窓部
3 赤外線レンズ
6 接合部
6a 導電性接着剤
8 撮像手段
9 コレット
21 実装部材
22 カバー部材
30 半導体ウェハ
32 陽極
33 開口部
M0 光軸
M1 中心線
2 パッケージ
2a 窓部
3 赤外線レンズ
6 接合部
6a 導電性接着剤
8 撮像手段
9 コレット
21 実装部材
22 カバー部材
30 半導体ウェハ
32 陽極
33 開口部
M0 光軸
M1 中心線
Claims (2)
- 赤外線検出素子と、赤外線検出素子を収納するパッケージであり赤外線検出素子の前方に窓部が形成されたパッケージと、パッケージの窓部を閉塞する形でパッケージに固着され赤外線検出素子へ赤外線を集光する半導体レンズからなる赤外線レンズとを備え、パッケージが、赤外線検出素子が実装される実装部材と、前記窓部を有し実装部材との間に赤外線検出素子を囲む形で実装部材に接合されるカバー部材とで構成されてなる赤外線センサの製造方法であって、赤外線レンズの形成にあたっては、所望のレンズ形状に応じて半導体ウェハとの接触パターンが設計され前記窓部よりも開口サイズの小さな開口部を有する陽極を半導体ウェハの一表面側に半導体ウェハとの接触がオーミック接触となるように形成した後に、半導体ウェハの構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液からなる電解液中で半導体ウェハの他表面側を陽極酸化することで除去部位となる多孔質部を形成してから、当該多孔質部を除去することにより形成された赤外線レンズを半導体ウェハから分割するようにし、赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、赤外線レンズの光軸方向において当該赤外線レンズとカバー部材の前記窓部とを重ね合わせた状態で赤外線レンズおよびカバー部材の前記窓部を含む所定の空間領域を撮像手段により撮像し、撮像手段による撮像により得られた画像内で陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位を抽出する特定部位抽出処理を行ってから、特定部位抽出処理により抽出した陽極の開口部およびカバー部材の前記窓部それぞれに対応する各部位の中心を求める特徴抽出処理を行い、特徴抽出処理により求めた両方の中心が一致するように赤外線レンズとカバー部材との相対的な位置を調整し、赤外線レンズをカバー部材に固着することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
- 前記陽極の前記開口部および前記カバー部材の前記窓部それぞれの開口形状が矩形状であり、前記赤外線レンズの形成にあたっては、前記陽極の前記開口部の中心を通る1つの第1の仮想直線上において前記陽極の前記開口部の両側にアライメントマークを前記開口部と同時に形成するようにし、前記赤外線レンズをカバー部材に固着するにあたっては、前記特定部位抽出処理において前記各部位とともに各アライメントマークそれぞれに対応する部位であるマーク部位を抽出するようにし、前記特徴抽出処理において、前記開口部に対応する前記部位の中心と前記各マーク部位とを通る第2の仮想直線を設定してから、第2の仮想直線と前記窓部に対応する前記部位の1つの対角線とのなす角度を求めるようにし、前記赤外線レンズと前記カバー部材との相対的な位置を調整する際に、前記角度が正規角度となるように前記赤外線レンズと前記カバー部材との一方を回動させることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサの製造方法。
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