JP2011027592A - 配管壁面検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピグヘッド構造の複雑化に伴う多チャンネル配置実現の困難化、及び重量の増加による管内移動装置に対する負荷の増加、これによるピグヘッドの走行の支障という問題を解決する。
【解決手段】配管の内壁面の状態を検査する配管壁面検査方法において、前記配管を磁心として設定される磁化コイルにより、前記検査対象とする配管を管軸方向に磁化することによって交流磁束を発生させ、少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように配置される複数の磁気センサを搭載したピグを通過させることにより、前記配管内壁から放出される磁束密度の変化を検出することによって前記内壁面の状態を検査することを特徴とする配管壁面検査方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、パイプラインなどの配管のメンテナンスのために配管の内壁を検査する方法、及びそのための装置に関するものである。
従来、パイプラインなどの配管の腐食や減肉などを検査する方法として、配管中を検査ピグと呼ばれる検査具を走行させながら漏洩磁束を測定する方法が知られている。この検査方法では、たとえば、特許文献1に開示されるように、ピグに内臓された磁石で配管を磁化して磁束を発生させるとともに、減肉部(外面減肉部や内面減肉部)の漏洩磁束をセンサで検出し、漏洩磁束の強度から減肉深さを測定する漏洩磁束法が使用されている。
漏洩磁束法とは、磁石により検査対象とする鋼材を磁化させ閉じた磁路を形成させ、鋼材の表面に形成された疵から漏れる磁束を測定する方法である。磁路の断面積に変動がなく鋼材内部の磁束密度が飽和密度以下にあれば鋼材外へ磁束が漏洩することはない。しかし、腐食や割れなどの疵による減肉部では磁路の断面積が減少するために鋼材内部の磁束が飽和磁束以上となり磁路に入りきれなかった磁束が漏洩する。また、漏洩した磁束は腐食や割れのない健全な部位まで来ると再び鋼材中に戻っていく。漏洩磁束法はこの漏洩した磁束を磁気センサにより検知し、腐食箇所や割れ疵を検知するものである。このため、漏洩磁束法では鋼材を磁化する手段および磁気センサと磁気センサを鋼材表面に倣わせる機構、さらに広範囲を検査する場合には磁気センサの感磁領域を検査領域全域に走査させる機構さらに磁気センサで検知した磁気信号を処理、判断する機能が必要となる。
漏洩磁束法による配管壁面の検査においては、通常、磁気センサを搭載するピグを配管内を走行させて検査を行う。従来の漏洩磁束法による検査の場合、ピグには配管を磁化するための磁石を搭載するため、ピグの構造、大きさが複雑、長大になるという欠点があった。図5には、従来の検査ピグの構造の概要が示されている。検査ピグ51は、配管中を走行する。その際、磁化器52により配管を磁化させ、漏れた磁束を磁気センサ53により検知する。磁気センサ53は、ピグ51内の円周方向に複数設けられている。そして磁化器52には、倣い機構54を介して磁気センサ53が保持され、配管の内壁に沿って摺動するようになっている。
このように、従来のピグには、内部に磁化器52と磁気センサ53をセットで装備しなければならず、ピグを構成する部品やこれらを最適に配置するための配置台55、ケーブルの増加もあり、ヘッド構造は非常に複雑になっていた。また、S/Nを向上させるためには、永久磁石より交流による磁化が好ましいが、交流磁化の場合磁化器は電磁石を採用するため配管の口径によってはピグの検査ヘッドに必要チャンネル数並べる配置が不可能となる場合がある。また、比較的大きな口径においてセンサの配置が可能であっても電磁石へ電力を送るケーブルと電磁石自体の重量によりピグヘッドの移動に負荷がかかる。さらに、磁力によって磁化機が壁面と吸引しあうため、リフトオフの変動が発生し検知精度を悪化させる要因となる。
そこで、特許文献2は、直流電源により、検査対象部に全長に亘る配管に通電して、管周方向に磁界を発生させることにより、漏洩磁束検出装置(ピグ)側に磁化器を設置することを省き、構造を簡素化させることを提案している。
特許文献2に記載の方法は、直流電圧によって配管の円周方向に磁化するものであるが、疵の形状と磁化方向の相違によって磁束の漏洩の形態が変わるため、円周方向の磁化では、検出しにくい疵も多い。すなわち、円周方向の磁化では、磁束も疵から円周方向に漏洩するため、配管の管軸方向の疵では多数の磁束が漏洩し、検出しやすいが、円周方向に沿った疵は検出しづらいという問題がある。また、直流電圧を使用した磁化では、地磁気や鋼管自体の残留磁化などのノイズを疵による漏洩磁束と区別しづらく、ノイズが発生により検出精度が劣るという欠点があった。
特開2002−5895号公報 特開2003−270210号公報
本発明の目的は、漏洩磁束法による配管壁面検査方法において、ピグヘッド構造を簡素化しつつ、円周方向にそった疵も精度よく検出することができる配管壁面検査方法及びそのための装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、漏洩磁束法による検査用ピグヘッドの構成について研究、開発を行った結果、ピグヘッドに搭載していた磁化装置を配管などの配管の外側に設置し、その際、配管を磁心として磁化コイルを設置することにより、検査ピグを簡素化すると共に、配管の管軸方向に磁化を行うことで精度の高い検査を可能とすることができた。
本発明の要旨は次のとおりである。
(1)配管の内壁面の状態を検査する配管壁面検査方法において、前記配管を磁心として設定される磁化コイルに交流電流を流すことにより、前記検査対象とする配管を管軸方向に磁化することによって交流磁束を発生させ、少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように配置される複数の磁気センサを搭載したピグを通過させることにより、前記配管内壁から放出される磁束密度の変化を検出することによって前記内壁面の状態を検査することを特徴とする配管壁面検査方法。
(2)前記磁化コイルは、前記検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部に配置されることを特徴とする上記(1)に記載の配管壁面検査方法。
(3)前記磁気センサの出力を信号処理するための磁気検知周波数は、検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部分に印加する交流電圧信号周波数と一致させ、前記配管の磁化強度は前記配管断面で磁気飽和する強度以下とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)配管内壁面の状態を検査する配管壁面検査装置であって、
前記配管を磁心として設置され、前記検査対象とする配管に交流磁束を発生させる磁化コイル、
前記配管内を移動する機構を具備し、かつ少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように配置される複数の磁気センサを搭載する検査ピグ、
前記磁気センサで検知した信号から配管内壁面の状態を判定する信号処理装置、及び
検査区間における前記検査ピグの位置を判定する位置検出装置を有することを特徴とする配管壁面検査装置。
(5)前記磁化コイルは、前記検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部に配置されるものであることを特徴とする上記(4)に記載の配管壁面検査装置。
(6)さらに、前記信号処理装置による判定結果及び/又は前記位置検出装置による検出位置を記録及び/又は表示する記録表示装置を有する上記(4)又は(5)に記載の装置。
(7)前記検査ピグが前記配管内を移動させる機構が前記検査ピグに連結されたロープの牽引によるものであることを特徴とする上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の装置。
本発明によれば、漏洩磁束法による配管内面からの減肉腐食検査において、検査ピグの構造を簡素化することで重量を低減し、ピグの牽引又は移動機構を簡素化することができ、また、配管を管軸方向に磁化した上で漏洩磁束を測定するので円周方向に伸びた疵でも精度よく検出することができる。このため、従来適用が難しかった小径管への適用が可能になるほか、従来の中径、大径管においても磁化機の共通化及びピグ構造の簡素化により装置の低コスト化が可能となる。
本発明の実施例で使用するピグの構造を示す。 本発明の実施例による配管壁面検査方法の概要を示す。 磁気センサによる漏洩磁束の検知方法の概念図を示す。 本発明の方法で鋼管を検査した場合の減肉形状とその時の信号波形を示す。 従来の検査ピグの構造の概要を示す。
本発明では、配管を磁心として磁化コイルを設置することにより、検査ピグを簡素化すると共に、配管の管軸方向に磁化を行い、少なくとも3軸方向に配置された複数のセンサを搭載したピグにより、配管の長手方向に漏洩した磁束を検出することで、特に配管の周方向に伸びた疵などを精度よく検知することができる。
配管の疵部(腐食部)での磁束の漏洩は、疵の形状、クラックの開口の具合により違っているが疵端部または開口端で鋼管内壁に対して垂直方向の漏洩成分が顕著で疵中央部では鋼管内壁に対して平行成分が顕著となる。このため詳細に減肉形状などを検知しようとすると磁気センサの感磁方向の設定を鋼管内壁に対して垂直成分を検知する磁気センサと鋼管長手の平行成分を検知する磁気センサを配置することにより精度よく減肉性情を検知することが可能となる。さらに鋼管長手軸に対して直角な磁束成分を検知する磁気センサでは鋼管軸に対して斜め方向の割れ疵などの漏洩成分を検知することが可能となってくる。
本発明では、少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように磁気センサ配置することにより、3方向の総合的なの漏洩磁束の検出を行うことができ、検知精度を高めることができる。
図1は、本発明のピグの構造を概念的に示すものである。従来の漏洩磁気方式でのピグヘッドは磁気センサと磁化機がピグの周方向に配置されているが、本発明では磁化を管端およびパイプの露出部で行うため磁化機をピグに組み入れる必要がなくピグヘッドは磁気センサのみで構成することができる。図1を参照すると、ピグ11内のセンンサ配置台15に、感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行な磁気センサ14、同直角な磁気センサ12及び前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出する磁気センサ13が配置されている。
本発明の磁気センサはホール素子から構成されることができる。ホール素子は、感磁エリアが小さいため、微小な腐食孔などを検知するためには間隔を狭めて多数配置する必要がある。鋼管のサイズにもよるが、例えば、中径管などでは数十から百チャンネル以上のホール素子が配置される。図1においては、各センサは4個配置されているが、これは概念図であって、実際のピグでは、数十から数百のホール素子が配置されることが好ましい。
本発明では、磁化コイルに印加する交流の周波数を選定し周波数のフィルタリングを行うことによりノイズを排除することができる。また、磁気センサの出力を信号処理するための磁気検知周波数と一致させる(同期検波)ことにより、磁気センサの感知周波数をフィルタリングすることができる。交流では、このような方法によってノイズを減らすことができ、直流電圧を使用する場合に比べて、精度の高い検査を行うことが可能となる。なお、磁化コイルに印加する交流周波数は商用周波数の影響を避けるために50Hzおよび60Hzとその高調波を避けた周波数選定とすることが好ましい。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施例において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付している。また、本実施例では、地下埋設のパイプラインの減肉検知の例について述べているが、本発明の検査方法および装置は、地下埋設のパイプラインに限らず、地上の配管など、各種配管の腐食欠陥、溶接欠陥などの検知に適用できることは言うまでもない。
図2を参照すると、本実施例の配管壁面検査の対象となる地下に埋設されたパイプライン1の検査対象区間の端部の地面は掘削される25。これによって、パイプライン21の検査対象区間の両端部が露出された後、切断され、発進ピット26及び到着ピット27が設置される。
通常、パイプラインへピグを通過させて検査する場合は、パイプライン内にピグを挿入するランチャーがあり、ここからピグを挿入し、ガスの流によってピグをパイプ内を走行させる。しかしながら、本実施例では、上記のように、パイプラインの切断を行うため、ガス流によるピグの走行は不可能であり、あらかじめピグを走行させる機構が必要となる。本実施例では、ピグを走行させるには、到着ピット27からワイヤ28を挿入し、発進ピット26までワイヤを通線し、ピグヘッド22と接続し、到着ピットからウインチなどにより牽引する。あるいは、ピグ自体に自走装置を追加設置し、ピグが自走して進む方式であってもよい。
ワイヤによる牽引の前には通線が行われる。通線方法は、どちらかのピットにおいてブロワなどで検査対象とするパイプラインに風を送り込む。これに合わせてパラシュートを先端に接続したナイロンなどの軽い糸をパイプラインに送り込んでいく。パラシュートが反対側のピットに到着した後到着ピットにおいてナイロン糸よりも太く強度のあるワイヤを接続して逆にワイヤを反対側のピットに引き込んでいく。これをワイヤの径を上げながら何回か繰り返すことで目的とする強度のあるワイヤを通線することができる。
発進ピット26および到着ピット27のパイプラインの露出部には、磁化コイル23がパイプラインを磁心として取り付けられている。磁化コイル23によりパイプライン21の検査対象区間の管軸方向に交流磁束を発生させる。このとき発進ピットと到着ピットが距離的に長く一つの電源で磁化コイルを磁化できない場合は別々に磁化することも可能であるが、この場合磁化電流は同一周波数で同一位相でありパイプを同一方向に磁化する構成としなければならない。たとえば位相が180度相違した電源で別々に磁化した場合などは両端で反対方向の磁化となり磁束がパイプラインに侵入していかないことになる。検査対象区間の途中に露出部を設け、空心コイルを取り付けておくことによっても、磁化をすることができ、又は補強することができる。このコイルはパイプラインに対して巻き方向が同じに取り付けられ、互いに直列に接続されて交流電源4又はパワーアンプに接続されている。
本発明の実施例において、電源でコイルに印加する交流周波数は商用周波数の影響を避けるために50Hzおよび60Hzとその高調波を避けた周波数選定とし、220Hzを印加した。また、その出力はパイプラインに巻きつけられるコイルのターン数にもよるが、パイプラインが磁気飽和する直前の磁化力を発揮させる磁化電流に調整しており本適用例では100回巻きの磁化コイル2組直列接続に対して3A(実効値)通電としている。
本発明では、磁化コイルに交流電圧を印加するため、上記のように交流周波数を選定することができる。これによって、磁気センサも周波数をフィルタリングして感磁することができ、直流磁化に比べてノイズを減らすことができ、精度の高い検査を行うことが可能となる。
また、本実施例では、磁気センサはホール素子を使用される。ホール素子は、感磁エリアが小さいため、微小な腐食孔などを検知するためには間隔を狭めて多数配置する必要がある。鋼管のサイズにもよるが、例えば、中径管などでは数十から百チャンネル以上のホール素子が配置される。検知原理は通常の漏洩磁束法と同じであり減肉部、または開口疵部などでの磁束の漏れを磁気センサで検知する方法である。したがってピグヘッドをパイプライン内を通過させて検査を行っている間は磁化用コイルは通電され検査区間は交番磁束が通じている状態としている。
ピグヘッド22は発進ピット26の発進口にセットされ牽引ケーブル28によりパイプ21内を走行していく。本実施例に示すピグヘッドには姿勢制御がなされないためウインチによる牽引でヘッドが回転し各磁気センサが鋼管内壁のどの部位を検査していることの判定ができなくなるためピグヘッドには重力センサを装備し常にピグの天地を判定している機構を取り入れている。これらピグヘッドに装着された磁気センサの出力は多芯ケーブルに束ねられ発進ピットから地上にある信号処理装置に入力されフィルタリングが行われ記録、表示されている。このとき同時に牽引部にあるエンコーダにより牽引距離が測定されピグヘッドが発進地点からどの程度の距離にあるのかを表示するようになっている。
磁化コイルで発生した磁束は透磁率の低い鋼材のなかを優先的に流れる。交流磁化であるのでパイプラインの鋼材を透過する磁束は交番磁束となる。ここで通常パイプラインに使用される鋼管断面の肉厚は一定な精度で製造されるため鋼材内での磁束密度は、曲がり部や溶接部のような特定部位を除くとほぼ均一である。減肉部分などで鋼管断面が減少し、磁束密度が上昇し、飽和磁束以上になると減肉部から磁束が鋼材外部に漏えいする状況となる。この漏洩成分をピグに装着したホール素子で検知することで鋼材の腐食を検知する状況を図3に示す。腐食部での磁束の漏洩は、腐食の形状、クラックの開口の具合により違っているが腐食端または開口端で鋼管内壁に対して垂直方向の漏洩成分が顕著で腐食中央部では鋼管内壁に対して平行成分が顕著となる。このため詳細に減肉形状などを検知しようとすると磁気センサの感磁方向の設定を鋼管内壁に対して垂直成分を検知する磁気センサ32と鋼管長手の平行成分を検知する磁気センサ33を配置すると精度よく減肉性情を検知することが可能となる。さらに鋼管長手軸に対して直角な磁束成分を検知する磁気センサ34では鋼管軸に対して斜め方向の割れ疵などの漏洩成分を検知することが可能となってくる。本実施例ではこれら3軸方向の磁束成分を検知するように磁気センサのチャネル数を増やしピグヘッドに配置した構成としている。
本発明では、このように、管軸方向に磁化された磁束の漏洩を3軸方向に感磁を有する複数の磁気センサによって検知するため、腐食の形状、開口の状況などによって漏洩する磁束の方向が異なっても高い精度で漏洩磁束を検出することができる。特に、管軸方向に磁化されているため、配管の周方向に伸びた疵の検出を精度よく検出することができる。
また、本発明の別の実施例では、別の磁化器により配管を周方向に磁化させて、同様の漏洩磁束の測定を併せて行うことによって、より精度の高い検査を行うことも可能である。
図4に本実施例の方法で鋼管を検査した場合の腐食形状とその時の信号波形を示す。このような波形を検査対象とする鋼管全域にわたり検査を行い規定値以上の漏洩磁束が検知された部位を特定し、この部位を減肉部または割れ疵として判定し補修計画の基礎データとすることができる。図4を参照すると、図4(a)中のC1〜C4はそれぞれ鋼管41の減肉部であり、図4(b)は図(a)に示される鋼管を本発明の方法により漏洩磁束を検知したときにセンサ信号の振幅幅の変化を表している。図4(a)のC1〜C4に対応して、図(b)中のC1〜C4においてセンサ信号の振幅のピークが現れている。
本発明の検知原理自体は通常の漏洩磁束法と同じであり、減肉部又は開口疵部などで磁束が漏れ出す部分をピグに搭載された磁気センサにより検知する。磁気センサの出力は多芯ケーブルに束ねられ発進ピットから地上にある信号処理装置に入力されフィルタリングが行われ、記録、表示されている。このとき同時に牽引部にあるエンコーダにより牽引距離が測定され、ピグヘッドが発進地点からどの程度の距離にあるのかを表示するようになっている。
本発明によれば、漏洩磁束法による配管内面からの減肉腐食検査において、検査ピグの構造を簡素化することで重量を低減し、ピグの牽引又は移動機構を簡素化することができ、また、配管を管軸方向に磁化した上で漏洩磁束を測定するので円周方向に伸びた疵でも精度よく検出することができる。このため、従来適用が難しかった小径管への適用が可能になるほか、従来の中径、大径管においても磁化機の共通化及びピグ構造の簡素化により装置の低コスト化が可能となり、産業上の利用可能性が高い。
11 ピグ
12 磁気センサ
13 磁気センサ
14 磁気センサ
15 センサ配置台
21 パイプライン
22 検査ピグ
23 磁化コイル
24 交流電源
25 掘削部
26 発進ピット
27 到着ピット
28 ワイヤ
31 鋼管壁
32 磁気センサ
33 磁気センサ
34 磁気センサ
41 配管
C1 減肉部
C2 減肉部
C3 減肉部
C4 減肉部
51 ピグ
52 磁化器
53 磁気センサ
54 倣い機構
55 配置台

Claims (7)

  1. 配管の内壁面の状態を検査する配管壁面検査方法において、前記配管を磁心として設定される磁化コイルに交流電流を流すことにより、前記検査対象とする配管を管軸方向に磁化することによって交流磁束を発生させ、少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように配置される複数の磁気センサを搭載したピグを通過させることにより、前記配管内壁から放出される磁束密度の変化を検出することによって前記内壁面の状態を検査することを特徴とする配管壁面検査方法。
  2. 前記磁化コイルは、前記検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の配管壁面検査方法。
  3. 前記磁気センサの出力を信号処理するための磁気検知周波数は、検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部分に印加する交流電圧信号周波数と一致させ、前記配管の磁化強度は前記配管断面で磁気飽和する強度以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 配管内壁面の状態を検査する配管壁面検査装置であって、
    前記配管を磁心として設置され、前記検査対象とする配管に交流磁束を発生させる磁化コイル、
    前記配管内を移動する機構を具備し、かつ少なくとも感磁方向が前記配管の管軸方向の軸に対して平行、直角及び/又は前記配管の周方向断面形状における円周の接線に立てた法線の方向の磁束成分を検出するように配置される複数の磁気センサを搭載する検査ピグ、
    前記磁気センサで検知した信号から配管内壁面の状態を判定する信号処理装置、及び
    検査区間における前記検査ピグの位置を判定する位置検出装置を有することを特徴とする配管壁面検査装置。
  5. 前記磁化コイルは、前記検査対象とする配管の検査開始地点、検査終了地点及び/又は検査区間内における前記配管の露出部に配置されるものであることを特徴とする請求項4に記載の配管壁面検査装置。
  6. さらに、前記信号処理装置による判定結果及び/又は前記位置検出装置による検出位置を記録及び/又は表示する記録表示装置を有する請求項4又は5に記載の装置。
  7. 前記検査ピグが前記配管内を移動させる機構が前記検査ピグに連結されたロープの牽引によるものであることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の装置。
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