JP2011024350A - モータ、モータの回転子、モータ製作キット - Google Patents

モータ、モータの回転子、モータ製作キット Download PDF

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Abstract

【課題】回転子の温度上昇を抑制し、かつ、回転子が回転し続ける時間を長くする。
【解決手段】シンプルモータは、支持電極40と、回転子30と、電極兼用磁石52とを備える。回転子30は、支持電極40の上に載せられて回転する。電極兼用磁石52は、支持電極40よりも下に配置され、支持電極40に対して電位差を有しており、回転子30と接触し、かつ、回転子30を回転させるための磁場を回転子30の内外に磁場を生成する。回転子30は、支持電極40に載せられる球面部31と、電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とを有する。接触部38は、接触電極50と接触する。電流通路部37は、球面部31と接触部38との間を流れる電流の通路となる。おもり部39は、回転の際に接触部38が持ち上がっても接触部38が再度下がるよう回転子30の重心を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ、モータの回転子、モータ製作キットに関し、特に、揺動しながら回転するモータ、モータの回転子、モータ製作キットに関する。
シンプルモータと言われているモータが存在する。この種のモータは、容易に製作することができ、かつ、子供の関心を引くことができるので、理科の教材として広く用いられている。
特許文献1は、シンプルモータの一例を開示する。このシンプルモータは、回転可能な断面円形状の導電性磁石と、直流電源と、その直流電源の直流電流を導電性磁石に導く電流供給路とを備えている。このシンプルモータにおいて、導電性磁石近傍の電流供給路部分は、導電性磁石の磁気モーメントに対し垂直な方向から直流電流を導電性磁石に導入又は導出する。
非特許文献1は、実際の理科の実験で使用されたシンプルモータを開示する。このシンプルモータは、磁石の上に乗った乾電池に、銅製の輪を乗せたものである。この輪には針が取り付けられている。この針が支点の役目をする。非特許文献2ないし4は、製作されたシンプルモータが実際に回転している状況を示す。
特開2001−189213号公報
川田秀雄、"いろいろなモーターの秘密をさぐる"、[Online]、[平成21年6月18日検索]、インターネット、<URL:http://www.ncsm.city.nagoya.jp/asw/motor2/index.htm> "シンプルモーター"、[Online]、[平成21年6月18日検索]、インターネット、<URL:http://blogs.yahoo.co.jp/yayayayaya23xx/> "日々の戯れ"、[Online]、[平成21年6月18日検索]、インターネット、<URL:http://suzukiq.blog.ocn.ne.jp/index/2008/01/post_c51f.html> "Simple motor"、[Online]、[平成21年6月18日検索]、インターネット、<URL:http://www.youtube.com/watch?v=IQS1ZE0TVeo&NR=1>
しかしながら、特許文献1と、非特許文献1ないし4に開示されたシンプルモータとには、子供向けの理科の教材として好ましくない特性があるという問題点がある。その好ましくない特性とは、回転子が高温になりやすいという特性(シンプルモータに触れた子供が火傷をし得る)と、すぐに回転が止まってしまうという特性(すぐに回転が止まると子供の興味が持続しない)とである。回転子が高温になったり回転がすぐに止まったりするのは、その中を電流が流れることが事実上短絡にあたるためである。回転子の抵抗を大きくすればこれらの問題は抑えられるが、この場合には回転が開始されにくくなる。回転子の抵抗を大きくすればそこに流れる電流は減少する。回転子を駆動する電磁力が電流の大きさに対応する。これらのことから、回転子の抵抗を大きくすると電磁力が小さくなるためである。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、回転を容易に開始でき、回転子の温度上昇を抑制でき、かつ、回転子が回転し続ける時間を長くできる、モータ、モータの回転子、モータ製作キットを提供することにある。
図面を参照して本発明のモータ、モータの回転子、モータ製作キットを説明する。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
上記課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、モータ10は、回転子30と、支持電極40と、電極兼用磁石52とを備える。回転子30は、支持電極40の上に載せられて電磁力により回転する。電極兼用磁石52は、支持電極40よりも下に配置され、支持電極40に対して電位差を有しており、回転子30と接触し、かつ、回転子30を回転させるための磁場を回転子30の内外に生成する。回転子30は、球面部31と、電流通路部37と、非磁性体製の接触部38と、おもり部39とを有する。球面部31は、支持電極40に載せられる。接触部38は、支持電極40よりも下に配置され、電極兼用磁石52と接触する。電流通路部37は、球面部31と接触部38との間を流れる電流の通路となる。おもり部39は、回転の際に接触部38が持ち上がった後に接触部38が再度下がるよう回転子30の重心を設定する。支持電極40は、球面支持部44を有する。球面支持部44は、回転子30の球面部31を可動状態で支持する。回転子30の重心位置は、回転子30の回転中にはその回転軸よりも接触部38寄りにあり、かつ、球面部31を球面支持部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間には球面支持部44の真上にある。
回転子30の接触部38が電極兼用磁石52に接触したとき、回転子30の電流通路部37を介して、支持電極40から電極兼用磁石52へ電流が流れる。一方、電極兼用磁石52により、電流通路部37の周りには磁場が形成されている。これにより、フレミング左手の法則に従い、電流通路部37に十分な電磁力がかかることとなる。電流通路部37に電磁力がかかるので、回転子30が回転し始める。回転子30が回転し始めると、遠心力が生じて接触部38が持ち上がる。その結果、接触部38が電極兼用磁石52から離れ、電流通路部37に電流が流れなくなる。接触部38が持ち上がりながら回転をしているときの回転子30の支点(回転時支点35)は、接触部38が持ち上がるにつれて滑らかに変化していく。回転子30の重心位置が、回転子30の回転中にはその回転軸よりも接触部38寄りにあるので、回転の際に接触部38が持ち上がっても接触部38が再度下がる。ただし、回転子30の重心位置が、球面部31を球面支持部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間には球面支持部44の真上にあるので、球面部31を球面支持部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間に球面支持部44の外にある場合に比べると、接触部38を再度下がらせるモーメント(復元力)は弱い。そのため、接触部38が持ち上がってから再度下がるまでの時間は長い。その間、接触部38が上下しながら回転子30全体が回転するという独特の動きが実現される。接触部38が再び下がった結果、磁石52に接触すると、回転子30に電流が流れ、上述した理由により接触部38は再び持ち上がる。接触部38が再び下がるまで、回転子30には電流が流れない。電流が流れないので、回転子30が持ち上がって回転している間は電力を消費しない。回転子30の電流通路部37で電力が熱エネルギーに変換されることもない。回転子30の抵抗を大きくしなくてよいので、その回転を容易に開始させることができる。その結果、回転を容易に開始でき、回転子30の温度上昇を抑制でき、かつ、回転子30が回転し続ける時間を長くできる。
また、上述した球面支持部44が、球面部31が嵌るくぼみ部44を有していることが望ましい。
球面部31が球面支持部44のくぼみ部44に嵌るので、球面部31が支持電極40から落ちることは防止される。それが防止されるので、回転子30は、支持電極40から落ちることもなく、接触部38が上下しながら回転子30全体が回転するという独特の動きが長期にわたり維持される。
また、上述した回転子30が、非磁性体導体製の断面円形の線材によって形成されていることが望ましい。この場合、球面部31が、線材を折曲げた線材折曲げ部分110によって形成されている。電流通路部37が、線材のうち線材折曲げ部分110に連なる部分である。接触部38が、線材のうち電流通路部37に連なる部分である。おもり部39が、線材のうち接触部38に連なる部分である。
次に述べる6つの要件をすべて満たすとき、回転子30の重心位置と回転時支点35とのずれは回転子30の差し渡しに比べごくわずかとなる。その第1の要件は、回転子30の重心位置が回転子30の回転中にはその回転軸よりも接触部38寄りにあるという要件である。第2の要件は、回転子30の重心位置が球面部31を球面支持部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間には球面支持部44の真上にあるという要件である。第3の要件は、球面部31が線材折曲げ部分110によって形成されるという要件である。第4の要件は、電流通路部37が線材のうち線材折曲げ部分110に連なる部分であるという要件である。第5の要件は、接触部38が線材のうち電流通路部37に連なる部分であるという要件である。第6の要件は、おもり部39が線材のうち接触部38に連なる部分であるという要件である。回転子30の重心位置と回転時支点35とのずれが回転子30の差し渡しに比べごくわずかとなるとき、回転時支点35に対する重力のモーメント(復元力)もごくわずかとなる。モーメントがごくわずかになると、回転子30が回転することによって生じる遠心力がそれほど大きくなくても、接触部38は浮いたまま回転し続けることになり、接触部38が再び下がるまでにかなりの時間を要する。その間、接触部38がゆっくりと上下しながら回転子30全体が回転するという独特の動きが実現される。また、接触部38が再び下がるまでのかなりの時間、回転子30には電流が流れない。その分、電力を消費しないし、電力が熱エネルギーに変換されることもない。その結果、回転を容易に開始でき、回転子30の温度上昇を大幅抑制でき、かつ、回転子30が回転し続ける時間を大幅に長くできる。
本発明の他の局面に従うと、モータ10の回転子30は、磁場の中で支持電極40の上に載せられた状態で電極兼用磁石52と接触することで電流が流れ、その電流によって生じた電磁力により回転するモータの回転子である。回転子30は、支持電極40に載せられる球面部31と、非磁性体の接触部38と、電流通路部37と、おもり部39とを有する。接触部38は、支持電極よりも下に配置され、電極兼用磁石52と接触する。電流通路部37は、球面部31と接触部38との間を流れる電流の通路となる。おもり部39は、回転の際に接触部38が持ち上がった後に接触部38が再度下がるよう回転子30の重心を設定する。球面部31は、支持電極40が有する球面支持部44により、可動状態で支持されている。回転子30の重心位置は、回転子30の回転中にはその回転軸よりも接触部38寄りにあり、かつ、球面部31を球面支持部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石に接触させた瞬間には球面支持部44の真上にある。
本発明の他の局面に従うと、モータ製作キットは、支持電極40と、非磁性体導体製の断面円形の線材と、導体である磁石52と、情報記録媒体20とを備える。情報記録媒体20が、モータ10が備える回転子30を線材によって形成するための形成方法を記録している。モータ10が、支持電極40と、回転子30と、磁石52とを備えている。回転子30は、支持電極40の上に載せられて電磁力により回転する。磁石52は、支持電極40より下に配置され、支持電極40に対して電位差を有しており、回転子30と接触し、かつ、回転子30を回転させるための磁場を回転子30の内外に生成する。回転子30は、球面部31と、電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とを有する。球面部31は、支持電極40に載せられる。接触部38は、支持電極40よりも下に配置され、磁石52と接触する。電流通路部37は、球面部31と接触部38との間を流れる電流の通路となる。おもり部39は、回転の際に接触部38が持ち上がった後に接触部38が再度下がるよう回転子30の重心を設定する。支持電極40は、球面支持部44を有する。球面支持部44は、回転子30の球面部31を可動状態で支持する。形成方法は、球面部形成工程と、接触部形成工程と、通路部形成工程と、おもり部形成工程と、重心設定工程とを備えている。球面部形成工程は、球面部31を形成する工程である。接触部形成工程は、接触部38を線材から形成する工程である。通路部形成工程は、電流通路部37を線材から形成する工程である。おもり部形成工程は、おもり部39を線材から形成する工程である。重心設定工程は、回転子30の重心を設定する工程である。重心設定工程は、吊下げ工程と、変形工程とを有している。吊下げ工程は、電流通路部37、接触部38、および、おもり部39の中のいずれかの点である重心調整支点を支え、その重心調整支点から糸76を吊り下げる工程である。変形工程は、糸76が、球面部31のうち、球面部31の中心から球面部31の先端までの間の部分に接触するよう、電流通路部37、接触部38、および、おもり部39のいずれかを変形する工程である。
以上のように、本発明にかかるモータ、モータの回転子、モータ製作キットによれば、回転を容易に開始でき、回転子の温度上昇を抑制でき、かつ、回転子が回転し続ける時間を長くできる。
本発明の実施形態にかかるシンプルモータの外観図である。 本発明の実施形態にかかる回転子の球面部分の拡大図である。 本発明の実施形態にかかる正極およびキャップの断面図である。 本発明の実施形態にかかる説明書を示す概念図である。 本発明の実施形態にかかる重心位置の測定方法を示す概念図である。 本発明の第1の変形例および第2の変形例にかかる回転子の外観図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照しつつ、本実施形態にかかるシンプルモータ10の構造について説明する。本実施形態にかかるシンプルモータ10は、回転子30と、支持電極40と、電極兼用磁石52(図1において、上側がN極、下側がS極)とを備える。回転子30は、電磁力を受けて回転する。回転子30は、非磁性体である導体(常磁性体や反磁性体のこと。本実施形態について具体的に述べると銅。銅を用いる代わりにステンレスやアルミニウムを用いてもよい。)によって形成されている。支持電極40は、回転子30を支える。支持電極40は、周知の乾電池60の正極62に接続されている。支持電極40には、回転子30の球面部31が嵌るくぼみ部44がある。支持電極40から回転子30に電流が流れる。電極兼用磁石52は、回転子30と接触する。回転子30を流れた電流は、乾電池60の負極64に流れ込む。電極兼用磁石52は、回転子30の周りに磁場を形成する。本実施形態において、磁力線は、磁石52の上面から、その側面を通って、磁石52の底面へ向かう。図1に示す状況の場合、その磁力線は、図1の白抜き矢印で示すように、後述する電流通路部37の右から左へ向かっていることとなり、電流通路部37を流れる電流と直交するので、電磁力を生じる。その結果、電流通路部37は動き始め、回転子30全体が回転する。電極兼用磁石52は、なるべく強力な磁場を形成できるものであることが好ましい。本実施形態にかかるシンプルモータ10に使用できる電極兼用磁石52の例として表面にニッケルメッキを施したネオジウム磁石がある。なお、本実施形態にかかる電極兼用磁石52は、周知のネオジウム磁石である。したがって、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
回転子30は、球面部31と、電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とを有する。球面部31は支持電極40に載せられる。電流通路部37は球面部31と接触部38との間を通る電流の通路となる。接触部38は電極兼用磁石52と接触する。本実施形態におけるおもり部39は、接触部38に連なっている。おもり部39は、回転子30の重心36を、次に述べる領域内に設定するためのものである。その領域とは、回転子30の回転中にはその回転軸よりも接触部38寄りで、球面部31をくぼみ部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間にはくぼみ部44の真上となる領域のことである。その領域は、図2に示す軸部領域90であることが望ましい。本実施形態にかかる軸部領域90は、球の中心32と接触時支点34(球面部31を後述するくぼみ部44に支持させて接触部38を電極兼用磁石52に接触させた瞬間における回転子30の支点。)を結ぶ軸の周りであって、球の中心32から接触時支点34までの領域である。本実施形態における回転子30の重心36は、図3に示す位置に設定される。なお、本実施形態においては、球面部31と、電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とは、1本の銅線(銅線を用いる代わりにステンレス線やアルミニウム線その他の非磁性体である導体を素材とする線材を用いてもよい。以下同様である。銅線を用いる場合、その直径は限定されないが、直径1〜3mmであることが望ましい。)によって形成されている。
図3を参照しつつ、支持電極40について説明する。本実施形態における支持電極40は、強磁性導電体を素材とし(導電体であればよいことは言うまでもない)、乾電池60の正極62にかぶせられるキャップ状部材である。支持電極40は、円筒部46と、くぼみ部44とを有する。円筒部46の中に正極62が挿入されることで、支持電極40は正極62に固定される。すなわち、くぼみ部44は、本実施形態にかかる球面支持部である。くぼみ部44は、回転子30の球面部31が嵌る部分である。これにより、回転子30の球面部31が可動状態で支持されることとなる。円筒部46と、くぼみ部44とは、一体となるよう形成されている。なお、円筒部46の内径が、図3に示されるような正極62のみを覆う大きさでなく、その下の筐体66も一緒に覆える大きさでもよいことは言うまでもない。このように円筒部46の内径が大きいと、乾電池60の負極64を筐体66ごと支持電極40で覆い、正極62を電極兼用磁石52の上に載せる(すなわち乾電池60の上下を図1とは逆にする)ことが可能となる。
本実施形態にかかるシンプルモータ10は、周知の銅線(その断面は円形である。なお、本実施形態にいう「円形」は、真円形だけではなく、楕円形も包含する。)と、上述した電極兼用磁石52と、周知の乾電池60と、図1および図3に示す支持電極40と、図4に示す説明書20とを備えるモータ製作キットとして販売される。図4に示す説明書20は、本実施形態にかかるシンプルモータ10の製造方法および起動方法を示す情報記録媒体と言える。図4に示す説明書20は、特に、回転子30の形成方法を詳細に説明するものである。以下に、説明書20に記載される回転子30の形成方法について説明する。
まず、作業者は、上述した銅線を作業者の手で軽く折曲げ、その折曲げられた部分を図示しないラジオベンチで強くはさむことにより、図2に示すように線材折曲げ部分110を形成する。これが本実施形態にかかる球面部31である。このような球面部形成工程において形成される球面部31すなわち線材折曲げ部分110は、楕円体に近い半球となる。
球面部31が形成されると、作業者は、電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とを形成する。これらは、上述した銅線を図1に示すような一部が切れたハート型に折り曲げることで形成される。
電流通路部37と、接触部38と、おもり部39とが形成されると、作業者は、回転子30の重心位置を設定する。この工程が本実施形態における重心設定工程である。重心位置の設定は、支持工程と、吊下げ工程と、変形工程とを繰り返すことにより実現される。図5は、回転子30の重心位置の測定方法を示す概念図である。
支持工程と吊り下げ工程とには、図5に示す支持・吊り下げ装置70を使う。支持・吊り下げ装置70は、支持台72と、支持台72に固定されているフック74と、フック74から吊り下がっている糸76と、糸76の先に結びつけられたナット78(ある程度重いものは、ナット78の代わりに用いることができる)とからなる。支持工程は、支持台72の頂部のくぼみ172に球面部31を嵌め、回転子30が「やじろべえ」のように静止することを確認する工程である。吊り下げ工程は、フック74に、回転子30の電流通路部37の中央部分(電流通路部37、接触部38、および、おもり部39の中のいずれかの部分であればその他の部分であってもよいことは言うまでもない。)を引っ掛け、糸76が、球面部31のうち、球面部31の中心から球面部31の先端までの間の部分に接触することを確認する工程である。変形工程は、前述の支持工程と吊り下げ工程が完了するように、電流通路部37と接触部38とおもり部39を変形させる工程である。支持工程と吊り下げ工程と変形工程を繰り返しおこなうことによって、回転子30の重心36は、上述した軸部領域90内に設定される。
なお、回転子30が完成すると、作業者は、電極兼用磁石52を上面がN極となるように置き、その上に乾電池60を正極62が上になるようにして載せる。乾電池60が載ると、作業者は、乾電池60の正極62に支持電極40をかぶせる。正極62に支持電極40がかぶせられると、作業者は、支持電極40のくぼみ部44に回転子30の球面部31を載せる。このときの衝撃で、回転子30が自動的に回転し始めることが多いが、回転子30が自動的に回転しなければ、作業者は、回転子30を少し揺らして、電極兼用磁石52に接触させる。これにより、回転子30は自動的に回転し始める。
回転子30が回転し始めると、回転子30に遠心力が生じ、接触部38が持ち上がる。これにより、回転子30の傾きは水平に近くなる。回転子30を構成する銅線の太さや乾電池60の能力、また電極兼用磁石52の強さにもよるが、通常、回転子30の動く速度は低めである。接触部38が持ち上がると、回転子30の回転速度は少し下がるが、しばらくの間、接触部38が上下しながら、回転子30は水平に近い傾きで回転する。やがて、回転子30の回転が遅くなると、接触部38が下へ下がる。その結果、接触部38が電極兼用磁石52に接触すると、接触部38は、回転しながら再び持ち上がる。これらの動作を繰り返すことにより、回転子30は、ゆっくりと上下に揺れながら回転し続ける。
図1を参照しつつ、本実施形態にかかるシンプルモータ10の動作原理を説明する。回転子30の接触部38が電極兼用磁石52(上面がN極、底面がS極)に接触したとき、回転子30を介して、支持電極40から電極兼用磁石52へ電流が流れる。その結果、図1に示す状況の電流通路部37には、図1の上から下へ電流が流れることとなる。一方、電極兼用磁石52により、回転子30の周りには磁場が形成されている。上述したように、図1に示す状況において、電流通路部37付近を通る磁力線は、図1の右から左へ向かっている。その結果、電流通路部37を流れる電流と磁力線の向きとが直交するので、フレミング左手の法則に従い、電流通路部37に電磁力が生じることとなる。この電磁力が、回転子30全体を回転させる。回転子30が回転を開始すると、回転子30に遠心力が発生し、接触部38が持ち上げられる。その結果、接触部38が導電性の電極兼用磁石52から離れ、回転子30に電流が流れなくなる。電流が流れないので、乾電池60の電力は消費されない。回転子30の電流通路部37で熱エネルギーに変換される電力はゼロである。接触部38が再び下がった結果、電極兼用磁石52に接触すると、回転子30に電流が流れ、上述した理由により接触部38は再び持ち上げられる。
以上のようにして、本実施形態にかかるシンプルモータ10は、回転子30が回転している期間の大部分において電力を消費しない。電力を消費しないので、回転子30が発熱することも、乾電池60の電力が早々に消費されてしまい回転が止まってしまうこともない。回転子30が回転を回転する際には十分な電磁力を受ける。その結果、回転子30の回転を容易に開始でき、回転子30の温度上昇を抑制でき、かつ、回転子30が回転し続ける時間を長くできるモータ、そのモータの回転子、そのモータの製作キット、および、モータ製作キットを提供できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
例えば、回転子の具体的な形態は上述したものに限定されない。図6(A)は、本発明の第1の変形例にかかる回転子130の構成を示す図である。本変形例にかかる回転子130は、支点球131と、電流通路部137と、接触部138と、おもり部139とを有する。本変形例において、電流通路部137の先端は、支点球131が有する穴に挿し込まれる。本変形例にかかる支点球131は、銅製である。また、本変形例にかかるおもり部139は、接触部138にのみ接続されている。その他の点(特に重心位置の要件)は、図1ないし図3に示した回転子30と同様である。図6(B)は、本発明の第2の変形例にかかる回転子230の構成を示す図である。本変形例にかかる回転子230は、支点部231と、電流通路部237と、接触部238と、おもり部239とを有する。本変形例において、電流通路部237と、接触部238と、おもり部239とは、1本の銅線を丸く曲げたものである。本変形例にかかる支点部231は、銅製のパイプとその中央に溶接された銅製の棒とその棒の先端に溶接された銅製の球とによって形成されている。電流通路部237の先端と、おもり部239の先端とが、そのパイプの両端に挿し込まれる。なお、本変形例において、電流通路部237はおもり部239の役割も果たすし、おもり部239は電流通路部237の役割も果たす。その他の点(特に重心位置の要件)は、図1ないし図3に示した回転子30と同様である。
また、回転子の外観は、上述したようなハート型に限定されない。たとえば、回転子の外観は、四角形その他の多角形であってもよい。ちなみに、回転子に外接する四角形が正方形に近いほどその回転子の回転速度が緩やかになる傾向がみられる。
また、回転子を形成するための部材は銅線その他の線材に限定されない。たとえば、回転子を形成するための部材は板材であってもよい。この場合、板材を丸く曲げてそこに球面部を有する棒材を溶接して回転子を形成してもよく、板材から回転子を打ち抜いてもよい。
また、乾電池60を使わず、筒状の構造材の上に支持電極を取り付け、その構造体の下に電極兼用磁石を敷き、支持電極と電極兼用磁石との間に電圧を加えてもよい。また、上述したネオジウム磁石に代えて電磁石を電極兼用磁石として用いてよいことは言うまでもない。
また、支持電極40の球面支持部は、上述したようなくぼみ部44に限定されない。たとえば、球面支持部は、先端に「ころ」が設けられており、かつ、円筒部46から上に突出した、3本以上の部材を有していてもよい。この場合、球面部31上の3点が、そのころによって支えられる。
また、回転子30の形成方法を説明書20に記述することに代え、光ディスクのような情報記録媒体を用いてもよい。
10 シンプルモータ
20 説明書
30,130,230 回転子
31 球面部
32 球の中心
34 接触時支点
35 回転時支点
36 重心
37,137,237 電流通路部
38,138,238 接触部
39,139,239 おもり部
40 支持電極
44 くぼみ部
46 円筒部
52 電極兼用磁石
60 乾電池
62 正極
66 筐体
70 支持・吊り下げ装置装置
72 支持台
74 フック
76 糸
78 ナット
90 軸部領域
110 線材折曲げ部分
131 支点球
172 くぼみ
231 支点球

Claims (5)

  1. 支持電極と、
    前記支持電極の上に載せられて電磁力により回転する回転子と、
    前記支持電極より下に配置され、前記支持電極に対して電位差を有しており、前記回転子と接触し、かつ、前記回転子を回転させるための磁場を前記回転子の内外に生成する電極兼用磁石とを備えるモータであって、
    前記回転子は、
    前記支持電極に載せられる球面部と、
    前記支持電極よりも下に配置され、前記電極兼用磁石と接触する非磁性体製の接触部と、
    前記球面部と前記接触部との間を流れる電流の通路となる電流通路部と、
    前記回転の際に前記接触部が持ち上がった後に前記接触部が再度下がるよう前記回転子の重心を設定するおもり部とを有し、
    前記支持電極は、前記回転子の球面部を可動状態で支持する球面支持部を有しており、
    前記回転子の重心位置は、前記回転子の回転中にはその回転軸よりも前記接触部寄りにあり、かつ、前記球面部を前記球面支持部に支持させて前記接触部を前記電極兼用磁石に接触させた瞬間には前記球面支持部の真上にあることを特徴とする、モータ。
  2. 前記球面支持部は、前記球面部が嵌るくぼみ部を有していることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
  3. 前記回転子が、前記非磁性体導体製の断面円形の線材によって形成されており、
    前記球面部が、前記線材を折曲げた線材折曲げ部分によって形成されており、
    前記電流通路部が、前記線材のうち前記線材折曲げ部分に連なる部分であり、
    前記接触部が、前記線材のうち前記電流通路部に連なる部分であり、
    前記おもり部が、前記線材のうち前記接触部に連なる部分であることを特徴とする、請求項1に記載のモータ。
  4. 磁場の中で支持電極の上に載せられた状態で電極兼用磁石と接触することで電流が流れ、その電流によって生じた電磁力により回転するモータの回転子であって、
    前記回転子は、
    前記支持電極に載せられる球面部と、
    前記支持電極よりも下に配置され、前記電極兼用磁石と接触する非磁性体製の接触部と、
    前記球面部と前記接触部との間を流れる電流の通路となる電流通路部と、
    前記回転の際に前記接触部が持ち上がった後に前記接触部が再度下がるよう前記回転子の重心を設定するおもり部とを有し、
    前記球面部は、前記支持電極が有する球面支持部により、可動状態で支持されており、
    前記回転子の重心位置は、前記回転子の回転中にはその回転軸よりも前記接触部寄りにあり、かつ、前記球面部を前記球面支持部に支持させて前記接触部を前記電極兼用磁石に接触させた瞬間には前記球面支持部の真上にあることを特徴とする、モータの回転子。
  5. 支持電極と、
    非磁性体導体製の断面円形の線材と、
    導体である磁石と、
    モータが備える回転子を前記線材によって形成するための形成方法を記録している情報記録媒体とを備える、モータ製作キットであって、
    前記モータは、
    前記支持電極と、
    前記支持電極の上に載せられて電磁力により回転する前記回転子と、
    前記支持電極より下に配置され、前記支持電極に対して電位差を有しており、前記回転子と接触し、かつ、前記回転子を回転させるための磁場を前記回転子の内外に生成する前記磁石とを備えており、
    前記回転子は、
    前記支持電極に載せられる球面部と、
    前記支持電極よりも下に配置され、前記磁石と接触する接触部と、
    前記球面部と前記接触部との間を流れる電流の通路となる電流通路部と、
    前記回転の際に前記接触部が持ち上がった後に前記接触部が再度下がるよう前記回転子の重心を設定するおもり部とを有しており、
    前記支持電極は、前記回転子の球面部を可動状態で支持する球面支持部を有しており、
    前記形成方法は、
    前記球面部を形成する球面部形成工程と、
    前記接触部を前記線材から形成する接触部形成工程と、
    前記電流通路部を前記線材から形成する通路部形成工程と、
    前記おもり部を前記線材から形成するおもり部形成工程と、
    前記回転子の重心を設定する重心設定工程とを備えており、
    前記重心設定工程は、
    前記電流通路部、前記接触部、および、前記おもり部の中のいずれかの点である重心調整支点を支え、その重心調整支点から糸を吊り下げる吊下げ工程と、
    前記糸が、前記球面部のうち、前記球面部の中心から前記球面部の先端までの間の部分に接触するよう、前記電流通路部、前記接触部、および、前記おもり部のいずれかを変形する変形工程とを有していることを特徴とする、モータ製作キット。
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