JP2011021988A - 腐食検知装置及び屋外構造物 - Google Patents

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一弘 竹田
Chisato Tsukahara
千幸人 塚原
Shinsaku Dobashi
晋作 土橋
Yasushi Okano
靖 岡野
Ryosuke Notomi
良介 納富
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Abstract

【課題】塩害の経時変化を常に監視しつつ、塩害防止を未然に防ぐことができる腐食検知装置及びそれを備えた屋外構造物を提供する。
【解決手段】第1の導電部11と、該第1の導電部11を被覆する屋外構造物に塗布する材料と同一の絶縁性の塗膜部12と、該塗膜部12の上部に設けられる所定間隔を持って複数設けられる直線状の第2の導電部13とを有し、前記塗膜部12の劣化により発生する腐食電流を検知するものであり、塗膜部12の劣化によってできた亀裂によって発生する水膜により腐食電流を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋外構造物の塩害等による腐食を事前に検知することができる腐食検知装置及びそれを備えた屋外構造物に関する。
例えば風車等の屋外構造物は、海上や沿岸で設置するので、風車の外部塗装や、風車の内部に設けたトランス、制御盤等が塩害により腐食することが懸念されている。
そのため、装置内部の材質、塗装に即した塩害予測が必要となってきている。
その評価方法としてJISZ2371「塩水噴霧試験方法」及びJISK5621「複合サイクル試験」等が確立されている(非特許文献1、2)。
また、近年塩害腐食量を予測するセンサとして腐食センサの提案がある(特許文献1)。
この腐食センサについて説明すると、二つの異種金属(基板と導電部)を互いに絶縁部で絶縁した状態とし、両者の端部を環境へ露出すると、その環境に応じて両金属間を水膜が連結するので腐食電流が流れる。この電流は卑な金属の腐食速度に対応するので、その腐食センサと用いられている。
この腐食センサは、「大気腐食モニタ」(Atmospheric Corrosion Monitor)あるいはACM型腐食センサ(以下「腐食センサ」ともいう。)と称されている。
このセンサの一例を図9及び図10−1、10−2に示す。図9及び図10−1に示すように、ACM型腐食センサ(以下、「腐食センサ」という。)110は、厚さ0.8mmの炭素鋼板を64mm×64mmに切り出し、基板111としており、この基板111の上に、厚膜IC用精密スクリーン印刷機を用いて絶縁ペースト(厚さ30〜35μm)の絶縁部112を塗布し、硬化させている。
続いて、導電ペースト(厚さ30〜40μm、フィラー:Ag)を、基板111との絶緑が保たれるように、絶縁部112のパターン上に積層印刷し、硬化させて導電部113とし、腐食センサを構成している(非特許文献3)。
ここで、前記基板111を第1の導電部とすると共に、導電部113を所定間隔を持って複数設けられる直線状の第2の導電部としている。
そして、図10−2に示すように、湿度や海塩(塩化物イオン等)等の水膜114により、導電部113と基板111とが短絡し、これに起因するFe−Agのガルバニック対の腐食電流を電流計115で計測している。なお、図9中、符号116a、116bは端子である。
また、前記ACM型腐食センサを用いた、太陽光発電システム部材の塩害腐食量予測法が提案され、湿度と測定電流値及び海塩付着量との関係図より、付着海塩量を推定することが提案されている(非特許文献4及び5)。
特開2008−157647号公報
JISZ2371 JISK5621 http://www.nims.go.jp/mdss/corrosion/ACM/ACM1.htm 松下電工技法(Nov.2002) p79−85 材料と環境「ACMセンサによる環境腐食性評価」 54、375−8(2005)
しかしながら、JISZ2371規格及びJISK5621規格試験においては、試験環境が実際の環境と一致していないので、試験精度が悪いという問題がある。
また、ACM型腐食センサを用いて、腐食電流から腐食の度合いを推定することはできるものの、屋外構成体を構成する各構成部材のほとんどの素材には、塗装が施されているので、その個々の塗装の塗膜の状況(塗膜の種類や塗膜の厚さ等)に応じた腐食の程度を適宜判断することができない、という問題がある。
また、屋外構造物の設置場所において、季節や時間に応じて、風向きが変化するので、塗膜の劣化の原因は、屋外構造物の設置箇所(部位)により異なる。具体的な劣化因子としては、紫外線照射によるもの、ぬれ時間の継続によるもの、海塩の付着によるもの等があり、その腐食環境に応じて屋外構造物の塗膜や部材や部品等のメンテナンスを的確に実施することが切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、塩害の経時変化を常に監視しつつ、塩害を未然に防ぐことができる腐食検知装置及びそれを備えた屋外構造物を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、屋外構造物の外表面に設けられる第1の導電部と、該第1の導電部を被覆する屋外構造物に塗布する材料と同一の絶縁性の塗膜部と、該塗膜部の塗膜上に相互に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜部の劣化により発生する腐食電流を検知することを特徴とする腐食検知装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記塗膜部は、屋外構造物に塗布する塗膜よりも薄いことを特徴とする腐食検知装置にある。
第3の発明は、第1又は2の腐食検知装置を、屋外構造物の塗装面に設けてなることを特徴とする屋外構造物にある。
第4の発明は、第3の発明において、前記塗膜部の厚みがそれぞれ異なる複数の腐食検知装置を設けてなることを特徴とする屋外構造物にある。
第5の発明は、第3又は4の発明において、腐食検知装置近傍に、日射計、湿度計又はpH計のいずれか一つを設けてなることを特徴とする屋外構造物にある。
第6の発明は、屋外構造物の基板を第1の導電部とし、前記基板を被覆する屋外構造物塗膜と、該塗膜の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜の劣化により腐食電流を検知することを特徴とする屋外構造物にある。
第7の発明は、屋外構造物の基板と、該基板の上に絶縁部を介して設けられた第1の導電部と、前記基板を被覆する屋外構造物塗膜と、該塗膜の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜の劣化により腐食電流を検知することを特徴とする屋外構造物にある。
本発明によれば、海塩、雨水等の腐食性因子の作用による経時変化について、塗膜の劣化状況を迅速に判断することができる。これにより劣化抑制のための対策を迅速に講じることができる。
図1は、実施例1に係る腐食検知装置の概略図である。 図2−1は、実施例1に係る腐食検知装置の使用状況の概略図である。 図2−2は、実施例1に係る腐食検知装置の使用状況の概略図である。 図2−3は、実施例1に係る腐食検知装置の使用状況の概略図である。 図3は、屋外構造物の一例である風力発電装置に腐食検知装置を設置した際の側面図である。 図4は、実施例2に係る屋外構造物の一例である風力発電装置に腐食検知装置、ACM型腐食センサ及び湿度計を設置した際の側面図である。 図5は、相対湿度と腐食電流値との関係を示す図である。 図6−1は、ACM型腐食センサによる計測の一例を示すチャートである。 図6−2は、腐食検知装置の計測の一例を示すチャートである概略図である。 図7は、実施例3に係る腐食検知装置の概略図である。 図8は、実施例3に係る他の腐食検知装置の概略図である。 図9は、従来技術に係る腐食センサの平面図である。 図10−1は、従来技術に係る腐食センサの概略図である。 図10−2は、従来技術の腐食時における概略図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る腐食検知装置について、図面を参照して説明する。図1は、本実施例に係る腐食検知装置の概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る腐食検知装置10Aは、検知対象物である屋外構造物の外表面である塗膜21の上面に設けられる第1の導電部11と、該第1の導電部11を被覆する屋外構造物に塗布する材料と同一の絶縁性の塗膜部12と、該塗膜部12の塗膜上に相互に所定間隔を持って複数設けられる直線状の第2の導電部13とを有し、前記塗膜部12の劣化により発生する腐食電流を検知するものである。そして、経時変化によって、屋外構造物の塗膜21の劣化によってできる例えば亀裂と同様な亀裂を腐食検知装置10Aの塗膜部12に発生させ、この亀裂によって発生する水膜により腐食電流を検知するようにしている。
ここで、センサを構成する前記塗膜部12は、屋外構造物の基板20に塗布する塗膜21の塗料と同様のものを塗布してなるものである。そして、その塗膜部12の膜厚は、屋外構造物に塗装される塗膜よりも薄くなるようにしている(塗膜21の厚さ(D)>塗膜部12の厚さ(d))。
厚みは、より好適には、その塗膜部12の厚さ(d)は、塗膜21のDの約1/3〜4/5程度とすればよい。
なお、一般に、塗膜部は下地層、中間層、上塗り層からなり、耐候性を発揮するには上塗り層が担っている。よって、前記塗膜部12の厚さ(d)をこの上塗り層の膜厚の約1/3〜4/5程度とするようにしてもよい。
また、この厚みを変更することにより、劣化の進捗度合いを判定することができる。そして、屋外構造物の塗膜21の一箇所において、前記塗膜部12の厚みがそれぞれ異なる複数の腐食検知装置10Aを設けて、厚みによる腐食度合いを判定するようにしてもよい。
また、第1の導電部11を形成する材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、ステンレス鋼などを用いるのが好ましい。また、第2の導電部13を形成する材料としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、グラファイトなどの炭素材料などを用いるのが好ましい。
なお、塗膜部12以外は、従来のACM型腐食センサと同様の構成であり、第1の導電部11の厚さは例えば0.8mm程度とし、第2の導電部13は導電(Ag)ペーストを用いて、例えば30〜40μmの膜厚としている。
図2−1乃至図2−3に本実施例に係る腐食検知装置10Aを用いた腐食検知の使用状況の概略図を示す。
図2−1及び図2−2に示すように、本実施例に係る腐食検知装置10Aは、第1の導電部11の上部に設けられる塗膜部12の上面に所定間隔を持って複数設けられる直線状の第2の導電部13が形成されているので、その塗膜部12の劣化に応じて、亀裂14が発生する(図2−1参照)。この亀裂14の伸展に応じて発生する水膜15により、第2の導電部13と第1の導電部11とが短絡し、この発生する腐食電流を検知するようにしている(図2−2参照)。
また、図2−2に示すような明確な亀裂14が発生しないような場合においても、塗膜部12の経時的な劣化により、塗膜部12に対して水が浸透することにより水の浸透部16が形成され、第2の導電部13と第1の導電部11とが短絡することがあり、この短絡により発生する腐食電流を検知するようにしてもよい(図2−3参照)。
これにより、実際の屋外構造物の塗膜と同様の材料による塗膜の劣化の進捗度合いを確認することができることとなる。
図3は屋外構造物の一例である風力発電装置に腐食検知装置を設置した際の側面図である。
ここで、図3に示す風力発電装置100について説明する。
図3に示すように、風力発電装置100は、例えば地上部101に設置されたタワー102と、タワー102の上端に設けられたナセル103とを備えている。ナセル103は、ヨー方向に旋回可能であり、図示しないナセル旋回機構によって所望の方向に向けられる。ナセル103には、発電機104と増速機105とが搭載されている。発電機104のロータは、増速機105を介して風車ロータ106の主軸107に接合されている。風車ロータ106は、主軸107に接続されたハブ108と、ハブ108に取り付けられた翼109とを備えている。
本実施例では、図3に示すように、屋外構造物である風力発電装置100のタワー102の側面に腐食検知装置10Aを設けている。
このように本発明によれば、塗膜の劣化の程度を迅速に判断することができる。これにより劣化の度合いに応じた対策を(例えば水洗い処理や乾燥処理、再塗装等)を迅速に講じることができる。
本発明では、図9に示すような従来技術に係るACM型腐食センサ110において、屋外構造物に塗布される塗膜の材料と同一の塗膜部を絶縁部として亀裂等の劣化を監視する腐食検知装置を構成しているので、屋外構造物が完成した後、任意の箇所に腐食検知装置10Aを設置するだけで済み、絶縁部である塗膜部12の劣化状況により腐食の度合いを確認することができる。
また、塗膜部12の厚さを任意に設定して、劣化状況の確認を事前に把握できることとなる。
これに対し、既存のACM型腐食センサ110を用いて、塗膜の亀裂を確認するような場合には、例えばこの既存のACM型腐食センサ110の全体を覆い、しかも漏洩が無いように、さらに屋外構造物の表面に亙って、屋外構造物に塗布した塗膜を塗布する必要がある。よって、屋外構造物が完成した後に、既存のACM型腐食センサ110を設置し、しかもその表面を覆うように塗膜を塗布する作業工程が別途発生し、作業工程が増え、手間がかかることとなる。
また、腐食検知装置近傍に、pH計を設置け、そのpHに応じて酸性雨対策を講じるようにしてもよい。
すなわち、pHが7の中性域においては、塩素イオン(Cl-)が主体であるが、pHが7以下となると、主体の塩素イオン(Cl-)の他に硫酸イオン(SO4 -)が混在してくる。そして、pHが5.8以下となると、塩素イオン(Cl-)よりも硫酸イオン(SO4 -)が主体となり、酸性雨対応が必要となる。
酸性雨対策としては、外部塗膜の洗浄の際に入念に洗浄する他、次回の塗膜の塗布の際に、酸性雨対策の塗膜とする等である。
また、腐食検知装置近傍に、日射計を設置け、太陽光による日射量に応じた対策を講じるようにしてもよい。
さらに、太陽光の内、紫外線は塗膜の劣化に大きな影響を与えるので、日射計において、紫外線量を求めることができる太陽光を分光して特定の波長の光を計測できる分光日射計等を用いるようにしてもよい。
さらに、雨がかりの有無、日射の有無の状態を考慮するようにしてもよい。この結果、雨がかり有無の測定で雨による影響を、日射有無の測定で日射による影響を共に知ることができるからである。
本発明による実施例2に係る腐食検知装置を備えた屋外構造物について、図面を参照して説明する。図4は、本実施例に係る腐食検知装置を備えた屋外構造物の一例である風力発電装置の概略図である。
本実施例の風力発電装置100Bにおいては、腐食検知装置10A近傍に、ACM型腐食センサ110と、湿度計30とを設置け、その湿度に応じた海塩付着量を計測するようにしている。
ここで、図5は相対湿度と腐食電流値との関係を示す。図5では、予め所定量の海塩を付着させておき、恒温槽中で測定した各海塩付着量におけるACM型腐食センサ110のセンサ出力(電流値:I1)と湿度との関係図であり、ACM型腐食センサ110で電流を計測し、湿度計30で湿度を計測することで、海塩付着量を推定できるものである(非特許文献5参照)。
本実施例では、タワー102の側面に、腐食検知装置10A、ACM型腐食センサ110及び湿度計30を近接して設置している。
そして、腐食検知装置10Aで塗膜の劣化を監視し、ACM型腐食センサ110で腐食状況を監視し、湿度計30で湿度を監視している。
そして、計測の都度、ACM型腐食センサ110と腐食検知装置10Aの各々の電流値(I1、I2)を計測すると共に、その計測時点における湿度を計測しておく。
図6−1は、ACM型腐食センサ110の電流値(I1)の計測の一例(例えば120日計測した)であり、図6−2は腐食検知装置10Aの電流値(I2)の計測の一例である。
そして、計測を続けている際、図6−2に示すように、腐食検知装置10Aで塗膜の劣化(亀裂)を確認(電流値が急激に上昇(100日目))とする。
このような場合、この亀裂の発生するまでにおけるそのセンサの設置環境の海塩の付着の状況を、事前に求めていたACM型腐食センサ110の電流値と湿度との計測結果により、腐食環境を確認することができる。
例えば、亀裂発生するまでのACM型腐食センサ110での電流(I1)の積算、または平均をとり、腐食環境を推定することができる。
さらに、図5において、その計測時点における湿度と電流値とによって、そのときの海塩の付着量を確認することができる。
すなわち、ACM型腐食センサ110での電流量と、湿度との関係からどれくらい海塩が付着していたかが判断できる。
よって、その計測場所が腐食しやすい環境であったか否かが判断できる。
また、塗膜の劣化が診断されれば、構造物自体が腐食される前に、その対策を講じることができる。一般に大気腐食は、その設置場所の腐食環境により、その腐食の状況が大きく変動する。よって、本発明によれば、その設置場所の腐食環境の状況を把握した上で、塗膜劣化の事前検知が可能となる。
そして、塗装のやり直しを行う場合、例えば膜厚を標準膜厚の塗装で良いのか、膜厚を厚くする厚塗り塗装で良いのかを判断する指標となる。よって、本発明によれば、塗膜の劣化(亀裂等)に至るまでの状況を勘案して、今後の塗膜の劣化を防止する対策を講じることができる。
この際、太陽光の日射量を計測できる日射計を用いることにより、亀裂に至るまでに太陽光の影響も確認できる。よって、メンテナンスの時期を単なる時間で決定することなく、季節に応じたメンテナンスの時期を決定することもできる。
すなわち、夏場と冬場とでは、日射量も異なるので、その日射量に応じた対策を図ることが必要となる。設置場所によっても同様に対策が必要となる。
さらに、太陽光を分光して特定の波長の紫外光を計測できる分光日射計等を用いるようにすることで、塗膜の劣化に影響大きい紫外線量を把握することができ、紫外線量の影響も加味した対策を講ずることができる。
すなわち、太陽光の紫外線エネルギーは410kJ/molであり、例えばアクリル系の樹脂の結合エネルギーは365kJ/mol、無機系樹脂の結合エネルギーは435kJ/molであるので、太陽光が長期間に亙って照射されることにより紫外線の影響で、塗膜21の塗料の分子間結合が切断され、亀裂や割れ等が発生することになるからである。
また、紫外線量の計測においては、直接塗膜に照射される紫外線量の他に反射による紫外線の影響も考慮する必要があるので、その紫外線量の計測の際には、反射率を考慮した紫外線量に変換することで、より的確な判断をなすことができる。
例えば、反射率は、砂浜であると10〜25%、コンクリートであると10%、水面であると10〜20%、草地や土であると10%以下とする補正が必要となる。
また、屋外構造物の壁面と頂面とでは、頂面の塗膜は、壁面の2.5倍程度の紫外線量であるので、例えばナセルの頂面に設置し、ナセルの頂面の劣化の度合いを考慮することも有効である。
本発明による実施例3に係る他の腐食検知装置について、図面を参照して説明する。図7は、本実施例に係る腐食検知装置の概略図である。
図7に示すように、本実施例に係る腐食検知装置10Bは、屋外構造物の基板20を第1の導電部とし、前記基板20を被覆する屋外構造物の塗膜21と、該塗膜21の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部13とを有し、前記塗膜21の劣化により腐食電流を検知するようにしている。
本実施例では、屋外構造物の基材20に塗布される塗布層21の表面に、直接第2の導電部13を設けて、センサ構造とすることにより、簡易な構成で塗布層21の劣化を監視することができる。このように、本実施例では、屋外鉱物に塗布される塗膜21を絶縁部として、その上に第2の導電部13を貼り付けるだけで、腐食検知機能を有する屋外構造物とすることができることとなる。
また、図8に示す腐食検知装置10Cように、屋外構造物の基板20と、該基板の上に絶縁部112を介して設けられた第1の導電部11と、前記基板20を被覆する屋外構造物の塗膜21と、該塗膜21の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部13とを有し、前記塗膜の劣化により腐食電流を検知するようにしてもよい。
これは、図7のように、基材を第1の導電部とすると、基材に流れるノイズの影響があるが、本実施例のように絶縁部112を設けることでノイズの影響を防止することが可能となることができるからである。
さらに、本実施例に係る腐食検知装置10B、10Cのいずれかと、ACM型腐食センサ110及び湿度計30を用いて、実施例2のような判断をすることもできる。
以上のように、本発明に係る腐食検知装置及び屋外構造物は、その塗膜の劣化の程度を迅速に判断することができる、例えば風力発電装置の構成部材の劣化の判断に用いて適している。
10A〜C 腐食検知装置
11 第1の導電部
12 塗膜部
13 第2の導電部
14 亀裂
15 水膜
16 浸透部
20 基板
21 塗膜
30 湿度計

Claims (7)

  1. 屋外構造物の外表面に設けられる第1の導電部と、該第1の導電部を被覆する屋外構造物に塗布する材料と同一の絶縁性の塗膜部と、該塗膜部の塗膜上に相互に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜部の劣化により発生する腐食電流を検知することを特徴とする腐食検知装置。
  2. 請求項1において、
    前記塗膜部は、屋外構造物に塗布する塗膜よりも薄いことを特徴とする腐食検知装置。
  3. 請求項1又は2の腐食検知装置を、屋外構造物の塗装面に設けてなることを特徴とする屋外構造物。
  4. 請求項3において、
    前記塗膜部の厚みがそれぞれ異なる複数の腐食検知装置を設けてなることを特徴とする屋外構造物。
  5. 請求項3又は4において、
    腐食検知装置近傍に、日射計、湿度計又はpH計のいずれか一つを設けてなることを特徴とする屋外構造物。
  6. 屋外構造物の基板を第1の導電部とし、前記基板を被覆する屋外構造物塗膜と、該塗膜の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜の劣化により腐食電流を検知することを特徴とする屋外構造物。
  7. 屋外構造物の基板と、該基板の上に絶縁部を介して設けられた第1の導電部と、
    前記基板を被覆する屋外構造物塗膜と、
    該塗膜の上部に所定間隔を持って設けられる第2の導電部とを有し、前記塗膜の劣化により腐食電流を検知することを特徴とする屋外構造物。
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