JP2011020411A - インゴット切断装置及びインゴット切断方法 - Google Patents

インゴット切断装置及びインゴット切断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特にアズグロンインゴットのような座り精度の悪いインゴットの切断においても、カケ、チップ及びクラックの発生を抑制でき、製品歩留りを向上させることができるインゴット切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上面がV字形状に形成され、インゴットが水平に載置される切断テーブルと、前記インゴットを切り出しブロック部と保持部に切断するためのブレードとを有し、前記インゴットの保持部をクランプによって保持しながら前記ブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材が前記切断テーブルの上面に設けられ、該緩衝材は、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものであることを特徴とするインゴット切断装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インゴット、特にはチョクラルスキー法(CZ法)等により引き上げられたシリコンインゴットを切断するインゴット切断装置及びインゴット切断方法に関する。
CZ法等によって製造されたシリコンインゴット等のインゴットは円柱状の胴体部にコーン状の端部(トップ部およびテイル部)を有している。このインゴットの加工において、これらコーン状の端部を切り離し円柱状の胴体部のみとし、胴体部を必要に応じて複数のブロックに切断する。次いでそのブロックをウェーハとするための加工を行うことになる。
このようなコーン状の端部の切断加工や胴体部を複数のブロックに切断加工する場合には、内周刃スライサー、外周刃スライサーなどが多く用いられてきた。近年のウェーハの大口径化に伴ってバンドソーやワイヤソーも多く使用されるようになってきた。
ここで、図4にインゴット切断装置のブレードをバンドソーとした場合のブロックの切断方法についての概要を示す。
図4に示すように、インゴット切断装置101には切断時にインゴット104を載置するための上面がV字形状に形成された切断テーブル105が設置されている。この切断テーブル105のV字形状の上面はその材質として、主にSUS系の金属が用いられている。
また、インゴット切断装置101は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)102がプーリー103、103’間に張設されている。
そして、切断前において、インゴット104を切断テーブル105上に水平に配置する。この切断テーブル105にはインゴット104を切断するためのブレード102が切断テーブル105に接触しないようにするための隙間108が設けられている。そして、インゴット104の切断位置をこの隙間108に合わせるようにインゴット104の載置位置を調整する。
このブレード102がプーリー103、103’の回転により周回駆動され、該ブレード102を切断テーブル105の隙間108の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット104をブロック(切り出しブロック部)に切断する。
この際、インゴット104の切り出しブロック部以外の部分はクランプ107によって押え付けられて保持されている。
ところで、切断テーブル105の載置面上に載置するインゴット104の座り精度が悪化していると、上記のようなインゴット104の切断時において、インゴット104の切断端面又は側面、特に切り終わり部分にカケ、チップ或いはクラックが発生することがあった。
従来では、インゴット104のブロック切断前にインゴット104の外周面を円筒研削し、切断テーブル105のインゴット104を載置する載置面の面精度がある程度確保された状態で行われていたが、このようにしてもインゴット104と切断テーブル105との間の隙間を完全になくすことはできず、カケ及びクラック等の発生を防ぐことができなかった。
また、近年、工程時間を短縮してコストを削減するためなどの理由により、インゴット104の外周面を円筒研削せず、未加工の状態でブロックに切断する要求がある。この要求は特に直径300mm以下のインゴットの切断において増加する傾向にある。このような引き上げ後の外周面が未加工のいわゆるアズグロンインゴットの形状は、図5に示すように、外周面が凹凸及び突起している形状であり、切断テーブル105の載置面の面精度を精度出ししても、切断テーブル105上にインゴット104を安定して載置することができない。また、切断時には、図5に示すように、クランプ107によってインゴットの保持部109を押え付けて保持して切り出しブロック部110を切り出すが、このようなアズグロンインゴット104はたとえクランプ107により保持されても安定しないのが現状である。
例えば、被加工物の片端部の形状が複雑である場合の切断方法に関する従来技術として、硬脆性材料からなる被加工物の片端部をセメント硬化体で被覆した後、そのセメント硬化体を保持して被加工物を切断することで、割れが発生することなく被加工物を切断することができるとされる方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−238578号公報
従来、上記したような外周面が凹凸の形状のインゴットを切断する際に、エアーシリンダー等で切断テーブル上のインゴットを浮上させて、エアーシリンダーとインゴットが接触する部分にパッドを接触させた状態で、エアーシリンダーをロックさせてインゴットを保持するという方法が用いられることがあったが、このような方法では未加工のインゴットの凹凸形状に追従出来ずに、カケ、チップ或いはクラック等の発生が多大であった。
また、インゴット104の長さが例えば60cm程度以下の場合には、作業者の手作業により、インゴット104と切断テーブル105との隙間にシム(くさび)を入れてインゴット104の切断テーブル105との座りを調整して切断する方法もある。このような方法によってインゴット104の切断時のカケやクラックの発生をある程度抑制することができるものの、このような調整は作業上困難で熟練者が行う必要があり、作業者によってばらつきがあるため安定してカケやクラック等の発生を抑制することができず、発生率も十分に抑えることができなかった。また、インゴット104の長さが例えば60cm程度以上の場合には、調整が難しい上にインゴットが高重量になり、熟練者によってでも行うことが困難であった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、特にアズグロンインゴットのような座り精度の悪いインゴットの切断においても、カケ、チップ及びクラックの発生を抑制でき、製品歩留りを向上させることができるインゴット切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、上面がV字形状に形成され、インゴットが水平に載置される切断テーブルと、前記インゴットを切り出しブロック部と保持部に切断するためのブレードとを有し、前記インゴットの保持部をクランプによって保持しながら前記ブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材が前記切断テーブルの上面に設けられ、該緩衝材は、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものであることを特徴とするインゴット切断装置が提供される。
このように、切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材が前記切断テーブルの上面に設けられ、該緩衝材が、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものであれば、インゴットと切断テーブルの隙間を小さくすることができ、また、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和することで切り出しブロック部が切断テーブル上で移動してしまうのを抑制することができ、カケ及びクラック等が発生するのを抑制することができるものとなる。
このとき、前記インゴットがアズグロンインゴットであっても良い。
このように、前記インゴットが凹凸が大きいアズグロンインゴットであっても、本発明により、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和してカケ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
またこのとき、前記緩衝材のショアー硬度が70以下であることが好ましい。
このように、前記緩衝材のショアー硬度が70以下であれば、切断時のインゴットへの衝撃緩和作用が大きく、特にインゴットの切り出しブロック部への衝撃をより確実に緩和することができるものとなる。
またこのとき、前記緩衝材の材質をウレタン樹脂とすることができる。
このように、前記緩衝材の材質がウレタン樹脂であれば、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を確実に緩和することができるものとなる。また、様々なショアー硬度のものを選択することができ、用いる緩衝材の硬度を容易に調整できる。
また、本発明によれば、上面がV字形状に形成された切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記インゴットを切り出しブロック部と保持部に切断するためのブレードを相対的に上方から下方に送り出し、前記インゴットの保持部をクランプによって保持しながら前記インゴットを切断するインゴット切断方法であって、切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材を前記切断テーブルの上面に設け、該緩衝材として、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものを用いて前記インゴットを切断することを特徴とするインゴット切断方法が提供される。
このように、切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材を前記切断テーブルの上面に設け、該緩衝材として、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものを用いて前記インゴットを切断すれば、インゴットと切断テーブルの隙間を小さくすることができ、また、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和することで切り出しブロック部が切断テーブル上で移動してしまうのを抑制することができ、カケ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
このとき、前記インゴットをアズグロンインゴットとすることができる。
このように、前記インゴットを大きな凹凸を有するアズグロンインゴットとしても、本発明により、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和してカケ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
またこのとき、前記緩衝材として、ショアー硬度が70以下のものを用いることが好ましい。
このように、前記緩衝材として、ショアー硬度が70以下のものを用いれば、切断時のインゴットへの衝撃緩和作用が大きく、特にインゴットの切り出しブロック部への衝撃をより確実に緩和することができる。
またこのとき、前記緩衝材として、材質がウレタン樹脂のものを用いることができる。
このように、前記緩衝材として、材質がウレタン樹脂のものを用いれば、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を確実に緩和することができる。また、様々なショアー硬度のものを選択することができ、用いる緩衝材の硬度を容易に調整できる。
本発明では、インゴット切断装置において、切断時のインゴットへの衝撃を緩和する緩衝材を切断テーブルの上面に設け、該緩衝材として、インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度がインゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものを用いてインゴットを切断するので、インゴットと切断テーブルの隙間を小さくすることができ、また、インゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和することで切り出しブロック部が切断テーブル上で移動してしまうのを抑制することができ、カケ、チップ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
本発明のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。 インゴットが載置された状態の切断テーブルを長手方向の正面から見た概略図である。 インゴットが載置された状態の切断テーブルを側面から見た概略図である。 従来のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。 従来のインゴット切断装置でアズグロンインゴットを切断する様子を示す説明図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、インゴットの切断において、切断テーブルの載置面上に載置するインゴットの座り精度が悪化していると、インゴットの切断端面や側面、特に切り終わり部分にカケ、チップ或いはクラック等が発生することがあった。また、近年、例えば工程時間を短縮してコストを削減するためなどの理由により、大きな凹凸を有するアズグロンインゴットのままでブロックに切断する要求が増加する傾向にある。
このアズグロンインゴットの外周面の形状は直径の変動や晶癖線の存在により凹凸及び突起を有している形状であり、たとえ切断テーブルの載置面の面精度の精度出しを行い、さらに、インゴットの保持部をクランプにより保持しても、切断テーブル上に安定して載置することができず、インゴットの座り精度が悪化してしまう。
従来、このような座り精度の悪いインゴットを切断する際、インゴットがある程度短いものであれば、作業者の手作業によりインゴットと切断テーブルの隙間にシムを入れてインゴットの切断テーブルとの座りを調整して切断することによって、カケ及びクラック等の発生をある程度抑制することができたが、このような調整は作業上困難で熟練を必要とし、作業者によってばらつきがあるため安定してカケやクラック等の発生を抑制することができず、また、カケやクラック等の発生率も十分に抑えることができなかった。また、インゴットの長さによってはこのような調整作業は熟練者によってでも行うことが困難であった。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。そして、インゴットの切断におけるカケやクラック等が発生する状況について詳細に調査及び検討を行った。その結果、インゴットの切断の際、インゴットの座り精度の悪化や外周面の凹凸形状等に起因するインゴットへの衝撃、又はブレードとの摩擦やその反動によってインゴットの切り出しブロック部が切断テーブル上で僅かながら移動してしまい、この移動がカケ、チップ及びクラック等の発生の要因となっていることを見出した。
そして、インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度がインゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいというような緩衝材を切断テーブルの上面に設けることにより、特にインゴットの切り出しブロック部への衝撃を緩和することができ、例えインゴットと切断テーブルとの間に隙間が多少あったとしても、カケ、チップ及びクラック等の発生を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
図1は、本発明のインゴット切断装置の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明のインゴット切断装置1のブレードを例えばバンドソーとすることができる。
このインゴット切断装置1には切断時にインゴット4を載置するための切断テーブル5が設置されている。そして、この切断テーブル5にインゴット4が水平に載置される。
また、インゴット切断装置1は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)2がプーリー3、3’間に張設されている。ここで、切断テーブル5の材質として、例えばSUS系の金属を用いることができる。
図2はインゴット4が載置された状態の切断テーブル5を長手方向の正面から見た概略図である。図2に示すように、切断テーブル5の上面はV字形状に形成され、このV字形状の角度θは本発明において特に限定されることはないが、例えば25〜30°の角度を設けるようにすることができる。また、この切断テーブル5の上面に緩衝材6が配置される。そして、インゴット4はこの切断テーブル5の上面に設けられた緩衝材6を介して切断テーブル5上に載置される。ここで、緩衝材6の材質を、例えば、ゴム材やウレタン樹脂等の樹脂とすることができる。
このように、インゴット4を切断テーブル5の上面に設けられた緩衝材6を介して載置すれば、インゴット4と切断テーブル5間の隙間を小さくすることができる。例えば、緩衝材6をウレタン樹脂とした場合、インゴット4と切断テーブル5との間の1mm程度の隙間を0.5mmと半分程度に小さくすることができる。また、緩衝材6の材質がウレタン樹脂であれば、様々なショアー硬度のものを選択することができ、用いる緩衝材6の硬度を容易に調整できるので好ましい。
また、インゴット4は、インゴット引き上げ後の外周面が未加工のいわゆるアズグロンインゴットであっても良い。
図3はインゴット4が載置された状態の切断テーブル5を側面から見た概略図である。図3に示すように、インゴット4はブレード2によって切り出しブロック部10と保持部9に切断される。この保持部9はクランプ7によって押え付けられて保持される。ここでクランプ7によるクランプ力を、例えば500〜1000kgfとすることができる。
そして、本発明においては、緩衝材6はインゴット4の切り出しブロック部10が載置される部分6Aの硬度がインゴット4の保持部9が載置される部分6Bの硬度より小さいものとなっている。
上記したように、インゴット4の保持部9がクランプ7によって保持されるが、その一方、インゴット4の切り出しブロック部10は保持されない。そのため、インゴット4の切り出しブロック部10には、特にインゴット4の切り終わり時においてインゴット4の保持部9への下向きのクランプ力の反動による衝撃が生じるが、上記したような本発明の緩衝材6Aによってその衝撃を緩和することができ、インゴット4の切り出しブロック部10が上下方向(図2のA参照)に移動してしまうのを抑制できる。
そして、このように構成されたインゴット切断装置1でインゴット4を切断する際には、図1に示すように、インゴット4が切断テーブル5の上面に設けられた緩衝材6を介して載置され、インゴット4の保持部9がクランプ7によって保持された状態で、ブレード2がプーリー3、3’の回転により周回駆動され、そのブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断するようになっている。
このように本発明のインゴット切断装置1を用いてインゴット4を切断すれば、特にアズグロンインゴットのような外周面が凸凹している形状のものを切断する場合であっても、インゴット4と切断テーブル5の隙間を小さくして座り精度を向上でき、また、インゴット4の切り出しブロック部10への、特に切り終わり時における急激な衝撃を保持部9の緩衝材6Bより柔らかい緩衝材6Aで緩和することができるので、切り出しブロック部10が切断テーブル5上で上下方向或いはブレード2の走行方向(図2のB参照)又はその逆方向(図2のC参照)へ移動してしまうのを抑制することができる。その結果、カケ、チップ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
このとき、図1、図3に示すように、切断テーブル5はインゴット4を切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間8を有するものであっても良い。そして、この隙間8の位置でブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断するものとすることができる。
またこのとき、緩衝材6のショアー硬度が70以下であることが好ましい。
このように、緩衝材6のショアー硬度が70以下であれば、切断時のインゴットへの衝撃緩和作用が大きく、特にインゴット4の切り出しブロック部10への衝撃をより確実に緩和することができるものとなる。
次に本発明のインゴット切断方法について説明する。
ここでは、図1に示すようなインゴット切断装置1を用いた場合について説明する。
まず、図1、図2に示すように、切断時のインゴット4への衝撃を緩和する緩衝材6を切断テーブル5の上面に設ける。ここで、図3に示すように、この緩衝材6として、インゴット4の切り出しブロック部10が載置される部分6Aの硬度がインゴット4の保持部9が載置される部分6Bの硬度より小さいものを用いる。
そして、図1に示すように、インゴット4を切断テーブル5の上面に設けられた緩衝材6を介して載置し、インゴット4の保持部9をクランプ7によって保持した状態で、ブレード2をプーリー3、3’の回転により周回駆動し、そのブレード2を相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断する。
ここで、インゴット4を、インゴット引き上げ後の外周面が未加工のいわゆるアズグロンインゴットとすることができる。
このようにしてインゴット4の切断を行えば、特にアズグロンインゴットのような外周面が凸凹している形状のものを切断する場合であっても、インゴット4と切断テーブル5の隙間を小さくして座り精度を向上でき、また、インゴット4の切り出しブロック部10への、特に切り終わり時における急激な衝撃を緩和することができるので、切り出しブロック部10が切断テーブル5上で上下方向(図2のA参照)或いはブレード2の走行方向(図2のB参照)又はその逆方向(図2のC参照)へ移動してしまうのを抑制することができる。その結果、カケ、チップ及びクラック等が発生するのを抑制することができる。
このとき、緩衝材6として、ショアー硬度が70以下のものを用いることが好ましい。
このように、緩衝材6として、ショアー硬度が70以下のものを用いれば、切断時のインゴットへの衝撃緩和作用を大きくして、特にインゴット4の切り出しブロック部10への衝撃をより確実に緩和することができる。
またこのとき、緩衝材6として、材質がウレタン樹脂のものを用いることができる。
このように、緩衝材6として、材質がウレタン樹脂のものを用いれば、インゴット4の切り出しブロック部10への衝撃を確実に緩和することができる。また、様々なショアー硬度のものを選択することができ、用いる緩衝材6の硬度を容易に調整できる。
或いは、緩衝材6として、ゴム材を用いても良く、インゴット4への衝撃を緩和できる材質のものであればどのような材質のものを用いても良い。例えば、インゴット4の切り出しブロック部10が載置される部分6Aの硬度がインゴット4の保持部9が載置される部分6Bの硬度より小さいものであれば、6Aと6Bの部分を異なる材質にしても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用い、本発明のインゴット切断方法に従ってインゴットの保持部のクランプ力を1000kgfで押え付けて単結晶シリコンインゴットの切断を行い、その際のインゴットの切り出しブロック部の移動量を測定した。ここで、切断した単結晶シリコンインゴットは直径250mm、重量250kgのアズグロンインゴットとした。また、切断した切り出しブロック部の長さを600mmとした。また、切り出しブロック部の移動量はダイヤルゲージを用いて測定し、上下方向(図2のA参照)、ブレードの走行方向(図2のB参照)及びその逆方向(図2のC参照)をそれぞれ測定した。
また、この切り出しブロック部の切断を200回行い、クラックの発生率について評価した。ここで、使用した緩衝材は、材質がウレタン樹脂であり、インゴットの切り出しブロック部が載置される部分のショアー硬度が30、インゴットの保持部が載置される部分のショアー硬度が70のものを用いた。
切り出しブロック部の移動量の結果を表1に示す。表1に示すように、後述する比較例の結果と比べ、いずれの方向への移動量も小さくなっていることが分かる。また。上下方向の移動量は殆どなく、大幅に抑制されていることが分かる。
また、クラックの発生率の結果を表2に示す。表2に示すように、クラックの発生は完全に抑制されていることが分かる。このように、切断時の切り出しブロック部の移動が多少発生しているものの、本発明により切り出しブロック部への衝撃を緩和することでクラックの発生を抑制できる。一方、後述する比較例では約半数の切断でクラックが発生している。
このように、本発明のインゴット切断装置及びインゴット切断方法は、インゴットの切断の際のカケ、クラック等の発生を抑制でき、製品歩留りを向上できることが確認できた。
(実施例2)
使用した緩衝材の材質をゴム材として、インゴットの切り出しブロック部が載置される部分のショアー硬度が30、インゴットの保持部が載置される部分のショアー硬度が50のものを用いた以外は、実施例1と同様の条件でシリコン単結晶インゴットをブロックに切断し、実施例1と同様にしてクラックの発生率について評価した。
その結果を表2に示す。表2に示すように、クラックの発生率は20%であり、実施例1と比べクラックの発生率は高いものの、後述する比較例と比べてクラックの発生率が改善されていることが分かる。
(比較例)
図4に示すような、本発明の緩衝材を具備していないインゴット切断装置を用い(緩衝材全体がショアー硬度70のものを用いた)、実施例1と同様の条件でシリコン単結晶インゴットをブロックに切断し、実施例1と同様に評価した。
切り出しブロック部の移動量の結果を表1に示す。表1に示すように、ブレードの走行方向への移動量は0.3mmであり、その逆方向への移動量は0.8mmであり実施例1の結果と比べ悪化している。これは、インゴットの切り出しブロック部は、まずブレードの走行方向へ移動し、その反動による衝撃を緩和できずにブレードの走行方向の逆方向に大きく移動していると考えられる。このようなインゴットの切り出しブロック部の移動は、特にアズグロンインゴットのような外周面が凹凸形状であるものの場合、インゴットと切断テーブルとの接触が面接点ではなく点接点であることが多いことから、発生し易いと考えられる。
また、上下方向の移動は、インゴット切断途中は、インゴット全体にクランプ圧が掛かるため、インゴットの切り出しブロック部とインゴットの保持部の移動量は同じ移動量となるが、インゴットの切断が終了した瞬間に、インゴットのクランプ圧はインゴットの保持部のみに掛かり、切り出しブロック部はクランプ圧から開放される。その結果、インゴットの切り出しブロック部とインゴットの保持部の緩衝材のショアー硬度を同じ70とした比較例の場合は、インゴットの切断が終了した瞬間にクランプ圧の影響により、インゴットの切り出しブロック部とインゴットの保持部が上下方向に0.6mmのずれが生じ、これにより表2に示すように48%のクラックが発生した。
一方、インゴットの切り出しブロック部の緩衝材のショアー硬度を30、インゴットの保持部の緩衝材のショアー硬度を70とした実施例1の場合は、切り出しブロック部の緩衝材のショアー硬度がインゴットの保持部の緩衝材のショアー硬度より小さいため、インゴットの切断が終了した瞬間の切り出しブロック部のインゴットの沈み込み量を比較例より大きくすることができ、その結果、インゴットの切断が終了した瞬間のインゴットの切り出しブロック部とインゴットの保持部の上下方向のずれを小さくすることができ、クラックの発生を防止することができる。
Figure 2011020411
Figure 2011020411
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記ではインゴット切断装置のブレードとしてバンドソーを具体的に挙げて示したが、本発明はこれに限定されない。インゴットをテーブル上に水平に置きブレードを相対的に上方から下方に送り出して切断する切断装置におけるブレードは同様に適用することができる。すなわち、いわゆる外周刃、内周刃、あるいはワイヤソーであっても、本発明を適用でき、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1…インゴット切断装置、 2…ブレード、 3、3’…プーリー、
4…インゴット、 5…切断テーブル、 6…緩衝材、 7…クランプ、
8…切断テーブルの隙間、 9…インゴットの保持部、
10…インゴットの切り出しブロック部。

Claims (8)

  1. 上面がV字形状に形成され、インゴットが水平に載置される切断テーブルと、前記インゴットを切り出しブロック部と保持部に切断するためのブレードとを有し、前記インゴットの保持部をクランプによって保持しながら前記ブレードを相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、
    切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材が前記切断テーブルの上面に設けられ、該緩衝材は、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものであることを特徴とするインゴット切断装置。
  2. 前記インゴットがアズグロンインゴットであることを特徴とする請求項1に記載のインゴット切断装置。
  3. 前記緩衝材のショアー硬度が70以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインゴット切断装置。
  4. 前記緩衝材の材質がウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
  5. 上面がV字形状に形成された切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記インゴットを切り出しブロック部と保持部に切断するためのブレードを相対的に上方から下方に送り出し、前記インゴットの保持部をクランプによって保持しながら前記インゴットを切断するインゴット切断方法であって、
    切断時の前記インゴットへの衝撃を緩和する緩衝材を前記切断テーブルの上面に設け、該緩衝材として、前記インゴットの切り出しブロック部が載置される部分の硬度が前記インゴットの保持部が載置される部分の硬度より小さいものを用いて前記インゴットを切断することを特徴とするインゴット切断方法。
  6. 前記インゴットをアズグロンインゴットとすることを特徴とする請求項5に記載のインゴット切断方法。
  7. 前記緩衝材として、ショアー硬度が70以下のものを用いることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のインゴット切断方法。
  8. 前記緩衝材として、材質がウレタン樹脂のものを用いることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のインゴット切断方法。
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