JP2011018058A - 位置計算装置、位置計算方法、位置計算プログラム、及び位置計算プログラムの記憶媒体 - Google Patents

位置計算装置、位置計算方法、位置計算プログラム、及び位置計算プログラムの記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】平面直角座標上の座標x,yから、地球楕円体上の緯度、経度を精度よく算出する位置計算装置を提供する。
【解決手段】演算部6が、赤道から当該座標値xまでの子午線弧長Wを算出し、子午線曲率半径を以って緯度φjにて赤道から垂線緯度φjまで積分することにより子午線弧長S(φj)を算出する。演算部6は、緯度φjを与えることによって緯度φj+1を算出する。緯度φj+1と緯度φjとの差の絶対値が基準値以内の場合、求めた緯度φk+1を緯度φnとし、演算部6に当該緯度φnにおける縮尺係数mt+1を算出させ、当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、子午線弧長Wにて、計算を行わせる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、位置計算装置、位置計算方法、位置計算プログラム、及び位置計算プログラムの記憶媒体に関するものである。
地球は、楕円体(地球楕円体)であり、地理学的経緯度を以って、地球上の位置を特定することができる。しかし、取り扱いの便から、一般的な測量等において、平面直角座標が利用され、座標によって、位置の特定がされる(測量法第11条)。この座標平面については、回転楕円体(地球楕円体)から、直接平面に投影するガウス・クリューゲルの等角投影(横メルカトール投影)を採用して、原点における縮尺係数を0.99990としている。
尚、地球楕円体を測量の基準にするためには、楕円体の中心を実際の地球上のどの位置に、またその楕円体の座標軸が実際の地球のどこを通るかということを決める必要があり、この位置と方向が決められた地球楕円体が準拠楕円体とされる。
地球上の点の水平位置は、厳密には準拠楕円体上の地理学的経緯度によって表されるべきであるが、位置・方向・距離等を、上記の通り平面上に投影して測量計算を行うことは曲面上に比べ非常に簡単になり便利である。また、公共測量のように測量範囲が狭い場合には、十分正確に表すことができるとされている。
日本で用いられている平面直角座標は、ガウス・クリューゲルの等角投影法によるもので、座標系原点を通る子午線は等長に、図形は等角の相似形に投影される。しかし、距離については、基準子午線から東西に離れるに従って平面距離が増大していくため、投影距離の誤差を相対的に1/10,000以内に収めるよう座標原点に上記の縮尺係数(0.9999)を与え、かつ、基準子午線より東西130km以内を適用範囲とした座標系(平面直角座標系は日本全国を19の座標系に区分している。)を設けている(非特許文献1)。
なお、座標系のX軸は、原点において子午線に一致する軸とし、原点から真北に向かう値を正としている。Y軸は原点においてX軸に直交する軸とし、真東に向かう値を正としている。この点、三次元直交座標(X,Y,Z)とは定義が異なる。又、各座標系原点の値はX=Y=0.000メートルとしている。
測量結果の成果表において、距離については楕円体面上の距離が記載され、座標については緯度・経度のほか、平面直角座標(x,y)が記載される。楕円体面と平面の関係については、準拠楕円体に被せられた楕円体筒(仮想筒)を広げて平面座標(x,y)を得る。この場合、基準子午線における平面距離は、楕円体上の距離より1万分の1だけ短くなり、縮尺係数は、0.9999である。基準子午線から東西に約90km離れた場所では、平面と楕円体面の距離が等しくなり、縮尺係数は1.0000である。基準子午線から東西に130km離れると、平面距離は、楕円体面距離より、1万分の1だけ長くなり、縮尺係数は、1.0001である。
わが国土について、平面直角座標X,Y上の座標値x,yから、その緯度・経度を算出する手段として、国土地理院のホームページにおいて、「緯度・経度への換算」(非特許文献3)のプログラムが利用できる。
このプログラムを利用することにより、web上において、上記座標値x,yの入力により、簡便に、その緯度・経度を算出することができる。
ところが、このプログラムにおいて、座標値x,yが属する座標系の基準子午線から、東西に離れるに従って、その誤差が大きくなる。
この誤差は、国土地理院ホームページの当該「緯度・経度への換算」プログラムで得た緯度・経度を、同じく国土地理院ホームページ「平面直角座標への換算」(非特許文献4)プログラムにて、簡単に確認することができる。
例えば、国土地理院ホームページ「緯度・経度への換算」(非特許文献3)において、測地系を世界測地系とし、平面直角座標系を3として、上記「平面直角座標から緯度・経度への換算」プログラムへ、平面直角座標上の任意の5点の座標値X,Yを与えて、a−1)〜a−5)に示す結果(緯度・経度)を得た。
a−1)は当該座標系3の座標原点(0,0)を通る子午線上の点であり、a−2)〜a−5)において、入力する座標値Yの値を基準子午線から西方へ徐々に遠ざかるものとしている。
そして上記「平面直角座標への換算」プログラムにおいて、上記a−1)〜a−5)で入力した座標値と、換算結果が一致するように、試行錯誤で北緯と東経を入力した(北緯と東経の値を種々変えて、出力値が、「平面直角座標への換算」プログラム)における入力値と一致するものを探った)。そして、b−1)〜b−5)に示す結果(平面直角座標上の座標値)を得た。
a−1)
入力値 X座標 -207504.143 m Y座標 0 m
換算結果 緯度 34°07'45.93167" 経度 132°10'00.00000"
真北方向角+ 0°00'00.00" 縮尺係数 0.99990000
a−2)
入力値 X座標 -207494.938 m Y座標 -59997.338 m
換算結果 緯度 34°07'40.02853" 経度 131°30'58.32911"
真北方向角+ 0°21'53.81" 縮尺係数 0.99994436
a−3)
入力値 X座標 -207483.393 m Y座標 -90082.603 m
換算結果 緯度 34°07'32.62476" 経度 131°11'24.23439"
真北方向角+ 0°32'52.52" 縮尺係数 1.00000000
a−4)
入力値 X座標 -207467.727 m Y座標 -119340.074 m
換算結果 緯度 34°07'22.57910" 経度 130°52'22.58340"
真北方向角+ 0°43'32.98" 縮尺係数 1.00007551
a−5)
入力値 X座標 -207462.646 m Y座標 -127394.933 m
換算結果 緯度 34°07'19.32100" 経度 130°47'08.30605"
真北方向角+ 0°46'29.28" 縮尺係数 1.00010000
b−1)
入力値 北緯 34°07'45.93167" 東経 132°10'00.00000"
換算結果 X座標 -207504.143 m Y座標 0.0000 m
真北方向角+ 0°00'00.00" 縮尺係数 0.99990000
b−2)
入力値 北緯 34°07'40.02854" 東経 131°30'58.32910"
換算結果 X座標 -207494.938 m Y座標 -59997.338m
真北方向角+ 0°21'53.81" 縮尺係数 0.99994436
b−3)
入力値 北緯 34°07'32.62478" 東経 131°11'24.23440"
換算結果 X座標 -207483.393 m Y座標 -90082.603m
真北方向角+ 0°32'52.52" 縮尺係数 1.00000000
b−4)
入力値 北緯 34°07'22.57909" 東経 130°52'22.58341"
換算結果 X座標 -207467.727 m Y座標 -119340.074 m
真北方向角+ 0°43'32.98" 縮尺係数 1.00007551
b−5)
入力値 北緯 34°07'19.32099" 東経 130°47'08.30603"
換算結果 X座標 -207462.646 m Y座標 -127394.933 m
真北方向角+ 0°46'29.28" 縮尺係数 1.00010000
上記の結果を見ると、a−1)の入力値と一致する、出力値が得られるようにb−1)において探って得た入力値は、a−1)における換算結果と一致している(上記a−1)における換算結果の緯度34°07'45.93167"と経度132°10'00.00000"は、b−1)における入力値の北緯・東経と一致している)。即ち、当該原点を通る基準子午線上において、「平面直角座標への換算」プログラムは、少なくとも計算可能な桁数内において、誤差を生じていないといえる。
ところが、a−2)について、上記と同様の作業を行ったb−2)を見ると、a−2)における換算結果と、b−2)における入力値とは一致していない。即ち、前者a−2)が緯度を34°07'40.02853"とし経度を131°30'58.32911"とするのに対して、後者b−2)が北緯を34°07'40.02854"とし東経を131°30'58.32910"とし、緯度及び経度について、夫々小数点以下第5位(最下位)において食い違いが生じている。
このような誤差の発生について、a−3〜a−5)と対応するb−3)〜b−5)と見れば、基準子午線から西方へ離れるに従って、特に経度についての当該誤差が大きくなっていることが分かる。
例えば、基準子午線から西方へ約127km離れた地点であるa−5)における換算結果(緯度34°07'19.32100"、経度130°47'08.30605")と、対応するb−5)における入力値(北緯34°07'19.32099"、東経130°47'08.30603")とでは、特に、緯度について小数点以下第3位にて既に食い違いが生じている。
国土地理院ホームページ http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/datum/tokyodatum.html 国土地理院ホームページ「赤道からの子午線弧長を与えて緯度を求める計算」http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/algorithm/s2b/s2b.htm 国土地理院ホームページ「緯度・経度への換算」http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/xy2blf.html 国土地理院ホームページ「平面直角座標への換算」http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/bl2xyf.html
従って、このプログラムでは、入力座標値X,Yが属する座標系原点の基準子午線付近においては、問題がないものの、基準子午線から東西へ離れるに従って、換算結果である緯度及び経度の精度が著しく低下し、厳密なデータとして取り扱うことができなくなる。
上記において、そのような誤差が生じる原因は、プログラムの内容が公開されていないことから、本願発明者において正確なことは分からない。
また、発明者にて可能な範囲で、先行技術文献として、特許公報を調べたが、同種の発明が記載された公報を発見するに至っていない。
そこで、発明者は、この点を熟考し、推測するに、上記国土地理院のプログラムにおいて、緯度について例えば、国土地理院ホームページ「赤道からの子午線弧長を与えて緯度を求める計算」(非特許文献2)などに示される公式を用いて、緯度についての収束計算を行っているのであろうが、基準子午線から離れた場合の前述の縮尺係数の変化が十分に反映するものとなっておらず、その結果、収束(反復計算)により安定状態となった緯度の精度が十分なものでない(ずれた位置に収束してしまっている)と考える。
具体的には、国土地理院の上記プログラムは、非特許文献2に示す国土地理院ホームページの「6.赤道からの子午線弧長を与えて緯度を求める計算」で示されているφn+1を求める式を用いて反復計算を行うものであると考えられる(この式を用いた結果が上記と一致した)。この式を用いて反復計算を行うと上述の通り、大きな誤差を持った値で数値が安定(収束)する。その理由を検討すると、この式の計算において、縮尺係数は、原点における縮尺係数m0(=0.9999)に固定されており、基準子午線以外の、求めようとする座標位置における縮尺係数は、原点の縮尺係数m0(=0.9999)と異なるものであるという事実は、無視されている(尚、国土地理院の式で用いているMは、赤道からの座標系原点までの子午線弧長を示し、この明細書で用いる子午線曲率半径を示すMとは異なる)。
現状では、推測の域を出るものではないが、上記プログラムを用いた結果は、歴然としている。
従って、当該プログラムは、著しく信頼性の欠くものとなっており、厳密性が要求される状況において、その利用が困難となっている。
本願発明は、等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値から地球楕円体上の少なくとも緯度を求めることが可能な位置計算装置について、縮尺係数の取り扱いを柔軟に行うことにて、誤差の低い新規な装置を提供することにより、上記課題の解決を図った。
本願第1の発明は、等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φnを出力することが可能な位置計算装置として、次の構成を備えたものを提供する。
即ち、この位置計算装置は、座標入力部と、出力部と、演算部と、判定部と、回帰制御部とを備える。座標入力部は、上記座標値x,yの入力を受け付ける。演算部は、直角座標の座標値xが与えられることにより、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを仮の縮尺係数mtで除した値を、加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとする。
そして、この子午線弧長Wに対応する基準子午線上の緯度、即ち、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度を算出するため、演算部は、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に任意の緯度φjを初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φjまで積分することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj)を算出する。更に、演算部は、基準子午線上の上記緯度φjを与えることによって、式1を計算して基準子午線上の緯度φj+1を漸近値として算出する。
φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2sin2φj3/2/a(1−e2)…式1
判定部は、上記式1にて算出した基準子午線上の上記漸近緯度φj+1と基準子午線上の緯度φjとの差の絶対値と、基準値との比較を行うものである。判定部にて、基準子午線上の、上記漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、回帰制御部は、この漸近緯度φj+1を上記基準子午線上の緯度φj とし、演算部に基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj)を算出させると共に当該子午線弧長S(φj)から上記式1の計算にて再度漸近緯度φj+1を算出させ、判定部に再度上記比較を行わせる。また、判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするのに十分収束したと判定した場合、回帰制御部は、当該漸近緯度φj+1を、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度φk として、仮の縮尺係数mt と、当該垂線緯度φk と、当該垂線緯度φk
における子午線曲率半径Mk 及び卯酉線曲率半径Nk と、e’cos φk にて定まる第1の値ηkと、tan φk にて定まる第2の値tk と、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1を演算部に算出させる。
φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
…式3
回帰制御部は、上記緯度φk+1 を入力座標に対応する緯度φnとして、演算部に、縮尺係数mt+1を算出させ、前記仮の縮尺係数mtに代え当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を行わせる。
ここでいう地球楕円体には、各種の準拠楕円体を含む。
基準子午線とは、当該座標が属する座標系の原点を通る子午線をいう。
また、垂線緯度とは、入力座標から基準子午線に下ろした垂線と、当該基準子午線との交点の緯度をいう。
また、積分には、その近似計算を含む。
上記において、回帰制御部は、演算部に対して直接、計算の指令を下すものに限定するものではなく、間接的に、演算部へ計算を行わせるものも含む。
本願第2の発明は、上記本願第1の発明にあって、次の特徴を備えた位置計算装置を提供する。即ち、上記の仮の縮尺係数mtとは、演算部に、直角座標の座標値yを与えることにより、原点における縮尺係数m0又はその代替値と、当該座標が属する座標系の原点における平均曲率半径R0 とから、式2の計算により、演算部が算出した縮尺係数mtである。
t ={1+(y2 /2m0 20 2)+(y4/24m0 40 4)}×0.9999…式2
上記の原点における平均曲率半径R0 は、当該座標が属する座標系の原点の緯度φ0 又はその代替値と共に、地球楕円体の長半径a及び短半径b、或いは当該半径a,bから導かれる第1離心率e、第2離心率e’を用いて定めたものである。
本願第3の発明は、上記本願第2の発明にあって、次の特徴を備えた位置計算装置を提供する。即ち、上記縮尺係数mt+1は、原点縮尺係数m0に代え上記縮尺係数mtを用い、且つ、原点における平均曲率半径R0 に代え演算部に式3にて算出させた緯度φn における平均曲率半径Rφn を用いて、演算部が、上記式2により算出するものである。
本願第4の発明は、上記本願第1乃至3の何れかの発明にあって、次の特徴を備えた位置計算装置を提供する。即ち、上記にあって、判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合に、回帰制御部は、上記緯度φn に対応する縮尺係数mt+1と上記仮の縮尺係数mtとの差の絶対値と、所定値との比較を、更に判定部にさせ、判定部が当該縮尺係数mt+1と上記仮の縮尺係数mtとの差の絶対値が所定値を超えると判定した場合にのみ、上記の通り、前記の仮の縮尺係数mtに代え、当該縮尺係数mt+1を用いて求めた基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の演算部に計算を行わせるものである。
本願第5の発明は、上記本願第1乃至4の何れかの発明にあって、次の特徴を備えた位置計算装置を提供する。即ち、上記にあって、判定部が、基準子午線上の、緯度φj+1と緯度φjとの差の絶対値が基準値以内と判定した場合、回帰制御部は、垂線緯度φk として上記漸近緯度φj+1を演算部に与えるものであり、演算部は、上記仮の縮尺係数mtと、上記垂線緯度φk における卯酉線曲率半径Nkと、当該垂線緯度φk と第2離心率とによりe’cosφkにて定まる第1の値ηkと、tanφkにて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式4にて、経度差分Δλを算出することが可能であり、
Δλ=(y/mt )/Nk cos φk
−(y/mt3 (1+2tk 2 +ηk 2 )/6Nk 3cosφk
+(y/mt5 (5+28tk 2 +24tk 4)/120Nk 5cosφk …式4
演算部は、当該座標系が属する原点における経度λ0 に対し当該経度差分Δλを加算することにより、上記座標値x,yにおける経度λを算出するものである。
本願第6の発明は、上記本願第1乃至5の何れかの発明にあって、次の特徴を備えた位置計算装置を提供する。即ち、上記にあって、判定部が、基準子午線上の、緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値を基準値以内と判定した場合、回帰制御部は、垂線緯度φk として緯度φj+1を演算部に与えるものであり、演算部は、上記の縮尺係数mt と、当該緯度φk における、子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、当該垂線緯度φk と第2離心率とによりe’cos φk にて定まる第1の値ηkと、tanφkにて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式5にて、座標x,yにおける子午線収差γを算出するものである。
γ=(y/mt )tk /Nk
−(y/mt3k (1+tk 2 −ηk 2)/3Nk 3
+(y/mt5k (2+5tk 2 +3tk 4)/15Nk 5…式5
本願第7の発明は、等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φnを出力することが可能な位置計算プログラムについて、次の特徴を備えたものを提供する。
即ち、この位置計算プログラムは、座標入力部と、出力部と、演算部と、判定部と、回帰制御部とを備えたコンピュータに導入される。このプログラムが導入されたコンピュータは、座標入力部にて、上記座標値x,yの入力を受け付け、演算部に、直角座標の座標値xを与えて、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを仮の縮尺係数mtで除した値を加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとする。
そして、この子午線弧長Wに対応する基準子午線上の緯度、即ち、上記入力座標値から基準子午線上に下ろした垂線の緯度を算出するため、演算部にて、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に任意の緯度φjを初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φj まで積分することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj)を算出し、更に、演算部に、基準子午線上の緯度φj を与えることによって、式1を計算して基準子午線上の漸近緯度φj+1を漸近値として算出させる。
φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2 sin2φj3/2 /a(1−e2 )…式1
そして、判定部に、上記式1にて算出した基準子午線上の漸近緯度φj+1と基準子午線上の緯度φj との差の絶対値と、基準値との比較を行わせる。判定部にて、基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、回帰制御部により、漸近緯度φj+1を上記基準子午線上の緯度φjとし、演算部に基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj)を算出させると共に当該子午線弧長S(φj)から上記の式1の計算にて再度漸近緯度φj+1 を算出させ、判定部に再度上記比較を行わせるものである。また、判定部にて、基準子午線上の漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線とするのに十分収束したと判定した場合、当該漸近緯度φj+1を入力座標からおろした垂線の緯度φk として、回帰制御部により、仮の縮尺係数mt と、当該垂線緯度φkと、当該垂線緯度φk
における子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、e’cosφkにて定まる第1の値ηkと、tanφkにて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1を演算部に算出させる。
φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
…式3
更に、回帰制御部により、上記緯度φk+1 を入力座標に対応する緯度φnとして、演算部に、縮尺係数mt+1を算出させ、前記仮の縮尺係数mtに代え当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を行わせるものである。
本願第8の発明は、上記第7の発明に係る位置計算プログラムの記録媒体を提供する。
本願第9の発明は、等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φnを出力することが可能な位置計算方法について、次の特徴を備えた方法を提供する。
即ち、この方法は、座標入力部と、出力部と、演算部と、判定部と、回帰制御部とを備えたコンピュータを用いるものである。そして、座標入力部にて、上記座標値x,yの入力を受け付ける。演算部に、直角座標の座標値xを与えて、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを仮の縮尺係数mtで除した値を加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとし、演算部にて、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に任意の緯度φjを初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φj まで積分することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj)を算出し、演算部に、基準子午線上の緯度φjを与えることによって、式1を計算して基準子午線上の漸近緯度φj+1 漸近値として算出させる。
φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2 sin2φj3/2 /a(1−e2 )…式1
判定部にて、上記式1にて算出した基準子午線上の漸近緯度φj+1 と基準子午線上の緯度φj との差の絶対値と、基準値との比較を行わせるものである。そして、判定部にて、上記基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、回帰制御部により、漸近緯度φj+1を上記基準子午線上の緯度φj とし、演算部に基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj )を算出させると共に当該子午線弧長S(φj)から上記の式1の計算にて再度漸近緯度φj+1を算出させ、判定部に再度上記比較を行わせる。判定部にて、基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線に下ろした垂線の緯度とするのに十分収束したと判定した場合、回帰制御部は、当該漸近緯度φj+1を、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度φkとして、仮の縮尺係数mt と、上記垂線緯度φkと、当該垂線緯度φkにおける子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、e’cosφkにて定まる第1の値ηkと、tanφkにて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1を演算部に算出させる。
φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
…式3
そして、回帰制御部により、上記緯度φk+1 を入力座標に対応する緯度φnとして、演算部に、縮尺係数mt+1を算出させ、前記仮の縮尺係数mtに代え当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を行わせるものである。
上記本願の各発明は、直角座標上の座標点の入力により、自動的に、少なくとも当該緯度を算出するものであって、当該緯度計算中、必要とする垂線緯度の反復計算(収束)において、緯度に対応して縮尺係数の収束も反映させることが可能な装置・方法・プログラムやその記録媒体を提供し得た。これによって、極めて精度の高い、緯度計算を行うことができる。
即ち、この発明では、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度(垂線緯度)を算出するに当たり、緯度の収束計算に適した式1をイテレーション式として用いて緯度の計算(反復計算)を行い、得た垂線緯度から式3を用いて当該点(入力座標値に対応する)緯度を算出し直すことにより、より精度の高い緯度を得ることができる。更に、このようにして求めた緯度から縮尺係数を算出して当該縮尺係数の収束を加味した後処理を行うことにより、極めて精度の高い当該点の緯度の算出を可能とした。
また、特に、本願第4の発明では、上記の計算を可能としつつも、基準子午線に近い場合など十分に誤差の小さい場合にまで、後処理として、式3を経て得た上記の緯度で算出した縮尺係数による、式1の計算を強要するものではなく、縮尺係数の収束状況で、後処理を行うか否かを決定し、無駄な反復計算を抑制し、迅速に計算を完了する手段を備えた装置を提供し得た。
更に本願第5の発明では、上記の当該点の緯度と共に、経度λを、また本願第6の発明では、子午線収差を、夫々算出し得る位置計算装置を提供した。
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。
1.本願発明に係る計算方法の概要
本願発明は、平面直角座標上の座標x,yから、対応する地球楕円体上の緯度、更には、経度、子午線収差を精度よく算出する位置計算方法を提供するものである。即ち、ガウス・クリューゲルの等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標の座標点の座標値から、当該地球楕円上の対応する点の緯度、経度及び子午線収差を、高精度に算出する方法を提供するものである。
この方法は、垂線緯度の算出のための収束計算において、縮尺係数の収束を加味して、計算結果の精度を向上させたものである。
即ち、この方法は、主工程において、下記の式1にて垂線緯度の反復計算を行い、反復計算後の値から下記の式3を計算して緯度を算出する。そして、式3を経て得た値を用いて下記の式2にて縮尺係数を算出し、算出した縮尺係数から導いた基準子午線上の子午線弧長を用いて再度式1にて垂線緯度の反復計算を、更に、再度の式1による反復計算後の値にて式3の計算を、後処理工程として行うものである。
また、上記後処理工程に先立ち、算出した縮尺係数が収束したかを調べ、その結果当該縮尺係数が収束していた場合、後処理工程を行わずに、計算を終了することもできる。
従って、主工程の処理に続いて後処理工程を行い上記にて算出した縮尺係数を加味した結果を得るものとしてもよく、また、主工程の結果に対して、算出した縮尺係数の収束の判定を行い、当該縮尺係数が収束していない場合にのみ、上記の後処理工程を行うものとしてもよい。
このように、主工程後必ず後処理工程を行う場合も、主工程後の縮尺係数の収束の判定により後処理工程を行う場合も、何れも、垂線緯度の収束計算において、縮尺係数の収束を加味したものとなり、緯度の計算結果について必要な精度を確保することができる。尚、縮尺係数の収束を調べて後処理工程を行うか否かの判断を行う場合、無駄な反復計算(後処理工程)を行う必要がない。例えば、基準子午線付近では、主工程のみにて緯度及び経度の十分な精度を確保している場合がある。このような場合にまで後処理工程を行う必要がないからである。
但し、近年のコンピュータの性能の向上により、主工程後、必ず後処理工程を行うものとしても、実用上、計算に要する時間の増加や、ハードウエアの負荷による問題はない。
また、後処理工程は、1回に限らない。更に、上記と同様、後処理工程を行う毎に縮尺係数の収束の判定を行い、その結果により更に後処理工程を行うか否か判断するものとしても実施可能である。
以下、主工程後の縮尺係数の収束の判定により後処理工程を行うものについてその概要を説明する。
この位置計算方法は、上記座標値x,yの入力を受け付ける。そして当該座標値xが与えられることにより、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを0以外の仮の縮尺係数mtで除した値を、加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとする。また、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に任意の数値(緯度φj)を初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φj まで積分(近似計算)することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj )を算出する。そして、基準子午線上の上記漸近緯度φjから、式1を計算して基準子午線上の緯度φj+1を漸近値(漸近緯度φj+1)として算出する。
φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2sin2φj3/2/a(1−e2)…式1
上記式1にて算出した基準子午線上の緯度φj+1と基準子午線上の緯度φjとの差の絶対値と、基準値との比較を行い、上記基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φjとの差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、この漸近緯度φj+1を上記基準子午線上の緯度φjとし、基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj)を算出すると共に当該子午線弧長S(φj)から上記式1の計算にて再度漸近緯度φj+1を算出し、再度上記比較を行う。その結果、基準子午線上の、漸近緯度φj+1と緯度φjとの差の絶対値が基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1(以下必要に応じて最近似垂線緯度と呼ぶ。)を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線とするのに十分収束したと判定した場合、当該漸近緯度φj+1を、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度φkとして、仮の縮尺係数mtと、当該垂線緯度φkと、当該垂線緯度φk における子午線曲率半径Mk 及び卯酉線曲率半径Nk と、e’cosφkにて定まる第1の値ηkと、tanφk にて定まる第2の値tk と、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1を算出する。
φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
…式3
上記にて求めた緯度φk+1 を、当該(入力座標値に対応する)緯度φnとして縮尺係数mt+1を算出し、縮尺係数mt+1と上記仮の縮尺係数mtとの差の絶対値と、所定値との比較を行い(以上主工程)、当該縮尺係数mt+1と上記仮の縮尺係数mtとの差の絶対値が所定値を超えると判定した場合に、当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算をやり直す(後処理工程)。
その結果得られた緯度を計算結果として出力する。また、緯度の計算の過程にて、経度及び子午線収差を計算する。
上記の式1をイテレーション式(反復式)として行う反復計算は、図3に示す平面座標において、基準子午線(X軸)上の漸近緯度φj+1 を、入力座標点(x,y)から基準子午線(X軸)に下ろした垂線hと、基準子午線(X軸)との交点Gに近似させる(近づける)計算である。基準子午線上において縮尺係数は0.9999である。式1による反復計算により、漸近緯度φj+1を上記交点Gと取り扱うに十分近接した場合、当該漸近緯度φj+1 を最近似垂線緯度とし、式3の計算により、座標値(x,y)に対応する緯度φk+1を算出するのである。
また、上記の仮の縮尺係数とは、上記直角座標の座標値yと、原点における縮尺係数m0 又はその代替値と、当該座標が属する座標系の原点における平均曲率半径R0とから、式2の計算により、算出した縮尺係数mt である。
t ={1+(y2 /2m0 20 2)+(y4/24m0 40 4)}×0.9999…式2
上記の原点における平均曲率半径R0 は、当該座標が属する座標系の原点の緯度φ0 又はその代替値と共に、地球楕円体の長半径a及び短半径b、或いは当該半径a,bから導かれる第1離心率e、第2離心率e’を用いて定めたものである。
上記の仮の縮尺係数には、式2にて算出するものに限定するものではなく、0以外の任意の数値を採用することが可能である。但し、無駄な後処理工程を減ずる観点から、上記式2を用いて算出したものを採用するのが好ましい。
また上記において、式2を用いる場合も、原点における縮尺係数m0の代替値として0以外の任意の数値を用いることが可能であるが、上記と同様の観点から、このような代替値ではなく、当該原点における縮尺係数m0を用いて計算を行うのが好ましい。
また、上記の上記縮尺係数mt+1は、原点縮尺係数m0に代え上記縮尺係数mtを用い、且つ、原点における平均曲率半径R0に代え式3にて算出した緯度φn における平均曲率半径Rφn(後述のRk2)を用いて、上記式2により算出するものである(言い換えると、式2において、mtをm0に代入し、Rφn をR0に代入して計算する)。
上記の通り、主工程は、式1にて垂線緯度を反復収束計算させ、その後式3、式4(式19)、式5、及び式2を経ることにより、緯度、経度、子午線収差角及び縮尺係数を算出する工程である。垂線緯度の反復収束計算は、上記の式1にて、他の値は変更せずに、漸近緯度φj+1を緯度φjとし直して新たに漸近緯度φj+1を求め、当該計算を|φj+1−φj|が収束するまで行う。)。そして、主工程で|φj+1−φj|が収束した際、即ち当該漸近緯度φj+1が最近似垂線緯度となった際、漸近緯度φj+1を垂線緯度φk として用い、式3を計算する。式3の計算にて得られた値を緯度φk+1をφn として、上記の通り当該緯度φn における平均曲率半径から縮尺係数mt+1を求める。
上記にて算出した縮尺係数mt+1と、それまで各値を算出するのに用いた縮尺係数mtとについて、|mt+1−mt |が収束しているか判定する。その結果、収束していれば、計算を終了し、式3、式4(式19)、式5及び式2を経て得た上記の緯度φn、経度λ、子午線収差角γ、及び縮尺係数mt+1を、目的の数値として出力する。
上記において|mt+1−mt |が収束していないと判定した場合、後処理工程を行う。後処理工程において、上記主工程で得た縮尺係数mt+1を用い、他の値は、(主工程で用いたものと)変更することなく、主工程と同様の処理を行う。当該後処理工程において|mt+1−mt |が収束していなかった場合、当該後処理工程で得た縮尺係数mt+1を用いて、更なる後処理工程を行う。
要するに、式2において、上記縮尺係数mtを原点縮尺係数m0の代わりに用いて、式3にて計算した緯度φnにおける平均曲率半径Rφn(後述のRk2)を原点における平均曲率半径R0の代わりに用いることにより、当該点の縮尺係数を算出する。
これを反復させると、当該点の縮尺係数は収束する性質を持ち、完全に収束した場合の縮尺係数は、当該点(入力座標)における縮尺係数である。
2.本願発明に係る装置の概要とその構成
図1は、この装置の説明図である。図2は、その処理のフローを示す説明図である。
2−1)位置計算装置の概要
この装置は、オペレータから平面直角座標上の座標値x,yの入力を受付け、自動的に(出力まで人手を要することなく専ら装置のみにて)計算を行い、対応する地球楕円体(準拠楕円体を指す。ここではWGS84楕円体を採用する。但し、ベッセル、GRS80等の他の楕円体を採用しても実施可能である。)上の緯度及び経度を出力するものである。
2−2)ハードウエア構成
この位置計算装置は、位置計算プログラムをコンピュータへ導入することにより、構築される。このコンピュータは、入力装置と、演算装置と、制御装置と、記憶装置(内部記憶装置及び外部記憶装置)とを備えた一般的なPC(パーソナルコンピュータ)やWS(ワークステーション)を採用して実施することができる。即ち、キーボード、マウスに代表される入力装置、ディスプレイやプリンタに代表される出力装置、CPU(中央上方処理装置)に代表されるされる演算装置や制御装置(演算制御装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)に代表される内部記憶装置、ハードディスクやフレキシブルディスクその他の磁気ディスク或いは光学ディスクに代表される外部記憶装置を備えた一般的なコンピュータを採用して実施することができる。
2−3)ソフトウエア
上記の位置計算プログラムは、コンピュータの資源を全て占有する専用のソフトウエアであっても実施可能であるが、MS−DOS(登録商標)、Windows(登録商標)やUNIX(登録商標)に代表される周知のOS(オペレーティングシステム)上で動作するものとしても実施可能である。
また、位置計算プログラムは、インタプリンタ型のものであっても、アセンブラやコンパイラを使用して生成されたものであっても何れでもよい。
この実施の形態において、位置計算プログラムは、OSが導入されたコンピュータ上に、導入されて位置計算装置を実現する。以下、OSと、位置計算プログラムとを位置計算ソフトウエアと呼ぶ(必要に応じて単にソフトと呼ぶ)。
2−4)計算装置の構成
この実施の形態に示す位置計算装置は、等角投影法により地球楕円体(準拠楕円体)を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φn、経度λ、子午線収差γを出力するものである。
図1に示す通り、この装置は、データ置部10を有する座標入力部1と、出力部2と、定数設定部31と、初期値設定部32と、条件設定部33と、第1仮緯度収容部41と、第2仮緯度収容部42と、第1仮縮尺係数収容部51と、第2仮縮尺係数収容部52と、第1〜第7の7つの演算部61,62,63,64,65,66,67を有する演算部6と、演算制御部7と、主判定部81及び副判定部82を有する判定部8と、回帰制御部9とを備える。
この実施の形態において、座標入力部1は、入力されたデータを一時的に保持するデータ置部10を備える。また、定数設定部31は、算出値置部30を備える。
座標入力部1は、上記ソフトと、コンピュータが有する、上記の入力装置と、演算制御装置とにて構築される。出力部2は、上記ソフトと、コンピュータが有する上記出力装置と、演算制御装置とにて構築される。
定数設定部31、初期値設定部32及び条件設定部33の夫々は、上記ソフトと、コンピュータが有する、上記の演算制御装置、内部記憶装置及び外部記憶装置とにて構築される。
第1仮緯度収容部41、第2仮緯度収容部42、第1仮縮尺係数収容部51及び第2仮縮尺係数収容部52は、夫々、上記ソフトと、コンピュータが有する、上記の演算制御装置と、内部記憶装置とにて構築される。
第1〜第7の7つの演算部61,62,63,64,65,66,67と、演算制御部7と、主判定部81と、副判定部82と、回帰制御部9とは、夫々、上記ソフトと、コンピュータが有する、上記の演算制御装置と、内部記憶装置とにて構築される。
2−5)計算装置の構成の詳細
上記の座標入力部1は、オペレータからの上記座標値x,yの入力を受け付け。データ置部10に収容する。
定数設定部31は、上記地球楕円体の、長半径a、短半径b、第1離心率e、第2離心率e’の夫々、又はこれらに準じた値と、上記の座標x,yが属する座標系の原点の、緯度φ0又はその代替値、経度λ0の夫々と、当該原点における縮尺係数m0又はその代替値と、後述する定数A〜Fとが、既知の数値として設定されている。
ここで設定とは、この装置を用いた位置計算の度にオペレータがこれらの値(定数)を上記入力装置を通じて入力するもの、オペレータが予め外部記憶装置にこれらの値(定数)を収容しておくもの、位置計算プログラムの一部としてプログラムが備えプログラムの導入によって自動的に外部記憶装置に収容されるものの何れも含む。
ここでは、必要な定数は、プログラムに含まれるものとして外部記憶装置に導入され、導入後オペレータによってコンピュータが備える上記入力装置を通じて、書き換え可能とする(書き換えられるのは、主として、上記の、原点の緯度φ0又はその代替値と、経度λ0と、原点の縮尺係数m0又はその代替値である)。
定数設定部31は、算出値置部30を備える。算出値置部30は、演算部6が算出した値を収容する。
演算部6について説明する。尚、ここでは(この2−5)の説明では)、演算部6を構成する第1〜第7の演算部61〜67夫々について、他の演算部との関係を無視し(演算部61〜67間のデータの流れについては無視し)、個々の演算部の内容を中心に説明する。従って、この2−5)において、演算部夫々の説明に用いる記号は、特に断りがない限り、他の演算部で用いるものと独立したものとする(他の演算部が、同じ記号で表された定数やパラメータを使うものであっても、特に断りがない限り、当該記号が示す数値は別のものである)。
夫々の演算にて、処理される加減乗除及び、正弦、余弦、正接は、周知の方法によって、コンピュータを用いたソフトウエアによる情報処理(数値計算)にて行われる(近似計算も含む)。
第1演算部61は、少なくとも次の4つの演算1)〜4)を行うことが可能である。
演算1)
c=a2 /b=a/(1−e21/2 =a(1+e'21/2
…式6
を、地球楕円体の長半径a、地球楕円体の短半径b、地球楕円体の第1離心率e、地球楕円体の第2離心率e’の各値から計算し、地球楕円体の極の曲率半径cを求めること。尚、上記第1及び第2の離心率は、地球楕円体の長半径aと短半径bとから算定することができる。また、この地球楕円体の極の曲率半径cは、定数として算出によらずに、定数設定部31が保持するものとしてもよい。
演算2)
V=(1+e'2cos2φ)1/2 …式7
上記式7を、緯度φと第2離心率e’の各値から計算し、Vを求めること。
演算3)
R=c/V2 …式8
上記式8を、地球楕円体の極の曲率半径cと、上記Vの値とから計算し、緯度φにおける平均曲率半径を求めること。
演算4)
n+1 =(1+y2 /2mn 22 +y4/24mn 44)×0.9999
…式9
上記式9を、平面直角座標上の座標値x,yのyの値と、仮の縮尺係数mn とから計算し、縮尺係数mn+1 を求めること。
この演算4)は、特許請求の範囲に示す式2を処理する機能である(式9の縮尺係数mn を原点縮尺係数m0 とし、平均曲率半径Rを原点における平均曲率半径R0としたものが、請求項2に示す式2である)。
第2演算部62は、次の演算5)を行うことが可能である。
演算5)
W=a(1−e2 )・{A・φ−(B/2)・(sin 2φ)
+(C/4)・(sin 4φ)−(D/6)・(sin 6φ)
+(E/8)・(sin 8φ)−(F/10)・(sin 10φ)}
+x/m …式10
上記式10を、第2演算部62は、地球楕円体の長半径aの値と、定数A〜Fの各値と、緯度φの値と、平面直角座標上の座標値x,yのxの値と、0以外の任意の実数mとから計算し、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wを求めること。尚、各定数A〜Fは、第1離心率eによって定まるものである(後述のステップ107参照)。
第3演算部63は、次の演算6)を行うことが可能である。
演算6)
S (φ )=a(1−e2 )・{A・φ−(B/2)・(sin 2φ)
+(C/4)・(sin 4φ)−(D/6)・(sin 6φ)
+(E/8)・(sin 8φ)−(F/10)・(sin10 φ)}
…式11
上記の式11を、地球楕円体の長半径aと、第1離心率eと、上記の各定数A〜Fと、緯度φとから計算し、赤道から緯度φまでの子午線弧長S (φ )を求めること。
第4演算部64は、次の演算7)を行うことが可能である。
演算7)
φn+1 =φn
+(W−S (φn ) )(1−e2 sin2φn3/2/a(1−e2
…式12
上記式12を、仮の垂線緯度φn と、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wと、仮の垂線緯度φn における赤道からの子午線弧長S (φn )と、地球楕円体の長半径aと、第1離心率eの、各値から計算し垂線緯度φn+1を求めること。
この式12は、特許請求の範囲に示す式1と対応する。
第5演算部65は、次の5つの演算8)〜12)を行うことが可能である。
演算8)
t=tan φ …式13
上記式13を、与えられた緯度φ値から、計算し、tを求めること。
演算9)
η=e’cos φ …式14
上記式14を、地球楕円体の第2離心率e’と、緯度φの、夫々の値から、計算し、ηを求めること。
演算10)
M=c/ 3 …式15
上記式15を、地球楕円体の極の曲率半径cの値と、緯度φにて定まるVの値とから計算し、当該緯度φについての子午線曲率半径Mを求めること。
演算11)
N=c/V …式16
上記式16を、地球楕円体の極の曲率半径cの値と、緯度φにて定まるVの値とから計算し、当該緯度φについての卯酉線曲率半径Nを求めること。
演算12)
φn+1 =φn −tn (y/mt2 /2Mnn+tn(y/mt4(5+3tn 2+ηn 2−9tn 2ηn 2−4ηn 4)/24Mnn 3−tn(y/mt6(61+90tn 2+45tn 4)/720Mnn 5
…式17
上記式17を、平面直角座標上の座標値x,yのyの値、最近似垂線緯度φn、縮尺係数mt 、最近似垂線緯度φnについてのtn、最近似垂線緯度φnについてのηn、最近似垂線緯度φnについての子午線曲率半径Mn、及び、最近似垂線緯度φnについての卯酉線曲率半径Nnの、夫々の値から計算し、当該緯度φn+1を求めること。
この式17は、特許請求の範囲に示す式3に対応する。
第6演算部66は、次の2つの演算13)及び14)を行うことが可能である。
演算13)
Δλ=(y/mt )/Nn cos φn
−(y/mt3 (1+2tn 2 +ηn 2)/6Nn 3cosφn
+(y/mt5(5+28tn 2 +24tn 4)/120Nn 5cosφn
…式18
上記式18を、平面直角座標上の座標値x,yのyの値、最近似垂線緯度φn 、縮尺係数mt 、最近似垂線緯度φnについてのtn、最近似垂線緯度φnについてのηn、及び、最近似垂線緯度φnについての卯酉線曲率半径Nnの、夫々の値から計算し、経度差分Δλを求めること。
この式18は、特許請求の範囲(請求項4)の式4に対応する。
演算14)
λ=λ0 +Δλ …式19
上記式19を、平面直角座標上の座標値x,yの属する原点の経度λ0 と、経度差分の夫々の値とから、計算し、経度λを求めること。
第7演算部67は、次の演算15)を行うことが可能である。
演算15)
γ=(y/mt )/Nn
−(y/mt3n (1+tn 2 −ηn 2)/3Nn 3
+(y/mt5n (2+5tn 2 +3tn 4)/15Nn 5
…式20
上記式20を、平面直角座標上の座標値x,yのyの値、縮尺係数mt 、最近似垂線緯度φn についてのtn、最近似垂線緯度φnについてのηn、及び、最近似垂線緯度φnについての卯酉線曲率半径Nnの、夫々の値から計算し、子午線収差γを求めること。
この式20は、特許請求の範囲(請求項5)の式5に対応する。
演算制御部7は、演算部6の各演算部61〜67へ演算の指令を行う。各演算部61〜67から、演算及び演算に必要な数値の所在(置き場)の指令を受けて、演算制御部7の指令の順に各演算部61〜67は、指令された演算を行う。
また、演算制御部7は、演算部61〜67の演算の結果得た緯度及び縮尺係数の収束状況について、判定部8に判定を行わせる。
判定部8は、垂線緯度の収束状態の判定を行う主判定部81と、縮尺係数の判定状態の判定を行う副判定部82とを備える。
回帰制御部9は、判定部8の判定を受けて、演算制御部7に、判定に対応した指示を行う。当該指示に従って、演算制御部7は、各演算部61〜67に指令を出す。即ち、回帰演算部9は、判定部8による判定の結果に従って、演算制御部7を通じて、各演算部61〜67を制御する。
初期値設定部32は、(演算部6が行う)垂線緯度計算の初期値を決定するための数値(以下、必要に応じて初期値決定用助数と呼ぶ。)が設定され、当該数値を保持する。
条件設定部33は、判定部8の判定(比較)に必要な基準値が設定され、設定された基準値を保持する。
第1仮緯度収容部41は、演算部6が算出した緯度の値を収容する。第1仮緯度収容部41は、新たに演算部6が算出した緯度の値を受け取ることにより、それまで収容していた緯度の値を、第2仮緯度収容部42へ渡し、それまで収容した緯度の値を新たに受け取った緯度の値に書き換えて、新たな緯度の値を収容する。
第2仮緯度収容部42は、第1仮緯度収容部41から、第1仮緯度収容部41が収容していた緯度の値を受け取り、当該緯度の値を収容する。第2仮緯度収容部42は、更に第1仮緯度収容部41から緯度の値を受け取ることにより、それまで収容していた緯度の値を受け取った後の緯度の値に書き換えて、当該後の緯度の値を収容する。
第1仮縮尺係数収容部51は、演算部6が算出した縮尺係数の値を収容する。第1仮縮尺係数収容部51は、新たに演算部6が算出した縮尺係数の値を受け取ることにより、それまで収容していた縮尺係数の値を、第2仮縮尺係数収容部52へ渡し、それまで収容した縮尺係数の値を新たに受け取った縮尺係数の値に書き換えて、新たな縮尺係数の値を収容する。
第2仮縮尺係数収容部52は、第1仮縮尺係数収容部51から、第1仮縮尺係数収容部51が収容していた縮尺係数の値を受け取り、当該縮尺係数の値を収容する。第2仮緯度収容部42は、更に第1仮縮尺係数収容部51から縮尺係数の値を受け取ることにより、それまで収容していた縮尺係数の値を受け取った後の縮尺係数の値に書き換えて、当該後の縮尺係数の値を収容する。
出力部2は、演算制御部7と回帰演算部9の指令を受けて、演算部6の演算結果を出力する。
3.計算の手順
以下、この装置を利用した緯度・経度・子午線収差の算出の流れについて、図2を用いて、説明する。
この計算方法は、主工程100を遂行し、更に縮尺係数の収束状況の判定結果により後処理工程を遂行するものである。
また、上記の主工程100の遂行に先立ち、事前に、前処理工程を行っておく。
3−0)前処理工程
前処理工程は、オペレータにより、位置計算前に行われる種々の設定工程である。
詳しくは、前処理工程において、オペレータにより、初期値設定部32にて緯度計算の初期値を決定するための数値(初期値決定用助数)が設定される。このような助数として、1”(1秒)をrad(ラジアン)に換算した値である
1/206265が、条件設定部33において設定される。但しこのような数値は変更可能である。
又、前処理工程において、オペレータにより、条件設定部33に、垂線緯度の収束条件IPS(しきい値)が設定される。
この収束条件IPSは、計算の精度を確保する上で重要である。即ち、演算部における各式にて的確な計算がなされても、収束条件IPSが広いと、十分な精度を確保するのが困難になるからである。
ここでは、収束条件IPSは、2”× 10-5/206265rad と設定する。
更に、前処理工程において、オペレータにより、初期値設定部32にて、縮尺係数の収束条件IPS2が設定される。ここでは、IPS2は、座標値の有効数字(最大9桁)を考慮して、4×10-12と設定してある。
但し、各収束条件IPS、IPS2の各数値は、上記の値に限定するものではなく、変更可能である。
主工程100以降の工程は、オペレータから座標値x,yを受け付けたこの位置計算装置が、位置計算を実際に行う工程である。
主工程は、次のステップ101〜125を順次遂行する。
3−1)ステップ101(座標値受付工程)
オペレータは、座標入力部1により、直角座標の座標値x,y、及び当該座標値が属する座標系Zを入力する。座標系Zの入力については、日本に設定されている19の座標系のうち何れに属するかを特定するものである。
上記の入力作業は、オペレータが行う(これ以降の他の作業は、位置計算装置が行う。尚、この実施の形態において、後述する初期値設定部32の設定、及び定数設定部31内の各代替値の設定は、位置計算前に、オペレータにより行われる)。
座標入力部1は、入力された座標値x,yを、データ置部10に収容し、演算制御部7に座標値の入力があったことを通知する。
演算制御部7は、上記通知を受けて、第1演算部61に、定数設定部31を参照させる。即ち、定数設定部31は、各座標系の原点の緯度及び経度の数値を保持しており、第1演算部61は、入力された(座標値x,yが属する)座標系Zの、原点の緯度φ0
及び経度λ0 を特定する。これにて、以下、各演算部が定数設定部31にて参照する原点の緯度φ0 及び経度λ0は、確定する。
3−2)ステップ102(極の曲率半径計算工程)
このステップ102において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31を参照させて、定数設定部31が保持している、地球楕円体の長半径aと短半径bから、或いは、地球楕円体の長半径aと第1離心率eから、或いは、地球楕円体の長半径aと第2離心率e’から、下記の計算1を行わせ、地球楕円体の極の曲率半径cを算出させる。第1演算部61は、算出した極の曲率半径cを、算出値置部30に収容する。
c=a2 /b=a/(1−e21/2 =a(1+e'21/2
…計算1
計算1は、第1演算部61の演算1)の式6の計算機能にて実行される。
3−3)ステップ103(V0 計算工程)
ステップ103において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31を参照させて、第2離心率e’と当該座標が属する原点の緯度φ0 (以下単に原点緯度φ0
と呼ぶ。)とから、計算2を行わせ、V0 を算出させる。第1演算部61は、算出したVφ0 を、算出値置部30に収容する。
0 =(1+e'2cos2φ01/2 …計算2
計算2は、第1演算部61の演算2)の式7の計算機能にて実行される。
3−4)ステップ104(原点の平均曲率半径計算工程)
ステップ104において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31(の算出値置部30)を参照させて、極の曲率半径cとV0 の値とから、計算3を行わせ、当該座標系原点の平均曲率半径R0
を算出させる。第1演算部61は、算出した平均曲率半径R0 を算出値置部30に収容する。
0 =c/V0 2…計算3
計算3は、第1演算部61の演算3)の式8の計算機能にて実行される。
3−5)ステップ105(縮尺係数計算工程)
ステップ105において、演算制御部7は、定数設定部31の原点における縮尺係数m0 (以下原点縮尺係数m0 と呼ぶ。)を、第1仮縮尺係数収容部51に収容させる(定数設定部31の上記原点縮尺係数m0
を第1仮縮尺係数収容部51へコピーする)。この原点縮尺係数m0 は、0.9999という数値を採る。
そして、演算制御部7は、第1演算部61に、座標入力部1のデータ置部10及び定数設定部31(又は第1仮縮尺係数収容部51)を参照させて、入力された座標値yの値と、原点縮尺係数m0
と、上記平均曲率半径R0 とから、計算4を行わせ、縮尺係数mt を算出させる。
t =(1+y2 /2m0 20 2+y4/24m0 40 4)×0.9999…計算4
(右辺の0.9999は、数値として原点縮尺係数m0 と同じであるが、これは基準子午線上の縮尺係数を0.9999とするための一定の縮尺係数である。)
計算4は、第1演算部61の演算4)の式9の計算機能にて実行される。
第1演算部61は、算出した縮尺係数mt を第1仮縮尺係数収容部51に収容する。第1仮縮尺係数収容部51は、収容していた原点縮尺係数m0を第2仮縮尺係数収容部52へ渡し、原点縮尺係数m0に代え上記の通り上記縮尺係数mtを収容する。
3−6)ステップ106(垂線緯度の初期値設定工程)
ステップ106において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31と、初期値設定部32とを参照させて、原点緯度φ0 から助数を減じた値、即ち、原点緯度φ0
− 1/206265を計算させる。第1演算部61は、算出した値を緯度φj として、第1仮緯度収容部41に収容する。
3−7)ステップ107(赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長計算工程)
このステップ107において、演算制御部7は、第2演算部62に、定数設定部31と、座標入力部1のデータ置部10と、第1仮縮尺係数収容部51とを参照させて、長半径aと、第1離心率eと、原点緯度φ0
と、座標値xと、縮尺係数mt とから、計算5をさせ、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとして算出させる。
W=a(1−e2 )・{A・φ0 −(B/2)・(sin 2φ0
+(C/4)・(sin 4φ0 )−(D/6)・(sin 6φ0
+(E/8)・(sin 8φ0 )−(F/10)・(sin10 φ0 )}
+x/mt …計算5
計算5の、A〜Fは、次の通りである。
A=1+(3/4)e2 +(45/64)e4 +(175 /256 )e6
+(11025 /16384 )e8 +(43659 /65536 )e10
B= (3/4)e2 +(15/16)e4 +(525 /512 )e6
+(2205/2048)e8 +(72765 /65536 )e10
C= (15/64)e4 +(105 /256 )e6
+(2205/4096)e8 +(10395 /16384 )e10
D= (35/512 )e6
+(315 /2048)e8 +(31185 /131072)e10
E= (315 /16384 )e8 +(3465/65536 )e10
F= (693 /131072)e10
計算5は、第2演算部62の演算5)の式10の計算機能にて実行される。
前述の通り、この定数A〜Fは、定数設定部31に予め収容されており、第2演算部62や他の演算部が参照して利用する。
ここで、計算5の右辺のx/mt 以外の部分が、地球楕円体の赤道から座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長を示している。また、この縮尺係数mt
は、特許請求の範囲でいう、仮の縮尺係数である。
第2演算部62は、算出した、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wを定数設定部31の算出値置部30に収容する。
3−8)ステップ108(緯度に対する赤道からの子午線弧長算出工程)
このステップ108において、演算制御部7は、第3演算部63に、定数設定部31と、第1仮緯度収容部41とを参照させ、長半径a、第1離心率e、定数A〜Fと、緯度φjとから、計算6を行わせ、緯度φj
に対する赤道からの子午線弧長S (φj ) を算出させる。
S (φj ) =a(1−e2 )・{A・φj −(B/2)・(sin 2φj
+(C/4)・(sin 4φj )−(D/6)・(sin 6φj
+(E/8)・(sin 8φj )−(F/10)・(sin10 φj )}
…計算6
即ち、このステップ108は、子午線曲率半径Mを以って赤道から垂線緯度φj まで積分するステップであり、上記の通り計算6は、第3演算部63にて当該積分の近似計算である(ここでいう積分とは、当該近似計算を指している)。
計算6は、第3演算部63の演算6)の式11の計算機能にて実行される。
第3演算部63は、上記にて算出した子午線弧長S (φj ) を、上記算出値置部30に収容する。
3−9)ステップ109(初期の垂線緯度の収束計算工程)
ステップ109において、演算制御部7は、第4演算部64に、定数設定部31と、第1仮緯度収容部41とを参照させ、緯度φj 、長半径a、第1離心率e、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長W、子午線弧長S
j )とから、計算7を行わせ、垂線緯度φj+1 を算出させる。
φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2 sin2φj3/2/a(1−e2) …計算7
計算7は、第4演算部64の演算7)の式12の計算機能にて実行される。
第4演算部64は、算出した緯度φj+1 を、第1仮緯度収容部41へ収容する。第4演算部64から上記の緯度φj+1
を受けた第1仮緯度収容部41は、収容していた緯度φj を第2仮緯度収容部42へ渡し、緯度φj に代え上記緯度φj+1
の値を収容する。
3−10)ステップ110(垂線緯度の収束判定工程)
ステップ110において、判定部8の主判定部81は、第1仮緯度収容部41と第2仮緯度収容部42と条件設定部33とを参照し、緯度φj+1 と緯度φj
の差の絶対値即ち、|φj+1−φj|と、緯度の収束条件IPS(しきい値)とを比較する。そして、|φj+1−φj|>IPSと判定した場合、判定部8(主判定部81)が、その結果を回帰制御部9に通知する。
この通知を受けた回帰制御部9は、第1仮緯度収容部41の緯度φj+1 の値を緯度φj の値として(第1仮緯度収容部41の緯度φj+1
を緯度φj に書き換えて)、装置の処理を再びステップ108に移す。そして、回帰制御部9は、ステップ108からステップ110を、判定部8(主判定部81)が|φj+1−φj|≦IPSと判定するまで繰り返させる(垂線緯度の反復計算をさせる)。この反復計算において、垂線緯度φj+1
を垂線緯度φj に置き換える(書き換える)のみであり、演算部6(の各演算部)が参照する他の数値を変更しない(当該他の数値については、当初の値を用いて最初から計算される)。
以上により、ステップ110において、判定部8(の主判定部81)は、|φj+1−φj|≦IPSと判定した場合、その結果を回帰制御部9に通知する。
回帰制御部9は、当該収束の通知を受けて、次のステップ111へ処理を移行させる。即ち、回帰制御部9は、演算制御部7に次のステップ111の処理を行わせる。
3−11)ステップ111(Vk 計算工程)
ステップ111において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31と、第1仮緯度収容部41とを参照させて、第2離心率e’と垂線緯度φj+1
とから、計算8を行わせ、Vk を算出させる。尚、説明の便宜上、この垂線緯度φj+1 を緯度φk
として説明する。
k =(1+e'2cos2φk1/2 …計算8
計算8は、第1演算部61の演算2)の式7の計算機能にて実行される。
第1演算部61は、算出したVk を、算出値置部30に収容する。
3−12)ステップ112(第2の値計算工程)
ステップ112において、演算制御部7は、第5演算部65に、第1仮緯度収容部41を参照させ、緯度φk の値を用いて(即ち、緯度φj+1
の値を緯度φk の値として用いて)、計算9を行わせ、tk (説明の便宜上第2の値tk と呼ぶ。)を算出させる。
k =tan φk …計算9
計算9は、第5演算部65の演算8)の式13の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した第2の値tk を、算出値置部30へ収容する。
3−13)ステップ113(第1の値計算工程)
ステップ113において、演算制御部7は、第5演算部65に、定数設定部31と第1仮緯度収容部41を参照させ、第2離心率e’と共に、緯度φk
の値を用いて、計算10を行わせ、ηk (説明の便宜上第1の値ηk と呼ぶ。)を算出させる。
ηk =e’cos φk …計算10
計算10は第5演算部65の演算9)の式14の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した第1の値ηk を、算出値置部30へ収容する。
3−14)ステップ114(子午線曲率半径の計算工程)
ステップ114において、演算制御部7は、第5演算部65に、定数設定部31を参照させ、極の曲率半径cとVk とから、計算11にて、緯度φk
における子午線曲率半径Mk を算出させる。
k =c/Vk 3 …計算11
計算11は、第5演算部65の演算10)の式15の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した子午線曲率半径Mk の値を、算出値置部30へ収容する。
3−15)ステップ115(卯酉線曲率半径の計算工程)
ステップ115において、演算制御部7は、第5演算部65に、定数設定部31を参照させ、極の曲率半径cとVk とから、計算12にて、緯度φk
における卯酉線曲率半径Nk を算出させる。
k =c/Vk …計算12
計算12は、第5演算部65の演算11)の式16の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した卯酉線曲率半径Nk の値を、算出値置部30へ収容する。
3−16)ステップ116(入力座標に対応する緯度の計算工程)
ステップ116において、回帰制御部9は、演算部制御部7を通じて、第5演算部65に、緯度φk を与え、計算13を行わせる。具体的には、演算制御部7は、回帰制御部9からの指令を受けて、第5演算部65に、座標入力部1のデータ置部10、第1仮緯度収容部41、第1仮縮尺収容部51及び定数設定部31を参照させて、上記にて、第4演算部64に算出させた最近似垂線緯度φk
と、当該点の縮尺係数mt と、最近似垂線緯度φk における子午線曲率半径Mk 及び卯酉線曲率半径Nk
と、e’cos φk にて定まる第1の値ηk と、tan φk にて定まる第2の値tk
と、上記座標値yとから、計算13の計算にて、緯度φk+1 を計算させる。
φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
…計算13
計算13は、第5演算部65の演算12)の式17の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した緯度φk+1 を、当該点(入力座標点)の緯度φn として、第1仮緯度収容部41へ、それまで第1仮緯度収容部41に収容されていた値と置き換えて収容する。このとき、第1仮緯度収容部41は、それまで保持していた緯度φk
の値を第2仮緯度収容部42へ渡す。
3−17)ステップ117(経度差分計算工程)
このステップ117は、上記のステップ116と平行として行われる。即ち、ステップ117は、ステップ116で得られた結果(緯度φk+1 )を用いるのではなく、ステップ116の処理に用いたデータを用いて、実行される。
ステップ117において、演算制御部7は、第6演算部66に、座標入力部1のデータ置部10、第1仮縮尺係数収容部51及び算出値置部30を参照させて、最近似垂線緯度φk
(ステップ111に至るまでの一連の処理で得られた緯度、即ちステップ111〜116の処理のために用いた緯度φk )と、当該点の縮尺係数mt
と、最近似垂線緯度φk における子午線曲率半径Mk (ステップ114の結果)及び卯酉線曲率半径Nk
(ステップ115の結果)と、e’cos φk にて定まる第1の値ηk (ステップ113の結果)と、tan φk
にて定まる第2の値tk (ステップ112の結果)と、上記座標値yとから、計算14を行わせ、経度差分Δλを算出させる。
Δλ=(y/mt )/Nk cos φk
−(y/mt3 (1+2tk 2 +ηk 2 )/6Nk 3cosφk
+(y/mt5 (5+28tk 2 +24tk 4)/120Nk 5cosφk …計算14
第6演算部66は、算出した経度差分Δλを、定数設定部31の算出値置部30に、収容する。
3−18)ステップ118(経度計算工程)
このステップ118と当該ステップ118に続くステップ119は、ステップ117と同様、上記のステップ116と平行として行われる。
ステップ118において、演算制御部7は、第6演算部66に、定数設定部31を参照させて、原点経度λ0 と経度差分Δλの和の計算を即ち、計算15をさせて、経度λを算出させる。
第6演算部66は、算出した経度λの値を算出値置部30に収容する。
λ=λ0 +Δλ …計算15
計算15は、第6演算部66の演算14)の式19の計算機能にて実行される。
3−19)ステップ119(子午線収差の計算工程)
このステップ119は、上記の通り、ステップ118に続く工程であり、ステップ116と平行して行われる。即ち、ステップ116で得られた結果(緯度φk+1
)を用いるのではなく、ステップ116の処理に用いたデータを用いて、実行される。
ステップ119において、演算制御部7は、第7演算部67に、座標入力部1のデータ置部10、第1仮縮尺係数収容部51及び算出値置部30を参照させて、最近似垂線緯度φk
(ステップ111に至るまでの一連の処理で得られた緯度、即ちステップ111〜116の処理のために用いた緯度φk )と、当該点の縮尺係数mt
と、最近似垂線緯度φk における卯酉線曲率半径Nk (ステップ115の結果)と、e’cos φk
にて定まる第1の値ηk (ステップ113の結果)と、tan φk にて定まる第2の値tk (ステップ112の結果)と、上記座標値yとから、計算16を行わせ、子午線収差γを算出させる。
γ=(y/mt )tk /Nk
−(y/mt3k (1+tk 2 −ηk 2)/3Nk 3
+(y/mt5k (2+5tk 2 +3tk 4)/15Nk 5…計算16
計算16は、第7演算部67の演算15)の式20の計算機能にて実行される。
第7演算部67は、算出した子午線収差γを算出値置部30に収容する。
3−20)ステップ120(Vk2計算工程)
ステップ120は、ステップ116に続く工程である。
ステップ120において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31と、第1仮緯度収容部41とを参照させて、第2離心率e’とステップ116で得た当該点の緯度φk+1
とから、計算17を行わせ、Vk2を算出させる。尚、説明の便宜上、この緯度φk+1 を緯度φk2として説明する。
k2=(1+e'2cos2φk21/2 …計算17
計算17は、第1演算部61の演算2)の式7の計算機能にて実行される。
第1演算部61は、算出したVk2を、算出値置部30に収容する。
3−21)ステップ121(子午線曲率半径の計算工程)
ステップ121において、演算制御部7は、第5演算部65に、定数設定部31を参照させ、極の曲率半径cとVk2とから、計算18にて、緯度φk2における子午線曲率半径Mk2を算出させる。
k2=c/Vk2 3 …計算18
計算18は、第5演算部65の演算10)の式15の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した子午線曲率半径Mk2の値を、算出値置部30へ収容する。
3−22)ステップ122(卯酉線曲率半径の計算工程)
ステップ122において、演算制御部7は、第5演算部65に、定数設定部31を参照させ、極の曲率半径cとVk2とから、計算19にて、緯度φk2における卯酉線曲率半径Nk2を算出させる。
k2=c/Vk2 …計算19
計算19は、第5演算部65の演算11)の式16の計算機能にて実行される。
第5演算部65は、算出した卯酉線曲率半径Nk2の値を、算出値置部30へ収容する。
3−23)ステップ123(平均曲率半径の計算工程)
ステップ123において、演算制御部7は、第1演算部61に、定数設定部31を参照させて、極の曲率半径cとVk2の値とから、計算20を行わせ、当該座標(入力座標)の平均曲率半径Rk2を算出させる。第1演算部61は、算出した平均曲率半径Rk2を算出値置部30に収容する。
k2=c/Vk2 2 …計算20
計算20は、第1演算部61の演算3)の式8の計算機能にて実行される。
3−24)ステップ124(縮尺係数計算工程)
ステップ124において、演算制御部7は、第1演算部61に、座標入力部1のデータ置部10及び第1仮縮尺係数収容部51を参照させて、入力された座標値yの値と、縮尺係数mt1(第1仮縮尺係数収容部51に収容されている前記縮尺係数mt
を縮尺係数mt1として説明する。以下同じ。)と、上記平均曲率半径Rk2とから、計算21を行わせ、縮尺係数mt2を算出させる。
t2=(1+y2 /2mt1 2k2 2+y4/24mt1 4k2 4)×0.9999
…計算21
計算21は、第1演算部61の演算4)の式9の計算機能にて実行される。
第1演算部61は、算出した縮尺係数mt2を第1仮縮尺係数収容部51に収容する。第1仮縮尺係数収容部51は、収容していた原点縮尺係数mt
を第2仮縮尺係数収容部52へ渡し、上記の通り縮尺係数mt に代え上記縮尺係数mt2を収容する。
3−25)ステップ125(縮尺係数の収束判定工程)
ステップ125において、判定部8の副判定部82は、第1仮縮尺係数収容部51と、第2仮縮尺係数収容部52と、条件設定部33とを参照し、縮尺係数mt1と縮尺係数mt2の差の絶対値即ち|mt2−mt1|と、縮尺係数の収束条件IPS2とを比較する。そして、縮尺係数mt2(と縮尺係数mt1の差の絶対値)が収束したと判定された場合、即ち、副判定部82が|mt2−mt1|≦IPS2と判定した場合、判定部8は、その結果を回帰制御部9に通知する。
3−26)ステップ126(出力工程)
上記ステップ125にて、縮尺係数の収束の通知を受けた回帰制御部9は、出力部2により、少なくとも、第1仮緯度収容部41が収容している当該点の緯度φk+1
の値(φn ) と、算出値置部30が収容している経度λの値及び子午線収差γの値とを、出力させる。このとき、必要に応じて、座標入力部1のデータ置部10の入力座標値x,yや、定数設定部31が保持しその算出値置部30が収容している、上記入力座標が属する原点の緯度や経度の数値、地球楕円体の長半径や短半径などの定数、或いは計算工程中に算出した中間の値を、併せて、出力部2に出力させるものとしても、上記の結果がどのような座標値に対応するか、また、どのような経緯を経て算出されたか、オペレータに確認させることができ、便利である。
一方、ステップ125において、判定部8(副判定部82)が|mt2−mt1|>IPS2と判定した場合、ステップ126に移行せずに、前述の後処理工程を遂行する。
即ち、上記にて、|mt2−mt1|>IPS2と判定された場合、判定部8は、その結果を回帰制御部9に通知する。この通知を受けた回帰制御部9は、演算制御部7を通じて、上記主工程100の各ステップ(ステップ102〜125)を繰り返させる。この後処理工程において、主工程100と異なるのは、ステップ105の処理において、前述の原点縮尺係数m0
に代え、第1仮縮尺係数収容部51に収容されている縮尺係数mt2を第1演算部61に参照させて、計算4の計算を行わせるということである(原点縮尺係数m0
として、上記主工程100を経て得た縮尺係数mt2を用いる。即ち、後処理工程で原点縮尺係数m0 として用いる値は、上記主工程100を経て得た縮尺係数mt2である)。他の値については、上記主工程100と同様のものを用いる。即ち、後処理工程は、縮尺係数mt2を用いて、主工程100をやり直す工程である。従って、後処理工程において、主工程100の結果として加味されるのは、主工程100で算出された縮尺係数のみであり、主工程100で算出した緯度等の値は用いず、再度主工程100で用いたのと同様の値を用いて計算する(縮尺係数を使わない計算や、縮尺係数を用いる計算であっても、縮尺係数以外の数値については、主工程100で用いたものと同様の数値を用いて計算を行う)。
この後処理工程でのステップ125において、|mt2−mt1|>IPS2と判定された場合、判定部8は、その結果を回帰制御部9に通知する。そして、当該後処理工程を経て得た縮尺係数mt2を原点縮尺係数m0
として、再度後処理工程(主工程100のステップ102からのやり直し)を行う。このように、1回の後処理工程を経ても、縮尺係数mt2(と縮尺係数mt1の差の絶対値)が収束したと判定されない場合、収束するまで、即ち、副判定部82が|mt2−mt1|≦IPS2となるまで、上記の後処理工程を繰り返す。
後処理工程におけるステップ125にて、縮尺係数mt2が収束した即ち|mt2−mt1|≦IPS2と副判定部82に判定された場合、上記の通り、回帰制御部9は、演算制御部7に、ステップ126を遂行させる。
上記の通り、後処理工程(主工程100のやり直し工程)が繰り返されると、ステップ107における計算5のx/mt が変化し、座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wの値が変化し、その結果、計算7の計算結果がより精度の高いものとなるのである。
上記の実施の形態において、後処理工程は、判定部8(副判定部82)による縮尺係数の収束不十分、即ち、|mt2−mt1|>IPS2の判定により、行うものとした。
この他、前述の通り、このような縮尺係数の収束の判定を行わずに、設定した回数必ず後処理工程を実行するものとしても実施可能である。例えば、後処理工程を必ず1回(或いは2回以上)行うものとして実施することが可能である。
また、上記の実施の形態において、ステップ107で用いる仮の数値として、ステップ105で算出した縮尺係数mt を用いたが、初回のステップ107(後処理工程でのステップ107は除く。)については、0以外の任意の実数を当該縮尺係数mt
の代替値として用いて計算を行うものとしても実施可能である。
但し、ステップ107で用いる仮の縮尺係数として、ステップ105で算出した縮尺係数mt を用いることにより、収束が効率良く行われるので、例えば、ステップ110における判定の結果ステップ108への反復(小ループ)を3回程度に抑えることができ、また、ステップ125における後処理工程の反復(大ループ)を2回以内に抑えることができる。従って、この場合、後処理工程をステップ125の判定無しに2回に固定しても、事実上良好な結果が得られる。
ステップ125における縮尺係数の判定を行わずに後処理工程を必ず行うものとした場合、通常、主工程100のステップ105において、仮の数値として、原点縮尺係数m0
を用いて計算4をした縮尺係数mt を採用する場合、入力した座標値x,yがその座標系のどの位置にあっても、主工程100において、ステップ110の判定による反復計算(ステップ108〜110)を繰り返し、後処理工程を1回(当該後処理工程中においてもテップ110の判定による反復計算(ステップ108〜110)を繰り返す。)行えば、十分な精度の結果が得られる。
また、ステップ106において、原点緯度φ0 に対して、1秒(−1/206265ラジアン)ずらすものとした。このずらす値については、原点緯度φ0
に対して±5秒を超えない範囲で行うのが好ましい。この範囲であれば、上記の通り、主工程100のステップ110の判定による反復計算(ステップ108〜110)を最大3回とし後処理工程を1回として十分な精度が得られることが発明者によって確認されている。従って、このステップ108〜110の反復計算を3回を限度として実施するのが好ましい。但し、反復計算は、収束条件IPSに依存しているため、このような回数に限定するものではない。
平面上の点を楕円体上の点とを対応させるのには、近似値を求める計算(反復計算即ち収束計算)が必要であり、精度良く対応させるには本願発明のような工夫が必要となるが、逆に、楕円体上の点を平面上の点に正確に対応させるのは、対応する点を簡単に算出することができる(反復計算は不要である)。即ち、周知の計算方法や装置で、緯度・経度から平面直角座標上の座標値を逆算して正確な値を算出することができる。
従って、このような逆算によって、本願発明に係る方法で得られた計算結果の精度を検証することができる。
検証法の例について簡単に説明する。
本願発明に係る上記の方法にて得られた結果(出力値)を緯度φ(緯度φn )、経度λとして、下記の計算を行う。
計算22にて、経度差分Δλを逆算する。
Δλ=λ−λ0 …計算22
上記結果の緯度φから、
計算23にて、第1の値ηを求める。
η=e’cos φ…計算23
また、上記の結果の緯度φから、計算24にて、第2の値tを求める。
t=tan φ…計算24
更に、上記の結果の緯度φから、計算25にて、Vの値を求める。
V=(1+e'2cos2φ)1/2 …計算25
求めた当該Vの値から、計算26にて子午線曲率半径Mを、計算27にて、卯酉線曲率半径Nを、更に計算28から平均曲率半径Rを、夫々求める。
M=c/V3 …計算26
N=c/V…計算27
R=c/V2 …計算28
上記結果の緯度φ及び経度λ、更に、上記にて求めた第1の値η、第2の値tとから、計算29にて、当該緯度φ及び経度λにおける縮尺係数mを求める。
m={(1+Δλ2cos2 φ(1+η2 )/2+Δλ4cos4φ(5−4t2)/24)}×0.9999…計算29
そして、上記の結果の緯度φと、当該φについての上記子午線曲率半径M、卯酉線曲率半径N、平均曲率半径R、上記の経度差分Δλ、第1の値η、第2の値t、縮尺係数mとから、計算30にて、当該緯度φ及び経度λに対応する平面直角座標上の座標値yを求めることができる(計算29の右辺の0.9999は、数値として原点縮尺係数m0
と同じであるが、前述の通り、これは基準子午線上の縮尺係数を0.9999とするための一定の縮尺係数である)。
y={ΔλNcos φ+Δλ3 Ncos 3 φ(1−t2 +η2 )/6
+Δλ5 Ncos 5 φ(5−18t2 +t4 +14η2
−58η22 )/120 }×m…計算30
そして、地球楕円体の長半径aと、第1離心率eと、上記結果の緯度φと、座標値xと、前述の定数A〜Fとから、計算31にて、上記結果の緯度φに対する赤道からの子午線弧長S
(φ )を求める。
S (φ )=a(1−e2 )・{A・φ−(B/2)・(sin 2φ)
+(C/4)・(sin 4φ)−(D/6)・(sin 6φ)
+(E/8)・(sin 8φ)−(F/10)・(sin10 φ)}
…計算31
上記で求めた緯度φに対する赤道からの子午線弧長S (φ )と、原点緯度φ0 に対する赤道からの子午線弧長S (φ0)
とにより、計算32にて、その差Bを求める。
B=S (φ )−S (φ0 ) …計算32
更に、この差Bと、上記の結果の緯度φと、当該φについての上記子午線曲率半径M、卯酉線曲率半径N、平均曲率半径R、上記の経度差分Δλ、第1の値η、第2の値t、縮尺係数mとから、計算33にて、にて、当該緯度φ及び経度λに対応する平面直角座標上の座標値xを求めることができる。
x={B+Δλ2sinφcos φ/2+Δλ4 Nsin φcos3φ(5−t2
+9η2 +4η4 )/24+Δλ6 Nsin φcos 5 φ(61−58t2
+t4 + 270η2 −330 η22 )/720 }×m…計算33
また、上記の結果の緯度φと、上記の経度差分Δλ、第1の値η、第2の値tとから、計算34にて、当該緯度φ及び経度λにおける子午線収差γを求めることができる。
γ=Δλsin φ+Δλ3 sin φcos2φ(1+3η2 +2η4)/3
+Δλ5 sin φcos4φ(2−t2 )/15…計算34
本明細書の背景技術の欄で、国土地理院のプログラムによる計算に使用した値について、本願発明に係る計算装置に入力して計算し、その結果の値を上記の検算法で検算したところ、国土地理院のプログラムが設定してある有効数字の範囲内(算出値の桁数内)において、本願発明に係る計算装置に入力した値(x,y)と、検算で得た値(x,y)とは、完全に一致することが分った。
更に、具体的な実施例について、以下に掲げる。
本願発明に係る装置を用いて、座標系3に属する5箇所の座標値x,y(入力)から、夫々の緯度φ・経度λを算出(出力)した(結果データ1〜5)。ここでは、座標値xを固定し、結果データ1から結果データ5へかけて、座標値yが原点から遠ざかる点を調べた。結果データ5は、縮尺係数が、1.0001となる点である。
結果データ1〜5で得た緯度・経度から、上記の検算法(検算プログラム)にて、座標値についての検証データ1〜5を得た(検証データの番号は、検証した結果データの番号と対応している)。
各データの計算において、WGS84地球楕円体の長半径a、地球楕円体の極の曲率半径c(=a2 /b)、離心率(第1離心率)eの2乗、第2離心率e’の2乗、座標系Z、当該座標系Zの原点緯度φ0
、当該座標系Zの原点経度λ0 、原点縮尺係数m0 について、次の数値を定数として用いた。
a=6378137.000
c=6399593.62576
2 = 0.006694379990141
e’2 =0.006739496742276
Z=3
φ0 =36- 0- 0.000
λ0 = 132-10- 0.000
0 =0.9999
また、以下において、
ZAHYOCHI X( 1)は、入力座標値xを示し、単位はメートルである。
ZAHYOCHI Y( 1)は、入力座標値yを示し、単位はメートルである。
PHAIは、最近似垂線緯度φj+1 を示す。
LATITUDEは、当該点の緯度φn (北緯)を示す。例えば 34- 7-45.93167 は、 34 度 7分45.93167秒(34°7'45".93167)を示している。
LONGITUDE は、当該点の経度λ(東経)を示す。
GAMMA ANGLEは、当該点の子午線収差(真北方向角)γを示す。
MERIDIAN RADIUSは、当該点の子午線曲率半径Mを示す。
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS は、当該点の卯酉線曲率半径Nを示す。
MEAN RADIUS は、当該点の平均曲率半径Rを示す。
SCALE FACTOR は、当該点の縮尺係数を示す。
(結果データ1)
1 ZAHYOCHI X( 1) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 1) = 0.000
PHAI = 34- 7-45.93167
LATITUDE = 34- 7-45.93167
LONGITUDE =132-10- 0.00000
GAMMA ANGLE = 0- 0- 0.00000
MERIDIAN RADIUS = 6355518.63673
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS =6384868.10519
MEAN RADIUS = 6370176.46816
SCALE FACTOR = 0.9999000000
(結果データ2)
2 ZAHYOCHI X( 2) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 2) = -60000.000
PHAI = 34- 7-46.23045
LATITUDE = 34- 7-40.02854
LONGITUDE = 131-30-58.32910
GAMMA ANGLE = - 0-21-53.81142
MERIDIAN RADIUS = 6355516.93662
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS =6384867.53587
MEAN RADIUS = 6370175.33215
SCALE FACTOR = 0.9999443586
(結果データ3)
3 ZAHYOCHI X( 3) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 3) = -90091.612
PHAI = 34- 7-46.60518
LATITUDE = 34-7-32.62478
LONGITUDE = 131-11-24.23440
GAMMA ANGLE = -0-32-52.51513
MERIDIAN RADIUS = 6355514.80440
ORTHODG. MERIDIAN RADIUS = 6384866.82185
MEAN RADIUS = 6370173.90739
SCALE FACTOR = 1.0000000000
(結果データ4)
4 ZAHYOCHI X( 4) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 4) = -119361.021
PHAI = 34-7-47.111365
LATITUDE = 34-7-22.57909
LONGITUDE = 130-52-22.58341
GAMMA ANGLE = -0-43-32.98171
MERIDIAN RADIUS = 6355511.91142
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS = 6384865.85306
MEAN RADIUS = 6370171.97429
SCALE FACTOR = 1.0000755078
(結果データ5)
5 ZAHYOCHI X( 5) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 5) = -127420.415
PHAI = 34-7-47.27856
LATITUDE = 34-7-19.32099
LONGITUDE = 130-47-8.30603
GAMMA ANGLE = -0-46-29.28380
MERIDIAN RADIUS = 6355510.97317
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS = 6384865.53887
MEAN RADIUS = 6370171.34734
SCALE FACTOR = 1.0001000000
(検証データ1)
1 ZAHYOCHI X( 1) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 1) = 0.000
LATITUDE = 34-7-45.93167
LONGITUDE = 132-10-0.00000
GAMMA ANGLE = 0-0-0.00000
MERIDIAN RADIUS = 6355518.63672
ORTHODG. MERIDIAN RADIUS =6384868.10519
MEAN RADIUS = 6370176.46816
SCALE FACTOR = 0.9999000000
(検証データ2)
2 ZAHYOCHI X( 2) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 2) = -60000.000
LATITUDE = 34-7-40.02854
LONGITUDE = 131-30-58.32910
GAMMA ANGLE = -0-21-53.81142
MERIDIAN RADIUS = 6355516.93662
ORTHODG. MERIDIAN RADIUS =6384867.53587
MEAN RADIUS = 6370175.33215
SCALE FACTOR = 0.9999443586
(検証データ3)
3 ZAHYOCHI X( 3) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 3) = -90091.612
LATITUDE = 34-7-32.62478
LONGITUDE = 131-11-24.23440
GAMMA ANGLE = -0-32-52.51514
MERIDIAN RADIUS = 6355514.80440
ORTHODG. MERIDIAN RADIUS = 6384866.82185
MEAN RADIUS = 6370173.90739
SCALE FACTOR = 0.9999999999
(検証データ4)
4 ZAHYOCHI X( 4) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 4) = -119361.021
LATITUDE = 34-7-22.57909
LONGITUDE = 130-52-22.58341
GAMMA ANGLE = -0-43-32.98172
MERIDIAN RADIUS = 6355511.91142
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS = 6384865.85306
MEAN RADIUS = 6370171.97429
SCALE FACTOR = 1.0000755076
(検証データ5)
5 ZAHYOCHI X( 5) = -207504.143
ZAHYOCHI Y( 5) = -127420.415
LATITUDE = 34-7-19.32099
LONGITUDE = 130-47-8.30603
GAMMA ANGLE = -0-46-29.28381
MERIDIAN RADIUS = 6355510.97317
ORTHOG. MERIDIAN RADIUS= 6384865.53887
MEAN RADIUS = 6370171.34734
SCALE FACTOR = 1.0000999998
上記の通り、何れも、結果データの入力値と、検証データ出力値は、完全に一致している。ここで求めた緯度・経度は、小数点以下第5位であり、この範囲で誤差が生じている国土地理院のプログラムとでは、その精度の差は歴然としている。
また、結果データ5を見れば、縮尺係数を示す SCALE FACTORも、1.0001に、精度よく収束しているのが分かる。
本願発明に係る位置計算装置の一実施の形態の説明図である。 本願発明に係る位置計算方法のフローを示す説明図である。 本願発明に係る位置計算方法の、垂線緯度の計算についての説明図である。
1 座標入力部
2 主力部
6 演算部
7 演算制御部
8 判定部
9 回帰制御部

Claims (7)

  1. 等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φn を出力することが可能な位置計算装置において、
    座標入力部と、出力部と、演算部と、判定部と、回帰制御部とを備えるものであり、
    座標入力部は、上記座標値x,yの入力を受け付け、
    演算部は、直角座標の座標値xが与えられることにより、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを仮の縮尺係数mtで除した値を、加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとし、
    この子午線弧長Wに対応する基準子午線上の緯度、即ち、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度を算出するため、
    演算部は、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に基準子午線上の任意の緯度φj を初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φj まで積分することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj )を算出し、
    演算部は、基準子午線上の緯度φj を与えることによって、式1を計算して基準子午線上の緯度φj+1 を漸近値として算出し、
    φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2sin2φj3/2/a(1−e2)…式1
    判定部は、上記式1にて算出した基準子午線上の上記漸近緯度φj+1 と基準子午線上の緯度φj との差の絶対値と、基準値との比較を行うものであり、
    判定部にて、基準子午線上の、上記漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1 を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、回帰制御部は、漸近緯度φj+1 を上記基準子午線上の緯度φj とし、演算部に基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj )を算出させると共に当該子午線弧長S(φj )から上記式1の計算にて再度漸近緯度φj+1 を算出させ、判定部に再度上記比較を行わせるものであり、
    判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値を基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1 を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするのに十分収束したと判定した場合、回帰制御部は、当該漸近緯度φj+1 を、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度φk として、仮の縮尺係数mtと、当該垂線緯度φk と、当該垂線緯度φk における子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、e’cos φk にて定まる第1の値ηk と、tan φk にて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1 を演算部に算出させ、
    φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2−4ηk 4)/24Mkk 3−tk(y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5
    …式3
    回帰制御部は、上記緯度φk+1 を入力座標に対応する緯度φn として、演算部に、縮尺係数mt+1を算出させ、前記仮の縮尺係数mtに代え当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を行わせるものであることを特徴とする位置計算装置。
  2. 上記の仮の縮尺係数とは、演算部に、直角座標の座標値yを与えることにより、原点における縮尺係数m0 又はその代替値と、当該座標が属する座標系の原点における平均曲率半径R0とから、式2の計算により、演算部が算出した縮尺係数mtであり、
    t ={1+(y2 /2m0 20 2)+(y4/24m0 40 4)}×0.9999…式2
    上記の原点における平均曲率半径R0 は、当該座標が属する座標系の原点の緯度φ0 又はその代替値と共に、地球楕円体の長半径a及び短半径b、或いは当該半径a,bから導かれる第1離心率e、第2離心率e’を用いて定めたものであることを特徴とする請求項1記載の位置計算装置。
  3. 上記縮尺係数mt+1 は、原点縮尺係数m0 に代え上記縮尺係数mt を用い、且つ、原点における平均曲率半径R0に代え演算部に式3にて算出させた緯度φn における平均曲率半径Rφn を用いて、演算部が、上記式2により算出するものであることを特徴とする請求項2記載の位置計算装置。
  4. 上記にあって、判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合に、回帰制御部は、上記緯度φn に対応する縮尺係数mt+1
    と上記仮の縮尺係数mtとの差の絶対値と、所定値との比較を、更に判定部にさせ、判定部が当該縮尺係数mt+1 と上記仮の縮尺数値mtとの差の絶対値が所定値を超えると判定した場合にのみ、上記の通り、前記の仮の縮尺係数mtに代え、当該縮尺係数mt+1を用いて求めた基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を演算部に行わせるものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の位置計算装置。
  5. 上記にあって、判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合、回帰制御部は、垂線緯度φk として上記漸近緯度φj+1 を演算部に与えるものであり、演算部は、上記の仮の縮尺係数mtと、上記垂線緯度φk における卯酉線曲率半径Nkと、当該垂線緯度φk と第2離心率とによりe’cos φk にて定まる第1の値ηk と、tan φk にて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式4にて、経度差分Δλを算出することが可能であり、
    Δλ=(y/mt )/Nk cos φk
    −(y/mt3 (1+2tk 2 +ηk 2 )/6Nk 3cosφk
    +(y/mt5 (5+28tk 2 +24tk 4)/120Nk 5cosφk …式4
    演算部は、当該座標系が属する原点における経度λ0 に対し当該経度差分Δλを加算することにより、上記座標値x,yにおける経度λを算出するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位置計算装置。
  6. 上記にあって、判定部が、基準子午線上の、漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値を基準値以内と判定した場合、回帰制御部は、垂線緯度φk としてこの漸近緯度φj+1 を演算部に与えるものであり、演算部は、上記の縮尺係数mtと、当該垂線緯度φk における、子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、当該垂線緯度φk と第2離心率とによりe’cos φk にて定まる第1の値ηk と、tan φk にて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、
    γ=(y/mt )tk /Nk
    −(y/mt3k (1+tk 2 −ηk 2)/3Nk 3
    +(y/mt5k (2+5tk 2 +3tk 4)/15Nk 5…式5
    式5にて、座標x,yにおける子午線収差γを算出することが可能なことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の位置計算装置。
  7. 等角投影法により地球楕円体を投影する平面直角座標X,Y上の座標値x,yを入力することにより、少なくとも当該座標値に対応する地球楕円体上の緯度φn を出力することが可能な位置計算プログラムにおいて、
    座標入力部と、出力部と、演算部と、判定部と、回帰制御部とを備えたコンピュータに導入されるものであり、
    座標入力部にて、上記座標値x,yの入力を受け付け、
    演算部に、直角座標の座標値xを与えて、地球楕円体の赤道から当該座標値x,yが属する座標系原点までの子午線弧長に対し、当該座標値xを仮の縮尺係数mtで除した値を加算して、赤道から当該座標値xまでの基準子午線上の子午線弧長Wとし、
    この子午線弧長Wに対応する基準子午線上の緯度、即ち、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度を算出するため、
    演算部にて、地球楕円体の長半径と第1離心率と緯度とから定まる子午線曲率半径について、地球楕円体の長半径aと第1離心率eと共に任意の緯度φj を初期値として与え、別途に子午線曲率半径を以って赤道から上記緯度φj まで積分することにより、赤道からの基準子午線上の子午線弧長S(φj )を算出し、
    演算部に、基準子午線上の緯度φj を与えることによって、式1を計算して基準子午線上の緯度φj+1 を漸近値として算出させ、
    φj+1 =φj +(W−S (φj ) )(1−e2sin2φj3/2/a(1−e2
    …式1
    判定部に、上記式1にて算出した基準子午線上の緯度φj+1 と基準子午線上の緯度φj との差の絶対値と、基準値との比較を行わせ、
    判定部にて、基準子午線上の、上記漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値が基準値を超えると判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1 を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするには十分収束していないと判定した場合、回帰制御部により、漸近緯度φj+1 を上記基準子午線上の緯度φj とし、演算部に基準子午線上の赤道からの子午線弧長S(φj )を算出させると共に当該子午線弧長S(φj )から上記の式1の計算にて再度漸近緯度φj+1 を算出させ、判定部に再度上記比較を行わせるものであり、
    判定部にて、基準子午線上の、漸近緯度φj+1 と緯度φj との差の絶対値が基準値以内と判定した場合、即ち、この漸近緯度φj+1 を、上記入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度とするのに十分収束したと判定した場合、
    当該漸近緯度φj+1 を、入力座標から基準子午線上に下ろした垂線の緯度φk として、回帰制御部により、仮の縮尺係数mtと、当該垂線緯度φk と、当該垂線緯度φk における子午線曲率半径Mk及び卯酉線曲率半径Nkと、e’cos φk にて定まる第1の値ηk と、tan φk にて定まる第2の値tkと、上記座標値yとから、式3を計算して緯度φk+1 を演算部に算出させ、
    φk+1 =φk −tk(y/mt2/2Mkk+tk(y/mt4(5+3tk 2+ηk 2 −9tk 2ηk 2 −4ηk 4)/24Mkk 3−tk (y/mt6(61+90tk 2+45tk 4)/720Mkk 5…式3
    回帰制御部により、上記緯度φk+1 を入力座標に対応する緯度φn として、演算部に、縮尺係数mt+1を算出させ、前記仮の縮尺係数mtに代え当該縮尺係数mt+1を用いて求めた、基準子午線上の子午線弧長Wにて、上記式1の計算を行わせるものであることを特徴とする位置計算プログラム。
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