JP2011012703A - 長尺材保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付け作業時の円滑性を確保することができ、しかも取付対象板材に対してより確実に安定して取り付けることが可能な長尺材保持具を提供する。
【解決手段】保持枠部2の基底部3から前後一対の当接片20a,20bを、間にアンカー部4が位置するように取付時のスライド方向に間隔を空けて、スライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設し、取付対象板材としての基板に取り付ける場合にアンカー部を取付孔25に嵌入すると、各当接片が基板の表面にそれぞれ弾接して基底部側に屈曲し、当該状態で各当接片を基板の表面に摺動させつつ取付孔の広開口部側から狭開口側に全体をスライドさせて取り付け、取付状態において各当接片の弾性力によって鍔部を狭開口部の周縁部側に付勢するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気製品や自動車などの工業製品において、配線コードやチューブなどの長尺材を束ねて、あるいは単独で保持して取付対象板材に取り付ける長尺材保持具に関する。
配線コードやワイヤーなどの長尺材を基板等に留める保持具、クランプ、固定具としては、長尺材を保持する保持部と、この保持部の基部底面から垂設されて取付対象板材(シャーシ)の取付孔に嵌合する嵌合部と、から構成されたワイヤーサドルが提案されている(特許文献1参照)。このワイヤーサドルの嵌合部は、シャーシの板厚以上の長さで突出された軸部(ポスト)と、該ポストの先端に設けられてシャーシの表面側から裏面側に向けて取付孔(嵌合穴)に挿通可能な挟持板と、嵌合部の根本(基端部)の両側から互いに反対方向に下り傾斜した状態で延設された一対の弾圧片と、ポストの基端部から斜め下方に向けて挟持板の上面の手前まで突出形成された舌片状の弾性片と、を備えている。両側の弾圧片のうちの一方、具体的には、シャーシへの取り付け時においてスライド方向の後方となる側の弾圧片の先端部には、取付孔の内周に係止する係止爪が突設されている。
上記の保持具をシャーシに取り付ける場合、シャーシの表面側から嵌合部を取付孔に挿通させ、両側の弾圧片の先端部がシャーシの表面に当接した状態で、嵌合部をさらに押し込んで挟持板をシャーシの裏面に位置させる。この状態で、サドル全体を一端側方向にスライドさせると、挟持板の一端側の上面が取付孔の一端側縁部においてシャーシの裏面に当接する状態となる。さらにスライドさせると、弾性片が取付孔の一端側縁部に当接して弾性変形されると同時に挟持片に反対側への弾性力を発生させる。そして、一方の弾圧片に設けられている係止爪が取付孔の反対側において落ち込み、取付孔の内周面に係止する。
この状態では、両側の弾圧片がシャーシの表面に弾性的に当接して挟持板を上方(シャーシ側)に向けて付勢する。そのため、これらの間に生じる当接力によって両弾圧片と挟持板とでシャーシを板厚方向に挟持し、その結果ワイヤーサドルがシャーシに固定されることになる。また、シャーシの面方向に関しては、弾性片が取付孔の一端側縁部に当接することで挟持板にシャーシの面方向に対する弾性力を生じさせ、同時に係止爪が取付孔の内周面に係止して挟持板がシャーシ面方向に移動することが阻止される。これにより、これら弾性片と係止爪とによってワイヤーサドルのシャーシ面方向移動が規制される。したがって、ワイヤーサドルは取付孔に嵌合した状態で固定されることになり、シャーシから離脱されることが防止される。
特開2005−133925号公報
ところで、上記のワイヤーサドルでは、一対の弾圧片がポストの根本から互いに反対方向に下り傾斜しているので、両弾圧片の先端部がシャーシの表面に当接した状態で、サドル全体をシャーシ面方向にスライドさせる際に、スライド方向の先方に位置する弾圧片がシャーシ表面に対して突っ張る姿勢となり、円滑にスライドさせることができない問題があった。また、両弾圧片がポストの根本から延出しているので、この根本で保持部がぐらつき易く、安定性に欠けるという問題もあった。
さらに、ワイヤーサドルのシャーシ面方向移動を規制するための弾性片と挟持板の上面との間のクリアランスに関し、この部分を成型する金型の強度を確保する上で、その分の肉厚が必要となる。このため、例えば0.5mm以下の薄手のシャーシに取り付ける場合に、前記クリアランスを成型できないために、弾性片がシャーシに当接することができない可能性がある。この場合、ワイヤーサドルのシャーシ面方向の移動を確実に規制することができず、サドルとシャーシとの間にガタが生じる可能性がある。
本発明は、前記した事項に鑑み提案されたもので、その目的は、取り付け作業時の円滑性を確保することができ、しかも取付対象板材に対してより確実に安定して取り付けることが可能な長尺材保持具を提供しようとするものである。
請求項1に記載のものは、長尺な保持対象物を囲繞して保持する保持枠部の基底部からアンカー部を垂設し、該アンカー部の先端部から側方に向けて鍔部を延出し、取付対象板材に開設された取付孔の広開口部に取付対象板材の表面側から前記アンカー部を嵌入し、前記鍔部が取付対象板材の裏面側に位置する状態で、取付孔の広開口部に連続する狭開口側に取付対象板材の面に沿って全体をスライドさせ、該狭開口部の周縁部に前記鍔部を係止させて取付対象板材に取り付ける長尺材保持具であって、
前記保持枠部の基底部から前後一対の当接片を、間に前記アンカー部が位置するように取付時のスライド方向に間隔を空けて、スライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設し、
前記取付対象板材に取り付ける場合に前記アンカー部を前記取付孔に嵌入すると、前記各当接片が取付対象板材の表面にそれぞれ弾接して前記基底部側に屈曲し、当該状態で各当接片を取付対象板材の表面に摺動させつつ取付孔の広開口部側から狭開口側に全体をスライドさせて取り付け、取付状態において各当接片の弾性力によって前記鍔部を狭開口部の周縁部側に付勢するようにしたことを特徴とする長尺材保持具である。
請求項2に記載のものは、前記アンカー部の先端部からスライド方向の先方に向けて上り傾斜した付勢片を延設し、
前記各当接片のうちスライド方向の後方に位置する後方当接片の先端部に係止爪を、取付時における取付対象板材側に向けて突設し、
前記取付対象板材への取付時に前記アンカー部を前記取付孔に嵌入すると、前記後方当接片の係止爪が取付対象板材の表面に当接し、
該係止爪を前記取付対象板材の表面に摺動させつつ前記取付孔の広開口部側から狭開口側に全体をスライドさせると、前記付勢片が取付孔の内周面に弾接し、
該付勢片の付勢力に抗しつつ全体を狭開口側にさらにスライドさせると前記係止爪が前記取付孔に没入し、
取付状態において前記付勢片の付勢力によって前記係止爪が前記取付孔の内周面に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の長尺材保持具である。
請求項3に記載のものは、前記基底部におけるスライド方向の先方側の部分を他の部分よりも幅広にし、当該幅広部分を、前記取付対象板材への取付作業時に作業者が把持する把持部としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の長尺材保持具である。
請求項1に記載の発明によれば、保持枠部の基底部から前後一対の当接片を、間にアンカー部が位置するように取付時のスライド方向に間隔を空けて、スライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設したので、両当接片は、スライド時にスライド方向とは反対方向に屈曲することで、取付対象板材からの反力を逃しやすい構造となっている。このため、取り付け作業時に長尺保持具を取付対象板材に対して円滑にスライドさせることができる。また、これらの当接片は、スライド方向に間隔を空けて設けられているので、長尺材保持具を取付対象板材に取り付けた状態において、取付対象板材に対して保持枠部を互いに離れた位置で支えることができる。これにより、取り付け安定性が向上する。その結果、保持枠部が取付対象板材に対して傾いたりがたついたりすることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、アンカー部の先端部からスライド方向の先方に向けて上り傾斜した付勢片を延設し、付勢片が取付孔の内周面に圧接することにより、長尺材保持具全体に対して広開口部側に付勢力を生じると共に、この付勢片とは付勢方向の反対側で係止爪が取付孔の内周面に係止することにより、取付対象板材に対する長尺材保持具のスライド方向(取付対象板材面方向)の動きが規制されるようにしたので、取付対象板材に対する長尺材保持具の取り付け安定性をより向上させることができる。さらに、アンカー部の先端部から付勢片を斜め上方に向けて延設しているので、取付対象板材が薄手の場合においても取付孔の内周面に確実に当接させることができ、これにより、取付対象板材の厚さに関する対応範囲を広げることができる。
請求項3に記載の発明によれば、取り付け作業時に作業者が把持するための把持部を基底部の前方に寄せて設けることにより、作業者が取り付け作業時に長尺材保持具の取り付け方向を直感的に把握し易くすることができる。また、幅狭の部分よりも把持し易いため、作業者が把持部を把持することで取付時の作業性を向上させることができる。
長尺材保持具の斜視図である。 (a)は長尺材保持具の正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。 図2(a)におけるA−A線断面図であり、(a)は蓋部が開いた状態、(b)は蓋部が閉じた状態である。 (a),(b)は取付孔の構成を説明する平面図である。 (a)〜(c)は基板に対する長尺材保持具の取り付け作業の前半を説明する図である。 (a)〜(c)は基板に対する長尺材保持具の取り付け作業の後半を説明する図である。 基板に長尺材保持具が取り付けられた状態を説明する底面図である。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、長尺材保持具1の斜視図である。また、図2(a)は長尺材保持具1の正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。さらに、図3は、図2(a)におけるA−A線断面図であり、(a)は蓋部10が開いた状態、(b)は蓋部10が閉じた状態である。
長尺材保持具1は、配線コードやワイヤーなどの長尺材を保持する保持枠部2と、この保持枠部2の基底部3から下向きに垂設されたアンカー部4と、から概略構成されている。基底部3における図2(b)中左側となる背面側の縁部からは後部壁5を上向き(アンカー部4とは反対側)に立ち上げている。この後部壁5の上端部分は、他の部分よりも肉厚にして、先端面が開口した中空のボックス形状にし、後述するロック部11が嵌合されるロック受部7としている。このロック受部7の上部開口における後方側の縁部には、後述するロック部11の係止段部12が係止される被係止段部6を内側に向けて突設している。
また、基底部3において後部壁5とは反対側となる正面側の縁部からは前部壁8を立ち上げている。この前部壁8の上端部からは、部分的に肉薄にすることで屈曲し易くしたヒンジ部9を介して蓋部10を延設している。この蓋部10の先端部には、内側(蓋部10を閉じた状態でロック受部7側となる方向)に略直角に屈曲してさらにその先端側を反対側に鋭角に屈曲することで、側方視略V字状に形成して弾力性を持たせたロック部11を設けている。このロック部11の先端部には、一部を肉厚方向の途中まで断面コ字状に切り欠き、その切欠の下側の段部を、ロック受部7の被係止段部6に係止する係止段部12としている。蓋部10の内面側には、ロック部11の基端部からヒンジ部9にかけて、蓋部10との間に空部16を形成するように基底部3側に弓状に彎曲した押圧片13を形成している。この押圧片13は、蓋部10等の幅よりも幅狭にすると共に蓋部10等の肉厚よりも肉薄にすることで、弾力性および可撓性を持たせてある。押圧片13は、保持枠部2内に長尺材を収容して蓋部10を閉じた状態で長尺材に当接・押圧し、収容される長尺材の大きさや量に応じて空部16側に撓むことができるようになっている(図6(c)参照。)。
上記のように構成された保持枠部2は、図3(a)に示すように、蓋部10が開いた状態から、蓋部10を図中矢印で示す方向にヒンジ部9を中心に回動させて、ロック部11をそれ自体の弾性力に抗しながらロック受部7の開口内に嵌入させると、図3(b)に示すように、ロック部11の係止段部12がロック受部7の被係止段部6に係止し、ロック部自体の弾性復元力によってロック部11がロック受部7から離脱しないように規制される。これにより、蓋部10が閉じた状態となる。この閉じた状態では、基底部3、後部壁5、前部壁8、及び、蓋部10の押圧片13によって、長尺材を保持するための保持空部14が区画形成される。蓋部10が閉じた状態から開く場合、ロック部11の先端部を弾性力に抗しつつ前方(前部壁8側)に倒すことで係止段部12の被係止段部6に対する係止状態が解除され、この状態で蓋部10を上記矢印とは反対方向に回動させることで開くことができる。
ここで、基底部3において、中心部より前方(取付時のスライド方向の先方側であり、前部壁8側)の前半部分を、後方の後半部分よりも幅広にし、当該幅広部分を、取付対象板材(以下、基板24。図5及び図6参照。)への取り付け作業時に作業者が把持するための把持部15としている。このように、基底部3の前方に寄せて把持部15を設けることにより、作業者が取り付け作業時に長尺材保持具1の取り付け方向を直感的に把握し易くすることができる。また、幅狭の部分よりも把持し易いため、作業者が把持部15を把持することで作業性を向上させることができる。
上記アンカー部4は、基底部3における前後方向の中央部からやや後方(後部壁寄り)の下面から後部壁5とは反対方向に垂設している。このアンカー部4は、略直方体を呈しており、その先端部から、詳しくは、アンカー部4の両側面の下端縁からそれぞれ側方に向けて左右一対の鍔部18を延設している。両鍔部18の先端面同士の距離は、後述する取付対象材の取付孔25における広開口部25aの幅方向の寸法Aよりも少し小さく、尚且つ、狭開口部25bの幅方向の寸法Cよりも少し大きくしてある(図4(a)参照)。これらの鍔部18は、長尺材保持具1を基板24に取り付けたときに狭開口部25bの周縁部に係止するための部分である。また、アンカー部4の先端部から、詳しくは、アンカー部4の前面壁の下端縁から前方(取付時のスライド方向の先方)に向けて上り傾斜した付勢片19を、基底部3の手前まで延設している。この付勢片19は、肉厚を薄手にすることで弾力性を持たせ、また、取付対象材の取付孔25における狭開口部25bの幅方向の寸法Cよりも少し幅狭にしてある。この付勢片19は、長尺材保持具1を基板24に取り付ける際に取付孔25の内周面に圧接して、長尺材保持具1を後方に付勢するためのものである。このため、鍔部18の上面から付勢片19の傾斜上端までの鉛直方向の距離は、少なくとも基板24の板厚よりも長く設定している。
また、保持枠部2の基底部3からは、前後一対の当接片20a,20bを、これらの間にアンカー部4が位置するように前後方向(取付時のスライド方向)に間隔を空け、前方から後方に向けて、即ち、取付時のスライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設している。これらの当接片20a,20bのうち、前方に位置する前方当接片20aは、基底部3の前端縁(前部壁8の下端縁)からアンカー部4の付勢片19の手前まで延出している。この前部当接片20aの傾斜下端は、外力を受けない自然状態において、付勢片19の傾斜上端よりも下方に位置している。両当接片20a,20bのうち、後方に位置する後方当接片20bは、アンカー部4の基端部から、前後方向においてロック受部7の背面から突出しない程度まで斜め後方に延出している。即ち、図2(d)に示すように、両当接片20a,20bは、長尺材保持具1の平面視において、保持枠部2よりも外側には殆ど突出しないように配設されている。したがって、当接片20a,20bを互いに離隔して配設しても長尺材保持具1の平面上における設置面積を拡げることがない。即ち、一対の当接片20a,20bを設けた長尺材保持具1であっても、取付占有スペースを最小限に抑えた省スペース構造となっている。
後方当接片20bの先端部は、当該後方当接片本体の傾斜方向とは反対側(斜め上方)に屈曲させて、この屈曲した先を操作部21としている。この操作部21は、基板24の取付孔に留めた長尺材保持具1を取り外す際に基板の表側からの取り外し操作を容易にするために設けられている。また、後方当接片20bの先端部には操作部21とは逆側から下方に向けて、即ち、取付時における基板側となる方向に向けて係止爪22を突設している。この係止爪22は、長尺材保持具1を基板24に取り付ける際に、付勢片19と共に取付孔25の内周面に係止して、長尺材保持具1の基板面方向(前後スライド方向)の移動を規制するようになっている。この係止爪22の先端の自然状態における位置は、鉛直方向においてアンカー部4の鍔部18の底面の位置に揃えてある。また、係止爪22の係止面(後方側の面)から付勢片19の先端までの前後方向(取付時のスライド方向)の距離は、取付孔25の全長(スライド方向の内寸法)よりも少し長くしている。
上記した構成からなる長尺材保持具1を使用して、例えば、電気製品の基板に複数本の配線コードを結束して留めるには、以下に述べるように操作する。
長尺保持具1の取り付け前に、予め、基板24にパンチで取付孔25を開設する。この取付孔25は、開口径の異なる2つの孔を隣り合わせで連続させた形状を呈し、鍔部18及び付勢片19を含めたアンカー部4の平面形状を少し大きくしたような形状となっている。より具体的には、例えば図4(a)に示すように、幅方向(孔並設方向とは直交する方向)の寸法Aがアンカー部4の両側の鍔部19の先端面同士の間隔よりも少し広く設定され、孔並設方向の寸法Bが鍔部18の幅方向の寸法よりも少し広く設定された広開口部25aと、幅方向の寸法Cが付勢片19の幅方向の寸法よりも少し広く設定され、孔並設方向の寸法Dが付勢片19の取付時スライド方向の長さよりも少し広く設定された狭開口部25bと、により取付孔25が構成される。なお、広開口部25aの開口形状に関し、図4(a)に例示したような四角形状には限らず、例えば、図4(b)に示すような円形の形状を採用することができる。要は、アンカー部4および鍔部18が挿通できる大きさであれば良い。また、開口部についての広・狭の表現については、幅方向の寸法に基づいている。
図5及び図6は、取り付け手順を説明する図である。
まず、作業者は、長尺材保持具1の把持部15を把持する(指でつまむ)ことにより、長尺保持具1の方向を確認することができる。つまり、把持部15がある側が長尺保持具1の前方となる。続いて、図5(a)に示すように、基板24に開設された取付孔25にアンカー部4の先端を向けて、両鍔部18を含むアンカー部4と広開口部25aとの平面位置を合わせると共に、付勢片19と狭開口部25bとの平面位置を合わせた姿勢で、長尺保持具1を基板24の表面側に押し付けることにより、取付孔25にアンカー部全体を嵌入させる。すると、図5(b)に示すように、前後の各当接片20a,20bの先端部が、基板24の表面にそれぞれ弾性的に当接する。なお、後方当接片20bの場合、係止爪22の先端が当接する。この状態で、長尺保持具1を基板24側に押し付けてアンカー部4を取付孔25の奥(裏側)にさらに押し込むと、図5(c)に示すように、この押し付け力の一部の作用により、各当接片20a,20bが保持枠部2の基底部3側に屈曲する。
鍔部18が広開口部25aを通過して基板24の裏面に位置する程度までアンカー部4を取付孔25に押し込んだならば、この状態で、図6(a)に示すように、各当接片20a,20bを基板24の表面に摺動させつつ、長尺材保持具全体を図中矢印で示す狭開口部25b側にスライドさせると、鍔部18の上面が狭開口部25bの周縁部において基板24の裏面に当接する。また、付勢片19が狭開口部25bの内周面に弾接してアンカー部4側に屈曲し、これにより、後方、即ち、スライド方向とは逆方向への付勢力を生じる。この際、両当接片20a,20bは、何れもスライド方向とは逆の方向に傾斜しているので、スライド時にスライド方向とは反対方向に屈曲することで、基板24の表面からの反力を逃しやすい。このため、円滑にスライドさせることができる。
そして、付勢片19による付勢力に抗しながら全体を狭開口部25b側にさらにスライドさせると、図6(b)および図7に示すように、後方当接片20bに設けられている係止爪22が広開口部25aに没入し、取付孔25(広開口部25a)の内周面に係止する。この状態では、基板24の表面に弾性的に当接している各当接片20a,20bが、その弾性復元力によって鍔部18を基板24の裏面に向けて付勢する。これにより、基板24に対する長尺材保持具1の上下方向の動きが規制される。また、付勢片19が取付孔25の内周面に圧接することにより、長尺材保持具全体に対して後方(広開口部25a側)に付勢力を生じると共に、この付勢片19とは付勢方向の反対側で係止爪22が取付孔25の内周面に係止することにより、基板24に対する長尺材保持具1の前後方向(基板面方向)の動きが規制される。したがって、長尺材保持具1は取付孔25に対してガタツキ無く固定されて基板24から離脱されることが防止され、取り付け作業が完了する。
次に、長尺保持具1を基板24に取り付けた状態で、長尺材の一種である配線コード26を保持枠部2の内部の基底部3上に載せ、所定の配線コード26をすべて基底部3上に載せたならば、上述した手順で、図6(c)に示すように、蓋部10が開いた状態から閉じた状態にする。これにより、基底部3、後部壁5、前部壁8、及び、蓋部10の押圧片13によって区画される保持空部14内に配線コード26が保持される。このとき、押圧片13が配線コード26を基底部3側に押圧することで、例えば、振動などの外力が加わった場合においても保持空部14内で配線コード26が不必要に動くことが抑制される。また、配線コード26の大きさ(断面積)や配線コード26の収容本数によっては、図6(c)において破線で示すように、押圧片13が空部16側に撓むことができるので、配線コード26の様々な大きさや本数に対応することが可能となる。
このように基板24に取り付けられた長尺材保持具1をこの基板24から取り外す場合、例えば、リサイクルのために分解する場合、ロック片12の後端(操作部21)を上方、即ち、保持枠部2側に指で持ち上げるようにすることで、取付孔25の内周面に対する係止爪22の係止状態を解除する。すると、付勢片19による付勢力の補助により、長尺材保持具全体を後方(広開口部25a側)に容易にスライドさせることができる。そして、アンカー部4及び鍔部18が広開口部25aまで移動した状態で、長尺材保持具1を基板24から離れる方向に上昇させてアンカー部4を取付孔25から引き抜くと、長尺材保持具1を破壊することなく簡単な操作で、且つ特別な工具を使用することなく基板24から簡単に取り外すことができる。
以上説明したように、本発明に係る長尺材保持具1は、保持枠部2の基底部3から前後一対の当接片20a,20bを、間にアンカー部4が位置するように取付時のスライド方向に間隔を空けて、スライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設したので、両当接片20a,20bはスライド時にスライド方向とは反対方向に屈曲することで、基板24の表面からの反力を逃しやすい。このため、取り付け作業時に長尺保持具1を基板24に対して円滑にスライドさせることができる。また、これらの当接片20a,20bは、スライド方向に間隔を空けて設けられているので、長尺材保持具1を基板24に取り付けた状態において、基板24に対して保持枠部2を互いに離れた位置で支えることになるので、取り付け安定性が向上する。これにより、保持枠部2が基板24に対して傾いたりがたついたりすることを抑制することができる。
また、アンカー部4の先端部からスライド方向の先方に向けて上り傾斜した付勢片19を延設し、付勢片19が取付孔25の内周面に圧接することにより、長尺材保持具全体に対して広開口部25a側に付勢力を生じると共に、この付勢片19とは付勢方向の反対側で係止爪22が取付孔25の内周面に係止することにより、基板24に対する長尺材保持具1のスライド方向(基板面方向)の動きが規制されるようにしたので、基板24に対する長尺材保持具1の取り付け安定性をより向上させることができる。さらに、アンカー部4の先端部から付勢片19を斜め上方に向けて延設しているので、基板24が薄手の場合においても確実に取付孔25の内周面に当接することができ、これにより、基板24の厚さに関する対応範囲を広げることができる。
なお、長尺材保持具1の保持対象物は、複数の配線コード26に限らず、管材でもよいし、また、複数本に限らず1本(単数)でもよい。また、保持枠部2は、保持対象物を保持できればどのような構成でも良く、例えば、線材を円弧状のクリップに成形したものでもよい。
1 長尺材保持具、2 保持枠部、3 基底部、4 アンカー部、5 後部壁、6 被係止段部、7 ロック受部、8 前部壁、9 ヒンジ部、10 蓋部、11 ロック部、12 係止段部、13 押圧片、14 保持空部、15 把持部、16 空部、18 鍔部、19 付勢片、20a,20b 当接片、21 操作部、22 係止爪、24 基板、25 取付孔、26 配線コード

Claims (3)

  1. 長尺な保持対象物を囲繞して保持する保持枠部の基底部からアンカー部を垂設し、該アンカー部の先端部から側方に向けて鍔部を延出し、取付対象板材に開設された取付孔の広開口部に取付対象板材の表面側から前記アンカー部を嵌入し、前記鍔部が取付対象板材の裏面側に位置する状態で、取付孔の広開口部に連続する狭開口側に取付対象板材の面に沿って全体をスライドさせ、該狭開口部の周縁部に前記鍔部を係止させて取付対象板材に取り付ける長尺材保持具であって、
    前記保持枠部の基底部から前後一対の当接片を、間に前記アンカー部が位置するように取付時のスライド方向に間隔を空けて、スライド方向の先方から後方に向けて下り傾斜した状態でそれぞれ延設し、
    前記取付対象板材に取り付ける場合に前記アンカー部を前記取付孔に嵌入すると、前記各当接片が取付対象板材の表面にそれぞれ弾接して前記基底部側に屈曲し、当該状態で各当接片を取付対象板材の表面に摺動させつつ取付孔の広開口部側から狭開口側に全体をスライドさせて取り付け、取付状態において各当接片の弾性力によって前記鍔部を狭開口部の周縁部側に付勢するようにしたことを特徴とする長尺材保持具。
  2. 前記アンカー部の先端部からスライド方向の先方に向けて上り傾斜した付勢片を延設し、
    前記各当接片のうちスライド方向の後方に位置する後方当接片の先端部に係止爪を、取付時における取付対象板材側に向けて突設し、
    前記取付対象板材への取付時に前記アンカー部を前記取付孔に嵌入すると、前記後方当接片の係止爪が取付対象板材の表面に当接し、
    該係止爪を前記取付対象板材の表面に摺動させつつ前記取付孔の広開口部側から狭開口側に全体をスライドさせると、前記付勢片が取付孔の内周面に弾接し、
    該付勢片の付勢力に抗しつつ全体を狭開口側にさらにスライドさせると前記係止爪が前記取付孔に没入し、
    取付状態において前記付勢片の付勢力によって前記係止爪が前記取付孔の内周面に係止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の長尺材保持具。
  3. 前記基底部におけるスライド方向の先方側の一部を他の部分よりも幅広にし、当該幅広部分を、前記取付対象板材への取付作業時に作業者が把持する把持部としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の長尺材保持具。
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