JP2011012568A - シール構造及びこれを備えたガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なシール性とメンテナンス性とを有するシール構造を提供する。また、攪拌による損失の増大を抑制することができるシール構造を提供する。
【解決手段】回転軸に設けられ、外周部に軸方向に沿って翼溝が形成されたディスクと、前記翼溝に嵌合された翼根を有する動翼とを備えた構造を対象として、前記ディスクと前記動翼との径方向の隙間Skを封止するシール構造50であって、ディスク20の翼溝において前記径方向に窪んでいると共に前記翼溝の延在方向に交差する方向に延びたポケット部51と、長尺状に形成され、ポケット部51に前記径方向に移動可能に収容されたシール部材55とを備えることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、シール構造及びこれを備えたガスタービンに関するものである。
周知のように、ガスタービンに用いられるローターとしては、回転軸と、この回転軸の外周部に設けられたディスクと、このディスクの外周部に複数設けられた動翼とを備えたものがある。この種のローターにおける動翼の取り付け構造として、ディスクの外周部において軸方向に沿って形成された翼溝に動翼の翼根を嵌合させたものがある。
このようなローターにおいては、回転時に動翼に作用する遠心力により、翼根が径方向外方に向けて移動するため、翼根底部と翼溝底部とに径方向の隙間が生じる(あるいは隙間が大きくなる)。ここで、動翼の前後においては、作動流体の圧力が変化しているために、高圧側の作動流体が上記径方向の隙間を介して低圧側へと漏れてしまう。このような現象は、作動流体が径方向の隙間を流れることに伴って圧力損失を生じさせ、また、低圧側に流れた作動流体が主流を乱すように噴出するために、ガスタービンの性能を低下させてしまう原因となる。
下記特許文献1に記載のガスタービンにおいては、ディスク端面において翼溝よりも径方向の内方側に設けられ、軸方向及び径方向外方側に延びた第一の軒樋状部と、翼根の端面において軸方向及び径方向内方側に延びた第二の軒樋状部とを備えており、第一の軒樋状部と第二の軒樋状部とが合わさってピン孔が形成される構成とされ、このピン孔にロックピンが挿入固定されている。すなわち、ロックピンと、第一の軒樋状部又は第二の軒樋状部とが係合して動翼の軸方向の離脱が防止されていると共に、径方向の隙間をロックピンが閉塞することで、高圧側の作動流体が上記径方向の隙間を介して低圧側へと漏れてしまうことを抑止している。
特開平2−40841号公報
しかしながら、従来の技術においては、動翼とディスクとを分解する際にロックピンを引き抜く必要があるために、メンテナンス性が悪いという問題がある。
また、従来の技術においては、翼根の第二の軒樋状部周辺やロックピンが軸方向に突出すると共に、周方向に断続的に連続するために、ディスク端面に周方向の凹凸部が形成される。このため、ローターが回転する際に周囲の作動流体を攪拌し、損失が発生してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、良好なシール性とメンテナンス性とを有するシール構造を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、攪拌による損失の増大を抑制することができるシール構造を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、高性能のガスタービンを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るシール構造は、回転軸に設けられ、外周部に軸方向に沿って翼溝が形成されたディスクと、前記翼溝に嵌合された翼根を有する動翼とを備えた構造を対象として、前記ディスクと前記動翼との径方向の隙間を封止するシール構造であって、前記ディスクの翼溝において前記径方向に窪んでいると共に前記翼溝の延在方向に交差する方向に延びたポケット部と、長尺状に形成され、前記ポケット部に前記径方向に移動可能に収容されたシール部材とを備えることを特徴とする。
なお、上記の「軸方向に沿って」とは、回転軸に対して必ずしも平行となる必要はなく、外周部の接線方向や径方向に傾きを有しているものを含む意味で用いている。
この構成によれば、ディスクの翼溝において翼溝の延在方向に交差する方向に延びたポケット部と、長尺状に形成され、ポケット部に径方向に移動可能に収容されたシール部材とを備えているので、ディスクが回転すると遠心力によってシール部材が径方向外方へと移動し、動翼の翼根に密着する。これにより、シール部材が、ディスクと動翼との径方向の隙間に位置して、この径方向の隙間における作動流体の流れを妨げる。
一方、ディスクが停止すると遠心力が作用せず、シール部材が径方向に容易に移動するようになる。これにより、ディスクから動翼を分離する際に、シール部材が動翼及びディスクに干渉しないので、分解作業を容易に行うことができる。
従って、良好なシール性とメンテナンス性とを得ることができる。
また、シール部材が、翼溝において翼溝の延在方向に交差する方向に延びたポケット部に収容されているので、シール部材が軸方向に突出して位置することがない。これにより、ディスクが回転した際に、シール部材が周囲の流体を攪拌せず、損失の増大を抑制することができる。
また、前記シール部材は、前記軸方向に移動可能であることを特徴とする。
この構成によれば、シール部材が、軸方向に移動可能であるので、径方向の隙間を流れる作動流体から圧力を受けて主流低圧側に移動し、主流低圧側においてポケット部を構成する壁面に密着する。これにより、シール部材が、ディスクと動翼との径方向の隙間を確実に封止して更に良好なシール性を得ることができる。また、シール部材やディスクの熱変形によって、シール部材の移動が制限されないので、良好なシール性を確保しつつ、様々な温度に対応することができる。
また、前記ポケット部は、作動流体の主流低圧側において、前記径方向内方から外方に進むに従って次第に前記主流低圧側に向かう傾斜ガイド面を備えることを特徴とする。
この構成によれば、主流低圧側において、前記径方向内方から外方に進むに従って次第に主流低圧側に向かう傾斜ガイド面を備えるので、遠心力及び作動流体の圧力を受けたシール部材が主流低圧側に移動し易くなる。これにより、遠心力及び作動流体の圧力が作用した際のシール部材の位置を定め易くなり、さらに良好なシール性を得ることができる。
また、前記シール部材は、円柱状であることを特徴とする。
この構成によれば、シール部材が、円柱状であるので、径方向にシール部材が移動し易くなる。
また、前記ポケット部は、前記翼溝の軸方向における両縁部のうち、作動流体の主流高圧側の縁部に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ポケット部が、主流高圧側の縁部に形成されているので、ポケット部を主流低圧側に配置した場合と比較して、シール部材に作用する圧力が大きくなる。すなわち、作動流体が径方向の隙間を流れる際には圧力損失を伴うのが通常であるが、作動流体が径方向の隙間を殆ど流れずにシール部材に到達するので、シール部材に作用する圧力が大きくなる。これにより、シール部材に作用する圧力が大きくなり、シール部材が動翼の翼根及び主流低圧側においてポケット部を構成する壁面により強く押し付けられるので、更に良好なシール性を得ることができる。
また、前記ポケット部は、前記翼溝の前記主流高圧側の縁部に形成された切欠と、前記動翼と前記ディスクとのうち少なくとも一方に設けられ、前記一方から他方に向けて延出して、軸方向において前記切欠を覆う脱落阻止爪とから構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ポケット部が、翼溝の主流高圧側の縁部に形成された切欠と、軸方向において切欠を覆う脱落阻止爪とから構成されているので、ポケット部に収容されたシール部材が脱落することを防止することができる。また、組み立てや組み付け後の調整を容易に行うことができる。
また、前記脱落阻止爪は、前記動翼と前記ディスクとは別部材であることを特徴とする。
この構成によれば、脱落阻止爪は、動翼とディスクと別部材であるので、既存の動翼やディスクを用いて容易に本発明のシール構造を実現することが可能となる。
また、前記翼溝が周方向に断続して複数設けられていると共に、これら翼溝にそれぞれ前記切欠が設けられ、前記脱落阻止爪が、環状に形成されて、軸方向において前記複数の切欠を覆っていることを特徴とする。
この構成によれば、脱落阻止爪が環状に形成され、軸方向において複数の切欠を覆っているので、脱落阻止爪に周方向における凸凹が生じない。これにより、ディスクが回転した際に周囲の作動流体を攪拌しないので、乱れによる損失の増大を抑止することができる。
また、本発明に係るがスタービンは、上記のうちいずれかに記載のシール構造を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ガスタービンに上記のうちいずれか一つのシール構造を備えるので、主流高圧側の作動流体が径方向の隙間を介して主流低圧側へと漏れてしまうことを良好に抑止する。これにより、作動流体の圧力損失を抑止すると共に、主流の流れを乱さないので、ガスタービンの性能を高めることができる。
また、メンテナンス性が高いシール構造を有するので、これに伴ってガスタービンのメンテナンス性を向上させることができる。
本発明によれば、良好なシール性とメンテナンス性とを有するシール構造を提供することができる。
また、本発明によれば、攪拌による損失の増大を抑制することができる。
また、本発明によれば、高性能のガスタービンを提供することができる。
本発明の実施形態に係るガスタービン1の概略構成を示す半断面図である。 本発明の実施形態に係るガスタービン1の要部拡大断面図であって、図1における要部Iの拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るディスク20と動翼30との固定構造を示す要部拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係るローター10の要部拡大断面図であって、図2におけるII−II線断面図である。 本発明の実施形態に係るローター10の要部拡大断面図であって、図2における要部IIIの拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る要部拡大図であって、図3におけるIV矢視図である。なお、図中における左側の動翼30は、ローター10が回転停止状態の場合においてディスク20の外周部20aに放射状に固定された複数の動翼30のうちの上方に位置した動翼30を示しており、右側の動翼30は、ローター10が回転状態の場合における各動翼30を示している。 本発明の実施形態に係るシール構造50の動作説明図である。 本発明の実施形態に係るシール構造50をタービン4におけるタービンディスク23とタービン動翼33とに適用した場合を示した図である。 本発明の実施形態に係るシール構造50の変形例60を示す図である。 本発明の実施形態に係るシール構造50の変形例70を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るガスタービン1の概略構成を示す半断面図である。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮機2と燃焼器3とタービン4とで概略構成されている。
圧縮機2は、内部に取り入れた空気(作動流体)Aを、上流側から下流側に向けて断熱圧縮していく。この圧縮機2については、後に詳述する。
燃焼器3は、圧縮機2とタービン4との間に配設されており、圧縮機2で圧縮された高圧の空気Aに燃料を混合して燃焼させ、タービン4に燃焼ガスGを送っている。
タービン4は、燃焼器3で発生した燃焼ガスGを膨張させながら下流に流すことで、燃焼ガスGの熱エネルギーを機械仕事の回転エネルギーに変換して動力を発生させている。この動力は、発電プラントの図示しない発電機の動力として利用されている他、圧縮機2の動力としても利用されている。
図2は、図1における要部Iの拡大断面図である。
圧縮機2は、図1及び図2に示すように、ケーシング6と、複数の静翼7と、ローター10とを備えている。
ケーシング6は、ローター10を収容していると共に、図2に示すように、内壁に複数の静翼7を保持している。
静翼7は、ローター10を囲繞するように放射状に配置されて環状静翼群を構成している。このような環状静翼群が、軸方向(軸線Pが延在する方向)に間隔を空けて、ケーシング6の内壁に複数設けられている。
ローター10は、回転軸11と、複数のディスク20と、各ディスク20にそれぞれ複数個ずつ固定された動翼30とを備えている。
回転軸11は、図1に示すように、軸線Pを回転中心軸として、ケーシング6の内方に回転自在に設けられている。この回転軸11は、タービン4のケーシング内方に延びてタービン4の回転軸としても機能するものであり、図示しない発電機に接続されている。
図2に示すように、ディスク20は、外周部20aに複数の動翼30を固定している。
図3は、ディスク20と動翼30との固定構造を示す要部拡大斜視図であり、図4は、図2におけるII−II線断面図である。
図3に示すように、ディスク20の外周部20aには、軸線Pに沿って軸方向に延在して、一方の盤面20bから他方の盤面20cまで貫通している翼溝21が複数形成されている。
図4に示すように、各翼溝21の断面輪郭は、正面視した場合の三角フラスコのようになっている。この翼溝21は、図4に示すように、径方向外方から内方に向けて一定の幅で延びた首部21aと、首部21aと連続して漸次溝幅を拡大する胴部21bと、この胴部21bと連続して漸次溝幅を縮小させて平面状の溝底面21dに接続する底部21cとを備えている。
このような翼溝21は、図3に示すように、ディスク20の外周部20aにおいて、周方向に等間隔に複数形成されている。
なお、図2及び図3に示すように、各翼溝21は、溝底面21dの軸方向略中央の位置に略円柱状の溝ピン孔21eを備えている。
動翼30は、図2から図4に示すように、翼根31と、翼根31から径方向外方に延びる翼本体32とを有している。
翼根31は、図4に示すように、翼溝21に嵌合可能な断面形状となっており、翼溝21に嵌挿されている。すなわち、この翼根31は、径方向外方から内方に向けて一定の幅で延びた首部31aと、首部31aと連続して漸次根幅を拡大する胴部31bと、この胴部31bと連続して漸次根幅を縮小させて平面状の根底面31dに接続する底部31cとを備えている。
なお、この翼根31は、図2に示すように、根底面31dの軸方向略中央の位置に略円柱状の根ピン孔31eを備えている。この根ピン孔31eは、溝ピン孔21eと径方向に重ねられており、根ピン孔31eと溝ピン孔21eとの双方に固定用ピン22が、溝ピン孔21eの径方向内方に伸縮可能なバネ25が挿入されている。このようにして、ディスク20と動翼30との軸方向の位置ズレ、及び、動翼30の脱落が防止されている。
このような動翼30は、各ディスク20の外周部20aに放射状に固定されて、環状動翼群を構成している。このような環状動翼群が、環状静翼群の下流側に隣接配置されており、上流側に隣接する環状静翼群と一組一段となっている。
このような構成により、圧縮機2に流入した空気Aが、各段を通過する際に断熱圧縮されるようになっている。
上述したディスク20と動翼30との固定構造においては、嵌め合いのための微小な隙間(遊び)を有している。この微小な隙間を有するために、ディスク20の回転中においては、翼根31の胴部31bが径方向外方に向けて翼溝21の溝壁面(胴部21b)に押し付けられて、溝底面21dと根底面31dとの間に径方向の隙間Skが形成される(図6参照)。
ガスタービン1は、図2に示すように、上記のような径方向の隙間Skを封止するシール構造50を備えている。
図5は、図2における要部IIIの拡大断面図である。
図5に示すように、シール構造50は、ポケット部51と、このポケット部51に収容されたシールピン(シール部材)55とを備えている。
ポケット部51は、翼溝21において径方向に窪んでいると共に、図4に示すように、翼溝21の延在方向に交差する方向に延びている。このポケット部51は、切欠52と、環状溝54に設けられた脱落阻止爪53とで構成されている。
切欠52は、図2に示すように、翼溝21の延在方向における両縁部のうち、空気Aの主流(以下、単に「主流」という。)高圧側(主流の下流側)の縁部21fに形成されている。この切欠52は、図4に示すように、溝底面21dの溝幅方向の長さよりも大きく、溝底面21dに沿って直線状に延びており、径方向及び軸方向に凹設されている。このような切欠52は、図5に示すように、主流低圧側(主流の上流側)が、径方向内方から外方に進むに従って次第に主流低圧側に向かう傾斜ガイド面52aとなっている。
図6は、図3におけるIV矢視図である。
切欠52は、図3に示すように、翼溝21の形成位置に対応して、複数個が周方向に断続して円環状に設けられているが、これら複数の切欠52上に(複数の切欠52に跨って)一つの環状溝54が形成されている。この環状溝54は、図6に示すように、径方向において、溝底面21dと同じ位置から切欠52よりも内方側の位置まで形成されている。
脱落阻止爪53は、図3,6に示すように、円環状に形成された部材である。この脱落阻止爪53は、環状溝54に嵌め込まれて溶接により固定されている。この状態においては、図5に示すように、軸方向において盤面20cと段差が生じないように、また、図6に示すように、径方向において溝底面21dと段差が生じないようにされている。
このような構成により、図5に示すように、切欠52を脱落阻止爪53が軸方向に覆って、溝幅方向に延在するポケット部51が構成されている。
シールピン55は、図4に示すように、ピン径がポケット部51の径方向寸法及び軸方向寸法よりも小さくなっており、ポケット部51に収容されている。なお、このシールピン55のピン径は、図7に示すように、隙間Skの径方向の寸法よりも大きくされている。
また、図4に示すように、シールピン55の長手方向の寸法は、切欠52の長手方向の寸法よりも僅かに小さくされている。
このようなシールピン55は、上記各寸法がガスタービン1の稼働時の熱伸びが考慮されて設定されており、ガスタービン1の稼働時においてポケット部51内を軸方向及び径方向に移動可能になっている。
続いて、ディスク20と動翼30との組み立て方法の一例について、説明する。
まず始めに、環状溝54に脱落阻止爪53を嵌め込み、脱落阻止爪53とディスク20とを溶接し、各翼溝21にポケット部51を形成する。
次に、ポケット部51にシールピン55を収容する。次いで、翼溝21の溝ピン孔21eにバネ25と固定用ピン22とを、この順に挿入した後に、固定用ピン22を径方向外方から押し付けてバネ25を弾性変形をさせる。そして、固定用ピン22の径方向外方側の端部を、溝底面21dと径方向における同等の位置又は径方向内方側に位置させた状態で、翼溝21に翼根31を挿入する(図3参照)。翼根31が所定の位置に移動すると、根ピン孔31eが溝ピン孔21eに径方向に重なった状態となり、弾性変形をしていたバネ25が固定用ピン22を径方向外方に移動させて根ピン孔31eに嵌る(図2参照)。
上記工程を繰り返し、全ての翼溝21に動翼30を固定して、ディスク20と動翼30との組み立てを完了する。
続いて、ガスタービン1のシール効果について、図を用いて説明する。
まず、ガスタービン1が稼働すると、ローター10が回転し、外部から内部に取り入れた空気Aが下流に向かって流れる。空気Aは、静翼7及び動翼30からなる各段を通過する際に断熱圧縮されて圧力が上昇していく。
この際、ローター10の回転によって各動翼30に遠心力が作用する。この遠心力を受けた動翼30は、径方向の外方に移動し、翼根31の胴部31bが翼溝21の溝壁面(胴部21b)に押し付けられる。このようにして、溝底面21dと根底面31dとの間に、径方向の隙間Skが形成される(図6中の右側の動翼30を参照)。
一方、シールピン55についても、動翼30と同様に遠心力が作用する。この遠心力を受けたシールピン55は、ポケット部51内を径方向外方に移動する。
ここで、圧縮機2の動翼30の前後においては、上流側の圧力が下流側の圧力よりも相対的に低くなる。このため、シールピン55は、下流側から上流側に向けて空気Aから圧力を受けて、上流側に移動する。
具体的には、ローター10の回転による遠心力と、空気Aによる圧力を受けた複数のシールピン55のうちの一部は、図7に示す矢印Y1のように、遠心力によって径方向外方に移動して根底面31dに密着した後に、空気Aの圧力によって根底面31dを転がるようにして主流低圧側(主流上流側)に移動する。
また、複数のシールピン55のうちの他の一部は、図7に示す矢印Y2のように、遠心力と空気Aの圧力とによって傾斜ガイド面52aを転がって、径方向外方及び主流低圧側に移動する。
あるいは、矢印Y1,矢印Y2以外の経路を経て、また、経路の途中において一時的に上記挙動とは逆の挙動(径方向内方や主流高圧側への移動)をしつつ、最終的に径方向外方及び主流低圧側に移動する。
シールピン55には、径方向外方及び主流低圧側に移動した後においても、遠心力と空気Aの圧力とが継続して作用するために、根底面31dと傾斜ガイド面52aとに押し付けられると共に双方に密着する。このように、シールピン55が径方向の隙間Skに位置して、径方向の隙間Skを閉塞するために、空気Aが主流低圧側に流れない。このようにして、径方向の隙間Skが封止され、空気Aの圧縮が良好になされる。
この際、ローター10の回転に伴ってシールピン55が回転するが、このシールピン55は、翼溝21におけるポケット部51に収容されており、軸方向に突出して周方向に凹凸を形成しないために、シールピン55によって空気Aが攪拌されることはない。
同様に、ローター10の回転に伴って脱落阻止爪53が回転するが、脱落阻止爪53が円環状に形成されて周方向に凹凸を有さないために、脱落阻止爪53によって空気Aが攪拌されることはない。
続いて、ディスク20と動翼30との分解方法の一例について説明する。
まず、動翼30に軸方向の一方から他方に向けて、比較的に強い力を作用させ、固定用ピン22を折壊(せん断破壊)させる。そして、翼溝21から翼根31を軸方向に引き抜く。この際、シールピン55は、径方向に移動可能となっているので、動翼30に干渉しない。また、脱落阻止爪53についても、径方向において、溝底面21dよりも外方側に位置していないため、引き抜きの際に動翼30に干渉しない。
以上説明したように、シール構造50によれば、ディスク20の翼溝21において翼溝21の延在方向に交差する方向に延びたポケット部51と、長尺状に形成され、ポケット部51に径方向に移動可能に収容されたシールピン55とを備えているので、ディスク20が回転すると遠心力によってシールピン55が径方向外方へと移動し、動翼30の翼根31の根底面31dに密着する。これにより、シールピン55が、ディスク20と動翼30との径方向の隙間Skに位置して、この径方向の隙間Skにおける空気Aの流れを妨げる。
一方、ディスク20が停止すると遠心力が作用せず、シールピン55が径方向に容易に移動するようになる。これにより、ディスク20から動翼30を分離する際に、シールピン55が動翼30及びディスク20に干渉しないので、分解作業を容易に行うことができる。
従って、良好なシール性とメンテナンス性とを得ることができる。
また、シールピン55が、翼溝21において翼溝21の延在方向に交差する方向に延びたポケット部51に収容されているので、シールピン55が軸方向に突出して位置することがない。これにより、ディスク20が回転した際に、シールピン55が周囲の空気Aを攪拌せず、損失の増大を抑制することができる。
また、シールピン55が、軸方向に移動可能であるので、径方向の隙間Skを流れる空気Aから圧力を受けて主流低圧側に移動し、傾斜ガイド面52aに密着する。これにより、シールピン55が、ディスク20と動翼30との径方向の隙間Skを確実に封止して更に良好なシール性を得ることができる。また、シールピン55やディスク20の熱変形によって、シールピン55の移動が制限されない。これにより、良好なシール性を確保しつつ、様々な温度に対応することができる。
また、シールピン55が、円柱状であるので、シールピン55が軸方向及び径方向に移動し易くなる。
また、主流低圧側において、径方向内方から外方に進むに従って次第に主流低圧側に向かう傾斜ガイド面52aを備えるので、遠心力及び空気Aの圧力を受けたシールピン55が傾斜ガイド面52aを転動して主流低圧側に移動し易くなる。これにより、遠心力及び空気Aの圧力が作用した際にシールピン55の位置を主流低圧側に定め易くなり、さらに良好なシール性を得ることができる。
また、ポケット部51が、主流高圧側の縁部21fに形成されているので、ポケット部51を主流低圧側に配置した場合と比較して、シールピン55に作用する圧力が大きくなる。すなわち、空気Aが径方向の隙間Skを流れる際には圧力損失を伴うのが通常であるが、空気Aが径方向の隙間Skを殆ど流れずにシールピン55に到達するので、シールピン55に作用する圧力が大きくなり、シールピン55が動翼30の翼根31及び傾斜ガイド面52aにより強く押し付けられるので、更に良好なシール性を得ることができる。
また、ポケット部51が、翼溝21の主流高圧側の縁部21fに形成された切欠52と、軸方向において切欠52を覆う脱落阻止爪53とから構成されているので、組み立てや組み付け後の調整を容易に行うことができる。
また、脱落阻止爪53は、動翼30とディスク20と別部材であるので、既存の動翼30やディスク20を用いて容易にシール構造50を実現することが可能となる。
また、脱落阻止爪53が環状に形成され、軸方向において複数の切欠52を覆っているので、脱落阻止爪53に周方向における凸凹が生じない。これにより、ディスク20が回転した際に周囲の空気Aを攪拌しないので、乱れによる損失の増大を抑制することができる。
図8は、シール構造50をタービン4におけるタービンディスク23とタービン動翼33とに適用した場合を示した図である。
図8に示すように、タービンディスク23の翼溝24及びタービン動翼33の翼根34の断面形状は、所謂クリスマスツリー形状となっており、平面状の溝底面24eにシール構造50が設けられている。
このような構成においても、上記作用と同様にして、平面状の溝底面24eと平面状の翼根面34eとの間に形成される径方向の隙間Skを封止することができる。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本実施形態においては、翼溝21は、軸線Pに沿って軸方向に延在する構成としたが、例えば、接線方向の成分を有するように、軸方向に沿って形成してもよい。より具体的には、径方向から各翼溝21を軸線Pと重ねて見た場合に、軸線Pと約10度の鋭角を形成するように、軸線Pに対して斜めになる方向に延在させてもよい。
同様に、径方向の成分を有するように、軸方向に沿って形成してもよい。
また、上述した実施の形態では、脱落阻止爪53を円環状に構成したが、分断した構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、脱落阻止爪53とディスク20とを溶接により固定する構成としたが、他の方法、例えば、ビス止め、リベット止め等で固定してもよい。
また、上述した実施の形態では、環状溝54を設け、この環状溝54に脱落阻止爪53を嵌め込む構成としたが、必ずしも環状溝54を設ける必要はない。
また、上述した実施の形態では、脱落阻止爪53をディスク20及び動翼30とは、別部材としたが、ディスク20又は動翼30と同一の部材としてもよい。例えば、図9に示すシール構造60のように、動翼30の縁部30fから径方向内方側に向けて延びる脱落阻止爪63を設け、この脱落阻止爪63で切欠52を覆ってポケット部61を構成してもよい。また、ディスク20と動翼30との双方から脱落係止爪を設け、これら二つの脱落係止爪を径方向に突き合わせる構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、切欠52と脱落阻止爪53とでポケット部51を構成したが、図10に示すシール構造70のように、溝底面21dに溝を形成して、ポケット部71としてもよい。この構成においては、図10に示すように、翼溝21の軸方向中央側に設けることが可能である。なお、他の位置、例えば、縁部21f側に設けてもよいのは当然である。
また、上述した実施の形態では、シール部材としてシールピン55を用いたが、例えば、断面形状が多角形形状の長尺状部材を用いることもできる。
1…ガスタービン
10…ローター
11…回転軸
20…ディスク
20a…外周部
21,24…翼溝
21f…縁部
23…タービンディスク(ディスク)
30…(圧縮機の)動翼
31,34…翼根
33…タービン動翼(動翼)
50,60,70…シール構造
51,61,71…ポケット部
52…切欠
52a…傾斜ガイド面
53,63…脱落阻止爪
55…シールピン
Sk…径方向の隙間
A…空気(作動流体)

Claims (9)

  1. 回転軸に設けられ、外周部に軸方向に沿って翼溝が形成されたディスクと、前記翼溝に嵌合された翼根を有する動翼とを備えた構造を対象として、前記ディスクと前記動翼との径方向の隙間を封止するシール構造であって、
    前記ディスクの翼溝において前記径方向に窪んでいると共に前記翼溝の延在方向に交差する方向に延びたポケット部と、
    長尺状に形成され、前記ポケット部に前記径方向に移動可能に収容されたシール部材とを備えることを特徴とするシール構造。
  2. 前記シール部材は、前記軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記ポケット部は、作動流体の主流低圧側において、前記径方向内方から外方に進むに従って次第に前記主流低圧側に向かう傾斜ガイド面を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のシール構造。
  4. 前記シール部材は、円柱状であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のシール構造。
  5. 前記ポケット部は、前記翼溝の軸方向における両縁部のうち、作動流体の主流高圧側の縁部に形成されていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のシール構造。
  6. 前記ポケット部は、前記翼溝の前記主流高圧側の縁部に形成された切欠と、
    前記動翼と前記ディスクとのうち少なくとも一方に設けられ、前記一方から他方に向けて延出して、軸方向において前記切欠を覆う脱落阻止爪とから構成されていることを特徴とする請求項5に記載のシール構造。
  7. 前記脱落阻止爪は、前記動翼と前記ディスクとは別部材であることを特徴とする請求項6に記載のシール構造。
  8. 前記翼溝が周方向に断続して複数設けられていると共に、これら翼溝にそれぞれ前記切欠が設けられ、
    前記脱落阻止爪が、環状に形成されて、軸方向において前記複数の切欠を覆っていることを特徴とする請求項7に記載のシール構造。
  9. 請求項1から8のうちいずれか一項に記載のシール構造を備えたことを特徴とするガスタービン。
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