JP2011010088A - 最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法 - Google Patents

最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パイロットシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合において、フェージング変動による最大ドップラー周波数の推定精度を向上させること。
【解決手段】変移検出部106は、受信信号の時間的な位相変移を検出するCPICHシンボルの受信パワー測定部104は、位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定する。変移回数計数部107は、位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさの推定の結果に基づいて、位相変移の回数をカウントする。fd推定値検出部108は、変移回数計数部107によりカウントした位相変移の回数より、最大ドップラー周波数の推定値を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法に関し、特にフェージング変動の速さに関連する最大ドップラー周波数を精度良く検出する最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法に関する。
移動無線通信においては、フェージングによって受信信号の包絡線および位相が変動する。移動無線通信システムによっては、送信機および受信機において既知のパイロットシンボルを送信および受信し、受信機はそのパイロットシンボルの変動を測定する。また、受信機は、パイロットシンボルの変動の測定値に基づいて、フェージング変動が受信信号に与える影響を推定する。この方式は、チャネル推定と呼ばれる。チャネル推定では、雑音の影響を抑圧し、フェージング変動の推定精度を高めるために平均化処理を行う場合が多い。この際、最適な平均区間長は、フェージング変動の速さ、すなわち送受信機の移動速度差に依存することが知られている。そのため、フェージング変動の速さに関連する最大ドップラー周波数を推定する技術が開発されており、無線通信装置単独で推定する方法として、特許文献1の方法が知られている。
図1は、従来のパイロットシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図である。
図1に示すように、現在(時刻i)のパイロットシンボルの受信信号点の座標#1を(I、Q)とし、その直前(時刻i−1)のパイロットシンボルの受信信号点の座標#2を(Ii−1、Qi−1)とする。直前の受信信号点の座標#2から現在の受信信号点の座標#1への変移は、Q軸およびI軸を超えて、第1象限から第3象限へと変移する。この場合、変移の回数は2回と検出される。ここで、受信信号は、フェージング変動およびフェージング変動以外の要因、例えば白色雑音の影響を受けているため、検出された変移の回数は、フェージング変動およびフェージング変動以外の要因による両方の影響を受けた変移の回数である。図1に示すように、フェージング変動のみの影響を受けた場合の現在(時刻i)のパイロットシンボルの信号点の座標#3が(I’、Q’)のとき、直前の受信信号点の座標#2からフェージング変動のみの影響を受けた受信信号点の座標#3への変移は、Q軸のみを超えて、第1象限から第2象限へと変移する。この場合、変移回数は1回と検出される。
特開2004−8675号公報
しかしながら、従来の装置においては、図1に示すように、フェージング変動の影響およびフェージング変動以外の要因による影響を受けた場合と、フェージング変動のみの影響を受けた場合とで、パイロットシンボルの信号点の変移する象限が異なり、検出される変移の回数が異なる。従って、パイロットシンボルの受信信号点の変移の回数から検出した最大ドップラー周波数は、フェージング変動のみの影響を受けたときに検出される所望の最大ドップラー周波数と異なり、最大ドップラー周波数を精度良く検出することができないという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、パイロットシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合において、フェージング変動による最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法を提供することを目的とする。
本発明の最大ドップラー周波数推定装置は、受信信号の時間的な位相変移を検出する位相変移検出手段と、前記位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定する推定手段と、前記推定の結果に基づいて前記位相変移の回数をカウントする計数手段と、カウントした前記回数より最大ドップラー周波数の推定値を検出する推定値検出手段と、を具備する構成を採る。
本発明の最大ドップラー周波数推定方法は、最大ドップラー周波数を推定する最大ドップラー周波数推定装置における最大ドップラー周波数推定方法であって、受信信号間の時間的な位相変移を検出するステップと、前記位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定するステップと、前記推定の結果に基づいて前記位相変移の回数をカウントするステップと、カウントした前記回数より最大ドップラー周波数の推定値を検出するステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、パイロットシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合において、フェージング変動による最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
従来のパイロットシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係るCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図 本発明の実施の形態1に係る閾値の設定方法を示す図 本発明の実施の形態1に係る閾値の設定方法の他の例を示す図 本発明の実施の形態1に係る閾値の設定時の試験結果の一例を示す図 本発明の実施の形態2に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係るCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態2に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図 本発明の実施の形態3に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係るCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態3に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図 本発明の実施の形態4に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係るCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態4に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図 本発明の実施の形態5に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態5に係るCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図 本発明の実施の形態5に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図 本発明の実施の形態5に係る閾値を示す図 本発明の実施の形態6に係る最大ドップラー周波数推定装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態6に係る最大ドップラー周波数推定装置の動作の一部を示すフロー図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置100は、例えば、無線受信装置に搭載される。
最大ドップラー周波数推定装置100は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、CPICHシンボルの受信パワー測定部104と、計数判定部105と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、最大ドップラー周波数推定値検出部108(以下「fd推定値検出部108」と記載する)とから主に構成される。以下に、各構成について詳細に説明する。
アンテナ101は、最大ドップラー周波数推定装置100に到来した信号を受信して無線受信部102へ出力する。
無線受信部102は、アンテナ101から入力した受信信号に対して増幅処理および周波数変換処理を行い、受信直交ベースバンド信号の同相成分(以下、「I成分」と記載する)および直交成分(以下、「Q成分」と記載する)を生成して取り出す。また、無線受信部102は、取り出したI成分およびQ成分をCPICHシンボルのデータ抽出部103へ出力する。
CPICHシンボルのデータ抽出部103は、無線受信部102から入力したI成分およびQ成分に対し、逆拡散を施しCPICHシンボルのI成分およびQ成分を抽出する。また、CPICHシンボルのデータ抽出部103は、抽出したCPICHシンボルのI成分およびQ成分をCPICHシンボルの受信パワー測定部104および変移検出部106へ出力する。
CPICHシンボルの受信パワー測定部104は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルの受信電力を測定する。そして、CPICHシンボルの受信パワー測定部104は、測定値を計数判定部105へ出力する。
計数判定部105は、CPICHシンボルの受信パワー測定部104から入力した受信電力の測定値に基づいて、受信信号に含まれるフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。具体的には、計数判定部105は、CPICHシンボルの受信電力が閾値以上の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定し、CPICHシンボルの受信電力が閾値未満の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定する。また、計数判定部105は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定した場合には、変移を計数するように変移回数計数部107を制御し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定した場合には、変移を計数しないように変移回数計数部107を制御する。ここで、フェージング変動以外の要因とは、雑音等である。
変移検出部106は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分に基づいて、CPICHシンボルの受信信号点が位置するI−Q平面上の位相領域の変移を検出する。この変移は、受信信号点が、複数の区切られた位相領域において、異なる位相領域に変移したか否かにより検出する。例えば、この位相領域を、I−Q平面におけるI軸とQ軸とによって区切られた第1象限から第4象限の4つの象限とする。また、変移検出部106は、変移の検出結果を変移回数計数部107へ出力する。ここで、CPICHシンボルの受信信号点は、フェージング変動およびフェージング変動以外の要因の影響によって変移する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部105の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。
fd推定値検出部108は、観測時間内のCPICHシンボルの全数に対する変移回数計数部107から入力した計数結果の計数値の比率と、予め設定された最大ドップラー周波数fdとの関係式から、最大ドップラー周波数の推定値を検出する。そして、fd推定値検出部108は、検出した最大ドップラー周波数推定値を最大ドップラー周波数推定データ(fd推定データ)として出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置100の構成の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を示す図である。
図3において、現在(時刻i)におけるCPICHシンボルの受信信号点の座標#301を(I、Q)とすると、原点#302とCPICHシンボルの受信信号点の座標#301との距離R(R=√Ii^2+Qi^2)は、現在(時刻i)のCPICHシンボルの受信電力の平方根により求められる。
ここで、原点#302と受信信号点の座標#301との距離、すなわち受信電力の平方根Rが予め設定した閾値P以上の場合は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さく、誤検出の可能性が小さいと推定できる。逆に、受信電力の平方根Rが閾値P未満の場合は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、誤検出の可能性が大きいと推定できる。
従って、計数判定部105は、CPICHシンボルの受信信号点が横縞の網掛けの範囲内のとき(R<Pのとき)は、そのCPICHシンボルの受信信号点を変移の回数の計数対象外とし、CPICHシンボルの受信信号点が横縞の網掛けの範囲外のとき(R≧Pのとき)は、そのCPICHシンボルの受信信号点を変移の回数の計数対象とする。図3においては、計数判定部105は、CPICHシンボルの現在の受信信号#301は、変移の回数の計数対象外と判定する。
次に、最大ドップラー周波数推定装置100の動作について、図4を用いて説明する。図4は、最大ドップラー周波数推定装置100の動作の一部を示すフロー図である。
最初に、計数判定部105は、CPICHシンボルの受信電力の平方根(原点とCPICHシンボルの受信信号点との距離)を求め、求めた平方根が予め設定された閾値P以上か否かを判定する(ステップST401)。
次に、CPICHシンボルの受信電力の平方根が閾値P以上の場合には(ステップST401:YES)、計数判定部105は、誤検出の可能性が小さいと推定し、変移回数計数時間に「1」を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST402)。
次に、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST403)。
I成分の符号変化がある場合には(ステップST403:YES)、変移回数計数部107は、Q軸を超えて変移したことを検出し、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST404)。
一方、I成分の符号変化がない場合には(ステップST403:NO)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算せずに(ステップST404の処理を行わずに)、ステップST405に処理を進める。
また、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST405)。
Q成分の符号変化がある場合には(ステップST405:YES)、変移検出部106は、I軸を超えて変移したことを検出し、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST406)。
一方、Q成分の符号変化がない場合には(ステップST405:NO)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算せずに(ステップST406の処理を行わずに)、処理を終了する。
また、ステップST401において、CPICHシンボルの受信電力の平方根が閾値P未満の場合には(ステップST401:NO)、計数判定部105は、誤検出の可能性が大きいと推定し、変移回数および変移回数計数時間を更新しないように制御して、計数判定の処理を終了する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置100の動作の説明を終える。
ここで、実際に最大ドップラー周波数推定装置100が運用される電波伝搬環境で予め試験を行い、最大ドップラー周波数推定装置100単独で検出した最大ドップラー周波数と、GPSなどの位置情報を用いて求めた移動速度若しくは車速を用いて求めた最大ドップラー周波数などの、外部入力装置を用いて求めた最大ドップラー周波数との差が小さくなるように閾値Pを算出することができる。
図5は、閾値Pの設定方法を示す図である。図5は、試験により得られた閾値と、上記の最大ドップラー周波数の差分との関係の一例を示す図である。図5において、閾値は、CPICHシンボルの受信電力と比較する閾値を示し、検出fdの差分は、最大ドップラー周波数推定装置100単独で検出した最大ドップラー周波数と、外部入力装置を用いて求めた最大ドップラー周波数との差を示す。図5の場合、最終的に予め設定される閾値Pの値は、−22となる(矢印#501)。
また、図6は、閾値Pの設定方法の他の例を示す図である。図6は、最大ドップラー周波数推定装置100において検出したCPICHシンボルの受信電力と受信する遅延波の数とに応じて閾値を設定するものである。
無線通信装置が受信する遅延波の数を検出できるときに、検出した受信電力が0dB以上かつ−20dB以下の場合において、検出した遅延波の数が1の場合は、閾値として−22dBを選択する。また、検出した遅延波数が2の場合は、閾値として−22dBを選択し、検出した遅延波数が3の場合は、閾値として−20dBを選択し、検出した遅延波化数が4以上の場合は、閾値として−18dBを選択する。
これにより、CPICHシンボルの受信電力に加え、受信する遅延波の数が最大ドップラー周波数の検出精度に影響する場合でも、検出した受信電力および遅延波の数に応じて、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を判定する閾値を設定することができる。これにより、最大ドップラー周波数の検出精度をさらに高めることができる。
図6に示すCPICHシンボルの受信電力と遅延波の数に応じた閾値の算出は以下の方法により算出することができる。まず、実際に本発明が運用される電波伝搬環境で試験を行い、ある閾値設定時において、検出したCPICHシンボルの受信電力、検出した遅延波の数、および検出した最大ドップラー周波数と外部入力装置を用いて求めた最大ドップラー周波数との差分を記録する。そして、記録した結果から、CPICHシンボルの受信電力および遅延波の数毎に、最大ドップラー周波数推定装置100単独で検出した最大ドップラー周波数と外部入力装置を用いて求めた最大ドップラー周波数数との差が小さくなるように、閾値を算出する。
図7は、閾値Pの設定時の試験結果の一例を示す図である。図7において、閾値は、CPICHシンボルの受信電力と比較する閾値を示す。また、検出fdの差分は、最大ドップラー周波数推定装置100単独で検出した最大ドップラー周波数と外部入力装置を用いて求めた最大ドップラー周波数との差を示す。また、検出した遅延波数は、CPICHシンボルの受信信号を求める際に受信した遅延波の数を示す。
図7において、検出した受信電力が−20dB以上、かつ検出した遅延波数が1つであるケースに着目する。着目するケースに該当する試験結果は、「閾値−18dBを設定したときに、検出した受信電力が−22dBであり、検出fdの差分が50Hz」(矢印#701)の場合と、「閾値−20dBを設定したときに検出した受信電力が−22dBであり、検出fdの差分が30Hz」(矢印#702)の場合の二つである。この該当する二つ試験結果の中で、検出fdの差分が小さい方を閾値とするため、図7の場合は、閾値として−20dBを選択する。遅延波数が2以上である場合も、同様の方法により閾値を選択する。
次に、図7において、検出した受信電力が0dB以上かつ−20dB未満であり、かつ検出した遅延波数が1であるケースに着目する。着目するケースに該当する試験結果は、「閾値−22dBを設定したときに、検出した受信電力が−15dB、検出fdの差分が50Hz」(矢印#703)の場合のみである。よって、検出した受信電力が0dB以上かつ−20dB未満であり、かつ検出し遅延波数が1であるケースの場合は、閾値として−22dBを選択する。遅延波数が2以上である場合も、同様の方法により閾値を選択する。
なお、受信電力の指標として、RSCP(Received Signal Code Power)、またはISCP(Interference Signal Code Power)の逆数、その他の指標であってもよい。また、上記の指標を2つ以上組み合わせてもよい。これにより、フェージング以外の影響の推定精度をさらに向上させ、最大ドップラー周波数の検出精度を高めることができる。
また、受信SIR(Signal to Interference Ratio)に応じて閾値を設定してもよい。受信SIRが高い場合は、閾値aを選択し、低い場合は閾値bを選択する。これにより、受信SIRが異なる場合でも、フェージング変動以外の要因による影響の可能性の判定する閾値を変えることで、フェージング変動以外の要因による影響の可能性の判定精度を高めることができる。なお、上記の閾値は、図5を用いて説明した閾値の設定方法と同様に、検出fdの差分が小さくなるように決めてもよい。
このように、本実施の形態によれば、CPICHシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合に、フェージング変動による最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る最大ドップラー周波数推定装置800の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置800は、例えば、無線受信装置に搭載される。
図8に示す最大ドップラー周波数推定装置800は、図2に示す実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100に対して、CPICHシンボルの受信パワー測定部104を除き、CPICHシンボルのIQ成分測定部801を追加し、計数判定部105の代わりに計数判定部802を有する。なお、図8において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
最大ドップラー周波数推定装置800は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、fd推定値検出部108と、CPICHシンボルのIQ成分測定部801と、計数判定部802とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1とは異なる各構成について詳細に説明する。
CPICHシンボルのデータ抽出部103は、無線受信部102から入力したI成分およびQ成分に対し、逆拡散を施しCPICHシンボルのI成分およびQ成分を抽出する。また、CPICHシンボルのデータ抽出部103は、抽出したCPICHシンボルのI成分およびQ成分をCPICHシンボルのIQ成分測定部801および変移検出部106へ出力する。
CPICHシンボルのIQ成分測定部801は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分から、I−Q平面上の受信信号点の座標を求める。そして、CPICHシンボルのIQ成分測定部801は、求めた座標を計数判定部802へ出力する。
計数判定部802は、CPICHシンボルのIQ成分測定部801から入力した座標と閾値とを比較してフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。具体的には、計数判定部802は、受信信号点の座標とI軸およびQ軸との距離を求める。また、計数判定部802は、求めた各々の距離が所定の範囲内である場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定し、求めた各々の距離が所定の範囲外である場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性は小さいと判定する。また、計数判定部802は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定した場合には、変移を計数するように変移回数計数部107を制御し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定した場合には、変移を計数しないように変移回数計数部107を制御する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部802の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置800の構成の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置について、図9を用いて説明する。図9は、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を説明する図である。
図9において、CPICHシンボルの現在の受信信号点X(I、Q)のI成分の値は、Q軸からの距離を示し、I成分の絶対値により求めることができる。また、CPICHシンボルの現在の受信信号点X(I、Q)のQ成分の値は、I軸からの距離を示し、Q成分の絶対値により求めることができる。
ここで、受信信号のI成分の絶対値が予め設定した閾値a以上の場合には、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さく、誤検出の可能性は小さいと推定できる。逆に、I成分の絶対値が予め設定した閾値a未満の場合には、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、誤検出の可能性は大きいと推定できる。Q成分の絶対値も同様に予め設定した閾値bとの大小を判定し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。
これを用いて、CPICHシンボルの受信信号のI成分の値が横縞の網掛け範囲内の場合(|I|<a)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とし、横縞の網掛け範囲外の場合(|I|≧a)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。
Q成分についても同様に、CPICHシンボルの受信信号のQ成分の値が縦縞の網掛けの範囲内の場合(|Q|<b)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とし、縦縞の網掛け範囲外の場合(|Q|≧b)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。
図9の場合、計数判定部802は、現在の受信信号点X(I、Q)のI成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とし、現在の受信信号点X(I、Q)のQ成分の変移検出結果は変移回数の計数対象外とするように、変移回数計数部107を制御する。
次に、最大ドップラー周波数推定装置800の動作について、図10を用いて説明する。図10は、最大ドップラー周波数推定装置800の動作の一部を示すフロー図である。
最初に、計数判定部802は、受信信号点のI成分の絶対値を求め、求めたI成分の絶対値が予め設定した閾値a以上か否かを判定する(ステップST1001)。
受信信号点のI成分の絶対値が予め設定した閾値a未満の場合には(ステップST1001:NO)、計数判定部802は、受信信号点のQ成分の絶対値を求め、求めたQ成分の絶対値が予め設定した閾値b以上か否かを判定する(ステップST1002)。
受信信号点のQ成分の絶対値が予め設定した閾値b未満である場合には(ステップST1002:NO)、処理を終了する。
一方、ステップST1001において、受信信号点のI成分の絶対値が予め設定した閾値a以上の場合には(ステップST1001:YES)、ステップST1002の処理を行わずにステップST1003に処理を進める。
また、ステップST1002において、受信信号点のQ成分の絶対値が予め設定した閾値b以上の場合には(ステップST1002:YES)、計数判定部802は、変移回数計数時間に1を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST1003)。
次に、計数判定部802は、受信信号点のI成分の絶対値が予め設定した閾値a以上か否かを判定する(ステップST1004)。
受信信号点のI成分の絶対値が予め設定した閾値a未満の場合には(ステップST1004:NO)、ステップST1005及びステップST1006の処理を行わずに、後述するステップST1007に処理を進める。
一方、受信信号点のI成分の絶対値が予め設定した閾値a以上の場合には(ステップST1004:YES)、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1005)。
I成分の符号変化がない場合には(ステップST1005:NO)、ステップST1006の処理を行わずに、後述するステップST1007に処理を進める。
一方、I成分の符号変化がある場合には(ステップST1005:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST1006)。
次に、計数判定部802は、受信信号点のQ成分の絶対値が予め設定した閾値b以上か否かを判定する(ステップST1007)。
受信信号点のQ成分の絶対値が予め設定した閾値b未満の場合には(ステップST1007:NO)、ステップST1008及びステップST1009の処理を行わずに処理を終了する。
一方、受信信号点のQ成分の絶対値が予め設定した閾値b以上の場合には(ステップST1007:YES)、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1008)。
Q成分の符号変化がない場合には(ステップST1008:NO)、ステップST1009の処理を行わずに処理を終了する。
一方、Q成分の符号変化がある場合には(ステップST1008:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算し(変移回数+1)(ステップST1009)、処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、CPICHシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合に、フェージング変動による最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る最大ドップラー周波数推定装置1100の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置1100は、例えば、無線受信装置に搭載される。
図11に示す最大ドップラー周波数推定装置1100は、図2に示す実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100に対して、CPICHシンボルの受信パワー測定部104を除き、CPICHシンボルのIQ成分測定部1101およびメモリ・変移量算出部1102を追加し、計数判定部105の代わりに計数判定部1103を有する。なお、図11において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
最大ドップラー周波数推定装置1100は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、fd推定値検出部108と、CPICHシンボルのIQ成分測定部1101と、メモリ・変移量算出部1102と、計数判定部1103とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1とは異なる各構成について詳細に説明する。
CPICHシンボルのIQ成分測定部1101は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分から、I−Q平面上の受信信号点の座標を求める。そして、CPICHシンボルのIQ成分測定部1101は、求めた座標をメモリ・変移量算出部1102へ出力する。
メモリ・変移量算出部1102は、CPICHシンボルのIQ成分測定部1101から入力した、座標のI成分およびQ成分の値を保存する。また、メモリ・変移量算出部1102は、CPICHシンボルのIQ成分測定部1101から入力した、現在のCPICHシンボルの受信信号点のI成分およびQ成分と、保存している直前のCPICHシンボルの受信信号点のI成分およびQ成分とに基づいて、I成分およびQ成分のそれぞれの変移の大きさ(以下、「変移量」と記載する)を検出する。そして、メモリ・変移量算出部1102は、検出した変移量を計数判定部1103へ出力する。
計数判定部1103は、メモリ・変移量算出部1102から入力した変移量と閾値とを比較してフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。具体的には、計数判定部1103は、変移量が閾値以上の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定し、変移量が閾値未満の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定する。また、計数判定部1103は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定した場合には、変移を計数するように変移回数計数部107を制御し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定した場合には、変移を計数しないように変移回数計数部107を制御する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部1103の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置1100の構成の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置について、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を説明する図である。
図12において、Iは、CPICHシンボルの現在(時刻i)の受信信号点XのI成分の値を示し、Qは、Q成分の値を示す。また、図12において、Ii−1は、直前(時刻i−1)のCPICHシンボルの受信信号点YのI成分の値を示し、Qi−1は、Q成分の値を示す。この場合、I成分の変移量はI−Ii−1の絶対値で示され、Q成分の変移量はQ−Qi−1の絶対値で示される。
ここで、受信信号点のI成分の変移量が、予め設定した閾値a以上の場合は、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さく、誤検出の可能性が小さいと推定できる。逆に、受信信号点のI成分の変移量が予め設定した閾値a未満の場合は、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、誤検出の可能性が大きいと推定できる。Q成分の変移量も同様に予め設定した閾値bとの大小を判定し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。
これを用いて、CPICHシンボルの受信信号のI成分の変移量が横縞の網掛け範囲内の場合(I成分の変移量(I−Ii−1)<a)は、I成分の変移検出結果を計数対象外とし、CPICHシンボルの受信信号のI成分の変移量が横縞の網掛け範囲外の場合(I成分の変移量(I−Ii−1)≧a)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。Q成分についても同様に、Q成分の変移量が縦縞の網掛けの範囲内の場合(Q成分の変移量(Q−Qi−1)<b)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とし、Q成分の変移量が縦縞の網掛け範囲外のとき(Q成分の変移量(Q−Qi−1)≧b)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。
図12の場合、計数判定部1103は、現在の受信信号点X(I、Q)のI成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とし、現在の受信信号点X(I、Q)のQ成分の変移検出結果は変移回数の計数対象外とするように、変移回数計数部107を制御する。
次に、最大ドップラー周波数推定装置1100の動作について、図13を用いて説明する。図13は、最大ドップラー周波数推定装置1100の動作の一部を示すフロー図である。
最初に、計数判定部1103は、I成分の変移量を求め、求めたI成分の変移量が閾値a以上であるか否かを判定する(ステップST1301)。
I成分の変移量が閾値a以上である場合には(ステップST1301:YES)、ステップST1302の処理を行わずに、ステップST1303に処理を進める。
一方、I成分の変移量が閾値a未満である場合には(ステップST1301:NO)、計数判定部1103は、Q成分の変移量を求め、求めたQ成分の変移量が閾値b以上であるか否かを判定する(ステップST1302)。
Q成分の変移量が閾値b未満である場合には(ステップST1302:NO)、ステップST1303〜ステップST1309の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の変移量が閾値b以上である場合には(ステップST1302:YES)、計数判定部1103は、変移回数計数時間に1を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST1303)。
次に、計数判定部1103は、I成分の変移量が閾値a以上であるか否かを判定する(ステップST1304)。
I成分の変移量が閾値a未満の場合には(ステップST1304:NO)、ステップST1305及びステップST1306の処理を行わずに、後述するステップST1307に処理を進める。
一方、I成分の変移量が閾値a以上の場合には(ステップST1304:YES)、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1305)。
I成分の符号変化がない場合には(ステップST1305:NO)、ステップST1306の処理を行わずに、後述するステップST1307に処理を進める。
一方、I成分の符号変化がある場合には(ステップST1305:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST1306)。
次に、計数判定部1103は、Q成分の変移量が閾値b以上であるか否かを判定する(ステップST1307)。
Q成分の変移量が閾値b未満である場合には(ステップST1307:NO)、ステップST1308及びステップST1309の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の変移量が閾値b以上である場合には(ステップST1307:YES)、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1308)。
Q成分の符号変化がない場合には(ステップST1308:NO)、ステップST1309の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の符号変化がある場合には(ステップST1308:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算し(変移回数+1)(ステップST1309)、処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、CPICHシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合に、フェージング変動の影響のみを受けた最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る最大ドップラー周波数推定装置1400の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置1400は、例えば、無線受信装置に搭載される。
図14に示す最大ドップラー周波数推定装置1400は、図2に示す実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100に対して、CPICHシンボルの受信パワー測定部104を除き、CPICHシンボルのIQ成分測定部1401及びメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402を追加し、計数判定部105の代わりに計数判定部1403を有する。なお、図14において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
最大ドップラー周波数推定装置1400は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、fd推定値検出部108と、CPICHシンボルのIQ成分測定部1401と、メモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402と、計数判定部1403とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1とは異なる各構成について詳細に説明する。
CPICHシンボルのデータ抽出部103は、無線受信部102から入力したI成分およびQ成分に対し、逆拡散を施しCPICHシンボルのI成分およびQ成分を抽出する。また、CPICHシンボルのデータ抽出部103は、抽出したCPICHシンボルのI成分およびQ成分をCPICHシンボルのIQ成分測定部1401および変移検出部106へ出力する。
CPICHシンボルのIQ成分測定部1401は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分から、I−Q平面上の受信信号点の座標を求める。そして、CPICHシンボルのIQ成分測定部1401は、求めた座標をメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402へ出力する。
メモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402は、CPICHシンボルのIQ成分測定部1401から入力した、直前(時刻i−1)のCPICHシンボルの受信信号点の座標のI成分およびQ成分を保存する。また、メモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402は、現在(時刻i)において、CPICHシンボルのIQ成分測定部1401から入力した、現在(時刻i)のCPICHシンボルの受信信号点の座標のI成分およびQ成分に、保存している直前(時刻i−1)のCPICHシンボルの受信信号点の座標のI成分およびQ成分を同相加算し、加算結果のI成分およびQ成分に0.5を乗算する。そして、メモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402は、乗算結果を計数判定部1403へ出力する。なお、2シンボルの平均I成分およびQ成分を算出するために0.5を乗算したが、0.5を乗算する代わりに、平均I成分および平均Q成分に対する閾値を2倍にしてもよい。
計数判定部1403は、メモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1402から入力した乗算結果と閾値とを比較してフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。具体的には、計数判定部1403は、I成分またはQ成分の乗算結果が閾値以上の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定し、I成分またはQ成分の乗算結果が閾値未満の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定する。また、計数判定部1403は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定した場合には、変移を計数するように変移回数計数部107を制御し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定した場合には、変移を計数しないように変移回数計数部107を制御する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部1403の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置1400の構成の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置について、図15を用いて説明する。図15は、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を説明する図である。
CPICHシンボルの現在(時刻i)の受信信号点の座標Xを(I、Q)、直前(時刻i−1)の受信信号点の座標Yを(Ii−1、Qi−1)とすると、現在の受信信号点と直前の受信信号点との平均信号点の座標Zにおいて、I成分(平均I成分)は「I=(Ii−1+I)/2」により求めることができ、Q成分(平均Q成分)は「Q=(Qi−1+Q)/2」により求めることができる。
ここで、平均I成分が予め設定した閾値a以上の場合は、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さく、誤検出の可能性が小さいと推定できる。逆に、平均I成分が予め設定した閾値a未満の場合は、I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、誤検出の可能性が大きいと推定できる。平均Q成分も同様に予め設定した閾値bとの大小を判定し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。
これを用いて、CPICHシンボルの平均I成分の値Iが横縞の網掛け範囲内の場合(|I|<a)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とし、横縞の網掛け範囲外の場合(|I|≧a)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。Q成分についても同様に、平均Q成分の値Qが縦縞の網掛けの範囲内の場合(|Q|<b)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とし、縦縞の網掛け範囲外の場合(|Q|≧b)はQ成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。
図15の場合、計数判定部1403は、現在の受信信号点X(I、Q)のI成分およびQ成分の変移検出結果は変移回数の計数対象外とするように、変移回数計数部107を制御する。
なお、本実施の形態では、現在(時刻i)のCPICHシンボルと直前(時刻i−1)のCPICHシンボルとの各1シンボルを用い、受信信号の平均I成分および平均Q成分を求める区間の長さである平均区間長を2シンボルとしたが、2シンボルでなくてもよい。
直前(時刻i−1)と、現在(時刻i)と、直後(時刻i+1)との3シンボルの受信信号の平均I成分および平均Q成分を算出し、算出した平均I成分及び平均Q成分を用いて、現在(時刻i)検出した変移検出結果を変移回数の計数対象とするか否かを判定してもよい。現在を含まない、過去と未来、即ち直前(時刻i−1)と直後(時刻i+1)とに受信したCPICHシンボルの平均値を用いて同様に判定してもよい。また、現在の1シンボルと過去の2シンボルと未来の2シンボル(時刻i−2、i−1、i、i+1、i+2の5シンボル全て)を用いて同様の判定をしてもよい。また、時刻i−2、i−1、i、i+1、i+2の5シンボルの内からいずれか4シンボル、または3シンボル、または2シンボルを用いて同様の判定をしてもよい。過去と未来の数を必ずしも等しくする必要はない。
次に、最大ドップラー周波数推定装置1400の動作について、図16を用いて説明する。図16は、最大ドップラー周波数推定装置1400の動作の一部を示すフロー図である。
最初に、計数判定部1403は、平均I成分を求め、求めた平均I成分の絶対値が閾値a以上であるか否かを判定する(ステップST1601)。
平均I成分の絶対値が閾値a以上の場合には(ステップST1601:YES)、ステップST1602の処理を行わずに、後述するステップST1603に処理を進める。
一方、平均I成分の絶対値が閾値a未満の場合には(ステップST1601:NO)、計数判定部1403は、平均Q成分を求め、求めた平均Q成分の絶対値が閾値b以上であるか否かを判定する(ステップST1602)。
平均Q成分の絶対値が閾値b未満の場合には(ステップST1602:NO)、ステップST1603〜ステップST1609の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、平均Q成分の絶対値が閾値b以上の場合には(ステップST1602:YES)、計数判定部1403は、変移回数計数時間に1を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST1603)。
次に、計数判定部1403は、平均I成分の絶対値が閾値a以上であるか否かを判定する(ステップST1604)。
平均I成分の絶対値が閾値a未満の場合には(ステップST1604:NO)、ステップST1605およびステップST1606の処理を行わずに、後述するステップST1607に処理を進める。
一方、平均I成分の絶対値が閾値a以上の場合には(ステップST1604:YES)、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1605)。
I成分の符号変化がない場合には(ステップST1605:NO)、ステップST1606の処理を行わずに、後述するステップST1607に処理を進める。
一方、I成分の符号変化がある場合には(ステップST1605:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST1606)。
次に、計数判定部1403は、平均Q成分の絶対値が閾値b以上であるか否かを判定する(ステップST1607)。
平均Q成分の絶対値が閾値b未満の場合には(ステップST1607:NO)、ステップST1608およびステップST1609の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、平均Q成分の絶対値が閾値b以上の場合には(ステップST1607:YES)、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1608)。
Q成分の符号変化がない場合には(ステップST1608:NO)、ステップST1609の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の符号変化がある場合には(ステップST1608:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算し(変移回数+1)(ステップST1609)、処理を終了する。
なお、本実施の形態では、CPICHシンボルの受信信号の平均I成分および平均Q成分を用いてフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する方法を示したが、平均I成分および平均Q成分から算出した受信電力を用いて、実施の形態1と同様の方法でフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定してもよい。
因みに、上記の実施の形態2の場合、フェージング変動が低速であり、フェージング変動によるCPICHシンボルの受信信号の変移量が小さい場合、受信信号の変移量に対するフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、検出した変移回数がフェージング変動以外の要因による影響の計数である可能性が大きい。
一方、本実施の形態の構成によりCPICHシンボルの受信信号を平均することにより、フェージング変動が低速な場合において、フェージング変動以外の要因による影響を平滑化し、その影響を小さくでき、受信信号のばらつきを小さくすることができる。このばらつきが小さい受信信号を用いることで、平均しない受信信号を用いる場合に比べ、計数判定に用いる閾値の設定を容易に行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、フェージング変動が低速な場合において、計数判定に用いる閾値を容易に設定することができる。
(実施の形態5)
図17は、本発明の実施の形態5に係る最大ドップラー周波数推定装置1700の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置1700は、例えば、無線受信装置に搭載される。
図17に示す最大ドップラー周波数推定装置1700は、図2に示す実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100に対して、CPICHシンボルの受信パワー測定部104を除き、CPICHシンボルのIQ成分測定部1701と、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702と、第2のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1703とを追加し、計数判定部105の代わりに計数判定部1704を有する。なお、図17において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
最大ドップラー周波数推定装置1700は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、fd推定値検出部108と、CPICHシンボルのIQ成分測定部1701と、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702と、第2のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1703と、計数判定部1704とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1とは異なる各構成について詳細に説明する。
CPICHシンボルのデータ抽出部103は、無線受信部102から入力したI成分およびQ成分に対しから、逆拡散を施しCPICHシンボルのI成分およびQ成分を抽出する。また、CPICHシンボルのデータ抽出部103は、抽出したCPICHシンボルのI成分およびQ成分をCPICHシンボルのIQ成分測定部1701および変移検出部106へ出力する。
CPICHシンボルのIQ成分測定部1701は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分から、I−Q平面上の受信信号点の座標を求める。そして、CPICHシンボルのIQ成分測定部1701は、求めた座標を第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702および第2のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1703へ出力する。
第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702は、CPICHシンボルのIQ成分測定部1701から入力した座標より、所定の平均区間長における平均I成分および平均Q成分を求める。そして、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702は、求めた平均I成分および平均Q成分を計数判定部1704へ出力する。
第2のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1703は、CPICHシンボルのIQ成分測定部1701から入力した座標より、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702の平均区間長とは異なる平均区間長における平均I成分および平均Q成分を求める。そして、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702は、求めた平均I成分および平均Q成分を計数判定部1704へ出力する。
計数判定部1704は、第1のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1702から入力した平均I成分および平均Q成分、および第2のメモリ・シンボルの平均IQ成分算出部1703から入力した平均I成分および平均Q成分と、閾値とを各々比較してフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部1704の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置1700の構成の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置について、図18を用いて説明する。図18は、本実施の形態におけるCPICHシンボルの受信信号点のI−Q平面における配置を説明する図である。
図18の平均信号点1(I、Q)と平均信号点2(I、Q)は、各々異なる平均区間長で平均した平均信号点である。図18において、Iは、平均信号点1における平均I成分であり、Qは、平均信号点1における平均Q成分である。また、図18において、Iは、平均信号点2における平均I成分であり、Qは、平均信号点2における平均Q成分である。
ここで、平均信号点1における平均I成分が予め設定した閾値a1以上の場合は、平均区間長1の平均I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さく、誤検出の可能性が小さいと推定できる。逆に、平均信号点1における平均I成分が予め設定した閾値a1未満の場合は、平均区間長1の平均I成分におけるフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きく、誤検出の可能性が大きいと推定できる。平均信号点1における平均Q成分も同様に、予め設定した閾値b1との大小を判定し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。同様に、平均信号点2における平均I成分および平均Q成分について、閾値a2および閾値b2と大小判定を行い、フェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。
これを用いて、CPICHシンボルの平均信号点1の平均I成分の値Iが横縞の網掛け範囲内のとき(|I|<a1)、またはCPICHシンボルの平均信号点2の平均I成分の値Iが右斜線縞の網掛け範囲内のとき(|I|<a2)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とする。また、CPICHシンボルの平均信号点1の平均I成分の値Iが横縞の網掛け範囲外のとき(|I|≧a1)、かつCPICHシンボルの平均信号点2の平均I成分の値Iが右斜線縞の網掛け範囲外のとき(|I|≧a2)は、I成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。Q成分についても同様に、CPICHシンボルの平均信号点1の平均Q成分の値Qが縦縞の網掛けの範囲内のとき(|Q|<b1)、またはCPICHシンボルの平均信号点2の平均Q成分の値Qが左斜線縞の網掛けの範囲内のとき(|Q|<b2)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象外とする。また、CPICHシンボルの平均信号点1の平均Q成分の値Qが縦縞の網掛け範囲外のとき(|Q|≧b1)、かつCPICHシンボルの平均信号点2の平均Q成分の値Qが左斜線縞の網掛け範囲外のとき(|Q|≧b2)は、Q成分の変移検出結果を変移回数の計数対象とする。
図18の場合、計数判定部1704は、平均信号点1(I、Q)および平均信号点2(I、Q)のI成分およびQ成分の変移検出結果は変移回数の計数対象外とするように、変移回数計数部107を制御する。
次に、最大ドップラー周波数推定装置1700の動作について、図19および図20を用いて説明する。図19は、最大ドップラー周波数推定装置1700の動作の一部0を示すフロー図である。また、図20は、閾値を示す図である。
最初に、計数判定部1704は、平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1(図20において、a1=−18)以上か否かを判定する(ステップST1901)。
平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1未満の場合には(ステップST1901:NO)、計数判定部1704は、平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1(図20において、b1=−18)以上か否かを判定する(ステップST1902)。
平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1未満の場合には(ステップST1902:NO)、計数判定部1704は、平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2(図20において、a2=−25)以上か否かを判定する(ステップST1903)。
平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2未満の場合には(ステップST1903:NO)、計数判定部1704は、平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2(図20において、b2=−25)以上か否かを判定する(ステップST1904)。
平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2未満の場合には(ステップST1904:NO)、処理を終了する。
一方、ステップST1901において、平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1以上の場合(ステップST1901:YES)、ステップST1902において、平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1以上の場合(ステップST1902:YES)、ステップST1903において、平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2以上の場合(ステップST1903:YES)、およびステップST1904において、平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2以上の場合(ステップST1904:YES)の少なくとも何れか1つに該当する場合には、計数判定部1704は、変移回数計数時間に1を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST1905)。
次に、計数判定部1704は、平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1(図20において、a1=−18)以上か否かを判定する(ステップST1906)。
平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1以上の場合には(ステップST1906:YES)、ステップST1907の処理を行わずに、ステップST1908に処理を進める。
一方、平均IQ成分1の平均I成分の絶対値が閾値a1未満の場合には(ステップST1906:NO)、計数判定部1704は、平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2(図20において、a2=−25)以上か否かを判定する(ステップST1907)。
平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2未満の場合には(ステップST1907:NO)、ステップST1908およびステップST1909の処理を行わずに、後述するステップST1910に処理を進める。
一方、平均IQ成分2の平均I成分の絶対値が閾値a2以上の場合には(ステップST1907:YES)、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1908)。
I成分の符号変化がない場合には(ステップST1908:NO)、ステップST1909の処理を行わずに、後述するステップST1910に処理を進める。
一方、I成分の符号変化がある場合には(ステップST1908:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST1909)。
次に、計数判定部1704は、平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1(図20において、b1=−18)以上か否かを判定する(ステップST1910)。
平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1以上の場合には(ステップST1910:YES)、ステップST1911の処理を行わずに、ステップST1912に処理を進める。
一方、平均IQ成分1の平均Q成分の絶対値が閾値b1未満の場合には(ステップST1910:NO)、計数判定部1704は、平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2(図20において、b2=−25)以上か否かを判定する(ステップST1911)。
平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2未満の場合には(ステップST1911:NO)、ステップST1912およびステップST1913の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、平均IQ成分2の平均Q成分の絶対値が閾値b2以上の場合には(ステップST1911:YES)、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST1912)。
Q成分の符号変化がない場合には(ステップST1912:NO)、ステップST1913の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の符号変化がある場合には(ステップST1912:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算し(変移回数+1)(ステップST1913)、処理を終了する。
なお、本実施の形態では、いずれか一方の閾値を満たした場合に、変移検出結果を変移回数の計数対象とする例を示したが、本発明はこれに限ったものではなく、全ての閾値を満たした場合に、変移検出結果を変移回数の計数対象としてもよい。
上記により、平均区間長によってフェージング変動以外の要因による影響の可能性が異なる場合でも、最大ドップラー周波数の検出精度を高めることができる。
例えば、平均区間長が2シンボルの1種類のみを有し、フェージング変動が高速であり、かつ受信信号2シンボルの同相成分の符合が各々反対で大きさがほぼ等しい場合、この2シンボルを平均区間長で平均した平均I成分および平均Q成分のI成分およびQ成分は小さくなる。この結果、フェージング変動が高速であるにも関わらず、最大ドップラー周波数が小さく算出され、最大ドップラー周波数の検出精度が低下する場合がある。
一方、平均区間長として2シンボル(現在(時刻i)の受信信号と直前(時刻i−1)の受信信号)と1シンボル(現在(時刻i)の受信信号)の2種類を有し、フェージング変動が高速であり、かつ受信信号2シンボルの同相成分の符合がそれぞれ反対で大きさがほぼ等しい場合、2シンボルで平均した平均I成分および平均Q成分のI成分およびQ成分は小さく算出される。しかし、1シンボルで平均した平均I成分および平均Q成分は、2シンボルで平均した平均I成分および平均Q成分に比べて大きく算出される。この結果、変移回数を正しく計数することができ、最大ドップラー周波数の検出精度を高めることができる。
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、フェージング変動が高速である場合において、最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
(実施の形態6)
図21は、本発明の実施の形態6に係る最大ドップラー周波数推定装置2100の構成を示すブロック図である。最大ドップラー周波数推定装置2100は、例えば、無線受信装置に搭載される。
図21に示す最大ドップラー周波数推定装置2100は、図2に示す実施の形態1に係る最大ドップラー周波数推定装置100に対して、CPICHシンボルの受信パワー測定部104を除き、CPICHシンボルのSIR測定部2101を追加し、計数判定部105の代わりに計数判定部2102を有する。なお、図21において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
最大ドップラー周波数推定装置2100は、アンテナ101と、無線受信部102と、CPICHシンボルのデータ抽出部103と、変移検出部106と、変移回数計数部107と、fd推定値検出部108と、CPICHシンボルのSIR測定部2101と、計数判定部2102とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1とは異なる各構成について詳細に説明する。
CPICHシンボルのデータ抽出部103は、無線受信部102から入力したI成分およびQ成分に対し、逆拡散を施しCPICHシンボルのI成分およびQ成分を抽出する。また、CPICHシンボルのデータ抽出部103は、抽出したCPICHシンボルのI成分およびQ成分をCPICHシンボルのSIR測定部2101および変移検出部106へ出力する。
CPICHシンボルのSIR測定部2101は、CPICHシンボルのデータ抽出部103から入力したCPICHシンボルのI成分およびQ成分からISCPおよびRSCPを算出し、算出したISCPおよびRSCPから受信SIRを算出する。そして、CPICHシンボルのSIR測定部2101は、算出した受信SIRを計数判定部2102へ出力する。
計数判定部2102は、CPICHシンボルのSIR測定部2101から入力した受信SIRに基づいて、受信信号に含まれるフェージング変動以外の要因による影響の可能性を推定する。具体的には、計数判定部2102は、受信SIRが閾値以上の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定し、受信SIRが閾値未満の場合にはフェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定する。また、計数判定部2102は、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が小さいと判定した場合には、変移を計数するように変移回数計数部107を制御し、フェージング変動以外の要因による影響の可能性が大きいと判定した場合には、変移を計数しないように変移回数計数部107を制御する。
変移回数計数部107は、予め設定された観測時間内において、計数判定部2102の制御に従って、変移検出部106から入力した変移の検出結果をカウントし、変移したCPICHシンボルの個数を計数する。また、変移回数計数部107は、計数結果をfd推定値検出部108へ出力する。以上で、最大ドップラー周波数推定装置2100の構成の説明を終える。
次に、最大ドップラー周波数推定装置2100の動作について、図22を用いて説明する。図22は、最大ドップラー周波数推定装置2100の動作の一部を示すフロー図である。
最初に、計数判定部2102は、CPICHシンボルのSIR測定部2101により算出した受信SIRが閾値P以上であるか否かを判定する(ステップST2201)。
受信SIRが閾値P未満の場合には(ステップST2201:NO)、ステップST2202〜ステップST2206の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、受信SIRが閾値P以上の場合には(ステップST2201:YES)、計数判定部2102は、誤検出の可能性が小さいと推定し、変移回数計数時間に「1」を加算する(変移回数計数時間+1)(ステップST2202)。
次に、変移回数計数部107は、検出された変移を計数する。この際、まず、変移検出部106は、I成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST2203)。
I成分の符号変化がない場合には(ステップST2203:NO)、ステップST2204の処理を行わずに、ステップST2205に処理を進める。
I成分の符号変化がある場合には(ステップST2203:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算する(変移回数+1)(ステップST2204)。
次に、変移検出部106は、Q成分の符号変化があるか否かを判定する(ステップST2205)。
Q成分の符号変化がない場合には(ステップST2205:NO)、ステップST2206の処理を行わずに、処理を終了する。
一方、Q成分の符号変化がある場合には(ステップST2205:YES)、変移回数計数部107は、変移回数に「1」を加算し(変移回数+1)(ステップST2206)、処理を終了する。
このように、本実施の形態によれば、CPICHシンボルの受信信号がフェージング変動以外の要因による影響を受ける場合に、フェージング変動の影響のみを受けた最大ドップラー周波数の推定精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、現在の受信信号から受信SIRを算出したが、本発明はこれに限らず、直前を含む過去の受信信号を用いて算出した受信SIRを用いてもよい。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態6において、W−CDMAシステムを対象として説明しているが、本発明はこれに限らず、受信信号の変移によりフェージング変動の最大ドップラー周波数を推定する、W−CDMAシステム以外の無線通信システムに適用可能である。また、上記の実施の形態1〜実施の形態6において、CPICHシンボルを用いたが、本発明はこれに限らず、パイロットチャネルであれば、任意のチャネルのシンボルを用いることができる。
本発明にかかる最大ドップラー周波数推定装置および最大ドップラー周波数推定方法は、特にフェージング変動の速さに関連する最大ドップラー周波数を精度良く検出するのに好適である。
100 最大ドップラー周波数推定装置
101 アンテナ
102 無線受信部
103 CPICHシンボルのデータ抽出部
104 CPICHシンボルの受信パワー測定部
105 計数判定部
106 変移検出部
107 変移回数計数部
108 fd推定値検出部

Claims (8)

  1. 受信信号の時間的な位相変移を検出する位相変移検出手段と、
    前記位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定する推定手段と、
    前記推定の結果に基づいて前記位相変移の回数をカウントする計数手段と、
    カウントした前記回数より最大ドップラー周波数の推定値を検出する推定値検出手段と、
    を具備する最大ドップラー周波数推定装置。
  2. 前記推定手段は、受信信号の受信パワーと閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記受信パワーが前記閾値以上の場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  3. 受信信号を周波数変換してI成分およびQ成分を生成する生成手段をさらに具備し、
    前記推定手段は、前記I成分の値と第1閾値との比較および前記Q成分の値と第2閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記I成分の値が前記第1閾値以上の場合または前記Q成分の値が前記第2閾値以上の場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  4. 受信信号を周波数変換してI成分およびQ成分を生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した現在のI成分およびQ成分と直前のI成分およびQ成分との演算により、I成分の変移量およびQ成分の変移量を求める変移量取得手段とをさらに具備し、
    前記推定手段は、前記変移量取得手段により求めた前記I成分の変移量と第1閾値との比較、および前記変移量取得手段により求めた前記Q成分の変移量と第2閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記I成分の変移量が前記第1閾値以上の場合または前記Q成分の変移量が前記第2閾値以上の場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  5. 受信信号を周波数変換してI成分およびQ成分を生成する生成手段をさらに具備し、
    前記推定手段は、所定の平均化時間における前記I成分の平均値と第1閾値との比較および前記Q成分の平均値と第2閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記I成分の平均値が前記第1閾値以上の場合または前記Q成分の平均値が前記第2閾値以上の場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  6. 受信信号を周波数変換してI成分およびQ成分を生成する生成手段をさらに具備し、
    前記推定手段は、異なる平均化時間における前記I成分の各平均値と第1閾値との比較、および前記異なる平均化時間における前記Q成分の各平均値と第2閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記I成分の各平均値および前記Q成分の各平均値のうち、前記第1閾値以上または前記第2閾値以上の平均値が少なくとも1つある場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  7. 前記推定手段は、受信信号の受信SIRと閾値との比較により前記フェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定し、
    前記計数手段は、前記受信SIRが前記閾値以上の場合に前記回数をカウントする請求項1記載の最大ドップラー周波数推定装置。
  8. 最大ドップラー周波数を推定する最大ドップラー周波数推定装置における最大ドップラー周波数推定方法であって、
    受信信号間の時間的な位相変移を検出するステップと、
    前記位相変移に対するフェージング変動以外の要因による影響の大きさを推定するステップと、
    前記推定の結果に基づいて前記位相変移の回数をカウントするステップと、
    カウントした前記回数より最大ドップラー周波数の推定値を検出するステップと、
    を具備する最大ドップラー周波数推定方法。
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