JP2011008959A - Fuel cell - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、液体燃料を用いた燃料電池の技術に関する。 The present invention relates to a technology of a fuel cell using a liquid fuel.
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を充電なしで長時間使用可能とするために、これらの携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。このような燃料電池は、燃料と空気(特に酸素)を供給するだけで発電することができ、燃料を補給することにより連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池は、小型化により携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムとなりえる。 In recent years, attempts have been made to use fuel cells as a power source for portable electronic devices such as notebook computers and mobile phones so that they can be used for a long time without charging. Such a fuel cell has a feature that it can generate electricity only by supplying fuel and air (especially oxygen), and can continuously generate electricity for a long time by replenishing fuel. . For this reason, the fuel cell can be a very advantageous system as a power source for portable electronic devices due to the miniaturization.
特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。 In particular, a direct methanol fuel cell (DMFC) using methanol as a fuel can be reduced in size and can be easily handled, so that it is regarded as a promising power source for portable electronic devices. Yes.
例えば、特許文献1によれば、複数の高粒子密度領域及び複数の低粒子密度領域を含む多孔質拡散媒体を組み込んだ燃料電池に関する技術が開示されている。また、特許文献2によれば、ガス流路に沿った形状であって密度の高い第1の基材と密度の低い第2の基材が面方向に組み合わされた拡散層を備えた燃料電池に関する技術が開示されている。また、特許文献3によれば、一方の面から他方の面にわたる貫通孔を複数有し、且つ貫通孔の密度及び/又は孔径が面方向に異なる酸素極側ガス拡散層電極基材を備えた高分子電解質型燃料電池に関する技術が開示されている。
For example, according to
膜電極接合体と集電部との間の電気的な接続は、通常、導電性物質同士の平面的な接触によって行なわれる。この電気的な接触を確保するためには、集電部が膜電極接合体に対して一定以上の圧力で押さえられている必要がある。 The electrical connection between the membrane electrode assembly and the current collector is usually made by planar contact between conductive materials. In order to ensure this electrical contact, it is necessary that the current collector be pressed against the membrane electrode assembly with a certain pressure or more.
ところが、膜電極接合体において発電反応を行なうと、膜電極接合体の温度が上昇するために、燃料電池を構成する部材が熱膨張したり、或いは発電反応によって二酸化炭素(CO2)等のガスが発生するために燃料電池内の圧力が高まったりすることにより、各構成部材が変形などを生じてしまい、膜電極接合体を押さえる圧力が減少し、膜電極接合体と集電部との間の接触抵抗が増加するおそれがある。この接触抵抗が増加すると、オーム損のために燃料電池から得られる電力が減少することになる。 However, when a power generation reaction is performed in the membrane electrode assembly, the temperature of the membrane electrode assembly rises, so that the members constituting the fuel cell thermally expand, or a gas such as carbon dioxide (CO 2 ) is generated by the power generation reaction. As the pressure in the fuel cell is increased due to the occurrence of pressure, each component member is deformed, and the pressure holding the membrane electrode assembly is reduced, so that the pressure between the membrane electrode assembly and the current collector is reduced. The contact resistance may increase. As this contact resistance increases, the power available from the fuel cell decreases due to ohmic losses.
このような問題を解決するために、燃料電池を構成する部材の厚さや強度を増加し、部材の熱膨張やガス圧力の増加を生じても部材の変形を生じにくくすることにより、膜電極接合体を押さえる圧力の減少を最小限にすることも提案されているが、燃料電池全体の重量や体積が増加することとなり、燃料電池を携帯機器の電源として用いるためには必ずしも好ましいものではない。 In order to solve such problems, the thickness and strength of the members constituting the fuel cell are increased, so that the members are less likely to be deformed even if the members are thermally expanded or the gas pressure is increased. Although it has been proposed to minimize the decrease in pressure to hold the body, the weight and volume of the entire fuel cell increase, which is not necessarily preferable for using the fuel cell as a power source for portable devices.
この発明の目的は、出力を向上することが可能な燃料電池を提供することにある。 An object of the present invention is to provide a fuel cell capable of improving output.
この発明の一態様によれば、
アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持した構成の膜電極接合体と、
前記膜電極接合体のアノード側に配置され、前記アノードに向けて燃料を供給する燃料供給機構と、
前記膜電極接合体のカソード側に配置され、前記膜電極接合体の周辺部の外側で前記燃料供給機構に締結されたカバープレートと、を備え、
前記膜電極接合体の中央部が前記膜電極接合体の周辺部よりも強い圧力で加圧されたことを特徴とする燃料電池が提供される。
According to one aspect of the invention,
A membrane electrode assembly having an electrolyte membrane sandwiched between an anode and a cathode;
A fuel supply mechanism disposed on the anode side of the membrane electrode assembly and supplying fuel toward the anode;
A cover plate disposed on the cathode side of the membrane electrode assembly and fastened to the fuel supply mechanism outside the periphery of the membrane electrode assembly,
A fuel cell is provided in which a central portion of the membrane electrode assembly is pressurized with a pressure stronger than a peripheral portion of the membrane electrode assembly.
この発明によれば、出力を向上することが可能な燃料電池を提供することができる。 According to the present invention, a fuel cell capable of improving output can be provided.
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。 A fuel cell according to an embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings.
図1は、この実施の形態に係る燃料電池(DMFC)1のカソード側の外観を示す平面図である。 FIG. 1 is a plan view showing the appearance of the cathode side of a fuel cell (DMFC) 1 according to this embodiment.
この燃料電池1は、略矩形平板状に形成されている。図1に示す平面図では、燃料電池1は、長方形状であり、第1方向Xに沿って延びた一対の長辺L1及び長辺L2と、第1方向Xに直交する第2方向Yに沿って延びた一対の短辺S1及び短辺S2と、を有している。
The
燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)2を備えている。この膜電極接合体2は、略矩形状に形成されている。このような膜電極接合体2は、その詳細な構造については後に説明するが、複数、たとえば4つの単セルCL1乃至CL4を備えている。単セルCL1乃至CL4のそれぞれは、同一平面上において、第1方向Xに沿って延在した略長方形状であり、第2方向Yに間隔をおいて並んで配置されている。
The
膜電極接合体2のカソード側における燃料電池1の表面には、カバープレート21が配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状であり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。このカバープレート21には、主として酸化剤である空気、特に酸素の取り込みを可能とする複数の開口部21Hが形成されている。
A
なお、膜電極接合体2のアノード側には、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構(図示しない)が配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構との間に膜電極接合体2を保持した状態で、燃料電池1の各長辺L1及びL2、及び、各短辺S1及びS2において燃料供給機構に締結されている。
A fuel supply mechanism (not shown) that supplies fuel to the
膜電極接合体2の中央部2Cは、膜電極接合体2の周辺部2Pよりも強い圧力で加圧されている。本実施形態では、中央部2Cに対応する位置には、加圧部材40が配置されている。この加圧部材40は、膜電極接合体2の設置面積よりも小さい面積に亘って配置されている。あるいは、この加圧部材40は、中央部2Cの面積と略同等の面積に亘って配置されている。周辺部2Pに対応する位置には、加圧部材40は配置されていない。ここに示した例では、加圧部材40の形状は、第1方向Xと平行な長軸を有するとともに第2方向Yと平行な短軸を有する楕円形である。
The
なお、中央部2Cとは、膜電極接合体2の二次元平面視野において、複数の単セルの全てを囲む仮想の最小円の中心を含む領域である。本実施の形態においては、中央部2Cとは、複数並んだ単セルCL1乃至CL4を囲む仮想の最小円の中心を囲む領域である。そして、本実施の形態のように並列に単セルが並んだ構造においては、その領域は、中心を挟んで配置された単セルのそれぞれの中心(ここでは単セルCL2及びCL3のそれぞれの中心O2及びO3)を含む領域とすることが好ましい。周辺部2Pとは、中央部2Cを囲む領域であり、中央部2Cよりもカバープレート21と燃料供給機構との締結位置に近い領域、つまり、燃料電池1の各長辺L1及びL2、及び、各短辺S1及びS2の近傍の領域である。
The
図2は、図1に示した燃料電池1を第1方向Xに沿って切断した断面を示す図であり、図3は、図1に示した燃料電池1を第2方向Yに沿って切断した断面を示す図である。
2 is a view showing a cross section of the
燃料電池1の膜電極接合体2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とが積層されたアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とが積層されたカソード(空気極あるいは酸化剤極)16と、アノード13のアノード触媒層11とカソード16のカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17と、を備えて構成されている。
The
この実施の形態においては、図3に示すように、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17における一方の面17Aの上に間隔をおいて配置された4つのアノード131〜134と、電解質膜17における他方の面17Bの上に間隔をおいて配置された4つのカソード161〜164とを有している。電解質膜17を挟んで互いに対向するアノード131〜134とカソード161〜164との各組み合わせは、それぞれ単セルを構成している。
In this embodiment, as shown in FIG. 3, the
すなわち、アノード131とカソード161とは、電解質膜17を挟んで対向するように配置されており、1組の単セルを構成している。同様に、アノード132とカソード162とが対向するように配置され、アノード133とカソード163とが対向するように配置され、アノード134とカソード164とが対向するように配置されており、4組の単セルが同一平面上に配列されている。なお、膜電極接合体2の構造は、この例に限らず他の構造であっても良い。
That is, the
このような膜電極接合体2は、集電体18によって挟持されている。各単セルは、集電体18によって電気的に直列に接続されている。集電体18は、ベース絶縁層BF、膜電極接合体2のアノード13の側に配置された複数のアノード集電部A、及び、膜電極接合体2のカソード16の側に配置された複数のカソード集電部Cを有している。アノード集電部Aとカソード集電部Cは、同数である。ここに示した例では、集電体18は、4つのアノード集電部A1〜A4、及び、4つのカソード集電部C1〜C4を有している。
Such a
これらのアノード集電部A及びカソード集電部Cは、例えば、金、銅、ニッケルなどの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用して形成可能であり、さらには、金属材料などからなる導体層を被覆層によって被覆しても良い。被覆層は、導電性を有するとともに導体層の腐食を抑制する材料、例えば炭素を含有した樹脂組成物などによって形成可能である。なお、ベース絶縁層BFは、例えばポリイミド(PI)によって形成されている。 These anode current collector A and cathode current collector C are, for example, a porous layer (for example, a mesh) or a foil body made of a metal material such as gold, copper, or nickel, or a conductive metal such as stainless steel (SUS). Each of the materials can be formed by using a composite material coated with a highly conductive metal such as gold, and a conductor layer made of a metal material or the like may be covered with a coating layer. The coating layer can be formed of a material that has conductivity and suppresses corrosion of the conductor layer, such as a resin composition containing carbon. Note that the base insulating layer BF is made of, for example, polyimide (PI).
膜電極接合体2が集電体18によって挟持されている状態では、アノード集電部A1は、アノード131のアノードガス拡散層12に重なり、電気的に接続されている。同様に、アノード集電部A2はアノード132のアノードガス拡散層12に重なり、アノード集電部A3はアノード133のアノードガス拡散層12に重なり、アノード集電部A4はアノード134のアノードガス拡散層12に重なり、それぞれ電気的に接続されている。
In a state where the
また、カソード集電部C1は、カソード161のカソードガス拡散層15に重なり、電気的に接続されている。同様に、カソード集電部C2はカソード162のカソードガス拡散層15に重なり、カソード集電部C3はカソード163のカソードガス拡散層15に重なり、カソード集電部C4はカソード164のカソードガス拡散層15に重なり、それぞれ電気的に接続されている。
Further, the cathode current collector C1 overlaps and is electrically connected to the cathode
膜電極接合体2は、電解質膜17と集電体18との間のアノード13の側及びカソード16の側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされている。これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
The
なお、膜電極接合体2において、電解質膜17のうち、アノード触媒層11とカソード触媒層14にともに接しておらず、且つシール部材19の内側に相当する位置に、1個乃至複数個のガス排出孔(図示せず)を設けても良い。このようなガス排出孔は、電解質膜17の一方の面17Aから他方の面17Bまで貫通し、アノード13の側とカソード16の側とを連通している。
In the membrane /
膜電極接合体2のカソード16の側において、集電体18とカバープレート21との間には、通気性を有する絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カバープレート21の開口部21Hから取り込んだ空気のカソード触媒層14への取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。このような板状体20は、例えば、ポリエチレン製多孔質フィルム等からなる平板で構成される。
On the
加圧部材40は、板状体20とカバープレート21との間に配置されている。この加圧部材40は、膜電極接合体2の中央部2Cに対応して配置されている。膜電極接合体2の周辺部2Pに対応した板状体20とカバープレート21との間には、加圧部材40は配置されていない。
The
ここに示す例では、加圧部材40は、略均一な厚さの平板状であり、例えば、ステンレス板によって構成されている。また、この加圧部材40は、板状体20の側とカバープレート21の側とを貫通する貫通孔40Hを有している。貫通孔40Hのそれぞれは、カバープレート21の開口部21Hと同じ位置に形成され、開口部21Hと略同一の形状を有している。つまり、貫通孔40Hと開口部21Hとは連通している。
In the example shown here, the pressurizing
さらに、加圧部材40は、その周縁部にテーパーを有している。すなわち、加圧部材40の周縁部の厚さは、外方に向かうにしたがって次第に薄くなっている。この加圧部材40のカバープレート21に接触する面積は、加圧部材40の板状体20と接触する面積より大きい。
Furthermore, the pressurizing
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の側に配置されている。つまり、膜電極接合体2は、アノード13の側に配置された燃料供給機構3とカソード16の側に配置されたカバープレート21との間に配置されている。燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するように構成されているが、特に、特定の構成に限定されるものではない。このような燃料供給機構3は、液体燃料Fを収容する燃料収容部4と流路5を介して接続されている。
The
以下に、燃料供給機構3の一例について説明する。
Hereinafter, an example of the
燃料供給機構3は、箱状に形成された容器30、及び、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。容器30は、燃料導入口30Aを有しており、この燃料導入口30Aと流路5とが接続されている。燃料供給部31は、例えば、1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを有する平板で構成されている。燃料注入口32と燃料排出口33とは、細管あるいは溝のような燃料通路34を介して接続されている。燃料注入口32は、燃料導入口30Aと直接接続されているが、他の燃料通路を介して接続されていても良い。燃料排出口33は、膜電極接合体2のアノード13に対向している。
The
カバープレート21は、膜電極接合体2の周辺部2Pよりも外側で、カシメ、ネジ止め、リベット継手などの手法により容器30に締結されている。例えば、図3に示した例では、カバープレート21は、容器30の側壁35に沿って折り曲げられ、容器30の底部36を抱え込むようにカシメられている。
The
このような燃料供給部31は、容器30の底部36とアノードガス拡散層12との間に配置されている。この燃料供給部31は、液体燃料Fの気化成分や液体燃料Fを透過させない材料で形成され、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド系樹脂等で形成される。また、燃料供給部31は、例えば、液体燃料Fの気化成分と液体燃料Fとを分離し、その気化成分を膜電極接合体2の側へ透過させる気液分離膜で構成されてもよい。気液分離膜には、例えば、シリコーンゴム、低密度ポリエチレン(LDPE)薄膜、ポリ塩化ビニル(PVC)薄膜、ポリエチレンテレフタレート(PET)薄膜、フッ素樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)など)微多孔膜などが適用可能である。
Such a
流路5は、配管などで構成されているが、燃料供給部31や燃料収容部4と独立した配管に限られるものではない。例えば、流路5は、燃料供給部31や燃料収容部4を積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料Fの燃料流路であってもよい。すなわち、燃料供給部31は、流路等を介して燃料収容部4と連通されていればよい。
The flow path 5 is configured by a pipe or the like, but is not limited to a pipe independent of the
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料Fが収容されている。液体燃料Fとしては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料Fは、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料Fは、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料Fであってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料Fが収容される。
Liquid fuel F corresponding to the
燃料収容部4に収容された液体燃料Fは、重力を利用して流路5を介して燃料供給部31で落下させて送液することができる。また、流路5に多孔体等を充填して、毛細管現象により燃料収容部4に収容された液体燃料Fを燃料供給部31まで送液してもよい。
The liquid fuel F accommodated in the fuel accommodating part 4 can be dropped and fed by the
さらに、燃料供給機構3と燃料収容部4とを繋げる流路5、あるいは、燃料導入口30Aと燃料注入口32との間の燃料通路にポンプ6を介在させて、燃料収容部4に収容された液体燃料Fを燃料供給部31まで強制的に送液してもよい。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料Fを送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。ポンプ6の種類は、特に限定されるものではないが、少量の液体燃料Fを制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能なものが好ましい。
Further, the
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
The
また、燃料供給機構3において、ポンプ6と直列に燃料遮断バルブを配置してもよい。また、燃料収容部4や流路5には、燃料収容部4内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブを装着してもよい。
In the
上述した燃料電池1においては、燃料収容部4から流路5を介して燃料供給部31に導入された液体燃料Fは、液体燃料Fのまま、もしくは液体燃料Fと液体燃料Fが気化した気化成分とが混在する状態で、燃料供給部31の燃料排出口33から集電体18のアノード集電部Aを介して膜電極接合体2のアノード13に供給される。
In the
アノード13に供給された燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料Fとしてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる、あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
The fuel supplied to the
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
CH 3 OH + H 2 O → CO 2 + 6H + + 6e − (1)
The electrons (e − ) generated by this reaction are guided to the outside via the
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
6e − + 6H + + (3/2) O 2 → 3H 2 O (2)
In the power generation reaction of the
上述したような構成によれば、板状体20とカバープレート21との間において、膜電極接合体2の中央部2Cに対応する位置に加圧部材40が配置されているため、カバープレート21と燃料供給機構3とが締結された際に、膜電極接合体2の中央部2Cは、膜電極接合体2の周辺部2Pよりも強い圧力で加圧される。
According to the configuration as described above, the
このため、膜電極接合体2における発電反応にともなった膜電極接合体2の温度上昇に起因して燃料電池1を構成する部材が熱膨張したり、発電反応にともなって発生したガスにより燃料電池内の圧力が高まったりしても、膜電極接合体2の中央部2Cにおいて、アノードガス拡散層12とアノード集電部Aとを密着した状態に保持することができるとともに、カソードガス拡散層15とカソード集電部Cとを密着した状態に保持することができる。このため、膜電極接合体2と集電体18との間の接触抵抗の増加が抑制できる。したがって、燃料電池1の出力を向上することが可能となる。また、安定して高い出力を維持することが可能となる。
For this reason, the members constituting the
なお、膜電極接合体2の周辺部2Pにおいては、中央部2Cと比較して、カバープレート21と燃料供給機構3との締結位置に近いため、熱膨張などに起因した変形が小さい。このため、周辺部2Pにおいては、発電反応に伴って膜電極接合体2と集電体18との間の接触抵抗の増加の影響は極めて小さい。
Note that the
また、上述した例では、加圧部材40の周縁部には、テーパーが形成されているため、加圧部材40を挟んだ状態でカバープレート21が燃料供給機構3に締結された際に生じた加圧力は、膜電極接合体2の中央部2Cに対しては略均等に加わるとともに、中央部2Cから周辺部2Pに向かうにしたがって次第に弱くなる。このため、膜電極接合体2の面内における加圧力の差が緩和される。
Further, in the above-described example, since the taper is formed at the peripheral portion of the pressurizing
また、上述した例では、加圧部材40に形成された貫通孔40Hは、カバープレート21の開口部21Hに連通している。このため、貫通孔40Hを介してカソード触媒層14に向けて発電反応に必要な酸素を供給することが可能となるとともに発電反応に伴って生成された二酸化炭素や過剰な水蒸気などの気体を外部に排出することが可能となる。
In the above-described example, the through
一方で、膜電極接合体2の中央部2Cでは、周辺部2Pと比較して、発電反応に伴って温度が高くなるため、発電反応に必要な還流水が少なく、また、クロスオーバー量が多い傾向にある。本実施形態では、中央部2Cが周辺部2Pよりも強い圧力で加圧されているため、中央部2Cにおける還流水の増加や、クロスオーバーの抑制を図ることが可能となる。このため、燃料電池1の出力を向上することが可能となる。
On the other hand, in the
ここで、図4を参照しながら、膜電極接合体2が加圧された状態について説明する。なお、図4では、説明に必要な構成のみを模式的に図示している(図2および図3で説明した板状体20は図示していない)。膜電極接合体2には、アノード13、カソード16、及び、電解質膜17が含まれている。加圧前の状態の膜電極接合体2は、中央部2C及び周辺部2Pともに略一定の厚さt0を有している。膜電極接合体2の中央部2Cが加圧部材40によって加圧された状態では、膜電極接合体2の中央部2Cの厚さt1は周辺部2Pの厚さt2より薄い。また、膜電極接合体2の中央部2Cの密度は、周辺部2Pの密度より高い。
Here, a state in which the
なお、周辺部2Pの厚さt2は、加圧前の厚さt0と略同等もしくは厚さt0よりもわずかに薄い程度である。また、膜電極接合体2の周辺部2Pの密度は、加圧前の膜電極接合体2の密度とほぼ同等もしくはわずかに高い程度である。
It should be noted that the thickness t2 of the
上述したような膜電極接合体2の加圧状態は、加圧部材40に拠るものに限らず、膜電極接合体2の製造過程においても作り出すことができる。例えば、図5に示すように、電解質膜17の一方の面17Aにアノード13を配置し、他方の面17Bにカソード16を配置した状態でプレス接合する際、中央部2Cのプレス圧力を周辺部2Pのプレス圧力より高く設定する。このプレス後に得られた膜電極接合体2には、プレス圧力の差の痕跡が残り、中央部2Cの厚さt1が周辺部2Pの厚さt2よりも薄く、また、中央部2Cの密度が周辺部2Pの密度よりも高くなる。このため、燃料電池1が特に加圧部材40を備えていなくても、加圧部材40を備えた場合と同様の効果が得られる。
The pressurization state of the
上述した本実施形態では、加圧部材40が板状体20とカバープレート21との間に配置された場合について説明したが、加圧部材40は、カソード16とカバープレート21との間のいずれの位置に配置されても良い。
In the present embodiment described above, the case where the pressurizing
また、図6に示すように、加圧部材40は、膜電極接合体2と燃料供給機構3との間に配置されても良い。ここでは、加圧部材40は、燃料供給部31と集電体18との間に配置されているが、アノード13と燃料供給部31との間のいずれの位置に配置されても良い。このような構成においても、カバープレート21が燃料供給機構3に締結された際に生じる加圧力は、膜電極接合体2の周辺部2Pよりも中央部2Cに強く加わり、加圧部材40がカソード16の側に配置された場合と同様の効果が得られる。
Further, as shown in FIG. 6, the
ここに示す例では、加圧部材40は、略均一な厚さの平板状であり、例えば、ステンレス板によって構成されている。また、この加圧部材40は、燃料供給部31の側と集電体18の側とを貫通する貫通孔40Hを有している。貫通孔40Hのそれぞれは、燃料供給部31に形成された燃料排出口33と同じ位置に形成され、燃料排出口33と略同一の形状を有している。
In the example shown here, the pressurizing
さらに、加圧部材40は、その周縁部にテーパーを有している。すなわち、加圧部材40の周縁部の厚さは、外方に向かうにしたがって次第に薄くなっている。このとき、加圧部材40の燃料供給部31に接触する面積は、加圧部材40の集電体18と接触する面積より大きい。
Furthermore, the pressurizing
なお、膜電極接合体2のアノード13の側に配置される加圧部材40については、例えば、ポリプロピレンなどの耐メタノール性を有する材料によって形成されることが望ましい。
In addition, about the
図7に示すように、加圧部材40は、膜電極接合体2のアノード13の側及びカソード16の側の双方に配置されても良い。ここで、カソード16の側に配置される加圧部材40は図3などを参照して説明したものが適用可能であり、また、アノード13の側に配置される加圧部材40は図6などを参照して説明したものが適用可能である。
As shown in FIG. 7, the pressing
加圧部材40は、平板状に限らず、種々の形態が適用可能である。
The pressurizing
図8に示すように、加圧部材40は、膜電極接合体2の中央部2Cに向かって下に凸となる反り形状を有するものであっても良い。このような加圧部材40は、例えばステンレス板をプレス加工することによって形成可能である。ここで適用される加圧部材40についても、貫通孔40Hが形成されている。また、加圧部材40の周縁部については、傾斜した平面あるいは曲面が形成され、テーパーと同等に機能する。
As shown in FIG. 8, the pressing
図9に示すように、加圧部材40は、柔軟性、伸縮性、または可撓性のうちの少なくとも一つを有する材料によって形成されても良い。このような加圧部材40は、例えば多孔質ポリエチレン板によって形成可能である。ここで適用される加圧部材40については、通気性を有しており、貫通孔を形成する必要はない。
As shown in FIG. 9, the
この加圧部材40は、板状体20とカバープレート21との間に挟持される前の状態では、略均一な厚さを有している。加圧部材40が板状体20とカバープレート21との間に配置され、しかも、カバープレート21が膜電極接合体2の周囲で燃料供給機構3と締結された際には、加圧部材40は、変形して、膜電極接合体2の中央部2Cから周辺部2Pに向かうにしたがって厚さが薄くなる。これは、カバープレート21によって加圧部材40が加圧される加圧力はカバープレート21と燃料供給機構3との締結位置に近いほど強いためである。
The
なお、加圧部材40は、均一な厚さではなく、膜電極接合体2の中央部2Cを周辺部2Pより強く加圧可能な形状、例えば中央の厚さが周辺の厚さより厚い形状などに予め成形されていても良い。
The pressing
図8及び図9に示した例では、膜電極接合体2のカソード16の側についてのみ加圧部材40が配置されているが、図6に示した例のように、アノード13の側についてのみ加圧部材40が配置されても良いし、図7に示した例のように、アノード13の側及びカソード16の側の双方に加圧部材40が配置されても良い。
In the example shown in FIGS. 8 and 9, the
なお、図6乃至図9においては、説明に必要な構成のみを模式的に図示している。 6 to 9 schematically show only the configuration necessary for the description.
いずれにしても、加圧部材40は、燃料電池1に組み込まれる前、もしくは、燃料電池1に組み込まれた後には、膜電極接合体2の中央部2Cに対応する位置の厚さが膜電極接合体2の周辺部2Pに対応する位置の厚さより厚い。これにより、中央部2Cが周辺部2Pよりも強く加圧されるため、膜電極接合体2と集電体18との間の接触抵抗の増大が抑制され、また、中央部2Cにおける還流水の増加や、クロスオーバーの抑制を図ることが可能となる。
In any case, the
上述した加圧部材40は、楕円形の外形を有していたが、加圧部材40の形状はこれに限らない。例えば、加圧部材40は、円形、半径の等しい二つの円を共通外接線でつないだ長円形、膜電極接合体2の外形と略相似形である多角形、または、多角形の角の少なくとも一つを丸めた外形を有していても良い。いずれの外形を有する加圧部材40についても、膜電極接合体2の外形寸法より小さく形成され、膜電極接合体2の中央部2Cに対応して配置されている。
Although the
また図2、図3、図7乃至図9において、加圧部材40は板状体20とカバープレート21の間に配置された構成としているが、加圧部材40による膜電極接合体2の加圧の作用をより有効に得るためには、集電体18の直上、すなわち集電体18と板状体40の間に配置されてもよい。なお、この場合には、膜電極接合体2を必要以上に加圧することによる電極の破損を注意する必要がある。
2, 3, and 7 to 9, the
このような加圧部材40による電極の破損発生の可能性を低減するには、加圧部材40は板状体20とカバープレート21の間に配置された構成とし、加圧部材40と膜電極接合体2との間に適度に柔軟性を有する板状体40を介して、加圧部材40による加圧を行った方がよい。
In order to reduce the possibility of electrode breakage due to the
以下に、実施例について説明する。 Examples will be described below.
(実施例1)
アノード用触媒粒子(Pt:Ru=1:1)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液と、分散媒として水およびメトキシプロパノールを添加し、アノード用触媒粒子を担持したカーボンブラックを分散させてペーストを調製した。得られたペーストをアノードガス拡散層12としての多孔質カーボンペーパ(81mm×9.7mmの長方形)に塗布することにより、厚さが120μmのアノード触媒層11を得た。
Example 1
To the carbon black supporting the anode catalyst particles (Pt: Ru = 1: 1), a perfluorocarbon sulfonic acid solution as a proton conductive resin and water and methoxypropanol as a dispersion medium were added to support the anode catalyst particles. A paste was prepared by dispersing carbon black. The obtained paste was applied to porous carbon paper (81 mm × 9.7 mm rectangle) as the anode
カソード用触媒粒子(Pt)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液と、分散媒として水およびメトキシプロパノールを添加し、カソード用触媒粒子を担持したカーボンブラックを分散させてペーストを調製した。得られたペーストをカソードガス拡散層15としての多孔質カーボンペーパに塗布することにより、厚さが120μmのカソード触媒層14を得た。
To the carbon black carrying the cathode catalyst particles (Pt), a perfluorocarbon sulfonic acid solution as a proton conductive resin and water and methoxypropanol as a dispersion medium are added to disperse the carbon black carrying the cathode catalyst particles. A paste was prepared. The obtained paste was applied to porous carbon paper as the cathode
なお、アノードガス拡散層12及びカソードガス拡散層15は、同一形状かつ同一の大きさであり、厚さも等しく、それぞれのガス拡散層に塗布されたアノード触媒層11及びカソード触媒層14も同一形状かつ同一の大きさである。
The anode
上記したように作製したアノード触媒層11とカソード触媒層14との間に、電解質膜17として厚さが30μmで、含水率が10〜20重量%のパーフルオロカーボンスルホン酸膜(商品名:nafion膜、デュポン社製)を、4つのアノードガス拡散層12および4つのカソードガス拡散層15が、それぞれの長手方向が略平行で、その間隔が1.2mmとなるように並んで配置されるように配置し、アノード触媒層11とカソード触媒層14とが対向するように位置を合わせた状態で、ホットプレスを施すことにより、電解質膜17にアノード触媒層11及びカソード触媒層14が接合された膜電極接合体2を得た。
A perfluorocarbon sulfonic acid membrane (trade name: nafion membrane) having a thickness of 30 μm and a water content of 10 to 20% by weight as the
ポリイミドによって形成されたベース絶縁層BFの同一面上に、4つのアノード集電部A及び4つのカソード集電部Cを形成した。アノード集電部A及びカソード集電部Cのそれぞれは、厚さが0.01mmであって、外形が81mm×9.7mmの長方形であり、導体層である銅箔に、炭素を含有する樹脂組成物で被覆することによって形成されている。カソード集電部Cの各々には、カバープレート21の開口部21Hと同じ位置に貫通孔が形成されている。アノード集電部Aの各々には、燃料供給部31の燃料排出口33に対応した位置に貫通孔が形成されている。これにより、集電体18を得た。
Four anode current collectors A and four cathode current collectors C were formed on the same surface of the base insulating layer BF made of polyimide. Each of the anode current collector A and the cathode current collector C has a thickness of 0.01 mm and an outer shape of a rectangle of 81 mm × 9.7 mm, and a resin containing carbon in a copper foil as a conductor layer It is formed by coating with a composition. Each of the cathode current collectors C is formed with a through hole at the same position as the
膜電極接合体2は、集電体18によって挟持され、アノードガス拡散層12とアノード集電部Aとが重なり、カソードガス拡散層15とカソード集電部Cとが重なっている。アノード集電部A及びカソード集電部Cのそれぞれには、膜電極接合体2におけるそれぞれのアノード触媒層11とカソード触媒層14とが電気的に直列に接続されるように配線が施されている。
The
膜電極接合体2の電解質膜17と集電体18との間には、アノード側及びカソード側の双方について、シール部材19として、それぞれ幅が2mmのゴム製のOリングを挟持してシールを施した。また、板状体20として、厚さが0.75mmであり、透気度が3.0秒/100cm3(JIS P−8117に規定の測定方法による)であり、透湿度が3000g/(m2・24h)(JIS L−1099 A−1に規定の測定方法による)のポリエチレン製多孔質フィルムを、長さ85mm、幅46.6mmの長方形に切り、集電体18とカバープレート21との間に積層した。外気からカソード16に供給される空気は、この板状体20を透過することとなる。
Between the
カバープレート21としては、厚さが0.3mmのステンレス板(SUS304)を適用した。カバープレート21は、その外形が90mm×48mmの長方形となるように折り曲げ、燃料供給機構3の底部を抱え込むようにカシメを施し、締結した。このカバープレート21には、一辺の長さが3.5mmの正方形の120個の開口部21Hが形成されている。
As the
加圧部材40として、図2に示した例のように、外形が楕円形のステンレス(SUS304)板を適用した。この加圧部材40は、長軸の長さが65mmであり、短軸の長さが35mmである。また、この加圧部材40は、カバープレート21と同じ位置に同一形状の貫通孔40Hを有している。さらに、この加圧部材40は、中央の厚さが0.3mmであり、周縁部に向けたテーパーを有している。このような加圧部材40は、板状体20とカバープレート21との間に挿入した。この加圧部材40を挿入することによって、カバープレート21にカシメを施すことによって生じた加圧力が、膜電極接合体2の中央部2Cにより強く加わる。
As the
温度が25℃、相対湿度が50%の環境の下、上記したように作成した燃料電池1に、純度99.9重量%の純メタノールを供給した。また、定電圧電源を接続して、燃料電池1の出力電圧が直列に接続した4対の単セルの中の1対あたり0.3Vで一定になるように、燃料電池1に流れる電流を制御し、このとき、燃料電池1から得られる出力密度を計測した。
In an environment where the temperature was 25 ° C. and the relative humidity was 50%, pure methanol having a purity of 99.9% by weight was supplied to the
ここで、燃料電池1の出力密度(mW/cm2)とは、燃料電池1に流れる電流密度(発電部の面積1cm2当りの電流値(mA/cm2))に燃料電池1の出力電圧を乗じたものである。また、発電部の面積とは、アノード触媒層11とカソード触媒層14とが対向している部分の面積である。本実施例では、アノード触媒層11とカソード触媒層14の面積が等しく、かつ完全に対向しているので、発電部の面積はこれらの触媒層の面積(81mm×9.7mm)に等しい。
Here, the output density (mW / cm 2 ) of the
また、この燃料電池1の発電を24時間行った後のインピーダンスの値を測定した。インピーダンスの測定には、燃料電池1の発電を中断して定電圧電源との接続を外し、代わりにACミリオーム計(日置電機製のACミリオームハイテスタ、型番3560)を接続して、周波数1kHzでの交流抵抗を測定した。
Further, the impedance value after 24 hours of power generation of the
ここで測定される交流インピーダンスは、膜電極接合体2と集電体18との接触抵抗のほか、アノード集電部A及びカソード集電部C自体の電気抵抗、アノード集電部A及びカソード集電部Cと交流インピーダンス測定器の端子との間の接触抵抗、及び、膜電極接合体内の電解質膜17のイオン導電抵抗をも含む値である。但し、燃料電池1の大きさや、アノード集電部A及びカソード集電部Cの材質や厚さ、大きさ、また電解質膜17の材質、厚さ、大きさ等と、上記した発電条件が同じであれば、膜電極接合体2と集電体18との間の接触抵抗以外の成分は同じ値になると考えられる。そのため、ここで測定される交流インピーダンスの値の大小は、即ち、膜電極接合体2と集電体18との間の接触抵抗の大小を示すものであると考えられる。
The AC impedance measured here is not only the contact resistance between the
(実施例2)
加圧部材40として、図8に示した例のように、長軸の長さが65mmであり、短軸の長さが35mmである楕円形の外形を有する厚さ0.15mmのステンレス(SUS304)板を、中央部から周辺部に向けて断面が下に凸形状となるようにプレス加工して、その表面形状が実施例1の加圧部材40のテーパー形状と同様としたものを用意する。実施例2では、この加圧部材40を膜電極接合体2の中央部2Cに対応する板状体20とカバープレート21との間に挿入した以外は、実施例1と同様である。なお、この実施例2においても、加圧部材40には、カバープレート21と同じ位置に同一形状の貫通孔40Hが形成されている。この実施例2においても、実施例1と同様に出力密度及びインピーダンスを測定した。
(Example 2)
As the pressing
(実施例3)
加圧部材40として、図9に示した例のように、長軸の長さが65mmであり、短軸の長さが35mmである楕円形の外形を有するとともに柔軟性及び通気性を有する厚さ0.3mmの多孔質ポリエチレン板を用意する。実施例3では、この加圧部材40を膜電極接合体2の中央部2Cに対応する板状体20とカバープレート21との間に挿入した以外は、実施例1と同様である。この実施例3においても、実施例1と同様に出力密度及びインピーダンスを測定した。
(Example 3)
As shown in FIG. 9, the
(実施例4)
加圧部材40として、図6に示した例のように、長軸の長さが65mmであり、短軸の長さが35mmである楕円形の外形を有するポリプロピレン板を用意する。この加圧部材40は、中央の厚さが0.2mmであり、周縁部に向けたテーパーを有している。実施例4では、この加圧部材40を膜電極接合体2の中央部2Cに対応する集電体18と燃料供給部31との間に挿入した以外は、実施例1と同様である。なお、この実施例4においても、加圧部材40には、燃料供給部31の燃料排出口33と同じ位置に同一形状の貫通孔40Hが形成されている。この実施例4においても、実施例1と同様に出力密度及びインピーダンスを測定した。
Example 4
As the pressing
(実施例5)
膜電極接合体2をホットプレスにより作成する際、カソードガス拡散層の中央部に、長軸の長さが65mmであり、短軸の長さが35mmである楕円形の外形を有する厚さ0.1mmのステンレス(SUS304)板を積層してホットプレスを施した。
(Example 5)
When the
この結果、ホットプレス後の膜電極接合体2の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、ステンレス板が積層された膜電極接合体2の中央部2Cにおける断面SEM観察像では、アノード触媒層11の厚さが80μm、カソード触媒層14の厚さが80μmとなっていた。一方、ステンレス板が積層されなかった膜電極接合体2の周辺部2Pにおける断面SEM観察像では、アノード触媒層11の厚さが110μm、カソード触媒層14の厚さが110μmとなっていた。
As a result, when the cross section of the
このようにして作成した膜電極接合体2を用いて、実施例1と同一の加圧部材40を実施例1と同一の位置に挿入した以外は、実施例1と同様である。この実施例5においても、実施例1と同様に出力密度及びインピーダンスを測定した。
Using the
(比較例)
この比較例では、膜電極接合体2のアノード13の側及びカソード16の側のいずれにも加圧部材を設けていない以外は、実施例1と同様である。なお、この比較例に適用される膜電極接合体2は、実施例5で説明したようなステンレス板を積層することなくホットプレスを施して作成したものである。この比較例においても、実施例1と同様に出力密度及びインピーダンスを測定した。
(Comparative example)
This comparative example is the same as Example 1 except that no pressure member is provided on either the
実施例1乃至5、及び、比較例における出力密度及びインピーダンスの測定結果について、比較例の値を100とした場合の相対値で示すと以下の通りとなる。 The measurement results of the output density and impedance in Examples 1 to 5 and the comparative example are as follows when expressed as relative values when the value of the comparative example is 100.
実施例1における出力密度は112であり、インピーダンスは81であった。 The output density in Example 1 was 112, and the impedance was 81.
実施例2における出力密度は110であり、インピーダンスは83であった。 The power density in Example 2 was 110, and the impedance was 83.
実施例3における出力密度は109であり、インピーダンスは90であった。 The output density in Example 3 was 109, and the impedance was 90.
実施例4における出力密度は110であり、インピーダンスは87であった。 The power density in Example 4 was 110, and the impedance was 87.
実施例5における出力密度は115であり、インピーダンスは78であった。 In Example 5, the output density was 115 and the impedance was 78.
この測定結果から、膜電極接合体2のアノード13の側、及び、カソード16の側には加圧部材40を配置することが望ましいことが確認された。
From this measurement result, it was confirmed that it is desirable to dispose the
以上説明したように、この実施の形態によれば、出力を向上することを可能にした燃料電池を提供できる。 As described above, according to this embodiment, a fuel cell capable of improving output can be provided.
上述した実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部31は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
The
さらに、上述した実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
Furthermore, although embodiment mentioned above demonstrated the case where this invention was applied to the semi-passive
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、膜電極接合体に供給される燃料の全てが液体燃料Fの蒸気、全てが液体燃料F、または一部が液体状態で供給される液体燃料Fの蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。 The present invention can be applied to various fuel cells using liquid fuel. In addition, the specific configuration of the fuel cell, the supply state of the fuel, and the like are not particularly limited. The present invention can be applied to various forms such as a vapor of the liquid fuel F supplied in a liquid state. In the implementation stage, the constituent elements can be modified and embodied without departing from the technical idea of the present invention. Furthermore, various modifications are possible, such as appropriately combining a plurality of constituent elements shown in the above embodiments, or deleting some constituent elements from all the constituent elements shown in the embodiments. Embodiments of the present invention can be expanded or modified within the scope of the technical idea of the present invention, and these expanded and modified embodiments are also included in the technical scope of the present invention.
1…燃料電池
2…膜電極接合体
3…燃料供給機構
13…アノード 16…カソード 17…電解質膜
18…集電体 A…アノード集電部 C…カソード集電部
21…カバープレート
40…加圧部材
DESCRIPTION OF
Claims (10)
前記膜電極接合体のアノード側に配置され、前記アノードに向けて燃料を供給する燃料供給機構と、
前記膜電極接合体のカソード側に配置され、前記膜電極接合体の周辺部の外側で前記燃料供給機構に締結されたカバープレートと、を備え、
前記膜電極接合体の中央部が前記膜電極接合体の周辺部よりも強い圧力で加圧されたことを特徴とする燃料電池。 A membrane electrode assembly having an electrolyte membrane sandwiched between an anode and a cathode;
A fuel supply mechanism disposed on the anode side of the membrane electrode assembly and supplying fuel toward the anode;
A cover plate disposed on the cathode side of the membrane electrode assembly and fastened to the fuel supply mechanism outside the periphery of the membrane electrode assembly,
A fuel cell, wherein a central portion of the membrane electrode assembly is pressurized with a pressure stronger than a peripheral portion of the membrane electrode assembly.
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120904 |