JP2011005279A - 医療用投与器具 - Google Patents

医療用投与器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2011005279A
JP2011005279A JP2010197830A JP2010197830A JP2011005279A JP 2011005279 A JP2011005279 A JP 2011005279A JP 2010197830 A JP2010197830 A JP 2010197830A JP 2010197830 A JP2010197830 A JP 2010197830A JP 2011005279 A JP2011005279 A JP 2011005279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston rod
medical administration
administration device
cartridge
medicine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010197830A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Sugimoto
博文 杉本
Toshiaki Iio
敏明 飯尾
Seiji Kikuchi
清治 菊池
Yoshiki Takeuchi
由樹 竹内
Koichi Matsuda
孝一 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2010197830A priority Critical patent/JP2011005279A/ja
Publication of JP2011005279A publication Critical patent/JP2011005279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】患者に対する肉体的、精神的苦痛を低減し、より安定した状態で薬剤の投与を行うことができる医療用投与器具を提供する。
【解決手段】その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、ピストンロッドの移動によって薬剤カートリッジの他端から排出された薬剤を投与するための針アセンブリと、を備え、投与前に、ピストンロッドの移動によりエアー抜き動作を行うようする。
【選択図】図16

Description

本発明は、電気的な駆動源でもって駆動されて薬剤の投与が行われるようにした医療用投与器具に関し、特に薬剤カートリッジの交換の容易化を図ったものに関するものである。
インスリン依存型の患者は、一週又は一日の間に数回インスリンの注射をする必要がある。インスリンの必要量は患者毎に異なり、その患者に必要な量は、一日の過程でも変わりかつ一日毎に変わることもある。
自己注射を行う患者は、薬剤の入った薬剤カートリッジを注入装置に取り付け、次に薬剤カートリッジの弾性シール側に針アセンブリを取り付け、その後、投与量を設定し、注入装置を操作して、体内に薬剤を注入する。薬剤カートリッジ内の薬剤は、このような投薬を数回行うと消費されてなくなる。空になった薬剤カートリッジは、患者自身で装置から取り外して、新たな薬剤カートリッジを装着し、前述のような注入動作を繰り返しておこなう。このような従来の注入装置は、薬剤カートリッジを交換する際、薬剤カートリッジを保持する部材(以後カートリッジホルダーと称す)を本体から取り外し、カートリッジホルダーから薬剤カートリッジを取り出し、新規の薬剤カートリッジをカートリッジホルダーに挿入し、その後カートリッジホルダーを注入装置に取り付けるのが一般的であった。(例えば特許文献1参照)
この従来装置は、手動式の注射器であるが、電動式のものとしては、図23に示すものがある。図23は、現在、歯科用で使用されている電動注射器の内部を示す構成図である。図23を用いて、薬剤が投与される原理を説明する。いま、薬剤が充填されたシリンジ203は、本体210に取り付けられたカートリッジホルダー202の中にセットされている。
SW1を押すとモーター211が正回転し、この回転力がモーター211と直結された減速ギアボックス209で減速され、減速ギアボックス209の減速ギア主軸208を回転させる。減速ギア主軸208の先端は、回転盤207を介し、ギア206と噛合っており、このギア206を回転させる。また、ギア206は、ギア205と噛合っているため、ギア206の回転力は、ギア205に伝わる。ギア205の同軸上には、押し出しピストン204の中央から右下半分に設けられたラック204aと噛合うように、ギア205aが設けられている。そして、ギア205が回転すると、ギア205aもギア205と同方向に回転し、結果的に押し出しピストン204を注射針213の方向に移動させることによって、シリンジ203内の薬剤が注射針213の中から押し出される。
そして注射時は、前述の動作でエアー抜きを行った後、注射針213を患部に刺針し、薬剤を投与する。なお、SW2はモーター211の逆転用スイッチ、212はモーター211の駆動用バッテリーである。
また、インスリン注入装置は携帯性が重視され、そのため小型で軽量な装置が望まれている。ここで従来の注入装置は、薬剤カートリッジ内の薬剤をすべて注射できるストロークを有した直線型のピストンが一般的で、中には、曲率タイプのピストンを装備しているものもある。(例えば特許文献2参照)
実用新案登録第3088706号公報 特表2000−513974号公報
ところで、患者が実際に注入装置を使用するにあたっては、薬剤カートリッジの交換を容易に行いたいといった要望がある。
しかしながら従来の注入装置においては、このような場合、薬剤カートリッジが挿入されているカートリッジホルダーを注入装置の本体から取り外し、カートリッジホルダーから薬剤カートリッジを取り出し、新品の薬剤カートリッジに交換後、再び注入装置本体にカートリッジホルダーを装着しなければならなく、操作が不便で面倒であった。
また、直線型のピストン形状を有した注入装置の場合、薬剤カートリッジ内の薬剤をすべて注射できるストロークを有したピストンが必要で、そのピストンの長さは薬剤カートリッジの全長とほぼ同じ長さが必要となり、それゆえ注入装置自体の長さは、薬剤カートリッジ長さの最低2倍以上が必要となり装置の大型化の一因となっている。また、曲率タイプのピストンを有した注入装置の場合、装置長は前者の直線型のピストンロッドより短く構成できるが、曲率を有するため、装置の厚みがより厚くなり、装置のハンドリング性に難が生じる。
さらに、従来の医療用投与器具においては、薬剤の注入を電動で行うことにより操作が簡単である反面、モーターなどの駆動部をはじめとして電動注射器が正常に動作しているか否か不安を感じる場合がある。このような薬剤の投与という行為そのものが精神的苦痛を与えるだけでなく、電動注射器の異常動作発生時には人体に多大な影響を及ぼし、生命に危険な状態をも招きかねない。
従来の医療用投与器具は以上のように構成されており、カートリッジ交換の操作が面倒であるという問題点があった。
また、装置のサイズが大きく取り回しに不便であるという問題点があった。
また、電動駆動式のものにおいては、注入前のエアー抜き、機械の動作状態など、薬剤投与時に、患者が不安を抱くことがあるという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたもので、カートリッジの交換を患者が容易に行なうことができ、また注入装置自体を小型化することのできる医療用投与器具を提供することを目的とする。
また、注入動作の前にはエアー抜き動作を確実に行い、注入動作時の異常動作を検知して使用者に告知することにより、患者に対する肉体的、精神的苦痛を低減し、より安定した状態で薬剤の投与を行うことができる医療用投与器具を提供することを目的とする。
第1番目の発明は、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーの一端に、該カートリッジホルダーの軸方向に摺動自在に設けられ、またその摺動端部にて上記軸方向に対して回動可能な針ホルダーと、前記針ホルダーに着脱自在に設けられ、前記ピストンロッドの移動によって前記薬剤カートリッジの他端から排出される薬剤を投与するための針アセンブリと、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドとを備え、前記針ホルダーをカートリッジホルダーの軸方向に摺動移動させ、その摺動端部にて上記軸方向に対して回動させることで前記カートリッジホルダー先端から前記薬剤カートリッジの先端部分を露出させて、前記カートリッジホルダーより前記薬剤カートリッジを脱着する、ことを特徴とするものである。
第2番目の発明は、前記発明において、前記針アセンブリを前記針ホルダーへ装着した状態において、前記薬剤カートリッジの脱着が可能である、ことを特徴とするものである。
第3番目の発明は、前記発明において、前記針ホルダーへ前記針アセンブリを装着する動作にともない、前記薬剤カートリッジを前記ピストンロッド方向に移動させるレバーを、前記針ホルダーに備えた、ことを特徴とするものである。
第4番目の発明は、前記発明において、前記カートリッジホルダーに、前記薬剤カートリッジを前記針ホルダー方向に付勢する部材を備えた、ことを特徴とするものである。
第5番目の発明は、前記発明において、前記薬剤カートリッジを交換する際、前記針ホルダーを前記針アセンブリ取り付け部方向へ移動する動作にともなって、前記ピストンロッドが初期位置に後退するよう動作する、ことを特徴とするものである。
第6番目の発明は、前記発明において、前記針ホルダーの周囲側面部を覆う可動式の注射部当接カバーを備え、注射時に、前記針アセンブリの針部のみ前記注射部当接カバー外に露出するように動作する、ことを特徴とするものである。
第7番目の発明は、前記発明において、前記薬剤カートリッジ交換時に、前記注射部当接カバーが、上記針ホルダーが露出する位置に移動する、ことを特徴とするものである。
第8番目の発明は、前記発明において、前記注射部当接カバーの位置を検出する手段を設けた、ことを特徴とするものである。
第9番目の発明は、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、複数段の伸縮機構を有し、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドアセンブリとを、備えたことを特徴とするものである。
第10番目の発明は、前記発明において、前記ピストンロッドアセンブリの複数段の伸縮機構は、前記カートリッジホルダーの軸方向に対して平行に直線状に摺動作動する複数段のピストンロッドを有し、各ピストンロッドの長さが前記薬剤カートリッジの全長よりも短く設定されている、ことを特徴とするものである。
第11番目の発明は、前記発明において、前記複数のピストンロッドはそれぞれ同心円状に配置され伸長する時は同心円の外側に位置するピストンロッドから順次摺動する、ことを特徴とするものである。
第12番目の発明は、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記薬剤カートリッジの他端から排出された薬剤を投与するための針アセンブリと、を備え、投与前に、前記ピストンロッドの移動により前記エアー抜き動作を行う、ことを特徴とするものである。
第13番目の発明は、前記発明において、前記エアー抜き動作時の刺針速度は、前記投与時の刺針速度よりも低速で動作する、ことを特徴とするものである。
第14番目の発明は、前記発明において、前記エアー抜き動作時は、前記ピストンロッドが、前記投与時の速度よりも低速で動作する、ことを特徴とするものである。
第15番目の発明は、前記発明において、前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、パルス幅のONとOFFの比率を変えて制御するPWM制御(Pulse Width Modulation)によるものである、ことを特徴とするものである。
第16番目の発明は、前記発明において、前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、電圧制御によるものである、ことを特徴とするものである。
第17番目の発明は、前記発明において、前記投与動作の前にエアー抜き動作が行われたことを検知した後、投与動作を可能とする、ことを特徴とするものである。
第18番目の発明は、前記発明において、前記エアー抜き動作を行うためのボタンと、薬剤を注射するためのボタンとを備え、エアー抜き動作後に、前記薬剤を注射するためのボタンの押下による動作を許可する、ことを特徴とするものである。
第19番目の発明は、前記発明において、前記医療用投与器具の針アセンブリ近傍が投与部位に当接しているか否か検知する手段を備え、投与部位に当接している場合には、前記エアー抜き動作を抑制する、ことを特徴とするものである。
第20番目の発明は、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記薬剤カートリッジの他端から排出された薬剤を投与するための針アセンブリと、投与すべき薬剤の投与量を使用者が設定するための投与量設定手段と、前記投与量設定手段により設定した設定量と過去に投与した投与量とを比較する投与量比較手段と、前記投与量比較手段による比較結果が一定以上である場合は、前記ピストンロッドの動作を抑制するよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
第21番目の発明は、前記発明において、前記投与量比較手段は、使用者が設定した投与量と、前回に投与した投与量とを比較する、ことを特徴とするものである。
第22番目の発明は、前記発明において、前記投与量比較手段は、使用者が設定した投与量と、過去の複数回投与時の投与量とを比較する、ことを特徴とするものである。
第23番目の発明は、前記発明において、前記投与量比較手段は、使用者が設定した投与量と、過去に複数回投与時の投与量の平均値とを比較する、ことを特徴とするものである。
第24番目の発明は、前記発明において、前記投与量比較手段による比較結果が一定以上である場合に、使用者に投与動作不可であることを通知する告知手段を備えた、ことを特徴とするものである。
第25番目の発明は、前記発明において、前記告知手段により告知後、使用者が設定した薬剤の投与を許可した場合には、前記制御手段は、前記ピストンロッドの動作抑制を解除する、ことを特徴とするものである。
第26番目の発明は、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、薬剤の投与量をプログラム的に検出する第1の投与量検出手段と、実際の薬剤の投与量を電子回路により検出する第2の投与量検出手段と、を備え、上記第1の投与量検出手段による検出結果と上記第2の検出手段による検出結果とを比較して、上記第1の投与量検出手段による検出誤りを検知する、ことを特徴とするものである。
第27番目の発明は、前記発明において、前記第1または第2の投与量検出手段により投与量の過多が検知されたとき、前記ピストンロッドを停止させて、投与動作を中断すること、を特徴とするものである。
第28番目の発明は、前記発明において、前記第2の投与量検出手段により検出される投与量は、前記ピストンロッドの移動量に基づくものである、ことを特徴とするものである。
第29番目の発明は、前記発明において、前記第2の投与量検出手段により検出される投与量は、前記ピストンロッドが一定の速度で移動するときの時間に基づくものである、ことを特徴とするものである。
本発明の請求項1にかかる医療用投与器具によれば、その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記薬剤カートリッジの他端から排出された薬剤を投与するための針アセンブリと、を備え、投与前に、前記ピストンロッドの移動によりエアー抜き動作を行うようにしたので、電動にてエアー抜き動作を容易に行うことができるという効果が得られる。
また、本発明の請求項2にかかる医療用投与器具によれば、請求項1記載の医療用投与器具において、前記エアー抜き動作時の刺針速度は、前記投与時の刺針速度よりも低速で動作するようにしたので、エアー-抜き動作時の刺針動作の危険性の低減や動作そのものによる精神的苦痛を低減することができる効果がある。
また、本発明の請求項3にかかる医療用投与器具によれば、請求項1記載の医療用投与器具において、前記エアー抜き動作時は、前記ピストンロッドが、前記投与時の速度よりも低速で動作するようにしたので、エアー抜きを目視確認した際に、注射針等に付着した薬剤が飛散る危険性の低減や動作そのものによる精神的苦痛を低減することができる効果がある。
また、本発明の請求項4にかかる医療用投与器具によれば、請求項3記載の医療用投与器具において、前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、パルス幅のONとOFFの比率を変えて制御するPWM制御(Pulse Width Modulation)によるものとしたので、エアー抜きを目視確認した際に、注射針等に付着した薬剤が飛散る危険性の低減や動作そのものによる精神的苦痛を低減することができる効果がある。
また、本発明の請求項5にかかる医療用投与器具によれば、請求項3記載の医療用投与器具において、前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、電圧制御によるものとしたので、エアー抜きを目視確認した際に、注射針等に付着した薬剤が飛散る危険性の低減や動作そのものによる精神的苦痛を低減することができる効果がある。
また、本発明の請求項6にかかる医療用投与器具によれば、請求項1記載の医療用投与器具において、前記投与動作の前にエアー抜き動作が行われたことを検知した後、投与動作を可能とするものとしたので、薬剤投与前に必ずエアー抜き動作が行なわれるようになり、機械に対する精神的不安感を軽減することができる効果がある。
また、本発明の請求項7にかかる医療用投与器具によれば、請求項1記載の医療用投与器具において、前記エアー抜き動作を行うためのボタンと、薬剤を注射するためのボタンとを備え、エアー抜き動作後に、前記薬剤を注射するためのボタンの押下による動作を許可するようにしたので、エアー抜き処理を行っていない場合には薬剤が投与される心配が無く、機械に対する精神的不安感を軽減することができる効果がある。
また、本発明の請求項8にかかる医療用投与器具によれば、請求項1記載の医療用投与器具において、前記医療用投与器具の針アセンブリ近傍が投与部位に当接しているか否か検知する手段を備え、投与部位に当接している場合には、前記エアー抜き動作を抑制するようにしたので、エア抜き動作時に誤って人体を刺すような事故を防止することができ、機械に対する精神的不安感を軽減することができる効果がある。
本発明の実施の形態1にかかる医療用投与器具の全体を示す矢視図。 上記医療用投与器具の薬剤カートリッジの交換を説明するための、針ホルダー付近の構成図。 上記医療用投与器具の薬剤カートリッジの交換を説明するための、針ホルダーを本体より引き出した状態を示す構成図。 上記医療用投与器具の薬剤カートリッジの交換を説明するための、薬剤カートリッジを取り出した状態を示す構成図。 上記医療用投与器具における針ホルダーの要部拡大図。 上記医療用投与器具針ホルダー動作を説明するための要部拡大図。 上記医療用投与器具針ホルダー動作を説明するための、針ホルダーをスライドさせた状態を示す図。 上記医療用投与器具のピストンロッドアセンブリを示す図。 上記医療用投与器具の針ホルダーに針アセンブリを取り付け時の、検知レバーの状態を説明するための図。 上記医療用投与器具の薬剤カートリッジの後端部付近の構成を示す図。 本発明の実施の形態2にかかる医療用投与器具のピストンロッドアセンブリの要部の構成を示す図。 本発明の実施の形態2にかかる医療用投与器具のピストンロッドアセンブリをピストンロッドホールド部材に格納した状態を示す構成図。 上記実施の形態2にかかる医療用投与器具のピストンロッドアセンブリの動作を説明するための構成図。 上記実施の形態2にかかる医療用投与器具のピストンロッドアセンブリの動作を説明するためのさらなる構成図。 本発明の実施の形態1にかかる医療用投与器具のブッシュシャフトと各ピストンロッドとの螺合状態を説明するための一部断面図。 本発明の実施の形態3にかかる医療用投与器具の内部構造を説明するための斜視図。 上記実施の形態3にかかる医療用投与器具の外観を示す斜視図。 上記実施の形態3にかかる医療用投与器具の電気回路的な接続を説明するためのブロック図。 上記実施の形態3にかかる医療用投与器具の動作を説明するためのフローチャートを示す図。 本発明の実施の形態4にかかる医療用投与器具の動作を説明するためのフローチャートを示す図。 本発明の実施の形態5にかかる医療用投与器具の動作を説明するためのフローチャートを示す図。 本発明の実施の形態6にかかる医療用投与器具の動作を説明するためのフローチャートを示す図。 従来の医療用投与器具の構成を示す図。
以下に、本発明の医療用投与器具の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における医療用投与器具の全体構成図を示す。
図1において、1は投与器具であり、その先端部には、患者が自己注射する際、注射部位に当接させる注射部当接カバー7を有しており、その内部には針アセンブリ6が設置されている。
ここで、患者が薬剤カートリッジを交換する場合、図2に示すように、注射部当接カバー7を矢印A方向にスライドさせると、針ホルダー4に取り付けられた針アセンブリー6が露出してくる。なお、本来は、針アセンブリ6による誤刺事故を防止するため、針アセンブリ6に保護カバー(図示せず)を装着後、交換するのが通常であるが、ここでは説明上省略している。
次に、図3に示すように、針ホルダー4を矢印B方向にスライドさせる。所定の位置まで針ホルダー4を移動させ、その後針ホルダー4を軸を中心に回転させることで、薬剤カートリッジ2が投与器具1内より露出してくる。その後、患者自身で薬剤カートリッジ2の脱着を行う。
以上が薬剤カートリッジ2の交換の概略説明である。次に図5ないし7を用いて、更に詳細な説明を行う。
図5において、薬剤カートリッジ2を内部にホールドするカートリッジホルダー3の前端部両側端には、支柱9が設けられている。また、針アセンブリ6を取り付ける針ホルダー4には、前記支柱9のスライドガイド用の溝部8が形成されており、前記針ホルダー4とカートリッジホルダー3とはそれぞれの溝部8、支柱9で嵌合されている。
ここで患者が薬剤カートリッジ2を交換する場合、図6に示すように、注射部当接カバー7(図2参照)を所定の位置まで移動後、針ホルダー4を矢印B方向に、溝部8の後端部が支柱9に当接するまで矢印B方向にスライドさせる。所定の位置まで針ホルダー4を移動させると、図7に示すように針ホルダー4は支柱9を中心に回動し、薬剤カートリッジ2の先端部2aがカートリッジホルダー3の先端より露出する。
その後、薬剤カートリッジ2の交換が可能となる。また新規の薬剤カートリッジ2を装着した後は、前記の作業の逆を行えば、注射可能な状態になる。
次に、薬剤カートリッジ2の保持形態について、図8ないし10を用いて説明する。
針ホルダー4には、検知レバー18が取り付けられている。図9は、針ホルダー4(図8参照)に針アセンブリ6を取り付け時の、検知レバー18の状態を示している。針アセンブリ6が針ホルダー4に取り付けられると、針アセンブリ6の後端部が、検知レバー18を押圧し、また、検知レバー18の後端部が、薬剤カートリッジ2の先端部2aを押圧している。また、図10に示すように、薬剤カートリッジ2の後端部2bは、ピストンロッドホールド部材16の外周部に摺動可能に取り付けられた押圧部材19によって押圧されている。
また、上記押圧部材19は、ばね部材20、およびストッパー部材21で構成されている。
以上の構成により、押圧部材19の位置検出を行うことで、針アセンブリ6、薬剤カートリッジ2の有無の検出が可能となる。
以上のように、本実施の形態1においては、針ホルダー4を投与器具1本体より引き出して回転させることで薬剤カートリッジ2の先端部分を露出させるようにしたので、カートリッジホルダー3を投与器具1に保持したまま薬剤カートリッジ2を脱着可能となるため、従来のように、患者がカートリッジの交換のたびにカートリッジホルダーを装置本体から分離させなければならないという負担を与えず、さらに、患者が薬剤カートリッジの交換を針アセンブリの装着状態にかかわらず自由に行うことができ、取り扱いを容易とすることができる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2にかかる医療用投与器具について説明する。図11は本発明の実施の形態2における電動式の医療用投与器具のピストンロッドアセンブリを中心とした構成図を示す。図に示すように、モータ等(図示せず)からの駆動源を伝達する駆動ギア10には、外周に雄ネジ形状(図示せず)を有し、ロッドアセンブリ全長とほぼ同じ長さを有するブッシュシャフト11が圧入されている。またその内周部に、前記ブッシュシャフト11の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部(図示せず)を形成した中空状のピストンロッドA12は、その外周部に雄ネジ形状(図示せず)を有している。さらに、その内周部に前記ピストンロッドA12と螺合する雌ネジ部(図示せず)が形成されたピストンロッドB14がピストンロッドA12と螺合している。上記ブッシュシャフト11,ピストンロッドA12,ピストンロッドB14の螺合状態を図15に示す。
また、前記ピストンロッドA12、ピストンロッドB14には、おのおの外周部に凸形状の回転防止部13、15が設けられている。また、図9に示すように、ピストンロッドB14は、前記ピストンロッドA12、ピストンロッドB14がスムーズにスライドできる中空形状のピストンロッドホールド部材16で覆われている。また前記ピストンロッドホールド部材16の内部には、前記ピストンロッドA12、ピストンロッドB14の回転防止部13、15と当接して、それそれの回転を防止する凹み形状のピストンロッド回転防止部17が設けられている。
次に実際の動作について図12ないし14を用いて説明する。まず、図12は初期状態を示したものであるが、ピストンロッドA12の回転防止部13はピストンロッドホールド部材16外部に位置している。ここで駆動ギア10の駆動力はブッシュシャフト11、ピストンロッドA12に伝達され、前記駆動ギア10、ブッシュシャフト11、ピストンロッドA12は、同期して一方向に回転している。
また、前記ピストンロッドB14の回転防止部15は、ピストンロッドホールド部材16のピストンロッド回転防止部17と当接して、回転不能状態であるため、前記ピストンロッドA12から前記ピストンロッドB14に伝達される回転力は、ピストンロッドB14を前方に移動させる推進力に変換され、図13に示すように、前記ピストンロッドB14は矢印A方向にスライドすることになる。またここで、前駆ピストンロッドA12の外周部の雄ネジ部は全長形成されているのではなく、前記回転防止部13の反対側から数ミリの部分は不完全ネジ部を形成しているように設計されている。よって、前記ピストンロッドA12の回転は該ピストンロッドA12の不完全ネジ部に前記ピストンロッドB14のネジ部が到達したときに停止することになる。
ここで、前記ピストンロッドB14の回転防止部15が、ピストンロッドホールド部材16のピストンロッド回転防止部17とまだ当接しているため、前記回転を停止したピストンロッドA12は、前記ピストンロッドB14と同期して、矢印A方向にスライドして行く。さらに、前記ピストンロッドB14の回転防止部15が前記ピストンホールド部材16のピストンロッド回転防止部17から離れると同時に、前記ピストンロッドA12の回転防止部13が前記ピストンホールド部材16のピストン回転防止部17と当接するため、ピストンロッドA12のスライドに同期して前記ピストンロッドB14が薬剤カートリッジ2内をスライドしていくことになる(図14参照)。また、ピストンロッドを初期状態のように戻すのは、前述の説明プロセスの逆を行えばよい。
以上のように、本実施の形態2にかかる医療用投与器具においては、ピストンロッドアセンブリの伸縮機構をブッシュシャフト11,該ブッシュシャフト11に螺合する円筒形のピストンロッドA12,該ピストンロッドA12に螺合する円筒形のピストンロッドB14、さらにこれらを収納するピストンロッドホールド部材16とから構成し、ピストンロッドの動きを多段階に直線的に伸びるものとすることにより、装置を非常にコンパクトにでき、その結果、携帯性に優れた医療用投与器具を提供することができる。
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3にかかる医療用投与器具について、図16ないし19を用いて説明する。
図16は本実施の形態3に係る医療用投与器具の内部構造を説明するための斜視図、図17は上記医療用投与器具の外観を示す斜視図、図18は上記医療用投与器具の電気回路的な接続を説明するためのブロック図、図19は上記医療用投与器具の動作を説明するためのフローチャートを記載した図である。
まず図16について説明する。
いま、薬剤が充填されたシリンジ101は本体102に取り付けられたカートリッジホルダー103の中にセットされている。
いま、本体102を手に持ち、当接センサを投与すべき部位に当て、本体102側面に設けられた投与スイッチ104を押す。すると、刺針モーター105が正回転し、この回転力が刺針モーター105と直結されたスライドロッド106を介し、スライドキャップ107に伝わる。刺針モーター105の回転力はスライドキャップ107によって直線運動を行う力に変換される。スライドキャップ107は刺針モーター105が正回転したときに矢印の方向に移動する。移動し始めることにより抜針センサ108がオフ状態になる。スライドキャップ107は矢印方向に一定量移動する。そのときに刺針センサ109がオン状態になり、刺針モーター105の回転は停止する。
スライドキャップ107と内部フレーム組立て部110は連結している。そして、刺針モーター105が正回転したときに内部フレーム組立て部110が矢印の方向に移動する。内部フレーム組立て部110と注入組立て部111は連結している。そして、注入組立て部111は刺針モーター105が正回転したときに矢印の方向に移動され、注射針112を患部に刺針した状態となる。
そして、刺針動作を行った後、注入モーター113が正回転し、この回転力が注入モーター113と直結された減速ギアボックス114で減速され、減速ギアボックス114のギア主軸115を回転させる。ギア主軸115の先端は一次ギア116を回転させる。そして、その回転力は二次ギア117を介して三次ギア118に伝わる。この三次ギア118と一次ロッド119とは連結している。そして、一次ロッド119と二次ロッド120は噛み合っているため、一次ロッド119の回転力は二次ロッド120に伝わる。そして、二次ロッド120と三次ロッド121は噛み合っているため、二次ロッド120の回転力が三次ロッド121に伝わる。三次ロッド121の回転力はカートリッジホルダー103の内側に設けられた溝によって規制され、三次ロッド121は矢印方向に移動する。三次ロッド121がある一定量、シリンジ101の中を推進すると、回転していた二次ロッド120もシリンジ101を推進する。そして、三次ロッド121はシリンジ101内の薬剤を注射針112の中から押し出し、注入動作を行う。注入量は注入モーター113の回転を回転センサ122がカウントすることによって調整する。
なお、一次ロッド119,二次ロッド120,三次ロッド121の構造については実施の形態1で説明したピストンロッドアセンブリと同様の構造を持つものとする。
注入動作を終えると注入モーター113が逆回転をし、二次ロッド120と三次ロッド121を元の位置に戻す。そのあとに、刺針モーター105が逆回転を行い、スライドキャップ107が矢印と逆方向へ移動する。スライドキャップ107と内部フレーム組立て部110とは連結している。そして、刺針モーター105が逆回転したときに内部フレーム組立て部110が矢印と逆方向に移動する。内部フレーム組立て部110と注入組立て部111とは連結している。従って、注入組立て部111は刺針モーター105が逆回転したときに内部フレーム組立て部110とともに矢印と逆方向に移動され、注射針112を患部から抜針する。
スライドキャップ107が元の位置に戻ると、抜針センサ108がオン状態になり刺針モーター105を停止する。これにより抜針動作を終える。
次に本発明の医療用投与器具の外観的な構成を、図17を用いて説明する。
図17において、123は電源スイッチであり、医療用投与器具を使用するときに電源を投入するためのスイッチであり、また、使用後に電源を切るためのものである。
124はエアー抜きスイッチであり、シリンジ内や注射針内のエアー抜き動作を開始するためのものである。
125は設定スイッチであり、体内に注入する薬剤の量などの設定を行うものである。
126は当接センサであり、投与すべき部位に当接しているか否かを検知するためのものである。
127は表示装置であり、体内に注入する薬剤の設定量の表示や、医療用投与器具内の状況、例えば、薬剤の残量等を表示するためのものである。
128は刺針口であり、刺針や抜針時に注射針が通過するための開口である。
次に図16及び図17に示された構成を有する医療用投与器具の電気回路的な構成を、図18を用いて説明する。なお、図16,17と同一符号は同一、または相当部分を示すものとする。
129はスピーカであり、動作終了を音声にて使用者への告知や、異常動作の場合に使用者に告知するための装置である。
132は原点センサであり、シリンジ内の薬剤を注入するためのピストンが原点の位置の状態であることを検知するためのセンサである。
131はモータードライバであり、マイクロプロセッサ130からの指令により、注入モーター113及び刺針モーター105を駆動させるための信号を出力するものである。
130はマイクロプロセッサであり、プログラムにより、エアー抜きスイッチ124や投与スイッチ104等の入力により、注入モーター113や刺針モーター105を動作させるために指令を出すなどの制御部である。
次に医療用投与器具のエアー抜きと薬剤の注入のシーケンスについて図19のフロー図に従って説明する。エアー抜きスイッチ124もしくは投与スイッチ104が押された場合にシーケンススタート(ステップa1)となる。
次にエアー抜きスイッチ124が押されたか否か判断(ステップa2)を行う。エアー抜きスイッチ124が押された場合はステップa3に移行する。
ステップa3では刺針モーター105を駆動電圧の低下もしくは、信号のパルス幅のONとOFFの比率を変更するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御などを用いて注射針を抜針センサ108がオンしている状態から刺針センサ109がオンする状態までの間、刺針モーター105を低速で動作させる。次にステップa4では注入モーター113をエアー抜き動作時に必要な分のみを駆動させて正転させてエアー抜き動作を行う。
次にステップa5では刺針モーター105を低速で逆転方向に回転させて、刺針センサ109がオン状態の位置まで移動させて処理を終了(ステップa9)する。
一方、上記ステップa2にてエアー抜きスイッチ124ではなく投与スイッチ104が押された場合は、ステップa6に移行する。ステップa6では刺針時は高速で動作させた方が患者に対する痛みを軽減することができるため、刺針モーター105を高速にて刺針動作をする。
次にステップa7では注入モーター113を動作させることにより、薬剤の設定量分を注入する。
次にステップa8では注入終了後、刺針モーター105を高速で逆転方向に回転させて、刺針状態の位置から抜針状態の位置まで移動させて処理を終了(ステップa9)する。
このように本実施の形態3にかかる医療用投与器具によれば、複数のピストンロッド119〜121を用い、エアー抜きスイッチ124を押下することにより、ピストンロッド119〜121の移動に伴って電動にてエアー抜き動作を容易に行うことができ、また、エアー抜き動作時は注入モーター113を低速に動作させることにより、目視確認した際に注射針等に付着した薬剤が飛散る危険性を低減することができる。
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4にかかる医療用投与器具について説明する。構成については図16ないし18で示したものと同一であるのでここでは重複する説明は省略する。
本実施の形態4にかかる医療用投与器具の動作について図20を用いて説明する。
エアー抜きスイッチ124もしくは投与スイッチ104が押された場合にシーケンススタート(ステップb1)となる。
先ずエアー抜きスイッチ124が押されたか否かの判断(ステップb2)を行う。押下されたのがエアー抜きスイッチ124ではなく投与スイッチ104である場合は再度ステップb2を行う。この際、投与スイッチ104である場合は投与の動作をしないため、その旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知する構成としてもよい。
一方、ステップb2にてエアー抜きスイッチ124が押された場合は、ステップb3に移行する。ステップb3では、当接センサ126がオンしているかの否かの判断を行う。当接センサ126がオンしている場合は使用者に誤って刺針してしまう危険性があるため、再度ステップb3を行う。この際、当接センサ126がオンしている場合はエアー抜きの動作をしないため、その旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知する構成にしてもよい。
一方、上記ステップb3にて当接センサ126がオンしている場合はステップb4に移行する。ステップb4ではシリンジ101や注射針112や内部のエアーを抜くために注入モーター113を動作させる処理を行う。
次に使用者は注射針112を目視にてエアー抜きが十分であるかの判断に基づき、不十分である場合は再度エアー抜きスイッチ124を押す。
エアー抜きが十分である場合は続いて投与スイッチ104を押す。ステップb5ではいずれのスイッチが押されたかの判断を行う。エアー抜きスイッチ124が押されたのであればステップb3に移行し、投与スイッチ104が押されたのであればステップb6に移行する。
ステップb6では、当接センサ126がオンしているか否かの判断を行う。当接センサ126がオンしていない場合は、投与器具が使用者の所定の投与部位に接触していない可能性があるため、再度ステップb3を行う。この際、当接センサ126がオンしていない場合は注入動作をしないため、その旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知する構成にしてもよい。当接センサ126がオンしている場合はステップb7に移行する。
上記ステップb7では、設定量に相当する分、注入モーター113を動作させて注入動作をさせて処理を終了(ステップb8)する。
このように、本実施の形態4によれば、複数のピストンロッド119〜121を用い、投与スイッチ104を押下する前にエアー抜きスイッチ124が押下されたことを検出してから、投与スイッチ104の押下による注入動作を有効にするようにしたので、注入動作の前にエアー抜き動作を確実に行うことができ、誤って人体にエアーを注入する危険性を軽減することができ、装置の安全性を高めることができる。
(実施の形態5)
次に本発明の実施の形態5に係る医療用投与器具について説明する。構成については図16ないし18で示したものと同一であるのでここでは重複する説明は省略する。
本実施の形態5にかかる医療用投与器具の動作について図21を用いて説明する。
使用者が注入量を設定する状態となった場合にシーケンススタート(ステップc1)となる。
先ずステップc2では過去の設定値から範囲を演算する処理を行う。過去の設定値による範囲としては前回の投与量を用い、その前回の投与量の、例えばプラスマイナス30%以内を範囲とする方法や、過去の複数回、例えば10回分のデータの平均値を用い、その値の、例えばプラスマイナス30%以内を範囲とする方法や、さらには、過去の複数回、例えば10回分のデータを標準偏差等により統計的に演算して範囲を求める方法等でもよい。
次にステップc3では使用者が設定回路133により注入量を決定する。
続いて、ステップc4ではステップc3で使用者が入力した値とステップc2で演算された値との比較を行う。比較した結果、所定の範囲内であればステップc6に移行する。範囲外であれば後述するステップc5に移行する。
ステップc5では、使用者に対して範囲外である旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知して、注入の処理に移行してよいか否かの判断を行う。使用者により注入への移行が許可された場合は、ステップb7に移行する。使用者が拒否した場合はステップb3に戻る。
ステップb7では、設定された注入量分、注入モーター113を動作させて注入処理を行い、処理を終了(ステップb8)する。
なお、上記ステップc5では使用者に対して範囲外である旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知した後に、使用者の確認を行わないでステップc3に移行するように構成してもよい。
このように本実施の形態5にかかる医療用投与器具によれば、設定スイッチ125により投与量を設定しようとした場合に、過去の投与量を参照して、設定値と過去の投与量とを比較を行い、比較結果が所定の範囲外にある場合には、使用者に設定値が範囲外である旨を音声にてスピーカ129を用いるか、表示装置127を用いて表示する、あるいはスピーカ129及び表示装置127の両方にて使用者に告知するようにしたので、薬剤によっては、誤って大きく投与量が異なる量にて投与した場合は人体に影響を及ぼす場合があるため、投与量が大きく変わる場合は投与前に使用者に対し告知、及び確認動作に移行する、もしくは投与の動作に移行できない構成とすることにより、電動式の医療用投与器具に対する安全性を高めることができる。
(実施の形態6)
次に本発明の実施の形態6に係る医療用投与器具について説明する。構成については図16ないし18で示したものと同一であるのでここでは重複する説明は省略する。
本実施の形態6にかかる医療用投与器具の電気的な回路構成について図22のブロック図を用いて説明する。図22は図18の構成において、本実施の形態独自の構成である設定回路133,比較回路134,カウント回路135を追加した状態を示した図であり、図18において示されている表示装置127やスピーカ129等は説明上省略している。
回転センサ122は注入モーター113の動作を周波数として出力可能なものであり、マイクロプロセッサ130とカウント回路135に出力される。
カウント回路135は電子回路からなり、回転センサ122の信号をカウントする回路であり注入モーター113の動作量をカウント可能である。
設定回路133も電子回路からなり、マイクロプロセッサ130から出力された注入量を換算して得られた動作量を保持することが可能な回路である。また、マイクロプロセッサ130により、注入動作開始や注入動作終了の指示を受けることが可能な回路であり、これにより、カウント回路135を初期動作させることもできる。
投与量はピストンロッドの移動量、もしくはピストンロッドが一定速度で移動する際の時間をカウントすることにより検知することができる。
比較回路134も電子回路からなり、設定回路133内の設定値とカウント回路135のカウント値を比較する回路であり、動作終了前に設定値に対してカウント値が一定以上超えた場合はモータードライバ131に対してマイクロプロセッサ130を介さず動作を停止させることが可能であり、マイクロプロセッサ130に対しては一定以上超えたことを知らせることが可能である。また、動作終了後に設定値に対してカウント値が一定以下である場合はマイクロプロセッサ130に対して一定以下である旨を知らせることが可能である。
このような構成により、マイクロプロセッサ130を用いたプログラム処理により、注入量を監視することに加え、比較回路134によって実際の注入量を電子回路的に直接監視することが可能となるため、マイクロプロセッサ130のプログラムの異常動作時においても比較回路134において異常を検知してモータドライバ131を強制停止する等の処理を行うことにより、薬剤の過多や過少の注入を防止することが可能となるため、二重に安全処置を設けることができ、電動式の医療用投与器具に対する安全性を高めることができる。
本発明にかかる医療用投与器具は、薬剤カートリッジの交換が簡単で携帯性に優れたインスリン等の薬剤の電動式注入装置等として有用である。
1 投与器具
2 薬剤カートリッジ
3 カートリッジホルダー
4 針ホルダー
5 ピストンロッド
6 針アセンブリ
7 注射部当接カバー
8 溝部
9 支柱
10 駆動ギア
11 ブッシュシャフト
12 ピストンロッドa
13 ピストンロッドa回転防止部
14 ピストンロッドb
15 ピストンロッドb回転防止部
16 ピストンロッドホールド部材
17 ピストンロッド回転防止部
18 検知レバー
19 押圧部材
20 ばね部材
21 ストッパー部材
101 シリンジ
102 本体
103 カートリッジホルダー
104 投与スイッチ
105 刺針モーター
106 スライドロッド
107 スライドギャップ
108 抜針センサ
109 刺針センサ
110 内部フレーム組立て部
111 注入組立て部
112 注射針
113 注入モーター
114 減速ギアボックス
115 ギア主軸
116 一次ギア
117 二次ギア
118 三次ギア
119 一次ロッド
120 二次ロッド
121 三次ロッド
122 回転センサ
123 電源スイッチ
124 エアー抜きスイッチ
125 設定スイッチ
126 当接センサ
127 表示装置
128 刺針口
129 スピーカ
130 マイクロプロセッサ
131 モータードライバ
132 原点センサ
133 設定回路
134 比較回路
135 カウント回路

Claims (8)

  1. その一端がプランジャで塞がれ、その内部に薬剤を収容した薬剤カートリッジと、
    該薬剤カートリッジを収納するカートリッジホルダーと、
    前記薬剤カートリッジ内のプランジャを押圧して移動させるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの移動によって前記薬剤カートリッジの他端から排出された薬剤を投与するための針アセンブリと、を備え、
    投与前に、前記ピストンロッドの移動によりエアー抜き動作を行う、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  2. 請求項1記載の医療用投与器具において、
    前記エアー抜き動作時の刺針速度は、前記投与時の刺針速度よりも低速で動作する、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  3. 請求項1記載の医療用投与器具において、
    前記エアー抜き動作時は、前記ピストンロッドが、前記投与時の速度よりも低速で動作する、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  4. 請求項3記載の医療用投与器具において、
    前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、パルス幅のONとOFFの比率を変えて制御するPWM制御(Pulse Width Modulation)によるものである、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  5. 請求項3記載の医療用投与器具において、
    前記エアー抜き動作時のピストンロッドの低速動作は、電圧制御によるものである、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  6. 請求項1記載の医療用投与器具において、
    前記投与動作の前にエアー抜き動作が行われたことを検知した後、投与動作を可能とする、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  7. 請求項1記載の医療用投与器具において、
    前記エアー抜き動作を行うためのボタンと、薬剤を注射するためのボタンとを備え、
    エアー抜き動作後に、前記薬剤を注射するためのボタンの押下による動作を許可する、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
  8. 請求項1記載の医療用投与器具において、
    前記医療用投与器具の針アセンブリ近傍が投与部位に当接しているか否か検知する手段を備え、
    投与部位に当接している場合には、前記エアー抜き動作を抑制する、
    ことを特徴とする医療用投与器具。
JP2010197830A 2010-09-03 2010-09-03 医療用投与器具 Pending JP2011005279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010197830A JP2011005279A (ja) 2010-09-03 2010-09-03 医療用投与器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010197830A JP2011005279A (ja) 2010-09-03 2010-09-03 医療用投与器具

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009235388A Division JP4873061B2 (ja) 2009-10-09 2009-10-09 医療用投与器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011005279A true JP2011005279A (ja) 2011-01-13

Family

ID=43562605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010197830A Pending JP2011005279A (ja) 2010-09-03 2010-09-03 医療用投与器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011005279A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014519391A (ja) * 2011-06-14 2014-08-14 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 注射器及び注射ボタン感知装置
JP2018196713A (ja) * 2017-05-22 2018-12-13 Phcホールディングス株式会社 薬剤カートリッジアダプタと、それを装着する薬剤注入アダプタ
FR3079407A1 (fr) * 2018-03-30 2019-10-04 Apollina Dispositif electronique dentaire d'application universelle
CN114306904A (zh) * 2021-12-30 2022-04-12 山东丝琳医药科技有限公司 药物导入仪

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541929A (ja) * 1999-04-16 2002-12-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 自動物質化合機能を備えるペン型注射器
JP2003511157A (ja) * 1999-10-12 2003-03-25 ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ 電子的注射装置用のエアショット機構
WO2003057286A1 (fr) * 2001-12-13 2003-07-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Instrument d'administration a usage medical
WO2004004809A1 (ja) * 2002-07-02 2004-01-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 医療用自動投与器具

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002541929A (ja) * 1999-04-16 2002-12-10 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 自動物質化合機能を備えるペン型注射器
JP2003511157A (ja) * 1999-10-12 2003-03-25 ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ 電子的注射装置用のエアショット機構
WO2003057286A1 (fr) * 2001-12-13 2003-07-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Instrument d'administration a usage medical
WO2004004809A1 (ja) * 2002-07-02 2004-01-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 医療用自動投与器具

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014519391A (ja) * 2011-06-14 2014-08-14 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 注射器及び注射ボタン感知装置
JP2018196713A (ja) * 2017-05-22 2018-12-13 Phcホールディングス株式会社 薬剤カートリッジアダプタと、それを装着する薬剤注入アダプタ
FR3079407A1 (fr) * 2018-03-30 2019-10-04 Apollina Dispositif electronique dentaire d'application universelle
WO2019186072A3 (fr) * 2018-03-30 2020-11-12 Apollina Dispositif électronique dentaire d'application universelle
CN114306904A (zh) * 2021-12-30 2022-04-12 山东丝琳医药科技有限公司 药物导入仪

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4549079B2 (ja) 医療用投与器具
US10576220B2 (en) Electromechanical manipulating device for medical needle and syringe with sensory biofeedback and pain suppression capability
AU2009200841B2 (en) Devices, systems, and methods for medicament delivery
JP5286274B2 (ja) ドラッグデリバリーデバイスのための投与及び駆動機構
EP1610847B1 (en) Dose dial and drive mechanism suitable for use in drug delivery devices
US9339607B2 (en) Medicament delivery devices
JP2017531530A (ja) クリップ部材上に電子ディスプレイを有するペン型薬剤送達装置
KR101525854B1 (ko) 휴대용 자동 약물주입기
JP2010509958A (ja) ドラッグデリバリーデバイスで使用するのに適した駆動機構における及びそれに関連する改良
JP2013509213A (ja) 液体薬剤、特にインシュリンのための自動アプリケータ
JP2016525381A (ja) 用量プリセット機能を備えた薬剤送達装置及びシステム
JP2011005279A (ja) 医療用投与器具
JP2011005280A (ja) 医療用投与器具
JP4873061B2 (ja) 医療用投与器具
GB2456245A (en) An auto-injector with recorded speech output
AU2012201481C1 (en) Devices, systems, and methods for medicament delivery

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101022

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110613

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20110613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120703

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121105

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121112

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121212

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20130118