<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合に作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも大きくなるよう両作動口33,34の設置間隔を調整する構成としてもよい。この場合、電動役物34aが閉鎖状態にある場合に下作動口34に遊技球が入賞し得る。
ここで、電動役物34aと、下作動口34に入賞した遊技球を検知する下作動口検知センサ34bとの関係について説明する。下作動口検知センサ34bは、上述した通り、遊技盤24の背面側に設けられている。下作動口検知センサ34bは、遊技球の流下方向において、電動役物34aに対して下流側に配置されている。具体的には、遊技盤24には、下作動口34に入賞した遊技球を排出する通路が設けられており、下作動口検知センサ34bは当該通路の途中位置に設けられている。これにより、下作動口34に入賞する遊技球において、電動役物34aを通過するタイミングと、下作動口検知センサ34bによって検知されるタイミングとの間には所定のタイムラグが生じる。特に、電動役物34aが開放状態から閉鎖状態に移行する動作途中では、遊技球が電動役物34aと上作動口33とによって挟まれることがあるため、上記タイムラグは大きくなり易い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして特別図柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される特別図柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして普通図柄の変動表示(変化表示)が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。具体的には、役物用表示部44は、「○」と「×」との普通図柄が表示可能に形成されており、スルーゲート35への入賞に基づいて、「○」と「×」とが交互に表示される普通図柄の変動表示が開始され、所定の期間に亘って当該普通図柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が開閉動作状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44に当選結果に対応した停止結果として「○」の普通図柄が表示され変動表示が終了する。そして、開閉動作状態へ移行する。開閉動作状態では、電動役物34aにおいて所定の態様の開閉動作が行われる。
一方、内部抽選の結果が外れ結果である場合には、役物用表示部44に外れ結果に対応した停止結果として「×」の普通図柄が表示され、変動表示が終了する。
可変表示ユニット36には、装飾図柄(以降単に図柄という)を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、上作動口33及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部(第1保留表示部)45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、下作動口34及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部(第2保留表示部)46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44の役物用結果表示部に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置106から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81について図6を用いて説明する。図6は、主制御装置81の構成を示す説明図である。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板81aを具備しており、当該主制御基板81aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板81aの不具合発生の際や主制御基板81aの検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板81aを取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シール88がボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付けられている。この場合、封印シール88をその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シール88の接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。
また、当該封印シール88に所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シール88を剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
ここで、主制御基板81aには遊技の主たる制御を行うMPU91が設けられている。MPU91は遊技に関する信号を出力するものである。また、主制御基板81aには、試験を行う場合に用いられる試験用ICチップXを搭載可能なチップ搭載部92が複数(具体的には2つ)設けられている。チップ搭載部92はMPU91と接続されている。具体的には、主制御基板81aにはMPU91とチップ搭載部92と接続する配線パターンが予めパターニングされている。これにより、チップ搭載部92に試験用ICチップXが搭載された場合、試験用ICチップXにMPU91からの信号が入力される。そして、試験用ICチップXはMPU91から所定の信号が入力されることに基づいて、当該所定の信号に対応した信号を出力するように構成されている。
なお、チップ搭載部92は基板ボックス83によって覆われているため、チップ搭載部92へのアクセスは制限されている。これにより、チップ搭載部92及びチップ搭載部92に試験用ICチップXが搭載されている場合にあっては試験用ICチップXに対する不正行為を抑制し得る。
また、主制御基板81aには払出制御基板等の他の基板と接続するコネクタ93が設けられている。コネクタ93はMPU91と接続されており、MPU91から出力される信号は当該コネクタ93を介して他の基板に伝達される。
ここで、主制御基板81aは試験の際に用いられる信号を外部に出力する試験用コネクタYを搭載可能に形成されている。具体的には、試験用コネクタYを搭載可能なコネクタ搭載部94が設けられている。コネクタ搭載部94はチップ搭載部92と接続されている。具体的には、主制御基板81aにはチップ搭載部92とコネクタ搭載部94とを接続する配線パターンが予めパターニングされている。これにより、チップ搭載部92に試験用ICチップXを搭載し、さらにコネクタ搭載部94に試験用コネクタYを搭載した場合には、試験用ICチップXから出力された信号が試験用コネクタYを介して外部に出力されることとなる。
すなわち、MPU91から所定の信号が出力された場合、当該信号が試験用ICチップXに入力され、試験用ICチップXから所定の信号に対応した信号が出力される。そして、当該対応した信号は試験用コネクタYを介して外部に出力される。これにより、試験用コネクタYから出力される信号を読み取ることによって、MPU91から出力されている信号を把握することが可能となっている。
ここで、試験用ICチップX及び試験用コネクタYは着脱可能に形成されており、販売用のパチンコ機10にはこれら試験用ICチップX及び試験用コネクタYは非搭載となっている。
次に、試験を行う際の構成について、図7を用いて説明する。図7は、試験を行う場合の構成を示す説明図である。
試験を行う場合には、パチンコ機10の主制御基板81aと試験用中継端子板Jとをハーネス等の電気配線を通じて接続し、当該試験用中継端子板Jと試験装置Kとをハーネス等の電気配線を通じて接続する。
具体的には、先ず各搭載部92、94に試験用ICチップX及び試験用コネクタYを搭載し、当該試験用コネクタYを介して試験用中継端子板Jの入力用コネクタJaに接続する。そして、試験用中継端子板Jに設けられている出力用コネクタJbと、試験装置Kに設けられている入力用コネクタKaとを接続する。
ここで、試験用中継端子板Jとは、主制御基板81aから出力されたデータ信号を加工するためのものであり、試験装置Kとは、試験用中継端子板Jから出力されたデータ信号に基づいてパチンコ機10の性能データを取得するためのものである。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック101を備えており、当該裏パック101に対して、払出機構部102及び制御装置集合ユニット103が取り付けられている。なお、裏パック101は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部104を有している。
払出機構部102は、保護カバー部104を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク105と、当該タンク105に貯留された遊技球を払い出すための払出装置106と、を備えている。払出装置106より払い出された遊技球は、当該払出装置106の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部102には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック101には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板109が設けられている。外部出力端子板109には、タンク105などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット103は、払出制御装置107と電源及び発射制御装置108とを備えている。これら払出制御装置107と電源及び発射制御装置108とは、払出制御装置107がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置107は、払出装置106を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置107の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置108は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図8のブロック図に基づいて説明する。
上述の通り、主制御装置81に設けられた主制御基板81aには、MPU91が搭載されている。MPU91には、当該MPU91により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM201と、そのROM201内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM202と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU91には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU91の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板203、払出制御装置107及び各種検知センサとして下作動口検知センサ34b並びにその他の検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板203には電源及び発射制御装置108が接続されており、MPU91には停電監視基板203を介して電力が供給される。
また、その他の検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU91において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU91では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU91の出力側には、停電監視基板203、払出制御装置107及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置107には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM201のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM201のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU91の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34c、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板81aには各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU91は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU91において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU91において電動役物駆動部34cの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU91においてメイン表示部43の表示制御が実行される。
停電監視基板203は、主制御基板81aと電源及び発射制御装置108とを中継し、また電源及び発射制御装置108から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置107は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置106により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置108は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81aや払出制御装置107等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置108は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図9に基づいて説明する。図9は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図9(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図9(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU91は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図10に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM202の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM202には、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各エリアについて詳細に説明すると、第1保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1保留エリアRaの構成について説明する。
第1保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。具体的には、上作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。
また、保留球格納エリア232には、第1保留エリアRaにおける保留数と第2保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM202の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第1保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第2保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM201における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述した通り低確率モードと高確率モードとが設定されている。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間、詳細にはスルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される普通図柄の変動表示の時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM202の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第1保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第2保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM201における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。かかる振分先としては、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルについて説明すると、振分テーブルは、大当たり種別カウンタC2の値と振分先とが一義的に決まるように設定されているテーブルである。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値のうち「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応している。なお、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM202の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第1保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の第2保留エリアRbに格納される。そして、ROM201のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU91では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図9の表示内容について具体的に説明すると、最初に上図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況において中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU91において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM202の電役保留エリア233に格納される。電役保留エリア233は、保留球格納エリア232と同様に、4つの電役用記憶エリア(第1エリア〜第4エリア)と実行エリアとを備えており、スルーゲート35に遊技球が入賞する度に、第1エリアから順に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、記憶エリアに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が実行エリアにシフトし、開閉動作状態に移行するか否か、すなわち電動役物34aにおいて開閉動作が行われるように制御するか否かの抽選が行われる。
具体的には、C4=0〜199が開閉動作抽選の当選結果に対応しており、電動役物開放カウンタC4がその数値範囲内の値であれば、電動役物34aにおいて開閉動作が行われるように制御する。一方、C4=200〜249が開閉動作抽選の外れ結果に対応しており、電動役物開放カウンタC4が当該数値範囲内の値であれば、電動役物34aにおいて開閉動作が行われない。
また、高頻度サポートモードの状況下では、電動役物開放カウンタC4を用いて役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間を決定する。これについては後述する。
既に説明したように、MPU91では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部43における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM201の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU91では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、メイン表示部43における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM201の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
次に、試験を行う場合の電気的構成について図11を用いて説明する。図11は、主制御基板81aの電気的構成を示すブロック図である。
主制御基板81aのコネクタ93には、各種装置や各種検知センサからの検知信号が入力される。具体的に説明すると、払出制御装置107からは賞球計数信号や払出異常信号等の検知信号SG1が出力され、下作動口検知センサ34bから下作動口入賞検知信号SG2が出力され、その他の検知センサ211a〜211eから上作動口入賞検知信号や一般入賞検知信号やスルーゲート通過検知信号等の検知信号SG3が出力される。
これら各検知信号SG1〜SG3は、それぞれ対応する比較器241を介してMPU91に取り込まれる。比較器241は、検知信号の入力レベルが所定の閾値電圧より小さい場合に、対応する検知信号をON出力する構成となっている。なお、図示は省略したが、払出制御装置107及びその他の検知センサ211a〜211e等のように出力される検知信号が複数種類ある場合には、当該種類の数だけ信号線及び比較器241が設けられている。
比較器241から出力された検知信号SG1〜SG3は、MPU91と、試験時に主制御基板81aのチップ搭載部92に搭載された2つの試験用ICチップXのうち一方の試験用ICチップXと、に入力される。当該一方の試験用ICチップXを、説明の便宜上、第1試験用ICチップX1といい、他方の試験用ICチップXを、第2試験用ICチップX2という。第1試験用ICチップX1は、検知信号SG1〜SG3の雑音除去、波形整形等を行い、その後、試験用コネクタYを介して試験用中継端子板Jに対して各検知信号SG1〜SG3を出力する。
MPU91は、比較器241から出力された検知信号SG1〜SG3に基づいて、遊技に関する処理を行うと共に、処理の結果生成された例えば変動パターンコマンドデータや停止図柄コマンドデータ等の遊技に関するデータを、データ信号DA0〜DA7として出力する。ちなみに、データ信号DA0〜DA7を伝送する信号線は、複数の信号源からの信号を伝送して、他に送信可能なバス(共通伝送路)で構成されている。
また、MPU91は、データ信号DA0〜DA7の出力にあわせて、予め設定されたチップセレクト信号CSSG1,CSSG2のいずれか一方を、試験時に主制御基板81aへ搭載された第1試験用ICチップX1に対してON出力する。チップセレクト信号CSSG1,CSSG2とは識別信号として用いられる信号である。
ここで、MPU91は、試験の際に用いられる信号として、試験用信号TSGを出力するように構成されている。試験用信号TSGは、他の信号と異なり、試験においてのみ用いられる専用の信号である。試験用信号TSGは、電動役物34aの開閉動作に関する期間を示す信号である。MPU91は、試験用信号TSGを第1試験用ICチップX1に向けて出力するように構成されている。試験用信号TSGは、第1試験用ICチップX1にて、雑音除去及び波形整形が行われた後、試験用コネクタYを介して試験用中継端子板Jに入力される。
また、第1試験用ICチップX1は、チップセレクト信号CSSG1,CSSG2の雑音除去、波形整形等を行い、その後、試験用コネクタYを介して試験用中継端子板Jに対してチップセレクト信号CSSG1,CSSG2を出力する。ちなみに、MPU91には、上述した2種類の他にもチップセレクト信号が予め設定されている。
各データ信号DA0〜DA7は、主制御基板81aに設けられたラッチ回路242と、試験時に主制御基板81aへ搭載された他方の第2試験用ICチップX2に対して出力される。ラッチ回路242では、入力されたデータ信号DA0〜DA7をラッチして、表示制御装置212等の他の制御装置へ出力する。第2試験用ICチップX2では、データ信号DA0〜DA7の雑音除去、波形整形、ラッチ等を行い、その後、試験用コネクタYを介して試験用中継端子板Jに対して各データ信号DA0〜DA7を出力する。なお、ラッチ回路242とMPU91との間には、1の信号線のみが示されているが、実際には各データ信号DA0〜DA7を伝達する信号線がそれぞれ設けられている。
試験用中継端子板Jは、各検知信号SG1〜SG3又は試験用信号TSGが入力された場合、各検知信号SG1〜SG3又は試験用信号TSGに対して特別な信号加工をすることなく、試験装置Kに出力する。すなわち、試験用中継端子板Jは、バッファ回路を備えており、当該バッファ回路にて各信号SG1〜SG3、TSGの雑音除去や波形整形を行った後、その信号を試験装置Kに向けて出力する。
また、試験用中継端子板Jは、データ信号DA0〜DA7が入力された場合には、データ信号DA0〜DA7を加工し、加工した信号を試験装置Kに向けて出力する。具体的には、試験用中継端子板Jは、データ信号DA0〜DA7及びチップセレクト信号CSSG1,CSSG2が入力される加工回路を備えている。当該加工回路は、チップセレクト信号CSSG1,CSSG2の信号態様に基づいて、データ信号DA0〜DA7を中継信号に加工し、当該中継信号を試験装置Kに向けて出力する。この場合、中継信号をチップセレクト信号CSSG1,CSSG2の信号態様に応じて変化させることが可能となっている。これにより、チップセレクト信号CSSG1,CSSG2の信号態様を変化させることで8本の信号線を用いて出力するデータ信号DA0〜DA7に、遊技に関するデータとしての意味を複数種類持たせることが可能である。故に、主制御基板81aに搭載する試験用ICチップXや信号線の数、試験用コネクタYの出力端子数を減少させることが可能となる。
試験装置Kは、入力される各検知信号SG1〜SG3及び中継信号を参照することで、MPU91が正常に動作しているか否かを確認したり、試験用信号TSG及び下作動口入賞検知信号SG2を参照することで、電動役物34aの開閉動作に対応した下作動口34への入賞状況を把握したりすることができる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU91にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU91では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU91により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、当該検知センサの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM202の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM202の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について図13のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置107に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS205では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した下作動口検知センサ34bの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS206にて払出制御装置107に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS207では、第2保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS205が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S206にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置107に対して送信される。
ここで、ステップS204の情報取得処理を図14のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS301では、上述したステップS203又はステップS207にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。そして、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留ランプ部を点灯させた後、本情報取得処理を終了する。
つまり、RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。そして、始動保留記憶数RaNと対応する可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45を点灯させた後、本情報取得処理を終了する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、始動保留記憶数RaNが4であれば右端までの第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。
また、RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。そして、始動保留記憶数RbNと対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させた後、本情報取得処理を終了する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、始動保留記憶数RbNが4であれば右端までの第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS402に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS403に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS404では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM202の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第3保留ランプ部47を点灯させた後、本入賞処理を終了する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば右端の第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
一方、ステップS401でスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS402にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S508の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509,S510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置107に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS502では、試験用信号出力処理を実行する。当該処理では、試験用信号TSGを第1試験用ICチップX1に向けて出力する処理を実行する。当該処理の詳細については、後述する。
次に、ステップS503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM202の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS504では、払出制御装置107より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS507では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS508では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS509,S510)。つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM202の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM202の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS501〜S508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS505の遊技回制御処理を図17〜図20のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM202の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数Nが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における特別図柄の変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS705の第1保留エリアRaのデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS706〜ステップS709の第2保留エリアRbのデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1保留エリアRaのデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の第1保留ランプ部45を1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部45が右側から順に消灯されるようになっている。
第2保留エリアRbのデータ設定処理では、先ずステップS706にて、第2保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS707では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS708では、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS709にて第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の第2保留ランプ部46を1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部46が右側から順に消灯されるようになっている。
次に、変動開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ここで、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値は、低確率モード用の当否テーブルと比較して多く設定されている。これにより、低確率モード用の当否テーブルを参照する場合よりも、高確率モード用の当否テーブルを参照するほうが、大当たり当選となり易い。
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM201の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS806では、ステップS805における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS807にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、ステップS808にてRAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられている確変フラグ格納エリアに確変フラグをセットする。
一方、確変大当たり結果でない場合には、ステップS809にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行し、ステップS810にてRAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられている通常大当たりフラグ格納エリアに通常大当たりフラグをセットする。
また、ステップS804にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS811にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
すなわち、ステップS807、ステップS809、ステップS811の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる特別図柄の態様の情報を、ROM201に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM202に記憶する。また、ステップS808及びステップS810では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU91にて特定するための情報をRAM202の各種フラグ格納エリア235に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。
ステップS807、ステップS810又はステップS811のいずれかの処理を実行した後は、ステップS812にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901にて、RAM202の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU91のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM202に、確変フラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。確変フラグ又は通常大当たりフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903に進む。ステップS903では、ROM201の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ用変動表示時間テーブル(リーチ用変動表示時間情報群)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM202の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905に進む。ステップS905では、共通保留数CRNを把握する。続くステップS906では、高頻度サポートモードか否かを判定する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235における高頻度サポートフラグ格納エリア(高頻度サポート情報記憶手段)に高頻度サポートフラグ(高頻度サポート情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該高頻度サポートフラグは、後述する遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に格納又は消去される。
高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS907にて、ROM201の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている低頻度サポート時用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値及び共通保留数CRNの数に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS908にて、その変動表示時間情報をRAM202の変動表示時間カウンタにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS909にて、ROM201の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されている高頻度サポート時用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値及び共通保留数CRNの数に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS910にて、その変動表示時間情報をRAM202の変動表示時間カウンタにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、共通保留数CRNの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。
変動開始処理(図19)の説明に戻り、ステップS812の後は、ステップS813にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS813にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS814にて、メイン表示部43において特別図柄の変動表示を開始させ、変動表示中フラグを格納して本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM202の変動表示時間カウンタに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図20)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43の表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS807、ステップS809又はステップS811のいずれかの処理にてRAM202に記憶した情報を特定し、その情報に対応した特別図柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定し、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS506の遊技状態移行処理を図21〜図23のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における特別図柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM202に確変フラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。上記各フラグの双方が格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタに、ROM201に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
続くステップS1005では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM202の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM201に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43に出力する。これにより、メイン表示部43では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS1006では、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1006の処理を実行した後は、ステップS1007にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS1008では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM202に確変フラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定し、どちらかのフラグが格納されている場合には、大当たり信号を出力する。これにより、当該大当たり信号が遊技ホール側の管理制御装置に入力されるように構成されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が入力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1009に進む。ステップS1009では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1010にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1101にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1102にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1103にて第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合又は第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でなく且つ第1タイマエリアT1の値が「0」である場合には、ステップS1104に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS1105では、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた第1タイマエリアT1に、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS1106では、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタPCに、「10」をセットする。
続くステップS1107では、開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1101にて大入賞口32aが開放中である場合にはステップS1108に進み、第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合、ステップS1109にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1110にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS1111にて払出制御装置107に遊技球を15個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、ステップS1112では、入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1108にて第1タイマエリアT1の値が「0」の場合、又はステップS1112にて入賞カウンタPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1113にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS1114では第1ラウンドカウンタRC1の値を1ディクリメントし、ステップS1115にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合にはステップS1116にて第1タイマエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。その後、ステップS1117にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1115にて、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であると判定した場合には、ステップS1118にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタに、ROM201に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS1119にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図21)の説明に戻り、ステップS1010にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS1011にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1012にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1013にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM202に、確変フラグが格納されているか否かを判定する。確変フラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納した後に、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
ステップS1201にて、確変フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1205にて通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1206にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1207にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1208にて、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットした後に、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
ステップS1205にて通常大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、そのまま本移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図21)の説明に戻り、ステップS1013の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1014にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変フラグ又は通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS507の電役サポート用処理を図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1301にて、電動役物34aにおいて開閉動作が行われているサポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、開閉動作状態であること、すなわち電動役物34aの開閉動作が行われている状況であることを特定するフラグであり、下作動口34の電動役物34aにおいて開閉動作が開始される場合に格納され、開閉動作が終了する場合に消去される。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1302に進み、待機表示中か否かを判定する処理を実行する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられた待機表示フラグ格納エリアに待機表示フラグが格納されているか否かを判定する。待機表示フラグは、役物用表示部44が待機表示中であることを特定するフラグであり、役物用表示部44の普通図柄の変動表示が終了した場合に格納され、所定の期間経過した場合に消去される。
待機表示中でない場合(待機表示フラグが格納されていない場合)には、ステップS1303に進み、役物用表示部44の普通図柄が変動表示中か否かを判定する処理を実行する。具体的には、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられた役物用変動表示中フラグ格納エリアに役物用変動表示中フラグが格納されているか否かを判定する。役物用変動表示中フラグは、役物用表示部44において普通図柄の変動表示が行われていることを特定するフラグであり、役物用表示部44の普通図柄の変動表示が開始する場合に格納され、当該普通図柄の変動表示が終了した場合に消去される。
役物用表示部44が変動表示中でない場合(役物用変動表示中フラグが格納されていない場合)には、ステップS1304に進み、役物保留記憶数SNの値が「0」であるか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、ステップS1315に進む。一方、役物保留記憶数SNの値が「0」でない場合には、ステップS1305にて役物用変動開始処理を実行する。役物用変動開始処理では、役物用表示部44における普通図柄の変動表示の態様を決定する処理を実行する。
役物用変動開始処理について図25のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1401にて電役保留エリア233のデータをシフトさせる。具体的には、電役保留エリア233の第1エリアに記憶されている値を実行エリアにシフトさせるとともに、電役保留エリア233の各記憶エリアに記憶されているデータを下位エリアにシフトさせる。この処理によって実行エリアに格納された電動役物開放カウンタC4を用いて、役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間Ta及びサポート当選の有無並びにサポート当選した場合の開放態様を決定する処理を実行する。
具体的には、ステップS1402にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1403にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく、高頻度サポートモードである場合には(ステップS1402:NO判定、ステップS1403:YES判定)、ステップS1404に進み、時短用変動表示時間決定処理を実行する。当該時短用変動表示時間決定処理では、ROM201の電役用テーブル記憶エリア226に記憶されている役物用変動表示時間テーブルを参照することによって、役物用表示部44の変動表示時間Taを決定する。
役物用変動表示時間テーブルは、図26に示すように、電動役物開放カウンタC4の下1桁の値と変動表示時間情報とを対応させて設定されおり、電動役物開放カウンタC4の下一桁の値に応じて変動表示時間Taが異なるように設定されている。具体的には、電動役物開放カウンタC4の下1桁の値のうち「0〜2」が0.6secに対応しており、「3〜4」が1.0secに対応しており、「5〜7」が1.5secに対応しており、「8〜9」が2.5secに対応している。
時短用変動表示時間決定処理では、今回の電動役物開放カウンタC4の下一桁の値に対応した役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM202の各種カウンタエリア234に設けられた役物用変動表示時間カウンタTC1にセットする。役物用変動表示時間カウンタTC1は、役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間Taを計測するカウンタであり、タイマ割込み処理が実行される毎に1ディクリメントされる。
すなわち、役物用変動表示時間テーブルには、複数種類の変動表示時間Taが設定されており、電動役物開放カウンタC4の下一桁の値に応じて複数種類の変動表示時間Taのうちいずれかの変動表示時間Taが選択されるようになっている。これにより、電動役物開放カウンタC4の値に応じて変動表示時間Taが変動することとなる。よって、抽選毎に役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間Taが変動することとなる。
なお、変動表示時間を決定するカウンタを別途設け、当該カウンタの値に基づいて変動表示時間を決定する構成としてもよい。
続くステップS1405では、サポート当選か否かを判定する。具体的には、実行エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」であるか否かを判定する。電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」でない場合には、ステップS1407に進む一方、電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」である場合には、サポート当選としてステップS1406に進む。ステップS1406では、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグをセットするとともに、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「3」をセットする。
続くステップS1407では、低確率モードか否かを判定する。具体的には、高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグが格納されている場合にはステップS1413に進む。一方、高確率モードフラグが格納されていない場合には、低確率モードであることを意味する。この場合、ステップS1408にて遊技回数カウンタが「0」であるか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされるカウンタである。
遊技回数カウンタが「0」でない場合には、ステップS1413に進む一方、遊技回数カウンタが「0」であると判定された場合には、ステップS1409に進み、高頻度サポートフラグを消去する。これにより、高頻度サポートモードが終了する。
すなわち、高確率モードである場合には、次の大当たり当選となるまで高頻度サポートモードが継続される一方、低確率モードである場合には、開閉実行モード終了時の移行処理(図23)のステップS1208の処理において遊技回数カウンタに設定された遊技回数(100回)だけ遊技が行われるまで高頻度サポートモードが継続するように設定されている。
一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1410にて通常変動表示時間決定処理を実行する。当該通常変動表示時間決定処理では、役物用変動表示時間カウンタTC1に所定の数値(例えば14750)をセットする。その後、ステップS1411に進む。
続くステップS1411では、サポート当選か否かを判定する。具体的には、実行エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」であるか否かを判定する。電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」でない場合には、ステップS1413に進む一方、電動役物開放カウンタC4の値が「0〜190」である場合には、サポート当選としてステップS1412に進む。ステップS1412では、サポート当選フラグをセットするとともに、第2ラウンドカウンタRC2に「1」をセットする。その後、ステップS1413に進む。
つまり、開閉実行モードでなく、高頻度サポートモードである状況とそうでない状況とで、役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間Taを決定する処理が異なっているとともに、第2ラウンドカウンタRC2の値が異なっている。具体的には、開閉実行モードでなく、高頻度サポートモードである状況においての変動表示時間Taは、そうでない状況における変動表示時間Taよりも短い範囲内で、変動するように設定されている。
ステップS1413では、役物用表示部44の普通図柄の変動表示を開始させ、本処理を終了する。また、当該処理において、役物用表示部44の普通図柄が変動表示中であることを認識させるために、役物用変動表示中フラグ格納エリアに役物用変動表示中フラグをセットする。
電役サポート用処理(図24)の説明に戻り、役物用表示部44が変動表示中である場合(役物用変動表示中フラグがセットされている場合)には、ステップS1303の判定処理を肯定判定し、ステップS1306に進む。ステップS1306では、役物用表示部44の普通図柄の変動表示時間Taが経過したか否かを判定する。具体的には、役物用変動表示時間カウンタTC1が「0」であるか否かを判定する。役物用変動表示時間カウンタTC1が「0」でない場合にはステップS1315に進む一方、役物用変動表示時間カウンタTC1が「0」である場合にはステップS1307に進み、役物用変動表示終了処理を実行する。
役物用変動表示終了処理では、役物用変動表示中フラグを消去する処理を実行するとともに、今回の抽選結果に対応した停止結果が表示されるように役物用表示部44を表示制御する。具体的には、サポート当選フラグの有無を判定する処理を行い、サポート当選フラグが格納されている場合には、当選結果に対応した当選停止結果である「○」の普通図柄が役物用表示部44に表示されるように制御する。一方、サポート当選フラグが格納されていない場合には、外れ結果に対応した外れ停止結果である「×」の普通図柄が役物用表示部44に表示されるように制御する。
続くステップS1308では待機表示開始処理を実行する。待機表示開始処理では、待機表示フラグをセットする。これにより、MPU91は、待機表示中であることを認識することができる。
また、当該待機表示開始処理では待機表示が行われる時間である待機表示期間Tbを設定する処理を実行する。具体的には、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられた待機表示期間カウンタTC2に所定の数値(例えば248)をセットする。待機表示期間カウンタTC2は、役物用表示部44の普通図柄の変動表示が終了してから、次の変動表示が開始される又は電動役物34aにおいて開閉動作が行われるまでに所定の間隔が生じるように設定されたカウンタである。当該待機表示期間カウンタTC2が「0」になるまで、待機表示が行われるようになっている。具体的には、待機表示期間カウンタTC2はタイマ割込み処理が実行される度に1ディクリメントされるカウンタであるため、変動表示が終了したタイミングから0.496sec経過するまで、待機表示が行われることとなる。
ステップS1302にて待機表示中であると判定された場合(待機表示フラグがセットされている場合)には、ステップS1309にて待機表示期間Tbが経過したか否かを判定する処理を実行する。具体的には、待機表示期間カウンタTC2の値が「0」であるか否かを判定する。待機表示期間カウンタTC2が「0」でない場合には、ステップS1315等の処理を実行した後に本電役サポート用処理を終了する。
一方、待機表示期間カウンタTC2の値が「0」である場合には、ステップS1310に進み、待機表示終了処理を実行する。待機表示終了処理では、待機表示フラグを消去する処理を実行する。
その後、ステップS1311では、今回の抽選結果がサポート当選であったか否か、すなわちサポート当選フラグがセットされているか否かを判定する。サポート当選フラグがセットされていない場合にはステップS1315に進む一方、サポート当選フラグがセットされている場合には、ステップS1312にてサポート当選フラグを消去し、さらにステップS1313にてサポート中フラグをセットした後、ステップS1315に進む。サポート中フラグは、電役サポートが行われる条件(電動役物34aの開閉動作が行われる条件)が成立していることを特定するためのフラグである。
すなわち、今回の抽選結果がサポート当選となっている場合には、待機表示期間Tbの経過後、待機表示が行われている状態から電動役物34aの一連の開閉動作が行われる開閉動作状態へ移行する。一方、サポート当選となっていない場合には、ステップS1315以降の処理を実行後、本処理を終了する。この場合、ステップS1309〜ステップS1313の処理を実行した処理回に対して次の処理回に係る通常処理において、役物保留記憶数SNが0でないことを条件として、役物用表示部44の普通図柄の変動表示が開始される。
ここで、待機表示中はステップS1304〜ステップS1308の処理は実行されないようになっている。つまり、待機表示中に役物用表示部44の普通図柄の変動表示は開始されないようになっている。換言すれば、役物用表示部44の普通図柄の変動表示の終了タイミングに対して所定の待機期間(0.496sec)が経過してから、普通図柄の変動表示が開始可能となるように設定されている。これにより、待機表示中に遊技者が抽選結果を確認することができるため、今回の抽選結果を把握し易くなっている。
ステップS1301にてサポート中フラグが格納されていると判定された場合には、ステップS1314に進み、電動役物34aにおいて一連の開閉動作が行われるように電動役物34aを制御する電役開閉処理を実行する。
ここで、電役開閉処理について図27のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1501にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34cが駆動状態であるか否かで判定する。
電動役物34aが開放中でない場合、電動役物34aが閉鎖中であることを意味する。この場合、ステップS1501を否定判定し、ステップS1502にて閉鎖時間が経過したか否かの判定処理を実行する。具体的には、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられている閉鎖時間カウンタTC3が「0」であるか否かを判定する。閉鎖時間カウンタTC3は電役サポート中における一時的な閉鎖時間を設定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が実行されるたびに1ディクリメントされる。当該閉鎖時間カウンタTC3は初期状態において「0」となるように設定されている。
閉鎖時間カウンタTC3が「0」でない場合にはそのまま本電役開閉処理を終了する一方、閉鎖時間カウンタTC3が「0」である場合には、ステップS1503にて電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1504にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1505にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1506にて、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられている開放時間カウンタTC4に「200」(すなわち0.4sec)をセットし、本処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1507にて開放時間カウンタTC4に「100」(すなわち0.2sec)をセットし、本処理を終了する。開放時間カウンタTC4は電動役物34aが開放状態となっている期間を特定するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が実行される毎に1ディクリメントされるものである。
一方、電動役物34aが開放中である場合、ステップ1501を肯定判定し、ステップS1508にて開放時間が経過したか否かの判定処理を実行する。具体的には、開放時間カウンタTC4が「0」であるか否かを判定する。
開放時間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する一方、開放時間が経過している場合には、ステップS1509にて電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行う。
その後、ステップS1510にて第2ラウンドカウンタRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1511にて第2ラウンドカウンタRC2の値が「0」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタRC2の値が「0」でない場合には、ステップS1512にて閉鎖時間カウンタTC3に「100」(すなわち0.2sec)をセットし、本処理を終了する。これにより、閉鎖時間が経過するまで(閉鎖時間カウンタTC3が「0」になるまで)電動役物34aは閉鎖状態を維持し、閉鎖時間が経過した場合には開放処理が実行され、電動役物34aが開放状態となる。そして、第2ラウンドカウンタRC2が「0」になるまで、電動役物34aの開閉動作が繰り返し実行されるようになっている。
かかる構成によれば、開閉実行モードでなく高頻度サポートモードである状況においてサポート当選した場合には、第2ラウンドカウンタRC2には「3」が設定されるため、電動役物34aが合計3回開放状態となる。1回当たりの開放時間は、ステップS1506にてセットされる開放時間カウンタTC4の値に基づいて決まっている。具体的には、開放時間カウンタTC4は「200」にセットされるため、1回当たりの開放時間は0.4secである。
また、1の開放状態が終了してから次の開放状態となるまでの期間はステップS1512にてセットされる閉鎖時間カウンタTC3の値によって決まる。具体的には、閉鎖時間カウンタTC3は「100」に設定されるため、1の開放状態から次の開放状態までの期間は0.2secである。
すなわち、開閉実行モードでなく高頻度サポートモードである状況においてサポート当選した場合には、電動役物34aが0.4secだけ開放状態となる動作が0.2secの間隔をおいて3回行われる。換言すれば、開閉実行モードでなく高頻度サポートモードである状況においてサポート当選した場合には、1.6secに亘って電動役物34aの一連の開閉動作が行われる。この開閉動作が行われている期間を開閉動作期間Tcとする。
特に、1.6secの期間内において、閉鎖状態から開放状態となり、その後閉鎖状態になるまでを単位動作として当該単位動作を3回に亘って行われる構成となっているため、電動役物34aが1.6secに亘って開放状態となっている構成と比較して、必要以上に遊技者に利益を付与することを抑制し得る。また、遊技球の過度に遊技球が入賞することによって、下作動口検知センサ34bに検知されない遊技球が発生する事態を低減することが可能となる。さらに、遊技球が入賞する機会を経時的に見て複数回開放させることで遊技球が入賞する可能性を高めることができる。
一方、開閉実行モードである又は高頻度サポートモードでない状況においてサポート当選した場合には、第2ラウンドカウンタRC2には「1」が設定されるため、電動役物34aが1回開放状態となる。この場合、開放時間はステップS1507にてセットされる開放時間カウンタTC4に基づいて決定される。具体的には、開放時間カウンタTC4は「100」にセットされるため、開放時間は0.2secである。
すなわち、開閉実行モード又は低頻度サポートモードである状況においてサポート当選した場合には、電動役物34aが0.2secだけ開放状態となる動作が1回のみ行われる。換言すれば、開閉動作期間Tcは0.2secである。
以上のように、高頻度サポートモードにおける開閉動作期間Tcは、低頻度サポートモードの場合よりも、長くなっている。これにより、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34に遊技球が入賞し易いといえる。
一方、第2ラウンドカウンタRC2が「0」である場合には、電役サポートが終了したことを意味する。この場合、ステップS1513に進み、サポート中フラグを消去する。これにより、サポートが終了したことを認識することができる。また、当該処理では、閉鎖時間カウンタTC3を0クリアする処理も実行する。これにより、閉鎖時間カウンタTC3が初期状態において「0」となっている。
その後、ステップS1514にて残存球処理期間設定処理を実行する。当該処理では、電動役物34aを通過した遊技球が下作動口検知センサ34bに検知されるまでのタイムラグを補償するための残存球処理期間Tdを設定する。具体的には、RAM202の各種カウンタエリア234に設けられている残存期間カウンタTC5に「548」をセットする。残存期間カウンタTC5は、サポート中フラグが消去されるタイミングでセットされるものであり、2msecの動作周期のタイマ割込み処理が実行される度に1ディクリメントされるものである。
つまり、残存球処理期間Tdは、残存期間カウンタTC5に「548」がセットされてから「0」となるまでの期間、換言すれば電動役物34aの開閉動作が終了したタイミングから1.096secが経過するまでの期間である。残存球処理期間Tdは、遊技球が電動役物34aを通過するタイミングと、当該遊技球が下作動口検知センサ34bによって検知されるタイミングとの間に生じるタイムラグよりも長くなるように設定された期間である。つまり、残存球処理期間Tdは、電動役物34aが閉鎖状態となるタイミングに下作動口34に入賞した遊技球が、当該残存球処理期間Td内に下作動口検知センサ34bに検知されるように設定されている。
また、ステップS1514では、RAM202の各種フラグ格納エリア235に設けられた残存球処理期間中フラグ格納エリアに残存球処理期間中フラグを格納する処理を実行する。残存球処理期間中フラグは、残存球処理期間中であることを特定するフラグであり、電動役物34aの開閉動作が終了したタイミングに格納され、残存球処理期間Tdが経過した場合に消去される。
電役サポート用処理(図24)の説明に戻り、ステップS1305等の処理を実行した後は、ステップS1315に進み、残存球処理期間Tdが経過したか否かを判定する処理を実行する。具体的には、残存期間カウンタTC5が「0」であるか否かを判定する。残存期間カウンタTC5が「0」でない場合には、そのまま本処理を終了する一方、残存期間カウンタTC5が「0」である場合には、ステップS1316にて残存球処理期間中フラグを消去し、本処理を終了する。
<試験用信号出力処理について>
次に、ステップS502にて実行される試験用信号出力処理について図28のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1601にて電動役物34aの開閉動作中であるか否か、具体的にはサポート中フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1602にて残存球処理期間中であるか否か、具体的には残存球処理期間中フラグが格納されているか否かを判定する。
サポート中フラグ又は残存球処理期間中フラグが格納されている場合には、ステップS1603にて、第1試験用ICチップX1に向けて試験用信号TSGとしてのHIレベル信号を出力する試験用信号出力処理を実行し、本処理を終了する。この場合、既に試験用信号TSGを出力している場合には、その出力状態を維持する。
一方、サポート中フラグが格納されておらず、さらに残存球処理期間中フラグが格納されていない場合には、ステップS1604にて期間信号出力停止処理を実行し、本処理を終了する。当該処理では、試験用信号TSGが出力されている場合にはその試験用信号TSGの出力を停止し、試験用信号TSGが出力されていない場合には、その停止状態を維持する。
すなわち、開閉動作期間Tc及び残存球処理期間Tdを合わせた期間に亘って、試験用信号TSGとしてのHIレベル信号が出力されている。換言すれば、試験用信号TSGは、開閉動作期間Tc及び残存球処理期間Tdを合わせた信号対応期間Teを示す期間記号とも言える。
<役物用表示部44並びに電動役物34aの開閉動作態様及び試験用信号TSGの出力態様について>
次に、高頻度サポートモードにおける電動役物34aの一連の動作態様に対応した試験用信号TSGの出力について図29のタイミングチャートを参照しながら説明する。図29(a)は役物用表示部44の普通図柄の変動表示の態様を示し、図29(b)はサポート中フラグの有無を示し、図29(c)は電動役物34aの開閉動作態様を示し、図29(d)は残存球処理期間中フラグの有無を示し、図29(e)は試験用信号TSGを示している。なお、本説明において、「役物用表示部44の普通図柄の変動表示」を単に「変動表示」という。
また、t3〜t4、t5〜t6、t8〜t9、t9〜t10、t11〜t12、t13〜t14の各期間はそれぞれ通常処理の1処理回分の期間(4msec)を示しており、説明の便宜上、拡大して示す。
先ずt1のタイミングにて、役物用変動開始処理が実行されることにより、変動表示が開始される。その後、今回の抽選結果に応じた変動表示時間Taが経過するまで変動表示が行われる。
変動表示時間Taが経過したt2のタイミングでは、変動表示が停止し、今回の抽選結果に応じた停止結果が表示される。今回の抽選結果は当選結果であるとする。この場合、役物用表示部44に「○」が表示される。そして、待機表示期間Tb(0.496sec)が経過するまで当該停止結果の表示を維持する。
上述した通り、待機表示中においてステップS1303〜ステップS1308、及び電役開閉処理は実行されない。つまり、待機表示中において、役物用変動開始処理及び電役開閉処理は実行されないようになっている。これにより、待機表示中においては、変動表示が行われないとともに、電動役物34aの開閉動作が行われない。よって、役物用表示部44の停止結果への注目度が高められている。
その後、変動表示の終了タイミングであるt2のタイミングから待機表示期間Tbが経過したt3のタイミングにて、開閉動作状態へ移行する。この場合、ステップS1310〜S1313の処理が実行される。この場合、サポート中フラグがセットされる。
そして、サポート中フラグがセットされた処理回に対して次の処理回の通常処理の試験用信号出力処理の実行タイミングであるt4のタイミングにおいて、試験用信号TSGが出力されるとともに、電動役物34aにおいて一連の開閉動作が開始される。
すなわち、待機表示開始処理にて決定される待機表示期間Tb(0.496sec)と、通常処理の1処理回分の期間である4msecとを合わせた期間が実質的な待機表示期間(0.5sec)である。換言すれば、実質的な待機表示期間が0.5secになるように、待機表示期間カウンタTC2の値が設定されているといえる。
ここで、普通図柄の変動表示が終了してから、電動役物34aの開閉動作が行われるまでの間に待機表示期間Tbが設けられていることによって、待機表示期間Tb中にて普通図柄の停止結果を確認した後に、開閉動作が行われるのを確認することができる。これにより、停止結果(「○」普通図柄)の表示を介した普通図柄の変動表示から開閉動作までを一連の動作として認識させることが可能となる。
その後、開閉動作期間Tcが経過したt5のタイミングにて電動役物34aの開閉動作が終了し、電動役物34aが閉鎖状態となる。この場合、サポート中フラグが消去される一方、残存球処理期間Tdが設定され、残存球処理期間中フラグがセットされる。すなわち、電動役物34aの開閉動作が終了したタイミングから残存球処理期間Tdが計測される。
そして、サポート中フラグが消去された処理回に対して次の処理回にかかる通常処理の電役サポート用処理において、役物保留記憶数SNが「0」でないことを条件として、変動表示が開始される。この場合、変動表示時間Taは最小の0.6secに決定されたと想定して説明する。当該最小の変動表示時間Taを最小変動表示時間Taoという。
この場合、電動役物34aの開閉動作の終了タイミングに対して変動表示の開始タイミングは、通常処理の1処理回分に相当する期間(4msec)だけ遅延される。換言すれば、電動役物34aの開閉動作が終了してから変動表示が開始されるまでに4msecの遅延期間Tfが生じているといえる。
ここで、遅延期間Tfが生じないように、サポート中フラグを消去する等のサポートモードの終了にかかる処理の実行後に変動表示を開始する構成も考えられる。しかしながら、かかる構成の場合、閉鎖処理、残存球処理期間Tdの設定等の処理と役物用変動表示開始処理とを同一処理回で実行する必要が生じるため、1の処理回にかかる負担が大きくなる。すると、通常処理の1処理回に要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS501〜ステップS507の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、閉鎖処理等が実行される処理回に対して次の処理回にかかる通常処理において、役物用変動表示開始処理を実行する構成とした。これにより、電役サポートの終了にかかる処理と、役物用変動表示開始処理とが1処理回の通常処理の範囲内において実行されないようになっている。よって、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることが抑えられる。
なお、試験用信号TSGは、上述した通り、サポート中フラグ又は残存球処理期間中フラグがセットされている場合に出力されるものであるため、試験用信号TSGの出力状態は維持されている。
変動表示が開始されたt6のタイミングから最小変動表示時間Taoが経過したt7のタイミングでは、変動表示が終了し、今回の抽選結果に対応した停止結果が役物用表示部44に停止表示される。そして、待機表示が開始される。
その後、残存球処理期間Tdが経過したt8のタイミングにて、残存球処理期間中フラグが消去される。
ここで、残存球処理期間Tdは、最小変動表示時間Tao(0.6sec)及び待機表示期間Tb(0.496sec)を合わせた期間(1.096sec)と同一に設定されている。そして、電動役物34aの開閉動作の終了タイミング(残存球処理期間Tdが設定されるタイミング)に対して変動表示の開始タイミングは、遅延期間Tfだけ(通常処理の1処理回分に相当する期間(4msec))だけ遅延している。これにより、残存球処理期間Tdが経過したt8のタイミングに対して、遅延期間Tfだけ遅延したタイミングであるt9のタイミングにて、待機表示期間Tbが経過することとなる。
すなわち、t9のタイミングは、残存球処理期間中フラグが消去された処理回に対して次の処理回に係る通常処理が行われるタイミングであるとともに、待機表示期間Tbが経過したタイミングであるといえる。ここで、通常処理では、電役サポート用処理よりも試験用信号出力処理が先に実行されるため、サポート中フラグが格納される前に試験用信号出力処理が実行される。このため、試験用信号出力処理の実行タイミングでは、残存球処理期間中フラグ及びサポート中フラグの双方が格納されていない。よって、試験用信号TSGの出力が停止され、その後若干遅れてサポート中フラグが格納されることとなる。
なお、上記関係を説明する便宜上、図29においてはサポート中フラグが設定されるタイミングをt9のタイミングよりも若干ずらした位置に表示している。これについては、t3のタイミングにおいても同様である。
試験用信号TSGに着目すれば、残存球処理期間Tdが経過してから通常処理の1処理回分後のt9のタイミングにて、試験用信号TSGの出力が停止する。これにより、試験用信号TSGにより示される実質的な残存球処理期間は残存球処理期間Td(1.096sec)に、通常処理の1処理回分に相当する期間である4msecを加算した1.1secとなっている。また、実質的な信号対応期間は、開閉動作期間Tc(1.6sec)及び実質的な残存球処理期間(1.1sec)を合わせた期間(2.7sec)である。
その後、t9のタイミングにて実行された処理回に対して次の処理回に係る通常処理の実行タイミングであるt10のタイミングでは、サポート中フラグが格納されているため、試験用信号出力処理にて試験用信号TSGが出力され、電動役物34aにおける開閉動作が行われる。
すなわち、電動役物34aの開閉動作が終了するタイミングから変動表示が開始されるタイミングまでに通常処理の1処理回分の期間に相当する遅延期間Tfが生じているため、待機表示期間Tbが経過するタイミングは、残存球処理期間Tdの経過タイミングに対して当該遅延期間Tfだけ遅延される。よって、残存球処理期間中フラグが消去された処理回に対して次の処理回の通常処理において、試験用信号TSGの出力が停止され、当該停止後にサポート中フラグが格納される。そして、更に次の処理回に係る通常処理において、再び試験用信号TSGが出力される。これにより、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の抽選結果に基づく試験用信号TSGとの間に、4msecの間隔が生じる。
すなわち、残存球処理期間Td(1.096sec)は、最小変動表示時間Tao(0.6sec)、待機表示期間Tb(0.496sec)、及び遅延期間Tf(4msec)を合わせた期間(1.1sec)に対して試験用信号出力処理の動作周期Tg(4msec)分だけ短く設定された期間であるといえる(Td=Tao+Tb+Tf−Tg)。換言すれば、試験用信号TSGにより示される実質的な残存球処理期間(1.1sec)は、最小変動表示時間Tao(0.6sec)、実質的な待機表示期間(0.5sec)及び遅延期間Tf(4msec)を合わせた期間(1.104sec)に対して試験用信号出力処理の動作周期Tg(4msec)分だけ短く設定された期間であるといえる。これにより、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の抽選結果に基づく試験用信号TSGとを非連続にすることができる。
t11のタイミングでは、電動役物34aの開閉動作が終了し、サポート中フラグが消去される。
その後、t11のタイミングにて実行された処理回に対して次の処理回にかかる通常処理の実行タイミングであるt12のタイミングにて、役物保留記憶数SNが0でないことを条件として(SN>0)、変動表示が開始される。今回の変動表示における変動表示時間Taは1.5secに決定されたとする。
この場合、残存球処理期間Tdが経過したタイミングであるt13のタイミング及び試験用信号TSGの出力が停止するt14のタイミングでは、変動表示は継続されている。
そして、t12のタイミングから今回の変動表示時間Taである1.5secが経過したt15のタイミングにて、変動表示が終了し、今回の抽選結果に応じた停止結果が表示される。そして、待機表示が開始される。抽選結果が外れである場合には、待機表示期間Tbが経過した後に、役物保留記憶数SNが0でないことを条件として、変動表示が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
電動役物34aの開閉動作の終了後の残存球処理期間Tdを含む信号対応期間Teを示す試験用信号TSGを出力する構成とした。これにより、電動役物34aを通過する通過タイミングと下作動口検知センサ34bによる遊技球の検知タイミングとの間に生じ得るタイムラグに起因した誤検知を抑制することができる。
すなわち、下作動口検知センサ34bは電動役物34aよりも下流側に設けられているため、遊技球が電動役物34aを通過するタイミングから、遊技球が下作動口検知センサ34bに検知されるタイミングまでにタイムラグが生じる。このため、電動役物34aが開閉動作中に入賞したにも関わらず、開閉動作期間Tc中の検知結果に反映されない遊技球が生じる場合がある。よって、開閉動作期間Tc中に下作動口34に入賞した遊技球数を把握する試験を行う場合、試験結果の信頼性が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、開閉動作期間Tc及び電動役物34aの開閉動作の終了後の所定の期間である残存球処理期間Tdを合わせた信号対応期間Teを示す試験用信号TSGが出力されている。これにより、試験用信号TSG及び下作動口入賞検知信号SG2を取得することによって、開閉動作が行われている期間だけでなく、開閉動作が終了後の所定の期間の下作動口34への入賞状況を把握することが可能となる。よって、開閉動作中に入賞したにも関わらず、開閉動作期間Tc中の検知結果に反映されない遊技球を把握することが可能となる。したがって、電動役物34aの開閉態様に対応した遊技球の入賞状況を把握する試験に好適に対応することができる。
特に、電動役物34aが閉鎖状態である状況においては、下作動口34への入賞が発生しないように構成されている。具体的には、電動役物34aが閉鎖状態である場合には、電動役物34aと上作動口33との間に形成される間隔が遊技球の直径よりも小さくなるように、上作動口33と電動役物34aとの相対位置関係が規定されている。これにより、試験用信号TSGによって示される期間以外の期間中に下作動口34への入賞が検知された場合には、電動役物34aの開閉動作又は電動役物34a及び上作動口33の相対位置関係に何らかの異常があると判断することができる。よって、異常の有無を確認する試験に対して好適に対応することができる。
また、所定の期間に亘って連続して遊技球を発射する試験を行うことによって、単位時間当たりにおける発射される遊技球数と、特典として得られる遊技球数との比である出球率を算出する試験を行うことができる。そして、当該試験結果に基づいて、実際の出球率が予め定められた出球率となるように釘38等の調整を行うことができる。
ここで、仮に残存球処理期間Tdが経過した後に、普通図柄の変動表示が開始される構成の場合、残存球処理期間Td及び変動表示時間Taの期間に亘って電動役物34aの開閉動作が行われないこととなる。この場合、上記期間において開閉動作が行われる見込みがないため、遊技者は上記期間に亘って遊技球の発射操作を行わない可能性がある。これにより、パチンコ機10の稼働率が低下するとともに、上記期間中に遊技球の発射停止を行わない場合と発射停止を行う場合とで、出球率に差が生じる場合がある。出球率に差が生じる場合、遊技ホールの管理が困難になるとともに、遊技の公平性が失われるおそれがある。特に、出球率の差は、上記期間(開閉動作が行われない期間)が長いほど大きくなり易い。
この場合、例えば残存球処理期間Tdを短くすると、開閉動作に基づく下作動口34への入賞結果を把握する試験結果の信頼性の低下が懸念されるため、好ましくない。
これに対して、本実施形態によれば、残存球処理期間Td中に、役物用表示部44の普通図柄の変動表示が行われ得るように設定されている。これにより、開閉動作が終了してから普通図柄の変動表示が開始されるまでの期間を短くすることができる。つまり、開閉動作の終了タイミングに対して役物用表示部44の普通図柄の変動表示の開始タイミングを早めることが可能となる。普通図柄の変動表示が開始された場合、遊技者は、普通図柄の変動表示の終了後の開閉動作を期待して遊技球を発射することが考えられる。よって、開閉動作が終了してから普通図柄の変動表示が開始されるまでの期間を短くすることによって、遊技球の発射を促すことが可能となり、遊技球の発射停止を抑制し得る。
また、残存球処理期間Td中に、役物用表示部44の普通図柄の変動表示を行うことによって、残存球処理期間Tdの経過後、変動表示時間Taの経過を待つことなく、開閉動作を行うことができる。これにより、残存球処理期間Tdの経過後に普通図柄の変動表示が行われる構成と比較して、1の開閉動作と次の開閉動作との間隔を小さくすることができる。換言すれば、開閉動作が行われない期間を短くすることができる。
以上のことから、残存球処理期間Tdを確保しつつ、遊技球の発射停止を行わない場合と発射停止を行う場合とで生じ得る稼働率の低下を抑制するとともに、出球率の差を小さくすることができる。したがって、試験結果の信頼性を確保しつつ、稼働率の低下の低減し、さらに遊技ホールの管理の容易性及び遊技の公平性を確保することができる。
残存球処理期間Td中に普通図柄の変動表示が行われ得る構成の場合、変動表示時間Taによっては、普通図柄の変動表示が終了し、電動役物34aの開閉動作が開始されるタイミングにおいて残存球処理期間Tdが経過していない場合が生じ得る。この場合、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGにより示される信号対応期間Teと、次の抽選結果に基づく試験用信号TSGにより示される信号対応期間Teとが重複する。当該重複した期間に遊技球が入賞した場合、1の抽選結果の開閉動作に基づく入賞と、次の抽選結果の開閉動作に基づく入賞との判断が難しくなる。すると、開閉動作毎(抽選結果毎)の入賞状況等を把握する試験には対応することが困難になるばかりか、重複検知等の誤検知が生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、1の抽選結果に基づく信号対応期間Teと次の抽選結果に基づく信号対応期間Teとが重複しないように設定されている。これにより、上記不都合を抑制し得る。
ここで、重複回避の観点から、残存球処理期間Tdが経過するまで開閉動作が行われないように制御する構成も考えられるが、かかる構成の場合、開閉動作が開始されるタイミングが過度に遅延され、遊技者に違和感を与えるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、残存球処理期間Tdは、1の抽選結果に基づく信号対応期間Teと次の抽選結果に基づく信号対応期間Teとが重複しないように、最小変動表示時間Taoに対応させて設定されている。これにより、遊技者に違和感を与えることなく、上記不都合を回避することができる。
具体的には、残存球処理期間Td(1.096sec)を、最小変動表示時間Tao(0.6sec)、待機表示期間Tb(0.496sec)、及び遅延期間Tf(0.004sec)を合わせた期間から、試験用信号出力処理の動作周期Tg(4msec)を差し引いた期間に設定した(Td=Ta+Tb+Tf−Tg)。そして、1の通常処理の処理回において、試験用信号TSGの出力の契機となり得る各フラグ(サポート中フラグ、残存球処理期間中フラグ)に関する処理を実行する電役サポート用処理よりも前のタイミングにて試験用信号出力処理を実行する構成とした。これにより、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の抽選結果に基づく試験用信号TSGとの間に試験用信号出力処理の動作周期Tgに相当する4msecの間隔が生じる。よって、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の抽選結果に基づく試験用信号TSGとの区別が可能となっている範囲内で、残存球処理期間Tdが最大となっているため、試験結果の信頼性の向上を図ることができる。
ここで、残存球処理期間Td中に普通図柄の変動表示が行われ得る構成の場合、1の抽選結果に基づく開閉動作と次の抽選結果に基づく開閉動作との間には、少なくとも最小変動表示時間Taoに相当する間隔が生じる。これにより、残存球処理期間Tdに最小変動表示時間Taoを含めた場合であっても、1の抽選結果に基づく信号対応期間Teと次の抽選結果に基づく信号対応期間Teとが重複しないように設定できる。
また、普通図柄の変動表示が終了してから開閉動作が開始されるまでの間に、待機表示期間Tbを設けた。これにより、普通図柄の変動表示が終了してから開閉動作が開始されるまでの間に、役物用表示部44の停止結果を確認することができるため、普通図柄の変動表示から、停止結果の表示を介した開閉動作までを一連の動作として認識させることができる。この場合、残存球処理期間Tdを待機表示期間Tb分だけ長く設定することができるため、試験結果の信頼性の向上を図ることができる。すなわち、普通図柄の変動表示から、停止結果の表示を介した開閉動作までを一連の動作として認識させるための構成によって、試験結果の信頼性の向上という異質な効果を得ることができる。
主制御基板81aのMPU91から出力されるデータ信号DA0〜DA7を、試験用中継端子板Jにて加工した上で試験装置Kに出力する構成とすることにより、種々の性能データを試験装置Kにて好適に取得することが可能となる。取得したい性能データは、試験用中継端子板Jにてデータ信号DA0〜DA7を加工して取得すればよいからである。試験装置Kにて性能データを取得するにあたり、試験用中継端子板Jを介すことなく主制御基板81aと試験装置Kとを接続し、試験装置Kにてデータ信号DA0〜DA7を加工して性能データを取得することも可能である。しかしながら、かかる構成にあっては、パチンコ機10の機種毎に異なった加工処理能力を有する試験装置Kを準備する必要があり、試験に要する費用が多大なものとなってしまう。また、主制御基板81aのラッチ回路242にて加工された信号を試験装置Kに出力して性能データを取得することも可能である。しかしながら、かかる構成にあっては、主制御装置81にて行われる処理と直結した性能データは取得できるが、主制御装置81にて行われる処理と直結していない非直結性能データを取得することができない。加えて、MPU91にて非直結性能データに関するデータ信号を出力する処理を行う構成とした場合、試験以外の実際に遊技が行われている際にも前記処理を行う必要が生じ、MPU91の処理負荷が増加してしまうこととなる。つまり、本発明を適用することにより、パチンコ機10や試験装置Kの仕様を変更させることなく任意の性能データを取得することが可能となる。
また、主制御基板81aの制御内容は、遊技者側、或いはパチンコ機10を設置した遊技ホール側の利益に大きく関与しており、パチンコ機10が適正に動作しないと遊技者側又は遊技ホール側の利益が著しく阻害されることとなる。例えば、大当たりが発生したにも関わらず大入賞口32aが開放しなければ、遊技者の利益が阻害されることとなるし、大当たりが著しく継続するようであれば遊技者の射幸心を過剰に煽ることとなるし遊技ホール側の利益が阻害されることともなる。従って、当該パチンコ機10を製造した製造メーカ内において、パチンコ機10が適正に動作するかを確認する試験が行われる。かかる場合、パチンコ機10の試験を行うにあたり、パチンコ機10側にて試験装置Kから要求される情報信号を出力可能な構成とする必要が生じ、また、試験装置Kの入力用コネクタKaと対応する数の出力用コネクタを準備する必要が生じる。ところが、パチンコ機10と試験装置Kとの間に試験用中継端子板Jを接続する構成とすることにより、パチンコ機10(より詳しくは主制御基板81a)の仕様を試験装置Kと対応させる必要がなくなるため、好適に試験を行うことが可能となる。
試験用中継端子板Jを主制御基板81aと別個に設ける構成とすることにより、パチンコ機10のコスト低減を図ることが可能となる。試験用中継端子板Jに搭載されるラッチ回路242等の電子部品を主制御基板81aに実装する構成とした場合、主制御基板81aのコストがアップしてしまうからである。また、主制御基板81aが大型化することを抑制することも可能となる。試験用中継端子板Jに搭載される電子部品を主制御基板81aに実装する構成とした場合、主制御基板81aの面積を大きくする必要が生じるからである。パチンコ機10の大きさが外枠11の大きさでほぼ制限されており、当該外枠11の範囲内に種々の部材を配置する構成にあって、主制御基板81aの面積を大きくすることは、配置スペースの関係上多大な問題となる。かかる問題は主制御基板81aの両面に電子部品を搭載する構成とすれば確かに回避し得るが、これは主制御基板81aへの不正行為を発見しにくくなるという新たな問題を生じさせることとなる。
試験用の導体パターンを予めプリントしておくことにより、好適に試験を行うことが可能となる。確かに、試験用の導電パターンがプリントされた試験用基板を別途準備し、当該試験用基板にMPU91等の電子部品を搭載して試験を行うことも可能である。しかしながら、試験用基板を用いて試験を行った場合、実際に販売されるパチンコ機10に実装される主制御基板81aと、試験に用いた基板とが異なっているため、試験を行う意味自体が失われてしまうこととなる。取得された性能データが実際に販売されるパチンコ機10の性能データである保証がなくなってしまうからである。さらにいうと、試験専用に準備されたCPU等の電子部品を試験専用に準備された基板に搭載して試験を行うことも可能であるが、かかる場合には、販売されるパチンコ機10の性能データである保証がなくなってしまうため、試験を行う意味ばかりでなく価値までもが失われてしまうこととなる。また、チップ搭載部92とコネクタ搭載部94とを設けておくことにより、試験用のパチンコ機10を準備する際に各搭載部92,94に対応する電子部品を搭載すればよく、試験を行わない例えば販売用のパチンコ機10には搭載する必要がないため、パチンコ機10のコスト低減を図ることが可能となる。また、例えば試験用コネクタYの出力端子から所定の信号をMPU91に入力することで、MPU91を誤作動させるといった試験用コネクタYを悪用する不正行為を防止することも可能となる。
各検知信号SG1〜SG3の信号レベルを比較器241にて所定の閾値電圧と比較し、該閾値電圧より小さい場合にMPU91と第1試験用ICチップX1とに対してON出力する構成とした。そして、第1試験用ICチップX1は、各検知信号SG1〜SG3のノイズ除去及び波形整形を行った後に、試験用中継端子板Jに向けて出力し、第2試験用ICチップX2は、MPU91から出力されるデータ信号DA0〜DA7のノイズ除去及び波形整形を行った後に、試験用中継端子板Jに向けて出力する構成とした。これにより、ノイズ等による各信号の信号レベルばらつきを抑えることが可能となり、試験用中継端子板Jに対して安定した信号の出力を行うことが可能となる。故に、試験用中継端子板J及び試験装置Kが例えばノイズ等によって誤作動することを防止することが可能となる。また、MPU91に入力された検知信号レベルと試験装置Kに入力された検知信号レベルとに不一致が生じる不具合を回避することも可能となる。
<第2実施形態>
本実施形態では、電動役物34aに関する構成が第1実施形態と異なっている。当該相違点について図30を用いて説明する。図30は、電動役物34aの詳細を説明するための説明図であり、図30(a)は電動役物34aが閉鎖状態である場合を示し、図30(b)は電動役物34aが開放状態である場合を示している。
第1の実施形態では、下作動口34及び上作動口33が設けられている構成となっていたが、本実施形態では、図30に示すように、上作動口33に代えて、スルーゲート35が設けられている。この場合、図30(a)に示すように、電動役物34aが閉鎖状態である場合であっても、遊技球がスルーゲート35を介して下作動口34に入賞可能となっている。換言すれば、電動役物34aが閉鎖状態である状況において、下作動口34への入賞経路が形成されているといえる。
また、電動役物34aが開放状態中である場合には、図30(b)に示すように、遊技球はスルーゲート35を介して入賞し得るとともに、開放状態となっている電動役物34aを介して入賞し得る。換言すれば、電動役物34aが開放状態となることによって、下作動口34への入賞経路が拡張されているとも言える。なお、スルーゲート35には、当該スルーゲート35を通過する遊技球を検知する検知センサは設けられていない。
本実施形態によれば、試験用信号TSG及び下作動口入賞検知信号SG2を取得することによって、電動役物34aの開閉動作に対応した遊技球の入賞状況を把握することができる。これにより、電動役物34aの開閉動作に対応した遊技球の入賞状況を把握する試験に好適に対応することができる。
ここで、電動役物34aが閉鎖状態である状況において遊技球が入賞し得る構成とした。これにより、試験用信号TSGにより示される信号対応期間Te中における下作動口34への遊技球の入賞を電動役物34aの開閉動作に基づく入賞とし、それ以外の期間における下作動口34への遊技球の入賞を電動役物34aが閉鎖状態における入賞としてカウントすることで、電動役物34aの開閉動作に対応した遊技球の入賞状況を把握することができる。
また、電動役物34aが閉鎖状態である場合において下作動口34に入賞した遊技球数が過度に多い場合には、電動役物34a等に何らかの異常があることを意味する。これにより、電動役物34a等に何らかの異常が生じているか否かを確認する試験に好適に対応することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記実施形態の構成に適用してもよい。また、以下の各構成を、その構成の適用対象として例示していない実施形態に適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、電動役物34aの開閉動作期間Tc及び残存球処理期間Tdを合わせた信号対応期間Teを示す試験用信号TSGが出力される構成としたが、これに限られず、例えばそれぞれの期間を示す試験用信号をそれぞれ出力する構成としてもよい。但し、それぞれの期間中における下作動口入賞検知信号SG2の信号態様から電動役物34aの開閉態様に対応した遊技球の入球状況を特定する必要がない点において、上記各実施形態の方が優れている。
(2)上記各実施形態では、残存球処理期間Tdは残存期間カウンタTC5にて計測されるように設定し、残存球処理期間中フラグが格納されている場合に試験用信号TSGを出力するというソフトウェア処理にて試験用信号TSGにより示される信号対応期間Teに残存球処理期間Tdを含める構成としたが、これに限られず、例えばハードウェア構成にて試験用信号TSGにより示される信号対応期間Teに残存球処理期間Tdを含めるようにしてもよい。具体的には、試験用信号TSGはサポート中フラグが格納されている場合に出力する構成とし、さらにMPU91に、試験用信号TSGに示される信号対応期間Teに残存球処理期間Tdが含まれるように、試験用信号TSGの出力の停止を遅延させる遅延回路を設けるとよい。この場合であっても、本発明の効果を奏することができる。
なお、遅延回路の具体的な構成としては、例えばワンショットマルチバイブレータを用いて試験用信号TSGのHIレベル信号の出力状態を残存球処理期間Td分だけ長く維持するように設定する構成が考えられる。
(3)上記各実施形態では、試験用信号TSGは信号対応期間Teに亘って出力し続ける構成としたが、これに限られず、例えば開閉動作の開始タイミング、及び残存球処理期間Tdの経過タイミングの双方において所定のパルス幅のパルス信号を出力し、パルス信号の立ち上がり間隔で信号対応期間Teを特定する構成としてもよい。要は、信号対応期間Teを特定可能な信号形態であれば任意である。
(4)上記各実施形態では、電動役物34aの開閉動作に基づく試験用信号TSGを出力する構成としたが、これに限られず、例えば大入賞口32aの開閉動作に基づく試験用信号TSGを出力する構成としてもよい。この場合であっても、試験用信号TSGにより示される期間に残存球処理期間Tdを含めることによって、大入賞口32aの開閉動作に対応した遊技球の入賞状況を把握する試験に好適に対応することができる。
(5)上記各実施形態では、残存球処理期間Tdを一定の期間としたが、これに限られず、役物用表示部44の変動表示時間Taに応じて変動させる構成としてもよい。この場合、残存球処理期間Tdを長く設定し得るため、試験結果の信頼性の向上を図ることができる。
なお、具体的な構成としては、残存球処理期間設定処理(図27のステップS1514)を実行する前に、次の変動表示にかかる変動表示時間Taを決定する処理を実行する。そして、残存球処理期間設定処理にて、上記処理において決定された変動表示時間Taに対応した値を設定する処理を実行する構成が考えられる。
(6)上記各実施形態では、普通図柄の変動表示が終了してから開閉動作が開始されるまでに待機表示期間Tbを設ける構成としたが、これに限られず、例えば待機表示期間Tbを省略する構成としてもよい。この場合、普通図柄の変動表示が終了してから直ちに開閉動作が開始されることとなるため、1の抽選結果に基づく開閉動作から次の抽選結果に基づく開閉動作までの期間が短くなる。これにより、開閉動作が行われない期間の短縮化が図られるため、遊技の公平性及び遊技ホールの管理の容易性の向上を図ることができる。但し、遊技への注目度の観点に着目すれば、上記各実施形態の方が優れている。また、待機表示期間Tb分だけ残存球処理期間Tdが短くなるため、試験結果の信頼性の観点に着目すれば、上記各実施形態のほうが優れている。
(7)上記各実施形態では、開閉動作が終了してから普通図柄の変動表示が開始されるまでに通常処理の1処理回分の遅延期間Tfが生じる構成としたが、これに限られず、例えば遅延期間Tfが生じないようにしてもよい。但し、通常処理の1処理回において開閉動作の終了に関する処理及び役物用変動開始処理の双方が実行されることによって生じ得る処理負荷の増大に着目すれば、上記各実施形態の方が優れている。また、遅延期間Tfが生じることによって、残存球処理期間Tdを遅延期間Tfだけ長く設定することが可能となる点に着目すれば、上記各実施形態の方が優れている。
(8)上記各実施形態では、残存球処理期間Tdは最小変動表示時間Taoを含む期間に設定されていたが、これに限られず、例えば残存球処理期間Tdを最小変動表示時間Taoよりも小さい期間に設定してもよい。但し、試験結果の信頼性の向上の観点に着目すれば、残存球処理期間Tdに最小変動表示時間Taoが含まれる構成のほうが優れている。
また、高頻度サポートモードにおいて、役物用表示部44の変動表示時間Taは変動する構成としたが、これに限られず、例えば予め定められた特定変動表示時間に一義的に決定される構成としてもよい。この場合、特定変動表示時間は、低頻度サポートモードにおいて設定される変動表示時間Taよりも短い期間に設定されるとよい。また、残存球処理期間Tdは、特定変動表示時間を含む期間に設定されているとよい。
(9)上記各実施形態における各時間の計測の方法は任意であり、またカウンタエリアを用いた所定の値のカウントの仕方は加算式であっても減算式であってもよい。また、主制御装置81などにおける停電の監視の仕方も任意である。また、各開閉実行モードにおけるラウンド数も任意である。
また、下作動口34に設けられた電動役物34aのサポートモードとして、低頻度サポートモードの代わりに、電動役物34aが開放状態とならないサポート不可モードを設定してもよい。
(10)上記第1実施形態では、RAM202に設けられた保留球格納エリア232には、上作動口33用の保留エリアとして第1保留エリアRaと、下作動口34用の保留エリアとして第2保留エリアRbとが設けられていたが、これに代えて、保留情報を格納可能なエリアを上作動口33と下作動口34との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。
また、上作動口33への入賞と、下作動口34への入賞との区別をすることなく、保留情報を格納する構成としてもよい。
(11)上記各実施形態では、下作動口34を開放状態と閉鎖状態とで切り換える構成として電動役物34aを設けたが、これに限られず、例えば下作動口34を遊技盤24から遊技領域に対して出没可能に設け、遊技領域に突出した状態では下作動口34に遊技球が入賞可能となり、遊技領域から没した状態では下作動口34への遊技球の入賞が困難となる構成としてもよい。
(12)上記各実施形態では、高頻度サポートモードである状況においてサポート当選した場合には、0.4secだけ開放状態とする動作を0.2secの間隔で3回行われる一連の開閉動作を行うようにする構成としたが、これに限られず、例えば1.6secに亘って電動役物34aを開放状態とする動作を1回行う構成としてもよく、開閉動作の動作態様は任意である。
(13)上記各実施形態では、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の試験結果に基づく試験用信号TSGとを区別するために、両者の間に試験用信号出力処理(通常処理)の動作周期Tgである4msecの間隔が生じるように残存球処理期間Tdを設定するとともに、通常処理において、サポート中フラグを格納する処理を含む電役サポート用処理の実行タイミングよりも前のタイミングに試験用信号出力処理を実行する構成としたが、これに限られず、両者の間に試験用信号出力処理の動作周期Tgよりも大きな間隔が生じるように残存球処理期間Tdを設定する構成としてもよい。例えば1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の試験結果に基づく試験用信号TSGとの間に8msecの間隔が生じるように残存球処理期間Tdを設定してもよい。この場合、通常処理において、電役サポート用処理の実行タイミングよりも後のタイミングに期間信号出力処理を実行する構成としても、1の抽選結果に基づく試験用信号TSGと次の試験結果に基づく試験用信号TSGとを確実に区別することができる。但し、試験結果の信頼性の観点に着目すれば、上記各実施形態の方が優れている。
(14)上記各実施形態では、販売用のパチンコ機10において、試験用ICチップX及び試験用コネクタYを非搭載とする構成としたが、これに限られず、例えば両者を搭載する構成としてもよい。但し、生産コスト、構成の簡素化、及び不正行為防止の観点から、上記各実施形態の方が優れている。
なお、販売用のパチンコ機10において、試験用ICチップX及び試験用コネクタYを搭載する場合、試験用ICチップX及び試験用コネクタYは基板ボックス83により覆われるように形成するとよい。これにより、試験用ICチップX等を介してMPU91に対して不正な信号を出力する不正行為を抑制することができる。
(15)上記各実施形態では、MPU91は、第1試験用ICチップX1を介してデータ信号DA0〜DA7を試験用中継端子板Jに向けて出力する構成としたが、これに限られず、例えばラッチ回路242から出力される信号を試験用中継端子板Jに向けて出力する構成としてもよい。
(16)上記第1実施形態では、上作動口33と下作動口34とで、遊技球が入賞した場合に払い出される遊技球数が異なるように設定されているが、これに限られず、同一数の遊技球が払い出される構成であってもよい。
(17)上記第1実施形態では、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成としたが、これに限られず、例えばこれとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、電動役物34aが閉鎖状態である状況において下作動口34に遊技球が入球しないように電動役物34aの形状を変更する又は釘38を配置するとよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において特別図柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において特別図柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(18)上記各実施形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
(19)上記第2実施形態では、スルーゲート35を通過する遊技球を検知する検知センサを設けない構成としたが、これに限られず、スルーゲート35に遊技球が通過したこと検知する検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、スルーゲート35を通過した遊技球数及び下作動口検知センサ34bにより検知された遊技球数を把握することが可能となる。これにより、スルーゲート35を通過して下作動口34へ入賞した遊技球数と、電動役物34aが開放状態となっていることに基づいて、下作動口34へ入賞した遊技球数とを把握することが可能となる。よって、電動役物34aの開閉動作に対応した遊技球の入賞状況を把握する試験に好適に対応することができる。
(20)上記各実施形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて、保留情報が取得される構成としたが、これに限られず、例えば、スタートレバーを設け、当該スタートレバーの操作に基づいて、保留情報が取得される構成としてもよい。要は、保留情報が取得される条件は任意である。
(21)上記各実施形態では、高頻度サポートモードにおける試験用信号TSGについて説明したが、これに限られず、例えば低頻度サポートモードに適用してもよい。この場合、開閉動作期間Tcが短くなる一方、残存球処理期間Tdは変化しない。
(22)上記各実施形態では、通常変動表示時間決定処理(ステップS1410)では、予め定められた変動表示時間が設定される構成としたが、これに限られず、例えば通常時の変動表示時間を変動させる構成としてもよい。この場合、時短用の変動表示時間よりも長い範囲内で設定する構成とする。
(23)上記各実施形態では、少なくとも動作周期Tg分だけ間隔が生じるように残存球処理期間Tdを設定する構成としたが、これに限られず、例えば1の処理回に係る残存球処理期間Tdと次の処理回に係る開閉動作期間Tcとが連続するようになっていてもよい。但し、個別の調査が容易に行うことができる点に着目すれば、上記各実施形態の方が優れている。
(24)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技球が流下する遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切替可能な開閉手段(電動役物34a)と、
前記開閉手段を介して遊技球が入球可能な球入球部(下作動口34)と、
前記開閉手段よりも下流側に設けられ、前記球入球部に入球する遊技球を検知する検知手段(下作動口検知センサ34b)と、
予め定められた特定遊技結果となった場合に、前記開閉手段において予め定められた動作態様で開閉動作が行われるように制御する開閉制御手段(MPU91において電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記検知手段により検知された検知結果に関する情報を出力する検知結果出力手段(主制御基板81aが下作動口入賞検知信号SG2等を出力する機能)と、
前記開閉動作の終了後の所定期間が含まれる特定期間を示す期間信号を出力する期間信号出力手段(MPU91が試験用信号TSGを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、特定遊技結果となった場合には、開閉手段において開閉動作が予め定められた動作態様で実行される。
ここで、開閉手段よりも下流側で検知手段による遊技球の検知が行われるため、遊技球が開閉手段を通過するタイミングと、検知手段による検知タイミングとの間にタイムラグが生じる場合がある。このため、開閉動作中に入球したにも関わらず、開閉動作が開始されてから終了するまでの期間である開閉動作期間中の検知結果に反映されない遊技球が生じる場合がある。よって、例えば開閉手段の開閉態様に対応した遊技球の入球状況を把握する試験として、開閉動作期間中の検知結果を把握する試験を行う場合、試験結果の信頼性が低下するおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、検知手段の検知結果に関する情報が検知結果出力手段によって出力されるとともに、特定期間を示す期間信号が期間信号出力手段によって出力される。当該期間信号によって示される特定期間には、開閉動作の終了後の所定期間が含まれている。これにより、例えば期間信号によって示される特定期間中における検知結果に関する情報を取得する試験を行うことによって、上記タイムラグによって開閉動作期間中の検知結果に反映されない遊技球を把握することができる。よって、開閉手段の開閉態様に対応する遊技球の入球状況を把握する場合に好適に対応することができる。
特徴2.遊技球が流下する遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切替可能な開閉手段(電動役物34a)と、
前記開閉手段を介して遊技球が入球可能な球入球部(下作動口34)と、
前記開閉手段の下流側に設けられ、前記球入球部に入球する遊技球を検知する検知手段(下作動口検知センサ34b)と、
図柄が変化表示される図柄表示手段(役物用表示部44、メイン表示部43)と、
予め定められた抽選契機に基づいて、前記開閉手段を開放するか否かの抽選を行う抽選手段(MPU91においてステップS1405、S1411の処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選に基づいて、前記図柄表示手段において図柄の変化表示が開始され、前記抽選手段の抽選結果に対応した停止結果が表示されるように制御する表示制御手段(MPU91においてステップS1303〜ステップS1307の処理を実行する機能)と、
前記図柄表示手段に予め定められた特定停止結果が表示された場合に、前記開閉手段において予め定められた動作態様で開閉動作が行われるように制御する開閉制御手段(MPU91において電役開閉処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記検知手段により検知された検知結果に関する情報を出力する検知結果出力手段と、
前記開閉動作の終了後の所定期間が含まれる特定期間を示す期間信号を出力する期間信号出力手段(MPU91が試験用信号TSGを出力する機能)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記所定期間中に前記図柄の変化表示が開始されるように制御可能であることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、抽選契機に基づいて抽選手段による抽選が行われ、図柄の変化表示が開始される。そして、抽選結果に応じた停止結果が図柄表示手段に表示され、当該停止結果が特定停止結果である場合には開閉手段において予め定められた動作態様で開閉動作が行われる。
ここで、開閉手段よりも下流側で検知手段による遊技球の検知が行われるため、遊技球が開閉手段を通過するタイミングと、検知手段による検知タイミングとの間にタイムラグが生じる場合がある。このため、開閉動作中に入球したにも関わらず、開閉動作が開始されてから終了するまでの期間である開閉動作期間中の検知結果に反映されない遊技球が生じる場合がある。よって、例えば開閉手段の開閉態様に対応した遊技球の入球状況を把握する試験として、開閉動作期間中の検知結果を把握する試験を行う場合、試験結果の信頼性が低下するおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、検知手段の検知結果に関する情報が検知結果出力手段によって出力されるとともに、特定期間を示す期間信号が期間信号出力手段によって出力される。当該期間信号によって示される特定期間には、開閉動作の終了後の所定期間が含まれている。これにより、例えば期間信号によって示される特定期間中における検知結果に関する情報を取得する試験を行うことによって、上記タイムラグによって開閉動作期間中の検知結果に反映されない遊技球を把握することができる。よって、開閉手段の開閉態様に対応する遊技球の入球状況を把握する場合に好適に対応することができる。
かかる構成において、例えば所定期間が経過した後に図柄の変化表示が開始される場合、所定期間において開閉動作が行われる見込みがないため、遊技者は当該所定期間に亘って遊技球の発射操作を停止することが考えられる。これにより、遊技機の稼働率の低下が懸念される。また、球入球部に遊技球が入球された場合に所定の特典が付与される構成である場合、上記期間中に遊技球の発射停止を行わない場合と発射停止を行う場合とで、ある単位期間において発射される遊技球数に対して得られる特典の比である特典付与率に差が生じる。特に、特典付与率の差は、開閉動作が行われない期間が長いほど大きくなり易い。特典付与率の差が生じると、遊技ホールの管理が困難になるとともに、遊技の公平性が失われるおそれがある。一方、例えば所定期間を短く設定すると、上記タイムラグによる検知漏れが発生するおそれが高まるため、試験結果の信頼性の観点から好ましくない。
これに対して、本特徴によれば、所定期間中に図柄の変化表示が開始可能に設定されているため、開閉動作が終了してから図柄の変化表示が開始されるまでの期間を短くすることができる。これにより、開閉動作の終了タイミングに対して図柄の変化表示の開始タイミングを早めることが可能となる。図柄の変化表示が開始された場合、遊技者は、図柄の変化表示の終了後の開閉動作を期待して遊技球を発射することが考えられる。よって、開閉動作が終了してから図柄の変化表示が開始されるまでの期間を短くすることによって、遊技球の発射を促すことが可能となり、遊技球の発射停止を抑制し得る。
また、所定期間中に図柄の変化表示を行うことによって、所定期間が経過した後、図柄の変化表示に対応した期間の経過を待つことなく、開閉動作を行うことが可能となる。これにより、所定期間後に図柄の変化表示を行う構成と比較して、1の開閉動作と次の開閉動作との間隔を小さくすることができる。
以上のことから、所定期間を確保しつつ、発射停止を行わない場合と発射停止を行う場合とで生じ得る稼働率の低下を抑制することができるとともに、特典付与率の差を小さくすることができる。したがって、試験結果の信頼性を確保しつつ、遊技ホールの管理の容易性及び遊技の公平性を確保することができる。
特徴3.1の抽選結果に基づく開閉動作に起因した特定期間と次の抽選結果に基づく開閉動作の期間である開閉動作期間とが重複しないように設定されていることを特徴とする特徴2に記載の遊技機。
所定期間中に図柄の変化表示が行われる構成の場合、図柄の変化表示が行われる期間によっては、図柄の変化表示が終了し、開閉手段の開閉動作が開始されるタイミングにおいて特定期間が経過していない場合が生じ得る。この場合、1の抽選結果に基づく開閉動作に起因した特定期間(以降、単に1の抽選結果に基づく特定期間という)と、次の抽選結果に基づく開閉動作に起因した開閉動作期間(以降、単に次の抽選結果に基づく開閉動作期間という)とが重複する。当該重複した期間に遊技球が入球する場合、1の抽選結果の開閉動作に基づく入球と、次の抽選結果の開閉動作に基づく入球との判断が難しくなる。すると、開閉動作毎(抽選結果毎)の入球状況等を把握する試験には対応することが困難になるばかりか、重複検知等の誤検知が生じるおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、1の抽選結果に基づく特定期間と次の抽選結果に基づく開閉動作期間とが重複しないように設定されている。これにより、上記不都合を抑制し得る。
特徴4.前記表示制御手段は、前記図柄の変化表示が行われる場合の変化表示期間を複数種類有し、図柄の変化表示を行う場合には、前記複数種類の変化表示期間のうちいずれかの変化表示期間を選択する変化表示期間決定手段(MPU91においてステップS1404、S1410を実行する機能)を備え、
前記所定期間は、前記複数種類の変化表示期間のうち最小の変化表示期間を含む期間に設定されていることを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
特徴4によれば、変化表示期間は複数種類設定されており、図柄の変化表示を行う場合には、そのうちのいずれかの変化表示期間が選択される。これにより、変化表示期間を変動させることが可能であるため、図柄の変化表示の終了後に実行される開閉動作の開始タイミングの把握を困難にすることができる。よって、開閉動作の開始タイミングを把握し、開閉動作が行われない期間において遊技球を発射しないようにする行為を抑制することができる。したがって、遊技の公平性を確保することができる。
また、試験結果の信頼性を高める点に着目すれば、所定期間は長く設定されている方が好ましい。この点、本特徴によれば、所定期間には最小の変化表示期間が含まれているため、所定期間が最小の変化表示期間より短く設定されている構成と比較して、試験結果の信頼性が高められている。
ここで、1の抽選結果に基づく開閉動作が終了してから次の抽選結果に基づく開閉動作が開始されるまでに、図柄の変化表示が行われるため、1の抽選結果に基づく開閉動作から次の抽選結果に基づく開閉動作までに、少なくとも最小の変化表示期間だけ間隔が生じる。これにより、所定期間に最小の変化表示期間を含める構成とした場合であっても、1の抽選結果に基づく特定期間と次の抽選結果に基づく開閉動作期間とが重複しないように設定することが可能となる。よって、特徴3の効果は確保されている。
特徴5.前記表示制御手段は、少なくとも前記図柄の変化表示が終了したタイミングから所定の待機期間が経過する期間に亘って前記停止結果を表示するものであり、
前記開閉制御手段は、
前記図柄表示手段に前記特定停止結果が表示された場合には、当該特定停止結果が表示されてから前記待機期間が経過した後に、前記開閉動作が行われるように制御するものであり、
前記所定期間は、前記最小の変化表示期間及び前記待機期間を合わせた期間を含む期間に設定されていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、図柄の変化表示が終了したタイミングから開閉動作が行われるまでに待機期間が設けられており、当該待機期間中は停止結果が表示されている。そして、待機期間中において開閉動作が行われないため、待機期間中にて図柄の停止結果を確認した後に開閉動作が行われるのを確認することができる。これにより、停止結果の表示を介した図柄の変化表示から開閉動作までを一連の動作として認識させることができる。
かかる構成において、所定期間は待機期間及び最小の変化表示期間を合わせた期間を含む期間に設定されている。これにより、待機期間が含められていない場合と比較して、待機期間分だけ所定期間が長くなる。よって、試験結果の信頼性の向上を図ることができる。つまり、一連の動作としての認識度を向上させる構成によって、試験結果の信頼性の向上という異質な効果を得ることができる。
また、かかる構成によれば、1の抽選結果に基づく開閉動作から次の抽選結果に基づく開閉動作までに、少なくとも最小の変化表示期間及び待機期間だけ間隔が生じる。これにより、所定期間が最小の変化表示期間及び待機期間を合わせた期間であっても、1の抽選結果に基づく所定期間と次の抽選結果に基づく開閉動作期間とが重複しないようにすることができる。したがって、特徴3の効果は確保されている。
特徴6.前記特定期間は、前記所定期間及び前記開閉手段の開閉動作が開始されてから終了するまでの開閉動作期間を合わせた期間に設定されていることを特徴とする特徴1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴6によれば、特定期間は開閉動作期間及び所定期間を合わせた期間であるため、特定期間中における検知手段の検知結果を把握することによって、開閉態様に対応した遊技球の入球状況を把握することができる。これにより、開閉動作期間及び所定期間それぞれの期間中における検知手段による検知結果に基づいて、開閉態様に対応した遊技球の入球状況を特定する必要がない。よって、開閉態様に対応した遊技球の入球状況を容易に把握することができるとともに、把握するために必要な処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴7.前記特定期間は、1の抽選結果に基づく開閉動作に起因した期間信号と次の抽選結果に基づく開閉動作に起因した期間信号との間に、所定の区分用期間が生じるように設定されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
特徴7によれば、1の抽選結果に基づく期間信号と次の抽選結果に基づく期間信号との間に所定の区分用期間が生じているため、1の抽選結果に基づく期間信号と次の抽選結果に基づく期間信号とが非連続となっている。これにより、それぞれの期間信号を区別して認識することができる。よって、期間信号によって示される特定期間中の検知結果に関する情報を取得することによって、開閉動作毎における遊技球の入球状況を把握することができる。したがって、抽選結果毎の遊技球の入球状況を把握する試験に好適に対応することができる。
特徴8.進行用処理をmsec単位の動作周期で繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(MPU91において通常処理を実行する機能)を備え、
前記期間信号出力手段は、前記進行用処理の1処理回の範囲内に1回実行されるものであって、前記特定期間中か否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段による判定結果に応じて出力する信号を変化させることにより、前記期間信号を出力するものであり、
前記区分用期間は、前記進行用処理の動作周期と同一又はそれよりも長い期間に設定されていることを特徴とする特徴7に記載の遊技機。
特徴8によれば、判定手段の判定結果に応じて出力される信号を変化させることによって、期間信号が出力される。当該判定手段による判定は進行用処理の動作周期で行われる。
ここで、区分用期間は進行用処理の動作周期と同一又はそれよりも長い期間に設定されているため、当該区分用期間中に少なくとも1回は判定手段による判定が行われる。これにより、1の抽選結果に基づく期間信号と次の抽選結果に基づく期間信号とが非連続となる。よって、特徴7の効果を得ることができる。
特に、区分用期間は進行用処理の動作周期と同一であると好ましい。この場合、1の抽選結果に基づく期間信号と次の抽選結果に基づく期間信号とを区別可能な範囲内で、特定期間が最大となるため、試験結果の信頼性の向上を図ることができる。
特徴9.前記図柄表示手段とは別に設けられ、特定絵柄が変動表示される特定絵柄表示手段(メイン表示部43)と、
前記球入球部に遊技球が入球した場合に、予め定められた特定遊技状態へ移行するか否かの抽選を行う特定抽選手段と、
前記特定抽選手段による抽選が行われた場合に、前記特定絵柄の変動表示が行われるように制御する特定表示制御手段(MPU91において変動開始処理を実行する機能等)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態と閉状態とに切り換わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記特定抽選手段による抽選結果が予め定められた特定抽選結果である場合に前記特定遊技状態に移行させる移行手段(MPU91において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態である場合に、前記可変入球手段において予め定められた動作態様の開閉動作が行われるように制御する可変入球制御手段(MPU91において大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を更に備えていることを特徴とする特徴2乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴9によれば、球入球部に遊技球が入球した場合に抽選が行われるとともに、特定絵柄による変動表示が開始される。そして、抽選結果が特定抽選結果である場合には、特定遊技状態に移行する。特定遊技状態では、可変入球手段において開閉動作が行われる。
特徴10.前記開閉手段の開閉動作の動作態様として、少なくとも第1動作態様と第2動作態様との2種類の動作態様を備え、
前記第2動作態様は、前記第1動作態様よりも開閉動作が行われる開閉動作期間が長く設定されており、
所定の場合に、前記開閉手段の開閉動作の動作態様を切り替える動作態様開閉手段(MPU91においてステップS1406,ステップS1412,ステップS1506、ステップS1507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴10によれば、開閉手段の開閉動作の動作態様として、第1動作態様と、当該第1動作態様よりも開閉動作期間が長く設定された第2動作態様と、が設定されており、開閉動作の動作態様は、所定の場合に切り替わるようになっている。これにより、開閉手段の開閉動作の動作態様の多様化を図るとともに、球入球部に遊技球が入球し易い状況を作り出すことが可能となる。
この場合、どちらの動作態様であっても、開閉動作の終了後の所定期間を含んだ特定期間を示す期間信号を取得することによって、開閉手段の開閉態様に対応した遊技球の入球状況を把握することが可能となる。
なお、特徴9との関係においては、例えば「前記動作態様開閉手段は、前記所定の場合として前記可変入球手段の開閉動作が終了した場合に、前記開閉手段の動作態様を第1動作態様から第2動作態様に切り替えるものである」構成が考えられる。
特徴11.前記第1動作態様は、前記開閉手段が閉状態から一旦開状態へ切り替わった後に再度閉状態に切り替わる動作が1回行われる動作態様であり、
前記第2動作態様は、前記開閉手段が閉状態から一旦開状態へ切り替わった後に再度閉状態に切り替わる動作を単位動作として、当該単位動作が複数回繰り返し行われる動作態様であり、
前記第1動作態様において前記開閉手段が開状態となっている期間は、前記第2動作態様の単位動作当たりの開状態となっている期間よりも短く設定されていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
特徴11によれば、第2動作態様においては、開閉手段が開状態へ一旦切り替わってから閉状態に復帰するまでを1回として、複数回その動作が繰り返されることから、開閉手段が長期に亘って開状態を維持する場合のように必要以上に遊技者に利益を付与することを抑制し得る。また、球入球部に遊技球が入球する機会を経時的にみて複数回確保させることで球入球部に遊技球が入球する可能性を高めることができる。さらに、特徴9との関係によれば、球入球部への入球が、特定絵柄表示手段の変動表示及び特定抽選手段による抽選に反映されない事態を極力低減させることができる。
ここで、第1動作態様は1回のみ開状態となるのに対して第2動作態様は複数回開状態となるとともに、第1動作態様において開閉手段が開状態となっている期間は、第2動作態様の単位動作当たりの開状態となっている期間よりも短く設定されているため、第2動作態様の方が、球入球部への遊技球の入球し易い状況となっている。これにより、第1動作態様から第2動作態様に切り替えることによって、遊技者に有利な状況を付与することが可能となる。
特徴12.前記球入球部として、第1球入球部及び第2球入球部(上作動口33、下作動口34)を備え、
前記開閉手段は、前記閉状態である状況において前記第2球入球部への遊技球の入球が不可となるようにする一方、前記開状態である状況において前記第2球入球部への遊技球の入球が容易になるようにするものであることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、閉状態である状況においては第2球入球部に遊技球が入球しないようになっているため、開閉動作に起因した期間である所定期間を長く設定した場合であっても、閉状態における入球と開閉動作における入球とで混同が生じるおそれがない。これにより、所定期間の長期化を図ることができる。
特に、1の抽選結果に基づく開閉動作が終了してから次の抽選結果に基づく開閉動作が開始されるまでの期間を所定期間に設定するとよい。これにより、1の抽選結果に基づく開閉動作と次の抽選結果に基づく開閉動作との間で混同が生じない範囲内で所定期間が最大となるため、試験結果の信頼性が高められている。
なお、本特徴の具体的な構成としては、「前記第2球入球部は、遊技球の流下方向において前記第1球入球部に対して下流側に設けられており、前記開閉手段が閉状態にある状況において、前記第1球入球部と前記開閉手段との間に生じる間隔が遊技球の直径よりも小さくなるように、前記第1球入球部及び前記開閉手段の相対位置関係が設定されている」ことが考えられる。
特徴13.前記球入球部は、前記開閉手段が閉状態である状況において、遊技球が入球し得るように構成されていることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴13によれば、開閉手段が閉状態である状況において球入球部に遊技球が入球し得る。この場合、特定期間中及び開閉動作が行われている期間中の検知手段による検知結果を把握し、当該検知結果が予め想定される結果であるか否かを判定することによって、開閉手段が正常に動作しているか否かを判定することができる。また、例えば球入球部への遊技球の入球を誘導する誘導部が設けられている構成にあっては、特定期間中及び開閉動作期間中の検知手段による検知結果を把握し、当該検知結果が予め想定される結果であるか否かを判定することによって、誘導部が正常に機能しているか否かを判定することができる。
以上のことから、開閉手段の開閉態様が正常であるか否か、誘導部が正常に機能しているか否か等を確認することができる。
なお、本特徴の具体的な構成としては、「前記開閉手段が前記閉状態である状況において、遊技球が当該開閉手段を通過可能な経路が形成されており、前記開閉手段は、前記開状態である場合には、前記経路が拡張されるように変位するものである」構成が考えられる。
特徴14.前記期間信号出力手段から前記期間信号が出力されたことに基づいて、前記特定期間を示す信号を出力するとともに、前記検知結果出力手段から前記検知結果に対応した情報が出力されたことに基づいて、前記球入球部に入球した遊技球の数に関する情報を出力する試験用制御手段を設置可能な第1設置部(チップ搭載部92)と、
前記第1設置部に前記試験用制御手段が設置された場合に、当該試験用制御手段から出力される信号を外部に出力する試験用外部出力端子を設置可能な第2設置部(コネクタ搭載部94)と、
を更に備えていることを特徴とする特徴1乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴14によれば、試験用制御手段及び試験用外部出力端子を設置可能な構成となっている。これにより、試験を行う場合には、試験用制御手段及び試験用外部出力端子を設置し、試験用外部出力端子からの信号を監視することで、開閉手段の開閉態様に対応した球入球部に入球した遊技球の数に関する情報等を把握することができる。一方、試験を行なわない場合には、試験用制御手段及び試験用外部出力端子を非設置とする構成とすることによって、構成の簡素化を図ることができるとともに、試験用制御手段及び試験用外部出力端子を介して期間信号出力手段及び検知結果出力手段にアクセスする不正行為を抑制することができる。
特徴15.前記検知結果出力手段及び前記期間信号出力手段を搭載した制御基板(主制御基板81a)と、
前記制御基板を収容する基板ボックス(基板ボックス83)と、
を備え、
前記第1設置部及び前記第2設置部は、前記基板ボックスに収容された状態で、前記制御基板に搭載されていることを特徴とする特徴14に記載の遊技機。
特徴15によれば、制御基板は基板ボックスに収容されている。当該基板ボックスは一般的に複数のボックス構成体によって形成され、さらに複数のボックス構成体を固定するとともに、破壊又は除去により当該固定が解除された場合には所定の痕跡を残存させる固定手段が設けられていることが多い。この場合、制御基板に対する不正なアクセスを抑制することができる。
ここで、第1設置部及び第2設置部は、基板ボックスに収容された状態で、制御基板に搭載されている。これにより、第1設置部(第1設置部に試験用制御手段が搭載されている場合には第1設置部に加えて試験用制御手段)及び第2設置部へのアクセスが制限されている。よって、これらに対する不正行為を抑制し得る。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。