JP2011001427A - タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムおよびアルカリ被毒抑制方法 - Google Patents

タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムおよびアルカリ被毒抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス化プロセス中において、ガス化ガス中のアルカリ成分を好適に吸着除去して、後段のタール改質触媒のアルカリ被毒を抑制することができる、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムを提供することにある。
【解決手段】燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムであって、燃料をガス化炉に供給する燃料供給装置10と、ガス化剤を供給するガス化剤供給装置30と、燃料およびガス化剤をガス化炉40に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉40に供給する第1供給装置20と、燃料をガス化するガス化炉40と、ガス化炉40でガス化されたガス化ガス中のタールを改質する触媒を充填してあるタール触媒改質塔50とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料をガス化して得られたガス化ガス(燃焼性ガス)中のアルカリ成分を除去して、タール改質触媒のアルカリ被毒を好適に抑制できるシステムおよびその方法に関する。
ガス化プロセスにおけるタール処理は、1000℃以上での熱分解や、ガス化処理の後段での乾式吸着処理、湿式洗浄処理、触媒による改質(分解)が広く検討されている。触媒改質は、触媒劣化などの問題により実用化されている例は少ない。触媒劣化の一つの原因にガス中の揮発アルカリの吸着による被毒が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
従来から、高温排ガス中の酸性ガス、アルカリ化合物及び重金属又はその化合物を同時に低減させることができる高温排ガス用の浄化処理剤及びそれを用いた高温排ガスの浄化処理方法が知られている(特許文献1参照)。この高温排ガスの浄化処理方法は、高温排ガスを600〜900℃の温度で高温排ガス用の浄化処理剤に接触させた後、セラミックフィルターで微粒子を捕集するものである。しかしながら、浄化用処理剤を予め造粒物として準備してホッパに蓄え、このホッパから排ガスダクトの高温排ガスに供給して、排ガスダクト中でアルカリ化合物等と浄化処理剤とを反応させるものであり、その反応効率はそれほど高いものではなく、浄化用処理剤の造粒処理や、そのホッパ等の設備が必要であるため、設備コストがかかり、小規模設計には不向きであった。
また、バイオマスをガス化してメタノールなどの液体燃料を製造するための原料ガスを製造する方法であって、バイオマスを含む有機物系原料を、ガス化反応ゾーンにおいて、昇温条件下、ガス化剤の存在下において、触媒機能および/または熱媒体機能を有する粘土からなるガス化促進剤と流動接触させることによって、前記有機物系原料を液体燃料製造のための有用ガスに転換する工程を含む、技術が知られている(特許文献2)。ガス化促進剤として、鉱物、ケイソウ土、貝殻、シリカアルミナ系触媒、遷移金属担持無機材料系触媒、金属酸化物触媒およびこれらの混合物が例示されている。このガス化促進剤は、予めガス化反応ゾーン(ガス化炉)内に充填された流動媒体であり、明細書中、流動媒体を適宜ガス化促進剤の用語を用いて表現している。
特開2005−254140号公報 特開2003−041268号公報(請求項1、6、段落0043〜0047)
松岡浩一、他、「低品位石灰のガス化におけるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の変換」、Fuel 87巻 6号(2008) 885−893頁(K.Matsuoka, etc. 「Transformation of Alkali and Alkaline earth metals in low rank coal during gasification」, Elsevier Ltd., Fuel 87 2008, p.885−893)
ガス化プロセスにおいて、燃焼中に含まれるアルカリ成分は、融点以下においても揮発性が非常に高いため700〜800℃において一部はガス状態としてガス化ガス(燃焼性ガス)中に存在している。アルカリが揮発しない温度域(700℃以下)でガス化を行った場合、ガス化効率が著しく低下するとともに、タールの発生量が増加し、また触媒改質性能も低下する(十分な触媒改質には750〜850℃の反応温度が必要である)。一方、吸着剤によるアルカリの除去も検討されているが、触媒充填塔の前段に吸着剤の充填層を設ける場合は、設備が増加するとともに、圧力損失を抑制するために吸着剤を成形品としなくてはならず、その結果吸着剤性能は大きく低下する。また、特許文献1のように、ガス化炉出口煙道内に吸着剤を添加し、触媒充填塔の前段の集塵器にて、吸着済みの吸着剤を捕集する場合は、ガスと吸着剤の接触効率を高めるために吸着当量に対して過剰の吸着剤を添加する必要があり、吸着剤コストと使用済み吸着剤処理コストの増大が避けられない。
そこで、本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガス化プロセス中において、ガス化ガス中のアルカリ成分を好適に吸着除去して、後段のタール改質触媒のアルカリ被毒を抑制することができる、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムおよびアルカリ被毒抑制方法を提供することにある。
本発明に係るタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムは、
燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムであって、
燃料をガス化炉に供給する燃料供給装置と、
ガス化剤を供給するガス化剤供給装置と、
燃料およびガス化剤をガス化炉に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉に供給する第1供給装置と、
燃料をガス化するガス化炉と、
ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを改質する触媒を充填してあるタール触媒改質塔と、を備え、
ガス化炉のガス化処理の際に、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、燃料およびガス化剤をガス化炉に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉に供給することができるため、ガス化炉内で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤に効果的に吸着させて除去することができる。よって、ガス化ガス中のアルカリ成分が除去されており、後段のタール改質触媒のアルカリ被毒の影響を抑制できる。
また、他の本発明に係るタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムは、
燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムであって、
燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉に供給する第2供給装置と、
ガス化剤を供給するガス化剤供給装置と、
燃料をガス化するガス化炉と、
ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを改質する触媒を充填してあるタール触媒改質塔と、を備え、
ガス化炉のガス化処理の際に、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とする。
この構成によれば、燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉に供給することができるため、ガス化炉内で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤に効果的に吸着させて除去することができる。よって、ガス化ガス中のアルカリ成分が除去されており、後段のタール改質触媒のアルカリ被毒の影響を抑制できる。
以上のシステムにおいて、「ガス化炉」としては、流動床式、キルン式、固定床式等の各種ガス化炉を採用できる。流動床式ガス化炉としては、循環流動床式ガス化炉、バブリング流動床式ガス化炉が挙げられ、流動床式ガス化炉では、サイクロンによりアルカリ吸着剤を含む流動媒体が補足され、ガス化炉内に返送され、また、バブリング流動床式ガス化炉では、ガス化炉内に滞留される。これらの構成により、アルカリ吸着剤のもつ限界量までアルカリ成分を吸着して除去できる。よって、アルカリ吸着剤の吸着当量分の使用量でアルカリ成分を吸着することで、後段のタール改質触媒においてアルカリ被毒の影響のない濃度までガス化ガス中のアルカリ成分を低減することができる。
また、流動床式ガス化炉内には予め流動媒体を投入しておき、これを流動させながら、燃料とガス化ガスを供給しつつ、その供給量に応じて、アルカリ吸着剤と流動媒体との混合物を供給してガス化を行う。アルカリ吸着剤を予め流動媒体と混合させておくことで、供給容易となり、かつ流動作用を好適に行なえ、ガス化ガス中のアルカリ成分を効果的に吸着することができる。流動媒体としては、例えば、ドロマイト、オリビン、ケイ砂、スクメタイト粘土、バーミキュライト粘土、これらの混合物等が挙げられる。
また、ガス化ガスの燃料としては、例えば、バイオマス燃料、石炭、コークス、廃油、その他の有機性化合物などのアルカリ成分を含む燃料が挙げられる。また、ガス化の方法は、例えば、熱分解、部分酸化、水蒸気改質等の方法が挙げられる。
ガス化ガス中のアルカリ成分としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
ガス化剤としては、空気、蒸気、酸素、高濃度酸素空気等が挙げられる。
また、上記発明の好適な実施形態として、燃料に含まれるアルカリ成分の量を予め測定しておき、この測定量に応じてアルカリ吸着剤の供給量を設定することが好ましい。燃料供給と、アルカリ吸着剤と流動媒体との混合物とを別々にガス化炉に供給する構成において、燃料の供給量に応じて、アルカリ供給剤と流動媒体との混合物の供給量を調節することが好ましい。
特に、燃料にアルカリ吸着剤を混合する場合には、アルカリ吸着剤の供給量が、燃料の供給量に対して0.5〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%の範囲がさらに好ましい。この範囲にすることで、燃料に対するアルカリ吸着剤の接触効率を高め、またガス化効率を低減させることがないため、ガス化プロセスでの揮発性アルカリ成分をアルカリ吸着剤に好適に吸着させることができる。
また、上記発明の好適な実施形態として、アルカリ吸着剤が、カオリナイト、ハロサイト、珪藻土(ダイアトマイトともいい、その主成分は二酸化ケイ素SiO)および珪酸アルミニウム鉱物から選択される1または1以上の混合物であることが好ましい。この中でも、アルカリ吸着性の面において、カオリナイトを主成分とするカオリン、珪藻土がさらに好ましく、カオリンが特に好ましい。
また、上記発明の好適な実施形態として、アルカリ吸着剤の組成成分が、SiOとして50〜90重量%を含むことが好ましい。この範囲であれば適度な結晶性と比表面積、酸性質を有し、アルカリ成分の吸着性が高く好ましい。
また、上記発明の好適な実施形態として、アルカリ吸着剤の組成成分が、Alとして5〜50重量%を含むことが好ましい。この範囲であれば適度な結晶性と比表面積、酸性質を有し、アルカリ成分の吸着性が高く好ましい。
また、上記のアルカリ吸着剤の好ましい吸着作用温度としては、600〜900℃の範囲が好ましく、800〜900℃がさらに好ましい。その理由は、アルカリとの吸着反応が促進されるからである。
また、アルカリ吸着剤の平均粒子径は、流動性を有し、かつ吸着効率の高い、5〜1000μmが好ましく、50〜500μmがさらに好ましい。その理由は、適度な反応面積を有し、かつ循環流動床内に滞留しやすいからである。
また、他の本発明は、燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法であって、
燃料およびガス化剤をガス化炉に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉に供給する工程と、
燃料をガス化するガス化工程と、
ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを触媒で改質する工程と、を有し、
タールを改質する工程の前段であるガス化工程で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とする。
この方法の作用効果は、上述したシステムの作用効果と同様である。
また、他の本発明は、燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法であって、
燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉に供給する工程と、
燃料をガス化するガス化工程と、
ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを触媒で改質する工程と、を有し、
タールを改質する工程の前段であるガス化工程で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とする。
この方法の作用効果は、上述したシステムの作用効果と同様である。
以上のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムおよびアルカリ被毒抑制方法によれば、既存のガス化炉(設備)を改造することなく、ガス化炉内に、流動媒体とアルカリ吸着剤の混合物または燃料とアルカリ吸着剤の混合物を供給することのみで、その効果を発揮できる。流動床式ガス化炉の場合には、撹拌能を利用することができ、効果的にアルカリ成分を吸着除去できる。また、安価な鉱物系のアルカリ吸着剤を成形・造粒することなく使用できるため安価に構成できる。また、アルカリ吸着剤の使用量が吸着当量ですむため、吸着剤コストと使用後の廃棄処理コストを必要最小にできる。また、アルカリ被毒した触媒は再生不可能であるため、アルカリ除去により触媒の延命化が可能となり、触媒交換コストが低減できる。
また、触媒劣化抑制以外にも、ガス化炉内でのクリンカー生成の抑制ができる。また、ボイラへのアルカリ付着による伝熱効率低下や腐食の抑制ができる。また、ミスト化によるバグフィルタなどの集塵器の目詰まりの抑制ができる。
本発明の一実施形態に係るシステムを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るシステムを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るシステムを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るシステムを説明するための図である。
(実施形態1)
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1、2は、本発明のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムの例である。図1のガス化炉40は、循環流動床式ガス化炉であり、サイクロン41によって、アルカリ吸着剤を含む流動媒体が補足されて炉内に返送される構成である。また、図2のガス化炉42は、バブリング流動床式ガス化炉であり、アルカリ吸着剤が炉内に滞留される構成である。
図1、2のシステムに共通の構成について以下に説明する。燃料供給装置10は、燃料をガス化炉40に供給する。燃料供給装置10は、公知の装置を採用でき、燃料の供給量を制御する燃料供給制御部、供給機構を備える。また、ガス化剤供給装置30は、ガス化剤を供給する。ガス化剤供給装置30は、公知の装置を採用でき、ガス化剤の供給量を制御するガス化剤供給制御部、供給機構を備える。それぞれの制御部、供給機構によって、燃料供給量とガス化剤の供給量は、ガス化プロセスを好適に実現するために、好適な供給量制御が行われる。
第1供給装置20は、燃料およびガス化剤をガス化炉40に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉40に供給する。第1供給装置20には、混合器を備え、流動媒体とアルカリ吸着剤の混合を行うことができる。また、予め流動媒体とアルカリ吸着剤との混合物を第1供給装置20の投入口に投入し、定量供給できるように構成できる。第1供給装置20は、供給量制御部、供給機構を備え、この制御部、供給機構によって、燃料およびガス化剤の供給量に応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物を供給制御する構成である。
また、ガス化炉40のガス化プロセスの稼動温度を600〜900℃の範囲に制御して、アルカリ吸着剤の好適な吸着作用温度範囲600〜900℃となるように構成することが好ましく、800〜900℃の範囲がさらに好ましい。
タール触媒改質塔50は、ガス化炉40によって生成されたガス化ガス(約800〜900℃程度)中のタール成分を金属系触媒によって処理する。タールを改質する触媒であるタール改質触媒としては、ニッケル系触媒、コバルト系触媒、鉄系触媒、クロム系触媒および銅系触媒から選択される単体構成あるいは複数の組合せ構成の等の金属系触媒が挙げられる。ニッケル系触媒としては、例えば、Ni/Al、Ni/MgO、Ni/MgO・CaO等が例示され、ニッケル、マグネシアおよびカルシアを含む複合酸化物の改質触媒がより好ましい。
タール触媒改質塔50に導入されたガス化ガスは、金属系触媒によってガス化ガス中のタールが改質(分解)される。その後、ガス化ガスは、ガス精製設備に送給されガス化ガスが精製され、ガス利用設備に送給され燃焼等に提供される。ガス精製設備は、例えば、ガス冷却装置、バグフィルタ等の低温集塵装置、湿式ガス精製設備等を単独であるいはそれらの組合せで構成できる。ガス利用設備は、例えば、ボイラ等の燃焼設備、ガスタービン、ガスエンジン等の発電設備等を単独であるいはそれらの組合せで構成される。
(実施形態2)
図3は、本発明のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムの別の例である。図3のガス化炉40は、循環流動床式ガス化炉を示しているが、バブリング流動床式ガス化炉でも同様に構成できる。実施形態1と同様の構成についてはその説明を省略する。
第2供給装置12は、燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉40に供給する。第2供給装置12には、混合器を備え、燃料とアルカリ吸着剤の混合を行うことができる。また、予め燃料とアルカリ吸着剤との混合物を第2供給装置12の投入口に投入し、定量供給できるように構成できる。第2供給装置12は、供給量制御部、供給機構を備え、この制御部、供給機構によって、ガス化剤および流動媒体の供給制御部と連動して、それらを好適に供給制御することができる。
燃料にアルカリ吸着剤を混合する場合には、アルカリ吸着剤の供給量が、燃料の供給量に対して0.5〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%の範囲がさらに好ましい。この範囲にすることで、燃料に対するアルカリ吸着剤の接触効率を高め、またガス化効率を低減させることがないため、ガス化プロセスでの揮発性アルカリ成分をアルカリ吸着剤に好適に吸着させることができる。
(実施形態3)
図4は、本発明のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムの別の例である。図4のガス化炉40は、循環流動床式ガス化炉を示しているが、バブリング流動床式ガス化炉でも同様に構成できる。図4のシステムは、実施形態1の第1供給装置20と、実施形態2の第2供給装置12を備える構成である。アルカリ吸着剤を燃料と混合して供給し、かつ、アルカリ吸着剤を流動媒体と混合して供給する構成である。
(アルカリ吸着性能実験)
各種アルカリ吸着剤によるアルカリ吸着除去性能の評価を行った。各種吸着剤3.0gを反応管に充填し、800℃に昇温した後、NaCl+KCl水溶液(各4〜5g/L)をキャリアガス(N、1L/min)とともに、Na、K濃度が各200mg/mn−dとなるよう反応管入口の高温部に添加し、7時間後に供給を止め冷却し吸着量の測定からアルカリ吸着能力を評価した(全吸着能力として各25,000mg/kg)。測定方法として、ナトリウムの定量はJIS K 0102(2008)48.1(フレーム光度法)、48.2(フレーム原子吸光法)、カリウムの定量はJIS K 0102(2008)49.1(フレーム光度法)、49.2(フレーム原子吸光法)に準拠して行った。表1にその結果を示す。
アルカリ成分の吸着能力としては図5に示すように、カオリン>珪藻土>酸性白土、活性白土>軽焼ドロマイトの順であった。
(実施例)
アルカリ分を含む木屑燃料のガス化を行い、循環流動床式ガス化炉内にカオリンを添加してアルカリ除去評価を行った。試験条件は以下である。流動媒体としては、ドロマイトを用いた。
ガス化燃料:廃木材
ガス化条件:燃料供給量1.1kg/h、O/C=0.4、HO/C=0.5
ガス化温度:800℃
アルカリ吸着剤:カオリン鉱物
添加方法:(1)ガス化炉内に燃料と混合して供給
(2)燃料とは別に、流動媒体と混合して供給
評価方法:ガス中アルカリ濃度測定(吸収液による捕集)
後段触媒へのアルカリ吸着量測定
(1)の添加方法における、ガス化ガス中のアルカリ濃度の測定と後段のタール改質触媒へのアルカリ吸着量の測定を行った結果を表2に示す。この結果から、アルカリ吸着剤を添加しない場合(吸着剤混合量0%)と比較し、ガス化炉内にカオリンを添加することによりガス化ガス中のアルカリ濃度が低減されたことが確認され、さらに、後段の触媒への吸着量が低減されたことが確認された。
カオリンの供給方法として、燃料に混合して添加する方法(1)と燃料とは別に供給する方法(2)について、比較を行った結果を表3に示す。吸着効果は、(1)>(2)の順となったが、これは、吸着剤の量が流動媒体の量の数重量%程度と少ないため、燃料に混合して添加する方法(1)のようにアルカリ成分と吸着剤の接触効率が高いときにその効果が高くなったためと考えられる。よって、アルカリ吸着剤を燃料と混合した混合物を、ガス化炉に供給してガス化することで、ガス化ガス中のアルカリ成分をより効果的に吸着除去できることが分かった。
10 燃料供給装置
12 第2供給装置
20 第1供給装置
22 流動媒体供給装置
30 ガス化剤供給装置
40 循環流動床式ガス化炉
42 バブリング流動床式ガス化炉
50 タール触媒改質塔

Claims (8)

  1. 燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムであって、
    燃料をガス化炉に供給する燃料供給装置と、
    ガス化剤を供給するガス化剤供給装置と、
    燃料およびガス化剤をガス化炉に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉に供給する第1供給装置と、
    燃料をガス化するガス化炉と、
    ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを改質する触媒を充填してあるタール触媒改質塔と、を備え、
    ガス化炉のガス化処理の際に、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とするタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  2. 燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制システムであって、
    燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉に供給する第2供給装置と、
    ガス化剤を供給するガス化剤供給装置と、
    燃料をガス化するガス化炉と、
    ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを改質する触媒を充填してあるタール触媒改質塔と、を備え、
    ガス化炉のガス化処理の際に、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とするタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  3. アルカリ吸着剤の供給量が、燃料の供給量に対して0.5〜10重量%である請求項1または2に記載のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  4. アルカリ吸着剤が、カオリナイト、ハロサイト、珪藻土および珪酸アルミニウム鉱物から選択される1または1以上の混合物である請求項1から3のいずれか1項に記載のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  5. アルカリ吸着剤の組成成分が、SiOとして50〜90重量%を含む請求項1から4のいずれか1項に記載のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  6. アルカリ吸着剤の組成成分が、Alとして5〜50重量%を含む請求項1から4のいずれか1項に記載のタール改質触媒のアルカリ被毒抑制システム。
  7. 燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法であって、
    燃料およびガス化剤をガス化炉に供給するのに応じて、流動媒体およびアルカリ吸着剤の混合物をガス化炉に供給する工程と、
    燃料をガス化するガス化工程と、
    ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを触媒で改質する工程と、を有し、
    タールを改質する工程の前段であるガス化工程で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とするタール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法。
  8. 燃料をガス化して得られたガス化ガス中のアルカリ成分を除去する、タール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法であって、
    燃料およびアルカリ吸着剤を混合した混合物をガス化炉に供給する工程と、
    燃料をガス化するガス化工程と、
    ガス化炉でガス化されたガス化ガス中のタールを触媒で改質する工程と、を有し、
    タールを改質する工程の前段であるガス化工程で、ガス化ガス中のアルカリ成分をアルカリ吸着剤により除去するように構成したことを特徴とするタール改質触媒のアルカリ被毒抑制方法。
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