以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の構成を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10を構成する遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって形成することも可能である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図3に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが図示しない検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
遊技結果表示部(又は抽選結果表示部)として設けられた第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構50は、図2に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられたハンドル装置59が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、窓パネル56が嵌め込まれている。窓パネル56は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図4は、内枠13の背面図である。
図4に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。これらのうち主制御装置ユニット61の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台67とを具備する構成となっており、取付台67上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置ユニット61に搭載された主制御装置92からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図2に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。なお、裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置ユニット61の一部や音声ランプ制御装置ユニット65などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75を有している。
払出機構部72は、保護カバー部75を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク77と、当該タンク77に貯留された遊技球を払い出すための払出装置78と、を備えている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。また、払出機構部72には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット73は、払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とを備えている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、払出装置78を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置ユニット61の構成を、図5及び図6を参照しながら説明する。図5(a)は主制御装置ユニット61の斜視図、図5(b)は主制御装置ユニット61の側面図、図6は主制御装置ユニット61の分解斜視図である。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台91と、当該取付台91に搭載される主制御装置92と、主制御装置92の一部を外側から被包するカバー部材93と、を備えている。当該主制御装置ユニット61は、遊技盤33と主制御装置92との間に取付台91が挟まれ、主制御装置92がパチンコ機10後方を向くようにして、遊技盤33の裏面に搭載されている。
取付台91は、図6に示すように、主制御装置92が搭載される搭載領域95が形成されたベース部96と、当該ベース部96を遊技盤33の裏面に対して回動可能な状態で支持させる支持アーム97と、を有し、これらが一体形成されてなる。
支持アーム97はベース部96において搭載領域95とは反対側の面よりも遊技盤33側に延出させて形成されており、その延出領域の先端部に軸部98が一体形成されている。当該軸部98が遊技盤33の裏面に設けられた支持金具99に対して回転可能な状態で支持されていることにより、主制御装置ユニット61が遊技盤33に支持されている。取付台91において支持アーム97が形成された側とは反対側の端部には保持操作及び保持解除操作を可能とする図示しない保持具が設けられており、ベース部96の搭載領域95とは反対側の面が遊技盤33の裏面に対向する閉鎖位置に取付台91を配置した状態で保持具に対して保持操作を行うことで当該保持具が遊技盤33に保持され、当該閉鎖位置において取付台91が保持される。また、当該保持具に対して保持解除操作が行われることにより、取付台91を開放位置に向けて回動させることが可能となる。
ここで、支持アーム97が上記のとおりベース部96において搭載領域95とは反対側の面よりも遊技盤33側に延出させて形成されているとともに、その延出領域の先端に軸部98が設けられていることにより、取付台91が閉鎖位置に配置されている状態においてベース部96と遊技盤33とは所定の距離離間されている。また、ベース部96は所定の厚み寸法を有している。したがって、取付台91に搭載された主制御装置92は遊技盤33の表面からパチンコ機10後方に所定の距離離間されているとともに、当然のことながら、その所定の距離よりも大きな距離分、前扉枠14の表面に対して主制御装置92はパチンコ機10後方に離間されている。
遊技盤33の裏面において主制御装置ユニット61の上方には、図5(b)に示すように、可変表示ユニット38及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されており、主制御装置92が下方となるようにして音声ランプ制御装置66と主制御装置92とは上下に並設されている。また、遊技盤33を基準とした主制御装置92のパチンコ機10後方への張り出し量は、音声ランプ制御装置66のパチンコ機10後方への張り出し量と略同一、より詳細には若干少ない程度となっているが、両張り出し量が同一である構成としてもよい。この場合、主制御装置92の長さ方向の略全体が音声ランプ制御装置66の下方への投影範囲内に含まれている。但し、これに限定されることはなく、主制御装置92の長さ方向の全体が音声ランプ制御装置66の下方への投影範囲内に含まれる構成としてもよい。
裏パックユニット15が内枠13に対して閉鎖位置に配置されている状態において、主制御装置ユニット61の下方には、図5(b)に示すように、裏パックユニット15に設けられた制御装置集合ユニット73が配置されており、主制御装置92が上方となるようにして主制御装置92と払出制御装置82とは上下に並設されている。また、遊技盤33を基準とした主制御装置92のパチンコ機10後方への張り出し量は、払出制御装置82のパチンコ機10後方への張り出し量と略同一、より詳細には若干少ない程度となっているが、両張り出し量が同一である構成としてもよい。この場合、主制御装置92の長さ方向の略全体が払出制御装置82の上方への投影範囲内に含まれている。但し、これに限定されることはなく、主制御装置92の長さ方向の全体が払出制御装置82の上方への投影範囲内に含まれる構成としてもよい。
つまり、主制御装置92は、裏パックユニット15が閉鎖位置に配置されている状態において、第1遊技機構成体である音声ランプ制御装置66と第2遊技機構成体である払出制御装置82とにより主制御装置92がその幅方向(より具体的には、縦方向)に挟まれることとなる。なお、裏パックユニット15が閉鎖位置に配置されている状態では、主制御装置92の一部が保護カバー部75によりパチンコ機10後方から覆われることとなるが、これに限定されることはなく、主制御装置92の全体が保護カバー部75によりパチンコ機10後方から覆われる構成としてもよく、主制御装置92の全体が保護カバー部75によりパチンコ機10後方から覆われない構成としてもよい。
次に、主制御装置92の構成を、図7乃至図10を参照しながら説明する。図7(a)は主制御装置92の斜視図、図7(b)は主制御装置92の側面図、図8は主制御装置92を表面側から見た分解斜視図、図9は主制御装置92を裏面側から見た分解斜視図である。
主制御装置92は、図8及び図9に示すように、主制御基板101と基板ボックス102とを備えており、当該基板ボックス102内に主制御基板101が収容されて構成されている。
主制御基板101は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ103に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ104及びラッチ用ICチップ105が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板101には、コンデンサや抵抗などの各種素子や複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板101においてCPUチップ103などの各種素子やコネクタは全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板101は、一方の板面が素子搭載面106となっており、他方の板面が半田面107となっている。なお、半田面107とは、素子搭載面106に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面107に対して回路パターンが形成されていてもよい。また、両板面が素子搭載面として構成されていてもよい。
基板ボックス102は、複数のケース体として、表側構成体(ボックスカバー)111と裏側構成体(ボックスベース)112とを備えている。これら表側構成体111及び裏側構成体112は、基板ボックス102内に収容された主制御基板101の素子搭載面106及び半田面107を基板ボックス102外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体111及び裏側構成体112が組み合わされることにより、図7(a),(b)に示すように、基板ボックス102は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。
詳細には、表側構成体111は、図8に示すように、当該表側構成体111の周縁を規定する表側周縁部113と、当該表側周縁部113から一方に膨出するようにして形成された膨出部114とが一体形成されてなる。これら表側周縁部113と膨出部114とにより、表側構成体111は膨出部114の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。また、表側構成体111は正面視で長方形状をなしている。なお、詳細な説明は省略するが、表側構成体111の膨出部114には主制御基板101に設けられたコネクタを基板ボックス102の外部に露出させるための開口部や、放熱用の開口部が形成されている。
表側構成体111にはその背面側から主制御基板101がネジ固定されている(所定の工具を用いて着脱可能な状態で固定されている)。表側構成体111への主制御基板101のネジ固定は、主制御基板101の半田面107側から行われており、主制御基板101の素子搭載面106に搭載された各種素子は、主制御基板101と表側構成体111との間の領域内に収容されている。ちなみに、図9に示すように膨出部114の裏面側には主制御基板101に向けて延びる囲み壁部115が形成されており、表側構成体111と主制御基板101との間の空間において主制御基板101のCPUチップ103は囲み壁部115により周囲が囲まれている。
主制御基板101が一体化された表側構成体111に対して、裏側構成体112が固定されている。裏側構成体112は、図8及び図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部116と、当該平面部116の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部117とが一体形成されてなる。
表側構成体111に対してその裏面側から裏側構成体112を固定することにより、表側構成体111の表側周縁部113と裏側構成体112の裏側周縁部117とが重なり、膨出部114の裏面側への開放部分が裏側構成体112の平面部116により閉塞される。この場合、主制御基板101の半田面107は、裏側構成体112により覆われている。つまり、主制御基板101の素子搭載面106はその全体が表側構成体111と対向しており、主制御基板101の半田面107はその全体が裏側構成体112と対向している。上記構成の主制御装置92は、図5(b)に示すように、裏側構成体112の裏面が取付台91側を向くようにして取付台91に搭載されている。
表側構成体111の膨出部114の表側には、証紙ラベル138が貼り付けられている。この証紙ラベル138には、製造メーカ名、製造番号、及びそれらの各データをID情報(識別情報)として二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷等により示されている。
次に、表側構成体111と裏側構成体112との固定に係る構成について詳細に説明する。両構成体111,112の固定に係る構成としては、両構成体111,112の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体111,112を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、規制手段として、裏側構成体112には、フック部118が一体形成されている。フック部118は複数設けられており、これらフック部118は裏側周縁部117の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部118は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部118は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。各フック部118は表側構成体111に向けて起立させて設けられており、自由端側が裏側構成体112の一方の短辺部側に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。
フック部118に対応させて表側構成体111の上下の各長辺部には、各フック部118に1対1で対応させてスリット119が形成されている。スリット119は、基板ボックス102の厚み方向、すなわち表側構成体111と裏側構成体112との並設方向に貫通しており、対応するフック部118を内部に挿入可能となっている。そして、スリット119の内部にはフック部118の先端を係止する図示しない受け部が形成されている。
上記のようにフック部118及び受け部を有する規制手段が設けられていることにより、表側構成体111と裏側構成体112とを一体化させる際には、各スリット119内に対応するフック部118が挿入されるように表側構成体111と裏側構成体112とを組み合わせる。この段階では、表側構成体111と裏側構成体112とは、基板ボックス102の長さ方向(すなわち、長辺部が延びる方向)に相互にずれている。その後、フック部118が対応する受け部に係止されるように、表側構成体111及び裏側構成体112のうちの一方を他方に対して上記長さ方向にスライド移動させる。これにより、各フック部118が対応する受け部に係止され、表側構成体111と裏側構成体112とを基板ボックス102の厚み方向や幅方向(すなわち、短辺部が延びる方向)に離間させようとしてもそれが規制される。
なお、規制手段の構成は上記のものに限定されることはなく、表側周縁部113及び裏側周縁部117のうちの一方にガイド用突条部を形成するとともに、他方にガイド用突条部が嵌り込み可能であり嵌り込んだガイド用突条部を所定の方向のみにスライド移動可能とするガイド用溝部を形成する構成としてもよい。
次に、固定手段について説明する。
基板ボックス102には、図7(a)に示すように、固定手段として、第1の固定領域120と第2の固定領域130とが少なくとも設けられている。第1の固定領域120及び第2の固定領域130のうちの一方は基板ボックス102における一の辺部に対して設けられているとともに、他方は前記一の辺部と対向する辺部に対して設けられている。詳細には、第1の固定領域120は規制手段により規制された方向の両端のうち一方の端部側に設けられているとともに、第2の固定領域130は規制手段により規制された方向の両端のうち他方の端部側に設けられている。より詳細には、第1の固定領域120は一方の短辺部に設けられているとともに、第2の固定領域130は他方の短辺部に設けられている。
第1の固定領域120は、図8及び図9に示すように、表側構成体111に一体形成された表側固定領域121と、裏側構成体112に一体形成された裏側固定領域122と、を備えている。表側固定領域121及び裏側固定領域122は、各構成体111,112の一方の短辺部において当該短辺部の他の部位よりも側方に延出させて形成されており、基板ボックス102の厚み方向に重なり合っている。
表側固定領域121には、短辺部に沿って複数(具体的には、3個)の表側結合部123が並設されているとともに、裏側固定領域122には、それら表側結合部123に1対1で対応させて裏側結合部124が並設されている。これら各組み合わせの表側結合部123及び裏側結合部124はそれぞれ同一の構成を有しているため、以下、一の組み合わせについてその構成を説明する。
表側結合部123には基板ボックス102の厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、裏側結合部124には表側結合部123に向けて開放された有底のネジ孔が形成されている。貫通孔とネジ孔とは連通されており、これら連通された孔部に対して貫通孔側から破断ネジ125が螺着されている。
ここで、破断ネジ125とは、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部126と、ネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部126に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部126が分離されるものである。つまり、破断ネジ125は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。
なお、螺着後において表側結合部123と裏側結合部124との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、両結合部123,124を結合する固定具(結合具)は破断ネジ125に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。また、ネジにより結合される構成に限定されることはなく、裏側結合部124に係止部が設けられているとともに、表側結合部123側から挿入された係止爪が上記係止部に係止され、表側結合部123や裏側結合部124の破壊を要することなく上記係止状態を解除できない構成としてもよい。
表側結合部123及び裏側結合部124の組み合わせは上記のとおり複数組設けられているが、それら全ての組み合わせに対して破断ネジ125による結合が行われている。そして、それら破断ネジ125は全て頭部126が取り外されている。このように表側結合部123及び裏側結合部124が結合されていることにより、表側構成体111と裏側構成体112とが分離不可な状態で相互に固定されている。
図9に示すように、各裏側結合部124はベース側連結部127を介して裏側周縁部117に連結されているとともに、相互連結部128を介して隣り合う裏側結合部124同士が連結されている。これらベース側連結部127及び相互連結部128の周囲には、ニッパやカッタなどといった切断用工具の先端を差込可能な空間が確保されている。これにより、各連結部127,128の切断が可能となっている。特に、各連結部127,128はその強度が、表側結合部123及び裏側結合部124を破壊するとともに破断ネジ125を介した結合を解除する場合よりも切断し易いように設定されている。具体的には、周囲の領域に比べ肉薄に形成されている。これにより、各連結部127,128の切断を行い易くなっている。
ベース側連結部127を切断することにより、裏側結合部124を裏側周縁部117から分離されることとなる。この場合に、表側結合部123及び裏側結合部124が設けられた位置は、基板ボックス102の一の辺部であって、規制手段により規制された状態を解除すべく表側構成体111又は裏側構成体112の一方を他方に対してスライド移動させた場合に、表側結合部123と裏側結合部124との結合痕跡片が、主制御基板101が収容された本体と当接しない位置となっている。これにより、表側結合部123及び裏側結合部124の結合を通じて表側構成体111と裏側構成体112とが固定された状態を解除することができる。
また、仮に、表側構成体111と裏側構成体112との相対位置が元に戻されたとしても、連結部127,128の切断箇所が残ることとなる。したがって、遊技ホールの管理者等にとっては、連結部127,128が切断されているか否かを確認することで、表側結合部123及び裏側結合部124の結合を通じた表側構成体111と裏側構成体112との固定が解除されているか否かを目視確認することができる。
ちなみに、表側結合部123及び裏側結合部124の全ての組み合わせに対して破断ネジ125による結合を行うのではなく、一部の組み合わせに対して破断ネジ125による結合を行う構成においては、遊技ホールの管理者等が主制御基板101の検査やメンテナンスに際して当該結合に伴う固定を解除した後には、未使用の組み合わせに対して破断ネジ125を螺着することで再度固定を行うことが可能となる。このように一部の組み合わせが破断ネジ125により結合されている状況において当該結合に係る固定を解除する上では、ベース側連結部127だけでなく相互連結部128の切断も要する。
なお、上記各連結部127,128が裏側結合部124に対してではなく、表側結合部123に対して設けられていてもよく、両結合部123,124に対して設けられていてもよい。また、上記各連結部127,128を不具備とし、上記結合に係る固定を解除する上では表側結合部123自体や裏側結合部124自体の破壊を要する構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理者等が正規に基板ボックス102を開放させる場合の作業性が低下するものの、依然として、基板ボックス102を固定する機能及び不正開放が行われた場合にはその痕跡を視的効果として残す機能は果たされる。
次に、第2の固定領域130について説明する。
表側構成体111及び裏側構成体112において、表側固定領域121及び裏側固定領域122が設けられた側とは反対側の短辺部には、図7(a)に示すように、第2の固定領域130として、表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132が設けられている。表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132は、各構成体111,112の一方の短辺部において当該短辺部の一部よりも側方に延出させて形成されている。
表側固定ベース部131の側方への張り出し位置と裏側固定ベース部132の張り出し位置とが同一又は略同一となっており、さらに短辺部に沿った方向の寸法も両ベース部131,132において同一又は略同一となっている。表側構成体111及び裏側構成体112が組み合わされた状態において表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132とは基板ボックス102の厚み方向に並設され、表側固定ベース部131において裏側固定ベース部132を向く面側の周縁部の全体と、裏側固定ベース部132において表側固定ベース部131を向く面側の周縁部の全体とが相互に当接している。
表側固定ベース部131の表面及び裏側固定ベース部132の表面により、封印シール160の貼付領域が形成されている。なお、封印シール160の詳細については後に説明する。貼付領域は、表側固定ベース部131により構成される表面領域133と、裏側固定ベース部132により構成される裏面領域134と、表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132の両方により構成され、それぞれコーナー部を介して表面領域133及び裏面領域134の両方に連続しこれら両領域133,134の間に介在する側面領域135と、を備えている。
これら表面領域133、裏面領域134及び側面領域135は平面状に形成されている。また、表面領域133において側面領域135との境界側の端部とその反対側の端部との間の寸法は、裏面領域134において側面領域135との境界側の端部とその反対側の端部との間の寸法よりも大きく設定されている。
側面領域135は上記のとおり表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132の両方により構成されているため、当該側面領域135には両ベース部131,132の境界136が存在している。当該境界136は一連の線状に形成されている。ここで、当該境界136は非直線状となっている。かかる構成について以下に詳細に説明する。
図9に示すように、表側固定ベース部131において裏側固定ベース部132と対向する側は、基板ボックス102の幅方向の途中位置にて両端側に比べ表面領域133側に凹んだ段差状に形成されている。つまり、表側固定ベース部131において裏側固定ベース部132と対向する側には、一対の段差壁部141により基板ボックス102の幅方向に挟まれた凹み領域142が形成されている。
表側固定ベース部131に凹み領域142が形成されていることに伴って、裏側固定ベース部132において側面領域135を構成する部位には、基板ボックス102の幅方向の途中位置に当該幅方向の両端側の側面基部143よりも表側固定ベース部131側に突出した突出壁部144が一体形成されている。突出壁部144は凹み領域142の全体を埋めるように形成されているのではなく、凹み領域142において側面領域135側の端部を含む箇所を埋めるように形成されている。
突出壁部144は、裏側固定ベース部132において側面基部143から連続するとともに当該側面基部143から直線状に起立した一対の起立エッジと、これら一対の起立エッジを直線状に結ぶ連結エッジとにより周囲が規定された角形状、より詳細には四角形状となっている。起立エッジの長さ寸法は、表側固定ベース部131における段差壁部141の高さ寸法と同一又は略同一となっており、連結エッジの長さ寸法は、凹み領域142における段差壁部141間の距離と同一又はそれよりも若干短い程度となっている。
表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされた状態において凹み領域142に対して突出壁部144が入り込んでおり、各起立エッジは対応する段差壁部141と近接した位置にて対向しているとともに、連結エッジは凹み領域142の底部と近接した位置にて対向している。したがって、突出壁部144により、凹み領域142は基板ボックス102外側の端部にて閉塞されており、さらに凹み領域142と突出壁部144とが形成された構成において側面領域135は両ベース部131,132の境界を除いて面一又は略面一となっている。
凹み領域142及び突出壁部144が形成されていることにより、側面領域135における表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との境界136は、その途中位置にコーナー部を有する非一直線状となっている。詳細には、図7(b)に示すように、側面領域135外の境界から連続する第1ライン145と、第1ライン145に対して連続し且つ当該第1ライン145に対して交差する方向、より具体的には直交又は略直交する方向に延びる第2ライン146と、第2ライン146に対して連続し且つ当該第2ライン146に対して交差する方向、より具体的には第1ライン145に対して平行又は略平行となる方向に延びる第3ライン147と、第3ライン147に対して連続し且つ当該第3ライン147に対して交差する方向、より具体的には第2ライン146に対して平行又は略平行となる方向に延びる第4ライン148と、第4ライン148に対して連続し且つ当該第4ライン148に対して交差する方向、より具体的には第1ライン145に対して平行又は略平行となる方向に延びる第5ライン149と、を有しており、第5ライン149は側面領域135外の境界に連続している。
つまり、側面領域135における境界136は、その両端側に所定の間隔を隔てて同一直線上に配置された第1ライン145及び第5ライン149を有しているとともに、第1ライン145及び第5ライン149のそれぞれに対してコーナー部を介して連続し相互に対向する一対の第2ライン146及び第4ライン148を有しており、さらに第2ライン146及び第4ライン148を連結する第3ライン147を有している。なお、裏側構成体112には突出壁部144の面方向の強度を強化するために突出壁部144よりも内側において当該突出壁部144に連続するリブが一体形成されている。
表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132には、第1ライン145を形成する領域及び第5ライン149を形成する領域のそれぞれに、結合具により両ベース部131,132の結合を行うための結合部が設けられている。
具体的には、図8及び図9に示すように、表側固定ベース部131において凹み領域142の外側にはその厚み方向に貫通する一対の貫通孔151が形成されており、これら貫通孔151に1対1で対応させて裏側固定ベース部132にはネジ孔152が形成されている。各貫通孔151とそれに対応するネジ孔152とは基板ボックス102の厚み方向に連通されており、それら連通された各組み合わせの貫通孔151及びネジ孔152に対して表側固定ベース部131側から破断ネジ153が螺着されている。そして、各破断ネジ153は螺着後において頭部154が除去されている。これにより、表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132は解除困難な状態で結合されており、当該結合を解除する上では、表側固定ベース部131、裏側固定ベース部132及び破断ネジ153のいずれかの破壊が行われ、その痕跡が残ることとなる。したがって、遊技ホールの管理者等にとってはその痕跡を目視確認することにより、基板ボックス102の不正開放が行われたか否かを確認することができる。
なお、螺着後において表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、両ベース部131,132を結合する固定具(結合具)は破断ネジ153に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。また、ネジにより結合される構成に限定されることはなく、裏側固定ベース部132に係止部が設けられているとともに、表側固定ベース部131側から挿入された係止爪が上記係止部に係止され、表側固定ベース部131や裏側固定ベース部132の破壊を要することなく上記係止状態を解除できない構成としてもよい。
表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132には、上記ネジによる結合を通じた固定以外にも、表側構成体111と裏側構成体112との分離を阻止する構造が設けられている。かかる阻止構造について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は図7(b)のA―A線断面図、図11(a),(b)は阻止構造による分離阻止の作用を説明するための説明図である。
図10に示すように、表側固定ベース部131において凹み領域142の底部には裏側固定ベース部132に向けて突出した引っ掛け部155が一体形成されている。引っ掛け部155は、図9に示すように、凹み領域142において一対の段差壁部141間の方向に所定の間隔を隔てて複数(具体的には、2個)設けられている。なお、引っ掛け部155は複数であることに限定されることはなく、1個のみ設けられた構成としてもよい。
各引っ掛け部155は突出壁部144に向けて除々に突出量が増加するように形成されており、各引っ掛け部155はその表面に、突出壁部144に向けて裏側固定ベース部132側へと傾斜したテーパ面156と、突出壁部144の内壁面と対向する端面157と、を備えている。なお、端面157は突出壁部144の内壁面から若干離間されているが、両者が当接している構成としてもよい。
既に説明したように表側構成体111及び裏側構成体112には組み合わせに際しての方向を規制する規制手段が設けられており、表側構成体111と裏側構成体112とを組み合わせる際には、図11(a),(b)に示すように、一方を他方に対して、規制手段により規制された方向であって組み合わせ方向にスライド移動させる必要がある。この場合に、各引っ掛け部155には既に説明したようにテーパ面156が形成されており、さらに表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132が合成樹脂製であり弾性変形可能となっているため、各引っ掛け部155と干渉しながらも表側構成体111と裏側構成体112とを組み合わせることはできる。
一方、各引っ掛け部155には、突出壁部144の内壁面と対向する端面157が形成されているため、表側構成体111と裏側構成体112とが組み合わされている状態において、一方を他方に対して、規制手段により規制された方向であって分離方向にスライド移動させようとしても、端面157と突出壁部144とが当接し、それ以上のスライド移動が阻止される。これにより、表側構成体111及び裏側構成体112は分離困難な状態で固定されており、当該固定を解除する上では、表側固定ベース部131、裏側固定ベース部132及び引っ掛け部155のいずれかの破壊が行われ、その痕跡が残ることとなる。したがって、遊技ホールの管理者等にとってはその痕跡を確認することにより、基板ボックス102の不正開放が行われたか否かを確認することができる。
ここで、引っ掛け部155を直接破壊する上では、表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との境界136から両ベース部131,132の間の空間に差し込んだ切断工具により引っ掛け部155を切断する方法が考えられる。この場合に、引っ掛け部155は上記のとおり凹み領域142に対して設けられており一対の段差壁部141により挟まれているため、境界136において切断工具を挿入する位置は第3ライン147に規制される。
次に、貼付領域に対して貼り付けられる封印シール160について説明する。図12(a)は封印シール160の正面図、図12(b)は封印シール160の裏面図、図13は封印シール160の断面図である。
封印シール160は、図12及び図13に示すように、略矩形状のベースシート161を備えており、ベースシート161の裏面には粘着剤が塗布され粘着層162が形成されている。粘着層162には電子タグ(又はRFIDタグ)としてのICタグ163が埋め込まれている。なお、図13においては、粘着層162に剥離シート164が積層されているが、当該剥離シート164は封印シール160を基板ボックス102に貼り付ける際に剥がされる。
ベースシート161はポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層162を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート161に塗布されると、ベースシート161は変色する。また、粘着層162の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート161は変色する。これにより、基板ボックス102の貼付領域から封印シール160を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート161が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
ベースシート161の表面には、図12(a)に示すように、インク塗布部165、識別番号部166及び機種情報部167が設けられている。インク塗布部165には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別番号部166には、複数の数字が記載されており、当該識別番号部166に記載される数字はパチンコ機毎に異なっている。機種情報部167には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
粘着層162の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシート161から剥がれる程度の粘着力を有している。したがって、封印シール160が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着層162の一部が貼付領域側に残ることとなる。よって、封印シール160を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ163は、ICチップ171及びアンテナ部材172を備えている。ICチップ171は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報としてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ171のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部材172は平面矩形状であって比較的薄い(例えば、10〜200μm)長尺状となっており、アルミや銅等の金属の導体箔として形成されている。アンテナ部材172の長手方向(又は長さ方向)のほぼ中央には、ICチップ171が配置されている。かかるICチップ171の配置は、例えば異方導電性フィルムや導電ペーストなどの接着剤によって、ICチップ171の図示しない電極をアンテナ部材172に固定することで行われている。
アンテナ部材172においてICチップ171が配置された位置には、アンテナ部材172の表面から裏面に貫通させてスリット173が形成されている。スリット173は、ICチップ171からアンテナ部材172の長手方向に延びる第1スリット部174と、ICチップ171から上記長手方向に対して交差する方向、具体的には上記長手方向に直交する方向に延び、アンテナ部材172の端部に達する第2スリット部175とからなり、全体としてL字状に形成されている。スリット173は、ICチップ171の内部に形成されている容量素子と結合してICチップ171とアンテナ部材172との間のインピーダンスを整合させるマッチング回路を構成するインダクタとして機能する。この点、スリット173を整合用切り込みと称することができ、さらには当該スリット173が正常に機能しないとICタグ163において正常な通信が不可となる構成に鑑みると通信用整合部又は不可状態発生部と称することができる。
また、アンテナ部材172は共振調整回路としての機能を有しており、アンテナ部材172の長さ寸法は通信特性に重要な影響を与えるものである。最適なアンテナ部材172の長さ寸法は動作条件により変わるが、アンテナ部材172の周囲が空気である場合には、動作周波数のほぼ1/2波長が最適値となり、周囲が誘電体で覆われている場合には誘電体による波長短縮効果があるので、最適長さ寸法はこれより短い大きさとなることが知られている。本パチンコ機10におけるアンテナ部材172の長さ寸法は、動作周波数が一定周波数となるように、約50mmの大きさに設定されている。
ICチップ171のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部材172から電波として発信することができるように構成されており、アンテナ部材172から発信された電波を、リーダ装置で受信してID情報を読み取ることができるようになっている。
ICタグ163(アンテナ部材172)は、図12(b)に示すように、ベースシート161においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部材172はその長手方向がベースシート161のすべての辺方向と交差することとなる。
封印シール160にはアンテナ用切り込み176が形成されている。アンテナ用切り込み176はベースシート161の表面から粘着層162の表面まで貫通している。なお、粘着層162の表面とは、封印シール160の裏面側において露出している面であり、この点、アンテナ用切り込み176は封印シール160の表面から裏面まで貫通しているとも言える。
アンテナ用切り込み176は、アンテナ部材172の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向に延びる直線状である。ちなみに、アンテナ部材172の長手方向に対して直交する方向又は略直交する方向は、ベースシート161の全ての辺方向と交差する方向となる。
アンテナ用切り込み176は、アンテナ部材172の短手方向において当該アンテナ部材172を間に挟むようにして形成されているとともに、各長辺部側において長手方向に沿って等間隔となるように複数形成されている。各アンテナ用切り込み176は、ベースシート161においてアンテナ部材172の配置されていない領域側を一端として、他端側がアンテナ部材172の配置されている領域に若干かかる構成となっている。この場合に、一方の長辺部側のアンテナ用切り込み176は他方の長辺部側のアンテナ用切り込み176に対して短手方向に並ばないように形成されている。
複数のアンテナ用切り込み176の一部は、アンテナ部材172においてスリット173が形成された領域に対しても隣接させて設けられている。この場合、一方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み176が、アンテナ部材172においてスリット173が形成された領域に対して隣接させて設けられているとともに、他方の長辺部側における一部のアンテナ用切り込み176も、アンテナ部材172においてスリット173が形成された領域に対して隣接させて設けられている。つまり、アンテナ用切り込み176は、少なくともアンテナ部材172においてスリット173が形成された領域を間に挟むようにして形成されている。
封印シール160の4隅には、ベースシート161の表面側から粘着層162の表面まで貫通する隅側切り込み177がそれぞれ形成されている。隅側切り込み177は、封印シール160の隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。また、封印シール160の外縁には、外縁端部から内側に向けて多数の外縁切り込み178が形成されている。これら外縁切り込み178は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール160の外周に沿って等間隔で形成されている。
上記のようにアンテナ用切り込み176、隅側切り込み177及び外縁切り込み178が形成されていることにより、封印シール160を貼付領域から剥がそうとすると、ベースシート161に破れが生じたり、アンテナ部材172が切断されたりする。かかる作用については、後に説明する。
次に、封印シール160の貼付位置に係る構成について説明する。図14は主制御装置92において封印シール160が貼り付けられた領域及びその周辺を拡大して示す拡大斜視図、図15は貼付領域における封印シール160の位置関係を説明するための説明図である。なお、図15においては、説明の便宜上、隅側切り込み177及び外縁切り込み178を省略している。
図14に示すように、封印シール160は貼付領域に貼り付けられている。この場合、貼付領域において表面領域133、側面領域135及び裏面領域134に亘って封印シール160が配置されるように当該封印シール160はコ字状に曲げて貼り付けられている。封印シール160により、表面領域133の略全体、側面領域135の略全体及び裏面領域134の略全体が覆われている。したがって、表面領域133に形成されている各貫通孔151の開口部及び裏面領域134に形成されている各ネジ孔152の開口部が封印シール160により覆われているとともに、側面領域135における表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との境界136もその略全体が封印シール160により覆われている。
なお、表面領域133における側面領域135との境界側の端部とその反対側の端部との間の距離は、裏面領域134における側面領域135との境界側の端部とその反対側の端部との間の距離よりも長く設定されている。したがって、裏面領域134に比べ表面領域133の面積が広く設定されており、それに伴って封印シール160において裏面領域134を覆う領域よりも表面領域133を覆う領域の方が面積は広い。但し、これに限定されることはなく、表面領域133に比べ裏面領域134の面積を広くしてもよく、両領域133,134の面積を同程度としてもよい。
封印シール160においてアンテナ部材172は、既に説明したとおり、ベースシート161においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置されているため、封印シール160と同様に、アンテナ部材172も表面領域133、側面領域135及び裏面領域134に亘ってコ字状に曲げて配置されている。
アンテナ部材172と破断ネジ153との位置関係について説明する。
アンテナ部材172における長手方向の一方の端部は、図15に示すように、表面領域133における一の貫通孔151の開口部を跨いでいる。詳細には、アンテナ部材172の短手方向の寸法は貫通孔151の開口部の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部材172が貫通孔151の開口部を挟んで当該開口部の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部材172が配置されていることにより、アンテナ部材172の端部は、破断ネジ153におけるネジ溝側とは反対側の端部と対峙している。但し、破断ネジ153におけるネジ溝側とは反対側の端部が貫通孔151における軸線方向の途中位置に配置されているため、破断ネジ153とアンテナ部材172とは接触していない。
アンテナ部材172において上記開口部を跨ぐ側の端部とは反対側の端部は、裏面領域134における一のネジ孔152の開口部を跨いでいる。この場合に、破断ネジ153におけるネジ溝側の端部がネジ孔152における軸線方向の途中位置に配置されているため、破断ネジ153とアンテナ部材172とは接触していない。
例えば、アンテナ部材172が破断ネジ153に接触すると、設定された動作周波数(例えば、2.45GHz)が変化してしまい、アンテナ部材172を通じた通信が良好に行えなくなるおそれがある。そうすると、ICチップ171に記憶されたID情報をリーダ装置により読み取ろうとしてもそれが行えないおそれがあるが、上記のようにアンテナ部材172と破断ネジ153とが接触していないことにより、上記不都合の発生が抑えられている。
次に、アンテナ部材172と境界136との位置関係について説明する。
アンテナ部材172は、側面領域135を挟み表面領域133から裏面領域134に亘って配置されているため、側面領域135における表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との境界136を跨いでいる。境界136は、既に説明したとおり非一直線状に形成されており、第1ライン145〜第5ライン149が順次連続することで形成されている。アンテナ部材172は、上記第1ライン145〜第5ライン149のうち、第3ライン147を跨いでいる。
つまり、境界136は、封印シール160において相互に対向する一対の第1周縁部(第1辺部)と第2周縁部(第2辺部)との間に亘って配置されているとともに、第1周縁部及び第2周縁部とは異なる周縁部であって相互に対向する一対の第3周縁部(第3辺部)及び第4周縁部(第4辺部)のうち少なくとも一方に向けて延びるラインが生じるように曲がり部が形成されている。
アンテナ部材172においてICチップ171及びスリット173が形成された領域は、貼付領域において第2ライン146と第4ライン148とにより挟まれた領域に対して配置されている。また、ICチップ171は、第1ライン145及び第5ライン149よりも表面領域133側であって第3ライン147よりも裏面領域134側に配置されているのに対して、スリット173は、第1スリット部174のICチップ171側とは反対側の端部が第3ライン147を跨いでいる。
アンテナ部材172が第3ライン147を跨いでいることにより、ベースシート161においてアンテナ用切り込み176が形成されている領域は、第3ライン147よりも表面領域133側に配置されているとともに、第3ライン147よりも裏面領域134側に配置されている。また、第1スリット部174が、第3ライン147を跨いでいることにより、第1スリット部174に向けたアンテナ用切り込み176は、第3ライン147よりも表面領域133側に配置されているとともに、第3ライン147よりも裏面領域134側に配置されている。
ここで、貼付領域は、囲み部180によって囲まれている。
囲み部180について詳細には、図8に示すように、表側構成体111の表側周縁部113において表側固定ベース部131に連続する部分と、表側固定ベース部131の表面領域133との間には表側段差部181が形成されている。また、図9に示すように、裏側構成体112の裏側周縁部117において裏側固定ベース部132に連続する部分と、裏側固定ベース部132の裏面領域134との間には裏側段差部182が形成されている。さらに、表側固定ベース部131には表面領域133及び側面領域135を間に挟むようにして対向する一対の表側突条部183が形成されているとともに、裏側固定ベース部132には側面領域135及び裏面領域134を間に挟むようにして対向する一対の裏側突条部184が形成されており、表側突条部183と裏側突条部184とはそれぞれ同じ側に配置されている同士が境界136を挟んで連続している。
表側段差部181、裏側段差部182、表側突条部183及び裏側突条部184により囲み部180が形成されており、貼付領域は囲み部180によって囲まれている。そして、貼付領域に貼り付けられている封印シール160の周縁はその全体が囲み部180に近接している。これにより、封印シール160を剥がそうとしても、その剥がし行為が非常に困難なものとなっている。
封印シール160の周縁の全体が囲み部180に近接していることにより、封印シール160の貼り付け作業に際しては、封印シール160が囲み部180によって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部材172と貫通孔151との位置関係、アンテナ部材172とネジ孔152との位置関係及びアンテナ部材172と境界136との位置関係は、自ずと上記のような関係となる。
また、図15に示すように、囲み部180によって囲まれる領域は、封印シール160の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール160の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部材172と貫通孔151との上記位置関係、アンテナ部材172とネジ孔152との上記位置関係及びアンテナ部材172と境界136との上記位置関係が、自ずと維持される範囲内で設定されている。
次に、上記のように封印シール160が貼り付けられていることによる作用効果について説明する。
基板ボックス102を不正に開放する場合、少なくとも表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132に設けられた固定手段による固定を解除する必要がある。かかる固定を解除する方法としては、封印シール160を貼付領域から剥がすことなく、境界136に沿って封印シール160を切断するとともに、境界136を介して表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との間に所定の工具を挿入し、各破断ネジ153の切断と引っ掛け部155の切断とを行う第1の方法が考えられる。また、この他に、封印シール160を貼付領域から剥がすことで境界136を露出させるとともに、当該境界136を介して表側固定ベース部131と裏側固定ベース部132との間に所定の工具を挿入し、各破断ネジ153の切断と引っ掛け部155の切断とを行う第2の方法が考えられる。以下、第1の方法に対する作用効果及び第2の方法に対する作用効果について順次説明する。
第1の方法で不正開放が行われる場合、上記のとおり、封印シール160は境界136に沿って切断されることとなる。この場合に、境界136が上記のとおり非一直線状に形成されていることにより、境界136に沿って封印シール160を切断する作業が煩雑なものとなる。また、ICタグ163のアンテナ部材172が境界136を跨ぐように配置されているため、境界136に沿って封印シール160が切断された場合、アンテナ部材172が切断されることとなる。そうすると、アンテナ部材172においてICチップ171が配置された側の部分の長さ寸法が短くなり、リーダ装置との間の通信距離が短くなる。また、切断後の長さ寸法によっては通信が不可となる。この場合、リーダ装置によりID情報を正規に読み取ろうとする管理者にとっては、通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
また、アンテナ部材172に形成されたスリット173が境界136を跨ぐように配置されているため、境界136に沿って封印シール160が切断された場合、スリット173が形成された箇所を含めて切断されることとなる。そうすると、インピーダンス整合が良好に行われなくなり、通信がしづらくなる又は通信が不可となる。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
第2の方法で不正開放が行われる場合、上記のとおり、封印シール160は貼付領域から剥がされることとなる。かかる剥がし作業に際しては、封印シール160をその隅角から剥がす場合と、封印シール160の一辺に沿う方向に剥がす場合とが想定される。
隅角から剥がす場合、剥がす力に伴う応力が封印シール160の隅側切り込み177や外縁切り込み178に集中するため、封印シール160の破壊が生じ易く、上記管理者にとっては、剥がした後の封印シール160が再貼付されている場合にはその破壊を目視確認することで上記不正開放の事実を把握することが可能となる。
隅角から剥がす場合及び封印シール160の一辺に沿う方向に剥がす場合のいずれであっても、剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み176の端部に集中することで、アンテナ用切り込み176を介してベースシート161が破壊され、それに伴ってアンテナ部材172が切断される。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
特に、アンテナ部材172においてスリット173が形成された領域の一部は、境界136において対向する一対の第2ライン146と第4ライン148との間の領域に配置されている。また、アンテナ部材172においてスリット173が形成された領域の一部は、第3ライン147よりも裏面領域134側であって、第1ライン145及び第5ライン149よりも表面領域133側に配置されている。したがって、封印シール160を任意の方向であって同一方向に剥がすことで境界136の全てを露出させるためには、封印シール160におけるスリット173が形成されている部分を貼付領域から剥がす必要がある。そして、アンテナ用切り込み176の一部はスリット173に隣接させて形成されているため、境界136を全て露出させる際に、スリット173が形成された箇所においてアンテナ部材172の切断又は破壊が生じることが期待される。そうすると、インピーダンス整合が良好に行われなくなり、通信がしづらくなる又は通信が不可となる。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
また、境界136の形状に沿うようにして剥がす方向を順次変えながら封印シール160を剥がすことも考えられるが、その剥がし行為は煩雑なものとなる。また、この場合、剥がす際に封印シール160に生じる折れ目が複雑なものとなることで封印シール160に大きな負荷がかかり易くなり、それに伴って封印シール160に破れが生じ易くなる。さらには、アンテナ用切り込み176はスリット173を間に挟むようにして形成されており、境界136を基準として表面領域133側及び裏面領域134側の両方にアンテナ用切り込み176が配置されている。したがって、境界136を全て露出させる際に、スリット173が形成された箇所においてアンテナ部材172の切断又は破壊が生じることが期待される。そうすると、インピーダンス整合が良好に行われなくなり、通信がしづらくなる又は通信が不可となる。この場合、上記管理者にとっては、リーダ装置を用いた通信がしづらい又は通信ができないことを確認することで、上記不正開放の事実を把握することができる。
次に、封印シール160のカバー部材93について説明する。図16(a),(b)はそれぞれ異なる方向から見たカバー部材93の斜視図、図17はカバー部材93が主制御装置92に取り付けられている様子を説明するための説明図、図18は主制御装置92においてカバー部材93が取り付けられた部分の断面図である。
カバー部材93は、ポリカーボネートなどといった無色透明の合成樹脂により、図16(a),(b)及び図17に示すように、所定の内部空間185を有する直方体の箱状に形成されており、当該内部空間185を区画形成する複数(具体的には6個)の壁部はカバー部材93の内外に電波が透過可能となっている。カバー部材93の各壁部のうち所定の壁部186には、内部空間185をカバー部材93の外部に開放させる開口部187が形成されている。以下、壁部186を開口用壁部186ともいう。
開口部187は、図16(b)に示すように、開口用壁部186を挟んで対向する一対の壁部188,189のうち一方から他方に亘って形成されており、開口部187の周縁部の一部は各壁部188,189のそれぞれに対して内側に入り込むようにして形成されている。また、開口部187は、開口用壁部186に対して各壁部188,189側とは異なる方向にて隣り合う壁部190と開口用壁部186との境界に沿うようにして形成されている。
カバー部材93の内部空間185は、図18に示すように、封印シール160が貼り付けられた表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132の全体を収容可能な大きさに形成されているとともに、開口部187は表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132の先端側からそれら両ベース部131,132を内部空間185内に差込可能な大きさに形成されている。なお、説明の便宜上、以下の説明では表側固定ベース部131及び裏側固定ベース部132の組み合わせを固定ベース191ともいう。
カバー部材93の両壁部188,189間の距離は固定ベース191において基板ボックス102の幅方向寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されており、これら両壁部188,189には開口部187の周縁部から開口用壁部186側の境界に向けて突出させて爪部192が一体形成されている。当該爪部192は弾性変形可能に形成されている。かかる爪部192に対応させて、図17に示すように、基板ボックス102の表側固定ベース部131の側面には外方に突出させて受け部193が一体形成されている。カバー部材93は、開口部187を介して内部空間185内に固定ベース191が差し込まれるように基板ボックス102に設置されており、その設置に際して爪部192が受け部193にて受けられることで基板ボックス102に固定されている。以下、各壁部188,189を係止用壁部188,189ともいう。
基板ボックス102にカバー部材93が固定されていることにより、固定ベース191の全体がカバー部材93によって囲まれている。これにより、固定ベース191に貼り付けられた封印シール160がカバー部材93により保護されることとなる。例えば、パチンコ機10の出荷時などにはシュリンクフィルムを熱収縮させてパチンコ機10が覆われることとなるが、主制御装置92がパチンコ機10の背面に露出している構成においては、シュリンクフィルムが熱収縮する際の収縮方向への負荷や熱などの封印シール160やICタグ163への影響を抑えることが好ましく、上記のようにカバー部材93が設けられていることにより上記影響を低減することができる。
カバー部材93は既に説明したように無色透明となっているため、上記のようにカバー部材93が設けられた構成において、固定ベース191に貼り付けられた封印シール160をカバー部材93外から目視確認することができる。なお、カバー部材93は無色透明に限定されることはなく、カバー部材93外から封印シール160を目視確認できるようにする上では、封印シール160を目視確認できる程度の透明性を有していればよく、有色透明であってもよい。また、カバー部材93外から封印シール160を目視確認することはできなくなるが、カバー部材93を不透明に形成してもよい。
次に、カバー部材93の各壁部と封印シール160との位置関係について説明する。
図18に示すように、カバー部材93に対して固定ベース191はその全体が収容されており、開口用壁部186は表側構成体111において膨出部114の側面に対して側方から当接している。なお、膨出部114とカバー部材93との間の隙間を少なくする上では上記のとおり膨出部114とカバー部材93とが当接していることが好ましいが、開口用壁部186と膨出部114とが所定の間隔を開けて近接する構成としてもよい。
開口用壁部186と開口部187を挟んで隣り合う壁部190は、既に説明したとおり開口部187が当該壁部190と開口用壁部186との境界に沿うようにして形成されているため、固定ベース191の裏面領域134側と重なり合っている。以下、当該壁部190を重なり壁部190ともいう。また、既に説明したとおり、係止用壁部188,189間の距離は固定ベース191において基板ボックス102の幅方向と同一又はそれよりも若干大きく設定されているため、図17に示すように、これら係止用壁部188,189は固定ベース191の両側面と重なり合っている。
上記構成において、図18に示すように、開口用壁部186は開口部187の位置からその反対側の端部までの長さ寸法が、封印シール160において固定ベース191の表面領域133に貼り付けられた箇所と、重なり壁部190に対して対向する壁部194とが所定の距離を隔てるように設定されている。これにより、封印シール160において表面領域133に貼り付けられた箇所から当該壁部194の表面までの距離がL1となっている。以下、当該壁部194を第1離間壁部194ともいう。ちなみに、封印シール160と第1離間壁部194との間には電波を遮断する部材が設けられていない。
また、重なり壁部190は開口部187の周縁部側の端部からその反対側の端部までの長さ寸法が、封印シール160において固定ベース191の側面領域135に貼り付けられた箇所と、開口用壁部186に対して対向する壁部195とが所定の距離を隔てるように設定されている。これにより、封印シール160において側面領域135に貼り付けられた箇所から当該壁部195の表面までの距離がL2となっている。かかる距離L2は、封印シール160において表面領域133に貼り付けられた箇所から第1離間壁部194までの距離L1よりも短く設定されている。以下、上記壁部195を第2離間壁部195ともいう。ちなみに、封印シール160と第2離間壁部195との間には電波を遮断する部材が設けられていない。
封印シール160に設けられたICタグ163の通信可能距離は、リーダ装置Rから所定の出力強度で呼出波が出力された場合に距離L3となるように設定されている。かかる距離L3は、封印シール160において表面領域133に貼り付けられた箇所から第1離間壁部194の表面までの距離L1及び封印シール160において側面領域135に貼り付けられた箇所から第2離間壁部195の表面までの距離L2よりも大きく設定されている。そして、ICタグ163の通常の通信可能範囲C1には、第1離間壁部194の全体よりも外側が含まれているとともに、第2離間壁部195の全体よりも外側が含まれている。また、既に説明したとおりカバー部材93の各壁部は電波を透過可能に形成されている。したがって、遊技ホールの管理者等はICタグ163からID情報の読み取りを行う場合にカバー部材93を基板ボックス102から取り外すことなく当該読み取り作業を行うことができる。
また、第1離間壁部194の周縁部には、図16(b)及び図18に示すように、開口用壁部186との境界の周縁部を除いて一連の突条部196が一体形成されており、かかる突条部196により区画された区画面197は平面状となっている。この場合、遊技ホールの管理者等はICタグ163からID情報の読み取りを行う場合にリーダ装置Rの先端を上記区画面197に当接又は近接させることで、ID情報の読み取り作業を簡単且つ確実に行うことができる。つまり、区画面197はID情報の読み取り作業に際しての位置決め部として機能する。
特に、主制御装置92においてカバー部材93が設けられた箇所は裏パックユニット15により覆われておらず、さらに上記区画面197はパチンコ機10後方を向いている。したがって、外枠11に対して遊技機本体12をパチンコ機10前方に回動させることで、遊技ホールの管理者等は区画面197に対してリーダ装置Rを容易に近付けることができる。この点からも、ID情報の読み取り作業の作業性の向上が図られている。
ちなみに、図5(a)や図18に示すように、カバー部材93において区画面197の取付台91からの距離は膨出部114における膨出側の面の取付台91からの距離と略同一となっている。つまり、区画面197は膨出部114における膨出側の面に対して略面一となっており、当該面に対して奥まった位置には配置されていない。奥まった位置に区画面197が配置されていると、リーダ装置Rの先端を当接又は近接させようとしてもそれが膨出部114に邪魔されて行いづらくなることが想定されるが、上記構成によればかかる不都合の発生が抑えられる。
次に、基板ボックス102の不正開放の確認に関して上記カバー部材93が設けられたことによる作用について説明する。
既に説明したとおり、基板ボックス102の不正開放が行われた場合には、封印シール160に設けられたICタグ163のアンテナ部材172において何らかの切断が発生することが期待される。そして、アンテナ部材172が切断された場合には、ICタグ163が通信不可となることがある。この場合、遊技ホールの管理者等にとってはリーダ装置Rから呼出波を出力させてもID情報の読み取りを行えないことで、基板ボックス102の上記不正開放が行われたことを把握することができる。
ICタグ163が通信不可とならない場合であってもアンテナ部材172が切断された場合には、ICタグ163の通信可能範囲が狭くなる。この場合に、封印シール160の各アンテナ用切り込み176は、任意のアンテナ用切り込み176からその延びる方向にアンテナ部材172が切断された場合には、図18に示すように、ICタグ163の通信可能距離が、封印シール160において表面領域133に貼り付けられた箇所から第1離間壁部194の表面までの距離L1よりも短いL4となるように形成されている。そうすると、ICタグ163の通信可能範囲C2に区画面197が含まれなくなり、遊技ホールの管理者等がリーダ装置Rを区画面197に位置決めさせた状態でID情報の読み取りを行おうとしてもそれが不可となる。これにより、遊技ホールの管理者等は、基板ボックス102の不正開放が行われたことを把握することができる。
また、遊技ホールの管理者等によっては区画面197にて位置決めさせることなく、例えば第2離間壁部195側からリーダ装置Rをカバー部材93に近付けてID情報の読み取り作業を行うことが考えられる。この場合であっても、アンテナ部材172において切断が発生し、ICタグ163の通信可能距離が上記L4となった場合には、ICタグ163の通信可能範囲に第2離間壁部195が含まれなくなるため、ID情報の読み取りを行おうとしてもそれが不可となる。
ちなみに、図5(b)に示すように、カバー部材93を基準として一方の係止用壁部188側の位置には音声ランプ制御装置66が並設されており、さらに他方の係止用壁部189側の位置には払出制御装置82が配置されている。したがって、遊技ホールの管理者等がいずれかの係止用壁部188,189側からリーダ装置Rを近付けようとしてもそれが規制される。よって、これら係止用壁部188,189が固定ベース191に重なる構成であり、アンテナ部材172に所定の切断が発生した状況で依然として通信可能範囲に係止用壁部188,189が含まれるとしても問題は生じない。
同様に、図5(b)に示すように、カバー部材93を基準として重なり壁部190側の位置には取付台91及び遊技盤33が位置している。したがって、遊技ホールの管理者等が重なり壁部190側からリーダ装置Rを近付けようとしてもそれが規制される。よって、重なり壁部190が固定ベース191に重なる構成であり、アンテナ部材172に所定の切断が発生した状況において通信可能範囲に重なり壁部190が含まれるとしても問題は生じない。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図19のブロック図に基づいて説明する。図19では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置92に設けられた主制御基板101には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ103が搭載されている。CPUチップ103には、当該CPUチップ103により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ103には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ103の入力側には、主制御基板101に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないセンサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ103には停電監視回路203を介して電力が供給される。
ここで、CPUチップ103の入力側に接続されるセンサ群の中には作動口36の検知センサが含まれており、CPUチップ103では作動口36への入賞を把握した場合に各種抽選を行う。この抽選には、遊技者に有利な大当たり状態(特別遊技状態)に移行させるか否かの大当たり抽選や、大当たり状態への移行当選となった場合に移行先の大当たり状態の種類を振り分けるための振り分け抽選が含まれる。また、これらの抽選に際してはRAM206に設けられた各種抽選用カウンタと、ROM205に設けられた抽選用テーブルとが参照されるが、抽選用カウンタは2msecや4msecといった比較的短い周期で更新されるとともに作動口36への入賞を契機としてその時点の抽選値が抽選用カウンタから取得される。また、CPUチップ103にて抽選が行われたことを契機として、メイン表示部としての第1特定ランプ部43において所定期間に亘って1遊技回分の絵柄の変動表示が行われるが、CPUチップ103では当該1遊技回分の変動表示を行う場合の上記所定期間を抽選によって決定するとともに、当該第1特定ランプ部43を表示制御する。なお、当該第1特定ランプ部43において1遊技回の絵柄の変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示や演出が行われる。
一方、CPUチップ103の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
<パチンコ機10の管理システム>
次に、多数の遊技機が設置される遊技ホールに製造メーカから上記パチンコ機10が出荷された後において、当該パチンコ機10の管理を行うための管理システムについて説明する。
先ず、各パチンコ機10に付与された各種のID情報についてあらためて以下に記述する。
(1)証紙ラベル138に記されたラベルID情報・・・同ラベル138は主制御装置92の基板ボックス102に貼付され、主制御装置92の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、製造番号(例えば、No.123)、及びQRコードが記されている。
(2)ICタグ163のタグID情報・・・ICタグ163は主制御装置92の封印シール160に組み付けられ、タグID情報が格納されている。
上記QRコードに記憶されたラベルID情報、及びICタグ163に記憶されたタグID情報について、図20を参照しながら説明する。
図20(a)及び図20(b)に示すように、各ID情報には、第1識別部、第2識別部及び第3識別部が設定されており、これら各識別部がハイフン(「−」)により区画されている。第1識別部には製造メーカの情報が付されている。つまり、図20(a)の製造メーカM1の各ID情報に示すように、各ID情報の第1識別部には全て「M1」が付されている。また、図20(b)の製造メーカM2の各ID情報に示すように、各ID情報の第1識別部には全て「M2」が付されている。
第2識別部には、ID情報の種別が付されている。つまり、図20(a)及び図20(b)に示すように、各ラベルID情報の第2識別部には全て「1」が付されており、各タグID情報の第2識別部には全て「2」が付されている。
第3識別部には、製造番号等に関連した各製造メーカにおけるパチンコ機10固有の番号が付されている。つまり、図20(a―1)に示すように、一のパチンコ機10におけるラベルID情報の第3識別部及びタグID情報の第3識別部にはいずれも「001」が付されている。一方、図20(a―1)及び図20(a―2)に示すように、製造メーカM1における一のパチンコ機10と他のパチンコ機10とでは、上記第3識別部が相違している。同様に、図20(b―1)及び図20(b―2)に示すように、製造メーカM2における一のパチンコ機10と他のパチンコ機10とでは、上記第3識別部が相違している。
上記のように第1〜第3識別部が設定されていることにより、一のパチンコ機10に付されている複数種類のID情報が相違しているとともに、全てのパチンコ機10で比べた場合においてもID情報が相違している。
次に、遊技ホールH1において日常的に行われる管理の概要を説明する。図21は日常的に行われる管理の概要を説明するための概略図である。
図21において、遊技ホールH1には多数のパチンコ機10が設置されている。各パチンコ機10の主制御装置92には上述したとおり証紙ラベル138及びICタグ163によって各種ID情報が付与されている。遊技ホールH1にはハンディタイプのホール側リーダ装置301が設けられているとともに、当該ホール側リーダ装置301により読み取られた各種ID情報を集約するホール側の管理コンピュータ302が設けられている。
ちなみに、遊技ホールH1には各パチンコ機10の出球管理等を行う、いわゆる「ホールコンピュータ」が設けられているが、上記の管理コンピュータ302はホールコンピュータとは別装置として構成されており、例えばノート型パソコンで具現化されている。但し、これに限定されることはなく、ホールコンピュータが上記の管理コンピュータ302の機能を果たす構成としてもよい。
ここで、ホール側リーダ装置301の構成について図22の概略図を用いて説明する。
ホール側リーダ装置301は、その内部にMPU301aを備えている。MPU301aには、当該MPU301aにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM301bと、そのROM301b内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種の演算データや読み込んだID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM301cが内蔵されている。
ホール側リーダ装置301には、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部301dと、液晶画面等よりなる表示部301eとが設けられている。操作部301dには一のパチンコ機10に付与された各種ID情報の読み取りを開始する際に操作される読み取り開始ボタン、一のパチンコ機10に付与された各種ID情報の読み取りを終了した際に操作される読み取り終了ボタン、RAM301cに記憶されたID情報を呼び出すための呼び出しボタン、RAM301cに記憶されたID情報を消去するための消去ボタン、RAM301cに記憶されたID情報を管理コンピュータ302に出力するための出力ボタンなどが設けられている。そして、操作部301dはMPU301aに接続されており、操作部301dにおける各種操作の情報はMPU301aに出力され、当該MPU301aではその情報に基づき各種処理を行う。
表示部301eもMPU301aに接続されており、MPU301aの制御に基づいて情報読み取り順序の指定が行われる。この場合に、情報読み取り順序の指定は、操作部301dの読み取り開始ボタンが操作されることで開始される。また、操作部301dの呼び出しボタンが操作されることでRAM301cに記憶されたID情報が表示される。
ホール側リーダ装置301には、QRコード用回路301f及びQRコード読み取り部301gが設けられており、さらにはタグ情報用回路301h及びタグ情報読み取り部301iが設けられている。QRコード用回路301f及びQRコード読み取り部301gによりQRコード読み取り機能が果たされる。つまり、QRコード用回路301fは、MPU301aに接続されており、MPU301aから読み取り開始信号を入力することで、QRコード読み取り部301gにデータ読み取り開始を許可する。この場合に、QRコードの読み取りは、上記のラベルにQRコード読み取り部301gを近接させて非接触の状態で行われる。そして、QRコード読み取り部301gが読み取ったID情報は、QRコード用回路301fを介してMPU301aに出力され、RAM301cにて記憶される。
また、タグ情報用回路301h及びタグ情報読み取り部301iによりタグ情報読み取り機能が果たされる。つまり、タグ情報用回路301hは、MPU301aに接続されており、MPU301aから読み取り開始信号を入力することで、タグ情報読み取り部301iにデータ読み取り開始を許可する。この場合に、タグ情報の読み取りは非接触の状態で行われる。そして、上述したICタグ163からタグ情報読み取り部301iが読み取ったID情報は、タグ情報用回路301hを介してMPU301aに出力されRAM301cにて記憶される。
ホール側リーダ装置301には、信号送受信機能を備えた出力部301jが設けられている。出力部301jは、MPU301aに接続されており、操作部301dの出力ボタンが操作されることに基づいてRAM301cに記憶されたID情報が出力部301jから管理コンピュータ302に出力される。ID情報の出力は、有線通信により行われる。但し、これに限定されることはなく、赤外線や無線LAN等を用いた無線通信により行ってもよい。
出力部301jから出力され管理コンピュータ302に入力されたID情報は、RAM301cから自動的に消去される。この自動的に消去する構成としては、管理コンピュータ302が正確に入力したID情報について確認信号をホール側リーダ装置301に出力し、ホール側リーダ装置301では入力した確認信号に対応したID情報をRAM301cから消去する構成が考えられる。
以上の構成のホール側リーダ装置301におけるID情報の読み取りの流れを簡単に説明する。所定のパチンコ機10に付与された各種ID情報の読み取りを開始する際には、先ず読み取り開始ボタンを入力する。これにより、QRコード読み取り部301g及びタグ情報読み取り部301iが読み取り可能状態となる。
その後、表示部301eにて情報読み取り順序の指定が表示される。作業者は上記(1)〜(2)の各種ID情報をこの順序で読み取る。この読み取られたID情報はRAM301cに記憶される。なお、読み取りの順序を間違えた場合などは、呼び出しボタンを操作することで間違えたID情報を呼び出し、消去ボタンを操作することでそのID情報を消去することが可能である。
その後、一のパチンコ機10に付与された上記(1)〜(2)の全てのID情報を読み取った場合には、読み取り終了ボタンを操作する。これにより、QRコード読み取り部301g及びタグ情報読み取り部301iが読み取り不可状態となる。そして、以上のID情報の読み取りを複数のパチンコ機10に対して行った後に、ホール側リーダ装置301の出力ボタンを操作する。これにより、管理コンピュータ302に対してRAM301cに記憶された全てのID情報が出力される。
次に、管理コンピュータ302について説明する。
管理コンピュータ302は、パチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPUと、当該CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやホール側リーダ装置301から入力したID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、を備えている。また、管理コンピュータ302は、各製造メーカM1,M2,M3・・・に設けられた管理サーバ装置としてのデータサーバ311との間で双方向の通信が可能となっている。
管理コンピュータ302に付随させて設けられた操作部を通じて管理開始用の情報が入力されることで、管理コンピュータ302のCPUにおいてパチンコ機管理処理が実行される。以下に、図23に示すフローチャートを用いて遊技ホール側のパチンコ機管理処理を説明する。なお、当該パチンコ機管理処理は、管理実行状態下で繰り返し実行される。
先ずステップS101では、上記管理開始用の情報が入力されているか否かを判定する。入力されていない場合には、そのまま本管理処理を終了する。入力されている場合には、ステップS102にてホール側リーダ装置301のRAM301cに記憶されている全てのID情報を取得したか否かを判定する。
この判定は、ホール側リーダ装置301から出力完了信号を入力したか否かを判定することにより行う。つまり、ホール側リーダ装置301のMPU301aでは、出力部301jからのID情報の出力に際して、RAM301cに記憶された全てのID情報が出力されたか否かを判定し、記憶された全てのID情報が出力されたと判定した場合に、出力部301jから出力完了信号を出力する。
ステップS102にて情報取得が未完であれば否定判定をし、再度ステップS102の処理を行う。その後、情報取得が完了することで肯定判定をし、ステップS103に進む。ステップS103では、取得したID情報を分類し認証用情報を作成する分類処理を行う。
分類処理について図24を用いて説明する。管理コンピュータ302がホール側リーダ装置301からID情報を入力した段階では、管理コンピュータ302のRAMにはホール側リーダ装置301にて情報を読み取った順序でID情報が記憶されている。そこで、分類処理では、最初に第1分類処理として各パチンコ機10に対応させて各ID情報を分類する。
詳細には、ホール側リーダ装置301から入力したID情報は、一のパチンコ機10に対応させて2種類のID情報が存在する。そこで、これらID情報を一のリスト番号に対応させて分類する。この場合に、ホール側リーダ装置301では上述した通り所定の順序でID情報が読み取られる。したがって、入力した順序で2つのID情報を並べることで上記(1)〜(2)の順序となる。以上の第1分類処理が行われることで、図24(a)に示すように一のパチンコ機10(具体的にはリスト番号)に対応させてID情報をまとめることができる。
第1分類処理を行った後は、第2分類処理としてパチンコ機10ごとにまとめた各ID情報を製造メーカ毎に分類する。詳細には、各ID情報には、上述したとおり、第1識別部としてメーカ情報が付されている。そこで、第2分類処理では、この第1識別部の情報から製造メーカを識別し、製造メーカ毎に分類する。以上の第2分類処理が行われることで、第1分類処理にてまとめたID情報を、図24(b)及び図24(c)に示すように製造メーカ毎に分類することができる。
ステップS103の分類処理を行った後は、ステップS104にて、上記分類処理において作成した各認証用情報を対応する製造メーカに送信する。この場合、各製造メーカにおいて認証用情報の送信元が遊技ホールH1であることを識別可能な情報を反映させた状態で認証用情報を送信する。その後、本管理処理を終了する。
次に、各製造メーカM1,M2,M3,・・・のデータサーバ311について説明する。なお、以下の説明では、製造メーカM1のデータサーバ311について説明するが、他の製造メーカについても同様である。
データサーバ311は、各遊技ホールH1,H2・・・に設けられたパチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPUと、当該CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータや管理コンピュータ302から入力したID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、を備えている。
ROMには管理データが記憶保持されている。この管理データを図25に示す。管理データは、基本的にパチンコ機10の出荷前に登録され記憶保持される。管理データには、各パチンコ機10に付与された上記(1)〜(2)の各ID情報が相互に関連付けられ、さらには出荷先の遊技ホール名(店名)の情報と関連付けられた状態で記憶されている。
なお、遊技ホールHにおいては主制御装置92の基板ボックス102を開封し主制御基板101の点検などといったメンテナンスを行う場合があり、メンテナンス後はその主制御装置92が再度使用される。この場合、封印シール160は剥がされ、ICタグ163のアンテナ部材172は分断されるため、その基板ボックス102に対して新たな封印シール160を貼り付ける必要がある。よって、製造メーカM1は封印シール160のみを出荷する必要がある。かかる封印シール160の出荷に際しては、製造メーカM1において、いずれのパチンコ機10であるかを出荷先の遊技ホールに問い合わせ、管理データにおけるそのパチンコ機10のタグID情報を更新するようにしてもよい。また、管理データはROMに記憶保持されている構成に限定されることはなく、ディスク媒体等の記憶媒体に管理データを書き込み、データサーバ311ではその記憶媒体から管理データを読み込む構成としてもよい。
以上説明した管理データを用いてデータサーバ311のCPUではメーカ側のパチンコ機管理処理が実行される。そこで、以下に図26に示すフローチャートを用いてメーカ側のパチンコ機管理処理を説明する。なお、当該パチンコ機管理処理は、管理実行状態下で繰り返し実行される。
先ずステップS201では、管理コンピュータ302から認証用情報を受信したか否かを判定する。認証用情報を受信していない場合には、そのまま本管理処理を終了する。認証用情報を受信している場合には、ステップS202にて、今回の受信に係る送信元の遊技ホールの情報を把握する。当該遊技ホールの情報は、既に説明したとおり、管理コンピュータ302から認証用情報を送信する場合に併せて送信される。
続くステップS203では、管理データにおいてステップS202にて把握した遊技ホールの情報に対応したデータ群を絞り込むための検索処理を実行する。続くステップS204では、認証処理として、今回受信した認証用情報に含まれるラベルID情報とタグID情報との組み合わせが上記絞り込んだデータ群の中に全て存在しているか否かを判定する。具体的には、ラベルID情報及びタグID情報の組み合わせと、上記絞り込んだデータ群との照合を行い、当該データ群の中に一致する組み合わせが存在するか否かを判定する。
続くステップS205では、認証結果送信処理を実行する。認証結果送信処理では、今回の認証処理の結果を、上記認証用情報の送信元の管理コンピュータ302に対して送信する。例えば、ラベルID情報とタグID情報との全組み合わせについて正常に認証処理が完了した場合には、その旨の認証結果の情報を管理コンピュータ302に送信する。これにより、管理コンピュータ302における液晶ディスプレイ等において全て正常である旨の情報が表示される。
一方、正常に認証処理が完了しなかった場合には、上記認証用情報に含まれるリスト情報のうち正常ではないリスト情報を示す情報と、当該リスト情報に係るID情報のうち管理データに含まれていないID情報の種類の情報とを含む認証結果の情報を管理コンピュータ302に送信する。これにより、管理コンピュータ302における液晶ディスプレイ等において、異常が生じているパチンコ機10の情報と、そのパチンコ機10の証紙ラベル138及びICタグ163のうちいずれが異常であるかを示す情報とが表示される。よって、遊技ホールにおいて主制御装置92に対して不正行為が行われているか否かを把握することができる。
次に、パチンコ機10が中古品として流通する場合における管理の概要を説明する。図27は中古品の流通に際して行われる管理の概要を説明するための説明図である。
遊技ホールにおいて日常的に行われる各種ID情報の読み取り作業を通じた管理では、既に説明したとおり当該遊技ホールと製造メーカとの間で双方向に通信が行われるが、中古品の流通に際して行われる管理では、図27に示すように、中間機関として、販売会社SCと、販売会社の管理組合SGと、メーカの管理組合MGと、が介在する。
販売会社SCは、中古品を移動元の遊技ホールH1から移動先の遊技ホールH2に流通させる役割を担っており、中古品となったパチンコ機10の製造メーカ直営であってもよく、直営でなくてもよい。当該販売会社SCには、中古品を流通させる際に、当該中古品のパチンコ機10に付されている証紙ラベル138及びICタグ163からID情報を読み取り、さらにその読み取ったID情報を販売会社の管理組合SGに送信するための確認用装置321が設けられている。
確認用装置321は、流通確認用リーダ装置322と、流通確認用コンピュータ323とを備えており(これらについては図28を参照)、販売会社SCの従業員が中古品の移動元の遊技ホールH1へ携帯して持ち運びできるように構成されている。読み取ったID情報が確認用装置321から送信される場合には、当該ID情報だけでなく、中古品のパチンコ機10の機種や製造メーカM1の情報と、移動元の遊技ホールH1の情報(例えば店舗名や住所の情報)と、移動先の遊技ホールH2の情報(例えば店舗名や住所の情報)と、その中古品の流通に携わっている販売会社SCの情報とを含む流通確認用情報が送信される。
なお、流通確認用情報として、読み取ったID情報と、移動元の遊技ホールH1の情報や移動先の遊技ホールH2の情報といった他の情報とがまとめて送信される構成に限定されることはなく、読み取ったID情報と上記その他の情報とが別々に送信される構成としてもよい。この場合、上記その他の情報については別データとしてデータ送信される構成としてもよく、別紙として郵送される構成としてもよい。
販売会社の管理組合SGは、多数存在する販売会社SCを管理する機関である。販売会社の管理組合SGには、販社組合側の通信部331が設けられており、確認用装置321から送信された流通確認用情報が当該販社組合側の通信部331にて受信される。なお、当該通信の構成は任意であり、汎用の通信回線や専用回線を用いる有線通信、又は無線通信が適宜適用できる。当該通信部331には販社組合側の確認用コンピュータが付随して設けられており、中古品の流通内容を示す情報が当該確認用コンピュータの記憶装置に蓄積される。
中古品の流通内容を示す情報としては、中古品のパチンコ機10の機種や製造メーカM1の情報と、移動元の遊技ホールH1の情報と、移動先の遊技ホールH2の情報と、その中古品の流通に携わっている販売会社SCの情報とが含まれている。販売会社の管理組合SGでは、上記中古品の流通内容を示す情報を、確認用コンピュータのディスプレイへの出力やプリント出力などを通じて確認することで、中古品の流通状況を把握することができる。また、確認用コンピュータに対する転送許可操作が行われることに基づき、上記流通確認用情報がメーカの管理組合MGに転送される。なお、この転送に際して、流通確認用情報に対して、販売会社の管理組合SGの情報や当該管理組合SGにおいて許可を与えた旨の情報が付加される構成としてもよい。
メーカの管理組合MGは、多数存在する製造メーカM1を管理する機関である。メーカの管理組合MGには、メーカ組合側の通信部341が設けられており、販社組合側の通信部331から転送された流通確認用情報が当該メーカ組合側の通信部341にて受信される。なお、当該通信の構成は任意であり、汎用の通信回線や専用回線を用いる有線通信、又は無線通信が適宜適用できる。当該通信部341にはメーカ組合側の確認コンピュータが付随して設けられており、中古品の流通内容を示す情報が当該確認用コンピュータの記憶装置に蓄積される。
中古品の流通内容を示す情報は、販売会社の管理組合SGについて説明した場合と同様である。メーカの管理組合MGでは、上記中古品の流通内容を示す情報を、確認用コンピュータのディスプレイへの出力やプリント出力などを通じて確認することで、中古品の流通状況を把握することができる。また、確認用コンピュータに対する転送許可操作が行われることに基づき、上記流通確認用情報が今回の流通に係るパチンコ機10の製造メーカM1に転送される。
なお、この転送に際して、流通確認用情報に対して、メーカの管理組合MGの情報や当該管理組合MGにおいて許可を与えた旨の情報が付加される構成としてもよい。また、メーカの管理組合MGには、製造メーカが相互に異なるパチンコ機10の流通確認用情報が同時に送信されることも考えられるが、これに対して、当該メーカの管理組合MGにおける確認用コンピュータでは、流通確認用情報に含まれる製造メーカの情報や各種ID情報の第1識別部の情報を参照して、製造メーカの種類に応じた流通確認用情報の分類処理を行い、その分類結果により作成された各流通確認用情報を対応する製造メーカに送信する構成としてもよい。
メーカの管理組合MGには、メーカ組合側の通信部341の他に、シール作成装置342が設けられている。当該シール作成装置342は、中古品の流通に際しての各種ID情報の確認が正常に完了していることを示す確認証明シール351を作成するための装置であり、確認証明シール351の表面に各種情報を印字するための印字部と、この印字する内容をシール作成装置342に外部入力するための操作部と、当該操作部から入力された内容を上記印字部により確認証明シール351の表面に印字させる制御部と、を備えている。なお、確認証明シール351の内容については後に説明する。
製造メーカM1には既に説明したデータサーバ311が設けられているとともに、メーカ側の通信部312が設けられている。当該通信部312において、メーカ組合側の通信部341から転送された流通確認用情報が受信される。なお、当該通信の構成は任意であり、汎用の通信回線や専用回線を用いる有線通信、又は無線通信が適宜適用できる。また、遊技ホールの日常的な管理に係る上記認証用情報の受信及びそれに対する認証結果の情報の送信も、メーカ側の通信部312を介して行われるが、別の通信部が用いられる構成としてもよい。
メーカ側の通信部312にて流通確認用情報を受信することで、データサーバ311において当該流通確認用情報に対する流通確認用処理が実行され、その確認結果である回答情報がメーカ側の通信部312からメーカ組合側の通信部341に送信される。
上記流通確認用情報を通じた管理を行う場合には、図27のA〜Jに示す流れで作業や情報のやり取りが行われる。以下、A〜Jに示す流れについて説明する。
先ず、A〜Eに示す流れについて説明する。図28(a)はパチンコ機10から読み取ったID情報を含む流通確認用情報が送信される概要を説明するための説明図であり、図28(b)は流通確認用コンピュータ323にて実行される販社側の流通確認用処理を示すフローチャートである。
確認用装置321は、既に説明したとおり流通確認用リーダ装置322と流通確認用コンピュータ323とを備えており、図28(a)に示すように、これらが有線通信可能となるように接続されている。但し、これに限定されることはなく無線通信が行われる構成としてもよい。流通確認用リーダ装置322の構成は、上記ホール側リーダ装置301の構成と同様である。流通確認用リーダ装置322を用いて、中古品として流通されることとなるパチンコ機10からラベルID情報及びタグID情報が読み取られる。
流通確認用コンピュータ323は、流通確認用のプログラムを有する電子演算装置であり、その内部にCPUと、当該CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータや流通確認用リーダ装置322から入力したID情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、を備えている。
流通確認用コンピュータ323にはキーボードなどの操作部が付随して設けられている。当該操作部の操作により、流通確認用コンピュータ323に対して、中古品のパチンコ機10の機種の情報と、製造メーカM1の情報と、移動元の遊技ホールH1の情報と、移動先の遊技ホールH2の情報と、その中古品の流通に携わっている販売会社SCの情報と、を入力することができるようになっている。また、操作部を通じて確認開始用の情報が入力されることで、流通確認用コンピュータ323のCPUにおいて販社側の流通確認用処理が実行される。以下に、図28(b)に示すフローチャートを用いて販社側の流通確認用処理を説明する。なお、当該流通確認用処理は、確認実行状態下で繰り返し実行される。
先ずステップS301では、上記確認開始用の情報が入力されているか否かを判定する。入力されていない場合には、そのまま本流通確認用処理を終了する。入力されている場合には、ステップS302にて流通確認用リーダ装置322のRAMに記憶されている全てのID情報を取得したか否かを判定する。
この判定は、流通確認用リーダ装置322から出力完了信号を入力したか否かを判定することにより行う。つまり、流通確認用リーダ装置322のMPUでは、当該流通確認用リーダ装置322の出力部からのID情報の出力に際して、RAMに記憶された全てのID情報が出力されたか否かを判定し、記憶された全てのID情報が出力されたと判定した場合に、出力部から出力完了信号を出力する。
ステップS302にて情報取得が未完であれば否定判定をし、再度ステップS302の処理を行う。その後、情報取得が完了することで肯定判定をし、ステップS303に進む。ステップS303では、取得したID情報を分類し認証用情報を作成する分類処理を行う。
当該分類処理では、上記ステップS103の分類処理と同様に、一のパチンコ機10に対して一のリスト番号を割り当てるとともに、当該リスト番号に対して対応するラベルID情報とタグID情報との組み合わせを関連付ける。但し、販売会社SCによる流通確認は一の製造メーカM1毎に行われ、製造メーカM1が異なる複数のパチンコ機10に対してまとめて行われることがない。したがって、上記ステップS103の分類処理とは異なり、製造メーカ単位での分類は行われない。
ステップS303の分類処理を行った後は、ステップS304にて、移動元の遊技ホールH1の情報を把握するとともに、ステップS305にて、移動先の遊技ホールH2の情報を把握し、さらにステップS306にて、その他の情報を把握する。その他の情報には、中古品のパチンコ機10の機種の情報と、製造メーカM1の情報と、その中古品の流通に携わっている販売会社SCの情報とが含まれる。これらの情報は、流通確認用コンピュータ323に対して確認開始用の情報が入力されるよりも前のタイミングで、当該流通確認用コンピュータ323に入力されている。但し、これに限定されることはなく、ステップS303の分類処理を行った後に、上記各情報の入力を販売会社SCの従業員に要求し、当該入力が行われることでステップS304〜ステップS306の処理が進行していく構成としてもよい。
ステップS304〜ステップS306の処理を実行した後は、ステップS307にて、流通確認用情報の送信処理を実行し、本流通確認用処理を終了する。流通確認用情報は、図28(a)に示すように、流通確認用コンピュータ323から販売会社の管理組合SG→メーカの管理組合MG→製造メーカM1の順序で送信及び転送されていく(図27のB〜Dの流れに対応)。
上記のような流通確認用情報の取得及び送信を、販売会社SCの従業員ではなく移動元の遊技ホールH1の管理者側で行う方法も考えられるが、この場合、中古品として流通させようとしているパチンコ機10の主制御装置92に不正が施されていて正規のID情報を読み取ることができないにも関わらず、不正が施される前のタイミングで確認しておいた正規のID情報を含む流通確認用情報を送信することが懸念される。これに対して、上記のように移動元の遊技ホールH1の管理者ではなく販売会社SCの従業員により、流通確認用情報の取得及び送信を行うようにすることで、中古品の流通の管理を厳格に行うことができる。
また、販売会社SCが保有している確認用装置321によりID情報の取得及び送信を行うことで、ホール側リーダ装置301を具備していない遊技ホールに設置されているパチンコ機10についても上記のような中古品の流通の管理を行うことができる。
次に、製造メーカM1のデータサーバ311のCPUにて実行されるメーカ側の流通確認用処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該流通確認用処理は、確認実行状態下で繰り返し実行される。また、既に説明したメーカ側のパチンコ機管理処理(図26)とは同期しないように処理タイミングがずらして設定されている。
先ずステップS401では、流通確認用情報を受信したか否かを判定する。流通確認用情報を受信していない場合には、そのまま本流通確認用処理を終了する。流通確認用情報を受信している場合には、ステップS402にて、今回の移動元の遊技ホールH1の情報を把握する。当該移動元の遊技ホールH1の情報は、既に説明したとおり、流通確認用情報に含まれている。
続くステップS403では、管理データにおいてステップS402にて把握した遊技ホールH1の情報に対応したデータ群を絞り込むための検索処理を実行する。続くステップS404では、認証処理として、今回受信した流通確認用情報に含まれるラベルID情報とタグID情報との組み合わせが上記絞り込んだデータ群の中に全て存在しているか否かを判定する。具体的には、ラベルID情報及びタグID情報の組み合わせと、上記絞り込んだデータ群との照合を行い、当該データ群の中に一致する組み合わせが存在するか否かを判定する。
続くステップS405では、上記認証処理が正常に完了したか否かを判定する。正常に完了している場合には、ステップS406にて、今回の移動先の遊技ホールH2の情報を把握する。当該移動先の遊技ホールH2の情報は、既に説明したとおり、流通確認用情報に含まれている。
続くステップS407では、管理データの更新処理を実行する。当該更新処理では、管理データのうち、今回認証を行ったラベルID情報及びタグID情報についての設置ホールの情報を、ステップS406にて把握した移動先の遊技ホールH2の情報に変更する処理を実行する。
続くステップS408では、正常時の回答処理を実行する。正常時の回答処理では、ラベルID情報とタグID情報との全組み合わせについて正常に認証処理が完了したことを示す回答情報をメーカの管理組合MGに送信する(図27のEの流れに対応)。その後、本流通確認用処理を終了する。
一方、ステップS405にて、正常に完了していないと判定した場合には、ステップS409にて、異常時の回答処理を実行する。異常時の回答処理では、上記流通確認用情報に含まれるリスト情報のうち正常ではないリスト情報を示す情報と、当該リスト情報に係るID情報のうち管理データに含まれていないID情報の種類の情報とを含む回答情報をメーカの管理組合MGに送信する(図27のEの流れに対応)。その後、本流通確認用処理を終了する。
次に、図27におけるF〜Jの流れについて説明する。
製造メーカM1からメーカの管理組合MGに送信された回答情報は、メーカ組合側の通信部341を介してメーカ組合側の確認コンピュータの記憶装置に蓄積される。メーカの管理組合MGでは、回答情報の内容の確認を、確認用コンピュータのディスレプイへの出力や、プリント出力などを通じて行う。そして、メーカの管理組合MGの職員などが回答情報の内容に応じた手続を行う。
上記回答情報が異常時のものである場合には、その旨が販売会社の管理組合SGに通知されるとともに(図27のFの流れに対応)、その回答結果が販売会社の管理組合SGから販売会社SCに通知される(図27のGの流れに対応)。当該異常時の内容の回答を得た販売会社SCの従業員は、移動元の遊技ホールH1にその旨を伝え、異常であることが指摘されたパチンコ機10の中古品としての流通を中止する又は主制御装置92を正規のものに交換するといった対策を行わせる(図27のHの流れに対応)。
一方、上記回答情報が正常時のものである場合には、メーカの管理組合MGにおいて、シール作成装置342により確認証明シール351を作成する。当該確認証明シール351について図30を用いて説明すると、粘着層が形成された貼付面とは反対側である表面には、確認証明シール351であることを示す情報が印字されている。また、表面には、中古品として流通することとなるパチンコ機10の製造メーカM1の情報が印字されたメーカ情報の表示部351aと、移動元の遊技ホールH1の情報が印字された移動元情報の表示部351bと、移動先の遊技ホールH2の情報が印字された移動先情報の表示部351cと、製造メーカM1において確認が完了した時点での日付の情報が印字された確認時情報の表示部351dとを有している。これら各表示部351a〜351dへの対応する情報の印字は、シール作成装置342により行われる。
シール作成装置342により作成された確認証明シール351は、販売会社の管理組合SGに発給されるとともに(図27のFの流れに対応)、その発給された確認証明シール351が販売会社の管理組合SGから販売会社SCに配布される(図27のGの流れに対応)。確認証明シール351の配布を受けた販売会社SCの従業員は、移動元の遊技ホールH1において、中古品としての流通対象となっているパチンコ機10に確認証明シール351を貼り付ける(図27のHの流れに対応)。この貼付位置は任意であるが、例えば基板ボックス102の表面において証紙ラベル138と並ぶ位置に貼り付けられる。
その後、販売会社SCの従業員は上記確認証明シール351を貼り付けたパチンコ機10を中古品として回収するとともに(図27のIの流れに対応)、その回収したパチンコ機10を移動先の遊技ホールH2に設置する(図27のJの流れに対応)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10が中古品として流通することとなる場合には、パチンコ機10が設置されている遊技ホールとは別に存在する製造メーカのデータサーバ311において管理データと各種ID情報との照合が行われ、当該パチンコ機10が正規のものであるか否かの判断が行われる。したがって、中古品として流通されることとなるパチンコ機10が不正なものである場合にはそれが製造メーカにて把握される。これにより、主制御装置92に不正が施されたパチンコ機10が中古品として他の遊技ホールにおいて使用されてしまう可能性が低減される。よって、中古品の流通管理を適切に行うことが可能となる。
データサーバ311において照合を行わせるための各種ID情報の読み取りは、移動元の遊技ホールH1に流通対象のパチンコ機10が存在している状況で行われる。これにより、パチンコ機10の主制御装置92に不正が施されている場合にはそれが中古品として実際に流通してしまう前に当該中古品としての流通を阻止することが可能となる。仮に、不正が施されていることが中古品として流通した後に判明したとすると、移動先の遊技ホールH2にとってはそのままでは使用することができないパチンコ機10を購入してしまうこととなり、当該移動先の遊技ホールH2に過度な不利益を与えることとなってしまうが、上記のように移動元の遊技ホールH1において各種ID情報の読み取りが行われることで、そのような不都合の発生が抑えられる。
管理データではID情報が、そのID情報に対応したパチンコ機10が設置されている遊技ホールの情報と関連付けて設定されているため、パチンコ機10の所在を製造メーカのデータサーバ311において把握することができる。よって、パチンコ機10の所在の管理を適切に行うことが可能となる。また、パチンコ機10が中古品として流通することとなる場合には、その移動先の遊技ホールの情報が製造メーカに送信され、当該情報について管理データの更新が行われるため、パチンコ機10が中古品として流通したとしてもその所在の管理を適切に行うことが可能となる。そして、このようにパチンコ機10の所在の管理を行うことで、例えば不正対策部品などを出荷後のパチンコ機10に装着する必要が生じた場合には、当該装着作業を容易に行うことが可能となる。
さらにまた、上記移動先の情報は、中古品として流通されることとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かの判断を製造メーカのデータサーバ311において行わせるべく、流通確認用リーダ装置322により読み取られたID情報が送信されるのに合わせて送信される。パチンコ機10が正規のものであるか否かの問い合わせは遊技ホールにおいて積極的に行われるものと考えられ、かかる問い合わせに付随させて移動先の遊技ホールの情報を送信させることで、移動先の遊技ホールの情報の送信漏れが発生しづらくなることが期待され、パチンコ機10の所在の管理をより確実に行うことが可能となる。
中古品として流通されることとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かの判断をデータサーバ311において行わせる場合の通信経路に、販売会社SCと、販売会社の管理組合SG及びメーカの管理組合MGが中間機関として存在しているのに対して、遊技ホールにおいて日常的に行う不正の有無の確認に際しては通信経路に上記中間機関が存在しない。これにより、パチンコ機10の流通管理を厳重に行えるようにしつつ、上記日常的な確認の作業効率を向上させることができる。
中古品として流通されることとなるパチンコ機10が正規のものであるとデータサーバ311において判断された場合には、確認証明シール351が当該パチンコ機10に付与される。これにより、中古品の移動先の遊技ホールH2やパチンコ機10の主制御装置92が正規のものであるか否かを監視する監視機関(例えば、警察機関)は、確認証明シール351の有無を確認することで、中古品として流通したパチンコ機10が正規のものであるかを把握することができる。よって、中古品として流通した後のパチンコ機10が正規のものであるか否かの確認を容易に行うことができる。
また、確認証明シール351の表面には、各種表示部351a〜351dを有しており、これら表示部351a〜351dを確認することで、当該確認証明シール351の付与の対象となった流通回と、同一のパチンコ機10に係る他の流通回とを区別することが可能となる。よって、パチンコ機10が複数回に亘って繰り返し流通することとなる場合であって後側の回の流通に際してデータサーバ311に対する問い合わせが行われていない場合であっても、いずれのタイミングの再流通までが正規に行われているかを、確認証明シール351を通じて把握することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
・パチンコ機10が中古品として流通する場合に読み取られたID情報と管理データとの照合を、製造メーカ以外にて行うようにしてもよい。例えば、メーカの管理組合MGにおいて行うようにしてもよく、販売会社の管理組合SGにおいて行うようにしてもよく、販売会社SCにおいて行うようにしてもよく、それ以外の機関において行うようにしてもよい。これらの場合、上記照合を行う主体の機関に、管理データを有するデータサーバ311が設けられている必要がある。また、製造メーカ、メーカの管理組合MG、販売会社の管理組合SG、販売会社SC及びその他の機関のうち、複数の機関において上記照合が行われる構成としてもよい。
・中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かの判断が、当該パチンコ機10が移動元の遊技ホールH1に存在している状況ではなく、移動先の遊技ホールH2に搬入された後に行われるようにしてもよい。この場合、パチンコ機10が移動先の遊技ホールH2に到着した後に、販売会社SCの従業員又は移動先の遊技ホールの管理者によって各種ID情報の読み取りを行い、製造メーカなどといった上記照合を行う機関にその読み取った各種ID情報を送信するようにすればよい。本構成の場合、不正が施されたパチンコ機10が移動先の遊技ホールH2に搬入されてしまう可能性はあるが、移動元の遊技ホールH1から移動先の遊技ホールH2への搬送過程において不正が行われた場合であってもそれを見つけ出すことが可能となる。
また、中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かの判断が、パチンコ機10の流通過程において行われるようにしてもよい。例えば、販売会社SCにおいてパチンコ機10を中古品として回収した後に、上記判断が行われるようにしてもよい。
・中古品として流通することとなるパチンコ機10から販売会社SCがID情報を読み取る場合、ホール側リーダ装置301を用いるようにしてもよい。この場合、ホール側リーダ装置301にて読み取ったID情報を流通確認用コンピュータ323に送信するようにしてもよく、確認用装置321の全体を不具備とし、ホール側の管理コンピュータ302を利用して、製造メーカなどといった上記照合を行う機関に各種ID情報を送信するようにしてもよい。
・遊技ホールに設置されているパチンコ機10に係る各種ID情報が設定された管理データが、当該遊技ホール自身において保管されていてもよい。この場合、遊技ホールにおいて日常的に不正の有無を確認する場合には、製造メーカなどへの問い合わせを行わずに、独自に所有している管理データを用いて当該確認を行うことができる。
・中古品の流通管理を行うための機関として、パチンコ機10からID情報を読み取る機関、中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かを判断する機関、及び確認証明シール351の発給元となる機関のみが存在するようにしてもよい。例えば上記実施形態において中間機関として販売会社の管理組合SGが介在しないようにしてもよい。
また、パチンコ機10からID情報を読み取る機能、中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かを判断する機能、及び確認証明シール351の発給元となる機能が全て一の機関に集約されていてもよい。この場合、当該機関以外は、パチンコ機10の管理に参加しないようにしてもよい。
・確認証明シール351の発給元はメーカの管理組合MGに限定されることはなく、例えば製造メーカであってもよく、販売会社の管理組合SGであってもよく、販売会社SCであってもよく、これら以外の機関であってもよい。上記実施形態において確認証明シール351の発給元を製造メーカとした場合、中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かを判断する主体と、確認証明シール351の発給元とが同一の機関となるため、この場合にはメーカの管理組合MGが中間機関として存在しないようにしてもよい。
・確認証明シール351の表示部351a〜351dの内容を上記実施形態と異ならせてもよい。例えば、上記各表示部351a〜351dのうち、移動先の遊技ホールH2の情報が印字された移動先情報の表示部351cは有するが、他は不具備となっている構成としてもよい。この場合であっても、同一の遊技ホールに対して繰り返し流通されることさえなければ、確認証明シール351がいずれの流通回に対して付与されたものであるかを認識することは可能である。
また、上記各表示部351a〜351dのうち、移動元の遊技ホールH1の情報が印字された移動元情報の表示部351b、及び移動先の遊技ホールH2の情報が印字された移動先情報の表示部351cは有するが、他は不具備となっている構成としてもよい。この場合、同一の遊技ホールに対して繰り返し流通されたとしても、確認証明シール351がいずれの流通回に対して付与されたものであるかを認識することは可能である。
また、上記各表示部351a〜351dのうち、製造メーカM1において確認が完了した時点での日付の情報が印字された確認時情報の表示部351dは有するが、他は不具備となっている構成としてもよい。また、上記各表示部351a〜351dに代えて又は加えて、移動元の遊技ホールH1からパチンコ機10が回収された日付の情報が印字された表示部や、移動先の遊技ホールH2へパチンコ機10が設置された日付の情報が印字された表示部を有する構成としてもよい。また、流通回を特定することはできなくなるが、流通回を特定するための表示部351a〜351dが存在しない構成としてもよい。
また、確認証明シール351に対して、当該シール351が貼り付けられることとなる主制御装置92の製造番号や当該主制御装置92に取り付けられているICタグ163のタグID情報が付されている構成としてもよく、確認証明シール351の発給番号が付されている構成としてもよい。
また、確認証明シール351にICタグやQRコードを付与し、これらに対して各種情報が登録されている構成としてもよい。また、確認証明シール351を、封印シール160のように一旦剥がした場合には再貼り付け不可である構成や、剥がした際の痕跡が残る構成としてもよく、確認証明シール351にICタグを取り付ける場合には当該確認証明シール351の引き剥がしに際してICタグのアンテナ部材などが破壊される構成としてもよい。
・中古品として流通することとなるパチンコ機10が正規のものであることを示す確認証明部材として、確認証明シール351に代えて又は加えて、パチンコ機10に取り付けられるのではなく移動先の遊技ホールH2において管理される確認証明用札が付与されるようにしてもよい。また、確認証明部材が付与されないようにしてもよい。この場合、確認証明データの送信や確認証明に対応した連絡が、販売会社SCや移動先の遊技ホールH2になされるようにすることで、パチンコ機10を中古品として流通させていいか否か又は中古品としてそのまま使用していいいか否かの判断を行うことは可能である。
・証紙ラベル138を、主制御装置92の基板ボックス102ではなく、主制御基板101に貼り付けてもよく、CPUチップ103に貼り付けてもよい。また、主制御装置92の取付台91や遊技盤33に貼り付けてもよい。
・証紙ラベル138やICタグ163といった識別用部材が、パチンコ機10において主制御装置92以外の箇所に取り付けられていてもよい。例えば、識別用部材が遊技盤33に取り付けられていてもよく、内枠13に取り付けられていてもよい。この場合、主制御装置92単品の交換や、主制御装置92のみを中古品として流通させるようにしたとしても、その流通に際して管理データの更新を行うことで、パチンコ機10の主制御装置92以外の部分と主制御装置92とを対応付けた状態で管理を行うことが可能となる。また、遊技盤33や内枠13の単品での交換や、これらのみを中古品として流通させるようにしたとしても、その流通に際して管理データの更新を行うことで、そられ各単品の管理を行うことも可能となる。
また、上記のように主制御装置92以外にも識別用部材が取り付けられる構成においては、確認証明シール351といった確認証明部材が識別用部材の取り付け対象の部品ごとに付与されるようにするとよい。これにより、パチンコ機10が中古品として一旦流通した後に、一部の部品の交換が行われたとしても、そのパチンコ機10に確認証明部材が残るようにすることができる。
・ラベルID情報やタグID情報の内容は上記実施形態のものに限定されることはなく任意である。例えば、第1識別部、第2識別部及び第3識別部といったように区別されておらず、製造メーカの情報やID情報の種別の情報を有さないようにしてもよい。この場合、タグID情報は、16進数で32桁の情報として設定されていてもよく、ラベルID情報はそれよりも情報量が少ない、同一又は多い構成としてもよい。
また、上記のように各識別部に区別されている構成において、一のパチンコ機10に付与されるラベルID情報の第3識別部とタグID情報の第3識別部とが同一である必要はなく、相互に相違している構成としてもよい。この場合、一のパチンコ機10からラベルID情報及びタグID情報を読み取る場合に、その読み取り作業に際して、一のパチンコ機10の各ID情報を相互に関連付けた状態でリーダ装置などに記憶させることで、上記のように第3識別部が相違していたとしても、一のパチンコ機10から読み取った各ID情報を関連付けることは可能である。
・中古品として流通されることとなるパチンコ機10が正規のものであるか否かの判断が行われる場合に、当該パチンコ機10から読み取られたID情報が送信及び転送される機関の数又は種類が、ID情報の認証を行った後の回答の伝達に介在する機関と相違するようにしてもよい。
・上記実施形態は、遊技ホール側の管理装置として、ホール側リーダ装置301とホール側の管理コンピュータ302とを設けたが、これを変更し、例えば、上述した管理コンピュータ302の機能をホール側リーダ装置301に付加してもよい。
・情報読み取り装置としての各種リーダ装置301,322は、単一の情報形態のみを読み取り可能なものであっても良い。この場合、QRコード読み取り機能を有するリーダ装置と、タグ情報読み取り機能を有するリーダ装置とを個別に用意する。
・ICタグ163を有する封印シール160を、主制御装置92の基板ボックス102外面側に貼り付ける構成としたが、これに代えて、例えば、同基板ボックス102の内面側に貼り付けても良い。また、基板ボックス102を構成する樹脂材にICタグ163を埋設しても良い。さらに、ICタグ163を有するシール部材を主制御基板101に直接貼り付けても良い。
・封印シール160において、ICチップ171から延びる長尺状のアンテナ部材172を直線状とする以外に、細かなうねりや凹凸を有する略直線状としたり、弧状としたりすることも可能である。また、封印シール160の形状を、菱形状、円形状(楕円状を含む)、三角状、L字状、十字状などに変更することも可能である。
・主制御装置92に代えて又は加えて、払出制御装置82に証紙ラベル138や封印シール160を貼り付けて管理を行うようにしてもよく、払出装置78に証紙ラベル138や封印シール160を貼り付けて管理を行うようにしてもよく、一般入賞口34(又はその検知センサ)、可変入賞装置35(又はその検知センサ)、及び作動口36(又はその検知センサ)のいずれかに証紙ラベル138や封印シール160を貼り付けて管理を行うようにしてもよい。
・証紙ラベル138に代えてICタグを取り付けることで、読み取り対象のID情報が全てICタグに設定されている構成としてもよい。
・上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技場(遊技ホールH1)に設置された遊技機(パチンコ機10)又は当該遊技機に搭載された特典の付与に係る遊技機部品(主制御装置92)を管理対象とし、個別に付与された識別情報を有する識別用部材(証紙ラベル138、ICタグ163)を前記管理対象に取り付けておくとともに、前記識別用部材の識別情報を情報読み取り装置(ホール側リーダ装置301、流通確認用リーダ装置322)により読み取り可能とした遊技機の管理システムにおいて、
前記識別用部材の識別情報を有する管理データを、前記管理対象が設置されている遊技場以外で保管するデータ保管手段(データサーバ311)を備え、
当該データ保管手段は、前記管理対象が既に設置されている遊技場(遊技ホールH1)から他の遊技場(遊技ホールH2)へ再流通することとなる場合又は再流通した場合に、前記識別用部材から前記情報読み取り装置により読み取られた識別情報と、前記管理データとを照合することに基づき、流通対象となっている前記管理対象が正規のものであるか否かを判断することを特徴とする遊技機の管理システム。
特徴1によれば、管理対象が中古品として流通することとなる場合又は流通した場合には、管理対象が設置されている遊技場とは別に存在するデータ保管手段において管理データと識別情報との照合が行われ、当該管理対象が正規のものであるか否かの判断が行われるため、中古品として流通されることとなる管理対象が不正なものである場合にはそれがデータ保管手段にて把握される。これにより、不正な管理対象が中古品として他の遊技場において使用されてしまう可能性が低減される。よって、信頼性の高い遊技機管理を実行することが可能となる。
特徴2.前記識別用部材から前記情報読み取り装置により読み取られた識別情報を前記データ保管手段に送信する送信手段(流通確認用コンピュータ323、販社組合側の通信部331、メーカ組合側の通信部341)を備えていることを特徴とする特徴1に記載の遊技機の管理システム。
特徴2によれば、データ保管手段において識別情報の照合を行う場合の作業効率の向上が図られる。
特徴3.前記送信手段は、前記管理対象が前記再流通することとなる場合に、前記既に設置されている遊技場において前記識別用部材から前記情報読み取り装置により読み取られた識別情報を前記データ保管手段に送信することを特徴とする特徴2に記載の遊技機の管理システム。
特徴3によれば、管理対象が元の遊技場に設置されている状況において当該管理対象が正規のものであるか否かを把握することができるため、管理対象が不正なものである場合にはそれが中古品として実際に流通してしまう前に当該中古品としての流通を阻止することが可能となる。
特徴4.前記管理データでは、前記管理対象が設置されている遊技場の情報と対応付けて前記識別情報が設定されており、
前記送信手段は、前記管理対象が前記再流通することとなる場合又は再流通した場合に、前記識別用部材から前記情報読み取り装置により読み取られた識別情報を前記データ保管手段に出力するための第1出力手段(流通確認用コンピュータ323、販社組合側の通信部331及びメーカ組合側の通信部341において各種ID情報を送信する機能)と、流通先の遊技場の情報を出力するための第2出力手段(流通確認用コンピュータ323、販社組合側の通信部331及びメーカ組合側の通信部341において流通確認用情報のうち各種ID情報以外の情報を送信する機能)と、を備え、
さらに、前記送信手段により前記識別情報とともに前記流通先の遊技場の情報が送信された場合に、前記管理データにおける当該識別情報に対応した前記遊技場の情報を更新する更新手段(データサーバ311におけるステップS407の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴2又は3に記載の遊技機の管理システム。
特徴4によれば、管理データにおいて識別情報が、その識別情報に対応した管理対象が設置されている遊技場の情報と対応付けて設定されているため、管理対象の所在をデータ保管手段において把握することができる。よって、管理対象の所在の管理を適切に行うことが可能となる。
また、管理対象が中古品として流通することとなる場合又は流通した場合には、その流通先の遊技場の情報がデータ保管手段に送信され、当該情報について管理データの更新が行われるため、管理対象が中古品として流通したとしてもその所在の管理を適切に行うことが可能となる。
さらにまた、上記流通先の情報は、中古品として流通されることとなる管理対象が正規のものであるか否かの判断をデータ保管手段において行わせるべく、情報読み取り装置により読み取られた識別情報が送信されるのに合わせて送信される。流通されることとなる管理対象が正規のものであるか否かの問い合わせは遊技場において積極的に行われるものと考えられ、かかる問い合わせに付随させて流通先の遊技場の情報を送信させることで、流通先の遊技場の情報の送信漏れが発生しづらくなることが期待され、管理対象の所在の管理をより確実に行うことが可能となる。
特徴5.前記送信手段は、前記再流通に際しての前記判断のために前記識別情報が送信される前記データ保管手段への送信経路に、前記遊技場及び前記データ保管手段のいずれでもない中間機関(販売会社の管理組合SG、メーカの管理組合MG)が含まれるように、前記識別情報の送信を行うことを特徴とする特徴2乃至4のいずれか1に記載の遊技機の管理システム。
特徴5によれば、管理対象が中古品として流通されることを中間機関において把握させることが可能となり、管理対象の流通管理を厳重に行うことが可能となる。
特徴6.前記送信手段は、前記管理対象が設置されている遊技場において当該管理対象を正常な状態で使用するために前記識別用部材から前記情報読み取り装置により読み取られた識別情報を前記データ保管手段に送信する場合、前記中間機関を含まない他の送信経路により前記識別情報の送信を行うことを特徴とする特徴5に記載の遊技機の管理システム。
特徴6によれば、管理対象が設置されている遊技場において日常的に行われる不正の有無の確認については中間機関が介在しないようにすることで、管理対象の流通管理を厳重に行えるようにしつつ、上記日常的な確認の作業効率を向上させることができる。
特徴7.前記管理対象ごとに前記識別用部材を複数取り付け、それら複数の識別用部材ごとの識別情報をすべて対応付けて前記管理データが作成されており、
さらに、前記送信手段は、前記情報読み取り装置により前記複数の識別用部材の識別情報を読み取って前記データ保管手段に送信するとともに、その送信を行う場合、同一管理対象ごとに分類した状態で前記識別情報を送信することを特徴とする特徴2乃至6のいずれか1に記載の遊技機の管理システム。
特徴7によれば、複数の識別用部材の識別情報によって遊技機の管理が行われるため、その管理の信頼性を高めることができる。また、データ保管手段に識別情報が送信される場合、同一管理対象ごとに分類された状態で識別情報が送信され、さらに管理データは複数の識別用部材ごとに識別情報がすべて対応づけて作成されている。よって、管理対象単位で識別情報と管理データとの照合が行われ、管理対象ごとに識別情報が複数設定された構成においてデータ保管手段における正規のものであるか否かの判断を円滑に行うことができる。
特徴8.前記複数の識別用部材において、各識別用部材ごとに付与した識別情報の情報形態が異なるものを含むことを特徴とする特徴7に記載の遊技機の管理システム。
特徴8によれば、各識別用部材において、識別情報の情報形態が異なったものを含ませることにより、識別用部材の偽造を困難なものとすることができる。
特徴9.前記データ保管手段において前記管理対象が正規のものであると判断された旨の情報を返信するための返信手段(メーカ側の通信部312、確認証明シール351)を有することを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機の管理システム。
特徴9によれば、管理対象の流通先の遊技場や管理対象を中古品として取り扱う業者などは正規のものであると判断された旨の情報をデータ保管手段側から受けることで、中古品として流通する管理対象が正規のものであるかを把握することができる。
特徴10.前記データ保管手段において前記管理対象が正規のものであると判断された場合に付与される確認証明手段(確認証明シール351)を有することを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機の管理システム。
特徴10によれば、管理対象の流通先の遊技場や管理対象が正規のものであるか否かを監視する監視機関は、確認証明手段の有無などを確認することで、中古品として流通した管理対象が正規のものであるかを把握することができる。よって、中古品として流通した後の管理対象が正規のものであるか否かの確認を容易に行うことができる。
特徴11.前記確認証明手段は、その付与の対象となった前記再流通と、当該確認証明手段の付与に係る前記管理対象に対して行われる他の再流通とを区別することが可能な情報(表示部351a〜351d)を有することを特徴とする特徴10に記載の遊技機の管理システム。
特徴11によれば、管理対象が複数回に亘って繰り返し流通することとなる場合であって後側の回の流通に際してデータ保管手段に対する問い合わせが行われていない場合であっても、いずれのタイミングの再流通までが正規に行われているかを、確認証明手段を通じて把握することができる。
特徴12.前記識別用部材として、前記識別情報を記憶保持するICチップ(ICチップ171)と、その識別情報を発信するアンテナ部材(アンテナ部材172)とを備えた電子タグ(ICタグ163)が用いられていることを特徴とする特徴1乃至11のいずれかに記載の遊技機の管理システム。
特徴12によれば、電子タグにおいて、アンテナ部材によって識別情報の送信が可能となっている。この場合、情報読み取り装置によって、非接触で識別情報の読み取りが可能となる。
特徴13.一方の面に粘着層(粘着層162)を有するとともに前記管理対象への貼付状態から剥がす際にその応力に伴い破損が生じる程度の脆弱性を有するベースシート(ベースシート161)の粘着層側に、長尺状をなす前記アンテナ部材を直線状、略直線状又は弧状に曲げた状態で前記電子タグを貼り付けてシール部材(封印シール160)が構成されているとともに、そのシール部材が前記管理対象に貼り付けられていることを特徴とする特徴12に記載の遊技機の管理システム。
特徴13によれば、電子タグを、ベースシートに覆われるようにして管理対象に貼り付けることができ、同電子タグの保護を図ることができる。また、ベースシートは一旦貼り付けた後は、剥がす際の応力により破損するため、その破損に伴って長尺状のアンテナ部材にも破損が生じる。したがって、シール部材を剥がす場合には電子タグの破損を招くこととなり、電子タグを取り出そうとする不正行為が抑制できる。
特徴14.前記管理対象は、複数に分割可能な基板ボックス(基板ボックス102)内に制御基板(主制御基板101)を収容して構成された制御装置(主制御装置92)であり、前記基板ボックスの分割部分を跨ぐようにして前記シール部材が貼り付けられていることを特徴とする特徴13に記載の遊技機の管理システム。
特徴14によれば、基板ボックスの分割部分を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられているため、制御基板の取り出しや、基板ボックス内への不正な電子部品の装着などを目的として基板ボックスを開放する場合には、シール部材を一旦剥がさなければならない。そのため、上記のとおりシール部材を剥がすことに伴い電子タグの破損が生じ、その後の電子タグの使用を不可とすることができる。これにより、不正行為の発見が可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。