JP2010539951A - イメージング可能なげっ歯類動物喘息モデル - Google Patents

イメージング可能なげっ歯類動物喘息モデル Download PDF

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Abstract

イメージング可能なげっ歯類動物喘息モデルを記載する。本発明は、アレルゲンに対して感作された蛍光標識リンパ球が与えられた、喘息のげっ歯類動物モデルを提供し、ここで該リンパ球は該アレルゲンによる喘息応答の誘導後にモニターされうる。該げっ歯類動物喘息モデルにおける蛍光標識細胞の移動をモニターするための方法も提供する。該げっ歯類動物喘息モデルを使用して、喘息応答を調節する候補薬物の有効性を判定するための方法も提供する。

Description

関連出願
本出願は、2007年10月1日付け出願の米国仮特許出願第60/976,749号(その全体を参照により本明細書に組み入れることとする)からの35 U.S.C § 119(e)に基づく優先権を主張するものである。
技術分野
本発明は喘息のげっ歯類動物モデルに関する。より詳しくは、本発明は、喘息応答の誘導後に細胞移動がモニター可能な蛍光標識細胞を有する、喘息のげっ歯類動物モデルに関する。該げっ歯類喘息モデルを使用して、喘息応答を調節する候補薬物の有効性を判定するための方法をも提供する。
背景技術
喘息は、気道におけるTh2駆動性炎症により特徴づけられる免疫疾患である。気道過敏症(AHR)、および気道粘液の産生の亢進を伴う、気管支周囲腔における炎症が、喘息の主な特徴である。
喘息応答後の多様な細胞事象を研究するために喘息のマウスモデルが広く使用されている。喘息のオボアルブミン(OVA)チャレンジモデルは、この疾患の基礎をなす発病メカニズムに対する我々の理解を深めるための、および新規治療標的を同定するための、多数の機会を提供する(Kumarら, Curr Drug Targets 2008; 9:485-94)。唯一の「古典的」モデルが存在するわけではない。なぜなら、マウス系統の選択、感作方法、チャレンジの経路および持続時間ならびに宿主の応答を評価する手法に関して多数の選択肢が存在するからである。マウスにおける喘息の「古典的」OVAチャレンジモデルの、Kumarらによる総説は、マウス系統、経路、チャレンジの用量および持続時間ならびに感作方法に基づき、広範な喘息のOVAチャレンジマウスモデルを総括している。最近、臨床的に関連のあるアレルゲンによるアレルギーおよびアレルギー性喘息の種々のマウスモデルが開発された(Fuchs & Braun, Curr Drug Targets 2008; 9:495-502)。
肺アレルギー疾患の抗原誘発性マウスモデルは、肺における炎症経路の遺伝的解析において特に有益であることが判明している。Kungらは、マウスにおける重篤な肺好酸球増加症を誘発するための方法を開発し、血液および骨髄における好酸球の数ならびにコルチコステロイド治療に対する応答を調べた(Kungら, Int Arch Allergy Immunol. 1994; 105:83-90)。動物をミョウバン沈降OVAで感作し、12日後(この時点で血清IgEレベルが有意に上昇した)、エアゾール化OVAでチャレンジした。チャレンジの4〜8時間後、骨髄および末梢血においては好酸球数の中等度の上昇が認められたが、肺組織および気管支肺胞洗浄(BAL)液においては少数の好酸球しか観察されなかった。チャレンジの24時間後、骨髄においては好酸球の顕著な減少が認められたが、肺の血管周囲および気管支周囲領域においては好酸球の数がピークに達した。チャレンジの48時間後、BAL液において最高数の好酸球が見出され、これはその区画内の全細胞の80%超を占めた。肺組織およびBAL液における好酸球の高いレベルは2〜3日間持続し、ついで、より軽度だが持続的な好酸球増加が更に10日間続いた。非感作動物はBAL液、肺、血液または骨髄の好酸球数における有意な変化を示さなかった。組織病理学的評価は、上皮損傷、内腔における過剰な粘液および気道の粘膜下組織における浮腫を示した。
Pauwelsらは、吸入抗原に対するIgE抗体の存在、好酸球数の上昇を伴う気管支周囲浸潤物および非抗原性気管支収縮剤の刺激に対する気道応答性の亢進により特徴づけられるアレルギー性気道炎症のマウスin vivoモデルを開発した(Pauwelsら, Am. J. Respir. Crit. Care Med. 1997; 156:S78-S81)。C57 Black 6(C57Bl/6)マウスを、第0日に、1mgのミョウバンに吸着された10μgのOVAの腹腔内注射により能動感作し、第14日から第21日まで毎日30分間にわたってエアゾール化OVAに曝露した。第22日に、主として単核細胞および好酸球よりなる気管支周囲および細気管支周囲混合細胞浸潤物の存在により特徴づけられる気道炎症を実証することができた。これは、これらの動物から回収されたBAL液における好酸球数の増加により示された。さらに、この炎症応答はカルバコールに対する気道応答性の亢進を伴っていた。該感作および曝露動物の血清においてオボアルブミン特異的IgE抗体を示すことができた。
免疫調節における変化が気道過敏症の発生において重要であるという、多数の記述的ヒトデータにより示唆されている可能性を調べるために、抗原誘発性気道過敏症および炎症のin vivoマウスモデルが開発された(Gavettら, Am J Respir Cell Mol Biol. 1994; 10:587-93)。A/Jマウスは、ヒツジ赤血球での腹腔内感作および気管内チャレンジの後、気道過敏症および肺炎症細胞数の顕著な増加を示した。注目すべきことに、好酸球が該炎症浸潤物の主要成分であった。病理学的側面および機能的側面の両方におけるCD4+Tリンパ球に対するこれらの現象の依存性が、抗CD4mAb GK1.5を使用するCD4+細胞のin vivo枯渇により調べられた。GK1.5は、抗原チャレンジ前に投与された場合、気道過敏症および好酸球の浸潤の両方を完全に妨げた。このモデルはCD4+Tリンパ球に対する気道過敏症の依存性の最初の直接的実証となるものであり、その結果は、好酸球がこの応答のエフェクターであるという可能性と合致している。
米国特許出願第11/568,896号(公開番号US 2008-0172751)は、OVAおよび二本鎖RNA(dsRNA)により誘発されたCOPDおよびTh1喘息のマウスモデルを記載している。合成dsRNAポリイノシン酸-ポリシチジル酸(PolyIC, Sigma, USA)およびOVAを鼻腔内に単独で又は一緒に4回投与することにより、BALB/cマウス(Jackson Lab, USA)が感作された。10日後、喘息を誘発するために、該マウスがOVAの鼻腔内投与によりチャレンジされた。得られたマウスはTh1喘息マウスと命名された。陰性対照マウスにはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のみが投与された。
米国特許第6,215,040号は、肺上皮においてIL-5を構成的に発現してその結果として気管支周囲好酸球の劇的な蓄積および顕著な病理学的変化(気管支関連リンパ組織(BALT)の拡大、杯細胞過形成、上皮肥大および限局性コラーゲン沈着を含む)を引き起こしたトランスジェニックマウスを記載している。驚くべきことに、これらの変化は気道内腔内への顕著な好酸球浸潤を伴っていなかった。このように、IL-5のみ(すなわち、抗原誘発性肺炎症の非存在下)の肺特異的発現は、アレルギー性呼吸器疾患に関連した病理学的変化の多くを誘発しうる。さらに、これらのマウスは、メタコリンチャレンジに応答してAHRを示した。したがって、AHRは、好酸球による気道内腔の広範な浸潤を伴うことなく生じうる。
急性または慢性のアレルゲン曝露(後者はヒトの状況をより厳密に模擬するためのものである)により同じアレルゲンの感作を受けたマウスにおいて、アレルギー性喘息の2つの新規モデルが開発された(Fernandez-Rodriguezら, Int Immunopharmacol. 2008; 8:756-63)。急性モデルでは同じ日に2回、そして慢性モデルでは6週間にわたって18回のOVA吸入により、OVA感作マウスをチャレンジした。最終チャレンジの直後に12時間までにわたって、意識のある非拘束マウスにおいて肺機能がモニターされた。チャレンジの24時間後、吸入メタコリンに対する気道応答性および血清抗体レベルが測定された。2時間または24時間の時点で、気管支肺胞炎症細胞のリクルートメントが測定された。急性および慢性処理マウスは、それぞれ2時間および7〜8時間の時点でピークに達する類似した初期および後期喘息応答を示した。ナイーブマウスと比較した場合のIgEおよびIgG抗体レベル、ならびにナイーブおよび生理食塩水チャレンジと比較した場合の好酸球浸潤が評価された。両方のモデルにおいて、チャレンジの24時間後にメタコリンに対する気道過敏反応性が観察された。急性モデルはより高いレベルの好酸球増加を示したが、慢性モデルはより低い用量のメタコリンに対する過敏反応性を示し、またより高いレベルの全IgEおよびオボアルブミン特異的IgG抗体を示した。アレルギー性喘息の両方の新規マウスモデルはヒト喘息に対する酷似性を有し、それぞれは、喘息の基礎をなすメカニズムを研究するための、ならびに既存および新規治療剤を評価するための格別の利点をもたらす。
喘息のマウスモデルは、アレルギー性炎症および基礎をなす免疫応答の基本メカニズムの研究に極めて有用であることが判明している。多数の研究が、喘息におけるCD4+ 2型ヘルパーT(Th2)細胞および好酸球の決定的な役割を明らかにした。CD4+ Th2細胞は全ての喘息患者の気道に存在すると考えられており、主要サイトカイン、例えばIL-4およびIL-13ならびにIL-5およびIL-9を分泌する。通常のCD4+ T細胞は外因性抗原を認識し、肺においてアレルギー性炎症を開始させ、喘息のマウスモデルにおいては、CD4+細胞の排除はAHRの発生を無効にする。同様に喘息炎症の発症に決定的に重要なものとして、いわゆるTh2サイトカイン、特にインターロイキン(IL)-5およびIL-13が挙げられる(例えば、Nakajimaら, Am. Rev. Respir. Dis. 1992; 146:374-377; Wills-Karpら, Science 1998; 183:195-201を参照されたい)。
Th2駆動性免疫応答は喘息の発生において非常に重要であるが、Th2応答自体は喘息の誘発に十分なものではない。喘息における調節性細胞の役割のよりよい理解は新規治療標的の同定につながる可能性がある。臨床研究の大多数において、肺好酸球は炎症浸潤物の主要特徴として認識されており、これは、しばしば、疾患の重症度と相関している。最近、喘息の発症における好酸球の関与に益々多大な関心が持たれつつある(Weller, P.F., Curr. Opin. Immunol. 1994; 6:85-90)。Th3細胞、TR細胞、CD4+CD25+細胞およびNKT細胞を含む或る範囲のCD4+ T細胞はこの疾患の調節において決定的な役割を果たしている。ナチュラルキラーT(NKT)細胞欠損マウスを使用して、Akbariらは、Vα14i NKT細胞の非存在下では、喘息の主要特徴であるアレルゲン誘発性気道過敏症(AHR)が生じないことを示している(Akbariら, Nat. Med. 2003; 9:582-588)。したがって、肺Vα14i NKT細胞は、喘息の発生および名目上の外因性抗原に対するTh2偏向呼吸器免疫を決定的に調節している。Miyaharaらは、エフェクターCD8+ T細胞の、AHRの発生および気道炎症(これらはそれらのTc2型サイトカイン産生および肺内へのそれらの遊走能に関連づけられうる)における重要な役割を示唆している(Miyaharaら, Nat. Med. 2004; 10:865-869)。Wyssらは、BALB/cマウスにおいて生じたオボアルブミン誘発性アデノシン過敏症のモデルを記載しており、ここで、彼らは、マウスにおける該アデノシン誘発性過敏症がマスト細胞依存性であると結論づけた(Wyssら, Br J Pharmacol. 2005; 145: 845-852)。
喘息の種々の動物モデルが先行技術において記載されているにもかかわらず、喘息肺内への抗原特異的Th2細胞の遊走および動態に関する情報は不十分である。これは、1つには、特にin vivoでの喘息肺における細胞移動(細胞トラフィッキング)のモニターの際に遭遇する困難さによるものである。一般的アプローチは、気管支肺胞洗浄(BAL)液における総細胞数および各細胞の百分率を特定することである。しかし、短期間の高レベルチャレンジモデルにおける好酸球の数および百分率の増加は、患者において生じるものを反映しない。組織切片における炎症応答の評価はより信頼性の高いものであるが、長時間を要する。したがって、喘息肺におけるin vivoでの細胞移動の容易なモニターを可能にする喘息動物モデルが当技術分野において渇望されている。
蛍光タンパク質が蛍光標識としてかなり前から使用されている。最初に単離されたタンパク質は緑色波長の光を発し、緑色蛍光タンパク質(GFP)と呼ばれるようになった。このため、緑色蛍光タンパク質はそのような蛍光タンパク質全般に関する一般的標識となったが、とりわけ、赤色蛍光タンパク質(RFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)および黄色蛍光タンパク質(YEP)を含む種々の色のタンパク質も製造されている。これらのタンパク質の性質は、例えば米国特許第6,232,523号、第6,235,967号、第6,235,968号および第6,251,384号に記載されている。これらの特許は、簡便な腫瘍モデルであるトランスジェニックげっ歯類動物における腫瘍の増殖および転移をモニターするための、種々の色の蛍光タンパク質の使用を記載している。
腫瘍における腫瘍血管新生およびリンパ球の浸潤を含む腫瘍-間質相互作用の二色可視化を可能にする、GFPトランスジェニックマウスにおけるRFP発現腫瘍に基づく腫瘍-宿主相互作用の二色蛍光イメージングモデルが記載されている。ニワトリベータ-アクチンプロモーターおよびサイトメガロウイルスエンハンサーの制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウスが宿主として使用された(Okabeら, FEBS Lett 1997; 407:315-319)。このトランスジェニック系統からの組織の全ては青色励起光下で緑色の蛍光を発する。RFP発現B16F0(B16F0-RFP)マウスメラノーマ細胞にpLNCX2-DsRed-2-RFPプラスミドが形質導入された。該B16F0-RFP腫瘍およびGFP発現宿主細胞は同時に明瞭にイメージングされることが可能であった。高分解能二色イメージは単一細胞レベルまでの腫瘍細胞と宿主組織との分離を可能にした。GFPを発現する繊維芽細胞、腫瘍浸潤性リンパ球、樹状細胞、血管および毛細管を含む宿主細胞がRFP発現腫瘍細胞から容易に識別可能であった。この二色蛍光イメージング系は、腫瘍増殖および腫瘍血管新生の際の腫瘍-宿主相互作用を理解するための研究を促進するはずである。該二色キメラ系は、治療および診断/分析を目的として、腫瘍浸潤性リンパ球および腫瘍と相互作用する他の宿主間質細胞を分析し単離するための有力な手段をも提供する。前記の参考文献を参照により本明細書に組み入れることとする。
最近、YangらはGFP発現腫瘍および転移の全身光学的イメージングを行った(Yangら, Proc. Natl. Acad. Sci. (U S A) 2000; 97:1206-11)。Yangらは、生きたマウスにおいて増殖および転移している蛍光腫瘍をリアルタイムでイメージングした。該全身光学的イメージング系は外的かつ非侵襲性である。それは、無傷動物における悪性疾患の増殖および拡大の、前例のない連続的視覚的モニタリングをもたらす。Yangらは、非常に高いレベルのオワンクラゲ(Aequorea victoria)GFPを安定に発現する新規ヒトおよびげっ歯類腫瘍を確立し、これらを適当な動物に移植した。B16F0-GFPマウスメラノーマ細胞を6週齢C57BL/6およびヌードマウスの尾静脈または門脈内に注射した。全身光学的イメージは、脳、肝臓および骨の各器官における腫瘍増殖のリアルタイム定量的測定に使用したB16F0-GFPの脳、肝臓および骨における転移病変を示した。AC3488-GFPヒト結腸癌を外科的にヌードマウス内に正位移植した。全身光学的イメージは該一次結腸腫瘍の増殖ならびに肝臓および骨格におけるその転移病変をリアルタイムで示した。イメージングは、透過型落射蛍光(trans-illuminated epifluorescence)顕微鏡または蛍光ボックスおよび熱電的冷却色電荷結合デバイス(CCD)カメラによるものであった。転移および微小転移がイメージングされうる深度はそれらのサイズに依存した。深度0.5mmにおいて直径60μmの腫瘍が検出可能であり、一方、深度2.2mmにおいて1,800μmの腫瘍が可視化可能であった。強力なGFP蛍光により可能となった、増殖中の腫瘍の簡単な非侵襲的高選択的イメージングは、腫瘍の増殖および転移形成の詳細なイメージングを可能にする。これは、潜在的化学療法剤による抑制を含む癌増殖のモジュレーターの研究を促進するはずである。前記で示した全身外的蛍光光学的イメージング技術は米国特許第6,649,159号に開示されている。
発明の開示
本発明は、喘息応答の誘導後に細胞移動がモニター可能な蛍光標識細胞を有する、喘息のげっ歯類動物モデルに関する。該モデルは、アレルゲンで感作された蛍光標識リンパ球が与えられたげっ歯類動物であり、該リンパ球は該アレルゲンに対する喘息応答の誘導後に検出可能である。もう1つの態様においては、本発明は、げっ歯類動物喘息モデルにおける細胞移動(細胞トラフィッキング)をモニターするための方法に関する。さらにもう1つの態様においては、本発明は、該げっ歯類動物モデルを使用して、該喘息応答を引き起こす該蛍光細胞の移動を特異的に抑制する薬物を探索することにより、抗喘息薬に関してスクリーニングするための方法に関する。
OVA誘発性アレルギー性喘息における肺内へのGFP+ CD4+ T細胞浸潤の二色可視化。 OVA誘発性アレルギー性喘息における肺内へのGFP+ CD4+ T細胞浸潤の二色可視化。 OVA誘発性アレルギー性喘息における肺内へのRFP+ CD4+ T細胞浸潤の二色可視化。 OVA誘発性アレルギー性喘息における肺内へのCD8+ T細胞浸潤の可視化。 肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 蛍光イメージングによる肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 蛍光イメージングによる肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 蛍光イメージングによる肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過およびデキサメタゾン抑制。 OVA誘発性アレルギー性喘息における肺内へのOT2-Th2細胞蓄積の可視化。 アレルゲンチャレンジ後の炎症病巣およびGFP+ Th2細胞病巣の組織学的および免疫組織化学的分析。
発明の実施の態様
本発明において有用な手段は、参照により本明細書に組み入れる前記の刊行物、米国特許、特許出願に記載されている。全身イメージング、本発明において有用な蛍光タンパク質の性質および動物全体の標識方法はこれらの文書に記載されている。
誤解を避けるために、「蛍光タンパク質」なる単純な語が用いられ、一般に、これは、それぞれ赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)またはコバルト色蛍光タンパク質(CFP)により示される赤色、黄色およびコバルト色のような種々の可視色の蛍光を発しうる、種々の生物、例えばレニラ(Renilla)およびエクオレア(Aequorea)により産生される蛍光タンパク質、ならびにこれらの天然蛍光タンパク質の改変形態を意味すると理解される。一般に、「蛍光タンパク質」および「GFP」または「RFP」なる語は互換的に用いられる。
本発明は、アレルゲンで感作された蛍光標識リンパ球が与えられた、喘息のげっ歯類動物モデルを提供し、該リンパ球は該アレルゲンに対する喘息応答の誘導後に検出可能である。
特定の実施形態においては、該蛍光標識リンパ球はTリンパ球でありうる。もう1つの特定の実施形態においては、該蛍光標識リンパ球はCD4+ Tリンパ球でありうる。さらにもう1つの特定の実施形態においては、該蛍光標識リンパ球はTh2細胞でありうる。
前記文献に記載されている喘息応答を誘導するためのプロトコールはいずれもこのモデルにおいて利用可能である。該げっ歯類動物は、例えばマウスまたはラットでありうる。適当なマウス系統はBALB/c、C57BL/6、B6D2F1/J、A/J、CBA/Jなどでありうる。チャレンジおよび感作のためのアレルゲンはOVA、OVAペプチド、ヒツジ赤血球、dsRNA、ゴキブリ(rBla g2)、室内塵ダニ(rDer f1)、室内塵ダニ抽出物、オリーブ花粉(天然および組換えOle e1)、Aspergillus fumigatus抽出物、チモシー花粉(rPhl p5)、カバノキ花粉(rBet v1)、ライグラス花粉(Lol p1)、オリーブ花粉抽出物、Alternaria alternate抽出物、Cladosporium herbarum胞子、Dermatophagoides pteronyssinus抽出物、熱凝固鶏卵白など、またはこれらの任意の組合せでありうる。チャレンジの経路は、吸入もしくは気管内、鼻腔内、腹腔内または皮下注射などでありうる。
特定の実施形態においては、該蛍光標識細胞は、蛍光タンパク質を遍在的に又は細胞の小集団において発現するドナーマウスに由来する。該ドナーマウスは、レシピエントマウス内に導入される蛍光標識細胞を回収する前に感作されうる。感作は、アジュバントを用いてまたは用いないで、前記列挙したアレルゲンのいずれか又はその任意(いずれか)の組合せで行われうる。使用されるアジュバントは、ミョウバン、HDM/CFA(CFA = 完全フロイントアジュバント)、IFA(IFA = 不完全フロイントアジュバント)、PT(PT = 百日咳毒素)など、またはその任意(いずれか)の組合せでありうる。感作の経路は腹腔内、鼻腔内、気管内または皮下注射などでありうる。
もう1つの特定の実施形態においては、該蛍光標識細胞は、2つの異なる蛍光タンパク質を発現する2つのドナー動物に由来する。一方のドナーは感作され、他方のドナーは感作されず、対照として使用される。それらの2つの異なって標識された細胞集団は同一レシピエント動物に導入され、それらの移動(トラフィッキング)は前記の二色蛍光イメージングにより同時にモニターされうる。
本発明は更に、候補抗喘息薬の有効性を判定するための方法を提供し、この方法は、該喘息げっ歯類動物モデルに物質を投与し、ついで細胞移動に対する抑制効果をモニターすることによるものである。該候補物質の投与は、喘息応答を誘導するための該動物に対するチャレンジの前、後または同時に行われうる。二色蛍光イメージングは、偽陽性体を選別除去するために感作および対照細胞集団に対する該候補物質の効果をモニターするために用いられうる。
細胞移動は、切除された組織切片において、または生きた組織においてex vivoで、または生きた動物においてin vivoでモニターされうる。生きた動物のin vivoモニターのために、内視鏡検査または全身蛍光イメージングが行われることが可能であり、これは後記の節において更に詳しく説明される。
本発明の種々の態様において使用される標識は蛍光タンパク質である。このクラスにおける重要なタンパク質であるGFPをコードする天然遺伝子は、生物発光クラゲであるオワンクラゲ(Aequorea victoria)からクローニングされている(Morinら, J. Cell Physiol. 1972; 77:313-318)。該遺伝子が利用可能となったことにより、遺伝子発現に関するマーカーとしてGFPを使用することが可能となった。元のGFP自体は、27kDの分子量を有する283アミノ酸のタンパク質である。それは、蛍光を発するためにその天然源由来の追加的タンパク質を必要とせず、また、その天然源においてのみ入手可能な基質も補因子も必要としない(Prasherら, Gene 1992; 111:229-233; Yangら, Nature Biotechnol. 1996; 14:1252-1256; Codyら, Biochemistry 1993; 32:1212-1218)。元のGFP遺伝子の突然変異体は、発現を増強し励起および蛍光を改変して赤色、青色などの種々の色の「GFP」を得るのに有用であることが判明している。GFP-S65T(この場合、65位のセリンがトレオニンで置換されている)は本発明の方法において特に有用であり、490nmにおける単一の励起ピークを有する(Heimら, Nature 1995; 373:663-664; 米国特許第5,625,048号)。他の突然変異体もDelagradeら, Biotechnology 1995; 13:151-154; Cormackら, Gene 1996; 173:33-38; およびCramerら, Nature Biotechnol. 1996; 14:315-319に開示されている。また、追加的な突然変異体が米国特許第5,625,048号に開示されている。適当な改変により、GFPにより発せられる光のスペクトルが改変されうる。したがって、「GFP」なる語が本出願においてしばしば用いられるが、この定義に含まれるタンパク質は、必ずしも、外観が緑色であるわけではない。種々の形態のGFPが緑色以外の色を示し、これらも「GFP」の定義に含まれ、本発明の方法および材料において有用である。また、本明細書における「GFP」の定義に含まれる緑色蛍光タンパク質はウミシイタケ(Renilla reniformis)のような他の生物からも単離されていることが留意されたい。本発明において有用な感染因子を修飾するために、天然および突然変異の両方の形態の任意の適切かつ簡便な形態のGFPが使用されうる。
本発明の方法は、好ましくはいかなる侵襲的技術も要することなく被験体において蛍光が認められうる十分な蛍光強度の、蛍光標識細胞を使用する。リアルタイム観察の可能性のため全身イメージングが好ましいが、例えば内視鏡検査技術も利用可能であり、あるいは、所望により、直接的または組織化学的観察のために組織または器官が切り取られうる。
内視鏡検査および個々の組織の切除も行われうるが、蛍光イメージングにより無傷動物における細胞の遊走を可視化することが特に便利である。これは、特に、モデル系において、潜在的抗喘息薬およびプロトコールの評価において、連続的に細胞移動のリアルタイム観察およびモニターをすることを可能にする。例えば、候補薬物またはプロトコールが適用された試験動物において直接的に観察される、該薬物もプロトコールも適用されていない対照と比較した場合の細胞移動の抑制は、該候補の効力、および治療手段としてのその可能性を示す。喘息の治療が行われている被験体において、蛍光イメージングが利用可能であることにより、治療プロトコールの立案者が、該プロトコールの改変又は非改変の妥当性を連続的に知ることが可能となる。
蛍光イメージング(Yang, M., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2002; 99:3824-3829を参照されたい)
最初の低分解能イメージングには、水銀50Wランプ電源を備えたLeica蛍光実体顕微鏡モデルLZ12が使用される。GFPおよびRFP蛍光の両方を同時に可視化するために、D425/60バンドパスフィルターおよび470 DCXRダイクロイックミラーを通して励起をもたらす。発せられた蛍光はロングパス(long pass)フィルターGG475(Chroma Technology, Brattleboro, VT)を通じて集められる。微小イメージングはライトボックス(Lightools Research, Encinitas, CA)内で行われる。GFPおよびRFP腫瘍の両方の蛍光励起は、スリット型光ファイバーを使用して光学干渉フィルター(440+/-20 nm)を通してライトボックスにおいて生じさせる。蛍光は520nmロングパスフィルターを通じて観察される。顕微鏡およびライトボックスからの画像はHamamatsu C5810 3-チップ冷却カラーCCRカメラ(Hamamatsu Photonics Systems, Bridgewater, NJ)で取り込まれる。レーザーに基づくイメージングは、Spectra Physicsモデル3941-M1BB二重光子レーザー、Photon Technology Intl. モデルGL-3300窒素レーザーおよびPhoton Technology Intl. モデルGL-302色素レーザーを使用して行われる。画像は、コントラストおよび輝度に関して処理され、Image Pro Plus 4.0ソフトウェア(Media Cybernetics, Silver Springs, Maryland)を使用して分析される。1024×724ピクセルの高分解能画像が、IBM PC上で直接的に、あるいは高分解能Sony VCRモデルSLV-R1000(Sony Corp., Tokyo Japan)でビデオ出力を通じて連続的に取り込まれる。
多光子共焦点顕微鏡検査(Wangら, Cancer Res. 2002; 62:6278-6288)
二重光子レーザー(Spectra-Physicsモデル3941-M1BB)はまた、GFP蛍光の最適波長である960nmにおいてRadiance 2000多光子系(Bio-Rad, Hercules, CA)と共に使用される。その画像は、Bio-RadのLasersharp 2000ソフトウェアを使用して集められる。励起は、観察される光学的部分にのみ限局される。焦点面以外においては960nmにおいて発蛍光団の励起は生じないであろう。Millenia, Tsunami Ti:Sapphireレーザー(Spectra Physicsモデル3941-M1BB二重光子レーザーのアクセサリである)はRFP多光子イメージングのための長波長光学系(1,000nmを超える)を有する。画像は、Image Pro Plus 4.0ソフトウェアを使用して処理される。
スペクトル分解
スペクトルイメージングは、GFP標識細胞のものからRFPシグナルを「純化(unmix)」するための、各ピクセルごとの高分解能光学スペクトルを含有する画像の生成である。標準的なGFP-マウスイメージング系(ロングパス発光フィルター)は、通常のカラーカメラを、冷却モノクロカメラ(Roper Scientific CCD熱冷却デジタルカメラ)および通常のマクロレンズの前に配置された液晶同調可能フィルター(CRI, Inc., Woburn, MA)と交換することにより改変される。典型的には、一連のイメージは500nmから650nmまで10nmごとに採取され、メモリー内でスペクトル「スタック」へと自動的に構築される。予め決められたGFPまたはRFPおよび自己蛍光スペクトルを用いて、基本的に黒色のバックグラウンドに対して今や視認可能な自己蛍光シグナルのみ又はGFPもしくはRFPシグナルのみを含有する画像を生成する線形結合ケモメトリックスに基づくアルゴリズムを使用して、画像は別々の画像へと分解されうる。スペクトル自己蛍光減算を用いて、シグナル 対 ノイズ比の改善により感度が増強される。非侵襲的かつ高選択的なイメージングを可能にするGFPまたはRFP標識細胞によりもたらされる利点は、肺のような深部器官における細胞移動をイメージングするための波長選択的イメージング技術および分析を用いることにより更に改善される(私信, Richard Levenson, CRI, Inc., Woburn, MA)。
イメージングの深度
内臓での単一細胞または顕微鏡的細胞コロニーの外的可視化が本出願の目的の1つである。この倍率のイメージングは、励起光および放出光の散乱を軽減することを要する。生きた動物における、より深部への透過のためには、多光子および単光子レーザーが使用されるであろう。該多光子レーザーと共に共焦点顕微鏡検査も用いられるであろう。相対的に高い波長の励起光、すなわち、約470nm(GFP二重光子では960nm、そしてRFP二重光子では1,220nm)は組織を損傷しないであろう。該多光子共焦点系は照射領域を高度に限定して、宿主組織を更に防護するであろう。皮弁(skin-flap)も散乱を著しく軽減し、これは外的単一細胞イメージングを可能にすることを本発明者らは既に示している。長波長Ds-Red-2-RFPの使用も散乱を軽減する。
以下の実施例は本発明を例示するために記載されており、本発明を限定するものではない。
A.方法
マウス。C57BL/6をCharles River Laboratoriesから購入した。増強されたGFPを全身に発現するC57BL/6-Tg(CAG-EGFP)C14-Y01-FM131Osb(GFP Tg, C57BL/6バックグラウンド)マウス(Okabeら, FEBS Lett. 1997; 407:313-319)はオカベ博士(大阪大学, 日本)により供与された。OVA特異的TCRαβトランスジェニック(OT2 Tg)マウスを特定病原体不含条件下で維持した。全ての動物の飼育は千葉大学およびアンチキャンサー社の指針に従い行った。
in vitro Th2細胞分化培養。細胞選別により精製されたGFP×OT2 Tg CD44lowCD4+ T細胞(2×105)を、既に記載されているように(Hasegawaら, J Immunol. 2006; 176:2546-2554)、外因性IL-4の存在下、抗原性OVAペプチド(Loh 15, 1μM)および照射済(3000rad)C57BL/6抗原提示細胞(1×106)で刺激した。
OVA感作、細胞導入およびOVA吸入。GFPまたはRFP Tgマウスを4mgの水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)中の250μgのOVA(Sigmaから入手した鶏卵アルブミン)で第0日および第7日に腹腔内免疫した。OVA感作GFPまたはRFP Tgマウスからの脾臓CD4+ T細胞を、CD4+ T細胞単離キット(Miltenyi Biotec)を使用する磁気的ネガティブ選択により第14日に単離して、98%を超える純度を得た。これらの細胞(2×107細胞)またはOVA特異的Th2細胞(5×106細胞)を8週齢C57BL/6レシピエントマウスに尾静脈を通じて静脈内導入した。1日後または2日後、超音速ネブライザー(NE-U07, Omron Co. Japan)を使用して該レシピエントマウスに食塩水中のエアゾール化OVA(10mg/ml)を30分間吸入させた。
肺の組織学および免疫組織化学。該OVA吸入後の所定の時点でCO2窒息によりマウスを犠死させ、固定のためにPBS中の10%(v/v)ホルマリンまたは4%(v/v)パラホルムアルデヒドを肺に注入した。肺サンプルを切片化し、H&E試薬で染色し、50倍または200倍の光学顕微鏡下で病理学的変化に関して検査した。肺標本をTissue-Tek OCTコンパウンド内に包埋し、液体窒素中で凍結させ、クリオスタットにより厚さ6μmの切片に切断した。内因性ペルオキシダーゼ活性および非特異的タンパク質結合を、それぞれ0.6%過酸化水素およびBiotin-Blocking System試薬(DAKOCytomation)を使用して順次ブロッキングした。該切片を10μg/mlのハムスター抗GFP mAb(Serotec)と共に4℃で一晩インキュベートし、ついでTBST中で洗浄した。ビオチン化ウサギ抗ハムスターIgGおよびストレプトアビジン-HRPと共に、ついで3,3-ジアミノベンジジン(DAKOCytomation)と共に順次インキュベーションすることにより、結合Abを検出した。ついでスライドを水中で洗浄し、ヘマトキシリンで対比染色した。
肺における細胞移動の可視化。OVA吸入後の種々の時点でCO2窒息によりマウスを殺した。肺を摘出し、OV100 Olympus Whole Mouse Imaging Systemを使用して肺の表面上のGFP+およびRFP+細胞をモニターした。
in vivo動画のためのレーザー走査顕微鏡検査。マウスを麻酔し、気管開口術に付した。肺を顕微外科的に露出させた。右気管支をクリップで留めて、通気による運動を停止させた。左肺を機械的に通気して生存状態を維持した。クリップで留めた右肺をレーザー走査顕微鏡IV100(Olympus Corp.)によりモニターした。488nmアルゴンレーザーを使用した。in vivo動画を作成するために、5秒間隔で40分間にわたってイメージを録画した。焦点領域は、2D領域の50%を超える範囲がGFP+細胞によって占められる部位として定めた。肺における運動細胞は、直径の50%を超えて遊走または伸長するものと定められた。
統計解析。実験データを、標準偏差を伴う平均として表した。2群間の有意性を両側スチューデントt検定により決定した。
B.結果
実施例1
GFP Tgマウスを第0日および第7日にOVA-ミョウバンで感作した。
OVA感作GFP Tgおよび未感作RFP Tgマウスからの脾臓CD4+ T細胞を精製し、第14日に正常C57BL/6に注射した。第15日に、該レシピエントマウスを気道投与によりエアゾール化OVAアレルゲンチャレンジに曝露した。第16日に、肺の表面上のGFP+およびRFP+ CD4+ T細胞をOV100顕微鏡検査によりモニターした(図1a)。
注射直後、肺毛細管内に多数の導入細胞が蓄積した(図1b)。同様の数のGFP+およびRFP+細胞が検出された。細胞導入の1日後、有意な数のGFP+およびRFP+細胞は肺に残存していなかった。しかし、OVA吸入の24時間後、OVA感作マウスからのGFP+ CD4+ T細胞の数が有意に増加し、それらのうちの一部は、CD4+ T細胞のクラスターのように見える病巣を形成した。一方、未感作マウスからのRFP+ CD4+ T細胞の数は増加しなかった(図1b、c)。これらの結果は、OVA吸入後の肺内へのCD4+ T細胞の遊走がOVAでの感作に依存的であることを示している。
該感作CD4+ T細胞をRFPで標識した場合には、これらのみがOVA吸入後に肺内で蓄積し、未感作GFP+ CD4+ T細胞は蓄積しなかった(図2a、b)。これらの結果は、蓄積の相違が蛍光タンパク質依存的ではないことを示している。
OVA感作GFP+ Tgマウスからの脾臓CD8+ T細胞を精製し、レシピエントマウスに注射したところ、それらもOVA吸入後に肺内に蓄積した(図3)。
実施例2
OVA吸入後の肺内のCD4+ T細胞蓄積の時間経過を調べた。
OVA感作GFP Tgマウスからの脾臓CD4+ T細胞をレシピエントC57BL/6マウスに注射し、該レシピエントマウスを、実施例1に記載されているようにしてアレルゲンチャレンジに曝露した。肺の表面上のGFP+ CD4+ T細胞をOVA吸入後の24時間(図4aおよび5a)および72時間(図4bおよび5b)の時点でOV100顕微鏡検査によりモニターした。肺内へのGFP+ CD4+ T細胞の遊走が、まず、OVA吸入の12時間後に検出され、OVA吸入の18〜36時間後に最大数のCD4+ T細胞が検出された。アレルギー性気道炎症においては好酸球浸潤が特徴的であるが、これらの結果は、該アレルゲンチャレンジ後の肺内のCD4+ T細胞蓄積が好酸球の浸潤の前に生じ、該アレルゲンチャレンジの少なくとも72時間後まで持続することを示している。
このイメージング可能なモデルは、喘息肺における炎症リンパ球の遊走をモニターするのに有用である。抗アレルギー薬の有効性を判定するための該モデルの有用性に関する試験として、アレルギー反応を抑制する強力な薬物であるデキサメタゾンを該アレルゲンチャレンジの前に該レシピエントマウスに投与した。
3つの異なる用量(0.4、1および4mg/kg体重)のデキサメタゾンを該OVAチャレンジの1時間前に該レシピエントマウスの腹腔内に注射した。OVA吸入の24時間後、GFP+ CD4+ T細胞をOV100顕微鏡検査によりモニターした。対照と比較した場合の、肺へのCD4+ T細胞浸潤における有意な減少が、用量依存的に生じた(図4cおよび5c)。これらの結果は、デキサメタゾンがアレルギン曝露後の肺内のCD4+ T細胞蓄積を抑制することを示唆している。
デキサメタゾンの抗アレルギー効果の時間枠を試験するために、更なる実験を行った。OVA吸入の1時間前または1日後にデキサメタゾン(4mg/kg)を腹腔内注射し、OVA吸入の48時間後にGFP+ CD4+ T細胞をモニターした。GFP+ CD4+ T細胞の浸潤の数はどちらの場合にも有意に減少した(図4dおよび5d)。これらの結果は、デキサメタゾンが、たとえ気道炎症後に投与された場合であっても、CD4+ T細胞の浸潤を抑制することを示している。
次に、本発明者らは、OVA吸入後の肺内のGFP+ CD4+ T細胞の細胞形態学的変化をIV100顕微鏡検査によりモニターした。肺内の自己蛍光性内皮細胞およびGFP+ CD4+ T細胞が共に可視化された(図5e)。チャレンジされた肺におけるCD4+ T細胞の平均直径は対照より有意に大きかった(図4eおよび5e)。これらの結果は、浸潤性CD4+ T細胞が活性化されることを示している。
実施例3
喘息肺における抗原特異的Th2細胞の動態を調べるために、GFP Tg×OT2 Tgマウス由来のナイーブCD4+ T細胞からOVA特異的Th2細胞をin vitroで誘導した。
まず、本発明者らは、アレルゲンチャレンジ後の肺内のGFP+ OVA特異的Th2細胞の蓄積を確認した。GFP+ OT2-Th2細胞は、OVA一次感作マウス由来のCD4+ T細胞より効率的に、OVA吸入後の肺内で蓄積した(図6)。OT2-Th2細胞による病巣の数は、OVA一次感作 CD4+ T細胞によるものより遥かに多かった(データ非表示)。これらの結果は、OT2-Th2細胞が、抗原吸入後に、より効率的に、肺内のin vitro蓄積を誘導したことを示している。
次に、本発明者らはOVA吸入後のOT2-Th2細胞蓄積の時間経過分析を行った。OVA吸入の6時間後にOT2-Th2細胞は小さな病巣を形成した。OVA吸入の12時間後に該病巣の数およびサイズが増加した。非病巣領域内のGFP+細胞数も増加したが、それはOVA吸入の12時間後までは有意ではなかった。OVA吸入の18時間後に病巣の数が更に増加し、非病巣領域内のGFP+細胞数はOVA吸入の12時間〜18時間後に有意に増加した。OVA吸入の18時間後またはそれ以降、病巣の境界が不明瞭となり、病巣が合体し始めた。
次に、抗原曝露後の肺内のOT2-Th2細胞浸潤の動態を調べた。
OVA吸入前の安定期には、肺に病巣は観察されず、肺内のOT2-Th2細胞の10%のみが運動性であった(表1)。レーザー走査顕微鏡IV100により捕捉されたin vivo動画は、循環OT2-Th2細胞の数が14.7±1.5細胞/mm2/30分であったことを示した(表1)。肺内に蓄積した循環細胞の数は7.0±1.5細胞/mm2/30分であり、肺から出た循環細胞の数は7.0±1.0細胞/mm2/30分であった(表1)。これらの結果は、アレルゲン特異的エフェクターT細胞が体内で循環しており、繰り返し肺内に進入し、肺内で蓄積し、肺から退出することを示している。肺内に進入する細胞の数および肺から退出する細胞の数は等しく、肺内のエフェクターT細胞の数は一定に維持される。
OVA吸入の6時間後、小さな病巣が観察された。安定期と比較して、in vivo動画は、循環OT2-Th2細胞が33.3±3.1細胞/mm2/30分にまで増加し、蓄積細胞が14.7±1.5細胞/mm2/30分にまで増加したことを示した(表1)。運動細胞の比率は10%から30.5%へと増加した。一方、肺から退出するOT2-Th2細胞は安定期と同じままであった。これらの観察は、肺内へのOT2-Th2細胞のアレルゲン誘導性遊走および蓄積がOVA吸入の6時間後までにアップレギュレーションされていたことを示している。
OVA吸入の12時間後、in vivo動画は、大きな病巣が観察されることを示し、肺内への循環OT2-Th2細胞は44.7±4.5細胞/mm2/30分へと更に増加した(表1)。肺内のOT2-Th2細胞蓄積は24.3±2.5細胞/mm2/30分へと更に増加したが、肺から退出するOT2-Th2細胞は、安定期と比べて有意には変化しなかった(表1)。肺内に蓄積しているOT2-Th2細胞の90%が運動性であった。これらの結果は、肺内へのOT2-Th2細胞のアレルゲン誘導性遊走および蓄積がOVA吸入の12時間後に高度にアップレギュレーションされたことを示している。
OVA吸入の6時間後から12時間後までの肺内の蓄積の初期段階においては、遊走性OT2-Th2細胞が優勢に病巣を形成している。肺内に蓄積しているOT2-Th2細胞の高い運動性は、それらのほとんどが活性化されたことを示唆している。
OVA吸入の21時間後、in vivo動画は、非病巣領域内のOT2-Th2細胞数が、OVA吸入の12時間後と比べて有意に増加したことを示した(868.7±296.5対226.0±25.1細胞/mm2/30分)。肺内への循環OT2-Th2細胞は、OVA吸入の12時間後と比べて、44.7±4.5から2.7±0.6細胞/mm2/30分へと有意に減少した(表1)。肺内のOT2-Th2細胞の蓄積および肺からの退出もOVA吸入の21時間後に有意に減少した。蓄積細胞の95%以上が運動性であった。これらの結果は、肺内へのOT2-Th2細胞のアレルゲン誘導性遊走および蓄積がOVA吸入の21時間後までにダウンレギュレーションされたことを示している。
OVA吸入の12時間後〜21時間後の肺内の蓄積の後期段階においては、OT2-Th2細胞は病巣領域に加えて肺内の全領域で蓄積した。
Figure 2010539951
実施例4
ほとんどの従来の動物モデル研究は、Th2サイトカインを産生して好酸球のリクルートメントおよび活性化をもたらすTh2細胞の活性化の増強を伴う、アレルギー疾患に関するTh2パラダイムを示唆している。アレルゲンチャレンジの2〜3日後に好酸球は肺内に浸潤し、肺の細気管支周囲および血管周囲領域に炎症性病巣を形成する。本発明者らは、上記実験において観察されたOVA吸入後のTh2細胞の病巣領域が好酸球のものと一致しうると仮定した。この仮定を証明するために、本発明者らは、アレルゲンチャレンジ後の肺の免疫組織化学による研究を行った。
GFP+ OT2-Th2細胞をC57BL/6マウスの静脈内に導入した。2日後、レシピエントマウスをOVA吸入によりアレルゲンチャレンジに曝露した。好酸球の浸潤および病巣形成がH&E染色により観察された(図7a)。浸潤性OT2-Th2細胞が、抗GFP抗体を使用する免疫組織化学的方法により検出された(図7b)。OVA吸入の24時間後、GFP+ OT2-Th2細胞は肺内に浸潤し、病巣を形成したが、好酸球は浸潤しなかった(図7)。OVA吸入の48時間後、肺内への炎症細胞浸潤が観察され、炎症細胞とGFP+ OT2-Th2細胞との病巣領域が一致した。好酸球の浸潤および病巣形成はOVA吸入後72時間の時点で持続していた。これらの結果は、OT2-Th2細胞がアレルゲン曝露後に好酸球より先に肺内に浸潤し、炎症病巣の形成を調節しうることを示している。

Claims (17)

  1. アレルゲンで感作された蛍光標識リンパ球が与えられた、喘息の実験用げっ歯類動物モデルであって、該リンパ球が該アレルゲンに対する喘息応答の誘導後に検出可能である、げっ歯類動物モデル。
  2. 該蛍光標識リンパ球が、該アレルゲンに対して感作されたドナー動物から集められる、請求項1記載のモデル。
  3. 該蛍光標識リンパ球が、in vitroで該アレルゲンで感作されたTh2細胞である、請求項1記載のモデル。
  4. 該アレルゲンが、OVA、OVAペプチド、ヒツジ赤血球、dsRNA、ゴキブリ(rBla g2)、室内塵ダニ(rDer f1)、室内塵ダニ抽出物、オリーブ花粉(天然および組換えOle e1)、Aspergillus fumigatus抽出物、チモシー花粉(rPhl p5)、カバノキ花粉(rBet v1)、ライグラス花粉(Lol p1)、オリーブ花粉抽出物、Alternaria alternate抽出物、Cladosporium herbarum胞子、Dermatophagoides pteronyssinus抽出物、熱凝固鶏卵白など又はこれらのいずれかの組合せよりなる群から選ばれる、請求項2記載のモデル。
  5. 該アレルゲンが、OVA、OVAペプチド、ヒツジ赤血球、dsRNA、ゴキブリ(rBla g2)、室内塵ダニ(rDer f1)、室内塵ダニ抽出物、オリーブ花粉(天然および組換えOle e1)、Aspergillus fumigatus抽出物、チモシー花粉(rPhl p5)、カバノキ花粉(rBet v1)、ライグラス花粉(Lol p1)、オリーブ花粉抽出物、Alternaria alternate抽出物、Cladosporium herbarum胞子、Dermatophagoides pteronyssinus抽出物、熱凝固鶏卵白など又はこれらのいずれかの組合せよりなる群から選ばれる、請求項3記載のモデル。
  6. 該アレルゲンが腹腔内、鼻腔内、気管内または皮下注射により投与される、請求項2記載のモデル。
  7. 該蛍光が、蛍光タンパク質をコードする導入遺伝子によるものである、請求項2記載のモデル。
  8. 該リンパ球がTリンパ球である、請求項1記載のモデル。
  9. 該リンパ球がCD4+ T細胞である、請求項8記載のモデル。
  10. 該リンパ球がTh2細胞である、請求項8記載のモデル。
  11. 該リンパ球が異なる細胞型の混合物である、請求項8記載のモデル。
  12. a)請求項1〜11のいずれか1項記載のげっ歯類動物モデルにアレルゲンを投与し、
    b)該げっ歯類動物の肺内の蛍光標識リンパ球の存在、非存在または量を検出することを含んでなる、喘息応答をモニターする方法。
  13. 該投与が吸入、腹腔内、鼻腔内、気管内または皮下注射によるものである、請求項12記載の方法。
  14. 該蛍光標識リンパ球が全身光学的イメージングにより検出される、請求項12記載の方法。
  15. a)請求項1〜11のいずれか1項記載のげっ歯類動物モデルにアレルゲンおよび候補抗喘息物質を投与し、
    b)該げっ歯類動物モデルの肺内のリンパ球の量を検出し、
    c)b)において測定された量を、該物質が投与されていない対照げっ歯類動物モデルにおける量と比較すること、
    を含み、ここで該対照モデルと比較した場合の、b)における該モデルにおける量の減少が、該物質の抗喘息効果を示す、候補抗喘息物質の有効性を判定するための方法。
  16. 該アレルゲンの投与が吸入、腹腔内、鼻腔内、気管内または皮下注射によるものである、請求項15記載の方法。
  17. 該蛍光標識リンパ球が全身光学的イメージングにより検出される、請求項15記載の方法。
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