JP2010539242A - サルコシンレベルを増大させる方法 - Google Patents

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Abstract

患者におけるサルコシンレベルを増大させるための方法が提供される。上記方法は、PPARαレセプターを活性化する工程を包含する。サルコシンレベルを増大させることは、例えば、精神分裂病の処置の一部として使用され得る。サルコシンレベルの増加は、増大したNMDAレセプター活性から利益を受ける患者におけるNMDAレセプター活性を促進するために使用され得る。従って、本発明はまた、PPARαを活性化し、サルコシンレベルを増大させることによって、NMDAレセプター活性を促進するための方法を提供する。

Description

(発明の分野)
本発明は、サルコシンレベルを増大させるための方法、および精神医学的疾患および神経学的疾患ならびに精神医学的生涯および神経学的生涯(例えば、精神分裂病)を処置することにおけるそれらの使用に関する。
(発明の背景)
精神分裂病は、米国の人口のうちの約0.5%が罹患しており、全世界人口でも同様のパーセンテージが罹患している。精神分裂病は、主要な精神医学的疾患のもっとも重篤なかつ衰弱するもののうちの1つである。精神分裂病は、通常、思春期後期もしくは成人前(early adult)の生活において始まり、しばしば、慢性的かつ無能力になる。男性も女性も、この疾患を発症させるリスクは等しい;しかし、大部分の男性は、16〜25歳の間に疾患になる一方で、女性は、25〜30歳の間に症状を発症させる。精神分裂病を有する人々は、しばしば、「積極的」な症状(例えば、妄想、幻覚、支離滅裂の思考、および興奮)および「消極的」な症状(例えば、意欲もしくは自発性の欠如、社会的引きこもり、無感動、および感情的無反応)の両方を経験する。
精神分裂病を処置するための現在の薬物は、いずれも上記疾患を治癒もしないし、ましてや処置に応答する患者においてすべての症状を成功裏に処置しない。現在使用されている抗精神病薬物は、一般的機構として、哺乳動物の脳におけるドーパミンD2レセプターを拮抗する能力が共通しており、この活性が、精神分裂病の積極的な症状に対するそれらの効力に寄与することが広く想定されている(非特許文献1;非特許文献2)。しかし、この疾患の上記消極的症状および認知症状に対するこれら現在使用されている薬物の効力は、最善ではない(非特許文献3;非特許文献4)。
調査されてきた精神分裂病のための別の処置は、サルコシン(N−メチルグリシン)の投与を含む。精神分裂病における特定の抗精神病薬(しかしクロザピンではない(非特許文献5)に対する追加治療としての2g/日 サルコシンの摂取は、積極的症候学および消極的症候学の両方、ならびに上記疾患に共通する認知神経化学的(neurocognitive)、一般精神医学的および抑鬱性症状のさらなる軽減を与える(非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8)。サルコシンはまた、上記疾患の前駆症状段階の間に精神分裂病的疾患の積極的な予防について調査中である。
Seeman & Lee,Science 188:1217−9(1975) Creeseら,Science 192:481−3(1976) Cassensら,Schizophr.Bull.16:477−99(1990) King,Acta Psychiatr.Scand.Suppl.380:53−8(1994) Laneら,Biol.Psychiatry,60:645−9(2006) Laneら,Arch.Gen.Psychiatry 62:1196−204(2005) Heresco−Levy,Evid.Based Ment.Health 9:48(2006) Laneら,Biol.Psychiatry(2007)
(発明の要旨)
本発明は、サルコシンレベルにおける増加から利益を受け得る患者においてサルコシンレベルを増大させるための方法を提供する。上記方法は、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターα型(PPARα)を活性化することによって、サルコシンレベルを増大させる工程を包含する。
サルコシンレベルの増加は、増大したNMDAレセプター活性から利益を受ける患者におけるNMDAレセプター活性を促進するために使用され得る。従って、本発明はまた、PPARαを活性化し、サルコシンレベルを増大させることによって、NMDAレセプター活性を促進するための方法を提供する。
NMDAレセプター活性の欠損は、精神医学的疾患および神経学的疾患ならびに精神医学的障害および神経学的障害(精神分裂病が挙げられる)と関連する。従って、本発明はまた、NMDAレセプター活性を、PPARαの活性化およびサルコシンレベルの上昇を介して促進することによって、精神分裂病を処置するための方法を提供する。PPARαの活性化は、精神分裂病のための他の処置と併用され得る。例えば、上記処置方法は、PPARαを活性化しかつドーパミンD2レセプターを拮抗する工程を包含し得る。
PPARα活性化は、任意の医学的に適した方法によって(例えば、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、シプロフィブレート、ベザフィブレート、フェノフィブレート、シンフィブレート、およびクロフィブリド、ならびにその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される1種以上の化合物を投与することによって)、行われ得る。上記方法は、例えば、PPARαおよび他のレセプター(例えば、PPARγ)の両方を活性化する化合物を投与する工程を包含し得るか、または上記方法は、他のヒトPPARレセプターに対して匹敵する効果を有しない「純粋な」PPARαアゴニストであり得る。
図1は、GC/MS分析を使用して、未知の標的化合物を同定するための一般的アプローチを示すフローチャートである。 図2は、極性LC/MS分析を使用して、未知の標的化合物を同定するための一般的アプローチを示すフローチャートである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、PPARαアゴニストが血漿サルコシン濃度を増大させるという発見から利益を得る。実際に、本発明者は、異なる化学的構造を有する2種の異なるPPARαアゴニストが、各々、循環サルコシン濃度の数倍の増大を誘導することができることを示した。サルコシン濃度の増大は、例えば、精神分裂病のための処置の一部として、およびNMDAレセプター活性を促進する耐えに使用され得る。異なるPPARαアゴニストは、各々、サルコシンレベルを増大させることができるので、任意のPPARαアゴニスト(例えば、クロフィブレート、ゲムフィブロジル(Lopid(登録商標))、シプロフィブレート(Modalim(登録商標))、ベザフィブレート(Bezalip(登録商標))、フェノフィブレート(TriCor(登録商標))、エトフィブレート、シンフィブレート、クロフィブリド、またはその薬学的に受容可能な塩)が、本発明において使用され得ることが認識される。上記アゴニストは、単独で、もしくは他のPPARαアゴニストと組み合わせて、投与され得る。さらに、PPARαアゴニストは、精神医学的疾患および神経学的疾患の処置のための他の治療と組み合わせて使用され得る。複数の化合物が使用される場合、上記化合物は、同時に、もしくは任意の順番で逐次的に、投与され得る。
本発明の方法は、サルコシン濃度における増加を可能にするので、上記方法は、1型グリシン輸送体GLYT1を阻害するために使用され得る。GLYT1は、NMDAレセプターの領域における細胞が異空間からグリシンを除去する(Betzら,Biochem.Soc.Trans.34:55−8(2006))。サルコシンは、13μMのIC50で、ラット脳集合体(aggregate)におけるグリシン輸送を阻害し得る(Atkinsonら,Mol.Pharmacol.60:1414−20(2001))。他の研究においては、サルコシンは、グリシン輸送の阻害について、約100μMのIC50を有することが示された。
GLYT1を阻害することによって、本発明は、局所的グリシン濃度の増加およびNMDAレセプター活性の関連する増加を可能にする。グリシンは、内因性アゴニストグルタミン酸に対するレセプターの親和性を増大する、上記NMDAレセプターにおけるグルタミン酸の共アゴニスト(co−agonist)である(Johnson & Ascher,Nature 325:529−31(1987);Kleckner & Dingledine,Science 241:835−7(1988);Forsytheら,J.Neurosci.8:3733−41(1988);Foster & Kemp,Nature 338:377−8(1989))。従って、NMDAレセプター上の上記グリシン共アゴニストレセプター部位(グリシンB部位)の活性化を増大させるストラテジーはまた、上記NMDAレセプター上のグルタミン酸レセプター部位での刺激に対する上記NMDAレセプターの応答を増大させる。GLYT1特異的インヒビターは、脊髄におけるNMDAレセプター媒介性イオン流を拡大することが見いだされた(Limら,J.Neurophysiol.92:2530−7(2004))。動揺に、海馬スライス調製物において、GLYT1の部分的阻害は、NMDAレセプター媒介性応答の促進を引き起こし、増強された長期の増強を生じた(Martinaら,J.Physiol.557:489−500(2004);Igartuaら,Neuropharmacology 52:1586−95(2007))。実際に、サルコシンによるグリシン輸送の阻害は、上記NMDAレセプターによって媒介されるニューロン活性に対して(間接的)増強効果を有する(Martinaら,J.Physiol.557:489−500(2004))。
本発明は、精神医学的障害および神経学的障害についてのさらなる処置選択肢を提供する。その処置は、増大したNMDAレセプター活性から利益を得ることができる。精神分裂病は、例えば、皮質−辺縁系NMDAレセプターの亜集団の機能低下を伴う。低用量の薬物ケタミン(ケタミンは、上記NMDAレセプターの機能を、そのイオンチャネルを遮断することによって阻害する)は、正常ボランティアにおいて、精神分裂病の積極的、消極的および認知症状、ならびに関連する生理学的異常性(例えば、視標追跡を繰り返す(Krystalら,Arch.Gen.Psychiatry 51:199−214(1994);Adlerら,Am.J.Psychiatry 156:1646−9(1999);Avilaら,Am.J.Psychiatry 159:1490−6(2002))。さらに、遺伝的研究によって、精神分裂病についての推定リスク遺伝子が同定された。これら遺伝子の生成物(D−アミノオキシダーゼ、プロリンオキシダーゼおよびニューレグリンが挙げられる)は、NMDAレセプターに影響を及ぼすことが示された(Coyle,Neurotox.Res.10:221−33(2006))。NMDAレセプター活性を増強する処置は、精神分裂病を規定する複雑な症状の処置のために有用であることが判明するはずである。実際に、精神分裂病における特定の抗精神病薬(しかしクロザピンではない(Laneら,Biol.Psychiatry,60:645−9(2006))に対する追加治療としての2g/日 サルコシンの摂取は、積極的症候学および消極的症候学の両方、ならびに上記疾患に共通する認知神経科学的、一般精神医学的および抑鬱性症状においてさらなる軽減を与える(Laneら,Arch.Gen.Psychiatry 62:1196−204(2005);Heresco−Levy,Evid.Based Ment.Health 9:48(2006);Laneら,Biol.Psychiatry(2007))。
PPARαアゴニストは、精神分裂病または他の精神医学的もしくは神経学的疾患の処置のための他の治療(例えば、ドーパミンD2アンタゴニスト)と組み合わせて使用され得る。適切なドーパミンD2レセプターアンタゴニストとしては、例えば、アミスルプリド、ベンペリドール、クロルプロマジン、クロザピン、フルペンチキソール、フルフェナジン、ハロペリドール、レボプロマジン、オランザピン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、クエチアピン、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、トリフルオロペラジン、チオリダジン、チオチキセン、ジプラシドン、およびゾテピン、ならびにその薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
(投与方法)
経口投与形態は、一般に、投与にはもっとも簡便であり、PPARαアゴニスト、およびPPARαアゴニストに加えて投与され得る他の化合物(例えば、ドーパミンD2アンタゴニスト)に対して容易に利用可能である。にもかかわらず、本発明は、そのように限定されない。
従って、薬学的組成物は、任意の利用可能な経路(非経口(例えば、静脈内)、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、直腸、および膣が挙げられるが、これらに限定されない)による送達のために処方され得る。薬学的組成物は、代表的には、活性化合物もしくはその塩、または関連化合物もしくはアナログを、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む。本明細書において使用される場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、薬学的投与と適合性の、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。
経口用組成物は、一般に、不活性希釈剤もしくは食用のキャリアを含む。経口用治療投与の目的で、上記活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、錠剤、トローチ剤、もしくはカプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル剤)の形態で使用され得る。経口用組成物はまた、洗口液として使用するための流体キャリアを使用して、調製され得る。薬学的に適合性の結合剤および/もしくは補助物質は、上記組成物の一部として含まれ得る。上記錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分もしくは類似の性質の化合物のうちのいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンもしくはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes);滑り剤(例えば、コロイド性二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースもしくはサッカリン);または矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ風味)。経口送達のための処方物は、有利には、胃腸管内での安定性を改善し、そして/または吸収を増強するための薬剤を組み込み得る。
上記活性化合物は、身体からの迅速な排除から化合物を保護するキャリア(例えば、制御放出処方物とともに調製され得る(インプラントおよび微小被包送達系(microencapsulated delivery system)を含む)。生分解性の、生体適合性ポリマーが、使用され得る(例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)。このような処方物を調製するための方法は、当業者に明らかである。上記物質はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から市販されている。リポソーム懸濁物はまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるように、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与単位形態で経口用もしくは非経口用組成物を処方することは有利である。投与単位形態は、本明細書において使用される場合、処置されるべき被験体に対する単位投与量として適切な、物理的に別個の単位をいう;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと会合した状態で望ましい治療効果を生じるように計算された、所定の量の活性化合物を含む。
本発明に従って使用されるPPARαアゴニストの量は、いくつかの要因(例えば、使用される特定の化合物の活性;被験体の年齢、体重、全身の健康状態、性別、および食事;精神医学的もしくは神経学的障害の重篤度;上記患者の個々の応答;処方の種類;および投与経路)に依存する。PPARαアゴニストの治療上有効な量は、約0.01〜約500mg/kg 体重の範囲に及び得る。上記PPARαアゴニストは、単一用量で提供され得るか、または複数の一日用量(例えば、1日に2回、3回、4回もしくは5回)に分けられ得る。用量は、約0.01〜約500mg/kg 体重(特に、約0.01mg/kg 体重、0.05mg/kg 体重、0.1mg/kg 体重、0.5mg/kg 体重、1.0mg/kg 体重、1.5mg/kg 体重、2mg/kg 体重、2.5mg/kg 体重、5mg/kg 体重、7.5mg/kg 体重、10mg/kg 体重、15mg/kg 体重、20mg/kg 体重、25mg/kg 体重、50mg/kg 体重、75mg/kg 体重、100mg/kg 体重、150mg/kg 体重、200mg/kg 体重、250mg/kg 体重、300mg/kg 体重、350mg/kg 体重、400mg/kg 体重、450mg/kg 体重、もしくは500mg/kg 体重)を含み得る。
上記薬学的組成物は、種々の間隔で、必要である場合、種々の期間にわたって投与され得る。特定の状態に関して、制御しながら上記疾患を管理するために無期限のベースで上記治療用組成物を投与することは必要であり得る。当業者は、特定の要因が、被験体を有効に処置するために必要とされる投与量およびタイミングに影響を及ぼし得ることを認識し、それらとしては、上記疾患もしくは障害の重篤度、被験体の以前の処置、全身の堅固状態および/もしくは年齢、ならびに存在する他の疾患が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、本発明に従う被験体の処置は、単一の処置を含み得るか、または多くの場合において、一連の処置を含み得る。
薬学的組成物は、投与のための説明書と一緒に、容器、パック、もしくは分与器中に含められ得る。
化合物は、上記精神医学的もしくは神経学的障害の処置に有用なさらなる薬剤と同時に投与され得る。多くのこのような薬剤は、当該分野で公知であり、広範に種々の代表的抗精神病薬および典型的でない抗精神病薬を含む。さらに、上記化合物は、抗精神病薬の副作用を改善するために有用な化合物と同時に投与され得る。前述の目的で有用な多くの薬剤ノギロンについては、例えば、Hardman,J.G.ら,(編) Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,第10版,McGraw Hill,2001を参照のこと。上記同時に投与される化合物は、上記被験体に別個に投与されてもよいし、一緒に処方されてもよい。
(実施例1:PPARαアゴニストは、血漿サルコシン濃度を増大させる)
試験物品:
フェノフィブレート(Sigma F−6020,Lot.064K1584)およびMPC−1(Mitsubishi Pharma Corporation,Lot.F)を、この研究において使用した。これら試験物質を、室温で貯蔵した。
動物:
73匹の雄性Crj:CD(SD)IGSラット(4.5週齢)を隔離し、受け取った後に7日間順応させた。投与開始の2日前(−2日目)に、臨床的観察において、ならびに隔離期間および順応期間の間に体重において何ら異常がなかったラットを、選択し、研究群の間でほぼ同じ平均体重を生じるように、体重による階層化した無作為法(stratified−by−weight randomization method)を使用して5群に割り当てた。
収容および維持条件:
研究期間(隔離期間および順応期間を含む)の間にわたって、上記動物の部屋を、10〜20回/時間で換気および12時間の人工明サイクルとともに、それぞれ、22±3℃および55±20%の温度および相対湿度を維持するように設定した。
ラットを、ステンレス鋼のケージ(大きさ275W×370D×210H mm)中に収容した。3匹のラットを1ケージあたりに収容した。上記ケージおよび給餌器をオートクレーブにかけ、1週間に1回交換した。γ線で照射した保証された齧歯類の食餌を、自由給餌で供給した。5μmフィルタを通して濾過しかつUV照射した水道水を、給水システムを使用して、自由に給水させた。
投与法および投与懸濁物の調製:
上記ラットに、5mL/kgmの投与容積で、シリンジに接続した使い捨ての胃管を使用して、経口胃管栄養法によって投与した。上記投与を、28日間にわたって、1日に1回行った。コントロール群には、ビヒクルのみを投与した。個々の用量を、もっとも最近記録した体重に基づいて計算した。
投与懸濁物の調製は、以下のとおりであった。各用量レベルについて試験物質の特定の量を秤量し、メノウ乳鉢および乳棒で粉砕した。数滴の0.5% ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)溶液(HPMC: Sigma,ロット番号093K0622)を、上記乳鉢中の試験物質に添加し、なめらかな懸濁物が形成されるまで乳棒で十分に混合した。この懸濁物を、所望の体積より大きい体積のメスシリンダーに移した。上記ビヒクルを添加して、所望の体積を達成した。超音波処理(室温,5分間)の後、各投与懸濁物の必要とされる容積を、1日の投与のために、滅菌ポリプロピレンチューブに分与した。上記投与懸濁物を、4℃で貯蔵した。上記調製を、1週間に1回行い、投与懸濁物を、各調製から8日間以内に使用した。
研究設計:
研究設計は、表1に示すとおりであった。動物に、示された用量の試験物品を、28日間にわたって、1日に1回投与した。投与の開始は、1日目として示した。
Figure 2010539242
観察および試験:
すべてのラットの臨床的徴候を、投与期間の間1日に2回(投与の前と後)および他の期間の間に1日1回観察した。すべてのラットの体重を、1日目、6日目、13日目、20日目、27日目および29日目に測定した。各ケージの飼料消費を、1日目、6日目、9日目、13日目、16日目、20日目、24日目、および29日目に、風袋込みの重量として測定した。各日の個々の飼料消費データを、風袋込みの重量から計算した。
血液および血漿回収:
29日目の屠殺時に、動物をナトリウムチオペンタールで麻酔し、血液サンプルを腹大動脈から回収し、血清分離のための血清分離ゲルを含むか、または血漿分離のためのリチウムヘパリンおよびプロテアーゼインヒビター(1ボトルのプロテアーゼインヒビター(Sigma P−2714)を2.2mLのリン酸緩衝化生理食塩水中に添加することによって作製した100μLのストック溶液)を含む血液回収チューブに移した。血漿を、遠心分離(3000rpm,10分間)によって得た。血漿層のアリコートを、1mLチューブに移し、液体窒素を使用してすぐに凍結し、−80℃で貯蔵した。
生体分析測定:
標的化GC/MS:
上記アリコートに分けた血漿サンプルを融解し、メタノールで抽出して、血漿メタノール抽出物を作製した。窒素下で、上記血漿メタノール抽出物からメタノールをエバポレートした。ピリジン中のコール酸D4およびアラニン−D4の10μLの250ng/μL標準物質を、添加した。オートサンプラーバイアルにふたをする前に、ピリジン中の30μL エトキシアミンヒドロクロリド溶液を添加し、上記サンプルを、40℃で90分間にわたってインキュベートした。
オキシム化後に、残りの内部標準物質(ジフルオロビフェニル、ジシクロヘキシルフタレートおよびトリフルオロアセチルアントラセンのピリジン中の10μLの250ng/μL 標準物質)を添加し、上記サンプルを、100μL MSTFAを添加し、90分間にわたって40℃で加熱することによってシリル化した。上記GC中に注入する前に、上記調製したサンプルを、20分間、3500rpmで遠心分離した。
サンプル総数に基づいて、サンプルのバッチを、バッチ処理スキーム(batching scheme)に従って設定した。各サンプルを、二連で分析した。上記サンプルを、バッチでソートし、分析するまで、ラベルを貼ったボックス中に−80℃で貯蔵した。各バッチを、1回の分析操作で分析した。
GC/MS分析は、PTV(プログラムされた温度蒸発器)注入器およびCTC Analytics Combi−Palオートサンプラーを装備したAgilent 6890 N ガスクロマトグラフを使用した。検出のために、Agilent 5973 Mass Selective Detectorを使用した。上記システムを、Enhanced Chemstation G1701CA Version D.01.02ソフトウェアによって制御した。
GC/MSカラムから溶離するすべての化合物を、フルスキャンモードで検出した。各ピークを、その保持時間およびフラグメント数(m/z 値)によって特徴づけた。データ量(すなわち、変数の数)を、標的処理手順(target processing procedure)を適用することによって、減らした。上記分析および上記データの品質コントロールを、上記ワークフローの間に、いくつかの工程において行った。上記サンプル調製および分析における種々の工程において、分析後のデータの品質をモニタするために、1種以上の内部標準物質を添加した。各バッチの後に、ジシクロヘキシルフタレート(DCHP)内部標準についての最初の較正の後に、上記内部標準の応答を、すべてのサンプルにおいて評価した。各内部標準の較正したピーク面積が上記バッチ平均から20%未満しかはずれていなければ、上記バッチを是とした。1種以上のサンプルについて上記偏差が20%より大きければ、これらサンプルを次のバッチにおいて再分析した。
優先のピークを同定するために採用した全工程の全般的な概説を、図1に示す。
第1の同定工程は、上記標的化合物とストと、上記参照標準物質データベースとのマッチングであった。上記標的リストからの多くの化合物を、研究サンプルと一緒に上記同じバッチ中標準物質を分析することによって、同定および確認した。統計学的分析から優先した、同定されなかったスペクトルピークを、生データを検査することにいって最初に評価した。その後、個々の(同定されるべき)化合物に依存して、さらなる同定法を選択した。いくつかの化合物については、商業的スペクトルライブラリーにおいてヒットを見いだしたので、さらなる実験で同定する必要はなかった。他の化合物については、化学的イオン化、正確な質量決定、もしくは他の誘導体化実験を行った。
誘導体化極性LC/MS:
上記極性LC/MSプラットフォームに関しては、各研究サンプルを、2つの分析サンプルに分けた。これら二連のサンプルを、別個に誘導体化し、上記ワークフローの測定段階に次々と注入した。小さなエッペンドルフ(登録商標)バイアル中の85μLの血漿メタノール抽出物に、10μLのさらなる内部標準物質溶液を添加し、上記サンプルを、短時間ボルテックスした。上記内部標準物質溶液は、Cre−d3、Met−d4、Mhi−d3(1μg/mLで)およびAla−d3(2μg/mLで)を含んでいた。After ジチオスレイトール(DTT)溶液を添加し、上記サンプルを脱タンパク質した後に、その上清を凍結乾燥した。次いで、上記サンプルを、HCl−ブタノールで、65℃において誘導体化した。その過剰の試薬を凍結乾燥することによって除去した。上記サンプルを、内部標準物質として非誘導体化チロシン D7を含むDTTの水溶液中に再構成した。
上記サンプルを、研究サンプルの総数に基づいてロット単位で誘導体化した。サンプルの各ロットを、分析用のバッチ数に分けた。さらに、サンプルの各バッチは、出発血漿の単一プールから上記の様式で調製した多くの品質コントロールサンプルを含んだ。上記で概説したように、各サンプルを、二連で分析した。上記サンプルを、バッチでソートし、分析するまで−80℃で貯蔵した。各バッチを、1回の分析操作で分析した。
Varian/Chrompack R2 10×2mm内径ガードカラム付きのVarian/Chrompack Inertsil 5μm ODS−3 100×3mmカラムを、これら分析において使用した。二相の35分間、直線状LC勾配を使用した。移動相Aは、0.1% 蟻酸を含み、移動相Bは、0.1% 蟻酸中に80% アセトニトリルを含んでいた。上記カラム温度は、一貫したクロマトグラフィーを保証するために、室温よりわずか上回る程度に調節した。注入体積は、10μLであった。
Thermo LTQイオントラップ質量分析計を、質量分析プロファイリングおよび相対的定量化の決定のために、この研究において使用した。
LCカラムから溶離したすべての化合物を、フルスキャンモードで質量分析計から検出した。各ピークを、その質量−対−電荷比(m/z 値)およびその保持時間によって特徴づけた。ピーク数を、標的処理手順を適用することによって減らし、その後、クロマトグラムにおける各化合物は、大部分の場合、ピーク表における唯一のエントリーによって表された。
各バッチの後、サンプルすべてにおけるすべての上記内部標準物質の生のピーク面積(応答)を、チェックし、同様に、品質コントロールサンプルに存在する4アミノ酸の上記正規化ピーク面積(相対応答)のRSD(相対的標準偏差)をチェックした。上記内部標準物質の生データは、上記バッチ平均から25%より高くは偏差していなかった。上記4アミノ酸の正規化ピーク面積のRSDは、20%を超えなかった。このチェックは、以下のバッチを始める前に行った。
すべてのバッチの分析を完了した後、標的テーブル中に存在するすべての化合物のピークを、標準的積分設定(予測される保持時間、ベースライン、ピーク幅など)を使用して最初に積分した。すべての標的について、(すべての研究サンプルおよび品質コントロールサンプルの)上記平均からのピーク面積の偏差を、計算した。上記平均からのそれらのピーク面積において大きな偏差が示されたピークについては、ピーク積分を手動で行った。
上記完全なデータセットの品質コントロールを、ブランクを除いて上記サンプルのすべてにおける上記内部標準物質応答および上記品質コントロールサンプル中の上記標的化合物すべての相対標準偏差のチェックに基づいて行った。これらの結果を、先の研究において観察されたものとの一貫性について比較した。
統計学的に有意な分析物ピークを同定するために採用した工程すべての全般的概説を、図2に示す。フーリエ変換質量分析法(FTMS)およびMS/MSスペクトルを使用する正確な質量測定値を、それらが十分に強ければ、統計学的に有意なすべてのイオンピークについて獲得した。
第1の同定工程を、上記標的化合物リストと、多くのアミノ酸および関連化合物を含む上記参照標準物質データベースとのマッチングであった。保持時間、正確な質量、および必要な場合には、MS/MSスペクトルを、上記研究特異的化合物と、上記参照データベース中の化合物との間で比較した。
残りの標的分析物ピークを、それらがこれらデータの統計学的分析から誘導した優先リストに列挙された後にのみ同定した。上記優先した未知物質を、上記生データおよび上記品質コントロール結果をチェックすることによって評価した。この同定アプローチにおいて、保持時間、正確な質量およびMS/MSデータを使用した。正確な質量実験を、LTQ−FTMS機器で行った。上記イオンの検出を、上記FTMSで行った。m/z 400における分解は、100,000である。正確な質量および使用した誘導体化についての認識に基づいて、考えられる元素組成を、KEGGデータベース、MerckデータベースおよびChemFinderデータベースにおいて検索した。その考えられるマッチを評価し、この目的のために、上記保持時間および上記MS/MSスペクトルを使用した。いくつかの場合において、個々の化合物標準物質を、同定を確認するために購入した。
統計学的分析:
上記ラットの群の中で分析物のレベル得における差異を検出するために、直線的モデル(一元配置分散分析(One−Way ANOVA))を適合させた。このモデルは、以下のようにパラメーターで表示され得る:
Figure 2010539242
ここでyは、試験されるべき分析物を表し、Iは、指標変数であり、εは、誤差である。このパラメーター表示とは異なり、処置のマーカーについての試験は、以下のとおりであった:
Figure 2010539242
上記フェノフィブレート群の平均と、上記ビヒクル群の平均との間の差異についての試験;および
Figure 2010539242
MPC−1群の平均と、上記ビヒクル群の平均との間の差異についての試験。
各分析において、数十もしくは数百もの個々の試験を同時に行ったので、いくらかの試験は、偶然に単独で有意な結果を有し、不正確な発見を生じたようである。すべての有意な所見の中で不正確な発見率(false discovery rate)(FDR)を制御するために、Storeyにより記載される方法(J.R.Statist.Soc.B.64:479−98(2002))を適用した。
各分析において、0.15のFDRを許容した;すなわち、各分析において、有意として報告された分析物の約15%を、不正確に報告されていると概算する。さらに、各試験は、有意として報告されるために、多くて0.05の未調整のp値を有することが必要とされる。これらパラメーターは、デフォルト有意パラメーターといわれる。
結果:
ラットにおける2種のPPARαアゴニスト(フェノフィブレートおよび開発段階の化合物MPC−1(Mitsubishi Pharma Corporation))の作用の28日間の投与研究における血漿サンプルを用いて、システム薬理学アプローチを使用した(van der Greef & McBurney,Nature Rev.Drug.Disc.4:961−967(2005))。上記データベースを検査して、その結果を、2つの生体分析プラットフォーム(極性LC/MSおよびGC/MS(van der Greefら,J.Proteome Res.4:1540−59(2007)))を使用して、ビヒクル処置ラットと比較して、メジアン倍数変化に基づいてランク付けした。サルコシンを、いずれかの薬物によって引き起こされ、両方の生体分析プラットフォームで測定された最大のメジアン倍数変化を有する分析物として同定した。28日間の処置期間の最後に、ビヒクルでの各日の処置と比較して、300mg/kg フェノフィブレートでの毎日の処置から生じる血漿サルコシン量におけるメジアン倍数変化は、上記極性LC/MSプラットフォームによって測定した場合、4.25であり、上記GC/MSプラットフォームによって測定した場合、3.74であった。上記28日間の処置期間の最後に、ビヒクルでの各日の処置と比較して、15mg/kg MPC−1での毎日の処置から生じる血漿サルコシン量におけるメジアン倍数変化は、極性LC/MSプラットフォームによって測定した場合、6.51であり、上記GC/MSプラットフォームによって測定した場合、5.83であった。両方のプラットフォームおよび両方の化合物にまたがる結果の良好な一致は、血漿サルコシンの上昇が、PPARαアゴニストでの哺乳動物の処置の全般的な結果であることと一致している。
28日間にわたる100mg/kg/日のフェノフィブレートでのラットの処置は、血漿サルコシンレベルに対するPPARαアゴニスト効果が、用量依存性の減少であることをさらに示した。
PPARαアゴニストの投与から生じる血漿サルコシンレベルにおいて観察された増加は、上記GLYT1グリシン輸送体の実質的な阻害および精神分裂病の有効な処置に必要とされるサルコシンのレベルと一致している。
正常なヒト被験体の血清におけるサルコシン濃度は、1.59±1.08μMであると報告されているので、PPAR−αアゴニストによって引き起こされるサルコシン濃度のこのような血清メジアン倍数上昇は、上記GLYT1グリシン輸送体の実質的阻害と一致する。GLYT1のこのような阻害は、NMDAレセプターの領域においてグリシン濃度を上昇させ、神経伝達物質グルタミン酸によってNMDAレセプター活性化を増大させることが予測される。精神分裂病患者、およびNMDAレセプター機能低下と関連する他の精神医学的もしくは神経学的疾患または障害に罹患している患者において、上記増大したNMDAレセプター活性化は、症状および予後を改善することが予測される。
本発明の特定の実施形態を記載してきたが、本明細書で開示される概念を組み込んだ他の実施形態が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく使用され得ることは、当業者に明らかである。記載された実施形態は、すべての観点において、単なる例示であって限定ではないとみなされるべきである。

Claims (5)

  1. 患者におけるサルコシンレベルを増大させるための方法であって、該方法は、該患者におけるペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターα型(PPARα)を活性化する工程を包含する、方法。
  2. 患者におけるN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)レセプター活性化を促進するための方法であって、該方法は、該患者におけるサルコシンレベルを、請求項1に記載の方法に従って増大させる工程を包含する、方法。
  3. 患者における精神分裂病を処置するための方法であって、該方法は、該患者においてNMDAレセプター活性化を請求項2に記載の方法に従って促進する工程を包含する、方法。
  4. 前記患者におけるドーパミンD2レセプターを拮抗する工程をさらに包含する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法は、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、シプロフィブレート、ベザフィブレート、フェノフィブレート、シンフィブレート、およびクロフィブリド、ならびにその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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