JP2010537939A - 階層的かつ組織化された多孔性を有する無定形ケイ素含有材料 - Google Patents

階層的かつ組織化された多孔性を有する無定形ケイ素含有材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2010537939A
JP2010537939A JP2010523554A JP2010523554A JP2010537939A JP 2010537939 A JP2010537939 A JP 2010537939A JP 2010523554 A JP2010523554 A JP 2010523554A JP 2010523554 A JP2010523554 A JP 2010523554A JP 2010537939 A JP2010537939 A JP 2010537939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
precursor
aluminum
material according
inorganic
matrix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010523554A
Other languages
English (en)
Inventor
アレクサンドラ ショモノ
ステファニー ペガ
クレマン サンチェス
セドリック ボワシエール
Original Assignee
イエフペ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イエフペ filed Critical イエフペ
Publication of JP2010537939A publication Critical patent/JP2010537939A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B37/00Compounds having molecular sieve properties but not having base-exchange properties
    • C01B37/02Crystalline silica-polymorphs, e.g. silicalites dealuminated aluminosilicate zeolites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/20Silicates
    • C01B33/36Silicates having base-exchange properties but not having molecular sieve properties
    • C01B33/46Amorphous silicates, e.g. so-called "amorphous zeolites"
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B39/00Compounds having molecular sieve and base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites; Their preparation; After-treatment, e.g. ion-exchange or dealumination
    • C01B39/02Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof; Direct preparation thereof; Preparation thereof starting from a reaction mixture containing a crystalline zeolite of another type, or from preformed reactants; After-treatment thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • Y10T428/2991Coated
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2982Particulate matter [e.g., sphere, flake, etc.]
    • Y10T428/2991Coated
    • Y10T428/2993Silicic or refractory material containing [e.g., tungsten oxide, glass, cement, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

本発明は、階層的多孔性を有する材料であって、少なくとも2つの単位球状粒子からなる、材料に関する。前記粒子のそれぞれは、酸化ケイ素をベースとするメソ構造化されたマトリクスを含み、メソ細孔の径は、1.5〜30nmであり、無定形のミクロ細孔性の壁は、1.5〜50nmの厚さを有し、単位球状粒子は、200ミクロンの最大径を有する。酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、アルミニウムを含み得る。本発明はまた、前記材料の調製に関する。

Description

本発明は、ケイ素を含有する材料、とりわけ、メタロケイ酸塩材料、より正確には、アルミノケイ酸塩材料であって、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域に階層的多孔性、ならびにメソ多孔性の領域に組織化された多孔性を有する材料の分野に関する。本発明はまた、エアゾール合成とよばれる合成技術の方法によって得られるこれらの材料の調製に関する。
ミクロ細孔性材料からマクロ細孔性材料へ、階層的多孔性材料、すなわちいくつかの大きさの細孔を有している材料へ、極めて広い範囲で明確な多孔性の材料を得ることを可能にする新規な合成戦略は、90年代の半ばからの科学界における長足の進歩が知られている(非特許文献1)。詳細には、ゼオライト様の性質のミクロ多孔性およびメソ多孔性を有しており、それによってゼオライトに特有の触媒性特性からならびにメソ細孔性相の触媒および特に織地的な(textural)特性から同時に利点がある材料の開発に対してかなりの労力が払われてきた。
このような双多孔性(biporosity)を有している材料を作製するために通常用いられる技術は、水蒸気処理(steaming)とも呼ばれる、水蒸気水熱処理に対してゼオライトを供することによってゼオライト結晶内にメソ細孔を直接作製する段階からなる。この処置の効果のもとでは、ゼオライトの枠組みを構成する四面体原子の移動性(mobility)は、これらの原子のいくつかが網目状構造から抜き出される程度まで増大し、これによって、取り除かれ得る無定形ゾーンの形成がメソ細孔性空隙にとって代わられるようになる(非特許文献2)。このような空隙の形成は、ゼオライトを酸処理に供することによっても得られ得る(非特許文献3)。しかし、これらの方法は、ゼオライトの部分を部分的に無定形にするという欠点、および化学組成の変動を通じてその特性を改変するという欠点を有する。いずれの場合にも、このように誘導されたメソ多孔性によって、ミクロ細孔性材料中で遭遇する拡散制限問題を排するかまたは少なくとも限定することが可能になり、メソ細孔は、ミクロ細孔よりもかなり大きい拡散要因を有しており、従って、ゼオライトの活性部位に接近することが可能になる(非特許文献4)。
さらに近年では、メソ細孔範囲の完全に組織化および較正された多孔性という追加の利点をもたらすメソ構造化材料である、メソ構造化/ゼオライトの混合材料の精密加工に対してかなりの労力が払われている。
ここで簡単に気付かされ得ることは、メソ構造化材料は、水性溶液中でまたは極性の溶媒中で、無機前駆体と構造化剤、一般には分子または高分子の界面活性剤(イオン性または中性)とを一緒にする段階からなる、ソフト化学法と呼ばれる合成方法を介して都合よく得られるということである。無機前駆体の加水分解/縮合反応と連帯した、無機の前駆体と構造化剤との間の静電的相互作用の制御または水素結合を通じた相互作用の制御によって、無機のマトリクス内の均一かつ制御された大きさの界面活性剤のミセル凝集を生じさせる有機相および無機相の協同的アセンブリがもたらされる。次いで多孔性のクリアランスが、界面活性剤の排除によって得られ、このクリアランスは好都合には、化学的抽出法または熱処理によって行われる。用いられる無機前駆体の性質に、および構造化剤の性質に依存して、ならびに、適用される操作条件に依存して、いくつかの族のメソ構造化材料、例えば、構造化剤として長鎖四級アンモニウム塩を用いて得られたM41S族(非特許文献5)、または構造化剤として3ブロック共重合体を用いて得られたSBA族(非特許文献6)が開発されている。
従って、このようなメソ構造化/ゼオライトの混合材料の精密加工を可能にするいくつかの合成技術は公表文献中に列挙されている。第一の合成技術は、第一段階で、上記の従来方法によりメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を合成し、次いで、第二段階で、この材料にゼオライト材料の合成に通常用いられる構造化剤を含浸させる段階とからなる。適切な水熱処理によって、最初のメソ構造化アルミノケイ酸塩の無定形壁のゼオライト化がもたらされる(非特許文献7〜10;特許文献1)。第二の合成技術は、ゼオライト種のコロイド溶液(プロトゼオライト物(entity)とも呼ばれる)と最終材料のメソ構造化を引き出すために一般に用いられる界面活性剤とを一緒にする段階からなる。ここでの基本的なアイデアは、組織化されたメソ多孔性の無機マトリクスの精密加工と、このマトリクス内でのゼオライト種の成長とを同時に行って、結晶化壁を有するメソ構造化アルミノケイ酸塩材料を理想的に得ることである(非特許文献11、非特許文献12)。これらの2つの技術の変形は、2種の構造化剤(一方はゼオライト系を生じさせる可能性があり、他方がメソ構造を生じさせる可能性がある)の存在下に、アルミニウムとケイ素の前駆体との混合物から出発する段階からなる。次いで、この溶液を、可変の水熱処理条件のもとで2回の結晶化段階に供して、この第一段階では、組織化された多孔性のメソ細孔性構造の形成をもたらし、第二段階では、無定形壁のゼオライト化をもたらす(非特許文献13;非特許文献14)。これらの合成方法の全てが、メソ構造を損傷し、そのせいで、ゼオライト種の成長または壁のゼオライト化が完全には管理されない場合にその利点を失うという欠点を有しており、それによってこの技術は実現が困難になる。
メソ構造化/ゼオライトの複合材料を直接的に精密加工して、これらの相の各々に特有の触媒特性を利用することも可能であることが注目され得る。これは、ゼオライト種溶液およびメソ構造化アルミノケイ酸塩種溶液の混合物の熱処理を通じて(非特許文献15)、または予備合成されたメソ構造化アルミノケイ酸塩の表面でのゼオライト層の成長を通じて(非特許文献16)なされ得る。
ゼオライトの後処理を通じて得られたメソ細孔性ゼオライト材料を除外して、本発明者らは、実験的観点から、これらの材料全てが、水溶液または極性溶媒中で構造化剤の存在下でまたはなしで、無機前駆体の直接沈殿によって得られ、この段階の後に、ほとんどの場合、オートクレーブ中の1回以上の熟成段階が行われることに注目する。普通に得られる基本的粒子は、規則的な形状を呈さず、それらは、200〜500nmにわたる大きさ、およびしばしば500nmを軽く超える大きさで特徴付けられる。
非ゼオライトのメソ構造化材料の場合、構造化剤の濃度が当業者に公知の臨界ミセル濃度(cmc)未満であるこれらの反応物の溶液の蒸発の進行による種々の進行程度で加水分解および縮合される無機前駆体と構造化剤との協同的自己集合を達成することが可能であり、これによって基質上の沈着の場合、メソ構造化フィルムの形成(ディップ−コーティング技術)、または溶液の霧化後のメソ構造化粉末の形成(エアゾール技術)のいずれかがもたらされる。例えば、特許文献2は、ディップ−コーティング技術を用いるメソ構造化有機−無機ハイブリッドフィルムの形成を開示しており;さらに、その著者らは、高純度のケイ素性メソ構造化材料を精密加工するためにエアゾール技術を用いている(非特許文献17)。
米国特許第6669924号明細書 米国特許第6387453号
ジー・ジェイ・デ・エイ・エイ・ソレール・イリッア(G. J. de A. A. Soler-Illia)、シー・サンチェス(C. Sanchez)、ビー・レビュー(B. Lebeau)ジェイ・パタリン(J. Patarin)著、「Chemical. Rev.」、2002年、第102巻、p.4093 エイ・エイチ・ヤンセン(A. H. Jansen)、エイ・ジェイ・コスター(A. J. Koster)、ケイ・ピー・デ・ヨン(K. P. de Jong)著、「J. Phy. Chem. B」、2002年、第106巻、p.11905 エイチ・アジョット(H. Ajot)、ジェイ・エフ・ジョリ(J. F. Joly)、ジェイ・リンチ(J. Lynch)、エフ・ラッツ(F. Raatz)、ピー・コーレット(P. Caullet)著、「Stud. Surf. Sci. Catal.」、1991年、第62巻、p.583 ピー・ビー・ワイス(P. B. Weisz)著、「ケムテック(Chemtech)」、1973年、第3巻、p.498 ジェイ・エス・ベック(J. S. Beck)、ジェイ・シー・バルツリ(J. C. Vartuli)、ダブリュー・ジェイ・ロス(W. J. Roth)、エム・イー・レオノビッチ(M. E. Leonowicz)、シー・ティー・クレスゲ(C. T. Kresge)、ケー・ディー・シュミット(K. D. Schmitt)、シー・ティー・ダブリュー・チュ(C. T. -W. Chu)、ディー・エイチ・オルソン(D. H. Olson)、イー・ダブリュー・シェパード(E. W. Sheppard)、エス・ビー・マクレン(S. B. McCullen)、ジェイ・ビー・ヒギンズ(J. B. Higgins)、ジェイ・エル・シュレンカー(J. L. Shlenker)著、「J. Am. Chem. Soc.」、1992年、第114巻、第27号、p.10834 ディー・チャオ(D. Zhao)、ジェイ・フェン(J.Feng)、キュー・ハオ(Q. Huo)、エヌ・メロッシュ(N. Melosh)、ジー・エイチ・フレディクソン(G. H. Fredickson)、ビー・エフ・ケメルカ(B. F. Chemelka)、ジー・ディー・スタッキー(G. D. Stucky)著、「サイエンス(Science)」、1998年、第279巻、p.548 ケー・アール・コレストラ(K. R. Koletstra)、エイチ・バン・ベッカム(H. van Bekkum)、ジェイ・シー・ヤンセン(J. C. Jansen)著、「Chem. Commun.」、1997年、p.2281 ディー・ティー・オン(D. T. On)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Angew. Chem. Int. Ed.」、2001年、第40巻、p.3248 ディー・ティー・オン(D. T. On)、ディー・ルティック(D. Lutic)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、2001年、第44巻、p.435 エム・ジェイ・フェルホッフ(M. J. Verhoef)、ピー・ジェイ・コーイマン(P. J. Kooyman)、ジェイ・シー・ファン・デル・ワール(J. C. van der Waal)、エム・エス・リグット(M. S. Rigutto)、ジェイ・エイ・ぺータース(J. A. Peters)、エイチ・バン・ベッカム(H. van Bekkum)著、「Chem. Mater.」、2001年、第13巻、p.683 ゼット・チャン(Z. Zhang)ら著、「J. Am. Chem. Soc.」、2001年、第123巻、p.5014 ワイ・リュー(Y. Liu)ら著、「J. Am. Chem. Soc.」、2000年、第122巻、p.8791 エー・カルルソン(A. Karlsson)、エム・ステッカー(M. Stocker)、アール・シュミット(R. Schmidt)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、1999年、第27巻、p.181 エル・ファン(L. Huang)、ダブリュー・グオ(W. Guo)、ピー・デン(P. Deng)、ゼット・クイ(Z. Xue)、キュー・リ(Q. Li)著、「J. Phys. Chem. B」、2000年、第104巻、p.2817 ピー・プロケソヴァ(P. Prokesova)、エス・ミントワ(S. Mintova)、ジェイ・セジカ(J. Cejka)、ティー・バイン(T. Bein)著、「Micropor. Mesopor. Mater.」、2003年、第64巻、p.165 ディー・ティー・オン(D. T. On)、エス・カリアギュイン(S. Kaliaguine)著、「Angew. Chem. Int. Ed.」、2002年、第41巻、p.1036 シー・ジェイ・ブリンカー(C. J. Brinker)、ワイ・ル(Y. Lu)、エイ・セリンジャー(A. Sellinger)、エイチ・ファン(H. Fan)著、「Adv. Mater.」、1999年、第11巻、p.7
(発明の要約)
本発明は、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域に階層的多孔性と、メソ多孔性の領域に組織化された多孔性とを有する材料であって、少なくとも2つの基本的球状粒子からなり、その球状粒子の各々は、マトリクスを含み、該マトリクスは、酸化ケイ素をベースとし、メソ構造化され、1.5〜30nmの範囲にわたるメソ細孔径を有しており、かつ1〜50nmの範囲にわたる厚さの無定形のミクロ細孔性の壁を呈し、この基本的球状粒子が200ミクロンの最大径を有している、材料に関する。酸化ケイ素をベースとするこのマトリクスは必要に応じて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムをも含む。本発明はまた、本発明による材料の調製に関する。本発明による材料を調製する方法は:a)プロトゼオライト物前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体、ならびに場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の要素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含んでいる、透明な溶液を調製する段階と;b)少なくとも1種の界面活性剤および少なくとも段階a)で得られる少なくともこの透明な溶液を、無機物および有機物の容積の比であるV無機/V有機が0.26〜4の範囲にわたるように混合して溶液にする段階と;c)b)の段階で得られるこの溶液をエアゾール霧化して球状の小滴の形成をもたらす段階と;d)この小滴を乾燥させる段階と;e)この構造化剤およびこの界面活性剤を除去して、メソ多孔性およびマクロ多孔性の領域内の階層的多孔性ならびにメソ多孔性の領域内の組織化された多孔性を有する無定形材料を得る段階と、を包含する。
本発明による材料の無定形壁によって誘導されるミクロ多孔性は、本発明の方法の段階a)によるプロトゼオライト物前駆体要素を含んでいる溶液の使用から生じるだけでなく、少なくとも1種の界面活性剤および本発明の方法の段階c)による透明溶液を含んでいる溶液のエアゾール霧化からも生じる。本発明による材料のメソ構造化は、界面活性剤の存在およびプロトゼオライト物前駆体要素を含有している溶液からの無機相の存在によって生じる、本発明の方法の段階c)によるエアゾール技術によって誘導される蒸発によるミセル化または自己集合の現象から生じる。
(発明の関心)
本発明によるメソ構造化無機マトリクスを含む材料であって、該メソ構造化無機マトリクスは、酸化ケイ素をベースとし、ミクロ細孔性の無定形壁を有する、材料は、ミクロ細孔性材料およびメソ構造化材料に特有の表面組織(textural)特性を同時に呈する。好ましくは、本発明による材料の基本的球状粒子の各々1つを形成する酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、ケイ素に加えて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムを含んで、無定形アルミノケイ酸塩マトリクスを形成する。本発明による材料は次に、Xがアルミニウムである場合、プロトゼオライト物前駆体を欠いており、かつ無機シリカおよびアルミナ前駆体を用いる当業者に公知の合成手順によって調製される従来技術の無定形アルミノケイ酸塩材料よりも大きい酸塩基性特性を呈する。さらに、マイクロメーター、さらにはナノメーターの大きさの同じ球状粒子内のミクロ細孔性の無定形の無機マトリクスにおいて組織化されたメソ細孔の存在は、潜在的な工業的適用において本発明による材料が用いられる場合、ミクロ細孔部位に対する反応物の優先的なアクセスおよび反応産物の優先的なアクセスをもたらす。さらに、本発明による材料は、球状の基本粒子からなり、これらの粒子の径は最大200μm、好ましくは100μm未満、有利には50nm〜20μmにわたり、より有利には50nm〜10μmであり、最も有利には50nm〜3μmにわたる。これらの粒子の限界の大きさおよびそれらの均質な球状の大きさによって、本発明による材料が潜在的な工業的適用で用いられる場合、均質でない、すなわち不規則な形状であって、500nmを超える大きさである場合が多い基本的粒子の形態をとる従来技術から公知の材料と比較して、反応物質のより良好な拡散および反応生成物のより良好な拡散がもたらされる。
(詳細な説明)
本発明の目的は、階層的多孔性を有する材料であって、少なくとも2つの基本的球状粒子からなり、その球状粒子の各々は、マトリクスを含み、該マトリクスは、酸化ケイ素をベースとし、メソ構造化され、1.5〜30nmにおよぶメソ細孔径を有しており、かつ1.5〜50nmにおよぶ厚みの無定形のミクロ細孔壁を呈しており、この基本的球状粒子は、200ミクロンの最大径を有している、材料に関する。
本発明による材料は、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性とメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料である。階層的かつ組織化された多孔性を有する材料であるためには、本発明の意味では、以下のこのような球状粒子のうちの各々1つのスケールで二重の多孔性を有する材料であることが理解される:メソ多孔性、すなわち、均一にかつ一様にこの粒子の各々に分布された、1.5〜30nm、好ましくは1.5〜15nmにおよぶ均一な径を有しているメソ細孔性スケールに組織化された細孔の存在(メソ構造化)、ならびに本発明による材料の各々の球状粒子のマトリクスの無定形壁の構成物質のプロトゼオライト物に依存するこのミクロ多孔性の特徴である無定形壁によって誘導されるミクロ多孔性。このミクロ多孔性は、この無定形壁内の1.5nm未満の径のミクロ細孔の存在によって特徴付けられる。本発明による材料はまた、粒子内の表面組織のマクロ多孔性を呈する。ミクロ細孔性の性質の多孔性はまた、本発明によるこの材料の無機成分のメソ構造化の際に生じた有機−無機の境界面のレベルでの無機壁と本発明による材料の調製に用いられる界面活性剤との鱗状の重なり(imbrication)から生じてもよい。有利には、本発明による材料を構成している球状粒子のいずれもマクロ細孔を有するものはない。
本発明によれば、本発明による材料の球状粒子の各々を形成している酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、本発明による材料の各々の球状粒子内に存在するミクロ多孔性の起源であるプロトゼオライト物から専らなる無定形壁を有する。プロトゼオライト物は、ゼオライトの合成に用いられる反応物から調製される種であり、この種の調製は結晶化されたゼオライト形成段階をもたらしていない。従って、この小型のプロトゼオライト物は広角のX線回折によって特徴づけられる場合、検出されない。より正確にはおよび本発明によると、本発明による材料の各々の球状粒子のマトリクスの無定形ミクロ細孔性壁を完全かつ均一に構成しているプロトゼオライト物は、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体、および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を、種々の時間および温度条件下で一緒にして透明な溶液を得ることを可能にすることから生じる種であり、この種は、当業者に公知の任意のゼオライトの合成、特に、ただし排除するものではないが、「Atlas of zeolite framework types」第5改訂版、2001、C. Baeriocher,W. M. Meier,D. H. Olsonに列挙されるゼオライトの合成に開始剤として役立つことが可能である。
本発明による材料の各々の粒子のマトリクスの無定形壁を全体に構成しており、そのミクロ多孔性の起源であるプロトゼオライト物は、好ましくは、以下のゼオライトのなかから選択される少なくとも1種のゼオライトのプライミングのための種である:ZSM−5、ZSM−48、ZSM−22、ZSM−23、ZBM−30、EU−2,EU−11、シリカライト、ベータ、ゼオライトA、フォージャサイト、Y、USY、VUSY、SDUSY、モルデナイト、NU−87、NU−88、NU−86、NU−85、IM−5、IM−12、フェリエライトおよびEU−1。さらに好ましくは、本発明による材料の各々の粒子のマトリクスの無定形のミクロ細孔性の壁を全体に構成しているプロトゼオライト物は、MFI、BEA、FAUおよびLTAの構造型のゼオライトのなかから選択される少なくとも1種のゼオライトをプライミングするための種である。
本発明によれば、本発明による材料の基本的球状粒子の各々を形成している酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、全体的にケイ素性であるか、またはそれは、ケイ素に加えて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムを含む。従って、本発明による材料の各々の粒子のマトリクスの無定形のミクロ細孔性の壁を全体に構成しており、そのミクロ多孔性の起源であるプロトゼオライト物は、有利には、少なくとも1種のゼオライトをプライミングするための種であり、全体としてケイ素性であるか、またはケイ素に加えて、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムを含んでいる。Xがアルミニウムである場合、この材料のマトリクスは無定形アルミノケイ酸塩の場合には、結晶化アルミノケイ酸塩材料の前駆体である。この無定形アルミノケイ酸塩は、ケイ素前駆体およびアルミニウム前駆体の溶液のSi/Alのモル比と同一のSi/Alモル比を有し、このマトリクスの無定形のミクロ細孔性の壁を全体に構成するプロトゼオライト物の形成をもたらす。
本発明による材料を構成している各々の球状粒子に含まれる酸化ケイ素をベースとするマトリクスは、メソ構造化される:これは、1.5〜30nm、好ましくは1.5〜15nmにおよぶ、均一な、すなわち各々のメソ細孔に対して同一の径のメソ細孔を呈し、各々の球状粒子に均一かつ一様に分布させられる。この球状粒子の各々1つのメソ細孔の間に位置する物は、ミクロ細孔性かつ完全に無定形であって、それは1〜50nm、好ましくは1〜30nmの厚みの壁を形成する。その壁の厚みは、第一のメソ細孔と第二のメソ細孔との間の距離に相当し、その第二のメソ細孔とは、この第一のメソ細孔に最も近い細孔である。上記のメソ多孔性組織化によって、六方晶系、バーミキュラまたは立方晶系であり得る、好ましくはバーミキュラである、酸化ケイ素をベースとするマトリクスの構造化がもたらされる。
本発明による材料のメソ構造化は、本発明による材料に用いられる界面活性剤の性質に応じて、バーミキュラ、立方晶系または六方晶系のタイプであってもよい。
本発明によれば、本発明による材料を構成しているこの基本的球状粒子は、200ミクロンの最大径を有し、好ましくは100ミクロン未満、有利には50nm〜20μmにわたり、さらに有利には50nm〜10μmにわたり、最も有利には50nm〜3μmにわたる。さらに正確には、それらは、本発明による材料中に凝集物の形態で存在する。
本発明による材料は、有利には100〜1100m/g、さらに有利には200〜1000m/gにわたる比表面積を有する。
本発明による材料は、有利には、窒素容積測定分析によって測定されるメソ細孔容積0.01〜1ml/gおよび窒素容積測定分析によって測定されるミクロ細孔容積0.01〜0.4ml/gを有する。
本発明の目的はまた、本発明による材料の調製である。本発明による材料を調製するこの方法は:a)プロトゼオライト物の前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体、および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含んでいる、透明な溶液を調製する段階と;b)少なくとも1種の界面活性剤および少なくとも前記の段階a)において得られる透明な溶液を、無機物および有機物の容積の比が0.26〜4の範囲となるように混合して溶液にする段階と;c)段階b)において得られたこの溶液をエアゾール霧化して球状の小滴の形成をもたらす段階と;d)この小滴を乾燥させる段階と;e)この構造化剤およびこの界面活性剤を除去して、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する無定形材料を得る段階と、を包含する。
本発明による調製方法の段階a)によれば、プロトゼオライト物前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1つのケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含んでいる透明な溶液は、当業者に公知の操作手順から作製される。
本発明による方法の段階a)を行うために用いられるケイ素前駆体は、当業者に公知の酸化ケイ素前駆体のなかから選択される。詳細には、ゼオライトの合成に通常用いられるシリカ前駆体のなかから選択されるケイ素前駆体が有利には用いられ、例えば、粉末の固体シリカ、ケイ酸、コロイド状シリカ、溶解シリカ、またはオルトケイ酸テトラエチル(tetraethylorthosilicate:TEOS)とも呼ばれるテトラエトキシシランである。ケイ素前駆体は好ましくはTEOSである。
本発明による方法の段階a)を行うために場合により用いられる元素Xの前駆体は、元素Xを含みかつこの元素を溶液中、特に、水性または水−有機溶液中に活性な形態で放出し得るあらゆる化合物であり得る。Xがアルミニウムである好ましい場合、アルミニウム前駆体は、有利には、式AlZ(Zはハロゲン、ニトラートまたはヒドロキシドである)の無機アルミニウム塩である。好ましくは、Zは塩素である。アルミニウム前駆体はまた、式Al(SOの硫酸アルミニウムであってもよい。アルミの前駆体はまた、式Al(OR)(ここでR=エチル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル(Al(O)もしくはt−ブチルである)の有機金属前駆体またはキレート前駆体、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート(Al(C)であってよい。好ましくは、Rはs−ブチルである。アルミニウム前駆体はまた、アルミン酸ナトリウムもしくはアルミン酸アンモニウム、または当業者に公知のその結晶相のうちの1つ(α、δ、θ、γ)における適切なアルミナであってよく、好ましくは、水和された形態、または水和可能な形態である。
前述の前駆体の混合物を用いることも可能である。アルミニウムおよびケイ素の前駆体のある程度または全てが必要に応じて、アルミニウム原子およびケイ素原子の両方を含んでいる単一化合物、例えば、無定形のシリカ・アルミナの形態で加えられてもよい。
本発明による方法の段階a)を行うために用いられる構造化剤は、このプロトゼオライト物から得られるであろうゼオライトの性質に応じてイオン性であっても中性であってもよい。以下の限定的な列挙からの構造化剤が頻繁に用いられる:窒素含有有機陽イオン、例えば、テトラプロピルアンモニウム(tetrapropylammonium:TPA)、アルカリ族からの元素(Cs、K、Naなど)、クラウンエーテル、ジアミン、ならびにゼオライト合成について当業者に公知の任意の他の構造化剤。
本発明の材料調製方法の段階a)によるプロトゼオライト物前駆体要素を含んでいる透明な溶液は一般には、少なくとも1種のケイ素前駆体、場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体、好ましくは少なくとも1種のアルミニウムの前駆体、ならびに少なくとも1種の構造化剤を含んでいる反応混合物を調製することによって得られる。この反応混合物は、例えば、水性または水−有機、例えば水−アルコール混合物のいずれかである。塩基性反応媒体は、好ましくは、本発明による材料の各粒子のマトリクスの無定形のミクロ細孔性の壁を構成するプロトゼオライト物の発達を有利にするために、本発明による方法の種々の段階を通じて用いられる。溶液の塩基性は、有利には、用いられる構造化剤の塩基性によって、または塩基性化合物、例えば、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムの添加を通じた反応混合物の塩基性化によってもたらされる。反応混合物は、自己生成圧力下、場合により、ガス、例えば窒素を添加することにより、周囲温度から200℃、好ましくは周囲温度から170℃にわたる温度、より好ましくは120℃を超えない温度で、本発明による材料の各球状粒子のマトリクスの無定形のミクロ細孔壁を構成するプロトゼオライト物の前駆体要素を含む透明な溶液が形成されるまで水熱条件に付され得る。好ましい操作方法によれば、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体および場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体を含んでいる反応混合物は周囲温度で熟成させられ、結晶化ゼオライト物の形成を生じる可能性があるプロトゼオライト物の前駆体要素を含んでいる透明な溶液が得られる。
本発明による方法の段階a)によると、この透明な溶液中に存在するプロトゼオライト物の前駆体要素は、当業者に公知の操作手順に従って合成される。詳細には、本発明による材料であって、各粒子のマトリクスがベータプロトゼオライト物からなるものについて、ベータプロトゼオライト物の前駆体要素を含む透明な溶液は、P. Prokesova, S. Mintova, J. Cejka, T. Bein et al., Micropor. Mesopor. Mater., 2003, 64, 165に記載の操作手順に従って調製される。本発明の材料であって、各球状粒子のマトリクスがFAUタイプのプロトゼオライト物からなるものについて、FAUタイプのプロトゼオライト物の前駆体要素を含んでいる透明な溶液は、Y. Liu, W. Z. Zhang, T. J. Pinnavaia et al., J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 8791およびK. R. Kloetstra, H. W. Zandbergen, J. C. Jansen, H. vanBekkum, Microporous Mater., 1996, 6, 287に記載の操作手順に従って調製される。本発明による材料であって、各球状粒子のマトリクスがZSM−5タイプのプロトゼオライト物からなるものについて、ZSM−5のプロトゼオライト物の前駆体要素を含んでいる透明な溶液は、A. E. Persson, B. J. Schoeman, J. Sterte, J. -E. Otterstedt, Zeolites, 1995, 15, 611に記載の操作手順から調製される。高純度のケイ素材料の特定の場合には、本発明のこの材料の壁を構成しているシリカライト・プロトゼオライト物の前駆体要素を含有している透明な溶液は、有利には、A. E. Persson, B. J. Schoeman, J. Sterte, J. -E. Otterstedt, Zeolite, 1994, 14, 557に記載の操作手順に従って調製される。
本発明による材料調製方法の段階b)によると、用いられる界面活性剤は、イオン性もしくは非イオン性の界面活性剤、またはその混合物である。好ましくは、このイオン性界面活性剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような硫酸塩などの陰イオン性の界面活性剤のなかから選択される。好ましくは、この非イオン性界面活性剤は、それらに対する両親媒性高分子特性を付与する、異なる極性の少なくとも2つの部分を有している任意の共重合体であってもよい。これらの共重合体は、以下の重合体の族の限定的なリストに属している少なくとも1つのブロックを含んでもよい:フッ素化重合体(−[CH−CH−CH−CH−O−CO−R1−;R1=C、C17など)、生物学的重合体、例えば、ポリアミノ酸(ポリ−リジン、アルギン酸など)、デンドリマー、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる重合体。当業者に公知の両親媒性特徴の任意の他の共重合体が、例えば、ポリ(スチレン−b−アクリルアミド)などの本発明による調製方法の段階b)において安定な溶液を得ることを可能にする場合、用いられてもよい(S. Foerster, M. Antionnetti, Adv. Mater, 1998, 10, 195~217;S. Foerster, T. Plantenberg, Angew. Chem. Int, Ed. 2002, 41, 688~714; H. Coelfen, Macromol. Rapid Commun, 2001, 22, 219~252)。好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるブロック共重合体が本発明の範囲内で用いられる。このようなブロック共重合体は好ましくは、2、3または4個のブロックを有し、各々のブロックがポリ(アルキレンオキシド)鎖からなるブロック共重合体である。2ブロック共重合体について、ブロックのうち一方は親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他方のブロックは、疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。3ブロック共重合体について、ブロックの少なくとも1つは、親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる一方で、他のブロックのうち少なくとも1つは、疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。好ましくは、3ブロック共重合体の場合、親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PEO)および(PEO)によって示されるポリ(エチレンオキシド)鎖であり、疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖は、(PPO)によって示されるポリ(プロピレンオキシド)鎖、ポリ(ブチレンオキシド)鎖または、それぞれの鎖が複数種のアルキレンオキシドモノマーの混合である混合された鎖である。より好ましくは、3ブロック共重合体の場合、これは、2つのポリ(エチレンオキシド)鎖、および1つのポリ(プロピレンオキシド)鎖からなる。より正確には、式(PEO)−(PPO)−(PEO)の化合物(ここでXは5〜300にわたり、Yは33〜300にわたり、Zは5〜300にわたる)が用いられる。好ましくは、XおよびZの値は同一である。X=20、Y=70およびZ=20である化合物(P123)、ならびにX=106、Y=70およびZ=106である化合物(F127)が非常に有利に用いられる。Pluronic(登録商標)(BASF)、Tetronic(登録商標)(BASF)、Triton(登録商標)(Sigma)、Tergitol(登録商標)(Union Carbide)、およびBrij(登録商標)(Aldrich)として公知の市販の非イオン性の界面活性剤が、本発明による調製方法の段階b)において非イオン性の界面活性剤として用いられ得る。4ブロック共重合体について、ブロックの2つは、親水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなり、他の2つのブロックは、疎水性の性質のポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる。
本発明による調製方法の段階b)の終わりに得られる溶液であって、少なくとも前記界面活性剤および少なくとも前記の段階a)において得られた透明溶液が混合される、溶液は、酸性であっても、中性であっても、または塩基性であってもよい。好ましくは、この溶液は塩基性であり、これは好ましくは、9を超えるpH値を有し、このpH値は一般には、本発明の材料調製方法の段階a)により得られたプロトゼオライト物の前駆体要素を含んでいる透明な溶液のpH値によって与えられている。段階b)の終わりに得られる溶液は、水性であってもよいし、またはそれは水および有機溶媒の混合物であってもよく、この有機溶媒は好ましくは、極性溶媒、とりわけアルコール、好ましくはエタノールである。
本発明による調製方法の段階b)により混合物中に存在する有機化合物の量、すなわち、界面活性剤および構造化剤の量は、本発明の方法の段階a)によるプロトゼオライト物の前駆体要素を含んでいる透明な溶液を添加した後のこの混合物中に存在する無機物の量に関係して規定される。無機物の量は、ケイ素前駆体物および元素Xの前駆体物(存在する場合)の量に相当する。V無機/V有機の容積比は、本発明による調製方法の霧化段階c)において形成される有機−無機の二成分系が、種々の無機前駆体の加水分解/縮合反応と関連する界面活性剤の自己集合を通じたメソ構造化プロセスを受けるようにされる。このV無機/V有機の容積比は、以下のように規定される::V無機/V有機=(m無機*ρ有機)/(m有機*ρ無機)(ここで、m無機は霧化によって得られる固体の基本的粒子における縮合酸化物(単数または複数)の形態の無機部の最終質量であり、m有機は、霧化によって得られる固体の基本的粒子に見出される不揮発性有機部の総質量であり、ρ有機およびρ無機は、それぞれ不揮発性の有機部および無機部に関連する密度である)。本発明の範囲内で、元素Xがアルミニウムであり、計算をの単純化のため(不揮発性有機部の大部分について、および「アルミノケイ酸塩網目状構造」型の無機部に有効な近似)、本発明者らは、ρ有機=1およびρ無機=2であるとみなす。本発明の範囲内では、m無機は、一般に、SiOの質量であってXがアルミニウムである場合にはここにAlOの量が加えられる質量に相当し、m有機は構造化剤、例えば、TPAOHの質量であって、ここに界面活性剤、例えば界面活性剤F127の量が加えられる質量に相当する。極性溶媒、好ましくはエタノール、ならびに水およびソーダ(soda)は、この比V無機/V有機の計算において考慮に入れられていない。この段階b)を行った後に、本発明による材料の調製のために、場合により導入される元素Xを含んでいる種、好ましくは、アルミニウム種は、上記の比V無機/V有機の計算において考慮に入れられていない。本発明によれば、段階b)を行った後に得られる混合物中の有機物の量および無機物の量は、V無機/V有機の比が0.26〜4、好ましくは0.30〜2に及ぶようにされる。本発明による方法の段階b)によれば、Cによって規定される、混合物中に導入される界
面活性剤の初期濃度は、cがcmc以下であるようにされ、パラメータCmcは、当業者に公知の臨界ミセル濃度、すなわち、これを超えると段階b)の後に得られた溶液において界面活性剤分子の自己集合の現象が起こる限界濃度を示す。従って、霧化の前に、本発明による調製方法の段階b)の後に得られる溶液の界面活性剤分子濃度は、特定のミセル相の形成をもたらさない。本発明による方法の好ましい実施形態では、濃度CはCmcより低く、V無機/V有機の比は、二成分系の組成が、メソ構造化のメカニズムが反応物の協同的自己集合を通じて起こり(V無機/V有機は0.26〜4、好ましくは0.3〜2におよぶ)、本発明による調製方法の段階b)において探究されるこの溶液が塩基性の水−アルコール混合物である組成条件を確証するようにされる。
本発明による調製方法の段階c)による混合物霧化段階は、球状の小滴を生じさせる。これらの小滴の大きさの分布は、対数正規型の分布である。本明細書で用いられるエアゾール発生器は、6つのジエット霧化器を備えるTSIによって提供される9306A型の市販の装置である。キャリアガスであるO/N混合物(乾燥空気)が1.5バールの圧力Pで送られる室中で溶液の霧化が生じる。
本発明による調製方法の段階d)によると、この小滴は乾燥させられる。乾燥はキャリアガスであるO/N混合物を介したこの小滴の移動を通じて、PVC管中で行われ、これによって、溶液、例えば、本発明による調製方法の段階b)において得られる塩基性の水性−有機溶液の蒸発の進行性、従って、球状基本粒子の形成がもたらされる。この乾燥手順は、この粒子を温度調整が可能なオーブンに通過させることによって完了するが、その通常の温度は、50〜600℃、好ましくは80〜400℃にわたり、オーブン中の粒子の滞留時間は、1秒程度である。次いで、この粒子をフィルター上に回収する。回路の端に配置されたポンプは、エアゾール実験装置における種の送達に有利に働く。本発明の調製方法の段階d)による小滴の乾燥の後に、有利には、50〜150℃にわたる温度でのストーブ中の通過が行われる。
本発明による方法の段階a)を行うために場合により用いられる元素Xが、アルミニウム元素であり、本発明による調製方法の段階a)により得られる透明な溶液中に、この透明な溶液の塩基性をもたらす水酸化ナトリウムの使用および/またはナトリウム含有構造化剤の使用を介して、ナトリウム元素が存在する特定の場合において、本発明の段階d)と段階e)との間で、NH カチオンでNaカチオンを交換することを可能にするイオン交換の追加の段階が好ましくは行われる。この交換は、構造化剤および界面活性剤の排除が空気中の焼成によって行われる好ましい場合、本発明の調製方法の段階e)の後のプロトンHの形成をもたらすものであり、この交換は、当業者に公知の操作手順に従って行われる。通常の方法一つは、本発明の調製方法の段階d)からの乾燥した固体粒子を硝酸アンモニウムの水溶液中に懸濁させることからなる。次いで、この集合物は1〜6時間にわたって還流させられる。その後、その粒子をろ過によって回収し(9000rpmの遠心分離)、洗浄し、次いでストーブ中50〜150℃にわたる温度での通過を通じて乾燥させる。このイオン交換/洗浄/乾燥のサイクルは、複数回、好ましくは2回以上繰り返され得る。この交換サイクルはまた、本発明による方法の段階d)およびe)の後に行われ得る。これらの条件下に、次に段階e)が最後の交換サイクルの後に繰り返されて、上記の説明どおりプロトンHが生じる。
本発明の調製方法の段階e)によると、ミクロ多孔性およびメタ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する、本発明による材料を得るための構造化剤および界面活性剤の排除は、有利には、化学的抽出方法または熱処理によって、好ましくは300〜1000℃、好ましくは400〜600℃の範囲の温度での、1〜24時間、好ましくは2〜12時間にわたる、空気中の焼成によって行われる。
本発明による調製方法の段階b)において調製される溶液が水−有機溶媒混合物(好ましくは塩基性)であるならば、この方法の段階b)の間に、マトリクスのメソ構造化の始点にある界面活性剤の濃度は臨界ミセル濃度よりも低いこと、ならびにV無機/V有機の比は、0.26〜4、好ましくは0.30〜2の範囲であることが必須であり、その結果エアゾール技術の方法による本発明に従うこの調製方法の段階c)の間、この水−有機溶液(好ましくは塩基性)の蒸発がミセル化または自己集合の現象を誘導し、これによって、本発明による材料のマトリクスのメソ構造化がもたらされる。c<cmcである場合、本発明による材料のマトリクスのメソ構造化は、本発明による材料調製方法の段階a)において得られる透明な溶液のプロトゼオライト物前駆体要素および本発明による調製方法の段階b)の間に誘導された少なくとも1種の界面活性剤の、好ましくは塩基性の水‐有機溶液の蒸発に由来する界面活性剤濃度c>cmcまでの各々の小滴内の濃縮の進行の結果である。
本発明の調製方法の第一の好ましい実施形態によれば、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を導入して、本発明の方法のこの段階b)を行う。従って、少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも前記の本発明の方法の段階a)により得られた透明な溶液とを混合して溶液にする段階は、本発明の方法のこの段階a)を行うための前記元素Xの前述の前駆体のなかから選択される前記元素Xの少なくとも1種の前駆体、好ましくは本発明の説明で上記されるアルミニウムの前駆体の存在下に行われる。本発明の方法の前記第一の好ましい実施形態によれば、本発明の調製方法の段階a)による透明な溶液の調製は、少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体の存在下または不存在下のいずれかにおいて行われる。
本発明の調製方法の第二の好ましい実施形態によれば、本発明による材料の表面改変を引き出すために本発明の方法の前記段階d)および/または前記段階e)を行いながら、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体が導入される。本発明の調製方法の前記第二の好ましい実施形態によれば、当業者に公知の任意の表面改質技術、例えば、少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体のグラフト(grafting)、少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体の乾式含浸、ならびに少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体の過剰含浸(excess impregnation)によって前記段階d)および/または前記段階e)を行いながら、少なくとも1種の元素Xの前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体が導入される。表面改質技術によって本発明による方法の前記段階d)および/または前記段階e)を行いながら導入される、少なくとも1種の元素Xの前記前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体は、本発明の方法の前記段階a)を行うための本発明の説明で上記される前記元素Xの前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体の中から選択される。本発明の調製方法の前記第二の好ましい実施形態によれば、本発明の方法の段階a)は、少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体の存在下または不存在下において行われ、本発明の方法の段階b)は、少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体、好ましくはアルミニウム前駆体の存在下または不存在下において行われる。
本発明の材料調製方法によれば、本発明の調製方法の前記第1の好ましい実施形態および本発明の調製方法の前記第二の好ましい実施形態は、本発明の材料調製方法の任意の変形にすぎない。従って、本発明による材料の各々の球状粒子のメソ構造化マトリクスが元素X、好ましくはアルミニウムを含むとき、前記元素X、好ましくは、アルミニウムは、前記透明な溶液を調製するための本発明の調製方法の前記段階a)の間に、または本発明の調製方法の前記第一の好ましい実施形態による前記段階b)の間に、または本発明の調製方法の前記第二の好ましい実施形態による前記段階d)および/もしくは前記段階e)の間に導入される。元素X、好ましくはアルミニウムはまた、有利には、上記の実施形態の全ての可能な組み合わせに従っていくつかの段階を行いながら、数回導入されてもよい。特に、前記段階a)および前記段階b)の間、または前記段階a)および前記段階d)および/または前記段階e)の間にアルミニウムを導入することが有利である。
元素Xがアルミニウムである特定の場合、本発明の調製方法に従って得られる無定形アルミノケイ酸塩は、本発明の調製方法の段階a)の間に導入されたケイ素元素の量および上記の種々の好ましい実施形態に従って本発明の調製方法の段階(単数または複数)で導入されたアルミニウム元素の総量から規定されるSi/Alモル比を有する。このような条件下に、本発明による材料のSi/Alモル比は好ましくは1〜1000の範囲である。
本発明の方法の前記第一の好ましい実施形態が適用される場合、段階b)を行うために導入されるべき有機物質および無機物質の量は、前記第一の実施形態に従って前記段階b)において導入される元素X、好ましくはアルミニウムの追加物の量に応じて、本発明による材料を調製するために導入される有機物および無機物の総量が前記物質の各々の粒子のマトリクスのメソ構造化をもたらすミセル化現象の発生を可能にするように調節されなければならない。
本発明による、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料は、粉末、ボール、ペレット、顆粒または押出物の形態で得られてよく、この成形操作は、当業者に公知の従来の技術を用いて行われる。好ましくは、本発明による、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料は、200μmの最大径を有している基本的球状粒子からなっている粉末の形態で得られ、これによって、本発明による材料が潜在的な工業的適用で用いられるならば可能性のある反応物の拡散が容易になる。
ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する、本発明による材料は、いくつかの分析技術によって、とりわけ、小角X線回折(low-angle X-ray diffraction:LAXD),窒素容積測定分析(BET)、透過型電子顕微鏡法(transmission electron microscopy:TEM)、走査型電子顕微鏡法(scanning electron microscopy:SEM)およびX線蛍光(X-ray fluorescence:XRF)によって特徴づけられる。
小角X線回折技術(0.5〜3°におよんでいる角度2θの値)では、本発明による材料のメソ構造化マトリクスの組織化されたメソ多孔性によって生じるナノメートルスケールの周期性を特徴づけることが可能である。以降の説明では、X線の分析は、粉末について、後部モノクロメータ(rear monochromator)を装備した反射回折計により、銅放射線(波長1.5406Å)を用いて行われる。角度2θの所定の値に対応するディフラクトグラムにおいて通常観察されるピークは、ブラッグ(Bragg)関係:2d(hkl) sin(θ)=nλにより、その材料の構造的対称性の特徴である格子面間隔(inter-reticular distance)d(hkl)に関連している((hkl)は、相互のネットワークのミラー指数である)。次にこの指数付けによって、直接ネットワークの格子パラメータ(abc)を決定することが可能になる(これらのパラメータの値は、得られる六方晶系、立方晶系またはバーミキュラの構造に依存している)。例えば、本発明の材料調製方法により、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、およびポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として公知の特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ構造化材料であって、その各球状粒子のミクロ細孔性のマトリクス壁は、ZSM−5タイプのアルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなる、材料の小角X線ディフラクトグラムは、完全な分解能を示す相関ピークを示し、これはバーミキュラタイプの構造の特徴であり、ブラッグの関係式:2dsin(θ)=nλによって規定される細孔の間の相関距離dに対応する。
窒素容積測定分析は、一定温度での漸増圧力増大を介した材料の多孔性における窒素分子の物理的吸着に対応するものであり、この窒素容積測定分析によって、本発明による材料の特定の表面組織特徴についての情報(メソ細孔径、多孔性型、比表面積)が得られる。特に、この材料のミクロ細孔およびメソ細孔の容積の全体的な値を知ることが可能になる。窒素吸着等温線の形状およびヒステリシス・ループの形状によって、本発明による材料の各々の球状粒子のマトリクスの無定形壁を構成しているプロトゼオライト物と関連しているミクロ多孔性の存在について、およびメソ多孔性の性質についての情報がもたらされ得る。本発明による材料のミクロ多孔性の定量的分析は、「t」(Lippens-De Boer法,1965)またはF.Rouquerol、J.RouquerolおよびK.Singにより記述される“Adsorption by powders and porous solid.Principles,methodology and applications”, Academic Press, 1999において記載されるように、初期吸着等温線の変換に相当する「α」(Singにより提供される方法)方法から行われる。これらの方法によって、特に、本発明による材料のミクロ多孔性の特徴であるミクロ細孔容積の値、およびサンプルの比表面積を得ることが可能になる。用いられる基準固体は、LiChrospher(登録商標)Si-1000シリカ(M. Jaroniec, M. Kruck, J. P. Olivier, Langmuir, 1999, 15, 5410)である。例えば、本発明の材料調製方法により、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、およびポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として公知の特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ構造化材料であって、各球状粒子のミクロ細孔性マトリクス壁はZSM−5タイプのアルミノケイ酸塩物からなる、材料の窒素吸着等温線は、P/P0の低い値の範囲(ここでP0は温度Tでの飽和蒸気圧である)で大きい吸着ジャンプを、続いてミクロ細孔性材料の特徴である、広い圧力範囲にわたって極めてわずかな傾きを有する平坦域を、そしてより高いP/P0値についてはIV型等温線およびH1型ヒステリシス・ループを示し、この関連する細孔分布曲線は、1.5〜30nmの範囲に中心がある均一サイズのメソ細孔集団の典型である。メソ構造化マトリクスに関して、メソ細孔径Φの値および上記の小角X線回折によって規定されるメソ細孔間の相関距離dの間の差は、量e(e=d−Φであり、本発明による材料のメソ構造化マトリクスの無定形壁の厚さの特徴である)を得ることを可能にする。同様に、上述のα法を介して得られた曲線Vads(ml/g)=f(α)は、この材料内のミクロ多孔性の存在の特徴であり、それは、0.01〜0.4ml/gにわたっているミクロ細孔容積値をもたらす。上記のとおり、ミクロ細孔およびメソ細孔の全体的な容積の決定、ならびにミクロ細孔容積の決定によって、0.01〜1ml/gにわたる本発明による材料についてのメソ細孔容積値がもたらされる。
透過型電子顕微鏡法(TEM)分析も本発明による材料のメソ構造化マトリクス内の組織化されたメソ多孔性を特徴づけるための通常用いられる技術である。TEMによって、研究される固体の画像の形成が可能になり、観察されているコントラストは、観察される粒子の構造的な組織化、表面組織、形態または化学的組成の特徴であり、この技術の分解能は最大0.2nmに達する。以後の記述では、TEMの写真は、サンプルのミクロトーム切片から得られ、本発明による材料の基本的球状粒子の切片が可視化される。例えば、本発明の材料調製方法により、TEOSをケイ素前駆体として、Al(Oをアルミニウム前駆体として、TPAOHを構造化剤として、およびポリ(エチレンオキシド)106−ポリ(プロピレンオキシド)70−ポリ(エチレンオキシド)106(PEO106−PPO70−PEO106またはF127)として公知の特定のブロック共重合体を界面活性剤として用いて得られる、メソ細孔構造化材料であって、各球状粒子のミクロ細孔性マトリクス壁は、ZSM−5タイプのアルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなる、材料について得られるTEM画像は、バーミキュラのメソ構造を有している球状の基本的粒子を呈し、その物質は、暗帯で規定される。画像の分析によってまた、上記のメソ構造化マトリクスの特徴であるパラメータd、Φおよびeを得ることができる。
基本的粒子の形態(morphology)およびサイズ分布は、走査型電子顕微鏡法(SEM)によって得られた写真の分析によって確立された。
本発明による材料のメソ構造化は、構造化剤として選択される界面活性剤の性質に応じて、バーミキュラ、立方晶系のまたは六方晶系の型であってもよい。
本発明は以下の実施例によって例示される。
(実施例)
以降の実施例では、用いられるエアゾール技術は、本発明の説明中の上記の技術であり:TSIによって提供される6ジェットの霧化器を備える9306Aモデルのエアゾール発生器を用いる。
以下の実施例のうちの各々1つについて、段階b)からの混合物のV無機/V有機の比を計算する。この比は、以下のように規定される:V無機/V有機=(m無機*ρ有機)/(m有機*ρ無機)(ここでm無機は、霧化によって得られた固体の基本的粒子における、縮合酸化物(単数または複数)、すなわちSiOおよびAlOの形態の無機部分の最終質量であり、m有機は霧化によって得られる固体の基本的粒子に見出される不揮発性有機部分、すなわち、界面活性剤および構造化剤の総質量であり、ρ有機およびρ無機は不揮発性の有機部分および無機部分とそれぞれ関連する密度である)。以下の実施例では、本発明者らは、ρ有機=1およびρ無機=2であるとみなす。従って、V無機/V有機の比は、V無機/V有機=(mSiO2+mAlO2)/[2(m構造化剤+m界面活性剤)]と等しいとして計算される。エタノール、ソーダおよび水は、このV無機/V有機の比の計算において考慮に入れられていない。
(実施例1(本発明):ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料であって、そのミクロ細孔性無定形壁は、ZSM−5(MFI)型アルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなり、Si/Alのモル比=59である、材料の調製)
6.86gの水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(水溶液中でTPAOHが40質量%)を0.37gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)に添加する。周囲温度での30分の激しい攪拌の後、27gの鉱質除去水および18.75gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。その混合物を周囲温度で18時間にわたり激しく攪拌したままにして、透明な溶液を得る。次いで、66.61gのエタノール、61.24gの水および5.73gの界面活性剤F127を含有している溶液(混合物のpH値=13.5)をこの溶液に添加する。この混合物のV無機/V有機の比は0.32である。その混合物を10分間にわたり攪拌したままにする。次いでこれを上記のようなエアゾール発生器の霧化室に送り、その溶液を、圧力(P=1.5バール)下に導入されたキャリアガス(乾燥空気)の作用下に微細な小滴の形態で噴霧する。その小滴を上記の説明で言及された手順に従って乾燥させた:それらをPVC管中にO/N混合物を介して搬送する。次いでそれらを350℃の乾燥温度に設定されたオーブンに供給する。収集した粉末をその後にストーブ内において95℃で18時間にわたって乾燥させる。次いで、その粉末を空気中において550℃で5時間にわたり焼成する。その固体を小角XRD、窒素容積測定分析、TEM、SEM、XFによって特徴づける。TEM分析によって、最終材料がバーミキュラ構造によって特徴づけられる組織化されたメソ多孔性を有することが示される。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析によって、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.13ml/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.61ml/g(N)、および最終材料の比表面積S=781m/gが得られる。メソ構造化マトリクスの特徴であるメソ細孔径Φは7nmである。小角X線回折分析によって、角度2θ=0.78°における相関ピークが可視化される。ブラッグの関係式:2d*sin(θ)=1.5406によって、材料の組織化されたメソ細孔の間の相関距離dの計算が可能になり、すなわち、d=11.3nmである。従って、e=d−Φによって規定されるメソ構造化材料の壁の厚みはe=4.3nmである。XFによって得られるSi/Alのモル比は59である。このようにして得られた球状基本粒子のSEM画像によって、これらの粒子は50〜3000nmにおよぶ径で特徴付けられる大きさを有し、これらの粒子のサイズ分布は約300nmであることが示される。
(実施例2(本発明):ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料であって、そのミクロ細孔性無定形壁は、ZSM−5(MFI)型アルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなり、Si/Alのモル比=12である、材料の調製)
6.86gの水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(水溶液中でTPAOHが40質量%)を1.71gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)に添加する。周囲温度での30分の激しい攪拌の後、27gの鉱質除去水および17.66gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。その混合物を周囲温度で4日間にわたり激しく攪拌したままにして、透明な溶液を得る。次いで、66.61gのエタノール、61.24gの水および5.73gの界面活性剤F127を含有している溶液(この混合物のpH値=12)をこの溶液に添加する。この混合物のV無機/V有機の比は0.32であり、これは上記のように計算される。その混合物を10分間にわたり攪拌したままにする。次いでこれを上記のようなエアゾール発生器の霧化室に送り、その溶液を、圧力(P=1.5バール)下に導入されたキャリアガス(乾燥空気)の作用下に微細な小滴の形態で噴霧する。その小滴を上記の説明で言及された手順に従って乾燥させる:それらをPVC管中にO/N混合物を介して搬送する。次いでそれらを350℃の乾燥温度に設定されたオーブンに供給する。収集した粉末をその後にストーブ内において95℃で18時間にわたり乾燥させる。次いで、その粉末を空気中において550℃で5時間にわたり焼成する。その固体を小角XRD、窒素容積測定分析、TEM、SEM、XFによって特徴づける。TEM分析によって、最終材料がバーミキュラ構造によって特徴づけられる組織化されたメソ多孔性を有することが示される。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析によって、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.03ml/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.45ml/g(N)、および最終材料の比表面積S=595m/gが得られる。メソ構造化マトリクスの特徴であるメソ細孔径Φは5nmである。小角X線回折分析によって、角度2θ=0.98°における相関ピークが可視化される。ブラッグ関係式:2dsin(θ)=1.5406によって、材料の組織化されたメソ細孔の間の相関距離dの計算が可能になり、すなわち、d=9nmである。従って、e=d−Φによって規定されるメソ構造化材料の壁の厚みはe=4nmである。XFによって得られるSi/Alのモル比は12である。このようにして得られた球状基本粒子のSEM画像により、これらの粒子が50〜3000nmにおよぶ径によって特徴付けられる大きさを有し、これらの粒子のサイズ分布が約300nmであることが示される。
(実施例3(本発明):ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料であって、そのミクロ細孔性の無定形壁は、シリカライト(MFI)型のケイ素プロトゼオライト物からなる、材料の調製)
19.13gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を6.86gの水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(水溶液中でTPAOHが40質量%)および27gの鉱質除去水に添加する。その混合物を周囲温度で18時間にわたり激しく攪拌したままにして、透明な溶液を得る。次いで、その溶液を80℃でストーブ中に5時間おく。66.61gのエタノール、61.24gの水および5.73gの界面活性剤F127を含有している溶液(この混合物のpH値=14.5)をこの溶液に添加する。この混合物のV無機/V有機の比は0.32であり、これは上記のように計算される。その混合物を10分間にわたり攪拌したままにする。次いでこれを上記のようなエアゾール発生器の霧化室に送り、その溶液を、圧力(P=1.5バール)下に導入されたキャリアガス(乾燥空気)の作用下に微細な小滴の形態で噴霧する。その小滴を上記の説明で言及された手順に従って乾燥させる:それらをPVC管中にO/N混合物を介して搬送する。次いでそれらを350℃の乾燥温度に設定されたオーブンに供給する。収集した粉末をその後にストーブ内において95℃で18時間にわたり乾燥させる。次いで、その粉末を空気中において550℃で5時間にわたり焼成する。その固体を小角XRD、窒素容積測定分析、TEM、SEM、XFによって特徴づける。TEM分析によって、最終材料がバーミキュラ構造によって特徴づけられる組織化されたメソ多孔性を有することが示される。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析によって、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.05ml/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.45ml/g(N)、および最終材料の比表面積S=430m/gが得られる。メソ構造化マトリクスの特徴であるメソ細孔径Φは6nmである。小角X線回折分析によって、角度2θ=0.86°における相関ピークが可視化される。ブラッグの関係式:2dsin(θ)=1.5406によって、材料の組織化されたメソ細孔の間の相関距離dの計算が可能になり、すなわち、d=10.3nmである。従って、e=d−Φによって規定されるメソ構造化材料の壁の厚みはe=4.3nmである。このようにして得られた球状基本粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜3000nmにおよぶ径で特徴付けられる大きさを有し、これらの粒子のサイズ分布が約300nmであることが示される。
(実施例4(本発明):ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料であって、そのミクロ細孔性無定形壁がベータ(BEA)型のアルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなり、モル比がSi/Al=59である、材料の調製)
4.96gの水酸化テトラエチルアンモニウム溶液(水溶液中でTEAOHが40質量%)を、0.37gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)に添加する。周囲温度での30分の激しい攪拌の後、27gの鉱質除去水および18.75gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。その混合物を周囲温度で18時間にわたり激しく攪拌したままにして、透明な溶液を得る。次いで、66.61gのエタノール、61.24gの水および5.73gの界面活性剤F127を含有している溶液(この混合物のpH値=13.5)をこの溶液に添加する。この混合物のV無機/V有機の比は0.35であり、これは上記のように計算される。その混合物を10分間にわたり攪拌したままにする。次いでこれを上記のようなエアゾール発生器の霧化室に送り、その溶液を、圧力(P=1.5バール)下に導入されたキャリアガス(乾燥空気)の作用下に微細な小滴の形態で噴霧する。その小滴を上記の説明で言及された手順に従って乾燥させる:それらをPVC管中にO/N混合物を介して搬送する。次いでそれらを350℃の乾燥温度に設定されたオーブンに供給する。収集した粉末をその後にストーブ内において95℃で18時間にわたり乾燥させる。次いで、その粉末を空気中において550℃で5時間にわたり焼成する。その固体を小角XRD、窒素容積測定分析、TEM、SEM、XFによって特徴づける。TEM分析によって、最終材料は、バーミキュラ構造によって特徴づけられる組織化されたメソ多孔性を有することが示される。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析によって、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.09ml/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.52ml/g(N)、および最終材料の比表面積S=634m/gが得られる。メソ構造化マトリクスの特徴であるメソ細孔径Φは4nmである。小角X線回折分析によって、角度2θ=1.09°における相関ピークが可視化される。ブラッグの関係式:2dsin(θ)=1.5406によって、材料の組織化されたメソ細孔の間の相関距離dの計算が可能になり、すなわち、d=8.1nmである。e=d−Φによって規定されるメソ構造化材料の壁の厚みはe=4.1nmである。XFによって得られるSi/Alモル比は59である。このようにして得られた球状基本粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜3000nmにおよぶ径によって特徴付けられる大きさを有し、これらの粒子のサイズ分布が約300nmであることが示される。
(実施例5(本発明):ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する材料であって、そのミクロ細孔性無定形壁は、アルミノケイ酸塩プロトゼオライト物からなり、モル比がSi/Al=21である、材料の調製)
6.86gの水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液(水溶液中でTPAOHが40質量%)を、0.37gのアルミニウム sec−ブトキシド(Al(O)に添加する。周囲温度での30分の激しい攪拌の後、27gの鉱質除去水および18.75gのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を添加する。その混合物を周囲温度で18時間にわたり激しく攪拌したままにして、透明な溶液を得る。次いで、66.61gのエタノール、61.24gの水および5.73gの界面活性剤F127を含有している溶液(この混合物のpH値=13.5)をこの溶液に添加する。この混合物のV無機/V有機の比は0.32であり、これは上記のように計算される。その混合物を10分間にわたり攪拌したままにする。次いでこれを上記のようなエアゾール発生器の霧化室に送り、その溶液を、圧力(P=1.5バール)下に導入されたキャリアガス(乾燥空気)の作用下に微細な小滴の形態で噴霧する。その小滴を上記の説明で言及された手順に従って乾燥させる:それらをPVC管中にO/N混合物を介して搬送する。次いでそれらを350℃の乾燥温度に設定されたオーブンに供給する。収集した粉末をその後にストーブ内において95℃で18時間にわたり乾燥させる。次いで、その粉末を空気中において550℃で5時間にわたり焼成する。この粉末の1gを110℃で4時間にわたり、初期減圧下に置き、次いで、アルゴンで不活性にする。0.255gの(Al(O)を、不活性雰囲気中で50mlのペンタンに溶解させ、次いで、粉末に添加する。その混合物をその後に攪拌しながら12時間にわたり還流させる。得られた固体を50mlのペンタンで3回洗浄し、次いでアルゴン流の中で2時間にわたり乾燥させ、減圧下に吸引し、周囲温度で乾燥させ、次いでストーブ中に100℃で一晩おく。この粉末を550℃で5時間にわたり焼成する。その固体を、小角XRD、窒素容積測定分析、TEM、SEM、XFによって特徴づける。TEM分析によって、最終材料は、バーミキュラ構造によって特徴づけられる組織化されたメソ多孔性を有することが示される。α法分析と組み合わされた窒素容積測定分析によって、ミクロ細孔容積Vミクロの値0.04ml/g(N)、メソ細孔容積Vメソの値0.49ml/g(N)、および最終材料の比表面積S=593m/gが得られる。メソ構造化マトリクスの特徴であるメソ細孔径Φは6nmである。小角X線回折分析によって、角度2θ=0.78°における相関ピークが可視化される。ブラッグの関係式:2dsin(θ)=1.5406によって、材料の組織化されたメソ細孔の間の相関距離dの計算が可能になり、すなわち、d=11.3nmである。従って、e=d−Φによって規定されるメソ構造化材料の壁の厚みはe=5.3nmである。XFによって得られるSi/Alのモル比は21である。このようにして得られた球状基本粒子のSEM画像により、これらの粒子は、50〜3000nmにおよぶ径で特徴付けられる大きさを有し、これらの粒子のサイズ分布が約300nmであることが示される。

Claims (18)

  1. 階層的多孔性を有する材料であって、少なくとも2つの基本的球状粒子からなり、該球状粒子の各々は、マトリクスを含み、該マトリクスは、酸化ケイ素をベースとし、メソ構造化され、1.5〜30nmにわたるメソ細孔径を有し、1.5〜50nmにわたる厚みの無定形のミクロ細孔壁を示し、該基本的球状粒子は、200ミクロンの最大径を有する、材料。
  2. 前記メソ細孔の径は、1.5〜15nmとの間にわたる、請求項1に記載の材料。
  3. 前記無定形壁内に存在するミクロ細孔の前記径は、1.5nm未満である、請求項1または2に記載の材料。
  4. 前記無定形壁は、全体的にプロトゼオライト物からなる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の材料。
  5. 前記プロトゼオライト物は、MFI、BEA、FAUおよびLTAの構造型のゼオライトのなかから選択される少なくとも1種のゼオライトのプライミングのための種である、請求項4に記載の材料。
  6. 酸化ケイ素をベースとする前記マトリクスが全体としてケイ素である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の材料。
  7. 酸化ケイ素をベースとする前記マトリクスは、アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素Xを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の材料。
  8. 元素Xは、アルミニウムである、請求項7に記載の材料。
  9. 前記メソ構造化マトリクスは、六方晶系、立方晶系またはバーミキュラ構造を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の材料。
  10. 前記基本的球状粒子は、50nm〜3ミクロンにわたる径を有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の材料。
  11. 200〜1000m/gにわたる比表面積を有する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の材料を調製する方法であって、
    a)プロトゼオライト物前駆体要素、すなわち、少なくとも1種の構造化剤、少なくとも1種のケイ素前駆体、ならびに場合によるアルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムの中から選択される少なくとも1種の元素X、好ましくはアルミニウムの少なくとも1種の前駆体を含んでいる、透明な溶液を調製する段階と、
    b)少なくとも1種の界面活性剤および少なくとも前記の段階a)において得られた該透明な溶液を、無機物および有機物の容積の比であるV無機/V有機が0.26〜4の範囲となるように混合して溶液にする段階と
    c)段階b)において得られた溶液をエアゾール霧化して球状の小滴の形成をもたらす段階と
    d)該小滴を乾燥させる段階と、
    e)該構造化剤および該界面活性剤を除去して、ミクロ多孔性およびメソ多孔性の領域の階層的多孔性およびメソ多孔性の領域の組織化された多孔性を有する無定形材料を得る段階と
    を包含する方法。
  13. 前記無機および有機物の容積の比が0.3〜2の範囲にわたる、請求項12に記載の方法。
  14. エレメントXはアルミニウムである、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記界面活性剤は、3ブロック共重合体であり、各々のブロックは、ポリ(アルキレンオキシド)鎖からなる、請求項12〜14のいずれか1つに記載の方法。
  16. 前記3ブロック共重合体は、2つのポリ(エチレンオキシド)鎖および1つのポリ(プロピレンオキシド)鎖からなる、請求項15に記載の方法。
  17. アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体が前記段階b)を行うために導入される、請求項12〜16のいずれかに1つに記載の方法。
  18. アルミニウム、鉄、ホウ素、インジウムおよびガリウムのなかから選択される少なくとも1種の元素Xの少なくとも1種の前駆体は、前記段階d)および/または前記段階e)を行いながら導入される、請求項12〜16のいずれか1つに記載の方法。
JP2010523554A 2007-09-07 2008-08-19 階層的かつ組織化された多孔性を有する無定形ケイ素含有材料 Withdrawn JP2010537939A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0706297A FR2920756B1 (fr) 2007-09-07 2007-09-07 Materiau amorphe comprenant du silicium a porosite hierarchisee et organisee
PCT/FR2008/001199 WO2009056711A2 (fr) 2007-09-07 2008-08-19 Materiau amorphe comprenant du silicium a porosite hierarchisee et organisee

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010537939A true JP2010537939A (ja) 2010-12-09

Family

ID=39469386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010523554A Withdrawn JP2010537939A (ja) 2007-09-07 2008-08-19 階層的かつ組織化された多孔性を有する無定形ケイ素含有材料

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8236419B2 (ja)
EP (1) EP2197793B1 (ja)
JP (1) JP2010537939A (ja)
CN (1) CN101795969B (ja)
AT (1) ATE520626T1 (ja)
DK (1) DK2197793T3 (ja)
FR (1) FR2920756B1 (ja)
WO (1) WO2009056711A2 (ja)
ZA (1) ZA201000909B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010537940A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 イエフペ 階層的な多孔性を有するケイ素含有結晶化材料
JP2012232865A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 新規ヘテロ接合多孔性結晶体の合成方法および新規ヘテロ接合多孔性結晶体

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2920756B1 (fr) 2007-09-07 2010-08-20 Inst Francais Du Petrole Materiau amorphe comprenant du silicium a porosite hierarchisee et organisee
WO2010065128A1 (en) * 2008-12-05 2010-06-10 Exxonmobil Research And Engineering Company Amorphous acidic materials, their synthesis and use
US10525023B2 (en) * 2017-04-04 2020-01-07 Imam Abdulrahman Bin Faisal University Hierarchical siliceous mesosilicalite nanocarrier
US11103594B2 (en) * 2018-02-01 2021-08-31 Imam Abdulrahman Bin Faisal University Hierarchical siliceous mesosilicalite nanocarrier loaded with platinum(II) complex
US11123309B2 (en) * 2018-11-15 2021-09-21 Imam Abdulrahman Bin Faisal University Methods for drug delivery, tumor imaging, and oxidative dehydrogenation using hierarchical ZSM-5 complex
CN109607562A (zh) * 2019-01-15 2019-04-12 李迎九 一种沸石的制备方法及应用
EP4129272A1 (en) * 2021-08-04 2023-02-08 Uniwersytet Im. Adama Mickiewicza W Poznaniu A method of applying of turmeric on hierarchical zeolites with a method of its photodynamic release

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2800300B1 (fr) * 1999-11-02 2002-12-20 Rhodia Chimie Sa Materiau mesostructure integrant des particules de dimension nanometrique
FR2872152B1 (fr) * 2004-06-24 2006-08-11 Inst Francais Du Petrole Materiau a porosite hierarchisee comprenant du silicium
FR2872151B1 (fr) * 2004-06-24 2007-06-29 Inst Francais Du Petrole Materiau aluminosilicate mesostructure
FR2886637B1 (fr) * 2005-06-02 2007-08-03 Inst Francais Du Petrole Materiau mesostructure a forte teneur en aluminium
FR2920756B1 (fr) 2007-09-07 2010-08-20 Inst Francais Du Petrole Materiau amorphe comprenant du silicium a porosite hierarchisee et organisee

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010537940A (ja) * 2007-09-07 2010-12-09 イエフペ 階層的な多孔性を有するケイ素含有結晶化材料
JP2012232865A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 新規ヘテロ接合多孔性結晶体の合成方法および新規ヘテロ接合多孔性結晶体

Also Published As

Publication number Publication date
US8236419B2 (en) 2012-08-07
ATE520626T1 (de) 2011-09-15
CN101795969A (zh) 2010-08-04
CN101795969B (zh) 2012-04-25
FR2920756B1 (fr) 2010-08-20
EP2197793B1 (fr) 2011-08-17
FR2920756A1 (fr) 2009-03-13
DK2197793T3 (da) 2011-11-21
US20100291387A1 (en) 2010-11-18
EP2197793A2 (fr) 2010-06-23
WO2009056711A3 (fr) 2009-07-30
WO2009056711A2 (fr) 2009-05-07
ZA201000909B (en) 2010-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5175428B2 (ja) ケイ素を含む階層的な多孔度を有する材料
US8623508B2 (en) Crystallized silicon-containing material with hierarchical and organized porosity
US8236419B2 (en) Amorphous silicon-containing material with hierarchical and organized porosity
JP5386489B2 (ja) 階層的な多孔性を有するケイ素含有結晶化材料
US8673253B2 (en) Amorphous silicon-containing material with hierarchical porosity
JP5039288B2 (ja) メソ構造化されたアルミノケイ酸塩材料
US7807598B2 (en) Mesostructured material with a high aluminum content
US8563135B2 (en) Mesostructured aluminosilicate material made of spherical particles of specific size
US8568882B2 (en) Mesostructured material having a high aluminium content and consisting of spherical particles of specific size
WO2003037511A1 (en) Method of preparing highly ordered mesoporous molecular sieves
JP2011516383A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111101