JP2010536923A - タンパク質を選択的に修飾するための組成物と方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般にタンパク質に性質改変基を導入する新規方法に関する。特に、本発明は、リジン残基の誘導体化、並びに改善された薬理特性を有する成長ホルモンの新規コンジュゲート、及びその調製及び治療における使用のための方法に関する。

Description

本発明は一般にタンパク質に性質改変基を導入する新規方法に関する。特に、本発明はリジン残基の誘導体化、並びに改善された薬理特性を有する成長ホルモンの新規コンジュゲート、及びその調製及び治療における使用のための方法に関する。
タンパク質の性質を変化させるためにタンパク質に基をコンジュゲートすることによってタンパク質の性質及び特性を修飾することはよく知られている。実際、20年以上前に、米国特許第4179337号は、ポリエチレンもしくはポリプロピレングリコールにコンジュゲートさせたタンパク質を教示している。一般に、かかるコンジュゲーションには、コンジュゲート基中の他の官能基と反応するある官能基がタンパク質中に必要となる。典型的には、アミノ基、例えばN末端アミノ基又はリジン中のεアミノ基は適切なアシル化試薬と併用されて使用されている。コンジュゲーション反応を制御すること、すなわちどこにコンジュゲートする化合物を結合させるかを制御し、幾つのコンジュゲート基を結合させるかを制御することがしばしば望まれたり要求さえされる。これはしばしば特異性又は選択性と呼ばれる。
しかしながら、選択的化学反応のレパートリーは非常に限られている。ある代替法は、組換え法によって、独特の反応性を有する特別の非天然アミノ酸を導入し、ついで更なる誘導体化にこの反応性を利用することである。ある代替法は、修飾されるタンパク質の構造的及び機能的特徴を認識する酵素を使用することである。この例は、成長ホルモン中のGln残基を選択的に修飾するために微生物トランスグルタミナーゼ(mTGase)を使用することである。すなわち、トランスグルタミナーゼはタンパク質を交差結合させるために食品産業と特に酪農産業において使用されている。他の文献は、生理学的に活性なタンパク質の性質を変えるためのトランスグルタミナーゼの使用を開示している。例えば、トランスグルタミナーゼの存在下で、少なくとも一のGlnとアミン官能化PEGないしは類似のリガンドを含んでなるタンパク質間の直接反応を開示する欧州特許出願公開第950665号、欧州特許出願公開第785276号及びSato,Adv.Drug Delivery Rev.,54,487−504(2002)を参照のこと;また、トランスグルタミナーゼによる脂肪酸とのβ−ラクトグロブリンの直接的なコンジュゲーションを開示するBiotech.Lett.23,1367−1372(2001)を参照のこと。トランスグルタミナーゼによって触媒される反応は、図1に示されるように、グルタミン残基の第1級アミドが反応混合物中に存在する第1級アミンから第2級アミドに転換されるアミド基転移反応である。
しかしながら、タンパク質の選択的誘導体化は非常に難しい仕事である;アシル化によるタンパク質中のリジンの誘導体化は更により本来的な非選択的プロセスである。よって、現在のところ、リジン残基の選択的誘導体化に対する効率的な方法が存在しない。従って、興味あるタンパク質又はポリペプチド中においてリジンのようなアミノ酸残基を選択的に誘導体化する方法に対して早急の必要性がある。
TGaseによって触媒された一般反応を示す。 「逆TGase」としても知られる本発明の一般反応を示す。 実施例1に記載されたヒト成長ホルモンの修飾を示す。 TGase媒介アミノ基転移の機構を詳細に示す。
本発明は、一般的な化学的方法を使用しながら、補助タンパク質を介してより選択的な形で標的タンパク質に性質改変基を導入する方法を提供することによって、これらの必要性に対処する。一般に、該方法は次のように記載することができる:第一に、補助タンパク質と性質改変基の間の活性化された複合体を形成する;第二に、改変基を、一般的な方法によって達成できるよりも更により選択的な形で活性化された複合体から修飾されるタンパク質に移し、それによって「修飾されたタンパク質」を得る。しかして、ここで使用される「修飾されたタンパク質」は本発明の方法によって選択的に修飾されたタンパク質又はポリペプチドを意味する。
すなわち、本発明は、性質改変基を持つ少なくとも2つのリジンを含むタンパク質のトランスグルタミナーゼ触媒反応を含む方法に関する。性質改変基は式R1−Gln−Gly−R2のグルタミン−グリシン含有タンパク質である。すなわち、このプロセスにおいて、活性化されたアシル複合体は、性質改変基を結合させるために性質改変基中のグルタミン残基をTGaseと反応させることによって形成される。好ましい実施態様では、性質改変基は、図2に示されるような標的タンパク質中においてアシル化によってリジン残基に移される。一実施態様では、R1及びR2は所望される置換基であり、その少なくとも一つは更なる修飾に対して適した化学基を含む。よって、本発明は、標的タンパク質内でリジン残基を選択的に修飾するために「逆」TGase反応を含む。
ここで使用される場合、「ポリペプチド」なる用語は、天然に産生されるにせよ合成によって産生されるにせよ、ペプチド結合により結合したアミノ酸残基のポリマーを意味する。約10未満のアミノ酸残基のポリペプチドは一般に「ペプチド」と呼ばれる。「ペプチド」なる用語は、ペプチド結合によって結合された二又はそれ以上のアミノ酸の配列を示すものであり、該アミノ酸は天然でも非天然でもよい。該用語は、ポリペプチド及びタンパク質なる用語を包含し、これは、共有的相互作用、例えばシステイン架橋、又は非共有的相互作用によって一緒に保持される二又はそれ以上のペプチドからなりうる。「タンパク質」は一又は複数のポリペプチド鎖を含む巨大分子である。タンパク質はまた糖鎖(炭水化物)基のような非ペプチド性成分を含みうる。糖鎖及び他の非ペプチド性置換基は、そこでタンパク質が産生される細胞によってタンパク質に付加され得、細胞の型によって変わる。タンパク質はここではそのアミノ酸骨格構造によって定義される;糖鎖基のような置換基は一般には特定されないが、それでも存在している場合がある。非宿主DNA分子によってコードされるタンパク質又はポリペプチドは「異種」タンパク質又はポリペプチドである。「単離されたポリペプチド」は、糖鎖、脂質、又は天然のポリペプチドに付随する他のタンパク質様不純物のような汚染細胞性成分を本質的に含まないポリペプチドである。典型的には、単離されたポリペプチドの調製物は、高度に精製された形態で、つまり少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、約95%より多い純度、例えば96%、97%、又は98%又はそれ以上の純度、あるいは99%の純度よりも高い純度で、ポリペプチドを含む。特定のタンパク質兆尾生物が単離されたポリペプチドを含んでいることを示すための一方法は、タンパク質調製物のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動と該ゲルのクマシーブリリアントブルー染色後の単一バンドの出現による。しかしながら、「単離された」なる用語は、他の物理的形態、例えば二量体あるいはグリコシル化又は誘導体化形態で同じポリペプチドが存在することを排除しない。「アミノ末端」及び「カルボキシル末端」なる用語はここではポリペプチド内の位置を示すために使用される。文脈から許される場合、これらの用語はポリペプチドの特定の配列又は部分を参照して近接又は相対位置を示すために使用される。例えば、ポリペプチド内の参照配列にカルボキシル末端が位置するある配列は参照配列のカルボキシル末端に近接して位置しているが、完全なポリペプチドのカルボキシル末端に必ずしもあるものではない。
本発明の補助タンパク質
本発明の一態様は、補助タンパク質を使用して標的タンパク質を選択的に修飾する方法に関する。好ましい実施態様では、補助タンパク質はトランスグルタミナーゼのような酵素である。トランスグルタミナーゼ(ここでは「TGase」とも交換可能に称される)はまたタンパク質−グルタミン−γ−グルタミルトランスフェラーゼとしても知られ、図1に示されるように、タンパク質又はタンパク質鎖中のグルタミン(Gln)残基のγ−カルボキシアミド基とリジン(Lys)残基又は様々なアルキルアミンのε−アミノ基の間のアシル転移反応を触媒する。TGaseは、様々な分子形態で、様々な動物組織、血液細胞、血漿等中に広く見出される。この酵素は、ε−(γ−グルタミル)リジン−イソタンパク質結合を介する架橋反応を介する架橋反応、及び血液凝固の最後の過程でのフィブリン分子の架橋を触媒し、また表皮細胞の角質化、精液の凝固、創傷組織の治癒等に関係していることが見出されている。トランスグルタミナーゼはGln残基に対して非常に高い基質特異性を有しているので、タンパク質中のあるGln残基だけがアルキルアミンで修飾されうる可能性がある。例えば、末端糖単位を有するアルキルアミンが、モルモットの肝臓由来のトランスグルタミナーゼ(TGase)を使用して、βカゼインのそのあるGln残基に導入された(Yan,S.C.B.等,(1984)Biochemistry,23,3759−3765)。更に、低分子量スペルミン誘導体が、血漿中に見出されるトランスグルタミナーゼである血液凝固第XIII因子(第XIII因子)を使用して、アポリポタンパク質BのそのGln残基中に導入された(Cocuzzi,E.等,(1990),Biochem.J.,265,707−713)。
本発明の方法に使用されるトランスグルタミナーゼは、特に限定のない様々な起源、例えば様々な動物組織、血漿成分、及び微生物から得ることができる。有用なトランスグルタミナーゼの例には、微生物トランスグルタミナーゼ、例えばストレプトマイセス・モバレンス(Streptomyces mobaraense)、ストレプトマイセス・シンナモネウム(Streptomyces cinnamoneum)及びストレプトマイセス・グリセオカルネウム(Streptomyces griseocarneum)由来のもの(全て出典明示によりここに援用される米国特許第5156956号に開示)、及びストレプトマイセス・ラベンデユラエ(Streptomyces lavendulae)(出典明示によりここに援用される米国特許第5252469号に開示)及びストレプトマイセス・ラダカヌム(Streptomyces ladakanum)(出典明示によりここに援用されるJP2003199569)が含まれる。以前の属であるストレプトバーチシリウム(Streptoverticillium)のメンバーは、現在はストレプトマイセス(Streptomyces)属[Kaempfer,J.Gen.Microbiol.,137,1831−1892,1991]に含まれることに注意すべきである。他の有用な微生物トランスグルタミナーゼは、枯草菌(Bacillus subtilis)(出典明示によりここに援用される米国特許第5731183号に開示されている)から単離されたもの、及び様々な変形菌(Myxomycetes)から単離されたものである。有用な微生物トランスグルタミナーゼの他の例は、双方とも出典明示によりここに援用される国際公開第96/06931号(例えば、バチルス・ライディクス(Bacilus lydicus由来のトランスグルタミナーゼ)及び国際公開第96/22366号に開示されるものである。有用な非微生物トランスグルタミナーゼには、モルモット肝臓トランスグルタミナーゼ、及びカレイ類Pagrus major(マダイ)(出典明示によりここに援用される欧州特許第0555649号に開示される)及び日本のカキCrassostrea gigas(エゾガキ)(出典明示によりここに援用される米国特許第5736356号に開示される)のような種々の海洋性資源由来のトランスグルタミナーゼが含まれる。
よって、好ましい実施態様では、本発明の方法で使用されるTGaseは微生物トランスグルタミナーゼである。より好ましい実施態様では、TGaseはストレプトマイセス・モバレンス由来である。他の実施態様では、TGaseは天然のTGaseと少なくとも80%の配列相同性を有している変異体TGaseである。
性質改変基
本発明の性質改変基は、一般式:R1−Gln−Gly−R2のグルタミン含有タンパク質を包含する。より好ましい実施態様では、性質改変基が式:
Figure 2010536923
を有している。
好ましい実施態様では、R1は、
Figure 2010536923
である。
他の実施態様では、R1がCBzであり;R2が、H、プロパルギル又は4−アミノベンジルから選択され;YがOH又は=Oであり;XがCHOH又はOHである。
更に他の実施態様では、R1はCBzであり;R2がHであり;YがOHであり;XがCHOHである。
また他の実施態様では、R1がCBzであり;R2が4−アミノベンジルであり;Yが=Oであり;XがOHである。
他の実施態様では、R1がCBzであり;R2がプロパルギルであり;Yが=Oであり;XがOHである。
よって、本発明の好ましい性質改変基(又は基質)は、
Figure 2010536923
からなる群から選択される。
発明の方法
本発明の標的タンパク質(つまり、興味のあるタンパク質)を修飾する必要性は幾らでもある理由から生じ得、これはまた本発明の方法に従って選択的に修飾されうる化合物の種類に反映される。
一般に、本発明の方法は、式R1−Gln−Gly−R2のグルタミン及びグリシン含有ペプチドとの少なくとも二のリジンを含むタンパク質のトランスグルタミナーゼ触媒反応を含む。該方法は次の工程からなる:(a)式R1−Gln−Gly−R2の化合物のペプチド合成による調製と当該分野で知られている精製;(b)場合によっては有機溶媒、洗浄剤又は他の修飾因子を含んでいてもよい、水性バッファー中での少なくとも一のリジン、好ましくは一より多いリジンを含む標的タンパク質との過剰のこの化合物R1−Gln−Gly−R2の混合;(c)触媒量のトランスグルタミナーゼ、好ましくはストレプトマイセス・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼのこの混合物への添加(反応は所望の時間の間進行せしめられる);(d)場合によってはTGase阻害剤を混合物に添加することができる;(e)該混合物に、典型的には限外濾過又はダイアフィルトレーション及びクロマトグラフィー(イオン交換、サイズ排除、疎水性相互作用等)のような単位操作を含む精製プロセスを施す。このようにして、選択的に修飾されたタンパク質が得られる。該タンパク質は、クロマトグラフィー、電気泳動、ペプチドマッピング及び質量分析を含む標準的なタンパク質分析方法によって特徴付けされる。場合によっては、工程(b)又は(c)に続いて、修飾されたタンパク質を、R1又はR2の官能基によって更に修飾することができる。
すなわち、TGase媒介アミド基転移の機構の一部として、分子間チオエステルが、TGaseの活性部位のCysとGln−基質間の反応によって形成される(図4参照)。「アミド基転移」なる用語は、グルタミンの側鎖中の窒素が他の化合物の窒素、特に他の窒素含有求核試薬の窒素と交換される反応を示すものである。この中間体は活性化Gln残基とみなすことができ、活性種はTGase−チオエステルであり、これがアミン、例えばタンパク質リジン残基と反応する。反応の選択性は、1)Lys担持タンパク質基質と相互作用しながらのTGase−チオエステルの剪断立体バルク、及び2)TGase−チオエステルとLys−担持タンパク質基質間のより定まった非共有的相互作用の結果である。この直接の結果は、活性化アシル基を担持するタンパク質Acyl−X−タンパク質(ここで、Xはタンパク質−リジンアミンによる求核攻撃に対してアシル基を活性化させる原子又は基である)が本発明に含められることである。
よって、例えば治療用タンパク質の生物学的利用能を改変するために溶解度を増加(又は減少)させることのように、タンパク質の物理化学的性質を改変することが望ましい場合がある。他の実施態様では、例えばアルブミンのような血漿タンパク質に結合するか、又は腎臓を通しての排出を防止又は遅延させるためにタンパク質のサイズを増加させる化合物を血漿タンパク質に結合させることによってクリアランス速度を改変することが望ましい場合がある。コンジュゲーションはまた例えばインビボタンパク分解のような加水分解に対するタンパク質の感受性を改変し特に減少させうる。他の実施態様では、タンパク質の分析を容易にするために標識をコンジュゲートさせることが望ましい場合がある。かかる標識の例には、放射性同位元素、蛍光マーカー及び酵素基質が含まれる。また別の実施態様では、化合物はタンパク質の単離を容易にするためにタンパク質にコンジュゲートされる。例えば、特定のカラム材料に対して特異的な親和性を有する化合物をタンパク質にコンジュゲートさせうる。また例えばタンパク質の一又は複数の免疫原性エピトープを隠し、マスクし又は覆い隠すようにタンパク質をコンジュゲートさせることによって、タンパク質の免疫原性を改変することが望ましい場合がある。名詞としての「コンジュゲート」なる用語は、修飾されたペプチド、すなわち、上記ペプチドの性質を改変するためにそれと結合した部分を有するペプチドを示すことを意図するものである。動詞としては、その用語は、上記ペプチドの性質を改変するためにペプチドにある部分を結合させる方法を示すことを意図するものである。
一実施態様では、本発明は標的化合物又はタンパク質の薬理学的性質を改善する方法を提供する。改善は対応する未修飾タンパク質に対するものである。かかる薬理学的性質の例には、機能的インビボ半減期、免疫原性、腎臓濾過、プロテアーゼ保護及びアルブミン結合が含まれる。
「機能的インビボ半減期」なる用語は、その通常の意味、すなわち、タンパク質又は修飾されたタンパク質の生物学的活性の50%が、体/標的器官中に存在している時間、又はタンパク質又は修飾されたタンパク質の活性がその最初の値の50%である時間で、使用される。機能的インビボ半減期を決定する代わりに、「インビボ血漿半減期」、すなわち、除去される前に、修飾されたタンパク質の50%が血漿又は血流中を循環している時間を測定してもよい。血漿半減期の測定は、しばしば機能的半減期を測定するよりも簡単で、血漿半減期の大きさは、通常、機能的インビボ半減期の大きさの良好な目安となる。血漿半減期の代替用語には、血清半減期、循環半減期(circulating half-life)、循環性半減期(circulatory half-life)、血清クリアランス、血漿クリアランス、及びクリアランス半減期が含まれる。
機能的インビボ半減期又は血漿半減期に関連して使用される「増加した」なる用語は、修飾されたタンパク質の関連半減期が、比較条件下で測定された未修飾(親)タンパク質のものに対して統計的に有意に増加したことを示すために使用される。例えば関連半減期は、少なくとも約25%、例えば少なくとも約50%、例えば少なくとも約100%、150%、200%、250%、又は500%増加しうる。一実施態様では、本発明の化合物は、親タンパク質の半減期に対し、少なくとも約5時間、好ましくは少なくとも約24時間、より好ましくは少なくとも約72時間、最も好ましくは少なくとも約7日間の半減期の増加を示す。
インビボ血漿半減期の測定は、文献に記載されているような多くの方法により実施することができる。インビボ血漿半減期の増加は、クリアランス(CL)の減少、又は平均滞留時間(MRT)の増加として定量されうる。適切なアッセイにより測定して親タンパク質のCLの70%未満、例えば50%未満、例えば20%未満、例えば10%未満までCLが低下した本発明の修飾されたタンパク質は、増加したインビボ血漿半減期を有していると言える。適切なアッセイにおいて親タンパク質のMRTの130%以上、例えば150%、例えば200%以上、例えば500%以上まで、MRTが増加した本発明の修飾されたタンパク質は、増加したインビボ血漿半減期を有していると言える。クリアランス及び平均滞留時間は、適切な試験動物を使用し、標準的な薬物動態学的研究において評価することができる。与えられたタンパク質に対して適切な試験動物を選択することは当業者の技量の範囲内である。もちろん、ヒトでの試験が最終試験となる。典型的には、一例として、マウス、ラット、イヌ、サル又はブタに興味ある化合物の注射がなされる。注射される量は試験動物に依存する。続いて、CL及びMRTの評価のために必要に応じて1から5日の期間をあけて、血液サンプルを採取する。血液サンプルは、簡便にはELISA技術により分析する。
化合物の「免疫原性」なる用語は、ヒトに投与された場合、体液性、細胞性又はその双方の如何にかかわらず、有害な免疫反応を誘発する化合物の能力を意味する。任意のヒト亜母集団においては、特定の投与されたタンパク質に対して感受性を示す個体が存在し得る。免疫原性は、当該分野で知られている一般的な方法を使用し、感受性の個体における成長ホルモン抗体及び/又は成長ホルモン反応性T細胞の存在を定量することにより測定されうる。一実施態様では、本発明の修飾されたタンパク質は、親タンパク質のその個体に対する免疫原性に対して、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約50%の感受性の個体における免疫原性の低下を示す。
ここで使用される「プロテアーゼ保護」又は「プロテアーゼ保護された」なる用語は、本発明の修飾されたタンパク質が、親タンパク質よりも、血漿ペプチダーゼ又はプロテアーゼに対してより耐性があることを示すものである。血漿中に存在するプロテアーゼ及びペプチダーゼ酵素は、循環タンパク質の分解に関与していることが知られている。
例えばジペプチジルアミノペプチダーゼIV(DPPIV)による分解に対するタンパク質の耐性は、次の分解アッセイにより測定される:100μLの0.1Mのトリエチルアミン−HClバッファー、pH7.4中において、タンパク質のアリコート(5nmol)を、5mUの酵素活性に相当する1μLの精製ジペプチジルアミノペプチダーゼIVと共に37℃で10−180分インキュベートする。10%のトリフルオロ酢酸5μLを添加して、酵素反応を終結させ、タンパク質分解産物を分離し、HPLC分析を使用して定量する。この分析を実施するための一方法は次の通りである:混合物をVydac C18ワイドポア(widepore)(30nm孔、5μmの粒子)250×4.6mmのカラムに充填し、Siegel等,Regul.Pept.79,93−102(1999)及びMentlein等,Eur.J.Biochem.214,829−35(1993)に従って、0.1%のトリフルオロ酢酸中アセトニトリルの線形段階的勾配(3分間は0%のアセトニトリル、17分間は0−24%のアセトニトリル、1分間は24−48%のアセトニトリル)で1ml/分の流量で溶出させる。タンパク質とその分解産物を、220nm(タンパク質結合)又は280nm(芳香族アミノ酸)の吸光度によりモニターでき、標準のものとの関連でそれらのピーク面積を積分することにより定量する。ジペプチジルアミノペプチダーゼIVによるタンパク質の加水分解速度は、加水分解されるタンパク質が10%未満になるインキュベート時間で推定される。一実施態様では、修飾されたタンパク質の加水分解速度は、親タンパク質のものの70%未満、例えば40%未満、例えば10%未満である。
哺乳動物種の循環血液中において最も豊富なタンパク質成分は血清アルブミンで、これは通常、全血100mL中、約3から4.5グラムの濃度で存在している。血清アルブミンは約70000ダルトンの血液タンパク質であり、循環系において、幾つかの重要な機能を有している。それは、血液中に見出される様々な有機分子のトランスポーターとして、血液を通して脂肪酸及びビリルビンのような様々な代謝産物の主要なトランスポーターとして、またその豊富さのため、循環血液の浸透圧調節因子として機能する。血清アルブミンは1週間以上の半減期を有しており、タンパク質の血漿半減期を増加させるための一アプローチは、血清アルブミンに結合する基をタンパク質にコンジュゲートさせることであった。アルブミン結合特性は、出典明示によりここに援用されるJ.Med.Chem,43,2000,1986−1992に記載されているようにして決定されうる。
一態様では、本発明の修飾されたタンパク質は、R1及び/又はR2の更なる誘導体化によって更に修飾されうる。すなわち、R1及び/又はR2は更なる修飾に適した化学基を含みうる。かかる修飾は、デンドリマー、ポリアルキレンオキシド(PAO)、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分岐状PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン・無水マレイン酸コポリマー、ポリスチレン・無水マレイン酸コポリマー、デキストラン、カルボキシメチル−デキストラン;血清タンパク質結合リガンド、例えばアルブミンに結合する化合物、例えば脂肪酸、C5−C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5−C24)、レセプター(例えばアシアロ糖タンパク質レセプター及びマンノースレセプター)への結合からグリカンを阻害する構造(例えば、シアル酸誘導体又は模倣体(mimetics))、生理学的条件下で荷電性を変化させる部分を含む低有機分子、例えばカルボン酸又はアミン、又はより小さいアルキル置換基(例えばC1−C5アルキル)のようなグリカン特異的認識を防止する中性置換基、低分子有機荷電基(例えばC1−C25)で、一又は複数のカルボン酸、アミンスルホン酸、ホスホン酸、又はその組合せを含みうるもの;低分子中性親水性分子(例えばC1−C25)、例えばシクロデキストリン、又は場合によっては分岐でありうるポリエチレン鎖;2−40KDaの平均分子量を持つポリエチレングリコール;700から20000Daの範囲、より好ましくは700−10000Daの間の正確な分子量を持つデンドリマーのような良好に定まった精密ポリマー;及び実質的に非免疫原性のポリペプチド、例えばアルブミン又は抗体又はFcドメインを含んでいてもよい抗体の一部からなる群から選択される化学基のコンジュゲーションを含みうる。
一実施態様では、本発明の修飾されたタンパク質はPEG化される。「PEG」なる用語は、約100から約1000000Daの分子量のポリエチレングリセロール(その類似体を含む)を示すことを意図しており、ここで、例えば末端OH基はアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基で置き換えられているものである。特に、末端OH基がメトキシで置き換えられているPEGは、mPEGと称される。
「mPEG」(より適切には「mPEGイル」)なる用語は、次の構造:
Figure 2010536923
(上式中、mは1より大きい整数である)
の多分散又は単分散基を意味する。よって、mが90であるmPEGは、3991Da、すなわち約4kDaの分子量を有する。同様に、20kDaの平均分子量を有するmPEGは、453の平均mを有する。mPEGを生産するプロセスのために、これらの分子は多くの場合、所定の分子量分布を有している。この分布は多分散度により記述される。
ここで使用される「多分散度」なる用語は、高分子化学の分野で知られている重量平均分子量と数平均分子量の比率を意味する(例えば「Polymer Synthesis and Characterization」,J.A.Nairn,University of Utah,2003を参照)。多分散度は1以上の数であり、ゲル浸透クロマトグラフィーデータから概算されうる。多分散度が1である場合、生成物は単分散であり、よって単一の分子量を有する化合物からなる。多分散度が1を越える場合、それは、そのポリマーの多分散性の測定値、すなわち異なった分子量のポリマーの分布がどの程度広い範囲であるかということである。
例えば「mPEG20000」の式中、化合物名又は分子構造における使用は、mPEGが多分散であり、約20kDaの分子量を有しているmPEG残基を示している。
多分散度は、PEG又はmPEGの分子量と共に典型的には増加する。20kDaのPEG、特に20kDaのmPEGを参照すると、1.06以下、例えば1.05以下、例えば1.04以下、例えば1.03以下、例えば1.02〜1.03の多分散度を有する化合物(又は実際には化合物の混合物)を示すことが意図される。30kDaのPEG、特に30kDaのmPEGを参照すると、1.06以下、例えば1.05以下、例えば1.04以下、例えば1.03以下、例えば1.02〜1.03の多分散度を有する化合物(又は実際には化合物の混合物)を示すことが意図される。40kDaのPEG、特に40kDaのmPEGを参照すると、1.06以下、例えば1.05以下、例えば1.04以下、例えば1.03以下、例えば1.02〜1.03の多分散度を有する化合物(又は実際には化合物の混合物)を示すことが意図される。
R1及び/又はR2基の更なる誘導体化を通して修飾されたタンパク質にコンジュゲートされたPEG又はmPEGは、任意の分子量のものでありうる。特に、分子量は、500から1000000Da、例えば500から500000Da、例えば500から100000Da、例えば500から60000Da、例えば1000から40000Da、例えば5000から40000Daでありうる。特に、10000Daから40000Da、例えば20000Daから40000Da、例えば20000から30000Da又は30000から40000Daの分子量のPEGを使用することができる。10000、20000、30000又は40000Daの分子量のPEG又はmPEGを特に挙げることができる。
一実施態様では、R1及び/又はR2は、例えばアルブミンのような、血漿タンパク質に結合することが知られている一又は複数の部分を含む。化合物のアルブミンへの結合能は、出典明示によりここに援用されるJ.Med.Chem,43,2000,1986−1992に記載されているようにして決定することができる。本文脈において、化合物は、Ru/Daが0.05以上、例えば0.10以上、例えば0.12以上又は更には0.15以上である場合、アルブミンに結合すると定義される。
本発明の他の実施態様では、アルブミン結合部分はタンパク質、例えば40未満のアミノ酸残基を含むタンパク質である。アルブミン結合部分である多くの小タンパク質が、出典明示によりここに援用されるJ.Biol Chem.277,38(2002)35035−35043に開示される。
上で検討されたように、性質改変基の直接のコンジュゲーションは知られている(例えば、アミン官能化PEG又はTGaseの使用によってGln残基を介してGln含有タンパク質にコンジュゲートされた脂肪酸)。しかしながら、かかるコンジュゲーションは治療用タンパク質のような標的化合物を誘導体化する場合に必要とされる特異性をしばしば欠く場合がある。更に、例えばEP950665、EP785276、Sato,Adv.Drug Delivery Rev.,54,459−476,2002及びWada,Biotech.Lett.,23,1367−1372,2001に開示された例から、反応が進行するためにはタンパク質にコンジュゲートされるための有意に過剰な量(100−1000倍まで)の化合物を必要とすることが明らかである。かかる過剰量は技術的又は大きな規模での反応の有用性に対して制約となる。例えば、小さい多分散度のmPEGは非常に高価であり、大過剰の必要性は実施を阻害する。更に、例えばPEG10kDa又はPEG20kDaのような大きな部分のコンジュゲーションの場合、100−1000倍のオーダーの過剰な試薬は、かかる化合物の分子量のために実行可能ではない。また大量のPEGが存在するとタンパク質、つまり修飾されるタンパク質とトランスグルタミナーゼの双方を沈殿させる可能性があることもよく知られている。これに対して、本発明は、酵素工程において大過剰で必要とされる反応物が、大過剰においてさせ容易に取り扱いができる低分子であるという効果を奏する。第二工程において形成される結合を適切に選択すると、例えばオキシム形成が略等モル量のアミン及びケト官能性のときに起こるので、大過剰量は必要とされない。
本発明の標的化合物
本発明の標的化合物は好ましくはタンパク質である。すなわち、タンパク質は本発明の方法に係るトランスグルタミナーゼの基質でなければならない。一態様では、標的化合物は少なくとも一つのLys残基、好ましくは少なくとも二つのLys残基を含む。標的化合物がトランスグルタミナーゼ基質自体ではない場合、タンパク質をトランスグルタミナーゼの基質にするためにタンパク質に一又は複数のGln又はLys残基、特にLys残基を挿入することができる。原理的には、かかるGln又はLys残基は配列の任意の位置に挿入できるが、タンパク質の生理学的、例えば治療的活性が、タンパク質が例えば治療的介入においてもはや有用ではない程度までは影響されない位置に挿入されるのが好ましい。タンパク質へのアミノ酸残基の挿入は、例えば翻訳後化学修飾又はトランスジェニック技術のような当業者に知られた標準的技術によってもたらされうる。
例えば酵素、タンパク質ホルモン、増殖因子、抗体、サイトカイン、レセプター、リンホカイン及びワクチン抗原のようなトランスグルタミナーゼに対して基質である任意の標的化合物又はタンパク質は本発明の方法によって修飾され得、治療用タンパク質、例えばインスリン、グルカゴン様タンパク質1(GLP−1)、グルカゴン様タンパク質2(GLP−2)、成長ホルモン、サイトカイン、トレフォイルファクタータンパク質(TFF)、プロテインメラノコルチンレセプター修飾因子及び第VII因子化合物を特に挙げることができる。よって、本発明の標的化合物は、例えばhGH、プロラクチン又は任意の他のサイトカイン;インスリン、GLP1又は任意の他のタンパク質ホルモン;抗体又はそれから誘導される断片;活性化第VII因子、活性化第IX因子、第VIII因子、第XIII因子、又は任意の他の凝固因子を含む。
改変基のより選択的な導入から恩恵を受けるかかる一タンパク質は成長ホルモンである。成長ホルモン(GH)又はソマトトロピン(STH)は、ヒト及び他の動物における成長及び細胞再生を刺激するタンパク質ホルモンである。それは、脳下垂体前葉の側方翼内の成長ホルモン分泌細胞によって合成され、保存され、分泌される191アミノ酸の一本鎖ポリペプチドホルモンである。すなわち、ヒト成長ホルモンの遺伝子は、染色体17のq22−24領域に局在化し、ヒト絨毛性乳腺刺激ホルモン(hCS、胎盤性ラクトゲンとしても知られる)遺伝子に密接に関連している。GH、ヒト絨毛性乳腺刺激ホルモン(hCS)、及びプロラクチン(PRL)は、成長促進及び乳腺刺激性活性を有する相同ホルモンのグループである。
上に述べたように、ヒト成長ホルモンの主要なアイソフォームは、191のアミノ酸(配列番号1及び2)及び約22000ダルトンの分子量のタンパク質である。その構造はGHレセプターとの機能的相互作用に必要な4つのヘリックスを含む。GHはプロラクチン及び絨毛性乳腺刺激ホルモンに構造的にまた見かけ上進化的に相同である。異なった種由来の成長ホルモン間の顕著な構造的類似性にもかかわらず、ヒト及び霊長類の成長ホルモンのみがヒトにおいて有意な効果を有する。ヒトGHのスプライシングバリアントを配列番号3に示す。またBoguszewski等.,J.Clin.Endocrinol.Metab.83(8):2878−2885(1998)を参照のこと。
「成長ホルモン化合物」なる用語は、一又は複数のアミノ酸残基が欠失され、及び/又は天然又は非天然の他のアミノ酸残基によって置換されたヒト成長ホルモン(hGH)、及び/又は天然又は非天然のアミノ酸残基の付加を含むhGH、及び/又は少なくとも一つの有機置換基が一又は複数の有機置換基に結合しているhGHを示すものである。191の天然アミノ酸配列(ソマトロピン)と192のアミノ酸N末端メチオニン種(ソマトレム)を特に挙げることができる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される国際公開第92/09690号(Genentech)に開示された、グループとしてアミノ酸第172,174,176及び178番が次のアミノ酸群(R,S,F,R);(R,A,Y,R),(K,T,Y,K);(R,S,Y,R);(K,A,Y,R);(R,F,F,R);(K,Q,Y,R);(R,T,Y,H);(Q,R,Y,R);(K,K,Y,K);(R,S,F,S)又は(K,S,N,R)の一つによって置換されているものが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される米国特許第6004931号(Genentech)に開示された、次の置換G120R、G120K、G120Y、G120F及びG120Eを持つhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される米国特許第6143523号(Genentech)に開示された、次の置換セットR167N、D171S、E174S、F176Y及びI179T;R176E、D171S、E174S及びF176Y;F10A、M14W、H18D及びH21N;F10A、M14W、H18D、H21N、R167N、D171S、E174S、F176Y、I179T;F10A、M14W、H18D、H21N、R167N、D171A、E174S、F176Y、I179T;F10H、M14G、H18N及びH21N;F10A、M14W、H18D、H21N、R167N、D171A、T175T及びI179T;及びF10I、M14Q、H18E、R167N、D171S及びI179Tを持つhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される米国特許第6136536号(Genentech)に開示された次の置換セット H18A、Q22A、F25A、D26A、Q29A、E65A、K168A、E174A及びG120Kを持つhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される米国特許第6057292号(Genentech)に開示された次の置換セットH18D、H21N、R167N、K168A、D171S、K172R、E174S、I179Tを持ち、ここでG120が更にR、K、W、Y、F又はEの何れかで置換されているhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される米国特許第5849535号(Genentech)に開示された次の置換セットH18D、H21N、R167N、K168A、D171S、K172R、E174S及びI179Tを持つhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される国際公開第97/11178号(Genentech)に開示された次の置換セットH18D、H21D、R167N、K168A、D171S、K172R、E174S及びI179T;及びH18A、Q22A、F25A、D26A、Q29A、E65A、K168A及びE174Aを持つhGHが含まれる。
本発明において利用可能な成長ホルモン化合物の他の例には、出典明示によりここに援用される国際公開第90/04788号(Genentech)に開示された次の置換セットK168A及びE174A;R178N及びI179M;K172A及びF176A;及びH54F、S56E、L58I、E62S、D63N及びQ66Eを持つhGHが含まれる。
本発明の方法がhGHを含む標的化合物について実施される場合、反応は、Lys64、Lys67、Lys96、Lys141、Lys166、Lys171、Lys184、Lys194及びLys198から選択される少なくとも一つのLysmp選択的修飾を生じる。好ましい実施態様では、主として、配列番号2の一つの単一リジンLys171が修飾される。
他の実施態様では、少なくとも二つのLysが修飾される。
また他の実施態様では、Lys171が一つの性質改変基で修飾され、第二のLysはここに開示された第二の異なった性質改変基で修飾される。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質はインスリン、特にヒトインスリンである。本文脈において、「ヒトインスリン」なる用語は天然に生産されるインスリン又は組換え的に生産されるインスリンを意味する。組換えヒトインスリンは任意の適切な宿主細胞で生産することができ、例えば宿主細胞は細菌、真菌(酵母菌を含む)、昆虫、動物又は植物細胞でありうる。多くのインスリン化合物が文献に開示されており、それらもまた本発明の方法において有用である。「インスリン化合物」(と関連する表現)は、一又は複数のアミノ酸が欠失され、及び/又は非コード化アミノ酸を含む他のアミノ酸によって置換されたヒトインスリン、及び/又は更なるアミノ酸、つまり51を超えるアミノ酸を含むヒトインスリン、及び/又は少なくとも一の有機置換基がアミノ酸の一又は複数に結合しているヒトインスリンを意味する。
本発明によって提供される方法において特に利用できるインスリン化合物の開示として次の特許文献を挙げることができる。
出典明示によりここに援用される国際公開第97/31022号(Novo Nordisk)は、B鎖のN末端アミノ酸のアミノ基及び/又はLysB29のεアミノ基が親油性置換基を含むカルボン酸を有している遅延性活性プロファイルを有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、NεB29−(CO−(CH14−COOH)ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH16−COOH)ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH18−COOH)ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH20−COOH);NεB29−(CO−(CH22−COOH)ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH14−COOH)AspB28−ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH16−COOH)AspB28−ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH18−COOH)AspB28−ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH20−COOH)AspB28−ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH22−COOH)AspB28−ヒトインスリン;NεB30−(CO−(CH14−COOH)ThrB29LysB30−ヒトインスリン;NεB30−(CO−(CH16−COOH)ThrB29LysB30−ヒトインスリン;NεB30−(CO−(CH18−COOH)ThrB29LysB30−ヒトインスリン;NεB30−(CO−(CH20−COOH)ThrB29LysB30−ヒトインスリン;NεB30−(CO−(CH22−COOH)ThrB29LysB30−ヒトインスリン;NεB28−(CO−(CH14−COOH)LysB28ProB29−ヒトインスリン;NεB28−(CO−(CH16−COOH)LysB28ProB29−ヒトインスリン;NεB28−(CO−(CH18−COOH)LysB28ProB29−ヒトインスリン;NεB28−(CO−(CH20−COOH)LysB28ProB29−ヒトインスリン;NεB28−(CO−(CH22−COOH)LysB28ProB29−ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH14−COOH)desB30ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH16−COOH)desB30ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH18−COOH)desB30ヒトインスリン;NεB29−(CO−(CH20−COOH)desB30ヒトインスリン;及びNεB29−(CO−(CH22COOH)desB30ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用されるWO96/29344(Novo Nordisk)は、B鎖のN末端アミノ酸のアミノ基が、結合した12から40の炭素原子を有する親油性置換基を有するか、又はB鎖のC末端アミノ酸のカルボン酸基が、結合した12から40の炭素原子を有する親油性置換基を有している遅延性活性プロファイルを有するインスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される国際公開第95/07931号(Novo Nordisk)は、LysB29のεアミノ基が親油性置換基を有している遅延性活性プロファイルを有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、NεB29−トリデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21des(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21GlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlnB3des(B30)ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21GlnB3ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlnB3ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlnB3ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlnB3ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlnB3ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGluB30ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGluB30ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlyA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlyA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlyA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルGlyA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21GluB30ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルAlaA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルAlaA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルAlaA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイルAlaA21GlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイルGlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイルGlnB3GluB30ヒトインスリン、NεB29−デカノイルGlnB3GluB30ヒトインスリン及びNεB29−ドデカノイルGlnB3GluB30ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される国際公開第97/02043号(Novo Nordisk)は、インスリン予防投与に有用なホルモン的に不活性のインスリン化合物を開示しており、特にそのようなヒトインスリンのアナログは、desA1ヒトインスリン;des(A1−A2)ヒトインスリン;des(A1−A3)ヒトインスリン;desA21ヒトインスリン;des(B1−B5)ヒトインスリン;des(B1−B6)ヒトインスリン;des(B23−B30)ヒトインスリン;des(B24−B30)ヒトインスリン;des(B25−B30)ヒトインスリン;GlyA2ヒトインスリン;AlaA2ヒトインスリン;NlεA2ヒトインスリン;ThrA2ヒトインスリン;ProA2ヒトインスリン;D−アロIlεA2ヒトインスリン;NvaA3ヒトインスリン;NlεA3ヒトインスリン;LeuA3ヒトインスリン;ValA2,IlεA3ヒトインスリン;AbuA2,AbuA3ヒトインスリン;GlyA2,GlyA3ヒトインスリン;D−CysA6ヒトインスリン;D−CysA6,D−CysA11ヒトインスリン;SerA6,SerA11,des(A8−A10)ヒトインスリン;D−CysA7ヒトインスリン;D−CysA11ヒトインスリン;LeuA19ヒトインスリン;GlyB6ヒトインスリン;GluB12ヒトインスリン;AsnB12ヒトインスリン;PheB12ヒトインスリン;D−AlaB12ヒトインスリン;及びAspB25ヒトインスリンから選択され、本発明の方法において利用できる。
出典明示によりここに援用される国際公開第92/15611号(Novo nordisk)は、インスリンレセプター結合プロセスにおいて速い会合速度定数を有し、A13位にチロシンを、及び/又はB17位にフェニルアラニン、トリプトファン又はチロシンを含むことによって特徴付けられるヒトインスリンアナログを開示している。特に、かかるアナログは、TyrA13ヒトインスリン、PheB17ヒトインスリン、TrpB17ヒトインスリン、TyrB17ヒトインスリン、TyrA13,PheB17ヒトインスリン、TyrA13,TrpB17ヒトインスリン、TyrA13,TyrB17ヒトインスリン、PheA13,PheB17ヒトインスリン、PheA13,TrpB17ヒトインスリン、PheA13,TyrB17ヒトインスリン、TrpA13,PheB17ヒトインスリン、TrpA13,TrpB17ヒトインスリン及びTrpA13,TyrB17ヒトインスリンから選択される。
出典明示によりここに援用される国際公開第92/00322号(Novo Nordisk)は、特定の組織を標的とすることができ、インスリン分子のA13位及び/又はB17位にロイシンとは異なる天然に生じるアミノ酸残基を有し、及び/又はインスリン分子のB18位にバリンとは異なる天然に生じるアミノ酸残基を有することを特徴とするヒトインスリンのアナログを開示している。特に、かかるアナログは、AlaB17ヒトインスリン、AlaB18ヒトインスリン、AsnA13ヒトインスリン、AsnA13,AlaB17ヒトインスリン、AsnA13,AspB17ヒトインスリン、AsnA13,GluB17ヒトインスリン、AsnB18ヒトインスリン、AspA13ヒトインスリン、AspA13,AlaB17ヒトインスリン、AspA13,AspB17ヒトインスリン、AspA13,GluB17ヒトインスリン、AspB18ヒトインスリン、GlnA13ヒトインスリン、GlnA13,AlaB17ヒトインスリン、GlnA13,AspB17ヒトインスリン、GlnB18ヒトインスリン、GluA13ヒトインスリン、GluA13,AlaB17ヒトインスリン、GluA13,AspB17ヒトインスリン、GluA13,GluB17ヒトインスリン、GluB18ヒトインスリン、GlyA13ヒトインスリン、GlyA13,AlaB17ヒトインスリン、GlyA13,AsnB17ヒトインスリン、GlyA13,AspB17ヒトインスリン、GlyA13,GluB17ヒトインスリン、GlyB18ヒトインスリン、SerA13ヒトインスリン、SerA13,GlnA17,GluB10,GlnB17−des(ThrB30)ヒトインスリン、SerA13,AlaB17ヒトインスリン、SerA13,AsnB17ヒトインスリン、SerA13,AspB17ヒトインスリン、SerA13,GlnB17ヒトインスリン、SerA13,GluB17ヒトインスリン、SerA13,ThrB17ヒトインスリン、SerB14,AspB17ヒトインスリン、SerB18ヒトインスリン、ThrA13ヒトインスリン又はThrB18ヒトインスリンから選択される。
出典明示によりここに援用される国際公開第90/01038号(Novo Nordisk)は、高い生物学的活性を有し、His又はTyrによって置換されたPheB25を有し、A4、A8、A17、A21、B9、B10、B12、B13、B21、B26、B27、B28及びB30位の一又は複数に置換を有し、なくてもよいB30位にアミノ酸残基を有することによって特徴付けられるヒトインスリンのアナログを開示している。特に、かかるアナログはTyrB25ヒトインスリン、TyrB25,AspB28ヒトインスリン、HisB25ヒトインスリン、HisB25,AspB28ヒトインスリン、TyrB25ヒトインスリン−B30−アミド及びHisB25ヒトインスリン−B30−アミドから選択される。
国際公開第86/05496号(Nordisk Gentofte)は、遅延性作用を有し、ブロックされたB30カルボキシル基を有し、A4、A17、A21、B13及びB21位のアミノ酸残基に一から四のブロックされたカルボキシル基を有することを特徴とするヒトインスリンのアナログを開示している。特に、かかるアナログは、インスリン−B30−オクチルエステル、インスリン−B30−ドデシルアミド、インスリン−B30−ヘキサデシルアミド、インスリン−(B21,B30)−ジメチルエステル、インスリン−(B17,B30)−ジメチルエステル、インスリン−(A4,B30)ジアミド、インスリン−A17アミド−B30−オクチルエステル、インスリン−(A4,B13)−ジアミド−B30−ヘキシルアミド、インスリン−(A4,A17,B21,B30)−テトラアミド、インスリン−(A17,B30)−ジアミド、A4−Ala−インスリン−B30−アミド及びB30−Leu−インスリン−(A4,B30)−ジアミドから選択される。
出典明示によりここに援用される国際公開第86/05497号(Nordisk Gentofte)は、A4、A17、B13及びB21位の4つアミノ酸残基の一又は複数が非荷電側鎖を含んでいるインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、ヒトインスリンA17−Gln、ヒトインスリンA4−Gln、ブタインスリンB21−Gln、ヒトインスリンB13−Gln、ヒトインスリン(A17,B21)−Gln、ヒトインスリンA4−Ala、ヒトインスリンB21−Thr、ヒトインスリンB13−Val、ヒトインスリン−Thr−A17−Gln、ヒトインスリンB21−メチルエステル及びヒトインスリンA17−メチルエステルである。
出典明示によりここに援用される国際公開第92/00321号(Novo Nordisk)は、B鎖のN末端に正電荷が導入された延長された活性を有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、ArgB5,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB5,ProB6,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB5,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB5,ProB6,GlyA21,ThrB30−NH2ヒトインスリン、ArgB2,SerA21,ThrB30−NH2ヒトインスリン、ArgB2,ProB3,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB2,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB2,ProB3,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB2,ArgB3,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB2,ArgB3,SerA21ヒトインスリン、ArgB4,ProB5,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB4,ArgB5,ProB6,GlyA21,ThrB30ヒトインスリン、ArgB3,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB3,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB4,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB4,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン及びArgB1,ProB2,GlyA21,ThrB30−NHヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される国際公開第90/07522号(Novo Nordisk)は、B28位に正荷電アミノ酸残基、つまりLys又はArgがある溶液中で低会合能を示すインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、des[PheB25]−ヒトインスリン、des[TyrB26]−ヒトインスリン、des[ThrB27]−ヒトインスリン、des[ProB28]−ヒトインスリン、des[PheB25]−ブタインスリン、des[ProB28]−ブタインスリン、des[ProB28]−ウサギインスリン、des[PheB25],des[ThrB30]−ヒトインスリン、des[TyrB26],des[ThrB30]−ヒトインスリン、[SerA21]−des[ProB28]−ヒトインスリン、[GlyA21]−des[ProB28]−ヒトインスリン、[GlyA21]−des[PheB25]−ヒトインスリン、[AspA21]−des[PheB25]−ヒトインスリン、[HisB25]−des[TyrB26],des[ThrB30]−ヒトインスリン、[AsnB25]−des[TyrB26],des[ThrB30]−ヒトインスリン、[AspA21]−des[PheB25],des[ThrB30]−ヒトインスリン、[AspB28]−des[PheB25]−ヒトインスリン、[AspB3]−des[PheB25]−ヒトインスリン、[LysB28]−ヒトインスリン、[LysB28,ThrB29]−ヒトインスリン及び[ArgB28]−des[LysB29]−ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される国際公開第90/11290号(Novo Nordisk)は、延長された活性を有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、[ArgA0]−ヒトインスリン−(B30−アミド),[ArgA0,GlnB13]−ヒトインスリン−(B30−アミド),[ArgA0,GlnA4,AspA21]−ヒトインスリン−(B30−アミド),[ArgA0,SerA21]−ヒトインスリン−(B30−アミド)及び[ArgA0,ArgB27]−des[ThrB30]−ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される国際公開第90/10645号(Novo Nordisk)は、グリコシル化されたインスリンを開示している。特に挙げることができるものは、Phe(B1)グルコースヒトインスリン、Phe(B1)マンノースヒトインスリン、Gly(A1)マンノースヒトインスリン、Lys(B29)マンノースヒトインスリン、Phe(B1)ガラクトースヒトインスリン、Gly(A1)ガラクトースヒトインスリン、Lys(B29)ガラクトースヒトインスリン、Phe(B1)マルトースヒトインスリン、Phe(B1)ラクトースヒトインスリン、Gly(A1)グルコースヒトインスリン、Gly(A1)マルトースヒトインスリン、Gly(A1)ラクトースヒトインスリン、Lys(B29)グルコースヒトインスリン、Lys(B29)マルトースヒトインスリン、Lys(B29)ラクトースヒトインスリン、Gly(A1),Phe(B1)ジグルコースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジグルコースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジグルコースヒトインスリン、Phe(B1)イソマルトースヒトインスリン、Gly(A1)イソマルトースヒトインスリン、Lys(B29)イソマルトースヒトインスリン、Phe(B1)マルトトリオースヒトインスリン、Gly(A1)マルトトリオースヒトインスリン、Lys(B29)マルトトリオースヒトインスリン、Gly(A1),Phe(B1)ジマルトースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジマルトースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジマルトースヒトインスリン、Gly(A1),Phe(B1)ジラクトースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジラクトースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジラクトースヒトインスリン、Gly(A1),Phe(B1)ジマルトトリオースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジマルトトリオースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジマルトトリオースヒトインスリン、Phe(B1),Gly(A1)ジマンノースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジマンノースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジマンノースヒトインスリン、Phe(B1),Gly(A1)ジガラクトースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジガラクトースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジガラクトースヒトインスリン、Phe(B1),Gly(A1)ジイソマルトースヒトインスリン、Phe(B1),Lys(B29)ジイソマルトースヒトインスリン、Gly(A1),Lys(B29)ジイソマルトースヒトインスリン、Phe(B1)グルコース[AspB10]ヒトインスリン及びGly(A1),Phe(B1)ジグルコース[AspB10]ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される国際公開第88/065999号(Novo Nordisk)は、Ans21Aが他のアミノ酸残基で置換されている安定化されたインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、GlyA21ヒトインスリン、AlaA21ヒトインスリン、SerA21ヒトインスリン、ThrA21ヒトインスリン及びhSerA21ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される欧州特許出願公開第254516号(Novo Nordisk)は、塩基性アミノ酸残基が中性アミノ酸残基によって置換された延長された作用を有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、
GlyA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、SerA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、ThrA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、AlaB21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、HisA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、AspB21,LysB27,ThrB30−NNヒトInsulin,GlyA21,ArgB21,ThrB30−NHヒトインスリン、SerA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、ThrA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、AlaB21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、HisA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、AspB21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,GlyA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,SerA21,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,SerA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,ThrA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,AlaA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,HisA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,AspA21,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,GlyA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,SerA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,ThrA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,AlaA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,HisA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,AspA21,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、AsnA21,LysB27ヒトインスリン、SerA21,LysB27ヒトインスリン、ThrA21,LysB27ヒトインスリン、AlaA21,LysB27ヒトインスリン、HisA21,LysB27ヒトインスリン、AspA21,LysB27ヒトインスリン、GlyA21,LysB27ヒトインスリン、AsnA21,ArgB27ヒトインスリン、SerA21,ArgB27ヒトインスリン、ThrA21,ArgB27ヒトインスリン、AlaA21,ArgB27ヒトインスリン、HisA21,ArgB27ヒトインスリン、AspA21,ArgB27ヒトインスリン、GlyA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,AsnA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,SerA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,ThrA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,AlaA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,HisA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,AspA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,GlyA21,ArgB27ヒトインスリン、GlnA17,AsnA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,SerA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,ThrA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,AlaA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,HisA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,AspA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,GlyA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,AsnA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,SerA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,ThrA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,AlaA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,HisA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,AspA21,GlnB13ヒトインスリン、ArgA27,GlyA21,GlnB13ヒトインスリン、GlnA17,AsnA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,SerA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,ThrA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,AlaA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,HisA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,AspA21,LysB27ヒトインスリン、GlnA17,GlyA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,AsnA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,SerA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,ThrA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,AlaA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,HisA21,LysB27ヒトインスリン、GlnB13,AspA21,LysB27ヒトインスリン、及びGlnB13,GlyA21,LysB27ヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される欧州特許出願公開第214826号(Novo Nordisk)は速効性インスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される欧州特許出願公開第194864号(Novo Nordisk)は、塩基性アミノ酸残基が中性アミノ酸残基によって置換された延長された作用を有するインスリン化合物を開示している。特に挙げることができるものは、GlnA17,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnA17,GlnB13,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnA17,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnA17,LysB27−NHヒトインスリン、GlnA17,GlnA17,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、GlnB13,LysB30−NHヒトインスリン、GlnB13,ThrB30−NHヒトインスリン、ArgB27,ArgB30−NHヒトインスリン、ArgB27,LysB30−NHヒトインスリン、ArgB27,ThrB30−NHヒトインスリン、LysB27,ArgB30−NHヒトインスリン、LysB27,LysB30−NHヒトインスリン、LysB27,ThrB30−NHヒトインスリン、LysB29−NH,des−(B30)ヒトインスリン、ThrB30−NHヒトインスリン、LysB30−NHヒトインスリン、LysB30(Lau)−NHヒトインスリン、LysB30,ArgB31−NHヒトインスリン、LysB30,LysB31−NHヒトインスリン、ArgB30−NHヒトインスリン、ArgB30,ArgB31−NHヒトインスリン、及びArgB30,LysB31−NHヒトインスリンである。
出典明示によりここに援用される米国特許第3528960号(Eli Lilly)は、インスリン分子の一、二又は三の第1級アミノ基がカルボキシアロイル基を有しているN−カルボキシアロイルインスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される英国特許第1492997号(Nat.Res.Dev.Corp.)は低血糖効果の改善されたプロファイルを有するカルバミル置換をNεB29に持つインスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される特開平1−254699号公報(Kodama Co.,Ltd.)は、アルカノイル基がPheB1のアミノ基又はLysB29のεアミノ基又はこれらの双方に結合しているインスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される特開昭57−067548号公報(Shionogi)は、B30位が、ヌクレオチドトリプレットによって必ずしもコードされ得ない少なくとも5つの炭素原子を有するアミノ酸を有するインスリン化合物を開示している。
出典明示によりここに援用される国際公開第03/053339号(Eli Lilly)は、インスリン化合物を開示している。N末端のA鎖が2つのアミノ酸残基A−1及びA0だけ延長され、B鎖のN末端が2つのアミノ酸残基B−1及びB0だけ延長され、B28、B29及びB39位のアミノ酸残基が置換され、B28又はB29位のLysのεアミノ基が正に荷電したアミノ酸のαカルボキシル基に共有的に結合されてLys−Nε−アミノ酸誘導体が形成される。特に挙げることができるものは、A−1及びB−1が共に存在せず、A0がArgを表し、B0がArgを表すか又は存在しない該アナログである。
i)B28位がAsp、Lys、Leu、Val、又はAlaであり、B29位がLys又はProであるアナログ;及びii)des(B28−B30)、des(B27)又はdes(B30)ヒトインスリンからなる群から選択されるインスリン化合物をまた本発明の方法に利用することができ、特にB28位がAsp又はLysであり、B29位がLys又はProであるインスリン化合物である。
他の利用可能なインスリン化合物は、B29−Nε−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−ミリストイルヒトインスリン、B29−Nε−パルミトイルヒトインスリン、B28−Nε−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28−Nε−パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30−Nε−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30−Nε−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29−Nε−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−(ω−カルボキシへプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−(ω−カルボキシへプタデカノイル)ヒトインスリン及びB29−Nε−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリンからなる群から選択される。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質GLP−1である。本発明の方法において利用できるGLP−1の例は、ヒトGLP−1及びGLP−1化合物を含む。ヒトGLP−1は、とりわけ回腸遠位部、膵臓及び脳内のL細胞中で合成されるプレプログルカゴン由来の37アミノ酸残基のタンパク質である。GLP−1はグルコース代謝及び消化管分泌及び代謝において調節機能を有する重要な消化管ホルモンである。GLP−1(7−36)−アミド、GLP−1(7−37)及びGLP−2を生じるプレプログルカゴンのプロセシングは主としてL細胞中で起こる断片GLP−1(7−36)−アミド及びGLP−1(7−37)は共にグルコース依存性インスリン分泌性薬剤である。過去数十年においてGLP−1の多くの構造アナログがヒーラ・モンスターリザード(アメリカドクトカゲ及びメキシコドクトカゲ)の毒から単離されている。エキセンディン−4はメキシコドクトカゲの毒から単離された39アミノ酸残基のタンパク質であり、このタンパク質はGLP−1と52%の相同性を共有する。エキセンディン−4は、インスリン放出を刺激し、イヌに注射された場合に血中ブドウ糖量の低下を確実にすることが示されている強力なGLP−1レセプターアゴニストである。GLP−1(1−37)及びエキセンディン−4(1−39)のグループ及びそのある種の断片、アナログ及び誘導体(ここではGLP−1化合物と命名される)は強力なインスリン分泌性剤であり、それらは全て本発明の方法で利用可能である。GLP−1(1−37)のインスリン分泌性断片は、配列全体をGLP−1(1−37)の配列に見出すことができ、少なくとも一つの末端アミノ酸が欠失されているインスリン分泌性タンパク質である。GLP−1(1−37)のインスリン分泌性断片の例は、GLP−1(1−37)の1−6位のアミノ酸残基が欠失されたGLP−1(7−37)、及びGLP−1(1−37)の1−6及び37位のアミノ酸残基が欠失されたGLP−1(7−36)である。エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性断片の例は、エキセンディン−4(1−38)及びエキセンディン−4(1−31)である。ある化合物のインスリン分泌性特性は、当該分野でよく知られているインビボ又はインビトロアッセイによって決定することができる。例えば、化合物が動物に投与され、経時的にインスリン濃度がモニターされうる。GLP−1(1−37)及びエキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性アナログは、アミノ酸残基の一又は複数が他のアミノ酸残基と交換され、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基が欠失され、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基が付加され、但し、上記アナログの何れもインスリン分泌性であるか又はインスリン分泌性化合物のプロドラッグである各分子を意味する。GLP−1(1−37)のインスリン分泌性アナログの例は、例えば8位のアラニンがメチオニンに置換され、1から6位のアミノ酸残基が欠失されたMεt−GLP−1(7−37)、及び34位のバリンがアルギニンに置換され、1から6位のアミノ酸残基が欠失されたArg34−GLP−1(7−37)である。エキセンディン−4(1−39)のインスリン分泌性アナログの例は、2及び3位のアミノ酸残基がセリン及びアスパラギン酸でそれぞれ置き換えられているSerAsp−エキセンディン−4(1−39)である(この特定のアナログは当該分野でまたエキセンディン−3としても知られている)。GLP−1(1−37)、エキセンディン−4(1−39)及びそのアナログのインスリン分泌性誘導体は、当業者がこれらのペプチドの誘導体である、すなわち親ペプチドには存在していない少なくとも一置換基を有しているが、但し該誘導体はインスリン分泌性であるか又はインスリン分泌性化合物のプロドラッグであると考えるものである。置換基の例は、アミド、炭水化物、アルキル基及び親油性置換基である。GLP−1(1−37)、エキセンディン−4(1−39)及びそのアナログのインスリン分泌性誘導体の例は、GLP−1(7−36)−アミド、Arg34,Lys26(Nε−(g−Glu(Nα−ヘキサデカノイル)))−GLP−1(7−37)及びTyr31−エキセンディン−4(1−31)−アミドである。GLP−1(1−37)、エキセンディン−4(1−39)、そのインスリン分泌性断片、そのインスリン分泌性アナログ及びそのインスリン分泌性誘導体の更なる例は、全てが出典明示によりここに援用される国際公開第98/08871号、国際公開第99/43706号、米国特許第5424286号及び国際公開第00/09666号に記載されている。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質はGLP−2である。
GLP−2及びGLP−2化合物はまた本発明によって提供される方法によって修飾されうる。本文脈において、GLP−2化合物は、好ましくは1μM以下、例えば100nM以下の親和定数(K)又は効力(EC50)でGLP−2レセプターに結合する。「GLP−2化合物」なる用語は、一又は複数のアミノ酸残基が欠失され、及び/又は天然又は非天然の他のアミノ酸残基によって置換されたヒトGLP−2、及び/又は更なるアミノ酸残基を含むヒトGLP−2、及び/又はアミノ酸残基の一又は複数に少なくとも一つの有機置換基が結合しているヒトGLP−2を示すものである。特に、アミノ酸配列が33の連続したアミノ酸の任意の配列においてヒトGLP−2のアミノ酸配列の60%を超えるタンパク質が考慮される。また4つまでのアミノ酸がアミノ酸配列から欠失される場合に、アミノ酸配列が37の連続したアミノ酸の任意の配列においてヒトGLP−2のアミノ酸配列の60%を超えるタンパク質が考慮される。また2つまでのアミノ酸がそのアミノ酸配列に付加される場合に、アミノ酸配列が31の連続したアミノ酸の任意の配列においてGLP−2のアミノ酸配列の60%を超えるタンパク質が考慮される。「GLP化合物」なる用語はまた一個体から他の個体へと存在し発生する天然の対立遺伝子変異を含む。また、グリコシル化又は他の翻訳後修飾の度合い及び位置は、選択される宿主細胞及び宿主細胞の環境の性質に応じて変わりうる。
本発明によって使用することができる候補GLP−2化合物には、出典明示により全てがここに援用される国際公開第96/32414号、国際公開第97/39031号、国際公開第98/03547号、国際公開第96/29342号、国際公開第97/31943号、国際公開第98/08872号に記載されたGLP−2化合物が含まれる。
特に、次のGLP−2化合物を本発明の方法において利用できる。A2G−GLP−2(1−33);K30R−GLP−2(1−33);S5K−GLP−2(1−33);S7K−GLP−2(1−33);D8K−GLP−2(1−33);E9K−GLP−2(1−33);M10K−GLP−2(1−33);N11K−GLP−2(1−33);T12K−GLP−2(1−33);I13K−GLP−2(1−33);L14K−GLP−2(1−33);D15K−GLP−2(1−33);N16K−GLP−2(1−33);L17K−GLP−2(1−33);A18K−GLP−2(1−33);D21K−GLP−2(1−33);N24K−GLP−2(1−33);Q28K−GLP−2(1−33);S5K/K30R−GLP−2(1−33);S7K/K30R−GLP−2(1−33);D8K/K30R−GLP−2(1−33);E9K/K30R−GLP−2(1−33);M10K/K30R−GLP−2(1−33);N11K/K30R−GLP−2(1−33);T12K/K30R−GLP−2(1−33);I13K/K30R−GLP−2(1−33);L14K/K30R−GLP−2(1−33);D15K/K30R−GLP−2(1−33);N16K/K30R−GLP−2(1−33);L17K/K30R−GLP−2(1−33);A18K/K30R−GLP−2(1−33);D21K/K30R−GLP−2(1−33);N24K/K30R−GLP−2(1−33);Q28K/K30R−GLP−2(1−33);K30R/D33K−GLP−2(1−33);D3E/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/S5K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/S7K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/D8K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/E9K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/M10K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/N11K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/T12K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/I13K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/L14K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/D15K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/N16K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/L17K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/A18K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/D21K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);D3E/N24K/K30R/D33E−GLP−2(1−33);及びD3E/Q28K/K30R/D33E−GLP−2(1−33)。
GLP−2タンパク質にただ一つの親油性置換基が結合したGLP−2誘導体もまた本発明の方法において利用することができ、例えば親油性置換基が4から40の炭素原子、例えば8から25の炭素原子、例えば12から20の炭素原子を有するGLP−2誘導体である。
次のリストは、本発明の方法において特に利用できるGLP−2誘導体を含む:
S5K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
S7K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
D8K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
E9K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
M10K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
N11K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
T12K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
I13K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L14K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
D15K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
N16K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(オクタノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ノナノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(デカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K(3−(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
L17K(4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)−GLP−2(1−33);
A18K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
D21K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
N24K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
Q28K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)−GLP−2(1−33);
S5K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
S7K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
D8K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
E9K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
M10K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
N11K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
T12K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
I13K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L14K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
D15K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
N16K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(オクタノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ノナノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(デカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(3−(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K((S)−4−カルボキシ−4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
L17K(4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R−GLP−2(1−33);
A18K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
D21K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
N24K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
Q28K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R−GLP−2(1−33);
D3E/S5K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/S7K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/D8K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/E9K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/M10K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/N11K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/T12K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/I13K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L14K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/D15K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/N16K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(オクタノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ノナノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(デカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(3−(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K((S)−4−カルボキシ−4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/L17K(4−(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/A18K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/D21K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);
D3E/N24K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33);及び
D3E/Q28K(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E−GLP−2(1−33)。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質は第VII因子である。本発明の方法において利用可能な第VII因子化合物は、野生型第VII因子(つまり、米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列を有するポリペプチド)、並びに野生型第VII因子に対して実質的に同じか改善された生物学的活性を示す第VII因子の変異体、第VII因子関連ポリペプチド並びに第VII因子誘導体及び第VII因子コンジュゲートを包含する。「第VII因子化合物」なる用語は、その未切断(チモーゲン)形態の第VII因子ポリペプチド、並びにそのそれぞれの生物活性形態を生じるようにタンパク分解的にプロセシングされたもの(これは第VIIa因子と命名されうる)を包含するものである。典型的には、第VII因子は残基152及び153の間で切断されて第VIIa因子を生じる。かかる第VII因子の変異体は、安定性、リン脂質結合性、改変された特異的活性等を含み、ヒト第VII因子に対して異なった性質を示しうる。
ここで使用される場合、「第VII因子関連ポリペプチド」は、第VIIa因子の生物学的活性が野生型第VIIa因子の活性に対して実質的に改変され又は低減されている変異体を含むポリペプチドを包含する。これらのポリペプチドには、限定するものではないが、ポリペプチドの生物活性を変更し又は乱す特異的なアミノ酸配列改変が導入されている第VII因子又は第VIIa因子が含まれる。
ここで使用される「第VII因子誘導体」なる用語は、野生型第VII因子、野生型第VII因子及び第VII因子関連ポリペプチドに対して実質的に同じか改善された生物学的活性を示す第VII因子の変異体を示すものであり、親タンパク質の一又は複数のアミノ酸が、例えばアルキル化、グリコシル化、PEG化、アシル化、エステル形成又はアミド形成等、化学的修飾されている。限定されるものではないが、これにはPEG化されたヒト第VIIa因子、システイン−PEG化ヒト第VIIa因子及びその変異体が含まれる。
「PEG化ヒト第VIIa因子」なる用語は、ヒト第VIIa因子ポリペプチドに修飾されたPEG分子を有するヒト第VIIa因子を意味する。PEG分子が、第VIIa因子ポリペプチドの任意のアミノ酸残基又は糖鎖部分を含む第VIIa因子ポリペプチドの任意の部分に付加できることが理解されなければならない。「システイン−PEG化ヒト第VIIa因子」なる用語は、ヒト第VIIa因子に導入されたシステインのスルフヒドリル基に結合するPEG分子を有する第VIIa因子を意味する。
血液凝固における第VIIa因子の生物学的活性は、(i)組織因子(TF)に結合し、(ii)第IX因子又は第X因子のタンパク分解性切断を触媒して活性化された第IX又はX因子(それぞれ第IXa又はXa因子)を生産するその能力から誘導される。本発明の目的のために、第VIIa因子の生物学的活性は、例えば米国特許第5997864号に記載されているように、第VII因子欠損血漿及びトロンボプラスチンを使用して調製物の血液凝固を促進する能力を測定することによって定量化されうる。このアッセイにおいて、生物学的活性は、コントロール試料に対する凝固時間の減少として表され、1単位/mlの第VII因子活性を含むプール化ヒト血清標準との比較により、「第VII因子単位」に転換される。あるいは、第VIIa因子の生物学的活性は、(i)脂質膜に包埋されたTF及び第X因子を含む系における第VIIa因子の第Xa因子生産能の測定(Persson等,J.Biol.Chem.272:19919−19924,1997);(ii)水性の系における第X因子の加水分解の測定;(iii)表面プラズモン共鳴に基づく機器を用いたそのTFへの物理的な結合の測定(Persson,FEBS Letts.413:359−363,1997)及び(iv)合成基質の加水分解の測定によって、定量化されうる。
野生型第VIIa因子に対して実質的に同じか又は改善された生物活性を有する第VII因子変異体は、上述のような凝固アッセイ、タンパク質分解アッセイ、又はTF結合アッセイの一又は複数で試験した場合に、同じ細胞型で生産された第VIIa因子の特異的活性の少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%を示すものを包含する。野生型第VIIa因子に対して実質的に低減した生物活性を有する第VII因子変異体は、上述のような凝固アッセイ、タンパク質分解アッセイ、又はTF結合アッセイの一又は複数で試験した場合に、同じ細胞型で生産された野生型第VIIa因子の特異的活性の約25%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満、最も好ましくは約1%未満を示すものを包含する。限定するものではないが、野生型第VII因子に対して実質的に改変された生物活性を有する第VII因子変異体には、TF独立性第X因子タンパク分解活性を示す第VII因子変異体及びTFに結合するが第X因子を切断しないものが含まれる。
野生型第VII因子と実質的に同じかより良好な生物活性を示すにせよ、あるいは野生型第VII因子に対して実質的に改変されているか減少した生物活性を示すにせよ、第VII因子の変異体には、限定するものではないが、野生型第VII因子の配列とは一又は複数のアミノ酸の挿入、欠失、又は置換が異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。
ここで使用される「変異体」又は「変異体群」なる用語は、その親タンパク質の一又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されており、及び/又はその親タンパク質の一又は複数のアミノ酸が欠失されており、及び/又は一又は複数のアミノ酸がタンパク質に挿入されており、及び/又は一又は複数のアミノ酸が親タンパク質に付加されている野生型VII因子の配列を有するVII因子を示すことを意図している。かかる付加は親タンパク質のN末端又はC末端の何れか又は双方において生じうる。この定義内の「変異体」又は「変異体群」はその活性化型においてFVII活性を尚も有している。一実施態様では、変異体は野生型VII因子の配列と70%同一である。一実施態様では、変異体は野生型VII因子の配列と80%同一である。他の実施態様では、変異体は野生型VII因子の配列と90%同一である。更なる実施態様では、変異体は野生型VII因子の配列と95%同一である。
第VII因子変異体の非限定的例には、S52A−FVIIa、S60A−FVIIa(Lino等,Arch.Biochem.Biophys.352:182−192,1998);米国特許第5580560号に開示されている増加したタンパク分解安定性を示すFVIIa変異体;残基290と291の間、又は残基315と316の間が、タンパク分解的に切断された第VIIa因子(Mollerup等,Biotechnol.Bioeng.48:501−505,1995);第VIIa因子の酸化型(Kornfεlt等,Arch.Biochem.Biophys.363:43−54,1999);PCT/DK02/00189に開示されているFVII変異体;国際公開第02/38162号に開示されている増加したタンパク分解安定性を示すFVII変異体(Scripps Research Institute);国際公開第99/20767号(University of Minnesota)に開示された修飾されたGla−ドメインを有し、亢進された膜結合性を示すFVII変異体;及び国際公開第01/58935号(Maxygen ApS)に開示されたFVII変異体が含まれる(文献の全てが出典明示によりここに援用される)。
特に挙げることができるものは、野生型FVIIaと比較して増加した生物活性を有するFVII変異体で、国際公開第01/83725号、国際公開第02/22776号、国際公開第02/077218号、PCT/DK02/00635、デンマーク特許出願第PA200201423号、デンマーク特許出願第PA200101627号;国際公開第02/38162号(Scripps Research Institute)に開示されたFVII変異体;及びJP2001061479(Chemo−Sero−Therapeutic Res Inst.)に開示された亢進活性を有するFVIIa変異体を含む(文献の全てが出典明示によりここに援用される)。
野生型第VII因子に対して実質的に減少した又は改変された生物活性を有する第VII因子変異体の例は、R152E−FVIIa(Wildgoose等,Biochem29:3413−3420,1990)、S344A−FVIIa(Kazama等,J.Biol.Chem.270:66−72,1995)、FFR−FVIIa(Holst等,Eur.J.Vasc.Endovasc.Surg.15:515−520,1998)、及びGlaドメインを欠く第VIIa因子(Nicolaisen等,FEBS Letts.317:245−249,1993)を含む(文献の全てが出典明示によりここに援用される)。
第VII因子、第VII因子又は第VII因子関連ポリペプチドの変異体の例には、野生型第VII因子、L305V−FVII、L305V/M306D/D309S−FVII、L305I−FVII、L305T−FVII、F374P−FVII、V158T/M298Q−FVII、V158D/E296V/M298Q−FVII、K337A−FVII、M298Q−FVII、V158D/M298Q−FVII、L305V/K337A−FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V−FVII、V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A−FVII、K157A−FVII、E296V−FVII、E296V/M298Q−FVII、V158D/E296V−FVII、V158D/M298K−FVII、及びS336G−FVII、L305V/K337A−FVII、L305V/V158D−FVII、L305V/E296V−FVII、L305V/M298Q−FVII、L305V/V158T−FVII、L305V/K337A/V158T−FVII、L305V/K337A/M298Q−FVII、L305V/K337A/E296V−FVII、L305V/K337A/V158D−FVII、L305V/V158D/M298Q−FVII、L305V/V158D/E296V−FVII、L305V/V158T/M298Q−FVII、L305V/V158T/E296V−FVII、L305V/E296V/M298Q−FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q−FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q−FVII、L305V/V158T/K337A/M298Q−FVII、L305V/V158T/E296V/K337A−FVII、L305V/V158D/K337A/M298Q−FVII、L305V/V158D/E296V/K337A−FVII、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVII、S314E/K316H−FVII、S314E/K316Q−FVII、S314E/L305V−FVII、S314E/K337A−FVII、S314E/V158D−FVII、S314E/E296V−FVII、S314E/M298Q−FVII、S314E/V158T−FVII、K316H/L305V−FVII、K316H/K337A−FVII、K316H/V158D−FVII、K316H/E296V−FVII、K316H/M298Q−FVII、K316H/V158T−FVII、K316Q/L305V−FVII、K316Q/K337A−FVII、K316Q/V158D−FVII、K316Q/E296V−FVII、K316Q/M298Q−FVII、K316Q/V158T−FVII、S314E/L305V/K337A−FVII、S314E/L305V/V158D−FVII、S314E/L305V/E296V−FVII、S314E/L305V/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158T−FVII、S314E/L305V/K337A/V158T−FVII、S314E/L305V/K337A/M298Q−FVII、S314E/L305V/K337A/E296V−FVII、S314E/L305V/K337A/V158D−FVII、S314E/L305V/V158D/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158D/E296V−FVII、S314E/L305V/V158T/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158T/E296V−FVII、S314E/L305V/E296V/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A−FVII、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A−FVII、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVII、K316H/L305V/K337A−FVII、K316H/L305V/V158D−FVII、K316H/L305V/E296V−FVII、K316H/L305V/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158T−FVII、K316H/L305V/K337A/V158T−FVII、K316H/L305V/K337A/M298Q−FVII、K316H/L305V/K337A/E296V−FVII、K316H/L305V/K337A/V158D−FVII、K316H/L305V/V158D/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158D/E296V−FVII、K316H/L305V/V158T/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158T/E296V−FVII、K316H/L305V/E296V/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A−FVII、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A−FVII、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVII、K316Q/L305V/K337A−FVII、K316Q/L305V/V158D−FVII、K316Q/L305V/E296V−FVII、K316Q/L305V/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158T−FVII、K316Q/L305V/K337A/V158T−FVII、K316Q/L305V/K337A/M298Q−FVII、K316Q/L305V/K337A/E296V−FVII、K316Q/L305V/K337A/V158D−FVII、K316Q/L305V/V158D/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V−FVII、K316Q/L305V/V158T/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V−FVII、K316Q/L305V/E296V/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A−FVII、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A−FVII、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVII、F374Y/K337A−FVII、F374Y/V158D−FVII、F374Y/E296V−FVII、F374Y/M298Q−FVII、F374Y/V158T−FVII、F374Y/S314E−FVII、F374Y/L305V−FVII、F374Y/L305V/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158D−FVII、F374Y/L305V/E296V−FVII、F374Y/L305V/M298Q−FVII、F374Y/L305V/V158T−FVII、F374Y/L305V/S314E−FVII、F374Y/K337A/S314E−FVII、F374Y/K337A/V158T−FVII、F374Y/K337A/M298Q−FVII、F374Y/K337A/E296V−FVII、F374Y/K337A/V158D−FVII、F374Y/V158D/S314E−FVII、F374Y/V158D/M298Q−FVII、F374Y/V158D/E296V−FVII、F374Y/V158T/S314E−FVII、F374Y/V158T/M298Q−FVII、F374Y/V158T/E296V−FVII、F374Y/E296V/S314E−FVII、F374Y/S314E/M298Q−FVII、F374Y/E296V/M298Q−FVII、F374Y/L305V/K337A/V158D−FVII、F374Y/L305V/K337A/E296V−FVII、F374Y/L305V/K337A/M298Q−FVII、F374Y/L305V/K337A/V158T−FVII、F374Y/L305V/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V−FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q−FVII、F374Y/L305V/V158D/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q−FVII、F374Y/L305V/E296V/V158T−FVII、F374Y/L305V/E296V/S314E−FVII、F374Y/L305V/M298Q/V158T−FVII、F374Y/L305V/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158T/S314E−FVII、F374Y/K337A/S314E/V158T−FVII、F374Y/K337A/S314E/M298Q−FVII、F374Y/K337A/S314E/E296V−FVII、F374Y/K337A/S314E/V158D−FVII、F374Y/K337A/V158T/M298Q−FVII、F374Y/K337A/V158T/E296V−FVII、F374Y/K337A/M298Q/E296V−FVII、F374Y/K337A/M298Q/V158D−FVII、F374Y/K337A/E296V/V158D−FVII、F374Y/V158D/S314E/M298Q−FVII、F374Y/V158D/S314E/E296V−FVII、F374Y/V158D/M298Q/E296V−FVII、F374Y/V158T/S314E/E296V−FVII、F374Y/V158T/S314E/M298Q−FVII、F374Y/V158T/M298Q/E296V−FVII、F374Y/E296V/S314E/M298Q−FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E−FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E−FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E−FVII、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVII、F374Y/L305V/V158
D/M298Q/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E−FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVII、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E−FVII、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E−FVII、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E−FVII、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T−FVII、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E−FVII、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E−FVII、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E−FVII、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E−FVII、S52A−第VII因子、S60A−第VII因子;R152E−第VII因子、S344A−第VII因子、Glaドメインを欠く第VIIa因子;及びP11Q/K33E−FVII、T106N−FVII、K143N/N145T−FVII、V253N−FVII、R290N/A292T−FVII、G291N−FVII、R315N/V317T−FVII、K143N/N145T/R315N/V317T−FVII;及び233Thrから240Asnのアミノ酸配列に置換、付加又は欠失を有するFVII、304Argから329Cysのアミノ酸配列に置換、付加又は欠失を有するFVIIが含まれる。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質はIL−19である。本発明の方法において利用可能なIL−19の特定の例は、出典明示によりここに援用される国際公開第98/08870号(Human Genome Science)に開示されたものを含む。特に挙げることができるものは、国際公開第98/08870号に配列番号2として開示されたタンパク質である。
本発明の方法から恩恵を受けうる他のタンパク質はIL−20である。利用可能なIL−20の特定の例は、出典明示によりここに援用される国際公開第99/27103号(ZymoGenetics)に開示されたものを含む。本文脈において、IL−20は、IL−20自体とその断片、並びにIL−20又はその断片と少なくとも90%同一であるポリペプチドを示すものである。本発明の方法において特に利用可能なタンパク質には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34及び配列番号35として国際公開第99/27103号に開示されているものが含まれる。
本発明の方法から恩恵を受けうるまた別のタンパク質はIL−21である。本発明の方法において利用可能なIL−21の例は、出典明示によりここに援用される国際公開第00/53761号(ZymoGenetics)に開示されたものを含む。特に挙げることができるものは、国際公開第00/53761号に配列番号2として開示されたタンパク質である。
本発明の方法から恩恵を受けうるまた別のタンパク質はTTFである。TTFタンパク質は主として胃腸管に付随して見出されるタンパク質のファミリーである。特に挙げることができるものは、ヒト、マウス、及びラットから知られている乳癌関連pS2タンパク質(TFF−1)、ヒト、ブタ、ラット、及びマウスから知られている鎮痙性ポリペプチド(TFF−2)、及びヒト、ラット及びマウスから知られている腸トレフォイル因子(TFF−3)である。
本発明の方法において利用できるTFFファミリーの他のタンパク質には、出典明示によりここに援用される国際公開第02/46226号(Novo Nordisk)に開示されたものが含まれる。特に挙げることができるものは、アミノ酸Cys6−Cys104、Cys8−Cys35、Cys19−Cys34、Cys29−Cys46、Cys58−Cys84、Cys68−Cys83、及びCys78−Cys95間にジスルフィド結合を含み、糖残基及びオリゴ糖から独立して選択される部分XがAsn15に共有的に結合されている国際公開第02/46226号の配列番号1に開示されたアミノ酸を有するTFF2タンパク質であるTFF−2タンパク質である。
TFFファミリーの他のタンパク質には、出典明示によりここに援用される国際公開第96/06861号(Novo Nordisk)に開示されたもののようなTFF−1及びTFF−3二量体が含まれる。
幾つかのメラノコルチンレセプターが知られており、本発明の方法に対して利用可能なタンパク質として、食欲抑制効果を有することが知られているペプチド性メラノコルチン−4レセプターアゴニストが挙げられる。特に挙げることができるものは、全てが出典明示によりここに援用される次の特許文献に開示されたタンパク質である:米国特許第6054556号(Hruby)、国際公開第00/05263号(William Harvey Research)、国際公開第00/35952号(Melacure)、国際公開第00/35952号(Melacure)、国際公開第00/58361号(Procter & Gamble)、国際公開第01/52880号(Merck)、国際公開第02/26774号(Procter & Gamble)、国際公開第03/06620号(Palatin)、国際公開第98/27113号(Rudolf Magnus Institute)及び国際公開第99/21571号(Trega)。
本発明の方法において利用可能な他のタンパク質は、ACTH、コルチコトロピン放出因子、アンジオテンシン、カルシトニン、インスリン及びその断面及びアナログ、グルカゴン、IGF−1、IGF−2、エンテロガストリン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、上皮増殖因子、セクレチン、神経増殖因子、サイロトロピン放出ホルモン、ソマトスタチン、成長ホルモン放出ホルモン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、トロンボポエチン、エリスロポエチン、視床下部放出因子、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、エンドルフィン、エンケファリン、バソプレッシン、オキシトシン、オピオイド及びそれらのアナログ、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ、アデノシンデアミナーゼ及びリボヌクレアーゼを含む。
本発明の方法によって修飾されるタンパク質は、天然源(例えば植物、動物又は微生物、例えば酵母、細菌、真菌又はウイルス)から単離されうるか、又はそれらは合成されうる。天然源からのタンパク質はまたトランスジェニック源、例えばタンパク質を発現するかタンパク質の発現を増加させるように遺伝的に改変された供給源を含み、ここで、上記タンパク質はそれが天然に存在するという意味では「天然」であり、又はそれがヒトの介入のためにのみ存在しているという意味では「非天然」でありうる。天然源から単離されるタンパク質に、本発明のコンジュゲーション前に合成的修飾を施してもよい。
薬学的組成物
本発明はまたここに開示される方法の何れかによって修飾されたタンパク質を含有する薬学的組成物に関する。一態様では、かかる薬学的組成物は、例えば10−10mg/mlから5mg/mlのような、10−15mg/mlから200mg/mlの濃度で存在する成長ホルモン(GH)のような修飾されたタンパク質を含有し、該組成物は2.0から10.0のpHを有する。該組成物はバッファー系、保存料、等張剤、キレート剤、安定剤及び界面活性剤を更に含みうる。本発明の一実施態様では、薬学的組成物は、水性組成物、すなわち水を含んでなる組成物である。かかる組成物は典型的には溶液又は懸濁液である。本発明の更なる実施態様では、薬学的組成物は水溶液である。「水性組成物」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含む組成物として定義される。同様に、「水溶液」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液として定義され、「水性懸濁液」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含む懸濁液として定義される。
別の実施態様では、薬学的組成物は凍結乾燥組成物であって、医師もしくは患者が使用前に溶媒及び/又は希釈剤を添加する組成物である。
別の実施態様では、薬学的組成物は、事前の溶解なしに使える状態にある乾燥組成物(例えば凍結乾燥又はスプレードライ)である。
更なる態様では、本発明は、修飾されたタンパク質、例えば修飾されたGHタンパク質の水溶液及びバッファーを含む薬学的組成物であって、前記修飾されたタンパク質、例えば修飾されたGHタンパク質は0.1−100mg/mlもしくはそれ以上の濃度で存在し、約2.0から約10.0のpHを有する製薬学的組成物に関する。
本発明の別の実施態様では、組成物のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9及び10.0からなるリストから選択される。
本発明の更なる実施態様では、バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、又はそれらの混合物からなる群から選択されうる。これら特定のバッファーの各一が本発明の別の実施態様を構成する。
本発明の更なる実施態様では、組成物は薬学的に許容可能な保存料を更に含有する。本発明の更なる実施態様では、保存料は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロロフェネシン(3p−クロルフェノキシプロパン−1,2−ジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択されうる。本発明の更なる実施態様では、保存料は、0.1mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、保存料は、0.1mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、保存料は、5mg/mlから10mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、保存料は、10mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。これら特定の保存料の各一が本発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物中における保存料の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20版,2000が参照される。
本発明の更なる実施態様では、組成物は等張剤を更に含有する。本発明の更なる実施態様では、等張剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えばL−グリシン、L−ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はそれらの混合物からなる群から選択されうる。例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンブン、ヒドロキシエチルデンプン、カルボキシメチルセルロース−Naを含む単糖類、二糖類、又は多糖類、又は水溶性グルカン類のような任意の糖を使用することができる。一実施態様では、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは少なくとも一つの−OH基を有するC4−C8炭化水素として定義され、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、アラビトールを含む。一実施態様では、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上述の糖類又は糖アルコールは個々に又は組み合わせて使用することができる。糖又は糖アルコールが液体調製物中で可溶性であり、本発明の方法を使用して達成される安定化効果に悪影響を及ぼさない限り、使用される量に決まった制限はない。一実施態様では、糖又は糖アルコール濃度は約1mg/mlと約150mg/mlの間である。本発明の更なる実施態様では、等張剤は1mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、等張剤は1mg/mlから7mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、等張剤は8mg/mlから24mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、等張剤は25mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の等張剤の各一は本発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物中における等張剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,20版,2000が参照される。
本明細書において、「薬学的に許容可能な塩」なる用語は、患者に有害ではない塩を示すものである。かかる塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウム及びアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸並びに有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。薬学的に許容可能な無機もしくは有機酸付加塩の更なる例には、出典明示によりここに援用されるJ.Pharm.Sci.66,2(1977)に列挙された薬学的に許容可能な塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩等が含まれる。アンモニウム及びアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等々が含まれる。
本発明の更なる実施態様では、組成物はキレート剤を更に含有する。本発明の更なる実施態様では、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、及びアスパラギン酸の塩、及びそれらの混合物から選択されうる。本発明の更なる実施態様では、キレート剤は0.1mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、キレート剤は0.1mg/mlから2mg/mlの濃度で存在する。本発明の更なる実施態様では、キレート剤は2mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。これらの特定のキレート剤の各一が本発明の別の実施態様を構成する。薬学的組成物中におけるキレート剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,20版,2000が参照される。
本発明の更なる実施態様では、組成物は安定剤を更に含有する。薬学的組成物中における安定剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,20版,2000が参照される。
より詳細には、本発明の組成物は、液体薬学的製剤として貯蔵中に凝集体形成を示すおそれのあるタンパク質がその治療的に活性な成分に含まれる安定化された液体薬学的組成物である。「凝集体形成」とは、可溶性のままでありうるオリゴマーか、溶液から沈殿する大きな目視できる凝集体の形成を生じるタンパク質分子間の物理的相互作用のことである。「貯蔵中」とは、ひとたび調製された液体医薬組成物又は組成物が直ぐには患者に投与されないことを意図する。むしろ調製後に、液体形態、凍結状態、又は液体形態もしくは患者への投与に適した他の形態へ後で再構成するための乾燥形態の何れかで貯蔵のために包装される。「乾燥形態」とは、液体医薬組成物又は組成物が、フリーズドライ(つまり凍結乾燥;例えばWilliams及びPolli(1984)J.Parenteral Sci.Technol.38:48−59)、スプレードライ(Masters(1991),Spray−Drying Handbook(5版;Longman Scientific and Technical,Essez,U.K.),pp.491−676;Broadhead等(1992)Drug Devel.Ind.Pharm.18:1169−1206;及びMumenthaler等(1994)Pharm.Res.11:12−20を参照)又はエアードライ(Carpenter及びCrowe(1988)Cryobiology 25:459−470;及びRoser(1991)Biopharm.4:47−53)の何れかによって乾燥されていることを意図する。液体医薬組成物の貯蔵中におけるタンパク質による凝集体形成はそのタンパク質の生物学的活性に悪影響を及ぼし得、薬学的組成物の治療効果を損なわしめる。更に、凝集体形成は、そのタンパク質含有薬学的組成物を、注入系を使用して投与する場合、チューブ、膜、又はポンプの詰まりのような他の問題を生じうる。
本発明の薬学的組成物は組成物の貯蔵の間におけるタンパク質の凝集体形成を減少させるのに十分な量のアミノ酸塩基を更に含みうる。「アミノ酸塩基」とは、アミノ酸又はアミノ酸の組合せのことであり、任意の与えられたアミノ酸はその遊離塩基形態又はその塩形態で存在する。アミノ酸の組合せが使用される場合、アミノ酸の全てがその遊離塩基形態で存在し得、全てはその塩形態で存在し得、あるいは幾つかがその遊離塩基形態で存在し得る一方、他のものはその塩形態で存在する。一実施態様では、本発明の組成物を調製する際に使用するアミノ酸は、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸のような荷電側鎖を担持しているものである。特定のアミノ酸(例えばメチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン及びそれらの混合物)の任意の立体異性体(つまりL、D、又はその混合体)又はこれら立体異性体の組み合わせは、特定のアミノ酸がその遊離塩基形態又はその塩形態の何れかで存在している限り、本発明の薬学的組成物中に存在しうる。一実施態様では、アミノ酸のL立体異性体が使用される。一実施態様では、L立体異性体が使用される。本発明の組成物はまたこれらのアミノ酸のアナログと共に製剤化されうる。「アミノ酸アナログ」とは、本発明の液体薬学的組成物の貯蔵中にタンパク質による凝集体形成を減少させるという所望の効果をもたらす天然に生じるアミノ酸の誘導体のことである。適切なアルギニンアナログには、例えばアミノグアニジン、オルニチン及びN−モノエチルL−アルギニンが含まれ、適切なメチオニンアナログには、エチオニン及びブチオニンが含まれ、適切なシステインアナログにはS−メチル−Lシステインが含まれる。他のアミノ酸の場合と同様に、アミノ酸アナログはその遊離の塩基形態又はその塩形態で組成物中に導入される。本発明の更なる実施態様では、アミノ酸又はアミノ酸アナログは、タンパク質の凝集を防止又は遅延させるのに十分な濃度で使用される。
本発明の更なる実施態様では、治療剤として作用するタンパク質が酸化を受けやすい少なくとも一のメチオニン残基を含むタンパク質である場合、メチオニン(又は他の含硫アミノ酸又はアミノ酸アナログ)を添加してメチオニン残基がメチオニンスルホキシドへ酸化するのを阻害することができる。「阻害する」とは、メチオニンが酸化された種の経時的な蓄積の最小化のことである。メチオニンの酸化を阻害することはタンパク質をその正しい分子形態に、より維持することとなる。メチオニンの任意の立体異性体(L又はD異性体)又はその組み合わせを使用することができる。添加される量は、メチオニンスルホキシドの量が規制機関に受け入れられるようにメチオニン残基の酸化を阻害するのに十分な量でなければならない。典型的には、これは、組成物が約10%以下から約30%以下のメチオニンスルホキシドしか含まないことを意味する。一般に、これは、メチオニン残基に加えられるメチオニンの比が約1:1から約1000:1、例えば10:1から約100:1の範囲であるようにメチオニンを添加することによって達成することができる。
本発明の更なる実施態様では、組成物は高分子量ポリマー又は低分子化合物の群から選択される安定剤を更に含有する。本発明の更なる実施態様では、安定剤はポリエチレングリコール(例えばPEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース又はその誘導体(例えばHPC、HPC−SL、HPC−L及びHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸及び2−メチルチオエタノールのような硫黄含有物質、及び異なった塩(例えば塩化ナトリウム)から選択される。これらの特定の安定剤の各一が本発明の他の実施態様を構成する。
薬学的組成物はまたその中の治療的に活性なタンパク質の安定性を更に向上させる更なる安定剤を含有しうる。本発明にとって特に興味がある安定剤には、限定するものではないが、メチオニンの酸化からタンパク質を保護するメチオニン及びEDTAと、凍結融解又は機械的せん断に伴う凝集からタンパク質を保護する非イオン性界面活性剤が含まれる。
本発明の更なる実施態様では、組成物は界面活性剤を更に含有する。本発明の更なる実施態様では、界面活性剤は、洗浄剤、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロックポリマー(例えばプルロニック(登録商標)F68、ポロキサマー188及び407、トリトンX−100のようなポロキサマー類)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン及びポリエチレン誘導体、例えばアルキル化及びアルコキシル化誘導体(トゥイーン類、例えばTween−20、Tween−40、Tween−80及びBrij−35)、そのモノグリセリド又はそのエトキシル化誘導体、ジグリセリド又はそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチン及びリン脂質(例えばホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール及びスフィンゴミエリン)、リン脂質誘導体(例えばジパルミトイルホスファチジン酸)及びリゾリン脂質誘導体(例えばパルミトイルリゾホスファチジル−L−セリン及びエタノールアミン、コリン、セリンもしくはスレオニンの1−アシル−sn−グリセロ−3−ホスフェートエステル)並びにリゾホスファチジル及びホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイル及びミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、及び極性頭部基、つまり、コリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、正荷電DODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリン及びリゾホスファチジルスレオニンの修飾体、及びグリセロリン脂質(例えばケファリン)、グリセロ糖脂質(例えばガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えばセラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、ニワトリ卵白リゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えばタウロ−ジヒドロフシジン酸ナトリウム等々)、長鎖脂肪酸及びその塩C−C12(例えばオレイン酸及びカプリル酸)、アシルカルニチン及び誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンのNα−アシル化誘導体、又はリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジンと中性又は酸性アミノ酸の任意の組合せを含むジペプチドのNα−アシル化誘導体、中性アミノ酸と二つの荷電アミノ酸の任意の組合せを含むトリペプチドのNα−アシル化誘導体、DSS(ドキュセート・ナトリウム、CAS登録番号[577−11−7])、ドキュセート・カルシウム、CAS登録番号[128−49−4]、ドキュセート・カリウム、CAS登録番号[7491−09−0]、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸又はその誘導体、胆汁酸及びその塩及びグリシンもしくはタウリンコンジュゲート、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N−ヘキサデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、アニオン性(アルキル−アリール−スルホネート)一価界面活性剤、両性イオン性界面活性剤(例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホネート類、3−コールアミド−1−プロピルジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホネート、カチオン性界面活性剤(第4級アンモニウム塩基)(例えば臭化セチル−トリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム)、非イオン性界面活性剤(例えばドデシルβ−D−グルコピラノシド)、エチレンジアミンへプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを連続添加して誘導される四官能性ブロックコポリマーであるポロキサミン(例えばテトロニックス(Tetronic’s))から選択することができ、あるいは該界面活性剤はイミダゾリン誘導体又はその混合物の群から選択されうる。これらの特定の界面活性剤の各一が本発明の別の実施態様を構成する。
薬学的組成物における界面活性剤の使用は当業者によく知られている。簡便には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy,20版,2000が参照される。
その他の成分が本発明の薬学的組成物中に存在することもありうる。そのような更なる成分には、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、張度調節剤、キレート剤、金属イオン、油性媒体、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン、ゼラチン又はタンパク質)及び双性イオン(例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン、ヒスチジンのようなアミノ酸)が含まれる。そのような更なる成分は、当然ながら、本発明の医薬組成物の全体の安定性に悪影響を及ぼしてはならない。
本発明の修飾されたタンパク質、例えば修飾されたGHタンパク質を含む薬学的組成物は、そのような治療を必要とする患者の幾つかの部位に投与され得、例えば局所的部位、例えば皮膚及び粘膜部位、吸収をバイパスする部位、例えば動脈、静脈、心臓への投与、及び吸収を含む部位、例えば皮膚、皮下、筋肉又は腹部への投与である。
本発明に係る薬学的組成物の投与は、幾つかの投与経路、例えば舌、舌下、頬、口、経口、胃及び腸、鼻、肺を介して、例えば細気管支及び肺胞又はそれらを組合せたもの、表皮、真皮、経皮、膣、直腸、眼を介して、例えば結膜、尿管、及び非経口を介して、そのような治療を必要としている患者に投与されうる。
本発明の組成物は、幾つかの投薬形態、例えば溶液、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、多相エマルション、フォーム、膏薬、ペースト、プラスター、軟膏、錠剤、コート錠剤、リンス、カプセル、例えば硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセル、坐薬、直腸用カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、パウダー、エアゾール、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、眼用リンス、膣用ペッサリー、膣用リング、膣用軟膏、注射液、インサイツ形質転換溶液、例えばインサイツゲル化、インサイツ硬化、インサイツ沈殿、インサイツ結晶化のもの、輸液、及び移植片として投与されうる。
本発明の組成物は、修飾されたGHタンパク質の安定性を更に高め、生物学的利用能を増加させ、溶解度を高め、副作用を低減させ、当業者によく知られている時間療法を達成し、また患者のコンプライアンスを高め、又はそれらの任意の組合せのために、例えば共有的、疎水的及び静電気的相互作用を介して、薬剤担体、薬剤デリバリー系及び先端薬剤デリバリー系に更に配合され、又は結合されうる。担体、薬剤デリバリー系及び先進薬剤デリバリー系の例には、限定されるものではないが、ポリマー、例えばセルロース及び誘導体、多糖類、例えばデキストランと誘導体、デンプンと誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリレート及びメタクリレートポリマー、ポリ乳酸及びポリグリコール酸及びそれらのブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、担体タンパク質、例えばアルブミン、ゲル、例えばサーモゲル化系、例えば当業者によく知られているブロックコポリマー系、ミセル、リポソーム、ミクロスフィア、ナノ粒子、液晶及びそれらの分散液、脂質−水系における相挙動の当業者によく知られているL2相とそのディスパージョン、ポリマーミセル、多相エマルション、自己乳化、自己−マイクロ乳化、シクロデキストリン及びその誘導体、及びデンドリマーが含まれる。
本発明の組成物は、全ての装置が当業者によく知られたものである例えば定量吸入器、乾燥パウダー吸入器及びネブライザーを使用し、修飾されたGHタンパク質のような修飾されたタンパク質を肺に投与するための固形物、半固形物、パウダー及び溶液の組成物に有用である。
本発明の組成物は、制御された徐放性、持続性、遅延及び持続放出薬物デリバリー系の組成物に特に有用である。より詳細には、限定されるものではないが、組成物は、当業者によく知られている非経口用の制御放出及び徐放系(双方の系は、投与回数を何倍も低下させる)組成物に有用である。更により好ましくは、皮下投与される制御放出及び徐放系である。本発明の範囲を限定するものではないが、有用な制御放出系及び組成物の有用な例は、ヒドロゲル、油性ゲル、液晶、ポリマーミセル、ミクロスフィア、ナノ粒子である。
本発明の組成物に有用な徐放系の製造方法は、限定されるものではないが、結晶化、凝縮、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧ホモジナイズ、カプセル化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフィアを製造するための溶媒蒸発、押出及び超臨界プロセスを含む。一般的には、Handbook of Pharmaceutical Controlled Release(Wise,D.L.編Marcel Dekker,New York,2000)及びDrug and the Pharmaceutical Sciences vol.99:Protein Composition and Delivery(MacNally,E.J.編Marcel Dekker,New York,2000)が参照される。
非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン状シリンジによる皮下、筋肉内、腹膜内又は静脈内注射によって実施することができる。あるいは、非経口投与は輸液ポンプにより実施することができる。更なる選択肢は、鼻用又は肺用スプレーの形態で修飾されたタンパク質、例えば修飾されたGHタンパク質を投与するための溶液又は懸濁液であってもよい組成物にある。更なる選択肢としては、本発明の修飾された修飾されたタンパク質、例えば修飾されたGHタンパク質を含む薬学的組成物を、例えば針のない注射、又はイオン導入パッチであってよいパッチによる経皮投与、又は頬等の経粘膜投与用に適合させることもできる。
「安定化された組成物」なる用語は、物理的な安定性が増し、化学的な安定性が増し、又は物理的及び化学的安定性が増した組成物を意味する。ここで使用されるタンパク質組成物の「物理的安定性」という用語は、熱機械的ストレスへのタンパク質の暴露及び/又は疎水性表面及び界面のような不安定化している界面及び表面との相互作用の結果としてのタンパク質の生物学的に不活性な及び/又は不溶性の凝集体を形成するタンパク質の傾向を意味する。タンパク質水性組成物の物理的安定性は、適切な容器(例えばカートリッジ又はバイアル)中に満たした組成物を機械的/物理的ストレス(例えば攪拌)に様々な時間の間、異なった温度で暴露した後に視覚検査及び/又は濁度測定によって評価される。組成物の視覚検査は暗い背景中において鋭く集光された光下で実施される。組成物の濁りは例えば濁度を0から3の尺度(濁りを示さない組成物が視覚スコア0に相当し、昼光で可視できる濁りを示す組成物は視覚スコア3に相当する)でランク付けすることにより特徴付けされる。組成物は、昼光下で可視できる濁りを示す場合にタンパク質凝集に対して物理的に不安定であると分類される。あるいは、組成物の濁りは当業者によく知られている簡単な濁度測定によって評価することができる。タンパク質水性組成物の物理的安定性はタンパク質の立体構造状態の分光学的薬剤又はプローブを使用してまた評価することができる。プローブは好ましくはタンパク質の非天然配座異性体に優先的に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光学的プローブの一例はチオフラビンTである。チオフラビンTはアミロイド線維の検出に広く使用されている蛍光染料である。線維と、おそらくは他のタンパク質立体配置もまた存在すると、チオフラビンTは約450nmで新たな励起極大を引き起こし、線維タンパク質形態に結合したとき約482nmで増強した発光を生じる。未結合のチオフラビンTは本質的にはその波長で非蛍光である。
天然から非天然状態までのタンパク質構造における変化のプローブとして、他の小分子を使用することができる。例えば、タンパク質の露出した疎水性パッチに優先的に結合する「疎水性パッチ」プローブである。疎水性パッチは、一般には、その天然状態のタンパク質の3次構造内に埋められているが、タンパク質がアンフォールドされ又は変性が始まると、露出するようになる。これらの小分子の分光学的プローブは、芳香族の疎水性染料、例えばアントラセン、アクリジン、フェナントロリン等である。他の分光学的プローブは金属−アミノ酸錯体、例えば疎水性アミノ酸、例えばフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、及びバリン等のコバルト金属錯体である。
ここで使用されるタンパク質組成物の「化学的安定性」なる用語は、天然タンパク質構造と比較して潜在的に少ない生物学的効力及び/又は潜在的に増加した免疫原性を持つ化学的変性産物の形成に至るタンパク質構造中の化学共有結合変化を意味する。天然タンパク質のタイプと性質及びタンパク質がさらされる環境に応じて、様々な化学的変性産物が形成されうる。最も可能性が高いことは化学的変性は完全には避けることができないことであり、当業者にはよく知られているように、化学的変性産物の量の増加がタンパク質組成物の貯蔵や使用中にしばしば見られる。殆どのタンパク質は、脱アミド化を受ける傾向があり、これはグルタミニル又はアスパラギニル残基の側鎖アミド基が加水分解されて遊離のカルボン酸を形成するプロセスである。他の変性経路は、アミド基転移及び/又はジスルフィド相互作用を通して二以上のタンパク質分子が互いに共有結合し、共有結合した二量体、オリゴマー及び多量体変性産物の形成に至る高分子量転換産物の形成を含む(Stability of Protein Pharmaceuticals,Ahern.T.J.& Manning M.C.,Plenum Press,New York 1992)。(例えばメチオニン残基の)酸化は化学的変性の他の変形例として挙げることができる。タンパク質組成物の化学的安定性は、異なった環境条件への暴露後に様々な時点において化学的変性産物の量を測定することによって評価することができる(変性産物の形成は例えば温度上昇によってしばしば加速され得る)。それぞれ個々の変性産物の量は、様々なクロマトグラフィー法(例えばSEC−HPLC及び/又はRP−HPLC)を使用して分子サイズ及び/又は電荷に応じて変性産物を分離することにより決定されることが多い。
よって、上に概説したように、「安定化された組成物」とは増加した物理的安定性、増加した化学的安定性、又は増加した物理的及び化学的安定性を有する組成物を意味する。一般に、組成物は、有効期限に達するまで(推奨された使用及び貯蔵条件に応じて)使用及び貯蔵中に安定でなければならない。
本発明の一実施態様では、修飾されたGHタンパク質を含有する医薬組成物は、6週間を越える使用の間、また3年を越える貯蔵の間、安定している。
本発明の他の実施態様では、修飾されたGHタンパク質を含有する医薬組成物は、4週間を越える使用の間、また3年を越える貯蔵の間、安定している。
本発明の更なる実施態様では、修飾されたGHタンパク質を含有する医薬組成物は、4週間を越える使用の間、また2年を越える貯蔵の間、安定している。
本発明のまた更なる実施態様では、修飾されたGHタンパク質を含有する医薬組成物は、2週間を越える使用の間、また2年を越える貯蔵の間、安定している。
未修飾タンパク質が治療用タンパク質である場合、本発明は本発明の修飾されたタンパク質の治療における使用、特に上記修飾されたタンパク質を含む薬学的組成物にも関する。
よって、ここで使用される場合、「治療」及び「治療する」なる用語は、疾患又は疾病等の病状に抗することを目的として、患者を管理し世話することを意味する。本用語には、兆候又は合併症を軽減し、疾患、疾病又は病状の進行を遅延させ、兆候及び合併症を軽減又は緩和し、及び/又は疾患、疾病又は病状を治癒又は除去し、並びに病状を防止するための活性化合物の投与等、患者が患っている病状に対するあらゆる範囲の治療を含むことを意図しており、ここで防止とは、疾患、病状又は疾病に抗することを目的として、患者を管理し世話することと理解され、兆候又は合併症の発症を防止する活性化合物を投与することが含まれる。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトであるが、さらにイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ及びブタ等の動物を含んでもよい。しかし、治癒療法及び予防(再発防止)療法は、本発明の別の態様を表すことが認識されなければならない。
ここで使用される本発明の修飾されたタンパク質の「治療的有効量」は、与えられた疾患とその合併症の臨床症状を治癒し、軽減し又は部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに十分な量は「治療的有効量」として定義される。各目的のための有効量は疾患又は傷害の重症度並びに患者の体重、性別、年齢及び一般的状態に依存する。適した用量の決定は常套的な実験を使用し、値のマトリックスを構築しマトリックス中の異なった点を試験することによりなすことができることが理解され、これは全て熟練した医師又は獣医の技量の範囲にある。
よって、本発明は治療において使用するための本発明に係る修飾されたタンパク質を提供する。
しかして、典型的な非経口投与量は、投与当たり10〜mg/kgから約100mg/kg体重の範囲である。典型的な投与量は、投与当たり約0.0000001から約10mg/kg体重である。正確な投与量は、例えば効能、医薬、投与頻度及び方式、性別、年齢及び治療される患者の一般的病状、治療される疾患又は病状の性質及び重篤度、治療の所望される効果及び当業者には明らかな他の要因に依存するであろう。典型的な投薬頻度は、毎日2回、毎日1回、隔日、週2回、週1回又はさらに長い投与間隔とされる。本発明の化合物の半減期は対応する非コンジュゲート成長ホルモンと比較すると長いため、長い投与間隔、例えば週2回、週1回、又はそれ以上の長い投与間隔の投薬計画が、本発明の特定の実施態様である。以下に記載される多くの疾患が、同時に投与されるか連続的に投与される一を超える医薬を治療に用いて治療される。従って、以下に記載される疾患の一つの処置のための治療方法において、該疾患の治療に通常使用される一又は複数の他の治療的に活性な化合物との併用で本発明の修飾されたタンパク質を使用することは本発明の範囲である。同様に、上述の疾患の一つの治療に通常使用される他の治療的に活性な化合物との併用で、該疾患の医薬の製造において、本発明の修飾されたタンパク質を使用することもまた本発明の範囲である。
インスリンは糖尿病を治療し又は予防するために使用され、よって一実施態様では、本発明は、1型又は2型糖尿病を治療する方法であって、治療的に有効な量の本発明に係るインスリン又はインスリン化合物コンジュゲートをそれを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。よって、一実施態様では、本発明は、1型又は2型糖尿病の治療に使用される医薬の製造における本発明に係る修飾されたインスリンの使用を提供する。
GLP−1は、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能異常、1型糖尿病、肥満症、高血圧、シンドロームX、脂質異常症、β細胞アポトーシス、β細胞欠乏、炎症性腸症候群、胃腸障害、認知障害、例えば認識促進、神経保護、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心臓病及び他の循環器疾患の治療に使用することができる。一実施態様では、本発明は、よって上記疾患の治療方法であって、本発明に係るGLP−1又はGLP−1化合物コンジュゲートの治療的に有効な量をそれを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。よって、他の実施態様では、本発明は上述の疾患の治療に使用される医薬の製造における本発明に係るGLP−1又はGLP−1化合物コンジュゲートの使用を提供する。
GLP−2は、腸管中の栄養分の吸収不良に至る腸管不全の治療に使用することができ、特にGLP−2は、小腸症候群、炎症性腸症候群、クローン病、コラーゲン形成大腸炎、放射線性大腸炎を含む大腸炎、照射後萎縮症、非熱帯性(グルテン不耐性)及び熱帯性スプルー,血管閉塞又は外傷後の損傷した組織、旅行者下痢症、脱水症、菌血症、敗血症、神経性無食欲症、化学療法後の損傷した組織、未熟児、強皮症、萎縮性胃炎、切除術後の萎縮性胃炎及びヘリコバクターピロリ菌胃炎を含む胃炎、潰瘍、腸炎、結膜嚢、リンパ管閉塞、血管疾患及び移植片対宿主、外科施術後の治癒、照射後の萎縮及び化学療法、及び骨粗鬆症の治療に使用することができる。従って、上記疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に本発明に係る治療的有効量のGLP−2又はGLP−2化合物コンジュゲートを投与することを含む方法を提供することが本発明の目的である。よって、他の実施態様では、本発明は、上述の疾患の治療に使用される医薬の製造における本発明に係るGLP−2又はGLP−2化合物コンジュゲートの使用を提供する。
本発明の化合物はまた成長ホルモン活性を奏し、循環成長ホルモン量の増加から恩恵を受ける疾患又は状態の治療にこれを使用できる。かかる疾患又は状態には、成長ホルモン欠損症(GHD);ターナー症候群;プラダーウィリ症候群(PWS);ヌーナン症候群;ダウン症候群;慢性腎臓病、若年性関節リウマチ;嚢胞性線維症、HAART治療を受けた小児のHIV感染(HIV/HALS小児);SGAで出生した低身長小児;SGA以外の極少低出生時体重(VLBW)で出生した低身長症;骨格形成異常;軟骨低形成症;軟骨形成不全;特発性低身長(ISS);成人のGHD;脛骨、腓骨、大腿、上腕、橈骨、尺骨、鎖骨、中手、中足、及び指等、長骨又は内部の骨折;頭蓋骨、手の基部、及び足の基部等、海綿様骨の中又はその骨折;例えば手、膝又は肩等の腱又は靱帯の手術後の患者;仮骨延長術を受けるか又は受けた患者;人工股関節置換手術又は円板置換手術、半月板修復、脊椎固定術、又は膝、臀部、肩、肘、手首又は顎等の補綴固定術後の患者;例えばネイル、スクリュー及びプレートのような骨接合術材料が固定されている患者;骨折の変形癒合又は偽関節を有する患者;例えば脛骨又は第一趾からの骨切り術後の患者;移植片植え込み後の患者;外傷又は関節炎に起因する膝の関節軟骨変性;ターナー症候群を患っている患者の骨粗鬆症;男性における骨粗鬆症、慢性透析の成人患者(APCD);APCDにおける栄養不良関連循環器疾患;APCDにおける悪液質の逆流;APCDにおける癌;APCDにおける慢性的閉塞性肺疾患;APCDにおけるHIV;APCDの高齢者;APCDにおける慢性的な肝臓病、APCDにおける疲労症候群;クローン病;肝機能障害;HIV感染した男性;短腸症候群;中心性肥満;HIV関連リポジストロフィー症候群(HALS):男性不妊;待機的大手術後の患者、アルコール/薬物解毒又は神経的トラウマ;加齢;虚弱な高齢者;骨関節炎;衝撃的な損傷を受けた軟骨;勃起不全;繊維筋痛;記憶障害;鬱病;外傷性脳損傷;くも膜下出血;極低出生体重;メタボリックシンドローム;グルココルチコイドミオパシー;又は小児のグルココルチコイド治療による低身長症が含まれる。成長ホルモンはまた筋肉組織、神経組織又は創傷の治癒の促進;損傷した組織への血流の促進又は改善;又は損傷した組織における感染速度の低減のために使用されており、該方法は式Iの化合物の治療的有効量をそれを必要とする患者に投与することを含む。よって、本発明は、これらの疾患又は状態を治療する方法であって、本発明に係る治療的有効量の成長ホルモン又は成長ホルモン化合物コンジュゲートをそれを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
典型的には、投与される修飾された成長ホルモンの量は10−7−10−3g/kg体重、例えば10−6−10−4g/kg体重、例えば10−5−10−4g/kg体重の範囲である。
他の実施態様では、本発明は上述の疾患又は状態の治療に使用される医薬の製造における成長ホルモン又は成長ホルモン化合物コンジュゲートの使用を提供する。
サイトカインは免疫系に関与する多くの疾患の病因に関係している。特に、IL−20 は乾癬及びその治療に関与しており、I−21が癌に関与し、該疾患の治療となりうることが述べられている。一実施態様では、本発明は、本発明に係る治療的有効量のIL−20コンジュゲートを投与することを含む乾癬の治療方法を提供する。他の実施態様では、本発明は乾癬の治療に使用される医薬の製造における本発明のIL−20コンジュゲートの使用に関する。
他の実施態様では、本発明は、癌を治療する方法であって、治療的有効量の本発明のIL−21コンジュゲートをそれを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
他の実施態様では、本発明は癌の治療において使用される医薬の製造における本発明のIL−21コンジュゲートの使用に関する。
TTFタンパク質は、患者における粘液層の粘度を増加させるため、例えば唾液分泌の増加が放射線療法によって引き起こされる場合、唾液の分泌を減少させるため、抗コリン薬での治療又はシェーグレン症候群の治療のため、アレルギー性鼻炎、外傷、ショック、大手術、腎臓又は肝臓疾患に二次的なストレス誘発性胃潰瘍の治療のため、NSAID、例えばアスピリン、ステロイド、又はアルコールでの治療のために使用することができる。TTFタンパク質はまたクローン病、潰瘍性大腸炎、角結膜炎、慢性膀胱感染症、腸管膀胱炎、乳頭腫及び膀胱癌を治療するために使用することができる。一実施態様では、本発明は上述の疾患又は状態の治療の治療方法であって、それを必要とする被験患者に本発明に係る治療的有効量のTTFコンジュゲートを投与することを含む方法に関する。
他の実施態様では、本発明は上述の疾患又は状態の治療のための医薬の製造における本発明のTTFコンジュゲートの使用に関する。
メラノコルチンレセプター修飾因子、特にメラノコルチン4レセプターアゴニストは肥満症及び関連疾患の治療と予防に関連している。一実施態様では、本発明は、耐糖能障害(IGT)の非インスリン要求性2型糖尿病への進行を予防又は遅延させ、非インスリン要求性2型糖尿病のインスリン要求性糖尿病への進行を予防又は遅延させ、肥満症を治療し、食欲を調節するための方法を提供する。メラノコルチン4レセプターアゴニストは、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性機能障害及び早死にのリスクから選択される疾患の治療に関連している。一実施態様では、本発明は、よって上述の疾患又は状態の治療の治療方法であって、それを必要とする患者に本発明に係る治療的有効量のメラノコルチン4レセプターアゴニストコンジュゲートを投与することを含む方法を提供する。
更に他の実施態様では、本発明は上述の疾患又は状態の治療のための医薬の製造における本発明のメラノコルチン4レセプターアゴニストコンジュゲートの使用に関する。
第VII因子は、凝固に関連する疾患の治療に関係しており、特に生物活性な第VII因子化合物は、血友病、第VIII因子及び第IX因子に対するインヒビターを持つ血友病、血小板減少症の患者、血小板症の患者、例えばグランツマン血小板無力症血小板放出欠陥及び貯蔵プール欠乏症、フォンヴィルブラント病の患者、肝臓疾患及び外傷又は手術に関連している出血問題を有する患者の治療に関連している。生物学的に不活性な第VII因子化合物は、過凝固状態の患者、例えば敗血症、深部静脈血栓症の患者、心筋梗塞又は脳血栓、肺塞栓のリスクのある患者、急性冠状動脈症候群の患者、冠状動脈心臓事象のある患者、血管形成術を受けた患者に対する心臓事象及び再狭窄の予防、末梢血管疾患及び急性呼吸促迫症候群の患者の治療に関連している。一実施態様では、本発明はよって上述の疾患又は状態の治療のための方法であって、本発明に係る第VII因子化合物コンジュゲートの治療的有効量をそれを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
他の実施態様では、本発明は上述の疾患又は状態の治療に使用される医薬の製造における本発明に係る第VII因子化合物コンジュゲートの使用を提供する。
多くの疾患が、治療において、同時投与か又は連続投与の形で一種を超える医薬を使用して治療される。よって、上述した疾患を治療する治療方法において、上記疾患の治療に通常使用される一又は複数の他の治療用活性化合物と組合せて、本発明の修飾されたタンパク質を使用することは本発明の範囲にある。同様に、上述した疾患の治療に通常使用される他の治療用活性化合物と組合せて、前記疾患用の医薬の製造において、本発明の修飾されたタンパク質を使用することもまた本発明の範囲にある。
上で検討したように、本発明の方法に係る治療用の修飾されたタンパク質は治療に使用することができ、これがまた本発明の一実施態様である。
他の実施態様では、本発明は診断における本発明の修飾されたタンパク質の使用を提供する。
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、決して本発明を限定するものと解すべきではない。
ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、特に実施態様化されていない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も実施態様化していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解すべきではない。
ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。
本発明は、本明細書に添付する実施態様において記載される主題事項の全ての変形物及び均等物を、準拠法によって許される範囲を限度として含む。
本発明を次の非限定的実施例によって更に例証する。
実施例で使用したTGaseは、米国特許第5156956号によるストレプトバーチシリウム・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼである。
実施例はまた次の一般的な方法を含む:
キャピラリー電気泳動
キャピラリー電気泳動をAgilent Technologiesの3DCEシステム(Agilent Technologies)を使用して実施した。データ収集及びシグナル処理は、Agilent Technologies 3DCE ChemStationを使用して実施した。キャピラリーは、64.5cm(有効長56.0cm)、50μm内径のAgilent製「Extended Light Path Capillary」であった。200nmでUV検出を行った(16nmBw、基準380nm及び50nmBw)。流通用電解質は50mMのリン酸バッファーpH7.0である(方法A)。キャピラリーは、0.1MのNaOHにて3分間、ついでミリQ水にて2分間、そして電解質にて3分間調整した。各操作の後、ミリQ水にて2分間、ついでリン酸にて2分間、そしてミリQ水にて2分間、キャピラリーを洗い流した。4.0秒間、50mbarで水力学的注入を行った。電圧は+25kVであった。キャピラリーの温度は30℃とし、操作時間は10.5分とした。
Maldi−Tof質量分析
分子量は、Autoflex Maldi−Tof装置(Bruker)を用いて決定した。試料は、マトリックスとしてアルファ−シアノ−4−ヒドロキシ−ケイ皮酸を使用して調製した。
RP−HPLC
RP−HPLC分析は、Vydac 218TP54 4.6mm×250mm 5mm C−18シリカカラム(The Separations Group,Hesperia)を使用してAgilent 1100システムで実施した。検出は214nm、254nm、280nm及び301nmでUVによった。カラムは0.1%トリフルオロ酢酸/HOを用いて平衡にし、試料は0.1%トリフルオロ酢酸/HOに対して0から90%アセトニトリルの適切な勾配によって溶離させた。
LC−MS
LC−MS分析は、2つのPerkin Elmer Series 200マイクロポンプ、Perkin Elmer Series 200オートサンプラー、Applied Biosystems 785A UV検出器及びSedex75蒸発光散乱検出器を装備したPE−Sciex API 100又は150質量分析計で行った。Waters Xterra 3.0 mm×50mm 5m C−18シリカカラムを室温で1.5ml/分にて溶離させた。それを5%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOで平衡化し、5%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOで1.0分間、ついで90%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOの線形勾配で7分間溶離させた。検出は214nmでのUV検出及び蒸発光散乱法によった。カラム溶離物の画分を、PE−Sciex API100質量分析計のイオンスプレー界面に導入した。操作中、質量範囲300−2000amuを2秒毎にスキャンした。
タンパク質の定量
タンパク質濃度は、NanoDrop ND−1000 UV−分光光度計を使用して280nmの吸光度を測定することによって推定した。
誘導体化部位の決定のための酵素的ペプチドマッピング
ペプチドマッピングは、還元されアルキル化されたタンパク質のAsp−N消化を使用して実施した。先ず、標準的な手順に従って、タンパク質をDTT(ジチオスレイトール)及びヨードアセトアミドで処理した。アルキル化産物を、HPLCを使用して精製した。ついで、アルキル化精製産物を、1:100の酵素:基質比でエンドプロテアーゼAsp−N(Boehringer)を用いて一晩消化させた。C−18カラム及び標準的なトリフルオロ酢酸/アセトニトリルバッファー系を使用して消化物をHPLC分離した。得られたペプチドマップを未誘導体化hGHのものと比較し、異なった保持時間の画分を集め、Maldi−tof質量分析を使用して更に分析した。
SDS page
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、NuPAGE4%−12%ビス−Trisゲル(Invitrogen NP0321BOX)を用いて行った。ゲルは、銀染色(Invitrogen LC6100)もしくはクーマシー染色(Invitrogen LC6065)し、関係する場合はPEGについても、M.M.Kurfurst,Anal.Biochem.200(2),244−248(1992)に記載のように、ヨウ化バリウムを用いて染色した。
プロテインクロマトグラフィー
プロテインクロマトグラフィーをAkta Explorerクロマトグラフィー系及びGE Health Care製のカラムで実施した。アニオン交換をQ−セファロースHP26/10カラムを使用して実施した。出発バッファーは20mMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5であり、溶離バッファーは出発バッファー+0.2M NaClであった。化合物は典型的には15カラム体積にわたって0−75%の勾配の溶離バッファーで溶離させた。脱塩及びバッファー交換は、HiPrep26/10カラムを使用して実施した。
[実施例]
実施例で使用したTGaseは、米国特許第5156956号によるストレプトバーチシリウム・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼである。
実施例はまた次の一般的な方法を含む:
キャピラリー電気泳動
キャピラリー電気泳動をAgilent Technologiesの3DCEシステム(Agilent Technologies)を使用して実施した。データ収集及びシグナル処理は、Agilent Technologies 3DCE ChemStationを使用して実施した。キャピラリーは、64.5cm(有効長56.0cm)、50μm内径のAgilent製「Extended Light Path Capillary」であった。200nmでUV検出を行った(16nmBw、基準380nm及び50nmBw)。流通用電解質は50mMのリン酸バッファーpH7.0である(方法A)。キャピラリーは、0.1MのNaOHにて3分間、ついでミリQ水にて2分間、そして電解質にて3分間調整した。各操作の後、ミリQ水にて2分間、ついでリン酸にて2分間、そしてミリQ水にて2分間、キャピラリーを洗い流した。4.0秒間、50mbarで水力学的注入を行った。電圧は+25kVであった。キャピラリーの温度は30℃とし、操作時間は10.5分とした。
Maldi−Tof質量分析
分子量は、Autoflex Maldi−Tof装置(Bruker)を用いて決定した。試料は、マトリックスとしてアルファ−シアノ−4−ヒドロキシ−ケイ皮酸を使用して調製した。
RP−HPLC
RP−HPLC分析は、Vydac 218TP54 4.6mm×250mm 5mm C−18シリカカラム(The Separations Group,Hesperia)を使用してAgilent 1100システムで実施した。検出は214nm、254nm、280nm及び301nmでUVによった。カラムは0.1%トリフルオロ酢酸/HOを用いて平衡にし、試料は0.1%トリフルオロ酢酸/HOに対して0から90%アセトニトリルの適切な勾配によって溶離させた。
LC−MS
LC−MS分析は、2つのPerkin Elmer Series 200マイクロポンプ、Perkin Elmer Series200オートサンプラー、Applied Biosystems 785A UV検出器及びSedex 75蒸発光散乱検出器を装備したPE−Sciex API 100又は150質量分析計で行った。Waters Xterra 3.0mm×50mm 5m C−18シリカカラムを室温で1.5ml/分にて溶離させた。それを5%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOで平衡化し、5%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOで1.0分間、ついで90%のアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸/HOの線形勾配で7分間溶離させた。検出は214nmでのUV検出及び蒸発光散乱法によった。カラム溶離物の画分を、PE−Sciex API100質量分析計のイオンスプレー界面に導入した。操作中、質量範囲300−2000amuを2秒毎にスキャンした。
タンパク質の定量
タンパク質濃度は、NanoDrop ND−1000 UV−分光光度計を使用して280nmの吸光度を測定することによって推定した。
誘導体化部位の決定のための酵素的ペプチドマッピング
ペプチドマッピングは、還元されアルキル化されたタンパク質のAsp−N消化を使用して実施した。先ず、標準的な手順に従って、タンパク質をDTT(ジチオスレイトール)及びヨードアセトアミドで処理した。アルキル化産物を、HPLCを使用して精製した。ついで、アルキル化精製産物を、1:100の酵素:基質比でエンドプロテアーゼAsp−N(Boehringer)を用いて一晩消化させた。C−18カラム及び標準的なトリフルオロ酢酸/アセトニトリルバッファー系を使用して消化物をHPLC分離した。得られたペプチドマップを未誘導体化hGHのものと比較し、異なった保持時間の画分を集め、Maldi−tof質量分析を使用して更に分析した。
SDS page
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、NuPAGE4%−12%ビス−Trisゲル(Invitrogen NP0321BOX)を用いて行った。ゲルは、銀染色(Invitrogen LC6100)もしくはクーマシー染色(Invitrogen LC6065)し、関係する場合はPEGについても、M.M.Kurfurst,Anal.Biochem.200(2),244−248(1992)に記載のように、ヨウ化バリウムを用いて染色した。
プロテインクロマトグラフィー
プロテインクロマトグラフィーをAkta Explorerクロマトグラフィー系及びGE Health Care製のカラムで実施した。アニオン交換をQ−セファロースHP26/10カラムを使用して実施した。出発バッファーは20mMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5であり、溶離バッファーは出発バッファー+0.2MのNaClであった。化合物は典型的には15カラム体積にわたって0−75%の勾配の溶離バッファーで溶離させた。脱塩及びバッファー交換は、HiPrep26/10カラムを使用して実施した。
実施例1
修飾された成長ホルモン(化合物1)の調製
Figure 2010536923
図2に示されたように、20mMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5を調製する。(TEA−バッファー);(a)20mgのhGHをTEA−バッファー(0.5ml)に溶解させ、(b)68mgのZ−Gln−Gly−OHをTEA−バッファー(1ml)に溶解させ;(c)200mgのAktiva WM TGase調製物(〜0.5%のTGaseタンパク質を含む)をTEA−バッファー(1mL)に溶解させる。(A)と(B)を混合し、10μl(C)を加える。室温で19時間後、主産物をイオン交換クロマトグラフィーによって分離し、ペプチドマッピングと配列解析が、生成物がLys145において選択的に誘導体化されていることを示す。
実施例2
N−カルボニルオキシベンジル−グルタミニル−グリシル−(4−アミノ−フェニルアラニン)[Z−GLN−GLY−(4−アミノ−PHE)−OH],化合物2の調製
Figure 2010536923
樹脂への第一アミノ酸の結合:塩化2−クロロトリチル樹脂(Pepchem,2g,1.5mmol/g)に、DCM(16ml)とジイソプロピルエチルアミン(780μl)の混合物に溶解させたFmoc−(4−Boc−アミノ−Phe)−OH(Fluka,2.26g,4.5mmol)を添加した。そのスラリーを5分間攪拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(1540μl)を加えた。攪拌を1時間継続した後、メタノール(5ml)を加え、攪拌を更に15分継続した。その樹脂から液を抜き、水をジクロロメタン(DCM)(6×30ml)とついでN−メチルピロリドン(NMP)(6×30ml)で洗浄した。
Fmoc基の除去: 樹脂にNMP(20ml)中の20%のピペリジンを加え、15分反応させた。樹脂を液抜きし、NMP(20ml)中の20%のピペリジンで1時間再び処理した。樹脂を液抜きし、NMP(6×30ml)で洗浄した。Z−Gln−Gly−OHのカップリング: 樹脂にNMP中のZ−Gln−Gly−OH(Bachem,1.52g,4.5mmol)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt,0.61g,4.5mmol)の溶液と続いてジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(700μl,4.5mmol)を加えた。一晩の反応後、樹脂を液抜きし、NMP(6×30ml)と、ついでDCM(6×30ml)で洗浄した。
固体担体からの切断: 樹脂を液抜きしてバルクDCMを除いた。これを、トリフルオロ酢酸(TFA)(12.6ml)、水(0.6ml)、DCM(5.8ml)及びトリイソプロピルシラン(0.8ml)の混合物で処理した。1時間の反応後、樹脂を15分以内にゆっくりとジエチルエーテル(100ml)中に濾過し、これを更に30分撹拌した。得られた沈殿物を遠心分離によって回収し、ジエチルエーテルで3回洗浄した。固形物を真空で一晩乾燥させた。H−NMR及びLC−MSによれば、生成物は純度が高く均質であった。
実施例3
Z−GLN(hGH)−GLY−(4−アミノ−PHE)−OH,化合物3を得るためのZ−GLN−GLY−(4−アミノ−PHE)−OH(化合物2)でのhGHのアミノ基転移
Figure 2010536923
3種の溶液を調製する:1)1mlの20nMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5に溶解させたhGH(40mg,1.8μmol);2)2mlの20nMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5に溶解させ、10%トリエタノールアミン溶液(2.4ml)を使用してpHを8.15に調節したZ−Gln−Gly−OH(202mg,412μmol);3)トランスグルタミナーゼActiva WM(味の素)(マルトデキストリンとの固形混合物中に1%,36mg,9nmol)を1mlの20nMのトリエタノールアミンバッファーpH8.5に溶解させた。
溶液1及び2を混合し、この混合物に111μlの溶液3を加えた;pHは8.2、容量は5.5mlであった。反応をCEによってモニターした。室温で5時間後、CEによる分析は、アミノ基転移産物への約70%の転換率を示す増加した移動時間を持つ新規生成物の存在を示した。反応混合物に10mMの水性N−エチルマレイミド(300μl)を加え、それを5℃で一晩保存した。その混合物を15mlのHiPrepカラム(GE Healthcare)に充填し、トリエタノールアミンバッファーpH8.5を使用して溶離させ、低分子量物質及び塩を除去した。関連した画分をプール化したところ、回収はUV吸収測定に基づき36.6mgのタンパク質であった。
実施例4
化合物4を得るためのZ−GLN(hGH)−GLY−(4−AMINO−PHE)−OH(化合物3)のPEG化
Figure 2010536923
実施例3に従って調製したアミノ基転移hGHの溶液に、氷酢酸(1ml)と水(1ml)の混合物を添加した。pHは測定すると2であり、つづいて1MのNaOH(1ml)を使用して3.3に調節した。この溶液に、トリエタノールアミンバッファーpH8.5(1.2ml)と水(1.2ml)の混合物に溶解させたPEG−アルデヒド40kDa(120mg,3μmol)を加えた。それを1時間の間反応させた後、70μlの水(1ml)中NaCNBH(7.1mg,8μmol)の溶液を加えた。反応を一晩継続した。還元型SDS・PAGEによる分析で、予想された分子量の生成物の存在が示された。その混合物を実施例3のようなHiPrepカラムで脱塩し、20mlの水で希釈した20mlとして関連したプール化画分を回収した。この混合物をQ−セファロースHP26/10(GE Healthcare)に充填した。出発バッファーはトリエタノールアミンバッファーpH8.5であった。生成物を、15カラム体積でトリエタノールアミンバッファーpH8.5中の0−75%の0.2MのNaClとつづいて5カラム体積でトリエタノールアミンバッファーpH8.5中の75−100%の0.2MのNaClの勾配を使用して溶離させた。
ペプチドマッピング解析と配列解析により、化合物4はLys145位が選択的に修飾されたhGHであったことが確認された。
実施例5
N−カルボニルオキシベンジル−グルタミニル−グリシン−2,3−ジヒドロキシプロパン−1−アミド,化合物5の調製
Figure 2010536923
トリエチルアミン(0.41ml)とのDMF(20ml)中のZ−Gln−Gly−OH(Bachem,1g,2.96mmol)の溶液を窒素雰囲気下で調製し、<20℃まで冷却させた。DMF(4ml)に溶解させたクロロギ酸イソブチル(407μl,0.42g,3.1mmol)を、3分かけて攪拌溶液に滴下して加えた。攪拌を冷えたまま更に50分継続した後、トリエチルアミン(0.41ml)を含む(R)−3−アミノ−1,2−プロパンジオール(0.27g,2.96mmol)のDMF(2ml)懸濁液を添加した。冷却浴を除去し、溶液を室温までゆっくりと達するようにした。攪拌を更に16時間継続した後、反応混合物を真空乾固させて粗生成物(1.9g)を残し、これを逆相HPLCによって精製した。生成物はH−NMR及びLC−MSによれば純度が高く均質であった。
実施例6
N−カルボニルオキシベンジル−グルタミニル−グリシル−プロパルギルグリシン,化合物6の調製
Figure 2010536923
この化合物は、樹脂に結合させられる第一アミノ酸としてFmoc−(4−Boc−アミノ−Phe)−OHの代わりにFmoc−プロパルギルグリシンを使用して化合物2(実施例2)と同様にして調製した。
本発明のある特徴をここに例証し記載したが、多くの修正、置換、変化、及び均等物が当業者には理解できるであろう。従って、添付の実施態様がそのような修正及び変化を本発明の真の要旨内のものとして包含するものであることが理解されなければならない。
実施例7
Z−GLN(hGH)−GLY−2,3−ジヒドロキシプロパン−1−アミド,化合物7を得るためのZ−GLN−GLY−2,3−ジヒドロキシプロパン−1−アミド(化合物5)のでのhGHのアミノ基転移
Figure 2010536923
手順は実施例3のものと同一であった。25時間の期間後、出発材料(hGH)の65%が、CE分析によって定量して、所望の生成物7に転換された。
実施例8
Z−GLN(hGH)−GLY−プロパルギルグリシン−OH,化合物8を得るためのZ−GLN−GLY−プロパルギルグリシン−OH(化合物6)でのhGHのアミノ基転移
Figure 2010536923
手順は実施例3のものと同一であった。22時間の期間後、出発材料(hGH)の59%が、CE分析によって定量して、所望の生成物8に転換された。
配列
配列番号:1
ヒト成長ホルモンポリヌクレオチド
atggctacag gctcccggac gtccctgctc ctggcttttg gcctgctctg cctgccctgg
cttcaagagg gcagtgcctt cccaaccatt cccttatcca ggctttttga caacgctatg
ctccgcgccc atcgtctgca ccagctggcc tttgacacct accaggagtt tgaagaagcc
tatatcccaa aggaacagaa gtattcattc ctgcagaacc cccagacctc cctctgtttc
tcagagtcta ttccgacacc ctccaacagg gaggaaacac aacagaaatc caacctagag
ctgctccgca tctccctgct gctcatccag tcgtggctgg agcccgtgca gttcctcagg
agtgtcttcg ccaacagcct ggtgtacggc gcctctgaca gcaacgtcta tgacctccta
aaggacctag aggaaggcat ccaaacgctg atggggaggc tggaagatgg cagcccccgg
actgggcaga tcttcaagca gacctacagc aagttcgaca caaactcaca caacgatgac
gcactactca agaactacgg gctgctctac tgcttcagga aggacatgga caaggtcgag
acattcctgc gcatcgtgca gtgccgctct gtggagggca gctgtggctt ctag

配列番号2
ヒト成長ホルモンポリペプチド
matgsrtsll lafgllclpw lqegsafpti plsrlfdnam lrahrlhqla fdtyqefeea
yipkeqkysf lqnpqtslcf sesiptpsnr eetqqksnle llrisllliq swlepvqflr
svfanslvyg asdsnvydll kdleegiqtlmgrledgspr tgqifkqtys kfdtnshndd
allknyglly cfrkdmdkve tflrivqcrs vegscgf

配列番号3
MAAGSRTSLLLAFGLLCLSWLQEGSAFPTIPLSRLFDNAMLRARRLYQLAYDTYQEFNPQ
TSLCFSESIPTPSNRVKTQQKSNLELLRISLLLIQSWLEPVQLLRSVFANSLVYGASDSN
VYRHLKDLEEGIQTLMWRLEDGSPRTGQIFNQSYSKFDTKSHNDDALLKNYGLLYCFRKD
MDKVETFLRIVQCRSVEGSCGF

Claims (34)

  1. タンパク質を補助タンパク質及び次の式:
    R1−Gln−Gly−R2
    を有する性質改変基と接触させることを含む、タンパク質の部位選択的修飾方法。
  2. R1及びR2が更なる修飾に適した基である請求項1に記載の方法。
  3. R1が芳香族又はヘテロ芳香族基を含む請求項2に記載の方法。
  4. R1がカルボベンジルオキシ基(PhCHOC=O)である請求項3に記載の方法。
  5. R2が更なる修飾に適した基である請求項4に記載の方法。
  6. R2が、−CHO、−ONH、Ar−NH、アルキニル、アジド、−NHNH、−CHX−CH2Y又は−CHY−CH2X(ここで、XがO又はNであり、YがOである)、アセタール又は異なった潜在アルデヒド、−SH、Z−CHC=O(ここで、ZがCl、Br又はIである)から選択される官能基を含む基である請求項5に記載の方法。
  7. R2が、−CHO、−ONH、Ar−NH、アルキニル、アジド、−NHNH、−CHX−CH2Y又は−CHY−CH2X(ここで、XがO又はNであり、YがOである)、アセタール又は異なった潜在アルデヒド、−SH、Z−CHC=O(ここで、ZがCl、Br又はIである)から選択される官能基を含む基である請求項6に記載の方法。
  8. タンパク質がサイトカインである請求項1から7の何れかに記載の方法。
  9. タンパク質が4−ヘリックスバンドルタンパク質のクラスに属する請求項1から7の何れかに記載の方法。
  10. タンパク質がhGHである請求項1から9の何れかに記載の方法。
  11. 補助タンパク質がグルタミン残基を修飾する酵素である請求項1から10の何れかに記載の方法。
  12. 補助タンパク質がトランスグルタミナーゼである請求項1から11の何れかに記載の方法。
  13. トランスグルタミナーゼがストレプトマイセス・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼである請求項12に記載の方法。
  14. トランスグルタミナーゼが、80%以上の配列相同性を有するストレプトマイセス・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼ変異体である請求項13に記載の方法。
  15. 性質改変基が
    Figure 2010536923
    から選択される請求項2に記載の方法。
  16. タンパク質を補助タンパク質及び次の式:
    R1−Gln−Gly−R2
    を有する性質改変基と接触させることを含む、成長ホルモンの部位選択的修飾方法。
  17. R1及びR2が更なる修飾に適した基である請求項16に記載の方法。
  18. R1が芳香族又はヘテロ芳香族基を含む請求項17に記載の方法。
  19. R1がカルボベンジルオキシ基(PhCHOC=O)である請求項18に記載の方法。
  20. R2が更なる修飾に適した基である請求項19に記載の方法。
  21. R2が、−CHO、−ONH、Ar−NH、アルキニル、アジド、−NHNH、−CHX−CH2Y又は−CHY−CH2X(ここで、XがO又はNであり、YがOである)、アセタール又は異なった潜在アルデヒド、−SH、Z−CHC=O(ここで、ZがCl、Br又はIである)から選択される官能基を含む基である請求項20に記載の方法。
  22. R2が、−CHO、−ONH、Ar−NH,アルキニル、アジド、−NHNH、−CHX−CH2Y又は−CHY−CH2X(ここで、XがO又はNであり、YがOである)、アセタール又は異なった潜在アルデヒド、−SH、Z−CHC=O(ここで、ZがCl、Br又はIである)から選択される官能基を含む基である請求項22に記載の方法。
  23. 成長ホルモンがヒト成長ホルモンである請求項16に記載の方法。
  24. 補助タンパク質がトランスグルタミナーゼである請求項16に記載の方法。
  25. トランスグルタミナーゼがストレプトマイセス・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼである請求項25に記載の方法。
  26. トランスグルタミナーゼが、80%以上の配列相同性を有するストレプトマイセス・モバレンス由来の微生物トランスグルタミナーゼ変異体である請求項26に記載の方法。
  27. 性質改変基が
    Figure 2010536923
    から選択される請求項16に記載の方法。
  28. ヒト成長ホルモンがリジン残基で修飾される請求項16に記載の方法。
  29. ヒト成長ホルモンがリジン145で修飾される請求項29に記載の方法。
  30. ヒト成長ホルモンがリジン145で修飾され、ついでhGHと比較してコンジュゲートのインビボ半減期を延長する延長基に結合させる請求項30に記載の方法。
  31. 延長基が親水性ポリマーである請求項15に記載の方法。
  32. 延長基がPEGである請求項31に記載の方法。
  33. 延長基がアルブミンに可逆的に結合する部分を含む請求項31に記載の方法。
  34. 延長基は脂肪酸残基又は脂肪二酸残基を含む請求項31に記載の方法。
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