JP2010532895A - 連接オブジェクトの動きモデル化方法 - Google Patents
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Abstract
連接したオブジェクトの動きを表現する方法を記載し、この方法は:オブジェクトの目標位置を与えるステップを含み、オブジェクトの近位端は基本回転軸点であり、オブジェクトの遠位端は先端であり、オブジェクトはn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、nは2以上であり、連続するn個のセグメントのうち2つは、n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、第1回転軸点は、基本回転軸点に接続されたセグメントに接続され、回転軸点n−1は、オブジェクトの先端を含むセグメントに接続され;この方法はさらに、オブジェクトが初期位置から目標位置まで移動する間のオブジェクトの先端の位置を表す軌跡を生成するステップを含み、主軌跡は基本回転軸点を中心とし;この方法はさらに、主軌跡に沿った先端の任意位置について、基本回転軸点及びn−1個の回転軸点に対する屈曲角を決定するステップを含む。
Description
(関連出願のクロスリファレンス)
本願は、米国特許仮出願第60/929780号、2007年7月12日出願に基づいて優先権を主張し、その全文を参考文献として本明細書に含める。
(技術分野)
本発明は、デジタルアニメーション技術に関するものである。
本願は、米国特許仮出願第60/929780号、2007年7月12日出願に基づいて優先権を主張し、その全文を参考文献として本明細書に含める。
(技術分野)
本発明は、デジタルアニメーション技術に関するものである。
(発明の背景)
テレビジョンまたは動画撮影では、静止オブジェクト(描画された物体)に加わる移動により、動きのないオブジェクトが動いて見えることがアニメーションとして知られている。アニメーションは、映画、ビデオゲーム、及びバーチャルリアリティ(仮想現実感)のような多種多様な応用で見出すことができる。漫画は、アニメーションの種類の多数例の1つに過ぎない。その目的は、アニメーションを現実的に、あるいはできる限り実際に近く見せることにある。
テレビジョンまたは動画撮影では、静止オブジェクト(描画された物体)に加わる移動により、動きのないオブジェクトが動いて見えることがアニメーションとして知られている。アニメーションは、映画、ビデオゲーム、及びバーチャルリアリティ(仮想現実感)のような多種多様な応用で見出すことができる。漫画は、アニメーションの種類の多数例の1つに過ぎない。その目的は、アニメーションを現実的に、あるいはできる限り実際に近く見せることにある。
移動する錯覚を描画、モデル、または動きのないオブジェクトに与える処理は、特に人体の屈曲を含む部分については複雑であり、これらの部分では、連接的な動きまたは移動が、コンピュータ向けに「翻訳」することが困難な原理によって支配される。
連接オブジェクトの現実的な屈曲の動きをデジタルアニメーションに変換するために、物理の原理を用いてモデルを構築する。例えば、人間の手のモデルは、関節に影響する外力を考慮すること、すべての主要な筋肉及び自由度をモデル化すること、手の皮膚表面を表現する楕円間の衝突検出に基づく運動学モデルを用いること、及び質量−バネ系の方法、及び擬似的かつ幾何学的筋肉を用いて、筋肉、及びこれらの筋肉の骨及び皮膚との相互作用をモデル化することのような、種々の方法に基づいて開発されてきた。こうした筋肉モデルは、長い時間にわたって与えられる筋肉収縮値によってアニメーション化される。従って、図1に例示する方法では、例えば人間の手の指の位置は、筋肉収縮値に基づいて計算される。
他の既存の方法は、人口知能のような学習的方法を含んで、例えば手の関節及び部分(セグメント)を測位する。プーリーに基づく腱伝動系を用いた指モデル、及び関節間の依存性を伴う多様体マッピングに基づく手及び腕のモデルも探求された。相対的な筋肉長、腕のモーメント、及び動く間の手の筋肉のモーメント・ポテンシャルを計算すること、あるいは既知の関節及び移動の制約を用いることのような、複雑な技法も導入されてきた。
従って、最終製品の現実感を改善し、従来技術のモデル化方法の複雑性を低減するために、デジタルアニメーション目的で、実際のオブジェクトにおける屈曲の動きを表現する方法を提供する必要性が存在する。
これにより、連接オブジェクトをある動きに従ってデジタルアニメーション化するために、この連接オブジェクトのデジタル表現を作成し、オブジェクトの複数部分に関連する一組のモデル化した軌跡を生成する方法が提供される。
第1の広い態様によれば、オブジェクトの動きをアニメーション化して表現する方法が提供され、この方法は:オブジェクトの目標位置を与えるステップを含み、オブジェクトの近位端は基本回転軸点であり、オブジェクトの遠位端は先端であり、オブジェクトはn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、ここにnは2以上であり、連続するn個のセグメントのうち2つは、n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、第1回転軸点は、基本回転軸点に接続されたセグメントに接続され、第n−1回転軸点は、オブジェクトの先端を含むセグメントに接続され;この方法はさらに、オブジェクトが初期位置から目標位置まで動く間の、オブジェクトの先端の位置を表現する主軌跡を生成するステップを含み、この主軌跡は基本回転軸点を中心とし、この方法はさらに、主軌跡に沿った先端の任意の位置について、基本回転軸点及びn−1個の回転軸点の各々における屈曲角を決定するステップを含む。
本発明の第2の広い態様によれば、連接した物理的物体をアニメーション化する方法が提供され、この方法は:物理的物体のデジタル表現を用意するステップを含み、物体の近位端は基本回転軸点であり、連接した物理的物体の遠位端は先端であり、物体はn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、ここにnは2以上であり、連続するn個のセグメントのうち2つは、n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、第1回転軸点は、基本回転軸点に接続されたセグメントに接続され、第n−1回転軸点は、連接した物理的物体の先端を含むセグメントに接続され;この方法はさらに、主軌跡及びn−2個の追加的軌跡を提供するステップを含み、各軌跡は、物体が動く間の物体の先端の位置を記述し、主軌跡は基本回転軸点を中心とし、追加的軌跡1〜n−2はそれぞれ回転軸点1〜n−2を中心とし;この方法はさらに、物体を目標位置に移動させるステップを含む。
第3の広い態様によれば、オブジェクトをデジタルアニメーション化するシステムが提供され、このシステムは:コンピュータ内のプロセッサ(処理装置)、及びこのプロセッサに結合されたアプリケーションを具え;このアプリケーションは:オブジェクトの目標位置を与えるように構成され、オブジェクトの近位端は基本回転軸点であり、オブジェクトの遠位端は先端であり、オブジェクトはn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、ここにnは2以上であり、連続するn個のセグメントのうち2つは、n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、第1回転軸点は、基本回転軸点に接続されたセグメントに接続され、第n−1回転軸点は、オブジェクトの先端を含むセグメントに接続され;このアプリケーションはさらに、オブジェクトが初期位置から目標位置まで動く間の、オブジェクトの先端の位置を表現する主軌跡を生成するように構成され、この主軌跡は基本回転軸点を中心とし、このアプリケーションはさらに、主軌跡に沿った先端の任意の位置について、基本回転軸点及びn−1個の回転軸点の各々における屈曲角を決定し;オブジェクトを目標位置に移動させるように構成されている。
第4の広い態様によれば、連接した物理的物体をデジタルアニメーションで表現するシステムが提供され、このシステムは:物体のデジタルモデルを作成するように構成されたデジタルモデル化モジュールを具え、物体の近位端は基本回転軸点であり、物体の遠位端は先端であり、物体はn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、ここにnは2以上であり、連続するn個のセグメントのうち2つは、n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、第1回転軸点は、基本回転軸点に接続されたセグメントに接続され、第n−1回転軸点は、オブジェクトの先端を含むセグメントに接続され;このシステムはさらに、主軌跡及びn−2個の追加的軌跡を生成するように構成された軌跡生成器を具え、各軌跡は、物体が動く間の物体の先端の位置を記述し、主軌跡は基本回転軸点を中心とし、追加的軌跡1〜n−2はそれぞれ回転軸点1〜n−2を中心とし;このシステムはさらに、物体の目標位置を決定するように構成された位置決定モジュールと;物体が初期位置から目標位置まで移動したように物体を表示する表示装置とを具えている。
図2に例示するように、オブジェクトは、n個のセグメント、1つの基本回転軸点、及びn−1個の回転軸点から成る連接オブジェクトとして規定され、ここにnは2以上である。n個のセグメントのうち第1セグメントは基本回転軸点に接続され、n−1個の回転軸点はこれらのセグメントを互いに接続し、n個のセグメントのうち第1セグメントは、基本回転軸点に加えて第1回転軸点に接続され、最終セグメントは最終回転軸点のみに接続されている。基本回転軸点に接続されたオブジェクトの部分をオブジェクトの近位端と称し、回転軸点に接続されていない最終セグメントの端を、オブジェクトの遠位端または先端と称する。
オブジェクトの位置は、基本回転軸点、各回転軸点、及びオブジェクトの先端の空間座標によって規定される。以下の説明を通して、基本回転軸点は、空間を記述する座標系の原点に位置するものと考え、次の座標を有する:2D(二次元)空間では(0,0)、及び3D(三次元)空間では(0,0,0)。従って、オブジェクトの空間位置を決定するために、各回転軸点の空間位置及びオブジェクトの先端のみを必要とする。多数の幾何学的データを用いて、オブジェクトの位置を決定することができる。例えば、オブジェクトの先端及び各回転軸点の空間座標;基本回転軸点及び各回転軸点における屈曲角;あるいはオブジェクトの各セグメントに関連するベクトルを知ることによって、オブジェクトの位置を決定することができる。
基本回転軸点における屈曲角は、オブジェクトの第1セグメントと空間の軸(通常はy軸)との間の角度として規定され、ある回転軸点における角は、この回転軸点に接続された2つのセグメント間の角度として規定される。なお、オブジェクトの位置は、異なる種類の幾何学的データの混合によって規定することができる。例えば、空間の中心を中心とする1つの基本回転軸点と、n個のセグメント及びn−1個の回転軸点を含むオブジェクトは、基本回転軸点における屈曲角及び各回転軸点における屈曲角によって規定することができる。あるいはまた、このオブジェクトは、基本回転軸点における屈曲角、n−2個の回転軸点における屈曲角(最終回転軸点における屈曲角は除く)、及びオブジェクトの先端の空間座標によって規定することができる。混合された幾何学的データの他の組合せも可能であることは、当業者にとって明らかである。以下の説明では、屈曲角を参照してオブジェクトの位置を特徴付けるが、当業者に知られているあらゆる幾何学的データ及び方法を用いて、オブジェクトの幾何学的位置を規定することができる。
主軌跡は、すべてのセグメントを考慮に入れた際の、オブジェクトが動く間のオブジェクトの先端の位置として規定される。主軌跡は基本回転軸点を中心とする。追加的軌跡または二次軌跡は、必ずしもすべてのセグメントを考慮に入れない際の、オブジェクトが動く間の先端の位置として規定され、追加的軌跡は、基本回転軸点ではなく、ある回転軸点を中心とする。1つの基本中心点、n個のセグメント、及びn−1個の回転軸点を含むオブジェクトについては、第1セグメントは、その一端が基本回転軸点に、その第2端が第1回転軸点に接続されたセグメントであるものとして規定され、セグメントnは、オブジェクトの先端を含み、第n−1回転軸点のみに接続されたセグメントであるものとして規定される。nが2に等しければ、オブジェクトの動きを記述するために主軌跡のみを必要とする。第1の追加的軌跡は、セグメント2〜nのみを考慮に入れた際の先端の軌跡である。この第1軌跡は、第1回転軸点を中心とするものと考えられる。第2の追加的軌跡は、セグメント3〜nのみを考慮に入れた際の先端の軌跡である。この第2軌跡は、第2回転軸点を中心とするものと考えられる。追加的軌跡n−2は、セグメントn−1及びnのみを考慮に入れた際の先端の軌跡である。追加的軌跡n−2は、回転軸点n−2を中心とするものと考えられる。
オブジェクトの基本回転軸点、n−1個の回転軸点、及びn個のセグメントは極座標系で表現することができ、基本回転軸点は通常、この座標系の原点を占める。この場合は、主軌跡及び追加的軌跡は、座標系の原点とオブジェクトの先端の位置との間の距離を、それぞれの屈曲角θ及びθ’の関数として表現する(単に、それぞれ角θ及びθ’とも称する)。先端の屈曲角または角θ(またはθ’)は、座標系の軸(通常はy軸)と、座標系の原点からオブジェクトの先端までの線分との間の角度である。主軌跡及び追加的軌跡はすべて、同じチップ屈曲角θの関数として表現され、このチップ屈曲角θは閉包パラメータと称する。この閉包パラメータは、その値が0から1まで変化するように正規化することができる。閉包パラメータの各値は、オブジェクトの単一の空間位置に対応する。閉包パラメータの値を知り、主軌跡及び追加的軌跡、及び三角法を用いて、閉包パラメータの値に関連するオブジェクトの空間位置に対応する屈曲角の集合を決定することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面を参照した詳細な説明より明らかになる。
なお、すべての図面を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別する。
人間の手のどの指も、セグメントの軸の周りに回転することができないことを考慮することによって、単一平面内に生じる指の屈曲は、外転及び内転の残された自由度をシミュレート(模擬)するように配向させることができる。
人間の指の腱の駆動態様は、各指の先端がとる経路が所定の法則に従い、腱による各セグメントの屈曲の制御によって決定される滑らかな軌跡に相当する、という前提条件を導入する。
以上のことを考慮して、複数のセグメントを有するデジタルオブジェクトの自然な連接した屈曲をモデル化する方法を説明する。この方法は、対数螺旋(対数スパイラル)のような数学モデルによって表現される指の先端の軌跡の生成に基づく。提案する方法を用いて擬人化した手の動きをアニメーション化することは、親指の対向を容易に合成し、自動把握(自動的な手の握り)方策を開発することを可能にする。
なお、この方法は、あらゆる連接オブジェクトの動きをモデル化するように拡張することができ、これらの動きは:指の屈曲、手の平の動き、人間の身体部分、即ち腕、脚の動き、筆記の動き、成長する植物の動き、花の開花、動物の動き、あるいは回転軸点を介して互いに接続された複数の剛体セグメントを有するオブジェクトの他のあらゆる動きである。
図3を参照すれば、ステップ30では、連接オブジェクトのデジタル表現を用意する。このオブジェクトは初期位置にある。
図4を参照すれば、このオブジェクトは近位端及び遠位端を有し、近位端は基本回転軸点を規定し、遠位端はオブジェクトの先端12を規定する。
個のオブジェクトは、複数のセグメント14、16、及び18も有し、これらはそれぞれ回転軸点20及び22を介して相互接続されている。基本回転軸点10は第1セグメント14に接続され、これにより、図4に示すように、オブジェクトが先端の屈曲角θだけ移動することを可能にする。
図3を参照すれば、ステップ32では、オブジェクトの目標位置を与える。この目標位置は、第1の場合は、少なくとも3つのセグメントが存在する際に、オブジェクトの先端の目標位置、及び最初2つのセグメントと各追加的セグメントとの間の目標屈曲角を含むものとして規定される。オブジェクトの初期位置も、少なくとも3つのセグメントが存在する際は、このオブジェクトの先端の初期位置、及び最初2つのセグメントと各追加的セグメントとの間の初期屈曲角も含む。なお、オブジェクトの位置は、屈曲角β1、β2、及びβ3によっても、先端12及び回転軸点20及び22の空間座標によっても規定される。また、オブジェクトの位置を知るために、屈曲角と空間座標との混合も可能である。例えば、オブジェクトの位置は、先端の空間座標、及び屈曲角β1とβ2によって規定することができる。
例えば図4では、3セグメントについて(n=3)、目標位置は、図5に示すように、セグメント18の先端12、及び角β2とβ3で構成される。オブジェクトが4セグメント以上を有する際は、目標位置は、オブジェクトの先端12及び角βi(i∈[2,3,...n])で構成され、ここにnはセグメント数である。なお、セグメント1は基準回転軸点に取り付いている。2つのセグメントしか存在しない場合は(n=2)、目標位置はオブジェクトの先端12の目標位置である。
オブジェクトの先端の目標位置は、このオブジェクトの先端が動く間の所定時刻に到達する位置であり、デカルト座標系内の座標(xfinal,yfinal)によって規定される。この点は極座標系内でも随意的に規定され、これについては以下でさらに説明する。
第2の場合は、目標位置は、オブジェクト内のすべての屈曲角βi(i∈[1,2,3,...n])によって規定され、nはセグメント数である。図4を参照すれば、オブジェクトが3つのセグメントを有する際に(n=3)、角β1、β2及びβ3がオブジェクトの目標位置を規定する。従って、こうした場合には、目標位置は、目標屈曲角の集合によって規定される特定オブジェクト閉包の位置である。例えば、目標屈曲角のグループは、引き締まった手、緩んだ手、緊張した手のような既知の手の閉包型に対応するか、あるいは、連接オブジェクトの目標屈曲角の特定集合によって規定される他のあらゆる既知の閉包型に対応するように設定される。
なお、初期位置は、セグメント18の先端12の初期位置及び角β2とβ3で構成される。あるいはまた、初期位置は、角β1、β2及びβ3の集合によって規定することができる。
第1及び第2の場合の両方において、オブジェクトのセグメント毎の目標屈曲角は、目標角β1、β2及びβ3(またはβi(i∈[1,2,3,...n])、nは基点(基準回転軸点)10から先端12までのセグメント数)として規定され、各回転軸点における角を表す。これらの目標角は、図4及び5に例示されている。他方では、図6a及び6bは、目標位置によって規定される軌跡に沿った任意の所定点に対する屈曲角を例示する(次のステップにおいてさらに説明する)。
一実施例では、初期位置及び目標位置は極限位置を表し、これらの極限位置間をオブジェクトが移動することができる。
図3のステップ34では、ステップ32で与えて規定した目標位置を通過するオブジェクトの先端12の動きを表現するように、主軌跡を生成する。
主軌跡を、対数螺旋の数学的表現として以下に詳述し、図4に例示する。主軌跡は、オブジェクトの基本回転軸点10を中心とする。
例えば、人間の手では、上記螺旋は、複数の指骨を有する指の先端が追従する経路であると考えられ、本明細書ではこれらの指骨をセグメントとして記述する。一般的な連接オブジェクトについては、生成される主軌跡は、このオブジェクトの先端の目標位置を、当該オブジェクトの経路に沿って有する。
3セグメントのオブジェクトについての上記の提案を適用すれば、例えば、オブジェクトの初期位置は先端12の初期位置、即ち(xinitial=0,yinitial=a)、及び屈曲角β2=β3=0によって定義され、ここにaはすべてのセグメント長の総計である(a=a1+a2+a3、ここにa1、a2、及びa3はそれぞれ、セグメント14、16、及び18の長さである)。あるいはまた、オブジェクトの初期位置は、この位置における屈曲角として定義され、即ちβ1=β2=β3=0である。
図4に例示する実施例では、初期位置は(xinitial=0,yinitial=a)または(ρ=a,θ=0)として表現することができる。初期位置の第2の表現を対数螺旋の方程式に代入することによって、定数K1はaに等しく定まり、従って、次式のようになる:
オブジェクトの先端の目標位置を規定するオブジェクトの目標位置(xfinal,yfinal)、あるいはまた、ステップ32で規定した屈曲角βi(i∈[1,2,3,...n])の集合を最初に用いて、次の平面幾何学の公式を用いて対応する対(ρfinal,θfinal)を計算する。4つ以上のセグメントを有するオブジェクトについても、同様の公式を用いる。
この公式より、定数K2は次式のように計算することができる:
K2=ln(ρfinal/a)/θfinal
かつ、a=a1+a2+a3
K2=ln(ρfinal/a)/θfinal
かつ、a=a1+a2+a3
上記螺旋方程式は、対(ρ,θ)の計算を可能にし、この対は、極限位置間の螺旋に沿った至る所に位置する任意のチップ屈曲位置として参照される。従って、この螺旋は、オブジェクトの先端の動きをモデル化する。
従って、(計算区間)[0,1]×[0,1]における累乗の行列(マトリクス)
は、動き期間中の平面内のチップ位置の解析的制御を可能にする。この行列は、選定したステップ(例えば0.01は101×101行列を生じさせる)についての時間を消費する累乗演算を用いて、1回だけ計算する。行列のサイズを増大させずに精度を増加させるために、行列内の(ある要素を)包囲する4つの要素の加重和の計算をリアルタイムで行う。
は、動き期間中の平面内のチップ位置の解析的制御を可能にする。この行列は、選定したステップ(例えば0.01は101×101行列を生じさせる)についての時間を消費する累乗演算を用いて、1回だけ計算する。行列のサイズを増大させずに精度を増加させるために、行列内の(ある要素を)包囲する4つの要素の加重和の計算をリアルタイムで行う。
図3のステップ36では、3つのセグメント(図4のセグメント14、16及び18を参照)から成る人間の指のように、オブジェクトが3つ以上のセグメントを有する場合は、先端12について、かつ回転軸点20と先端12との間に位置する追加的セグメントに関連して、追加的な二次軌跡を生成する。ここでは、これらの追加的セグメントをセグメント16及び18として表す。図5に例示する二次軌跡は、セグメントi>1毎の目標屈曲角、あるいはβiを用いて見出される。
図4及び5では、追加的セグメント16及び18を第1セグメント14に接続する回転軸点20が、図5の二次軌跡の中心になる。従って、この二次軌跡はセグメント2及び3に関連する。図5に例示するように、グラフのx軸及びy軸は、y軸とセグメント16との間の角度がβ2に等しくなるように選定する。
n個のセグメント及びn個の回転軸点を含むオブジェクトについては、屈曲角を決定するために、先端12のn−2個の追加的軌跡または二次軌跡が必要である。主軌跡はn個のセグメント(1,2,...n)に関連し、第1回転軸点を中心とする。第1の追加的軌跡はn−1個のセグメント(セグメント2,3,...n)に関連し、第2セグメントを第1セグメントに接続する第2回転軸点を中心とする。先端12の第2の追加的軌跡は、n−2個のセグメント(セグメント3,4,...n)に関連し、第3セグメントを第2セグメントに接続する第3回転軸点を中心とする。追加的軌跡n−2はセグメントn−2、n−1、及びnに関連し、セグメントn−2をセグメントn−3に接続する回転軸点n−2を中心とする。
この二次軌跡は、図3のステップ34で生成した主軌跡と同様の数学的表現に従う。
1つの二次軌跡は、2つの屈曲角の評価を可能にする。逆に、2つの目標屈曲角の最小値を用いて、1つの二次軌跡が規定される。従って、3つ以上のセグメント14を有するオブジェクトに関連する軌跡の総数は、(セグメント14の数−1)に等しい。
3つ以上のセグメントが存在する際は、主軌跡単独では各セグメントの目標屈曲角βi(i∈[1,2,3,...n])がモデル化されないので、ステップ32で与えたオブジェクトの目標位置によって規定される目標屈曲角から二次軌跡を生成する。この二次軌跡は、(セグメント2及び3として例示する)遠位セグメントの動きをモデル化する。
従って、点(x’ final,y’ final)は、これらの遠位セグメントの所望の動きの型に対応するように計算する。この点は、ステップ32で与えた目標屈曲角(図3のβ2及びβ3)によって設定される。
図3のステップ38では、各屈曲角βi(i∈[1,2,3,...n])を、先端12について生成した主軌跡、及び追加的セグメント16と18に関連して生成した二次軌跡のいずれかに沿った任意の先端屈曲位置(ρ,θ)(図6a及び6b参照)に対して決定する。
従って、軌跡の集合が、当該オブジェクトの目標位置に向かうオブジェクトの動きを完全に規定する。このステップで見出される屈曲角は、ステップ32で与えた目標屈曲角とは別のものである。これらの屈曲角は、オブジェクトが軌跡に沿って動く間の、各セグメントの位置及び向きを規定する。
以上の説明では、屈曲角(β1,β2,β3,...βn)は、基本回転軸点10及び各回転軸点20、22に位置する角度である。図4、5、6a及び6bでは、屈曲角β1はセグメント14の屈曲角であるのに対し、β2及びβ3は、各セグメント対(14〜16及び16〜18)が成す角度であり、それぞれ回転軸点20及び22に関連する。
少なくとも主軌跡に沿った、そして随意的に二次軌跡に沿った、オブジェクトの先端の任意位置における屈曲角は、ステップ34で生成した軌跡を用いて、そして3つ以上のセグメントが存在する場合はステップ36で生成した軌跡を用いて決定される。
図3のステップ40では、ステップ38で決定した、オブジェクトの先端の軌跡に沿った任意位置におけるセグメントの屈曲角を用いて、連接オブジェクトの動きのコンピュータ・デジタルアニメーションを実行する。
屈曲角θ及びθ’は、[0,θmax=max(θfinal,θ’final)]の間にあり、単一の変数または閉包パラメータ、即ちθを用いて、オブジェクトが動く間の主螺旋及び二次螺旋を共に制御することができる。図5に、セグメント16及び18のみを考える際の、先端12の軌跡を例示する。セグメント16及び18のこの表現では、y軸は、y軸とセグメント16との間の角度がβ2に等しくなるように選定し、このことは、y軸と、回転軸点20及び先端12の付近を通る直線との間の角度θ’を生じさせる。しかし、y軸とx軸とは、異なるように配置することができる。図6aでは、y軸は、y軸と、中心回転軸点20及び先端12の付近を通る直線との間の角度が、y軸と、基本回転軸点10及び先端12の付近を通る直線との間の角度、即ち角θに等しくなるように位置決めする。従って、ρ及びρ’は共に、同じ角θの関数として、次式のように表現することができる:
一実施例では、閉包パラメータが範囲[0,1]内の浮動(小数)値であり、この閉包パラメータを用いて、オブジェクトが動く間の各螺旋に沿ったオブジェクトの先端12の所定位置を制御することができる。この閉包パラメータを用いて、屈曲角θをθminからθmaxまでパラメータ化する。
上述した方法のステップ38では、対応する閉包パラメータCPによって制御される先端の共通制御屈曲角θについて、各螺旋は対応する長さρの値を有する。螺旋毎に、二次軌跡から主軌跡まで、三角法計算を用いて屈曲角βiを決定する。従って、これらの角度は、腱で駆動される手において観測される指先の動きを模擬する。
図6a及び6b、及び次式は、その位置が角θによって決定される3セグメントのオブジェクトについて生成された1つの二次軌跡及び1つの主軌跡から屈曲角を決定する方法の例を提供する。同様の式を、4つ以上のセグメントを有する、従って2つ以上の二次軌跡を有するオブジェクトについて導出することができる。
ここで、図6aを参照すれば、二次螺旋軌跡について次式が導出される:
a2 2=l1’2+h’2 かつ a3 2=l2’2+h’2
ここにl2’=ρ’−l1’
これより、次式になる:
l1’=(ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’)
a2 2=l1’2+h’2 かつ a3 2=l2’2+h’2
ここにl2’=ρ’−l1’
これより、次式になる:
l1’=(ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’)
θを知れば、ρ’は(式2)を用いて次のように計算される:
sin(φ’1)=sin(φ’11+φ’12)
=sin(φ’11)×cos(φ’12)+sin(φ’12)×cos(φ’11)
=(l1’/a2)×(h’/a3)+(l2’/a3)×(h’/a2)
=h’×(l1’+l2’)/(a2×a3)
=h’×ρ’/(a2×a3)
この式を用いて、cos(φ’1)の符号を決定する。
sin(φ’1)=sin(φ’11+φ’12)
=sin(φ’11)×cos(φ’12)+sin(φ’12)×cos(φ’11)
=(l1’/a2)×(h’/a3)+(l2’/a3)×(h’/a2)
=h’×(l1’+l2’)/(a2×a3)
=h’×ρ’/(a2×a3)
この式を用いて、cos(φ’1)の符号を決定する。
従って:
φ’2=(π/2)−φ’11=(π/2)−asin(l1’/a2)
1)cos(φ’1)>0ならば、
β3=π−φ’1
2)そうでなければ、
β3=φ’1
φ’2=(π/2)−φ’11=(π/2)−asin(l1’/a2)
1)cos(φ’1)>0ならば、
β3=π−φ’1
2)そうでなければ、
β3=φ’1
従って:
φ’2=(π/2)−asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2))
1)cos(φ’1)>0であれば、
β3=π−asin(h’×ρ’/(a2×a3))
2)そうでなければ、
β3=asin(h’×ρ’/(a2×a3))
φ’2=(π/2)−asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2))
1)cos(φ’1)>0であれば、
β3=π−asin(h’×ρ’/(a2×a3))
2)そうでなければ、
β3=asin(h’×ρ’/(a2×a3))
ここで、図6bを参照すれば、主螺旋軌跡について次式が導出される:
a1 2=l1 2+h2 かつ ρ’2=l2 2+h2
ここに、l2=ρ−l1
sin(φ1)=sin(φ11+φ12)
=sin(φ11)×cos(φ12)+sin(φ12)×cos(φ11)
=(l1/a1)×(h/ρ’)+(l2/ρ’)×(h/a1)
=h×(l1+l2)/(a1×ρ’)
=h×ρ/(a1×ρ’)
a1 2=l1 2+h2 かつ ρ’2=l2 2+h2
ここに、l2=ρ−l1
sin(φ1)=sin(φ11+φ12)
=sin(φ11)×cos(φ12)+sin(φ12)×cos(φ11)
=(l1/a1)×(h/ρ’)+(l2/ρ’)×(h/a1)
=h×(l1+l2)/(a1×ρ’)
=h×ρ/(a1×ρ’)
従って:
l1=(ρ×ρ+a1×a1−ρ’×ρ’)/(2×ρ)
φ2=(π/2)−φ11=(π/2)−asin(l1/a1)
1)cos(φ1)>0であれば、
β2=π−φ1−φ’2
2)そうでなければ、
β2=φ1−φ’2
β1=θ−φ2
l1=(ρ×ρ+a1×a1−ρ’×ρ’)/(2×ρ)
φ2=(π/2)−φ11=(π/2)−asin(l1/a1)
1)cos(φ1)>0であれば、
β2=π−φ1−φ’2
2)そうでなければ、
β2=φ1−φ’2
β1=θ−φ2
従って:
1)cos(φ1)>0であれば、
β2=(π/2)−asin(h×ρ/(a1×ρ’))+asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2));
2)そうでなければ、
β2=−(π/2)+asin(h×ρ/(a1×ρ’))+asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2));
かつ、
β1=θ−(π/2)+asin((ρ×ρ+a1×a1−ρ’×ρ’)/(2×ρ×a1))
1)cos(φ1)>0であれば、
β2=(π/2)−asin(h×ρ/(a1×ρ’))+asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2));
2)そうでなければ、
β2=−(π/2)+asin(h×ρ/(a1×ρ’))+asin((ρ’×ρ’+a2×a2−a3×a3)/(2×ρ’×a2));
かつ、
β1=θ−(π/2)+asin((ρ×ρ+a1×a1−ρ’×ρ’)/(2×ρ×a1))
従って、腱で駆動される連接動きモデルは、オブジェクトの所定目標位置を用いて軌跡の集合を決定することによって構築される。オブジェクトの目標位置は、オブジェクトの先端が目標チップ位置にある際の、オブジェクト内のセグメント毎の少なくとも目標屈曲角を規定する。従って、螺旋の集合は、各セグメントが目標位置に向かう動きを表現する。
二次軌跡を記述するデータは、ルックアップテーブル(早見表)内に記憶することができるのに対し、主軌跡は、先端が目標先端位置に向かって移動する間にリアルタイムで計算する。主軌跡を記述するデータは、随意的にルックアップテーブル内に記憶することもできる。
従って、特定の閉包パラメータに対する屈曲角は、当該軌跡の長さの値ρまたはρ’によって規定される軌跡の集合に基づいてリアルタイムで計算する。長さの値ρを抽出する際は、累乗マトリクスを随意的に用いて、時間を要する累乗関数を計算することを回避する。
例として、所定の手について、各指の先端の目標位置に関連する主軌跡は、指内のセグメント毎に規定される目標屈曲角を用いて生成した際の二次軌跡のように一意的である。
一旦、軌跡の集合が生成されると、一般的な閉包パラメータを用いることによって、各々が各自の一意的な特性を有する複数のデジタル手の特定の動きを制御することができる。従って、手の動きはデジタル手毎に一意的であるのに対し、これらの手は同様の方法で制御され、従って同様の閉包型を有する。
アニメーションをリアルタイムで生成することは、1秒当たり特定数の画像を作成することから成る。このことは、画像n(状態n)から画像n+1(状態n+1)に行くことのできるアルゴリズムを1秒間にx回呼び出すことを意味する。従って、アルゴリズムは時間の観念は有さず、状態nから状態n+1に行くために行うべきことを知るに過ぎない。アニメーション化されたオブジェクトについては、状態nは角θn、あるいはこれに対応する0〜1の間の閉包パラメータ値によって特徴付けられる。θnを知れば、基本回転軸点及び回転軸点に関連する屈曲角が決定される。
θ0によって規定される初期位置にある指の例をとれば、この指は目標位置θnまで移動させなければならない。目標位置に到達する指の動きは期間Δt中に生じ、期間Δtは例えば3つの増分に分割され、このことは、指が目標位置に到達するために3つの変位を行うことを意味する。状態0では、t=0で、指の位置はθ0によって規定される。t=t1では、指はθ1によって特徴付けられる次の状態(状態1)に移動する。t=t2では、指は状態2に達し、この状態では、指の位置はθ2によって特徴付けられる。t=t3=tnでは、指はその目標状態(状態n)に達し、この状態では、指はθnによって規定される位置を占める。これらの状態毎に、指の位置は、前述した方法を用いて対応する屈曲角を計算することによって決定される。
図7に、回転軸点によって接続されたセグメントから成るオブジェクトをアニメーション化する方法の実施例を示す。この方法の第1ステップは、オブジェクトのデジタル表現を用意することから成る。例えば、オブジェクトは、図6bに例示するオブジェクトのように、所定長を有する3つの指骨によって特徴付けられる指である。各指骨は、セグメントによって図式化され、指の連接の各々は、回転軸点によって表現される。指を手の残り部分に接続する連接が基本回転軸点である。指の先端に対して少なくとも1つの軌跡を提供することが、この方法の第2ステップである。この例では、指の位置を決定するために、1つの主軌跡及び1つの二次軌跡が必要である、というのは、セグメントの数が3に等しいからである。
なお、これらの軌跡は、この方法のユーザが与えることができるが、アニメーションを作成するシステムによって生成することもできる。軌跡を生成するためには、オブジェクトの少なくとも2つの位置が必要である。例えば、オブジェクトの初期位置及び目標位置を用いて、軌跡を生成することができる。あるいはまた、オブジェクトの極限位置を用いることができる。指の場合は、第1極限位置は完全に伸ばした指によって表され(β1=β2=β3=0)、第2極限位置は閉じた指によって表され、この位置は、例えばβ1=π/2、β2=π/2、及びβ3=π/3によって表される。これらの極限位置及び上述した方法を用いて、指の先端の主軌跡及び二次軌跡が決定される。従って、第1極限位置と第2極限位置との間の指の位置は、単一の変数、即ち閉包パラメータθを知れば決定することができ、閉包パラメータθは、θmin(第1極限位置)とθmax(第2極限位置)との間から成る。オブジェクトの初期位置は、θの値、即ちθ0によっても特徴付けられ、この値は方法のユーザが入力するか、アニメーション生成器によって自動的に生成される。初期位置に位置するオブジェクトの初期屈曲角は、初期角θ0、指の先端の主軌跡及び二次軌跡、及び上述した解法に従う三角法を用いて計算される。
方法の第3ステップは、目標閉包パラメータθtargetを与えることである。なお、この閉包パラメータは、指の位置を制御するための屈曲角θである。あるいはまた、この閉包パラメータを正規化して0〜1の値を持たせることができ、0はθminに対応し、1はθmaxに対応する。θ0及びθtargetは、対応する正規化した閉包パラメータ値によっても表される。
θtarget及びオブジェクトの先端12の軌跡を知れば、θtargetに対応するオブジェクトの位置は、基本回転軸点及び回転軸点の対応する屈曲角を計算することによって決定される。方法の最終ステップは、指をその初期位置からその目標位置に移動させることから成る。
閉包パラメータを用いて、指の閉じ方を単純な方法で制御することができる。手の各指の位置は、同一の閉包パラメータによって制御することができる。例えば、完全に開いた手は0の閉包パラメータ値に対応し、閉じた拳(こぶし)は1の閉包パラメータ値に対応する。この場合は、閉包パラメータの各値は、手の指毎の特定の先端屈曲角に対応する。
図8に、物理的物体をデジタルアニメーションで表現するシステムの一実施例を例示する。システム100は、デジタルモデル化モジュール102、軌跡生成器104、位置決定モジュール106、及び表示装置108を具えている。この物理的物体は、基本回転軸点を含むn個の回転軸点によって接続されたn個のセグメントから成る連接物体である。
デジタルモデル化モジュール102は、ユーザから入力されたモデルを受信する。これらのモデル入力はn個のセグメント、及び各セグメントの長さから成る。デジタルモデル化モジュール102は、これらのモデル入力からデジタルモデルを作成する。
軌跡生成器は、物体の少なくとも2つの位置を受信し、これらの位置を用いて、物体の先端の主軌跡及び二次軌跡を生成する。これら2つの位置は、当該極限位置間を物体が自由に移動する極限位置とすることができる。あるいはまた、これら2つの位置は、初期位置及び目標位置とすることができる。これら2つの必要な位置の各々は、屈曲角値、物体の先端の空間座標、及び基本回転軸点を除いた回転軸点、あるいは屈曲角値と回転軸点の空間座標の混合によって特徴付けられる。軌跡生成器104は、上述した方法を用いて、主軌跡及び必要な二次軌跡を生成する。なお、軌跡は対数螺旋によって数学的に表現することができるが、軌跡は、例えば楕円形式のような他の形式を有することができる。
一実施例では、軌跡生成器104が、システム100のユーザからの軌跡を受信し、軌跡を生成しない。
軌跡生成器104は位置決定モジュール106に接続されている。一実施例では、物体の初期位置及び目標位置を用いて軌跡を生成する場合は、位置決定モジュール106は、軌跡生成器104が生成した軌跡を受信して、物体の初期位置と目標位置との中間の任意位置に対する屈曲角を決定する。これらの中間位置はメモリに記憶することができる。
他の実施例では、物体の極限位置を用いて軌跡を生成する場合に、位置決定モジュール106は、初期位置及び目標位置を閉包パラメータ値の形式(あるいはそれぞれ角θ0及びθtarget)で受信する。位置決定モジュール106は、初期位置、目標位置、及び初期位置と目標位置との間の必要なあらゆる中間位置に対する屈曲角を決定する。一実施例では、位置決定モジュール106にメモリを設け、位置決定モジュール106は、極限位置間の各位置に対する屈曲角の集合をこのメモリに記憶する。屈曲角の集合は閉包パラメータ値に対応し、位置決定モジュール106は、閉包パラメータ値を受信すると、これに対応する屈曲角の集合を検索する。
位置決定モジュール106は、初期位置、目標位置、及びアニメーションを作成するのに必要なあらゆる中間位置に対応する屈曲角を表示装置108に送信する。表示装置108は、その初期位置から、必要なあらゆる中間位置の付近を通過して、その目標位置まで移動する物体を表示する。
上述した方法は、例えば親指の屈曲のような対向する指の屈曲にも適用される。親指に関連する螺旋の平面は、親指の基本セグメントに固定され、他の指の主螺旋上あるいは手首の空間内に位置する合流点を通るように配向される。従って、親指に関連する螺旋は、上述した方法に従って生成される。従って、親指の動き制御パラメータまたは制御屈曲角は、上記平面の配向の内挿補間によってマッピングされる。
上述した方法は、手の特定形態に依存せず、上述したあらゆる動き、ジェスチャー、及び把握方法に応じたアニメーションを可能にする。例えば、把握の動きは、まず他の指を親指に対向させ、そして指が閉じる様子をモデル化することによって行われ、他の指及び親指の軌跡は、これらに関連する螺旋の集合によって規定される。
アニメーションは二次元で実行することができ、随意的に、種々の平面を一緒に配向させることによって三次元に拡張することができる。
特許文献1(国際出願番号PCT/CA2008/000705、2008年4月14日出願、発明の名称”DIGITAL REPRESENTATION AND ANIMATION OF PHYSICAL OBJECTS”)に記載のように、理論上存在する物理的概念を用いて、連接物体を、その螺旋の集合に従ってアニメーション化することができ、特許文献1の内容は参考文献として本明細書に含める。この参考文献には、アトラクター(誘引物質)の動きを空間内の点として導入し、物体はこの点に向かって移動すべく付勢される。
なお、本発明は、方法として実行することができ、システム、コンピュータ可読媒体、あるいは電気または電磁信号の形で具体化することができる。
上述した本発明の実施例は好適例であることを意図したに過ぎない。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって限定されることを意図する。
Claims (36)
- 連接オブジェクトの動きを表現する方法において、この方法が、
前記オブジェクトの目標位置を与えるステップを含み、前記オブジェクトの近位端は基本回転軸点であり、前記オブジェクトの遠位端は当該オブジェクトの先端であり、前記オブジェクトはn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、nは2以上であり、前記n個のセグメントのうち連続する2つは、前記n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、1番目の前記回転軸点は、前記基本回転軸点に接続された前記セグメントに接続され、n−1番目の前記回転軸点は、前記オブジェクトの先端を含む前記セグメントに接続され;
前記方法がさらに、前記オブジェクトが初期位置から前記目標位置まで動く間の前記オブジェクトの先端の位置を表す主軌跡を生成するステップを含み、前記主軌跡は、前記基本回転軸点を中心とし;
前記方法がさらに、前記主軌跡に沿った前記先端の任意位置について、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角を決定するステップを含むことを特徴とするオブジェクトの表現方法。 - 前記目標位置及び前記初期位置の各々が、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記目標位置及び前記初期位置の各々が、前記オブジェクトの屈曲角の集合及び先端位置によって規定され、前記屈曲角の集合は、前記基本回転軸点及び1番目からn−2番目までの前記回転軸点の各々における屈曲角から成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- さらに、
2より大きいnについて、前記オブジェクトが前記初期位置から前記目標位置まで動く間の前記先端の位置を表すn−2個の追加的軌跡を生成するステップを含み、1番目の前記追加的軌跡は1番目の前記回転軸点を中心とし、前記オブジェクトがn個の前記セグメント及びn−1個の前記回転軸点を含み、nが2より大きい際に、n−2番目の前記追加的軌跡は、n−2番目の前記回転軸点を中心とし、
前記方法がさらに、前記n−2個の追加的軌跡の各々に沿った前記先端の任意位置について、前記回転軸点の各々における屈曲角を決定するステップを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。 - 前記主軌跡及び前記追加的軌跡の各々が、座標系の原点と前記オブジェクトの先端との間の距離を、前記座標系の1つの座標軸と、前記座標系の原点を前記オブジェクトの先端に接続する直線との間の角度θの関数として表すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 角度θが閉包パラメータであり、0〜1の値を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡の各々が、対数螺旋から成ることを特徴とする請求項4または6に記載の方法。
- 前記屈曲角を決定するステップが、三角法を用いて前記屈曲角を計算することを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 連接した物理的物体をアニメーション化する方法において、この方法が、
前記物理的物体のデジタル表現を用意するステップを含み、前記物理的物体の近位端は基本回転軸点であり、前記物理的物体の遠位端は当該物理的物体の先端であり、前記物理的物体はn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、nは2以上であり、前記n個のセグメントのうち連続する2つは、前記n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、1番目の前記回転軸点は、前記基本回転軸点に接続された前記セグメントに接続され、n−1番目の前記回転軸点は、前記物理的物体の先端を含む前記セグメントに接続され;
前記方法がさらに、各々が、前記物理的物体が動く間の当該物理的物体の先端の位置を記述する主軌跡及びn−2個の追加的軌跡を提供するステップを含み、前記主軌跡は前記基本回転軸点を中心とし、1番目からn−2番目までの前記追加的軌跡はそれぞれ、1番目からn−2番目までの前記回転軸点を中心とし;
前記方法がさらに、前記物理的物体を目標位置まで移動させるステップを含むことを特徴とする物理的物体のアニメーション化方法。 - 前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡を提供するステップが、前記物理的物体の2つの異なる位置を用いて、前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡を決定することを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記2つの異なる位置の各々が、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角から成る屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記2つの異なる位置の各々が、屈曲角の集合及び前記物理的物体の先端の空間的位置によって規定され、前記屈曲角の集合は、前記基本回転軸点及び1番目からn−2番目までの前記回転軸点の各々における屈曲角から成ることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記2つの異なる位置が、前記物理的物体の2つの極限位置であり、前記物理的物体は、前記2つの極限位置間を移動することができることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
- 前記主軌跡及び前記追加的軌跡の各々が、座標系の原点と前記物理的物体の先端との間の距離を、前記座標系の1つの軸と、前記座標系の原点を前記物理的物体の先端に接続する直線との間の角度θの関数として表すことを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡の各々が、対数螺旋から成ることを特徴とする請求項9または14に記載の方法。
- 前記目標位置を、閉包パラメータの目標値に応じて決定することを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記物理的物体の目標位置を、前記閉包パラメータの目標値、前記主軌跡、前記n−2個の追加的軌跡、及び三角法を用いて決定することを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 前記目標位置が、対応する屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
- オブジェクトをデジタルアニメーション化するシステムにおいて、
コンピュータ内のプロセッサと;
前記プロセッサに結合されたアプリケーションとを具え、このアプリケーションが:
前記オブジェクトの目標位置を与えるように構成され、前記オブジェクトの近位端は基本回転軸点であり、前記オブジェクトの遠位端は当該オブジェクトの先端であり、前記オブジェクトはn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、nは2以上であり、前記n個のセグメントのうち連続する2つは、前記n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、1番目の前記回転軸点は、前記基本回転軸点に接続された前記セグメントに接続され、n−1番目の前記回転軸点は、前記オブジェクトの先端を含む前記セグメントに接続され;
前記アプリケーションがさらに、前記オブジェクトが初期位置から前記目標位置まで動く間の前記オブジェクトの先端の位置を表す主軌跡を生成するように構成され、前記主軌跡は、前記基本回転軸点を中心とし;
前記アプリケーションがさらに、前記主軌跡に沿った前記先端の任意位置について、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角を決定し;
前記決定した屈曲角に従って、前記オブジェクトを前記目標位置まで移動させるように構成されている
ことを特徴とするオブジェクトのデジタルアニメーション化システム。 - 前記目標位置及び前記初期位置の各々が、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角から成る屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
- 前記目標位置及び前記初期位置の各々が、屈曲角の集合及びオブジェクトの先端の空間的位置によって規定され、前記屈曲角の集合は、前記基本回転軸点及び1番目からn−2番目までの前記回転軸点の各々における屈曲角から成ることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
- 前記アプリケーションがさらに、2より大きいnについて、前記オブジェクトが前記初期位置から前記目標位置まで動く間の前記先端の位置を表すn−2個の追加的軌跡を生成するように構成され、1番目の前記追加的軌跡は1番目の前記回転軸点を中心とし、前記オブジェクトがn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を含み、nが2より大きい際に、n−2番目の前記追加的軌跡は、n−2番目の前記回転軸点を中心とし、
前記アプリケーションがさらに、前記n−2個の追加的軌跡の各々に沿った前記先端の任意位置について、前記回転軸点の各々における屈曲角を決定するように構成されていることを特徴とする請求項20または21に記載のシステム。 - 前記主軌跡及び前記追加的軌跡の各々が、座標系の原点と前記オブジェクトの先端との間の距離を、前記座標系の1つの座標軸と、前記座標系の原点を前記オブジェクトの先端に接続する直線との間の角度θの関数として表すことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
- 角度θが閉包パラメータであり、0〜1の値を有することを特徴とする請求項23に記載のシステム。
- 前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡の各々が、対数螺旋から成ることを特徴とする請求項22または24に記載のシステム。
- 前記アプリケーションが、三角法を用いて前記屈曲角を計算することを特徴とする請求項19〜25のいずれかに記載のシステム。
- 連接した物理的物体をアニメーション化するシステムにおいて、このシステムが、
前記物理的物体のデジタルモデルを作成するように構成されたデジタルモデル化モジュールを具え、前記物理的物体の近位端は基本回転軸点であり、前記物理的物体の遠位端は当該物理的物体の先端であり、前記物理的物体はn個のセグメント及びn−1個の回転軸点を有し、nは2以上であり、前記n個のセグメントのうち連続する2つは、前記n−1個の回転軸点のうち1つを介して接続され、1番目の前記回転軸点は、前記基本回転軸点に接続された前記セグメントに接続され、n−1番目の前記回転軸点は、前記物理的物体の先端を含む前記セグメントに接続され;
前記システムがさらに、各々が、前記物理的物体が動く間の当該物理的物体の先端の位置を記述する主軌跡及びn−2個の追加的軌跡を提供する軌跡生成モジュールを具え、前記主軌跡は前記基本回転軸点を中心とし、1番目からn−2番目までの前記追加的軌跡はそれぞれ、1番目からn−2番目までの前記回転軸点を中心とし;
前記システムがさらに、前記物理的物体の目標位置を決定する位置決定モジュールと;
前記物理的物体が初期位置から前記目標位置まで変位する間に、前記物理的物体を表示する表示装置を具えていることを特徴とする物体の表現システム。 - 前記軌跡生成器が、前記物理的物体の2つの異なる位置を用いて、前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡を決定するように構成されていることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
- 前記2つの異なる位置の各々が、前記基本回転軸点及び前記n−1個の回転軸点の各々における屈曲角から成る屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
- 前記2つの異なる位置の各々が、屈曲角の集合及び前記物理的物体の先端の空間的位置によって規定され、前記屈曲角の集合は、前記基本回転軸点及び1番目からn−2番目までの前記回転軸点の各々における屈曲角から成ることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
- 前記2つの異なる位置が、前記物理的物体の2つの極限位置であり、前記物理的物体は、前記2つの極限位置間を移動することができることを特徴とする請求項28〜30のいずれかに記載のシステム。
- 前記主軌跡及び前記追加的軌跡の各々が、座標系の原点と前記物理的物体の先端との間の距離を、前記座標系の1つの軸と、前記座標系の原点を前記物理的物体の先端に接続する直線との間の角度θの関数として表すことを特徴とする請求項27〜31のいずれかに記載のシステム。
- 前記主軌跡及び前記n−2個の追加的軌跡の各々が、対数螺旋から成ることを特徴とする請求項27または32に記載のシステム。
- 前記位置決定モジュールが、前記目標位置を、閉包パラメータの目標値に応じて決定するように構成されていることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
- 前記位置決定モジュールが、前記物理的物体の目標位置を、前記閉包パラメータの目標値、前記主軌跡、前記n−2個の追加的軌跡、及び三角法を用いて決定するように構成されていることを特徴とする請求項34に記載のシステム。
- 前記目標位置が、対応する屈曲角の集合によって規定されることを特徴とする請求項35に記載のシステム。
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2008
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