JP2010526767A - 標識された又は未標識のモノクローナル抗体の組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒト膜貫通タンパク質の過剰発現に関連した疾患の同時治療及び診断のためのヒト膜貫通タンパク質に向けられた標識及び未標識モノクローナル抗体の組成物に関する。本発明は更に、前記組成物を投与し、標識された抗体濃度の変化を測定し、そしてその後好ましい治療効果に必要な未標識抗体の最小必要濃度が達成され且つ低い全身抗体濃度のために望ましくない副作用が最小限に抑えられるように、未標識モノクローナル抗体のみを投与することを含んで成る方法にも関する。
【選択図】図3

Description

ヒト膜貫通タンパク質の過剰発現に関連する疾患、特に癌の同時治療及び診断のためのそのようなタンパク質に向けられた標識された又は未標識のモノクローナル抗体の組成物に関する。本発明は更に、前記組成物を最初に投与し、標識された抗体濃度の変化を測定し、その後で好ましい治療効果のための未標識のモノクローナル抗体の最小必要濃度が達成されそして該治療中維持されるような未標識のモノクローナル抗体を投与することを含んで成り、その間より低い全身抗体濃度のために望ましくない副作用が最小になる方法に関する。
療法におけるモノクローナル抗体
癌に対する治療的武器を改善する現在進行中の探求において、手術、化学療法及び放射線療法以外の第四の武器、即ちターゲット療法が現れた。ターゲット療法としては、チロシンキナーゼ受容体阻害剤(イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブのような小分子阻害剤)、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)、生物学的応答変更剤(デニロイキンジフチトクス)及びモノクローナル抗体(MAb)が挙げられる。ターゲット療法としてのMAbの顕著な特異性は、それらをヒト療法のための有力な剤にする。MAbは疾患に対して保護するのに治療的に使用できるだけでなく、それらは様々な病気を診断し、血清タンパク質及び薬剤レベルを測定し、組織と血液をタイピングし、そして免疫応答に関与する感染物質と特定細胞を同定するためにも使用することができる。開発中の全バイオ医薬の約1/4がMAbであり、約30種の製品が使用されているか又は研究中である。MAbの大部分は癌に使用されている。(Gupta, N.他、Indian Journal of Pharmacology, 38 (2006) 390-396 ; Funaro, A.他、Biotechnology Advances 18 (2000) 385-401 ; Suemitsu, N.他、Immunology Froutier 9 (1999) 231-236)。
標識モノクローナル抗体及び生体内画像診断
生体内画像診断法の幾つかは、通常抗体の標識誘導体に基づいた腫瘍組織中の治療抗体の定量に利用できる。前記標識抗体としては一般に、放射能、例えばポジトロン放出断層撮影法(PET)に使用される、124I,111In,64Cu等(例えばRobinson, M.K.他、Cancer Res. 65 (2005) 1471-1478 ; Lawrentschuk, N.他、BJU International 97 (2006) 916-922 ; Olafsen, T.他、Cancer Research 65 (2005) 5907-5916 ; Trotter, D.E.他、Journal of Nuclear Medicine 45 (2004) 1237-1244を参照のこと)、単光子放出コンピューター断層撮影法(SPECT)に使用される123I,125I及び99mTc等(例えばOrlova, A.他、Journal of Nulear Medicine 47 (2006) 512-519 ; Dietlein, M.他、European Journal of Haematology 74 (2005) 348-352を参照のこと)で標識された抗体が挙げられる。
生体内画像診断技術用に非放射性標識、例えば近赤外(NIR)蛍光標識、活性化可能な色素、及び内因性レポーター基(GFP様タンパク質のような蛍光タンパク質、及び生物発光画像診断)も知られている(Licha, K.他、Adv. Drug Rev., 57 (2005) 1087-1108)。特にNIR蛍光画像診断は、腫瘍組織中の治療抗体の定量に使用することができる。他の現行臨床画像診断法を上回る近赤外画像診断法の利点としては次のものが挙げられる:複数の区別できないプローブの同時使用が可能(分子画像診断に重要);高い一時的分解(機能的画像診断に重要);高い空間的分離(生体内顕微鏡検査に重要):及び安全性(イオン化照射なし)。
NIR蛍光画像診断では、濾過された光又は限定された波長を有するレーザーが励起光の源として使用される。励起光は体組織を通って移動する。それが近赤外蛍光分子(「造影剤」)と出会うと、励起光が吸収される。
蛍光分子は次いでその励起光から分光的に区別可能である(わずかに長い波長)光(蛍光)を発生する。近赤外光による生物組織の良好な透過にも関わらず、従来の近赤外蛍光プローブは、別の造影剤が遭遇する多くの同じ制限、例えば低い標識/バックグラウンド比を受ける。
近赤外放射腺は6〜8センチメートルまでの組織浸透を示すので、近赤外波長(約640〜1300 nm)は内部組織の光学画像診断に使用されている。例えばWyatt, J.S., Phil. Trans. R. Soc. B 352 (1997) 697-700 ; Tromberg, B.J.他、Phil. Trans. R. Soc. London B 352 (1997) 661-667を参照のこと。
生体内画像診断に使用される抗体標識接合体の正確な量は、使用する標識の様々な性質や観点に依存し、例えばNIR蛍光標識の場合、標識の量子収率が使用する標識又は標識抗体の量の必要条件の1つである(例えばWO 2006/072580を参照のこと)。
療法における非標識モノクローナル抗体の投与及びモニタリング
悪性疾患の好結果治療法に影響を及ぼす要因としては、使用する抗体の量、投与スケジュール、抗体の半減期及び迅速な血液クリアランス、循環抗原の存在、高/モル重量モノクローナル抗体(mAB)の低腫瘍浸透性、並びにそれらの分子が代謝される経路が挙げられる。現在、抗体の生理学的機能と代謝の多くの面についての知識が欠けている(Iznaga-Escobar, N.他、Meth. Find. Exp. Clin. Pharm. (2004) 26(2) 123-127)。
悪性疾患の治療における抗体の用量と投与パターンは、一般に、血清半減期、種々の用量でのAUC、血液クリアランス等といった、そのような抗体の血清薬物動態特性に基づいている(Iznaga-Escobar, N.他、Meth. Find. Exp. Clin. Pharm. (2004) 26(2) 123-127 ; Lobo, E.D.他、J. Pharm. Sci. 93 (2004) 2645-2668 ; Tabrizi, M.A.他、Drug Discovery Today 11 (2006) 81-88)。
例えば、腫瘍治療において、固形腫瘍を標的指向する抗体の高血清レベルは、実際にその後の治療評価の基本的必要条件であると考えられる。この評価は、血清レベルがしばしば患者間で非常に異なるので困難である。しかしながら、最も最適な経路でそれの関連標的に結合する治療モノクローナル抗体は、関連標的に対してより低い親和性を有する抗体に比較して、迅速な血清クリアランス(関連する標的/媒介クリアランス)を有するだろう。これは、治療抗体の血漿レベルが腫瘍組織中の抗体の濃度と常に相関関係があるわけではないという1つの理由であるかもしれない(Clarke, K.他、Cancer Res. 60 (2000) 4804-4811 ; Charastina, A.他、Int. J. Cancer 105 (2003) 873-881 ; Lub-de Hooge, M.N.他、Brit. J. Pharmacol. 143 (2004) 99-106 ; Robinson, M.K.他、Cancer Res. 65 (2005) 1471-1478 ; Kenanova, V.他、Cancer Res. 65 (2005) 622-631 ; Batra, S.K.他、Curr. Opin. Biotechnol. 6 (2002) 603-608中に概説)。結果として、治療抗体の高血清レベル(特に腫瘍関連抗原に対する抗体)が、標的への減少した結合を示すことになる。更に、治療抗体が過剰投与(腫瘍飽和量以上に)される場合、遊離抗体がより低い親和性エピトーブに(又は免疫エフェクター細胞上のFcレセプターに)結合し、これが心筋細胞上のHER2阻害による抗HER2抗体治療での心不全といった、望ましくない副作用をもたらし得る(Grazette, L.P.他、J. Am. Coll. Card. (2004) 44(11), 2231-8 ; Negro, A., Recent Progres in Hormone Researh 59 (2004) 1-12 ; Negro, A.他、PNAS 103 (2006) 15889-15893)。従って、関連する血清半減期と一緒に単独の血清レベルの測定は、最も適した投与パターンを限定しなければならない時に誤解を招くかもしれない。
標識抗体の副作用
放射性標識で標識されたモノクローナル抗体は、そのような標識が健康な細胞でも引き起こし得る細胞障害のために1つの大きな欠点を有する。特に、それらの放射性標識抗体が診断目的で使用される場合、それらの副作用は望ましくない。実際、非放射性標識に共有結合された異なるモノクローナル抗体が存在する(Ballou, B.他、Proceeding of SPIE-The International Society for Optical Engineering 2680 (1996) 124-131 ; Ballou, B.他、Cancer detection and prevention (1998) 22 251-257 ; Becker, A.他、Nature Biotechnology 19 (2001) 327-331 ; Montet, X.他、Cancer Research 65 (2005) 6330-6336 ; Rosenthal, E.L.他、The Laryngoscope 116 (2006) 1636-1641 ; Hilger, I.他、European Radiology 14 (2004) 1124-1129 ; EP 1 619 501, WO 2006/072580, WO 2004/065491及びWO 2001/023005)。
それらの結合体は罹患部位とサイズ(例えば腫瘍の又は炎症の)を検出するための生体内画像診断技術において使用された。この診断用途はいずれも、手術かモノクローナル抗体を含む化学療法剤のいずれかによる治療の前又は後での診断を意図している。一般にそれらの標識モノクローナル抗体は、使用する非放射性標識の副作用が重要でない役割を果たすような(放射性標識の使用に比較して)診断用量で使用された。
しかしながら、それらの標識モノクローナル抗体が治療に使用されるならば、それらの標識のしばしば深刻な毒性のために非放射性標識の量が重要である(特にシアニン及びカルボシアニン色素の量;例えばKues, H.A., Lutty, G.A. “Dyes can be deadly”; Laser Focus (1975) 11(5) 59-61参照)。従って、それらの標識モノクローナル抗体は、望ましくない副作用を引き起こすことなく、治療剤として又は治療用量で直接使用することができるというのは疑わしい(例えばHilger, I.他、European Radiology 14 (2004) 1124-1129参照)。
治療抗体の副作用
モノクローナル抗体治療の望ましくない副作用がその治療の過程で及びそのような治療の最大持続期間で重要な役割を果たすので、前記抗体による最初の治療中の罹患領域(着目の領域、例えば腫瘍又は炎症部位の)での抗体濃度の時間依存性についての十分な情報を得ることは重要な課題である。これは、望ましくない過剰投与が最小限に抑えられ且つ最小の必要な抗体濃度が使用されるような方法で連続処置/投与のための投与スケジュールの採択を可能にするだろう。
副作用の最小化に関する個々の投与スケジュールを最適化するために、患者間での抗体濃度の時間依存性の差異を考慮に入れることができる。
本発明は、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた量で
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体;及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物に関する。
好ましくは前記モノクローナル抗体が治療モノクローナル抗体である。
未標識抗体対標識抗体の典型的比は少なくとも1:9である。1つの好ましい態様では、その比は少なくとも2:1であり、別の好ましい態様ではその比は少なくとも9:1であり、更に別の好ましい態様ではその比は少なくとも19:1である。
最大比は典型的には標識の検出限界により制限される。よって、理想の比は、まだ十分なNIR蛍光シグナル又は検出中の画像を与える標識抗体の最低部分を有するものであろう。こうして未標識の治療モノクローナル抗体は、その作用機序で少なくとも治療効果を及ぼし、それと同時に、例えば固形腫瘍の領域での標識抗体の速度論についての重要な情報を得ることができ、この情報は最適な用量間隔又はスキームのための基本として使用することができる。未標識抗体対標識抗体の比は、当業者により日常的実験において評価することができる。これに関して、組成物は典型的には少なくとも0.001 mg/kg体重、好ましくは0.01 mg/kg体重、より好ましくは0.1 mg/kg体重の量で標識抗体を含んで成る。正確な量は、異なることができ、そして例えば標識及びそれの量収率に依存することができる。その量は当業者により単純な日常的実験で限定することができる。よって、その比の上限は典型的な治療用量と標識の検出限界に依存して異なる。治療的処置のためのモノクローナル抗体の典型的用量に基づいて(例えばトラスツズマブの用量は2〜8 mg/kg体重の当たりにある)、好ましい最大比は例えば500:1であり、別の好ましい比は100:1であり、他の比は50:1であり、更に別の比は20:1である。
好ましくは、ヒトタンパク質は過剰発現されたヒトタンパク質、より好ましくは過剰発現された腫瘍関連タンパク質である。
よって本発明は、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比での
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、過剰発現が腫瘍疾患に関連がある抗体;及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成る医薬組成物に関する。
この組成物は、そのようなヒトタンパク質の過剰発現に関連付けられる疾患(例えば関連タンパク質過剰発現を有する癌、例えばHER陽性乳癌)を有する患者を治療するために使用でき、そして同時に最適化された投与間隔(薬剤代謝に依存して個々の患者について)を決定するのに役立つことができる。
投与間隔の長さは、主に2つの面に基づいて決定される。一方では、疾患の部位でのモノクローナル抗体の量が治療効果を発揮するのに十分な位十分に短くなければならず、他方で、過剰発現及び薬剤に関連する副作用を最小化するのに十分な位長くなければならない。
普通、投与間隔は1) 例えばモノクローナル抗体の血清レベル及び2) 後で関連付けられる治療の効果の別々の測定により決定される。しかしながら、このアプローチを使って、異なる患者の異なる代謝は無視されるか、又は患者の多数のグループの平均をとることにより取り除かれる。よって、新規組成物は未標識抗体と標識治療モノクローナル抗体を含んで成る。
本発明の別の態様は、前記医薬組成物の製造のための、過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体の使用であって、前記過剰発現が腫瘍疾患に関連付けられ、第一の腫瘍治療のための該組成物は、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成り、そして
前記第一の治療の後で、
腫瘍部位のNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体のシグナル強度が腫瘍部位での最大シグナル強度の80%である時に、未標識モノクローナル抗体を含んで成るが標識モノクローナル抗体を含まない第二の医薬組成物での第二の治療を実施することを特徴とする。
別の態様では、第二の治療はシグナル強度が70%である時に与えられ、更に別の態様ではシグナル強度が60%である。
本発明の別の態様は、第一の腫瘍治療のための、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、前記過剰発現が腫瘍疾患に関連がある抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成る医薬組成物の製造のための、過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体の使用であって、
未標識モノクローナル抗体を含んで成るが標識モノクローナル抗体を含まない第二の医薬組成物を、腫瘍部位のNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体のシグナル強度が、第一の治療後に測定された固形腫瘍の領域中の最大シグナル強度の80%である時に、投与することを特徴とする使用である。
別の態様では、第二の治療はシグナル強度が70%である時に与えられ、更に別の態様ではシグナル強度が60%である。
本発明の別の態様は、第一の腫瘍治療のための、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、前記過剰発現が腫瘍疾患に関連がある抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成る医薬組成物、及び第二の腫瘍治療のための、未標識モノクローナル抗体を含んで成るが標識モノクローナル抗体を含まない医薬組成物である。
本発明の別の態様は、第一の腫瘍治療のための、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
b) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、該過剰発現が腫瘍疾患に関連がある抗体、及び
c) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
a) を含んで成る容器;及び
第二の腫瘍治療のための、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体を含んで成るが標識された治療モノクローナル抗体を含まない医薬組成物
を含んで成る容器である。
本発明の一態様は、癌、好ましくは固形腫瘍の治療用の前記医薬組成物の製造のための前記モノクローナル抗体の使用である。
本発明の別の態様は、癌、好ましくは固形腫瘍の治療用の医薬組成物の製造のための過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体の使用であって、前記未標識のモノクローナル抗体が、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と共に同時投与されることを特徴とする使用である。
本発明の別の態様は、腫瘍関連タンパク質を過剰発現している固形腫瘍を患っている患者の治療用の医薬の製造のための過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体の使用であって、前記未標識の抗体はNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と共に同時投与される。
本発明の一態様では、前記腫瘍関連タンパク質を過剰発現している固形腫瘍を患っている患者のNIR蛍光画像が獲得される。
本発明の別の態様では、固形腫瘍の領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体のNIR蛍光シグナルが測定される。
本発明の別の態様は、腫瘍関連タンパク質を過剰発現している固形腫瘍を患っている患者の治療のための、過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体であり、ここで前記未標識の抗体はNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と共に同時投与される。
本発明の別の態様は、一定量の医薬組成物を投与した腫瘍関連タンパク質を過剰発現している固形腫瘍を患っている患者のNIR蛍光画像を獲得する方法であって、前記組成物は、少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、前記過剰発現が腫瘍疾患と関連がある抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成り、
ここで固形腫瘍の一領域中の過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する前記標識治療モノクローナル抗体のNIR蛍光シグナルが測定される
ことを特徴とする方法である。
本発明の別の態様は、医薬組成物による治療を受けた患者の固形腫瘍の一領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された治療モノクローナル抗体のNIR蛍光シグナルを測定する方法であって、前記医薬組成物が
少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であって、前記過剰発現が腫瘍疾患と関連がある抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記治療モノクローナル抗体
を含んで成ることを特徴とする方法である。
本発明の別の態様は、癌の治療用の医薬組成物の製造のためのヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体の使用であって、前記モノクローナル抗体が少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体と共に同時投与されることを特徴とする使用である。
本発明の別の態様は、医薬組成物での治療の最中のNIR蛍光標識に共有結合で結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法であって、前記医薬組成物が、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成ることを特徴とする方法である。
本発明の別の態様は、前記未標識モノクローナル抗体と同時投与の再中のNIR蛍光標識に共有結合で結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法である。
発明の詳細な説明
1.定義
用語「抗体」は、非限定的に完全な抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体及び遺伝子操作された抗体、例えばモノクローナル抗体、キメラ抗体又は組み換え抗体、並びに本発明に係る特徴的性質が維持される限りでのそのような抗体の断片、をはじめとする抗体の様々な形態を包含する。
本明細書中で称する用語「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」とは、単一アミノ酸組成の抗体分子の調製物を言う。従って、「ヒトモノクローナル抗体」という用語は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列から誘導された可変領域と定常領域を有する単一の結合特異性を示す抗体を言う。一態様では、ヒトモノクローナル抗体は、ヒト重鎖トランス遺伝子と不死化細胞に融合された軽鎖ヒトトランス遺伝子を含んで成るゲノムを有する、トランスジェニック非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウスから得られたB細胞を含むハイブリドーマにより生産される。
本明細書中で使用する用語「治療モノクローナル抗体」は、ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに特異的に結合し、且つ患者に投与した時に前記ヒト膜貫通タンパク質の発現と関連がある疾患に対して治療効果を有する、上記に定義したモノクローナル抗体を言う。好ましくは、治療モノクローナル抗体は、前記腫瘍又は癌疾患の発現、好ましくは過剰発現と関連がある、腫瘍又は癌疾患の治療効果を有する。典型的には、そのような抗腫瘍治療モノクローナル抗体は、例えば、アレムツズマブ、アポリズマブ、セツキシマブ、エプラツズマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、イピリムマブ、ラベツズマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ニモツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ及びペルツズマブ、好ましくはトラスツズマブ、セツキシマブ及びペルツズマブから成る非限定的群より選択することができる。
用語「キメラ抗体」とは、通常は組換えDNA技術により調製された、1つの源又は種からの可変領域、即ち結合領域と、別の源又は種から誘導された定常領域の少なくとも一部分とを含んで成るモノクローナル抗体を言う。マウス可変領域とヒト定常領域とを含んで成るキメラ抗体が特に好ましい。そのようなマウス/ヒトキメラ抗体は、マウス免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメントと、ヒト免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントとを含んで成る、発現された免疫グロブリン遺伝子の産物である。「キメラ抗体」の別の形は、クラス又はサブクラスが元の抗体のものから修飾又は変更されているものである。そのような「キメラ抗体」は、「クラススイッチ抗体」とも呼ばれる。キメラ抗体を作製する方法は、当業界で現在周知である常用の組換えDNA及び遺伝子トランスフェクション技術を含む。例えばMorrison, S.L.他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855 ; US 5,202,238及びUS 5,204,244を参照のこと。
用語「ヒト化抗体」とは、フレームワーク又は「相補性決定領域(CDR)」が親の免疫グロブリンのものと比較して異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含んで成るように変更されている抗体を言う。好ましい態様では、マウスCDRがヒト抗体のフレームワーク領域にグラフトされて「ヒト化抗体」を調製する。例えばRiechmann, L.他、Nature 332 (1988) 323-327 ; Neuberger, M.S.他、Nature 314 (1985) 268-270を参照のこと。特に好ましいCDRは、キメラ及び二機能性抗体について上述した抗原を認識する配列に相当する。
本明細書中で使用する用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列から誘導された可変及び定常領域を有する抗体を包含するものである。ヒト抗体は技術の現状で周知である(van Dijk, M.A.及びvan de Winkel, J.G., Curr. Opin. in Chemical Biology 5 (2001) 368-374)。そのような技術に基づいて、多様な標的に対するヒト抗体を作製することができる。ヒト抗体の例は例えばKellermann, S.A.他、Curr. Opin. Biotechnol. 13 (2002) 593-597中に記載されている。
本明細書中で使用する用語「組み換えヒト抗体」は、組み換え手段により調製、発現、作製又は単離された全てのヒト抗体を包含するものであり、例えばNS0もしくはCHO細胞のような宿主細胞から又は宿主細胞中にトランスフェクトされた組み換え発現ベクターを使って発現されたヒト免疫グロブリン遺伝子もしくは抗体に対してトランスジェニックである動物(例えばマウス)から単離された抗体である。そのような組み換えヒト抗体は再配列された形でヒト免疫グロブリンの生殖細胞系列配列から誘導された可変及び定常領域を有する。本発明に係る組み換えヒト抗体は、生体内体細胞超変異にかけられている。よって、ヒト生殖細胞系列VH及びVL配列から誘導されそしてそれに関連する配列である組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、生体内のヒト抗体生殖細胞系列レパートリーの中には天然に存在しないであろう。
本明細書中で使用する「結合する」又は「特異的に結合する」とは、抗体が特異的であるヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインへの抗体結合を言う。好ましくは、結合親和力は約10-11〜10-8M(KD)であり、好ましくは約10-11〜10-9Mである。
本明細書中で使用する用語「核酸分子」とは、DNA分子とRNA分子を包含するものである。核酸分子は一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、好ましくは二本鎖DNAである。
「定常領域」は、抗原への抗体の結合に直接関連しないがエフェクター機能に関係する(ADCC,補体結合及びCDC)。
本明細書中で使用する「可変領域」(軽鎖(VL)の可変領域、重鎖(VH)の可変領域)は、抗原への抗体の結合に直接関連する軽鎖と重鎖の対の各々を表す。可変ヒト軽鎖及び重鎖のドメインは同じ一般構造を有し、各ドメインは、3つの「超可変領域」により連結された、配列が広く保存されている4つのフレームワーク(FR)領域を含んで成る(又は相補性決定領域(CDR))。フレームワーク領域はβ−シート構造を採用し、そしてCDRはβ−シート構造を連結するループを形成することができる。各鎖中のCDRは、フレームワーク領域により三次元構造中に維持され、そして別の鎖からのCDRと一緒になって抗原結合部位を形成する。抗体重鎖及び軽鎖CDR3領域は、本発明に係る抗体の結合特異性/親和性において特に重要な役割を果たし、従って本発明の更なる目的を提供する。
本明細書中で使用する時の用語「超可変領域」又は「抗体の抗原結合部分」は、抗原結合の原因である抗体のアミノ酸残基を指して言う。超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基を含んで成る。「フレームワーク」又は「FR」領域は、ここで定義されるような超可変領域残基以外の可変領域である。従って、抗体の軽鎖と重鎖は、N末端からC末端に向かって、ドメインFR1,CDR1,FR2,CDR2,FR3,CDR3及びFR4を含んで成る。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域である。CDRとFR領域は、Kabat, E.A.他、Sequence of Proteins of Immunological Interest, 第5版, Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991)の標準定義に従って決定されそして/又は「超可変ループ」からの残基である。
本明細書中で使用する時の用語「ヒト膜貫通タンパク質」は、細胞の脂質二重膜中に固定された細胞膜タンパク質を言う。ヒト膜貫通タンパク質は、リガンドを結合することができる、一般に本明細書中で使用する「細胞外ドメイン」;親油性膜貫通ドメイン;保存された細胞内ドメインチロシンキナーゼドメイン;およびリン酸化され得る幾つかのチロシン残基を持っているカルボキシル末端シグナル形成ドメインを含んで成るだろう。
ヒト膜貫通タンパク質としては、EGFR, HER2/neu, HER3, HER4, Ep-CAM, CEA, TRAIL, TRAILレセプター1, TRAILレセプター2,リンホトキシンβレセプター,CCR4, CD19, CD20, CD22, CD28, CD33, CD40, CD80, CSF-1R, CTLA-4, 繊維芽活性化タンパク質(FAP),ヘプシン,黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP),前立腺特異的膜抗原(PSMA),VEGFレセプター1, VEGFレセプター2, IGF1-R, TSLP-R, TIE-1, TIE-2, TNF-α, TNF様のアポトーシス弱力誘導因子(TWEAK),IL-1R,好ましくはBEGFR, HER2/neu, CEA, CD20又はIGF1-Rが挙げられる。
本明細書中で使用する用語「癌」及び「腫瘍」は、典型的には無秩序の細胞増殖により特徴づけられる哺乳類の生理学的状態を言うか又は説明する。癌又は腫瘍の例としては、非限定的に、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽細胞腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ及び島細胞癌を含む)、中皮腫、シュワン細胞癌(聴神経腫を含む)、髄膜腫、腺癌、黒色腫、及び白血病又はリンパ悪性が挙げられる。そのような癌の更なる特定例としては、扁平細胞癌(例えば上皮扁平細胞癌)、肺癌、例えば小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、及び肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃腸癌を含む胃癌、膵臓癌、膠芽細胞腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結直腸癌、子宮内膜癌又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓又は直腸癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌、陰茎癌、精巣癌、食道癌、胆汁管の癌及び頸部癌が挙げられる。好ましくは癌は固形腫瘍である。
本明細書中で使用する時の用語「固形腫瘍」は、胃腸癌、膵臓癌、膠芽細胞腫、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、直腸癌、結直腸癌、子宮内膜又は子宮癌、唾液腺癌、腎臓又は直腸癌、前立腺癌、陰門癌、甲状腺癌、膵臓癌、肛門癌、陰茎癌、精巣癌、食道癌、胆汁管癌、並びに頭部及び頸部の癌の群より選択された腫瘍を言う。
用語「過剰発現された」ヒト膜貫通タンパク質又はヒト膜貫通タンパク質の「過剰発現」は、組織もしくは器官からの正常細胞中での発現のレベルに比較して親の特定組織もしくは器官内の腫瘍又は関節炎のような罹患部位からの細胞中のヒト膜貫通タンパク質の発現の異常レベルを指摘するために用いられる。例えばヒト膜貫通タンパク質の過剰発現により特徴づけられる患者は、当業界で既知の標準アッセイにより決定することができる。
用語「同時投与」又は「同時投与する」は、未標識抗体と同時に標識抗体が投与されることを意味する。
抗体は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により捜し求められている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を惹起するであろう目的化合物又は組成物の量である、治療上有効な量で患者に投与されることは自明である。
本明細書中に記載するように、「患者」は好ましくは、癌、又は前癌状態もしくは病変を治療する治療を必要とするヒトを言う。しかしながら、「患者」という用語は、非ヒト動物、好ましくはイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び治療を必要とする特に非ヒト霊長類も言及することができる。
本明細書中で使用する用語「標識に共有結合で結合された抗体」又は「標識抗体」は、標識に結合されている抗体を言う。結合技術は、過去数年間の間に十分に熟成されており、そして優れた概説がAslam, M.及びDent, A., Bioconjugation, London (1998) 216-363中及びTijssen, P., “Practice and theory of enzyme immunoassay”中の章“Macromolecule conjucation”中に与えられている。
本明細書中で使用する用語「未標識抗体」は、標識されていない抗体を言う。
本明細書中で使用する用語「NIR」は、近赤外を意味する。
本明細書中で使用する時の用語「固形腫瘍の領域」は、固形腫瘍を含んで成る区画を言う。固形腫瘍の領域は完全な固形腫瘍又はそれの局所部分のみのいずれかを含んで成ることができる。前記固形腫瘍の領域中のNIR蛍光シグナルが測定され、そして二次元又は三次元系のいずれかで、例えば周囲の非腫瘍組織との比較において、又は比較対照として異なる時点でのNIR蛍光シグナル又は画像との比較において、対応するNIR蛍光画像が獲得される。
用語「予め決められた比で」とは、そのような組成物の調製前に決定された、未標識抗体と標識抗体の比を言う。その比は、例えば固形腫瘍又は悪性血液細胞の画像診断のためのそのような組成物の意図する使用、画像診断装置(例えば外視又は内視鏡等)と関連して選択され、そして特に使用する標識及び抗体上の量子収率に依存する。
未標識抗体対標識抗体の典型的比は、少なくとも1:9であり、好ましくは少なくとも2:1であり、より好ましくは少なくとも9:1である。最大比は典型的には標識の検出限界により限定される。これに関連して、組成物は典型的には少なくとも0.001 mg/kg体重、好ましくは0.01 mg/kg体重、より好ましくは0.1 mg/kg体重の量で標識抗体を含んで成る。正確な量は異なることができ、そして例えば標識及びそれの量子収率に依存することができる。その量は単純な日常的実験により当業者により限定することができる。
2.具体的説明
本発明は、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物に関する。
好ましくは、ヒトタンパク質は過剰発現されたヒトタンパク質であり、そして更に過剰発現は疾患に関連付けられる。
好ましい態様では、前記抗体は腫瘍学的標的、例えば固形腫瘍中の循環悪性細胞又は膜貫通タンパク質に対して向けられる。好ましい態様では、前記抗体はEGFR,HER2/neu, HER3, HER4, Ep-CAM, CEA, TRAIL, TRAILレセプター1,TRAILレセプター2, リンホトキシンβレセプター, CCR4, CD19, CD20, CD22, CD28, CD33, CD40, CD80, CSF-1R, CTLA-4, 繊維芽活性化タンパク質(FAP)、ヘプシン、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、VEGFレセプター1、VEGFレセプター2、IGF1-R,TSLP-R,TIE-1, TIE-2, TNF-α, THF様アポトーシス弱力誘導因子(TWEAK), IL-1R, 好ましくはEGFR, HER2/neu, CEA, CD20又はIGF1-Rに向けられる。
好ましくは前記抗体が抗HER2抗体であり、好ましくはトラスツズマブ又はペルツズマブである。
好ましくは前記抗体が抗EGFR2抗体であり、好ましくはセツキシマブ、ニモツズマブ又はマツズマブである。好ましくは前記抗体が抗IGF1R抗体である。
本発明の一態様では、医薬組成物は抗体が次の群から選択されることを特徴とする:
アレムツズマブ、アポリズマブ、セツキシマブ、エプラツズマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、イピリムマブ、ラベツズマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ニモツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ及びペルツズマブ、好ましくはトラスツズマブ、セツキシマブ及びペルツズマブ。
該組成物は、典型的には少なくとも0.001 mg/kg体重、好ましくは0.01 mg/kg体重、より好ましくは0.1 mg/kg体重の量の標識に共有結合で結合された抗体を含んで成る。正確な量は変化し、そして例えば標識及びそれの量子収率に依存し得る。該量は単純な日常的実験により当業者により決定することができる。
前記抗体は、NIR蛍光画像診断を使った腫瘍濃度の測定に適当な近赤外(NIR)蛍光標識で標識される。
固形腫瘍の領域中のNIR蛍光シグナルの「測定」又は「決定」は、患者への標識抗体の投与後に実施される。又は、本発明に係る組成物を使用する場合、患者への未標識抗体と標識抗体の組成物の投与後に実施される。測定は、投与後の限定された時点で、即ち1日、2日もしくは3日目又は更に数日目に、又は固形腫瘍の領域中の比較可能なNIR蛍光シグナル又は画像を獲得するのに適したいずれかの時点で、実施することができる。測定の期間又は投与後の時点は、適当なNIR蛍光シグナル又は画像が得られるようなやり方で当業者により調節することができる。
NIR蛍光測定には、様々な装置又は技術を使用することができ、例えば乳癌のような外部固形腫瘍には、ART Advanced Research Technologies Inc.からのSoftScan(登録商標)(http://www.art.ca/en/products/softscan.html)が適当である(Intes X, Acad. Radiol. 12 (2005) 934-947)。結直腸癌又は肺癌のような内部罹患領域の場合、内視鏡技術又はマイクロ手術−内視鏡の組み合わせを使用することができる。
近赤外スペクトル中に励起及び発光波長を有するNIR蛍光標識、即ち、640〜1300 nm、好ましくは640〜1200 nm、より好ましくは640〜900 nmが使用される。電磁気スペクトルのこの部分は、組織透過を最大にし且つヘモグロビン(<650 nm)及び水(>1200 nm)のような生理学的に豊富な吸収剤による吸収を最小にする。生体内使用のための理想的近赤外蛍光団は次の特徴を示す:
(1) 狭域のスペクトル性質、
(2) 高い感度(量子収率)、
(3) 生体適合性、及び
(4) 分断された吸収及び励起スペクトル。
様々な近赤外(NIR)蛍光標識が市販されており、そして本発明に従ってプローブを調製するのに使用することができる。典型的なNIRF標識としては次のものが挙げられる:Cy5.5, Cy5及びCy7(Amersham, Arlington Hts., IL);IRD41及びIRD700(LI-COR, Lincoln, NE);NIR-1(Dejindo, Kumamoto, Japan);LaJolla Blue(Diatron, Miami, FL);インドシアニン緑(ICG)及びその類似体(Licha, K.他、SIPE-The International Society for Optical Engineering 2927 (1996) 192-198 ; Ito, S.他、US 5,968,479);インドトリカルボシアニン(ITC; WO 98/47538);及びキレート化ランタニド化合物。蛍光ランタニド金属としてはユーロピウム及びテルビウムが挙げられる。ランタニドの蛍光性質は、Lackowicz, J.R., Principle of Fluorescence Spectoroscopy, 第2版, Kluwa Academic, New York (1999)中に記載されている。
従って、前記抗体は好ましくはCy5.5, Cy5, Cy7, IRD41, IRD700, NIR-1, Lajolla Blue, インドシアニン緑(ICG)、インドトリカルボシアニン(ITC)並びにSF64, 5-29, 5-36及び5-41(WO 2006/072580から)の群から選択されたNIR蛍光標識により標識され、より好ましくは前記抗体はCy5.5, Cy5及びCy7の群から選択されたNIRF標識で標識される。
NIR蛍光標識のカップリングに使用される方法は当業界で周知である。抗体へのNIR蛍光標識の結合技術は、過去数年間の間に十分に成熟し、そして優れた解説がAslam, M.及びDent, A., Bioconjugation (1998) 216-363, London及びTijssen, P.他、“Practice and theory of enzyme immunoassays”, Elsevier, Amsterdam中の章“Macromolecule conjugation”中に与えられている。
適当なカップリング化学は上述した文献(Aslam, 前掲)から既知である。NIR蛍光標識は、どんなカップリング成分が存在するかに依存して、水性又は有機媒質中で抗体と直接反応させることができる。カップリング成分は、抗体への蛍光標識の化学的カップリングに使用される反応性基又は活性化基である。蛍光団標識は抗体に直接結合させることができ、又はスペーサーを介して抗体に連結させて、抗体とNIR蛍光標識を含んで成るNIR蛍光標識接合体を形成させることができる。使用されるスペーサーは、本質的に長い生体内持続性(半減期)を有するように選択又はデザインすることができる。
固形腫瘍の領域中のNIR蛍光標識の「測定」又は「決定」は、患者への標識抗体の投与後に実施される。或いは、本発明に係る組成物を使用する場合、患者への未標識抗体と標識抗体の組成物の投与後に実施される。測定は投与後の限定された時点で、例えば1日、2日もしくは3日目又はそれ以上の日数目に、又は固形腫瘍の一領域中で比較可能なNIR蛍光シグナル又は画像を獲得するのに適当な別の時点で実施することができる。測定の期間又は投与後の時点は、適当なNIR蛍光シグナル又は画像を得るようなやり方で当業者により調整することができる。例えば、投与後第一週に、腫瘍濃度の増加に依存して毎日又は2〜3日毎に測定を実施することができる。第二週及びその後の週に、抗体の腫瘍濃度の増加及び減少に依存して、2〜5日毎に測定を実施することができる。腫瘍濃度の増加及び減少は抗体の種類に依存するので、更に別の測定期間が適当であり、例えば一週間又はそれより長い期間が適当であるかもしれない。測定は標識抗体の量の変化を検出するようなやり方で調整されるだろう。
NIR蛍光測定には、様々な装置及び技術が使用でき、例えば乳癌のような外部固形腫瘍には、ART Advanced Research Technologies Inc.からのSoftScan(登録商標)(http://www.art.ca/en/products/softscan.html)が適当である(Intes, X., Acad。Radiol. 12 (2005) 934-947)。結直腸癌又は肺癌のような内部罹患領域には、内視鏡技術又はマイクロ手術−内視鏡の組み合わせを使用することができる。
例えば悪性血液細胞(白血病での)中の標識抗体の量を検出するために、血球計数装置と組み合わせたシャントを使用して、血球当たりのシグナル量を検出することができる。
本発明の実施に有用なNIR蛍光測定のための画像診断系は、典型的には3つの基本的成分を含んで成る:(1) 近赤外光源、(2) 蛍光団の励起に使用した光からの蛍光発光を分離又は識別するための手段、及び(3) 検出系。
光源は単色性(又は実質的に単色性)近赤外光を提供する。光源は適当に濾過された白色光、即ち広域源からの帯域通過光であることができる。例えば、150ワットのハロゲンランプからの光を、Omega Optical(Brattleboro, VT)から市販されている適当な帯域通過フィルターを通して濾過することができる。或る態様では、光源がレーザーである。例えば、Boas, D.A.他、1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 4887-4891 ; Ntziachristos, V.他、2000, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97, 2767-2772 ; Alexander, W., 1991, J. Clin. Laser Med. Surg. 9, 416-418を参照のこと。
高通過フィルター(700 nm)を使って励起光から蛍光発光を分離することができる。適当な高通過フィルターはOmega Opticalから市販されている。
一般に、光検出系は、光収集/画像形成成分と光検出/画像記録成分とを含んで成ると見なすことができる。光検出系は両成分を含む単一の一体化装置であってもよいが、光収集/画像形成成分と光検出/画像記録成分が別々に議論されるだろう。
特に有用な光収集/画像形成成分は内視鏡である。多数の組織と器官、例えば腹膜(Gahlen, J.他、J. Photochem. Photobiol. B52 (1999) 131-135)、卵巣癌(Major, A.L.他、Gynecol. Oncol. 66 (1997) 122-132)、結腸(Mycek, M.A.他、Gastrointest. Endoscopy. 48 (1998) 390-394 ; Stepp, H.他、Endoscopy 30 (1998) 379-386)、胆汁管(Izuishi, K.他、Hepatogastroenterology 46 (1999) 804-807)、胃(Abe, S.他、Endoscopy 32 (2000) 281-286)、膀胱(Kriegmair, M.他、Urol. Int. 63 (1999) 27-31 ; Riedl, C.R.他、J. Endourol. 13, 755-759)及び脳(Ward, J.他、Laser Appl. 10 (1998) 224-228)の生体内光学画像診断に使用されている内視鏡装置及び技術は、本発明の実施に使用することができる。
本発明に有用な光収集成分の別の型は、カテーテルベースの装置、例えばファイバー光学装置である。そのような装置は特に血管内画像診断に有用である。例えばTearney, G.J.他、Science 276 (1997) 2037-2039 ; Boppart, S.A.他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 4256-4261を参照のこと。
更に別の画像診断技術、例えば位相配列技術(Boas, D.A.他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 (1994) 4887-4891 ; Chance, B., Journal Ann. NY Acad. Sci. 838 (1998) 29-45)、拡散光トモグラフィー(Cheng, X.他、Optics Express 3 (1998) 118-123 ; Siegel, A.他、Optics Express 4 (1999) 287-298)、生体顕微鏡検査(Dellian, M.他、Journal Br. J. Cancer 82 (2000) 1513-1518 ; Monsky, W.L.他、Cancer Res. 59 (1999) 4129-4135 ; Fukumura他、Cell 94 (1998) 715-725)及び共焦点画像診断(Korlach, J.他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96 (1999) 8461-8466 ; Rajadhyaksha, M.他、J. Invest. Dermatol. 104 (1995) 946-952 ; Gonzalez, S.他、Journal Med. 30 (1999) 337-356)を本発明の実施に使用することができる。
任意の適当な光検出/画像記録成分、例えば電荷結合素子(CCD)系又は写真用フィルムを本発明において使用できる。光検出/画像記録の選択は、使用する光収集/画像形成成分のタイプをはじめとする因子に依存するだろう。適当な成分の選択、それらを近赤外画像診断系への会合、及び系の操作は、当業者の通常の技術の範囲内である。
本発明の一態様は、固形腫瘍又は循環悪性細胞(例えば白血病での)のような癌の治療用の前記医薬組成物の製造のための前記モノクローナル抗体の使用であって、該医薬組成物が少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体を含んで成ることを特徴とする使用である。
本発明の別の態様は、固形腫瘍の治療用の前記医薬組成物の製造のための前記モノクローナル抗体の使用であって、該医薬組成物が少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体を含んで成ることを特徴とする使用である。
本発明の別の態様は、癌の治療用の医薬組成物の製造のためのヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体の使用であって、前記モノクローナル抗体が少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体と一緒に同時投与されることを特徴とする使用である。
本発明の別の態様は、第一の治療のための、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物の使用、及び第二の治療のための標識抗体のみの使用である。
本発明の別の態様は、癌の治療、好ましくは固形腫瘍の治療のための前記医薬組成物の使用である。
本発明の別の態様は、癌、好ましくは固形腫瘍の治療のためのヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体の使用であり、前記モノクローナル抗体が少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と一緒に同時投与されることを特徴とする。
本発明の別の態様は、第一の治療のための、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で、
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物の使用、及び第二の治療のための未標識モノクローナル抗体のみの使用である。
本発明の別の態様は、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物での治療の間に、NIR蛍光標識に共有結合で結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法である。
そのような方法は例えば、
a) 未標識の組成物での治療後に始まる様々な時点で、着目の領域(ROI)、例えば固形腫瘍、例えば固形腫瘍又は血液細胞の一領域中のNIR蛍光強度を測定し、
b) 一定期間に渡りそれらのNIR蛍光強度の変化を測定し、そして
c) その強度をROI、例えば固形腫瘍中の標識抗体の量に関連付ける
という段階を含んで成る。
本発明の別の段階は、前記医薬組成物での治療の間の着目の領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法である。
本発明の別の態様は、前記医薬組成物での医療の間、固形腫瘍中のNIR蛍光標識に共有結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法である。
本発明の別の態様は、前記未標識モノクローナル抗体と一緒の同時投与の間の固形腫瘍中のNIR蛍光標識に共有結合で結合されたモノクローナル抗体の量の変化を測定する方法である。
本発明の別の態様は、癌、好ましくは固形腫瘍の第一の治療のための、少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で
a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、及び
b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
を含んで成る医薬組成物、及び第二の治療のための未標識モノクローナル抗体のみを含んで成る組成物、を含んで成る容器である。
生体内での標的発現の分析用の光学画像診断: H322M scモデルで、Cy5.5で標識されたIGF1Rに対するmabを、100マイクログラム/マウスの1回量でi.v.注射し、そしてその後2日目(図1a)及び5日目(図1b)にNIRFシグナルを測定した。収集時間は3秒であった。それらの写真はi)腫瘍細胞が関連の表面分子を発現していること、ii) mabが腫瘍組織に局在化されること、及びiii) mabが標的組織中で一定時間に渡り蓄積することを示す。
生体内での抗体の薬物動態研究のための光学画像診断: H322M腫瘍s.c.を有するマウス(図2a)及びそのような腫瘍を持たないマウス(図2b)に、マウスあたり50μg(1回量)のIGF1Rに対する抗体を注射した。4秒の収集時間で抗体の適用後4日目にNIRFを測定した。図2aは、腫瘍担持マウスではCy5.5標識mabが腫瘍組織をターゲットし、一方で腫瘍無しのマウスではmabは全マウスを「元気づける」ことを示し、このことはmabが血漿区画に制限されることを示す(図2b)。従って、腫瘍無しのマウス中のmab血清レベル(ELISAにより測定)は、腫瘍担持マウス(図2c)に比較して高い。
抗体腫瘍濃度と血清濃度との関係: H460M2腫瘍s.c.を有するマウスに、Cy5.5で標識されたIGF1Rに対する抗体の1回量(50μg)をi.v.注射した。その後様々な時点で(四角)NIR蛍光強度(平均NIR蛍光(NIRF)シグナル強度〔任意単位〕)を4秒の収集時間で測定した。NIR蛍光強度は、着目の領域(ROI)中の画素数とシグナル強度を合計することにより提供した(四角と実線)。並行して、Cy5.5で標識されたIGF1Rに対する前記抗体の血清レベル(三角と点線)(ng/ml)をELISAにより測定した。該データは、NIR蛍光強度対血清レベルの比が時間と共に増加することを示し、このことはmabが腫瘍組織中に蓄積すること(図3)、腫瘍組織中の抗体濃度又は抗体の半減期が血清中よりも有意に長いことを示す。
標識抗体と未標識抗体の組成物を使った腫瘍関連抗原の検出: 結果は、マウス当たり50μgのCy5標識抗HER2抗体の一回投与後にNIR蛍光シグナルが生成したことを示す(図4a)。1:2の比(17μgと33μg)でのCy5標識抗HER2抗体と未標識のHER2抗体の混合物の一回投与後には、Her発現腫瘍が明らかに検出可能である(図4b)。図4cは、1:9の比でのCy5標識抗HER2抗体と未標識HER2抗体の混合物の注射が、顕著なNUR蛍光シグナルを生成することを示す。これは、1:9の比での標識治療抗体と未標識治療抗体の組み合わせが臨床状態での適用に実行可能であることを示す。
次の実施例は、本発明の理解を助けるために与えられ、それの本当の範囲は添付の請求の範囲に与えられる。本発明の精神から逸脱することなく記載の手順に変更を行うことができると理解される。
序論
この研究は、ヒト異種移植片モデルにおいてNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体及びNIRF標識に共有結合で結合された抗体と標識無しの前記抗体との混合物の生体内画像診断を実験した。更に該実験の目的は生体内でのNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体の量の変化の測定及び対応する血清レベルの変化への比較であった。
細胞系及び培養条件
ヒト乳癌細胞系KPL-4は、炎症皮膚転移を有しErbBファミリーレセプターを過剰発現する乳癌患者の悪性胸水から確立されている(Kurebayashi, J.他、Br. J. Cancer 79 (1999) 707-17)。腫瘍細胞を10%ウシ胎児血清(PAA)と2 mM L−グルタミン(Gibco)が捕捉されたDMEM培地(PAA Laboratories, Austria)中で37℃にて5%CO2の水飽和雰囲気下で日常的に培養した。培養継代は、トリプシン/EDTA 1×(PAA)を使って二回/週分割することで実施した。細胞継代P6を生体内研究に使用した。
動物
SCIDベージュ(C.B.-17)マウス;10〜12週齢;体重18〜20g(Charles River, Sulzfeld, Germany)を、特定の病原体フリー条件下で、国際ガイドライン(GV-Solas, Felasa; TierschG)に従って12時間光/12時間暗の毎日のサイクルで維持した。開始後、動物は1週間動物の検疫所の中で飼育して、新しい環境に慣れさせ観察した。連続した健康観察を実施した。食事(Alltromin)と水(pH 2.5-3に酸性化したもの)を随意提供した。
生体内での腫瘍増殖阻害研究
腫瘍細胞を培養フラスコ(Greiner TriFlask)から収穫し(トリプシン−EDTA)、50 mlの培地中に移し、PBSで1回洗浄しそしてPBS中に再懸濁した。PBSでの追加の洗浄段階と濾過(細胞濾過器; Falcon 100μm)の後、最終細胞力価を0.75×108/mlに調整した。腫瘍細胞懸濁液を移行ピペットで注意深く混合して細胞凝集を防いだ。小動物用のStephens吸入装置を使って予備インキュベーション室(プレキシグラス)で、密閉循環系において個々のマウスの鼻マスク(シリコーン)とIsoflurane (Pharmacia-Upjohn, Germany)により麻酔を行った。注射の2日前に、動物の体毛を剃った。乳房内脂肪体(i.m.f.p.)注射のため、各麻酔マウスの最後から二番目の右鼠径部脂肪体に20μlの容量で細胞を同所的に注射した。移植のため、皮膚を通して乳頭の下に細胞懸濁液注射した。腫瘍細胞注射は実験の1日目に相当する。
監視
動物を副作用の臨床状態の検査のため毎日観察した。実験を通しての監視のため、動物の体重を毎週2回測定した。
腫瘍組織中の標識抗体の量の測定及び腫瘍組織中のその量の半減期の測定
近赤外シグナルの非侵略性測定は、適当な色素でタンパク質を標識することにより達成することができる。例えば、異なるモノクローナル抗体をCy5又はCy5.5又はCy7色素で標識し、腫瘍担持マウスへのi.v.注射後にそれらの抗体の腫瘍組織飽和をモニタリングすることができる。NIR蛍光測定は、抗体の適用直後にそしてその後の様々な時点で、Siemens Medizintechnik, GermanyからのBonSAI Imaging Systemを使って実施することができる。収集時間は全観察期間に渡って一定に維持した。着目の領域中の画素の平均強度を合計することにより、曲線下の面積(AUC)を求めた。
血清中の標識抗体の量の測定及び血清中のその量の半減期の測定
確立されたELISAによる抗体血清レベルの定量を行い、それらの結果をNIR蛍光シグナル強度と関連付けた。
結果
実施例1:
生体内での標的発現の分析のための光学画像診断
H322M s.c.(皮下)モデルにおいて、Cy5.5で標識されたIGF1Rに対するmabをマウス当たり100μgの1回量で静脈内(i.v.)注射し、そしてその後2日目(図1a)と5日目(図1b)にNIR蛍光シグナルを測定した。収集時間は3秒であった。それらの写真はi) 腫瘍細胞が関連表面分子を発現すること、ii) mabが腫瘍組織に局在すること、そしてiii) mabが時間と共に標的組織に蓄積することを示す。
実施例2:
生体内での抗体のPK研究のための光学画像診断
s.c. H322M腫瘍を担持するマウスに、マウス当たり50μg(単一量)のIGF1Rに対する抗体を注射した。抗体の適用後4日目に4秒の収集時間でNIR蛍光を測定した。図2aは、腫瘍担持マウスにおいてCy5.5標識mabが腫瘍組織をターゲッティングし、一方で腫瘍無しのマウスでは、mabは全マウスを「元気づけ」、このことはmabが血漿区画に限定されることを示す(図2b)。従って、腫瘍無しのマウスのmab血清レベル(ELISAにより測定)は、腫瘍担持マウスに比較して高い(図2c)。
実施例3:
NIRFシグナル強度と血清レベルとの関係
H460M2腫瘍s.c.を有するマウスに、Cy5.5で標識されたIGF1Rに対する抗体の1回量をi.v.注射した。その後の様々な時点で4秒の収集時間でNIR蛍光を測定した。着目の領域(ROI)中の画素数及びシグナル強度を合計することにより、NIR蛍光強度を定量した。抗体の血清レベル(ng/ml)をELISAにより測定した。データは、NIR蛍光対血清レベルの比(負荷因子)が時間と共に31から79に増加することを示し、このことは腫瘍組織中にmabが蓄積すること(図3)及び腫瘍組織中の抗体濃度が血清中よりも有意に長いことを示す。
実施例4:
標識抗体と未標識抗体の組成物を使った関連の腫瘍関連抗原の検出
KPL-4腫瘍s.c.を担持しているSCIDベージュマウスに、50μg/マウスの用量でCy5標識抗HER2抗体の1回量をi.v.注射した。加えて、別のグループのマウスには、i) 標識対未標識の比が1:2、ii) 標識対未標識の比が1:9のように異なる比で標識抗HER2抗体と未標識抗体の混合物 50μg/マウスを注射した。その2日後、着目の領域中の蛍光強度を5秒の収集時間で測定した。
結果は、マウス当たり50μgのCy5標識抗HER2抗体の1回注射後に最強のNIR蛍光シグナルが生成したことを示す(図4a)。1:2の比(17μgと33μg)でのCy5標識抗HER2抗体と未標識の抗HER2抗体の混合物の1回i.v.注射後には、Her発現腫瘍は明らかに検出可能である(図4b)。図4cは、1:9の比(5μgと45μg)でのCy5標識抗HER2抗体と未標識の抗HER2抗体の混合物の注射が、有意なNIR蛍光シグナルを生成することを証明する。このことは、1:9の比での標識治療抗体と未標識治療抗体の組み合わせが臨床状態での適用に実行可能であることを示す。
実施例5:
NIRFシグナル強度と血清レベルとの関係
KPL4腫瘍を担持しているSCIDベージュマウスに、50μg/マウスの用量でHer2に対するCy5標識抗体の1回量をi.v.注射した。加えて、別のグループのマウスには、i) 標識対未標識の比1:2、ii) 標識対未標識の比1:9の異なる比でCy5標識抗HER2抗体と未標識の抗HER2抗体の混合物の50μg/マウスを注射した。その後様々な時点で、NIR蛍光シグナルを5秒の収集時間で測定した。着目の領域(ROI)中の画素数とシグナル強度を合計することによりNIR蛍光強度を定量した。抗体の血清レベル(ng/ml)をELISAにより測定した。
実施例6:
固形腫瘍の領域中の標識抗体の抗体濃度又はNIRF強度に基づいて投薬間隔を延長することによる用量(及び薬剤関連副作用)の低減
試験薬
純粋なトラスツズマブとCy5で標識したトラスツズマブを、ヒスチジンHCl、α−αトレハロース(60 mM)、0.01%Polysorb, pH 6.0中の25 mg/ml原液として提供する。2つの溶液とも注射用にPBSで適当に希釈した。
細胞系及び培養条件
ヒト乳癌細胞系KPL-4は、炎症性皮膚転移を有しErbBファミリーのレセプターを過剰発現している乳癌患者の悪性胸水から確立されている(Kurebayashi他、Br. J. Cancer 79 (1999) 707-17)。腫瘍細胞を10%ウシ胎児血清(PAA)と2 mM L−グルタミン(Gibco)が捕捉されたDMEM培地(PAA Laboratories, Austria)中で、5%CO2の水飽和雰囲気下で37℃にて日常的に培養した。培養継代はトリプシン/EDTA 1×(PAA)を使って2回/週分割して行った。細胞継代P6を生体内研究に使用した。
動物
SCIDベージュ(C.B.-17)マウス;10〜12週齢;体重18〜20g(Charles River, Sulzfeld, Germany)を、特定の病原体フリー条件下で、国際ガイドライン(GV-Solas, Felasa; TierschG)に従って12時間光/12時間暗の毎日のサイクルで維持した。開始後、動物は1週間動物の検疫所の中で飼育して、新しい環境に慣れさせ観察した。通常の基礎に基づいて連続した健康観察を実施した。食事(Alltromin)と水(pH 2.5-3に酸性化したもの)を随意提供した。
生体内での腫瘍増殖阻害研究
腫瘍細胞を培養フラスコ(Greiner TriFlask)から収穫し(トリプシン−EDTA)、50 mlの培地中に移し、PBSで1回洗浄しそしてPBS中に再懸濁した。PBSでの追加の洗浄段階と濾過(細胞濾過器; Falcon 100μm)の後、最終細胞力価を0.75×108/mlに調整した。腫瘍細胞懸濁液を移行ピペットで注意深く混合して細胞凝集を防いだ。小動物用のStephens吸入装置を使って予備インキュベーション室(プレキシグラス)で、密閉循環系において個々のマウスの鼻マスク(シリコーン)とIsoflurane (Pharmacia-Upjohn, Germany)により麻酔を行った。注射の2日前に、動物の体毛を剃った。乳房内脂肪体(i.m.f.p.)注射のため、各麻酔マウスの最後から二番目の右鼠径部脂肪体に20μlの容量で細胞を同所的に注射した。移植のため、皮膚を通して乳頭の下に細胞懸濁液注射した。腫瘍細胞注射は実験の1日目に相当する。
監視
動物を副作用の臨床状態の検査のため毎日観察した。実験を通しての監視のため、動物の体重を毎週2回測定し、そして腫瘍体積をキャリパーにより毎週2回測定した。最初の腫瘍体積はNCIプロトコール(TV=1/2ab2、ここでaとbはmm単位での腫瘍サイズの長方向の寸法と短方向の寸法である、Teicher B. Anticancer drug development guide, Human Press, 1997, 第5章, 92頁)に従って算出した。計算値は平均と標準偏差として報告した。
動物の処置
腫瘍体積がほぼ100 mm3(各グループについてn=10)になった時、腫瘍担持マウスを無作為抽出した。各グループは処置前に密接に一致し、腫瘍細胞注射後20日目に開始した。
グループA:対照グループ−10 ml/kgのPBS緩衝液を腹腔内(i.p.)に毎週1回投与した。
グループB:トラスツズマブを30 mg/kgの負荷用量でi.p.投与し、その後15 mg/kgの用量(維持用量)を毎週1回投与した。
グループC:9:1の予め決められた比のトラスツズマブとCy5標識トラスツズマブの組成物を、30 mg/kgの負荷用量でi.p.投与した。
その後様々な時点で(通常1日1回)NIR蛍光シグナルを10秒の収集時間で測定した。固形腫瘍の領域中の画素数とシグナル強度を合計することによりNIR蛍光強度を定量した。
最初はNIR蛍光強度の最大値を時間に依存して測定した。次いで15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの第一維持用量の時点を、NIR蛍光強度が前記最大値に比較して10%減少した時の時点として決定した。負荷用量と第一維持用量の間の時間間隔は、連続的な維持用量間の一般的投与間隔として使用した。15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの連続的な維持用量を次いでこの一般用量で投与した。
グループD:9:1の予め決められた比のトラスツズマブとCy5標識トラスツズマブの組成物を、30 mg/kgの負荷用量でi.p.投与した。
その後様々な時点で(通常1日1回)NIR蛍光シグナルを10秒の収集時間で測定した。固形腫瘍の領域中の画素数とシグナル強度を合計することによりNIR蛍光強度を定量した。
最初にNIR蛍光強度の最大値を時間に依存して測定した。次いで15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの第一維持用量の時点を、NIR蛍光強度が前記最大値に比較して20%減少した時の時点として決定した。負荷用量と第一維持用量の間の時間間隔は、連続的な維持用量間の一般的投与間隔として使用した。15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの連続的な維持用量を次いでこの一般用量で投与した。
グループE:9:1の予め決められた量のトラスツズマブとCy5標識トラスツズマブの組成物を30 mg/kgの負荷用量でi.p.投与した。
その後様々な時点で(通常1日1回)NIR蛍光シグナルを10秒の収集時間で測定した。固形腫瘍の領域中の画素数とシグナル強度を合計することによりNIR蛍光強度を定量した。
最初にNIR蛍光強度の最大値を時間に依存して測定した。次いで15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの第一維持用量の時点を、NIR蛍光強度が前記最大値に比較して30%減少した時の時点として決定した。負荷用量と第一維持用量の間の時間間隔は、連続的な維持用量間の一般的投与間隔として使用した。15 mg/kgの未標識トラスツズマブのみの連続的な維持用量を次いでこの一般用量で投与した。
次いで、グループBとグループCの治療応答を比較し、治療応答がグループBのものに匹敵する(より低い用量にも関わらず、恐らく薬剤に関連する副作用をほとんど引き起こさない)最適化され延長された投与間隔を選択する。

Claims (16)

  1. 少なくとも1:9の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比で
    a) ヒト膜貫通タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識のモノクローナル抗体、及び
    b) NIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体
    を含んで成る医薬組成物。
  2. 前記未標識抗体と標識抗体が、過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する治療モノクローナル抗体であり、そして前記過剰発現が腫瘍疾患に関連し;そして
    前記予め決められた比が少なくとも9:1で且つ最大100:1の未標識抗体対標識抗体である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記腫瘍関連タンパク質が、EGFR, HER2/neu, HER3, HER4, Ep-CMA, CEA, TRAIL, TRAILレセプター1,TRAILレセプター2,リンホトキシンβレセプター,CCR4, CD19, CD20, CD22, CD28, CD33, CD40, CD80, CSF-1R, CTLA-4, 線維芽活性化タンパク質(FAP)、ヘプシン、黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、VEGFレセプター1、VEGFレセプター2、IGF1-R, TSLP-R, TIE-1, TIE-2, TNF-α, TNF様アポトーシス弱力誘導因子(TWEAK), IL-1R, 好ましくはEGFR, HER2/neu, CEA, CD20又はIGF1-Rから成る群より選択されることを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 癌の治療のための請求項2の医薬組成物の製造のための請求項2の未標識モノクローナル抗体の使用。
  5. 前記癌が固形腫瘍であることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
  6. 第一の腫瘍治療のための請求項2の医薬組成物の製造のための請求項2の未標識モノクローナル抗体の使用であって、未標識モノクローナル抗体を含むが標識モノクローナル抗体を含まない第二の医薬組成物での第二の腫瘍治療が、固形腫瘍の領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体のシグナル強度が、第一の治療後に測定された固形腫瘍の領域中の最大シグナル強度の80%である時に実施されることを特徴とする使用。
  7. 未標識モノクローナル抗体を含むが標識モノクローナル抗体を含まない第二の医薬組成物での第二の腫瘍治療が、固形腫瘍の領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された抗体のシグナル強度が、第一の治療後に測定された固形腫瘍の領域中の最大シグナル強度の80%である時に実施されることを特徴とする、第一の腫瘍治療のための請求項2に記載の医薬組成物。
  8. 第一の腫瘍治療のための請求項2に記載の医薬組成物及び第二の腫瘍治療のための未標識モノクローナル抗体を含むが標識モノクローナル抗体を含まない医薬組成物。
  9. a) 第一の腫瘍治療のための請求項2に記載の医薬組成物;及び
    b) 過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体を含んで成るが、前記標識治療モノクローナル抗体を含まない、第二の腫瘍治療のための医薬組成物
    を含んで成る容器。
  10. 癌、好ましくは固形腫瘍の治療用の医薬組成物の製造のための過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体の使用であって、前記未標識モノクローナル抗体が少なくとも9:1で且つ最大で100:1の未標識抗体対標識抗体の予め決められた比でNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と一緒に同時投与されることを特徴とする使用。
  11. 腫瘍関連タンパク質を過剰発現している固形腫瘍を患っている患者の治療用の医薬の製造のための過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識治療モノクローナル抗体の使用であって、前記未標識抗体がNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と一緒に同時投与されることを特徴とする使用。
  12. 前記患者のNIR蛍光画像が獲得されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  13. 前記抗体のNIR蛍光シグナルが、固形腫瘍の一領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体を測定することにより定量されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  14. 腫瘍関連タンパク質を過剰発現する固形腫瘍を患っている患者の治療のための過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する未標識の治療モノクローナル抗体であって、前記未標識抗体がNIR蛍光標識に共有結合で結合された前記抗体と一緒に同時投与されることを特徴とする未標識のモノクローナル抗体。
  15. 請求項2に記載の医薬組成物の一定容量を投与された腫瘍関連タンパク質を過剰発現する固形腫瘍を患っている患者のNIR蛍光画像を獲得する方法であって、固形腫瘍の一領域中の過剰発現された腫瘍関連タンパク質の細胞外ドメインに結合する標識治療モノクローナル抗体のNIR蛍光シグナルを測定することを含んで成る方法。
  16. 請求項2に記載の医薬組成物での治療を受けた患者の固形腫瘍の一領域中のNIR蛍光標識に共有結合で結合された治療モノクローナル抗体のNIR蛍光シグナルを測定する方法。
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