JP2010526645A - 低酸素および疾病におけるミトコンドリア機能の可視光調節 - Google Patents

低酸素および疾病におけるミトコンドリア機能の可視光調節 Download PDF

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Abstract

本発明は、アルツハイマー疾患、その他の認知症、低酸素および糖尿病性末梢神経疾病、ならびに四肢の感覚不全を含めた様々な症状の処置においてミトコンドリア機能を調節するスペクトルの可視領域内の電磁放射線を使用する方法を提供する。

Description

(関連出願)
本出願は、2007年5月11日に提出した米国仮特許出願番号60/917,385の優先権;そして、2007年12月7日に提出したU.S.仮特許出願番号61/012,300の利益をもとめる。その開示内容は、その全てにおいて本明細書に組み込まれる。
(本発明の背景)
発光ダイオード(LED)アレイまたは低エネルギーレーザーを使用する光生物学的調節(photobiomodulation)は、様々な治療上の利益を示すことが報告されている(Conlan et al. 1996; Sommer et a. 2001; Whelan et al. 2001; Yu et al. 1997; Delellis et al. 2005; Powell et al. 2004; Harkless et al. 2006; Powell et al. 2006)。非侵略的治療は、創傷治癒を促進するため、虚血からの回復速度を改善するため、損傷した視神経の変性を遅延させるため、ならびに糖尿病関連疾患を含む末梢神経障害の様々な型において感受性を改善し、痛みを低下させるために使用されてきた。
糖尿病は、急速に世界中に広がっている一般的な代謝障害である(Lowell and Schulman, 2005)。アメリカ合衆国では、II型糖尿病は失明の主な病因である。糖尿病性末梢神経障害は、糖尿病の最も一般的な長期間の合併症の一部である(Pop-Busui et al. 2006)。それらは、糖尿病に関連のある痛みの主要な原因であり、下肢切断手術となることが多い。いくつかの試験により、多くの糖尿病性の末梢神経障害罹患患者が近赤外線(NIR)治療に反応があることが報告されてきたが(Delellis et al. 2004; Powell et al. 2004; Harkless et al. 2006; Powell et al. 2006)、これらの神経障害を処置する際に光生物学的調節の治療様式は依然として明白ではない。
NIRは、これらの治療に有効である。NIRの光は、可視光または紫外線光よりも有意な利点を有しており、その理由は可視光よりもより深く組織を貫通すると同時に紫外線光の癌誘発および変異原特性がないためである(Whelan et al, 2001, 2002)。NIRの治療上の利益の根拠となる細胞および分子メカニズムは、依然としてほとんど理解されていない。しかしながら、いくつかの試験から、治療上の光生物学的調節について最も有効な波長は600〜830nmの間であることが明らかとなった(Karu, 1999; Karu, 2005)。
近年まで、ミトコンドリアシトクロームc酸化酵素は、ただ一つの酵素活性を有すると考えられていた;水への酸素の還元。この反応は、正常酸素圧条件下でおこり、4つの電子および4つの陽子を二原子酸素に付加することを含む。この過程中に、酸素は、一連の一電子移動により還元される。酸素に付加された第一の電子は、スーパーオキシド(O2 -)を生成し、第二の電子はペルオキシド(H2O2)を生成し、付加された第三の電子はヒドロキシルイオン(OH)を生成し、第四の電子は水を生成する。スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルイオンは、不完全に還元された形態の酸素であり、活性酸素種(ROS)と総称される。ROSは、通常、ホロ型シトクロームc酸化酵素分子内の二核反応中心で捕捉されており、放出されない。しかしながら、いくつかの病理学的症状の下では(Poyton, 1999)、それらは放出されて、破壊的(酸化的ストレスを誘導するように、即ち様々な疾患さらに加齢の中心的症状)または建設的[細胞内シグナル伝達経路において(Poyton and McEwen, 1996)]のいずれかで作用できる。光はシトクロームc酸化酵素の酸化状態に影響を与えることができるため(Winterrle and Einarsdottir, 2006, Tachtsidis et al. 2007)、二核反応中心の構造を変化させて、活性酸素種を放出させることもできる。
ミトコンドリア呼吸鎖およびミトコンドリアシトクロームc酸化酵素は、細胞が低酸素レベルを経験する場合に、細胞成長、加齢および多数の核遺伝子の誘導に対して広範囲の効果を有し得ることが現在明らかである(Poyton and McEwen, 1996; Castello et al. 2006; Ryan and Hoogenraad, 2007)。これらの効果は、ミトコンドリアおよび核の間のシグナル伝達経路によりもたらされる。これらの経路に対する理解は、依然として不完全であるが、現在、スーパーオキシド(O2 -)、一酸化窒素(NO)およびペルオキシ亜硝酸(ONOO-)(O2 -とNOとの反応により形成される)が関与するという説得力のある証拠が存在する。NOおよびスーパーオキシドから生成したペルオキシ亜硝酸は、タンパク質チロシンのニトロ化に影響を与えて、順次ミトコンドリア核シグナル伝達経路に関与する特異的タンパク質を変化させ得る。
十分に理解し、光生物学的調節により疾患を処置のためには、該疾患により影響を受けて、その後に光治療により変化した定量化出来る重要なバイオマーカーを同定することが重要である。本発明は、かかる予測バイオマーカーを開示することにより、これらおよび他の必要性を提供するだけでなく、それらを使用する際に光治療に最も好適な放射線の波長を決定することも提供する。
(本発明の要約)
様々な態様において、本発明は、NO産生を調節するため、および低酸素における活性酸素種のレベルまたは産生を低下するために可視電磁放射線を使用することに関する。別の態様において、本発明は、ミトコンドリアに対する電磁放射線の効果を媒介するシトクロームcによる可視光の吸収に関する、しかもミトコンドリア機能を調節する際に使用するための電磁放射線の波長はシトクロームc酸化酵素により優先的に吸収される波長である。好ましい実施態様において、放射線の効果は、シトクロームc酸化酵素による可視光の吸収により媒介される。他の実施態様において、電磁放射線(例えば、可視および近赤外放射)の効果は、リン酸化、またはより迅速にNOを生成する形態へのシトクロームc酸化酵素の変換を促進する該放射線の能力により媒介される。
従って、第1の態様において、本発明は、電磁放射線に哺乳動物の低酸素組織を暴露することにより、哺乳動物被験体の組織中の低酸素を処置する方法を提供する。該放射線への暴露により、NOの産生を増加させ、そうして組織内の血管抵抗を低下させることにより、低酸素状態にある組織血流が改善される。従って、一実施態様において、本発明は、電磁放射線に組織を暴露することにより、低酸素組織中の組織損傷を防止または修復する方法を提供する。関連のある実施態様において、本発明は、該組織を電磁放射線に暴露することにより、暴露された組織におけるミトコンドリア亜硝酸還元酵素活性またはNO産生を増加させる方法を提供する。ある実施態様において、本発明は、ニューロンまたは内皮細胞を該放射線に暴露することにより、低酸素状態および/またはグルコース高濃度下で、シトクロームc亜硝酸還元酵素活性によりNOを産生できる哺乳動物の組織内のニューロンまたは内皮細胞によるNO産生を調節するイン・ビボまたはイン・ビトロの方法を提供する。他の実施態様において、本発明は、血管抵抗を低下させる場合にNO活性を促進させる第二薬剤(例えば、亜硝酸塩、NO供与体、ニトログリセリン、有機亜硝酸塩、アルギニン)と電磁放射線との併用療法に関する。上記いずれかの好ましい実施態様において、該放射線は電磁放射線スペクトルの可視部分にある。
第2の態様において、本発明は、電磁放射線に低酸素組織を暴露することにより、低酸素組織中のエネルギー代謝を改善する方法を提供する。電磁放射線への暴露により、その亜硝酸還元酵素活性を調節するこのような方法にてシトクロームc酸化酵素またはシトクロームc酸化酵素のリン酸化を変化させる。さらに、電磁放射線暴露は、組織内のミトコンドリア生合成を増加させるミトコンドリアタンパク質の発現増加をもたらす。いくつかの関連する実施態様において、本発明は、組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素により媒介される呼吸を調節するか、または該組織を電磁放射線に暴露することにより組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素のリン酸化を調節する方法を提供する。ある実施態様において、組織内のシトクロームc酸化酵素、シトクロームc、シトクロームc還元酵素またはATP合成酵素のサブユニットの群から選択される1以上のサブユニットの量または発現が増加される。
第3の態様において、本発明は、組織を電磁放射線に暴露することにより、哺乳動物の組織における酸化ストレスまたは毒性ストレスを低下させる方法を提供する。ある実施態様において、組織内のいずれか1以上の誘導性酸化ストレス遺伝子、過酸化脂質のレベル、酸化ヌクレオシドおよび酸化アミノ酸またはポリペプチドにおける低下が存在する。ある実施態様において、毒性ストレスは、反応性種へと代謝されるか、または酸素ラジカルを生成する化学物質に暴露することによりもたらされる。
第4の態様において、本発明は、哺乳動物被験体に対する電磁放射線による処置に関する効果を追跡する方法を提供するものであって、該方法は、該被験体の組織を該電磁放射線に暴露すること、および該組織によるNO誘導性血管拡張物質にてNO産生に対する該放射線の効果を測定すること、を含んでいる。
第5の態様において、本発明は、組織または器官における血行不良または糖尿病性末梢神経疾病(DPN)についての予後診断および/または診断に関する方法を提供するものであって、該方法は該組織または血液のNO、VEGFまたはタンパク質のカルボニル化レベルを測定することを含んでいる。ある実施態様において、NOおよびVEGFレベルは、感覚の損失および痛みの前に初期段階のDPNを示す。
第6の態様において、本発明は、糖尿病性末梢神経疾病について哺乳動物被験体を処置する方法を提供するものであって、該方法は患部組織を電磁放射線に暴露することを含む。
第7の態様において、本発明は、組織内の血流を測定すること、または該組織または該血液のNO、VEGFまたはタンパク質のカルボニル化レベルを測定することにより、該組織を電磁放射線に暴露することに対する応答を追跡する方法を提供する。ある実施態様において、該応答とは、上記1〜6何れかの態様の方法に関する応答である。
ある態様において、本発明は、該組織を電磁放射線に暴露することにより、組織中のROSを低下させる方法を提供する。
ある態様において、本発明は、被験体を電磁放射線に暴露することにより、糖尿病患者における高血糖症または血液グルコースレベルの改善された制御方法を提供する。ある態様において、本発明は、被験体を可視放射線範囲内の電磁放射線に暴露することにより、神経変性症状または末梢神経疾病を処置する方法を提供する。
ある実施態様において、本発明は、低酸素または酸化ストレスにより悪化するかまたは引き起こされる可能性のある疾患または症状を処置する方法を提供する。かかる疾患または症状には、神経/変性疾患、例えばアルツハイマー疾患、卒中、非糖尿病性末梢神経障害および認知症;黄斑変性症;虚血/再灌流疾患;組織損傷;アテローム性動脈硬化症および高血圧を含めた心臓脈管疾患、糖尿病ならびに眼の(例えば、黄斑変性症)、腎臓および神経性(例えば、糖尿病性末梢神経疾病)の糖尿病の合併症;炎症、関節炎、放射線損傷、加齢、火傷/創傷治癒;脊椎/背骨疾患、例えば、椎間板ヘルニア;末梢血管疾患、および血管痙攣が挙げられる。ある実施態様において、本発明は、肥満を処置する方法も提供する。
ある実施態様において、上記態様および実施態様の各々において、使用されるべき電磁放射線または光の波長は可視光である。従って、かかる実施態様において、使用される電磁放射線の波長には、約500−650nm、550−625nm、575nm−約625nmの波長、または500−600nm、550−600nm、575−600nmの波長が含まれる。上記したさらなるある実施態様において、使用されるべき電磁放射線の波長は、595nm、600nm、610nm、615nm、625nm、630nm、650nm、または675nmを超える波長を有する光を実質的に含まない。また他の実施態様において、適用した電磁放射線は、615−750nm範囲、620−700nm範囲、630−700nm範囲、630−750nm範囲、630−675nm 範囲、650および700nm範囲、または625−800nm範囲の放射線を実質的に含まない。
ある実施態様において、使用した光の波長は、ミトコンドリアシトクロームc酸化酵素の主要バンド内にある波長の範囲内にあるか、または基本的に含まれる。ある実施態様において、使用した光の波長は、シトクロームc酸化物によるNOの産生を刺激するかかる波長のバンド内にある。ある実施態様において、光または放射線は、シトクロームc酸化酵素のヘム吸収バンドを特異的に標的化する。さらなる実施態様において、光の波長は、シトクロームc酸化酵素によるNOの産生を阻害する波長を含まないか、または実質的に含まない。この期間および/または強度、および/またはこの光の強度は、さらに本明細書で記載したように、個々の被験体または治療対象に合うように調整され得る。
上記いずれかの一実施態様において、該哺乳動物被験体は糖尿病に罹患していないという条件がある。上記いずれかのある実施態様において、該組織は糖尿病のものではないか、またはDPNを患っていないという条件がある。
上記方法は、処置組織においてNO産生を刺激出来る。従って、上記いずれかのさらなる態様において、本発明は、被験体におけるNO活性を調節する治療方法と組み合わせて、上記方法のいずれか一つの使用を含む併用療法をさらに提供する。この治療方法は、被験体におけるNOレベルを調節するNO供与体および他の化合物を(NO合成酵素についての基質、NO分解経路の阻害剤)を投与することを包含し得る。
図1.高血糖症、低酸素、血管狭窄と光生物学的調節との間のモデル関係性。このモデルの要素は下記のとおりである:(1)糖尿病患者における増加した血液グルコースレベルは、低酸素を促進する内皮細胞の好気性発酵反応を促進する。(2)低酸素条件下で、活性酸素種のレベル、特にスーパーオキシドが増加する。(3)このスーパーオキシドは、血液中のNOと反応して、ペルオキシ亜硝酸を生成させる。(4)血液のNO由来のペルオキシ亜硝酸塩の産生は、血中のNOの濃度を有効に低下させ、タンパク質のニトロ化をもたらす。(5)NOは血管拡張物質であるため、血液のNOレベルの低下により血管狭窄となる(特に、微小血管系)。 図2. 50 watt キセノン/ハロゲン照明光(Feit Electric Co.)からのスペクトル放射である。 図3. 酵母細胞における亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生について試験した2つの実験条件。 図4. 光刺激性の亜硝酸塩依存性のNO産生。 図5. 酵母細胞における光刺激性一酸化窒素産生に対する光強度および呼吸鎖の効果の比較。 図6. 酵母細胞における後期段階の光刺激性一酸化窒素産生の出力依存性。 図7. 波長の関数として後期段階の一酸化窒素産生の全体の速度。
(発明の詳細な説明)
本発明は、シトクロームc酸化酵素、シトクロームc酸化酵素リン酸化を調節するため、また具体的には、NOを産生するミトコンドリアの能力に加えて該電磁放射線に暴露された組織内の血液循環を調節するこのNOの能力を調節するための、スペクトルの可視領域内の電磁放射線の使用に関する。ミトコンドリア、より具体的にはシトクロームc酸化酵素は、細胞エネルギー産生のための主要なコントロールポイントである(Poyton, 1988)。従って、シトクロームc酸化酵素のTER調節およびミトコンドリア機能はまた、低酸素組織中の細胞および組織機能に対する即時的利益を提供するシグナル分子も生成し得る。さらに、スペクトルの可視領域内の電磁放射線は、低酸素組織中の細胞の生存能力または再生産を調節する際に有用であり、また細胞および組織を低酸素から保護する際に有用である。前者の効果は、細胞および組織生理に対して即時的短期間の効果を示すべきであるが、後者の効果はより長期的な効果を示すと考えられる。
用語「調節する」とは、低下または増加を意味する。調節刺激は、適用中に動的(時間とともに変化する)または一定であってよい。ミトコンドリア機能の可視光調節は、図1に示されている。この調節は、事実上の治療法であり、また列挙した副作用または該症候、徴候、または列挙した副作用の続発症に関する処置[例えば、改善、低下(頻度または重症度のいずれかに関する]または予防(例えば、開始遅延または発症回避)をもたらす。また、調節とは、特定症状に関して、組織または被験体の健康を促進することもできる。
多くの従前の研究は、正常酸素圧の条件下でのミトコンドリアに対する光の効果に焦点が当てられていた。これらの試験結果は、近赤外線がミトコンドリア機能を保護するのに特に好適であったことを示した。本発明は、1)無酸素状態のミトコンドリアは、電子受容体として亜硝酸塩を用いてATPを生成する;2)スペクトルの可視領域内の光はこれらの条件下に、ミトコンドリアによりNOの産生を促進する;および3)正常酸素圧下にミトコンドリア内のATP機能を促進するNIR光は、ミトコンドリアがNOを産生する能力を実際に阻害するという、驚くべき知見に関する。NOは強力な血管拡張物質であるため、NO産生への切替えは低酸素または無酸素組織に対して血流および正常酸素圧を回復する場合に有益である。従って、この出願人の発見は、NO産生の増加または血流の増加が有益である様々な症状を処置するための新規方法を提供するものである。
より具体的に、本発明は、550−625nmの波長範囲内にある可視光が無酸素条件下でのミトコンドリア機能に役立ち、約625nm-750nmの波長範囲内の光はこの治療効果を阻害するという出願人の発見に関する。従って、本発明は、低酸素条件下で、より長い波長を有する電磁放射線または約630nm-700nmの波長を有する電磁放射線を実質的に含まない約550nm-625nmの波長の単色または多色光を標的組織に適用することにより、ミトコンドリア機能を促進する改善された方法を提供する。
従って、一態様において、本発明は、哺乳動物被験体の組織内の低酸素を処置する方法を提供するものであり、該方法は哺乳動物の低酸素組織を、可視光の形態にある電磁放射線に暴露することを含む。ある実施態様において、処置に対する応答は患部組織の血流を測定することにより評価される。他の実施態様において、血液または組織中のNOまたはNO誘導性血管拡張物質またはVEGFのレベルを追跡し、処置に対する応答を評価する。好ましい実施態様において、該放射線により、暴露された組織のミトコンドリアによるNO産生が増加され、該暴露された組織中の血流が増加する。好ましい実施態様において、該暴露により、暴露された組織内のミトコンドリア酸素効率は増加される。ある実施態様において、低酸素は、四肢の血行不良に起因する。例示的な実施態様において、組織とは、糖尿病に罹患した被験者の組織である。他の実施態様において、該処置は、正常なグルコースコントロール患者、糖尿病患者または非糖尿病患者における末梢神経疾患の徴候または症状を緩和する。このようないくつかの実施態様において、該処置は、四肢(例えば、足または手)における知覚障害(例えば、しびれてピリピリする感覚、無感覚、ヒリヒリとしたまたは他の喜ばしくない感覚)を緩和する。
別の態様において、本発明は、被験体の患部組織を、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に暴露することにより、糖尿病性末梢神経疾病について哺乳動物被験体を処置する方法を提供する。また別の態様において、本発明は、組織を該放射線に暴露することにより、低酸素組織におけるエネルギー代謝を改良する方法を提供する。さらに別の態様において、本発明は、組織をスペクトルの可視領域内の電磁放射線に暴露することにより、哺乳動物の組織内の酸化ストレスを低下させる方法を提供する。上記いずれかの一実施態様において、該組織中の、誘導性酸化ストレス遺伝子、過酸化脂質のレベル、酸化ヌクレオシドおよび酸化アミノ酸またはポリペプチドいずれか1以上の低下がある。
別の態様において、本発明は、組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素により媒介される呼吸を調節する方法、または組織をスペクトルの可視領域内の電磁放射線に暴露することにより組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素のリン酸化を調節する方法を提供する。別の態様において、本発明は、組織内のミトコンドリア機能を調節する方法を提供するものであって、該方法はスペクトルの可視領域内の電磁放射線に該組織を暴露することを含んでいる。
上記いずれかの一実施態様において、さらなる実施態様において、該調節は、ミトコンドリア亜硝酸還元酵素活性、暴露した組織におけるNO産生またはミトコンドリア生合成(例えば、ミトコンドリアタンパク質の量または発現)を増加させることである。さらなるある実施態様において、シトクロームc酸化酵素、シトクロームc、シトクロームc還元酵素またはATP合成酵素の群から選択されるサブユニットの1以上のサブユニットの量または発現が増加される。上記いずれかの一実施態様において、該放射線は可視または近赤外線である。
別の態様において、本発明は、被験体の組織を放射線に暴露することにより、そして該組織におけるNO誘導性血管拡張物質にてNO産生に対する該放射線の効果を測定することにより、哺乳動物被験体に対してスペクトルの可視領域内の電磁放射線を用いる処置の効果を追跡する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、ニューロンまたは内皮細胞を可視光に暴露することにより、シトクロームc亜硝酸還元酵素活性により低酸素状態および/または高濃度のグルコース下で、NOを産生できる哺乳動物組織内の細胞(例えば、ニューロンまたは内皮細胞)によるNO産生を調節するイン・ビボまたはイン・ビトロの方法を提供する。これらの実施態様において、神経変性症状を治療することができる。ある実施態様において、本発明は、アルツハイマー疾患に罹患しているヒトの脳組織またはアルツハイマー疾患のリスクが高いヒトの脳組織において、NO産生および血流を増加させるための方法を提供する。従って、いくつかの実施態様において、本発明は、かかるヒトにおけるAPPプロセシングを低下させることによりプラーク形成を低下させる方法を提供する。さらなる他の実施態様において、本発明は、被験体における認識機能を増強または改善する方法を提供する。
上記態様および実施態様のいずれかにおいて、四肢がスペクトルの可視領域内の電磁放射線により照射される別の実施態様がある。例えば、実施態様における四肢とは、足または手、または下肢である。また、上記実施態様のいずれかにおいて、実施態様は、該組織が中枢神経系の組織であってよい。ある実施態様において、該組織は脳組織または脊髄組織である。
「スペクトルの可視領域内の電磁放射線」なる用語は、波長のなかで約500−650nm、550−625nm、575nm−約625nmの波長、または500−600nm、550−600nm、および575−600nmを有する光を含む。ある実施態様において、使用される電磁放射線の波長は、600nm、610nm、615nm、625nm、630nm、650nm、または675nmを超える波長を有する光を実質的には含まない。ある実施態様において、電磁放射線は、光の抑制波長の放射線を実質的に含まないか、または615−750nm範囲、620−700nm範囲、630−700nm範囲、630−750nm範囲、630−675nm 範囲、650および700nm範囲、625−800nm範囲の光を実質的に含まない。特定波長の「実質的に含まない」光とは、特定波長にてその全エネルギーの少ない割合(例えば、25%、20%、15%、10%、5%、または1%以下)を含む光であるか、または無酸素条件下でのNO産生の刺激に従って測定した場合に、ミトコンドリアに対する治療光の効果を阻害するそれらの波長(例えば、抑制波長)のものよりも少なくとも3倍、4倍、5倍または10倍高い治療範囲(例えば、550nm−625nm)内の光エネルギーの割合を有する光である。ある実施態様において、放射線は、シトクロームc酸化酵素のヘム吸収バンドを特異的に標的化する。
ある実施態様において、使用される電磁放射線の波長は、基本的に上記波長範囲内にある多色光からなる。「基本的に含まれる」には、少なくとも70%、80%、90%、または95%の適用した光のエネルギーが上記波長範囲の範囲内にあることを意味する。ある実施態様において、単色または多色の電磁放射線は、615−750nm範囲、620−700nm範囲、630−700nm範囲、630−750nm範囲、630−675nm 範囲、650および700nm範囲、または625−800nm範囲に波長を有する放射線を実質的に含まない。さらなる実施態様において、該方法は、光フィルターを用いて、多色光源からの放射線を皮膚に用いる前に、該光源から625−700nmの波長を有する1以上の光の波長を除く。上記いずれかのさらなる実施態様において、スペクトルの可視領域内の電磁放射線は、約0.5−40、1−20または2−10 joules/cm2 /処置のレベルにて用いられる。ある実施態様において、放射線を調節して、4−10,000Hzのパルス周波数で光のパルスを提供する。
上記態様および実施態様の各実施態様において、可視光の波長は、約500−650nm、550−625nm、575nm−約625nmの波長、または500−600nm、550−600nm、575−600nm、590−610nm、または595−605nmの波長の透過スペクトルのピークを有する。さらなるある実施態様において、光は、約10、20、30、40または50nmのバンド幅を有する。さらなる他の実施態様において、使用される電磁放射線の波長は、基本的に上記波長内にある単色光の1以上の源を含む。他の実施態様において、適用した光は、約590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610nmの透過スペクトルのピークおよび約5、10、または20nmのバンド幅または5、10、または20nm以下のバンド幅を有することが出来る。
上記実施態様のいずれかの光源は、キセノン−ハロゲンバルブ(xenon-halogen bulb)、LED、または半導体レーザーであってよい。
当業者には既知のように、スペクトルの可視領域内の電磁放射線についての施与計画は、個々の被験体に合うように調整され得る。処置の期間および強度は、各試験者および/または組織毎に対して個々に区別され得る。例えば、頻度、持続時間、および放射線の強度を、症状の重症度、患者の応答性および/または暴露点での皮膚の厚さおよび色調に従って調整できる。上記態様のいずれかの一実施態様において、該組織は、10秒から1時間の長さで処置期間にわたって照射される。ある実施態様において、該処置は、1日あたり1回または2回、1週間に1-、2-、3-、4-または5回、1月あたり1または2回提供される。ある実施態様において、該処置は、急性の症状を処置するために1または数回施与される。他の実施態様において、該処置は慢性的な理由に対して与えられる(月から年まで継続する)。また他の実施態様において、該処置は、断続的におよび/または必要に応じて、緩和すべき症状の徴候および徴候を緩和することであり得る。従って、処置は、急性から慢性まで継続時間を変更できる。さらに、放射線は、該組織または該被験体の内部(例えば、ガラスファイバー光学)または外部に適用されてもよい。スペクトルの可視領域内の電磁放射線は、放射線のエネルギーにより組織の有意ないずれの加熱をも伴わないのが好ましい。ある実施態様において、該放射線は、患部組織に局所的にまたは近位に適用されるか、または患部組織からある程度離れた位置で適用して、適用した光と接触しない位置で標的組織に作用するNOの放出を促進できる。
別の他の態様において、本発明は、該組織または血液のNO、VEGFまたはタンパク質のカルボニル化レベルを測定することにより、組織または器官内の血行不良またはDPNについての予後診断および診断方法を提供する。ある実施態様において、NOおよびVEGFレベルは、感覚の損失および痛みの前に初期段階のDPNを提示するのに役立つ。
別の態様において、本発明は、組織内の血流を測定すること、または該血液または該組織内の組織または血液のNO、VEGF、タンパク質カルボニル化、ニトロ化、またはニトロシル化レベルを測定することにより、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に組織を暴露することに対する応答を追跡する方法を提供する。ある実施態様において、この態様は、本発明の他の態様および実施態様のいずれかに記載の放射線に暴露した組織または被験体の応答を評価する際に使用され得る。従って、ある実施態様において、該追跡は、急性または慢性ベースのいずれかで、組織または被験体に対する放射線処置療法を調整するために使用した。
一態様において、本発明は、糖尿病性末梢神経疾病の治療的光調節におけるスペクトルの可視領域内の電磁放射線の使用を提供する。高血糖症および内皮炎症は、DPNを誘導し得る血管系(脈管系)に影響する一連の有害事象を促進すると考えられる。いくつかの最近の試験から、活性酸素種がこれらのプロセスの多くにおいて重要な役割を持っており、また血管狭窄、四肢への血流低下、高血糖症、末端神経の低酸素、ニトロソ化ストレス、および酸化的ストレスが、糖尿病と関連のある末梢神経疾患に全て関与し得ること(Pop-Busai et al. 2006)が提唱されている。本発明を使用するためのスペクトルの可視領域内の電磁放射線を提供する方法および器具(本出願と同じ譲渡人に譲渡された本明細書の文献に組み込まれたU.S. Patent Application Serial No. 11/331490、その全ておよび特にかかる方法および器具を参照されたい)は、低酸素組織、血行不良、高血糖症、末梢神経障害、およびII型糖尿病を同定する方法として当業者にはよく知られている。ある実施態様において、発光ダイオード(LED)アレイまたは低エネルギーレーザーは、放射線源として理解されている。従って、適用される放射線は干渉性または非干渉性であってよい。
定義
ここで、本明細書および添付の請求野範囲において使用したような、単数形「ある」、「一つの」および「該」には、その内容に別途明確な指示がなければ、複数形の言及も含まれることを強調する。そのようなものとして、単数形、「1以上の」、および「少なくとも1つの」なる用語は、互換的に本明細書において使用される。
用語「調節する」とは、低下または増加させることを意味する。調節刺激は、適用中に動的(時間とともに変化する)または一定であってよい。ミトコンドリア機能の可視光調節は、図1に示されている。該調節は、事実上の治療法であり、また列挙した副作用の症状または症候、徴候、または列挙した副作用の続発症に関する処置(例えば、頻度または重症度のいずれかに関して、改善、低下)または予防(例えば、開始遅延または発症回避)をもたらす。また、調節とは、特定症状に関して、組織または被験体の健康を促進することもできる。
用語「スペクトルの可視領域内の電磁放射線」は、約500−650nm、550−625nm、575nm−約625nmの波長、または500−600nm、550−600nm、575−600nmの波長を有する光を含む。ある実施態様において、使用される電磁放射線の波長は、600nm、610nm、615nm、625nm、630nm、650nm、または675nmより大きい波長を有する光を実質的に含まない。ある実施態様において、該電磁放射線は、光の抑制波長の放射線を実質的に含まないか、または615−750nm範囲、620−700nm範囲、630−700nm範囲、630−750nm範囲、630−675nm 範囲、650および700nm範囲、625−800nm範囲にある光を実質的に含まない。特定波長の「実質的に含まない」光とは、特定波長でのその全エネルギーの低い割合(例えば、25%、20%、15%、10%、5%、または1%より低い)を含む光であるか、または無酸素条件下でNO産生の刺激に従って測定した場合にミトコンドリアに対して治療光の効果を阻害するそれらの波長(例えば、抑制波長)のものよりも、少なくとも3倍、4倍、5倍または10倍高い治療範囲(例えば、550nm−625nm)の光エネルギーの割合を有する光を含む。
さらに、治療放射線は、処置あたり約0.5-40、1-20、または2-10 joules/cm2のレベルで適用され得る。放射線もまた調節され、4-10,000 Hzのパルス周波数で放射線のパルスを提供できる。例えば、ある実施態様において、可視放射線は、処置あたりの強度、0.5-40 joules/cm2として適用され、また4-10,000Hzの周波数にて調節される。処置は、継続期間(例えば、1-5分間から1時間以上)を変えることができる。例えば、処置は、5-10分間、5-20分間または20-40分間継続できる。
従って、光を適用するために使用される光源は、好ましくは可視範囲内の光を発生させる。上記態様および実施態様各々のある実施態様において、使用される電磁放射線光の波長は、約500−650nm、550−625nm、575nm−約625nmの波長、または500−600nm、550−600nm、575−600nmの波長を含む。ある実施態様において、使用される電磁放射線の波長は、600nm、610nm、615nm 625nm、630nm、650nm、または675nmより大きい波長を有する光を実質的に含まない。ある実施態様において、電磁放射線は、615−750nm範囲、620−700nm範囲、630−700nm範囲、630−750nm範囲、630−675nm 範囲、650および700nm範囲、または625−800nm範囲の放射線を実質的に含まない。
特定の実施態様において、光源は、可干渉光を各々提供する1以上のレーザーダイオードを含む。光源からの光が可干渉性である実施態様において、該放射光は可干渉性の光の干渉を理由とする「スペックリング(speckling)」をもたらし得る。このスペックリングは、構造的な干渉により生じ、処置される標的組織に近位で生じ得る強いスパイクを含む。例えば、平均的な出力密度はおおよそ10 mW/cm2であり得るが、処置されるべき脳組織の近位において、このような強いスパイクのある出力密度はおおよそ300 mW/cm2であってもよい。特定の実施態様において、スペックリングを理由とするこの増加した出力密度は、深部組織の照射のためには非可干渉光を使用する治療効率よりも可干渉光を用いて処置効率を改善できる。
他の実施態様において、光源は非可干渉光を提供する。非可干渉光の例示的な光源には、限定しないが、白熱ランプまたは発光ダイオードが含まれる。ヒートシンクは、光源から熱を除くため、および頭皮の温度上昇を阻止するために光源(可干渉性または可干渉性源のいずれかについて)と共に使用される。特定の実施態様において、光源は、実質的に単色(即ち、一つの波長を有する光または狭いバンドの波長を有する光)である光を生成させる。
上記のさらなる実施態様において、光源は、複数の波長を有する光を発生または提供するが、但し該光は650−750nmの範囲にある波長を有する光を実質的に含まない。ある実施態様において、1以上の光学フィルターは、625-750nm内にある波長を有する光の一部を除去するために使用される。
光源は、皮下の標的組織(例えば、脳に関して硬膜(dura)からおおよそ2センチメーターの深さで)にて、予め決定した出力密度を達成するに十分な出力で光エネルギーを放出できる。現在、組織の光治療は、標的組織を、少なくとも約0.01 mW/cm2から約1 W/cm2までの光の出力密度にて照射する場合に、最も有効であると考えられている。様々な実施態様において、表面下の出力密度は、所望の臨床成績によるが、少なくとも各々約 0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、または90 mW/cm2である。特定の実施態様において、表面下の出力密度は、好ましくは約 0.01 mW/cm2-約100 mW/cm2、より好ましくは約0.01 mW/cm2−約50 mW/cm2、および最も好ましくは約2 mW/cm2−約20 mW/cm2である。これらの表面下の出力密度は、処置される該組織に対して、所望の生物学的刺激効果を生じる点で特に有効であると考えられる。皮膚表面から、体組織、骨および体液を透過して皮下の標的組織に伝搬するにつれてエネルギーの減衰を考慮すると、好ましくは約10 mW/cm2 −約10 W/cm2、またはより好ましくは約100 mW/cm2 −約500 mW/cm2の間にある表面出力密度を用いて、通常皮下の標的組織で選択した出力密度を達成できる。かかる表面出力密度を達成するために、光源は、少なくとも約25m−約100Wの全出力を有する光エネルギーを放射出来るのが好ましい。様々な実施態様において、全出力は、各々約30、50、75、100、150、200、250、300、400、または500 mW未満であるように制限される。特定の実施態様において、光源は、全出力を提供するために組合せて使用した複数の光源を含む。光源の実際の出力は、好ましくは管理可能な状態で変更できるのが好ましい。この方法において、放出される光エネルギーの出力は、処置される皮下組織での選択された出力密度に従って調整され得る。
特定の実施態様は、皮膚表面での全出力の約10、20、25、30、40、または50mW−約100 Wを提供できる単一レーザーダイオードのみを含む光源を利用する。特定の実施態様において、該レーザーダイオードは、所望により光学ファイバーを介して頭皮に連結され得るか、または皮膚を火傷させるかあるいは損傷させる出力密度を回避するに十分大きなスポットサイズを提供するように設置され得る。他の実施態様において、光源は、皮膚表面で全出力の少なくとも10、20、25、30、40、または50mW−約100 Wを一緒に提供できる格子または並列に配置された複数の光源(例えば、レーザーダイオード)を用いる。他の実施態様の光源は、これらの限界以外の出力キャパシティを有する光源を含んでもよい。
特定の実施態様において、光源は、個人により見られた場合、眼の損傷の原因となる光を生成する。かかる実施態様において、光源装置を、個々人により光が見えないように眼の保護を提供するように設置できる。例えば、直接的な視野から光を遮断するように不透明な材料を適切に設置できる。さらに、連動装置(interlock)は、保護エレメントが所定の位置にあるか、または他の好適な安全対策がとられなければ、光源装置が作動できないように提供され得る。
さらなる他の実施態様において、光エネルギーを送達するための治療装置には携帯プローブが挙げられる。
特定の実施態様において、光の適用は、論理回路を含むプログラム可能なコントローラー、論理回路に接続された時計および論理回路と接続されたインターフェースにより、制御される。特定の実施態様の時計は、論理回路が、適用した光の計時インターバルを追跡および制御できるように、論理回路に計時シグナルを提供する。計時インターバルの例には、限定しないが、全処置時間、適用した光のパルスについてのパルス幅時間、および適用した光のパルス間の時間のインターバルが挙げられる。特定の実施態様において、皮膚上に担持する熱を低下させるために、また選択された出力密度を脳または他の標的組織/器官の特定領域に送達するために光源を選択的に点灯および消すことができる。
ある実施態様において、適用される光源は、インターフェースと接続された論理回路により制御される。該インターフェースは、使用者のインターフェースまたは少なくとも1つの処置のパラメーターを追跡するセンサーに対するインターフェースを含み得る。特定の実施態様において、プログラム可能なコントローラーは、好ましくは測定した応答を至適化するための処置パラメーターを調整するよう、該センサーからのシグナルに応答する。従って、プログラム可能なコントローラーは、閉回路モニタリングおよび光治療を至適化するための様々な処置パラメーターの調整を提供できる。使用者から該インターフェースにより提供されたシグナルは、限定しないが、患者の特徴(例えば、皮膚のタイプ、脂肪率)、選択された適用出力密度、標的時間インターバル、および出力密度/適用した光に対するタイミングプロファイルを包含し得るパラメーターの特徴を示す。
特定の実施態様において、論理回路は光源ドライバーに接続される。光源ドライバーは電力供給装置に接続され、これには特定の実施態様においてバッテリーを含み、また他の実施態様においては交流電源を含む。また、光源ドライバーは光源と接続される。論理回路は、時計からのシグナルと該使用者のインターフェースからの使用者の入力値に反応し、コントロールシグナルを光源ドライバーに伝達する。論理回路からのコントロールシグナルに対する応答において、光源ドライバーは、光源に適用される出力を調整および制御する。
特定の実施態様において、論理回路は、適用される光を制御するために該処置の少なくとも1つのパラメーターを追跡するセンサーからのシグナルに反応する。例えば、特定の実施態様は、皮膚の温度に関する情報を論理回路に提供するために熱的に皮膚に接続した温度センサーを含む。かかる実施態様において、論理回路は、予め決定したレベル以下に頭皮温度を維持するために適用光のパラメーターを調整できるように、コントロールシグナルを光源ドライバーに伝達するために温度センサーからの情報に対して反応性である。他の実施態様には、これに限定しないが、例えば血流センサー、血液ガス(例えば、酸素化)センサー、NO産生センサーまたは細胞性活性センサーなどの一般的なバイオメディカルセンサーが挙げられる。かかるバイオメディカルセンサーは、リアルタイムのフィードバック情報を論理回路に提供できる。特定の実施態様において、論理回路はセンサーからのシグナルに応答し、適用した光のパラメーターを好適に調整し、測定した応答を至適化する。このように、論理回路は、閉回路モニタリングおよび適用光の様々なパラメーターの調整を提供して、光治療を至適化することができる。
選択された波長についての光治療の好ましい方法は、組織に送達された光エネルギーの出力密度(単位面積あたりの光強度または出力、W/cm2)またはエネルギー密度(単位面積あたりのエネルギー、J/cm2、または暴露時間を乗じた出力密度)は、光治療の相対効率を決定する場合に重要なファクターであるという認識に基づいている。
特定の実施態様において、光源を、原因となっている脳組織を標的化するために、または例えば病状または神経変性の対象であったものを標的化するために、該被験体の皮膚または頭皮の様々な部分を照射するために調整できる。
本明細書で使用したように、用語「神経変性」とは、一次的な破壊的事象、例えば卒中またはCVA、さらに一次的な破壊的事象の発生が原因である細胞により誘起される二次的な遅延性および進行性の破壊的メカニズムが原因でおこる細胞破壊または機能損失のプロセスを指す。一次的な破壊的事象には、疾患プロセス、身体的損傷または卒中などの発作が挙げられるが、また次のような疾患および症状も挙げられる;例えば、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、てんかん、アルツハイマー疾患、他の病因、例えばAIDSから生じる認知症、焦点性脳虚血などの脳虚血、および身体的外傷、例えば脳、脊髄、神経または網膜の圧挫または圧迫損傷、または任意の急性損傷または神経変性をもたらす発作などのCNSにおける圧挫または圧迫損傷。ある実施態様において、本発明の方法は、ハンチントン疾患;パーキンソン疾患; 家族性パーキンソン疾患;アルツハイマー疾患;家族性アルツハイマー疾患;筋萎縮性側索硬化症;散発性筋萎縮性側索硬化症;乳酸アシドーシスを有するミトコンドリア脳筋症および卒中様の症状の出現;赤色ぼろ線維を伴うミオクローヌスてんかん;キーンズ・セイアー症候群;進行性外眼筋麻痺;レーベル遺伝性視神経症(LHON);リー症候群;およびフリードライヒ失調症、およびシトクロームc酸化酵素(CCO)欠損状態を処置するために使用され得る。
本明細書を使用した場合に、用語「神経保護作用」とは、一次的な破壊的事象後の神経変性を理由とするか、または該神経変性の損失が一次的な破壊的事象または二次的な破壊的メカニズムと関連した疾患メカニズムを理由とする、ニューロンまたはCNS機能の別の不可逆的損失を遅延または防止するための治療方策をいう。
さらに、炎症および酸化ストレスは、アルツハイマー疾患を含めた多くの慢性神経変性症状の病状において重要である。この疾患は、神経原線維変化の蓄積および老人斑、そして広範囲に進行する脳内のニューロン変性を特徴とする。老人斑は、染色体21に位置するAPP遺伝子によってコードされたアミロイドタンパク前駆体(APP)を多く含む。ADの発症機序は、ニューロンに毒性であるβアミロイドペプチドの過剰な細胞外蓄積をもたらすAPPの異常なタンパク質分解解裂により媒介され得る(Selkoe et al., (1996), J. Biol. Chem. 271:487-498; Quinn et al., (2001), Exp. Neurol. 168:203-212; Mattson et al., (1997), Alzheimer's Dis. Rev. 12:1-14; Fakuyama et al., (1994), Brain Res. 667:269-272)。神経保護作用を評価する方法は、当業者には十分知られている(例えば、U.S. Patent publication no. 20080107603 および米国特許第 6,803,233を参照されたい。これらは出典明示により本明細書に組み込まれる)。光依存性のCCO NO 産生の有益な結果は、ニトロシル化後のγセクレターゼ活性のダウンレギュレーションである。γセクレターゼ活性の低下は、有害なβアミロイドペプチドの産生を順次低下させる。
従って、ある実施態様において、本発明の目的は、学習および/または記憶障害、またはアルツハイマー型認知症における認知不全、大脳血管認知症および老年期の認知症を緩和することができる認知症の処置を提供することである。
ある実施態様において、本発明は、ミトコンドリア機能不全に関与する疾患を有する被験体を処置する方法を提供する。一般的に、該方法は、ミトコンドリア機能を改善するために有効な条件下でかかる被験体に本発明の光治療を施与することを含む。本発明のこの方法は、特に、ミトコンドリア機能不全と関連のある疾患の処置または予防に有用である。この方法に従って処置され得る疾患は、一般的に、酸化的代謝のレベル低下を特徴とする症状または疾患を含む。該疾患は、遺伝子ファクター、環境ファクター、または両方により引き起こされ得る。より具体的には、かかる疾患には、神経系(例えば、神経変性、精神病等)の症状または疾患、身体の他の部分の症状または疾患、および全体として身体の症状または疾患が挙げられる。神経系のかかる症状または疾患には、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患だけでなく、脊髄小脳失調、および酸化的代謝異常と関連のある精神病(うつ病または統合失調症調を含めた)もまた挙げられる。例示的な症状または他の身体部分の不全には、心臓脈管不全(例えば、心筋梗塞、アンギナ、心筋症、心血管不全、および心不全を引き起こす他の症状または疾患を含めたアテローム性動脈硬化および心臓脈管疾患)、筋骨格障害(この酸化的代謝は異常である)および非神経組織の他の症状または不全(この酸化的代謝は、例えば代謝変化と関連が多い衰弱や老人症などの異常である)が挙げられる。
神経系の多くの症状または疾患は(例えば、ADおよび上記した症状または疾患)、脳代謝機能不全を特徴としており、これは脳機能不全、例えば認知症として現れる。さらに、他の本発明の態様は、脳代謝機能不全を有する被験体において脳機能を改善する方法に関する。一般的には、本発明の医薬組成物は、脳細胞性代謝を改善するのに有効な条件下で脳代謝不全を有する被験体に投与される。脳細胞の代謝を改善することにより、患者の脳機能は有意に改善される。
用語「処置すること」または「処置」は、特定の疾患または症状に有益な剤の適用を含めた治療方法をいう。例えば、本発明の光治療を使用して、該疾患または該症状の進行または発病を遅延させること、ならびに/または該症状または該疾患の該兆候および/または症状の身体症状を低下させることができる。治療上有効量の剤は、該疾患または症状を処置するのに十分な薬剤(例えば、放射線または薬剤)の量または用量を指す。神経保護剤の有効性を決定するための多くのモデルシステムは、当分野では知られている。かかるモデルシステムを、本発明の処置効率を評価するために使用できる。例えば、当業者には既知の挙動評価は、認識機能障害についてヒトまたは試験動物において使用でされ得る。試験動物において、Y-迷路装置を用いる空間的記憶試験は、それらが直前に入ったアームを避けて新規のアームに入る動物の行動性(交替挙動)を試験するために使用され得る(Itoh, J., et al. (Eur. J. Pharmacol., 236, 341-345 (1993) を参照されたい)。あるいは、またはさらに、細胞死、神経原線維変化の蓄積または老人斑を追跡する病理組織方法は、神経変性の範囲を評価するために使用され得る。
光エネルギーの神経保護有効量は、神経変性を、逆転、保護、回避、低下または排除するという目的を達成する。
特定の実施態様において、「神経保護」は、頭皮と近位の患者の脳の標的部分とを接触させて該治療装置を設置することにより患者(例えば、アルツハイマー疾患)を処置することに関する。患者の脳の標的部分は、例えば、標準的な医療イメージング技術を用いることによって予め同定することができる。特定の実施態様において、処置には、患者の脳の標的部分で予め選択された出力密度に対応する頭皮上の表面出力密度を計算することがさらに含まれる。特定の実施態様の計算は、光エネルギーの浸透、即ち標的面積での出力密度に影響するファクターを含む。これらのファクターには、限定しないが、患者の頭蓋骨の厚み、髪の毛のタイプおよび髪の毛の色調、皮膚の色調および色素、患者年齢、患者性別、および脳内の標的部分への距離が挙げられる。次いで、適用した光の出力密度および他のパラメーターは、計算結果に準じて調整される。
患者の脳の標的部分に適用されるように選択した出力密度は、多数のファクターに拠り、これらには、適用した光の波長、病理の位置および重症度、ならびに患部脳面積の範囲を含めた患者の臨床的症状が挙げられるが、これらに限定するものではない。患者の脳の標的部分に送達される光エネルギーの出力密度を、あらゆる他の治療剤または剤、特に医薬的な神経保護剤と併用して調整して、所望の生物学的効果を達成できる。かかる実施態様において、選択された出力密度は、他の治療剤または選択された薬剤にも準じうる。
好ましい実施態様において、処置は、約10秒−約2時間、より好ましくは約1−約10分間、最も好ましくは約2−5分間継続させる。他の実施態様において、光エネルギーは、好ましくは少なくとも1回の処置期間が少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも1回の処置期間が少なくとも10分間伝達される。光エネルギーが処置期間中にパルス化され得るか、または該光エネルギーが、処置期間中に継続的に適用され得る。
特定の実施態様において、該処置は、1回の処置期間後に終結されてもよいが、他の実施態様においては、該処置は、少なくとも2回処置期間を繰り返してもよい。次の処置期間は、好ましくは少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも約1−2日数、および最も好ましくは少なくとも約1週間である。処置時間および処置期間の頻度は、治療に対する患者の機能回復または応答等のいくつかのファクターに依存し得る。
かかる処置が必要な患者の神経保護処置のための方法は、可視範囲の波長を有する光エネルギーの神経保護有効量を患者の脳の標的部分に送達することに関する。特定の実施態様において、患者の脳の標的部分には、プラーク蓄積領域または虚血、即ち「危険ゾーン」にあるニューロンの領域が含まれる。他の実施態様において、標的部分には、危険ゾーン内にはない脳の部分が包含される。理論に縛られずに、危険ゾーンに近位の健康な組織の照射は、隣接している損傷組織などの低酸素組織内の血流を改善することができる照射された組織中のNO産生を増加できると考えられる。
本発明に従って、脳への光を適用するために適合できる装置および方法は、U.S. Patent Application Publication No. 2006/0253177に開示されており、これは出典明示により本明細書の一部とする。
特定の実施態様において、該方法は、脳内の虚血事象を示した患者における神経保護効果を提供する。該方法は、脳における虚血事象を経験している患者を同定することを含む。該方法は、虚血事象の時点を見積もることをさらに含む。該方法は、脳および/または脳に近位の領域の該脳または患部領域への光エネルギーの神経保護的な有効量の施与を開始することをさらに含む。光エネルギーの投与は、虚血事象の時点後の少なくとも約2時間以後で開始される。特定の実施態様において、光治療処置は、好ましくは、虚血事象発症後の24時間以内に行われるのが効果的であり、より好ましくは虚血事象後の2時間よりも早くなく、さらにより好ましくは虚血事象後の3時間よりも早くなく、および最も好ましくは虚血事象後の5時間よりも早くない。特定の実施態様において、1以上の処置パラメーターは、虚血事象から経過した時間に拠って変更できる。
本発明は、アルツハイマー疾患(例えば、症状の進行または発病を遅延させるか、または兆候および/または徴候または該疾患の身体症状を低下する)を処置する方法も提供する。多くの証拠は、脳に流れる含酸素血液が、アルツハイマー疾患に関連のあるタンパク質プラークの集積に関与することを示している。特にシトクロームc酸化酵素活性などのミトコンドリア機能における変化もまた、アルツハイマー疾患患者同様に報告されている。低酸素条件下で、可視光は、シトクロームcを、一酸化窒素、強力な血管拡張物質を生成させるために活性化できることが示されている。血管拡張は、細胞に利用することができる酸素量を増加させ、さらにこれらの患者におけるミトコンドリア機能を直接促進することができる。従って、一態様において、本発明はアルツハイマー疾患のための光治療を提供する。
上記のある実施態様において、脳が処置される場合、該外部頸動脈および/または椎骨動脈は、頭の測部から可視光を施与することにより光に暴露される。この構造に対する最短距離が側部からである。耳下および顎骨後部と頭または光源を直接的に位置調整することにより、適用される放射エネルギーをこれらの構造に対して最も直接的に利用となろう。他の実施態様において、椎骨動脈は、頭蓋骨の後部または頭蓋骨の側部からの光の適用により処置される。
脳が処置される部位である実施態様において、該処置ヘッドは、耳下および顎骨の丁度後ろに適用されるべきである(図9を参照されたい)。この場合、柔らかくない組織を横切らねばならないために脳への供給血管の照射領域が乱れる。これは、直径がおよそ2インチの処置ヘッドは両方の構造をカバーすることを示す。その他の処置ヘッドを使用でき、例えば直径が0.5-4インチの処置ヘッドを使用してもよい。処置ヘッドは、円状である必要はないが、標的とする動脈の場所をより近位に通過出来るように配置され得る。ある実施態様において、処置ヘッドは、約1または2平方インチから、4、8または10平方インチの適用表面領域を有し得る。ある実施態様において、該処置は身体の片側または両側部に施与され得る。
ある実施態様において、アルツハイマー疾患に対する処置効果は、疾患進行自体への該処置に対する効果を評価することにより、または疾患進行または発病のバイオマーカー[例えば、APPおよびAPP産物、γセクレターゼレベル(特にプレセニリン・サブユニットなどであるがこれに限定しない);ミトコンドリアCCOサブユニットIV(哺乳動物、V 酵母)アイソフォーム)]をモニタリングすることにより間接的に追跡される(Schon et al., J. Clin. Invest. 111(3): 303-312 (2003)を参照されたい)。
実施例1:低酸素条件下での内皮細胞のNO産生の呼吸鎖の速度
現在、NO合成には2つの経路が知られている。第1の経路は、一酸化窒素合成酵素(NOS)、即ちNADPHおよび酸素の存在においてアルギニンからシトルリンに変換する酵素が挙げられる。一酸化窒素合成酵素(NOS)について3つのアイソフォームがある。これらは、NOS I (ニューロンのNOS)、NOS II (誘導型NOS)、およびNOS III (内皮NOS)と呼ばれる。NO 産生の第2の経路は、ミトコンドリア呼吸鎖による亜硝酸塩依存性のNO産生に関する。この経路は、低い酸素濃度でのみ機能する。
内皮細胞におけるNOS-依存性およびNOS-非依存性のNO合成の相対的な重要性を、可視光処置の前後で評価した。NO産生を、亜硝酸塩の生理濃度の存在において低酸素条件に暴露した細胞において評価する。このプロセスにおいて呼吸鎖の関連性は、a)L-NAME、一般的なNOS阻害剤、b)呼吸鎖の阻害剤、c)ミトコンドリア膜電位の撹乱物質、d)ミトコンドリア複合体IVの阻害剤、e)構成的NOSの阻害剤、およびe)テオフィリンの存在において評価される。
実施例2:内皮または細胞によるNO産生
内皮細胞を単離し、他の文献に記載されたとおりに(Wang et al., 2007; Wang et al., 2004)培養した。低酸素(1.5%O2、93.5%N2、5%CO2)または無酸素状態(5%CO2、4%H2、91%N2)を、適切なガス混合物で予め平衡化したイン・ビボのワークステーション(Biotrace)またはコイ・ラボラトリー・グルーブ・ボックス(Coy laboratories glove box)内に確立した。全ての細胞抽出物を、再酸化を防止するために該ワークステーションまたはグルーブ・ボックス内で調製した。細胞を、時間を変えて(2-8 hr)無酸素または低酸素条件下で維持した。一酸化窒素産生を、蛍光の一酸化窒素インジケーターDAF-FM(Molecular Probes, CA)により評価した。栄養培地にNaNO2(20μM)を加えた。亜硝酸塩依存性NO産生における呼吸鎖の関与を、a)複合体III アンチマイシン A (10μM)、ミキソチアゾール(10μM)およびシアン化合物(1mM)の阻害剤;b)ミトコンドリア膜電位の撹乱物質 FCCP(10μM)およびジニトロフェノール(100μM);c)ミトコンドリア複合体 V オリゴマイシンの阻害剤(10μM);およびd)L-NAME、構成的NOS L-NAMEの阻害剤(1 mM)の存在下において評価した。
実施例3:ミトコンドリア機能およびNO産生
正常細胞および低酸素細胞由来のミトコンドリアを、前記方法を用いて(Castello et al, 2006)、呼吸コントロール、亜硝酸塩依存性NO産生の低酸素産生、ならびにATPおよびテオフィリンとのインキュベーション後の亜硝酸塩依存性のNO産生について評価した。
実施例4:亜硝酸還元酵素活性の刺激および可視光によるシトクロームc酸化酵素サブユニットのリン酸化
シトクロームc酸化酵素の亜硝酸還元酵素活性に対する可視光の効果を、単離したミトコンドリアおよび精製したシトクロームc酸化酵素にて評価できた。
亜硝酸塩依存性のNO産生
最初に、NO測定器または蛍光プローブDAF-FM (MolecuProbes, CA)を用いて、単離ミトコンドリア中のNOレベルを測定した。前記したように(Castello et al. 2006)、NO産生がシトクロームc酸化酵素に限定するために、可視光に暴露したミトコンドリアを特異的呼吸阻害剤で処置した。ミトコンドリアにおけるNO産生の可視光刺激を観察した。
哺乳動物および酵母の双方から精製した単離シトクロームc酸化酵素による亜硝酸塩依存性NO産生に対する可視光の効果を次に試験した。
シトクロームc酸化酵素のサブユニットのリン酸化
COXのTyr-リン酸化を、免疫沈降、ゲル電気泳動および免疫ブロッティングの後に分析した(Lee et al., 2005)。
実施例5:内皮および酵母細胞において酸化ストレスおよび/またはミトコンドリア生合成の細胞内レベルに対する可視光の効果
これらの試験は、培養中の内皮および酵母細胞に対する可視光暴露の長期的効果を試験する。特に、可視光暴露により、新規ミトコンドリアの産生および細胞呼吸代謝の増加が増強されることがわかった。この結果を、細胞呼吸に対する可視光の効果およびシトクロームc酸化酵素のサブユニットなどのミトコンドリアタンパク質の細胞内レベルを評価することにより示した。細胞の呼吸速度の増加は、ミトコンドリア呼吸鎖によるROSの生成を低下させた。細胞呼吸、酸化ストレス、およびミトコンドリアの生合成(即ち、新規ミトコンドリアの合成)に対する可視光の効果を評価した。暴露に使用した可視光の波長を変化させることにより、低酸素を処置するための最も有効な波長を同定した。
実施例6:ミトコンドリア過酸化水素産生
細胞の酸化ストレスに対する可視光の効果を評価する一つの方法は、呼吸鎖によるROSの産生を測定することである。これは、単離したミトコンドリアおよびW.P.I.増幅器に接続した過酸化水素電極を用いて行った。
タンパク質カルボニル化の測定
一般的に言えば、3つのアッセイ型を細胞の酸化ストレスを評価するために使用した。第1のアッセイは、蛍光染料(例えば、フルオレセインまたはローダミン誘導体)を使用して、細胞内ROSレベルを評価する。第2のアッセイは、過酸化脂質の蓄積[例えば、マロンアルデヒドおよびヒドロキシアルケナール(hydroxyalkenals)]、酸化ヌクレオシド[例えば、8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8OH2gG)]またはタンパク質(例えば、o-チロシン、m-チロシン、ジチロシンおよびカルボニル誘導体)の酸化アミノ酸側鎖を測定することにより、ROSによりもたらされる酸化的損傷を評価する。第3のアッセイは、酸化ストレス誘発遺伝子の発現を測定する。
タンパク質カルボニル化を使用して、細胞性酸化ストレスの全体のレベルを示す。ミトコンドリアおよび細胞質タンパク質分画物のカルボニル含量を、記載したとおりに(Dirmeier et al. 2002; 2004)、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を用いて各分画物中のタンパク質を誘導体化した後に測定した。
ミトコンドリア生合成
光が新規ミトコンドリアの合成に影響するかどうかを決定するために、酸素電極を用いて、細胞呼吸のレベル、酸素消費速度を測定した。重要なミトコンドリアタンパク質(シトクロームc酸化酵素、シトクロームc、シトクロームc還元酵素、およびATP合成酵素のサブユニット)の細胞内レベルの変化を、細胞を光に暴露した後に測定した。これらのタンパク質のレベルを、全細胞抽出物のSDS-ゲルの免疫ブロッティングにより決定した。
実施例7:可視光は血中の血管拡張物質のレベルを増加させた
末梢神経障害罹患患者を光に暴露した後に、静脈血液および暴露組織内のNOおよびVEGFを測定した。VEGFレベルをイムノアッセイにより評価し、またNOレベルをNO計測器または蛍光NOインジケーターDAF-FMを用いて測定した。
血中のNOレベルの測定
静脈血液を患者から採取して凍結した。何故なら、NOは不安定であり、酸化ヘモグロビンの存在下で硝酸塩に急速に変換され、NOを直接測定することは出来ないためである。その代わりに、我々は、還元剤として銅皮膜カドミウム(NITRALYZER(登録商標)-II、WPI, FL)を用いて、硝酸塩を、亜硝酸塩およびNOに化学的に変換した。産生されるNOを、NO/フリーラジカル分析器に接続したNO電極を用いて測定した。
VEGFレベル
血液中のVEGFレベルを、全血液をSDS-ポリアクリルアミドゲル上で泳動させ、VEGFに特異的な抗体を用いてゲルを免疫ブロッティングした後に決定した。
実施例8
この試験の全体の目的は、ミトコンドリアシトクロームc酸化酵素による、光と細胞の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生との関係性を試験することであった。酵母Saccharomyces cerevisiaeをこの試験のためのモデルとして用いた。具体的な目的は後記である:
1)光が酵母細胞において亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に影響を及ぼすかどうかを決定すること、そしてもしそうであれば、刺激または抑制効果を有するかどうかを評価すること。
2)細胞の亜硝酸依存性の一酸化窒素産生に対する光強度の効果を決定すること。
3)細胞の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光の刺激または抑制効果についての作用スペクトルを同定すること。
低酸素酵母細胞による亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する広域スペクトルの効果を試験した。最初に、いくつかの実験条件を、細胞の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光の効果を評価する最良の方法を決定するために検討した。これらには、次のものが挙げられる:様々な光源の種類を調べること、温度を制御すること、基質(亜硝酸塩)の添加時間を変えること、および照射光の時間および持続期間。これらの変数による予備試験後、我々は、広域スペクトル可視および近IR光を発生できる50 watt キセノン/ハロゲン照明灯(Feit Electric Co.)を使用するために決定した。このバルブ(図2)からのスペクトル放射を、University of Colorado, BoulderでのCIRES labのthe Integrated Instrument Development Facilityの職員により、Ocean Optics Diode Array Fiber Optic 分光光度計(モデル SD 2000)を用いて決定した。
アッセイされる細胞を、水ジャケットチャンバー内で28℃の一定温度で保持し、ヒートフィルターを、観察された効果が光によるものであり、照射による温度変化ではないことを確実にするために光源と細胞との間に置いた。アッセイチャンバー表面での光強度を、Newport Instruments 918D-SL 出力メーターで測定した。全ての試験を暗室で行った。細胞を 7 mW/cm2の光強度に暴露した、これは光バルブをアッセイチャンバーから20インチに設置することに対応している。全ての可変レベルの光エネルギーを送達するために、細胞が光に暴露された時間の長さを変更した。光に暴露する前に、該細胞懸濁物に、窒素ガスを拡散させて酸素を除去した。その後、該懸濁物を時間の長さを変えた光に暴露し、次いで亜硝酸塩を加えて反応を開始した。一酸化窒素レベルを、WPI Apollo 4000 一酸化窒素メーターと連結した一酸化窒素電極で測定した。
図3に示したとおり、2つの実験条件を試験した。条件Aでは、亜硝酸塩を添加する前に、細胞を時間の長さを変えた光に暴露することにより事前に調整した。亜硝酸塩を添加してから光を消した。条件Bでは、実験継続時間中に光を継続したこと以外は条件Aと同じであった。AおよびBの条件下での亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する広帯域光の効果を図3に示した。光の非存在における一酸化窒素産生と、条件AおよびBの下での一酸化窒素産生との比較により、広帯域光がAおよびBの両条件下で低酸素細胞内の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生を刺激すること、そして2つの異なる段階が存在することが明らかとなった。初期段階は、急速な一酸化窒素の産生を特徴とする。この段階は、その後により遅い段階となる。便宜上、我々は第一の段階を「初期段階」および第二の段階を「後期段階」と呼ぶ。何故速度が遅いのかは明らかではないが、生成した一酸化窒素の全体のレベルは、初期段階中に観察された速度増加により主に決定されるようである。いずれの段階もこれらの試験に使用できるが、後期速度および一酸化窒素産生の全体のレベルが初期段階の速度よりも、より再現性が高いことが認められた。図4から、条件Bの間に受容した追加の光エネルギーは、条件Aに従ったプロトコールよりも一酸化窒素産生の速度に対して増強を抑えることが明らかとなった。実際には、条件Aにおける光による事前の調整ステップは十分であると思われる。この理由から、その後の全ての試験を、条件Aを用いて行った。
酵母細胞による亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光強度の効果を、事前準備の段階中に暴露時間を変更することにより決定した。図5から、亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光の刺激効果は呼吸鎖を必要とすることは明らかである。この理由は、呼吸欠損株においては観察されないためである。また、0.8から1.6J/cm2への光強度の増加は一酸化窒素産生の初期段階速度を増加させたことも明らかである。後期の間の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生の速度に対して光強度の効果に関するより完全な分析を図6に示した。一酸化窒素合成速度の最大の刺激を0.8 J/cm2の光強度にて観察した。光強度と一酸化窒素産生との間の類似した関係を、初期段階中の一酸化窒素合成についても同様に観察した。
Edmund Scientificの一連の広帯域干渉フィルターを、亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光の特定波長の効果を評価し、我々が使用した作用スペクトルを作るために用いた。これらのフィルターは、50nm毎のピーク透過率および80nmの半値全幅(FWHM)を示した。後期の段階中の一酸化窒素産生の全体の速度を図7に示した。一酸化窒素産生の最大刺激を、細胞が550±40nmおよび600±40nmフィルターを用いて刺激された場合に観察した。450および500nmフィルターにより伝達された波長は、一酸化窒素産生に対して効果がないことを示した。驚くべきことに、650および700nmフィルターの光により伝達されたそれらの波長は、光なしのコントロールと比較した場合に、亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対して抑制効果を示した。亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に対する光の刺激および抑制効果両方の波長依存性をさらに精査するために、我々は、Cheshire opticalの狭いバンド幅の干渉フィルターを使用することを試みた。これらのフィルターは、10±2 nm毎の間隔で中心波長を示し、530−850nmの範囲に及ぶ。残念ながら、これらの狭いバンドフィルターは、光刺激された一酸化窒素合成に必要なレベル以下に光透過レベルを低下させるために、それらはより高い解像作用スペクトルを確立するためには好適でなかった。
上記試験から得た結果は、広帯域光が酵母細胞中の亜硝酸塩依存性の一酸化窒素産生に影響を及ぼし、また用量依存様式であるという結論を明確に支持する。また、それらは、ある波長の光は刺激性であるが、その他のものは抑制性であるという結論を支持する。さらに、この3.5カ月間に行った実験は、光バルブをこれらの試験に使用できるが、その出力スペクトルはその寿命と共に変化するという欠点を示した。これは不便であり、光エネルギー(例えば、LED)の別の光源が今後の試験にとってより好適であることを示唆している。
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本明細書で引用した文献は、その全てを出典明示により本明細書に組み込む。本明細書で引用したあらゆる文献とこの明細書の具体的な教示との間の不一致は、後者を支持することにより解消される。同様に、単語または句の当分野で理解される定義と本明細書において具体的に教示したとおりの単語または句の定義との間のあらゆる不一致は、後者を支持することにより解消される。

Claims (50)

  1. スペクトルの可視領域内の電磁放射線に哺乳動物の低酸素組織を暴露することを含む、哺乳動物被験体の組織内の低酸素を処置する方法。
  2. 処置に対する応答が患部組織の血流を測定することにより評価される、請求項1記載の方法。
  3. NOまたはNO誘導性血管拡張物質またはVEGFの血液または組織レベルが、処置への応答を評価するために追跡される、請求項1記載の方法。
  4. 光が、暴露された組織のミトコンドリアによるNO産生を増加させる、請求項1記載の方法。
  5. 暴露された組織内の血流が増加する、請求項1記載の方法。
  6. 暴露された組織内のミトコンドリア酸素効率が該暴露により増加される、請求項1記載の方法。
  7. 低酸素が四肢の血行不良を理由とする、請求項1記載の方法。
  8. 被験体が糖尿病を有する、請求項1記載の方法。
  9. スペクトルの可視領域内の電磁放射線に患部組織を暴露することを含んでいる、糖尿病性末梢神経疾病のために哺乳動物被験体を処置する方法。
  10. 低酸素組織内のエネルギー代謝を改善する方法であって、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に該組織を暴露することを含む、方法。
  11. 哺乳動物の組織内の酸化ストレスを低下する方法であって、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に該組織を暴露することを含む、方法。
  12. 組織内の誘導性酸化ストレス遺伝子、過酸化脂質のレベル、酸化ヌクレオシドおよび酸化アミノ酸またはポリペプチドのいずれかの1以上の低下がある、請求項11記載の方法。
  13. 組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素により媒介される呼吸、または組織の細胞中のシトクロームc酸化酵素のリン酸化を、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に該組織を暴露することにより調節する方法。
  14. 組織内のミトコンドリア機能を調節する方法であって、スペクトルの可視領域内の電磁放射線に該組織を暴露することを含む、方法。
  15. 調節が、暴露された組織内のミトコンドリア亜硝酸還元酵素活性またはNO産生を増加させる、請求項14記載の方法。
  16. ミトコンドリア生合成が調節される、請求項14記載の方法。
  17. 調節が、ミトコンドリアによるNO産生を増加させる、請求項14記載の方法。
  18. ミトコンドリアタンパク質の量または発現が増加される、請求項14記載の方法。
  19. シトクロームc酸化酵素、シトクロームc、シトクロームc還元酵素またはATP合成酵素のサブユニットからなる群から選択された1以上のサブユニットの量または発現が増加される、請求項18記載の方法。
  20. 哺乳動物被験体へのスペクトルの可視領域内の電磁放射線による処置効果を追跡する方法であって、該被験体の組織を該放射線に暴露すること、および該組織内のNO誘導性血管拡張物質にてNO産生に対する該放射線の効果を測定することを含む、方法。
  21. シトクロームc亜硝酸還元酵素活性による低酸素および/またはグルコースの高濃度の条件下で、NOを産生できる哺乳動物組織内のニューロンまたは内皮細胞によるNO産生をイン・ビボまたはイン・ビトロで調節する方法であって、ニューロンまたは内皮細胞をスペクトルの可視領域内の電磁放射線に暴露することを含む方法。
  22. 四肢が、スペクトルの可視領域内で電磁放射線により照射される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
  23. 四肢が足または手である、請求項22記載の方法。
  24. 四肢が下肢である、請求項22記載の方法。
  25. 放射線が、約500−625nmの波長を含む、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 放射線が、約550−625nmの波長を含む、請求項25記載の方法。
  27. 放射線が、575−600nmの波長を含む、請求項25記載の方法。
  28. 放射線が、基本的に625nm未満の波長を含む、請求項25記載の方法。
  29. 電磁放射線が、625−750nm範囲の波長を有する放射線を実質的に含まない、請求項25記載の方法。
  30. 電磁放射線が625nm以上の波長を有する放射線を実質的に含まない、請求項25記載の方法。
  31. 1-20 ジュール/cm2の放射線が適用される、請求項25記載の方法。
  32. 放射線が、4−10,000Hzの周波数で調節されるかまたはパルス化される、請求項25記載の方法。
  33. 組織が、中枢神経系の組織である、請求項1−32のいずれかに記載の方法。
  34. 組織が、脳組織または脊髄組織である、請求項33記載の方法。
  35. 組織が、10秒−1時間の長さの処置期間にわたり照射される、請求項25記載の方法。
  36. 処置の頻度が、1日に1または2回;1週間に1-、2-、3-、4-または5回、あるいは1または2回/月から選択される、請求項25記載の方法。
  37. スペクトルの可視領域内の電磁放射線への暴露が、急性から慢性までである、請求項25記載の方法。
  38. 放射線が550−625nmの波長である、請求項25記載の方法。
  39. 放射線暴露の効果が、シトクロームc酸化酵素による放射線の吸収により媒介される、請求項1〜38のいずれかに記載の方法。
  40. 放射線が組織または被験体の内部または外部に適用される、請求項1〜39のいずれかに記載の方法。
  41. 血行不良または組織や器官内のDPNについての予後診断および診断方法であって、該血液または該組織内の組織または血液のNO、VEGFまたはタンパク質のカルボニル化レベルを測定することを含む、方法。
  42. NOおよびVEGFレベルが感覚の損失および痛みの前に初期段階のDPNを示す、請求項41記載の方法。
  43. 組織内の血流を測定すること、または該組織や該血液中の該組織や該血液のNO、VEGFまたはタンパク質のカルボニル化レベルを測定することを含む、スペクトルの可視領域内の電磁放射線への暴露に対する組織の応答を追跡する方法。
  44. 急性または慢性ベースでのモニタリングに従い、該放射線への暴露を調整することをさらに含む、請求項42記載の方法。
  45. 放射線が、約 500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、または620nmの波長で、またはこれらの値のいずれか一つの10nm以内の波長のピークエネルギー発光を有する、請求項1〜44のいずれかに記載の方法。
  46. 適用した放射線が、エネルギーの80%が500−625nmの波長内に分布するエネルギー分布を有する、請求項1〜45のいずれかに記載の方法。
  47. 適用した放射線が、エネルギーの90%が500−625nmの波長内に分布するエネルギー分布を有する、請求項1〜46のいずれかに記載の方法。
  48. 神経変性に罹患している被験体が処置される、請求項34記載の方法。
  49. 脳、脊髄、神経または網膜の圧挫または圧迫損傷を含めた、卒中、脳虚血、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、てんかん、アルツハイマー疾患、認知症、CNSに対する物理的外傷を有する被験体が処置される、請求項34記載の方法。
  50. NOモジュレーターも被験体に投与される、請求項1〜49いずれかに記載の方法。
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