JP2010520000A - 人工肺 - Google Patents

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Abstract

患者の肺腔に収容され、血液/空気質量交換に使用する質量交換器、空気嚢、および空気導管を有する人工肺が提供される。質量交換は、血液流を定める複数の血液流導管と空気流を定める複数の空気流導管を有する。複数の空気流導管と複数の血液流導管とは少なくとも部分的に気体透過性膜材料を有し、導管は空気からの酸素を血液に移送でき、血液からの二酸化炭素を空気中に移送できるように互いに相対的に配置される。質量交換器には少なくとも1つの第一空気孔と少なくとも1つの第二空気孔とが設けられており、空気流が複数の空気流導管を介してそれら空気孔の間に定められる。空気嚢は、質量交換器の少なくとも1つの第一空気孔と流体連通している空気嚢腔を定める。空気導管は、質量交換器の少なくとも1つの第二空気孔と流体連通している空気導管腔を定める。空気導管には、患者の気管と空気流連通できるように使用中に整えられる空気出入孔が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液/空気質量交換器を有し、患者の体内で使用するのに好適な人工肺に関する。
ヨーロッパ及び北アメリカでは、現在、約10,000人が肺移植を待っている。毎年、約2,500人が移植を受け、そのうちほぼ2,000人が健康な生活を送っている。標準的な2年の移植待ち期間の間に、毎年約2,500人が死んでいく。状況は統計に現れるより実際には更に深刻で、はるかに多くの人が移植待ちのリストに挙がっていないからである。これらの人たちは移植を待って生き残る機会すら与えられず、或いはかなりの老齢のために統計には現れない。ドナー臓器の提供可能性は低下しており、この状況が改善される見込みは殆どない。
意見の分かれる異種移植による解決策は、遠い未来のように思われる。好適な人工肺の利用可能性はその状況に革命をもたらすと期待される。臨床試験の要件は、異種移植よりも人工臓器の方がよりわかりやすい容易である。そのため、人工肺の導入可能な時期はより短くなると思われる。現在のところ、ヒトの肺の構造および機能の再生に伴う困難性が認識されているがゆえに、人工肺の開発は進展していない。
ヒトの肺は相互拡散(酸素と二酸化炭素)がそこで起こる多様な小さい空気嚢に通じる分岐チューブの複合システムを有することが知られている。本出願人は、この種の構造を再生する際の工学的問題が、ヒトの肺をそのまま模倣する人工代替物の妨げになっていると考えていた。
先に公開されている、本出願人によるPCT特許出願WO2005/118025は、ヒトの肺よりも単純な構造で、同程度の呼吸機能を提供できる構造を有する人工肺を開示している。この人工肺は、空気からの酸素を血中へ、血液からの二酸化炭素を空気中へ移送する相互拡散器として機能する質量交換器を有する。血液および空気は交互の流路あるいは導管を流れる。流路、導管を定める壁は、酸素及び二酸化炭素を逆方向に拡散させる気体透過性膜である。血液は質量交換器を一方向に流れ、空気は(正常な呼吸では)交互方向あるいは流体成分により制御された方向に流れる。また、この人工肺は空気流導管に空気流を供給する空気嚢を有する。
本出願人は、上記人工肺に変更、改良を加えて血中ガス濃度の制御をさらに改善し、患者の治療を促す可能性を提供する。改良は、空気嚢腔や空気管腔を定めるように空気嚢や空気導管を提供することに関与する。空気嚢腔は質量交換器の少なくとも1つの第一空気孔と流体連絡するように配置され、空気管腔は質量交換器の少なくとも1つの第二空気孔と流体連絡するように配置される。空気導管にはまた、患者の気管と空気流連絡できるように使用中に整えられる空気出入孔が設けられており、それにより気管、鼻、口を介して外気と連絡される。このように、空気管腔から空気嚢腔へ移動できる空気の全てあるいは一部が質量交換器を通過することになる。
本発明は、ヒト(または、他の哺乳類)の体内で使用される改良された人工肺を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、患者の肺空間に収容される人工肺が提供される。前記人工肺は、
(a)血液/空気質量交換に使用される質量交換器を有し、前記質量交換器は、
(i)血液流を定める複数の血液流導管と、
(ii)空気流を定める複数の空気流導管を有し、
前記複数の空気流導管および前記複数の血液流導管は、少なくとも部分的に気体透過性膜材料を有し、各導管は前記膜材料を介して空気からの酸素を血液中に、血液からの二酸化炭素を空気中に移送できるように相対的に配置され、
前記質量交換器には少なくとも1つの第一空気孔と少なくとも1つの第二空気孔とが設けられ、前記空気流を前記複数の空気流導管を介して前記少なくとも1つの第一空気孔と前記少なくとも1つの第二空気孔との間で定めてもよく、前記人工肺はさらに、
(b)前記質量交換器の前記少なくとも1つの第一空気孔と流体連通している空気嚢腔を定める空気嚢と、
(c)前記質量交換器の前記少なくとも1つの第二空気孔と流体連通している空気管腔を定め、患者の気管との空気流連通が可能なように使用中に整えられる空気出入孔を有する空気導管を有する。
ヒト(または、他の哺乳類)の体内で使用される人工肺が提供される。使用中は、人工肺は患者の肺空間に収容される。
本願の人工肺は、血液/空気質量交換に使用される少なくとも1つの質量交換器を有し、前記質量交換器は、
(i)血液流を定める複数の血液流導管と、
(ii)空気流を定める複数の空気流導管を有する。
前記複数の空気流導管および前記複数の血液流導管は、少なくとも部分的に気体透過性膜材料を有し、各導管は前記膜材料を介して空気からの酸素を血液中に、血液からの二酸化炭素を空気中に移送できるように相対的に配置される。
質量交換器には少なくとも1つの第一空気孔と少なくとも1つの第二空気孔とを設け、前記空気流を前記複数の空気流導管を介して前記少なくとも1つの第一空気孔と前記少なくとも1つの第二空気孔との間に定めてもよい。
本願の「空気孔」とは、通常、質量交換器に設けられ、空気がそこを通り抜けられる開口を意味する。使用中の各「空気孔」は質量交換器の作動モードにしたがって空気入口あるいは空気出口として機能する。これについては後述によりさらに明確になる。
質量交換器内においては、血液と空気は直接には接触しない。
血液流および空気流導管を定める壁は別々に形成され、空気と二酸化炭素の必要な交換が可能であるように相対的に配置されていればよいことが理解される。
別の態様では、血液流および空気流導管は少なくとも一部の壁を共有し、空気と二酸化炭素の必要な交換が可能であるように配置される。
好適には、血液流導管および/または空気流導管の直径(非円筒の導管においてはその断面)は0.5mm未満である。
血液および空気流導管を定める壁は、血液および空気流導管を定める壁用の気体透過性膜材料を適切に有している。そのような気体透過性膜材料として、従来の材料(例えば高分子物質)および複合材料が挙げられる。複合材料は、2つの成分、物理的強度を与える第一の材料成分と気体透過性を与える第二の材料成分、を有してよい。
好適な壁用の気体透過性膜材料は、事実上、生体適合性である。
背景として、血栓は患者の生命を危険にさらす可能性があり、本願の質量交換器はこれを適切に調整されるように設計され、血栓生成の可能性を最小にしなければならないことに留意する必要がある。血液の自然な作用として、血液は体内で通常であれば接触することのない、なんらかの表面に接触すると凝固を起こす。具体的には、血液は血管内で通常は凝固しない。凝固作用は、傷口や打撲があった場合に大出血を避けるために不可欠である。本願の質量交換器に使用される生体適合性材料は、血液に対して好適な表面を提供することによって生体適合性を実現することが望ましい。本願の気体透過性膜材料のみが好適な生体適合性を有するだけでなく、患者に器具を連結するチューブやあらゆる血液ポンプや弁も生体適合性である。
好ましくは、全ての弁が空気(または、空気の代わりに使用される酸素および二酸化炭素を含有する流体)のみに接触する。
態様においては、本願の質量交換器は、医学において汎用されている材料から作製することができる。患者は、凝固の形成を避けるために抗凝固剤療法を受けるが、抗凝固剤の使用は大出血の危険性を伴う。したがって、抗凝固剤を使用しない場合においても血液凝固を起こさない材料を質量交換器に使用することが望ましい。そのような抗凝固材料を使用すべき誘因は、中長期での使用の手段として意図される機器において特に重要である。一般に、抗凝固性は血液に接触する表面に皮膜を形成することにより誘導される。態様においては、本願の気体透過性膜材料の表面を適切に処理する。
1つの態様において、気体透過性膜材料は不活性表面を示し、血液と最小の相互作用をもたらす。好適な不活性材料は、親水性でも疎水性でもよく、水にしっかりと結合する表面を有するか、あるいは生体の血管の内側を覆う内皮細胞に似せた表面を有することができる。
他の態様において、気体透過性膜材料はその表面に抗血栓剤(類)を包含する。最も頻繁に使用される抗血栓剤を包含する材料は、表面に結合したヘパリン(または、ヘパリン誘導体)を有する。ヘパリンは、好適に共有またはイオン結合する。
さらに一つの態様においては、気体透過性膜材料は、その構造から少量の抗血栓剤を放出する。抗血栓剤を放出する材料としては、ヘパリンを放出する材料、一酸化窒素(NO)を放出する材料を挙げることができる。一般に、これらの材料は、質量交換器における膜として使用するには厚すぎる表面皮膜を必要とするが、呼吸器官補助器具の他の部品においては有用であるかもしれない。最近では、表面に接触する生体物質から一酸化窒素を生成する薄い表面活性皮膜が開発されている。例えば、血液と接触した際に一酸化窒素の微小流束を生成する。
さらに、気体透過性膜材料としては、上記特性の2つ以上を組み合わせたものも考えられる。
表面処理には、特定の基板に優先的に結合させるものがある。したがって、要求される抗凝固表面を得るためには、(基板)膜材料の選択が制限されることがある。逆に、要求される拡散性を得るためには、下地材料の選択が制限されることがある。膜材料の拡散性と抗凝固性とに関して最適な組み合わせを達成することが望ましい。
高い拡散性と良好な血液適合性と共に、膜材料は適切な物理的強度を有することが望ましい。拡散性が高い材料は柔らかい傾向がある。したがって、1つの態様においては、堅固な網目状または微小孔構造の材料により裏打ちされた拡散性材料の薄層を使用する。堅固な網目状物質はアラミド繊維(例えば、デュポン社から製造、販売されているケブラー(Kevlar))または炭素繊維によって与えられる。
壁用の特定の気体透過性膜材料として、大日本インキ化学工業出願のヨーロッパ特許出願第1297855号に記載のものが挙げられる。例えば、中空糸膜を好適に有する材料であって、前記中空糸膜は、ポリ−4−メチルペンテン−1よりなり、25℃における酸素透過係数Q(O)が1×10−6〜3×10−3(cm(STP)/cm.sec.cmHg)、エタノール流が0.1〜100ml/min.mであり、膜の(例えば、血液流側における)表面が以下のイオン性複合誘導体を含んで構成される。
第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩、
ヘパリンまたはヘパリン誘導体であって、
前記第四級アルキルアンモニウム塩は、全体として22〜26の炭素原子を有する第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩と全体として37〜40の炭素原子を有する第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩を有する。
好適には、前記第四級アルキルアンモニウム塩は、全体として22〜26の炭素原子を有する第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩を5〜35重量%、全体として37〜40の炭素原子を有する第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩を65〜95重量%を有する。
好適には、前記第四級脂肪族アルキルアンモニウム塩は、ジメチルジドデシルアンモニウム塩またはジメチルジオクタデシルアンモニウム塩である。
好適には、空気と血液の流れは、自然な呼吸によるものと類似の血中酸素/二酸化炭素関係を提供するように調整される。本願の人工肺の空気嚢と空気導管は二酸化炭素ガス濃度の制御を可能にすることにより、この関係の達成を補佐している。
一つの態様においては、空気流のパターンは、血液流に対して逆流および順流の組み合わせであって、再生された空気の流れを含む。再生は、空気管腔中の気体の一部のみを大気中に放出することにより達成される。そして、次の呼吸が前の呼吸により質量交換器を通過した空気を吸い込むことにより再生が起こる。
別の態様においては、空気流は、血液流に対して主に逆流(例えば、反対方向に流れる感覚)である。
本願の血液/空気質量交換器は、相互拡散装置であり、空気からの酸素を血液中へ移送し、血液からの二酸化炭素を空気中へ移送する機能を有する。空気/血液質量交換器では、血液と空気は僅かな間隔により隔てられている一連の板体間に好適に定められる流路を交互に流れる。好適には、板体の間隔は0.5ミリメートル以下、好ましくは0.2〜0.05ミリメートルである。
板体は、酸素と二酸化炭素を逆方向に拡散させる気体透過性の膜である。交互に配置された流路またはチューブは様々な断面形状を有することができる。血液は交換器内を通って第一の方向に流れる。空気は(正常な呼吸のように)交互方向、空気流に対して逆流、一時的に逆流、または空気流に対して順流または一時的に順流として流れてよい。全質量交換面積は、生きているヒトの肺の面積の何分の1かである。すなわち、5〜25平方メートル程度、例えば、ヒトの肺が通常70平方メートルであるのに対し、約20平方メートルであることが期待される。2つ以上の本願の質量交換器を用いる場合には、全体の質量交換面積はそれらの交換器により分割される。例えば、2つの交換器を並べて(両肺に1つずつ)使用する場合には、これら2つの組み合わせによって提供される全体の質量交換面積は5〜25平方メートルとされる。
5〜25平方メートルである全質量交換面積は、胸郭手術に用いられる心肺装置の一部として使用される血中酸素供給器の通常の面積の数倍である。そのような血中酸素供給器の表面面積は、通常1平方メートル以下である。本願の交換器は、酸素の代わりに(質量移送の駆動力がより小さい)空気を使用するため、通常、より広い面積とし、意識のある、動ける患者が長い期間(数ヶ月〜数年)使用することを意図している。本願の人工肺は、肺移植の代替物として意図するものである。したがって、胸郭手術に用いられる酸素供給器あるいは体外生命維持(ECLS:Extracorporeal Life Support)装置で通常使用されているような100%の酸素ではなく、むしろ天然の空気を使用すべきである。天然の空気を使用することにより、質量移送速度の制御に必要な3要素(不活性ガス、窒素、酸素、および二酸化炭素)が与えられ、また、酸素供給源(重い酸素シリンダなど)を必要とする濃縮酸素の使用を必要とする方法よりも軽量であり、可動性に富む。
本願の人工肺は、空気嚢腔を定める空気嚢と空気管腔を定める空気導管を有する。空気嚢および空気導管は、別々のもの、一定の壁を共有するもの、他の構造的特徴を共有するもの、あるいは一体型構造の一部を形成するものである態様であってよい。
空気嚢の主要な機能は、人工肺の質量交換器を患者が操作(例えば、ふいご状作動)することによって達成されるような空気流を起こす手段を提供することである。したがって、空気嚢は、好適には、全体的にあるいは部分的に弾性材料を有する。空気導管の主要な機能は、「死腔」を定めることにある。したがって、空気導管は、好適には、全体的にあるいは部分的に剛性材料を有する。
さらに詳細には、空気嚢は、質量交換器の少なくとも1つの第一空気孔と流体連通する空気嚢腔を定める。
空気導管は、質量交換器の少なくとも1つの第二空気孔と流体連通する空気管腔を定める。空気導管はまた、使用中に患者の気管と流体連通することができるように空気出入孔を有する。したがって、使用中は、患者の気管(したがって、鼻および口)と空気管腔(したがって、質量交換器)との間に空気出入孔を介して空気の流れが形成される。
空気嚢腔は、質量交換器(の少なくとも1つの第一および第二空気孔)を介して空気管腔に流体連通している。好ましい実施形態において、空気管腔は、単に質量交換器を介して(例えば、直接またはチューブを介して)空気嚢腔に流体連通している。
空気嚢と空気導管は、酸素/二酸化炭素交換が質量交換器の血液流導管の血液流を伴って起こるように、質量交換器の空気流導管に空気流を供給する(例えば、引き込むあるいは追い出す)ように配置される。態様においては、空気嚢は、空気流導管を通して空気流を供給する(例えば、引き込むあるいは追い出す)ように働くふいご状手段として機能する。使用中、空気嚢は、患者の自然な呼吸反射による操作により(例えば、患者の横隔膜の操作により)必要な空気流を質量交換器から得られるように好適に調整される。
実施形態においては、空気嚢は質量交換器を収容するように配置され、質量交換器が空気嚢内に位置する。他の実施形態においては、空気嚢と空気導管とが質量交換器を収容するように配置され、質量交換器の一部が空気嚢内に一部が空気導管内に位置する、あるいは空気導管も好適に取り囲んでいる空気嚢内に全体が位置する。
好ましい実施形態において、空気嚢は、可塑性重合体やゴム材料に代表される弾性(可撓性)材料により全体的あるいは部分的に形成される。適切な弾性空気嚢材料としては、シリコンゴムを挙げることができる。
好ましい実施形態において、空気導管は、空気嚢を構成する材料より弾性の低い(例えば、ある程度あるいは全体として堅固な)材料により形成される。好適な空気導管の材料としては、より硬いシリコンゴム、その他のより硬い合成または天然重合体を挙げることができる。
実施形態において、空気導管は、実質的に固定された容量の空気管腔を定める。
実施形態において、空気導管と空気嚢とは、空気嚢から空気導管を分割する隔壁が設けられた一体化構造により定められる。隔壁は三次元で曲げられていてもよい。隔壁は、好適には、弾性のない材料からなり、態様において、空気導管自身の壁を構成する材料に対応する。しかし、可撓性空気嚢壁につながっているところでは、呼吸中の空気嚢の動きに対応するように柔軟な結合でなければならない。
隔壁は、一体化構造内における空気管腔と空気嚢腔とを部分的に定めるように作用する。空気管腔は少なくとも1つの第一空気孔と流体連通するように配置され、空気嚢腔は少なくとも1つの第二空気孔と流体連通するように配置される。
他の実施形態において、空気嚢が空気導管を全体的にあるいは部分的に取り囲むことによって、その内部区画を効果的に定める。したがって、空気嚢腔は、内部区画と空気嚢の間の空間により実質的に定められる。使用中、内部区画を定めている空気導管は血液または胸腔のいずれにも接触しない。したがって、生体適合性は大きな問題ではなく、空気導管を構築することのできる材料の選択の幅は広い。
実施形態において、空気導管は開放容積を定め、これにより使用中に患者の気管が空気流につながるように患者の胸膜腔の上部内に好適に位置する。空気管腔を定める空気導管の一部は患者の気管とつながっていてもよい。この空気管腔の目的の1つは、質量交換器からその中に排出された使用済み空気の一部を保持することである。このように保持することにより、続いて起こる質量交換器を介する「吸気」呼吸の二酸化炭素の濃度が非常に高くなる。容積を適切に設定することにより、血中二酸化炭素ガス濃度が正常な肺における濃度に近づけるように二酸化炭素の濃度を制御することができる。同時に、酸素濃度は低下し、安静時の望ましい酸素質量移送速度を達成するように質量交換器の大きさが調整される。このように設計することにより、血中ガス濃度は速く、深い呼吸に自然に対応する。そのような呼吸により、空気管腔内の空気は外気とよりよく交換される。その結果、消費された空気の割合が低下し、酸素濃度の上昇にしたがって二酸化炭素の濃度が低下する。各「吸気」呼吸において、質量交換器内により大きな駆動力が生じ、酸素および二酸化炭素の質量移送速度が高められる。このように、質量移送速度と血中ガス濃度の自動制御が電気機械装置を使用することなく達成される。増大する呼吸器に対する要望に答えるものとして、さらに微妙な制御が、空気嚢および空気導管の形状設計、内部の好適な仕切り、および流れのパターンを制御する流体成分の使用により可能である。
使用中、通常は肺により占められる空間を空気嚢がぴったりと満たし、正常な肺と全く同じように通常の呼吸反射に対応する。「吸気呼吸」では、患者は(例えば、横隔膜運動により)空気嚢を操作し、質量交換器の空気導管を通して空気を引き込むように空気嚢腔の有効な容積を拡張する。さらに詳細には、空気嚢腔の容積を拡張させ、空気導管から少なくとも1つの第一空気孔を通して、さらに質量交換器の空気導管および少なくとも1つの第二空気孔を通して空気を吸い込む。反対に、「呼気呼吸」では、空気嚢腔の有効容積を収縮させ、空気嚢腔から質量交換器の空気導管を通して空気管腔へ空気を追い出す。空気管腔へ排出された空気の一部は、「吸気」呼吸において質量交換器を通って既に吸い込まれたものであるので、使用された空気である。「呼気」呼吸においては、空気は空気嚢腔から質量交換器を通って空気管腔へ戻る径路においてさらに使用される。空気導管は、患者の気管と流体的に連通され、さらに患者の鼻および口を介して大気に連通れる。
さらに詳細に使用の態様を考慮すると、空気導管の体積と気管から大気までの総体積との和を容積Vとして定義することが有用である。健常者の肺の1回換気量は、各呼吸により肺に吸い込まれる(血液温度および飽和水蒸気における)空気の体積である。健康な青年男子の安静時における1回換気量は、約250mL(両肺の合計で、500mL)である。空気は、まず、(安静下での)横隔膜の収縮による筋肉の動きによって取り入れられる。空気は、横隔膜の弛緩時に、主に肺および肺の壁の弾性収縮により肺から押し出される。使用中、本願の各人工肺は患者の生体肺と丁度同じだけの空間を占めるように適切に調整される。本願の人工肺に入る空気は、生体肺と同じように、患者の鼻または口から入る。したがって、その空気は、血液温度で飽和水蒸気におけるものとなる。本願の人工肺では、空気管腔(すなわち、V)の効果的な体積が適切に固定され、空気嚢腔の効果的な体積は適切に可塑性である。生体肺において唯一変化できる体積は空気の体積である。したがって、筋肉の運動量と同じだけ体積変化が生体肺および人工肺に産生される。すなわち、全く同じ量の空気が吸い込まれ、あるいは吐き出される。本願では、空気管腔の効果的体積は1回換気量よりも大きいことが好適であり、人工肺の弾性は生体肺の弾性に近似している。そのように設計することにより、人工肺の吸入が生体肺の吸入と同じになる。
より詳細には、正常な吸入では一部のみが外気と交換されるように、体積Vは設定される。したがって、Vが最初に空気で満たされると、呼吸により二酸化炭素の濃度が上昇し、酸素濃度が低下する。呼吸器の要求により、上記濃度は最終的に呼吸速度、血液循環速度、1回換気量と体積Vとの相対的な大きさにより決定される、ほぼ均衡水準を繰り返す。これらの均衡濃度は空気嚢腔の有効容積に無関係であることに留意すべきである。空気嚢腔の有効容積に制約を加える設計は、発生すると思われる最も深い呼吸を受け入れられるように十分に大きくする必要がある。
したがって、上昇した呼吸速度に応答して、より深く、早い呼吸によりVの気体の大部分が大気空気に置き換わる。このように、酸素濃度は上昇し、二酸化炭素濃度は低下する。その結果、駆動力は高くなり、質量移送速度は速くなる。したがって、本願の人工肺は質的に生体肺による応答と同等である。自然な呼吸の制御機構は自己調節である。したがって、肺損傷、肺治療、肺移植を補うように適応する。これらの自然な制御機構は、人工肺の能力と生体肺の能力の比較的小さな量的差異も補うように働くことが予想される。そのような場合、空気管腔と空気嚢腔の体積のバランスを、効果的に生体肺と置き換わる人工肺を得るように選択(あるいは調整)することができる。特に、呼吸器の要求の増加に応答して、より大きな質量移送速度を提供し、より低い二酸化炭素濃度を提供する。空気管腔の体積に制約を加える設計は、安静時において必要とされる質量移送速度と血中ガス濃度を与えられるようにする必要がある。質量交換領域および体積は、生体肺の応答に類似する呼吸器からのより高い要求に応答するようにバランスを保たなければならない。
形態においては、人工肺は洗浄のために空気嚢腔にアクセスできるように調整される。本願の人工肺は繊毛作用を有さないので、空気嚢腔に蓄積したあらゆる破片を除去する手段を得ることは有利である。好適には、アクセス手段としては外科手術を必要としない器具を使うものであるべきである。形態においては、洗浄器具(例えば、微細チューブ)は患者の気管支を通り、人工肺内の空気管腔と空気嚢腔との間の自己密閉する開口を通って(例えば、空気管腔と空気嚢腔との間の隔壁に設けられた自己密閉する開口を通って)気管を下っていく。形態においては、そのような洗浄管は、空気管腔も洗浄することができる。自己密閉する開口の代替物として、小さな開口を空気嚢に設けても良い。各質量交換器を通る流れ面積は、数十平方センチメーターである。数平方ミリメーターの開口は、密閉を必要としない程度の小さな流れを作る。
好適には、通常の使用(患者が座位または立位)において、質量交換器を通って流れる空気は、本質的には垂直である。垂直方向の流れは質量交換器の中の破片の蓄積を最低限に抑える。どのような破片の蓄積であっても、質量交換器を通って流れる空気の拡散を妨げるので、その有効性を下げることになる。その影響は、生体肺の「短絡」として知られる性能の劣化に類似する。
人工肺の動的範囲は、空気管腔と空気嚢腔との間に(例えば、隔壁に)1つまたは複数の流体弁(または、他の切替手段)を備えることにより強化してもよい。流体弁を、酸素および二酸化炭素濃度をさらに微妙に制御するように適切に配置する。
1つあるいは複数の流体弁を、速い呼吸速度または遅い呼吸速度のどちらかによって誘導された空気流により質量交換器の部分的迂回が行われるように適切に配置する。また、1つまたは複数の流体弁は、より近位の気管(または気管内)(左または右の気管支)から受け取った空気を供給するように内部チューブに結合しても良い。そうすることにより、速い呼吸速度において取り込む外気の割合が多くなる。この変更は、速い呼吸速度において高酸素濃度が好適に提供される。流体弁は、気体速度に応答するように調整されていてもよい。より速い速度により、より速くかつ深い呼吸が生じる。
本願で説明する人工肺は、意識のある、動ける患者に永続的に取り付けることを目的とする心肺機器とは異なる目的を有している。
本願の質量交換器では、新鮮な空気が膜と直接接触するので、その大きさを小さくすることが可能である。このような配置にすることにより、肺の中の長く狭い通路の端部に空気嚢があるヒトの肺に比較して5倍近くまで質量移送の駆動力(したがって、速度も)が上昇する。
本発明の質量交換器は、長期間整備する必要なく作動できるように適切に設計されている。真直ぐな径路は、比較的速い空気速度と共に高い自己洗浄能力を発揮するように適切に設計されている。人工肺は生体肺に見られるような繊毛作用を有していないので、この自己洗浄特性は重要である。
本発明の質量交換器は、間接的気/液接触を適切に使用している。
出願人は、一定の面積を有する質量交換器では、逆流の空気流が質量移送速度を最大にすると判断した。しかし、逆流は二酸化炭素の質量移送の効果を不均衡に上昇させる。したがって、順流および/または再利用および/または交互の流れ方向が、血液中での自然な二酸化炭素/酸素関係に対抗するために必要であると思われる。このような方法で、人体の自然な呼吸制御機構が普通に働く。制御機構の正常な作動(まず、二酸化炭素濃度の感知)は、全体として代謝系の自然な制御機構が普通に正しく作動するという利益を有する。
流体工学は、呼吸周期の全体にわたって望ましい流れパターンを達成可能な方法である。多くの公知流体装置には可動部品がなく、このような複雑な流れを作り出す場合であっても必要な整備が少ない。
本願の人工肺では、質量交換器は血液循環に直接連結されており、心臓は生体肺と同様に質量交換器を介して血液をくみ上げる。生体肺は取り除かれ、各肺を本願の人工肺に置き換える。各空気嚢を生体肺が取り除かれた胸膜腔に設置する。自然な呼吸作用が空気嚢を拡張、収縮させ、質量交換器を介して空気を取り入れる。空気嚢または空気導管を介して血液が循環することはないので、頑丈で整備不要であるような設計が可能である。
本願の人工肺の空気嚢の体積は典型的には5リットルであり、各呼吸において0.5〜2リットルの空気を送り出す。したがって、各「肺」の質量交換器を設置するに十分な空間が空気嚢に残る。各肺の空間内に質量交換器を設置するためには、各質量交換器の合計の体積が約3リットル以下でなければならない。重量の観点からは、極めて小さな体積で十分な質量移送表面を提供することを目指す。空気導管はそれぞれ気管に(2つの肺の間に区分が設計されている場合には)直接接続され、または気管から分岐した気管支に接続される。
この形の人工肺によって以下の利益がもたらされる。
1.(空気嚢の弾性拡張と収縮以外に)動く部品は存在しない。心臓により血液循環が生じ、患者自身の呼吸作用により必要な空気嚢の操作、すなわち、空気流が生じる。
2.可動部品や電気機械設備を一切使用することなく制御が行われる。患者自身の自然な反射が、酸素要求量に一致する心臓および呼吸速度をもたらす。自然な制御作用では、血中二酸化炭素濃度を感知する。二酸化炭素濃度が高い場合には呼吸は増大し、低い場合には呼吸は低下する。極めて正確な設計は必要とされないことになる。生体は、人工肺の効率に従ってどの程度稼働すべきかを自動的に調整する(生体肺が損傷された場合にも同様な挙動が自然に起こる)。効果が数年にわたって悪化すると、生体はその変化を受け入れるように一層稼働するだけである。
3.事前に暖め、加湿された空気が人体の自然なシステムにより供給される。
4.可動部品や電気機械設備を有さない設計であるので、整備不要の耐用期間が長くなる。この整備が少なくてよいという特性は、全ての重要な整備が臨床処置を必要とする人工肺では重要である。
本願の人工肺の形は、鳥類の肺に似ている。鳥類は、実際上、対向拡散が起こる剛性マトリックスを通して空気を吸い込むふいご状のものを操作して呼吸する。人工肺に照らして、そのような配置は、マトリックスを真直ぐな導管の簡単な配置に(例えば、平板状に)構成することができるという利点を有する。例えば、マトリックスを平行に並べた数百(数千まで)の薄板から構成することができる。血液と空気は、プレート・フレーム熱交換器と同様に、交互の薄板を通って流れる。同様な効果は5つのチューブ(断面が円形または非円形)を配置することによっても達成される。血液と空気のいずれかが、その詳細な設計に基づいてチューブを通って流れ得る。この構成(薄板または管)はいくつかの問題を解決する。第1に、大きさが達成可能な強固を有する工学的構成の限界内である(材料は0.1mm程度まで薄くすることができる)。第2に、真直ぐに流れる流路は繊毛作用なしに自己洗浄を可能にする。第3に、流路を通る比較的大きな空気速度と酸素濃度により質量交換が強められ、肺の同程度の性能をより狭い表面面積により達成できる。これらの人工肺は、動く部品を有さず、制御機構を必要とせず、生体の自然な制御作用が対応する。したがって、脳は、血中二酸化炭素濃度を感知し、心臓および呼吸速度を適切に対応させる。さらに、導管は大量生産が可能であり、それぞれの患者のあった大きさに組み立てることが可能であるという利点も有する。
この提案した人工肺と公知の心肺機器およびECLS装置との大きな性能の違いは、人工肺は小さく、携帯が容易な大きさであり、数時間というよりは数年にわたって整備の必要がない設計であり、「心臓」の作用を本質的に必要としないことである。
本願の人工肺は、対象としてヒトまたは動物(特に哺乳類)に好適である。設置および/または使用は、典型的には外科医または獣医師の管理下において行うが、肺の使用は、電子的管理や外部接続を一切必要とせずに、患者による管理下に適切に行える。
以下、本発明を添付の図面を参照して更に説明する。
図1は本願の人工肺への使用に適した空気/血液質量交換器の概略図を示す。 図2は患者の体内における本願の第一の人工肺の概略断面図を示す。 図3は患者の体内における本願の第二の人工肺の概略断面図を示す。 図4aは本願の使用に好適な流体成分の概略図を示す。 図4bは本願の使用に好適な流体成分の概略図を示す。 図4cは本願の使用に好適な流体成分の概略図を示す。 図5は流体成分を組み込んだ本願の人工肺の概略断面図を示す。 図6は流体成分を組み込んだ本願の人工肺の概略断面図を示す。 図7は洗浄システムを組み込んだ本願の人工肺の概略断面図を示す。
以下、図面を参照する。図1に血液流12a〜12cを定める複数の血液流導管10a〜10cと空気流22a〜22cを定める複数の空気流導管20a〜20cを有する本願の空気/血液質量交換器を説明する。血液流12a−cと空気流22a−cは、0.5ミリメートル以下の間隔で隔てられている一連の板体30a−eにより定められる交互の流路内に存在することが解る。図面の目的上、図1は流路の数が比較的少なく描かれているが、実際の装置は全体で5〜15平方メートルの質量移送面積を得るために数千の流路を有することが理解される。
血液は装置を通って第一方向12a−cに流れる。図示されるように、空気は第一方向と反対の第二方向22a−cに流れる。形態において、空気は(正常な呼吸におけるように)相互方向に、空気流に対して順流、空気流に対して断続的に順流、空気流に対して逆流、あるいは空気流に対して断続的に逆流に流れてもよい。特に、空気流22a−cは、血液流12a−cに対して逆流である空気流22a−cと血液流12a−cに対して順流である空気流22a−cの組み合わせであるように調整されてもよい。板体30a−eは気体透過性膜であり、前記膜材料を通って空気からの酸素を血液中に移送し、血液からの二酸化炭素を空気中に移送することができる。図1にはまた、酸素と二酸化炭素の典型的な分圧も示されている。形態において、装置は、従来の熱交換器の設計実践に沿って、さらにフロー・ヘッダーおよび分割機を備えていてもよい。
図2は左右の気管支3a、3bに繋がる気管2を有する第一患者1の断面図を示している。患者の両肺を取り除き、左右の胸膜腔5a、5b内に本発明による第一人工肺40a、40bが「移植」されている。以下、左側の第一人工肺40aの構造を詳細に説明する(右側人工器官は鏡像となる)。
第一人工肺40aは、肺腔5aに収まる大きさと形に形成された一体型空気嚢/導管構造42を有する。空気嚢/導管構造42内には、血液流を定める複数の血液流導管と空気流を定める複数の空気流導管を有する本願の空気/血液質量交換器14(詳細は示さないが、図1に対応する)が設けられている。空気流を確立できるように、質量交換器14の複数の空気流導管内には、複数の第二空気孔52と複数の第一空気孔54が設けられている。そのため、使用中に、空気流は複数の空気流導管を介して複数の第二空気孔52と複数の第一空気孔54との間に定められることが理解される。
一体型空気嚢構造42は、隔壁66により空気嚢腔62を定める空気嚢61と空気管腔64を定める空気導管63とに分割されている。したがって、隔壁66はまた、各空気嚢61および空気導管63の壁構造の一部を形成していることが理解される。空気導管63には、使用中に調整される空気出入孔60が設けられており、患者1の気管2に空気流連通することができる。
使用中、患者1は、生体肺を操作するのと同じ無意識な胸の動きにより人工肺40aへの空気流を制御する。したがって、一体型構造42は拡張、収縮を交互に行う。一体型構造42は、(生体肺が行うように)自身の弾性により収縮し、筋肉の作用により拡張する。周期の肺拡張期には、一体型構造42内の圧力は大気圧よりも低くなり、空気出入孔60を通って空気管腔64内へ空気が流れ、そして、質量交換器14の複数の第二空気孔52を通って、複数の空気流導管および複数の第一空気孔54を介して空気嚢腔62に流れる。呼吸周期の収縮期には、一体型構造42に空気が送り込まれ、空気嚢腔62から質量交換器14の複数の第一空気孔54を通って、複数の空気流導管および複数の第二空気孔52を介して空気管腔64に、さらに空気出入孔60を通って患者1の気管3へ流れる。したがって、2つの空気流が質量交換器14内に与えられる。
図3は左右の気管支103a、103bに繋がる気管102を有する第二患者101の断面図を示している。患者の両肺を取り除き、左右の胸膜腔105a、105b内に本発明による第二人工肺140a、140bが「移植」されている。以下、左側の人工肺140aの構造を詳細に説明する(右側人工器官は鏡像となる)。
第二人工肺140aは、肺腔105aに収まる大きさと形に形成された弾性空気嚢161を有する。弾性空気嚢161内には、血液流を定める複数の血液流導管と空気流を定める複数の空気流導管を有する本願の空気/血液質量交換器114(詳細は示さないが、図1に対応する)が設けられている。空気流を確立できるように、質量交換器114の複数の空気流導管内には、複数の第二空気孔152と複数の第一空気孔154が設けられている。そのため、使用中に、空気流は複数の空気流導管を介して複数の第二空気孔152と複数の第一空気孔154との間に定められることが理解される。
弾性空気嚢161は空気嚢腔162を定める。弾性空気嚢161によって完全に取り囲まれた中に、空気管腔164を定める空気導管163が設けられている。空気導管163は堅固な材料で形成されるため、空気管腔164は基本的に固定された体積を有する。空気嚢腔162の体積は固定されておらず、基本的には、空気嚢161、空気導管163および質量交換器114の壁の間の空間により定められることが理解される。空気導管163にはまた、使用中に調整される空気出入孔160が設けられており、患者101の気管102に空気流連通することができる。
使用中、患者101は、生体肺を操作するのと同じ無意識な胸の動きにより人工肺140aへの空気流を制御する。したがって、弾性空気嚢161は拡張、収縮を交互に行う。弾性空気嚢161は、(生体肺が行うように)自身の弾性により収縮し、筋肉の作用により拡張する。周期の肺拡張期には、弾性空気嚢161内の圧力は大気圧よりも低くなり、空気出入孔160を通って空気管腔164内へ空気が流れ、そして、質量交換器114の複数の第二空気孔152を通って、複数の空気流導管および複数の第一空気孔154を介して空気嚢腔162に流れる。呼吸周期の収縮期には、弾性空気嚢161に空気が送り込まれ、空気嚢腔162から質量交換器114の複数の第一空気孔154を通って、複数の空気流導管および複数の第二空気孔152を介して空気管腔164に、さらに空気出入孔160を通って患者101の気管103へ流れる。したがって、2つの空気流が質量交換器114内に与えられる。
流体工学を欠く場合には、図2および3の第一および第二人工肺それぞれにおいて以下の流れパターンが可能である。吸気呼吸は血液流12a−cに対して逆流であり、呼気呼吸は順流であってよい。このような配置は質量移送速度を最大にする。または、吸気呼吸が血液流12a−cに対して順流であり、呼気呼吸が逆流であってもよい。このような配置は二酸化炭素質量移送の効果を不均衡に低下させる。質量移送は周期のどちらの期においても質量移送装置14、114内で起こるが、「吸気」呼吸においてより効果的である。さらに、空気流パターンが自然のO/CO関係により近似している関係を与えるように流体性スイッチにより空気流を制御してもよい。その場合、質量交換器を各部の流れパターンが異なるように各部位に分割することが必要な場合がある。
患者の血液は血液入口32、132により質量交換器14、114に流れ込み、血液出口34、134を介して出て行く。血液入口32、132と出口34、134は患者の血液供給に連結され、流れは患者の心臓(図示なし)のポンプ作用により調節されることが理解される。流路間を流れる流体を分割し、2つの個々の流れを維持するフロー・ヘッダーは、従来の熱交換器のフロー・ヘッダーと同様のものでよく、図示されていない。
流体成分
本願の人工肺は、流体成分を任意に組み入れてよい。図4a−4cには3つの好適な流体整流装置が描かれている。これらは非線形流特性を有する。したがって、低流速では、両方向において流れ抵抗は無視できる程度である。高流速では、一方の方向における流れ抵抗が他方の方向における流れ抵抗より非常に大きくなる。したがって、厳密には「整流装置」とは言えず、十分な高流速ではむしろ一方向に大きな流れ抵抗をもたらす。抵抗が激増する流速は流体機器の大きさとその細部の設計によって決まる。
本願の人工肺では、これらの流体整流器を、流速に依存して、一方にのみ優位に流れるようにまたは交互の流路を通って流れるように用いることもできる。図5および6は、これら2つの応用例を示す。
図5は本願の人工肺240内に設置された2つの流体整流器F1およびF2を示す。「吸気」呼吸では、一方は低抵抗を示し、他方が高抵抗を示す。逆に、呼気呼吸では、他方の装置を通る流れが優先する。結果として、一方の方向では質量交換器を通る流れが優先的になり、他方の方向では質量交換器を迂回する流れが優先的になる。このように、質量交換器を通る流れは断続的になるが、ほとんど一方向のみになる。
図6は本願の人工肺340内に設置された弁状流体整流器F3を示す。図6では、流体整流器F3は容積V1から容積V2に向かう高流速の流れに対して大きな抵抗を示す。低流速では、抵抗は両方向において非常に低い。したがって、低流速(例えば、安静時呼吸)での流れは弁F3を介して交互方向になり、気管に直接つながっているチューブを通る流れは制限される。この制限された流れはチューブの大きさを好適に調整するか、流れ抵抗を導入することによって達成される。しかし、呼吸速度が速い場合には、弁F3を介する流れ抵抗は「吸気」呼吸において非常に大きくなる。よって、比較的新鮮な空気が気管と連通しているチューブを通って取り入れられる。この空気は容積V1に排気された使用済み空気によって希釈されることはないので、酸素濃度は高く、二酸化炭素濃度は低い。このように、呼吸器官の高要求時には、大きな駆動力を得て高質量交換速度を達成する。
洗浄システム
図7は洗浄開口C1を備えた本願の人工肺440を示す。この開口は内部導管に設けられた非常に小さな開口である。大きくても数平方ミリメートルの面積であれば、質量交換器を通る流れの0.1%以下である。開口はそこに向かう微細なチューブを誘導する装置により増大させることができる。この場合、気管を通る有向の微細なチューブを弾性空気嚢(容積V2)に導くことができる。チューブは破片を吸い出すために使用したり、人工肺に微生物のコロニーが形成されないように抗生物質を送り込むために使用したりすることができる。同じチューブを非弾性の空気導管(容積V1)が清潔に保たれていることを確かめるために使用することができる。
より大きな開口は軟シリコンゴムなどの自己密閉材料で満たすことができる。
本出願人による先願であり、参照することにより本願明細書に援用するPCT特許出願WO2005/118025には、次のような種々の関連因子が記載されている。(a)ヒトの肺の機能、(b)ヒトの肺の構造、および(c)呼吸器官の補助器具と人工肺とにおける質量移送。
人工肺の設計において、その解決法が患者の通常の動きを規制しないことが望ましい。装置は数十年にわたって整備の必要がなく、肺腔にぴったり収まることが望ましい。装置はまた、モーターや工学的な制御システムを有さないことが望ましく、胸および横隔膜の通常の動きのみによって作動することが望ましい。
本願の人工肺に好適に使用される空気嚢は、通常、各肺に1つずつである2つの弾性嚢である。前記空気嚢は肺腔を満たし、それぞれ約5リットルの容積を有する(この容積はヒトによって著しく異なる)。空気嚢は個々に作成してもよく、標準サイズの範囲で製造してもよい。空気嚢は血液流を含まず、薄く、脆くある必要はない。したがって、空気嚢は整備不要の長寿命を望めるように著しく丈夫に作成することができる。
質量交換器は気体透過性材料の薄いシートで形成することができる。前記シートは血液が流れる高密度で平行に並んだ毛細管の流路を有してもよい。あるいは、血液が流れるように狭い空間を有して密に接した2枚のシートであってもよい。どちらの場合も、血液の流れを支えるシートはその間に空気用の僅かな空間を有するように積層される。さらに別の選択肢として、質量交換器はチューブを通って、またはチューブの回りを空気が流れる微細なチューブ(「ホローファイバー」)で作成することもできる。空気嚢は空間を通して空気を吸い上げ、効果的な質量移送条件を作り出す。大きさの見積もりとして、3リットルの容積を有する質量交換器は、1リットルの空気空間を有し、各呼吸で空気を2リットルまで移動させるための空気嚢空間を残している。
人工肺の規則的に動く(拡張および収縮)唯一の部品が空気嚢である。この部品は、著しく頑丈に作成することができる。
質量交換器の導管を定めている壁は、典型的にはミリメートルの厚さの部分だけであるが、大きく動くことはない。したがって、交換器は胞状の空気嚢の圧力の対象ではなく、損傷のリスクは低下する。構築材料は、気体透過性または生体適合性を考慮して決められる。剛性および可撓性材料の両方を考慮することができる。
質量交換器内の真直ぐな空気流路は空気によって清掃されるので、自己洗浄を期待できる。
設計上の重要な考慮の1つは、圧力低下が小さいことである。血液側の血圧低下は、正常血圧によって血液を吸い上げることができるように十分に小さい必要がある。血液側の圧力低下の設計は、好適には1kPa(水5インチまたは10mmHg)の桁以下である。空気側の圧力低下の設計は、好適には0.1kPa(水1インチ、2mmHg)以下である。1ミリメーターの何分の1(例えば、0.1mmから0.2mm)の間隔(またはチューブ径)は、圧力低下を低く抑えることができる。上記の圧力低下は1リットルの桁の体積以内に目的の全質量交換面積を常に満たしながら達成することができる。
本開示は説明の目的のみであって、本発明はその変更、変形、改良することができることが理解できる。
本出願を形成する本明細書および特許請求の範囲は、いずれの後願に関しても優先権の基礎とすることができる。後願の特許請求の範囲は本願に記載されている特徴またはその組み合わせに向けられてもよく、生成物、方法、または使用特許の形を取ってもよく、例示の目的で制限なく1つまたは複数の以下の特許請求の範囲を含んでもよい。

Claims (18)

  1. 患者の肺腔に収容される人工肺であって、前記人工肺が、
    (a)血液/空気質量交換に使用される質量交換器を有し、前記質量交換器は、
    (i)血液流を定める複数の血液流導管と
    (ii)空気流を定める複数の空気流導管を有し、
    前記複数の空気流導管と前記複数の血液流導管は、少なくとも部分的に気体透過性膜材料を有し、各導管は前記膜材料を介して空気からの酸素を血液中に移送でき、血液からの二酸化炭素を空気中に移送できるように相対的に配置され、
    前記質量交換器には少なくとも1つの第一空気孔と少なくとも1つの第二空気孔とが設けられ、前記空気流を前記複数の空気流導管を介して前記少なくとも1つの第一空気孔と前記少なくとも1つの第二空気孔との間で定めてもよく、前記人工肺がさらに、
    (b)前記質量交換器の前記少なくとも1つの第一空気孔と流体連通している空気嚢腔を定める空気嚢と、
    (c)前記質量交換器の前記少なくとも1つの第二空気孔と流体連通している空気管腔を定め、患者の気管との空気流連通が可能なように使用中に整えられる空気出入孔を有する空気導管を有することを特徴とする人工肺。
  2. 質量交換器が空気嚢内に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の人工肺。
  3. 空気嚢が空気導管と少なくとも1つの構造的特徴を共有することを特徴とする、請求項1または2に記載の人工肺。
  4. 空気導管と空気嚢とが空気嚢から空気導管を分ける隔壁が設けられた一体型空気嚢構造により定められることを特徴とする、請求項3に記載の人工肺。
  5. 空気嚢が空気導管を全体的にあるいは部分的に取り囲むことによって、その内部区画を効果的に定めることを特徴とする、請求項3に記載の人工肺。
  6. 空気嚢が弾性材料を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の人工肺。
  7. 空気導管が剛性材料を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の人工肺。
  8. 空気嚢が可塑性重合体材料を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の人工肺。
  9. 空気嚢がシリコンゴム材料を有することを特徴とする、請求項8に記載の人工肺。
  10. 空気導管が、使用中、患者の気管が空気流と連通するように患者の胸膜腔内上部に収まることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の人工肺。
  11. 空気嚢がその洗浄のために空気嚢腔にアクセスできるように配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の人工肺。
  12. 洗浄装置が空気嚢腔に到達できるように空気嚢腔に小さくおよび/または自己密閉性の開口が設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の人工肺。
  13. 患者が座位また立位である場合に、使用中に質量交換器を通過する空気流は本質的には垂直に流れることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の人工肺。
  14. 1つあるいは複数の流体弁が空気導管腔と空気嚢腔との間に設けられていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の人工肺。
  15. 前記1つまたは複数の流体弁が患者の気管の近辺または気管内から受け取った空気を供給するように内部チューブにつながることを特徴とする、請求項14に記載の人工肺。
  16. 空気流が血液流に対して逆流である空気流と血液流に対して順流である空気流の組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の人工肺。
  17. 血液流導管および/または空気流導管の直径が0.5ミリメーター以下であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の人工肺。
  18. 血液流導管および空気流導管が、0.5ミリメートル以下の間隔で隔てられている一連の板体によって定められることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の人工肺。
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