JP2010517482A - ディジタル音声データを通信する通信システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

通信システムは複数の無線機を含み、複数の無線機は、キャリアセンス多重アクセス(CSMA)無線通信ネットワークを形成し、かつパケット化されていないディジタル音声を互いに通信する。各無線機は、送信された信号を受信した後の期間を複数のタイムスロットのシーケンスに分割し、会話が終了したか否かを判断する。会話が終了していた場合、本システムは、タイムスロットの中でチャネル上で送信を開始することを確率pと共にランダムに又は擬似ランダムに決定する。

Description

本発明は通信システムに関連し、特に本発明はCSMA通信システムに関連する。
キャリアセンス多重アクセス(CSMA)は、しばしば通信に使用され、典型的な確率的媒体アクセス制御(MAC)プロトコルであり、例えば有線ネットワークや無線周波数(RF)スペクトルのような共有物理媒体で送信を行う前に、ノードは他のトラフィックが無いことを確認する。キャリアセンス(carrier sense)は、搬送波や送信信号の他の識別可能な特徴についてノードが通信媒体を監視し(listen)、同じ共有媒体上で信号を送信する前に、その共有媒体における他のノードからの先行する送信を検出することに関する。先行する送信が検出された場合、自身の送信を開始する前に、ノードはその先行する送信が終了するのを待機する。「多重アクセス」という用語は、送信媒体で送信及び受信を行う複数のノードに関する。一般的には、あるノードからの送信は、その媒体により他のノードによって受信可能である。
pパーシステントCSMA(p-persistent CSMA)における「p」という文字は或る確率を表し、その確率とは、送信する通信トラフィックを有するノードが、先行する送信の受信終了後の或る特定の持続期間において送信を開始する確率である。これは、0ないし1の範囲内の値を伴う送信確率とも言及される。先行する送信が終了した直後、送信するトラフィックを有するノードが常に送信を開始するシステムは、1パーシステントCSMAの場合であり、この場合、チャネルがアイドルになると、直後に送信が100%行われることを示す。送信前にランダムな期間待機することはpパーシステントCSMAを表し、送信確率「p」に基づいて、送信を許可する様々な時間を異なるノードに与えることで、送信衝突のおそれを減らすことが意図される。送信するトラフィックを有する各ノードは、送信を開始する前に、ランダムな又は擬似ランダムな期間待機する。待機する期間の統計的な分布は、送信確率の値によって決定される。各ノードが待機する場合、チャネルを監視する。自身の送信時間が訪れる前に、他のノードの送信開始を検出すると、自身の送信をキャンセルする又はスケジュールを立て直し、共有媒体で複数の送信が衝突してしまうことを防ぐ(さもなくば衝突が起きてしまう)。
ある無線ディジタル通信媒体、例えば高周波(HF)通信システムは、適切なディジタル音声通信の信頼性をもたらすため、充分な順方向誤り訂正(FEC)符号化及びインターリーブを必要とする。このような符号化及びインターリーブの技術を利用することは、エンドトゥエンドの大幅な伝送遅延を招き、送信の衝突に対する深刻な脆弱性を露呈し、単一周波数ネットワークにおけるネットワークトラフィック容量を大幅に減らしてしまう。全員に通知される性質(all-informed character)に起因して、多くのユーザは単一周波数の通信を当てにしており、これは、どのネットワークメンバも他のネットワークメンバの通信を聞くことができることを意味する。しかしながら、各自の伝送遅延が比較的長くなると、頻繁に起こるトラフィック衝突に起因して、単一周波数通信ネットワークは、容量が深刻に制限される被害を被ってしまう。
パケット化されるディジタル音声通信の場合、1人以上の受信者に伝送される音声信号は、先ずディジタルデータのシーケンスに変換され、その長さは信号の継続時間によって決められる。ディジタルデータのシーケンスは、ディジタルデータネットワークによって決定される一定の最大長に及ぶまでのデータパケットに分割され、データパケットはディジタルデータネットワークにより伝送される。例えば、ボイスオーバIP(VoIP)の場合、ディジタル音声データが含まれるIPパケットの最大サイズは、データネットワーク及びその構成部分のサブネットワークの最大伝送単位(MTU: Maximum Transmission Unit)2より決定される。ディジタルデータシーケンスをパケットに分割することは、かなりのオーバーヘッドを付加することになるが、このオーバーヘッドは許容可能である。なぜなら、ディジタルデータネットワークの通信帯域(チャネル容量)は、ディジタル音声データのデータレートより充分に大きいからである。パケット化されたディジタル音声通信のディジタル音声データを伝送するのに使用される前提のディジタルデータネットワークは、多種多様な通信技術を使用し、ある種のpパーシステントCSMAの技術も含む。
パケット化されていないディジタル音声通信の場合、音声信号を表現するディジタルデータシーケンスは、多数のパケットに分割されるのではなく、変調ディジタルデータの分割されていない1つのシーケンスとして、物理通信媒体上で伝送される。典型的には、通信チャネル容量がディジタル音声データレートよりも大幅に大きくはなく、ディジタル音声データを複数のパケットに分割することによる追加的なオーバーヘッドを許容できないような場合に、非パケット化が必要になる。軍事的な又は公のセーフティ無線システムは、それらシステムに利用可能な限られた通信帯域幅に起因して、パケット化されていないディジタル音声通信をしばしば使用する。
パケット化されていないディジタル音声通信システムの設計者は、エンドトゥエンドの遅延を抑制する必要のあることに気付いている。しかしながら、その際、多くのシステム設計者は、ネットワーク容量ではなく、システムの応答性やユーザの許容度に動機付けられている。APCOプロジェクト25地上移動無線システムのような或るシステムは、潜在的な衝突を回避するため、できるだけ早期に音声シグナリングの到来を検出しようとしている。しかしながら、この方法で達成可能なネットワーク容量は、1パーシステントCSMAの場合のように、約54%に制限されることが判明している。伝送する何らかのオーバーヘッドが、有効ネットワーク容量を54%未満に減らしてしまう。
西暦2006年7月13日付けで出願された米国特許出願第11/457,191号の開示内容全体は本願のリファレンスに組み入れられ、その出願では、pパーシステントCSMAプロトコルが音声通信ネットワークに適用される。ある明示的なランダムな「デッドタイム(dead time)」が送信信号の受信後にそれぞれ続き、無線信号の受信は、正確にタイムスロット化された「パーシステンス遅延(persistence delay)」法を使用する。チャネルビジー期間直後に送信を希望するユーザは、一般に、ランダムに選択されたタイムスロットでそのように開始することが許可される。オペレータ(無線機を操作するユーザ)は送信するキースイッチを押し続け、選択されたタイムスロットが訪れた場合、無線機は送信を開始することができ、或いは、選択されたタイムスロットよりも早期に何かが到来した場合、無線機は送信の処理を中断し、到来する伝送内容を処理する。スロット持続時間は、実効的な遅延プラス最大伝搬時間に少なくとも等しく、スロットn+1の開始前にスロットnで開始される送信が検出されるようにする。
このシステムはスロット化されたpパーシステントCSMAプロトコルの適用例と考えることができ、受信した送信信号の終了後の時間が、実効的なトラフィック検出レイテンシ(latency)aに少なくとも等しい期間のタイムスロットのシーケンスに分割される。各スロットにおいて、チャネル上で新たな送信を検出しなかった場合、新たなトラフィックを伴うステーション(局)の各々は、確率pで送信を開始する。これは、チャネルアイドル期間に起因して或る程度オーバーヘッドを増やしてしまい、付加が軽い場合及び衝突確率が何らかの理由で低い場合に望まれないものである。
このシステムの場合、総ての音声伝送の後にpパーシステンスが適用されるが、その結果、達成可能なネットワーク容量の改善効果がしばしば制限されてしまう。
U.S.MIL-STD-188-110B,"Military Standard: Interoperability and Performance Standards for Data Modems," U.S. Department of Defense (2000)
本発明の課題は、チャネル衝突が生じやすい典型的な状況ではpパーシステンスが適用されるが、適用がチャネル容量を無駄にしてしまう別の場合には適用されないようにする有利な方法及び装置を提供することである。
通信システムは複数の無線システムを含み、それら複数の無線システムは、キャリアセンス多重アクセス(CSMA)無線通信ネットワークを形成し、パケット化されていないディジタル音声を互いに通信する。少なくとも1つの無線システムは、通信チャネルにおける過去の送信の時間シーケンスのパターンに基づいて、衝突が生じやすいか否かを推測するよう動作する。各無線システムは、通信チャネル上で連続的な送信を監視し、その送信は自身の送信及び他の無線機の送信を含み、自身の送信の何れかが新たな双方向音声会話を開始する時であるか否かを決定する。
各無線システムは、伝送信号の受信に続く期間を一連のタイムスロットに分割するようにも動作する。一連のスロット内のスロットは、実効的なエンドトゥエンドのトラフィック遅延に少なくとも等しい持続時間を有し、それは、伝送遅延、最大伝搬時間、及び受信機によるトラフィック検出遅延の全部又は一部を含み、スロットN+1の開始前にスロットNから始まる送信が検出されるようにする。
(他装置からの)送信信号の受信終了前に又は直後に、(例えば、キースイッチを押すことで)オペレータが音声の送信を開始しようとした場合、開始される新たな送信が現在進行中の双方向音声会話の続きであるか、又は新たな会話の開始であるかを無線システムは判断する。
開始される新たな送信は現在進行中の音声会話の続きであることを、無線システムが確認すると、無線システムは、送信信号の受信終了後事実上速やかに送信を開始する。
開始される新たな送信は新たな双方向音声会話の開始であることを、無線システムが確認した場合、送信信号の受信終了後に続くタイムスロットシーケンス中の各タイムスロットにおいて、無線システムは、送信を開始するか否かをランダムに又は擬似ランダムに確率pで決定する。
無線システムが自身の送信を開始する前に、或るタイムスロットで他の無線システムからの送信を検出した場合、その無線システムは到来する送信信号を処理し、進行中の送信処理を中断し、自身の及び他の無線システムの送信の間で衝突が起こることを防ぐ。
非限定的な一形態では、送信信号の最後の受信終了後、充分に長い期間(チャネルアイドルタイムアウト期間)が経過した場合であって、無線システムオペレータが新たな送信処理の進行を開始しようとする前に、無線システムは、自身の送信を新たな音声会話の開始とする。
別の非限定的な例では、自身の送信が新たな音声会話の開始であることを無線システムが判断した場合、ディジタル音声送信信号に区別可能なデータタグを付加し、その信号は新たな音声会話の最初(開始)であることを、その信号を受信した無線機に通知する。他の無線システムがそのタグを含む送信信号を受信し、かつそのオペレータがタグ付けされた送信信号の後に音声の送信を開始する場合、その受信している無線システムは、1より小さな確率を各タイムスロットに適用してそのタイムスロットで送信を開始できるか否かを決めるのではなく、音声送信が速やかに開始されることを許可する。
非限定的な別の形態では、無線システムが、送信する最後から2番目の無線システムであった場合は常に、無線システムは、次の送信が現在進行中の音声会話の続きであるか否かを判断する。
他の形態では、最後から2番目に送信したどの無線システムも、異なる無線システムによる会話の開始前に、チャネルがアイドルとして宣言されるのを待機できる。
さらに別の形態では、最低トラフィック負荷、ステーション(局)数、トラフィックの優先度、及び過去の伝送の持続時間の内の1つ以上に基づいて、少なくとも1つの無線システムは、上記の確率pを使用することができる。連続的な送信時間スロットに関するスロット送信確率pは、或る期間にわたってキースイッチ起動の確率分布を補償するように調整可能である。
到来する送信信号、処理遅延及び送信スロットを示す送信ブロックフレームの部分ブロック図。 通信システムにおける音声遅延に寄与する様々な要素例を示すブロック図。 非パーシステントCSMAのスループット例を示すグラフ。 1-パーシステントCSMAのスループット例を示すグラフ。 pパーシステントCSMAネットワークの上位概念的なモデル例を示す図(OPNETモデラ(Modeler)通信ネットワークモデル及びシミュレーション環境を用いて実現され、図6ないし12で示されるパフォーマンスデータを生成するのに使用される。)。 提案法の負荷“G”において1-パーシステントCSMAの場合に関するスループット“S”を示すグラフ。 16ノードの場合におけるスロット化されていないpパーシステントCSMAの様子を示す図。 「オペレータパーシステンス」の処理の影響を示すグラフ。 大きな遅延を伴うスロットpパーシステントCSMAの様子を示すグラフ。 小さな遅延を伴うスロットpパーシステントCSMAの様子を示すグラフ。 容量及びスロットpパーシステントCSMAに関する遅延削減効果を示すグラフ。 様々な遅延の値に関し、スロットpパーシステントCSMAを適用することに起因する容量の増加を示すグラフ。 パケット化されていない無線ディジタル音声ネットワークの場合に、pパーシステントCSMAのシーケンス又はフローに使用されるステップ例を示す上位概念的フローチャート。 pパーシステンスが総ての送信の後に適用される、音声通信に適用されるpパーシステントシステムの動作例を示す図。 本発明の非限定的な例によるインテリジェント会話境界検出利用例及びpパーシステンスを示す図。 インテリジェント会話境界検出法を利用するディジタル音声用pパーシステントCSMAネットワークの、本発明の非限定的な例による上位概念的なモデル例を示す図。 本発明の非限定的な別の例によるインテリジェント会話境界検出利用例及びpパーシステンスを示す図。 pパーシステントCSMA及びインテリジェント会話境界検出を使用可能な本発明の非限定的な例による通信システムを示すブロック図。
本発明に関する他の課題、特徴及び利点は、添付図面を考慮しながら本発明に関する以下の詳細な説明によりさらに理解されるであろう。
以下、添付図面を参照しながら様々な実施例がさらに詳細に説明され、好適実施例が示される。多くの異なる実施例が説明されるが、説明はその実施例形態に限定されるように解釈されるべきでない。むしろこれらの実施例は、本開示が充分で完全になり、当業者に本発明の意図を充分に伝えるように与えられている。
本発明の非限定的な実施例によるシステム及び方法は、総ての音声送信の後にpパーシステンスが適用される場合の問題点を克服する。本システム及び方法は、チャネルの競合が生じる状況において、pパーシステンスが適用されることを許容するが、pパーシステンスの適用が不要であって(適用しても)チャネル容量を浪費してしまう場合には適用されない。
何らかの無線システムの設計において、一般に、設計者はエンドトゥエンドの遅延を制限する条件に配慮する。この問題は、システムの応答性やユーザの許容度の観点から対処されてきたが、ネットワーク容量によっては対処されてなかった。ある無線システムは、潜在的な衝突を回避するためにできるだけ早期に到来する音声シグナリングを検出しようとする。そのようなシステム例は、ANDVT ECP‐60及びAPCO P25システムである。この方法で達成可能なネットワーク容量は、1パーシステントCSMAシステムと共に約54%に制限される。伝送オーバーヘッドが実効的なネットワーク容量を54%未満に減らしてしまうのである。本願のリファレンスに組み入れられている関連出願は、pパーシステントCSMAをパケット化されていないディジタル音声ネットワークに適用し、達成可能なネットワーク容量を54%より大きな値に改善しようとしている。
pパーシステンスを適用することで実現される容量改善効果を最大化するため、チャネル衝突が生じやすい状況ではその技法を適用し、チャネル衝突が生じにくい状況では適用しないことが望ましい。あるデータタグが音声伝送に付加され、pパーシステンスの適用が有利である状況を特定する。
本発明による非限定的な例によれば、通信チャネルにおける過去の一時的な送信シーケンスのパターンから、衝突が生じやすいか否かをシステムが推測する。これは、インテリジェント会話境界検出を利用し、音声通信パターンを使用して会話の終了を特定し、それらの時点でpパーシステンスを排他的に又は優先的に適用することで行われてもよい。
以下説明されるように、様々な追加的な技術が適用可能であり、その技術は、スロット送信確率pを調整して本方法をさらに効率的にすることを含む。
上記のリファレンスの出願’191で説明されているように図1ないし13に関する音声通信ネットワークに適用されるpパーシステントCSMAプロトコルに関する詳細な説明がなされ、それに続いて本発明の非限定的な実施例による図14ないし16に関するインテリジェント会話境界検出を使用するpパーシステントCSMAが説明される。本システムを利用するのに適合した通信システム例は、図17に示されている。
図1は20で示される伝送通信(到来する送信信号22を含む)の上位概念的な図を示し、処理遅延24及び送信スロット26が示されている。この図は、pパーシステントCSMAプロトコルを音声通信ネットワークに適用する例を示す。スロットpパーシステントCSMAプロトコルでは、受信した送信信号に続く時間が、実効的なトラフィック検出遅延“a”に少なくとも等しい期間のタイムスロットのシーケンスに分割され、スロット「n+1」の開始前にスロット「n」で始まる送信が検出されることを可能にする。
各スロットにおいて、システムがそのチャネルで新たな送信を検出しなかった場合、新たなトラフィックを伴う各局は、確率「p」で送信を開始する。例えば、チャネルビジー期間の直後に送信することを希望するユーザは、ランダムに選択されたタイムスロットで送信を開始することしか許容されない。オペレータは、送信するキースイッチを押し続ける。選択されたタイムスロットが訪れた場合、無線機は送信を開始する、或いは、選択されたタイムスロットより早期にある送信信号が届いた場合、自身の送信を中断し、受信した送信信号を処理する。
このシステムの場合、チャネルアイドル期間に起因して多くのオーバーヘッドが存在し、これは、提供される負荷が軽い場合や、衝突の確率が何らかの理由で小さい等の場合には必要とされない。
上記のシステムは、軍事的な音声通信処理手順では或る規制を使用し、例えば、衝突を起こす環境の場合にpパーシステンスを選択的に適用する。例えば、軍事的な音声手順の場合、各音声メッセージ送信は一般的には肯定応答が返ってくる。総てのオペレータは、肯定応答が予想されることを知ることができ、衝突を避けるために待機することになる。オペレータのこの動作は衝突を防ぐのに通常充分であるので、これらの状況において、「一定期間待機すること-パーシステンスウェイト(persistent wait)」を排除又は削減し、オーバーヘッドを担うことを回避することができる。肯定応答が送信された後、チャネルは「全員にとって自由(free to comers)」になり、「パーシステンスウェイト」を用いて衝突を防ぐことができる。送信確率「p」の適用は、トラフィック負荷、局数、トラフィックの優先度又は過去の送信持続時間等に基づくことができる。
当該技術分野で知られているように、pパーシステントCSMAは、多くのパケットデータネットワークに一般的な要素であり、ディジタル音声トラフィックにしばしば使用される。時間分割多重アクセス(TDMA)も、複数の音声ユーザ間でチャネルを共有する際、当業者が選択し得る技術である。
セキュアなパケット化されていないディジタル音声通信は、多くの無線製品で主要な用途でありかつ存続することが理解されるべきであり、その無線製品は、軍事的なHF、VHF、UHF及びタクサット(TACSATCOM: Tactical Satellite Communications)無線システムに加えて、APCOプロジェクト25のような公のセーフティ地上移動無線(LMR: Land Mobile Radio)システム等も含む。
HF無線システムは、用途によってはVHFコンバットネット無線(CNR: Combat Net Radios)の代替物とすることができる。それを使用して、例えば、地上波及びほぼ垂直入射のスカイウェーブ(NVIS: Near Vertical Incidence Skywave)のようなHF伝搬特性により、レンジを拡大することができる。システムは、HF以外の無線シングルチャネル媒体に適用可能であり、高いレイテンシのディジタル音声ベアラが一般的に使用される場合である。
HFシステムは狭い帯域幅及び不可避の大きな遅延を有することが理解されるべきである。これは、プロジェクト25(P25)のような他の無線システムや、他の地上移動無線(LMR)システムについても正しい。
図2は、音声遅延の要素例及び遅延に影響する原因を示すブロック図である。伝送遅延は、多くの「拡張レンジCNR」システムの場合10ミリ秒未満であるが、HF無線機が一般的に使用される長距離スカイウェーブシステムの場合80ミリ秒になることもある。図2は、無線機が送信に備えて初期化する際の基本的な初期化を示す(ブロック30)。ハンドセットインターフェースは、オペレータに対してホールドオフトーン(hold-off tone)を再生するのに使用され、そして、送信されるアナログ音声信号を受信するのに使用される(ブロック32)。音声符号器は、ボコーダフレーム形式でディジタル化された音声を生成する(ブロック34)。暗号化及びインターリーバフィル(Encryption and interleaver fill)は、暗号同期ヘッダ(ブロック36)及び暗号テキスト音声データ(ブロック38)と共に処理を行う。モデム送信は、例えば、600ミリ秒のプリアンブル(ブロック40)に続いて、第1インターリーバブロックの送信に続く(ブロック42)。モデム受信は、600ミリ秒のプリアンブルを受信し(ブロック44)、第1インターリーバブロックを受信し(ブロック46)、順方向誤り訂正(FEC)コードをデコードするための遅延(ブロック48)の後に、暗号同期ヘッダの受信に続く(ブロック50)。ボコーダへのデータストリームは、平文(プレインテキスト)ディジタル音声を含み(ブロック52)、受信したオペレータスピーチのように受信機のハンドセットオーディオインターフェースに与えられる(ブロック54)。図中上位の様々なシーケンスは、(a)オペレータキーハンドセット、(b)ホールドオフトーン終了、(c)無線周波数(RF)送信開始、及び(d)第1インターリーバブロックが一杯になる時点(フル)である。
図中下側の受信機のシーケンスは、(e)モデム受信同期、(f)利用可能な第1受信データ、(g)受信した暗号同期、及び(h)ハンドセットオーディオ開始、である。
図3及び図4は、非パーシステントCSMA(図3)及び1パーシステントCSMA(図4)に関する分析結果を示すグラフである。図3は、非パーシステントCSMAに関し、用意されるトラフィック負荷「G」に対するスループット「S」を示す。非パーシステントCSMAは、高い最大スループットを達成するが、実際に処理される負荷についての「S」は低い。図4は1-パーシステントCSMAの場合を示し、G=1までは(図3の場合よりも)効率的であるが、それ以降スループットは急速に落ち込んでしまう。図4に示されるように、送信後にチャネルが自由になると、システムは頻繁に生じる衝突の被害を被ってしまう。
図5は、pパーシステントCSMA OPNETシミュレーションに関するプロセスを上位概念的に示す。図示されているように、初期化状態60がアイドル状態62に作用している。選択状態64、ビジーウェイト(busy_wait)状態66、tx_pkt状態68、及びtx_wait状態70が図示の接続関係で作用するように示されている。
上述したように、システムの利用に関する一般的な説明に続き、さらに詳細なシステム、装置及び方法の説明が続く。
近年の軍事力は今日の任務条件に合わせていっそうモバイルになりつつあり、非常に広い地理的範囲をしばしばカバーしなければならない。その結果、従来のVHFやUHF見通し線通信の送信範囲をしばしば超えることになる。同様な問題は、例えば、国境警備、薬物取締又は自然災害対応等のような非軍事的な状況でも生じ得る。これらの範囲(レンジ)の問題に対して浮上してくる解は、拡張されたレンジのコンバットネット無線(CNR)及び同様なアプリケーション用のHF無線機を使用することである。HF信号は、上空波又は地上波の何れかのモードを使用して水平に伝搬する性質がある。この特有の性質は、HF無線機が、VHF/UHF無線機及び他の見通し線外(BLOS: Beyond Line of Sight)通信システムによってカバーされていないカバレッジギャップに対処できるようにする。しかしながら、この目的に合わせてHF無線ネットワークを設計及び使用する場合、解決すべき重要事項は、HF音声通信波形及び技法の伝送遅延及び伝送オーバーヘッドに起因するネットワークトラフィック容量である。
「拡張されたレンジのコンバットネット無線」(CNR)通信及び同様なアプリケーションに使用されるHF通信は、ネットワーク内で比較的重い音声トラフィック負荷に委ねられる傾向があり、そのネットワークは、HF長距離アプリケーションで通常見受けられるよりも多数のユーザを含んでいる。これら拡張されたレンジのCNRアプリケーションの場合、音声トラフィック容量がパフォーマンスに影響を及ぼす。ユーザが「総て通知される(all-informed)」音声通信を必要とする場合、この状況は複雑になり、その場合ネットメンバ各々は他のどのネットメンバからの送信も聞こえる。「総て通知される」通信の条件は、音声トラフィックを複数の周波数にわたって拡散することによって、ネットワーク容量の増加を妨げる(そのような拡散は、一般にオートマチックリンク設定(ALE: Automatic Link Establishment)を用いるネットワークでなされる)。
標準的なHFデータ波形がディジタル音声通信に使用される場合、結果のエンドトゥエンドの音声遅延は比較的大きくなる。これらの遅延は、MIL-STD-188-110Bデータ波形の属性を設計することに起因し、上空波チャネルにおいて信頼性の高いパフォーマンスを与えようとする。U.S.MIL-STD-188-110B,“Military Standard: Interoperability and Performance Standards for Data Modems,” U.S. Department of Defense (2000)の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。
これらの波形属性は、同期及び捕捉用に使用される初期プリアンブル、そして75ないし2400bpsのデータレートで使用される600msのショートインターリーバを含む。これらの波形属性は、例えば或る量の伝送オーバーヘッドを生成し、チャネル上でのRF伝送は、伝送される音声オーディオペイロードの持続時間を、そのオーバーヘッドの分だけ超えて行われる。MIL-STD-188-110Bショートインターリーブに使用される全600msのプリアンブルは、等しい量のオーバーヘッドにすることができる。例えば平均的に約300msの別のオーバーヘッドは、送信の終了の際、完全なインターリーバブロックが存在することに起因し、これは最終的なデータビットが最後のインターリーバブロックを部分的にしか満たさなかったとしても生じる。さらに別のオーバーヘッドは、送信されたディジタルデータストリームに包含される他のデータから生じ得る。
HF音声通信ネットワークは、長期化した遅延及び増えたオーバーヘッドに起因する劣化した容量による影響を被る。遅延は送信の衝突を招き、2以上の無線機が同時に送信し、送信信号が良好に受信されない状況を頻繁に引き起こす。重いトラフィックを伴う比較的多数のユーザ(例えば、10人以上)を含むネットワークは、音声送信同士の間で頻繁に生じる衝突の影響を被る。衝突が生じると、一般に、受信側の無線機のモデムは、到着する最初の音声送信信号によって乗っ取られてしまう。以後のどの送信も干渉を引き起こし、受信したデータストリームにおけるビットエラーを招き、受信音声信号の劣化を招き、或いは、セキュア通信モードの場合、ビットエラーが何らかの暗号同期に失敗することを引き起こした場合、受信する送信信号全体を失ってしまう。
HF音声通信法による遅延(レイテンシ)の増加は、衝突の発生を増やす主要因になる。説明の便宜上、HF音声ネットワークは、CSMA(キャリアセンス多重アクセス)媒体アクセス制御(MAC)技法を用いる通信ネットワークの一例として考察できる。送信の前に、無線機のオペレータは、送信により衝突を起こしてしまうことを避けるため、チャネル上のトラフィックに耳を向ける(監視する)。それらによるチャネルの監視は、CSMAシステムにおける「キャリアセンス」の役割を果たす。したがって、HF音声通信ネットワークは、「手動CSMA(hand-operated CSMA)」システムと呼ぶに相応しい。HF音声通信システムで生じるようなエンドトゥエンドの大きなレイテンシは、この手動による「送信前に監視する(listen-before-transmit)」技法の実効性を制限してしまう。レイテンシは或る時間枠(タイムウインドウ)をもたらし、その時間枠の中では、オペレータが到来する送信信号を未だ聴いていなかった場合(或いは未だ認識していなかった場合)でさえ、オペレータが無線機のキースイッチを押すと衝突を生じさせてしまうかもしれない。したがってエンドトゥエンドのレイテンシを短縮することが望ましく、好ましくは、前提とする音声符号化やモデム波形を変えずに短縮することが望ましい(特性上の恩恵を失わないようにするためである。)。さらに、追加的な音声符号化や波形を付加しないことが望ましく、そのような音声符号化等は、導入に高価でありかつシステムの動作や管理を複雑にする。好都合なことに、前提とする音声符号化や波形を変更せずに、大幅なレイテンシの削減が可能である。
キースイッチの作動から、受信側オペレータが音声を聞くまでの全レイテンシは、物理的な要因及び人的な要因双方を含む。レイテンシは、ttx+tprop+trx+tsp+trt のように表現でき、ttxは、送信側オペレータのハンドセットのキー操作から、送信側無線機がRFエネルギを発するまでのレイテンシを表す。これは、波形や音声符号化の特性により決定可能であるが、主に、送信側無線機の設計事項により決定される。tprop(伝搬遅延)は、例えば非限定的な例としてCNRのような考察中の拡張レンジアプリケーションの場合、高々10ms未満にできる。trxは、受信側無線機におけるRFエネルギの到着から、受信側ハンドセットにおけるオーディオ信号の再生開始までのレイテンシである。これは、波形、音声符号化及び無線機設計事項により決定可能である。tspは、送信側オペレータのハンドセットにおけるホールドオフトーン(hold-off tone)の除去から、オペレータが喋り始めるまでのレイテンシを表す。この人的なレイテンシは、例えば人の反応時間に応じて、500ないし750ms以上長くなり得る。trtは、送信されたオペレータの会話開始がハンドセットに到着して以来、オペレータがその会話を認識して送信及び衝突の発生を回避するまでのレイテンシを表現する。これは人的な別のレイテンシ又は「反応時間」であり、その期間は200ないし400ms以上長くなり得る。
受信プロセスに先行して生じている何らかのイベント(事象)に基づいて、チャネルが占有されるようになる通知を利用することで、全体的な音声レイテンシを減らすことができる。暗号化同期及びモデムプリアンブル同期という2つのイベントを使用することができ、暗号化同期は、受信側のCOMSEC装置が同期プリアンブルを検出する場合に生じ、モデムプリアンブル同期は、受信側モデムがモデムプリアンブル全体を処理した場合に生じる。選択イベントが生じた場合、受信側オペレータに対して、今チャネルがビジーであることの何らかの種類の警告を与えることで、システムは衝突のおそれを減らそうとする。これは、視覚的な表示及び聴覚的な信号の少なくとも何れかの形態をとることができる。また、オペレータが送信することを禁止することによって、システムは、可能性のある衝突を防ぐようにもできる。例えば、上記の2つのイベントの何れかを検出することによって、受信側の無線機がチャネルはビジーになることを確認した場合、無線機はハンドセットキースイッチの操作を無視し、オペレータが衝突を引き起こしてしまうことを防ぐ。これは、可能性のある何らかの人的な反応時間(チャネルがビジーであることの視覚的な又は聴覚的な通知を認識するのに必要な反応時間)を、実効的なレイテンシから排除するができる。
これらの方法の利点及び制約を理解するため、HF音声通信システムの適切で正確な現実的なモデル(そのモデルによりパフォーマンスが評価される)が、少なくとも数学的分析の何れかによって導出され、シミュレーション結果が説明される。
大まかな第1近似として、HF音声ネットワークは、以下の文献に示されているような1-パーシステントCSMAシステムと考えることができ、その文献の開示内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。
L.Kleinrock, F.A.Tobagi, “Packet Switching in Radio Channels: Part I ‐ Carrier Sense Multiple-Access Modes and Their Throughput-Delay Characteristics,”IEEE Transactions on Communications, Vol.COM-23 No.12, pp.1400-1416, (1975)。
Kleinrock及びTobagiは、無限に多くのノードを有するモデルシステムにおける、1-パーシステントCSMAのスループット分析を行っている。この種の分析は、10人以上のユーザを伴うネットワークにおける有用な近似スループット推定値をもたらす。
図6は、エンドトゥエンドのレイテンシの様々な値について、ネットワークスループット「S」を、提供(処理)される負荷「G」の関数として示すグラフである。この例の場合、一定であるように仮定されている伝送持続時間により、数値は規格化されている。「G」は、総てのノードに到着するトラフィックの伝送持続時間の合計(総時間で割ったもの)である。「S」は、成功裏に送信された全トラフィックの持続時間の合計(総時間でわったもの)である。負荷が一杯にかかった理想的なネットワークは、処理される負荷「G」が約1.0の場合に、10秒の音声メッセージを1分当たり6つ持っており、スループット「S」が1.0の場合、それら総てを成功裏に送信する。ネットワークスループットは、エンドトゥエンドのレイテンシにより実質的に決定される。最良の場合はゼロのレイテンシに関連し、スループットは約53.8%の最大値に達する。約10秒の伝送持続時間及び約3秒のレイテンシの場合、伝送時間により規格化されたレイテンシの値は約0.3であり、この非限定的な例の場合、約36.4%という最大ネットワーク容量をもたらす。上記の伝送オーバーヘッドは、実効的なネットワークスループットをさらに10%劣化させ、その結果最大スループットは僅か32.7%程度になってしまう。
レイテンシを減らすことは、ネットワーク容量を大幅に改善する。53.8%という上限は1-パーシステントCSMAモデルを仮定することで設定され、その場合、チャネルがビジーであったとき、そのチャネルが解放されるまでユーザは待機し、直後に送信を開始するように、送信が試行される。同じチャネルビジー期間内に2以上の送信が意図されていた場合、チャネルが解放されると、それらは必然的に衝突してしまう。しかしながら、これは無線機のオペレータの動作を完全に正確には表現してはいない。チャネルが解放された後、オペレータが送信を試みるまでの間に、ある不定の(ランダムな)時間インターバルがある。2人のユーザが送信を試みる時点間の相違は、2人の内の後者が、そのチャネルにおける早期の前者の送信を認識して衝突を回避する機会を与えることが考えられる。この可能性を考慮に入れるため、1-パーシステントCSMAモデルは、p-パーシステントCSMAモデルに置き換えられる。
1つの提案モデルは、以下の文献によるものであり、この文献の内容全体も本願のリファレンスに組み入れられる。
H.Takagi and L.Kleinrock, “Throughput Analysis for Persistent CSMA Systems,”IEEE Transactions on Communications, Vol.COM-33, No.7, pp.627-638(1985)。
このモデルは、スロット化されていないp-パーシステントCSMAシステムのスループット分析をもたらす。このモデル設定は、有限個のノードを含むシステムに関する分析結果をもたらす。スロット化されていないモデルは、スロット化されたp-パーシステントモデルの場合よりも人的オペレータの動作をより正確に反映する。分析法は閉じた形式ではないが、必要とするネットワークパフォーマンス推定値の直接的な計算を困難にする。
スロット化されていないp-パーシステントCSMAシステムのOPNETシミュレーションモデルは、それらのモデルの規定に適合し、以下で説明されるようにスループット値に対して優れた適合性を示す。説明の中で、1/pは、指数分布の「パーシステンスレイテンシ」の平均値を意味する。これは、チャネルが自由になった後、無線機が送信開始を待機している間の時間であり、p=無限大(レイテンシ=0)は、1-パーシステントCSMAシステムと等価になる。
図7は、a=0.1の16ユーザのネットワークスループットに関し、1/pの様々な値の影響を示す。1/pの値が「a」の値をかなり上回る場合のみ、p-パーシステンスの処理の追加が、パフォーマンスの恩恵を大幅にもたらす。p-パーシステンスの場合、チャネルが自由になった後に衝突を避けるには、2人のユーザ達が送信を試みる時点の相違が、ある時間を超えている必要があり、その時間は、第1ユーザによる送信を第2ユーザが検出するのに要する時間である。
OPNETシミュレーションモデルが、人的オペレータの音声ネットワークをさらに正確に表現するようにするため、「パーシステンスレイテンシ(persistence latency)」の指数分布が、ある統計分布で置換され、その統計分布は、実験室測定により人的オペレータの観測された動作に合致しており、非限定的な例として、約600msの平均値を伴うランダムなパーシステンスレイテンシになる。
図8は、1-パーシステントCSMAにおいて様々な「a」の値のモデルから得られるスループットレベルを比較している。グラフの凡例の内、「oper」のラベルが付いた系列は、観測に基づく「オペレータパーシステンス(operator persistent)」の動作に関連し、グラフの凡例の内、「1/p=0」のラベルが付いたものは、1-パーシステントCSMAに関する。大きな「a」の値又は中程度の「a」の値の場合、「オペレータパーシステンス」の動作は容量を減らしてしまう。「オペレータパーシステンス」遅延持続期間のランダムな部分は、衝突の可能性を顕著に低減するには不十分だからである。その結果、受信後の送信における遅延はオーバーヘッドを加える。しかしながら、「a」の値が例えば0.02以下のように小さい場合(約3秒の初期値に対して90%を上回る遅延低減を表す)、「オペレータパーシステンス」は、チャネルビジー後の衝突の頻度を顕著に減らすことができる。
音声通信システムは、送信信号の受信各々の後に明示的なランダムな「デッドタイム(dead time)」を付加し、これにより、チャネルがビジーである期間中に送信を開始しようとする2以上のユーザ間の何らかの衝突を防ぐ。受信側の無線機は、タイムスロットを使用する「パーシステンス遅延」法を使用し、効率を向上させ、「スロッテッドアロハ(Slotted Aloha)」法が「スロット化されていないアロハ法」と比較して大幅に改善されたスループットをもたらすのと同様に、或る程度衝突を防ぐ。
チャネルビジー期間直後に送信を希望するユーザは、ランダムに選択されたタイムスロットで送信を開始するように許可される。オペレータは、送信する際にキースイッチを押し続ける。無線機は、選択されたタイムスロットが訪れた場合に送信を開始する、或いは選択されたタイムスロットが訪れるより早期に送信信号が届いた場合、進行中の送信処理を中断し、受信した送信信号を処理する。スロット期間は、実効的なレイテンシと最大伝搬時間とを加えたもの以上でなければならず、これにより、スロット「n+1」の開始に先行してスロット「n」で開始された送信を検出できるようにする。そのような方法は、スロット化されたp-パーシステントCSMAプロトコルの適用例になる。このプロトコルの場合、送信信号の受信後に続く期間は、期間「a」のタイムスロットのシーケンスに分割される。各スロットにおいて、チャネル上で新たな送信を発見しなかった場合、新たなトラフィックを有する局各々は、確率「p」で送信を開始する。スロット化されたp-パーシステントCSMAで送信確率が「p=1」であることは、スロット化されてないp-パーシステントCSMAで平均パーシステンスレイテンシが「1/p=0」であることと等価である。
エンドトゥエンドレイテンシ「a」は、そのような方法の実効性を強く決定づける。より小さなレイテンシ値は、スロット期間を短縮することを可能にし、より小さなスロット送信確率「p」を可能にし、衝突をより効率的に回避するようにし、その際、チャネルビジー後の送信開始に先行するアイドルスロットに起因するアイドルタイムオーバーヘッドを過剰に増やさない。
容量の改善は、スロッテッドp-パーシステンス法を使用しながら、音声通信に対する「明示的なp-パーシステンス」法によっても行うことができる。
図9は、ある値の範囲の送信確率「p」と共に、a=0.32の16ユーザネットワークに関し、処理する負荷の関数としてスループットを表現するグラフを示し、a=0.32は、3.2秒のレイテンシに対して一定の送信期間が10秒であることに対応する。「p」の値各々に対応する「w」の値は、チャネルビジー期間中に開始された送信各々について、チャネルが自由になって以来の平均待ち時間を表す。w=0.2は、送信各々についての平均待ち時間が、送信持続時間の0.2倍(すなわち、2秒)であることを示す。この場合、スロットサイズは大きくなければならない(>a)。その結果、スロット送信確率「p」が、衝突頻度を大幅に低減する程度に充分に低くするために、平均待機時間「w」は、長期のチャネルアイドルタイムを生成する程度に充分長くなくてはならず、明示的なp-パーシステンスを追加的に行うことが最大スループットを決して大幅に増やさないようにスループットを減らす。
図10は、同様なネットワークにおいて、処理する負荷の関数としてスループットを示すグラフであるが、a=0.06であり、600msのレイテンシを表現する。p-パーシステンス無しの場合でさえ(p=1.0)、小さなレイテンシは有利であり、ほぼ48%の最大スループットをもたらす。明示的なp-パーシステンスは、この非限定的な例の場合、約64%に及ぶスループットのさらなる増加を示す。0.2より大きな「w」の値に対応する小さなpの値は、最大スループットを大幅に増やしてはいないが、それらはG>>1の場合でもスループット値を増やしている。これは、G<1におけるスループットの劣化を犠牲にして達成される。様々なレイテンシ値「a」に関し、w=0.2をもたらす固定値「p」は、最大スループットについてほぼ最適な向上をもたらし、G<1の場合でもスループットを大幅には減少させない。
図11は、ネットワーク容量を実質的に改善するように結合されたレイテンシ低減法及び明示的p-パーシステンス法を示すグラフである。p=1.0に関し、最大容量はa=0の場合でさえ53.8%に制限された。w=0.2の平均「パーシステンス待機」を組み入れることで、この非限定的な例の場合、80%に及ぶ最大スループットが達成可能になる。
図12は、0.32、0.1及び0.04のaの値について、明示的なp-パーシステンスによりスループットが向上する様子を示すグラフである。レイテンシがa=0.1未満に減少すると、明示的p-パーシステンスの有利な影響が顕著に増加している。しかしながら、a=0.1の場合でさえ、明示的なp-パーシステンスを組み合わせる有利な影響は、明示的なp-パーシステンスによらない0.04の場合と同程度に少ないレイテンシ削減効果よりも大きい。図12のグラフで示されるデータは、可能な或る行動指針(処理手順)を示唆しており、その手順により、CNRのようなHF拡張レンジ音声通信ネットワークの容量を改善する。3秒程度の初期レイテンシから、約1秒(a=0.1)に至るレイテンシの低減は、MIL-STD-188-110Bモデムプリアンブルができるだけ早期に検出される場合、実現可能であり、ネットワーク容量を約45%まで向上させる。さらなるレイテンシの削減は利点を減らしてしまう。なぜなら、そうするとチャネルビジー後に衝突が起こってしまうことをほとんど減らさなくなるからである。しかしながら、明示的なp-パーシステンスを加えると、約55%までネットワーク容量を増やし、さらなるレイテンシ削減を通じて、大幅なさらなる容量増加を可能にする。
拡張レンジの無線アプリケーションに使用されるHF通信システムは、HF長距離システムの場合に一般的に見受けられる数よりも多数のユーザを含むネットワークの中で、比較的重い音声トラフィック負荷に委ねられる傾向がある。これらの拡張レンジ無線アプリケーションの場合、音声トラフィック容量は、重要なパフォーマンス特性になる。HFディジタル通信システムに使用される通信技術は、エンドトゥエンドの長いレイテンシを招き、レイテンシはしばしば3秒以上長くなり得る。HF音声通信ネットワークを手動CSMAシステムとしてモデル化すると、そのような量のレイテンシは、音声トラフィック衝突の頻度を増やすことにより、ネットワーク容量を大幅に減らすように考えられる。レイテンシを1秒又はそれ未満に減らすことは、ネットワーク容量を改善する傾向があるかもしれない;しかしながら、この方法で達成できる改善の度合いは、衝突頻度によって制限され、衝突は、先行する送信の終了後に2つの局がそのチャネルで送信を試みる場合に起こる。レイテンシが充分なレベルまで低減される場合、明示的なp-パーシステンス法を追加的に行うことは、HF音声通信ネットワークの容量を改善するために使用可能である。「明示的なp-パーシステンス」が加わると、さらなるレイテンシ削減が、容量の改善をもたらし続ける。
非限定的な一例において、p-パーシステンスはそのチャネルで送信するように選択的にいくらかは従うが、総ては従わない。そのような方法は、p-パーシステンスを使用し、それを使用しなかったならば衝突が生じやすい状況において衝突を回避することができ、かつ衝突が生じにくい状況では不要なオーバーヘッドの負担を回避できる。
本システム及び関連する方法は、p-パーシステンスを使用して、ユーザに送信が許可されている第1送信タイムスロットを判別し、ユーザの送信がタイムスロットの始めから始まるように強制することで、p-パーシステンスを送信の手動開始に適用できる。
図13を参照するに、本発明の非限定的な例によるシーケンス例を与える上位概念的フローチャート(すなわち、プロセスフロー)が示されている。到来する音声送信信号の終了を無線機が受信すると、無線機は、送信されたタイムスロットのシーケンスの開始時間を判定し、タイムスロット各々は、送信側無線機から始められた音声送信の開始に必要な時間より長い持続時間を有し、シーケンスは無線通信媒体を介して伝搬され、受信側無線機によって検出される(ブロック80)。システム内の総ての無線機は、様々な伝搬遅延に起因する僅かな時間差の範囲内で、同じ開始時点を特定できる。そして無線機は擬似乱数を使用して、シーケンス中のどのスロットが、無線機による送信が許可されている第1スロットであるかを決定できる(ブロック82)。通常、1つより多くの無線機が送信する音声トラフィックを持っていた場合、様々な無線機が様々なスロットを選択する。それらの無線機の内、選択したスロットがシーケンスの中で最も早期に現れる1つの無線機が、送信できる。他の無線機は、送信を開始する前に、(自身以外の)無線機の送信を検出する時間を有し、その結果、衝突は起こらない。
タイムスロットの開始前に、キースイッチ(例えば、送信機スイッチ)が押下されたか否かの判断がなされる(ブロック83)。無線機に送信が許可されているものとして無線機が判断したタイムスロットの開始前に、無線機のオペレータがキースイッチを押していた場合、その無線機は速やかには送信しない。その代わり、無線機はオペレータのハンドセットにおいて、例えば「ホールドオフトーン」のような可聴信号を再生し、その無線機が送信する前に待機しなければならないことをオペレータに通知する(ブロック84)。送信を開始することが無線機に許可されているタイムスロットが訪れると、無線機は「ホールドオフトーン」を除去し、送信を開始する(ブロック86)。無線機に送信が許可されている第1タイムスロットの開始後に、無線機のオペレータがキースイッチを押した場合、無線機は、ホールドオフトーンを再生し(ブロック88)、次のタイムスロットの開始まで待機し、その後、ホールドオフトーンを除去し、送信を開始する(ブロック90)。タイムスロットの境界で送信を開始することは、衝突を防止する実効性を改善する。無線機がキースイッチの作動に応答して送信を開始する前に、無線機が到来する音声信号を受信した場合、無線機は送信を開始しなければならないわけではない。その代わり、無線機は受信した音声信号をオペレータのハンドセットに対して再生することができる。これも衝突を介することに寄与する。さもなくば、到来する送信信号と処理中の送信信号との間で衝突が生じてしまうかもしれない。
この非限定的な例の場合、連続的な送信タイムスロットに関するスロット送信確率、すなわち「pの値」は、ある期間にわたる無線機オペレータによるキースイッチ操作の確率分布に合わせて補償されるように調整可能であり、衝突を避けることで効率を改善する。送信タイムスロットsn各々について、スロット送信確率pnが、名目的なスロット送信確率「p」から決定可能である。pn各々は「p」の単調関数とすることができ、「p」を増やすこと又は減らすことは、各pnを増やすこと又は減らすことに対応するようにできる。
観測されたチャネル利用度に基づいて、名目的なスロット送信確率「p」を調整することも可能である。例えば、チャネル利用度が低い場合、「p」の値を増やして平均待ち時間を減らす一方、チャネル利用度が高い場合、「p」の値を減らして平均待ち時間を増やしてもよい。
ネットワーク中のユーザ数に基づいて、名目的なスロット送信確率「p」を調整することも可能である。これは、無線機占有情報で示されるステーション数のような通信計画情報に基づいてもよいし、或いは最近の期間においてネットワークでアクティブに送信しているステーション数に基づいてもよい。
名目的なスロット送信確率「p」は、単独の送信又は一連の送信によりチャネルが使用(占有)された期間に基づいて調整されてもよい。連続的なチャネルの占有は、複数の音声メッセージが送信を待機している確率を増やし、したがってチャネルが解放されると衝突するおそれ(蓋然性)がある。このため、送信シーケンスが或るチャネルを占有する場合は常にチャネルは「連続的に占有された」ものと判断され、そのチャネルにおける連続的な送信の間のギャップは、各々の送信がおそらく開始されることを、先行する送信後のパーシステンスインターバル(一定期間)の間に通知できる程度に充分短い。
名目的なスロット送信確率「p」は、過去のパーシステンスインターバルにおいて選択された送信タイムスロットのスロットインデックスに基づいて調整されてもよい。最も早期の送信タイムスロットが使用される場合、これは、チャネルが自由になった場合、比較的多数のユーザが、トラフィックを送信するチャネルを争奪しようとすることを示す。
システムは、チャネルの過去の送信に関する時間シーケンスのパターンから、衝突が生じやすいか否かを推測できる。例えば、多くのシステムにおいて、無線チャネルの音声トラフィックの過半数は、2局間の双方向音声会話で構成される。そのチャネルを監視する他のユーザは、双方向会話が行われていることを確認し、衝突を防ぐように送信を回避することができる。この状況の場合、オペレータ自身が衝突を防ぐことができ、p-パーシステンスの適用は必須でない。特に、そのような会話に参加している局は、次のように判断することができる:その局が最近送信した場合、その後速やかに正確に1つの送信信号を受信し、再び送信しようとする。ステーションが参加している双方向通信で衝突が起こりにくいことは、非常に確からしい。
このような推定情報を活用し、本システムは、送信が終了してチャネルが自由になる場面各々において、p-パーシステンスを適用するか否かを判断することができる。また、この推定情報を利用して、名目的なスロット送信確率「p」を調整し、さもなくば衝突が起こりやすい状況で衝突を回避する条件のバランスをとり、いずれにせよ衝突が起こりにくい状況でp-パーシステンスを適用した場合に生じる不要なオーバーヘッドの負担を回避する。
ステーションの役割は、名目的なスロット送信確率「p」を調整し、適用される場合、パーシステンスインターバルにおける送信が成功する確率を高めることである。特に、例えば軍事的なネット制御局(Net Control Station)に高い名目的なスロット送信確率を付与することが有利であり、その局が送信する音声トラフィックを持っていた場合、早期の送信タイムスロットで送信することで「チャネルを獲得」できるようにする。これは、指図される音声プロシジャの下でネットワークが動作する場合に有利であり、ネット制御局がチャネルに優先的にアクセスできるようにし、他のネットメンバ局によるチャネルへのアクセスを効率的に管理できるようにする。
送信信号中の音声情報は、音声トラフィック中のワードや他の情報を検出及び認識するように処理され、ワード等は、送信信号以降の状況は衝突が生じやすいものであるか否かを示す。上述したように、これは、p-パーシステンス技法を適用するか否かの判断に使用できる。例えば、軍事的な音声プロシジャの場合、「オーバ(OVER)」という言葉と共に送信を終了することは、特定のユーザから応答が期待されていることを示す。「アウト(OUT)」という言葉と共に送信を終了することは、何らの応答も期待されていないこと、及び無線ネットワーク内の何らかのユーザが新たなトラフィックを送信するかもしれないことをしばしば示す。後者の場合だけ音声送信の衝突が生じやすい。したがって、前者の場合でなく、後者の場合にp-パーシステンスを適用することが有利である。無線機は音声ペイロード情報を分析し、送信の最後の言葉が「オーバ」であったか或いは「アウト」であったかを確認する。これは、本発明について可能な実施例を示すための非限定的な一例に過ぎない。
本システムは「オーバ」及び「アウト」の言葉以外の手段を使用することもできるが、その手段は、送信するオペレータが、現在の送信の後、特定のユーザからの応答が期待されるか否かを示すものである。例えば、「アウト」の言葉を含む音声送信信号を彼又は彼女が送信するときは常に、オペレータは無線機のスイッチを押すかもしれない。送信側の無線機は、例えば識別可能なデータのようなタグを音声送信信号に付加し、それが音声会話の最後の送信であることを識別する。他の無線機は、この方法でタグ付けされた音声送信信号を受信した後、衝突を防ぐためにp-パーシステンスを使用することができる。オペレータは、キースイッチを解放し、速やかにキーを押して再び解放することで、チャネルが解放されつつあることを知らせてもよい。これらは、本発明について可能な実施例を示すための非限定的な一例に過ぎない。
図14は、上記のp-パーシステンスを適用することに関するいくつかの制約を示すブロック図である。図14の左側には5人のユーザが、ジェイソン100、ドナルド102、トーマス104、ローリ106及びマイケル108として示されている。図中上側は、双方向音声会話がなされている間に、新たに処理するトラフィックがどのようにたまってゆくかを示す。第1のパーシステンスインターバル110がある時点で生じ、そのインターバルでは、総てのネットユーザはジェイソンが次に送信するユーザであることを知っている。衝突は生じにくいので、パーシステンスインターバルに起因するジェイソンの送信に生じる可能性のある遅延は、無駄に費やされることになる。第2及び第3のパーシステンスインターバル112、114も無駄に費やされることになる。第4のパーシステンスインターバル116は必要である。なぜなら、ドナルド及びジェイソン間の会話は丁度終了し、1人以上の他のユーザがその時点で会話を開始しようとしているかもしれないからである。ドナルド及びジェイソン間の音声会話の全期間にわたって、新たに処理するトラフィック(会話を始めたいユーザのトラフィック)が溜まっているので、この時点で衝突の可能性は高い。
軍事的な及び公のセーフティ音声通信ネットワークのような一般的な音声通信ネットワークの場合、多くのネットワークトラフィックは、一連の双方向会話で形成される。そのような会話の場合、以下の文献に記載されているような軍事的音声手順のような専用の音声手順(trained voice procedure)に基づいて、オペレータは、或る会話の中でチャネルが次の送信用に予約されていることを知る。ACP125(F) ALLIED COMMUNICATIONS PUBLICATION, COMMUNICATION INSTRUCTIONS, RADIOTELEPHONE PROCEDURES, Combined Communication Electronics Board (CCEB), September 2001。この文献の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。音声会話の最後の送信以外の送信に続いてパーシステンスインターバルが適用されるときはいつでも、パーシステンスインターバル時間は浪費される。会話が終了すると、後続のパーシステンスインターバルの中で、たまっている総てのトラフィックが送信されようとする。パーシステンスインターバル期間は、衝突を確実に防止するには不十分かもしれない。先行する会話の終了と新たな会話の開始との間の境界を検出する何らかの方法をシステムが備えていない限り、最後のパーシステンスインターバルの延長がそれ以外も延長することになり、さらに浪費してしまう。
本発明の非限定的な例の場合、音声通信パターンが会話の境界(すなわち、新たな音声会話各々の開始点)を特定するために使用可能である。p-パーシステンスインターバルは、これらの時点において排他的に又は優先的に適用可能である。システムは、以下の規則を適用することで、送信の各々が、新たな音声会話の開始であるか否かを決定する。
[規則1]送信側無線システムが新たな会話の開始であるとして決定するどの送信信号も、付加されたデータタグを有する。送信信号を受信する無線システムは、そのデータタグを検出し、その送信信号を、新たな音声会話の開始であるとして解釈する。
[規則2]ステーションBからの送信b(1)が、ステーションAによる送信a(1)の終了後のある時点で始まり、その時点は例えば5秒のようなチャネルアイドル閾値より早い時点であり、送信信号a(1)が会話開始のタグを含んでいた場合、送信信号b(1)は、新たな会話の開始であるとは判断されない。
[規則3]ステーションCが送信信号b(x)の後に送信信号c(n)の送信を開始しようとし、送信信号b(x)には同じステーションCによる送信信号c(n-1)が先行し、c(n-1)及びb(x)間の時間間隔及びb(x)及びc(n)間の時間間隔が、チャネルアイドルしきい値未満であった場合、c(n)は新たな会話の開始であるとして解釈されない。
[規則4]ステーションCが、a(x)b(y)c(n)の順序でa(x)及びb(y)に続いてc(n)の送信を開始しようとし、b(y)からa(x)、及びc(n)からb(y)に至る時間インターバルが何れもチャネルアイドル閾値未満であり、かつa(x)Cとは異なるステーションAから送信されたものであった場合、送信信号c(n)は、新たな音声会話の開始であるとして判断される。
[規則5]ステーションBが、Bとは異なるステーションAからの送信信号a(x)の後に送信信号b(n)を送信しようとし、送信信号b(n)から送信信号a(x)までの時間インターバルがチャネルアイドル閾値以上であった場合、送信信号b(n)は、新たな音声会話の開始であるとして判断される。
これらの規則(ルール)が適用される場合、会話は終了と判断され、通常の双方向会話を行う送信局の交代が途切れる場合、新たな会話の開始と判断される。例えば、A-B-C又はA-B-A-B-A-Cの形式の送信シーケンスが生じた場合、Cからの送信は、新たな会話の開始であるとして判断され、したがってp-パーシステンスが適用される。
スロット送信確率pは、本方法をさらに効率的にするように動的に調整可能である。例えば、パーシステンスインターバルの始めのような早期のスロットが使用される場合、これはネットワーク負荷がおそらく高くなることを示すので、スロット送信確率を低くし、衝突の可能性を減らすことができる。逆に、パーシステンスインターバルの早期のスロットが使用されない場合、ネットワーク負荷は低くなるであろうから、スロット送信確率を増やし、p-パーシステンスオーバーヘッドを減らすことができる。全体的なネットワークトラフィック量を監視し、送信確率を調整することが可能である。会話各々の長さも監視可能である。長い会話の後、そのチャネルについて競合するステーション数は多くなりそうなので、より低いp値が使用されてよい。到着する新たなトラフィックに関し、より長期間の時間があるからである。
図15は、本発明の非限定的な例によるインテリジェント会話境界検出法を使用しながらp-パーシステンスを適用する様子を示す上位概念的なブロック図である。118において、ユーザであるドナルドは、新たな双方向会話を開始する機会を初めて得る。新たな会話の開始を示すデータタグ120が、ドナルドの送信信号に付けられている。ユーザであるジェイソンの送信信号に先行するパーシステンスインターバルは一切無い。なぜなら、新たな会話の開始以降では、呼ばれたステーションのみが応答するので、パーシステンスインターバルは不要だからである(122)。前の前の時点でドナルドが送信していた場合、彼は依然として会話の当事者である。その結果、パーシステンスインターバルは一切必要ない(124)。トーマスのような他の誰かのステーションが送信しようとした場合、それは新たな会話になるので、パーシステンスインターバルが適用される(126)。ジェイソンは、前の会話でも当事者なので、ジェイソンの送信にはパーシステンスインターバルは適用されない(128)。しかしながら、ローリが送信する場合、彼女の送信は新たな会話を開始することになるので、その送信にはパーシステンスインターバルが適用される(130)。
図15に示されているように、p-パーシステンスが適用される送信の各々は、新たな会話の開始としてマークされ(印が付けられ)、図示されているように、ディジタル音声データの末尾にデータタグが付けられている。会話の開始以降の送信にp-パーシステンスは一切適用されない。その送信は応答であり、チャネルは暗黙的に確保される。以後、「会話している(conversing)」ステーション同士が送信を代わる代わる行い続ける限り、p-パーシステンスは一切適用されない。交代が途切れた時点各々は、新たな会話の開始と考えられ、p-パーシステンスが適用される。p-パーシステンスは、必要とされる場合にのみ遅延を導入する。
本発明を利用することは、ある状況におけるオペレータの音声プロシジャに対して影響を及ぼす可能性がある。会話がA-B-A-Bのような送信パターンに従う場合、システムは良好に機能する。しかしながら、A-B-A-Bのパターンに従わない会話は、或る程度混乱を生じるかもしれない。
例えば、ある会話の中で最後から2番目に送信を行った当事者が、第1の会話の終了後速やかに別のユーザとの第2の会話を開始し、送信パターンがA-B-A-Bの後にA-Cが続く形式になる場合、第2の会話の開始に対する応答には不適切にp-パーシステンスが適用される。その結果、(チャネルを実際に確保してもらっているにもかかわらず)オペレータCが速やかに送信することは許可されないことになる。この問題を回避するため、会話終了の際、最後から2番目に送信を行ったステーションのオペレータは、チャネルがアイドルとして宣言されるまで待機し、例えば5秒間待機した後に、別のステーションに対する会話を開始する。オペレータがこれを行うことを支援するため、無線機は、5秒間が経過した場合に「アイドルビープ音(idle beep)」を提供することができる。
別の例として、ラウンドロビン音声チェックのような会話があり、送信信号のシーケンスはA-B-C-D-E,...のようなパターンに従う。この場合、送信信号C及びEは新たな会話の開始のように見えるかもしれない。音声メッセージが複数の受信者に送信され、各受信者から確認応答が得られるような会話は、A-B-C-A-B-C...或いはA-B-C-D-E...のような送信パターンになり、同様な混乱を招くおそれがある。
混乱のおそれの影響は、p-パーシステンスが適用されるべき場合に適用されず、適用されるべき場合に適用されない可能性に限られる。これは、何らかの通信遅延を引き起こし、衝突を防ぐシステムの実効性を劣化させる。しかしながら、システムユーザの通信能力は、深刻には害されないであろう。そのような混乱のおそれを避けるため、プロシジャを実行するには適していない場合、オペレータはその仕組みをオフにしてもよい。
図16は、ディジタル音声(PPC-DV)プロトコル処理に関するp-パーシステンスCSMAの状態図を示す。スタート(START)132がチャネルアイドル状態(Channel Idle state)134とともに示されている。送信の状態136及び受信の状態138の後に、送信後の状態140及び受信後の状態142が示されている。
図17は、図15に似ている代替例を示す。図17は、送信する最後のノードが新たな会話を開始する例を示す。送信が完了した直後に、パーシステンスインターバルが送信ステーションに適用される。これは、送信するトラフィックを伴っているステーションが、先行する双方向会話の完了直後にそれを送信し始めることを許可するが、但し、送信を開始するために先頭のパーシステンスインターバルのタイムスロットが与えられているものとする。例えば、図示されているように、ジェイソン100は、ドナルド102との会話の終了直後に、トーマス104との新たな会話を開始する。終了した会話の中で最後から2番目に送信を行った者であるドナルド102は、新たな会話を開始する前にさらに待機しなければならない。そうしなかった場合、彼の送信は新たな会話の開始としてマークされないことになるであろう。そして、ドナルドに対する応答が、新たな会話の開始として解釈され、不要な遅延の被害を被ってしまう。
図示されているように、ドナルドの場合、データが付加されて新たな会話としてマークされている(143)。144において、新たな会話の開始の後、呼ばれたステーションのみが応答する。発呼しているステーションを除き、パーシステンスインターバルは誰にとっても不要である。145に示されているように、ドナルドは最後の前の時点で送信を行っており、依然として会話の当事者である。したがって、パーシステンスインターバルは一切不要である。146に示されているように、何らかの他のステーションが送信しようとした場合、それは新たな会話を開始することになるので、パーシステンスインターバルがトーマスに関して適用される。ジェイソンに関し、147に示されているように、彼は未だ前の会話の当事者である。148に示されているように、ジェイソンは、彼の前の送信の後、パーシステンスインターバルの間に新たな会話を開始することができる。149に示されているように、ドナルドは、混乱を防ぐため、新たな会話の開始前に待機しなければならない。
本発明による非限定的な例によるシステム及び方法が有利であることは明らかである。p-パーシステンスを音声会話の境界に適用することで、音声会話の境界で多くの衝突が生じる可能性を防止する。また、衝突が生じにくい時点でp-パーシステンスを適用することを回避し、そうすることで不要な遅延を回避し、チャネル容量をさらに効率的に使用できる。
本システムは、戦略的無線システムのセキュアディジタル音声通信に適用可能である。本システムは、あるアプリケーションにおけるVHFコンバットネット(combat net)の代替物として使用可能である。なぜなら、地上波やNVISのようなHF伝搬特性によりレンジを拡張するように使用できるからである。FSK及びCVSDを使用する一般的なVHF無線機の短い音声レイテンシにもかかわらず、同等のネットワーク容量を提供することができる。本システム及び方法は、公のセーフティ無線システムのようなHF以外の無線シングルチャネル媒体にも適用可能であり、例えば、APCO_P25、TETRA又はハイレイテンシディジタル音声ベアラが使用される。
図18を参照しながら、本発明を使用するように修正可能な通信システム例が説明される。
そのようなシステム及び方法と共に使用可能な無線機の例は、フロリダ州メルボルンのハリスコーポレーションにより製造販売されているファルコンIII (FalconTMIII)(登録商標) 無線機である。無線機は、当業者に知られているように、ベーシック送信スイッチ、他の機能スイッチ及び制御部を含む。様々な無線機を使用することが可能であり、無線機は例えばソフトウエアで定義された無線機を含むがそれに限定されないことが理解されるべきであり、その無線機は比較的標準的なプロセッサ及びハードウエアコンポーネントと共に実施可能である。ある特定のクラスのソフトウエア無線機は統合戦術無線機(JTR: Joint Tactical Radio)であり、何らかの波形ソフトウエアモジュールと共に比較的標準的な無線機及び処理ハードウエアを含み、そのモジュールは無線機が使用する通信波形を使用するためのものである。JTR無線機は、ソフトウエア通信アーキテクチャ{とうごう せんじゅつ むせん}(SCA)仕様(例えば、www.jtrs.saalt.mil)に従うオペレーティングシステムソフトウエアを使用し、その規格文書全体は本願のリファレンスに組み入れられる。SCAはオープンアーキテクチャのフレームワークであり、ハードウエア及びソフトウエアのコンポーネントがどのように相互運用すべきかを規定し、様々な製造者や開発者が各自のコンポーネントを1つの装置に容易に統合できるようにする。
統合戦術無線システム(JTRS)ソフトウエアコンポーネントアーキテクチャ(SCA)は、共通オブジェクトリクエストブローカーアーキテクチャ(CORBA)にしばしば基づいて、ソフトウエアで規定された無線機(SDR)を実現するための一群のインターフェース及びプロトコルを規定する。一つには、JTRS及びSCAは、ソフトウエア再プログラム可能な無線機のファミリと共に使用される。したがって、SCAは、ソフトウエア再プログラム可能なディジタル無線機を実現するための規則、方法及び設計基準の特定のセットである。
JTRS_SCA標準仕様は、JTRSジョイントプログラムオフィス(JPO: Joint Program Office)により公表されている。様々なJTRS_SCA実施形態間におけるアプリケーションソフトウエアの移植性(portability)を提供するため、商業規格を使用して開発コストを下げるため、設計モジュールを再利用できる性質により新たな波形の開発期間を短縮するため、及び商業的フレームワークやアーキテクチャを展開する足場を築く等のため、JTRS_SCAは構築されている。
JTRS_SCAはシステム仕様ではなく、実施形態によらないように意図され、所望のJTRS目的を達成するためにシステム設計を制限する一群の規則である。JTRS_SCAのソフトウエアフレームワークは、オペレーティング環境(OE)を規定し、アプリケーションがその環境から使用するサービスやインターフェースを指定する。SCA_OEは、コアフレームワーク(CF)、CORBAミドルウエア、及びオペレーティングシステム(OS)(関連するボードサポートパッケージのポータブルオペレーティングシステムインターフェース(POSIX)に基づく)を有する。JTRS_SCAは、アプリケーションソフトウエアコンポーネント間のアプリケーションプログラムインターフェース(API)を規定する構築ブロック構造(API付属物で規定される)を提供する。
JTRS_SCAコアフレームワーク(CF)は、オープンソフトウエアインターフェース及びプロファイルの本質的な「コア」の一群を規定するアーキテクチャ概念であり、配備能力、管理能力、相互接続能力、組み込まれたソフトウエアアプリケーションコンポーネント間の相互通信能力、分散されたコンピュータ通信システム等をもたらす。インターフェースは、JTRS_SCA標準仕様で規定される。しかしながら、開発者達がそれらの一部を使用し、あるものがコアでないアプリケーションにより使用され(すなわち、波形等)、あるものがハードウエア装置プロバイダにより使用されてもよい。
図18に示される非限定的な例に関し、説明のみを目的として、本発明による恩恵をもたらす通信システム例が概説される。通信システムに関するこの上位概念的なブロック図は、基地局の一部(セグメント)152及び無線メッセージ端末を含み、それらは本発明を利用するように修正可能である。基地局セグメント152は、VHF無線機160及びHF無線機162を含み、これらはVHFネット164又はHFネット166に至る無線リンクを介して音声又はデータを通信及び送信し、VHFネット及びHFネット各々は、複数のVHF無線機168、複数のHF無線機170、無線機168、170に接続されたパーソナルコンピュータワークステーション172を含む。アドホック通信ネットワーク173は、図示されているように様々なコンポーネントと相互運用可能である。したがって、HF又はVHFネットワークはHF及びVHFネットセグメントを含むことが理解されるべきであり、それらセグメントは、少ないインフラストラクチャで済み、アドホック通信ネットワークとして使用できる。UHF無線機及びネットセグメントが描かれていないが、それらが含まれてもよい。
HF無線機は、変復調回路162a、適切な畳み込みエンコーダ回路162b、ブロックインターリーバ162c、データ乱数発生器162d、データ・フレーム処理回路162e、変調回路162f、整合フィルタ回路162g、適切なクランピング装置を伴うブロック又はシンボル等化回路162h、デインタリーバ及びデコーダ回路162i、モデム162j、そして電力調整回路162kを非限定的な例として含むことができる。ボコーダ回路162lは、デコード及びエンコード機能と変換部とを組み込むことができ、上述の様々な回路と組み合わせられてもよいし、個別の回路としてもよい。送信キースイッチ162mは、上述したように動作する。これら及び他の回路は、本発明で必要な如何なる機能をも実行することに加えて、当業者に既知の他の機能も実行する。本願で参照されている回路は、ソフトウエア及び/又はハードウエアの要素の如何なる組み合わせをも含んでもよく、関連するソフトウエアを備えた汎用マイクロプロセッサ、関連するソフトウエアを備えたディジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理回路、当業者に既知の他の種類の装置及び/又はソフトウエア若しくはファームウェア等を含んでよいが、それらに限定されない。VHF移動無線機並びに送信及び受信するステーションを総て含む図示の他の無線機も、同様な機能回路を有する。
基地局セグメント152は、公衆交換電話網(PSTN)180に接続される地上回線を有し、地上回線はPABX182に接続される。衛星地上局のような衛星インターフェース184は、PABX182に接続され、PABXは無線ゲートウェイ186a、186bを形成するプロセッサに接続される。これらはVHF無線機160又はHF無線機162にそれぞれ相互接続される。プロセッサは、ローカルエリアネットワークを介してPABX182及び電子メールクライアント190に接続される。msウエン機は、適切な信号生成器及び変調器を含む。パケット化されていないディジタル音声情報は、本発明による技法を使ってネットワーク内で送信され、ハンドセットにおいて発せられ又はハンドセットに伝送され、ハンドセットは、無線機、電話機、無線ゲートウェイ装置に取り付けられた他のインターフェース装置(例えば、RF-6010
戦略ネットワークハブ)、PABXに接続された又は公衆交換電話網内の加入者電話等の何れかに接続される。
イーサーネット/TCP-IPローカルエリアネットワークは、「無線機の」メールサーバとして動作可能である。第2世代プロトコル/波形のようなSTANAG_5066を利用し、無線リンク及びローカルエリアネットワークを介して電子メールが送信可能であり、STANAG_5066の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられ、さらには第3世代相互運用性の標準規格であるSTANAG_4538も使用可能であり、この内容全体も本願のリファレンスに組み入れられる。相互運用性の標準規格FED-STD-1052の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられ、従来の無線装置と共に使用可能である。本発明で使用可能な装置の具体例は、フロリダ州メルボルンのハリスコーポレーションにより製造販売されている様々な無線ゲートウェイ及び無線機を含む。この装置は、RF5800、5022、7210、5710、6010、5285、PRC117及び138シリーズの機器を非限定的な例として含む。
これらのシステムは、RF-5710A高周波(HF)モデムと共に及びSTANAG4539として知られるNATO標準仕様と共に使用可能であり、その内容全体は本願のリファレンスに組み入れられ、本システムは、9600bpsに及ぶレートで長距離HF無線回路の伝送能力をもたらす。モデム技術に加えて、これらのシステムは適切なデータリンクプロトコルを使用する無線電子メール製品を使用することができ、そのプロトコルは、過酷な戦術的なチャネル用に設計及び作成され、例えばSTANAG4538やSTANAG5066であり、これらの内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。ISBモードに設定された無線機及び固定データレートに設定されたHFモデムと共に、19,200bpsと同程度に高速な固定の非適応的なデータレートを使用することもできる。符号合成技術及びARQを利用することも可能である。

Claims (10)

  1. 複数の無線機を有する通信システムであって、
    前記複数の無線機は、キャリアセンス多重アクセス(CSMA)無線通信ネットワークを形成し、かつパケット化されていないディジタル音声を互いに通信し、
    各無線機は、送信された信号を受信した後の期間を複数のタイムスロットのシーケンスに分割し、該連続的なタイムスロットの各々において、チャネル上で送信を開始するか否かを確率pと共にランダムに又は擬似ランダムに決定する、通信システム。
  2. 無線機はチャネルの衝突する蓋然性を推定し、該衝突は、自身の次の送信と他の無線機による1つ以上の送信との衝突である、請求項1記載の通信システム。
  3. 少なくとも1つの無線機が、チャネルの衝突が生じやすいか否かに関する推定に基づいて、前記タイムスロット及び前記確率pを使用すること、又はタイムスロットの経過を待たずに速やかに送信することを決定する、請求項2記載の通信システム。
  4. 少なくとも1つの無線機が、チャネルの衝突が生じやすいか否かに関する推定に基づいて、前記確率pの値を調整する、請求項2記載の通信システム。
  5. 無線機が、自身の次の送信は新たな音声会話の開始であるか否かを判断し、該判断によりチャネルの衝突が生じやすいか否かを推定する、請求項2記載の通信システム。
  6. タイムスロットの開始に先行して前記チャネル上で新たな送信が検出されなかった場合にのみ、前記無線機が送信を開始する、請求項1記載の通信システム。
  7. ディジタル音声データを通信する方法であって、
    無線機により、キャリアセンス多重アクセス(CSMA)無線通信チャネルを介して、パケット化されていないディジタル音声通信信号を受信するステップと、
    送信された信号を受信した後の期間を複数のタイムスロットのシーケンスに分割するステップと、
    該連続的なタイムスロットの各々において、前記チャネル上で送信を開始するか否かを確率pと共にランダムに又は擬似ランダムに決定するステップと
    を有する方法。
  8. チャネルの衝突する蓋然性を推定するステップをさらに有し、該衝突は、ある無線機の次の送信と他の無線機による1つ以上の送信との間で生じるおそれのある衝突である、請求項7記載の方法。
  9. 無線機が、チャネルの衝突が生じやすいか否かに関する推定に基づいて、前記タイムスロット及び前記確率pを使用すること、又はタイムスロットの経過を待たずに速やかに送信することを決定するステップをさらに有する、請求項8記載の方法。
  10. チャネルの衝突が生じやすいか否かに関する推定に基づいて、前記確率pの値を調整するステップをさらに有する、請求項8記載の方法。
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