JP2010516851A - 熱可逆特性を有する瀝青組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温時での粘度が上昇することなく利用温度における硬度が向上した瀝青組成物、その使用、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の瀝青組成物は、主成分として少なくとも1種の瀝青と、副成分として少なくとも1種の化学的な添加剤とを含み、前記添加剤がモル質量2000g/mol以下の有機ゲル化分子間に水素結合のネットワークを形成する有機ゲル化剤であり、この有機ゲル化剤は、少なくとも1種の水素結合ドナーD、少なくとも1種の水素結合アクセプターA、および瀝青に相溶可能な少なくとも1種の相溶性部位Cを含み、前記相溶性部位Cが炭素数が少なくとも4である少なくとも1つの炭化水素の直鎖;原子数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環;または各環の原子数が5または6であり、脂肪族環および/または芳香族環を含む少なくとも1種の縮合多環から選択される基を、単独でまたは組み合わせて有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、瀝青(ビチューメン)の分野に属する。より詳細には、本発明は、有機ゲル化系添加剤を含有し、熱可逆的な粘度および硬度特性を有する瀝青組成物に関する。
本発明は、さらに、道路用途の分野(特に、道路舗装用バインダの製造)および産業用途の分野における、上記瀝青組成物の使用に関する。本発明は、さらに、上記瀝青組成物を調製する方法に関する。
道路用途および産業用途の材料の製造に瀝青を使用することは、長く知られている。瀝青は、道路工事または土木工学の分野で用いられる主要な炭化水素系バインダである。瀝青をこれら様々な用途でバインダとして利用するには、特定の物理化学的特性が当該瀝青になければならない。最も重要な特性の1つとして、瀝青の硬度が挙げられる。舗装後の車両の通行によってわだち割れが生じないように、利用温度(舗装または舗設後の常温)において、瀝青の硬度は十分高くなければならない。また、極めて重要な他の特性として、瀝青の粘度が挙げられる。瀝青は、想定され得る最も低い塗布温度において十分な流動性を有していなければならない。したがって、瀝青質バインダを使用する際には、利用温度において瀝青が硬質であること、および高温時に粘度が低いことの両方が要求される。
瀝青は、原油の常圧蒸留および/または真空蒸留によって生じる残渣から一般的に得られるが、天然瀝青、アスファルトまたは瀝青砂の軽質留分を取り除くことによっても得ることができる。瀝青の硬度を調整する目的で、これらを極めて高温または低圧で再蒸留して軽質留分を取り除くことも可能である。
実際に、構成成分として重質留分を多く含むほど、瀝青の硬度は上昇する。しかし、上記の方法は、常に十分に効率的ではなく、重質留分から軽質留分を完全に取り除くことはできない。
瀝青の硬度を上げる他の手段として、瀝青に対する吹き込み(ブローイング)が挙げられる。ブローン瀝青は、ブローイングユニット内で、原料の瀝青に空気流および/または酸素流を通すことによって製造される。この作業は、酸化触媒、例えばリン酸の存在下で実行されてよい。一般的に、このブローイング作業は、約200〜300℃の高温で、典型的には30分から2時間の比較的長時間のあいだ連続的に、またはバッチ方式で行われる。このブローイング法には、幾つかの欠点がある。第1に、ブローン瀝青は、ブローイングする前の瀝青よりも劣化しやすい。さらに、ブローン瀝青の製造には、この目的のために特別に設けられるブローイング装置が必要となる。ブローン瀝青の主な欠点の1つとして、ある温度での粘度が、ブローイングする前の瀝青の粘度よりも高くなることが挙げられる。
この高粘度に関連する他の欠点として、ブローン瀝青の場合、同じ種類のブローイングされていない瀝青よりも高い塗布温度にまで加熱する必要がある。そのため、エネルギー消費が増加し、また、追加の保護手段を作業者のために用意する必要が生じてしまう。
瀝青の硬度を上げる他の手段として、ポリマーを添加することが挙げられる。本発明の出願人は、ポリマーを含有する瀝青組成物を最初に開発して特許を得た企業のうちの1つである(特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4)。これらのポリマーによって、特に、バインダの凝集力を向上させたり、バインダの弾性を向上させたり、瀝青の塑性域を広げたり、耐変形性を向上させたり、さらには、針入度を低下させて瀝青の硬度を向上させたりすることができる。すなわち、利用温度でのこれらの特性は、明らかに改善される。しかしながら、瀝青組成物にポリマーを添加すると、高温時での当該瀝青組成物の粘度は一般的に増加する。したがって、ポリマーが添加された瀝青組成物を、道路に対して塗布可能とするには、ポリマーを含まない同種類の瀝青質バインダよりも高い塗布温度にまで加熱しなければならない。これらのポリマー添加型瀝青を使用する際には、ブローン瀝青について説明した欠点と同一の欠点が存在することに留意する必要がある。
本発明の出願人は、特許文献5において、瀝青に硬化剤を投入する工程を伴う化学発泡法を開示しており、この添加剤を投入することにより、利用温度における瀝青の硬度を上昇させながら、高温時での粘度の上昇を抑えている。
仏国特許出願公開第2376188号明細書 仏国特許出願公開第7818534号明細書 欧州特許第0799280号明細書 欧州特許第0690892号明細書 仏国特許出願公開第2889198号明細書
本発明の出願人は研究を続け、高温時での粘度を上昇させることなく、利用時の環境温度において瀝青を硬化させることが可能な他の化合物を模索してきた。そして本発明の出願人は、利用温度では、ポリマーが添加された瀝青の硬度特性を有しつつ、高温時には、ポリマーが添加された瀝青の特性を有していないという新しい瀝青組成物を開発した。
上記目的に関し、本発明は、主成分として少なくとも1種の瀝青と、副成分として少なくとも1種の化学的な添加剤とを含む瀝青組成物に関するものであり、前記化学的な添加剤は、モル質量2000g/mol以下の有機ゲル化分子間に水素結合のネットワークを形成する有機ゲル化剤であって、この有機ゲル化剤は、少なくとも1種の水素結合ドナーD、少なくとも1種の水素結合アクセプターA、および瀝青に相溶可能な少なくとも1種の相溶性部位Cを含み、前記相溶性部位Cは、炭素数が少なくとも4である少なくとも1つの炭化水素の直鎖;原子数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環;または各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族環である少なくとも1種の縮合多環;から選択される基を、単独または組み合わせて有する。
好ましくは、ドナーDは、窒素Nおよび/または酸素Oおよび/または硫黄Sから選択される、水素と結合しているかまたは水素と親和性を保持しているヘテロ原子を含む。
好ましくは、ドナーDは、アルコール類、チオール類、フェノール類、第一級アミン類、第二級アミン類、第四級アンモニウム類、アミド類、尿素類、ヒドラジン類、カルボン酸類、オキシム類、ヒドラゾン類、イミン類およびこれらの組合せから選択される単位を形成する。
好ましくは、アクセプターAは、酸素Oおよび/または硫黄Sおよび/または窒素Nおよび/またはリンPから選択され、二重結合を有するヘテロ原子を含む。
好ましくは、アクセプターAは、C=O基、S=O基、N=O基またはP=O基から選択される基を有し、且つその直鎖状または環状の炭化水素基に酸素O、硫黄S、窒素NまたはリンPのヘテロ原子を含む単位であってもよい。
好ましくは、アクセプターAは、アルコール類、フェノール類、アミド類、エステル類、尿素類、ヒドラジン類、酸類、ケトン類、アルデヒド類、ラクトン類、ラクタム類、無水物類(酸無水物類)、イミド類、スルホキシド類、スルホン類、スルホン酸塩類、硫酸塩類、亜硫酸塩類、スルホン酸類、硫化物類、エーテル類、ホスフィン類、亜リン酸塩類、ホスホン酸塩類、リン酸塩類、亜硝酸塩類または硝酸塩類、およびこれらの組合せから選択される。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、アルキルアミドイミダゾリジンやアルキルアミドイミダゾリン系化合物を除く。
一実施形態において、有機ゲル化剤は、同一の化学構造の有機ゲル化分子を含む。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、一般式である下記の式(I)によって表される化合物を少なくとも1種含む:
R−(NH)CONH−(X)−NHCO(NH)−R’
式中、R基およびR’基は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
X基は、直鎖、環鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、任意でヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
nおよびmは、互いに独立で、それぞれ0または1の整数である。
好ましくは、有機ゲル化剤は、上記式(I)においてnおよびmが0のときにヒドラジド結合を含む。
好ましくは、有機ゲル化剤は、上記式(I)においてnが0でmが1のときに2つのアミド結合を含む。
好ましくは、有機ゲル化剤は、上記式(I)においてnおよびmが1のときに2つの尿素結合を含む。
一実施形態によると、上記式(I)のR基および/またはR’基は、炭素数が4〜22の脂肪族炭化水素鎖を含み、特に、C基、C11基、C19基、C1123基、C1225基、C1735基、C1837基、C2143基またはC2245基から選択される基である。
上記式(I)のX基は、炭素数1または2の脂肪族炭化水素鎖を含むものであってもよい。
上記式(I)のX基は、CH基によって結合された炭素数6の2つの環を含むものであってもよく、且つ前記環は、脂肪族環または芳香族環であってもよい。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、一般式である下記の式(II)によって表される化合物を少なくとも1種含む:
(R−NHCO)−Z−(NHCO−R’)
式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
Zは、以下の基から選択される三官能基を表しており、
xおよびyは、0から3の数値をとる異なる整数であり、x+y=3となる。
Figure 2010516851
一実施形態によると、有機ゲル化剤(III)は、少なくとも1種のソルビトール誘導体を含む。このソルビトール誘導体は、アルデヒドとD−ソルビトールとの反応生成物である。
好ましくは、有機ゲル化剤は、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールである。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、一般式である下記の式(IV)によって表される化合物を少なくとも1種含む:
R’’−(COOH)
式中、R’’は、炭化数が4〜68、好ましくは4〜54、より好ましくは4〜36の飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖であり、
zは、2〜4の整数である。
好ましくは、有機ゲル化剤は、一般式HOOC−C2w−COOHの二塩基酸(上記式(IV)においてz=2およびR’’=C2w)であり、式中、wは、4〜22、好ましくは、4〜12の整数である。
好ましくは、有機ゲル化剤は、アジピン酸類、ピメリン酸類、スベリン酸類、アゼライン酸類、セバシン酸類、ウンデカン二酸類、1,2−ドデカン二酸類またはテトラデカン二酸類から選択される二塩基酸である。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、一般式である下記の式(V)によって表される化合物を少なくとも1種含むものであってもよい:
Figure 2010516851
式中、Y基およびY’基は、互いに独立で、H、−(CH−CH、−(CH−NH、−(CH−OH,−(CH−COOH、または
Figure 2010516851
から選択される原子または基であり、
qは、2〜18、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4の整数であり、
pは、2以上、好ましくは、2または3の整数である。
好ましくは、有機ゲル化剤は、下記式で表される:
Figure 2010516851
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、一般式である下記の式(VI)によって表される化合物を少なくとも1種含む:
R−NH−CO−CO−NH−R’
−式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよい。
一実施形態によると、有機ゲル化剤(VII)は、異なる化学構造の有機ゲル化分子を少なくとも2種含むものであってもよく、前記有機ゲル化剤には、水素結合アクセプターA、水素結合ドナーDおよび相溶化部位Cの3種の構成部位が全て含まれる。
好ましくは、有機ゲル化剤は、アミン誘導体と、カルボン酸誘導体とを含む。
好ましくは、有機ゲル化剤は、アミノピリミジン誘導体と、バルビツール酸誘導体とを含む。
好ましくは、有機ゲル化剤は、スルホコハク酸誘導体と、フェノール誘導体とを含む。
一実施形態によると、有機ゲル化分子は、モル質量が1000g/mol以下である。
一実施形態によると、有機ゲル化剤は、瀝青に対して0.1〜5質量パーセント含まれる。
一実施形態によると、瀝青は、さらに、少なくとも1種のポリマーおよび/または少なくとも1種のフラックスを含む。
好ましくは、瀝青は、常圧蒸留残渣、真空蒸留残渣、ビスブレーキング法の残渣、ブローイング法の残渣、これらの混合物およびこれらの組合せから選択される。
本発明は、さらに、瀝青質バインダ、特に、無水物系バインダ、瀝青質エマルション、ポリマー添加瀝青、またはフラックス添加瀝青を製造するための、上記瀝青組成物の使用に関する。これら瀝青質バインダと骨材とを組み合わせることにより、表面化粧(surface dressing)、加熱混合物(hot mix)、常温混合物(cold mix)、再生常温混合物(cold-cast mix)、砂利エマルション(gravel emulsion)または摩耗層(wearing course)を製造することができる。本発明の瀝青組成物は、密封膜(sealing membrane)、メンブレン(membrane)もしくは含浸層(impregnation layer)などの道路用途または産業用途に適用することができる。
さらに、本発明は、高温時での粘性を上昇させることなく利用温度において硬質となる瀝青組成物を製造する方法に関し、この製造方法では、有機ゲル化剤を、瀝青単体に対してまたは組成物の製造工程において、140〜180℃の温度で、ポリマー改質瀝青、瀝青質バインダの形態の瀝青に投入するか、または無水物系バインダ、コーティング材もしくは表面化粧である状態の瀝青に投入してもよい。
本発明の利点は、使用する瀝青の硬度とは無関係に、想定される各用途に適した瀝青組成物を調製できることである。つまり、硬質な瀝青組成物を、使用する原油の性質にも、使用する瀝青に含まれる軽質留分の量にも影響されずに製造できる。
実施例1の瀝青組成物Cを、様々な温度で赤外分光分析装置にかけた際のスペクトルを示すグラフである。 実施例1の瀝青組成物CにおけるNH結合の強度を温度の関数として示すグラフである。
本発明の意味における有機ゲル化剤とは、同一または異なる化学構造の、いわゆる有機ゲル化分子を複数組み合わせたものを指す。瀝青において、これら有機ゲル化分子は、互いに物理的に相互作用することにより自己凝集し、3次元の超分子ネットワークを形成して瀝青をゲル化することができる。有機ゲル化分子が互いに緊密に充填されることにより、瀝青における分子を捕捉した繊維状のネットワークが形成される。
有機ゲル化分子は、10〜60℃の利用温度では、共有結合で結合せずに、詳細には、水素結合で互いに結合している。これらの水素結合は、瀝青が高温に加熱されると消滅する。つまり、利用温度では、多数の有機ゲル化分子で構成される有機ゲル化剤を「超分子」ポリマーに例えることができ、こうして改質された瀝青は、一般的な瀝青/ポリマー組成物の特性(特に、硬度)を得る。利用温度において、有機ゲル化分子の凝集が引き起こすゲル化により、瀝青媒質の粘度が増し、これによって硬度が上昇する。瀝青は自身の重量で流動できなくなり、有機ゲル化剤を添加する前の瀝青と比べて、利用温度での硬度が上昇する。一方で、この瀝青組成物を加熱すると、有機ゲル化剤を安定させていた相互作用は消え、瀝青は添加剤を含まない場合の特性を取り戻す。つまり、高温時の瀝青組成物は、添加剤を含まない場合の瀝青の粘度を有する。
有機ゲル化分子間の物理的な相互作用は様々であり、詳細には、水素結合ドナーDと水素結合アクセプターAとの水素結合型相互作用、不飽和環同士のπ相互作用、極性相互作用およびこれらの組合せが含まれる。有機ゲル化分子は、隣り合う分子との間に、単一または複数の種類の相互作用を確立し得る。これらの相互作用のうちのどれが確立するかは、有機ゲル化分子の構造によって定まる。
本発明の枠組み内において、複数の有機ゲル化分子で構成される有機ゲル化剤は、水素結合を形成可能な基を複数含んでいる。これら水素結合を形成するために、有機ゲル化剤は、少なくとも1種の水素結合アクセプターAおよび少なくとも1種の水素結合ドナーDを含んでいる。
瀝青をゲル化かつ硬化させるために、有機ゲル化剤は、高温の瀝青に可溶なものである必要がある。瀝青の主要な化学的構成成分は、アスファルテンとマルテンである。アスファルテンは、多数の縮合芳香族環およびナフテン環で構成される化合物、特に、ヘテロ環化合物である。マルテンは、長いパラフィン鎖で主に構成される。そのため、本発明の有機ゲル化剤は、当該有機ゲル化剤を瀝青の化合物と相溶可能にする少なくとも1種の化学基Cを含む。この相溶性部位Cは、瀝青のマルテン留分に相溶可能な少なくとも1つの炭化水素の長鎖;炭素数が3〜8の少なくとも1種の脂肪族環;または各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族環であり、瀝青のアスファルテン留分に相溶可能な少なくとも1種の縮合多環;から選択される基を単独でまたは組み合わせて有してもよい。
したがって、本発明の好ましい一実施形態によると、有機ゲル化剤は、有機ゲル化分子間で水素結合を形成するための少なくとも1種の水素結合ドナーDと;少なくとも1種の水素結合アクセプターAと;炭素数が少なくとも4の炭化水素の直鎖を少なくとも1つ含み、瀝青に相溶可能な少なくとも1種の相溶性部位Cとを含む。つまり、この炭化水素の直鎖は、共有結合した少なくとも4つの炭素原子、好ましくは、隣り合った少なくとも4つの炭素原子を含む。
相溶性部位Cにより、瀝青に対する有機ゲル化剤の可溶性が向上するのみでなく、有機ゲル化分子間の相互作用を強化することもできる。
本発明の他の好ましい実施形態によると、有機ゲル化剤は、有機ゲル化分子間で水素結合を形成するための少なくとも1種の水素結合ドナーDと;少なくとも1種の水素結合アクセプターAと;炭素数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環を含む、少なくとも1種の相溶性部位Cとを含んでいる。
本発明の他の好ましい実施形態によると、有機ゲル化剤は、有機ゲル化分子間で水素結合を形成するための少なくとも1種の水素結合ドナーDと;少なくとも1種の水素結合アクセプターAと;各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族環である少なくとも1種の縮合多環系を含む、瀝青に相溶可能な少なくとも1種の相溶性部位Cとを含んでいる。これら多環系は、その構造により、瀝青のアスファルテン留分との相溶性を実現する。
本発明の好ましい一実施形態によると、水素結合ドナーDは、窒素Nおよび/または酸素Oおよび/または硫黄Sから選択され、水素と結合しているかまたは水素と親和性を保持しているヘテロ原子を含む。
本発明の好ましい一実施形態によると、水素結合アクセプターAは、酸素Oおよび/または硫黄Sおよび/または窒素Nおよび/またはリンPから選択され、二重結合を有するヘテロ原子を含む。
よって、ドナーDは、アルコール類、チオール類、フェノール類、第一級アミン類、第二級アミン類、第四級アンモニウム類、アミド類、尿素類、ヒドラジン類、カルボン酸類、オキシム類、ヒドラゾン類、イミン類およびこれらの組合せから選択される化合物を形成する単位であってもよい。
アクセプターAは、C=O基、S=O基、N=O基またはP=O基から選択される基を有し、且つその直鎖状または環状の炭化水素基に、酸素O、硫黄S、窒素NまたはリンPのヘテロ原子を含む単位であってもよい。
好ましくは、アクセプターAは、アルコール類、フェノール類、アミド類、エステル類、尿素類、ヒドラジン類、カルボン酸類、ケトン類、アルデヒド類、ラクトン類、ラクタム類、酸無水物類、イミド類、スルホキシド類、スルホン類、スルホン酸塩類、硫酸塩類、亜硫酸塩類、スルホン酸類、硫化物類、エーテル類、ホスフィン類、亜リン酸塩類、ホスホン酸塩類、リン酸塩類、亜硝酸塩類もしくは硝酸塩類、およびこれらの組合せから選択される化合物を形成する単位である。
本発明によると、有機ゲル化剤は、全て同一の化学構造の有機ゲル化分子を複数含むものであってもよい。この場合、3つの構成単位であるアクセプターA、ドナーDおよび相溶性部位Cは、有機ゲル化分子の各々に存在しており、瀝青相にゲルを形成することができる。
本発明に使用できる有機ゲル化剤は、特に、P. TerechおよびR. G. Weissによる「Low molecular mass gelators of organic liquids and the properties of their gels」(Chem. Rev. 1997, 97, 3133-3159)という論文に記載された有機ゲル化剤である。
より詳細には、本発明の有機ゲル化剤は、下記の式(I)によって表される有機ゲル化分子を含むものであってもよい:
R−(NH)CONH−(X)−NHCO(NH)−R’ (I)
式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
Xは、直鎖、環鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、任意でヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
nおよびmは、互いに独立でそれぞれ0または1の整数である。
本発明の一変形例において、前記整数mは0である。この場合、R−(NH)CONH基およびNHCO(NH)−R’基は、CONH−NHCOのヒドラジド結合によって共有結合する。この場合、R基、R’基またはこれら両方が相溶性部位Cを構成することになる。これらR基またはR’基は、炭素数が少なくとも4である少なくとも1つの炭化水素鎖;原子数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環;または各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族環である少なくとも1種の縮合多環;から選択される基を、単独または組み合わせて含む。
好ましくは、RおよびR’は、同一または異なって、炭素数が4〜22の脂肪族炭化水素の直鎖である。好ましい飽和炭化水素の直鎖として、C基、C11基、C19基、C1123基、C1225基、C1735基、C1837基、C2143基およびC2245基が挙げられる。
本発明の他の変形例において、前記整数mは1である。この場合、R基および/またはR’基および/またはX基が相溶性部位Cを構成することになる。これらR基および/またはR’基および/またはX基は、炭素数が少なくとも4である少なくとも1つの炭化水素鎖;原子数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環;または各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族環である少なくとも1種の縮合多環;から選択される基を、単独または組み合わせて含む。
好ましくは、X基は、炭素数が1〜22の飽和炭化水素の直鎖を表す。好ましくは、X基は、C基およびC基から選択される。
また、X基は、シクロヘキシル基またはフェニル基であってもよく、R−(NH)CONH基およびNHCO(NH)−R’基がオルト位置、メタ位置またはパラ位置についていてもよい。さらに、R−(NH)CONH基およびNHCO(NH)−R’基が、互いにシス位置またはトランス位置にあってもよい。また、X基が環基である場合、この環は、2つの主要なR−(NH)CONH基およびNHCO(NH)−R’基の他に、別の置換基を有していてもよい。
また、X基は、2つ以上の縮合または非縮合の脂肪族環および/または芳香族環を含むものであってもよい。つまり、本発明の好ましい一変形例によると、X基は、任意で置換されてもよいCH基によって結合された2つの脂肪族環を含む基であり、例えば、以下の式で表される:
Figure 2010516851
本発明の他の変形例によると、X基は、任意で置換されてもよいCH基によって結合された2つの芳香族環を含む基であり、例えば、以下の式で表される:
Figure 2010516851
本発明の好ましい有機ゲル化剤として、以下の式に相当するヒドラジド誘導体が挙げられる:
11−CONH−NHCO−C11
19−CONH−NHCO−C19
1123−CONH−NHCO−C1123
1735−CONH−NHCO−C1735
2143−CONH−NHCO−C2143
さらに、本発明の好ましい有機ゲル化剤としてジアミドも挙げられ、好ましいジアミドは、N,N’−エチレンジ(ステアリルアミド)、すなわちC1735−CONH−CH−CH−NHCO−C1735である。
本発明の有機ゲル化剤として他に好ましい化合物はウレイド誘導体であり、このうち、ある特定の尿素類である4,4’−ビス(ドデシルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタンは以下の式で表される:
1225−NHCONH−C−CH−C−NHCONH−C1225
さらに、本発明の有機ゲル化剤は、以下の式(II)によって表される有機ゲル化分子を含むものであってもよい:
(R−NH−CO)−Z−(NH−CO−R’) (II)
式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
Zは、以下の基から選択される三官能基を表し、
xおよびyは、0から3の互いに異なる整数であり、x+y=3となる;
Figure 2010516851
上記の式(II)に相当する好ましい化合物として、xが0であり、ZがZであって、R’がC19基であって、以下の式で表される、N2,N4,N6−トリデシルメラミンが挙げられる。
Figure 2010516851
上記の式(II)に相当する他の好ましい化合物としては、xが0であり、ZがZであり、R’が、炭素数が1〜22、好ましくは2〜18、より好ましくは5〜12の飽和炭化水素の直鎖である化合物が挙げられる。
上記の式(II)に相当する他の好ましい化合物としては、yが0であり、ZがZである化合物が挙げられ、その化合物は以下の式で表される。
Figure 2010516851
上記式において、Rは以下の基から単一種または複数種が選択される。
Figure 2010516851
上記の式(II)に相当する他の好ましい化合物としては、yが0であり、ZがZであり、Rが、炭素数が1〜22、好ましくは8〜12の飽和炭化水素の直鎖である化合物が挙げられる。
さらに、本発明の有機ゲル化剤は、ソルビトール誘導体(III)、特に、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールを含むものであってもよい。
ソルビトール誘導体とは、ソルビトールから得られる任意の反応生成物を指し、好ましくは、アルデヒドとソルビトールとを反応させることによって得られる任意の反応生成物である。この縮合反応によって、ソルビトール誘導体であるソルビトールアセタールが得られる。1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールは、1molのD−ソルビトールと2molのベンズアルデヒドとを反応させることによって得られ、以下の式で表される。
Figure 2010516851
つまり、ソルビトール誘導体は、任意のアルデヒド縮合生成物であってもよく、特に、芳香族とソルビトールとの縮合生成物であってもよい。したがって、ソルビトール誘導体は、以下の式を有するものが得られる。
Figure 2010516851
上記式において、ArおよびArは、任意で芳香族環によって置換されてもよい。
ソルビトール誘導体として、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールの他にも、例えば、1,3:2,4:5,6−トリ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、2,4−モノ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−クロロベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブロモベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−メチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−ジメチルベンジリデン−D−ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、1,3:2,4−ジ−O−(4,3−ジメチルベンジリデン)−D−ソルビトールが挙げられる。
ソルビトールの代わりに、例えばキシリトールおよび/またはマニトールおよび/またはリビトールなどの任意の他の多価アルコールを使用してもよい。
さらに、本発明の他の有機ゲル化剤は、下記の一般式(IV)の有機ゲル化分子を含有するものであってもよい:
R’’−(COOH) (IV)
式中、R’’は、炭化数が4〜68、好ましくは4〜54、より好ましくは4〜36の飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖の炭化水素であり、zは、2〜4の整数である。
式(IV)に相当する有機ゲル化剤は、二塩基酸(z=2)、三塩基酸(z=3)または四塩基酸(z=4)であってもよい。これらのうち、好ましい有機ゲル化剤は、z=2の二塩基酸である。同様に、好ましいR’’基は、式C2wで表され、wが4〜22、好ましくは4〜12の整数である、飽和長鎖である。好ましくは、前記二塩基酸は、一般式HOOC−C2w−COOHで表され、wが4〜22、好ましくは4〜12の整数であり、z=2およびR’’=C2wである。
好ましい二塩基酸は次のようなものである:w=4のアジピン酸または1,6−ヘキサン二酸;w=5のピメリン酸または1,7−ヘプタン二酸;w=6のスベリン酸または1,8−オクタン二酸;w=7のアゼライン酸または1,9−ノナン二酸;w=8のセバシン酸または1,10−デカン二酸;w=9のウンデカン二酸;w=10の1,2−ドデカン二酸;w=12のテトラデカン二酸。
また、前記二塩基酸は、不飽和脂肪酸のダイマー(二量体)の二塩基酸であってもよく、すなわち、少なくとも1種の不飽和脂肪酸で、例えば単一種の不飽和脂肪酸または2種の異なる不飽和脂肪酸で構成されるダイマーであってもよい。不飽和脂肪酸のダイマーによる二塩基酸は、一般的に、少なくとも1種の不飽和脂肪酸の分子間二量化反応(例えば、ディールズアルダー反応(Diels Alder reaction))によって得られる。好ましくは、単一種の不飽和脂肪酸が二量化されたものである。好ましくは、C〜C34、より好ましくは、C12〜C22、さらに好ましくは、C10〜C20、なおいっそう好ましくは、C18の不飽和脂肪酸の二量化によってダイマーが生成される。脂肪酸で構成される好ましいダイマーは、リノール酸の二量化によって得られたものであり、この後、このリノール酸の単位を部分的または全体的に水素化してもよい。脂肪酸で構成される他の好ましいダイマーは、HOOC−(CH−CH=CH−(CH−COOHの式で表されるものである。脂肪酸で構成される他の好ましいダイマーは、リノール酸メチルの二量化によって得られたものである。同様に、本発明で用いられる有機ゲル化剤は、少なくとも1種の脂肪酸の三量化によって得られる三塩基脂肪酸および少なくとも1種の脂肪酸の四量化によって得られる四塩基脂肪酸であってもよい。
他の有機ゲル化剤は、以下の一般式(V)で表される有機ゲル化分子を含有するものであってもよい。
Figure 2010516851
上記式において、Y基およびY’基は、互いに独立して、H、−(CH−CH、−(CH−NH、−(CH−OH、−(CH−COOH、または
Figure 2010516851
から選択される原子または基を表し、
qは、2〜18、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4の整数であり、pは、2以上の整数、好ましくは2または3の整数である。
式(V)に相当する好ましい有機ゲル化剤として、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2010516851
さらに、本発明の他の有機ゲル化剤として、一般式(VI);R−NH−CO−CO−NH−R’で表される有機ゲル化分子を含む有機ゲル化剤が挙げられ、式中、RおよびR’は同一または異なって、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよい、炭素数が1〜22の直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖である。
好ましくは、RおよびR’は、同一または異なって、炭素数が1〜22、好ましくは8〜12の飽和炭化水素の直鎖を表す。
さらに、本発明によると、有機ゲル化剤は、有機ゲル化分子が複数種の化学構造を有している有機ゲル化剤であってもよい。つまり、本発明の有機ゲル化剤(VII)は、異なる化学構造を有する少なくとも2種の有機ゲル化分子を含有するものであってもよい。2種類の有機ゲル化分子が存在する場合、水素結合アクセプターA、水素結合ドナーDおよび相溶性基Cの3種の構成部位は、異なる化学構造の有機ゲル化分子で構成される有機ゲル化剤中にみられるが、これら2種の有機ゲル化分子において異なる配置で存在する。つまり、第1の有機ゲル化分子Tのおよび第2の有機ゲル化分子Tについて考える場合、Tは構成部位AおよびCを含み、Tは構成部位Dを含み得る。また、構成部位DおよびCの組合せが第1の有機ゲル化分子Tに含まれ、Aが第2の有機ゲル化分子Tに含まれる場合もあり得る。さらに、第1の種類Tが3つの構成部位A、DおよびCを含み、第2の種類Tも、異なる化学構造に基づく3つの構成部位A、CおよびDを有する場合も想定できる。これら3つの構成部位は、TおよびTにおいて同一の化学的性質でないか、またはTおよびTで同様に分布していない。
2種類の有機ゲル化分子を含む前記有機ゲル化剤(VII)として、アミン誘導体、アミノピリミジン誘導体またはフェノール誘導体から選択される誘導体と、カルボン酸誘導体、バルビツール酸誘導体またはスルホコハク酸誘導体から選択される誘導体との組合せが挙げられる。
有機ゲル化剤(VII)の好ましい組合せとして、次のような組合せが挙げられる:アミン誘導体とカルボン酸誘導体との組合せ;アミノピリミジン誘導体とバルビツール酸誘導体との組合せ;フェノール誘導体とスルホコハク酸誘導体との組合せ。
これらの組合せの中でも、特に、5−オクチル−2,4,6−トリアミノピリミジンと、5,5−ジオクチルバルビツール酸との組合せ、または5−オクチル−2,4,6−トリアミノピリミジンと、バルビツール酸との組合せが挙げられる。
さらに、好ましい組合せとして、2ナフトール、タンニン酸または没食子酸ラウリルと、ジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩またはジヘキシルスルホコハク酸のナトリウム塩との組合せも挙げられる。
本発明の範囲は、前述した分子の複数の異なる組合せ、特に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)で表される分子の組合せも包含する。
本発明の好ましい一実施形態によると、有機ゲル化分子のモル質量は2000(g/mol)以下、好ましくは1000(g/mol)以下である。
水素結合のネットワークが解消される結合切断温度Tは、有機ゲル化剤内で形成した結合の数および強度によって決まり、すなわち、有機ゲル化分子の化学構造および瀝青における有機ゲル化剤の濃度によって決まる。本発明において、結合切断温度Tは40℃〜120℃である。この温度は、NF EN規格 1427に定義された、環境法による軟化温度(リングボール軟化温度)を測定することで実験的に求められた。水素結合の解消と前記結合切断温度との相関性は、赤外分光法によって確認することができ、赤外分光法では、異なる試験温度において有機ゲル化剤に存在する水素結合に対応する吸収帯の強度を監視することができる。
本発明の瀝青組成物は、主成分としての瀝青と、副成分としての有機ゲル化剤とによって構成される。有機ゲル化剤は、瀝青の質量に対して0.1〜5.0質量%含まれる。0.1質量%未満の有機ゲル化剤は、有機ゲル化分子が互いに離れすぎて結合することができないので、本発明の瀝青組成物を得るには不十分な量である。一方、本発明で用いられる有機ゲル化剤は少量でも機能するので、5.0質量%を超える量の有機ゲル化剤は必要でないかもしれない。好ましい一実施形態において、有機ゲル化剤は、瀝青の質量に対して0.5〜3質量%、さらに好ましくは、1〜2質量%含まれる。
本発明の瀝青組成物は、様々な由来の瀝青を含有するものであってもよい。まず、天然瀝青の鉱床に含まれる瀝青、天然アスファルトまたは瀝青砂などの天然由来の瀝青が挙げられる。
本発明の瀝青組成物は、原油の精製から生じる瀝青であってもよい。この瀝青は、石油の常圧蒸留および/または真空蒸留によって生じる。この瀝青は、任意で、ブローイング法で処理、および/またはビスブレーキング法で処理、および/または脱アスファルト処理されてよい。この瀝青は、硬質等級であっても軟質等級であってもよい。精製過程で得られる異なる瀝青を互いに組み合わせることで、技術的に最善な折衷を行うことも可能である。
使用される瀝青は、揮発性溶剤および/または石油由来のフラックスおよび/または石炭由来のフラックスおよび/または植物由来のフラックスが添加されたフラックス添加瀝青であってもよい。
また、使用される瀝青は、ポリマーの添加によって改質された瀝青などの改質瀝青であってもよい。瀝青改質用のポリマーの例として、SB、SBS、SIS、SBS、SBR,EPDM、ポリクロロプレンおよびポリノルボルネンなどのエラストマー(任意で、ポリエチレン、PE,PEHD(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PPなどのポリオレフィン類とのコポリマーも含まれる);EVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)、EMA(エチレン−アクリル酸メチルコポリマー)、オレフィン類と不飽和カルボン酸エステル類とのコポリマー、EBA(エチレン−アクリル酸ブチルコポリマー)、エラストマー系ポリオレフィンコポリマー、ポリブチレン系ポリオレフィン類、エチレンとアクリル酸とのコポリマー、エチレンとメタクリル酸とのコポリマー、エチレンと無水マレイン酸エステルとのコポリマー、エチレンとメタクリル酸グリシジルとのコポリマーおよびターポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、天然ゴム類、ポリイソブチレン、SEBS、ABSなどのプラストマーが挙げられる。
さらに、他の添加剤を、本発明の瀝青基材に添加してもよい。例えば、官能性を有したりおよび/または反応部位を有しているエラストマーおよび/またはプラストマーなどのポリマーが含まれる場合、ポリマーと反応可能な加硫剤および/または架橋剤を添加してもよい。
加硫剤として、エラストマーを架橋結合するために用いられ、硫黄および硫黄誘導体に基づく加硫剤が挙げられる。加硫剤は、エラストマーの質量に対して0.01質量%〜30質量%混和してもよい。
架橋剤としては、一塩基酸もしくは多塩基酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル、スルホン酸、硫酸、リン酸などのカチオン架橋剤、さらには、酸塩化物やフェノールなどのカチオン架橋剤が挙げられる。架橋剤は、ポリマー質量に対して0.01質量%〜30質量%混和してもよい。これら架橋剤はエラストマーおよび/または官能基を有するプラストマーと反応可能である。これらの架橋剤は、加硫剤を補助するために、および/または加硫剤に代えて使用してもよい。
本発明に従い製造される瀝青組成物の用途には様々な用途が想定でき、特に、瀝青質バインダの製造が想定される。瀝青質バインダは、骨材、特に、道路用骨材と組み合わせるのに使用できる。本発明の他の構成として、瀝青組成物の、様々な産業用途における使用が挙げられ、特に、密封膜(sealing membrane)、メンブレンまたは含浸層を製造するための使用が挙げられる。
道路用途において、本発明は、特に、道路基礎および表面の建設および保守、ならびに道路工事を行うために用いられる瀝青混合物に関する。つまり、本発明は、例えば、表面化粧、加熱混合物、常温混合物、再生常温混合物、砂利エマルション、基礎(base)、バインダ、接着層(bonding course)および摩耗層と、耐わだち割れ層(anti-rutting course)、排水性混合物(draining mix)、アスファルト(瀝青質バインダと砂系の骨材との混合物)などの、特殊な性質を有する瀝青質バインダと道路用骨材との組合せとに関する。
瀝青組成物の産業用途については、次のようなものが挙げられる:密封膜、防音膜(anti-noise membrane)、絶縁膜(insulating membrane)、表面コーティング(surface coating)、カーペットタイル(carpet tile)、含浸層などの製造。
本発明は、さらに、高温時での粘度を上昇させることなく利用温度において硬質となる瀝青組成物を製造する方法に関する。有機ゲル化剤は、瀝青単独に対して投入してもよいし、製造の際に、ポリマー添加瀝青、瀝青質バインダ、または無水物形態のバインダもしくは瀝青混合物の形態のバインダのいずれに投入してもよいが、当該有機ゲル化剤は必ず140〜180℃の高温まで加熱する必要がある。そして混合物は、瀝青、ポリマー添加瀝青、瀝青質バインダ、または無水物形態のバインダもしくは瀝青混合物の形態のバインダに有機ゲル化剤が溶解するまで、前記温度において攪拌される。
本発明は、限定するものではない以下の実施例によって示される。実施例に示される瀝青または瀝青と有機ゲル化剤との組成物の流動特性および機械特性は、以下の表1に示すように測定される。また、ブルックフィールド粘度はメガパスカル秒(mPa.s)で表される。この粘度は、ブルックフィールドCAP2000+粘度計を用いて測定される。粘度は、140℃および160℃において回転速度300rpm(回転毎分)で測定される。測定は、各温度に到達して30秒後に行われている。
Figure 2010516851
実施例1:瀝青/式(I)で表される有機ゲル化剤の組成物の調製
この実施例1は、瀝青と、本発明の一般式(I)で表される有機ゲル化剤との組成物に関する。本実施例では、5種類の有機ゲル化分子を異なる濃度にて混和させた。これらの有機ゲル化分子の化学構造は以下のとおりである:
11−CONH−NHCO−C11(1)
19−CONH−NHCO−C19(2)
1123−CONH−NHCO−C1123(3)
1735−CONH−CH−CH−NHCO−C1735(4)
1225−NHCONH−C−CH−C−NHCONH−C1225(5)
これらの調製物は、攪拌翼付きの反応器内において160〜170℃の温度で調製される。対照の瀝青C1が、最初に反応槽に投入される。次に、有機ゲル化剤が加えられる。こうして出来た混合物は約60分間攪拌され、最終的には一様な外観になる。次に、この混合物は常温にまで冷却される。対照の瀝青C1は、規格NF EN12591に相当する特性を有する、等級70〜100の、直留による瀝青である。
Figure 2010516851
赤外分光法による、結合切断温度Tの測定
測定を実行するために、加熱前の有機ゲル化剤をKBrペレットに滴下し、次に、このKBrペレットをスライドガラスに擦り付けて比較的半透明な「膜」を得る。使用する赤
外分光分析装置はNicolet Avatar 320であり、温度コントローラはSpecac社の(P/N21525)である。異なる温度において、水素結合に係る基の吸収帯の変化を監視する。
の組成物について、図1のスペクトルが得られる。
温度が上昇するにつれて、NH結合の3200cm−1周辺の吸収帯の強度が低下する。NH結合の強度を温度の関数として示す図2のグラフは、組成物Cの結合切断温度Tが105℃であることを表している。
の組成物に関して、結合切断温度Tは85℃である。
の組成物に関して、結合切断温度Tは105℃である。
これらの結合切断温度は、環境法による軟化温度を測定することでも求められる。この測定結果を以下の表3に示す。
瀝青と有機ゲル化剤との組成物の物理特性の測定
Figure 2010516851
表3において、25℃で測定する針入度は1/10ミリメートル単位で表される。
環境法による軟化点は、℃で表される。
ファイファー針入指数(Pfeiffer penetration index)(PI)は、次のような計算式で定義される。
Figure 2010516851
また、粘度については、mPas−1で表す。
結合切断温度は軟化温度と実質同一であり、表3の測定結果に示されているように、組成物の実施例CおよびCに関して、軟化温度と、水素結合に対応する赤外帯の消失温度との相関性が認められる。
さらに、どの有機ゲル化剤が使用されたとしても、その効果は同程度である。これは、針入度P25の低下、環境法による軟化温度の上昇、およびファイファー針入指数の上昇から明らかである。これは、異なる有機ゲル化剤を添加した瀝青基材の硬度およびちょう度の双方が改善されたことを反映している。
同様に、有機ゲル化剤の濃度が高いほど、瀝青の硬度およびちょう度が共に向上する。水素結合のネットワークが増加することにより、利用温度における瀝青の硬度が向上する。
さらに、瀝青単独と、添加剤を含む瀝青との、ある温度における粘度は近似している。有機ゲル化剤を添加することにより、高温時での瀝青組成物の粘度を上昇させることなく、瀝青組成物を硬化させることができる。
実施例2:瀝青/異なる化学構造(VII)で表される有機ゲル化分子を含む有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1の組成物と同じ方法で組成物を調製する。有機ゲル化剤の濃度は3%である。本実施例の有機ゲル化剤(例えば、C13またはC14)は、第1の種類Tの有機ゲル化分子(A)、および第2の種類Tの有機ゲル化分子(BまたはB)で構成される。これら2つの種類TおよびTのモル比は1:1である。
−アミノピリミジン類とバルビツール酸類
Figure 2010516851
式中、組成物C13は、アミノピリミジン誘導体Aである5−オクチル−2,4,6−トリアミノピリミジンと、バルビツール酸誘導体Bである5,5−ジオクチルバルビツール酸とを含み、
組成物C14は、アミノピリミジン誘導体Aである5−オクチル−2,4,6−トリアミノピリミジンと、バルビツール酸Bとを含む。
Figure 2010516851
−フェノール類とスルホコハク酸エステル塩類
組成物C15は、ジオクチルスルホコハク酸のナトリウム塩と、タンニン酸とを含む。
組成物C16は、ジヘキシルスルホコハク酸のナトリウム塩と、タンニン酸とを含む。
組成物C17は、ジヘキシルスルホコハク酸のナトリウム塩と、没食子酸ラウリルとを含む。
組成物C18は、ジヘキシルスルホコハク酸のナトリウム塩と、2ナフトールとを含む。
Figure 2010516851
実施例1と同様な結論が導き出せる。
実施例3:ソルビトール誘導体(III)である1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトール(DBS)を有機ゲル化剤として含む、瀝青/有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1と同じ方法で調製される。有機ゲル化剤は、様々な濃度で使用される。
Figure 2010516851
得られる測定結果を以下の表7に示す。
Figure 2010516851
DBSの添加濃度が低い場合でも(例えばC22を参照されたい)、DBSを添加することにより、環境法による組成物の軟化温度を大幅に向上させることができる。さらに、DBSを添加することによって、針入度が低下する。添加剤を含む組成物の140℃および160℃における粘度は、瀝青単独の場合の粘度と同等である。
実施例4:瀝青/式(IV)で表される有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1と同じ方法で調製される。有機ゲル化剤は、様々な濃度で使用される。
Figure 2010516851
Figure 2010516851
二塩基酸の場合、組成物の粘度は、瀝青単独の場合の粘度と同等であるか、さらにはそれより低い。常温において、本実施例の組成物は、瀝青単独の場合よりも明らかに硬質である。高温時において、本実施例の組成物は、瀝青単独の場合よりも、環境法による軟化温度が明らかに高い。
実施例5:ソルビトール誘導体(III)である1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(MDBS)を有機ゲル化剤として含む、瀝青/有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1と同じ方法で調製される。MDBSは、様々な濃度(表10)で使用される。
1,3:2,4−ジ−O−(4,3−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール(MDBS)は、以下のような式で表される。
Figure 2010516851
Figure 2010516851
得られる測定結果を以下の表11に示す。
Figure 2010516851
MDBSを添加することにより、環境法による組成物の軟化温度を上昇させることができる。さらに、MDBSを添加することによって、針入度が低下する。添加剤を含む組成物の140℃および160℃における粘度は、瀝青単独の場合の粘度と同等である。
実施例6:瀝青/式(II)で表される有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1と同じ方法で調製される。式(II)に相当する4種類の有機ゲル化剤を使用する。
36〜C38として、Ciba社が販売するIrgaclear XT386(yは0、ZはZ基)を、以下の濃度で混和させる(表12)。
Figure 2010516851
組成物C39として、次の式で表される有機ゲル化剤を混和させたものを用意する:
Figure 2010516851
式中、yは0、ZはZ基であって、RはC1225基であり、3質量%の濃度で混和させるものとする。
組成物C40として、次の式で表される有機ゲル化剤を混和させたものを用意する:
Figure 2010516851
式中、xは0、ZはZ基であって、R’はC基であり、3質量%の濃度で混和させるものとする。
組成物C41として、次の式で表される有機ゲル化剤を混和させたものを用意する:
Figure 2010516851
式中、xは0、ZはZ基であって、R’はC11基であり、3質量%の濃度で混和させるものとする。
測定結果を以下の表13に示す。
Figure 2010516851
式(II)で表される有機ゲル化剤の場合、組成物の粘度は、瀝青単独の場合の粘度と同等であるか、さらにはそれより低い。常温において、本実施例の組成物は、瀝青単独の場合よりも硬質である。高温において、本実施例の組成物は、瀝青単独の場合よりも、環境法による軟化温度が高い。
実施例7:瀝青/式(VI)で表される有機ゲル化剤の組成物の調製
この組成物は、実施例1と同じ方法で調製される。式(VI)に相当する2種類の次のような有機ゲル化剤を混和させる:組成物C42として、C1225−NH−CO−CO−NH−C1225(濃度2%)と、組成物C43として、C17−NH−CO−CO−NH−C17(濃度3%)。
Figure 2010516851
総合的結論
瀝青は、同一の有機ゲル化分子で構成されるかまたは異なる化学構造を有する2種類の有機ゲル化分子で構成される有機ゲル化剤により、利用温度で硬化する。高温時の粘度は、添加剤を含まない場合の瀝青の粘度よりも増えることはない。

Claims (37)

  1. 主成分として少なくとも1種の瀝青と、副成分として少なくとも1種の化学的な添加剤とを含む瀝青組成物において、
    前記添加剤が、モル質量2000g/mol以下の有機ゲル化分子間に水素結合のネットワークを形成する有機ゲル化剤であって、この有機ゲル化剤は少なくとも1種の水素結合ドナーD、少なくとも1種の水素結合アクセプターA、および瀝青に相溶可能な少なくとも1種の相溶性部位Cを含み、
    前記相溶性部位Cが、
    −炭素数が少なくとも4である少なくとも1つの炭化水素の直鎖、
    −原子数が3〜8である少なくとも1種の脂肪族環、または
    −各環の原子数が5または6であり、脂肪族環であるか、または一部が芳香族環もしくは全体が芳香族である少なくとも1種の縮合多環、
    から選択される基を、単独でまたは組み合わせて有することを特徴とする、瀝青組成物。
  2. 請求項1において、ドナーDが、窒素Nおよび/または酸素Oおよび/または硫黄Sから選択される、水素と結合しているかまたは水素と親和性を保持しているヘテロ原子を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  3. 請求項1または2において、ドナーDが、
    アルコール類、チオール類、フェノール類、第一級アミン類、第二級アミン類、第四級アンモニウム類、アミド類、尿素類、ヒドラジン類、カルボン酸類、オキシム類、ヒドラゾン類、イミン類およびこれらの組合せから選択される単位を形成することを特徴とする、瀝青組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項において、アクセプターAが、酸素Oおよび/または硫黄Sおよび/または窒素Nおよび/またはリンPから選択され、二重結合を有するヘテロ原子を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか一項において、アクセプターAが、C=O基、S=O基、N=O基またはP=O基から選択される基を有し、且つその直鎖状または環状の炭化水素基に、酸素O、硫黄S、窒素NまたはリンPのヘテロ原子を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか一項において、アクセプターAが、アルコール類、フェノール類、アミド類、エステル類、尿素類、ヒドラジン類、酸類、ケトン類、アルデヒド類、ラクトン類、ラクタム類、無水物類、イミド類、スルホキシド類、スルホン類、スルホン酸塩類、硫酸塩類、亜硫酸塩類、スルホン酸類、硫化物類、エーテル類、ホスフィン類、亜リン酸塩類、ホスホン酸塩類、リン酸塩類、亜硝酸塩類もしくは硝酸塩類、およびこれらの組合せから選択されることを特徴とする、瀝青組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、同一の化学構造の有機ゲル化分子を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、一般式である下記の式(I)によって表される化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、瀝青組成物。
    R−(NH)CONH−(X)−NHCO(NH)−R’
    式中、R基およびR’基は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は、炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
    X基は、直鎖、環鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、任意でヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
    nおよびmは、互いに独立してそれぞれ0または1の整数である。
  9. 請求項8において、nおよびmが0のときに、有機ゲル化剤がヒドラジド結合を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  10. 請求項8において、nが0でmが1のときに、有機ゲル化剤が2つのアミド結合を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  11. 請求項8において、nおよびmが1のときに、有機ゲル化剤が2つの尿素結合を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  12. 請求項8から11のいずれか一項において、R基および/またはR’基が、炭素数が4〜22の脂肪族炭化水素鎖を含み、特に、C基、C11基、C19基、C1123基、C1225基、C1735基、C1837基、C2143基またはC2245基から選択される基であることを特徴とする、瀝青組成物。
  13. 請求項8から12のいずれか一項において、X基が、炭素数1または2の脂肪族炭化水素鎖を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  14. 請求項8から12のいずれか一項において、X基が、CH基によって結合された炭素数6の2つの環を含み、前記環が、脂肪族環または芳香族環であることを特徴とする、瀝青組成物。
  15. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、一般式である下記の式(II)によって表される化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、瀝青組成物。
    (R−NHCO)−Z−(NHCO−R’)
    式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖を含み、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよく、
    Zは、以下の基から選択される三官能基を表し、
    Figure 2010516851
    xおよびyは、0から3の互いに異なる整数であり、x+y=3となる。
  16. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、少なくとも1種のソルビトール誘導体(III)を含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  17. 請求項16において、ソルビトール誘導体が、アルデヒドとD−ソルビトールとの反応の生成物であることを特徴とする、瀝青組成物。
  18. 請求項17において、有機ゲル化剤が、1,3:2,4−ジ−O−ベンジリデン−D−ソルビトールであることを特徴とする、瀝青組成物。
  19. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、一般式である下記の式(IV)によって表される化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、瀝青組成物。
    R’’−(COOH)
    式中、R’’は、炭化数が4〜68、好ましくは4〜54、より好ましくは4〜36の飽和または不飽和の、直鎖または分岐鎖であり、
    zは、2〜4の整数である。
  20. 請求項19において、有機ゲル化剤が、前記式(IV)においてz=2およびR’’=C2wである、一般式HOOC−C2w−COOHの二塩基酸であり、
    式中、wは、4〜22、好ましくは、4〜12の整数であることを特徴とする、瀝青組成物。
  21. 請求項20において、有機ゲル化剤が、アジピン酸類、ピメリン酸類、スベリン酸類、アゼライン酸類、セバシン酸類、ウンデカン二酸類、1,2−ドデカン二酸類またはテトラデカン二酸類から選択される二塩基酸であることを特徴とする、瀝青組成物。
  22. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、一般式(V)によって表される化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、瀝青組成物。
    Figure 2010516851
    式中、Y基およびY’基は、互いに独立で、H、−(CH−CH、−(CH−NH、−(CH−OH,−(CH−COOH、または
    Figure 2010516851
    から選択される原子または基であり、
    qは、2〜18、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜4の整数であり、
    pは、2以上、好ましくは、2または3の整数である。
  23. 請求項22において、有機ゲル化剤が、下記式で表されることを特徴とする、瀝青組成物。
    Figure 2010516851
  24. 請求項1から7のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、下記の一般式(VI)によって表される化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする、瀝青組成物。
    R−NH−CO−CO−NH−R’
    式中、RおよびR’は、同一または異なって、直鎖、分岐鎖または環鎖の、飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、この炭化水素鎖は炭素数が1〜22であり、任意で置換されていてもよく、また、ヘテロ原子および/または炭化水素環および/またはヘテロ環を任意で含んでいてもよい。
  25. 請求項1から6のいずれか一項において、有機ゲル化剤(VII)が、異なる化学構造の有機ゲル化分子を少なくとも2種含む有機ゲル化剤であり、前記有機ゲル化剤には、水素結合アクセプターA、水素結合ドナーDおよび相溶化剤Cの3種の構成部位が全て含まれていることを特徴とする、瀝青組成物。
  26. 請求項25において、有機ゲル化剤が、アミン誘導体と、カルボン酸誘導体とを含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  27. 請求項25において、有機ゲル化剤が、アミノピリミジン誘導体と、バルビツール酸誘導体とを含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  28. 請求項25において、有機ゲル化剤が、スルホコハク酸誘導体と、フェノール誘導体とを含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  29. 請求項1から28のいずれか一項において、有機ゲル化分子が、モル質量1000g/mol以下であることを特徴とする、瀝青組成物。
  30. 請求項1から29のいずれか一項において、有機ゲル化剤が、瀝青に対して0.1〜5質量パーセント含まれていることを特徴とする、瀝青組成物。
  31. 請求項1から30のいずれか一項において、瀝青が、さらに、少なくとも1種のポリマーおよび/または少なくとも1種のフラックスを含むことを特徴とする、瀝青組成物。
  32. 請求項1から31のいずれか一項において、瀝青が、常圧蒸留残渣、真空蒸留残渣、ビスブレーキング法の残渣、ブローイング法の残渣、これらの混合物およびこれらの組合せから選択されることを特徴とする、瀝青組成物。
  33. 瀝青質バインダ、特に、無水物系バインダ、瀝青質エマルション、ポリマー添加瀝青、またはフラックス添加瀝青を製造するための、請求項1から32のいずれか一項に記載の瀝青組成物の使用。
  34. 表面化粧、加熱混合物、常温混合物、再生常温混合物、砂利エマルションまたは摩耗層を製造するための、骨材との混合物である、請求項33に記載の瀝青組成物の使用。
  35. 密封膜、メンブレンまたは含浸層を製造するための、請求項33に記載の瀝青組成物の使用。
  36. 請求項1から32のいずれか一項に記載の瀝青組成物を製造する方法において、
    有機ゲル化剤を、瀝青単体、ポリマーで改質された瀝青、ポリマーで改質されていない瀝青、瀝青質バインダの形態の瀝青に投入するか、無水物系バインダ、瀝青混合物もしくは表面化粧である状態の瀝青に投入するか、またはこれらの瀝青、バインダもしくは化粧の製造工程において投入され、140〜180℃の高温に加熱されることを特徴とする、
    瀝青組成物の製造方法。
  37. 高温時での粘性を上昇させることなく、利用温度において硬質となる瀝青組成物を製造する、請求項36に記載の瀝青組成物の製造方法。
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