JP2010516741A - モルホリニルアントラサイクリンおよび抗体を含む抗腫瘍の組み合わせ - Google Patents

モルホリニルアントラサイクリンおよび抗体を含む抗腫瘍の組み合わせ Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体またはこの医薬的に許容される塩、例えばネモルビシン塩酸塩と、増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体の腫瘍の治療における併用を提供する。転移の治療もしくは予防における、または血管新生の阻害による腫瘍の治療における前記組み合わせの使用も提供する。

Description

本発明は癌治療の分野に関し、モルホリニルアントラサイクリン誘導体、および抗腫瘍効果を有し増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む抗腫瘍の組み合わせを提供する。
モルホリニルアントラサイクリンは、抗腫瘍療法において有用な細胞毒性薬として当分野において周知であり、US 4,672,057を参照されたい。
癌は、人間の主要な死因の1つであり、外科手術、放射線および化学療法が癌と闘うための有用な手段である。特に、2種類を超える薬剤を併用または関連させて使用することによって癌を治療するために設計された併用化学療法は、癌などの腫瘍性疾患の治療の広く受け入れられている様式である。癌を患う患者に投与するためのより有効で安全な抗腫瘍の組み合わせを選択するために幾つかの取り組みが行われており、現在もなお続けられている。単独で使用した場合に個別の薬剤の有毒作用を軽減するため、および場合によってはいずれかの薬剤を単独で使用した場合よりも併用した場合の方が効果が高いために、1種類以上の異なる抗腫瘍薬を併用して投与することによる周知の抗腫瘍化合物の抗腫瘍効果の増加は、抗癌治療の分野において必要性が強く感じられる。
例えばWO 04/082579およびWO 00/066093(Nerviano Medical Sciences Srl)は、モルホリニルアントラサイクリン誘導体と、放射線療法、またはアルキル化剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼIもしくはトポイソメラーゼII阻害剤、またはPt誘導体などの別の抗癌剤との併用に関するものである。
米国特許第4,672,057号明細書 国際公開第04/082579号パンフレット 国際公開第00/066093号パンフレット
本発明は、モルホリニルアントラサイクリン誘導体または医薬的に許容される塩と、抗腫瘍効果を有し増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体との組み合わせまたは併用投与を提供することによって、改善された癌治療の要求を満たす。
本発明は、モルホリニルアントラサイクリン誘導体と増殖性疾患、特に癌の治療に特に適した周知の医薬品との新規な組み合わせを提供する。特に、本発明の組み合わせは、抗癌剤として治療に非常に有用であり、現在利用可能な抗腫瘍薬と関連する欠点である毒性および副作用の両方がない。
従って本発明の第1の目的は、式(1)
Figure 2010516741
を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体またはこの医薬的に許容される塩、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む組み合わせである。
別の一態様は、医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合された本発明による組み合わせを含む医薬組成物を提供する。
さらに別の一態様は、増殖性疾患を治療するための本発明による組み合わせに関する。さらに別の一態様は、治療において同時、連続または個別に使用するための併用製剤としての、前述の定義のモルホリニルアントラサイクリン、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む医薬品に関する。別の一態様は、増殖性疾患の治療方法であって、前述の定義のモルホリニルアントラサイクリンおよび増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を同時、連続または個別に被験者に投与することを含む前記方法に関する。
さらに別の一態様は、増殖性疾患の治療のための薬物の調製における前述の定義のモルホリニルアントラサイクリンの使用に関し、前記治療は、前述の定義のモルホリニルアントラサイクリンおよび増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を同時、連続または個別に投与することを含む。
別の一態様は、増殖性疾患の治療のための薬物の調製における前述の定義のモルホリニルアントラサイクリンおよび増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体の使用に関する。
本明細書の説明において、特に明記しない限り、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体は、ネモルビシンであり、化学名は(8S−cis,2”S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−10−{[2,3,6−トリデオキシ−3−(2−メトキシ−4−モルホリニル)−α−L−リキソ−ヘキソピラノシル]オキシ}−5,12−ナフタセンジオンおよび3’デスアミノ−3’[2(S)メトキシ−4−モルホリニル]ドキソルビシンである。
用語「医薬的に許容される塩」は、親化合物の生物学的効果および性質を維持する塩を意味する。このような塩としては、親化合物の遊離塩基と、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸との反応によって得られる酸付加塩が挙げられる。
好ましくはネモルビシンは、この塩酸塩の形態にある。
米国特許第4,672,057号には、ネモルビシン、この調製方法、医薬組成物、および医学的使用が開示され主張されている。
特に、ネモルビシンは、肝癌治療における治療法の選択肢の1つであり、ネモルビシンの投与方法はWO 00/15203およびWO 04/75904に開示され主張されている。
増殖因子またはこれらの受容体に対するモノクローナル抗体(MoAb)は、抗腫瘍療法の効果的な治療薬となることが明らかとなった[参考文献として、Cancer Sci.95:621−25,(2004);Curr.Mol.Med 4:539−47,(2004)を参照されたい。]。
この目的のために、モノクローナル抗体作用の複数の機構が利用されている。抗体は、増殖因子を隔離し、重要な増殖因子受容体の活性化を防止することができる。血管内皮増殖因子(VEGF)に対するモノクローナル抗体は有力な血管新生阻害剤(ベバシズマブ)となることが示されている。上皮増殖因子(EGF)受容体の細胞外ドメインに対する抗体は、リガンドの受容体への結合を防止し、これによってこの活性化を防止する(セツキシマブ)。しかしEGFR活性は、ある種のヒト腫瘍細胞の生存および増殖のために確実に必要である。EGF受容体ファミリーのErbB2およびErbB3要素の二量体化を妨害する抗体は、最も有力なシグナル伝達モジュールの会合を防止する(パーツクスマブ(pertuxumab))。この二量体から発せられる信号は、例えばヒト乳癌細胞の多くの表現型特性を決定する。ErbB2(EGF−受容体ファミリーの受容体チロシンキナーゼをコードする癌遺伝子)に対するモノクロール抗体も臨床的および商業的に最も成功している(トラスツズマブ)。この抗体は、受容体によって発せられる信号を妨害し、腫瘍細胞の細胞周期を停止させる。これらの物質の選択の1つを表1に示す。
Figure 2010516741
驚くべきことに、前述の定義の式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体の抗腫瘍効果は、増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体とともに投与される場合に向上することが分かった。特に、併用投与の効果は、1種類の物質として各薬剤を投与して得られる効果に対して相加的、即ち顕著に増加する(相乗効果)。
本発明の好ましい一実施形態によると、増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体はベバシズマブ(Bevacizumab)(血管内皮増殖因子に対する抗体)、セツキシマブ(Cetuximab)、パニツムマブ(Panitumumab)、マツズマブ(Matuzumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)(上皮増殖因子受容体に対する抗体)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、またはペルツズマブ(Pertuzumab)(ErbB2に対する抗体)である。
本発明のより好ましい一実施形態によると、増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体はベバシズマブである。
用語「医薬的有効量」は、研究者または臨床家によって調べられる組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬剤または医薬品の量を意味するものとする。この量は、治療有効量であり得る。
用語「治療有効」は、疾病重症度および各薬剤単独での治療における発生率の改善、および/または代替療法と典型的に関連する副作用の改善の目標を達成する併用療法に使用される各薬剤の量を認定することを意図している。
本発明による組み合わせまたは併用製剤は、癌の治療に有用である。好ましくは本発明の主題の方法および組成物は、良性、転移性および悪性の新形成を含む新形成疾患、ならびに末端部黒子黒色腫、光線角化症、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮癌、星細胞系腫瘍、バルトリン腺癌、基底細胞癌、気管支腺癌、毛細管、カルチノイド、癌、癌肉腫、海綿状、胆管癌、コンドサルコーマ(chondosarcoma)、コリオド(choriod)叢乳頭腫/癌、明細胞癌、嚢胞腺腫、内胚葉洞腫瘍、内膜増殖症、子宮内膜間質部肉腫、類内膜腺癌、上衣、類上皮、ユーイング肉腫、線維層板、限局性結節性過形成、ガストリノーマ、胚細胞腫瘍、グリア芽腫、グルカゴノーマ、ヘマンジブラストーマ(hemangiblastoma)、血管内皮腫、血管腫、肝細胞腺腫、肝細胞腺腫症、肝細胞癌、インスリノーマ、インタエピセリアル新形成(intaepithelial neoplasia)、上皮間扁平上皮細胞新形成、浸潤性扁平上皮癌、大細胞癌、平滑筋肉腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、髄芽腫、髄様上皮腫、黒色腫、髄膜、中皮、転移癌、粘液性類表皮癌、神経芽腫、神経上皮腺癌 結節型黒色腫、えん麦細胞癌、オリゴデンドログリア、骨肉腫、膵臓ポリペプチド、乳頭状漿液性腺癌、松果体細胞、下垂体部腫瘍、形質細胞腫、偽肉腫、肺芽腫、腎細胞癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性癌、小細胞癌、軟部組織癌、ソマトスタチン産生腫瘍、扁平上皮癌、扁平上皮癌、中皮下、表在拡大型黒色腫、未分化癌、ぶどう膜メラノーマ、いぼ状癌、ビポーマ、高分化癌、およびウィルムス腫瘍を含む新形成疾患の治療に使用することができる。
用語「治療する」または「治療すること」は、症状を緩和すること、一時的もしくは永続的のいずれかを基準として原因を取り除くこと、または症状の出現を防止するもしくは遅延させることを意味する。用語「治療」は、癌の緩和、原因の除去、または予防を含んでいる。ヒトの治療に有用であることに加えて、これらの組み合わせはウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ヒツジ、ブタなどの哺乳動物の治療にも有用である。
治療目的の用語「被験者」としては、癌、心臓血管疾患、または疼痛、炎症、および/または周知の炎症が関連する疾患のいずれか1つの予防が必要である、またはこれらの疾患を有するあらゆるヒトまたは動物の被験者が挙げられる。被験者は典型的には哺乳動物である。「哺乳動物」は、この用語が本明細書において使用される場合、哺乳類に分類されるあらゆる動物、例えばヒト、家畜、ならびに動物園、スポーツ、またはペットの動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどを意味し、好ましくは哺乳動物はヒトである。
本発明の主題の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、または移植などの局所領域治療方法を含む医学的に許容されるあらゆる許容される方法で患者に投与することができる。非経口投与は、皮下注射、筋肉内注射、皮内注射、乳房内注入、静脈内注射、およびその他の当分野において周知の管理下の方法によって併用製剤の成分を投与することを含む。移植としては、動脈内移植、例えば肝臓内動脈移植が挙げられる。
前述の定義の式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および前述の増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体のいずれの組み合わせも、固定された組み合わせを意図しており、同時、個別または連続的に使用される。
本明細書において使用される場合用語「抗腫瘍効果」は、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む組み合わせの有効量を投与することによる、腫瘍の増殖の阻害、好ましくは腫瘍の完全な退縮を意味する。
本発明のさらなる一態様は、転移の予防もしくは治療、または血管形成を阻害することによる腫瘍の治療のための薬物を調製するための前述の定義の式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および前述の増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体の組み合わせの使用に関する。
本発明による併用製剤の成分は、経口投与、非経口投与、または移植などの局所的治療方法などの医学的に許容されるあらゆる許容される方法で投与することができる。経口投与は、例えば錠剤、カプセル、ロゼンジ、懸濁剤、液剤、乳剤、散剤、シロップなどの経口形態に適した併用製剤の成分を投与することを含む。非経口投与は、皮下注射、静脈内注射、または筋肉内注射によって併用製剤の成分を投与することを含む。局所治療方法としては、移植、例えば動脈内移植が挙げられる。
典型的には、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体は、静脈内投与され、増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体は典型的には静脈内投与または経口投与される。実際に好ましい本発明の併用製剤の成分の投与の量、方法、順序および時間は、特に、使用される式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体の個別の製剤処方、および使用される増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体の個別の製剤処方、治療される個別の癌、年齢、容体、性別および治療される疾患の程度により変動することがあり、当業者によって決定することができる。
従って投与計画は、あらゆる治療の従来通りの方法で、特に患者の容体、応答および関連する治療に合わせる必要があり、容体の変化に応じて、および/または他の臨床症状を考慮して調節する必要がある。
非限定的な例として、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体の好適な用量は、体表面積当たり約0.05mg/mから約100mg/mの範囲、より好ましくは体表面積当たり約0.1から約10mg/mの範囲とすることができる。本発明の方法による増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体の投与の場合、一般に使用される治療過程では、0.1mg/kgから100mg/kgとすることができる。より好ましくは使用される治療過程は約1mg/kgから20mg/kgである。
本発明による併用製剤の有効成分が医薬的に許容される担体または賦形剤とともに供給される場合、医薬組成物が形成される。このような医薬組成物は本発明のさらなる実施形態を構成する。
医薬的に許容される担体および賦形剤は、この医薬化合物による副作用が最小限となり、この化合物の性能が治療が無効となる程度まで失わる、または阻害されることがないように選択される。本発明による医薬組成物の調製に使用される医薬的に許容される担体または賦形剤は、医薬組成物の形態の化合物の処方の当業者には周知である。例えば「医薬的に許容される担体」は、ヒトを含む哺乳動物への投与に適する1種類以上の適合性の固体もしくは液体の増量剤、希釈剤、または封入材料を意味する。例えば「医薬的に許容される賦形剤」は、剤形の処方に意図的に加えられ、有効物質の希釈剤または分散媒として使用されるあらゆる不活性な物質を意味する。この用語は、バインダー、増量剤の崩壊剤、および滑沢剤を含む。
薬剤の処方および投与の技術は、「Remington’s Pharmacological Sciences」;Mack Publishing Co.,Easton,PA.の最新版に見ることができる。
非経口投与に適した医薬組成物は、無菌形態で処方される。従って、無菌組成物は、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌溶液または懸濁液であってよい。
本発明による医薬組成物中に含有される有効成分の量は、例えば投与経路および賦形剤などの多くの要因に依存して非常に広範に変動させることができる。
一例として、本発明の医薬組成物は、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体を体表面積当たり約0.05mg/mから約100mg/m;および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を0.1mg/kgから100mg/kg含有することができる。
本発明による医薬組成物は抗癌治療に有用である。
本発明は、適切な容器手段中に、前述の定義の式(I)のモルホリニルアントラサイクリン、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む商業用キットをさらに提供する。本発明によるキットの1つにおいては、前述の定義の式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体が、1つの容器手段中、または個別の容器手段中に存在する。
本発明の別の一実施形態は、前述の医薬組成物を含む商業用キットである。
本発明によるキットは、抗腫瘍療法において同時、個別または連続的に使用されることを意図している。
本発明によるキットは抗癌治療における使用が意図されている。
本発明の併用製剤の抗腫瘍効果は、例えば以下のインビボ試験によって示され、この試験は、本発明を限定するためではなく本発明を説明することが意図されている。
ネモルビシンとベバシズマブとの併用のインビボ抗腫瘍効果
材料および方法:Balb Nu/Nu雄マウス(イタリアのHarlanの無胸腺マウス)を、濾紙カバー、餌、および滅菌した床敷き、ならびに酸性化した水を入れたケージ中に維持した。ヒト前立腺癌DU145細胞(American Type Culture Collectionより)を無胸腺マウスに皮下移植した(2.5x10/細胞マウス)。ベバシズマブはこの実験モデルの血管新生および腫瘍増殖を阻害することができることが以前に示されていたため、この腫瘍モデルを選択した[参考文献として、The Prostate 36:1−10,1998を参照されたい。]。進行性腫瘍に対して薬物治療を行った(腫瘍が触知可能な場合)。ネモルビシンおよびベバシズマブは、10ml/kgの体積でマウスにad投与に使用する直前に調製した。ネモルビシンは塩酸塩として0.065mg/kgの用量で静脈に投与し、治療を3週間の間に週1回で繰り返した。ベバシズマブは、細胞注入の日から9日、13日、17日、21日、25日、および29日に20mg/kgの用量で腹腔内投与した。同じ日に両方の化合物を投与する場合は、ベバシズマブを腹腔内投与した直後にネモルビシンを静脈内注射した。腫瘍増殖および正味の体重を3日ごとに評価した。腫瘍増殖はキャリパーによって評価した。2つの直径を記録し、次式により腫瘍重量を計算した。長さ(mm)x幅(mm)/2。抗腫瘍治療の効果を、腫瘍の指数増殖の開始の遅れとして求めた[参考文献として、Anti Cancer Drugs 7:437−60,1996を参照されたい。]。この遅れ(T−C値)は、治療群(T)および対照群(C)の腫瘍が所定の大きさ(例えば1g)に到達するのに要する時間の差(単位日)として定義した。毒性は、体重減少を基準にして評価した。
結果 結果を表2に示した。ネモルビシンとベバシズマブとの併用によって、強い相乗効果が得られた。T−Cは、1種類の薬剤として2種類の化合物で得られたT−Cを単純に加算することで予想されるよりもはるかに大きかった(予想T−Cが11.72日の場合に17.39日)。いずれの治療群でも重篤な毒性は観察されなかった。
Figure 2010516741

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2010516741
    を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体またはこの医薬的に許容される塩、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む、組み合わせ。
  2. 式(I)のモルホリニルアントラサイクリンがネモルビシン塩酸塩である、請求項1に記載の組み合わせ。
  3. 増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体が、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、マツズマブ、ニモツズマブ、トラスツズマブまたはペルツズマブである、請求項1に記載の組み合わせ。
  4. 増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体がベバシズマブである、請求項1に記載の組み合わせ。
  5. 医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合された請求項1から4のいずれかに記載の組み合わせを含む、医薬組成物。
  6. 請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む医薬品であって、治療において同時、連続または個別に使用される併用製剤としての医薬品。
  7. 増殖性疾患を治療するための、請求項1に記載の組み合わせ。
  8. 治療が、請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を被験者に同時、連続または個別に投与することを含む、7に記載の組み合わせ。
  9. 好適な容器手段中に、請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体、および増殖因子またはこの受容体を阻害する抗体を含む、商業用キット。
  10. 請求項9に定義された医薬組成物または医薬品を含む、商業用キット。
  11. 抗腫瘍療法において同時、個別または連続的に使用するための、請求項9または10に記載のキット。
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