JP2010514524A - 超音波高調波撮像用システム及び方法 - Google Patents

超音波高調波撮像用システム及び方法 Download PDF

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Abstract

システムは患者の問題領域(ROI)へ少なくとも1つの超音波パルスを送信するように構成された少なくとも1つのトランスデューサを含んでいる。パルスは少なくとも第1の周波数を有し、ROIの身体の構造を通って伝播する。システムはさらにパルスに応答する少なくとも1つのエコー信号を受信するように構成された少なくとも1つの受信機を含んでいる。エコー信号は第1の周波数と1以上の多重高調波を含んでいる。システムはさらに少なくとも1つの多重高調波から身体構造の少なくとも1つの境界を自動的に決定するように構成されているプロセッサを含んでいる。1実施形態では、プロセッサは少なくとも1つの多重高調波から身体構造内の流体量を自動的に決定するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明の1実施形態は画像捕捉、処理、画像プレゼンテーションシステムを使用する超音波ベースの診断システムおよび手順及び方法に関する。
本願は2006年12月29日提出の米国暫定特許出願通し番号60/882,288号明細書を参考として組み込んでおり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年7月28日提出の米国暫定特許出願通し番号60/703,201号明細書を参考として組み込んでおり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年8月26日提出の米国特許出願第11/213,284号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2004年12月13日提出の米国特許出願通し番号11/010,539号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年2月3日提出の米国特許出願通し番号10/523,681号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年1月22日提出の米国特許出願通し番号11/625,802号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年5月16日提出の米国暫定特許出願通し番号60/938,446号明細書を参考として組み込んでおり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年5月16日提出の米国暫定特許出願通し番号60/938,359号明細書を参考として組み込んでおり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年10月27日提出の米国特許出願通し番号11/925,843号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年10月27日提出の米国特許出願通し番号11/926,552号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2003年11月10日提出の米国特許出願通し番号10/704,996号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年12月6日提出の米国特許出願通し番号11/295,043号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2007年10月27日提出の米国特許出願通し番号11/925,850号明細書の部分継続であり、この明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年4月29日提出の米国特許出願通し番号11/119,355号明細書に対して優先権を主張しており、その部分継続である。米国暫定特許出願通し番号11/119,355号明細書は2004年4月30日提出の米国暫定特許出願通し番号60/566,127号明細書に対して優先権を主張している。本願は2003年11月5日提出の米国特許出願通し番号10/701,955号明細書に対して優先権を主張しており、その部分継続であり、米国特許出願通し番号10/701,955号明細書は代わりに2003年5月20提出の米国特許出願第10/443,126号明細書に対して優先権を主張しており、その部分継続である。
本願は2005年2月17日提出の米国特許出願通し番号11/061,867号明細書に対して優先権を主張しており、その部分継続である。米国特許出願通し番号11/061,867号明細書は2004年2月17日提出の米国暫定特許出願通し番号60/545,576号明細書と、2004年4月30日提出の米国暫定特許出願通し番号60/566,818号明細書に対して優先権を主張している。
本願は2004年11月10日提出の米国特許出願通し番号10/704,966号明細書の部分継続であり、その明細書に対して優先権を主張している。
本願は2005年6月27日提出の米国特許出願通し番号10/607,919号明細書に対して優先権を主張しており、その部分継続である。
本願は2003年8月1日提出のPCT出願通し番号PCT/US03/24368号明細書の部分継続であり、その明細書に対して優先権を主張しており、PCT出願通し番号PCT/US03/24368号明細書は2002年11月5日提出の米国暫定特許出願通し番号60/423,881号明細書と、2002年8月2日提出の米国暫定特許出願通し番号60/400,624号明細書に対して優先権を主張している。
本願はさらに2003年5月9日提出のPCT出願通し番号PCT/US03/14785号明細書の部分継続であり、その明細書に対して優先権を主張しており、PCT出願通し番号PCT/US03/14785号明細書は2002年8月2日提出の米国暫定特許出願通し番号10/165,556号明細書の継続である。
本願は2004年7月9日提出の米国特許出願通し番号10/888,735号明細書の部分継続でもあり、その明細書に対して優先権を主張している。
本願は2003年7月31日提出の米国特許出願通し番号10/633,186号明細書の部分継続であり、その明細書に対して優先権を主張しており、米国特許出願通し番号10/633,186号明細書は2002年11月5日提出の米国暫定特許出願通し番号60/423,881号明細書と、2003年5月20日提出の米国特許出願通し番号10/443,126号明細書に対して優先権を主張しており、米国特許出願通し番号10/443,126号明細書は2002年11月5日提出の米国暫定特許出願通し番号60/423,881号明細書と、2002年8月2日提出の米国暫定特許出願60/400,624号明細書に対して優先権を主張している。前述の全ての出願はここで十分に説明しているかのように、それら全体がここで参考文献として組み込まれている。
器官構造を確かめることに関する医療画像のコンピュータベースの解析は器官の病気及び機能の診断を可能にする。器官の境界の識別及び測定によって病気の状態を評価し、治療摂生を処方することが可能である。身体組織内の空洞または構造の真の形状は器官の正常状態又は病的状態を評価するために医療の専門家による正確な検出を必要とする。しかしながら、膀胱の空洞領域および容積は過小評価または過大評価されるので、不正確な器官境界検出は真の医療状態の正確な査定を妨害する可能性がある。伝統的な超音波技術は分割化のためにBモード画像からの強度情報を使用する。しかしながら複雑な人間の解剖と超音波撮像の人為構造のために、このBモード情報は不十分である。医療状況の正確な差低を可能にするために超音波で突き止められた問題領域(ROI)内の空洞境界を非侵襲的および迅速に識別し正確に測定する必要がある。
1実施形態では、システムは患者の問題領域(ROI)へ少なくとも1つの超音波パルスを送信するように構成された少なくとも1つのトランスデューサを含んでいる。パルスは少なくとも第1の周波数を有し、ROIの身体構造を通って伝播する。システムはさらにパルスに対応して少なくとも1つのエコー信号を受信するように構成された少なくとも1つの受信機を含んでいる。エコー信号は第1の周波数と少なくとも1つの高調波の第1の周波数の倍数を含んでいる。システムはさらに少なくとも1つの高調波から身体構造の少なくとも1つの境界を自動的に決定するように構成されているプロセッサを含んでいる。1実施形態では、プロセッサは少なくとも1つの高調波から身体構造内の流体量を自動的に決定するように構成されている。
図1の(A)−(D)はトランシーバと、走査平面の回転アレイを有する走査コーン、超音波高調波撮像システムのアレイの走査平面の部分的概略図及び部分的斜視図である。 トランシーバ、超音波高調波撮像システムの別の実施形態の3D分布された走査線からなる走査コーンアレイの部分的概略図および部分的斜視図である。 複数の超音波高調波撮像システムと通信するサーバアクセスされた構内網の概略図である。 複数の超音波高調波撮像システムと通信しているインターネットの概略図である。 高調波を増加したときの漸進的な音波歪みの概略図である。 構造的に干渉を受けている基本波、第2及び第3高調波の重ね合わせの概略図である。 膀胱の問題領域(ROI)内の第2の高調波および基本周波数成分の割当てのオーバーラップを示している多パルス(50)超音波エコーから形成された膀胱画像を示す図である。 図7AのRFデータの2セットの周波数スペクトルを示す図である。 本発明の1実施形態によるプロセスを示す図である。 高調波比プロフィールの決定に使用される792の走査線からの高調波情報を示す図である。 2D走査平面内の異なるθ角度値における走査線に沿った第3の高調波比の高調波エコー応答信号の概略図である。 目標とする十分な器官又は構造を設定し、組織の高調波画像を使用して器官又は構造の境界体積計算を決定する方法を示す図である。 図9Bからの全ての12の平面からの全ての走査線で第3の超音波高調波比を使用する擬似Cモード図における膀胱のカラーコードプレゼンテーションを示す図である。 区分化に基づいて膀胱の擬似Cモード図における補間された形状を示す図である。 本発明の1実施形態によるプロセスを示す図である。 十分にはターゲットとされていない膀胱の目標フィードバックのスクリーン画像を示す図である。 図13Aで提示されている目標フィードバックの仮想目標補助のスクリーンショット図である。 本発明の1実施形態による高調波解析プロセスを示す図である。 一つの人間のデータセットからの各走査線上の高調波比対膀胱寸法の図である。 本発明の1実施形態により使用される神経回路網を示す図である。 本発明の1実施形態によるプロセスを示す図である。 1実施形態による膀胱領域の投影図である。 本発明の1実施形態によるプロセスを示す図である。 本発明の1実施形態による矢印のフィードバックモードの図である。 本発明の1実施形態による矢印のフィードバック表示の規則の図である。 本発明の1実施形態による例示的なデータセット中の全ての線の勾配を示す図である。 本発明の1実施形態による例示的なデータセット上の一連の中間Cモード形状の図である。 本発明の1実施形態による容積計算を示す図である。
本出願はカラーで仕上げられている少なくとも1つの図面を含んでいる。カラー図面を有するこの特許出願のコピーは要求時および必要な料金の支払い時に特許商標庁により提供される。本発明の好ましい及び別の実施形態を添付図面を参照して以下説明する。
少なくとも1つの実施形態では、超音波システム及び方法は膀胱の区分化を改良するために高調波理論を使用する。測定される尿または羊水のような液体の体積を超える組織領域に関連された反射された高調波内容はコンピュータのような処理装置に液体の存在を知らせるために使用される。擬似Cモードのビュー中のカラーコード化された画像は超音波波形の高調波を増加する構造コンポーネントを有する問題領域の構造からの高調波比の強度に基づいて構成されることができる。カラーコード化された画像は超音波トランシーバを目標とするタスクには有用なガイドとして使用されることができる。さらに、各走査平面上の高調波比プロフィールは膀胱(または妊娠していない女性の子宮)の領域区分化及び流体体積測定を修正するために使用されることができる。
少なくとも1実施形態では、超音波システム及び方法は膀胱の区分化を改良するために高調波情報を含んでいるボクセルのみに適用される高調波理論を開発し、提示し、使用する。目標は視覚化または画像処理のために画像品質を改良する代わりに、膀胱の後壁の組織から尿構造に先立つ領域を評価することである。尿または羊水のような流体からはエコーは少ないが、このタイプの液体を通る伝播経歴は付加的な決定を行う能力を与える。液体のゴールドバーグ数は1実施形態では有効な指示である。液体を越える膀胱の後壁組織からの高調波内容は組織の表面の超音波パス中の流体の存在により影響を受ける。
少なくとも1実施形態では、超音波システム及び方法は問題領域内の構造のカラーコード化された画像を開発し、提示し、使用する。構造または問題領域のカラーコード化された画像は問題領域内の構造により示された最適な超音波高調波周波数の決定に基づいて得られることができる。
尿で一般的である非線形効果による高調波歪みは1実施形態では有効な要素である。高調波の概念は新しくない。例えば超音波画像品質を改良するために高調波情報を使用する多くの方法が提案されてきた。通常、これらの方法は全てのボクセルにおける反射された音波を使用し、その高調波内容を使用して対応する位置の画像品質を強化する。これらの応用で使用される高調波情報は全ての種類の組織からのものである。しかしながら視覚化または画像処理の画像品質を改良する代わりに、1実施形態は膀胱内の尿のような身体構造中の流体および膀胱の後壁のような組織またはその後部の組織とを、現在の走査パスの長さに関する尿の通路の長さのような非常に有用な情報を提供するために高調波発生及び吸収のための2つの異なる媒体としてモデル化する。
高調波情報は新しい方法で処理され使用される。各走査線の伝播経歴情報全体は対応するインジケータを提供するように処理される。組織正面の尿は尿の後部の組織から反射された高調波情報に影響する。したがって走査線に沿った尿からなる領域は領域の後部の構造上に現れる高調波の累積を導く。尿自体は無響であり、通常は任意の画像信号を与えない。尿のない領域は高調波の累積を生じない。この累積プロセスを考慮せずに、各ボクセルの高調波情報を独立して観察すると、現在の走査線にどの程度の量の尿が存在するか等の情報を提供しない。簡単に言えば、高調波画像情報を使用しておらず、高調波伝播経歴情報を使用している。
1実施形態の別の特徴は使用される超音波伝播媒体モデルである。他の方法により示唆されているように異なる組織を弁別するための高調波情報を使用する代わりに、単一のモデルにより全ての組織を扱う。焦点は組織と尿との間の高調波伝播の大きな違いであり、これは高調波伝播理論から非常に明白である。この高調波情報の処置は人間の介入をベースとする評価なしに、どの程度の尿が試験下にあるかの十分または部分的に自動的な決定を行う機会を与える。
少なくとも1実施形態では、前述の高調波処理特徴のために、選択する送信信号は狭帯域幅であり、これは高調波撮像に使用される広帯域信号とは異なっている。これは高調波伝播経歴を処理するためであり、したがって空間的な分解能はより良好な高調波振幅比評価のために犠牲にされ妥協される。
少なくとも1実施形態では、各撮像方向において、超音波トランシーバは2つのパルスを送信する。第1のものは伝統的なBモードパルスであり、第2のものは高調波比評価に対して前述した狭帯域パルスである。高調波(第2)パルスから得られる情報は検査下の媒体の包括的な見解を与えるために第1のパルスからのBモード情報と組み合わせられる。これらの情報の2つのピースの適切な統合は本発明の実施形態の別の特徴である。
量的な高調波振幅評価はスペクトルの雑音特性と信号の不均質特性のために非常に困難なタスクである。多くの進んだ開発されたスペクトル評価アルゴリズムは種々のエンジニアリング応用のための改良されたスペクトル評価結果を与えるために文献で明らかにされている。それらの原理に基づいて、これらのアルゴリズムは2つの適切なパラメータ及び非パラメータに分割されることができる。パラメータ方法はデータモデル化誤差に対して敏感であるので、非パラメータ方法は頑丈なスペクトル評価装置を構築するための1実施形態で開発される。超音波伝播の慎重な研究はこのスペクトル評価装置で良好な選択肢になることができる。
他の高調波方法は体積レンダリングまたはしきい値選択のためのインジケータとして第2またはさらに高次の高調波の絶対値を使用する。1実施形態はより良好なインジケータを与えるために第2の高調波と第1の高調波間の比を使用し、これは検査下の組織の種々のエコー発生能力とは独立して無関係である。組織のエコー発生能力は受信された信号を左右するので、通常の高調波撮像方法は組織の高調波吸収情報を提供することはできない。
本発明の1実施形態と既知の別の方法との間に基本的な差が存在し、1実施形態は組織の高調波吸収に関し(これは1つの走査線の高調波伝播経歴がここで処理される理由である)、別の方法からの高調波撮像技術は組織の高調波発生に関係する。超音波伝播媒体モデルに関連して前述したように、尿と組織について選択したモデルはそれらの非常に異なる高調波吸収能力に基づいている。
少なくとも1実施形態では、超音波波形の高調波を増加する構造コンポーネントを有する問題領域の構造からの高調波比の強度に基づいて、カラーコード化された画像を捕捉し、処理し、擬似Cモードビュー中に提示するシステム及び方法を説明する。システム及び方法を直接トランシーバ配置に指令するか再配置することによる画像捕捉の最適化について説明する。問題の構造又は器官、或いは問題領域(ROI)が膀胱であるとき、高調波比区分結果は小さい又は大きい膀胱を適切に決定するための体積測定と膀胱の体積測定との一方又は任意の組合せをチェックして、膀胱寸法の過剰評価を防止するように区画化アルゴリズムを調節するようにコンピュータが実行可能なプログラムに警告するために適用されることができる。
結果はトランシーバの目標とするまたは最終的な膀胱形状の決定について表示する擬似Cモードビューと組み合わせられることができる。結果を使用する最も簡単な方法は膀胱寸法が高調波比区分と比較して大きいならば、過剰評価について現在の形状の寸法をチェックできることである。膀胱寸法が非常に小さいならば、表示する形状の寸法を拡大するための適切な補償が行われることができ、寸法が小さいならば、形状の適切な変更を行うことができる。一般的に、高調波比は受信された超音波信号から抽出された過剰な情報であり、これは膀胱および/または流体体積の測定を量的に改良するために使用されることができる。
別の実施形態は自動的に区画化する(即ち単一または一連のダイナミック変化を受ける画像の問題領域(ROI)内の身体構造の境界を自動的に検出する)ための画像処理のシステムおよび/または方法を含んでいる。特定の別の実施形態はダイナミックな変化を受ける画像シリーズの単一画像又は多数の画像の画像ROI内の自動的に区画化された形状の領域および/または体積の結果的な測定を行う。
図1の(A)−(D)はトランシーバ、走査平面の回転アレイで構成される走査コーン、以下の図3および4に示されている種々の超音波高調波撮像システム60-A-Dのアレイの走査平面の部分的概略図及び部分的斜視図を示している。
図1の(A)は本発明の1実施形態による慣性基準装置を含んだ超音波トランシーバ10Aの側面図である。トランシーバ10Aは患者に関してユーザがトランシーバ10Aを操作することを可能にするように適切に構成された外方向に突出するハンドル12を有するトランシーバハウジング18を含んでいる。ハンドル12はユーザが選択された解剖部分の超音波走査を開始することを可能にするトリガー14と空洞選択装置16を含んでいる。空洞選択装置16について以下詳細に説明する。トランシーバ10Aは選択された解剖部分が走査されるときに患者の表面部に接触するトランシーバドーム20も含んでいる。このドーム20は通常解剖部分に適切な音響インピーダンス整合を与え、および/または超音波エネルギが解剖部に投射されるときそれが適切に焦点を結ばれることを可能にする。トランシーバ10Aはさらにハウジング18内またはそうでなければそれに隣接して位置される別々に励起可能な1つの超音波トランスデューサ素子(図1の(A)には示されていない)または好ましくはそのアレイを含んでいる。トランスデューサ素子はハウジング18内に適切に位置されるか又はそうでなければドーム20から外方向に超音波エネルギを投射し、解剖部内の内部構造により発生される音響反射の受信を可能にする。超音波素子の1以上のアレイはモータによりハウジング18内で動かされることができるピエゾ電気素子の1次元または2次元のアレイを含むことができる。代わりに、アレイは選択された解剖領域がアレイ中の素子を選択的に付勢することにより走査されるようにハウジング18に関して静止されることができる。
方向インジケータパネル22は最初の目標およびROI内の器官または構造の目標をアクセスするようにユーザに誘導するために照射されることができる複数の矢印を含んでいる。特定の実施形態では、器官又は構造が主体の第1の位置で皮膚表面に対して音響的に位置されたトランシーバ10Aの配置から中心に置かれるならば、方向矢印は発光されない。器官が中心からずれているならば、1つの矢印または矢印のセットは主体の第2又はその後の皮膚位置に音響的にトランシーバ10Aを再配置するようにユーザを誘導するように照射されることができる。音響結合は患者の皮膚に与えられる液体の音響的ジェルまたはトランシーバドーム20が配置される音響的ジェルパッドによって実現されることができる。方向インジケータパネル22は以下の図3および4に説明され、またはトランシーバディスプレイ16上に提示される高調波撮像サブシステムのコンピュータ52のディスプレイ54上に提示されることができる。
トランシーバ10Aは好ましくはハウジング18内又はそれに隣接して位置されている加速度計および/またはジャイロスコープ(図示せず)を含む慣性基準装置を含んでいる。羊水の測定時のように1つのトランシーバのROI(問題領域)が問題の器官を含むのに十分な大きさではない場合、加速度計および/またはジャイロスコープは異なる位置の幾つかの走査を1つの基準フレームに組み合わせるために使用されることができる。加速度計は好ましくは座標系に関してトランシーバ10Aの加速を感知するために動作可能であることができ、ジャイロスコープは同じまたは別の座標系に関してトランシーバ10Aの角速度を感知するために動作可能である。したがって、ジャイロスコープはダイナミック素子を使用する通常の構造であってもよく、或いは既知の光学リングジャイロスコープのような光電子工学装置であってもよい。1実施形態では加速度計とジャイロスコープはOmni Instruments Incorporatedから入手可能な共通してパッケージされおよび/または固体状態の装置であるが、他の適切な代替手段が存在する。他の実施形態では、加速度計および/またはジャイロスコープは共通してパッケージされた微小電気機械システム(MEMS)装置を含むことができ、これはMEMSenseから市場で入手可能であり。以下詳細に説明するように、加速度計とジャイロスコープは患者の解剖的問題領域に近い既知の位置に関して位置的および/または角度的変化の決定を共同して許容する。
トランシーバ10Aは超音波走査から処理結果を観察し、および/またはユーザとトランシーバ10Aとの間の動作的な相互作用を可能にするために動作可能なディスプレイ(図示せず)を(ディスプレイとの信号通信で可能であるならば)含んでいる。例えばディスプレイは選択された解剖部に関してトランシーバ10Aの適切および/または最適な位置を示す文字数字データを表示するように構成されることができる。ディスプレイは選択された解剖領域の2または3次元画像を観察するために使用されることができる。したがってディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、陰極光線管(CRT)ディスプレイ、または英数字データおよび/またはグラフィック画像をユーザに提示するように動作可能なその他の適切な表示装置であってもよい。
さらに図1の(A)を参照すると、空洞選択装置16は超音波信号の送信及び受信を選択された患者の解剖へ調節可能に適合するように動作可能である。特に、空洞選択装置16は男性と女性の患者の種々の解剖的詳細に適合するようにトランシーバ10Aを調整する。例えば空洞選択装置16が男性の患者に適合するように調節されるとき、トランシーバ10Aは男性の患者の膀胱のような単一の空洞を位置付けるように適切に構成されることができる。それと対照的に、空洞選択装置16が女性の患者に適合するように調節されるとき、トランシーバ10Aは膀胱と子宮を含んだ身体領域のような多数の空洞を有する解剖部を撮像するように構成されることができる。トランシーバ10Aの別の実施形態は単一の空洞走査モード、または男性および/または女性の患者と共に使用されることができる多数の走査モードを選択するように構成される空洞選択装置16を含むことができる。空洞選択装置16はしたがって単一の空洞領域が撮像、または肺および心臓を含む領域のような多数の空洞領域が撮像されることを可能にする。
患者の選択された解剖部を走査するため、トランシーバ10Aのトランシーバドーム20は走査される解剖部に近い患者の表面部に対して位置されることができる。ユーザはトリガー14を押圧することによりトランシーバ10Aを付勢する。それに応答して、トランシーバ10は超音波信号を身体に送信し、選択された解剖部の超音波画像を生成するためにトランシーバ10Aにより少なくとも部分的に処理されることができる対応する期間エコー信号を受信する。特定の実施形態では、トランシーバ10Aは約2メガヘルツ(MHz)から約10MHzにわたる範囲の超音波信号を送信する。
1実施形態では、トランシーバ10Aは予め定められた周波数および/またはパルス反復率で超音波エネルギを発生し、超音波エネルギをトランシーバ10Aへ転送するように構成されることができる超音波システムへ動作的に結合されることができる。システムはさらに走査された解剖領域の画像を生成するためにトランシーバ10Aにより受信される反射された超音波エネルギを処理するように構成されることができるプロセッサも含んでいる。したがってシステムは通常陰極光線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ装置、または生成された画像の観察に使用されることができる他の類似の表示装置のような観察装置を含んでいる。システムはさらにキーボード、指向装置、又は他の類似の装置のようにプロセッサがトランシーバ10Aの動作を制御することを協同して補助する1以上の周辺装置を含むこともできる。さらに別の特別な実施形態では、トランシーバ10Aはハウジング18内に位置されるマイクロプロセッサと、トランシーバ10Aを動作的に制御し反射された超音波エネルギを処理して超音波画像を生成するためにマイクロプロセッサに関連されるソフトウェアとを含む自蔵装置であってもよい。したがってディスプレイ24は生成された画像を表示し、および/またはトランシーバ10Aの動作に関連されるその他の情報を観察するために使用されることができる。例えば情報は一連の走査を行う前にトランシーバ10Aの好ましい位置を示す英数字データを含むことができる。さらに別の特別な実施形態では、トランシーバ10Aは少なくともトランシーバ10Aの動作を部分的に制御するソフトウェアを含み、さらにトランシーバ10Aから転送された情報を処理するためのソフトウェアを含むラップトップまたはデスクトップコンピュータのような汎用コンピュータに結合されることが好ましく、それによって走査される解剖領域の画像が生成されることができる。トランシーバ10Aは以下の図3および4に説明されているように受け台50と通信するために電気コンタクトが随意選択的に取付けられることもできる。図1の(A)のトランシーバ10Aは任意の前述の実施形態で使用されることができるが、他のトランシーバも使用されることができる。例えばトランシーバはトランシーバ10Aの1以上の特徴を欠くものであってもよい。例えば適切なトランシーバは手作業で持ち運び可能な装置である必要はなく、および/または上部に取付けられたディスプレイを有する必要がなく、および/または他の特徴を選択的に欠き、またはさらに相違を示すことができる。
図1の(B)は実質的に円錐形状を有する3次元(3D)アレイを形成する複数の走査面のグラフィック表示である。2次元走査面42の回転アレイにより形成される超音波走査コーン40はトランシーバ10Aのドーム20から外方向に投射する。他のトランシーバの実施形態は2次元走査面42の回転アレイにより形成される走査コーン40を展開するように構成されることもできる。複数の走査面40はトランシーバ10A−10Bを通して延在している軸11を中心に配向されることができる。1以上又は好ましくは各走査面42は軸11を中心に位置されることができるが、好ましくは予め定められた角度位置θである必要はない。走査面42は角度θとθにより相互に隔てられることができる。対応して各走査面42内の走査線は角度φとφにより隔てられることができる。角度θとθはほぼ等しく示されているが、角度θとθは異なる値を有してもよいことが理解される。同様に、角度φとφはほぼ等しく示されているが、角度φとφも異なる値を有してもよい。例えば楔形走査コーンまたは他の類似の形状のような他の走査コーン構造が可能である。
図1の(C)は走査面42のグラフィック表示である。走査面42は、トランシーバ10A−10Bから外方向に延在する長さrを有する周囲走査線44および46と内部走査線48を含んでいる。したがって周囲走査線44と46および内部走査線48に沿って選択された点は距離rと角度座標値φとθに対する基準で規定されることができる。長さrは好ましくは約18乃至20センチメートル(cm)まで延在するが、任意の長さが可能である。特定の実施形態はドーム20から外方向に延在する約77本の走査線48を含んでいるが、任意の数の走査線が可能である。
図1の(D)は内部身体器官の断面を通して延在する単一の走査面42を形成する手持ち式超音波トランシーバから出る複数の走査線のグラフィック表示である。所定の走査平面42のトランシーバ10A−10Bから出る内部走査線の数及び位置はしたがって走査平面42内の構造又は画像を十分に視覚化することを必要とするときに軸線11を中心に異なる位置座標で分布されることができる。図では、中心を外した問題領域(ROI)の4部分が不規則な領域49として示されている。3つの部分は全体として走査平面42内で観察可能であり、1つの部分は周囲走査線44により切り取られている。
前述したように、トランスデューサの角度運動は機械的に行われるかおよび/または電子的又は他の方法で発生されることができる。いずれの場合でも、線48の数と線の長さは変化でき、それによって傾斜角度φは約120゜の総アークでほぼ−60゜と+60゜との間の角度を通過する。1つの特定の実施形態では、トランシーバ10は第1の限定走査線44と第2の限定走査線46との間でほぼ77本の走査線を発生するように構成されることができる。別の実施形態では、各走査線は約18乃至20cmの長さを有する。隣接する走査線48(図1の(C))間の角度分離は均等または非均等であってもよい。例えば、別の特定の実施形態では、(図1の(D)に示されているように)角度分離φとφには約1.5゜であってもよい。代わりに及び別の実施形態では角度分離φとφは1シーケンスであってもよく、ここでは隣接する角度は1.5゜、6.8゜、15.5゜、7.2゜等の角度を含むように順序付けされ、1.5゜分離は第1の走査線と第2の走査線の間であり、6.8゜分離は第2の走査線と第3の走査線の間であり、15.5゜分離は第3の走査線と第4の走査線の間であり、7.2゜分離は第4の走査線と第5の走査線の間等である。隣接する走査線間の角度分離は均等および非均等な角度間隔の組合せであってもよく、例えば角度のシーケンスは1.5゜、1.5゜、1.5゜、7.2゜、14.3゜、20.2゜、8.0゜、8.0゜、8.0゜、4.3゜、7.8゜等を含むように順序付けされることができる。
図1の(D)は図1−4のトランシーバから外方向に投射する超音波走査コーンの等角図である。問題領域の3次元画像は走査平面42のアレイに形成される複数の2D画像を含む走査コーン40内で与えられることができる。トランシーバ10A−10Eのドーム20に相補的なドームのカット41は走査コーン40の上部に示されている。
図2はトランシーバと、超音波高調波比撮像システムの別の実施形態の3D分布された走査線からなる走査コーンアレイとの部分的概略図および部分的等角図を示している。複数の3次元(3D)分布された走査線は走査コーン30を協動して形成するトランシーバから出力される。各走査線はトランシーバ10A−10Bから外方向に投射する長さrを有する。示されているように、トランシーバ10Aは1次元の超音波A線であってもよい走査コーン30内の3次元分布の走査線を発生する。他のトランシーバの実施形態10Bも3次元分布の走査線を発生するように構成されることができる。全体として、3D分布されたA線は走査コーン30の円錐形状を規定する。超音波走査コーン30は軸線11を中心とするトランシーバ10Aと10Bのドーム20から外方向に延在する。走査コーン30の3D分布された走査線は走査コーン30の周囲により規定される体積内に分布されることができる複数の内部及び周囲走査線を含んでいる。したがって周囲走査線31A-31Eは走査コーン30の外部表面を規定し、内部走査線34A-34Cはそれぞれの周囲走査線31A-31Eとの間分布されることができる。走査線34Bは通常軸11と同一線上であり、走査コーン30は通常、同軸的に、軸線11を中心とされる。
内部及び周囲走査線の位置はさらに中心走査線34Bからの角度間隔により内部及び外部走査線との間で規定されることができる。走査線34Bと周囲または内部走査線との間の角度間隔は角度Φにより指定されることができ、内部または周囲走査線との間の角度間隔は角度θにより指定されることができる。角度Φ、Φ、Φはそれぞれ走査線34Bから走査線34A、34C、31Dまでの角度間隔を規定する。同様に、角度θ、θ、θはそれぞれ走査線31Bと31C、31Cと34A、31Dと31Eとの間の角度間隔を規定する。
図2を継続して参照すると、複数の周囲走査線31A-Eおよび複数の内部走査線34A-Dは走査平面内に必ずしも制限されない3次元的に分布されたA線(走査線)であってもよいが、代わりに内部領域を通っておよび走査コーン30の周囲に沿って延びることができる。したがって、走査コーン30内の所定の点は座標r、Φ、θにより識別されることができ、その値は通常変化する。トランシーバ10A−10Bから出る内部走査線の数及び位置はしたがって患者の問題領域(ROI)内の構造又は画像を十分に視覚化することを必要とするときに異なる位置座標で走査コーン30内で分布されることができる。トランシーバ10内の超音波トランスデューサの角度運動は機械的に行われ、および/または電子的に発生されることができる。いずれの場合にも、線の数と線の長さは均等であるかそうでなければ変化でき、それによって傾斜角度Φは34Bと31Aとの間の約−60゜と走査線34Bと31Bとの間の+60゜との間の角度を通過する。したがってこの例の角度Φは、約120゜の総アークを示す。1実施形態では、トランシーバ10A、10Bは約18乃至20センチメートル(cm)の長さrを有する走査コーン30内で複数の3D分布された走査線を発生するように構成されることができる。
図3は複数の超音波高調波撮像システムと通信するサーバアクセスされた構内網の概略図である。超音波高調波撮像システム100は通信システム55によりサーバ56に結合されることができる1以上のパーソナルコンピュータ装置52を含んでいる。装置52は1以上の超音波トランシーバ10Aおよび/または10B、例えば超音波高調波サブシステム60A-60Dに結合されることができる。その基本周波数長音波および/または高調波からエコーの信号から得られた器官または他の問題領域の超音波ベースの画像はディスプレイ54上に提示される走査コーン30または40内に示されることができる。サーバ56は超音波情報の付加的な処理を行うように動作することができ、または(図3に示されていない)他のサーバ及び装置に結合されることができる。トランシーバ10Aまたは10Bはサブシステム60Aでコンピュータ52と無線通信、サブシステム60Bで配線信号通信、サブシステム60Cで受け台50を介してコンピュータ52と無線通信で、或いはサブシステム60Dで受け台50を介してコンピュータ52と有線通信することができる。
図4は複数の超音波高調波撮像システムと通信するインターネットの概略図である。インターネットシステム110は超音波高調波サブシステム60A−60Dと結合するか、そうでなければ通信する。
図5は伝播による波形の歪みを概略して示している。身体の構造から受信されたエコー信号はもとの送信パルスの周波数を伝播するだけでなく、これらの周波数の多数倍又は高調波を含む。組織からのエコーは大部分は線形成分を有し、即ちエコー周波数は送信周波数と同じである。これらの線形成分は通常の基本的なBモード撮像で使用されることができる。非線形効果は超音波の伝播中に高調波エコー周波数を生成する。膀胱内の尿は水中の高調波の低い減衰によって高調波成分を非常に増加できる。
減衰と高調波生成との間の均衡を表すパラメータの1つはゴールドバーグ数Gであり、これは有力になる可能性がある減衰または高調波歪の尺度を表している。G=1であるとき、非線形効果は減衰効果に匹敵するようになる。ゴールドバーグ数が1よりも高いならば、非線形プロセスは波形伝播特性を支配する。1よりも下のゴールドバーグ数の値では。減衰は非線形歪のためにエネルギ転送よりも高調波成分の振幅を支配し重大になる。脂肪は1よりも低い(0.27)ゴールドバーグ数を有し、筋肉、肝臓、血液は1より高いが1に近いゴールドバーグ数を有する。尿および羊水は104のゴールドバーグ数を有する。これは主として減衰により生じ、これは尿に対しては非常に低く、脂肪に対しては非常に高いが、脂肪の非線形係数は尿の非線形係数よりも高い。これらの簡単な計算は波形歪みを生じさせる媒体間の差を示す。尿及び羊水は他の身体組織と比較して強い非線形歪みを誘起するための高い能力を有する。1実施形態では、尿および羊水の大きなゴールドバーグ数値は他の組織領域からの膀胱またはへその緒領域とを弁別するために使用される。
図6は、構造的に干渉を受けている基本波および第2、第3高調波の波長の重ね合わせを概略して示している。画像構造に対する超音波高調波周波数の既存の使用は組織の高調波撮像(THI)と呼ばれ、可変の音響特性により組織を伝播しながら超音波信号が歪みを受ける効果に基づいている。これらの応用で使用される高調波情報は全ての種類の組織からのものである。THIは器官と空洞との構造的な境界を良好に描写するために撮像応用を提供する。しかしながら、先のセクションで説明したように、1実施形態で使用される高調波情報はこのような通常の方法とは異なっている。通常高調波撮像装置には不可視である尿のような流体に関連される非線形効果による高調波歪みは1実施形態の随意選択的に有効な特性である。1実施形態で使用される高調波情報は全ての種類の組織からではない。少なくとも1つの実施形態では、方法は高調波の発生と吸収のための2つの異なる媒体として膀胱および組織内の尿をモデル化し、したがって超音波が尿で満たされた領域を通過するならば相対的にどの程度の量の尿が現在の超音波走査パスに存在するかのような非常に有用な情報を提供できる。これは決定を行う能力になる組織の正面の尿を通る伝播経歴情報である。基本波、第2高調波、第3高調波、基本的な第2高調波の重ね合わせと、基本波、第2及び第3高調波の重ね合わせのためのカラーコード化が図に与えられている。
図7Aは人間の主体における試験のグラフィック結果を示している。試験は2.1MHzの周波数における超音波の50パルスを含んでおり、我々は単に黄色のウィンドウ700内に深さの範囲におけるRF信号を集めた。bモード画像は受信されたRFデータを使用して形成される。このようにして図7Aは周波数2.1MHzで多パルス(50)超音波エコーから形成された膀胱画像を示し、膀胱の問題領域(ROI)内の走査線に沿った高調波比(基本周波数成分にわたる第2の高調波)のオーバーラップを示している。5本の青色のRF線710を使用して、最大比値を計算した。5本の赤色のRF線720を使用して、最小比値を計算した。この例から高調波応答は、膀胱領域を通過している走査線よりも尿で満たされた膀胱領域を通過していない走査線で低いことが分かる。2つの走査線、即ち青色と赤色における周波数応答を比較した。第2の高調波周辺の応答の強度は赤色と青色とでは非常に異なることを発見した。第2高調波周辺の平均と基本周波数周辺の平均値の比を測定のインジケータとして規定する。図面では、緑色極線730は黄色のウィンドウ700内の全ての走査線におけるこの測定を表している。
図7Bは図7AのRFデータの2セットの周波数スペクトルを示している。図7Cの色は図7Aの領域の色に対応する(即ち740は710に対応する;750は720に対応する)。青色のRF740は赤色のRF750よりも周波数ドメインで大きな第2の高調波成分を有する。
図9Aは高調波比プロフィールの決定に使用される12の走査平面の11の走査平面サンプリングを示している。各走査平面は72本の走査線から得られる。高調波比は12の走査平面から得られる12のデータセットから決定されることができる。約−32dBのしきい値は大きい膀胱から小さい膀胱を区分するか通常境界を定めるために使用される高調波比であるように規定されることができる。青色データセットは11の平面上の各走査線に沿った高調波比である。対応するデータは大きい膀胱体積を有する人間の主題から集められた。赤色データセットは11の平面上の各走査線に沿った高調波比である。対応するデータは小さい膀胱体積を有する人間の主体から集められた。
図9Bは12の2D走査平面内の異なるθ角度値における走査線に沿った高調波比の概略図である。単一の走査コーンの12の走査平面の高調波情報は0、15、30、45、60、90、105、120、135、165度のθ角度値に対応するこれらの12のプロフィールに基づいて補間されることができる。使用される設定は20としたパルス数を有する2.46MHzの基本周波数を使用する。
図10は、目標とする十分な器官又は構造を設定し、高調波比を使用して器官又は構造の境界体積計算を決定する方法である。器官が膀胱であるとき、目標とする膀胱体積インスツルメント(BVI)と区分化方法は高調波比ピークの使用により開始し、プロセスブロック102で初期壁局所化のためのものであり、境界体積計算方法100は走査面上で計算勾配及び初期壁を使用する。勾配情報は各走査線に対応する。方法はハードしきい値に基づいているので、必然的にいくつかの理想的ではない初期壁候補になる。高調波比しきい値を超える領域は膀胱壁候補の別のセットとして取られることができる。あるいは高調波比は初期壁候補選択において追加の基準として取られることができる。その後、プロセスブロック106で、最大のデルタの発見が決定され、その後、プロセスブロック110で全ての平面の初期壁に基づいて重心が計算される。高調波比ピークは壁の固定のためのものであり、各平面上の最大デルタを有する位置を決定するために変更されている受信に基づいており、したがって高調波比のピーク位置は壁の固定のための開始位置が適切であるか否かを決定するための追加情報を提供する。その後、プロセスブロック114で、平面による初期壁固定プロセスが実現され、その後プロセスブロック118でメジアンフィルタ壁が適用される。方法100はその後、撮像される高調波の体積と、問題領域内の区画化された構造を決定するためにプロセスブロック122の体積計算を完了することにより終了される。方法100の膀胱の前および/または後壁を描写する多項微分公式(PDF)を含んでいる画像及びデータ処理アルゴリズムはKitware社(米国ニューヨーク州クリフトンパーク)により維持され、ここで参考文献とされているVTKライブラリから適合されることができる。
図11Aは、図9Bからの全ての12の平面からの全ての走査線における第3の超音波高調波比を使用する擬似Cモード図における膀胱のカラーコードされたプレゼンテーションである。カラーコード化された画像は32ビットジェットカラーマップから得ることができる。赤色は膀胱領域を表し、青色は非膀胱領域を表している。
図11Bは、区分化に基づいて膀胱の擬似Cモード図における補間された形状である。区分化に基づく膀胱領域と、図11Aの高調波比からの赤色領域との間に非常に密接な対応が存在することが発見されることができる。図11Bは図11Aのカラーコード化プレゼンテーションに基づく膀胱の補間された形状である。図11Aの赤色は膀胱領域を表し、他の色は非膀胱領域を表している。この結果では、全ての平面からの区分化のリンクに基づいた膀胱の形状が示され、図11Aの高調波比画像との密接な対応を有する。この新しい撮像方法はトランシーバを目標とするタスクのための非常に有用なガイダンスとして使用されることができる。
図13Aは理想的には目標とされていない膀胱の目標フィードバックのスクリーンショットの図である。目標の画像のクロスヘアは青色の膀胱領域の区分化境界を超える可能性がある。
図13Bは図13Aで提示されている目標フィードバックの仮想目標補助のスクリーンショットである。目標画像のクロスヘアは青色の膀胱領域の外部であるので、3つの円を有する左方矢印は中心とされた膀胱画像を得るために取られるトランシーバ10Aまたは10Bの移動方向を示すように照射される。ここで陳述「方向5で移動」が仮想の目標補助上に示されている。
膀胱目標/ターゲット用に特別に設計された高調波比を使用してカラーコード化された画像が1実施形態で使用される。この方法は超音波の非線形伝播のスペクトル特性に基づいている。高速度の補間と効率的なカラーマップが探求されることができ、2D擬似カラー撮像が各膀胱走査のために生成されることができる。オペレータは画像中の尿で満たされた膀胱を容易に発見し、最良の目標のための走査方向を調節できる。
人間の主体における30の検査の初期設計と実装に基づいて、基準として補間された形状を使用して、カラー高調波撮像方法は例えば膀胱の位置、膀胱の形状、膀胱の体積についての正確なフィードバックを与える。この技術はより正確なデータ集収と解析のために臨床使用に容易に適用されることができる。1実施形態によるプロセスが図8に示されている。ステップ1.1で各平面において、トランシーバはBモード撮像と高調波内容抽出のために2つのRF信号を集める。初期壁はステップ1.2で評価される。ステップ1.3はここで以下より詳細に説明するように高調波解析カーネルである。ステップ1.4で、1実施形態は高調波比情報と、強度情報に基づく他の関連特性を使用して現在の平面上に各線の勾配を与えるように事前に訓練された(ここで以下詳細に説明する)神経回路網を使用する。勾配が高い程、走査線が尿を有する膀胱領域を通過する可能性が大きくなる。勾配はステップ1.5で区分化を固定するために使用される。固定された区分化はステップ1.9で膀胱体積測定に使用される。ステップのさらに詳細を以下のセクションで説明する。
図12は1実施形態による初期膀胱壁検出プロセス(図8に示されているステップ1.2)を示している。このプロセスはAモード走査線毎に実行されることができる。ここでの第1のステップは15または16のサンプルウィンドウを使用して局部平均/ローパス濾波である。次に、局部勾配は中心微分公式を使用して各サンプル点について計算される。次に、各走査線において、アルゴリズムは最良の前壁(FW)および後壁(BW)対を発見しようと試みる。各ライン上の最良の前壁(FW)および後壁対は後壁勾配と前壁勾配の差(組織デルタとも呼ばれる)が最大であり、前壁と後壁対間の局部平均が最小である前壁および後壁対として規定される。
図8に示されているステップ1.3で、高調波周波数解析が行われる。通常、従来の方法ではBモード画像に基づいて膀胱領域を通過する走査線を抽出するように設計されていた。しかしながら、反射及び影のような不適切なものが超音波画像を劣化する。それ故、Bモード画像の対応する購買情報はこれらのケースでは不完全であり、誤差のある膀胱検出を生じる可能性がある。
身体の構造から受信されたエコー信号はもとの送信パルスの周波数だけでなく、これらの周波数の倍数または高調波を伝播する。これらの線形成分は通常の基本Bモードの撮像で使用される。高調波エコー周波数は超音波の伝播期間に非線形効果により生じる。
例えばTHI(組織高調波撮像)は音響特性を変化して組織を通過しながら超音波信号が歪みを受ける現象に基づいている。しかしながらTHIは単に膀胱検出問題を解決しない撮像方法である。
高調波情報は周波数ドメインに隠され、いずれの膀胱線及び組織線が分離されることができるかに基づいて異なる深さで各走査線上の高調波の増強についての効率的なインジケータである。例えば膀胱領域内では、十分な反射はなく、したがって第1及び第2高調波の減衰は低い。膀胱壁の後部の深いところで、第1及び第2高調波は両者とも減衰され、第2高調波は第1高調波よりも非常に速く減衰される。結果として、高調波情報は組織だけを貫通する走査線と比較して、膀胱を通過する走査線に対してさらに高い。
高調波情報を使用する1方法は基本周波数での応答と比較して第2高調波周波数周辺の高調波情報の相対的な変化を使用する。第2高調波周辺のピーク値と基本周波数周辺のピーク値との比(ゴールドバーグ数)はこのような変化の適切なインジケータである。
超音波装置から集収された臨床データから、そのスペクトルは非常に雑音があることが観察されることができる。このことはデータ内にほとんど又は全く雑音が存在しないときでさえも当てはまる。コンボリューション理論は良好なスペクトル評価を得るために通常のFFT方法を使用することは困難であり、固定した仮定がこのデータについてはいえないことは言うまでもない。頑丈な高調波処理アルゴリズムはこのような装置が良好な高調波評価結果を有することを可能にする。
多くの進歩したスペクトル評価アルゴリズムが種々の応用で改良されたスペクトル評価結果を与えるために文献において開発されている。これらの原理に基づいて、これらのアルゴリズムは2つの方法、即ちパラメータ方法と非パラメータ方法とに分けられることができる。パラメータ方法はデータモデル化誤差に対してより敏感であるので実施形態は頑丈なスペクトル評価装置を構築するための非パラメータ方法を含んでいる。
高調波解析カーネルのブロック図が図18に示されている。一般に、このような方法はサブ開口処理技術に基づいており、これはデコンボリューションプロセスとしてほぼみなされることができる。サブ開口処理技術はこれがデコンボリューションプロセスとしてほぼみなされることができるので、1実施形態では理想的である。結果的なデータセグメントはオーバーラップするかオーバーラップしない。(単一のRFデータライン上の)各データセグメントでは、テイラーウィンドウがFFTからのそのサイドローブを減少するために適用される。FFT後、第1及び第2の高調波周波数周辺のそのスペクトルを平均する。次に、以下のサブアルゴリズムに基づいて高調波比を「正規化」し、補償し、平均する。
Figure 2010514524
前記サブアルゴリズムでは‘Att_Comp’は減衰補償パラメータである(臨床データから評価された2.5dB/cmを使用する)。「しきい値」はデータが非常に小さいときにデータを拒否するために使用されるパラメータである。Ratio_low=−35dBである。要約すると、「正規化」ステップは非常に弱いデータセグメントを除去し、補償ステップは組織中の高調波損失を補償し、平均ステップはより頑丈な比評価装置を提供する。
最終的なステップは平面内の走査線を横切って高調波比を空間的に平滑することができる。
臨床試験から集められたデータはモデルを確認するために使用されており、より多くの尿がより多くの高調波を生じる。図19は、一つの人間のデータセットからの各走査線上の高調波比対膀胱寸法の関係を示している。各青色点は膀胱を通る走査線に対応する高調波比を示している。明白に、膀胱の寸法と、対応する高調波比との線形関係が存在する。データを赤線により示されている線形モデルに適合すると、2.726dB/cmの勾配を有する。この結果は理論的な値によく一致する。線形モデルとy軸との交差はこの画像のベースライン、即ち膀胱が提示されていない高調波比であることができる。これは図19の図によれば−34dBである。
先の膀胱検出方法はBモード画像からの勾配情報のみに焦点をしぼっている。ここで他の箇所で説明されているように、超音波画像中の欠陥は難点を生じる。高調波情報は周波数ドメインからの追加の特徴を提供し、組合せは応用の正確性を改良する。
1実施形態は高調波特性をBモード画像特性と組み合わせることを含んでいる。このような方法は1神経回路網[図20]により5×5の事前訓練を含むことができ、入力として異なる特性と出力として単一の勾配[0−1]を有する。各走査線に対しては、初期壁が勾配情報に基づいて評価された後、対応する特性が計算され、このネットワークからの勾配値は現在の線が膀胱線である可能性の高さを示している。
勾配が低いならば、現在の線が組織線である可能性が高いことを意味する。初期壁は誤っているか、壁が全く存在しない可能性がある。
勾配が高いならば、現在の線が膀胱線である可能性が高いことを意味する。初期壁は正しい可能性がある。
神経回路網はロジスティック関数[ロジスティック(x)=1.0/(exp(−x))]で指数関数計算を必要とする可能性がある。DSP処理では、1実施形態は高速度の構成を与えるために検索表を使用する。
訓練されたネットワークは以下の構造であることができる。
Figure 2010514524
1実施形態は膀胱検出のために高調波情報(壁における勾配)を使用できる。高調波情報を使用する目標は液体体積の測定の正確性を改良し、ユーザが膀胱領域をより速く位置決定することを助けることである。目標は膀胱領域の区分化の正確性に直接関連される。高調波情報により、各走査線上の区分化(膀胱壁の検出)が有効であるか否かをチェックできる。神経回路網からの勾配は初期膀胱壁を固定するためより頑強な情報を提供する。
基本的な考えは勾配値を使用することであり、それによって、
非常に小さい勾配を有する膀胱を除去し、
最も近い有効な初期膀胱壁対を使用して大きい勾配を有する新しい膀胱を付加する。
1実施形態では、全ての線がしきい値よりも高い勾配を有する領域Gが規定される。さらに、固定された壁からのカットに基づいている領域Wが規定される。
領域Gと領域Wに対して、解決する5つの異なるケースが存在することができる。即ち、
(1)GとWはオーバーラップしない(空のGまたは空のWを含む):
アクション: 両者を除去
G |----------|
W |----------|
(2)W内のG:
アクション: GにはないW中の壁を除去
G |-------------------|
W |------------------------------|
(3)G内のW:
アクション: G中にあるW外の壁を付加
G |------------------------------|
W |-------------------|
(4)GとWは部分的にオーバーラップされている:
アクション: GにはないW中の壁を除去し、Gに存在するWの外の壁を付加する
G |-----------------|
W |-------------------|
(5)GとWは正確に同じである:
アクション: なし
G |-----------------|
W |-----------------|
誤った区分化線を除去することは容易である。しかし、新しい線を付加することは難しい。1実施形態は現在の線上のゼロではない初期壁と、その近傍からのゼロではない固定された壁の平均を決定する。
膀胱検出のタスクは子宮の存在によって女性の患者にはさらに困難である。通常、子宮は膀胱領域に隣接し、Bモード画像では非常に類似のパターンを有する。
最終的なセグメントから子宮領域を除外することが随意選択的に有効である。それ故、計算された体積は膀胱内の実際の尿である。従来、子宮の検出方法は体積を使用する壁検出後に区分化全体をアドレスしている。換言すると、区分化が膀胱または子宮であることを決定しようと試みる。しかしながら、区分化は膀胱と子宮の両者を含んでいるので、時には結果を改良することはそれ程容易ではない。1実施形態では区分化のどの部分が膀胱に属し、区分化のどの部分が子宮であるかを決定することができる。これは特に膀胱が小さい寸法であるとき、困難なタスクである。
子宮は膀胱の横に位置されることができ、これは膀胱の下に位置されることもできる。第1のケースでは、ここで前述した方法は膀胱を通過する走査線からのみ子宮を通過する走査線を分類するために使用されることができる。しかしながらこのような方法は第2の問題を解決することができない可能性がある。走査線が膀胱領域と子宮領域の両者を通って伝播するとき。さらに線上のいずれの部分が膀胱に属するかを発見するための処理が行われなければならない。
1実施形態は以下の観察に基づいている。走査が女性の患者で行われるならば、子宮と膀胱領域との間に境界が存在するはずであり、両者の領域が走査線上に現れるならば、子宮は常に膀胱の下である。Bモードの画像では、両領域を通過する各走査線において、小さいうねが存在する。うねの位置が決定されることができるならば、1実施形態は2つの構造を区別することができる。
この手順の1実施形態の詳細な設計を図21に示す。
再度図8を参照すると、ステップ2で人間のオペレータにおいて、1実施形態はCモード形状表示と呼ばれる機能を行う。この機能の目標は膀胱または他の構造の位置及び寸法情報を現在の走査で示すことであり、それに基づいてユーザは走査方向及び角度を調節することができる。形状は全ての走査線上の区分化に基づいて生成される。
Cモード画像の定義はトランスデューサの面に平行な平面であることができる。図22に示されているように、1実施形態は膀胱領域の投影をユーザに提供する。したがって、情報はトランスデューサ表面に平行な単一の平面からのものだけではない。このようにして、これは擬似Cモード画像と呼ばれることができる。1実施形態では、画像は非膀胱領域と膀胱領域を含めて二進である。(補間された形状としても知られる)膀胱領域は全ての平面上の最左および最右のカットから発生されることができる(カット:膀胱領域の有効な区分化)。
最終的なCモードのビュー形状を生成するための1実施形態によるアルゴリズムは図23に示されている。
1)全ての平面上のセグメント化に基づくカット
このステップでは、セグメント化に基づいて最左及び最右のカットを抽出する。
2)セグメント化結果の一貫性をチェックする。
理論的に膀胱走査中の膀胱は単一の接続された3D体積である。種々の理由(その1つはセグメント化アルゴリズムが膀胱壁を盲目的に平面毎に検索する)により、2以上の3D領域が存在する可能性があり、対応する膀胱の壁もセグメント化結果中に記憶される。このステップはCモードビューにはただ1つの接続された領域が存在することを保証するために位相の一貫性のチェックを行うことができる。
3)全ての有効なカットの質量中心を計算する。それぞれの有効なカットの対応する半径及び角度を再度計算する。その後、半径を平滑にする。
各有効なカットについてガウス座標を計算し質量中心を得る。この質量中心に基づいて、非常に有効なカットの対応する半径及び角度を計算する。昇順で新しい角度を分類する。同時に対応する半径を整列する。最終的な補間された形状を平滑にするために、1実施形態では予め限定された近傍における前述の結果から半径を平均する。
4)平滑にされたカット間の線形補間が行われる。
5)補間された形状の壁を出力する。
1実施形態では、補間された形状を表すために使用される最終的な出力は2つのアレイ中に記憶され、そのサイズは250である。最終的なディスプレイの寸法は2Dマトリックス上で250×250である。2つのアレイは上壁と下壁の位置を各列(カラム)にそれぞれ記憶する。
この明細書の他の箇所で説明したように、補間された形状の擬似Cモードを紹介した。有効な応用は最良の走査位置と角度を発見するためのガイドをユーザに提供することである。このタスクは目標設定と呼ばれることができる。
基本的に、目標はセグメント化結果に基づいており、Cモード形状の機能として類似である。1実施形態では2種類の目標情報即ちプローブ上の矢印と中間形状が存在する。
1)矢印のフィードバック
スキャナ上に追加の表示パネルを使用して、1実施形態はフル走査後に矢印のフィードバックも行う。矢印のフィードバックはCモードビュー形状に基づくことができる。図24に示されているように4つの異なる矢印のフィードバックが存在することができる。
8つの矢印が使用されることができる。使用される矢印はCモードビューの補間された形状の質量中心の位置により決定される。超音波コーン中心と質量中心との間のベクトルに基づいて、対応する角度は−180度から+180度の範囲で計算されることができる。[−180,+180]範囲は8つの部分に分割され、各部分は各矢印に対応する。
図25は矢印のフィードバック表示の規則を示している。
2)恥骨の検出
正確な目標フィードバック情報を提供するため、恥骨により生じる影も考慮すべきである。超音波画像では、恥骨に関連される特徴だけが大きく深い影である。影が体積の計算において関心のある膀胱領域から遠いならば、この情報を使用する必要はない。しかしながら影が膀胱領域に対して非常に近いならば、または膀胱が恥骨により生じる影内に部分的にあるならば、対応する体積決定には非常に影響する。膀胱の壁が影のために不完全であるならば、膀胱の体積を過小評価する。
それ故、ユーザに恥骨情報が与えられるならば、良好な走査位置が選択されることができ、より正確な液体体積測定が行われることができる。
1実施形態は背部の特別な影に基づいた恥骨検出を行う以下の方法を含んでいる。
−各平面において有効な膀胱壁を有する最左および最道の位置、即ちWLとWRを抽出する。現在の平面上に膀胱壁が存在しないか、または壁の幅が非常に小さいならば、終了し、そうでなければ継続する。
−平均的な前壁幅の深さave_FWを計算する。
−全体的な画像に基づいてKI_しきい値を決定する。
−ave_FW+検索_範囲よりも高い影を検索するWL−>0から、N以上の陰影線が1行に存在するならば、影位置WL_Sを記録する。
−ave_FW+検索_範囲よりも高い影を検索するWR−>n走査線から、N以上の陰影線が1行中に存在するならば、影位置WR_Sを記録する。
−1平面上で、膀胱領域の1面上の恥骨を有することだけが可能である。影の開始位置は恥骨の最も可能性のある位置を選択するために使用される。
−全ての有効な陰影情報を組み合わせて、表示する恥骨の位置を生成する。
前述の手順では、1つのファクタはBモード画像に基づいてKI_しきい値を決定することである。1実施形態は画像処理の自動化されたしきい値技術、キトラー&イリングワースしきい値方法を使用する。Kittler., J.とIllingworth, J.、1986年、最小誤差しきい値、パターン認識19、41−47頁参照のこと。
1つの例では、恥骨は膀胱領域からはなれているので、影は体積測定に影響しない。第2のケースでは、恥骨が膀胱領域を部分的にブロックするので影響は強い。フィードバックスクリーン上の恥骨像(図示せず)を使用して、オペレータは新しい走査位置が選択されなければならないときまたはそれが選択されてはならないときを認識するように訓練される。
3)中間形状
図8を参照すると、ステップ1.6はCモード形状を示している。このステップと最終的なCモード形状との違いはこのステップが先の平面からの勾配情報を使用し、フル走査期間中に現在の走査状態のオペレータに対する瞬間的な応答を与えるだけであることである。
第1のステップは現在の平面上のカットを発見するために勾配値を使用することである。
・各平面において、先のステップからの全ての線のn本の走査線勾配が存在する。
・ピーク値および対応する線インデックスを発見する。
・特別な平滑化。
・各平面上のカット、即ち予め特定されたしきい値よりも大きい勾配値を有する最左及び最右線のインデックスを発見する(デフォルトしきい値は0.5である)。例示的なデータセットの全ての線の勾配の1例が図26に表示されている。
第2のステップは仮想の塗装板を生成し、線を現在の平面上のカットと先の平面からのカットとの間に描写することである。図27では例示的なデータセット上に一連の中間Cモード形状が示されている。形状はそれぞれ平面2、4、6、8、10、12が集められた後に生成された。
反射雑音制御
1実施形態で検出された前壁および後影に基づいて膀胱体積を計算する前に、強力な反射雑音による誤った区分化をなくすために別の追加ステップが行われることができる。
勾配情報は可能な限り完全に膀胱線を発見する助けを行う点で、1実施形態は従来の方法よりも優れた利点を有する。従来の方法では、膀胱壁検出は強力な反射雑音が存在するとき早期に停止する。
しかしながら、前述の改良さえも反射雑音による幾つかの線上の誤った区分化を固定することが依然として可能ではない。それ故、1実施形態は影形状情報を使用して膀胱上の小さいウェッジを除去するための以下の方法を含んでいる。
− 各平面に対して、
○ 各線に対して、
□ 現在線上にfwが存在するならば、現在のfwよりも浅いfw有効_FW_変化を有している最も近いfwを左上で検索し、現在のfwよりも浅いfw有効_FW_変化を有している最も近いfwを右上で検索する。検索が両側で成功したならば、現在の位置に新しいfwを生成するように発見されたfwの対を使用する。
□ 現在線上にbwが存在するならば、現在のbwよりも浅いbw有効_BW_変化を有している最も近いfwを左上で検索し、現在のbwよりも浅いbw有効_BW_変化を有している最も近いbwを右上で検索する。検索が両面で成功したならば、現在の位置に新しいbwを生成するように発見されたbwの対を使用する。
○ 各線に対して、
− 各平面に対して、
1実施形態は隣接する膀胱壁形状を使用する補間方法を含んでいる。膀胱形状が2つのパラメータ(有効_FW変化と有効 _BW_変化)を規定することにより前壁または後壁上に大きい凸部を有する場合について既に考慮した。
体積測定
図28を参照すると、1実施形態では、膀胱の体積を計算するために以下の情報が使用されることができる。
○ φとθの球面座標、
○ 軸的な前壁および後壁位置、
○ 軸方向分解能。
ブロードサイド走査線(φ=0)を除く各走査線では、球面ウェッジ形状が規定され、物理的な走査線はウェッジの中心を通過している。球面ウェッジは前壁により上部で、後壁により下部で、現在の走査線球面角度と次の最も近い球面角度の平均によって面で限定される(図28の左側画像)。
ブロードサイド走査線では、裁頭円錐台が使用される(図28の右側画像)。
特定の実施形態をサブ構造に対して最適な信号対雑音比を示す超音波高調波数周波数に基づいてカラーコード化された超音波画像を提示するための特定の実施形態を示し説明しているが、多くの変更が本発明の技術的範囲を逸脱せずに行われることができる。例えば超音波以外の撮像応用での高調波の使用が行われることができる。さらに、尿内容に適用される評価がここでは全体を通して強調されているが、本発明の実施形態は羊水及び血液のような他の身体の流体の解析にも適用される。例えば妊娠女性の羊水の体積は少なくとも本発明の1実施形態を使用して測定されることができる。妊娠していない女性の子宮内に時により存在する血液は妊娠女性の羊水または女性の膀胱内の尿のどちらの場合でもそれらの程度に高いゴールドバーグ数はもたないので、妊娠していない女性の子宮は本発明の少なくとも1実施形態を使用して膀胱から弁別されることができる。このようにして、例えば充血した臍の緒の血液は本発明の少なくとも1実施形態を使用して羊水から弁別されることができる。したがって、本発明の実施形態の技術的範囲は特別な実施形態の説明により限定されなく、本発明の実施形態は特許請求の範囲を参照して全体的に決定されるべきである。

Claims (27)

  1. 少なくとも第1の周波数を有し、問題領域(ROI)中の身体構造を通って伝播する少なくとも1つの超音波パルスを患者のROI中へ送信するように構成されている少なくとも1つのトランスデューサと、
    パルスに対応し、第1の周波数と第1の周波数の倍数の少なくとも1つの高調波を有する少なくとも1つのエコー信号を受信するように構成されている少なくとも1つの受信機と、
    少なくとも1つの高調波から、身体構造の少なくとも1つの境界を自動的に決定するように構成されているプロセッサを具備しているシステム。
  2. 身体構造は膀胱を含んでいる請求項1記載のシステム。
  3. 身体構造は心臓を含んでいる請求項1記載のシステム。
  4. 前記少なくとも1つのトランスデューサはさらに多数の走査面を通して多数の超音波パルスを送信するように構成されており、
    身体構造の少なくとも1つの境界は多数のパルスに対応しているエコー信号から決定される請求項1記載のシステム。
  5. プロセッサはさらに少なくとも1つの高調波から身体構造内の流体量を自動的に決定するように構成されている請求項1記載のシステム。
  6. 少なくとも1つの境界の決定には少なくとも1つのエコー信号と関連されるゴールドバーグ数の決定が含まれている請求項1記載のシステム。
  7. プロセッサは神経回路網を具備している請求項1記載のシステム。
  8. 少なくとも第1の周波数を有し、問題領域(ROI)の身体構造中を伝播する少なくとも1つの超音波パルスをROIへ送信するように構成されている少なくとも1つのトランスデューサと、
    パルスに対応し、第1の周波数と第1の周波数の倍数の少なくとも1つの高調波を有する少なくとも1つのエコー信号を受信するように構成されている少なくとも1つの受信機と、
    少なくとも1つの高調波から、身体構造内の流体量を自動的に決定するように構成されているプロセッサを具備しているシステム。
  9. 身体構造は膀胱を含んでいる請求項8記載のシステム。
  10. 流体は尿を含んでいる請求項8記載のシステム。
  11. プロセッサはさらに少なくとも1つの高調波から、身体構造の少なくとも1つの境界を自動的に決定するように構成されている請求項8記載のシステム。
  12. 少なくとも1つのトランスデューサはさらに多数の超音波パルスを多数の走査平面を通して送信するように構成されており、
    流体量は多数のパルスに対応するエコー信号から決定される請求項8記載のシステム。
  13. 主体の第1の表面位置に対して音響的に結合されて配置されている基本超音波周波数を放射する超音波トランシーバから伝送される超音波エネルギに対して問題領域を露出し、
    問題領域に位置されている構造から超音波トランシーバにより超音波エコーを集収し、
    超音波エコー内の複数の高調波周波数を識別し、
    複数の高調波周波数から高調波を選択し、
    選択された高調波周波数を使用して問題領域内の構造を検出し、
    選択された高調波周波数の信号の強度に比例してディスプレイ上に構造のカラーコード画像を表示し、
    主体の第1の表面位置に関して問題領域に関する構造の位置情報を決定するステップを含んでいる主体内の問題領域の超音波撮像方法。
  14. 問題領域の露出は、選択された高調波周波数を使用して構造から決定された位置情報から問題領域に関してトランシーバを再配置し、構造を基本周波数に再度露出させることを含んでいる請求項13記載の方法。
  15. 位置情報はディスプレイおよびトランシーバと通信する信号中のマイクロプロセッサ装置により動作されるコンピュータが読取り可能な媒体により実行されるアルゴリズムから決定される請求項14記載の方法。
  16. 構造の位置情報は、問題領域を基本周波数に再度露出するようにトランシーバを再配置するため主体の第2の表面位置へユーザを誘導するようにトランシーバに関連される方向インジケータに伝送される請求項15記載の方法。
  17. 複数の高調波周波数の識別は第2高調波周波数と第3高調波周波数を含んでいる請求項13記載の方法。
  18. 高調波周波数の選択は、異なるエコーの性質及び超音波エネルギ減衰特性を有する構造内の構造コンポーネントから生じる第2高調波周波数と第3高調波周波数の信号対雑音比の決定を含んでいる請求項17記載の方法。
  19. 信号対雑音比はエコーの性質および非エコー源性構造コンポーネントにより示される信号対雑音比を含んでいる請求項18記載の方法。
  20. カラーコード画像の表示は、エコーの性質および非エコー性質構造コンポーネントを規定する画素のカラー割当てを含んでいる請求項19記載の方法。
  21. 主体内の問題領域の超音波撮像システムにおいて、
    基本周波数を有する超音波パルスを送信し、問題領域内の構造から戻る超音波エコーを捕捉するように構成されている超音波トランシーバと、
    トランシーバと通信する信号のマイクロプロセッサ装置と、
    マイクロプロセッサおよびトランシーバと通信する信号のディスプレイと、
    構造を検出してディスプレイ上のカラーコード画像で構造を表示するのに適した超音波高調波周波数を検出し、解析し、選択するように構成されたアルゴリズムを有するコンピュータが読取り可能な媒体とを有しているシステム。
  22. アルゴリズムは構造のエコー性質および非エコー性質構造コンポーネントを規定する画像画素へカラー陰影を割当てるように構成されているサブアルゴリズムを含んでいる請求項21記載のシステム。
  23. 少なくとも1つのトランスデューサによって、少なくとも第1の周波数を有し、患者の問題領域(ROI)中の身体構造を伝播する少なくとも1つの超音波パルスをROIへ送信し、
    少なくとも1つの受信機によって、パルスに対応し、第1の周波数と第1の周波数の少なくとも1つの高調波を有する少なくとも1つのエコー信号を受信し、
    少なくとも1つの高調波から、身体構造の少なくとも1つの境界と身体構造内の流体量を自動的に決定するステップを含んでいる方法。
  24. 身体構造は膀胱を含んでいる請求項23記載の方法。
  25. 身体構造は尿を含んでいる請求項23記載の方法。
  26. プロセッサはさらに少なくとも1つの高調波から、身体構造の少なくとも1つの境界を自動的に決定するように構成されている請求項23記載のシステム。
  27. 少なくとも1つのトランスデューサはさらに多数の超音波パルスを多数の走査平面を通して送信するように構成されており、
    境界および流体量は多数のパルスに対応するエコー信号から決定される請求項23記載のシステム。
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