JP2010512862A - 視覚対象に対する心理的反応を評価する方法 - Google Patents

視覚対象に対する心理的反応を評価する方法 Download PDF

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Abstract

視覚表示の視覚的特徴への被験者の反応を評価する方法であって、
(a)第1期間の間に、被験者に対して、特別な視覚的特徴を有する視覚表示を提示するステップと、
(b)第1期間の間に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間の間に、被験者に対して、基準の表示素材を提示するステップと、
(d)第2期間の間に、被験者の基準の脳活動を判定するステップと、
(e)第1期間の間に、被験者の眼の少なくとも一方の視覚表示上での凝視位置を追尾するステップと、
(f)被験者の凝視先が、特別な特徴に向けられているときに、ステップ(b)と(d)の間で判定された脳の活動における差を判定することにより、視覚表示の特別な視覚的特徴への被験者の反応を評価するステップを含む方法。

Description

製品デザインと包装をより魅力的なものにすることと同様に、視覚表示、ウェブサイト、印刷された広告のような種々のタイプの有効性を高めるとう商業的に重要な課題がある。現在、眼の動きに関する技術は、テキストレイアウト、印刷された広告、製品デザイン、およびウェブサイトレイアウトに対する個人の心理学反応を評価するために使用される方法の1つである。眼の動きに関する技術は、どこを凝視しているか、または視覚的な注目はどこに向けられているかについては示してくれるが、凝視している方向に関連する心理的反応については何も示してはくれない。
本発明は、脳活動と眼の位置を組み合わせて、視覚的画像または製品の特別な要素への視覚的な注目に関連しての心理的反応を示す方法を開示する。これは、広告業者、製造業者、ウェブサイト開発者、および建築家に修正の機会を与え、それにより、テキスト、広告板、製品、ビルディング、またはウェブサイトのような視覚素材を改善することを可能にする。以下に続く説明では、これらをまとめて「視覚対象」と称する。
脳活動と眼の凝視位置は、被験者が、テキストのページ、広告板、対象物のような任意の視覚表示や、自動車、香水の瓶、ビルディング、またはビルディングの一部のような製品を見ているときに同時に測定できる。画像は、対象物、ビデオモニタ上の表示、または「仮想現実」の表示を含む。「仮想現実」の用語は、上記のすべてを網羅するものとする。
特別な視覚的画像に関連する脳活動と凝視位置を判定するために、個々の被験者の脳活動は、凝視位置が、画像の特別な部分の近傍にあるときは、時間のすべての点において平均される。各被験者に対して、これは画像の特別な部分に関連する平均の脳活動測定値のセットを生成する。画像の所与の部分に対する脳活動は、すべての被験者または被験者のサブグループ全体に対して平均される。画像または製品の適切な有効性は、画像がどの程度まで所望の感情または認識状態を誘発するかに依存する。
より具体的には、本発明は、視覚表示の視覚的特徴への被験者の反応を評価する方法を提供し、本方法は、
(a)第1期間の間に、被験者に対して、特別な視覚的特徴を有する視覚表示を提示するステップと、
(b)第1期間の間に、被験者の脳活動を判定するステップと、
(c)第2期間の間に、被験者に対して、基準の表示素材を提示するステップと、
(d)第2期間の間に、被験者の基準の脳活動を判定するステップと、
(e)第1期間の間に、被験者の眼の少なくとも一方の視覚表示上での凝視位置を追尾するステップと、
(f)被験者の凝視先が、特別な特徴に向けられているときに、ステップ(b)と(d)の間で判定された脳の活動における差を判定することにより、視覚表示の特別な視覚的特徴への被験者の反応を評価するステップを含む。
本発明はまた、視覚表示の視覚的特徴への被験者の反応を評価するシステムを提供し、本システムは、
(a)前記視覚的特徴を被験者に表示する表示手段と、
(b)被験者の所定の頭皮部位における被験者の脳活動を判定する手段と、
(c)前記表示手段上の、被験者の凝視位置を判定する凝視追尾手段と、
(d)被験者の凝視位置が、選択された視覚的特徴上へいつ向けられたかを検出する検出手段と、
(e)検出手段が、被験者の凝視位置が選択された視覚的特徴のそれぞれの上に向けられたことを検出したときに、各選択された視覚的特徴に対する脳活動の平均値を計算する平均化手段を含む。
画像が広告板または印刷された広告を構成する場合は、重要な心理的尺度は、注目度のレベル、感情反応の強度、および重要なメッセージが長期記憶にどの程度まで符号化されたかである。
画像が、家具や、自動車、または部屋の概観のような対象または製品を構成する場合は、重要な心理学尺度は、共感度(engagement)、注目度、願望度、感情強度、および引き付け度(attraction)である。
共感度(Engagement)
画像または画像の要素がどの程度まで被験者を共感させたかは、被験者がその画像または画像の一部を見ている間の、前頭葉前部部位における重み付き平均の脳活動により与えられる。共感度(engagement)のレベルを示す脳活動測定値は、下記の式で与えられる。
共感度(Engagement)=(b1*電極F3における脳活動+b2*電極Fp1における脳活動+b3*電極F4における脳活動+b4*電極Fp2における脳活動)、
ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4 式1
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
共感度(Engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動)、
ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4 式2
である。
適切な他の心理的尺度とその脳活動の指標には次のものがある。
視覚注目度
画像または画像の一部に関連する視覚注目度は、左および右後頭部記録部位の脳活動の増大により示される。脳の記録部位を分類するInternational 10−20システムにおいては、上記に言及した場所は、O1およびO2近傍に対応する。脳のより深い部分での活動が、BESA、EMSE、またはLORETAのような逆写像技術を、電気的または磁気的記録またはSSVEPまたはSSVERのいずれかと提携して使用することで評価される場合は、左大脳皮質における適切な位置は、左および右後頭葉近傍である。
願望度
特に、製品の画像または画像の一部に関連する願望度は、初期期間における左および右頭頂部記録部位における脳活動の増大により示される。脳の記録部位を分類するInternational 10−20システムにおいては、上記に言及した場所は、P3およびP4近傍に対応する。脳のより深い部分での活動が、BESA、EMSE、またはLORETAのような逆写像技術を、電気的または磁気的記録またはSSVEPまたはSSVERのいずれかと提携して使用することで評価される場合は、左大脳皮質における適切な位置は、右頭頂内近傍である。
感情強度
画像または製品、または画像または製品の要素に関連する感情強度は、初期期間中に、右頭頂側頭部位、好ましくは、右大脳半球O2、F4、およびT6からほぼ等距離における脳活動の増大により示される。逆写像技術が使用される場合は、右大脳皮質における適切な位置は、右頭頂側頭接合部の近傍である。
長期記憶
テキストまたは画像の種々の部分がどの程度首尾よく長期記憶に格納または符号化されたかは、初期期間中の、T5とT6近傍における左および右側頭部位と、C4、F4、およびF8から等距離の右前頭部位と、C3、F3、およびF7から等距離の左前頭部位における脳活動の増大により示される。逆写像技術が使用される場合は、適切な位置は、ブロートマン(Brodman)領野20近傍の左および右側頭葉、およびブロートマン(Brodman)領野6、44、45、46、および47近傍の左および右前頭皮質である。
引き付け度(Attraction)/反発度(Repulsion)
個人がどの程度まで、製品画像の種々の部分に引き付けれたか、または反発したかは、左前頭/前頭葉前部および右前頭/前頭葉前部部位における脳活動の差により与えられる。引き付け度(Attraction)は、右と比較して、左大脳半球におけるより大きな脳活動により示され、反発度(Repulsion)は、左と比較して、右大脳半球におけるより大きな脳活動により示される。
引き付け度(Attraction)=(a1*電極F3において記録された脳活動+a2*電極Fp1において記録された脳活動−a3*電極F4において記録された脳活動−a4*電極Fp2において記録された脳活動)、
ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0 式3
引き付け度(Attraction)の測定値が正の場合は、参加者が、キャラクタまたは個人が魅力的で好感が持てると感じていることに関連し、一方、負の測定値は、反発(repulsion)または嫌悪に関連している。
逆写像技術が使用されると、適切な式は、
引き付け度(Attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)における脳活動+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)における脳活動)、
ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1 式4
である。
凝視位置の測定
原理が公共の領域にある多数の技術が、凝視位置を測定するために利用できる。本発明の方法においての使用で最も適切なものは、Corvallis,OR 97339 USAの、Natural Point Inc,で製造された「TrackIR」のような市場で入手可能なシステムを利用している。これは、被験者が身に付けるヘルメット上に搭載された赤外線カメラを備える。視覚表示の近くの赤外線標識に結合された赤外線カメラにより、頭の位置を判定できる。眼の眼窩内の眼の位置は、赤外線眼球記録法(Reutens et al. 1988A and 1988B 「動的瞳孔反射の刺激と記録」(Stimulation and Recording of Dynamic Pupillary Reflex):「IRIS技術パート1およびパート2 医療および生体工学および計算法」(the IRIS Technique Part 1 and Part 2 Medical and Biological Engineering and Computing),26:20−32)により測定できる。Skalar Iris Limbus Trackerのような眼の位置を測定する商業用システムは、Cambridge Research Systems Ltd., 80 Riverside Estate,Sir Thomas Longley Road,Rochester,Kent ME2 4BH Englandから入手可能である。赤外線眼球記録法は、赤外線発光ダイオードと、フォトトランジスタを、SSVEPバイザに組み込むことができるので、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の使用に最適である。カメラから導出された頭の位置に関する情報と、赤外線眼球記録法からの眼の位置を組み合わせれば、凝視位置を判定できる。TrackIR頭位置システムと組み合わせて赤外線眼球記録法システムを使用することにより、凝視位置を、0.25度の精度で、40ミリ秒毎に更新が可能である。
脳活動の測定
脳活動の測定に対しては多くの方法が利用できる。それらの方法が所有しなければならない主要な機能は、十分な時間分解能または脳活動における急速な変化を追尾する能力である。自発的な脳の電気的活動、または脳電図(EEG)、または定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))である連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の電気的活動は、十分な時間分解能で、脳活動における変化を測定するために使用できる脳の電気的活動の2例である。等価なものとして、自発的な磁気的な脳活動、または脳磁図(MEG)と、連続的な視覚フリッカにより誘発される脳の磁気的活動である、定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))がある。
脳電図と脳磁図(EEGとMEG)
EEGとMEGは、頭皮表面またはその近傍において記録された、自発的な脳の電気的および磁気的活動の記録である。脳活動は、下記のEEGまたはMEG成分から評価できる。
1.ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動
これは一般的には、35Hzと80Hzの間の周波数を含むEEGまたはMEG活動として定義される。ガンマ活動の高められたレベルは、脳活動の高められたレベルに関連しており、特に認識に関連している(Fitzgibbon SP,Pope KJ,Mackenzie L,Clark CR,Willoughby JO. 認知作業拡大ガンマEEGパワー(Cognitive tasks augment gamma EEG power),Clin Neurophysiol.2004:115:1802−1809)。
頭皮EEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、適切な頭皮記録部位は、上記の一覧表示のようになる。上記の一覧表示された特別な脳部位におけるEEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、LORETAのような逆写像技術を好ましくは使用する(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する新しい方法」(Low Resolution Electromagnetic Tomography:A New Method for Localizing Electrical Activity in the Brain) Int J Psychophysiol 18:49−65)。
上記に一覧表示した特別な脳部位でのMEGガンマ活動が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of Magnetoencephalographic Data Using Minimum Current Estimates)Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and Nonlinear Current Density Reconstructions).J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
2.EEGまたはMEGアルファ活動の周波数
脳活動はまた、アルファ周波数範囲(8.0Hz−13.0Hz)における進行中のEEGまたはMEGの周波数における変化によっても示される。増大する周波数は、増大する活動を示している。周波数は、高い時間分解能で評価する必要がある。「瞬間的周波数」を測定するために使用できる2つの技術は、複合変調(Walter D,「複合変調の方法」(The method of Complex Demodulation),Electroencephalog.Clin.Neurophysiol,1968 Suppl 27:53−7)と、「ヒルベルト変換の使用」(the use of the Hilbert Transform)(Leon Cohen,「時間周波数解析」(”Time−frequency analysis”),Prentice−Hall,1995)である。増大する脳活動は、アルファ周波数範囲におけるEEGの瞬間周波数の増加により示される。
頭皮EEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用される場合は、適切な頭皮記録部位は、上記に一覧表示してある。上記に一覧表示した特別な脳部位でのEEGアルファ活動の周波数が、脳活動の指標として使用される場合は、LORETAのような逆写像技術を好ましくは使用する(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low Resolution Electromagnetic Tomography:A New Method for Localizing Electrical Activity in the Brain)Int J Psychophysiol 18:49−65)。
上記に一覧表示した特別な脳部位におけるMEGアルファ活動の周波数が脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムが、MEG逆写像技術と提携して使用されなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of Magnetoencephalographic Data Using Minimum Current Estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and Nonlinear Current Density Reconstructions).J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
3.脳活動の指標としてのSSVEPまたはSSVER位相
脳活動はまた、定常状態視覚誘発電位(Steady State Visually Evoked Potential(SSVEP))または定常状態視覚誘発反応(Steady State Visually Evoked Response(SSVER))の位相により示すこともできる。
米国特許第4,955,938号、第5,331,969号、および第6,792,304号(その内容は、本明細書に参考文献として組み込んである)は、被験者から、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を得るための技術を開示している。この技術は、定常状態視覚誘発反応(SSVER)を得るためにも使用できる。これらの特許は、SSVEPとSSVER位相と、それに対する変化を迅速に得るための、フーリエ解析の使用を開示している。
本発明を、添付された図面を参照することにより、ここで更に説明をする。
図1は、被験者またはプレーヤの、ビデオスクリーン3とラウドスピーカ2で提示されたコンピュータゲームに対する反応を判定するためのシステム50を図示している。本システムは、ハードウェアの種々の部分を制御し、下記に説明するように、被験者7の脳活動から導出された信号に対して計算を行うコンピュータ1を含む。コンピュータ1はまた、スクリーン3上で、および/またはラウドスピーカ2を介して、被験者7に提示できるコンピュータゲームを提示する。
テスト対象の被験者または複数の被験者7には、被験者7の頭皮上の種々の部位から、脳の電気的活動を得るための複数の電極を含むヘッドセット5が取り付けられる。 本システムは、好ましくは、上記に言及したTrackIR頭位置追尾システムである、頭追尾システム12と、頭搭載カメラ11と、カメラ11をコンピュータ1に接続するケーブルと、コンピュータ1上で起動するソフトウェアを含む。
図3は、頭追尾システム12の動作を、より詳細に図示している。本システムは、赤外線放射の少なくとも2本のビーム30と32を生成する赤外線光基準源14を含む。ビームはお互いに関して所定の方向に向けられ、一般的には被験者7に向けられる。頭搭載カメラ11は、被験者の頭の向きに依存して2本のビームの成分を受け入れ、この情報から、供給されたソフトウェアは、スクリーン3に対しての頭の位置を計算できる。カメラ11からの出力は、コンピュータ1に結合され、ソフトウェアは、カメラ11からのビデオ出力を、所定のサンプリング率、例えば、1秒当り20回サンプリングして、スクリーン3に対しての被験者の頭の位置の十分な時間分解能を提供するように構成されている。
SSVERが使用される場合は、ヘッドセット5内の記録電極は使用されず、9 Burbidge Street Coquitlam、BC、CanadaのVSM MedTech Ltdにより製造されたCTF MEG Systemのような商業用MEG記録システムをその代わりに使用できる。ヘッドセットは、図2に示されるように、半銀鏡8と、白色発光ダイオード(LED)アレイ9を含むバイザ4を含む。
半銀鏡はLEDアレイ9からの光を、被験者7の眼に向けるように構成されている。
システム50はまた、被験者の左または右眼の位置を追尾して、頭位置追尾システムからの出力と組み合わされたこの情報が、スクリーン3の中心に対して、被験者7の凝視の位置を正確に判定するために使用できるようにするために使用される眼球記録法または眼追尾システム21を含む。眼追尾システム21は、上記に言及したIris Limbus Trackerであってよい。簡単に述べれば、眼追尾システム21は、赤外線センサアセンブリ20と信号処理回路22を含む。赤外線センサアセンブリ20は、図1と2に模式的に示されているように、被験者7の眼に隣接しているヘッドセット5上に搭載されている。図4は、センサアセンブリ20の詳細をより詳しく示している。被験者7の眼23の上方に搭載された赤外線LED16と、眼23の下方に位置して赤外線を感知するフォトトランジスタ17が含まれることが分かる。LED16は、赤外線ビームを角膜19の側端と、強膜18の境界線に向かわせ、フォトトランジスタもまた、この領域からの反射赤外線光を検出するように配置されている。フォトトランジスタ17は、入力信号を、コンピュータ1に対するインタフェースとして機能する信号処理回路22に供給するように結合されている。
時間の関数としての凝視位置は、TrackIRシステム12と眼追尾システム21から供給される頭位置情報から計算される。凝視位置の測定値は、視覚表示の評価の前に各被験者7に対して較正される。これは、十字または小円のような小さな目標をスクリーン3上に5箇所に連続して表示することにより行う。これらは、スクリーンの中心と、スクリーンの4本の対角線上、つまり、左上、右上、左下、および右下にある。それぞれの場合、目標は各位置に1から5秒間、好ましくは1秒間位置する。このシーケンスを2回繰り返す。第1例では、被験者は最初に、目標を眼で追いかけるときに、まっすぐ正面を見て、頭を動かさないように指示される。第2シーケンスの間に、被験者は、頭を動かし、眼は動かさないようにして目標を追いかけるように要求される。
これらの測定値の2セットがあれば、頭位置および眼球記録法システムの出力から凝視位置を計算することは簡単な作業である。
凝視位置は、頭位置および眼球記録法システム21から入手できる適切な球面極座標を合計することにより決定される。これは、下記の式により与えられる。
Figure 2010512862
好適なシステム50においては、LEDアレイ9は、そこからの光強度が、制御回路6の制御のもとで、シヌソイド的に変化するように制御される。制御回路6は、シヌソイド信号を生成する波形生成器を含む。SSVERが使用される場合は、LEDアレイからの光は、ファイバー光学システムを介してバイザに運ばれる。回路6はまた、増幅器と、フィルタと、アナログ/デジタル変換器と、種々の電極信号をコンピュータ1に結合するためのUSBインタフェース、またはTCPインタフェースまたは、他のデジタルインタフェースを含む。
半透明スクリーン10は、各LEDアレイ9の前に位置している。スクリーン上には不透明パターンが印刷されている。不透明度は、スクリーンの中心の中心にある円形領域において最大である。円形領域から離れるに従って、不透明度は、円形領域円周からの半径方向の距離に沿って、滑らかに減衰し、好ましくは、不透明度は、式7により説明されたガウス関数として減衰する。スクリーンは、中心視野におけるフリッカを減少して、視覚的に提示された素材の明確な像を被験者に与える。中心の不透明円のサイズは、垂直および水平に、1度から4度の間の中心視野における視覚的フリッカを遮蔽するようなサイズである。
r<Rならば、P=1
r>=Rならば、Pは、下記の式7により与えられる。
Figure 2010512862
ここでPは半透明スクリーン上のパターンの不透明度である。P=1.0の不透明度は、スクリーンを透過する光がまったくないことに対応し、P=0の不透明度は、完全な透明に対応する。
Rは、中心不透明ディスクの半径であり、rは、不透明ディスクの中心からの半径方向の距離である。Gは、半径方向の距離に沿う、不透明度の減衰率を決定するパラメータである。典型的に、Gは、R/4と2Rの間の値を有する。図5は、ディスクの中心からの半径方向の距離に沿う不透明度の減衰を示している。図5において、R=1、G=2Rである。不透明度の、半径に沿うガウス型減衰が好ましいが、滑らかで、r=Rとr>3Gでゼロの勾配を有する関数であれば、いずれでも適切である。
コンピュータ1は、ヘッドセット5の各電極またはMEGセンサからのSSVEPまたはSSVER振幅および位相を計算するソフトウェアを含む。
SSVEPおよびSSVERを生成するために必要なハードウェアとソフトウェアの詳細はよく知られているので、詳細に説明する必要はない。この点に関しては、上述のSSVEP計算のためのハードウェアと技術の詳細を開示している米国特許の明細書を参照されたい。簡単に説明すれば、被験者7は、連続的な背景フリッカを周辺視野に与えるバイザ4を介してビデオスクリーン3を見る。背景フリッカの周波数は、典型的には、13Hzであるが、3Hzと50Hzの間で選択できる。複数のフリッカを同時に提示することもできる。周波数の数は、1から5の間で変えることができる。脳の電気的活動は、信号をフィルタ処理して増幅し、回路6でデジタル化し、その後、信号は格納と解析のためにコンピュータ1に転送されるような特殊化電子ハードウェアを使用して記録される。
SSVEPを使用するときは、脳の電気的活動は、ヘッドセット5における複数の電極、またはElectro−cap(ECI Inc., Eaton,Ohio USA)のような市場で入手可能な別の複数電極システムを使用して記録される。SSVERを使用するときは、VSM MedTech Ltdにより製造されたCTF MEG Systemのような、商用MEG記録システムを使用できる。電極または磁気記録部位の数は、通常は8以上で、128以下であり、典型的には16から32の間である。
各電極における脳の電気的活動は、信号調整システムと制御回路6に伝えられる。回路6は、複数ステージ固定ゲイン増幅、バンドパスフィルタ処理、および各チャネルに対するサンプリング保持回路を含む。増幅/フィルタ処理された脳活動は、300Hz以上の率で、16−24ビットの精度でデジタル化され、ハードディスク上に格納するためにコンピュータ1に転送される。各脳の電気的サンプリングのタイミングは、視聴覚素材の異なる成分のプレゼンテーション時とともに、10マイクロ秒の精度で登録されて格納される。市場で入手可能な、等価のMEG記録システムは同じ機能を果たす。
SSVEPとSSVER振幅および位相
デジタル化された脳の電気的活動(脳電図またはEEG)と、脳の磁気的活動(MEG)は共に、刺激ゼロクロッシングのタイミングで、特別な刺激周波数におけるフリッカにより誘発されたSSVEPまたはSSVERを、記録されたEEGまたはMEGから、または、人工産物を除去し、信号対雑音比を高めるために独立成分解析(ICA)を使用して前処理されたEEGまたはMEGデータから計算することを可能にする。[Bell A.J.and Sejnowski T.J.1995,「ブラインド分離およびブラインドデコンボルーションへの情報最大化アプローチ」(An information maximisation approach to blind separation and blind deconvolution),Neural Computation,7,6,1129−1159;T−P.Jung,S.Makeig,M.Westerfield,J.Townsend,E.Courchesne and T.J.Sejnowskik,「単一試行事象関連電位の独立成分解析」(Independent component analysis of single−trial event−related potential) Human Brain Mapping,14(3):168−85,2001]
所与の刺激周波数の各刺激サイクルに対するSSVEPまたはSSVER振幅と位相の計算。式8と9を使用し、下記にフーリエ技術を使用して達成される計算を下記に示す。
Figure 2010512862
SSVEPフーリエ成分の計算で、ここでanとbnはそれぞれ、余弦および正弦フーリエ係数である。nはn番目の刺激サイクルを示し、Sは、1刺激サイクル当りの試料数(典型的には16)であり、Δτは、試料間の時間間隔であり、Tは、1サイクルの周期であり、f(nT+iΔτ)は、EEGまたはMEG信号(未処理、またはICAを使用して前処理済)である。
Figure 2010512862
ここで、AnとBnは、下記の式10を使用して計算された、重複平滑化フーリエ係数である。
Figure 2010512862
振幅と位相成分は、単サイクルフーリエ係数(anとbn)または、複数のサイクルに渡って平滑化することにより計算された係数(AnとBn)のいずれかを使用して計算できる。
式9と10は、一人の被験者に対して、平滑化SSVEPまたはSSVER係数を計算するための手順を示している。まとめられたデータに対して、所与の電極に対するSSVEPまたはSSVER係数(AnとBn)は、被験者全員に対して、または選択された被験者のグループに対して平均化される。
平滑化において使用されるサイクル数が増大するにつれ、信号対雑音比は増大するが、時間分解能は減少する。平滑化に使用されるサイクル数は、典型的には5より大きく、130より小さい。
上記の式は、頭蓋骨とより深い部位に接する皮質表面において推測される脳の電気的活動と同様に、頭皮SSVEPデータに適用される。眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような脳のより深い部位における活動は、EMSE(Source Signal Imaging,Inc,2323 Broadway,Suite 102,San Diego,CA 92102,USA)およびLORETA(Pascual−Marqui,Michel C,Lehmann D (1994):「低分解能電磁断層撮影法:脳における電気的活動を局在化する方法」(Low Resolution Electromagnetic Tomography:A New Method for Localizing Electrical Activity in the Brain),Int J Psychophysiol 18:49−65)のような多数の利用できる逆写像技術を使用して決定できる。上記に一覧表示された特別な脳部位におけるSSVER振幅または位相の変化が、脳活動の指標として使用される場合は、複検出器MEG記録システムを、MEG逆写像技術と連係して使用しなければならない(Uutela K,Ha・・ma・・la・・inen M,Somersalo E(1999):「最小電流推定値を使用する磁気脳電測定データの視覚化」(Visualization of Magnetoencephalographic Data Using Minimum Current Estimates),Neuroimage 10:173−180 and Fuchs M,Wagner M,Kohler T,Wischmann HA(1999):「線形および非線形電流密度再構成」(Linear and Nonlinear Current Density Reconstructions),J Clin Neurophysiol 16:267−295参照)。
1人または2人以上の被験者が評価対象の画像を見ている間に、視覚フリッカはバイザ4内でスイッチが投入され、脳の電気的活動がコンピュータ1上に連続的に記録される。
図6は、本発明の方法で使用されるステップの典型的なシーケンスを示す、簡略化されたフローチャートである。フローチャートは、本発明の方法により評価される視覚表示を顧客が選択する初期ステップ70を含む。初期ステップの後、ステップ72は、評価対象の視覚表示の特別な視覚的特徴F1、F2、...Fnの、顧客による選択を示している。本方法は、ステップ74に移行して、視覚的特徴F1、F2、...Fnの境界が判定され、これらは好ましくは、そのデータがスクリーン3の中心である曲面極座標で表現される。本方法は、この後、第1質問ボックス76に移行して、頭追尾システム12と眼追尾システム21により判定された被験者の凝視が、視覚的特徴F1の座標境界内にあるかどうかが判定される。境界内になければ、本方法は、第2質問ボックス78に移行して、視覚的特徴F2などの境界に関して類似の質問が判定され、これが、最終質問ボックス80が、凝視は視覚的特徴Fnの境界内にあると判定するまで続けられる。それでも境界内にないと判定されると、シーケンスは図示のように、第1質問ボックスに戻る。
凝視位置が視覚的特徴F1の境界内にあれば、コンピュータ1内のソフトウェアは、ステップ82により示されるように、脳活動における基準レベルからの差を判定する。この結果は、移動平均ステップ88で累積され、表示シーケンスの終了時において、ステップ94は視覚的特徴F1の平均脳活動のグラフィック表示を示す。
同様に、被験者の凝視位置が、第2質問ボックス78により判定されたように、視覚的特徴F2の境界内にあると判定されたときは、ソフトウェアは、ステップ84において脳活動の差を、ステップ90において移動平均を判定して、ステップ96におい表示を生成する。同様に、凝視位置が、質問ボックス80で判定されたように、視覚的特徴Fnの境界内にあると判定されたときは、ソフトウェアは、脳活動における基準からの差をステップ86で、移動平均をステップ92で判定して、ステップ98でグラフィック表示を生成する。
ステップ82、84、および86は、上述したように、感情的反応、注目度、長期記憶符号化、共感度(engagement)、願望度、および好感度のような異なる心理的反応を測定できるように、異なる頭皮部位から判定できるということは理解されよう。種々の心理的反応は、例示を明確にするために別々には示されていない。しかし、必要であれば、それらを平均して図により表示することもできる。
更に、脳活動は、上述したように、種々の方法で判定でき、種々の方法には、
ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動、
EEGまたはMEGアルファ活動の周波数、または
SSVEPまたはSSVER振幅および位相測定
が含まれる。
脳活動が、SSVEPまたはSSVERを測定することにより判定されるときは、振幅と位相は、好ましくは、記録段階の最後に各被験者に対して、別々に計算される。すべての記録がいったん完了すると、テスト対象上の特別な凝視位置に関連するグループ平均データが、テスト対象上の異なる凝視位置に対して、グループに含むべき被験者(男性、女性、若年者、老年者)からの平滑化SSVEPまたはSSVER振幅および位相データを平均することにより計算される。そして、テスト対象上の所定の凝視位置に関連する別々のグループ平均が計算される。

各被験者7を、ビデオモニタの前に着席させ、ヘッドセット5を被験者の頭の上に取り付ける。そしてバイザ4は、スクリーン10による中心窩のブロックが、視覚的対象が提示されるスクリーン3上にフリッカが現れることを防止するような位置に設置されて調整される。その後、頭追尾システム12と眼追尾システム21は上述した手順に従って初期化される。被験者をまとめて平均的反応を作成するときは、データが平均に含められる対象となる被験者の数は、好ましくは、16人以上とすべきである。
視覚的対象は、スクリーン上に異なる時間間隔だけ現れる。印刷およびアウトドア表示素材は、テキスト量に応じて、5から300秒間提示でき、一方、製品およびパッケージは、静止画像として、またはプラットフォーム上を回転して、10から180秒間提示できる。ビルディング、ビルディングに内部、およびアウトドア構造のような建築に関する対象は、静止画像または動画シーケンスとして見ることができ、視聴者は、人工現実に類似した空間内の道を移動する。
典型的な研究においては、1つまたは2つ以上の視覚対象がシーケンスで被験者に提示される。300秒以下の間続く、視覚対象の各シーケンスの直後に30秒間の基準時間があり、その間は、場面の静止画像のシーケンスおよび音楽伴奏がある。典型的には、60画像が30秒間の間に提示され、各画像は0.5秒間提示された。画像と音楽の同じシーケンスが視覚対象の各シーケンスの後に提示された。隣接する場面画像の間の脳活動は、視覚対象を進行中の脳活動に対する基準レベルとして使用される。これにより、記録期間中の時間経過に起因して起こりえる脳活動におけるいかなる長期変化も除去できる。
テスト対象についての特別な凝視位置に関連する種々の脳部位においてまとめられた、または平均されたデータは、クライアントに、基準レベルと、参加者が視覚対象上の特別な位置を見ているときの値との差として提示することができる。0.2から0.6ラジアンの間の、好ましくは0.3ラジアンの固定オフセットが上記の差に加えられて、各頭皮部位におけるSSVEP位相データが生成される。
図7は、本発明の方法に従ってテストされる視覚対象を示している。この場合は、視覚対象は、本体102と、ラベル104と、ネック106、およびストッパ108を有する香水瓶100である。本研究の目的は、瓶の魅力度のレベルを判定し、瓶のどの部分が、他の部分よりも好ましく見てもらえたかを知るためであった。この場合は、香水瓶100は、評価対象として2つの視覚的特徴を有するように選択されている。第1視覚的特徴は、瓶の上部であり、ネック106とストッパ108を含む。オペレータは、これらの視覚的特徴の境界110を、PowerPoint(Microsoft Corporation,One Microsoft Way,Rdmond,WA 98052,USA)またはCorelDraw(Corel Corporation,1600 Carling Avenue,Ottawa,Ontario K1Z 8R7,Canada)のような標準ソフトウェアパッケージを使用して決定し、これらはコンピュータ1のメモリに格納された。そして対象画像の第2の部分が評価対象として選択された。この場合は、それは瓶の本体102であり、境界は、境界線112により示されているように決定された。境界線112の座標は、以前と同様に、コンピュータ1のメモリに入力された。
表示シーケンスが被験者7に対して提示され、上述した手順に従って脳活動が測定されて記録され、結果は、下記に説明するようにプロットされた。
図8は、ネック106とストッパ108を含む、瓶の上部に対する脳活動を示している。図8から、全体的な注目度(美的判断に関連する)、共感度(engagement)、および願望度が相対的に高いレベルであることが分かる。
図9は、瓶の本体102に関連する脳活動をグラフで示している。図9は、全体的な注目度と願望度のレベルが高いことを示していることが分かる。
この例においては、クライアントには、デザインは目標の視聴者には魅力的であり、瓶の本体は特に魅力的であるというアドバイスが与えられる。この瓶の特別なデザインに対するいかなる変更も、既に魅力的であり、望ましいと考えられている領域は避けるべきである。
この技術に精通した者には、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、多数の変形が可能であることは明白であろう。
図1は、本発明のシステムの模式図である。 図2は、赤外線ダイオードおよび赤外線トランジスタの位置を含む、視覚フリッカ刺激を被験者に提示する方法をより詳細に示した模式図である。 図3は、TrackIR頭追尾システムの動作の模式図である。 図4は、赤外線眼球記録法システムの赤外線ダイオードおよび赤外線トランジスタの位置の模式図である。 図5は、本発明のシステムにおいて使用される、スクリーンの半径の関数としての不透明度を図で表現したものである。 図6は、本発明の方法による、視覚表示の特徴が評価される典型的な方法を示すフローチャートである。 図7は、香水瓶の形状の視覚対象の例を示している。 図8は、視覚対象の部分に対する心理学反応レベルを示すグラフである。 図9は、視覚対象の部分に対する心理学反応レベルを示すグラフである。

Claims (30)

  1. 視覚表示の視覚的特徴への被験者の反応を評価する方法であって、
    (a)第1期間の間に、被験者に対して、特別な視覚的特徴を有する視覚表示を提示するステップと、
    (b)第1期間の間に、被験者の脳活動を判定するステップと、
    (c)第2期間の間に、被験者に対して、基準の表示素材を提示するステップと、
    (d)第2期間の間に、被験者の基準の脳活動を判定するステップと、
    (e)第1期間の間に、被験者の眼の少なくとも一方の視覚表示上での凝視位置を追尾するステップと、
    (f)被験者の凝視先が、特別な特徴に向けられているときに、ステップ(b)と(d)の間で判定された脳の活動における差を判定することにより、視覚表示の特別な視覚的特徴への被験者の反応を評価するステップを含む方法。
  2. 視覚表示は、印刷された広告素材、テキストレイアウト、製品デザイン、パッケージングウェブサイト、ビルディングの内部または外部である請求項1に記載の方法。
  3. 視覚表示は、ビデオスクリーン上に表示される請求項2に記載の方法。
  4. 視覚表示の視覚的特徴を選択し、選択された視覚的特徴がビデオスクリーン上で位置している領域を判定するステップを含み、ステップ(e)は、被験者の凝視位置が、ビデオスクリーン上の選択された視覚的特徴のそれぞれの領域にいつ向けられるかを判定する請求項3に記載の方法。
  5. ステップ(f)で判定された脳活動における差は、各選択された視覚的特徴に対して平均される請求項4に記載の方法。
  6. ステップ(a)からステップ(e)は、複数の被験者に対して行われ、ステップ(f)は、被験者の脳活動における差を平均するステップを含む請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
  7. ステップ(b)と(d)は、ガンマまたは高周波数EEGまたはMEG活動を判定することにより行われる請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  8. ステップ(b)と(d)は、周波数範囲8から13HzにおけるEEGまたはMEG活動を検出することにより行われる請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  9. ステップ(b)と(d)は、被験者または複数の被験者から得られたEEG信号における定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の位相の評価、または被験者または複数の被験者から得られたMEG信号における定常状態視覚誘発反応(SSVER)の評価により行われる請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
  10. ステップ(a)とステップ(c)は、
    視覚的特徴の詳細への視覚注目度、
    視覚的特徴に関連する感情強度、
    視覚的特徴に関連する長期記憶符号化、
    視覚的特徴の共感度(engagement)、
    視覚的特徴に関連する引き付け度(attraction)、
    視覚的特徴に関連する願望度、および/または
    視覚的特徴に関連する好感度
    の評価を可能にする出力EEG信号を得るために、電極を頭皮部位に設置するステップを含む請求項1から9のいずれか1つに記載の方法。
  11. シヌソイド的に変化する視覚フリッカ刺激を、ステップ(a)および(c)中に各被験者に加えて、フーリエ係数を前記出力信号から計算することを可能にし、それにより、前記SSVEP振幅および/または位相差の計算を可能にするステップを含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記SSVEP振幅および位相は、式
    Figure 2010512862
    で計算され、ここで、anとbnは、式
    Figure 2010512862
    で計算される余弦および正弦フーリエ係数であり、ここにおいて、
    nとbnは、それぞれ余弦および正弦フーリエ係数、
    nは、n番目のフリッカ刺激サイクルを示し、
    Sはフリッカ刺激サイクル当たりの試料数、
    Δτは、試料間の時間間隔、
    Tは、1サイクルの周期、
    f(nT+iΔτ)は、前記所定頭皮部位から得られたEEG信号(未処理またはICAを使用して前処理済)であり、AnとBnは、式
    Figure 2010512862
    を使用して計算された重複平滑化フーリエ係数である請求項11に記載の方法。
  13. 各被験者の複数の頭皮部位からのEEG信号を得るステップと、
    BESA、EMSA、またはLORETAのような逆写像技術を利用して、眼窩前頭皮質または腹内側皮質のような、各被験者の脳のより深い部位における活動を表現する修正EEG信号を生成するステップを含む請求項12に記載の方法。
  14. 被験者の選択されたグループに対してフーリエ係数AnとBnを平均し、前記被験者のグループに対するSSVEP振幅とSSVEP位相差を計算するステップを含む請求項12または13に記載の方法。
  15. フリッカ信号は、各被験者の周辺視野にのみ加えられる請求項11から14のいずれか1つに記載の方法。
  16. フリッカ信号を、それぞれが不透明領域を含む第1および第2スクリーンを介して、各被験者の眼に向けて導くステップと、スクリーンを、前記不透明領域が前記フリッカ信号が各被験者の各眼の中心窩に当ることを防止するように、各被験者の相対位置に置くステップを含む請求項15に記載の方法。
  17. 各スクリーンの不透明度は、各被験者の各網膜に当るフリッカ信号の強度が、中心視野から周辺視野へ向けて値が減少するように、その不透明領域からの距離の関数として減少する請求項16に記載の方法。
  18. 各スクリーンに、その不透明度を画定するためにマスキングパターンを適用するステップと、パターンを、各被験者の周辺視野に当るフリッカ信号の部分を画定する不透明領域とその周辺領域に隣接して、不透明度における変化に対してゼロまたは低勾配を提供するマスキングパターン関数に従って加えるステップを含む請求項17に記載の方法。
  19. 各スクリーンの不透明領域は円形であり、マスキングパターン関数は、スクリーンの不透明度Pが、式
    Figure 2010512862
    により定義されるように、ガウス関数であるように選択され、ここにおいて
    rは不透明領域の中心からの半径方向距離、
    Gは、半径方向距離に関する不透明度の降下率を決定するパラメータであり、
    r<RのときP=1である請求項18に記載の方法。
  20. Gは、R/4と2/Rの範囲の値を有する請求項19に記載の方法。
  21. 1部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、選択された視覚的特徴の詳細に対する、各被験者の視覚注目度を示す請求項12に記載の方法。
  22. 逆写像を利用するステップは、ブロートマン(Brodman)領野17近傍の左大脳皮質における脳活動を判定し、それにより修正された出力信号は、選択された視覚的特徴の詳細に対する、各被験者の視覚注目度を示す請求項13に記載の方法。
  23. 部位O2、P4、およびT6からほぼ等距離にある部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップを含み、それにより出力信号は、選択された視覚的特徴に関連する各被験者の感情強度を示す請求項12に記載の方法。
  24. 逆写像を利用するステップは、右頭頂側頭接合部近傍の右大脳皮質における脳活動を判定し、それにより出力信号は、選択された視覚的特徴に関連する各被験者の感情強度を示す請求項13に記載の方法。
  25. 3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極からのEEG信号から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
    引き付け度(attraction)=(a1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+a2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み−a3*電極F4におけるSSVEP位相の進み−a4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
    ここにおいて、a1=a2=a3=a4=1.0
    を使用して、引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、選択された視覚的特徴に対する各被験者の引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項12に記載の方法。
  26. 逆写像を利用するステップは、
    ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
    ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
    ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
    ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質における脳活動を判定し、式
    引き付け度(attraction)=(c1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+c3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+c4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
    ここにおいて、c1=1、c2=1、c3=1、c4=1
    を使用して引き付け度−反発度(attraction−repulsion)に対する値を計算し、それにより、前記値は、選択された視覚的特徴対する各被験者の引き付け度(attraction)または反発度(repulsion)を示す請求項13に記載の方法。
  27. 3、F4、Fp1、およびFp2部位において、各被験者の頭皮に電極を取り付けるステップと、前記電極から、SSVEP振幅と位相差を計算するステップと、式
    共感度(engagement)=(b1*電極F3におけるSSVEP位相の進み+b2*電極Fp1におけるSSVEP位相の進み+b3*電極F4におけるSSVEP位相の進み+b4*電極Fp2におけるSSVEP位相の進み)、
    ここにおいて、b1=0.1、b2=0.4、b3=0.1、b4=0.4
    を使用して、前記部位における重み付き平均SSVEP位相の進みにより、広告の特徴における共感度(engagement)に対する値を計算するステップを含み、それにより、前記値は、選択された視覚的特徴における各被験者の共感度(engagement)を示す請求項12に記載の方法。
  28. 逆写像を利用するステップは、
    ブロートマン(Brodman)領野11近傍の右眼窩前頭皮質、
    ブロートマン(Brodman)領野9近傍の右側背前頭葉前部皮質、
    ブロートマン(Brodman)領野11近傍の左眼窩前頭皮質、および
    ブロートマン(Brodman)領野9近傍の左側背前頭葉前部皮質における脳活動を判定し、
    前記電極からの前記修正されたEEG信号からSSVEP振幅と位相差を計算し、式
    共感度(engagement)=(d1*右眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d2*右側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍)+d3*左眼窩前頭皮質(ブロートマン(Brodman)領野11近傍)+d4*左側背前頭葉前部皮質(ブロートマン(Brodman)領野9近傍))、
    ここにおいて、d1=0.1、d2=0.4、d3=0.1、d4=0.4
    を使用して共感度(engagement)に対する値を計算し、それにより、前記値は、選択された視覚的特徴における各被験者の共感度(engagement)を示す請求項13に記載の方法。
  29. ステップ(e)は、
    ステップ(a)と(c)の脳の活動を判定するための電極をその中に有するヘッドセットを被験者または複数の被験者に取り付けることと、
    眼の位置信号を生成するために、彼または彼女のヘッドセットに対する各被験者の眼の動きを追尾することと、
    頭の位置信号を生成するために、ビデオスクリーンに対する各被験者の頭の動きを追尾することと、
    ビデオスクリーン上の基準点に対する各被験者の凝視位置を判定するために、前記眼の位置信号と頭の位置信号を組み合わせることを含む請求項3から28のいずれか1つに記載の方法。
  30. 視覚表示の視覚的特徴への被験者の反応を評価するシステムであって、
    (a)前記視覚的特徴を被験者に表示する表示手段と、
    (b)被験者の所定の頭皮部位における被験者の脳活動を判定する手段と、
    (c)前記表示手段上の、被験者の凝視位置を判定する凝視追尾手段と、
    (d)被験者の凝視位置が、選択された視覚的特徴上へいつ向けられたかを検出する検出手段と、
    (e)検出手段が、被験者の凝視位置が選択された視覚的特徴のそれぞれの上に向けられたことを検出したときに、各選択された視覚的特徴に対する脳活動の平均値を計算する平均化手段を含むシステム。
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