JP2010512350A - ホスホマイシンの肺投与により細菌感染を伴う嚢胞性線維症または肺炎を処置するための方法 - Google Patents

ホスホマイシンの肺投与により細菌感染を伴う嚢胞性線維症または肺炎を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、有効量のホスホマイシンを唯一の活性医薬成分として、肺投与により投与することにより、被験体における細菌感染および/または細菌の気道コロニー形成を処置するための方法を提供する。本発明の方法は、あらゆるタイプの細菌性肺炎および/または気道コロニー形成、細菌感染による嚢胞性線維症ならびに/または細菌性の肺および/または気道コロニー形成を処置する際に有用である。

Description

本発明は、被験体に有効量のホスホマイシンを肺投与により投与することによる、嚢胞性線維症または肺炎または気道での細菌のコロニー形成を有する被験体における細菌感染を、処置するための方法を提供する。
本発明の背景
ホスホマイシンは、例えば、合併症を伴わない尿路感染のための単回治療として承認されてきた広範囲の抗生物質である。ホスホマイシンとは、一般名[(2R,3S)-3-メチルオキシラン-2-イル]ホスホン酸である化合物に対応する国際一般名称(INN)であって、該化合物は下記一般式を有する。
Figure 2010512350
ホスホマイシンは、1970年にストレプトマイセス(Streptomyces)種から単離され、グラム陰性およびグラム陽性細菌の両方に対して殺菌活性を有する。
ホスホマイシンは、エノールピルベートトランスフェラーゼ(MurA)を不可逆的に阻害するストレプトマイセスにより産生されるホスホエノールピルベートアナログであって、これはペプチドグリカン細胞壁の主要素であるN−アセチルムラミン酸の形成を阻害する。
ホスホマイシントロメタミン/トロメタモールおよびホスホマイシンカルシウムは、通常、水溶性粉末として経口投与される。ホスホマイシン二ナトリウム塩は、様々な感染について静脈および筋肉注射により投与されてきた。
アミノグリコシド、例えばTOBIまたはトブラマイシンは、嚢胞性線維症に罹患する被験体における感染を処置する際に有用であると考えられてきた。米国特許第5,840,702号を参照されたい。しかし、TOBIなどの抗生物質による複数回処置により、これらの抗生物質に対する細菌耐性株となる。WO 2005/110022では、気道内感染の処置、例えば嚢胞性線維症および肺炎と関連のある感染に対するホスホマイシンおよびトブラマイシンを含むエアロゾル製剤が開示される。
(本発明の要約)
トブラマイシンは、感染の初期段階において頻繁に使用される抗生物質である。しかし、広い範囲にわたるトブラマイシン耐性をもたらし、そのためトブラマイシンへの耐性を回避するために異なる作用メカニズムを有する新規抗生物質が必要とされる。ホスホマイシンの吸入は、ホスホマイシンの全身投与により被験体を処置するよりも、肺における感染にとって、より有効な処置である。即ち、吸入はより有効な処置様式である。ホスホマイシンの局所投与により、全身的副作用のリスクはさらに減少される。
一つの態様において、本発明は、被験体に有効量のホスホマイシンを肺投与により投与することを含む、それが必要な被験体における細菌感染または細菌の気道コロニー形成を処置するための方法に関する。本発明の方法は、ホスホマイシン投与に関連する全身性有害作用および/またはホスホマイシン関連性臓器毒性を最小にすると同時に、肺疾患(細菌感染および/または肺コロニー形成を伴う肺炎または嚢胞性線維症を包含するが、これらに限定しない)に罹患している被験体における、細菌感染および/または細菌の気道コロニー形成を処置する際に特に有用である。ホスホマイシンは、単独または1以上のさらなる抗生物質と組み合わせて投与されてもよい。例えばトブラマイシン等のアミノグリコシドは、一般的ではあるが本発明には有用ではない。好ましくは、ホスホマイシンが、本発明において投与される唯一の抗生物質である。
本発明の別の態様は、その必要のある被験体における細菌感染または細菌気道コロニー形成を処置するために、局所肺投与のための医薬物製造におけるホスホマイシンの使用に関する。肺投与によるホスホマイシンは、ホスホマイシンの全身投与と関連のある、全身性有害作用および/またはホスホマイシン関連性臓器毒性を最小にすると同時に、肺症状(細菌性肺炎、細菌感染ならびに/または細菌性の肺および/または気道のコロニー形成を伴う嚢胞性線維症を包含するが、これらに限定しない)に罹患している被験体において細菌感染または細菌の気道コロニー形成を処置する際に特に有用である。該医薬組成物は、ホスホマイシン単独で製造されてもよいし、また1以上のさらなる抗生物質を包含してもよい。
本発明の詳細な説明
ホスホマイシン
本発明は、被験体、好ましくは哺乳類、より好ましくは成人および子供の両方を含めたヒトへ、該被験体における細菌感染を処置するために、有効量にてホスホマイシンを肺投与により投与することに関する。肺投与による有効量のホスホマイシンの投与は、気道および/または肺の、細菌感染および/または細菌コロニー形成を伴う肺炎または嚢胞性線維症に罹患している被験体における細菌感染を処置する際に特に有用である。
本発明における使用のためのホスホマイシンは、例えば、様々な販売供給元をつうじて入手できる。本出願のホスホマイシンは、ホスホマイシントロメタミン、ホスホマイシンカルシウム塩、ホスホノマイシンおよびホスホマイシン二ナトリウム塩を含めることを意味する。
医薬適用
本発明の目的のために、細菌感染を「処置する」ことには、静菌ならびに殺菌活性を包含することを意味しており、これには細菌のさらなる成長を阻止すること、被験体の肺および/または気道に感染している細菌を殺傷すること、ならびに/または被験体の肺および/または気道における細菌による感染を防止、阻害および/または阻止することを包含するが、これらに限定するものではない。
有効量のホスホマイシンの肺投与による投与は、次に限定しないが細菌感染を伴う肺炎および嚢胞性線維症ならびに/または気道および/または肺実質のコロニー形成を含めた症状を患う兆候の緩和および/または該症状を有する被験体を処置する際に特に有用である。
疾患の範囲は、次の肺症状および/または肺炎を包含し、これには気管支炎、嚢胞性線維症、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、閉塞性細気管支炎(BOOP)、あらゆる症例の肺炎(市中肺炎、院内肺炎および人工呼吸器関連肺炎(VAP)を包含するが、これらに限定しない)などを包含する。本発明の好ましい実施形態において、肺症状とは、嚢胞性線維症およびあらゆる症例の肺炎(市中肺炎、院内肺炎および人工呼吸器関連肺炎(VAP)を包含するが、これに限定しない)でありうる。
感染は、例えば細菌による感染であり得る。例えば、後記群から選択された1以上の細菌による感染である;Achromobacter xylosoxidans、Acinetobacter calcoaceticus、好ましくはA. anitratus、A. haemolyticus、A. alcaligenes、および A. lwoffii、Actinomyces israelii、Aeromonas hydrophilia、Alcaligenes species、好ましくはA. faecalis、A. odorans および A. denitrificans、Arizona hinshawii、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacteroides fragilis、Bacteroides melaninogenicus、Bordetella pertussis、Borrelia burgdorferi、Borrelia recurrentis、Brucella species、好ましくはB. abortus、B. suis、B. melitensis and B. canis、Calymmatobacterium granulomatis、Campylobacter fetus ssp. intestinalis、Campylobacter fetus ssp. jejuni、Chlamydia species、好ましくはC. psittaci and C. trachomatis、Chromobacterium violaceum、Citrobacter species、好ましくはC. freundii and C. diversus、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Clostridium difficile、Clostridium tetani、Corynebacterium diphtheriae、Corynebacterium、好ましくはC. ulcerans、C. haemolyticum and C. pseudotuberculosis、Coxiella burnetii、Edwardsiella tarda、Eikenella corrodens、Enterobacter、好ましくはE. cloacae、E. aerogenes、E. hafniae (また、Hafnia alveiともよばれる) および E. agglomerans、Erysipelothrix rhusiopathiae、Escherichia coli、Flavobacterium meningosepticum、Francisella tularensis、Fusobacterium nucleatum、Gardnerella vaginalis、Haemophilus ducreyi、Haemophilus influenzae、Helicobacter species、Klebsiella species、好ましくはK. pneumoniae、K. ozaenae og K. rhinoscleromatis、Legionella species、Leptospira interrogans、Listeria monocytogenes、Moraxella species、好ましくはM. lacunata and M. osloensis、Mycoplasma species、好ましくはM. pneumoniae、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Pasterurella haemolytica、Pasteurella multocida、Peptococcus magnus、Plesiomonas shigelloides、Pneumococci、Proteus species、好ましくはP. mirabilis、P. vulgaris、P. rettgeri and P. morganii (また、Providencia rettgeri および Morganella morganii とも各々よばれる)、Providencia species、好ましくはP. alcalifaciens、P. stuartii および P. rettgeri (また、Proteus rettgeriとも呼ばれる)、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas mallei、Pseudomonas pseudomallei、Rickettsia、Rochalimaia henselae、Salmonella species、好ましくはS. enteridis、S. typhi および S. derby、および最も好ましくはSalmonella DT104型のSalmonella species、Serratia species、好ましくはS. marcescens、Shigella dysenteriae、S. flexneri、S. boydii および S. sonnei、Spirillum minor、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophyticus、Streptobacillus moniliformis、Streptococcus、好ましくはS. faecalis、S. faecium and S. durans、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、Treponema carateum、Treponeam pallidum、Treponema pertenue、好ましくはT. pallidum、Ureaplasma urealyticum、Vibrio cholerae、Vibrio parahaemolyticus、Yersinia enterocoliticaおよびYersinia pestis。
投与
肺投与の方法には、液体としてホスホマイシンが溶解されている生理学的に許容し得る組成物を用いて、噴霧、洗浄、吸入、通水(flash)または点滴があげられるが、これらに限定するものではない。本明細書で使用した場合、用語「気管内、気管支内または肺胞内投与」には、かかる投与の全ての形態がふくまれ、ホスホマイシンは、該気管、気管支また肺胞へと各々、安定化剤または他の賦形剤を加えるかまたは加えずに、ホスホマイシンの溶液の点滴注入によるか、粉末形態でホスホマイシンを適用するか、またはエアロゾル用あるいは噴霧用の溶液または懸濁液または吸入用の粉末またはゲルとしてホスホマイシンの吸入により、気道の要部に送達することにより適用される。
本発明に従ったホスホマイシンの肺投与により、ホスホマイシン投与と関連した全身性有害作用が最小になると期待される。
気管支内/肺胞投与方法には、洗浄液として生理学的に許容し得る組成物を用いる当業者にはよく知られた方法である気管支肺胞洗浄(BAL)を包含するが、これに限定するものではない。該組成物中のホスホマイシンは、溶解されているか、また実際には、賦形剤を含むかまたは含まずに乾燥形態にてホスホマイシンを含む噴霧用粉末の使用、または気管支鏡検査中に溶液または懸濁液または粉末形態にあるスホマイシンの直接適用を含めた、気管支投与のあらゆる有効な形態である。気管内投与のための方法には、溶解されたホスホマイシンと類似の溶液を用いるブラインド気管洗浄(blind tracheal washing)、またはこの目的に適切なあらゆる噴霧装置の使用によって得られる溶解されたホスホマイシンを含有する噴霧用液滴の吸入が包含されるが、これらに限定されない。
一実施形態において、気管内、気管支内または肺胞内投与および/または末梢気道(例えば細気管支)への投与は、該生成物の吸入を必ずしも含む必要はないが、気管や下気道中へのホスホマイシン溶液またはホスホマイシン含有粉末の点滴注入または適用を包含する。
気管支内/肺胞投与方法には、洗浄液として生理学的に許容し得る組成物を用いる当業者にはよく知られた方法の気管支肺胞洗浄(BAL)を包含するが、これらに限定するものではない。該組成物中のホスホマイシンは、溶解されているか、また実際には、賦形剤を含むかまたは含まずに、乾燥形態にてホスホマイシンを含む吸入用粉末の使用、または気管支鏡検査中に溶液または懸濁液または粉末形態にあるホスホマイシンの直接適用を含めた、気管支内投与のあらゆる他の有効な形態である。気管支内投与のための方法は、溶解されたホスホマイシンと類似の溶液またはホスホマイシン懸濁液を用いるブラインド気管洗浄、またはこの目的に十分なあらゆる噴霧装置の使用によって得られる溶解されたホスホマイシンまたはホスホマイシン懸濁液を含有する噴霧用液滴の吸入が包含されるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、気管内、気管支内または肺胞内投与は、該生成物の吸入を包含しないが、気管または下気道中へ、ホスホマイシン溶液またはホスホマイシンを含有する粉末またはゲルの点滴注入または適用を包含する。
ホスホマイシン、ホスホマイシンの機能的ホモログおよび/または誘導体を含む溶液についての好ましい濃度は、ml溶液あたり0.1μg〜10000μg活性成分の範囲で存在する。適切な濃度は、0.1μg〜5000μg/ml溶液の範囲であることが多く、例えば、約0.1μg〜3000μg/ml溶液の範囲、特に約0.1μg〜1000μg/ml溶液の範囲、例えば約0.1μg〜250μg/ml溶液である。好ましい濃度は、ml溶液あたり、約0.1〜約5.0mg、好ましくは約0.3mg〜約3.0mg、例えば約0.5〜約1.5mg、特に0.8〜1.0 mgの範囲である。
投与の他の好ましい方法は、下記の装置の使用を包含し得る:
1. 圧縮した空気/酸素混合物を用いる加圧式ネブライザー、例えばジェットネブライザー
2. 超音波ネブライザー
3. 電子マイクロポンプネブライザー(例えば、Aeroneb Professional Nebulizer)
4. 定量噴霧式吸入器(MDI)
5. 乾燥粉末吸入システム(DPI)。
エアロゾルは、人工呼吸器(装置1、2および3)期間に、a)フェイスマスクによるか、またはb)挿管された被験体において気管内麻酔チューブにより送達され得る。装置4および5も、被験体が自発的に噴霧装置を使用できるという条件で、補助なしで被験体により使用できる。
医薬組成物
本発明における使用のための医薬組成物または製剤には、医薬上許容し得る担体と組合せてホスホマイシンが包含されるが、これらは、好ましくは医薬上許容し得る担体、好ましくは水溶性担体または希釈剤に溶解されているか、ペグ化した調製物として、または吸入によるエアロゾルとして投与されるリポソームまたはナノ粒子の調製物として、または気管支肺胞洗浄またはブラインド気管内洗浄または注入として気管支鏡を介して投与される洗浄液として下気道に送達される。様々な水性担体を使用することができ、これには例えば0.9%の生理食塩水、緩衝生理食塩水、生理学的に相溶し得る緩衝液等が包含されるが、これらに限定しない。該組成物は、当業者には周知の従来技術により滅菌されうる。得られる水溶液は、使用するために包装されるか、無菌状態下で濾過されるか、または凍結乾燥されてもよく、この凍結乾燥調製物は投与前に滅菌水溶液に溶解される。
上記組成物は、医薬的に許容し得る助剤またはアジュバンドを含有し得る、これには例えばpH調整剤および緩衝剤および/または等張化剤、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを包含するが、これらに限定するものではない。
ホスホマイシンは、単独または1以上のさらなる抗生物質と組み合わせて投与され得る。ホスホマイシンと組み合わせて投与され得るさらなる抗生物質の例示には、ペニシリン、セファロスポリンおよび他の広範囲の抗生物質が包含されるが、これらに限定するものではない。トブラマイシンなどのアミノグリコシド類は、通常本発明には有用でなく、ホスホマイシンは本発明で投与される唯一の抗生物質であるのが好ましい。
本発明の目的のために、「1以上のさらなる抗生物質と組み合わせて」とは、ホスホマイシンと同じまたは異なる投与経路によりホスホマイシンと同時に投与される別の組成物として、およびホスホマイシンと同じまたは異なる投与経路によりホスホマイシンの投与前後に投与される別の組成物として、ホスホマイシンも含む処方計画にて、1以上のさらなる抗生物質の投与を包含することを意味する。
本発明における使用のための医薬組成物または製剤には、医薬上許容し得る担体と組み合わせたホスホマイシンが包含されるが、これらは好ましくは医薬上許容し得る担体、好ましくは水溶性担体または希釈剤に溶解されているか、ペグ化した調製物として、または吸入によるエアロゾルとして投与されるリポソームまたはナノ粒子の調製物として、または気管支肺胞洗浄としてまたはブラインド気管内洗化または洗浄のような気管支鏡を介して投与される洗浄液として下気道に送達される。様々な水性担体を使用でき、これには例えば0.9%の生理食塩水、緩衝生理食塩水、生理学的に相溶し得る緩衝液等が包含されるが、これに限定しない。該組成物は、当業者には周知の従来技術により滅菌されうる。得られる水溶液は、使用するために包装されるか、無菌状態下で濾過されるか、また凍結乾燥されてもよく、該凍結乾燥調製物は投与前に滅菌水溶液に溶解される。
ある実施形態において、凍結乾燥されたホスホマイシン調製物は、予め包装されていてもよく、例えば単回用量単位に包装されていてもよい。さらにより好ましい実施形態において、単回用量単位は被験体に対して調整される。
該組成物は、医薬的に許容し得る助剤またはアジュバンドを含有し得る、これには例えばpH調整剤および緩衝剤および/または等張化剤、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等を包含するが、これらに限定するものではない。
該製剤は、ミクロスフェア、マイクロカプセル、ナノ粒子等を包含する医薬上許容し得る担体および賦形剤を含有し得る。好ましくは、リポソームは本発明のためのホスホマイシン製剤において使用されない。
ある場合には、その標的に活性な物質の送達を促進する化合物を含むことは有利であろう。
用量
ホスホマイシンの「有効用量」とは、肺内投与を介して投与された場合に、細菌感染および/またはコロニー形成に対して静菌効果および/または殺菌効果を示す、被験体の気道および/または肺実質中のホスホマイシンの局所的肺濃度を達成するという用量を意味する。好ましい実施形態においては、投与される用量は、抗生物質耐性細菌について通常約10μg/ml、非抗生物質耐性細菌については通常約1μg/mlの最小抑制濃度(MIC)をこえる数倍高い濃度の局所肺ホスホマイシン濃度を達成する。有効量のホスホマイシンを提供すると考えられる用量は、約50mg〜5000mg、より好ましくは約200mg〜約4g、またより好ましくは約400mg〜約3.5g、さらにより好ましくは約500mg〜約3g、またより好ましくは約600mg〜約3.5mg、好ましくは約1〜2gの範囲であって、一日に1〜3回、吸入により、好ましくは、気管支肺胞洗浄(BAL)によるか、またはフェイスマスクまたは気管内麻酔管と連結した噴霧器により投与される。
ホスホマイシンは、例えば一週間あたり1〜7日、好ましくは、一週間あたり1〜6日、より好ましくは一週間あたり1〜5日、またより好ましくは一週間あたり2〜4日またはさらにより好ましくは一週間あたり2〜3日投与される。
投薬期間は、通常1日〜約4ヵ月の範囲、例えば2日〜約3ヵ月の範囲、例えば1-2日〜2ヵ月の範囲、例えば1-2日〜1ヵ月の範囲である。
調製物は、投薬形態に適合する手法で投与され、かかる量としては治療上有効であるような量で投与される。投与されるべき量は、例えば被験体の体重および年齢、処置されるべき疾患および該疾患段階などを含めた、処置されるべき被験体に依存する。有効量のホスホマイシンを提供すると考えられるkg体重あたりの好適な用量範囲は、0.5mg〜150mg/kg体重の程度、例えば約0.75mg〜125mg/kg体重の範囲、特に約1mg〜100mg/kg体重の範囲、好ましくは5mg〜90mgの範囲、例えば10mg〜80mgの範囲、例えば約15mg〜80mg/kg体重の範囲、および好ましくは約25mg〜75mg/kg体重の範囲であって、一日あたり1ないし7回、例えば一日に2ないし6回、例えば一日に3ないし5回、好ましくはおよそ一日に3ないし4回投与される。
医薬包装
本発明で使用した化合物は、単回または複数回用量のいずれかで、単独または医薬上許容し得る担体または賦形剤と組み合わせて投与され得る。製剤は、当業者には知られた方法により、便宜上、単位用量形態で存在し得る。
本発明の化合物はキットで提供されるのが好ましい。通常、かかるキットは、投与のための投薬形態において活性化合物を含有する。用量形態は、被験体に投与された場合に所望の効果が得られ得るような十分量の活性化合物を含有する。
このように、医薬包装物は、対応する投薬計画と調和する用量単位の量を含むのが好ましい。従って、一実施形態において、医薬包装物は、上記に規定したような化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容し得る担体、ビヒクルおよび/または賦形剤を含有する医薬組成物を含んでおり、該包装物は、1ないし7の用量単位を含んでおり、これにより1日以上の期間の用量単位を有し、また7ないし21の用量単位またはその複数の用量単位を含むことにより1週間または数週間の用量単位を有する。
用量単位とは、上記に規定したとおりであり得る。医薬包装物は、気管内、気管支内または肺胞内投与のためのあらゆる好適な形態で存在し得る。好ましい実施形態において、該包装物は、バイアル、アンプル、チューブ、ブリスターパック、カートリッジまたはカプセル剤の形態で存在する。
医薬包装物が、1以上の用量単位を含む場合、該医薬包装物は、1つの用量単位のみに対して各投与を調整するように提供されるのが好ましい。
好ましくは、キットは、所望の効果を達成するための投薬形態の用途および特定期間にわたり服用される用量形態の量を表示する指示書を含有する。従って、一実施形態において、該医薬包装物は、医薬組成物を投与するための指示書を含む。
さらにより好ましくは、凍結乾燥ホスホマイシン調製物は、例えば単回用量単位で予め包装されうる。さらにより好ましい実施形態において、単回用量単位は、該被験体に対して調整される。
実施例1
Ewig S ら(1998))により規定されているとおり胸部レントゲン写真にて浸潤物を有する重度の市中肺炎に罹患する被験体を、薬効範囲が広い抗生物質を静注により処理した。該被験体は静注による抗生物質治療および酸素補充に対して反応がないため、該症状は、ショック状態および臓器機能不全を含めた全身的症候を悪化させ、また高い吸気酸素分画とその後の機械的人工換気が必要である。該治療は、通常2〜4回/日にて25-75mg/kgの用量でホスホマイシンの吸入が追加される。該吸入は、噴霧器、即ちジェット駆動型ネブライザー、超音波ネブライザーおよび/または振動型メッシュ式ディスクを用いるマイクロポンプネブライザーにより媒介される。ホスホマイシンの吸入療法は、5〜10日間、または目的とする陽性の処置応答が得られるまでの間、即ち感染の兆候の緩和、例えば体温低下、白血球計測数やC反応性タンパク質(CRP)および/またはプロカルシトニン試験(PCT)の正常化、ショック状態や呼吸不全の兆候低下ならびに臓器機能不全の改善が得られるまでの間継続させる。
実施例2
3日間の機械的人工換気が施されている瀕死状態の被験体は、人工呼吸器関連肺炎(VAP)の症状および症候を示す。該被験体を、静注による抗生物質を組合せて処置し、また通常2〜4回/日にて25-75mg/kgの用量で、ネブライザー、即ちジェット駆動型ネブライザー、超音波ネブライザーおよび/または振動型メッシュ式ディスクを用いるマイクロポンプネブライザーによる吸入によりホスホマイシンを追加した。ホスホマイシンの吸入は、5〜10日間、または目的とする陽性の処置応答、即ち、感染の兆候の緩和、例えば体温低下、白血球計測数やC反応性タンパク質(CRP)および/またはプロカルシトニン試験(PCT)の正常化およびショック状態や呼吸不全の兆候低下ならびに臓器機能不全の改善が得られるまでの間継続させる。
実施例3
嚢胞性線維症罹患被験体は、肺のコロニー形成の兆候および症候を有する。静注による抗生物質を用いる先の処置や、最終的なホスホマイシンではなくトブラマイシンのような吸入用抗生物質による処置にかかわらず、通常2〜4回/日にて25-75mg/kgの用量で、ネブライザー、即ちジェット駆動型ネブライザー、超音波ネブライザーおよび/または振動型メッシュ式ディスクを用いるマイクロポンプネブライザーによるホスホマイシンの吸入により処置する。ホスホマイシンの吸入は、5〜21日間、または目的とする陽性の処置応答、即ち感染の兆候の緩和、例えば体温低下、白血球計測数やC反応性タンパク質(CRP)および/またはプロカルシトニン試験(PCT)の正常化、ならびに呼吸困難な呼吸速度の様な呼吸不全の兆候の低下が得られるまでの間継続させる。
実施例4
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による肺炎および/または気道コロニー形成を有する被験体を、通常2〜4回/日にて10-75mg/kgの用量で、ネブライザー、即ちジェット駆動型ネブライザー、超音波ネブライザーおよび/または振動型メッシュ式ディスクを用いるマイクロポンプネブライザーによるホスホマイシンの吸入により処置する。ホスホマイシンの吸入は、5〜21日の間か、培養陰性の唾液が得られるまで、または目的とする陽性の処置応答(即ち、感染の兆候の緩和、例えば体温低下、白血球計測数やC反応性タンパク質(CRP)および/またはプロカルシトニン試験(PCT)の正常化)が得られるまで継続させる。ホスホマイシンの吸入を、ホスホマイシンまたは他のMRSA感受性抗生物質と共に抗生物質静脈内投与と組み合わせてもよい。
引用文献
Ewig S、Ruiz M、Mensa J、Marcos MA、Martinez JA、Arancibia F、Niederman MS、Torres A. Severe community-acquired pneumonia. Assessment of severity criteria. Am J Respir Crit Care Med. 1998 Oct;158(4):1102-8

Claims (19)

  1. 被験体における肺および/または気道の細菌感染および/またはコロニー形成を処置する方法であって、該被験体に、唯一の活性医薬成分としてホスホマイシンを肺投与により投与することを含む、方法。
  2. ホスホマイシンの1用量が、1-100mg/kgである、請求項1の方法。
  3. ホスホマイシンの1用量が、25-75mg/kgである、請求項1の方法。
  4. ホスホマイシンの用量が、一日に2〜6回投与される、請求項1の方法。
  5. ホスホマイシンの用量が、一日に3〜4回投与される、請求項1の方法。
  6. ホスホマイシンが、気管内、気管支内または肺胞内投与により投与される、請求項1の方法。
  7. 被験体が、肺および/または気道の細菌感染またはコロニー形成を伴う肺炎または嚢胞性線維症に罹患している、請求項1の方法。
  8. 被験体が、ホスホマイシンの溶液を気管支肺胞洗液により投与される、請求項1の方法。
  9. 被験体が、ホスホマイシン溶液をブラインド気管洗浄により投与される、請求項1の方法。
  10. 被験体が、ホスホマイシンの噴霧用溶液を投与される、請求項1の方法。
  11. 被験体が、噴霧用エアロゾルまたは粉末形態にあるホスホマイシンンを投与される、請求項1の方法。
  12. 被験体が、ペグ化またはナノ粒子調製形態にあるホスホマイシンを投与される、請求項1の方法。
  13. 被験体が、気管支鏡検査中にホスホマイシンを投与される、請求項1の方法。
  14. 被験体とは哺乳類である、請求項1の方法。
  15. 哺乳類とはヒトである、請求項13の方法。
  16. ヒトとは小児である、請求項14の方法。
  17. ヒトとは成人である、請求項14の方法。
  18. 1以上のさらなる抗生物質を被験体に投与することをさらに含む、但しさらなる抗生物質がトブラマイシンではない、請求項1〜16のいずれか一項の方法。
  19. 1以上のさらなる抗生物質が静脈または肺投与により投与される、但しさらなる抗生物質がトブラマイシンではない、請求項17の方法。
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